説明

ベルトスリーブの溝形成方法、及び、ベルトスリーブの溝形成装置

【課題】ベルトスリーブの外周面に、所定形状の溝を短時間で形成することが可能な、溝形成方法及び溝形成装置を提供すること。
【解決手段】まず、ロール21,22により走行されるベルトスリーブ1の外周面に切削刃物26を当接させて、外周面にスリーブ周方向に延在する予備溝9を切削形成する。次に、ベルトスリーブ1の外周面に前記予備溝9に対応した形状の凸部28aを有する研磨砥石28を当接させて、予備溝9の内面を含むベルトスリーブ1の外周面を研磨することにより、予備溝9からV溝8を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトに加工されるベルトスリーブにそのスリーブ周方向に延在する溝を形成する方法、及び、ベルトスリーブに溝を形成する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ベルトの長手方向に延在する溝によって区切られた、複数のリブを有するベルト(例えば、Vリブドベルト)が知られている。このようなリブ付きのベルトは、一般に、心線が埋設されたゴムからなるベルトスリーブの外周面に、スリーブ周方向に延在する溝を複数形成した後、このスリーブを所定幅で切断することによって得られる。
【0003】
ここで、特許文献1には、Vリブドベルトを製造する際に、ベルトスリーブの外周面に、そのスリーブ周方向に延在する溝を形成する方法が開示されている。即ち、二軸のロール間によってベルトスリーブを走行させながら、ベルトスリーブの外周面に、断面V形状の凸部を有する研削ホイールを所定時間当接させることにより、ベルトスリーブに研削ホイールの凸部に対応した複数のV溝を形成する。
【0004】
【特許文献1】特開2006−7375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の方法によれば、研削ホイールによる研磨のみによってベルトスリーブに溝を形成しているため、所定深さを有する溝を形成するのに非常に長い時間がかかり、ベルトの生産効率が低くなる要因となっていた。また、ベルトスリーブの外周面に研削ホイールが接触した状態が長時間続くことから、摩擦熱によりベルトスリーブ外周面の温度が高くなる。すると、溝が形成されるベルトスリーブ外周面のゴムが劣化して、ベルトに加工された後に溝とプーリとの間で発音が発生しやすくなるなど、ベルトスリーブに悪影響が及ぶ虞がある。
【0006】
本発明の目的は、ベルトスリーブの外周面に、所定形状の溝を短時間で形成することが可能な、溝形成方法及び溝形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
第1の発明のベルトスリーブの溝形成方法は、ベルトに加工されるベルトスリーブの外周面に、そのスリーブ周方向に延在するスリーブ溝を形成する、ベルトスリーブの溝形成方法であって、
ロールにより走行される前記ベルトスリーブの外周面に切削手段を当接させて、前記外周面に前記スリーブ周方向に延在する予備溝を切削形成する予備溝切削工程と、前記ベルトスリーブの外周面に前記予備溝に対応した形状の凸部を有する研磨手段を当接させて、前記予備溝の内面を含む前記ベルトスリーブの外周面を研磨することにより、前記予備溝から前記スリーブ溝を形成する研磨工程とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、ベルトスリーブの外周面を先に切削手段で切削し、ある程度の深さを有する予備溝を形成してから、ベルトスリーブの外周面に予備溝に対応した形状の凸部を有する研磨手段を当接させ、凸部で予備溝の内面を研磨することにより、最終的なスリーブ溝を形成する。この方法によれば、研磨手段の研磨量が少なくて済むため研磨時間が短くなり、スリーブ溝の形成にかかる時間を短縮することができる。
【0009】
第2の発明のベルトスリーブの溝形成方法は、前記第1の発明において、前記切削手段は、所定角度で交差する少なくとも2枚の刃を有することを特徴とするものである。
【0010】
このように、所定角度で交差する少なくとも2枚の刃を有する切削手段を用いることにより、断面V形状の予備溝を形成することができる。
【0011】
第3の発明のベルトスリーブの溝形成装置は、ベルトに加工されるベルトスリーブの外周面に、そのスリーブ周方向に延在するスリーブ溝を形成する、ベルトスリーブの溝形成装置であって、
