説明

ベンゾイルウレア系化合物の製造方法

【課題】殺虫剤の有効成分として有用なベンゾイルウレア系化合物を、副生成物の少ない方法で製造する方法を提供すること。
【解決手段】式(I)で表されるアニリン系化合物を出発物質として、


式:X-CО-Xで表される化合物をアミド化合物、ウレア化合物又はピリジン類である触媒の存在下で反応させて、ピリジルオキシベンゼン誘導体を製造し、次いで当該誘導体とベンズアミド系化合物とを反応させて、式(VI):


で表されるベンゾイルウレア系化合物を効率的に製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫剤の有効成分として有用なベンゾイルウレア系化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、イソシアナート基を有するピリジルオキシベンゼン誘導体と、ベンズアミド誘導体とを反応させて、抗癌剤の有効成分として有用なベンゾイルウレア系化合物を製造する方法が記載されている。また、同文献には、ホスゲンの存在下で、イソシアナート基を有するピリジルオキシベンゼン誘導体を製造する方法が記載されている。一方、特許文献2には、イソシアナート基を有するピリジルオキシベンゼン誘導体とベンズアミド誘導体とを反応させて、殺虫剤の有効成分として有用なベンゾイルウレア系化合物を製造する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1及び2には、後記するベンゾイルウレア系化合物の製造方法は記載されていない。
【0003】
【特許文献1】特公昭61-47808号公報
【特許文献2】米国特許公報第4173638号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から種々のベンゾイルウレア系化合物の製造方法は公知であるが、特定のベンゾイルウレア系化合物を製造するのに、反応副生物の問題等、必ずしも効率的な方法ではなく、より効率的に製造する方法が希求されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前述の問題点を解決すべく検討した結果、後記式(I)で表される化合物を出発物質として、後記式(III)で表される化合物、後記式(IV)で表される化合物又はそれらの混合物であるピリジルオキシベンゼン誘導体を効率的に製造し、更に、該ピリジルオキシベンゼン誘導体から、式(VI)で表されるベンゾイルウレア系化合物を製造する方法を見出した。
即ち、本発明は、式(I):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、R及びRは各々独立に、水素原子又は塩素原子であり、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり、Rはハロゲン原子、ニトロ基又はハロアルキル基である)で表されるアニリン系化合物と、式(II):X-CО-X(式中、X及びXは各々独立に、塩素原子又は−OCClである)で表される化合物とを、触媒の存在下で反応させ、式(III):
【0008】
【化2】

(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物、式(IV):
【0009】
【化3】

【0010】
(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物又はそれらの混合物であるピリジルオキシベンゼン誘導体を製造し、該ピリジルオキシベンゼン誘導体と、式(V):
【0011】
【化4】

【0012】
(式中、Rはハロゲン原子であり、Rは水素原子又はハロゲン原子である)で表される化合物を反応させ、式(VI):
【0013】
【化5】

【0014】
(式中、R、R、R、R、R及びRは前述の通りである)で表されるベンゾイルウレア系化合物を製造する方法に関する。前記したピリジルオキシベンゼン誘導体とは、前記式(III)で表される化合物と前記式(IV)で表される化合物の各々、並びにそれらの混合物を示す。
【0015】
式(I)、式(III)、式(IV)、式(V)及び式(VI)中に含まれるハロゲン原子、ハロアルキル基中のハロゲン部分としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の各原子が挙げられ、好ましくはフッ素、塩素又は臭素の各原子が挙げられる。
【0016】
式(I)、式(III)、式(IV)及び式(VI)中に含まれるアルキル部分としては、例えば
1-6アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル等)が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高い収率で殺虫剤の有効成分として有用なベンゾイルウレア系化合物、例えばN-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N´-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレア(一般名 クロルフルアズロン)等を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明に係わる前記ピリジルオキシベンゼン誘導体を経由する、前記式(VI)のベンゾイルウレア系化合物の製造方法につき、反応フローを示し詳述する。
【0019】
【化6】

