説明

ヘテロジニアスなネットワークにおけるブロードキャスト信号の保護

本開示のある態様は、ヘテロジニアスなネットワークにおけるブロードキャスト信号の保護を提供する。本明細書に記載されているように、第1のセルにおけるダウンリンク送信のために使用される第1のリソースのセットは、第2のセルにおけるブロードキャスト信号のために使用される第2のリソースのセットとオーバラップしうる。ブロードキャスト信号は、第1のセルにおけるダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てることによって保護されうる。ここで、第3のリソースのセットは、オーバラップするリソースのセットに少なくとも部分的に基づく。

【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本願は、本特許出願の譲受人に譲渡され、本明細書において参照によって明確に組み込まれ2009年12月18日に出願された「ヘテロジニアスなネットワークにおけるブロードキャスト信号の保護」(Protection Of Broadcast Signals In Heterogeneous Networks)と題された米国仮特許出願61/288,154号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、通信に関し、さらに詳しくは、マルチ・キャリア無線通信ネットワークにおける電力制御に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークは、例えば音声、ビデオ、パケット・データ、メッセージング、ブロードキャスト等のようなさまざまな通信コンテンツを提供するために広く開発された。これら無線ネットワークは、利用可能なネットワーク・リソースを共有することにより、複数のユーザをサポートすることができる多元接続ネットワークでありうる。このような多元接続ネットワークの例は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、およびシングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワークを含む。
【0004】
無線通信ネットワークは、多くのユーザ機器(UE)のための通信をサポートしうる多くの基地局を含みうる。UEは、ダウンリンクおよびアップリンクによって基地局と通信しうる。ダウンリンク(すなわち順方向リンク)は、基地局からUEへの通信リンクを称し、アップリンク(すなわち逆方向リンク)は、UEから基地局への通信リンクを称する。
【0005】
基地局は、ダウンリンクで1または複数のUEへデータを送信し、アップリンクで1または複数のUEからデータを受信する。ダウンリンクにおいては、基地局からのデータ送信が、近隣の基地局からのデータ送信による干渉を観察しうる。アップリンクにおいては、UEからのデータ送信が、近隣の基地局と通信する他のUEからのデータ送信による干渉を観察しうる。ダウンリンクとアップリンクとの両方について、干渉元の基地局および干渉元のUEによる干渉が、パフォーマンスを低下させうる。
【発明の概要】
【0006】
本開示のある態様は、無線通信ネットワークにおける無線通信のための方法を提供する。この方法は一般に、第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定することと、第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定することと、ここで、第1のリソースのセットと、第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、第1のセルにおけるダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てることと、ここで、第3のリソースのセットは、オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、を含む。
【0007】
本開示のある態様は、無線通信ネットワークにおける無線通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定する手段と、第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定する手段と、ここで、第1のリソースのセットと、第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、第1のセルにおけるダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てる手段と、ここで、第3のリソースのセットは、オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、を含む。
【0008】
本開示のある態様は、無線通信ネットワークにおける無線通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定し、第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定し、ここで、第1のリソースのセットと、第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、第1のセルにおけるダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てる、ここで、第3のリソースのセットは、オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、ように構成された少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリと、を含む。
【0009】
本開示のある実施形態は、格納された命令群を有するコンピュータ読取可能な媒体を備える、無線通信のためのコンピュータ・プログラム製品を提供する。これら命令群は、一般に、第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定し、第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定し、ここで、第1のリソースのセットと、第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、第1のセルにおけるダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てる、ここで、第3のリソースのセットは、オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、ために、プロセッサによって実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本開示のある態様にしたがう、ヘテロジニアスな無線通信ネットワークの例を例示する。
【図2】図2は、本開示のある態様にしたがう、アクセス・ポイントおよびアクセス端末の構成要素の例のブロック図を例示する。
【図3】図3は、本開示のある態様にしたがう、無線通信システムの構成要素の例を例示する。
【図4】図4は、本開示のある態様にしたがって、リソースを割り当てるための動作の例を例示する。
【図5】図5は、本開示のある態様にしたがうキャリア・セグメントと拡張キャリアとの例を例示する。
【図6】図6は、本開示のある態様にしたがう、拡張物理ダウンリンク共有チャネル・リソースの例を例示する。
【図7】図7は、本開示のある態様にしたがう、保護されるべきブロードキャスト信号を備えたFDDフレームの例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
さまざまな態様が、図面を参照して記載される。以下の記載では、説明の目的のために、1または複数の態様の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられる。しかしながら、このような態様(単数または複数)は、これら具体的な詳細無しで実現されることが認識されるだろう。
【0012】
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」等は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアのうちの何れかであるコンピュータ関連エンティティを含むことが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピューティング・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピューティング・デバイスとの両方が構成要素となりうる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されるか、および/または、2つ以上のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納したさまざまなコンピュータ読取可能な媒体から実行可能である。これら構成要素は、例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを介して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。
【0013】
