ベークされた電子レンジ用冷凍パンおよびベーカリー製品
【課題】ベーカリー製品を著しく乾燥または硬化させることなく電子レンジ内で冷凍状態から加熱することのできる、特にサンドイッチの形をした、詰め物を有する完成形態の冷凍ベーカリー製品を提供すること。
【解決手段】上面部分および底面部分を有し、かつ上面部分と底面部分との間にありこれらと同一の広がりを持つ詰め物を有するパン部分を含む、完成形態の冷凍食品であって、この完成形態の冷凍食品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済み食品が得られるように電子レンジで加熱することができ、加熱済み食品のパン部分はパサついておらず、加熱済み食品の詰め物は本質的に均一な温度を有している、完成形態の冷凍食品が提供される。
【解決手段】上面部分および底面部分を有し、かつ上面部分と底面部分との間にありこれらと同一の広がりを持つ詰め物を有するパン部分を含む、完成形態の冷凍食品であって、この完成形態の冷凍食品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済み食品が得られるように電子レンジで加熱することができ、加熱済み食品のパン部分はパサついておらず、加熱済み食品の詰め物は本質的に均一な温度を有している、完成形態の冷凍食品が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー製品を著しく乾燥または硬化させることなく電子レンジ内で冷凍状態から加熱することのできる、特にサンドイッチの形をした、詰め物(filling)を有する完成形態の冷凍ベーカリー製品に関する。また本発明は、官能的特質の著しい損失または低下なしで、相当なマイクロ波加熱に耐えるよう十分堅固なパン製品にも関する。
【背景技術】
【0002】
インスタント食品(即ち、消費者による調理が最小限しか必要とされず、調理が迅速である製品)は、今日の忙しいライフスタイルに適応するために、要請が高まっている。その例は、チーズおよびクラッカースナックと缶詰シチューから、冷蔵ベーグルおよび一部の冷凍ディナーにまで及ぶ。典型的な場合、そのような製品は、パッケージにされたものとして、または好ましくはマイクロ波加熱によって短時間加熱した後に、食べられることになる。とりわけこの分野では、電子レンジ内で冷凍状態から加熱することができるパン製品、特に、詰め物を有するパン製品は、珍しいものである。
【0003】
ベークしたパン製品は、通常、比較的短い時間内で消費されることを目的とする調理したての製品として、または比較的長い時間にわたって冷凍状態で保存することができ、後に解凍して消費される冷凍製品として入手可能である。そのような冷凍パン製品の例には、その後、従来式オーブンまたは電子レンジで加熱される冷凍ピザが含まれる。詰め物を有する、電子レンジ用の完成形態である従来サイズの冷凍パン製品を調理しようとする試みは、一般に成功していなかった。そのような冷凍の詰め物入りパン製品は、パンおよび詰め物部分の異なる性質が原因で、電子レンジ内で不均一に加熱される傾向がある。したがって、これらは一般に、所望の温度未満でパサついた状態のパンおよび/または詰め物になる(詰め物のいくつかの部分は、冷たいままであり、または冷凍のままであることもある)。電子レンジ内での、そのような冷凍食品の加熱から生じるそのような問題は、マイクロ波加熱中の不適当な水分制御に起因することもある。例えば、2つの異なる食品を、冷凍状態から電子レンジ内で同時に加熱する場合、これら食品は異なる速度で加熱される可能性がある。例えば、デンプン様のまたはパンをベースとした食品は、その他の食品(例えば詰め物)よりも比較的速く冷凍状態から加熱される可能性がある。その結果、この新鮮な状態に比べて乾燥して硬い、加熱し過ぎのパンベースの食品になる可能性がある。そのような加熱速度の差は、パンをベースにした食品のいくつかの部分の間に詰め物が置かれている完成形態のサンドイッチ型製品の場合、詰め物とパンの部分の固い氷/自由水の密度および量の両方が著しく異なる可能性があるので、特に面倒である。
【0004】
