説明

ベッドにおける重さ及び/又は動き感知

本発明は、ベッドにおいて重さ及び/又は動きを感知するセンサ構成及びその使用、ベッドにおいてユーザの重さ及び/又は動きを感知するベッド及び方法に関する。ベッドにおける重さ、活動及び/又は心肺機能の感知のために、ベッドフレームとマットレスフレームとの間に一体化された力センサが使用される。前記センサは、マットレス支持表面の高さを大幅に増すことなしに前記マットレスフレームと前記ベッドフレームとの間に位置することができるように設計される。したがって、ベッドフレームを持つベッドへの一体化は、容易に実現されることができる。前記測定は、ユーザインタラクション又はユーザとセンサとの間の直接的な接触さえ必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドにおける重さ及び/又は動きを感知するセンサ構成及びその使用、ベッドにおいてユーザの重さ及び/又は動きを感知するベッド及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
力又は圧力センサを使用するベッドにおけるバイタルボディサインの測定は、既知である。ベッドにおいて測定されることができる非常に重要なパラメータの1つは、人の体重である。これは、ベッドに乗せられた心臓病を持つ患者又は他の患者に対して特に興味深い。前記ベッドに標準的な重さセンサを一体化することは、通常、対象を支える面と地面との間に機械的ばねを挿入し、例えば歪みゲージにより、変形を測定することを意味する。米国特許第4793428において、ベッド支持フレームと患者支持部との間で前記ベッドに組み込まれた一体化された秤を持つ病院ベッドが開示されている。人体の重さを測定する機械的安定性の理由で、高さが少なくとも2センチメートルである機械的構成が必要とされる。前記秤の高さが前記ベッドの部分の上昇を引き起こすことは、欠点である。専門的な環境(病院、養護施設等)において、これは、受け入れられることができ、前記ベッドの標準化された性質によりある態度補償されることもできる。しかしながら、これは、前記患者の家庭における使用が取り上げられる場合、実質的な問題である。ここで、前記センサは、前記患者の快適さを妥協することなしに前記患者のベッドに一体化可能であるべきであり、実質的に見えるべきでなく、したがって前記ベッドの設計を妨害すべきでない。この目的は、前記患者のベッドの特定の設計と関係なく達成されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、技術水準による欠点を低減する、ベッドにおいて重さ及び/又は動きを感知するセンサ構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、ベッドにおいて重さ及び/又は動きを感知するセンサ構成であって、前記センサ構成が、ベッドフレームとマットレスフレームとの間に取り付け可能な構造を有し、前記構造が、第1のセンサ支持部及び第2のセンサ支持部を有し、前記第1のセンサ支持部及び前記第2のセンサ支持部が、前記マットレスフレームの下の空間に延在し、前記空間において、前記マットレスフレームが、前記ベッドフレームにより支持されず、少なくとも1つのセンサが、前記第1のセンサ支持部と前記第2のセンサ支持部との間に配置される、前記センサ構成により達成される。本発明は、患者の家庭における標準的なベッドに対する組み込み解決法に集中しているが、これは、病院及びケア用ベッドの要望にも適応させられることができる。
【0005】
本発明によるセンサ構成の利点は、前記構造、すなわち前記ベッドフレームを支持する表面の高さを大幅に増すことなしにベッドに取り付けられることができることである。したがって、前記ベッドフレームの上の前記マットレスフレームの高さは、わずかにしか増大しない。それにもかかわらず、前記センサ構成は、有利には、ばねの必須の剛性を提供し、前記ベッドにおいて重さ測定のような定量的力測定を可能にする。前記ベッド自体に対する構造的変化が必要ではないことは、他の利点である。
【0006】
前記ベッドの前記ベッドフレームは、地面に対して実質的に直接的かつばねの付いていない接触を持つ構造的部分であり、すなわち前記ベッドフレームと前記地面との間には、本質的に弾性素子が存在しない。前記ベッドフレームは、したがって、有利には、前記センサ支持部を収容するのに使用可能である。前記ベッドの前記マットレスフレームは、本発明の感覚によると、通常は、いかなる正常なベッドにおいても前記ベッドフレームにより支持されるフレームである。好ましくは、前記マットレスフレームは、スラット(slatted)フレームであるが、同様に、ばねのネットワークを持つフレーム又は平らな厚板であってもよい。前記ベッドフレームは、通常は、縁領域又は場合によっては追加的に横桁の領域において前記マットレスフレームを支持する。