説明

ヘルメットにおけるバイザ取り付け機構

【課題】バイザ5を可動板32に比較的取り付け易いとともに可動板32から比較的取り外し易い上に、バイザ5が可動板32から不必要に抜け出す恐れが比較的少なく、バイザ5を可動板32に比較的確実に取り付けることができ、バイザ5の端部付近および可動板32の製造工程やバイザ5の端部付近および可動板のサイズ調整工程を高精度に行う必要が特にない、ヘルメットにおけるバイザ取り付け機構を提供する。
【解決手段】バイザ5が可動板32のスリット41に挿入されるように構成されている。係合用突起部43および係合用凹部44のうちの一方がバイザ5に設けられ、他方が可動板32に設けられている。係合用突起部43を回動中心とするバイザ5の第1の方向への回動時には、バイザ5のコーナ部48aが可動板32の第1の位置規制部119に当接して回動を阻止される。バイザ5の第2の方向への回動時には、バイザ5の周壁面が可動板32の壁部49a、49bに当接して回動を阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その前面に形成された窓孔を有する頭部保護体と、上記窓孔を少なくとも部分的に開閉するために、上記頭部保護体に対して往復動することができるように上記頭部保護体に取り付けられたバイザとを備えているヘルメットにおけるバイザ取り付け機構であって、上記頭部保護体に上記バイザを可動板を介して間接的に取り付けるために、上記頭部保護体に往復動可能に取り付けられた上記可動板と、上記バイザの左側または右側の端部付近を挿入するために、上記可動板のほぼ面方向に延在するように上記可動板に設けられたスリットと、上記バイザの上記端部付近が上記スリットから抜け出るのを防止するための抜け止め手段とを備えているバイザ取り付け機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述のように構成された、ヘルメットにおけるバイザ取り付け機構は、特許文献1に開示されているように、従来から知られている。そして、この特許文献1に開示されている、ヘルメットにおけるバイザ取り付け機構(以下、「特許文献1のバイザ取り付け機構」という。)においては、上記抜け止め手段は、バイザの左右両端部付近に横倒し状態のほぼ半円柱形状に突設された係合用の突部と、バイザの左側および右側の端部付近を可動板にそれぞれ差し込みによって取り付けることができるように、上記可動板に設けられた左右一対のバイザ取り付け部とを備えている。そして、上記バイザ取り付け部に差し込まれた上記バイザの上記端部付近の上記係合用突部は、この係合用突部と上記バイザ取り付け部とによるクリック機能によって、上記バイザ取り付け部からの抜け出しを防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開No.2010/0064406
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のバイザ取り付け機構においては、バイザの左右両端部付近は、これらの端部付近にそれぞれ突設された係合用突部と左右一対のバイザ取り付け部とによるクリック機能によって、上記左右一対のバイザ取り付け部からの抜け出しを防止される。このために、上記バイザ取り付け部への上記係合用突部の取り付け機構を上記クリック機能が弱いように構成すれば、上記バイザの上記端部付近を上記バイザ取り付け部に取り付け易くなるとともに上記バイザ取り付け部から取り外し易くなるが、上記バイザの上記端部付近が上記バイザ取り付け部から不必要に抜け出し易くなる。これとは逆に、上記バイザ取り付け部への上記係合用突部の取り付け機構を上記クリック機能が強いように構成すれば、上記バイザの上記端部付近が上記バイザ取り付け部から不必要には抜け出し難くなるが、上記バイザの上記端部付近を上記バイザ取り付け部に取り付け難くなるとともに上記バイザ取り付け部から取り外し難くなる。
【0005】
一方、上記バイザ取り付け部への上記係合用突部の取り付け機構を上記クリック機能が適度な強さであるように構成すれば、上記バイザの上記端部付近を上記バイザ取り付け部に比較的取り付け易くなるとともに上記バイザ取り付け部から比較的取り外し易くなり、また、上記バイザの上記端部付近が上記バイザ取り付け部から不必要に抜け出すことが比較的少なくなる。しかし、上記クリック機能を適度な強さに調整するためには、バイザの端部付近および可動板のそれぞれの製造工程やバイザの端部付近および可動板のサイズ調整工程の精度を高める必要がある。したがって、この場合には、バイザ取り付け機構の量産が難しくなる。
【0006】
本発明は、特許文献1のバイザ取り付け機構における上述のような欠点を、比較的簡単な構成でもって、確実に解決し得るようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その前面に形成された窓孔を有する頭部保護体と、上記窓孔を少なくとも部分的に開閉するために、上記頭部保護体に対して往復動することができるように上記頭部保護体に取り付けられたバイザとを備えているヘルメットにおけるバイザ取り付け機構であって、上記頭部保護体に上記バイザを可動板を介して間接的に取り付けるために、上記頭部保護体に往復動可能に取り付けられた上記可動板と、上記バイザの左側または右側の端部付近を挿入するために、上記可動板のほぼ面方向に延在するように上記可動板に設けられたスリットと、上記バイザの上記端部付近が上記スリットから抜け出るのを防止するための抜け止め手段とを備えているバイザ取り付け機構に係るものである。そして、このバイザ取り付け機構においては、上記抜け止め手段が第1の抜け止め手段と第2の抜け止め手段とを備えている。また、上記第1の抜け止め手段が、上記バイザまたは上記可動板の面方向とはほぼ直交する方向に突出するように、上記バイザの上記端部付近または可動板に設けられた係合用突起部と、上記バイザの上記端部付近が上記スリットに挿入されたときに上記係合用突起部が係合し得るように、上記可動板または上記バイザの上記端部付近に設けられた係合用凹部とを備えている。さらに、上記第2の抜け止め手段が、上記バイザの上記端部付近のほぼ面方向に延在するように抜け止め用突出部をこの端部付近に設けることによって、上記抜け止め用突起部のうちの上記バイザの中心線側において上記端部付近に設けられたコーナ部と、上記係合用突起部または上記係合用凹部を回動中心として上記可動板に対して上記バイザの回動のうちの第1の方向へ回動しようとするときには、上記コーナ部が当接することによって上記第1の方向への回動を阻止するように、上記可動板に設けられた第1の位置規制部と、上記バイザの上記回動のうちの第2の方向へ回動しようとするときには、上記バイザの上記端部付近(特に、上側の周壁面、先端側の周壁面などの周壁面)が当接することによって上記第2の方向への回動を阻止するように、上記可動板に設けられた第2の位置規制部とを備えている。
【0008】
なお、本発明は、その第1の観点においては、上記コーナ部付近が上記第1の位置規制部付近に当接するまで上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットに途中まで挿入してから、上記コーナ部付近が当接している上記第1の位置規制部付近を回動支点として上記バイザの上記端部付近を往回動させることによって、上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットに収容することができるように構成されている。また、上記コーナ部付近が当接している上記第1の位置規制部付近を回動支点として上記バイザの上記端部付近を復回動させることによって、上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットから途中まで取り出してから、上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットから抜き出すことができるように構成されている。