【0020】
(式中、R、R、R、R、R、R、X1及びX2は前述の通りである)
前記反応フローの第1工程(以下、第1工程と略す)は、溶媒の存在下、0〜150℃の反応温度、0.1〜24時間の反応時間で行われるのが好ましい。
式(II)で表される化合物の具体例としては、塩化カルボニル(ホスゲン)、クロロギ酸トリクロロメチル(ジホスゲン)、炭酸ビス(トリクロロメチル)(トリホスゲン)などが挙げられる。これらの中でも、塩化カルボニル(ホスゲン)が好ましい。
【0021】
式(II)で表される化合物の使用量は、原料、溶媒の種類、反応条件の相違により一概に規定できないが、通常、式(I)で表される化合物1当量に対して、1.0から5.0当量、好ましくは1.0から2.5当量である。なお、ここでいう式(II)で表される化合物1当量は、例えば、式(I)で表される化合物1 molに対して、塩化カルボニルの場合は1 molに相当し、クロロギ酸トリクロロメチルの場合0.5 molに相当し、炭酸ビス(トリクロロメチル)の場合1/3 molに相当する。
【0022】
第1工程は、例えば、式(II)で表される化合物の溶液を反応容器で調製し、式(I)で表される化合物を反応容器に投入してもよいし、式(I)で表される化合物の溶液を反応容器で調製し、式(II)で表される化合物を反応容器へ投入してもよい。これらのうちでは、前者が好ましい。
【0023】
第1工程で使用される触媒としては、原料、溶媒の種類、反応条件の相違により一概に規定できないが、例えば、N,N-ジメチルホルムアミドのようなアミド化合物;ウレア、テトラメチルウレア、ジメチルプロピレンウレアのようなウレア化合物;トリフェニルホスフィン、トリフェノキシホスフィンのようなリン化合物;ベンジルトリエチルアンモニウムブロミドのような四級アンモニウム塩類;トリエチルアミンのようなアミン類;ピリジン、3-メチルピリジンのようなピリジン類などが挙げられる。触媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの触媒の中でも、アミド化合物、ウレア化合物又はピリジン類が好ましく、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア又はピリジンが更に好ましく、ピリジンが最も好ましい。
【0024】
第1工程における触媒の使用量は、原料、溶媒の種類、反応条件の相違により一概には規定できない。通常、式(I)で表される化合物1 molに対して、0.01から3.0 mol、好ましくは0.01から1.0 molである。また、触媒の反応容器への添加順序は、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、溶媒の添加する順序と相前後してもよいし、それらと同時に添加してもよい。好ましくは、式(II)で表される化合物を溶媒に溶解した後に触媒を添加し、次いで式(I)で表される化合物を添加する。
【0025】
第1工程で使用される溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定はなく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素類;ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテンのような飽和炭化水素類;ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジメトキシエタンのようなエーテル類;ピリジン、キノリンのような含窒素芳香族化合物などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、ハロゲン化炭化水素又は芳香族炭化水素類が好ましく、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン又はクロロベンゼンが更に好ましい。
【0026】
第1工程における溶媒の使用量は、原料、溶媒の種類、反応条件の相違により一概に規定できないが、通常、式(I)で表される化合物1重量部に対して、1から30重量部、好ましくは5から25重量部である。
【0027】
第1工程における反応の進行状況は、例えば、反応混合物の一部をサンプリングし、反応生成物とメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類とを反応させ、式(a):
【0028】
【化7】

【0029】
(式中、Zはアルキル基である)で表されるアルキルカーバメートへ変換し、液体クロマトグラフィーで検出することにより把握することができる。また、同時に、式:(b)
【0030】
【化8】