さらに、本明細書では、さまざまな態様が、有線端末または無線端末でありうる端末と関連して開示される。端末は、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイル・デバイス、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、通信デバイス、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、またはユーザ機器(UE)とも称されうる。無線端末は、セルラ電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド・デバイス、コンピューティング・デバイス、あるいは、無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。さらに、本明細書では、さまざまな態様が、基地局に関して記載される。基地局は、無線端末(単数または複数)と通信するために利用され、アクセス・ポイント、ノードB、eノードB(eNB)、あるいはその他いくつかの用語で称されうる。
【0014】
さらに、用語「または」は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別に示されていない場合、あるいは、コンテキストから明らかではない場合、「XはAまたはBを適用する」という句は、自然な包括的な置き換えのうちの何れかを意味することが意図されている。すなわち、「XはAまたはBを使用する。」という句は、以下の例のうちの何れによっても満足される。XはAを使用する。XはBを使用する、あるいは、XはAとBとの両方を使用する。さらに、本願および特許請求の範囲で使用されているような冠詞“a”および“an”は、特に指定されていない場合、あるいは、単数を対象としていることがコンテキストから明らかではない場合、一般に、「1または複数」を意味するものと解釈されるべきである。
【0015】
本明細書に記載された技術は、例えば符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワーク等のようなさまざまな無線通信ネットワークのために使用される。「システム」、「ネットワーク」という用語は、しばしば置換可能に使用される。CDMAネットワークは、例えば、ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、CDMA2000等のようなラジオ技術を実現しうる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)および低チップ・レート(LCR)を含む。CDMA2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のようなラジオ技術を実現しうる。
【0016】
OFDMAネットワークは、例えば、イボルブドUTRA(E−UTRA)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のようなラジオ技術を実現する。UTRA、E−UTRA、およびGSMは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。ロング・ターム・イボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E−UTRA、GSM、UMTS、およびLTEは、「第3世代パートナシップ計画」(3GPP)と命名された組織からの文書に記載されている。CDMA2000は、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記載されている。これらさまざまなラジオ技術および規格は、当該技術分野において知られている。明確にするために、これら技術のある態様は、以下において、LTEについて記載されており、LTE用語が以下の説明の多くで使用される。
【0017】
単一キャリア変調および周波数領域等値化を利用するシングル・キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)は、OFDMAシステムのものと同等のパフォーマンスと、実質的に同じ全体的な複雑さとを持つ技術である。SC−FDMA信号は、固有のシングル・キャリア構造により、低いピーク対平均電力比(PAPR)を有する。SC−FDMAは、送信電力効率の観点において、低いPAPRがモバイル端末に有益となるアップリンク通信において特に、大きな注目を集めた。
【0018】
図1は、本開示のさまざまな態様が実現されうるヘテロジニアスな無線ネットワーク100の例を例示する。
【0019】
無線通信ネットワーク100は、LTEネットワークまたはその他いくつかの無線ネットワークでありうる。無線ネットワーク100は、多くのイボルブド・ノードB(eNB)110およびその他のネットワーク・エンティティを含みうる。eNBは、UEと通信するエンティティであり、基地局、ノードB、アクセス・ポイント等とも称されうる。おのおののeNBは、特定の地理的エリアのために通信有効範囲を提供する。3GPPでは、用語「セル」は、この用語が使用されるコンテキストに依存して、この有効通信範囲エリアにサービス提供しているeNBおよび/またはeNBサブシステムからなる有効通信範囲エリアを称しうる。
【0020】
eNBは、マクロ・セル、ピコ・セル、フェムト・セル、および/または、その他のタイプのセルのために、通信有効通信範囲を提供しうる。マクロ・セルは、比較的大きな地理的エリア(例えば、半径数キロメータ)をカバーし、サービス加入を持つUEによる無制限のアクセスを許可しうる。ピコ・セルは、比較的小さな地理的エリアをカバーし、サービス加入を持つUEによる無制限のアクセスを許可しうる。フェムト・セルは、比較的小さな地理的エリア(例えば、自宅)をカバーし、フェムト・セルとの関連を持つUE(例えば、クローズド加入者グループ(CSG)におけるUE)による無制限のアクセスを許可しうる。マクロ・セルのためのeNBは、マクロeNBと称されうる。ピコ・セルのためのeNBは、ピコeNBと称されうる。フェムト・セルのためのeNBは、フェムトeNBまたはホームeNB(HeNB)と称されうる。図1に示す例では、eNB110aは、マクロ・セル102aのためのマクロeNBであり、eNB110bは、ピコ・セル102bのためのピコeNBであり、eNB110cは、フェムト・セル102cのためのフェムトeNBでありうる。eNBは、1または複数(例えば3つ)のセルをサポートしうる。「eNB」、「基地局」、および「セル」という用語は、本明細書において置換可能に使用されうる。
【0021】
無線ネットワーク100はさらに、中継局をも含みうる。リレーは、データの伝送を上流局(例えば、eNBまたはUE)から受信し、データの伝送を下流局(例えば、UEまたはeNB)へ送信するエンティティである。リレーまた、他のUEのための送信を中継するUEでもありうる。図1に示される例において、リレー110dは、eNB110aとUE120dとの間の通信を容易にするために、バックホール・リンクを介してマクロeNB110aと、アクセス・リンクを介してUE120dと通信しうる。リレーはまた、中継eNB、中継局、中継基地局等とも称されうる。
【0022】
無線ネットワーク100はまた、例えば、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、中継eNB等のような異なるタイプのeNBを含むヘテロジニアスなネットワークでありうる。これら異なるタイプのeNBは、異なる送信電力レベル、異なる有効通信範囲サイズ、および、無線ネットワーク100内の干渉に対する異なるインパクトを有しうる。例えば、マクロeNBは、高い送信電力レベル(例えば、5乃至40ワット)を有する一方、ピコeNB、フェムトeNB、およびリレーは、低い送信電力レベル(例えば、0.1乃至2ワット)を有しうる。
【0023】
ネットワーク・コントローラ130は、eNBのセットに接続しており、これらeNBに対して調整および制御を提供しうる。ネットワーク・コントローラ130は、単一のネットワーク・エンティティであるか、ネットワーク・エンティティの集合でありうる。ネットワーク・コントローラ130は、バックホールを介してeNBと通信しうる。eNBはまた、例えば、ダイレクトに、または、無線または有線のバックホールを介して非ダイレクトに、互いに通信しうる。
【0024】
無線ネットワーク100の全体にわたって、多くのUE120が分布しうる。そして、おのおののUEは、固定式または移動式でありうる。UEは、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局等とも称されうる。UEは、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドヘルド・デバイス、ラップトップ・コンピュータ、コードレス電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、スマート・フォン、ネットブック、スマートブック等でありうる。UEは、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、リレー等と通信することができうる。UEはまた、別のUEとピア・トゥ・ピア(P2P)を通信することができうる。図1に示された例では、UE120e、120fが、無線ネットワーク100内のeNBと通信することなく、互いにダイレクトに通信しうる。P2P通信は、UE間のローカルな通信のために、無線ネットワーク100における負荷を低減しうる。また、UE間のP2P通信によって、1つのUEは、他のUEのためのリレーとして動作できるようになるので、他のUEが、eNBに接続することが可能になる。
【0025】
図1では、2つの矢印を持つ実線が、ダウンリンクおよび/またはアップリンクでUEにサービス提供するように指定されたeNBであるサービス提供eNBと、UEとの間の所望の送信を示す。2つの矢印を持つ破線は、UEとeNBとの間の干渉送信を示す。
【0026】
UEは、複数のeNBの有効通信範囲内に存在しうる。これらのeNBのうちの1つは、UEにサービス提供するために選択されうる。サービス提供eNBは、例えば受信信号強度、受信信号品質、経路喪失等のようなさまざまな基準に基づいて選択されうる。受信信号品質は、信号対雑音および干渉比(SINR:signal-to-noise-and-interference ratio)、または基準信号受信品質(RSRQ:reference signal received quality)、またはその他のメトリックによって定量化されうる。
