説明

ベンゾキノリンジカルボン酸抗菌薬の組成物

本発明は、患者の感染症疾患の治療又は予防の目的で非経口投与できる水溶液の形態の薬剤組成物に関する。特に、本発明は、活性成分S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を含む組成物又はベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤に関連する。本発明の分野は、該組成物を調製する手順、調製した該組成物の薬剤への使用及び該組成物の治療又は予防への使用も含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、感染症疾患又はそのリスクを有する対象へ治療又は予防を目的として投与する薬剤の組成物に関する。本組成物は、水溶液中に水溶性の担体とS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩、一般的なベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤又はその多形体、鏡像異性体その他の異性体、ラセミ体を生理学的に適合するpHで現実的な溶解度の限界を超え治療又は予防に有効な薬剤濃度で含み、薬学的に許容できる塩基性アミノ酸又はシクロデキストリン又はその両方などの溶解剤を水溶液中で薬剤を維持するのに十分な濃度つまり薬剤濃度で含む。本組成物は、注射用及び/又は注入用溶液又は使用前にそれらに転換できる投与形態であり、薬剤の静注投与に特に有効である。
【0002】
[発明の属する技術分野]
本発明は、患者の感染症疾患の治療又は予防の目的で非経口投与できる溶液の形態の薬学的組成に関する。本発明は、特に活性成分S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を有する組成又はベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤に関する。本発明の分野には、該組成物の調製、薬剤への調製手順及び該組成物を治療又は予防に利用するための手順も含まれる。
【0003】
[発明の背景]
アキラル及びキラルのベンゾキノリジン−2−カルボン酸組成物は、治療及び/又は予防に有効な抗生物質、抗微生物剤であり、特に抗菌効果を有するとの報告がある。そのような化合物は以下の特許/出願に詳細に開示されており、各々を参照として記載する。
【0004】
米国特許第4,399,134号明細書
米国特許第4,552,879号明細書
米国特許第6,514,986号明細書
米国特許第6,608,078号明細書
米国特許第6,664,267号明細書
欧州特許第9,081,81 号明細書
米国特許出願公開第09/566,875号明細書
米国特許出願公開第09/640,947号明細書
上記特許及び特許出願に記載される化合物には、例えば化合物9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸が含まれる。上記特許及び出願に開示される化合物で、特に本発明に関連する化合物は、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体に関する。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の構造を分子式Iに示す。
【0005】
【化3】


分子式I
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体及び一般的に適切に置換されたベンゾキノリジン−2−カルボン酸は、以下の有機体を含むグラム陽性菌感受性及び耐性株へ強い抗菌性を示す:ブドウ球菌(例、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌)、連鎖球菌(例、ヴィリダンス型連鎖球菌、肺炎連鎖球菌)、エンテロコッカス(例、腸球菌、腸球菌)、嫌気性グラム陰性桿菌、カルディオバクテリウム及びナイセリア、クリセオバクテリウム・メニンゴセプティカム及びC.indologenseなどの新興グラム陰性菌及び大腸菌、クレブシェラ、プロテウス、セラチア、シトロバクタ−及び緑膿菌などのグラム陰性病原菌。本発明が示すベンゾキノリジン−2−カルボン酸化合物は、バクテロイデス属及びクロストリジウム属などの嫌気性菌及びヒド型結核菌、イントラセルラーレ菌、アビウム菌を含むマイコバクテリウム族などの抗酸菌へも一般に効果を有する。
【0006】
ベンゾキノリジン−2−カルボン酸の中核の8位の置換基に4−ヒドロキシピペリジン基を有するS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸は、pKa値が6.8である。上記化合物又はその0.2水和物は、酸添加塩を形成しない又は形成しにくい。米国特許第4,399,134号及び第4,552,879号明細書では、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸は、水酸化アルカリ及び有機塩基を用いて薬学的に許容な塩基性化合物を添加すると対応するカルボン酸塩へ転換することができることを示している。米国特許第4,399,134号明細書、米国特許第4,552,879号及び欧州特許第908181号明細書の実施例では、ベンゾキノリジンカルボン酸のナトリウム塩の使用を示しているが、実際の調製の説明や物理化学特性の提示はしていない。本発明は、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸及びその0.2水和物が、塩基性アミノ酸を対イオンとして添加し塩基添加塩を形成する事を示している。米国特許第6,514,986号及び第6,664,267号明細書では、特にS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びその多形体の異なる多形体を開示している。一般に、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体又は薬学的に許容な液体、特に水溶液担体中で適切に置換された溶液状のベンゾキノリジン−2−カルボン酸薬剤は、その水への比較的低い溶解度を考えると生成するのは困難である。RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の場合は、室温における溶解度は0.03mg/mlである。例えば、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物の場合は、室温における溶解度は0.1mg/ml以下である。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体又は適切に置換されたベンゾキノリジン−2−カルボン酸薬剤は、室温における溶解度は1.5mg/ml以下である。
【0007】
上記米国特許第6,514,986号、第6,608,078号及び第6,664,267号明細書、米国特許出願公開第09/566,875号及び第09/640,947号明細書では、抗菌剤ベンゾキノリジン−2−カルボン酸及び特にS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及び異なるS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びその多形体は、溶液中の液体組成として生成することができる。例えば米国特許第6,514,986号、第6,608,078号及び第6,664,267号明細書、米国特許出願公開第09/566,875号及び第09/640,947号明細書では、該抗菌剤ベンゾキノリジン−2−カルボン酸化合物を経口投与、直腸投与、非経口投与、経皮投与及び/又は局所投与することが可能で、非経口投与は、静注投与、注入又は他の非経口投与が可能であることを開示している。非経口投与の場合、適切な組成物は、通常、薬学的に許容できる量の液体担体中又は水などの希釈液に溶解し、注入可能な緩衝等張液を形成するベンゾキノリジンカルボン酸化合物を含むと示している。
【0008】
特に、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体又は一般的に適切に置換されたベンゾキノリジン−2−カルボン酸薬剤の非経口又は経口の投与を考慮する場合には、血中の薬剤の全身濃度が、標的有機体の90%の最小発育阻止濃度(MIC90)以上である事が望ましい。組成物が比較的高い薬剤濃度でもない限り、薬剤が溶解した形態で比較的少量の組成物を投与してそのような濃度を達成することは、特に、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその多形体又は一般のほとんどのベンゾキノリジン−2−カルボン酸の水への溶解度の限界をはるかに上回る薬剤濃度で投与する事が困難である事は容易に理解できる。
【0009】
