説明

ヘルメット

【課題】個人差のある着用者の頭部や頬部の形状に対応するための調整クッション材を設けるとともに、調整クッション材の保持機能を高めることで、所望の被り心地を確実に得る。
【解決手段】最外層を構成する帽体A1と、帽体A1の内側面に配された衝撃吸収ライナーA2と、着脱可能なクッション体Bとを備えたヘルメットAにおいて、クッション体Bは、着用者側の基礎クッション材Cと、基礎クッション材Cに重ねて衝撃吸収ライナーA2側に着脱可能に配される調整クッション材6L、6Rとを備え、クッション体Bの外側に、調整クッション材6L、6Rと基礎クッション材Cのずれを防止するための保護カバー7L、7Rを、調整クッション材6L、6Rが基礎クッション材Cと重なった部分の外側に位置するように配し、且つ保護カバー7L、7Rと基礎クッション材Cとの間に調整クッション材6L、6Rを出し入れする出し入れ口70を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や自動二輪車等の各種移動車両及びモーターボート等の船舶、更には、自転車等の移動機具に乗る際に、頭部及び顔面を保護するために着用するヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルメットは、着用者の頭部を保護するとともに、ヘルメット着用時の被り心地に関与する頭部クッション材を着脱自在に備えたものが知られている。下記特許文献1に記載の頭部クッション材は、クッション材を布地で覆ってなる側頭部クッション材・頭頂部クッション材・前頭部クッション材・後頭部クッション材を、ヘルメットの内側面に沿うように連結することで構成されている。
【0003】
また、この頭部クッション材は、後頭部クッション材のネック部分の一端部を折り返してポケット状の折り返し部を形成し、この保護カバーに調整クッション材を出し入れ自在に設け、この調整クッション材を保護カバーに対して出し入れすることで、後頭部クッション材のネック部分の厚さを調整できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−160424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の従来技術によると、保護カバーに対して調整クッション材を出し入れすることで、後頭部クッション材のネック部分の厚さを簡単に調整できるので、ヘルメット着用時に所望の被り心地を得ることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の従来技術では、保護カバーの入り口の幅が調整クッション材の幅と同等であるため、頭部クッション材をヘルメットに装着する際に、調整クッション材が保護カバーから抜け出易く、抜け出る方向にずれが生じ易いという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、個人差のある着用者の頭部や頬部の形状に対応するための調整クッション材を設けることができること、調整クッション材の保持機能を高めることができること、調整クッション材の保持機能を高めることで、所望の被り心地を確実に得ることができること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明によるヘルメットは、以下の構成を少なくとも具備するものである。
【0009】
ヘルメットの最外層を構成する帽体と、前記帽体の内側面に配された衝撃吸収ライナーと、前記衝撃吸収ライナーの内側に、着脱可能なクッション体とを備えたヘルメットにおいて、前記クッション体は、着用者側を構成する基礎クッション材と、前記基礎クッション材に重ねて前記衝撃吸収ライナー側に着脱可能に配される調整クッション材とを備え、前記クッション体の外側に、前記調整クッション材と前記基礎クッション材とのずれを防止するための保護カバーを、前記調整クッション材が前記基礎クッション材と重なった部分の外側に位置するように配し、且つ前記保護カバーと前記基礎クッション材との間に前記調整クッション材を出し入れする出し入れ口を確保して設けたことを特徴とする。
【0010】
前記調整クッション材が、前記衝撃吸収ライナー側及び/又は着用者側に配されていることが好ましい。
【0011】
また、前記調整クッション材及び/又は前記基礎クッション材が、摩擦抵抗によって調整クッション材のずれを防止するようにされていることが好ましい。
【0012】
また、前記調整クッション材及び/又は前記基礎クッション材が、互いに剥離可能な粘着性を有していること、若しくは、前記調整クッション材及び/又は前記基礎クッション材に、互いに剥離可能な粘着性を有する粘着部材が備えられていることが好ましい。