【0027】
UEは、1または複数の干渉元のeNBからの高い干渉を観察しうる支配的な干渉シナリオで動作しうる。支配的な干渉シナリオは、制限された関連付けによって生じうる。例えば、図1では、UE120cが、フェムトeNB110cの近くにあり、eNB110cに関し高い受信電力を有しうる。しかしながら、UE120cは、制限された関連付けによって、フェムトeNB110cへアクセスすることができず、低い受信電力のマクロeNB110aに接続しうる。UE120cは、その後、ダウンリンクで、フェムトeNB110cからの高い干渉を観察し、アップリンクで、フェムトeNB110cへの高い干渉を引き起こしうる。
【0028】
支配的な干渉シナリオはまた、範囲拡張によっても生じうる。これは、経路喪失が低く、かつ、UEによって検出されたすべてのeNBの中でも恐らくはSINRが低いeNBにUEが接続するシナリオである。例えば、図1では、UE120bは、マクロeNB110aよりもピコeNB110bの近くに配置され、ピコeNB110bに関し低い経路喪失しか有さない。しかしながら、UE120bは、マクロeNB110aと比較してピコeNB110bの送信電力レベルが低いことによって、ピコeNB110bについて、マクロeNB110aよりも低い受信電力しか有さない。それにも関わらず、UE120bは、低い経路喪失によって、ピコeNB110bに接続することが望ましいことがありうる。この結果、UE120bにとって、所与のデータ・レートの場合、無線ネットワークへの干渉が低くなりうる。
【0029】
支配的な干渉シナリオにおける通信をサポートするために、さまざまな干渉管理技術が使用されうる。これらの干渉管理技術は、準静的リソース分割(これは、セル間干渉調整(ICIC:inter-cell interference coordination)と称されうる)、動的リソース割当、干渉除去等を含みうる。準静的リソース分割は、リソースを異なるセルへ割り当てるために(例えば、バックホール・ネゴシエーションによって)実行されうる。これらリソースは、サブフレーム、サブ帯域、キャリア、リソース・ブロック、送信電力等を含みうる。セルはそれぞれ、他のセルまたはこれらUEからの干渉がほとんど観察されないか、または、まったく観察されないリソースのセットを割り当てられる。動的なリソース割当はまた、ダウンリンクおよび/またはアップリンクで強い干渉を観察しているUEのための通信をサポートするために必要とされるようなリソースを割り当てるために、(例えば、セルとUEとの間のオーバ・ザ・エア・メッセージを交換することによって)実行されうる。干渉除去はまた、干渉元のセルからの干渉を緩和するためにUEによって実行されうる。
【0030】
無線ネットワーク100は、ダウンリンクおよびアップリンクにおけるデータ送信のために、ハイブリッド自動反復要求(HARQ)をサポートしうる。HARQの場合、パケットが受信機(例えば、UE)によって正確に復号されるか、または、その他の終了条件に到達するまで、送信機(例えば、eNB)は、パケットの1または複数の伝送を送りうる。同期HARQの場合、パケットのすべての送信が、単一のHARQインタレースのサブフレームで送信されうる。これは、Q番目毎のサブフレームを含みうる。ここで、Qは、4、6、8、19、またはその他いくつかの値に等しくなりうる。非同期HARQの場合、パケットの送信はそれぞれ、任意のサブフレームで送られうる。
【0031】
無線ネットワーク100は、同期動作または非同期動作をサポートしうる。同期動作の場合、eNBは、類似したフレーム・タイミングを有し、異なるeNBからの送信は、時間的にほぼ揃えられうる。非同期動作の場合、eNBは、異なるフレーム・タイミングを有し、異なるeNBからの送信は、時間的に揃えられない場合がある。
【0032】
無線ネットワーク100は、FDDまたはTDDを利用しうる。FDDの場合、ダウンリンクとアップリンクは、個別の周波数チャネルを割り当てられ、ダウンリンク送信およびアップリンク送信は、2つの周波数チャネルで同時に送信されうる。TDDの場合、アップリンクとダウンリンクとが同じ周波数チャネルを共有し、ダウンリンク送信およびアップリンク送信が、異なる期間において、同じ周波数チャネルで送信されうる。
【0033】
(ヘテロジニアスなネットワークにおけるブロードキャスト信号の保護)
例示されるように、ある態様によれば、ヘテロジニアスな無線ネットワーク100における別のeNBは、拡張キャリアおよび/またはキャリア・セグメントを適用することによって、UEのための物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に割り当てられるリソースを「拡張」するように構成されうる。例示されるように、マクロeNB110aは、フェムト・セル102cにおいてサービス提供されているUEによって使用されている成分キャリアの一部を割り当てることによって、UE120cのためのPDSCHを拡大する方式で、PDCCH132によってリソースを割り当てうる。同様に、マクロeNB110bは、マクロ・セル102aにおいてサービス提供されているUEによって使用されている成分キャリアの一部を割り当てることによって、UE120bのためのPDSCHを拡大する方式で、PDCCH134によってリソースを割り当てうる。
【0034】
以下にさらに詳しく記載されるように、この割当は、適切な動作のための信頼できる復号を行うためにUEが必要とするブロードキャスト信号を「保護」するように設計される方式でなされうる。この保護は、第2のセル(「干渉を受けるセル」)におけるブロードキャスト信号のために割り当てられたリソースとオーバラップする、第1のセル(「干渉元のセル」)におけるダウンリンク送信のために使用されるリソースを注意深く割り当てることによって達成されうる。
【0035】
例として、キャリアを活用する場合、いくつかのセル(例えば、低電力クラス・ノード)のあるブロードキャスト信号(例えば、PBCH/PSS/SSS)の送信は、干渉元のセルからのダウンリンク送信が、ブロードキャスト信号のために使用されるリソース・ブロック(RB)を用いることを回避できるように、リソースを割り当てることによって、いくつかの干渉元のセル(例えば、高電力クラス・ノード)から保護されうる。以下に詳細に記載されるように、この保護を達成するためのさまざまなオプションが存在しうる。
【0036】
1つの例示的であるが限定しない例として、第1のセルは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のための第1の成分キャリア(CC:component carrier)のリソースを利用し、第2のCCのリソースを利用することによって、PDSCHを「拡張」しうる。拡張されたPDSCHのために使用される第2のCCのリソースは、第2のセルにおいてブロードキャスト信号を送信するために使用されるリソースとオーバラップしうる。したがって、ブロードキャスト信号は、第2のセルにおけるブロードキャスト信号のために使用されるリソースとの干渉の回避を試みる方式で、PDSCHを拡張するために使用される第2のCCのリソースを割り当てることによって保護されうる。
【0037】
図2は、無線システム200の例における典型的な基地局210とアクセス端末250との構成要素の例を示すブロック図200である。基地局210は、例えば、図1に例示されるeNB110のうちの1つのようなeNBまたはアクセス・ポイントでありうる。そして、アクセス端末250は、図1に例示されるUE120のうちの1つのようなユーザ機器でありうる。
【0038】
基地局210では、多くのデータ・ストリームのためのトラフィック・データが、データ・ソース212から送信(TX)データ・プロセッサ214へ提供される。プロセッサ230は、AT250に送信されるべき制御情報を生成しうる。例示されるように、プロセッサ230は、異なるリソースが、ヘテロジニアスなネットワーク内の異なるセル間でどのように割り当てられるのかを示すリソース割当情報を受信しうる。ある態様によれば、リソース割当情報は、異なるセル(例えば、「干渉を受けるセル」)においてブロードキャスト信号を送信するために使用されるリソースのセットを示しうる。以下に記載されるように、この情報は、現在のセルにおけるダウンリンク送信のためにリソースを割り当てることによって、ブロードキャスト信号を保護するために使用されうるので、他のセル内のブロードキャスト信号とは互いに干渉しない。
【0039】
リソース割当情報は、例えば、(図2に示さない)バックホール接続によって交換されうる。そして、リソース・ネゴシエーションの結果でありうる。このため、変動するネットワーク条件とともにネゴシエーションが変化すると、リソース割当情報は、経時的に変動しうる。いずれの場合も、プロセッサ230は、PDSCH(または拡張されたPDSCH)として使用するためにAT250にリソースを割り当てるためにダウンリンク送信で送られる適切なPDCCHを生成するために、この情報を利用しうる。
【0040】
TXデータ・プロセッサ214は、符号化されたデータを提供するためにデータ・ストリームのために選択された特定の符号化スキームに基づいて、各データ・ストリームのためのトラフィック・データをフォーマットし、符号化し、インタリーブする。制御情報、および、データ・ストリームについて符号化されたデータは、OFDM技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。
【0041】