前記マットレスフレームが前記ベッドフレームにより支持されない前記マットレスフレームの下の空間は、本発明の感覚において、前記ベッドフレーム又はそれぞれ前記ベッドフレーム及び前記マットレスフレームの支持領域の縦の突出部により囲まれる空間である。前記マットレスフレームの下のこの空間は、有利には、重さ及び/又はバイタルボディサイン(VBS)を測定するのに使用可能である。特に、人体の重さを測定する機械的構成は、有利には、前記マットレスフレームと前記地面との間の使用されていない空間に容易に収容される。他の利点として、前記センサ及び前記センサ支持部は、前記ベッドの下の隠された位置に配置され、この設計は、したがって、前記センサ構成により影響を受けない。前記構造、前記第1のセンサ支持部及び前記第2のセンサ支持部は、前記センサを支えるのに使用可能な種類の本質的に剛体の桁である。好ましくは、前記センサは、力検出センサである。
【0007】
本発明の好適な実施例によると、前記構造は、前記マットレスフレームと前記ベッドフレームとの間にかけられた力を前記第1のセンサ支持部及び前記第2のセンサ支持部に伝達する荷重伝達手段を有する。前記構造は、有利には、前記マットレスフレームの高さを前記ベッドフレームの上にわずかにしか増大しない。好ましくは、前記ベッドフレームと前記マットレスフレームとの間の前記構造の寸法は、前記第1のセンサ支持部と前記第2のセンサ支持部との間の距離より実質的に小さい。前記第1のセンサ支持部と前記第2のセンサ支持部との間の距離は、有利には、前記センサを収容するのに使用可能である空間である。
【0008】
本発明の他の好適な実施例によると、前記第1のセンサ支持部は、前記第2のセンサ支持部に枢動可能に接続される。前記構造は、特にハサミのような機構を有する。前記構造のこの実施例は、特に1つのセンサを収容するのに有利である。好ましくは、この実施例による複数のセンサ構成が、前記ベッドフレームと前記マットレスフレームとの間に取り付けられる。
【0009】
本発明の他の好適な実施例によると、前記第1のセンサ支持部及び/又は前記第2のセンサ支持部は、中間フレームとして形成される。前記中間フレームは、前記ベッドフレームの部分間の縦桁又は横桁のように前記ベッドにわたり延在する。好ましくは、複数のセンサが、前記第1のセンサ支持部と前記第2のセンサ支持部との間に配置される。
【0010】
本発明の他の目的は、ユーザの重さ及び/又は動きを感知するベッドであり、前記ベッドは、ベッドフレーム及びマットレスフレームを有し、ここで先に記載された本発明による少なくとも1つのセンサ構成が、前記ベッドフレームと前記マットレスフレームとの間に取り付けられる。ベッドフレーム及び好ましくは取り外し可能なマットレスフレームを有する適切な標準的なベッドが、容易に前記センサ構成を備えることは、利点である。前記ベッドは、好ましくは、一時的にのみ前記センサ構成を備える。
【0011】
本発明の好適な実施例において、前記ベッドは、前記センサ構成を組み込まれる。前記ベッドへの前記センサ構成の一体化は、有利には、最小の努力で及び非常に容易な手順で素人又はサービスパーソンによる組み込みとして行われることができる。
【0012】
本発明の他の目的は、ベッドにおいてユーザの重さ及び/又は動きを感知する方法であり、前記方法は、
前記ベッドのベッドフレームとマットレスフレームとの間にかけられた力を前記マットレスフレームが前記ベッドにより支持されない前記マットレスフレームの下の空間に伝達するステップと、
前記マットレスフレームの下の前記空間において少なくとも1つのセンサにより前記力を測定するステップと、
を有する。
【0013】
前記マットレスフレームが前記ベッドフレームにより支持されない前記マットレスフレームの下の前記空間は、有利には、前記重さ及び/又はバイタルボディサインを測定するのに使用可能である。
【0014】
ベッドにおける活動及び/又は心肺機能を含む動き及び/又は重さの感知に対して、好ましくは、前記ベッドフレームと前記マットレスフレームとの間に一体化された力センサが使用される。前記センサは、マットレス支持表面の高さを大幅に拡張することなしに前記マットレスフレームと前記ベッドフレームとの間に位置することができるように設計される。したがって、ベッドフレームを持つベッドへの一体化は、容易に実現されることができる。前記測定は、ユーザインタラクション又はユーザとセンサとの間の直接的な接触さえ必要としない。
【0015】
本発明の他の目的は、ベッドにおいてユーザの重さ及び/又は動きを感知する本発明によるセンサ構成の使用である。
【0016】
本発明の他の目的は、ベッドフレーム及びマットレスフレームを有するベッドに重さ及び/又は動き感知フィーチャを備える本発明によるセンサ構成の使用である。
【0017】
本発明のこれら及び他の特徴、フィーチャ及び利点は、例として、本発明の原理を示す添付の図面と併せて考慮して以下の詳細な記載から明らかになる。この記載は、本発明の範囲を限定することなしに例の目的だけで与えられる。
