説明

ベッドヘッド角度のセンサー取付け、較正、および監視システム

【課題】ヘッド角度アラームシステムを含む医療用ベッドを提供する。
【解決手段】ベッド10は、フレーム12と、フレーム12に結合され、第一および第二の角度位置の間でフレーム12に対して移動可能なヘッド部48と、ヘッド部48の角度位置を測定するために使用可能なセンサーとを含む。センサーは、指定された角度でベッド10のヘッド部48に取り付けられている。ベッドコントロールユニットは、センサーから信号を受信し、センサーを較正し、重力に対してベッド10のヘッド部48の角度位置を監視する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、病院および他の患者ケア施設で使用されているような医療用ベッドに関連する。さらに具体的には、本開示は、角度位置を水平位置より上に上げるまたは水平位置より下に下げることができるヘッド部を有する医療用ベッドに関連する。また、本開示は、医療用ベッドのヘッド部に角度センサーを取り付けるための装置にも関連する。さらに、本開示は、重力式のベッドヘッド角度センサーの較正、ベッドヘッド角度の監視、および指定されたベッドヘッド角度の条件が存在する場合のアラーム発生のための、コンピュータシステムに関連する。
【背景技術】
【0002】
インディアナ州ベイツビルのHill−Rom Company,Inc.製のTotalCare(登録商標)、VersaCare(登録商標)、およびCareAssist(登録商標)ベッドは、連接型デッキ部を有する医療用ベッドの例である。これらのベッドのヘッド部および足部は、患者、介護者、または他の者が自動的に上下移動させることができる。米国特許番号7,487,562(Frondorf等)では、ヘッド角度アラームシステムを含む医療用ベッドを開示しており、この参照により本明細書に援用される。本開示の態様は、‘562の特許に開示されている主題に関連して使用することができ、その逆もまた可能である。
【0003】
<関連する出願への相互参照>
この出願は、2009年10月9日に出願された米国特許仮出願、出願番号61/250,276に基づく利益を主張し、この参照によりその仮出願の全体を本願に援用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、本明細書に開示された特徴および/または工程を一つ以上有するシステム、装置および/または方法を含み、それ単独でまたは任意の組み合わせで特許性のある主題を構成し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一つの態様によると、ベッドは基部、および基部に結合されているフレームを含む。フレームは、トレンデレンブルグ体位から逆トレンデレンブルグ体位に移動可能である。また、ベッドは、フレームによって支持され、フレームに対して水平位置と連接位置との間で移動可能なデッキも含む。デッキは少なくとも、ヘッド部及びヘッド部から間隔を置いて配置された足部を含み、ヘッド部はフレームに対して旋回可能である。
【0006】
また、ベッドは、ヘッド部の角度位置を測定するように使用可能な測定軸を有するセンサー、およびセンサーとヘッド部とに結合された取付装置を含む。取付装置は、センサーの測定軸を重力に対して非垂直な角度に向ける。
【0007】
センサーは加速度計を含み得る。非垂直角度は、約65度の範囲内であり得る。取付装置はセンサーハウジングを含むことがあり、センサーハウジングはヘッド部に対して平行に取り付けられる。センサーハウジングは、ヘッド部の縦支持部材に固定され得る。ヘッド部の縦支持部材はヘッド部から垂直に延びる側部を含むことがあり、センサーハウジングはこの側部に固定される。縦支持部材の側部は、ヘッド部とは反対方向に下方に延び得る。センサーの測定軸は、ヘッド部に対して鋭角に向いてもよい。鋭角とは、約25度の範囲内であり得る。
【0008】
ベッドは、加速度計から出力信号を受信し、出力信号からベッドヘッド角度を計算し、ベッドヘッド角度が指定された閾値角度よりも小さい場合にはアラームを発するベッドコントロールユニットを含み得る。指定された閾値角度とは、約30度の範囲内であり得る。ベッドコントロールユニットは、加速度計の1つの測定軸に関連する出力信号のみを使用して、ベッドヘッド角度を計算し得る。
【0009】
本開示の別の態様によると、ベッドヘッド角度センサーは、第一側面および第一側面から間隔を置いて配置された第二側面を有する非可撓性ハウジング、ハウジングの第一側面に固定された基板、および基板に取り付けられた加速度計を含む。加速度計は、ベッドの旋回可能デッキ部の角度位置の測定に使用可能な測定軸を有する。センサーの測定軸が重力に対して非垂直角度に向くように、加速度計は基板に取り付けられる。またセンサーは、加速度計からベッドのコントロールユニットに出力信号を送信する電子機器も含む。
【0010】
加速度計は、測定軸が重力に対して約65度の角度に向くように、基板に取り付けられ得る。ベッドヘッド角度センサーはハウジングの第二側面に結合された取付装置を含むことができ、そこで取付装置はベッドヘッド角度センサーをベッドの旋回可能なデッキ部に固定する。
【0011】
ハウジングの縦軸が旋回可能なデッキ部の縦軸と平行になるように、取付装置によりベッドヘッド角度センサーハウジングをベッドの旋回可能なデッキ部の支持部材に固定し得る。
【0012】
本開示のさらなる態様によると、ベッドの電子コントロールユニットでベッドの旋回可能なヘッド部に固定して取り付けられている重力式ベッドヘッド角度センサーの較正方法には、ベッドヘッド角度センサーからの第一、第二、第三の電気出力信号を、第一、第二、第三の較正点でそれぞれ取得することを含み、第一、第二、第三の各較正点は、重力に対して旋回可能なベッドのヘッド部の間隔の空いた第一、第二、第三の角度位置に相当する。またこの方法は、複数の較正点に対する出力信号をベッドコントロールユニットに結合されたメモリに記憶し、第一、第二、第三の出力信号を使用して第一、第二、第三の較正定数を計算し、第一、第二、第三の較正定数をベッドコントロールユニットに結合されたメモリに記憶することも含む。