【0009】
また、本発明は、その第2の観点においては、上記可動板が、上側の壁部と、上記スリットへの上記バイザの挿入側とは反対側に位置する第1の側方壁部と、下側の壁部と、上記スリットへの上記バイザの挿入側の下端部付近に位置する第2の側方壁部とを、上記スリットの周囲にそれぞれ備えている。そして、上記第1の位置規制部が上記第2の側方壁部の上端部付近によって構成され、上記第2の位置規制部が上記上側の壁部および/または上記第1の側方壁部によって構成されている。
【0010】
また、本発明は、その第3の観点においては、上記可動板の外側壁部の角部によって構成された屈曲部をさらに備え、上記屈曲部が、上記外側壁部の少なくとも内側において、上記屈曲部の基端部から上記屈曲部の先端部にかけて外側に傾斜するように構成され、上記屈曲部を上記外側に向かって持ち上げることによって、上記係合用凹部が上記係合用突起部から相対的にかつ少なくとも部分的に浮き上がるように構成されている。この場合、上記屈曲部の形状がほぼ三角形状であり、上記屈曲部の厚みが上記基端部から上記先端部に向かってほぼ連続的に次第に小さくなっているのが好ましい。
【0011】
さらに、本発明は、その第4の観点においては、操作つまみ取り付け機構の操作つまみを往復動操作することによって、上記可動板をワイヤ式連結機構を介して往復動させるように構成され、上記操作つまみ取り付け機構が、上記頭部保護体の外側面に取り付けられて取り付け基材と、上記取り付け基材の内側面に取り付けられた長手状ガイド部材と、上記長手状ガイド部材に往復動可能に取り付けられた上記操作つまみとを備え、上記操作つまみが、ベース部と、このベース部に屋根形状に形成されたつまみ本体とを備え、上記操作つまみの上記ベース部と上記操作つまみの上記つまみ本体との間に上記長手状ガイド部材を相対的に挿入することによって、上記操作つまみが上記長手状ガイド部材に対して往復摺動可能に上記長手状ガイド部材に取り付けられている。この場合、上記操作つまみ取り付け機構が、上記ガイド部材の内側面に位置するように、上記取り付け基材に取り付けられたワイヤ保持部材をさらに備え、上記ワイヤ保持部材が上記ワイヤ式連結機構のワイヤ鞘部を位置保持させるように構成されているのが好ましい。そして、上記操作つまみが係合用突部をさらに備え、上記長手状ガイド部材が、上記操作つまみの復動時に上記係合用突部がクリック係合する第1の係合用凹部と、上記操作つまみの往動時に上記係合用突部がクリック係合する第2の係合用凹部とを備えているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バイザの端部付近を可動板に比較的取り付け易いとともに可動板から比較的取り外し易い上に、バイザの端部付近が可動板から不必要に抜け出す恐れが比較的少ない。特に、第1の抜け止め手段だけでなく、上記第1の抜け止め手段とは構成が大幅に相違している第2の抜け止め手段を設けたので、バイザの端部付近を可動板に比較的確実に取り付けることができる。それでいて、バイザの端部付近および可動板のそれぞれの製造工程やバイザの端部付近および可動板のサイズ調整工程を高精度に行う必要が特にない。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、可動板へのバイザの端部付近の取り付けを迅速かつ確実に行うことができるとともに、可動板からのバイザの端部付近の取り出しも迅速かつ確実に行うことができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、バイザの端部付近を挿入するためのスリットを可動板のほぼ面方向に延在するようにこの可動板に設けたにもかかわらず、可動板の強度が低下する恐れが比較的少なく、また、構造も比較的簡単である。
【0015】
また、請求項4に記載の発明によれば、係合用凹部に係合している係合用突起部をこの係合用凹部から相対的に離脱させる操作を比較的簡単にかつ比較的確実に行うことができる。そして、請求項5に記載の発明によれば、比較的簡単な構成でもって上記離脱操作をさらに簡単にかつさらに確実に行うことができる。
【0016】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、操作つまみ取り付け機構の操作つまみの往復動を比較的簡単な構成でもって比較的簡単にかつ比較的確実に行うことができる。そして、請求項7に記載の発明によれば、ワイヤ式連結機構のワイヤのワイヤ鞘部の位置保持を比較的簡単な構成でもって比較的簡単にかつ比較的確実に行うことができる。また、請求項8に記載の発明によれば、操作つまみ取り付け機構の操作つまみの往復動を比較的簡単な構成でもってさらに簡単にかつさらに確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明をフルフェイス型ヘルメットに適用した一実施例におけるヘルメット全体の、バイザ下降状態での斜視図である。(実施例1)
【図2】図1に示すヘルメット全体の左側面図である。(実施例1)
【図3】図1に示すヘルメット全体の、バイザ上昇状態での左側面図である。(実施例1)
【図4】図2に示すバイザ取り付け機構の、外側から見た斜視図である。(実施例1)
【図5】図4のA−A線における断面図である。(実施例1)
【図6】図4に示すバイザ取り付け機構の、バイザ取り付け途中またはバイザ取り外し途中の状態を外側から見た斜視図である。(実施例1)
【図7】図1に示す操作つまみ取り付け機構の、ワイヤ保持部材のみを分解して示すバイザ下降状態での内側から見た斜視図である。(実施例1)
【図8】図7のB−B線における断面図である。(実施例1)
【図9】図7に示す操作つまみ取り付け機構の、バイザ上昇状態での内側から見た斜視図である。(実施例1)
【図10】図7に示す操作つまみ取り付け機構の、外側から見た分解斜視図である。(実施例1)
【図11】図7に示す操作つまみ取り付け機構の、内側から見た分解斜視図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0018】
つぎに、本発明をフルフェイス型ヘルメットに適用した一実施例を、「1、ヘルメット全体の概略的構成」、「2、バイザ取り付け機構の構成」、「3、操作つまみ取り付け機構の構成」、「4、バイザの着脱方法」および「5、バイザの昇降方法」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
1、ヘルメット全体の概略的構成
【0020】
フルフェイス型ヘルメット1は、図1〜図3に示すように、自動二輪車のライダなどのヘルメット装着者の頭部に装着されるフルフェイス型の帽体(換言すれば、頭部保護体)2と、ヘルメット装着者の額部と顎部との間(すなわち、顔面のほぼ中央部分)に対向するように頭部保護体2の前面に形成された窓孔3のほぼ全部を、この窓孔3の外側から開閉し得るシールド板4と、ヘルメット装着者の額部(具体的には、額の上下方向におけるほぼ中間の部分)と鼻部(具体的には、鼻の上下方向におけるほぼ中間の部分)との間に対向している窓孔3の上側のほぼ半分を、この窓孔3の内側から開閉し得るバイザ(換言すれば、サンバイザ)5と、頭部保護体2の内側にそれぞれ取り付けられた左右一対の顎掛け用バンド(図示せず)とを備えている。