パイロット・データは一般に、既知の手法で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル応答を推定するために受信機システムにおいて使用されうる。各データ・ストリームの多重化されたパイロットおよび符号化されたデータは、その後、変調シンボルを提供するためにデータ・ストリームについて選択された特定の変調スキーム(例えば、バイナリ・フェーズ・シフト・キーイング(BPSK)、直交フェーズ・シフト・キーイング(QPSK)、Mが一般に2の累乗であるM−PSK、またはM−QAM(直交振幅変調))に基づいて変調(すなわち、シンボル・マップ)される。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符号化、および変調は、メモリ232に接続されうるプロセッサ230によって実行される命令群によって決定されうる。
【0042】
すべてのデータ・ストリームの変調シンボルは、(例えば、OFDMのために)変調シンボルをさらに処理するTX MIMOプロセッサ220に提供される。TX MIMOプロセッサ220はその後、N個の変調シンボル・ストリームを、N個の送信機(TMTR)222a乃至222tへ提供する。ある態様では、TX MIMOプロセッサ220は、データ・ストリームのシンボル、および、このシンボルが送信されるアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
【0043】
送信機222は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのダウンリンク成分キャリアのシンボル・ストリームを受信して処理し、さらには、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供するために、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)する。送信機222a乃至222tからのN個の変調信号は、その後、N個のアンテナ224a乃至224tからそれぞれ送信される。
【0044】
アクセス端末250では、ダウンリンク成分キャリアについて送信された変調信号が、N個のアンテナ252a乃至252rによって受信され、おのおののアンテナ252から受信されたこれら信号が、受信機254a乃至254rのうちのそれぞれの受信機(RCVR)へ提供される。おのおのの受信機254は、受信したそれぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにこのサンプルを処理して、対応する「受信された」シンボル・ストリームを提供する。
【0045】
RXデータ・プロセッサ260は、N個の受信機254からN個のシンボル・ストリームを受信し、受信したN個のシンボル・ストリームを、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、N個の検出済みシンボル・ストリームを提供する。その後、例えば、PDSCHおよびブロードキャスト信号(これは、ここで記載されているように、潜在的に干渉をもたらすセルにおける注意深いリソース割当によって保護されうる)を含む制御情報およびトラフィック・データを復元するために、RXデータ・プロセッサ260が、構成された各成分キャリアについて検出された各データ・シンボルを復調し、逆インタリーブし、復号する。
【0046】
RXデータ・プロセッサ260による処理は、送信機システム210におけるTX MIMOプロセッサ220およびTXデータ・プロセッサ214によって実行されるものと相補的である。プロセッサ270は、(後述するように)どのプリコーディング行列を使用するのかを定期的に決定する。プロセッサ270は、行列インデクス部およびランク値部を備えたアップリンク・メッセージを規定する。
【0047】
プロセッサ270は、例えば、PDSCH(または拡張されたPDSCH)およびブロードキャスト信号のための、リソース割当情報を受信しうる。プロセッサ270は、これら信号のためにどのリソースが使用されるのかを、この情報に基づいて決定しうる。
【0048】
アップリンク(逆方向リンク)メッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータ・ストリームに関するさまざまなタイプの情報を備えうる。アップリンク・メッセージは、その後、多くのデータ・ストリームに関するトラフィック・データをデータ・ソース236から受け取るTXデータ・プロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a乃至254rによって調整されうる。
【0049】
送信機システム210では、アクセス端末250からのアップリンク送信が、アンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、RXデータ・プロセッサ242によって処理されて、受信機システム250によって送信された逆方向リンク・メッセージを抽出する。プロセッサ230は、その後、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するかのようなさまざまなパラメータを決定し、抽出されたメッセージを処理し続ける。
【0050】
前述したように、マルチ・キャリア動作がサポートされるシステムでは、UEは、複数の成分キャリア(CC)をモニタし、これら複数のCCによってサービス提供されうる。このようなシステムでは、効率的な制御を提供するために、キャリア間シグナリングがサポートされうる。これは特に、変動する電力レベルで送信するアクセス・ポイントを有する異なるタイプのセル(例えば、マクロ・セル、ピコ・セル、およびフェムト・セル)がオーバレイされる、ヘテロジニアスなネットワークのコンテキストにおいて望ましい。
【0051】
例えば、以前の規格のバージョンとの互換性を持つUE(「レガシー」UE)への後方互換性を提供するために、別のタイプのCCが存在しうる。CCのこのような組み合わせは、高められたUEスループットのみならず、ヘテロジニアスなネットワークのために特により効率的な干渉管理をももたらしうる。ここに記載したように、CCのリソースの一部(例えば、キャリア・セグメントまたは拡張キャリア)は、(非レガシー)UEのPDSCHを拡張するために使用されうる。
【0052】
ある態様によれば、第1のセルにおいてダウンリンク送信のために使用されるCCの一部と、第2のセルにおいてブロードキャスト信号を送信するために使用される同じCCのリソースとの間の干渉を低減するために、注意が払われうる。これらブロードキャスト信号は、例えば、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)、1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)、共通基準信号(CRS)、チャンネル状態情報基準信号(CSI−RS)、等を含みうる。
【0053】
図3は、1または複数の他のセルにおけるダウンリンク送信のためにも使用される1つのセルにおけるCCにおけるブロードキャスト送信を保護することができる通信システム300の例を例示する。上述したように、これは、ブロードキャスト信号を用いる他のセル内のダウンリンク送信間の干渉を低減するために、別のリソースのセットが割り当てられる協調リソース割当によって達成されうる。図1におけるように、干渉する送信は、破線を用いて示されている。
【0054】
例示するように、システム300は、(本明細書で「干渉元の基地局」と称される)第1のセルの基地局302と、(本明細書で「干渉を受ける基地局」と称される)第2のセルの基地局304とを含む。基地局302/304およびUE306は、おのおのが、図1−2に関連して記載されている基地局およびUEと類似の方式で動作しうる。ある態様によれば、マルチ・キャリア動作のために、基地局302または基地局304はUE304のPDSCHを、複数のキャリアにわたって拡張するために、割当情報を生成しうる。このような場合、割当は、同じCC内のリソースを用いて送信されるその他のセル内の拡張されたPDSCHとブロードキャスト信号との間の干渉を低減するために実行されうる。
【0055】
例示されるように、干渉元の基地局302からの送信は、干渉を受ける基地局304からの送信と干渉し、例えば、干渉を受ける基地局304から送信された信号を適切に復号するために、ユーザ機器(UE)306の機能を妨げる。図示しないが、干渉元の基地局302および/または干渉を受ける基地局304に類似した任意の数の基地局が、システム300に含まれるか、および/または、UE306に類似した任意の数のUEが、システム300に含まれうることが考慮される。
【0056】
システム300は、異なる電力クラスのノード(例えば、干渉元の基地局302および干渉を受ける基地局304のような基地局)が共存しうるヘテロジニアスなネットワークでありうる。このようなシステムでは、UE(例えば、UE306または図示しない他のUE)は、異なる電力クラスのセルからのノードから、ダウンリンクにおける強い干渉を観察しうる。例は、クローズド加入者グループ(CSG)セルにおける場合であり、マクロUEは、CSGセルにアクセスすることが許可されていないが、CSGセルからの強いダウンリンク(DL)干渉を観察し、マクロUEのための有効通信範囲ホールを効果的に形成する。
【0057】
さまざまな技術が、同一チャネル配置のコンテキストにおいてこのような干渉を低減するための干渉試行を管理するために適用されうる。例として、1または複数の基地局が、1または複数のサブフレームにおける送信を回避または制限する(よって、送信がブランクに見える)ブランクまたは「ほとんどブランク」なサブフレーム(ABSF)は、時分割多重化(TDM)ベースのリソース管理を可能にしうる。干渉元のセルからの干渉は、ブランク・サブフレームによって低減されうる。「ほとんど」ブランクなサブフレームを用いることで、データ領域は完全にブランクとされうる。一方、制御領域は、物理制御フォーマット・インジケータ・チャネル(PCFICH)しか有さず、物理HARQ ACK/NAKインジケータ・チャネル(PHICH)/物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の送信を省略する。さらに、マクロ・セルの有効通信範囲を縮小する恐れがあるにも関わらず、ホモジニアスなネットワークを近似するために、高電力クラスのノードの送信電力が低減されうる。