2005年10月13日発行の特許文献1は、再加熱可能な冷凍サンドイッチを提供した。このサンドイッチは、中央に位置付けられた調味料の層のそれぞれ面に配置された、肉含有層およびチーズ含有層を含んでいた。したがって調味料層成分は、肉層とチーズ層の間の食用詰め物内に位置決めされ、サンドイッチのトーストされたパンのスライスから切り離され、このようにすることによって、冷凍サンドイッチの再加熱中に調味料層から移行する水分が原因で、トーストされたパンのスライスに水分がもたらされる可能性を低下させた。サンドイッチ構造における、トーストされたパンのスライスからのこの高水分調味料層の構造的分離は、サンドイッチを冷凍状態から再加熱したときに、トーストされたパンのスライスをサクサクした状態に保つのを助ける。事実、肉含有層およびチーズ含有層は、調味料層からパン層への水分の移行を防止することにより、水分障壁として働く。その他の水分障壁も、これらのサンドイッチに使用される。
【0005】
Nestleは、電子レンジ用サンドイッチに関連したこれら問題のいくつかを克服しようと試みている。ある手法では、Nestleは、ドウの比較的薄い層が詰め物を取り囲んでいる様々なHot Pockets(登録商標)ブランドのサンドイッチを導入してきた。パン部分は、マイクロ波による加熱調理中に、接触する詰め物によって蒸されるようであり、これは、パン部分が硬くなりかつ堅固/噛み難くなるのを予防するようである。Nestleは、より最近になって、パン製品の各スライスがその表面に個別の詰め物部分を有するサンドイッチキット(Corner Bistro(登録商標)パニーニサンドイッチおよびLean Cuisine(登録商標)パニーニサンドイッチ)を導入した。次いで消費者が、供給サセプタディスク上で電子レンジ内にスライスを並べ(即ち、スライス同士を重ね合わせないで)、加熱し、次いで1つに合わせることにより、最終的なサンドイッチ型製品が形成される。各スライスを、その詰め物を上に向けた状態で、並べて加熱することにより、より均等でより速い加熱が行われ、したがって、パン部分の乾燥が回避され易くなり、詰め物を所望の温度に到達させることが可能になる。Nestleサンドイッチの全体のサイズは、従来の調理したてサンドイッチに比べて比較的小さく(一般に、全体で約6オンス以下であり、個々の最上部のスライスのそれぞれは、約3オンス以下である);この手法で調理されたより大きいサンドイッチは、パサついたパン部分および/または所望の温度よりも低い詰め物を有することが予測された。さらに、2つに切り分けたそれぞれを並べて加熱し、次いでこれらを1つに重ね合わせる必要があるので、製品の便利さが低下する。電子レンジで加熱する前に、Nestleサンドイッチキットの2つの個々のスライスを1つに組み合わせること(即ち、重ね合わせたサンドイッチを形成すること)は、許容される結果をもたらさないようである(例えば、電子レンジで加熱された、1つに合わせた製品の皮は、噛み難くなり堅固になる傾向がある)。
【0006】
したがって、パン部分をパサつかせ、硬くし、または革のようにすることなく、その完成形態の形で冷凍状態から電子レンジで処理することのできる、詰め物を有する完成形態の冷凍パン製品であって、詰め物部分が、所望の本質的に均一な高温を達成しており、加熱された完成形態のパン製品および詰め物が所望の食感および味の特性を保持している製品が、依然として求められている。また、従来の調理したてのサンドイッチとほぼ同様のサイズである完成形態の冷凍パン製品も、依然として求められている。また、水分障壁を必要とせずかつ電子レンジでの再加熱用に特に設計された完成形態の冷凍パン製品も、依然として求められている。また、冷凍詰め物の塊を均一な高温に加熱するのに要するマイクロ波エネルギーに耐えるよう十分堅固であり、かつ口当りの良いままである(即ち、パワパサにならず、硬くならず、噛み難くならず、または革のようにならない)パン配合物も、依然として求められている。
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0226963号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/531,592号明細書
【特許文献3】米国特許出願第11/531,585号明細書
【特許文献4】米国特許出願第11/531,578号明細書
【特許文献5】米国特許出願第11/284,801号明細書
【特許文献6】米国特許第6,764,700号明細書