従って、水中での薬剤の溶解度の実際の限度を実質的に超える薬剤濃度を有するS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体又は適切に置換されたベンゾキノリジン−2−カルボン酸薬剤の溶液組成物についての必要性が存在する。比較的高い濃度の薬剤を有するS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体又は適切に置換されたベンゾキノリジン−2−カルボン酸の非経口的に投与可能な溶液の組成物について特に必要性が存在する。
【0010】
キノロンカルボン酸の中には、注入によって血管へ刺激を与える原因となるものが知られており、これらの化合物を患者へ非経口投与すると有害事象を起こす。しかし、血管への刺激及び静脈炎を低減するベンゾキノロンカルボン酸溶液は、ヒト又は動物への投与が適切であるが、未だ文献に報告されておらず、Wockhardt’s自身の特許出願以外に、発明者が血管の刺激及び静脈炎を低減するベンゾキノリジンカルボン酸溶液はヒト又は動物への投与に適していると指摘する公開文献は存在せず、又その開示に着目している者もいない。
【0011】
[発明の開示]
本発明は、感染症又はそのリスクを有する患者へ治療又は予防投与する薬学的に安定した組成物、直ぐ使用可能な組成物、又は投与前に投与可能な組成物へ転換する組成物の形態を提供し、水溶液中の担体と、(a)生理学的に適合するpHで実質的に等張性の水溶液中における薬剤の溶解度の実際上の限界を超える治療又は予防に有効な薬剤濃度のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はそれらの多形体、又は適切に置換されたベンゾキノリジン−2−カルボン酸薬剤、(b)溶液中で薬剤を維持するのに十分な薬剤の濃度の塩基性アミノ酸若しくはシクロデキストリン又はその両方などのような薬学的に許容できる溶解剤とを含む。好ましくは、薬剤濃度は組成物の約1mg/ml〜約100mg/mlの範囲である。
【0012】
本発明で述べる「安定した」とは、組成物が、通常の使用状況で直接投与に適するpHを有しながら光及び温度に対して安定していることを示す。
【0013】
本明細書で示す「治療又は予防に適切な投与」とは、直接投与に適する注射、注入溶液の組成物であり、適切な薬学的に許容できる液体で希釈された投与用の組成物であり、注射用溶液又は注入用溶液へ変換する前のその他の形態の投与用に調製した組成物を示す。本明細書における「注入用溶液」とは、血管系を経由して組成物の薬剤伝達を可能とするため、水又は他の水溶性の生理学的に適合性の賦形剤へ薬剤を溶解させて得られる薬剤の組成物を含む。
【0014】
組成物を直接投与用に調製する場合の薬剤濃度は、好ましくは約4mg/ml〜約12mg/mlの範囲で、より好ましくは約5mg/ml〜約9mg/mlの範囲である。
【0015】
血管への刺激と静脈炎を低減させ、且つ異常毒性のような薬剤規制当局の安全基準にもまた適合するであろう、安定な溶液投与形態を提供するために、異なる対イオンを備えたS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のpH溶解度曲線を研究した結果、薬学的に許容できる塩基性アミノ酸を選択した。
【0016】
以前の研究で、米国特許第4,399,134号明細書及び米国特許第4,552,879号明細書及び欧州特許第908181号明細書が開示するように、アミノ酸以外の対イオンを使用したところ、溶液の特性は、静脈炎を軽減できない、異常な毒性が認められる、十分な安定性が得られない又は市販用非経口薬剤としての利用価値がないなど、これら1つ以上の性質が認められた。本発明は、一定量のアミノ酸、特にアミノ酸アルギニンを処方範囲で添加することによって得られた溶液において(a)ベンゾキノリジン−2−カルボン酸の溶解度が増加した、(b)静脈炎を誘引する可能性が低下した、(c)異常毒性基準へ適合した及び(d)特定の温度及び湿度範囲で長期間保存しても安定であったなどの点を確証し、これに基づいている。これらの特性と、他の利点によって、初めて治療及び予防に効果的な用量の、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を、臨床上有効で便利である少量で投与することが可能となり、高血圧、心疾患、腎臓及び/又はその他の問題を抱え多量の静注投与は耐えることができない患者へも、本発明の薬剤では静脈投与が可能となる。例えば、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及び/又はその多形体を900mg用量で投与する場合でも、アルギニンを含む本発明の組成物を利用すれば静注投与で100ml以下の用量を投与すれば良い。
【0017】
同様な研究において、上記薬剤の溶解度を増加するために、適切なシクロデキストリンを選択している。裏付ける理論はないが、シクロデキストリンを含む本発明の組成物における薬剤の溶解度の増加は、少なくとも薬剤の一部がシクロデキストリンと結合しているためである。さらに、水性媒体における薬剤の溶解度を高めるために、薬剤がシクロデキストリン化合物と関連する、少なくとも1つの機構が、包接錯体の形成にあると考えられている。シクロデキストリン錯体が、結合した酸性の薬剤自体又は酸性の薬剤の塩と共に形成される可能性がある。様々な薬剤がこれらの錯体又は共役体を形成することが技術的に知られ、薬学分野でシクロデキストリン薬剤錯体の使用に関する数多くの利点が示されている。Bekersら(1991年)Drug Development and Industrial Pharmacy,17,1503−1549、Szejtli(1994年)Medical Research Reviews,14,353−386;Zhang及びRees(1999)Export Opinion on Therapeutic Patents,9,1697−1717;及びRedenti et al,(2001)J. Pharm.Sci.,90,979−986の実施例のレビューを参照すること。
【0018】
様々なシクロデキストリンを添加した薬剤の形態が、以下に参照する特許及び出版物を含む特許文献へ記載されている。
【0019】
米国特許第5,670,530号明細書では、ロダシアニン抗癌剤及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0020】
米国特許第5,756,546号明細書では、ニメスライド及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0021】
米国特許第5,807,895号明細書では、プロスタグランジン及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0022】
米国特許第5,824,668号明細書では、5βステロイド薬及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0023】
国際公開第96/32135号パンフレットでは、プロポフォル及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0024】
国際公開第96/38175号パンフレットでは、抗潰瘍ベンズイミダゾ−ル化合物及び分鎖状のシクロデキストリンカルボン酸を含む組成物を開示している。
【0025】
国際公開第97/39770号パンフレットでは、トロンビン阻害剤及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0026】
国際公開第98/37884号パンフレットでは、3,4−ジアリルクロマン化合物及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0027】
国際公開第98/55148号パンフレットでは、難溶性の薬剤、シクロデキストリン、水溶性の酸及び水溶性有機ポリマ−を含む組成物を開示している。
【0028】
国際公開第98/58677号パンフレットでは、ボリコナゾール及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0029】
国際公開第99/2073号パンフレットでは、パクリタクセル又はドセタキセルなどのタキソイド及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0030】
国際公開第99/27932号パンフレットでは、特定の形態を有する抗真菌化合物及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0031】
国際公開第01/82971号パンフレットでは、グリコペプチド抗生物質及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0032】
国際公開第02/15940号パンフレットでは、オキサゾリジノン抗菌剤及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0033】
国際公開第02/47660号パンフレットでは、ドヌダロン及びシクロデキストリンを含む組成物を開示している。
【0034】