【0058】
多数のキャリアを使用することも、干渉を低減することに役立つ。この例によれば、干渉元の基地局302は、キャリア・アグリゲーション構成要素308を含みうる。そして、干渉を受ける基地局304は、キャリア・アグリゲーション構成要素310を含みうる。キャリア・アグリゲーション構成要素308およびキャリア・アグリゲーション構成要素310によって、UEに隣接したスペクトルおよび/または非隣接のスペクトルの集合が、対応する物理レイヤ(PHY)リソースへのアクセスを有することが可能となりうる。ある態様によれば、1つのキャリアから別のキャリアへのリソース割当が、PDCCHに組み込まれた合意された「キャリア・インジケータ・フィールド」を用いることによって可能とされうる。キャリア・アグリゲーション構成要素308およびキャリア・アグリゲーション構成要素310は、例えばキャリア拡張(セグメント)および拡張キャリアのような1または複数の非後方互換概念を実施しうる。
【0059】
例示されるように、干渉を受ける基地局304はさらに、特定のCCにおいダウンリンクでブロードキャスト信号を送信しうるブロードキャスト構成要素312を含みうる。あいにく、干渉元の基地局302によって送信された物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を用いたダウンリンク・データ送信は、ブロードキャスト信号を送信するために使用されるリソースとオーバラップしうる。
【0060】
干渉を受ける基地局304のブロードキャスト信号とPDSCH送信との間の干渉を回避するために、干渉元の基地局302は、本明細書に記載された技術を用いて干渉を管理しうる干渉管理構成要素314を含みうる。ある態様によれば、干渉管理構成要素314は、バックホール・リンク320を介してブロードキャスト信号を送信するために、干渉を受ける基地局304によって利用されているリソースに関する情報を交換しうる。
【0061】
図4は、本開示のある態様にしたがって、ブロードキャスト信号を保護するために、例えば干渉元の基地局304によって実行されうる動作400の例を例示する。これら動作を実行している基地局は、図1−3のうちの何れかに関連して記載されている通りである。例えば、典型的な動作400は、1または複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ230)によって、または、1または複数の構成要素(例えば、構成要素308−314)によって指示されうる。
【0062】
402では、基地局は、第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定する。404では、基地局は、第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定する。ここで、第1のリソースのセットと、第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える。406では、基地局は、第1のセルにおけるダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てる。ここで、第3のリソースのセットは、オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく。ある態様によれば、第3のリソースのセットは、第1のリソースのセットのサブセットを備えうる。ある態様によれば、第1のセットにおける(が、第3のセットにおけるリソースではない)リソースを利用する送信が、ゼロ電力で実行されうる(したがって、従来のマッピングが利用されうるものの、ブロードキャスト信号を保護するための電力制御を伴う)。
【0063】
本明細書に記載された技術は、あるセルにおけるブロードキャスト信号を、他のセルにおけるダウンリンク送信による干渉から保護するために使用されうる。この保護は、干渉を受ける(または、干渉を受ける可能性のある)セルにおいてブロードキャスト信号を送信するために割り当てられたリソースの知見に基づいて、干渉元の(または、干渉元となる可能性のある)セルにおけるダウンリンク送信のためのリソースを注意深く割り当てることによって達成されうる。
【0064】
例えばLTE「アドバンスト」(LTE−A)のようなさまざまなシステムにおいて、キャリア・アグリゲーションによって、UEのための隣接したスペクトルまたは非隣接のスペクトルの集合が、対応するPHYリソースへのアクセスを有することが可能となる。1つのキャリアから別のキャリアへのリソース割当が可能とされうる。例として、これは、PDCCHに埋め込まれた合意済キャリア・インジケータ・フィールド(CIF)を用いることによって可能とされうる。別の例として、これは、集合におけるキャリアを、特に、以下に記載するキャリア拡張の場合、リソース割当に関する1つのキャリアとして取り扱うことによって、可能とされうる。
【0065】
PDSCHを拡張するために、例えば、キャリア拡張(セグメント)および拡張キャリアのような、主要なCC以外の異なるメカニズムが使用されうる。本明細書で使用されているように、キャリア・セグメントという用語は、一般に、既存の(例えば、LTE Rel−8互換)成分キャリア(一般に、合計して110RBよりも大きくない)の帯域幅拡張として定義されているセグメントを称する。新たな送信帯域幅が、キャリア・アグリゲーション手段を補完する後方互換方式で必要とされる場合、キャリア・セグメントは、周波数リソースの利用を可能としうる。このメカニズムは、キャリア・アグリゲーション設定において必要となるであろう更なるPDCCH送信を低減し、また、セグメントに対応する部分のために、小さなサイズのTBを使用することを低減しうる。したがって、キャリア・セグメントは、オリジナルのキャリア帯域幅の後方互換性を維持しながら、成分キャリアへさらなるリソース・ブロックを集めることを可能にしうる。キャリア・セグメントは、1つの成分キャリアに常に隣接しているとして定義され、1つの成分キャリアにリンクされうる(そして、「スタント・アロン」では使用されない)。キャリア・セグメントはまた、その用途に限定され、例えば、同期信号、システム情報、またはページングを提供しない。
【0066】
図5における図解500は、LTE Rel.8と後方互換性があると例示された、成分キャリア(キャリア0)に隣接したキャリア・セグメント(セグメント1およびセグメント2)の例を例示する。ここに示すように、セグメントは、CCの拡張であるので、拡張(単数または複数)を伴うCCは、単一のHARQエンティティと考慮されうる。キャリア0におけるPDCCHでは、PDSCHを拡張する際に使用するために、拡張のうちの1または複数の割り当てがなされうる。
【0067】
拡張キャリアは、キャリア・セグメントと同様の思想で設計されうる。しかしながら、拡張キャリアは、(Rel−8 UEとの)後方互換性があるか、またはない、実際の成分キャリア自身でありうる。2つの異なる成分キャリアである後方互換性キャリアおよび拡張キャリアは、独立したH−ARQ処理および伝送ブロックを仮定しうる。
【0068】
図5における図解520は、後方互換性のある成分キャリア(キャリア0)にリンクされた拡張キャリア(キャリア1)の例を例示する。ここに示すように、拡張キャリアは、実際の成分キャリアでありうるので、独立したHARQエンティティとして取り扱われうる。繰り返すが、キャリア0におけるPDCCHでは、PDSCHを拡張する際に使用するために拡張キャリアの割り当てがなされうる。
【0069】
図5に示すように、拡張キャリアおよびキャリア・セグメントは、後方互換成分キャリアにリンクされ、いくつかの場合には、スタンド・アロン方式では使用されない。同期信号、システム情報、UEのためのページング、および、例えばRel−8 PDCCH、Rel−8 PHICH、およびRel−8 PCFICHのようなさまざまな制御チャネルを伝送するために使用することを禁じるように、拡張キャリアおよび/またはセグメントの使用が制限されうる。さらに、これらの拡張メカニズムは、ランダム・アクセスまたはUEキャンピングにおける使用のために禁じられうる。拡張キャリアおよびセグメントは、LTE Rel 8(「レガシー」)UEによって認識されないし、および/または、アクセス可能でもない。
【0070】
本明細書で提案されたヘテロジニアスなネットワーク(HetNet)におけるこれらのキャリア・アグリゲーション・メカニズムを使用することによって、高電力ノード(例えば、マクロUE)および低電力ノード(例えば、フェムト/ピコ・ノードUE)のためのスペクトルの準静的な分割が可能となりうる。ある態様によれば、拡張キャリアおよびキャリア・セグメントは、HetNetのための干渉管理に適切でありうる。この場合、スペクトルの別の部分が、別のタイプのノードによって別に解釈されうる。
【0071】
例えば、図6のリソース図610に例示するように、高電力ノードのための拡張PDSCHは、1つの後方互換キャリア(CC1)と、拡張PDSCH領域とを備える。拡張PDSCH領域は、少なくとも1つのキャリア・セグメント(CS1)または拡張キャリア(EC2)を備えるか、第2の成分キャリア(CC2)からなりうる。ある態様によれば、レガシーUE(例えば、Rel−8またはそれ以前)はCC1においてのみサービス提供されうるが、非レガシーUE(Rel−9またはそれ以降)は、CC1とCS1/EC2との両方によってサービス提供されうる。しかしながら、例示するように、CS1/EC2におけるリソースの割当は、CC1における制御領域612を介しうる。
【0072】