【0013】
また、前記出し入れ口の開口幅が前記調整クッション材の全幅よりも幅狭であることが好ましい。
【0014】
また、前記出し入れ口が開閉可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
このような特徴を有することで本発明は、以下の効果を奏する。すなわち、保護カバーによって調整クッション材のずれを防止し、且つこの調整クッション材をクッション体に対して出し入れ可能にしたので、個人差のある着用者の頭部や頬部の形状に対応するための調整クッション材を設けることができるとともに、調整クッション材の保持機能を高めることができる。調整クッション材の保持機能を高めることで、所望の被り心地を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る実施形態のヘルメットの断面図である。
【図2】図1の(2)-(2)線断面図である。
【図3】図1の頭部クッション材の側面図である。
【図4】図3の(4)-(4)線断面図である。
【図5】調整クッション材の配設部位の他の実施形態を示すヘルメットの断面図である。
【図6】調整クッション材を頬部クッション材に配設した実施形態を示し、(a)は、頬部クッション材の一部切欠側面図、(b)は、(a)の(b)-(b)線断面図、(c)は、外装部材を外したクッション部材に調整クッション材を取り付ける状態を示す断面図である。
【図7】保護カバーの他の実施形態を示す断面図である。
【図8】調整クッション材の他の実施形態を示し、(a)は、調整クッション材の表面に細かい凹凸を形成して摩擦抵抗が生じるようにした調整クッション材の要部拡大図、(b)は、調整クッション材の表面に荒い織目や編目を有する布地を貼り付けて摩擦抵抗が生じるようにした調整クッション材の要部拡大図である。
【図9】保護カバーの出し入れ口を開閉可能にした実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に説明するヘルメットは、着用者の頭部及び頬部並びに顎部を保護し、着用者の顔面の顎部を除く部分が露出するタイプのオープンフェースヘルメット、着用者の頭部及び頬部を保護し、着用者の顔面の全てが露出するタイプのオープンフェースヘルメットが含まれる。
【0018】
また、特開平07−126908号公報に開示されているように、オープンフェースタイプの前面開放部を、帽体の左右両側部に軸支されて回動するシールドで覆い、且つこのシールドの軸支部に、前面開放部を横切って帽体の左右両側に跨がる顎ガードを回動・係止自在に取り付けたオープンフェース、フルフェース両用型のヘルメットを含む。
【0019】
以下に説明する基礎クッション材は、ヘルメットの頭部内側面に配される頭部クッション材、ヘルメットの側部内側面に配される頬部クッション材を含む。
【0020】
以下に説明する頭部クッション材は、ヘルメットの頭部内側面に配されるものであり、側頭部クッション材、頭頂部クッション材、前頭部クッション材、後頭部クッション材を、ヘルメットの頭部内側面に沿うように連結して構成されたものが含まれる。
【0021】
ここで剥離可能な粘着性とは、調整クッション材を基礎クッション材から取り外す際に、この調整クッション材及び基礎クッション材に破損が生じない程度の粘着性を意味する。
【0022】
以下、本発明に係る実施形態のヘルメットを図面に基づいて説明する。本実施形態で例示するヘルメットは、フルフェースヘルメットであり、また、調整クッション材を着脱可能に備えられる基礎クッション材を頭部クッション材とする。図1及び図2は、ヘルメットAの構成図であり、図3及び図4は、頭部クッション材1の構成図である。
【0023】
ヘルメットAは、このヘルメットAの最外層を構成する帽体A1と、この帽体A1の内側面に配された衝撃吸収ライナーA2と、衝撃吸収ライナーA2の内側面及び帽体A1の内側に配されたクッション体Bと、帽体A1の外側左右両側部に、帽体A1の前面開口部A10を開閉する方向に回転可能に軸支されたシールドA3とを備えている。
【0024】
クッション体Bは、着用者側を構成し、衝撃吸収ライナーA2の頭部内側に配された頭部クッション材1と、帽体A1の左右側部内側に配された頬部クッション材A4L、A4Rを備えた基礎クッション材Cと、この基礎クッション材Cの頭部クッション材1における側頭部クッション材2L、2Rの衝撃吸収ライナーA2側に配された調整クッション材6L、6Rとを備えている。
【0025】