シクロデキストリンは、高価な賦形剤で多くの場合溶解度の向上の程度又はその他の得るべき利点は経済的ではなく、シクロデキストリンの添加から生じる製剤のためのコストが増加する。本発明は、比較的少ない量のシクロデキストリン化合物を添加し、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はそれらの多形体又は適切に置換したベンゾキノリジン−2−カルボン酸薬剤又はそれらの塩に塩基性アミノ酸を驚くべき量添加し化合物の溶解度を増加させたという発見に一部基づいている。例えば、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及び/又はその多形体を900mg用量で投与する場合、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを含む本発明の組成物を利用すれば、静注投与で100ml以下の量ですむ。
【0035】
本発明でアミノ酸又はシクロデキストリン又はその他の賦形剤に関して「薬学的に許容な」とは、治療する患者の健康へ持続的な有害な影響がない事を示す。薬学的に許容なアミノ酸又はシクロデキストリンは、他の要因の中でも特に争点となるアミノ酸又はシクロデキストリン化合物の投与組成物の濃度及び投与経路に依存する。
【0036】
薬剤に関する「溶解度の事実上の限界」とは、通常の製造、梱包、保存、取り扱い及び使用条件の範囲において、沈殿や結晶化のリスク無しで薬剤を液状の形態に調剤できる最高濃度を意味する。一般に、事実上の溶解度の限界は、特定の溶媒中での真の溶解度の限界よりも例えば真の溶解度の70%などと大きく下回る。このように、ある溶媒中で真の溶解度の限界が、2.9mg/mlである場合、事実上の溶解度の限界は、約2mg/mlとなるであろう。
【0037】
本明細書では文章で明示しない限り、複数を考慮する場合にも単数を使用する。例えば、本発明の組成物が「ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤」及び「薬学的に許容できるアミノ酸又は塩基性アミノ酸及びシクロデキストリン化合物」の場合、組成物にはアミノ酸及び/又はシクロデキストリン化合物の薬剤が1つ以上含まれていると考えられる。
【0038】
本発明は、感染症疾患の治療又は予防の目的のために、本明細書に記載される組成物から薬剤を調製する方法も含まれる。
【0039】
又本発明は、該薬剤の組成物による感染症の患者の治療又は予防の方法、治療又は予防に有効な用量を患者への投与する方法も含む。そのような投与形態は、経口投与、非経口投与又は局所投与が含まれるが、好ましくは非経口投与形態で、さらに好ましくは静注投与又は注入による投与である。
【0040】
本発明の方法は、感染症疾患が1つ以上のグラム陽性菌が原因となっている場合、例えばブドウ球菌(例、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌)、連鎖球菌(例、ヴィリダンス型連鎖球菌、肺炎連鎖球菌)、エンテロコッカス(例、腸球菌、腸球菌)、嫌気性グラム陰性桿菌、カルディオバクテリウム及びナイセリア、バクテロイデス属及びクロストリジウム属などの嫌気性菌及びマイコバクテリウム族などの抗酸菌へ特に有効である。本発明の方法は、感染症の原因がフルオロキノロン、βラクタム、マクロライド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン及び/又はリポペプチド抗生剤へ耐性を有するグラム陽性菌の場合特に有効である。
【0041】
[発明の詳細な説明]
本発明は、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸又はその多形体、鏡像異性体、その他の異性体又はラセミ体をアミノ酸又はシクロデキストリン、又は塩基アミノ酸及びシクロデキストリンの両方から調製する組成の使用について示す。その他の好ましいベンゾキノリジン−2−カルボン酸は、式IIの分子式を有する化合物である。
【0042】
【化4】


式II
はC1−6のアルキル基でより好ましくはRはCH基であり、好ましくはS位の立体化学的配置である。
【0043】
は4−ヒドロキシピペリジニル基でさらに1つ以上のC1−6のアルキル基で置換されていても良く又ヒドロキシピペリジニル基は1個/複数のC1−6のアルキル基で置換されていても良い。
【0044】
さらに好ましくはR
【0045】
【化5】


ここで上式のRは、水素、C−Cのアルキル、グリコシル、又はベンジルのようなアラルキル、又はRはアセチル、プロピオニル、ピバロイルのようなC−Cのアルカノイル、又はRは自然発生する20種のアミノ酸の一つから派生したアミノ酸残基、即ち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリン、又はそれらに存在する光学活性な異性体、又はそれらに存在するラセミ混合物から選択されるか、又はRは、C11、PO又はSOHから選択され、従ってグルコン酸、リン酸、スルホン酸のエステル誘導体を提供する。
【0046】
ここでR及びRは同じか異なるもので、水素、C1−4のアルキル、アラルキル、アミノアルキル、トリフルオロアルキル又はハロゲンから選択される。
【0047】
は、水素、C1−4のアルキル、CF、フェニル又はフッ素から選択され、ピペリジン環の2−,4−,5−,又は6−の位置に存在する。
【0048】
10は、水素、C1−5のアルキル、アミノ、アルキルアミノ又はアシルアミノ又はこれらの光学異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体若しくはこれらの多形体、偽多形体、プロドラッグ又は薬学的に許容できる塩及び水和物から選択される。
【0049】
本明細書が示す「光学異性体」、「立体異性体」、「ジアステレオマー」は標準的な技術で認められている意味を示す。
【0050】
その他の好ましいベンゾキノリジン−2−カルボン酸は、式IIの分子式を有する化合物であり、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸又はそのRS−又はR−形態、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体又はそのRS−又はR−形態、
S−(−)−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又はそのRS−又はR−形態、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{トランス− 4−(RS)−ヒドロキシ−3−(RS)−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{シス−4−(RS)−ヒドロキシ−3−(RS)−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{シス−(−)−4−R−ヒドロキシ−3−S−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{シス−(+)−4−S−ヒドロキシ−3−R−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、又は
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(3−エチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(シス−ラセミ化合物とトランス−ラセミ化合物の混合体)又はその純粋な光学異性体である。
【0051】
本発明の実施例は、本発明の組成物に光学的に純粋な異性体の混合体が左旋性異性体に対する右旋性異性体の割合で1〜99%:1〜99%の割合で含まれても良い。
【0052】
本発明では、特にそのS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその多形体を示す。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又は他のベンゾキノリジン抗菌剤は、必要であれば全体又は部分的にS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体と適切に本明細書に述べる濃度、用量範囲、組成及び方法を調節しながら置換しても良い。
【0053】
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びその多形体は、例えば以下の特許で開示される手順によって調製しても良く、各々を個別に参照として記載する。
【0054】
米国特許第6,514,986号及び第6,664,267号明細書
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及びその多形体は、例えば以下の特許で開示される手順によって調製しても良く、各々を個別に参照として記載する。米国特許出願公開第09/566,875号明細書、国際公開第00/68229号パンフレット 実施例2を参照のこと。