【0021】
図1〜図3に示すシールド板4は、周知のように、ポリカーボネート、その他の硬質合成樹脂などの可撓性を有する透明または半透明な硬質材料から成っていてよく、頭部保護体2の左右両側において軸支手段としての左右一対の取り付け軸部6によって頭部保護体2に往復回動可能に取付けられている。そして、このシールド板4は、その復動位置(すなわち、下降位置)において窓孔3を閉塞し、その往動位置(すなわち、上昇位置)において窓孔3を開放する。
【0022】
図1〜図6に示すバイザ5は、周知のように、ポリカーボネート、その他の硬質合成樹脂などの遮光機能と可撓性とを有する半透明な硬質材料から成っていてよく、頭部保護体2の左右両側において軸支手段としての左右一対の取り付け軸部7によって頭部保護体2に往復回動可能に取付けられている。そして、このバイザ5は、その往動位置(すなわち、下降位置)において窓孔3の上側のほぼ半分を閉塞し、その復動位置(すなわち、上昇位置)において窓孔3を開放する。なお、バイザ取り付け機構8の構成については、後述の「2、バイザ取り付け機構の構成」の項において詳述する。また、バイザ5を往回動または復回動させるときに操作される操作つまみ9を帽体2に取り付けるための操作つまみ取り付け機構10の構成については、後述の「3、操作つまみ取り付け機構の構成」の項において詳述する。さらに、バイザ取り付け機構8を操作つまみ取り付け機構10に可撓性線条体としてのワイヤ11によって連結しているワイヤ式の連結機構12の構成については、後述の「2、バイザ取り付け機構の構成」および「3、操作つまみ取り付け機構の構成」の項においてそれぞれ詳述する。
【0023】
図1〜図3に示す頭部保護体2は、周知のように、この頭部保護体2の外周壁を構成しているフルフェイス型の外側シェル21と、この外側シェル21の端部のほぼ全周囲にわたって接着などによって取付けられた断面ほぼU字状(ただし、窓孔3の上端部はほぼE字状)などの縁部材(図示せず)と、外側シェル21の内周面に当接させて接着などにより取付けられた裏当て部材(図示せず)とから成っていてよい。なお、外側シェル21は、周知のように、FRP、その他の硬質合成樹脂などから成る強度の大きいシェル本体の内周面に不織布などの柔軟性シートを全体的にまたは部分的に裏張りした複合材料から成っていてよい。また、断面ほぼU字状の上記縁部材は、周知のように、発泡塩化ビニール、合成ゴム、その他の軟質合成樹脂などから成っていてよい。さらに、断面ほぼE字状の上記縁部材は、周知のように、合成ゴム、その他の可撓性に富んだ弾性材料から成っていてよい。
【0024】
上記裏当て部材は、周知のように、図1〜図3に示す外側シェル21の内周面に接着などによって取り付けられた衝撃吸収ライナと、この衝撃吸収ライナの内周面をほぼ覆うように順次取り付けられたブロック状内装パッドおよび裏当てカバーとから成っていてよい。そして、上記衝撃吸収ライナは、周知のように、発泡ポリスチレン、その他の合成樹脂などの適度な剛性と適度な塑性とを備えた材料から成っていてよい。また、上記ブロック状内装パッドは、周知のように、ウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ1個または複数個の弾性材料と、この弾性材料の内側面および外側面を袋状に覆っている多孔性不織布などの布とから成っていてよい。さらに、上記裏当てカバーは、周知のように、上記衝撃吸収ライナに対向する側の面にウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ弾性材料から成る層をラミネートした多孔性不織布から成っていてよい。そして、頭部保護体2の額部の外周面には、図1に示すように、額部用の通気孔形成部材22が取付けられている。また、頭部保護体2の外周面の右側部分には、シールド板4の復動位置を規制するストッパ23が設けられている。さらに、頭部保護体2の顎覆い部24には、各種の通気孔(図示せず)が形成されている。なお、図1において、符号25は、シールド板4を往回動または復回動させるときに、ヘルメット装着者が指を引っ掛けるための指掛けである。
【0025】
2、バイザ取り付け機構の構成
【0026】
互いに左右対称的に構成された左右一対のバイザ取り付け機構8が、図2〜図6に示すように、バイザ5の左右両端部を外側シェル21にそれぞれ取り付けるために、外側シェル21の左右両側にそれぞれ配設されている。なお、左右一対のバイザ取り付け機構8は、互いに左右対称的であるので、以下においては、ヘルメット1の左側(換言すれば、ヘルメット1の正面に向かって右側)のバイザ取り付け機構8について詳述し、ヘルメット1の右側のバイザ取り付け機構についての説明は、適当に省略する。
【0027】
バイザ取り付け機構8は、図2〜図6に示すように、
(a)外側シェル21の内側面にねじ(図示せず)によって取り付けられた取り付け基板31、
(b)外側シェル21と取り付け基材31との間に位置するように、この取り付け基板31に回動可能に軸支された可動板32、
(c)可動板32に左側の端部付近を着脱可能に取り付けられたバイザ5、
を備えている。そして、取り付け基板31は、上記ねじをねじ込むためのねじ穴33a、33b、33cをそれぞれ備えている。なお、ねじ穴33bは、軸支手段としての取り付け軸部7のほぼ軸心に形成されている。そして、この取り付け軸部7は、可動板32に設けられた軸支用の開孔34に嵌合している。したがって、可動板32は、取り付け軸部7を回動中心として、図3における反時計方向と図2における時計方向との両方向に往復回動可能になっている。また、取り付け基板31には、可動板32の復回動位置を規制することができる第1のストッパ35と、可動板32の往回動位置を規制することができる第2のストッパ36とがそれぞれ設けられている。さらに、可動板32および取り付け基板31のそれぞれは、ABS樹脂、その他の合成樹脂などの可撓性を有する硬質材料から成っていてよい。
【0028】
バイザ5の左側の端部付近は、図2〜図6に示すように、可動板32に取り付け固定されている。具体的には、バイザ5の左側の端部付近とほぼ同形に構成されたスリット41が、可動板32の前端からこの可動板32のほぼ後方に向かって可動板32の内部をほぼ面方向に延在する扁平なめくら穴として、可動板32に配設されている。そして、このスリット41は、可動板32の厚み方向とはほぼ直交する方向に延在するように、外側から見てほぼ逆L字状に構成されている。また、このほぼ逆L字状のスリット41は、その前方側および後方側の両側端部と下端部とが外部に連通していない抜け止め用の穴部41aをその下端部付近に備えている。さらに、スリット41には、バイザ5が図4に示すように往回動した状態において互いにほぼ上下に位置する一対の開口42a、42bが連設されている。そして、バイザ5の左側の端部付近の下端には、抜け止め用の穴部41aとほぼ同形であってよい抜け止め用の突出部48が好ましくはバイザ5の他の部分とほぼ一体的にかつバイザ5とほぼ面一の状態で連設されている。そして、この抜け止め用突出部48は、バイザ5が可動板32に取り付けられた状態においては、抜け止め用穴部41aに好ましくはほぼ嵌合状態でもって収容されている。換言すれば、可動板32は、上側の壁部49aと、スリット41へのバイザ5の挿入側とは反対側に位置する奥側の側方壁部49bと、下側の壁部49cと、上記スリット41へのバイザ5の挿入側の下端部付近に位置する入り口側の側方壁部49dとを、スリット41の周囲にそれぞれ備えている。