前記ベルトスリーブが巻き掛けられて、このベルトスリーブを走行させるロールと、前記ロールにより走行される前記ベルトスリーブの外周面に当接して、前記外周面に前記スリーブ周方向に延在する予備溝を切削形成する切削手段と、前記予備溝に対応した形状の凸部を有するとともに、前記ベルトスリーブの外周面に当接して、前記予備溝の内面を含む前記ベルトスリーブの外周面を研磨することにより、前記予備溝に対応する前記スリーブ溝を形成する研磨手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の装置によれば、ベルトスリーブの外周面を先に切削手段で切削し、ある程度の深さを有する予備溝を形成してから、ベルトスリーブの外周面に予備溝に対応した凸部を有する研磨手段を当接させて予備溝の内面を研磨することにより、最終的なスリーブ溝を形成することができる。従って、研磨手段の研磨量が少なくて済むため研磨時間が短くなり、スリーブ溝の形成にかかる時間を短縮することができる。
【0013】
第4の発明のベルトスリーブの溝形成装置は、前記第3の発明において、前記切削手段は、所定角度で交差する少なくとも2枚の刃を有することを特徴とするものである。
【0014】
このように、切削手段が、所定角度で交差する少なくとも2枚の刃を有することから、断面V形状の予備溝を形成することができる。
【0015】
第5の発明のベルトスリーブの溝形成装置は、前記第4の発明において、前記切削手段の前記2枚の刃は、それぞれ、前記ベルトスリーブに対する切込角度を独立して調整可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
この構成によれば、切削手段の2枚の刃の切込角度を独立して調整することで、任意のV形状を有するスリーブ溝を形成することが可能となる。
【0017】
第6の発明のベルトスリーブの溝形成装置は、前記第4又は第5の発明において、前記切削手段の前記2枚の刃は、それらの離間距離を調整可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
この構成によれば、切削手段の2枚の刃の離間距離を調整することで、任意のV形状を有するスリーブ溝を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、ベルト長手方向に延在するV溝によって区切られた複数のVリブを有するVリブドベルトを製造する際に、ベルトスリーブにV溝(スリーブ溝)を形成する方法及び装置に、本発明を適用した一例である。
【0020】
最初に、Vリブドベルトに加工されるベルトスリーブ1の構造を、図1を参照して説明する。図1はベルトスリーブの断面斜視図、図2は図1のベルトスリーブから形成されたVリブドベルトの断面斜視図である。
【0021】
このベルトスリーブ1は、円筒形の成形ドラム(図示省略)の外周面に、カバー帆布5を形成する帆布、接着ゴム層3を形成する未加硫ゴムシート、心線2を形成する接着処理された撚りコード、圧縮ゴム層4を形成する未加硫ゴムシートを順に巻き付け、得られた成形体を所定の加硫温度に加熱して加硫することにより得られる。
【0022】
圧縮ゴム層4としては、例えば、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)、水素化ニトリルゴム(HNBR)等が用いられる。なお、圧縮ゴム層4には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミド等の短繊維を混入して、耐側圧性を向上させることが望ましい。
【0023】
心線2を構成するコードには、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等の繊維からなる撚りコードが用いられる。カバー帆布5としては、綿、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布が用いられる。
【0024】
この図1に示すベルトスリーブ1の外周面(圧縮ゴム層4の表面)に、スリーブ周方向(心線2に沿う方向)に延在する断面V形状の溝(V溝8)が複数形成された上で、このベルトスリーブ1が所定幅で切断されることにより、図2に示すような、V溝8によって区切られた複数のVリブ7を有するVリブドベルト10が得られる。
【0025】
次に、前述のベルトスリーブ1の外周面にV溝8を形成する溝形成装置、及び、溝形成方法について説明する。
【0026】