【0055】
その他のベンゾキノリジン化合物は、そのような薬剤を開示する特許文献に定められたそれぞれの手順にて調製することができる。
【0056】
米国特許第6,608,078号、第4,399,134号及び第4,552,879号明細書、米国特許出願公開第09/566,875号及び第09/640,947号明細書
好ましくは、活性成分、本発明に従い水及び他の通常の調剤用の助剤、注入溶液に加えて、アルギニン、ヒスチジン、アルギニン酢酸塩、アルギニングルタミン酸塩、アルギニン一塩酸塩、ヒスチジン酢酸塩、酢酸ヒスチジン二水和物、ヒスチジン一塩酸塩、ヒスチジン一塩酸塩一水和物、リシン、リシン酢酸塩、リシン一塩酸塩、オルニチン、トリプトファン、L−アルギニン、L−ヒスチジン、L−アルギニン酢酸塩、L−アルギニン−Lグルタミン酸塩、L−アルギニン一塩酸塩、L−ヒスチジン酢酸塩、L−ヒスチジン酢酸二水和物、L−ヒスチジン一塩酸塩、L−ヒスチジン一塩酸塩一水和物、L−リシン、L−リシン酢酸塩、L−リシン一塩酸塩及び/又はその塩及び/又はこれらアミノ酸のD又はDL形態又はそれらの塩を、活性化合物を溶解し、溶液を安定するのに十分な量で含む。
【0057】
L−アルギニン及びL−リシン又はL−アルギニン及びL−リシンの混合物が特に好ましい。
【0058】
又、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン及びそれらの誘導体が好ましい。特に、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンが好ましい
特に、溶解剤は、組成物の約1.5〜3.5重量%である事が好ましい。
【0059】
溶解剤が、アミノ酸である場合、アミノ酸は組成物の約0.1〜1.4重量%である事が好ましい。
【0060】
溶解剤が、シクロデキストリンポリマーである場合、シクロデキストリンポリマーは組成物の約1.5〜3.5重量%である事が好ましい。
【0061】
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその多形体は、本発明の組成物において、濃度約1mg/mlから例えば100mg/mlなど塩基性アミノ酸又はシクロデキストリン又はその両方が現実的に有効である高い濃度まで効果的に組成物に存在する。直接投与用に調剤した組成では、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその多形体の濃度は、好ましくは約1〜100mg/ml、より好ましくは約5〜約9mg/mlなど約4〜約12mg/mlの範囲である。投与前に薬学的に許容できる液体中で希釈する場合の組成物では、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその多形体の濃度は、好ましくは約10〜約1,000mg/ml、より好ましくは約50〜約90mg/mlなど約40〜約120mg/mlの範囲である。その他のベンゾキノリジン薬剤の有効な濃度は、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びその多形体と治療上同等で、上記に示す濃度範囲で存在する。
【0062】
一般に、直接投与用に調剤した組成物では、L−アルギニンの適切な濃度は、好ましくは約3mg/ml〜約10mg/ml、好ましくは約5mg/mlである。投与前に希釈する場合には、L−アルギニンの濃度は15mg/ml〜25mg/ml、好ましくは約20mg/mlである。凍結乾燥した生成物を投与前に再構成する場合には、L−アルギニンの濃度は120〜140mg/ml、好ましくは約130mg/mlである。
【0063】
一般に、直接投与用に調剤した組成物では、シクロデキストリンの適切な濃度は、約15〜35mg/ml、好ましくは約25mg/mlである。組成物を投与前に希釈する場合には、シクロデキストリンの濃度は例えば約150〜約350mg/mlなど顕著に高い濃度である。
【0064】
酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、塩酸などの酸、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム及びトリス−ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基及びクエン酸塩/リン酸塩、重炭酸ナトリウム及び塩化アンモニウムなどの緩衝剤など1つ以上の薬学的に許容できるpH調整剤及び/又は緩衝剤も本発明の組成物に含むことができる。このような酸、塩基及び緩衝剤は、特に非経口投与用など生理学的に許容のできる範囲内で組成物のpHを維持するのに必要な量が含まれる。非経口投与を目的とし、生理学的に許容できるpHの範囲は、pH3〜9.8、好ましくはpH5〜9.8である。
【0065】
1つ以上の薬学的に許容できる塩又はその他の溶液は、このような酸、塩基及び緩衝剤は、特に非経口投与用など生理学的に許容のできる浸透圧を維持する範囲内で必要な量で、組成物に含むことができる。そのような塩は、ナトリウム、カリウム又はアンモニウム陽イオン及び塩素、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩又は亜硫酸水素イオンを有し、好ましい塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムがあり、塩化ナトリウムは特に好ましい。好ましい塩化ナトリウム溶液は、0.4〜0.9%の水溶液である。浸透圧を調製するために適する他の溶液には、デキストロース、好ましくは5%デキストロース溶液など糖が含まれる。
【0066】
よって、本発明の特別な実施例には、上記に示すとおり、さらに緩衝液及び/又は溶液が十分に等張性を有する量で生理学的に許容できるpHを有するように浸透圧調整剤を加えても良い。
【0067】
その他従来技術の機能を有し、それらの機能に必要な量の薬学的に許容できる賦形剤も、本発明の組成物に適宜含まれてよい。例えば、アルカリ性のアルコール、好ましくはプロピレングリコ−ル(50%まで)など水溶性の有機溶媒も米国特許第5,486,508号明細書のNishidaらが開示するように、注射に適する組成物を得るため、軽度に水溶性の薬剤、シクロデキストリン及び水溶性の有機溶媒などが適宜含まれてよい。
【0068】
本発明の組成物には、水又は賦形剤中に以下の成分、活性化合物、活性化合物の完全な可溶化を保証する目的で加える1つ以上のアミノ酸又はその塩、シクロデキストリン、等張性調整剤及びその他の賦形剤を添加及び溶解させ調整しても良い。
本発明の組成物には、活性化合物、1つ以上のアミノ酸又はその塩及び/又は活性化合物を溶解させるのに十分な量のシクロデキストリン、等張性調整剤、その他の賦形剤を含む混合物へ水を加えたり、活性化合物を加えたり、適切な場合には、他の添加物をアミノ酸及び/又はシクロデキストリン溶液へ加えて調整することもできる。
【0069】
本発明はさらに従来技術で調製する凍結乾燥物にも関連し、好ましくはマニトールなどの賦形剤を本発明の上記組成へ含んでも良く、本発明に従い、凍結乾燥物は、水、生理食塩水又はデキストロース溶液など従来の注入用溶媒へ溶解させて目的に適する注入用溶液へ調製する。この種類の凍結乾燥物は、例えば本発明の注射溶液など活性化合物、アルギニン、マニトール及び/又は等張剤溶液を含む様々な開始溶液をフリーズドライすることによって入手できる。活性化合物の濃度が、1mg/mlなど顕著により低い濃度の溶液や、実施例の注入用溶液に示す濃度9mg/mlよりも高い濃度50mg/mlなどの溶液をフリーズドライする事も可能であろう。
【0070】
凍結乾燥物は、フリーズドライによってガラス製又はプラスチック製の瓶又はアンプルなど最終容器へ調製したり、バルクフリーズドライによって適切な容器へ調製し後の使用のために保存することも可能である。
【0071】
投与前に凍結乾燥物を希釈する場合には、本発明の目的に適切な溶液を凍結乾燥物を含む容器へ添加したり、凍結乾燥物を適切な溶液中へ添加すること又はこれらの手順を組み合わせて行う事ができる。
【0072】
凍結乾燥物は、希釈に用いる溶液の組成によって大きく異なる可能性がある。
【0073】
希釈剤が水のみの場合には、凍結乾燥物へ投与するべき全成分の純粋な活性成分が凝縮している場合もある。
【0074】
本発明は、投与前に本発明に従って注入溶液を調製するため、溶液を加える活性化合物を含む凍結乾燥物の化合物にも関する。
【0075】
本発明はさらに、本発明に従い従来の注入溶液用賦形剤など適切な溶媒中で溶解させ再構成し注入溶液へ調製する従来技術の粉末状組成物にも関連する。
【0076】
再構成する粉末組成物は、活性化合物を滅菌条件下、滅菌環境で前もって再結晶させ入手し、個別に前もって滅菌処理した1つ以上のアミノ酸及び/又はシクロデキストリン及び/又は上記に示す等張剤と混合し、適切な容器へ保存し、後に賦形剤又は溶媒を添加し、再構成して活性化合物を入手することができる。
【0077】