【0029】
可動板32には、図2〜図6に示すように、バイザ5のほぼ円柱形状などの係合用の突起部43が係合することができる係合用凹部としてのほぼ円形などの係合用の開孔44が配設されている。なお、係合用開孔44(換言すれば、係合用突起部43)は、抜け止め用穴部41a(換言すれば、抜け止め用突出部48)に対して、可動板32の可動板本体51の対向する位置に離間して設けられているのが好ましい。そして、可動板32の例えば上端部付近には、その内側面に係合用の孔を有する係合用の突起部45が配設されている。また、ワイヤ式連結機構12のワイヤ11の連結用凸部としての連結用の球状端部46が連結用凹部としての上記係合用孔に係合することによって、球状端部46が可動板32に結合されている。さらに、可動板32は、ほぼ逆L字状のスリット41を一回り大きくした可動板本体51と、この可動板本体51からほぼ後方に向かってこの可動板本体51と一体的に延在している取り付け腕部52とを備えている。そして、可動板本体51には、スリット41、穴部41a、開口42a、42b、開孔44、突起部45および後記屈曲部53がそれぞれ設けられている。また、取り付け腕部52の後端部付近には、軸支用開孔34が形成されている。なお、バイザ5の係合用突起部43の先端部は、図5に示すように、面取りされた形状に成形されることによってアールが付けられている。
【0030】
可動板本体51の外側の壁部54(この外側壁部54は、スリット41を介して内側の壁部57に対向している。)のうちの下端部の前端部(換言すれば、角部)に設けられたほぼ三角形状の角部は、図4〜図6に示すように、外側に向かって屈曲することによって、ほぼ三角形状の屈曲部53を構成している。そして、この屈曲の程度(換言すれば、バイザ5の外側面との成す角度)は、屈曲部53の外側面での角度θは約11°であり、屈曲部53の内側面での角度θは約17°である。したがって、屈曲部53の外側面と内側面とが互いに成す角度θは、約6°であって、ライン55、56から屈曲部53の先端に向かうに従って好ましくはほぼ連続的に先細りしている。なお、図4〜図6において、ライン55は、可動板本体51の外側面における屈曲部53と屈曲部53以外の部分との境界線を示している。また、ライン56は、可動板本体51の内側面における屈曲部53と屈曲部53以外の部分との境界線を示している。
【0031】
図2〜図6に示す前側壁部54の平均的な厚み(換言すれば、屈曲部53の基端部の厚み)Tとバイザ5の平均的な厚みTとのそれぞれは、約1.5mmである。これに対し、バイザ5にほぼ垂直な方向における屈曲部53の先端部の厚みTは、約0.8mmである。したがって、前側壁部54の平均的な厚み(換言すれば、屈曲部53の基端部の厚み)に対する屈曲部53の先端部の厚みの比は、約1.9である。そして、屈曲部53の厚みは、上記基端部から上記先端部に向かって好ましくはほぼ連続的に次第に小さくなっている。なお、屈曲部53の外側面の面積(換言すれば、屈曲している側の面積)は、約6.6mmである。そして、屈曲部53の内側面の面積(換言すれば、屈曲している側とは反対側の面積)は、約18mmである。また、バイザ5の係合用突起部43の高さおよび直径のそれぞれは、約1mmおよび約2.5mmである。さらに、屈曲部53の上記先端部の内側端47は、この屈曲部53の内側面がバイザ5の外側面と成す角度が上述のように約17°であるために、屈曲部53の基端部の内側面からこの内側面とは直交する外側方向に約1.2mm離れている。換言すれば、内側端47がバイザ5の外側面から外側に向かって浮き上がっている距離Dは、約1.2mmである。したがって、係合用突起部43の高さは、屈曲部53の先端部の内側端のこの浮き上がり量(すなわち、上記約1.2mm)よりも約0.2mm小さくなっている。
【0032】
図示の実施例においては、図4〜図6に示すように、屈曲部53をほぼ三角形状に構成している。しかし、屈曲部53は、必ずしもほぼ三角形状である必要はなく、ほぼ四角形状、ほぼ五角形状、ほぼ半円形状、ほぼ半楕円形状、ほぼ半長円形状などの別の形状であってもよい。また、本発明をヘルメットに適用する場合における各部の好ましい数値範囲を列挙すれば、実用性の観点から見て一般的に、つぎの(ア)項〜(シ)項に記載のとおりである。なお、本発明が適用されるヘルメットは、これらの(ア)項〜(シ)項に記載した数値範囲のうちのいずれか複数の数値範囲または全部の数値範囲を満足しているのが好ましい。
(ア)屈曲部53の外側面がバイザ5の外側面と成す角度θは、7.5°〜15°(さらに好ましくは、8.5°〜13.5°)の範囲であること、
(イ)屈曲部53の内側面がバイザ5の外側面と成す角度θは、11.5°〜22.5°(さらに好ましくは、12°〜22°)の範囲であること、
(ウ)屈曲部53の内側面が屈曲部53の外側面と成す角度θ(換言すれば、角度θ−角度θの値)は、4°〜8°(さらに好ましくは、4.5°〜7.5°)の範囲であること、
(エ)前側壁部54の平均的な厚みT(換言すれば、屈曲部53の基端部の厚み)およびバイザ5の平均的な厚みTのそれぞれは、1〜2mm(さらに好ましくは、1.2〜1.8mm)の範囲であること、
(オ)屈曲部53の先端部の上記厚みTは、0.5〜1.1mm(さらに好ましくは、0.6〜1mm)の範囲であること、
(カ)前側壁部54の平均的な厚みT(換言すれば、屈曲部53の基端部の厚み)に対する屈曲部53の先端部の上記厚みTの比は、1.3〜2.5(さらに好ましくは、1.5〜2.3)の範囲であること、
(キ)屈曲部53の外側面の面積は、4.5〜9mm(さらに好ましくは、5〜8mm)の範囲であること、
(ク)屈曲部53の内側面の面積は、12〜24mm(さらに好ましくは、14〜22mm)の範囲であること、
(ケ)係合用突起部43の高さHは、0.7〜1.3mm(さらに好ましくは、0.8〜1.2mm)の範囲であること、
(コ)係合用突起部43の直径Dは、1.6〜3.2mm(さらに好ましくは、1.8〜3mm)の範囲であること、
(サ)屈曲部53の先端部の内側端がこの屈曲部53の内側面から浮き上がっている距離Dは、0.8〜1.6mm(さらに好ましくは、0.9〜1.5mm)の範囲であること、および
(シ)上記(サ)項に記載の浮き上がり距離Dから上記(ケ)項に記載の高さHを差し引いた値は、0.13〜0.27mm(さらに好ましくは、0.15〜0.25mm)の範囲であること。
【0033】
図2〜図6に示すバイザ取り付け機構8(バイザ5を含む。)は、図3に示すように、外側シェル21と前記裏当て部材との間に収容されることができる。このために、ヘルメット1には、周知のように、外側シェル21と前記裏当て部材との間にバイザ収容用の間隙が設けられている。そして、このバイザ収容用間隙に収容された取り付け基板31は、ねじ孔33a〜33cにねじ込まれた3本のねじによって、外側シェル21の内側面に取り付け固定されている。また、取り付け軸部7によって取り付け基板31に軸支された可動板32も、上記バイザ収容用間隙に収容されている。さらに、左右一対の可動板32に左右一対の端部を取り付け固定されたバイザ5は、図3に示す上昇位置と図2に示す下降位置の間を往復回動することができる。そして、図3に示す上昇位置においては、上記バイザ収容用間隙に収容されている。
【0034】
3、操作つまみ取り付け機構の構成
【0035】