【0013】
第一の較正定数は、ベッドヘッド角度センサーの取付けオフセットを示し得る。第二の較正定数は、ベッドヘッド角度センサーの無重力オフセットを示し得る。第三の較正定数は、ベッドヘッド角度センサーの感度を示し得る。第一、第二、第三の較正点は、それぞれ約5度、約30度、及び約50度の範囲内にあり得る。
【0014】
ベッドヘッド角度センサーは、重力に対して非垂直の角度でベッドのヘッド部に取り付けられ得る。
【0015】
本開示の別の態様によると、固定して取り付けられた重力式センサーを有するベッドの旋回可能なヘッド部のベッドヘッド角度を計算する方法には、上述の方法に従ってセンサーを較正すること、第一、第二、第三の較正定数の第一のセットを、第一の測定範囲内のベッドヘッド角度の測定値に適用すること、および第一、第二、第三の較正定数の第二のセットを第二の測定範囲内のベッドヘッド角度の測定値に適用することを含む。第一の測定範囲は、約0度から約30度であり得る。第二の測定範囲は、約30から約50度であり得る。
【0016】
更なる特徴は、単独または、上記に列挙したものおよび請求項に列挙したものを含めて、他の任意の特徴と組み合わせて、特許性のある主題を構成すると考えられ、現時点で理解されている発明を実施する最良の態様の例を示す例示的な実施形態の下記の詳細な説明を考察することにより当業者に明らかとなるだろう。
【0017】
詳細な説明は特に以下の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、ヘッド部が上昇位置にある医療用ベッドの斜視図である。
【図2】図2は、図1の医療用ベッドのユーザーインターフェースの正面斜視図である。
【図3】図3は、角度センサーの取付け配置を示し、図1のベッドの側面図の簡略図である。
【図4】図4は、図1のベッドのヘッド部の背面の斜視図であり、これに取り付けられた角度センサーを含む。
【図5】図5は、図4のセンサー取付け部分の部分的斜視図であり、ベッドのヘッド部に対する角度センサーの位置を示している。
【図6】図6は、図4及び図5の角度センサーの正面図である。
【図7】図7は、図6の角度センサーの背面図である。
【図8】図8は、図1のベッドの、ベッドヘッド角度監視システムの要素を概略的に示したブロック図である。
【図9】図9は、図1のベッドの、ベッドヘッド角度監視システムにより実行されるステップを示しているフローチャートである。
【図10】図10は、図9のベッドヘッド角度監視システムに対する較正方法のステップを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示には、ベッドヘッド角度監視システムを搭載した医療用ベッド10が記載されている。ベッドヘッド角度の変化を感知するために、角度センサー66が医療用ベッド10に取り付けられている。ベッド10に設置されたコンピュータ回路に内蔵のプログラミング論理が角度センサー66を較正し、ベッドヘッド角度監視システムを稼動させる。
【0020】
図1を参照すると、医療用ベッド10は、基部8に結合されているフレーム12を含む。基部8は、車輪30、32、34、36、38によって移動可能に支持されている。フレーム12はデッキ14を支持している。マットレス16は、デッキ14によって支持されている。サイドレール18、20、22、24はベッド10の両側面に取り付けられており、更にエンドボード26、28はベッド10の両端に取り付けられている。ベッド10は、患者制御モジュール40および介護者制御モジュール42、44を支持する。介護者制御モジュール44は、本明細書に記載されているベッドヘッド角度監視機能を支持する。介護者制御モジュール44の態様は、図2を参照して下記に記載されている。図8に図示されるように、コントロールパネル42、44はベッドコントロールユニット92と電気通信を行う。またベッド10は非デジタル角度位置インジケータ46も含むが、これは必須ではない。
【0021】
ベッド10は、縦方向に間隔を置いて配置されたヘッド部48、座部50、及び足部52をそれぞれ含む。当業者であれば容易に理解できるように、ベッドのヘッド部48、座部50、及び足部52のそれぞれは対応するデッキおよびマットレス部分を有する。少なくともヘッド部48および足部52は、フレーム12に対して旋回可能である。一部の実施形態では、座部50もフレーム12に対して旋回可能であり得る。
【0022】
フレーム12は、ヘッド部48が足部52よりも低いトレンデレンブルグ(「トレンド」)体位と、ヘッド部48が足部52よりも高い逆トレンド体位との間で傾斜させることができる。ベッド10がトレンド体位の時、ヘッド部48は水平面に対して負の角度となる。ベッド10のベッドヘッド角度監視システムは、重力に対するヘッド部48の角度を測定する。ベッドヘッド角度監視システムは、フレーム12に対するヘッド部48の角度位置の変化、更には水平面に対するフレーム12の角度位置の変化を説明する。ベッドヘッド角度監視コンピュータ論理の態様は、図8から図10を参照して以下に説明される。
【0023】
フレーム12に対してヘッド部48の旋回を達成するためには、多くのメカニズムを使用し得る。例えば、この参照により本明細書に援用される米国特許番号5,682,631では一例を示しており、そこでは医療用ベッドはベッドフレームに取り付けられたヘッド部を有し、ヘッド部はずれ減少旋回技術(reduced-shear pivoting technique)を使用して旋回する。
【0024】