図3は溝形成装置の平面図、図4は溝形成装置の側面図である。図3、図4に示すように、溝形成装置20は、駆動ロール21及び従動ロール22と、2枚の切削刃物26を有する切削機構23(切削手段)と、研磨砥石を有する研磨機構24(研磨手段)とを備えている。
【0027】
駆動ロール21と従動ロール22は、機台(図示省略)にそれぞれ回転自在に支持されており、互いに平行に配置されている。また、駆動ロール21はモータ(図示省略)により回転駆動される。そして、駆動ロール21と従動ロール22にベルトスリーブ1が架け渡された状態で、駆動ロール21がモータによって図4の矢印の方向に回転駆動されることで、ベルトスリーブ1が矢印Aの方向に走行することになる。尚、従動ロール22は駆動ロール21に対して離接可能に構成されており、従動ロール22の駆動ロール21に対する離接距離を調整してベルトスリーブ1の張力を適切に設定できるようになっている。
【0028】
切削機構23と研磨機構24は、共に、ベルトスリーブ1の幅方向(ロールの長手方向)に沿って移動可能な移動台25に搭載されている。即ち、切削機構23と研磨機構24は、移動台25と一体的にベルトスリーブ1の幅方向に移動可能に構成されている。さらに、移動台25は、駆動ロール21に近接した近接位置(図3の位置)と、この近接位置よりも駆動ロール21から離れた退避位置にわたって、駆動ロール21に対して離接する方向(図3の上下方向)に移動可能に構成されている。
【0029】
切削機構23は、2枚の切削刃物26と、この切削刃物26を支持する刃物支持台27とを備えている。図5は、切削刃物26を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。この図5(a),(b)に示すように、切削刃物26は、薄い円板状の外形形状を有し、その外周部に刃部26aを有する。尚、図5においては、切削刃物26の外周部の全周にわたって刃部26aが形成されているが、駆動ロール21に対向する一部分にのみ刃部26aが形成されていてもよい。また、図3に示すように、2枚の切削刃物26は、駆動ロール21(ベルトスリーブ1の外周面)に対してそれぞれ反対方向に傾くように刃物支持台27上に配置され、その結果、2枚の切削刃物26は所定角度をもって交差している。そして、2枚の切削刃物26は、ロール21,22によって走行駆動されるベルトスリーブ1の外周面に当接することにより、この外周面にベルトスリーブ1の周方向に延在する断面V形状の溝(予備溝9:図7参照)を切削形成する。
【0030】
刃物支持台27は、移動台25に対して、駆動ロール21に離接する方向(図3の上下方向)に移動可能に構成されている。また、この刃物支持台27は、2枚の切削刃物26の角度(ベルトスリーブ1への切込角度)をそれぞれ独立して調整することが可能に構成されている。例えば、各々の切削刃物26のベルトスリーブ1の外周面に対する角度を、30°〜45°の範囲で調整可能となっている。さらに、刃物支持台27の、2枚の切削刃物26をそれぞれ支持する部分が独立してロール長手方向(図3の左右方向)に移動可能に構成されることによって、2枚の切削刃物26の離間距離も調整可能となっている。
【0031】
研磨機構24は、研磨砥石28と、この研磨砥石28を回転自在に支持する砥石支持台29とを備えている。研磨砥石28は、扁平な円柱状の外形形状を有し、その外周面には、例えば、30メッシュ程度のダイヤモンドの粒子が電着されている。また、この研磨砥石28は、モータ(図示省略)によって回転駆動されるようになっている。
【0032】
図6は、研磨砥石28の外周部の拡大断面図である。この図6に示すように、研磨砥石28の外周面には、ベルトスリーブ1の幅方向に並ぶ多数の凸部28aが形成されている。各々の凸部28aの断面形状は、前述した2枚の切削刃物26によってベルトスリーブ1の外周面に形成される予備溝9に対応した、断面略V形状となっている。そして、切削機構23によってベルトスリーブ1の外周面に形成された予備溝9に、研磨砥石28の複数の凸部28aが当接した状態(図8参照)で、研磨砥石28がモータにより回転駆動されることで、予備溝9の内面を含むベルトスリーブ1の外周面全体が研磨砥石28によって研磨される。
【0033】
また、砥石支持台29は、刃物支持台27と同じく、移動台25に対して、駆動ロール21に離接する方向(図3の上下方向)に移動可能に構成されている。
【0034】