再構成する粉末組成物を投与前に希釈する場合には、本発明の目的に適切な溶液を粉末組成物を含む容器へ添加したり、粉末組成物を適切な溶液中へ添加したり、又はこれらの手順を組み合わせて行う事ができる。
【0078】
再構成する粉末組成物は、希釈に用いる溶液の組成によって大きく異なる可能性がある。
【0079】
希釈剤が水のみの場合には、再構成する粉末組成物へ、投与するべき全成分の純粋な活性成分が凝縮している場合もある。
【0080】
本発明は、投与前に本発明に従って注入溶液を調製するため、再構成する粉末組成物と混合する溶液中の活性化合物にも関する。
【0081】
又本発明は、溶解した補助剤、好ましくはポリソルベート−80、活性化合物、アルギニン及び本発明に従って投与前に溶液へ調製するための適切な量の水を含むアルカリ性グリコール、好ましくはプロピレングリコールなど有機溶媒を添加して入手する濃縮液/懸濁液も含む。
【0082】
このため、濃縮液/懸濁液には、様々な組成物が含まれる可能性もある。又、本発明に従って注入用溶液を調製するために、ただ単に水を加えて希釈又は溶解させるだけの場合もある。
【0083】
又、本発明は、本発明及びその各手順に従い最終の結果として注入用溶液を入手するための他の形態やその組み合わせに関する。
【0084】
凍結乾燥物、濃縮液及び懸濁液など他の形態の組成を入れ希釈する容器は、ガラス製やプラスチック製で良い。これに関連して、容器の素材には、例えば、光又は酸素などからの特別な保護機能を有する物質が含まれても良い。
【0085】
本発明の組成物は、従来技術の手順によって経口、非経口又は局所投与用に調製することも可能である。本発明で組成物を調整する手順には、上記に示すベンゾキノリジン−2−カルボン酸、その水和物、塩、多形体及び/又は異性体とアミノ酸及び他の賦形剤との適宜攪拌を伴う簡単な混合が含まれる。第二の手順には、上記に示すベンゾキノリジン−2−カルボン酸、その水和物、塩、多形体及び/又は異性体を添加するシクロデキストリン溶液を最初に調製し、そこへ微細な粒子の形態に完全に溶解するまで攪拌し混合する方法が含まれる。例えば静注投与など緩衝等張液を調整する必要がある場合には、上記に定義した緩衝剤及び浸透圧調整剤をどの段階でも添加することが可能であるが、上記に定義するベンゾキノリジン−2−カルボン酸、その水和物、塩、多形体、異性体を添加する前にシクロデキストリン化合物の溶液へ添加するのが好ましい。本発明の組成物を調製する手順は、特に非経口投与を目的とする場合滅菌組成物を入手できる手順で行うのが好ましい。
【0086】
非経口投与を目的とする本発明の組成物は、一般に、従来の静注投与用バッグ及び装置へ梱包及び調剤するのに適切である。
【0087】
本発明の組成物は、例えばスプレー乾燥によって乾燥させ粉末を形成し再構成することも可能である。粉末を滅菌水中で溶解させ、本明細書に示す非経口投与用の組成物を再構成することも可能である。
【0088】
感染症疾患の治療又は予防を目的とする本発明の方法で、上記に開示する組成物のその目的の1日の有効な用量を必要な患者へ投与する。そのような投与形態は、経口投与、非経口投与又は局所投与が含まれるが、好ましくは非経口投与形態で、さらに好ましくは静注投与又は注入による投与である。
【0089】
本発明の特別な実施例では、感染症疾患を治療又は予防する方法は、(a)本発明の直接投与の組成物を用いる方法、(b)薬学的に許容できる液体で本明細書に記述する組成物を希釈し、直接投与に適する希釈組成物を生成する方法及び(c)治療又は予防に有効な1日の容量で希釈された組成物をそれが必要な患者へ投与する方法を含む。上記に述べる投与方法は、好ましくは非経口投与で、該組成物を、例えば食塩水又は十分な等張緩衝液など非経口投与に適する液状の担体で希釈した液体で、さらに好ましくは生理学的に適するpH値3.0〜9.8の生理食塩水及び/又はデキストロース溶液で希釈した液体で、最も好ましくはpH5.0〜8.0である。
【0090】
上記に示すとおり、本発明の方法は1つ以上のグラム陽性菌の感染によって起こる感染症に特に有効である。グラム陰性菌までのより広い範囲の抗菌活性を有する場合には、必要時に第2の抗菌剤をカクテル剤なども含む併用療法として本発明の組成物と共に投与することが可能である。第2の抗菌剤は、標的のグラム陰性菌に有効であるように選択する。そのような併用療法及びカクテル療法は、本発明の実施例に記載されている。
【0091】
第2の抗菌剤は、アミノグリコシド、セファロスポリン、ジアミンピリジン、オキサゾリジノン、スルファミド及びテトラサイクリンから選択できる。様々な分類の特別な抗菌剤の中で、以下のものは本発明の実施例に従い第2の抗菌剤として特に有用である。アミカシン、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフタジディム、セフティゾキシム、セフトリアゾン、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、キロラムフェニコール、クリンダミシン、コリスチン、ダプトマイシン、ドメクロシクリン、デキシシクリン、ゲンタミシン、リネゾリド、マフェナイド、メタサイクリン、ミノサイクリン、ネオマイシン、オキシテラサイクリン、ポリミキシンB、ピリメタミン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、スルファジアジン銀、スルファセタミド、スルフィゾクサゾール、テトラサイクリン、トブラミシン又はトリメトプリム。
【0092】
本発明は、例として抗菌剤以外の1つ以上の薬剤と共に投与するカクテル療法なども含む併用療法として本明細書に記載する抗菌剤組成物の投与など治療及び予防方法も含む。
【0093】
本発明の治療及び予防方法は、治療を必要とする患者へ有効である。対象は、好ましくは温血動物で、さらに好ましくは哺乳類及び最も好ましくはヒトである。しかし、本発明の特別な実施例では、感染症のリスクを有するペット、家畜又は動物園の動物などヒト以外の動物対象を本発明の組成で治療する獣医学的方法を示している。
【0094】
特別な状況下に適用すべき適切な用量、回数及び期間、つまり薬剤の処方については、追加の試験無しでも当業者には容易に決めることができ、その他の要因、特に組成物中のベンゾキノリジン化合物、治療又は予防すべき感染症疾患の種類又は症状、患者の年齢、体重及び健康の状態、患者の現在の投薬治療歴に依存するであろう。本発明の方法に従う治療への応答をモニターし、その結果必要に応じて投薬処方を調節するのが好ましい。
【0095】
ベンゾキノリジン−2−カルボン酸は、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体では、ヒト対象への1日投与量は、一般に約0.01〜100mg/kg/日で、好ましくは0.1〜50mg/kg/日である。平均体重が70kgのヒトでは、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体の1日用量は、本発明の組成を単回又は複数回投与で0.7〜7mg/日又は好ましくは0.7〜3.5mg/日となるであろう。他のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸又はS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物及び本明細書が定義する他のベンゾキノリジン−2−カルボン酸では、上記のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びそれらの多形体の用量範囲と治療上同等の1日用量を投与することができる。
【0096】
[実施例]
以下に示す実施例は、本発明を詳しく解説する目的で提示するのみであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0097】
[試験実施例−1]
アルギニンを添加する溶解度試験
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩の異なるアルギニン塩濃度を含む液体系の溶解度を調べる試験を実施した。
【0098】
試験手順:
L−アルギニンの水溶液を濃度5、10、15、25、50、100及び200mg/mlで調製した。正確に測量したS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(試料A)及び個別のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩(試料B)へ上記溶液3mlを添加した。上記組成物を含むフラスコを自動攪拌器へ入れ、温度27℃140rpmにて16時間攪拌した。0.2ミクロンのシリンジフィルターで溶液をろ過した。ろ過物を適切に希釈し、HPLCへ注入した。試料のピーク面積を標準液のピ−ク面積と比較し、溶解している量を測定した。
【0099】
各アルギニン濃度において溶解する試料A及び試料Bを各々以下の表へ示す:
【0100】
【表1】


同様に、異なるアルギニン濃度の溶液中のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物の溶解度の測定も実施した。