帽体A1は、強化繊維材(ガラス繊維、カーボン繊維等)に、熱硬化性樹脂材(エポキシ樹脂材、フェノール樹脂材等)を含浸させた強化繊維樹脂材(GFRP、CFRP等)又は、熱可塑性樹脂材(ポリカーボネート等)を用いて、フルフェースヘルメット形状に成型したものである。
【0026】
衝撃吸収ライナーA2は、衝撃吸収性能を有する素材(例えば、発泡スチロール材)、若しくは、この素材と同等の衝撃吸収性能を有する素材を用いて、帽体A1の内側面の、SNELL(スネル記念財団)やJIS(日本工業規格)で定める頭部(頭頂部、前頭部、後頭部、側頭部)の保護範囲に対応する形状に成型したものである。
【0027】
頬部クッション材A4L、A4Rは、衝撃吸収ライナーA2と同素材を用いて成型した干渉部材40とウレタン材等を用いて成型したクッション部材41とを、布地のような柔軟素材からなる外装部材42により包被することで構成されている(図2参照)。
【0028】
この頬部クッション材A4L、A4Rは、帽体A1に対し、係止部材(図示せず)を介して着脱可能に取り付けられている。
【0029】
頭部クッション材1は、前述の側頭部クッション材2L、2R、頭頂部クッション材3、前頭部クッション材4、後頭部クッション材5を、衝撃吸収ライナーA2の頭部内側面に沿うように連結することで構成されている。
【0030】
側頭部クッション材2L、2R、頭頂部クッション材3、前頭部クッション材4、後頭部クッション材5は、頬部クッション材A4L、A4Rに用いたクッション部材と同素材或いは同様のクッション性を有するクッション部材11を外装部材12により包被することで構成されている。
【0031】
この頭部クッション材は、衝撃吸収ライナーA2に対し、係止部材(図示せず)を介して着脱可能に取り付けられており、着用者の頭部のサイズに応じたサイズの頭部クッション材に交換することができるようになっている。
【0032】
側頭部クッション材2L、2Rは、着用者の側頭部に対応する位置に設けられ、衝撃吸収ライナーA2側に、側頭部クッション材2L、2Rの厚みを調整する調整クッション材6L、6Rが側頭部クッション材2L、2Rと重なるように着脱可能に備えられている。更に、側頭部クッション材2L、2Rには、調整クッション材6L、6Rの外側から、この調整クッション材6L、6Rをクッション部材11とで挟んで保持する保護カバー7L、7Rが備えられている。
【0033】
頭頂部クッション材3は、着用者の頭頂部に対応する位置に、前頭部クッション材4は、着用者の前頭部に対応する位置に、後頭部クッション材5は、着用者の後頭部に対応する位置に夫々設けられている。
【0034】
調整クッション材6L、6Rは、側頭部クッション材2L、2Rに用いたクッション部材11と同素材或いは同様のクッション性を有するものであり、側頭部クッション材2L、2Rに対して着脱可能に粘着する粘着部材60が備えられている。
【0035】
粘着部材60は、調整クッション材6L、6Rを側頭部クッション材2L、2Rから取り外す際に、この調整クッション材6L、6R及び側頭部クッション材2L、2Rに破損が生じない程度の粘着力を有する粘着テープ等であり、この粘着部材60が側頭部クッション材2L、2Rの外装部材12に粘着することによって、調整クッション材6L、6Rが側頭部クッション材2L、2Rに対して着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0036】
保護カバー7L、7Rは、クッション部材11を外装部材12とで挟んで、この外装部材12と対面するように設けられており、外装部材12の一部としても機能している。
【0037】
この保護カバー7L、7Rは、上端部を除く3辺を外装部材12に縫い付けや接着等によって固着することによって、固着されない上端部とクッション部材11との間を調整クッション材6L、6Rを出し入れする出し入れ口70とし、保護カバー7L、7Rの内側面とクッション部材11の外側面との間に、出し入れ口70から調整クッション材6L、6Rが挿入される袋状部71を構成している。
【0038】
出し入れ口70は、開口幅が調整クッション材6L、6Rの全幅よりも幅狭に形成されており、調整クッション材6L、6Rを変形・縮小させることで、調整クッション材6L、6Rを出し入れ口70から袋状部71に対して出し入れできるようになっている。
【0039】
袋状部71に調整クッション材6L、6Rを挿入した状態では、粘着部材60をクッション部材11に対面させて、このクッション部材11に対して貼り付けるようにすることで、調整クッション材6L、6Rをクッション部材11に保持するようにしている。この粘着部材60の方向は、保護カバー7L、7Rの内側に対面させて、この保護カバー7L、7Rに貼り付けるようにしてもよい。
【0040】