【0031】
(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される副生成物(ウレア化合物)の生成状況についても、液体クロマトグラフィーでの検出により把握することができる。
即ち、原料となる式(I)で表される化合物、アルキルカーバメート、及び副生成物(ウレア系化合物)のピーク比によって反応を追跡することができる。
【0032】
前記反応フローの第2工程(以下、第2工程と略す)は、溶媒の存在下、50〜200℃の反応温度、0.1〜24時間の反応時間で行われるのが好ましい。本反応は減圧下で実施することもできる。
【0033】
式(V)で表される化合物中のR又はRで表される置換基の具体例としては、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられる。
【0034】
式(V)で表される化合物の使用量は、原料、溶媒の種類、反応条件の相違により一概に規定できないが、通常、式(I)で表される化合物の1 molに対して、1.0から3.0 mol、好ましくは1.0から1.75 molである。
また、第2工程は、例えば、式(V)で表される化合物と溶媒との混合物を反応容器で調製し、第1工程で得られた反応混合物を精製することなく前記反応容器に投入してもよいし、第1工程で得られた反応混合物が入っている反応容器に溶媒を投入して混合溶液を調製し、そこへ式(V)で表される化合物を直接投入或いは溶媒との混合物を調製して投入してもよい。これらのうちでは、後者が好ましい。
【0035】
第2工程で使用される溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定はなく、例えば、前記第1工程で例示したものが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらの溶媒の中でも、飽和炭化水素類が好ましく、イソパラフィン系炭化水素が更に好ましい。
第2工程における溶媒の使用量は、原料、溶媒の種類、反応条件の相違により一概に規定できないが、通常、前記ピリジルオキシベンゼン誘導体1重量部に対して、1から30重量部、好ましくは2から10重量部である。
【実施例】
【0036】
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
実施例1
攪拌機、温度計、冷却管、滴下漏斗を備えた四ツ口フラスコに、予め調製した15.2wt%の塩化カルボニルを含む1,2-ジクロロエタン溶液130.5 g を仕込み、そこへピリジン0.79 g を添加した。この1,2-ジクロロエタン溶液に、3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)アニリン37.4 g (純度=95.5%)を含む1,2-ジクロロエタン溶液134.8 g を15〜30℃で滴下した。
その後、25〜30℃で1時間、50℃で1時間、加熱還流下2時間反応させた。この時、反応副生物であるN,N'-ビス[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアの生成率は0.31%(HPLC 面積%)であった。反応終了後、1,2-ジクロロエタンを留去した。
1,2-ジクロロエタンを留去した反応混合物に、イソパラフィン系炭化水素溶媒(商品名:ISOPAR G、エクソン化学株式会社製) 144.1 g、2,6-ジフルオロベンズアミド15.9 g (純度=98.5%)をそれぞれ投入し、125〜130℃で1.5時間反応させ、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアのスラリー液を得た。得られたスラリー液にメタノールを投入し攪拌した後に、結晶を濾過した。得られた結晶を乾燥し、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレア50.2 g(粗収率92.9%)を得た。
【0038】
実施例2
攪拌機、温度計、冷却管、滴下漏斗を備えた四ツ口フラスコに、予め調製した11.3wt%の塩化カルボニルを含む1,2-ジクロロエタン溶液79.0 g を仕込み、そこへN,N-ジメチルホルムアミド 0.04 g を添加した。この1,2-ジクロロエタン溶液に、3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)アニリン18.8 g (純度=95.2%)を含む1,2-ジクロロエタン溶液83.8 g を20〜25℃で滴下した。
その後、50℃で1時間、加熱還流下1時間反応させた。この時、反応副生物であるN,N'-ビス[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアの生成率は1.03%(HPLC 面積%)であった。反応終了後、1,2-ジクロロエタンを常圧留去した。
1,2-ジクロロエタンを留去した反応混合物に、ISOPAR G(商品名) 72 g、2,6-ジフルオロベンズアミド7.86 g (純度=99.9%)をそれぞれ投入し、120〜130℃で3時間反応させ、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアのスラリー液を得た。得られたスラリー液にメタノールを投入し攪拌した後に、結晶を濾過した。得られた結晶を乾燥し、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレア 25.1 g(粗収率93.0%)を得た。
【0039】
実施例3
攪拌機、温度計、冷却管、滴下漏斗を備えた四ツ口フラスコに、予め調製した11.3wt%の塩化カルボニルを含む1,2-ジクロロエタン溶液79.0 g を仕込み、そこへテトラメチルウレア 0.06 g を添加した。この1,2-ジクロロエタン溶液に、3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)アニリン18.8 g (純度=95.2%)を含む1,2-ジクロロエタン溶液83.8 g を20〜25℃で滴下した。
その後、50℃で1時間、加熱還流下1時間反応させた。この時、反応副生物であるN,N'-ビス[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアの生成率は1.35%(HPLC 面積%)であった。反応終了後、1,2-ジクロロエタンを常圧留去した。
1,2-ジクロロエタンを留去した反応混合物に、ISOPAR G(商品名) 72 g、2,6-ジフルオロベンズアミド7.86 g(純度=99.9%)をそれぞれ投入し、120〜130℃で2時間反応させ、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアのスラリー液を得た。得られたスラリー液にメタノールを投入し攪拌した後に、結晶を濾過した。得られた結晶を乾燥し、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレア25.1 g(粗収率92.8%)を得た。
【0040】
比較例
攪拌機、温度計、冷却管、滴下漏斗を備えた四ツ口フラスコに、予め調製した15.2wt%の塩化カルボニルを含む1,2-ジクロロエタン溶液130.5 g を仕込んだ。この1,2-ジクロロエタン溶液に、3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)アニリン37.4 g (純度=95.5%)を含む1,2-ジクロロエタン溶液134.8 g を15〜30℃で滴下した。
その後、25〜30℃で1時間、50℃で1時間、加熱還流下2時間反応させた。この時、反応副生物であるN,N'-ビス[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアの生成率は15.55%(HPLC 面積%)であった。反応終了後、1,2-ジクロロエタンを留去した。
1,2-ジクロロエタンを留去した反応混合物に、ISOPAR G(商品名) 144.1 g、2,6-ジフルオロベンズアミド15.9 g (純度=98.5%)をそれぞれ投入し、125〜130℃で1.5時間反応させ、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレアのスラリー液を得た。得られたスラリー液にメタノールを投入し攪拌した後に、結晶を濾過した。得られた結晶を乾燥し、N-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-N'-[3,5-ジクロロ-4-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジルオキシ)フェニル]ウレア 46.4 g(粗収率85.8%)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、R及びRは各々独立に、水素原子又は塩素原子であり、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり、Rはハロゲン原子、ニトロ基又はハロアルキル基である)で表されるアニリン系化合物と、式(II):X-CО-X(式中、X及びXは各々独立に、塩素原子又は−OCClである)で表される化合物とを、触媒の存在下で反応させ、式(III):
【化2】