【0101】
[試験実施例−2]
β−シクロデキストリン及びヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンの溶解度試験
異なるβ−シクロデキストリン(β−CD)及びヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(HP−β−CD)濃度を含む液体系におけるS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の溶解度を調べる試験を実施した。
【0102】
β−シクロデキストリン(β−CD)及びヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(HP−β−CD)の水溶液を濃度0、2、5、10及び50mg/mlで調製した。正確に測量した(約20mgの)S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(試料A)へ上記溶液1mlを各々添加した。上記組成物を含むフラスコを自動攪拌器へ入れ、温度27℃140rpmにて24時間攪拌した。0.2ミクロンのシリンジフィルターで溶液をろ過した。ろ過物を適切に希釈し、HPLCへ注入した。試料のピ−ク面積を標準液のピーク面積と比較し、溶解している量を測定した。
【0103】
各々のβ−シクロデキストリン(β−CD)又は(HP−β−CD)又はヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン濃度において溶解する試料Aを各々以下の表に示す
試料A:
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸
試料C:
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸
試料D:
R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸
【0104】
【表2】


[試験実施例3]
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(HP−β−CD)。
【0105】
(HP−β−CD)の水溶液を濃度25、60、100及び250mg/mlで調製した。正確に測量した10、25、40及び90mgのS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩へ上記溶液1mlを各々添加した。混合液を約1分間攪拌し、透明な溶液を入手した。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩が完全に溶解しているため全ての溶液は透明であった。上記溶液を0.2μmのWhatmanナイロンフィルターでろ過した。ろ過した溶液は、ポリフィルムでしっかりとカバーした。上記組成物を含む試験管を自動攪拌器のスタンドへ入れ、150rpmにて6時間攪拌し続いて24時間静置した。
【0106】
全溶液は24時間後に透明のままであった。24時間後の溶液のpHを以下の表に示す。
【0107】
【表3】


[試験実施例4]
異常毒性試験
規制参照:本試験は、インド薬局方(IP)1996、付属資料2.2、方法B、生物試験及び測定方法、異常毒性試験、インド政府、厚生家庭福利省の推奨に準拠し設計した。
【0108】
投与形態:該組成物を各々のマウスへ120mg/kgの用量で投与した。
【0109】
試験方法及び管理:週齢約5〜6週で体重約28〜30gのSwissマウス10匹(雄5匹及び雌5匹)をポリプロピレンのケージへ各々5匹ずつ同性種を入れた。試験期間中、動物の飼育室の温度及び相対湿度を、各々22〜23℃及び30〜70%に維持した。12時間明るく、12時間暗く(午前8時〜午後8時)なるように照明を管理した。全てのマウスは自由にUltra−guard水(滅菌及び冷却の)へアクセスし、オートクレーブによる標準のペレット状試験動物用飼料を与えた。オートクレーブ済のトウモロコシの皮をベッドとして使用し1日おきにこれを交換した。
【0110】
試験の最終評価前に、全てのSwissマウスの健康を調査し、健康なマウスのみを選択した。
【0111】
試験手順:
試験物質の投与:実施例4の手順で入手できる注射用組成をSwissマウスへ単回静注用量で投与した。試験組成物は、濃度9mg/mlで透明な溶液であった。組成物を各マウスの尾の静脈から、26 1/2Gニ−ドル付1ml使い捨て用目盛り付シリンジを使用して静注投与した。各々のマウスについて試験開始前に記録した体重に従い120mg/kgとして計算し投与した。
【0112】
マウスの観察:臨床徴候、体重、死亡率
被験物質を投与し、7日間のマウスの観察期間中、被験物質は、何ら行動の変化、死亡率の上昇及び体重の増加の減少を発現せず異常毒性試験の基準に合格した。
【0113】
[試験実施例5]
動物への優れた耐性
7〜28日間の範囲で被験物質のラットへの反復静注投与試験を毎日実施し、本発明の組成物S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を動物へ投与し、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸ナトリウム塩へ対し比較し、優れた耐性が示された。
【0114】
[試験手順]
アルギニン塩の試験組成物
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を濃度75mg/mlで27mg/mlアルギニン溶液中へ溶解させた。
【0115】
ナトリウム塩の試験組成物
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸ナトリウム塩を濃度75mg/mlでpHを9.0へ調節した蒸留水へ溶解させた。
【0116】
体重が90〜100gmの範囲のWistarラットへ上記試験組成物を以下の表に示す用量で7〜28日間静注投与した。試験の用量で組成物を各ラットの尾の静脈から、26 1/2Gニ−ドル付1ml使い捨て用目盛り付シリンジを使用して0.5〜1.0ml静注投与した。各反復投与量を雄5匹及び雌5匹へ各々投与した。静脈炎又は完全静脈閉塞の進行がないか被験動物をモニターした。
【0117】
【表4】


アルギニン塩に基づく組成物の優れた静脈への耐性は、反復長期静注投与を行う場合、臨床上優れた機能である。
【0118】
試験実施例6:
安定性試験
実施例1及び2で入手した注射用組成を定温の培養器にて40℃で6ヶ月間保管した結果物理的に透明な溶液を入手した。また溶液は一定期間経過しても透明であることが確認された。
【0119】
[実施例1]
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を含む溶液を調製。
【0120】
予め窒素ガスの噴霧で不活性化した注射用の80mlの水へ、1.0gのL−アルギニン、0.9gのS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を溶解させ注射用の水で100mlとした。ここで入手した溶液を被膜フィルターでろ過し瓶へ入れオートクレーブで121℃にて20分間滅菌した。溶液のpHは、9.37±0.25であった。
【0121】
異常毒性試験において溶液は基準へ準拠することが確認された。
【0122】
溶液を40℃にて6ヶ月間保存した結果、pH値に変化は見られなかった。
【0123】
上記溶液は、対応するS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のナトリウム塩から調製した溶液と比較したところ、静脈への刺激を低減し、重篤な静脈炎へ進行するような静脈の閉塞も何ら認められなかった。
【0124】
[実施例2]
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸を含む溶液を調製。
【0125】
実施例1の手順に従い、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を等モル量のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸へ置換えて溶液を調製した。
【0126】
[実施例3]
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物を含む溶液を調製。
【0127】
実施例1の手順に従い、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を等モル量のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物へ置換えて溶液を調製した。
【0128】
[実施例4]
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を塩化ナトリウムで等張にした溶液を調製。
【0129】