図6における図解610は、高電力ノードの観点から利用可能なスペクトルの解釈の例を示すことが注目されるべきである。一方、図解620は、低電力ノードの観点からの同じスペクトルの解釈の例を示す。例示するように、拡張PDSCHは、低電力ノードの観点から、1つの後方互換キャリア(CC2)と、拡張キャリア(単数または複数)EC1またはキャリア・セグメント(単数または複数)CS2または成分キャリア(CC1)とを含みうる。この例では、後方互換性を持つCC2が、制御領域を伝送し、EC1/CS2/CC1のためのリソースをシグナルしうる。この場合、CC2から割り当てられたEC1/CS2/CC1におけるPDSCHのマッピングは、CC2によってUEへ伝送されたOFDMシンボルから(または、固定されたOFDMシンボルにおいて)始まる。この例において、EC1/CS2は、制御領域を伝送せず、CC1が、通常の制御領域を伝送する。
【0073】
上述したように、この構成では、スペクトルの別の部分が、別のタイプのノードによって別に解釈されうる。一般に、高電力ノードが、CC2を用いる低電力ノードの制御領域と衝突する、CS1またはEC2を用いるシンボルにおいて、送信しないのであれば、CC2を用いる低電力ノードが、制御領域において干渉しないように、高電力ノードと低電力ノードとが構成されうる。
【0074】
ある態様によれば、「拡張PDSCH」のリソースは、(例えば、レガシー・ブロードキャスト信号が、低電力ノードによってCC2で送信されうる)低電力ノード・ブロードキャスト信号と干渉する高電力ノード・データの回避を試みる方式で割り当てられうる。ある態様によれば、ブロードキャスト信号(またはリソース・ブロック(RB)全体)を送信するために使用されるRBにおけるシンボルは、拡張PDSCHを送信する場合に回避されうる。
【0075】
例えば、ノードBは、(例えば、バックホール接続を介して)リソース分割情報を交換することによって、(例えば、高電力ノードの制御領域に対応する)制御領域624で送信されたブロードキャスト信号と、高電力ノードの拡張PDSCHとの間の干渉を回避する方式で、リソースをスケジュールすることができうる。干渉回避は、例えば、別のノードのために、拡張PDSCHのためのリソースを割り当てる場合に、CC2において低電力ノードによってブロードキャスト信号を送信するために使用されるRBを回避することによって達成されうる。
【0076】
高電力ノードのCS1またはEC2は、(例えば、LTE Rel−8またはそれ以前のものと互換性を持つ)「レガシーUE」に透過でありうる一方、(例えば、Rel−10またはそれよりも高度な、最近のリリースとの互換性を持つ)「非レガシーUE」が、高電力ノードのCC1(キャリア間シグナリング)で送信されるPDCCHを用いてスケジュールされうる。CS1またはEC2のデータ領域の送信電力は、干渉管理スキームに依存して、CC2のものよりも顕著に高くなりうるので、結果として、CC2に対して厳しい干渉をもたらす。この問題を緩和するために、含まれるセルを調整するために、バックホール情報交換またはリソース割当情報が使用されうる。
【0077】
低電力クラスのノードの場合、CC2によってサービス提供されるUEは、適切な動作のためにCC2から送信されたさまざまなブロードキャスト信号を確実に復号する必要がありうる。これらのブロードキャスト信号は、PBCH、PSS、SSS、CRS等を含みうる。PBCH、PSS、およびSSSの送信は一般に、システム内の中央の6リソース・ブロックにおけるシンボルのうちのいくつかを占有する。これは図7に例示されている。これは、FDDシステムにおけるPBCH、PSS、およびSSSのために利用されるリソースを図示するラジオ・フレームの例を示す。
【0078】
例によれば、(潜在的に)干渉をもたらす基地局に対して、(例えば、干渉を受ける基地局304のブロードキャスト構成要素312によって送信されるような、)干渉を受けるセルのPBCH/PSS/SSSを伝送するシンボル/サブフレームと衝突しうるサブフレーム内の中央の6RBにおけるシンボル(または、これらRBのグループ全体)を用いたダウンリンクにおける送信を回避させることによって、ブロードキャスト信号が保護されうる。干渉元の基地局302が、これら6RBとオーバラップするPDSCHをスケジュールする場合、干渉管理構成要素314は、これら6RBを中心とするレート・マッチをとるか、または、これら6RBをパンクチャし、これら6RB内において、残ったシンボルのみを用いるか、または、これら6RB全体を回避する。
【0079】
ブロードキャスト信号を保護する別の例として、干渉元の基地局302において衝突するPDSCH(の復調)が、CRSに基づいているのであれば、干渉管理構成要素314は、PDSCHが、(例えば、干渉を受ける基地局304のブロードキャスト構成要素312によって送信されたような)干渉を受けるセルのPBCH/PSS/SSSのシンボルと衝突するシンボルを中心としてレート・マッチされるように構成されうる。一方、干渉元の基地局302において衝突するPDSCH(の復調)が、UE−RSに基づいているのであれば、干渉構成要素314は、PDSCHが、オーバラップしているRB全体を中心としてレート・マッチされるように構成されうるか、オーバラップしているRB全体がパンクチャされうる。
【0080】
別の例として、干渉元の基地局302は、干渉を受けるセルのためのCRSトーンを中心としてレート・マッチされたPDSCHを送信しうる。したがって、干渉管理構成要素314は、干渉元の基地局302に対して、関連付けられたUEへシグナルさせうる。
【0081】
干渉元の基地局302は、PDSCHを送信し、干渉を受けるセルのためにCRSトーンが送信されるトーンをパンクチャしうる。この動作は、干渉元の基地局302に関連付けられたUEに透過的でありうる。干渉元の基地局302は、干渉を受けるこれらセルに対する計画的な干渉に基づいて、これらCRSトーンを選択的にパンクチャしうる。言い換えれば、干渉元の基地局302は、干渉防護を必要とするセルのPBCH/PSS/SSS/CRSのシンボルと衝突している、対応するサブフレーム内のシンボルを少なくとも保存しうる。これによって、干渉を受けるセルによってサービス提供されているUEのための信頼性の高いブロードキャスト信号(例えば、PBCH/PSS/SSS)が可能となりうる。
【0082】
他のセルからのブロードキャスト信号の送信を保護するために干渉を最小化することを目的として、干渉元の基地局が、いくつかのシンボルまたはRBを保存することを選択するか否かは、例えば、電力クラスの相違、アンテナ利得、関連するセル間の接近度、関連するセルにおけるUE分布/チャネル条件、スケジューリング・アルゴリズム、サービス品質(QoS)要件、および/または、1または複数のリソース管理スキーム、のようなさまざまな要因に依存しうる。また、より効率的な干渉管理のために、関連するセル間で、バックホール・リンクを介して保存情報が交換されうる。
【0083】
いくつかの同期システムでは、異なるセルからのブロードキャスト信号が、互いに衝突しうることが注目されるべきである。あるいは、異なるセルのブロードキャスト信号が、同じサブフレームにおいて生じないか、および/または、単一のサブフレーム内でまったくオーバラップしないことがある。したがって、ブロードキャスト信号を保護するために、本明細書で記載されたリソース保存は、干渉を受けるセル内の複数のサブフレームにおよびうる。
【0084】
他の態様によれば、PBCH、PSS、およびSSSに関して記載された上記技術はまた、今後のリリース(例えば、Rel−10)に導入されうるチャネル状態情報−基準信号(CSI−RS:Channel State Information - Reference Signal)にも適用されうる。
【0085】
干渉を受ける複数のセルが、ブロードキャスト信号のために同じREを有していない場合、干渉元のセルは、干渉を受ける複数のセルのためのブロードキャスト信号の保護を提供する必要があることも注目されうる。このような場合、ある態様によれば、干渉元のセルは、干渉を受けるセルのうちの1つのみ(あるいは、選択されたセットのみ)についてRE保存を実行することを選択しうる。ある態様によれば、この選択は、例えばチャネル条件、負荷、QoS等のようなさまざまな要因に基づきうる。このような情報は、バックホールを介して交換されうる。
【0086】
この選択の例として、第1のセル(セル1)が第2および第3のセル(セル2およびセル3)と干渉する場合、保存は、セル2におけるブロードキャスト送信を保護するが、セル3におけるブロードキャスト送信を保護しない方式で、セル1のみがREを保存できるようになる。この決定は、例えば、セル1からの干渉に対して、セル2が、セル3よりも感度が高いような条件に基づきうる。別の例によれば、セル1がセル2およびセル3と干渉する場合、保存は、セル1が、セル2とセル3との両方において(例えば、両方のためのREを保存することによって)、ブロードキャスト送信を保護できるようになる。
【0087】
本開示は、他のノードによるブロードキャスト信号送信を保護しながら、ヘテロジニアスなネットワークのコンテキストにおける拡張キャリアおよびキャリア・セグメントの適用を提供する。本明細書に記載されるように、スペクトルの別の部分が、別のタイプのノードによって、別に解釈されうる。
【0088】
本開示に関連して説明されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ信号(FPGA)もしくはその他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、ディスクリート・ゲートもしくはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または本明細書で説明される機能を実行するように設計されたその任意の組み合わせを用いて実施または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替案では、プロセッサを、任意の市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または順序回路とすることができる。プロセッサは、例えばDSPとマイクロ・プロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ・プロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロ・プロセッサ、またはその他任意のこのような構成であるコンピューティング・デバイスの組み合わせとして実現されうる。