【0018】
以下に引用される参照図は、添付の図面に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明によるセンサ構成及びベッドを概略的に示す。
【図2】本発明によるセンサ構成の第1の実施例を概略的に示す。
【図3】本発明によるセンサ構成の第1の実施例を概略的に示す。
【図4】本発明によるセンサ構成の第2の実施例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、特定の実施例に関して及び特定の図面を参照して記載されるが、本発明は、これらに限定されないが、請求項によってのみ限定される。描かれた図面は、概略でしかなく、非限定的である。図面において、要素の一部のサイズは、誇張され、説明の目的で正しい縮尺で描かれていないかもしれない。
【0021】
単数名詞を参照するときに不定冠詞又は定冠詞、例えば"1つの"("a", "an")、"前記"("the")が使用される場合、これは、何か別に特に記載されない限り複数の当該名詞を含む。
【0022】
更に、説明及び請求項における用語第1の、第2の、第3の等は、同様の要素を区別するのに使用され、必ずしも順番又は年代順を記載するのに使用されるわけではない。このように使用される用語が、適切な環境下で交換可能であり、ここに記載される本発明の実施例が、ここに記載又は説明される順序とは別の順序で動作することができることに注意すべきである。
【0023】
更に、説明及び請求項における用語上部、下部、上、下等は、説明目的で使用され、必ずしも相対的な位置を記述するのに使用されるわけではない。このように使用される用語が、適切な環境下で交換可能であり、ここに記載される本発明の実施例が、ここに記載又は説明されるのとは別の向きで動作することができることに注意すべきである。
【0024】
この説明及び請求項において使用される用語"有する"が、後に列挙される手段に限定されると解釈されるべきでなく、他の要素又はステップを除外しないことに注意すべきである。したがって、表現"手段A及びBを有する装置"の範囲は、構成要素A及びBのみからなる装置に限定されるべきでない。これは、本発明に関して、前記装置の関連のある構成要素がA及びBであることを意味する。
【0025】
図1は、本発明によるセンサ構成を有する本発明によるベッドの概略的な透視図を示す。ベッドフレーム2の一部は、切り取られている。図1は、センサ6の位置及び本発明の動作の原理を示す。ユーザ(描かれていない)が前記ベッド上に横たわっている間に、前記ユーザの動きは、マットレス(図示されない)及び描かれた実施例においてスラットフレーム3であるマットレスフレーム3に伝達される。前記動きは、スラットフレーム3から、例えば脚部(描かれていない)を用いて地面に接触しているベッドフレーム2に伝達される。小さな動きでさえ、適切な感度の力センサ6を使用して検出されることができる。個人の家庭で使用されるベッドの大多数は、スラットフレーム若しくは金属フレームを備え、又は容易にかつ低コストでスラットフレームを備えることができる。これらのマットレスフレーム3は、通常は、ベッドフレーム2の支持表面上に位置する。同じ動作原理は、前記マットレスが直接的にベッドフレーム2上にあるベッドに適用されてもよい。
【0026】
ベッドフレーム2の支持表面とマットレスフレーム3との間に、センサ6は、配置され、好ましくは一体化され、センサ6は、マットレスフレーム3、前記マットレス及び前記ユーザの重さを支え、重さ感知並びにVBSのような心拍、呼吸速度及び活動の測定に使用されることができる。センサ6を導入することによりこの構成の高さを増さないために、センサ6に作用する力は、マットレスフレーム3の下の空間にそらされ、この空間において、マットレスフレーム3は、ベッドフレーム2により支持されておらず、すなわちスラットフレーム3とベッドフレーム2との間に配置されない空間にそらされる。これは、直接的な機械的結合に対する構造(図2を参照)を使用することにより又は適切なヒンジ機構を使用することにより達成される。
【0027】
図2及び3において、本発明による一実施例の概略的な側面図及び概略的な透視図が描かれている。構造1は、第1のセンサ支持部4及び第2のセンサ支持部5を有し、センサ6は、第1のセンサ支持部4と第2のセンサ支持部5との間に配置される。第1のセンサ支持部4は、ベッドフレーム2により支えられる。第2のセンサ支持部5は、第1のセンサ支持部4によりセンサ6を介して支えられ、マットレスフレーム3は、第2のセンサ支持部5により支えられる。この実施例において、構造1の第1の及び第2のセンサ支持部4及び5は、ベッドフレーム2の一方の側から他方の側まで及ぶ中間フレーム7として形成される。図2において、ベッドフレーム2とマットレスフレーム3との間の構造1の寸法10が描かれ、これは第1のセンサ支持部4と第2のセンサ支持部5との間の距離11より実質的に小さい。したがって、マットレスフレーム3の下の使用されていない空間は、センサ6を配置するのに有利に使用される。