予め窒素ガスの噴霧で不活性化した注射用の水80mlへ、L−アルギニン1.0g、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩0.9g、塩化ナトリウム0.67gを溶解させ、注射用の水を加え100mlとした。ここで入手した溶液を被膜フィルターでろ過し瓶へ入れオートクレーブで121℃にて20分間滅菌した。溶液のpHは、9.75であった。
【0130】
異常毒性試験において溶液は基準へ準拠することが確認された。
【0131】
溶液を40℃にて6ヶ月間保存した結果、pH値への変化は見られなかった。
【0132】
上記溶液は、対応するS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のナトリウム塩から調製した溶液と比較したところ、静脈への刺激を低減し、重篤な静脈炎へ進行するような静脈の閉塞も何ら認められなかった。
【0133】
[実施例5及び6]
実施例4の手順に従い、等モル量のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物を含む溶液を調製した。
【0134】
[実施例7、8、9及び10]
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩へ異なる濃度のL−アルギニンを添加した溶液を調製。
【0135】
実施例1に示す従来の製造方法に従い、以下の形態の注射用溶液を調製した。
【0136】
【表5】


[実施例11及び12]
実施例7〜10の手順に従い、等モル量のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物を含む溶液を調製した。
【0137】
[実施例13]
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩とヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを含み塩化ナトリウムで等張にした溶液を調製。
【0138】
注射用の水90 mlへ予め窒素ガスをパ−ジし不活性化した溶液へ、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン2.50g、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩0.9g、塩化ナトリウム0.80gを溶解させ、注射用の水を加え100mlとした。ここで入手した溶液を被膜フィルターでろ過し瓶へ入れオートクレーブで121℃にて20分間滅菌した。
【0139】
溶液のpHは、7.89±0.25であった。
【0140】
溶液の透明度は透明であった。
【0141】
[実施例14]
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩とヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを含み塩化ナトリウムで等張にした溶液を調製。
【0142】
予め窒素ガスの噴霧で不活性化した注射用の水90mlへ、アルギニン0.293g、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン6.0g、RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩0.6g、塩化ナトリウム0.70gを溶解させ、注射用の水を加え100mlとした。注射用の水を加え体積を100mlとした。ここで入手した溶液を被膜フィルターでろ過し瓶へ入れオートクレーブで121℃にて20分間滅菌した。
【0143】
溶液のpHは、7.60±0.25であった。
溶液の透明度は透明であった。
【0144】
[実施例15及び16]
実施例13の手順に従い、等モル量のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸及びS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物と各々必要量のアルギニン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン及び塩化ナトリウムを含む溶液を調製した。
【0145】
[実施例17]
注射用濃縮溶液の調整
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩を含む溶液を、以下に示す作成手順に従って、静注用溶液へ適合する液体で希釈して使用するための注射用の濃縮溶液を調製。
【0146】
窒素ガスの噴霧で予め不活性化したプロピレングリコール5mlへ、ポリソルベート2.0g、はポリソルベート−80,L−アルギニン0.2g、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩0.9gを溶解させ注射用の水で10mlとした。このようにして入手した溶液を被膜フィルターでろ過し瓶へ入れた。溶液のpHは、8.90±0.25であった。
【0147】
溶液を40℃にて6ヶ月間保存した結果、pH値の変化は見られなかった。
【0148】
[実施例18]
凍結乾燥した調合物の調製
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩(9%w/v)0.9g、L−アルギニン(13%w/v)及びマニトール(4%w/v)を注射用の水へ溶解させた。滅菌ろ過後、溶液を各々10mlのバイアルへ分注し、従来の方法でフリーズドライさせ凍結乾燥した調剤を入手した。
【0149】
調剤へ10mlの水を注ぎ注射用溶液へ再構成した。その結果入手した溶液は、透明であった。
【0150】
[実施例19]
粉末状組成物の調製
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩(40.91%w/w)、L−アルギニン(59.09%w/w)を混合し、続いて滅菌下にて各々10mlのバイアルへ粉末混合物2.2gを充填させた。
【0151】
調剤へ10mlの水を注ぎ注射用溶液へ再構成した。その結果入手した溶液は、透明であった。
【0152】
[実施例20]
実施例1〜19の全てに同等の組成物を、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸又はその0.2水和物若しくはアルギニン酸塩へR−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸又はその水和物若しくはアルギニン塩を混合し、99%S−(−)−鏡像異性体+1%R−(+)−鏡像異性体から1%S−(−)−鏡像異性体+99%R−(−)−9−鏡像異性体の割合の範囲で同様に調製できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染症疾患を有する又は感染症疾患へ罹患するリスクを有する対象へ、治療又は予防投与を目的とする薬剤組成物であって、
当該組成物は、
水溶液中で水溶性の担体、
(a)生理学的に適合するpHでの実質的に等張の水溶液における現実的な溶解度の限界を超える治療又は予防に有効な薬剤濃度のベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤、又はそれらの塩、多形体、鏡像異性体、その他の異性体若しくはラセミ体、
(b)溶液中における薬剤を、生理学的に適合するpHでの実質的に等張の水溶液における現実的な溶解度の限界を超える薬剤濃度に維持するのに十分な濃度の、塩基性アミノ酸、シクロデキストリン、シクロデキストリンポリマー、若しくはそれらの誘導体又はそれらの混合体から選択された薬学的に許容できる溶解剤
を含む組成物。
【請求項2】
請求項1の組成物であって、非経口投与に適切である組成物。
【請求項3】
請求項1の組成物であって、静注投与又は注入に適切である組成物。
【請求項4】
請求項1の組成物であって、薬剤濃度が約1〜約100mg/mlである組成物。
【請求項5】
請求項1の組成物であって、薬剤濃度が約4〜約12mg/mlである組成物。
【請求項6】
請求項1の組成物であって、薬剤濃度が約5〜約9mg/mlである組成物。
【請求項7】
請求項1の組成物であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が以下の式
【化1】


(II)
の化合物から選択され、
はC1−6のアルキル基で、鏡象異性体の混合物又は立体化学的配置であり、
は4−ヒドロキシピペリジニル基で、さらに1つ以上のC1−6のアルキル基で置換されていても良く、ヒドロキシピペリジニル基はさらにC1−6のアルキル基で1個/複数置換されていても良く、
10は、水素、C1−5のアルキル、アミノ、アルキルアミノ又はアシルアミノ基、若しくはそれらの光学異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体若しくはそれらの多形体、偽多形体、プロドラッグ若しくはそれらの薬学的に許容できる塩若しくは水和物又はそれらの混合体から選択される組成物。
【請求項8】