すなわち、調整クッション材6L、6Rを袋状部71に挿入することによって、調整クッション材6L、6Rがクッション部材11に保持されるとともに、保護カバー7L、7Rにより調整クッション材6L、6Rの衝撃吸収ライナーA2に対する接触が防止されているので、頭部クッション材のヘルメットAへの装着時及びヘルメットAの着用時に、調整クッション材6L、6Rのずれを防止することができる。
【0041】
更に、出し入れ口70の開口幅を調整クッション材6L、6Rの全幅よりも幅狭に形成されているので、頭部クッション材のヘルメットAへの装着時及びヘルメットAの着用時に、袋状部71内の調整クッション材6L、6Rを出し入れ口70から抜け出しを防止することができる。
【0042】
更に、調整クッション材6L、6R及び側頭部クッション材2L、2Rに破損が生じない程度の粘着力を有する粘着部材60によって調整クッション材6L、6Rを保持しているので、調整クッション材6L、6Rの出し入れが容易であり、粘着部材60の剥離時に調整クッション材6L、6R及び側頭部クッション材2L、2Rの破損を防止することができる。
【0043】
したがって、袋状部71に挿入された調整クッション材6L、6Rのずれや出し入れ口70から抜け出しを防止しているので、高い保持機能を備え、しかも所望の被り心地を確実に得ることができるヘルメットAにすることができる。
【0044】
尚、本発明は、例示した実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。以下、図6〜図9に基づく構成を説明するが、図1〜図5の構成と重複する部位については同符号を付すことにより説明を省略する。
【0045】
前述の実施形態では、保護カバー7L、7Rを側頭部クッション材2L、2Rのみに設けた構成を例示しているが、図5に示すように、本実施形態では、更に、頭頂部クッション材3に保護カバー7Uを、前頭部クッション材4に保護カバー7Fを、後頭部クッション材5に保護カバー7Bを設けて、側頭部クッション材2L、2R、頭頂部クッション材3、前頭部クッション材4、後頭部クッション材5の全てに袋状部71を設けてもよい。
【0046】
この保護カバー7L、7R、7U、7F、7Bは、側頭部クッション材2L、2R、頭頂部クッション材3、前頭部クッション材4、後頭部クッション材5のいずれか一つ以上に設けた構成であればよい。また、図5では、全ての袋状部71に、調整クッション材6L、6R、6U、6F、6Bを挿入した形態で例示しているが、調整クッション材6L、6R、6U、6F、6Bの挿入部位は、着用者自身が好みに合わせて決定すればよい。
【0047】
更に、図6(a)〜(c)に示すように、調整クッション材6HL、6HRを頬部クッション材A4L、A4Rに設けた構成としてもよい。本実施形態の頬部クッション材A4L、A4Rは、外装部材42がクッション部材41に対して着脱可能なものであり、外装部材42を外した状態で露出するクッション部材41に調整クッション材6HL、6HRを配し、この調整クッション材6HL、6HRが配されたクッション部材41に外装部材42を被せることで、頬部クッション材A4L、A4Rに調整クッション材6HL、6HRを挿入することができるようになっている。
【0048】
調整クッション材6HL、6HRは、クッション部材41における着用者側に配されており、着用者側でサイズや被り心地の調整ができるようになっている。
【0049】
調整クッション材6HL、6HRをクッション部材41における着用者側に配する形態は、前述の側頭部クッション材2L、2R、頭頂部クッション材3、前頭部クッション材4、後頭部クッション材5にも適用できる。
【0050】
調整クッション材6HL、6HRは、頬部クッション材A4L、A4Rに設けられた顎バンド通し孔61を囲むような環状に形成されており、顎バンド通し孔61を貫通する顎バンド(図示せず)の障害にならないようになっている。
【0051】
すなわち、本実施形態では、外装部材42を、内装部材41に配される調整クッション材6HL、6HRをずれないように保持する保護カバーとして機能させたものであり、このような形態によっても、調整クッション材6HL、6HRをずれないように保持することができる。
【0052】
また、図7に示すように、保護カバー7L、7Rを、クッション部材11の全体を外装部材12で包皮した構成とする側頭部クッション材2L、2Rの外表面に、同様の柔軟性を有する布地からなる保護カバー7L、7Rを縫い付けた構成としてもよい。
【0053】