【特許文献7】米国特許第6,919,097号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、そのような完成形態の冷凍詰め物入りパン製品を提供する。特定の好ましい実施形態では、本発明は、2つのパン部分を有し、この2つのパン部分の間にありかつこの2つのパン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有する、完成形態の冷凍サンドイッチ製品であって、加熱されたサンドイッチ製品を得るために、パン部分または詰め物の官能的特質に著しい悪影響を及ぼすことなく電子レンジで加熱することのできる、完成形態の冷凍サンドイッチ製品を提供する。水分障壁は、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチ製品では必要としない。そのような完成形態の冷凍詰め物入りパン製品、特に、完成形態の冷凍詰め物入りサンドイッチ製品を含有するキットが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上面小型パン(bun)部分および底面小型パン部分を有し、この上面小型パン部分と底面小型パン部分との間にこれらと同じ広がりをもった詰め物を有するデンプン様部分を含む、完成形態の冷凍食品であって、すぐに食べられる状態にある加熱済み食品が提供されるように電子レンジで加熱することができ、この加熱済み食品のデンプン様部分がパサついた状態にならず、この加熱済み食品の詰め物が本質的に均一な温度を有する、完成形態の冷凍食品を提供する。水分障壁は、本発明の完成形態の冷凍食品では必要としない。そのような水分障壁は、本発明の完成形態の冷凍食品で使用されないことが好ましい。
【0010】
一般に、マイクロ波加熱する前のデンプン様部分は、約0.9から約0.96の範囲の水分活性を有することになり、マイクロ波加熱後は、満足のいく食感および咀嚼性を保持することになる。一般に、マイクロ波加熱後の詰め物は、約160から約195°F(即ち、この範囲では冷却または冷凍スポットが無い)の本質的に均一な温度、および良好な官能的特質を有することになる。本発明において、詰め物における「本質的に均一な温度」は、詰め物の中央で測定された温度が、詰め物の外側部分の近くで測定された温度に対して約±20°F(好ましくは約±10°F)よりも大きく変わらないことを意味するものとし;この定義において、全ての温度は、詰め物を平衡にすることが可能になるように、マイクロ波加熱の終了から約1から3分後に測定される。詰め物の最低限の温度は、マイクロ波で処理した後に少なくとも約160°Fであることが好ましい。
【0011】
本発明において、「パン」は、完全ベークまたは半ベークされた(par−baked)デンプン様タイプの製品、例えば食パンやフラットブレッド、小型パン、ロール、ベーカリー製品などを指し;そのような完全ベークまたは半ベークされたデンプン様タイプの製品は、酵母を使用して調理することが好ましい。パンのドウの組成によって、完全ベークまたは半ベークされたデンプン様タイプの製品を、著しく硬くしまたはパサついた状態にすることなく所望の温度まで、詰め物を加熱するのに十分な時間にわたって電子レンジで加熱できることが重要である。言い換えれば、ドウ配合物は、完成形態の冷凍された本発明のサンドイッチ製品の性質が原因で、過剰なマイクロ波加熱要件に耐えられるように改質されている。適切な詰め物には、例えば、肉(例えばチキン、ターキー、ビーフ、ハムなど)、チーズ、野菜、豆腐、大豆、大豆由来製品など、ならびにこれらの組合せが含まれる。そのような詰め物には、ソース、ドレッシング、スプレッド、グレイビー、調味料、スパイス、香料、着色剤など、ならびにこれらの組合せを含めてもよい。一般に、そのような詰め物は、比較的高い含水量(即ち、約70から約80%またはそれ以上)を有する。
【0012】