【0089】
本開示に関連して記載される方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールで、あるいは、これらの組み合わせで具体化されうる。ソフトウェア・モジュールは、当該技術分野において周知のすべての形式の記憶媒体に常駐することができる。使用できる記憶媒体のいくつかの例は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROMなどを含む。ソフトウェア・モジュールは、単一の命令または複数の命令を備えることができ、複数の異なるコード・セグメント上で、異なるプログラムの間で、および複数の記憶媒体にまたがって分散させることができる。記憶媒体を、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込めるように、プロセッサに結合することができる。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。
【0090】
本明細書で開示された方法は、説明された方法を達成するための1または複数のステップまたは動作を備える。方法ステップおよび/または動作は、特許請求の範囲のスコープから逸脱せずに相互に置換することができる。言い換えると、ステップまたは動作の特定の順序が指定されていない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、特許請求の範囲のスコープから逸脱せずに変更されうる。
【0091】
記載された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいは、これらの任意の組み合わせによって実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能は、コンピュータ読取可能な媒体に、1または複数の命令群として格納される。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされうる利用可能な任意の媒体である。例として、限定することなく、このようなコンピュータ読取可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、コンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。本明細書で使用されるようなディスク(diskおよびdisc)は、コンパクト・ディスク(CD)、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびBlu−ray(登録商標)ディスクを含んでいる。ここで、diskは通常、データを磁気的に再生する一方、discは、レーザを用いてデータを光学的に再生する。
【0092】
例えば、そのようなデバイスを、本明細書で説明した方法を実行するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合することができる。代替案では、本明細書で説明されるさまざまな方法を、記憶手段(例えば、RAM、ROM、コンパクト・ディスク(CD)またはフロッピー・ディスクなどの物理記憶媒体など)を介して提供することができ、ユーザ端末および/または基地局が、記憶手段をデバイスに結合するか提供するときにさまざまな方法を入手することができる。さらに、本明細書で説明された方法および技法をデバイスに提供するために、その他任意の適切な技法を利用することができる。
【0093】
特許請求の範囲は、前述した正確な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。さまざまな修正、変更、および変形を、特許請求の範囲のスコープから逸脱せずに、前述した方法および装置の構成、動作、および詳細において実施することができる。
【0094】
前述したものは、本開示の態様に向けられているが、これら開示のその他およびさらなる態様が、本願の基本的な範囲から逸脱することなく考案され、この範囲は、以下に示す特許請求の範囲によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークにおける無線通信のための方法であって、
第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定することと、
第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定することと、ここで、前記第1のリソースのセットと、前記第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てることと、ここで、前記第3のリソースのセットは、前記オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、
を備える方法。
【請求項2】
前記ブロードキャスト信号は、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)、1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)、共通基準信号(CRS)、または、チャンネル状態情報基準信号(CSI−RS)、のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のリソースのセットは、前記第1のリソースのセットのサブセットを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ダウンリンク送信に使用されない、前記第1のリソースのセットにおけるリソースは、前記オーバラップするリソースのセットのうちのすべてまたはサブセットを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ダウンリンク送信の復調は、共通基準信号(CRS)に基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ダウンリンク送信に使用されない、前記第1のリソースのセットにおけるリソースは、すべての前記オーバラップするリソースのセットと、前記第1のリソースのセット内の少なくとも1つの更なるリソースとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの更なるリソースは、前記オーバラップするリソースのセットと同じリソース・ブロックのセットにある、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記無線通信ネットワークは、ヘテロジニアスなネットワークを備え、前記第1のセルと前記第2のセルとは、異なる電力クラスのタイプからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ダウンリンク送信は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記PDSCHの符号化されたシンボルと、変調されたシンボルとのマッピングは、前記第1のリソースのセットにあるが前記第3のリソースのセットにはないリソースを用いない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ダウンリンク送信の符号化されたシンボルと変調されたシンボルとのマッピングは、前記第1のリソースのセットにおけるリソースを用い、
前記第1のリソースのセットにおけるリソースを用いるが前記第3のリソースのセットにおけるリソースを用いない送信が、ゼロ電力で実行される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のセルと前記第2のセルとの間で、バックホール接続を介して、前記第1のリソースのセットまたは前記第2のリソースのセットのうちの少なくとも1つに関する情報を交換すること、をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信は、共通基準信号(CRS)、チャネル状態情報基準信号(CSI−RS)、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信は、ほとんどブランクであるサブフレーム(ABSF)で送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のセルのキャリアは、ロング・ターム・イボリューションのリリース9またはそれ以前のリリースとの後方互換性を持たない拡張キャリアまたはキャリア・セグメントのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
無線通信ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定する手段と、
第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定する手段と、ここで、前記第1のリソースのセットと、前記第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てる手段と、ここで、前記第3のリソースのセットは、前記オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、
を備える装置。
【請求項17】