ベッド10は、図4に示されるヘッド部アクチュエータ65を含む数個のアクチュエータを含む。ヘッド部アクチュエータ65は、ヘッド部48の連結部を駆動する。ヘッド部アクチュエータ65は、ベッド10に取り付けられた電源ユニット(図示せず)に結合されている。一部の実施形態では、ヘッド部アクチュエータ65は、駆動軸を有するリニアモーター(図示せず)を含む。他の実施形態では、ヘッド部アクチュエータ65は油圧シリンダーを含む。ベッドのヘッド部を動かすために油圧アクチュエータを有する医療用ベッドの例は米国特許番号5,715,548に開示されており、それはこの参照により本明細書に援用される。ベッドのヘッド部を動かすために電気リニアアクチュエータを有する医療用ベッドの例は米国特許番号7,406,731に開示されており、それはこの参照により本願に援用する。
【0025】
リフト機構9は、基部8に対してフレーム12を上昇、下降、及び傾斜させるように動作可能である。ベッドを上昇、下降、及び傾斜させるための例示的なリフト機構は、上述の米国特許番号5,715,548に開示されている。
【0026】
図1に示されているように、介護者制御モジュール42、44はサイドレール18の外側がわに配置されているが、この配置である必要はない。介護者制御モジュール42、44の別のセットが、サイドレール20の外側がわに配置され得る。介護者制御モジュール42は、頭の上下コントロール、脚の上下コントロール、椅子の位置決めコントロール、トレンデレンブルグ及び逆トレンデレンブルグコントロール、ベッドの上下コントロールなどのベッド位置調整コントロールを含む。
【0027】
図2を参照すると、制御モジュール44は、デジタルベッドヘッド角度ディスプレイ54を含む。デジタル角度ディスプレイは、ベッド10の設計要件に従って構成される。図示した実施形態では、ディスプレイ54は現在のベッドヘッド角度を正の整数で表し、ベッドヘッド角度の変化を1度単位で示している。ベッドヘッド角度が0度の誤差の範囲内の時、ディスプレイ54は0を表示する。デジタルディスプレイ54は、ベッドヘッド角度監視システム(例えば、ベッドヘッド角度アラーム)が活動化されてようとなかろうとベッドヘッド角度を表示しても良い。
【0028】
また制御モジュール44は、介護者コントロール56、58、60、62も含む。コントロール56はベッドヘッド角度アラームコントロールである。コントロール58は、ロックアウトコントロールである。コントロール60は、アラーム音量コントロールである。コントロール62は、警告コントロールである。
【0029】
図示した実施形態では、ベッドヘッド角度アラームコントロール56はトグルスイッチである。コントロール56を初めて押すと、ベッドヘッド角度監視システムが活動化される。ベッドヘッド角度監視が活動化されると、インジケータライト57が点灯する。コントロール56を二度目に押すと、ベッドヘッド角度監視システムが非活動化されて、インジケータライト57が消える。アラームオン/オフコントロール56は、制御モジュール44、または他の場所、例えば、フレーム12などのフレーム部材、サイドレール、ハンドヘルドユニット、またはベッドネットワーク90と通信する他の構造物に配置され得ることと理解される。
【0030】
ベッドヘッド監視システムまたは他の介護者が制御可能なベッド機能を無許可のユーザーが活動化または非活動化するのを防ぐために、ロックアウトキー58は介護者によって活動化することができる。ロックアウトキー58が活動化されている間にベッドヘッド角度アラームコントロール56が押されると、コントロール56が押された回数にかかわらず、ベッドヘッド角度監視システムはベッドヘッド角度アラームコントロール56を活動化する要求を無視する。ベッドヘッド角度監視システム、および/またはベッド10の他の監視機能は、ロックアウトキー58が活動化されていない場合のみ活動化できる。
【0031】
アラーム音量キー60は、ベッドヘッド角度監視システムおよび/またはベッド10の他の監視機能に関連する音響アラームの音量レベルを制御する。コントロール60を繰り返し活動化すると(例えば、押す)、アラームの音量が増加または減少する。
【0032】
警告コントロール62が活動化されている時、アラーム信号、またはベッドヘッド角度監視システムおよび/またはベッド10の他の監視機能が生成する信号は遠隔装置に電子的に伝達され、遠隔装置とはナースコールシステムのドーム型ライト、ナースコールシステムまたは他の医療通信システムのコンピュータ表示スクリーン、ベッド10から離れた場所(例えば、医療施設の廊下)に配置されたスピーカー、介護者の移動式またはハンドヘルド機器、または通信ネットワークによってベッド10に接続されている他の出力装置などである。アラーム信号は、インジケータライト、テキストメッセージ、グラフィックアイコン、可聴音などの形態を取り得る。ベッドから遠隔装置に信号を送信する医療通信システムの例が、米国特許番号5,562,412(Novak et al.)、5,822,544(Chaco et al.)、5,699,038(Ulrich et al.)、7,319,386(Collins, Jr. et al.)に記載されており、それらはそれぞれこの参照により本願に援用する。
【0033】
また介護者コントロールパネル44は、患者計量コントロールおよび患者体位監視コントロールなどの、ベッド10の他の機能のコントロールを含んでも良い。ベッドヘッド角度監視システムの態様は、これらまたは他のベッド機能と連動し得る。例えば、ベッドヘッド角度監視システムは、患者の体重計算において考慮するために、ベッドヘッド角度情報を患者計量システムに提供し得る。ベッドヘッド角度は、ベッド10に対して患者の体位を決定する上で考慮されるように、患者の体位監視システムに提供され得る。ベッドヘッド角度監視システムは、これらまたはベッドの他の監視機能と同時に活動してもよく、または、これらまたはベッドの他の監視機能が活動している間は、ベッドヘッド角度監視システムを使用できないようにしてもよい。
【0034】
上記のように、ベッド10には角度センサー66が装備されている。一般的に、角度センサー66は連接型デッキ部のあらゆる適切な部分に結合されてもよく、例えば、フレーム部材、デッキパネル、マットレスの一部、または連接型デッキ部と共に動くサイドレールなどに結合されてもよい。