操作つまみ取り付け機構10は、図1〜図3に示すように、左側のバイザ取り付け機構8の多少後方の位置(換言すれば、ヘルメット1の左側面付近の位置)において、外側シェル21に配設されている。そして、操作つまみ取り付け機構10は、その操作つまみ9を往復動操作することによって、左右一対のバイザ取り付け機構8のそれぞれの可動板(換言すれば、左右一対の可動板)32をワイヤ式連結機構12を介して共通に往復回動させることができるように構成されている。
【0036】
操作つまみ取り付け機構10は、図1〜図3および図7〜図11に示すように、
(a)外側シェル21の外側面に取り付け手段または固定手段としてのねじ(図示せず)によって取り付けられた取り付け基材としての取り付け基枠61、
(b)取り付け基枠61の内側面に取り付けられたガイド手段としての長手状のガイド部材62、
(c)ガイド部材62の内側面に位置するように上記ねじによって取り付け基枠61に取り付けられたワイヤ保持手段としての長手状のワイヤ保持部材68、
(d)ガイド部材62に往復動可能に取り付けられた操作手段または操作部材としての操作つまみ9、
を備えている。そして、取り付け基枠61は、長手状の基板部63と、この基板部63の内側に向かって延在するように、基板部63の前方側の側端部に一体的に連設された長手状の側板部64と、基板部63の長さ方向に沿って長手状になるように、この基板部63に形成された開孔65とを備えている。なお、上記(a)項に記載の取り付け基枠61および上記(c)項に記載のワイヤ保持部材68のそれぞれは、ポリプロピレンなどの合成樹脂などの可撓性を有する硬質材料から成っていてよい。また、上記(b)項に記載のガイド部材68および上記(d)項に記載の操作つまみ9のそれぞれは、ABS樹脂などの合成樹脂などの可撓性を有する硬質材料から成っていてよい。
【0037】
図7、図9および図11に示すように、取り付け基枠61の内側面には、ねじ穴兼用のボス部66、67がこの取り付け基枠61の長さ方向における一端部付近および他端部付近においてそれぞれ設けられている。そして、取り付け基枠61の内側面には、比較的長い左右一対の係合用の爪部71、72がボス部66の左右両側付近においてそれぞれ一体的に設けられている。また、取り付け基枠61の内側面には、比較的短い左右一対の係合用の爪部73、74がボス部67の左右両側付近においてそれぞれ一体的に設けられている。
【0038】
ガイド部材62は、図7および図9〜図11に示すように、このガイド部材62の長さ方向における両端部に係合用の凹部75、76をそれぞれ備えている。そして、ガイド部材62の外側面には、このガイド部材62のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状のガイド用肉厚部77が設けられている。また、ガイド部材62の内側面には、上記ほぼ長さ方向に沿って延在している長手状の凹部81が設けられている。さらに、長手状凹部81には、突壁部82、83がこの長手状凹部81の長さ方向の両端部付近においてそれぞれ形成されている。したがって、これらの突壁部82、83と長手状凹部81の上記両端部との間には、係合用の凹部84、85がそれぞれ形成されている。
【0039】
ワイヤ保持部材68は、図7および図9〜図11に示すように、このワイヤ保持部材68の長さ方向における両端部付近にねじ挿通孔86、87をそれぞれ備えている。そして、ワイヤ保持部材68は、このワイヤ保持部材68のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状の開孔91を備えている。また、ワイヤ保持部材68の上側の端部付近には、内側に向かって突出しているワイヤ受け部92が設けられている。そして、このワイヤ受け部92は、ほぼ平板形状のワイヤ受け部本体98に加えて、左右両側の突壁片部93、94と、開孔91にほぼ対向しているほぼ中央の突壁片部95とから成るほぼU字形状の突壁部を備えている。さらに、突壁片部95には、左右一対のワイヤ係合用凹部96、97が互いに左右に隣接して設けられている。
【0040】
操作つまみ9は、ベース部101と、このベース部101上に屋根形状に形成されたつまみ本体102と、ベース部101の内側面に好ましくはほぼ円筒形状にそれぞれ突設された左右一対の係合用の突起部103、104と、ベース部101の後端部付近に好ましくは横倒し状態のほぼ半円柱形状に突設された係合用の突部105とを備えている。そして、ベース部101は、ほぼ長方形状の枠部であってよく、つまみ本体102、突起部103、104および係合用突部105のそれぞれと好ましくは一体的に形成されていてよい。また、ベース部101の前側の端部付近には、係合用突部105の左右両側にそれぞれ位置するように、外側に向かって突出している左右一対の屈曲部106、107がそれぞれ形成されている。このために、係合用の突部105は、ベース部101のそれぞれ立ち上がり形状の左右両側部分とつまみ本体102とのそれぞれに対して弾性的に保持されている。さらに、ほぼ円筒形状の左右一対の嵌合用突起部103、104のそれぞれには、ワイヤ11のワイヤ本体111のための前後一対のスリット112が設けられている。
【0041】
外側シェル21には、操作つまみ取り付け機構10を取り付けるために、ほぼ長手状の開口(図示せず)が設けられている。なお、この長手状開口は、ワイヤ保持部材68の開口91とほぼ同一の形状であってよく、外側シェル21への操作つまみ取り付け機構10の図1〜図3に示す取り付け状態においては、図2および図3に示すように、ワイヤ保持部材68の開口91とほぼ同一の位置に設けられていてよい。また、外側シェル21には、上記長手状開口の下端付近において、ねじ挿通孔(図示せず)が設けられている。そして、このねじ挿通孔は、図2および図3に示す状態においては、ワイヤ保持部材68のねじ挿通孔87にそれぞれほぼ対応した位置および大きさであってよい。さらに、上記長手状開口の上側の端部には、図2および図3に示す状態においては、ワイヤ保持部材68のねじ挿通孔86にそれぞれほぼ対応して位置および大きさであってよい切り込み形状のねじ挿通用の凹部(図示せず)が設けられている。
【0042】
操作つまみ取り付け機構10を外側シェル21に図1〜図3に示すように組み込む場合には、つぎの(ア)項〜(ウ)項に記載のとおりの組み込み操作を行えばよい。
(ア)まず、ガイド部材62に操作つまみ9を取り付ける。具体的には、操作つまみ9のベース部101とつまみ本体102との間にガイド部材62の凹部75側の端部または凹部76側の端部を挿入して嵌合させることによって、ベース部101につまみ本体102を取り付ける。この場合、操作つまみ9は、図8に示すように、ガイド部材62のほぼ長さ方向に往復摺動可能にこのガイド部材62に取り付けられる。そして、上記往復摺動のうちの復摺動の終点(図9参照)においては、操作つまみ9の係合用突部105がガイド部材62の係合用凹部85に係合する。また、上記往復摺動のうちの往摺動の終点(図7参照)においては、操作つまみ9の係合用突部105がガイド部材62の係合用凹部84に係合する。