前記ブロードキャスト信号は、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)、1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)、共通基準信号(CRS)、または、チャンネル状態情報基準信号(CSI−RS)、のうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第3のリソースのセットは、前記第1のリソースのセットのサブセットを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記ダウンリンク送信に使用されない、前記第1のリソースのセットにおけるリソースは、前記オーバラップするリソースのセットのうちのすべてまたはサブセットを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記ダウンリンク送信の復調は、共通基準信号(CRS)に基づく、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ダウンリンク送信に使用されない、前記第1のリソースのセットにおけるリソースは、すべての前記オーバラップするリソースのセットと、前記第1のリソースのセット内の少なくとも1つの更なるリソースとを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの更なるリソースは、前記オーバラップするリソースのセットと同じリソース・ブロックのセットにある、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記無線通信ネットワークは、ヘテロジニアスなネットワークを備え、
前記第1のセルと前記第2のセルとは、異なる電力クラスのタイプからなる、請求項16に記載の装置。
【請求項24】
前記ダウンリンク送信は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を用いる、請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記PDSCHの符号化されたシンボルと、変調されたシンボルとのマッピングは、前記第1のリソースのセットにあるが前記第3のリソースのセットにはないリソースを用いない、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記ダウンリンク送信の符号化されたシンボルと変調されたシンボルとのマッピングは、前記第1のリソースのセットにおけるリソースを用い、
前記第1のリソースのセットにおけるリソースを用いるが前記第3のリソースのセットにおけるリソースを用いない送信が、ゼロ電力で実行される、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のセルと前記第2のセルとの間で、バックホール接続を介して、前記第1のリソースのセットまたは前記第2のリソースのセットのうちの少なくとも1つに関する情報を交換する手段、をさらに備える請求項16に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信は、共通基準信号(CRS)、チャネル状態情報基準信号(CSI−RS)、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信は、ほとんどブランクであるサブフレーム(ABSF)で送信される、請求項16に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のセルのキャリアは、ロング・ターム・イボリューションのリリース9またはそれ以前のリリースとの後方互換性を持たない拡張キャリアまたはキャリア・セグメントのうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項31】
無線通信ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定し、
第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定し、ここで、前記第1のリソースのセットと、前記第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、
前記第1のセルにおけるダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てる、ここで、前記第3のリソースのセットは、前記オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、
ように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリと、
を備える装置。
【請求項32】
前記ブロードキャスト信号は、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)、1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)、共通基準信号(CRS)、または、チャンネル状態情報基準信号(CSI−RS)、のうちの少なくとも1つを備える、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記第3のリソースのセットは、前記第1のリソースのセットのサブセットを備える、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記ダウンリンク送信に使用されない、前記第1のリソースのセットにおけるリソースは、前記オーバラップするリソースのセットのうちのすべてまたはサブセットを備える、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記ダウンリンク送信の復調は、共通基準信号(CRS)に基づく、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記ダウンリンク送信に使用されない、前記第1のリソースのセットにおけるリソースは、すべての前記オーバラップするリソースのセットと、前記第1のリソースのセット内の少なくとも1つの更なるリソースとを備える、請求項31に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つの更なるリソースは、前記オーバラップするリソースのセットと同じリソース・ブロックのセットにある、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記無線通信ネットワークは、ヘテロジニアスなネットワークを備え、
前記第1のセルと前記第2のセルとは、異なる電力クラスのタイプからなる、請求項31に記載の装置。
【請求項39】
前記ダウンリンク送信は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を用いる、請求項31に記載の装置。
【請求項40】
前記PDSCHの符号化されたシンボルと、変調されたシンボルとのマッピングは、前記第1のリソースのセットにあるが前記第3のリソースのセットにはないリソースを用いない、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記ダウンリンク送信の符号化されたシンボルと変調されたシンボルとのマッピングは、前記第1のリソースのセットにおけるリソースを用い、
前記第1のリソースのセットにおけるリソースを用いるが前記第3のリソースのセットにおけるリソースを用いない送信が、ゼロ電力で実行される、請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のセルと前記第2のセルとの間で、バックホール接続を介して、前記第1のリソースのセットまたは前記第2のリソースのセットのうちの少なくとも1つに関する情報を交換するように構成された、請求項31に記載の装置。
【請求項43】
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信は、共通基準信号(CRS)、チャネル状態情報基準信号(CSI−RS)、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、請求項31に記載の装置。
【請求項44】
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信は、ほとんどブランクであるサブフレーム(ABSF)で送信される、請求項31に記載の装置。
【請求項45】
前記第1のセルのキャリアは、ロング・ターム・イボリューションのリリース9またはそれ以前のリリースとの後方互換性を持たない拡張キャリアまたはキャリア・セグメントのうちの少なくとも1つを備える、請求項31に記載の装置。
【請求項46】
格納された命令群を有するコンピュータ読取可能な記憶媒体を備える、無線通信のためのコンピュータ・プログラム製品であって、
前記命令群は、
第1のセル内の1または複数の第1のユーザ機器(UE)へのダウンリンク送信のための第1のリソースのセットを決定し、
第2のセル内の1または複数の第2のUEへブロードキャスト信号を送信する際に使用するための第2のリソースのセットを決定し、ここで、前記第1のリソースのセットと、前記第2のリソースのセットとは、時間および周波数において少なくとも部分的にオーバラップする、オーバラップするリソースのセットを備える、
前記第1のセルにおける前記ダウンリンク送信のために、第3のリソースのセットを割り当てる、ここで、前記第3のリソースのセットは、前記オーバラップするリソースのセットに、少なくとも部分的に基づく、
ためのプロセッサによって実行可能である、コンピュータ・プログラム製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−515396(P2013−515396A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544918(P2012−544918)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061131
【国際公開番号】WO2011/075689
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】