【0035】
図3から図5を参照すると、図示した実施形態では、角度センサー66は、連接型ヘッドデッキ部64と共に動くようにその背面に取り付けられている。ヘッドデッキ部64は、フレーム12に対して単一の旋回軸の周りを旋回するものとして図3に図式的に示されている。しかしながら、角度センサー66は、任意の種類の旋回機構を有するヘッド部と関連して使用し得る。
【0036】
図4及び図5を参照すると、角度センサー66はヘッドデッキ部64の支持部材68に固定されており、これにより連結の全範囲に渡って角度センサー66の角度位置がヘッドデッキ部64の角度位置に追従するようになる。支持部材68は、ヘッドデッキ部64に対して垂直でヘッドデッキ部64の背面から離れるように下方に延びる側面69を有する。図示した実施形態では、角度センサー66は支持部材68の側面69に取り付けられており、これにより側面69とヘッドデッキ部64の背面との交差部分によって規定される角と当たる(flush with)ようになる。角度センサー66の縦軸がヘッドデッキ部64の縦軸と平行である他の取付け配置も可能である。
【0037】
図5及び図6に示されるように、角度センサー66はハウジング67を含む。図示した実施形態では、ハウジング67は五角形のPVCオーバーモールドであるが、他のハウジング構成も使用し得る。集積回路組立品70は、ハウジング67の一側面に取り付けられている。集積回路組立品70には、基板、および基板に取り付けられた電気回路が含まれる。加速度計72は集積回路組立品70に取り付けられた超小型センサーであり、図3に示されるように、加速度計72の測定軸69が重力に対して指定された角度に向けられるようになる。測定軸69の指定された角度は、図3を参照して以下に説明する要因に従って決定される。
【0038】
加速度計72は電子機器73と電気通信する。図示した実施形態では、加速度計72はアナログ出力(例えば、電圧)を生成する。加速度計72の出力は、加速度に比例する。加速度計の出力は、電子機器73によってデジタル信号に変換される。当業者には分かるように、電子機器73には、アナログからデジタルへの変換器、および信号処理および/または信号調整回路が含まれる。図示した実施形態では、電子機器73は、低域通過フィルターおよび加速度計の出力信号を駆動するための電圧フォロワとして構成された低オフセット電圧演算増幅器を含む。電子機器73のすべてまたは一部は、プリント回路組立品70上ではなく、ベッドコントロールユニット92に配置してもよい。電気コネクタ74、78、および電気ケーブル76は、ベッドヘッド角度監視システムで使用するために、加速度計の出力をベッドネットワーク90を介してベッドコントロールユニット92に通信する。図示している実施形態では、コネクタ74、78は、ペンシルバニア州バーウィンのTyco Electronics Corporation製のCTコネクタである。角度センサー66の実施形態のための機械製図、配線図、およびデジタル写真は、本開示の一部として、米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Aに含まれ、この参照により本願に援用する。
【0039】
図7に示されている角度センサーハウジング67の後向き側面は、取付装置80、82を含む。取付装置80、82は、ハウジング67をヘッドデッキ部64に固定するように構成されている。図示した実施形態では、ボルトは装置80、80のねじ山部分に結合され、ハウジング67をヘッドデッキ部64のフレーム部材68に固定する。指定された角度で測定軸69を位置付ける他の取付け構成も使用可能である。
【0040】
角度センサー66は、加速度計72を使用してベッドヘッド角度を監視する。加速度計72が経時的速度変化による測定軸69に沿った動的加速を測定できるように、加速度計72の測定軸69は配置されている。加速度計72は静的加速も測定する。静的加速の測定値は、真の水平面に垂直な、重力に対する測定軸69の配向を表している。
【0041】
図示した実施形態では、加速度計72は単一軸のキャパシタンスに基づく加速度計である。マサチューセッツ州ノーウッドのAnalog Devices社製、ADXL103単一軸加速度計は、本明細書に記載されているベッドヘッド角度監視システムでの使用に適した角度センサーの例である。加速度計を使用したベッドヘッド(HOB)角度感知用モジュールデザイン説明、文書番号NPD09482は、この参照により本願に援用し、本開示の一部として米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Bに含まれるが、ここではその4頁から6頁までに単一軸のキャパシタンスに基づく加速度計の運転についてさらに説明している。二軸加速度計も使用し得るが、その場合には二つの測定軸のうち一つのみ(例えば、「Y」軸)の出力がベッド10のベッドヘッド角度監視システムによって使用される。
【0042】
図3を再び参照すると、角度センサー66は、測定軸69がヘッドデッキ部64の縦軸に対して角度71に配置されるようにヘッドフレーム64に取り付けられる。その結果、測定軸69は重力方向67に対して90度から角度71の値を差し引いた方向に向く。
【0043】
測定軸角度71の値は、ベッド10の操作、ベッドヘッド角度監視システム、および角度センサー66の仕様に関する要因に基づいて決定される。ベッド10は、水平面に対して、ヘッドフレーム64のための角度位置の最大範囲を有する。ベッド10は、ヘッドフレーム64が水平面より低いトレンデレンブルグ(「トレンド」)体位を取るように設計されているので、角度位置の範囲は負の値を含む。図示した実施形態では、ヘッドフレーム64の角度位置の望ましい範囲は、水平面に対して−18度(完全なトレンド体位)から+88度(ヘッドフレーム64の最大傾斜、ヘッドフレーム64は完全に引き起こされてベッド10は完全に逆トレンド体位になっている)である。