(イ)つぎに、ガイド部材62に取り付けられた操作つまみ9を取り付け基枠61の長手状開口65にこの取り付け基枠61の内側面から外側面に向かって挿入する。そして、ガイド部材62の左右両側にそれぞれ突設された左右一対の被ガイドレール部115をこのガイド部材62のほぼ長さ方向におけるほぼ上方に移動させることによって、これらの被ガイドレール部115を取り付け基枠61の比較的長い左右一対の係合用爪部71、72にそれぞれ係合させる。ついで、ガイド部材62を取り付け基枠61の内側面に向かって単に押し付けることによって、取り付け基枠61の比較的短い左右一対の係合用爪部73、74の可撓性による弾性変形を利用して左右一対の被ガイドレール部115をこれらの係合用爪部73、74にそれぞれ係合させる。なお、係合用爪部71〜74の上記係合によって、取り付け基枠61のボス部66、67がガイド部材62の係合用凹部75、76にそれぞれ係合または嵌合する。このために、取り付け基枠61に対するガイド部材62(ひいては、操作つまみ9)の取り付けが確実に行われる。
(ウ)つぎに、取り付け基枠61(ひいては、操作つまみ9、取り付け基枠61およびガイド部材62から成る組み立て体)を外側シェル21の上記長手状開口付近における外側面に当てがう。これとともに、左右一対のワイヤ11のそれぞれの基端側の部分(具体的には、後述のスリーブ117のくびれ部118)をワイヤ保持部材68の長さ方向における上方側からこのワイヤ保持部材68の左右一対のワイヤ係合用凹部96、97にそれぞれ差し込んで、この差し込み状態を保持させる。ついで、ワイヤ保持部材68を外側シェル21の上記長手状開口付近の内側面に当てがう。ついで、上下一対のねじ(図示せず)をワイヤ保持部材68側からこのワイヤ保持部材68のねじ挿通孔86、87および外側シェル21の上記ねじ挿通用凹部および上記ねじ挿通孔にそれぞれ挿通させた後に、これら上下一対のねじを取り付け基枠61のボス部66、67にそれぞれねじ込んで固定する。これとともに、左右一対のワイヤ11のワイヤ本体111のそれぞれの基端側部分に設けられた連結用凸部としての連結用球状端部113、114を操作つまみ9の左右一対の係合用突起部103、104にそれぞれ係合することによって、図7および図9に示すように、球状端部113、114をガイド部材62に結合する。
【0043】
ワイヤ式連結機構12は、図2および図3に示すように、バイザ5の左側の端部が取り付けられている左側の可動板32に結合されている第1のワイヤ11と、バイザ5の右側の端部が取り付けられている右側の可動板32に結合されている第2のワイヤ11とを備えている。なお、第1および第2のワイヤ11は、可撓性のワイヤ本体111および可撓性のワイヤ鞘部116の長さが互いに相違していることを除いて、互いに実質的に同一の構成であってよい。そして、ワイヤ本体111は、このワイヤ本体111のほぼ軸心方向に往復動可能にワイヤ鞘部116に挿入されている。また、一対のワイヤ鞘部116の基端側の両端部には、金属製などのスリーブ117がそれぞれ取り付けられている。さらに、ワイヤ本体111は、スリーブ117を貫通してこのスリーブ117から突出している。そして、ワイヤ本体111のこの突出部の先端部には、連結用球状端部46、113、114が取り付けられている。また、スリーブ117には、ワイヤ保持部材68のワイヤ係合用凹部96、97にそれぞれ結合するくびれ部118が形成されている。なお、一対のワイヤ11の先端側の両端部も、図2および図3に示すように、一対のワイヤ11の基端側の両端部の場合と同様にして、左右両側の可動板32に取り付けられていてよい。
【0044】
4、バイザの着脱方法
【0045】
バイザ5を左側のバイザ取り付け機構8によってヘルメット1に取り付ける場合には、つぎの(ア)項〜(ウ)項に記載のとおりの取り付け操作を行えばよい。
(ア)ヘルメット着用者などは、まず、図3に示す操作つまみ取り付け機構10の操作つまみ9のつまみ本体102を指などでもって下方から斜め上方に往動させることによって、後記の「5、バイザの昇降方法」の項において詳述するように、取り付け軸部7を回動中心としてバイザ5を図3に示す上昇位置から図1および図2に示す下降位置まで往回動させる。この場合、可動板32は、取り付け基板31の第2のストッパ36に当接することによって、この可動板32の往回動位置を規制されることができる。
(イ)つぎに、ヘルメット装着者などは、必要に応じてヘルメット1に向き合ってから、バイザ5の左側の端部付近を左側の可動板32のスリット41にこのスリット41の斜め下方から挿入する。この挿入に際しては、バイザ5の左側の端部付近を可動板32のスリット41に挿入するに従って、バイザ5を下方から上方に回動させればよい。また、この挿入時の回動においては、バイザ5は、図6に示すように、このバイザ5の突出部48の基端部のうちの図1に示すバイザ中心線L側の隅部(換言すれば、コーナ部)48a付近をほぼ回動中心として、図6に示す時計方向に回動する。なお、この回動に際しては、上記隅部48a付近は、可動板32のスリット41の抜け止め用穴部41aと、このスリット41のうちのこの穴部41a以外の部分との境界部分のうちのスリット41の入り口側に存在している突起部119付近に当接しているのが好ましい。
(ウ)上記(イ)項に記載したバイザ5の挿入時の回動が上述のように行われると、バイザ5の係合用突起部43の軸心は、図6において鎖線Lでもって示すように、ほぼ円弧状に移動する。そして、バイザ5の挿入時の回動が或る程度進行すると、図5において鎖線でもって示すように、係合用突起部43の先端部が可動板32の外側壁部54の三角形状の屈曲部53の内側面に当接する。このために、外側壁部54がバイザ5の外側面から離間するように外側に向かって持ち上げられる。したがって、係合用突起部43は、三角形状の屈曲部53の内側面と外側壁部54のうちの屈曲部53以外の部分の内側面とを摺動しながら、係合用開孔44に係合する。この係合状態においては、図4に示すように、バイザ5の端部付近はスリット41のほぼ全体に収容されている。そして、バイザ5の上記端部付近は、係合用突起部43を回動中心とする図4における時計方向の回動を、隅部48aが当接する突起部119によって、阻止される。また、バイザ5の上記端部付近は、係合用突起部43を回動中心とする図4における反時計方向の回動を、バイザ5の上記端部付近の上端面(特に、この上端面のうちのバイザ5の中心線Lとは反対側の端部付近)および/またはバイザ5の上記端部付近の側端面(特に、この側端面のうちの下端側の端部付近)によって阻止される。
【0046】
上述の(ア)項〜(ウ)項に記載した取り付け操作を行うことによって、バイザ5の左側の端部を左側のバイザ取り付け機構8の可動板32に取り付けることができる。そして、上述の(ア)項〜(ウ)項に記載した取り付け操作を右側のバイザ取り付け機構についても同時に行ったときには、バイザ5の右側の端部も右側のバイザ取り付け機構の可動板32に同時に取り付けることができる。したがって、バイザ5の挿入時の上記(イ)項および(ウ)項に記載した一連の回動のみによって、バイザ5の左右両側の端部を左右両側のバイザ取り付け機構の可動板32に同時に取り付けることができる。この場合、バイザ5の左右両側の端部が左右両側の可動板32のそれぞれのスリット41に挿入されて係合しているだけでなく、バイザ5の左右両側の係合用突起部43および左右両側の係合用突出部48が左右両側の可動板32の係合用開孔44および抜け止め用の穴部41aにそれぞれ係合している。したがって、バイザ5は、可動板32に確実に取り付け保持されることができる。
【0047】
バイザ5を左側のバイザ取り付け機構8(換言すれば、ヘルメット1)から取り外す場合には、つぎの(エ)項および(オ)項に記載のとおりの取り外し操作を行えばよい。
(エ)まず、上記(ア)項に記載したのと同様の操作を行うことによって、取り付け軸部7を回動中心としてバイザ5を図3に示す上昇位置から図1および図2に示す下降位置まで往回動させる。