次に、上述した溝形成装置20を用いた溝形成方法について説明する。まず、図3、図4に示すように、駆動ロール21と従動ロール22にベルトスリーブ1を巻き掛けた後、従動ロール22の駆動ロール21に対する位置(駆動ロール21との離接距離)を調整して、ベルトスリーブ1に適度の張力が作用するようにする。そして、図4に示すように、図示しないモータにより駆動ロール21を回転駆動して、ベルトスリーブ1を矢印Aの方向に走行させる。
【0035】
次に、切削機構23と研磨機構24とが搭載された移動台25を、退避位置から、駆動ロール21に近接する近接位置(図3の位置)に移動させる。その状態から、さらに、2枚の切削刃物26を支持する刃物支持台27を移動台25に対して駆動ロール21側に進出させ、2枚の切削刃物26の外周部に設けられた刃部26a(図5参照)をベルトスリーブ1の外周面に当接させる。そして、図7に示すように所定角度で交差する2枚の切削刃物26の刃部26aにより、ベルトスリーブ1の外周面が部分的に切削し、スリーブ周方向に延在するV形状の予備溝9を形成する(予備溝切削工程)。
【0036】
尚、この予備溝切削工程を行う前に、所望のV溝8に対応したV形状の予備溝9を形成することができるように、予め、2枚の切削刃物26の交差角度、及び、離間距離をそれぞれ調整しておく。
【0037】
また、1本の予備溝9を形成し終えたら、一旦、刃物支持台27を移動台25に対して駆動ロール21から離れる側に後退させてから、移動台25をベルトスリーブ1の幅方向に所定ピッチ移動させる。尚、このピッチは任意に変更可能である。その後、再び、刃物支持台27を進出させ、次の予備溝9を形成する。これを繰り返すことにより、ベルトスリーブ1の外周面にその幅方向に並ぶ複数の予備溝9を形成する。
【0038】
ある程度の本数の予備溝9が切削機構23により形成されると、次に、研磨砥石28を支持する砥石支持台29を移動台25に対して駆動ロール21側に進出させ、図8に示すように、研磨砥石28の外周面に設けられた複数の凸部28aをベルトスリーブ1の外周面に形成された複数の予備溝9に係合させつつ、研磨砥石28をベルトスリーブ1の外周面に当接させる。そして、研磨砥石28とベルトスリーブ1の相対向する面が逆方向に移動するように、図示しないモータにより研磨砥石28を図4の矢印の方向に回転駆動する。
【0039】
これにより、複数の凸部28aを有する研磨砥石28により、予備溝9の内面を含むベルトスリーブ1の外周面を研磨する(研磨工程)。即ち、凸部28aによって予備溝9の内面を研磨して最終的なV溝8を形成しつつ、予備溝9以外の平坦面を同時に研磨して、上述したベルトスリーブ1の製造段階で生じるベルトスリーブ1の厚み不均一も解消する。
【0040】
以上説明したベルトスリーブ1の溝形成装置20、及び、溝形成方法によれば、次のような効果が得られる。
【0041】
ベルトスリーブ1の外周面を先に切削刃物26で切削し、ある程度の深さを有する予備溝9を形成してから、ベルトスリーブ1の外周面に予備溝9に対応した形状の凸部28aを有する研磨砥石28を当接させて予備溝9の内面を研磨することにより、最終的なV溝8を形成する。これよれば、研磨砥石28の研磨量が少なくて済むため研磨時間が短くなり、V溝8の形成にかかる時間を短縮することができる。
【0042】
また、断面V形状の予備溝9を形成する2枚の切削刃物26は、ベルトスリーブ1に対する切込角度を独立して調整可能に構成されている。さらに、2枚の切削刃物26は、それらの離間距離を調整可能に構成されている。そのため、2枚の切削刃物26の切込角度や離間距離を調整することにより、任意のV形状を有する予備溝9、ひいては、任意のV溝8を形成することが可能である。
【0043】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0044】
1]前記実施形態では、ベルトスリーブ1が、2軸のロール(駆動ロール21と従動ロール22)に架け渡されていたが、1軸ロールにベルトスリーブ1が巻き掛けられた状態でこのロールが回転することにより、ベルトスリーブ1が走行するように構成されてもよい。
【0045】
2]前記実施形態では、切削機構23と研磨機構24が1つの移動台25に搭載されて、両者が一体的にベルトスリーブ1の幅方向に移動するように構成されているが、切削機構23と研磨機構24が独立してベルトスリーブ1の幅方向に移動するように構成されてもよい。
【0046】
3]ベルトスリーブ1の外周面に予備溝9を形成する切削機構23の刃物の形状や枚数は、前記実施形態に限られるものではなく、予備溝9の形状に応じて適宜変更可能である。例えば、3枚以上の板状の刃物であってもよいし、断面V形状に屈曲した1枚の刃物であってもよい。
【0047】