【0044】
ヘッドデッキ部64は完全なトレンド体位から完全にヘッドの上がった逆トレンド体位に動かされると(すなわち、角度位置の全範囲に渡る)、測定軸69は引力の十分な変化を経験し、指定された誤差範囲内において全範囲に渡るベッドヘッド角度の変化を解く。望ましい測定角度(度)の正弦をとった時に、正弦曲線の傾きが角度測定の望ましい範囲の全ての値において0よりも十分に大きい場合に、望ましい引力の変化が提供される。図示した実施形態で使用された正弦曲線を示すグラフは、米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Aの7頁に示されている。
【0045】
測定軸69の角度71は、加速度計72によって測定された引力への撹乱力の影響を最小化するためにも選択される。このような撹乱力は、ベッド10上の患者の動きによって起こり得る。この概念は、米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Aの7頁に説明されている。
【0046】
また角度71は、加速度計72の最大電圧出力が、電子機器73のアナログからデジタルへの変換器の基準電圧などの指定された電圧限界よりも低く維持されるように選択される。図示した実施形態では、加速度計72の指定された最大電圧出力は、角度測定の全範囲を通して2.5ボルト未満である。
【0047】
また角度71は、加速度計72の温度特性に従って選択される。極端な温度暴露は、加速度計の出力にヒステリシス・オフセットを起こす可能性がある。温度暴露は、例えば、ある場所から別の場所へのベッド10の運送中に起こり得る。角度71は、温度によるヒステリシス・オフセットを最小化するために選択される。また角度71は、望ましい温度範囲での加速度計72の較正を可能にするために選択される。図示した実施形態では、望ましい温度範囲は約10から約40℃の間である。
【0048】
米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Aに記載の前述および他の考察を考慮して、角度センサー66の測定軸69は重力67の方向に対して約65度の範囲内に向いている。測定軸69の重力に対する望ましい取付け方向を達成するため、上述のように、角度センサー66の縦軸がヘッドフレーム64の縦軸と平行になるように角度センサー66はヘッドフレーム64に取り付けられる。このように、角度センサー66がヘッドフレーム64に取り付けられる時、測定軸69の角度71はヘッドフレーム64の縦軸に対して約25度の範囲内にある。
【0049】
加速度計の傾斜データスプレッドシートはこの参照によって本願に援用し、米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Cに本開示の一部として含まれるが、これは指定された角度71の決定に関するデータを提供する。
【0050】
図8から図10を参照しながら、ベッド10のベッドヘッド角度監視システムの態様を説明する。作動時に、ベッドコントロールユニット92は、ベッドネットワーク90を通じて装置42、44、54、56、65、72、94と通信する。図示した実施形態では、ベッドネットワーク90はコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)であるが、当業者にはわかるように他の種類のネットワークも使用され得る。ベッド用のコンピュータネットワーク例が、米国特許番号6,279,183(Kummer et al.)および7,319,386(Dixon et al.)に開示されており、いずれもこの参照により本願に援用する。
【0051】
コントローラー92は上下コントロール94およびアクチュエータ65の運転を監視し、ベッドヘッド角度監視システムが活動化された場合(すなわち、アラームコントロール56がオンになっている)、ベッドヘッド角度が指定された角度よりも小さい場合にコントローラー92はアラーム96を作動させる。
【0052】
本願では、アラーム状態を引き起こす指定された角度を閾値角度と呼ぶ。図示した実施形態では、閾値角度は固定されている。さらに、図示した実施形態では、閾値角度は、水平面より上に約30度±許容誤差の範囲内にある。しかし、一部の実施形態では、閾値角度は複数の値の範囲または複数の値(例えば、最小値と最大値)であり得る。また、一部の実施形態では、例えば米国特許番号7,487,562に記載されているように閾値角度を選択しても良い。閾値角度は、コントローラー92と関連付けられてフラッシュメモリなどのメモリに記憶される。
【0053】
ベッドコントロールユニット92は、一つ以上のモジュールを含む。ベッドコントロールユニット92の一つ又は複数のモジュールは、一般的にプリント回路組立品を含み、これは一つ以上のマイクロコントローラーまたはマイクロプロセッサを含み得る。モジュールの一部はベッド10の色々な場所に配置され得るが、他のモジュールは中央に配置される。例えば、主要モジュールは基部8に設置され得る。複数のモジュールは、コンピュータプログラミング(例えば、ファームウェアまたはソフトウェア)で定義されたステップまたはプロセスを実行するための関連メモリに記憶されたコンピュータ論理を実行するように構成される。
【0054】
コントローラー92で実行可能なコンピュータ論理は、角度センサー72からのデータにより求められたヘッド部角度位置に対応するデータと閾値角度とを比較するように構成され、ヘッド部角度位置に対応するデータが閾値角度より小さい場合はアラーム96を作動させる。他の実施形態では、システムデザイナーおよびソフトウェアプログラマーの選択で、アラームを作動させるために満たすべき論理条件は、例示の実施形態の論理条件以下である代わりに、条件よりも大きい、条件以上、または条件未満であり得る。
【0055】