(オ)つぎに、ヘルメット装着者などは、必要に応じてヘルメット1に向き合ってから、このヘルメット装着者などの指先などでもって三角形状の屈曲部53をバイザ5から外側(換言すれば、図5における上方)に向かって持ち上げる。そして、この持ち上げによって、可動板32の外側壁部54の内側面のうちの係合用開孔44の外周囲の部分が係合用突起部43のアール付けされた先端部に対向する位置またはそれ以上に往動させる。ついで、バイザ5を上記(イ)項に記載した挿入時の回動とはほぼ逆の方向に回動させることによって、バイザ5の左側の端部付近を可動板32のスリット41から抜き取る。この場合、係合用開孔44の外周囲の部分が、係合用突起部43から完全に外れてはいなくても、係合用突起部43のアール付けされた部分に当接する。このために、バイザ5を上記挿入時の回動とはほぼ逆の方向に回動させることによって、係合用突起部43のアール付けされた部分が外側壁部54を外側に向かって持ち上げるので、バイザ5の左側の端部付近を可動板32のスリット41から確実に抜き取ることができる。
【0048】
上述の(エ)項および(オ)項に記載した取り外し操作を行うことによって、バイザ5の左側の端部を左側のバイザ取り付け機構8の可動板32から取り外すことができる。そして、上述の(エ)項および(オ)項に記載した取り外し操作を右側のバイザ取り付け機構についても同時に行ったときには、バイザ5の右側の端部も右側のバイザ取り付け機構の可動板32から同時に取り外すことができる。したがって、バイザ5の取り外し時の上記(オ)項に記載した一連の回動のみによって、バイザ5の左右両側の端部を左右両側のバイザ取り付け機構の可動板32から同時に取り外すことができる。
【0049】
5、バイザの昇降方法
【0050】
ヘルメット1が図3および図9に示すバイザ上昇状態になっているときには、図8に示すように、操作つまみ9の係合用突部105は、ガイド部材62の係合用凹部85に係合することによって、このガイド部材62に位置保持されている。そして、ヘルメット1を図3および図9に示すバイザ上昇状態から図1、図2および図7に示すバイザ下降状態にする場合には、ヘルメット装着者などが操作つまみ取り付け機構10の操作つまみ9のつまみ本体102を指などで摘むなどして、この操作つまみ9を取り付け基枠61の長手状開孔65のほぼ長さ方向に沿って斜め上方に往動させればよい。この場合、係合用突部105が係合用凹部85から離脱するので、ヘルメット装着者などは、この離脱の際に、このヘルメット装着者などの指などにつまみ本体102を介してクリック感を与えられる。そして、操作つまみ9の上記往動によって、一対のワイヤ11のワイヤ本体111は、図9に示す復動位置から図7に示す往動位置までそれぞれ往動する。この場合、係合用突部105が係合用凹部84に係合するので、ヘルメット装着者などは、この係合の際に、このヘルメット装着者などの指などにつまみ本体102を介してクリック感を与えられる。
【0051】
一対のワイヤ本体111が図2および図7に示す往動位置にそれぞれ往動すると、これら一対のワイヤ本体111が左右一対の可動板32の係合用突起部45を斜め下方に押圧する。このために、左右一対の可動板32は、取り付け軸部7を回動中心としてほぼ下方に向かって往回動する。そして、この往回動によって、バイザ5は、図1および図2に示す下降位置まで往回動する。なお、ヘルメット1が図1、図2および図7に示すバイザ下降状態になっているときには、図8に示す場合とほぼ同様に、操作つまみ9の係合用突部105は、ガイド部材62の係合用凹部84に係合することによって、このガイド部材62に位置保持されている。
【0052】
ヘルメット1を図1、図2および図7に示すバイザ下降状態から図3および図9に示すバイザ上昇状態にする場合には、ヘルメット装着者などが操作つまみ取り付け機構10の操作つまみ9のつまみ本体102を指などで摘むなどして、この操作つまみ9を取り付け基枠61の長手状開孔65のほぼ長さ方向に沿って斜め下方に復動させる。この場合、係合用突起部105が係合用凹部84から離脱するので、ヘルメット装着者などは、この離脱の際に、このヘルメット装着者などの指などにつまみ本体102を介してクリック感を与えられる。そして、操作つまみ9の上記復動によって、一対のワイヤ11のワイヤ本体111は、図7に示す往動位置から図9に示す復動位置までそれぞれ復動する。この場合、係合用突部105が係合用凹部85に係合するので、ヘルメット装着者などは、この係合の際に、このヘルメット装着者などの指などにつまみ本体102を介してクリック感を与えられる。
【0053】
一対のワイヤ本体111が図3および図9に示す復動位置にそれぞれ復動すると、これら一対のワイヤ本体111が左右一対の可動板32の係合用突起部45をそれぞれ斜め上方に牽引する。このために、左右一対の可動板32は、取り付け軸部7を回動中心としてほぼ上方に向かって復回動する。そして、この復回動によって、バイザ5は、図3に示す上昇位置まで復回動する。なお、ヘルメット1が図3および図9に示すバイザ上昇状態になっているときには、図8に示す場合とほぼ同様に、操作つまみ9の係合用突起部105は、ガイド部材62の係合用凹部84に係合することによって、このガイド部材62に位置保持されている。
【0054】
以上において、本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正が可能である。
【0055】
例えば、上述の実施例においては、フルフェイス型ヘルメットに本発明を適用したが、顎覆い部が上昇可能なジェット型兼用のフルフェイス型ヘルメット、ジェット型ヘルメット、セミジェット型ヘルメットなどにも、本発明を適用することができる。
【0056】
また、上述の実施例においては、バイザ5に設けた係合用突起部43を可動板32に設けた係合用開孔44に凹凸係合させるように構成した凹凸係合手段を可動板32へのバイザ5の第1の抜け止め手段として用いている。しかし、上記係合用開孔44は、貫通孔である必要は必ずしもなく、単なる係合用凹部(換言すれば、めくら穴)であってもよい。また、バイザ5に係合用開孔44などの係合用凹部を設けるとともに、可動板32に係合用突起部43を設けてもよい。
【0057】
また、上述の実施例においては、バイザ5の係合用突起部43の先端部にアールが付けられている。しかし、係合用突起部43の先端部の上記アールに代えてまたは上記アールに加えて、可動板32の係合用開口44のうちの可動板32の内側面側にアール(換言すれば、面取りされた形状のアール)が付けられていてもよい。
【0058】
また、上述の実施例においては、可動板32のスリット41のうちのバイザ5の中心線L側のみ(換言すれば、バイザ5の端部付近の挿入側のみ)が外部に開口している。しかし、上側の壁部49a、奥側の側方壁部49bおよび下側の壁部49cのうちのいずれか1つまたは複数が部分的または全体的に欠如(換言すれば、外部に連通)していてもよい。そして、入口側の側方壁部49dも部分的に欠如(換言すれば、外部に連通)していてもよい。
【0059】
さらに、上述の実施例においては、可動板32が取り付け軸部7を回動中心として往回動および復回動することによって下降および上昇するように構成した。しかし、可動板32は、特定の回動中心の回りを復回動および往回動する必要は必ずしもなく、他の任意の移動軌跡でもって上昇位置と下降位置との間を往復動するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 フルフェイス型ヘルメット(ヘルメット)
2 帽体(頭部保護体)
3 窓孔
5 バイザ(サンバイザ)
8 バイザ取り付け機構