また、調整クッション材6L、6Rの摩擦抵抗によって調整クッション材6L、6Rのずれを防止するようにしてもよい。摩擦抵抗を生じさせる構成としては、図8(a)に示すように、調整クッション材6L、6Rの表面に細かい凹凸63を形成した構成、図8(b)に示すように、調整クッション材6L、6Rの表面に荒い織目や編目を有する布地64を貼り付けた構成等によって達成できる。この摩擦抵抗は、調整クッション材6L、6Rのみに限らず、側頭部クッション材2L、2R或いは保護カバー7L、7R、更には、調整クッション材6L、6R、側頭部クッション材2L、2R、保護カバー7L、7Rの全てに生じさせるようにしてもよい。
【0054】
また、例示した出し入れ口70は、開口幅を調整クッション材6L、6Rの全幅よりも幅狭としたものであるが、図9に示すように、出し入れ口70の開口幅を調整クッション材6L、6Rの全幅と同等以上とし、出し入れ口70を面テープ72等によって開閉可能とすることで、調整クッション材6L、6Rを保護カバー7L、7R内に抜け出ないように、且つずれないように保持するようにしてもよい。この出し入れ口70を開閉可能とした構成は、例示したような、開口幅を調整クッション材6L、6Rの全幅よりも幅狭とした出し入れ口70にも適用できる。
【0055】
また、例示した粘着部材60は、調整クッション材6L、6Rに設けたものであるが、この粘着部材60をクッション部材11及び/又は保護カバー7L、7Rの内側面に設けてもよい(図示せず)。
【0056】
また、調整クッション材6L、6R及び/又は頭部クッション材或いは保護カバー7L、7Rを、粘着性を有する素材で構成すること、或いは前述のような摩擦抵抗を生じる構成にすることで、粘着部材60を省略してもよい(図示せず)。粘着性を有する素材は、例えば、ポリウレタンエラストマーシート等が挙げられる。
【符号の説明】
【0057】
A:ヘルメット
B:クッション体
C:基礎クッション材
A1:帽体
A2:衝撃吸収ライナー
1:頭部クッション材
2L:側頭部クッション材
2R:側頭部クッション材
6L:調整クッション材
6R:調整クッション材
7L:保護カバー
7R:保護カバー
70:出し入れ口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットの最外層を構成する帽体と、前記帽体の内側面に配された衝撃吸収ライナーと、前記衝撃吸収ライナーの内側に、着脱可能なクッション体とを備えたヘルメットにおいて、前記クッション体は、着用者側を構成する基礎クッション材と、前記基礎クッション材に重ねて着脱可能に配される調整クッション材とを備え、前記クッション体の外側に、前記調整クッション材と前記基礎クッション材とのずれを防止するための保護カバーを、前記調整クッション材が前記基礎クッション材と重なった部分の外側に位置するように配し、且つ前記保護カバーと前記基礎クッション材との間に前記調整クッション材を出し入れする出し入れ口を確保して設けたことを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
前記調整クッション材が、前記衝撃吸収ライナー側及び/又は着用者側に配されていることを特徴とする請求項1記載のヘルメット。
【請求項3】
前記調整クッション材及び/又は前記基礎クッション材が、摩擦抵抗によって調整クッション材のずれを防止するようにされていることを特徴とする請求項1又は2記載のヘルメット。
【請求項4】
前記調整クッション材及び/又は前記基礎クッション材が、互いに剥離可能な粘着性を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のヘルメット。
【請求項5】
前記調整クッション材及び/又は前記基礎クッション材に、互いに剥離可能な粘着性を有する粘着部材が備えられていることを特徴とする請求項1又は2記載のヘルメット。
【請求項6】
前記出し入れ口の開口幅が前記調整クッション材の全幅よりも幅狭であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1記載のヘルメット。
【請求項7】
前記出し入れ口が開閉可能であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1記載のヘルメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−19067(P2013−19067A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152228(P2011−152228)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000126953)株式会社アライヘルメット (11)
【Fターム(参考)】