介護者がベッドヘッド角度アラームコントロール56を活動化していない場合、コントローラー92はヘッドアラームオン/オフコントロール56を監視し続ける。コントローラー92は他のタスクを行ってもよく、従って、コントロール56システムの監視は継続的でなく、むしろ時折行なわれ得ることを当業者は分かるだろう。
【0056】
図9及び図10は、コントローラー92によって実行可能な、ベッドヘッド角度監視システムのステップまたはプロセスを説明している。上記のように、角度センサー66がベッド66に取り付けられて、ベッド10へのAC電源(すなわち、バッテリー以外の電源)が入っている時(ステップ100)、コントローラー92は角度センサー66が較正されているか否かを判断する(ステップ102)。角度センサーの較正が完了すると、次にコントローラー92はベッドヘッド角度の監視要求を受信したかどうかを確認する(以下に記載のステップ106)。
【0057】
角度センサーの較正が完了していない場合、コントローラー92は角度センサー66を較正する一つ又は複数のルーチンを実行する(ステップ104)。一つ(又は複数の)較正ルーチンは、測定軸が指定された角度71で、ベッド10に取り付けられた単一軸(または単一出力)の加速度計用に設定されている。較正ステップ104は下記のように図10にてさらに規定される。
【0058】
角度センサーの較正が完了すると、コントローラー92はベッドヘッド角度の監視要求を受信したか否かを確認する(ステップ106)。このような要求が感知されない場合、システムはこのような要求を待つ。当業者には既に理解されているように、コントローラー92は、ベッドヘッド角度の監視要求を待つ間に他の機能を行うことができる。図示した実施形態では、ベッドヘッド角度の監視要求は、介護者がアラームコントロール56を活動化したことに反応してコントロール56が発する電気信号である。他の実施形態では、ベッドヘッド角度監視の活動化または非活動化の要求は、電子装置、コンピュータ、コンピュータプロセス、または更に遠隔装置からの信号によって開始され得る。例えば、コントローラー92は、患者体位監視システムが、ベッド10上の患者の存在を感知するとすぐに、またはベッド10のベッドヘッド角度が閾値角度を超えるとすぐに、ベッドヘッド角度監視を作動させるように設定され得る。別の例としては、介護者は、医療通信システムを介してベッド10と通信する、ナースステーションまたはハンドヘルド機器などのリモートコンピュータから、ベッドヘッド角度の監視を活動化または非活動化することができる。
【0059】
ベッドヘッド角度監視要求が受信されると、システムはベッドの電源モードを確認する(ステップ108)。ベッド10へのAC電源が失われた場合、または他の理由でベッド10がバッテリー電源で稼動している場合、ベッドヘッド角度監視システムはオンにならないか、またはそれまでオンになっている場合はオフになる。システムは監視状態を(例えば、「オフ」または「解除」に)更新し、更新された監視状態をコントローラー92に報告し(ステップ110)、ベッドヘッド角度監視の別の要求を待つ(ステップ106)。
【0060】
ベッド10がバッテリー以外の電源で作動している場合、ベッドヘッド角度監視システムは活動化される(ステップ112)。角度センサー66がオンになり、監視状態が(例えば、「オン」または「有効」に)更新され、ベッドヘッド角度の監視が開始される。
【0061】
ベッドヘッド角度を監視する間、システムは加速度計の出力を読み取り、ベッド10がAC電源で作動しており、ベッドヘッド角度監視を非活動化する要求が受信されていない限り、連続的にベッドヘッド角度を計算する(ステップ114)。他の実施形態では、ベッドヘッド角度は指定された時間間隔で計算され得る。
【0062】
ベッドヘッド角度の計算において、システムは角度センサー66の較正中に決定された較正定数を適用する(ステップ104)。また、ヒステリシスおよびデバウンス時間がベッドヘッド角度の計算に用いられ、アラーム状態が実際に存在するか否かを判断する(ステップ116)。このような方法で、システムは、ベッドヘッド角度の測定値が閾値角度より小さいのは(ヘッドデッキ部64を動かし得る)患者の正常な動きのため、または介護者がベッド10をCPR位置に配置した(これは、例えば、患者が緊急な医療事象を起こしていることに応じて)ためである可能性を考慮する。計算されたベッドヘッド角度が整数でない場合、計算値は整数に四捨五入されてディスプレイ54に表示される。
【0063】
アラーム状態であるとシステムが判断した場合(ステップ116)、アラームが発せられる(ステップ118)。アラームは音声または視覚的な信号でも良く、上述のように、ベッド10の場所で局所的に、または遠隔の場所で提示され得る。
【0064】
アラーム状態では無い場合、またはアラームが発せられた場合、システムはベッドヘッド角度監視システムを非活動化すべきか否かを確認する(ステップ120)。ベッドヘッド角度監視システムが非活動化されるのは、「非活動化」信号がコントロール56から受信された場合、ベッドの電源モードがバッテリーに切り替わった場合、ベッドヘッド角度が閾値角度を超えた場合、一定時間の経過後、または他の誘発事象が起こった場合である。非活動化の信号または状態が検出されると、ベッドヘッド角度監視システムはオフにされる(ステップ122)。このような信号または状態が検出されない場合、ベッドヘッド角度監視は継続される(ステップ114)。
【0065】
また、上述のステップおよびプロセスの態様は、サイドレールインターフェース(SRI)モジュールソフトウェア設計説明書、文書番号NPD09483の54から59頁までにも記載されており、それはこの参照により本明細書に援用され、米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Dで本開示に含まれる。
【0066】