9 操作つまみ(操作手段、操作部材)
10 操作つまみ取り付け機構
12 ワイヤ式連結機構
32 可動板
41 ほぼ逆L字状のスリット(スリット、めくら穴)
43 係合用突起部
44 係合用開孔(係合用凹部)
48 抜け止め用突出部
48a 隅部(コーナ部)
49a 上側の壁部(第2の位置規制部)
49b 奥側の側方壁部(第1の側方壁部、第2の位置規制部)
49c 下側の壁部
49d 入口側の側方壁部(第2の側方の壁部)
53 ほぼ三角形状の屈曲部(屈曲部、角部)
54 外側壁部
61 取り付け基枠(取り付け基材)
62 長手状ガイド部材(ガイド手段)
68 ワイヤ保持部材
84 第2の係合用凹部
85 第1の係合用凹部
101 ベース部
102 つまみ本体
105 係合用突部
116 ワイヤ鞘部
119 突起部(第1の位置規制部)
バイザの中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その前面に形成された窓孔を有する頭部保護体と、
上記窓孔を少なくとも部分的に開閉するために、上記頭部保護体に対して往復動することができるように上記頭部保護体に取り付けられたバイザとを備えているヘルメットにおけるバイザ取り付け機構であって、
上記頭部保護体に上記バイザを可動板を介して間接的に取り付けるために、上記頭部保護体に往復動可能に取り付けられた上記可動板と、
上記バイザの左側または右側の端部付近を挿入するために、上記可動板のほぼ面方向に延在するように上記可動板に設けられたスリットと、
上記バイザの上記端部付近が上記スリットから抜け出るのを防止するための抜け止め手段とを備えているバイザ取り付け機構において、
上記抜け止め手段が第1の抜け止め手段と第2の抜け止め手段とを備え、
上記第1の抜け止め手段が、
上記バイザまたは上記可動板の面方向とはほぼ直交する方向に突出するように、上記バイザの上記端部付近または可動板に設けられた係合用突起部と、
上記バイザの上記端部付近が上記スリットに挿入されたときに上記係合用突起部が係合し得るように、上記可動板または上記バイザの上記端部付近に設けられた係合用凹部とを備え、
上記第2の抜け止め手段が、
上記バイザの上記端部付近のほぼ面方向に延在するように抜け止め用突出部をこの端部付近に設けることによって、上記抜け止め用突出部のうちの上記バイザの中心線側において上記端部付近に設けられたコーナ部と、
上記係合用突起部または上記係合用凹部を回動中心として上記可動板に対して上記バイザの回動のうちの第1の方向へ回動しようとするときには、上記コーナ部が当接することによって上記第1の方向への回動を阻止するように、上記可動板に設けられた第1の位置規制部と、
上記バイザの上記回動のうちの第2の方向へ回動しようとするときには、上記バイザの上記端部付近が当接することによって上記第2の方向への回動を阻止するように、上記可動板に設けられた第2の位置規制部とを備えていることを特徴とするバイザ取り付け機構。
【請求項2】
上記コーナ部付近が上記第1の位置規制部付近に当接するまで上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットに途中まで挿入してから、上記コーナ部付近が当接している上記第1の位置規制部付近を回動支点として上記バイザの上記端部付近を往回動させることによって、上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットに収容することができるように構成され、
上記コーナ部付近が当接している上記第1の位置規制部付近を回動支点として上記バイザの上記端部付近を復回動させることによって、上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットから途中まで取り出してから、上記バイザの上記端部付近を上記可動板の上記スリットから抜き出すことができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバイザ取り付け機構。
【請求項3】
上記可動板が、上側の壁部と、上記スリットへの上記バイザの挿入側とは反対側に位置する第1の側方壁部と、下側の壁部と、上記スリットへの上記バイザの挿入側の下端部付近に位置する第2の側方壁部とを、上記スリットの周囲にそれぞれ備え、
上記第1の位置規制部が上記第2の側方壁部の上端部付近によって構成され、
上記第2の位置規制部が上記上側の壁部および/または上記第1の側方壁部によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバイザ取り付け機構。
【請求項4】
上記可動板の外側壁部の角部によって構成された屈曲部をさらに備え、
上記屈曲部が、上記外側壁部の少なくとも内側面において、上記屈曲部の基端部から上記屈曲部の先端部にかけて外側に傾斜するように構成され、
上記屈曲部を上記外側に向かって持ち上げることによって、上記係合用凹部が上記係合用突起部から相対的にかつ少なくとも部分的に浮き上がるように構成されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のバイザ取り付け機構。
【請求項5】
上記屈曲部の形状がほぼ三角形状であり、
上記屈曲部の厚みが上記基端部から上記先端部に向かってほぼ連続的に次第に小さくなっていることを特徴とする請求項4に記載のバイザ取り付け機構。
【請求項6】
操作つまみ取り付け機構の操作つまみを往復動操作することによって、上記可動板をワイヤ式連結機構を介して往復動させるように構成され、
上記操作つまみ取り付け機構が、上記頭部保護体の外側面に取り付けられた取り付け基材と、上記取り付け基材の内側面に取り付けられた長手状ガイド部材と、上記長手状ガイド部材に往復動可能に取り付けられた上記操作つまみとを備え、
上記操作つまみが、ベース部と、このベース部に屋根形状に形成されたつまみ本体とを備え、
上記操作つまみの上記ベース部と上記操作つまみの上記つまみ本体との間に上記長手状ガイド部材を相対的に挿入することによって、上記操作つまみが上記長手状ガイド部材に対して往復摺動可能に上記長手状ガイド部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載のバイザ取り付け機構。
【請求項7】
上記操作つまみ取り付け機構が、上記長手状ガイド部材の内側面に位置するように、上記取り付け基材に取り付けられたワイヤ保持部材をさらに備え、
上記ワイヤ保持部材が上記ワイヤ式連結機構のワイヤ鞘部を位置保持させるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のバイザ取り付け機構。
【請求項8】
上記操作つまみが係合用突部をさらに備え、
上記長手状ガイド部材が、上記操作つまみの復動時に上記係合用突部がクリック係合する第1の係合用凹部と、上記操作つまみの往動時に上記係合用突部がクリック係合する第2の係合用凹部とを備えていることを特徴とする請求項6または7に記載のバイザ取り付け機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−28872(P2013−28872A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165060(P2011−165060)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(390005429)株式会社SHOEI (14)
【Fターム(参考)】