【0028】
図4からわかるように、他の実施例によるセンサ構成の拡大透視図が描かれており、ここで中間フレーム(図2及び3)の代わりに、センサ6は、同様のスキームで、しかしながら単一の装置として直接的に挿入されることができる。前記センサ構成のこの実施例は、ベッドフレーム2の側面に沿って3つ、好ましくは4つの位置において備えられることができる。力の分散は、中間フレーム(図2)のように構造1を直接的に使用して又はヒンジ機構を使用して行われることができる。ここで、第1のセンサ支持部4及び第2のセンサ支持部5は、ピボットピン8を介して枢動可能に接続され、したがってハサミのような機構を形成する。
【0029】
本発明による第1のセンサ支持部4及び第2のセンサ支持部5が延在する空間は、上からはマットレスフレームにより、側面からはベッドフレーム2の支持表面の縦の突出部により、及び下からは地面により囲まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドにおいて重さ及び/又は動きを感知するセンサ構成において、前記センサ構成が、ベッドフレームとマットレスフレームとの間に取り付け可能な構造を有し、前記構造が、第1のセンサ支持部及び第2のセンサ支持部を有し、前記第1のセンサ支持部及び前記第2のセンサ支持部が、前記マットレスフレームの下の空間に延在し、前記空間において、前記マットレスフレームが、前記ベッドフレームにより支持されておらず、少なくとも1つのセンサが、前記第1のセンサ支持部と前記第2のセンサ支持部との間に配置される、センサ構成。
【請求項2】
前記構造が、前記マットレスフレームと前記ベッドフレームとの間にかけられた力を前記第1のセンサ支持部及び前記第2のセンサ支持部に伝達する荷重伝達手段を有する、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項3】
前記ベッドフレームと前記マットレスフレームとの間の前記構造の寸法が、前記第1のセンサ支持部と前記第2のセンサ支持部との間の距離より実質的に小さい、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項4】
前記第1のセンサ支持部が、前記第2のセンサ支持部に枢動可能に接続される、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項5】
前記第1のセンサ支持部及び/又は前記第2のセンサ支持部が、中間フレームとして形成される、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項6】
複数のセンサが、前記第1のセンサ支持部と前記第2のセンサ支持部との間に配置される、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項7】
前記センサが、力検出センサである、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項8】
ユーザの重さ及び/又は動きを感知するベッドにおいて、前記ベッドが、ベッドフレーム及びマットレスフレームを有し、請求項1に記載の少なくとも1つのセンサ構成が、前記ベッドフレームと前記マットレスフレームとの間に取り付けられた、ベッド。
【請求項9】
前記ベッドが、前記センサ構成を組み込まれた、請求項8に記載のベッド。
【請求項10】
ベッドにおいてユーザの重さ及び/又は動きを感知する方法において、
前記ベッドのベッドフレームとマットレスフレームとの間にかけられた力を前記マットレスフレームの下の空間に伝達するステップであって、前記空間において前記マットレスフレームが前記ベッドフレームにより支持されていない、前記伝達するステップと、
前記マットレスフレームの下の前記空間において少なくとも1つのセンサにより前記力を測定するステップと、
を有する方法。
【請求項11】
ベッドにおいてユーザの重さ及び/又は動きを感知するための請求項1に記載のセンサ構成の使用。
【請求項12】
ベッドフレーム及びマットレスフレームを有するベッドに重さ及び/又は動き感知フィーチャを備えるための請求項1のセンサ構成の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−526628(P2010−526628A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508012(P2010−508012)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051790
【国際公開番号】WO2008/139377
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】