請求項7の組成物であって、分子式(I)において、
は水素であり、
はS−位のCHであり、

【化2】


であり、
Rは水素、C−Cのアルキル、グリコシル、C−Cのアルカノイル又はアミノアルカノイルであるか、又は
RはC11、PO又はSOHであり、各々、該化合物のグルコン酸、リン酸及びスルホン酸エステル誘導体を提供し、
及びRは同じ又は異なるもので、水素、C1−4のアルキル、アラルキル、アミノアルキル、トリフルオロアルキル又はハロゲンから選択され、
は、水素、C1−4のアルキル、CF、フェニル又はフッ素であり、Rはピペリジン環の2−、4−、5−、又は6−の位置に存在し、
10は、水素、C1−5のアルキル、アミノ、アルキルアミノ又はアシルアミノ基から選択される組成物。
【請求項9】
請求項7の組成物であって、
ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤は、
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
R(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びその溶媒多形体又は多形体、
R(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びその溶媒多形体又は多形体、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩及びその溶媒多形体又は多形体、
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物、
R(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{トランス−4−(RS)−ヒドロキシ−3−(RS)−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{シス−4−(RS)−ヒドロキシ−3−(RS)−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{シス−(−)−4−R−ヒドロキシ−3−S−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−{シス−(+)−4−S−ヒドロキシ−3−R−メチルピペリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、及び
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(3−エチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(シス−ラセミ化合物とトランス−ラセミ化合物の混合体)及びその純粋な光学異性体
からなる群より選択される組成物。
【請求項10】
請求項9の組成物であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその溶媒多形体又は多形体である組成物。
【請求項11】
請求項9の組成物であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物である組成物。
【請求項12】
請求項9の組成物であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸である組成物。
【請求項13】
請求項1の組成物であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が、当該組成物の約0.1〜約1.0重量%を占める組成物。
【請求項14】
請求項1の組成物であって、アミノ酸はアルギニン、ヒスチジン、アルギニン酢酸塩、アルギニングルタミン酸塩、アルギニン一塩酸塩、ヒスチジン酢酸塩、酢酸ヒスチジン二水和物、ヒスチジン一塩酸塩、ヒスチジン一塩酸一水和物、リシン、リシン酢酸塩、リシン一塩酸塩、オルニチン、トリプトファン又はその塩から選択される組成物。
【請求項15】
請求項14の組成物であって、アミノ酸にL−アルギニンが含まれる組成物。
【請求項16】
請求項14の組成物であって、アミノ酸にL−リシンが含まれる組成物。
【請求項17】
請求項1の組成物であって、シクロデキストリンポリマ−は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン又はそれらの誘導体から選択される組成物。
【請求項18】
請求項17の組成物であって、シクロデキストリンポリマ−は、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンから選択される組成物。
【請求項19】
請求項1の組成物であって、溶解剤が、当該組成物の約1.5〜約3.5重量%を占める組成物。
【請求項20】
請求項14の組成物であって、溶解剤はアミノ酸であり、当該組成物の約0.1〜約1.4重量%を占める組成物。
【請求項21】
請求項17の組成物であって、溶解剤はシクロデキストリンポリマーであり、当該組成物の約1.5〜約3.5重量%を占める組成物。
【請求項22】
請求項1の組成物であって、酸、塩基、無機塩基性塩、有機塩基性塩、緩衝剤又はそれらの混合物及び/又は浸透圧調整剤から選択される変性剤を含む、溶液が実質的に等張性であると共に生理学的に許容できるpHを有する量の、薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物。
【請求項23】
請求項1の組成物であって、濃縮液、乾燥凍結剤、粉末、溶液又は懸濁液のいずれかから選択した物理的な形態を有する組成物。
【請求項24】
細菌による患者の感染症疾患を治療又は予防する方法で、患者へ請求項1の薬学的な組成物を治療又は予防に有効な用量での投与を含む方法。
【請求項25】
請求項24の方法であって、組成物を患者へ投与する前に薬学的に許容できる液体で希釈する方法。
【請求項26】
請求項24の方法であって、対象はヒト又は動物である方法。
【請求項27】
請求項24の方法であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその溶媒多形体又は多形体、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又は
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸である方法。
【請求項28】
請求項24の方法であって、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩又はその0.2水和物を1日用量約0.01〜100mg/kgの範囲で投与する方法。
【請求項29】
請求項24の方法であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が、組成物の約0.1〜1.0重量%を占める方法。
【請求項30】
請求項24の方法であって、該溶解剤は、アミノ酸、シクロデキストリンポリマー若しくはそれらの誘導体又はそれらの混合物の群から選択される方法。
【請求項31】
請求項24の方法であって、該組成物を静注投与又は注入にて投与する方法。
【請求項32】
請求項24の方法であって、投与経路は非経口である方法。
【請求項33】
薬学的組成物を調製する工程であって、
請求項1に従って分子式(I)の薬学的に有効な量のベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤を、生理学的に許容できるpHで溶液中に薬剤を維持するのに有効な濃度の溶解剤を含む薬学的に許容できる賦形剤と混合する工程。
【請求項34】
請求項33の工程であって、該溶解剤は、アミノ酸、シクロデキストリンポリマー若しくはそれらの誘導体又はそれらの混合物から選択される工程。
【請求項35】
請求項34の工程であって、ベンゾキノリジン−2−カルボン酸抗菌剤が、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩、その溶媒多形体又は多形体、
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸0.2水和物又は
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸
である。

【公表番号】特表2006−513188(P2006−513188A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562835(P2004−562835)
【出願日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【国際出願番号】PCT/IN2003/000423
【国際公開番号】WO2004/058303
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(505247591)ウックハート リミテッド (1)
【Fターム(参考)】