4]前記実施形態の装置20は、予備溝9を形成する切削機構23(切削手段)と、ベルトスリーブ1の外周面を研磨して予備溝9からV溝8を形成する研磨機構24(研磨手段)の両方を備え、この装置20のみで予備溝切削工程(図7)と研磨工程(図8)の両方を行うように構成されているが、別々の装置を用いて予備溝切削工程と研磨工程を行ってもよい。即ち、切削手段を備えた切削装置にベルトスリーブ1を装着して予備溝9の切削を行った後、このベルトスリーブ1を研磨手段を備えた別の研磨装置に移し替えて仕上げ研磨を行い、V溝8を形成するようにしてもよい。
【0048】
5]本発明は、Vリブドベルトを製造する場合に限られるものではなく、V形状以外のリブを有するベルトを製造する場合にも適用できる。言い換えれば、ベルトスリーブの外周面に断面V形状の溝を形成する場合に限られず、種々の断面形状を有する溝を形成する場合にも本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】ベルトスリーブの断面斜視図である。
【図2】Vリブドベルトの断面斜視図である。
【図3】溝形成装置の平面図である。
【図4】溝形成装置の側面図である。
【図5】切削刃物を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】研磨砥石の外周部の拡大断面図である。
【図7】予備溝切削工程を示す図である。
【図8】研磨工程を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ベルトスリーブ
7 Vリブ
8 V溝
9 予備溝
10 Vリブドベルト
20 溝形成装置
21 駆動ロール
22 従動ロール
23 切削機構
24 研磨機構
26 切削刃物
28 研磨砥石
28a 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトに加工されるベルトスリーブの外周面に、そのスリーブ周方向に延在するスリーブ溝を形成する、ベルトスリーブの溝形成方法であって、
ロールにより走行される前記ベルトスリーブの外周面に切削手段を当接させて、前記外周面に前記スリーブ周方向に延在する予備溝を切削形成する予備溝切削工程と、
前記ベルトスリーブの外周面に前記予備溝に対応した形状の凸部を有する研磨手段を当接させて、前記予備溝の内面を含む前記ベルトスリーブの外周面を研磨することにより、前記予備溝から前記スリーブ溝を形成する研磨工程と、
を備えていることを特徴とするベルトスリーブのVリブ形成方法。
【請求項2】
前記切削手段は、所定角度で交差する少なくとも2枚の刃を有することを特徴とする請求項1に記載のベルトスリーブの溝形成方法。
【請求項3】
ベルトに加工されるベルトスリーブの外周面に、そのスリーブ周方向に延在するスリーブ溝を形成する、ベルトスリーブの溝形成装置であって、
前記ベルトスリーブが巻き掛けられて、このベルトスリーブを走行させるロールと、
前記ロールにより走行される前記ベルトスリーブの外周面に当接して、前記外周面に前記スリーブ周方向に延在する予備溝を切削形成する切削手段と、
前記予備溝に対応した形状の凸部を有するとともに、前記ベルトスリーブの外周面に当接して、前記予備溝の内面を含む前記ベルトスリーブの外周面を研磨することにより、前記予備溝に対応する前記スリーブ溝を形成する研磨手段と、
を備えていることを特徴とするベルトスリーブの溝形成装置。
【請求項4】
前記切削手段は、所定角度で交差する少なくとも2枚の刃を有することを特徴とする請求項3に記載のベルトスリーブの溝形成装置。
【請求項5】
前記切削手段の前記2枚の刃は、それぞれ、前記ベルトスリーブに対する切込角度を独立して調整可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のベルトスリーブの溝形成装置。
【請求項6】
前記切削手段の前記2枚の刃は、それらの離間距離を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のベルトスリーブの溝形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−226544(P2009−226544A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74987(P2008−74987)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】