(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物、式(IV):
【化3】

(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物又はそれらの混合物であるピリジルオキシベンゼン誘導体を製造し、該ピリジルオキシベンゼン誘導体と、式(V):
【化4】

(式中、Rはハロゲン原子であり、Rは水素原子又はハロゲン原子である)で表される化合物を反応させ、式(VI):
【化5】

(式中、R、R、R、R、R及びRは前述の通りである)で表されるベンゾイルウレア系化合物を製造する方法。
【請求項2】
触媒がアミド化合物、ウレア化合物、リン化合物、四級アンモニウム塩類、アミン類又はピリジン類である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
触媒がアミド化合物、ウレア化合物又はピリジン類である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ピリジルオキシベンゼン誘導体が式(IV)の化合物をイソシアネート化して得た式(III)の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ピリジルオキシベンゼン誘導体を製造する反応と、ベンゾイルウレア系化合物を製造する反応を連続して実施することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
式(I):
【化6】

(式中、R及びRは各々独立に、水素原子又は塩素原子であり、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり、Rはハロゲン原子、ニトロ基又はハロアルキル基である)で表されるアニリン系化合物と、式(II):X-CО-X(式中、X及びXは各々独立に、塩素原子又は−OCClである)で表される化合物とを、触媒の存在下で反応させ、式(III):
【化7】

(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物、式(IV):
【化8】

(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)で表される化合物又はそれらの混合物であるピリジルオキシベンゼン誘導体を製造する方法。

【公開番号】特開2009−280552(P2009−280552A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137129(P2008−137129)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】