図10を参照すると、角度センサー66の三点較正プロセスの態様が示されている。較正プロセスは、ベッドの始動時で、上述のように、測定軸69の方向を指定された角度71に向けて角度センサーが設置された後に実行される。一般的に、較正はベッド10の製造中または技術者による開始時に(例えば、修理中に)実施され、ベッド10をオンにするたびに繰り返す必要はない。しかし、システム電源をリセットするたび、またはシステムをバッテリーからAC電源に移行させるたび、または他の誘発事象が起こるたびに較正は実施され得る。
【0067】
較正プロセスは、較正要求の受信によって開始される(ステップ128)。較正要求は一般的に電気信号に組み込まれている。例えば、較正プロセスがベッド10に対して以前に正常に完了されなかった場合、システムは「未較正」状態を検出する。較正要求は、ユーザーによる入力、例えば、技術者がベッド10のサービススクリーン上のボタンを押すことによっても開始され得る。
【0068】
較正要求の受信後、システムは較正に必要なデータポイントの取得へ進む。図示した実施形態では、3つの較正点が使用されている。各較正点は、指定されたベッドヘッド角度に対応する。例えば、較正点は0度、30度、および60度であり得る。図示した実施形態では、較正点は約5度、約30度、および約50度の範囲内である。
【0069】
ベッド10のヘッドデッキ部64は、第一の較正点へ動かされる(ステップ130)。ヘッドデッキ部64は、ユーザーがヘッド上下コントロール94を操作することによって、またはアクチュエータ65を操作するようにコントローラー92によるステップ要求の自動発生によって動かし得る。ヘッドデッキ部64の角度位置が第一の較正点に達した時(例えば、上昇5度)、システムは角度センサー66のデジタル出力(すなわち、ADCカウント)を入手し、これをメモリに記憶する(ステップ132、134、136)。システムは、全ての較正点を取得するまで、ステップ130、132、134、136を繰り返す。図示した実施形態では、第二の較正点(例えば、30度)および第三の較正点(例えば、50度)に対して、ステップ130、132、134、136が繰り返される。
【0070】
較正点を取得すると、システムは3つの較正定数を計算する(ステップ138)。3つの較正定数は、取付けオフセット、無重力オフセット、および感度である。取付けオフセットは、重力線の方向に対する測定軸69の実際の角度である。加速度計72は、測定軸の角度71が指定された角度(例えば、垂直軸に対して65度/ヘッドデッキ部64に対して25度)になるように取り付けられることが予想されるが、多少の取付け誤差が起こり得る。従って、取付けオフセットは取付け誤差の大きさを示している。取付けオフセット、F、は、下記の式Aを使用して計算される。
【0071】
取付けオフセットFが計算されると、次に無重力オフセットおよび感度が計算される。これらの各較正定数は、(1)ベッドヘッド角度の方向が0度および30度で収集されたデータポイント、(2)ベッドヘッド角度の方向が30度および50度で収集されたデータポイントを使用して較正される。従って、無重力オフセット(「A」)および感度(「A」)の較正定数の2つの異なるセットが計算される。AとA較正定数の第一のセット(すなわち、0度と30度との方向を使用して生成されたもの)は、0から30度の範囲内の角度に対するベッドヘッド角度の計算(図9のステップ114)に使用される。AとA較正定数の第二のセット(すなわち、30度と50度との方向を使用して生成されたもの)は、30から60度の範囲内の角度に対するベッドヘッド角度の計算(図9のステップ114)に使用される。感度Aは、下記の式Bを使用して計算される。無重力オフセットAは、下記の式Cを使用して計算される。
【0072】
式A:

式B:

式C:

ここで、

は、ベッドヘッド角度xでの加速度計出力ADCカウントである。
は、ベッドヘッド角度yでの加速度計出力ADCカウントである。
は、ベッドヘッド角度zでの加速度計出力ADCカウントである。
【0073】

較正定数は、ベッドヘッド角度の値に対する許容誤差を考慮して決定される。誤差は、異なる角度位置に対して別々に定義され得る。例えば、0、30、50または60度の角度位置のあたりでは、測定範囲内の他の角度位置よりも許容誤差が小さいことがある。
【0074】
較正定数が決定されたら、これらはベッドヘッド角度監視システムのベッドヘッド角度の計算(図9のステップ114)用に、メモリに記憶される(図10のステップ140)。
【0075】
また、上述の較正方法の態様は、米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Aの10頁から14頁および米国特許仮出願、出願番号61/250,276の別表Dの55頁にも記載されて説明されている。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態について上記に詳細に説明してきたが、下記の請求項で説明および定義されるこの開示内容の範囲および精神の範囲内で、変更および修正が存在する。例えば、角度センサー、取付け設定、角度位置監視システムは、本明細書ではベッドヘッド角度監視用途との関連で記載されているが、もしも座部、脚、または足部などの医療用ベッドの他の任意の部分の角度位置を監視するのが好ましい場合には、これらの特徴および/またはその態様は、医療用ベッドのこれらの他の連接部分に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に結合されているフレームであって、トレンデレンブルグ体位から逆トレンデレンブルグ体位に移動可能な前記フレームと、
前記フレームによって支持されて、前記フレームに対して水平位置と連接位置との間で移動可能なデッキであって、前記フレームに対して旋回可能なヘッド部と前記ヘッド部から間隔を置いて配置された足部とを少なくとも含む前記デッキと、
前記ヘッド部の角度位置を測定するために使用可能な測定軸を有するセンサーと、
前記センサーおよび前記ヘッド部に結合されている取付装置であって、前記センサーの前記測定軸が重力に対して非垂直の角度に向くように構成されている前記取付装置と、
を備えるベッド。
【請求項2】
前記センサーは加速度計を含むことを特徴とする、請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記非垂直の角度は約65度の範囲内であることを特徴とする、請求項2に記載のベッド。
【請求項4】
前記取付装置はセンサーハウジングを含み、前記センサーハウジングは前記ヘッド部に対して平行に取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載のベッド。
【請求項5】
前記センサーハウジングは前記ヘッド部の縦支持部材に固定されていることを特徴とする、請求項4に記載のベッド。
【請求項6】
前記ヘッド部の前記縦支持部材は、前記ヘッド部に対して垂直に延びている側部を含み、前記センサーハウジングは前記側部に固定されていることを特徴とする、請求項5に記載のベッド。
【請求項7】
前記縦支持部材の前記側部は前記ヘッド部から離れるように下方へ延びることを特徴とする、請求項6に記載のベッド。
【請求項8】
前記センサーの前記測定軸は前記ヘッド部に対して鋭角に向いていることを特徴とする、請求項2に記載のベッド。
【請求項9】
前記鋭角は約25度の範囲内にあることを特徴とする、請求項8に記載のベッド。
【請求項10】
前記加速度計からの複数の出力信号を受信し、前記複数の出力信号からベッドヘッド角度を計算し、前記ベッドヘッド角度が指定された閾値角度より小さい場合にはアラームを発するように構成されているベッドコントロールユニットを備える、請求項3に記載のベッド。
【請求項11】
前記指定された閾値角度は約30度の範囲内にあることを特徴とする、請求項10に記載のベッド。
【請求項12】
前記ベッドコントロールユニットは、前記ベッドヘッド角度を計算するために前記加速度計の一つの測定軸に関連する複数の出力信号のみを使用することを特徴とする、請求項11に記載のベッド。
【請求項13】
第一側面及び前記第一側面から離れている第二側面を有する非可撓性ハウジングと、
前記ハウジングの前記第一側面に固定された基板と、
前記基板に取り付けられた加速度計であって、ベッドの旋回可能なデッキ部の角度位置を測定するために使用可能な測定軸を有する前記加速度計であって、重力に対して非垂直の角度に前記測定軸が向くように前記基板に取り付けられている前記加速度計と、
前記加速度計から前記ベッドのコントロールユニットに複数の出力信号を送信する電子機器と、
を備えるベッドヘッド角度センサー。
【請求項14】
前記測定軸が重力に対して約65度の角度に向くように、前記加速度計が前記基板に取り付けられていることを特徴とする、請求項12に記載のベッドヘッド角度センサー。
【請求項15】
前記ハウジングの前記第二側面に結合された取付装置を含み、
前記取付装置は、前記ベッドヘッド角度センサーを前記ベッドの前記旋回可能なデッキ部に固定するように構成されていることを特徴とする、
請求項14に記載のベッドヘッド角度センサー。
【請求項16】
前記取付装置は前記ベッドヘッド角度センサーハウジングを前記ベッドの旋回可能なデッキ部の支持部材に固定して、前記ハウジングの縦軸が前記旋回可能なデッキ部の縦軸と平行になるようにすることを特徴とする、
請求項15に記載のベッドヘッド角度センサー。
【請求項17】
ベッドの電子コントロールユニットで前記ベッドの旋回可能なヘッド部に固定して取り付けられている重力式ベッドヘッド角度センサーの較正方法であって、前記方法は、
前記ベッドヘッド角度センサーからの第一、第二、及び第三の電気出力信号を、第一、第二、及び第三の較正点でそれぞれ取得し、
前記第一、前記第二、及び前記第三の各較正点は、重力に対して前記旋回可能なベッドのヘッド部の間隔を置いた第一、第二、及び第三の角度位置に相当し、
前記複数の較正点に対する前記複数の出力信号を前記ベッドコントロールユニットに結合されたメモリに記憶し、
前記第一、前記第二、及び前記第三の出力信号を使用して第一、第二、及び第三の較正定数を計算し、
前記第一、前記第二、及び前記第三の較正定数を前記ベッドコントロールユニットに結合されたメモリに記憶する、
ことを含む方法。
【請求項17】
前記第一の較正定数は前記ベッドヘッド角度センサーの取付けオフセットを示し、第二の較正定数は前記ベッドヘッド角度センサーの無重力オフセットを示し、第三の較正定数は前記ベッドヘッド角度センサーの感度を示すことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項18】
前記第一、前記第二、及び前記第三の較正点は、それぞれ約5度、30度、及び50度の範囲内にあることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ベッドヘッド角度センサーは重力に対して非垂直の角度で前記ベッドのヘッド部に取り付けられていることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ベッドに固定して取り付けられた重力式センサーを有するベッドの旋回可能なヘッド部のベッドヘッド角度を計算する方法であって、前記方法は、
請求項19に記載の前記方法によって前記センサーを較正し、
前記第一、前記第二、及び前記第三の較正定数の第一のセットを、第一の測定範囲内のベッドヘッド角度の複数の測定値に適用し、
前記第一、前記第二、及び前記第三の較正定数の第二のセットを、第二の測定範囲内のベッドヘッド角度の複数の測定値に適用する、
ことを備える方法。
【請求項21】
前記第一の測定範囲は約0度から約30度であり、前記第二の測定範囲は約30度から約50度であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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