一般に、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチは、「フルサイズ」(即ち、そのサイズおよび重量が、これと同じタイプの調理したての従来の食品と同等)である。より具体的には、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチは、一般に約6.5オンスよりも大きく、好ましくは約6.5から約10オンスであり、より好ましくは約7から約8.5オンスである。完成形態の冷凍サンドイッチは、その全体的な形状およびサイズが、従来の手のひらサイズのサンドイッチ型製品と同様である。したがって、(上方から見たときに)円形(ハンバーガー用小型パンと同様)、楕円形、正方形、長方形、1つまたは複数の丸みを帯びた端部を有する長方形などでよい。寸法は変化させることができるが、完成形態の冷凍食品は、一般に厚さが約1から約3インチ(上方パン部分の上面から下方パン部分の底面まで測定した場合)であり、円形製品の場合は約3.5から約5.5インチの全径を有し、その他の形状の製品の場合は約2.5から約4インチ×約5から約8インチの全体寸法を有する。
【0013】
1つの特に好ましい実施形態では、本発明の完成形態の冷凍食品が、上面パン部分と、底面パン部分と、これら底面および上面の小型パンまたはパン部分の間に分散されかつこれらパン部分と同一の広がりを持つ詰め物とを有する完成形態の冷凍サンドイッチである。本発明において、底面および上面の小型パンまたはパン部分は、完全に分離され、1つまたは複数の面に「ヒンジ部」で接続され、または互いに一体化していてもよい(例えば、ストロンボリ型またはカルゾーネ型サンドイッチの場合のように、詰め物を包みこんでいる)。完成形態の冷凍食品は、完成形態の冷凍食品を提供する「1人前」用キットで使用されるように適合されており;望みに応じて、その他のスナックまたはランチタイプの食品または成分を含めることもできる。そのような、その他のスナックまたはランチタイプの食品または成分は、当然ながら、冷凍保存にまたこの完成形態の冷凍食品を電子レンジで調理したときに食べるのに、適切であるべきである。そのような、その他のスナックまたはランチタイプの食品または成分には、例えば、冷凍デザート、クッキー、キャンディバー、カップケーキなどを含めることができる。
【0014】
そのような製品またはキットは、様々な成分用の別個の区画および/またはポーチを有する1人前用パッケージに入れられることが好ましい。ポーチは、製品またはキットの保存寿命を延ばすために、不活性雰囲気中で封止されることが好ましい。完成形態の冷凍食品(好ましくは完成形態の冷凍サンドイッチ)は、後で開けることができ、また後で電子レンジ内で直接加熱することができる、別個のパッケージに入れられることが好ましい。完成形態の冷凍食品が入っているキットおよび/または1人前用パッケージは、一般に、適正な保存(即ち冷凍)条件下で少なくとも120日の保存寿命を有する。
【0015】
上述のように、完成形態の食品が入っているパッケージは、マイクロ波加熱を補助するために、1種または複数のマイクロ波サセプタを含むことが好ましく;そのような場合、完成形態の食品およびマイクロ波サセプタが入っている開いたパッケージを、電子レンジ内に直接置く。あるいは、別個のマイクロ波サセプタをパッケージに含めることができ;そのような場合、完成形態の食品を後にサセプタ上に置き、この組み合わせたものを、加熱するために電子レンジ内に置く。上面および底面サセプタは、製品をマイクロ波処理するときに、完成形態の冷凍食品をこれら上面および底面サセプタの間に置くことができるように、かつ本質的にこれらサセプタの間の空間内に含まれるように提供されることが、さらにより好ましい。
【0016】
本発明は、その全てが本出願と同日に出願され、その全てが本出願人により所有され、かつその全てが本明細書に参照として組み込まれる、特許文献2、3、および4に関連するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、上面および底面を有しかつこれら上面および底面の間に同一の広がりを持った詰め物を有するパン部分を含む、完成形態の冷凍食品であって、この完成形態の冷凍食品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済み食品が提供されるように、電子レンジで加熱することができ、この加熱された食品のパン部分はパサつかず、この加熱された食品中の詰め物は、本質的に均一な温度を有している食品を提供する。一般に、マイクロ波加熱前のパン部分は、約0.9から約0.96の範囲の水分活性を有することになり、マイクロ波加熱後に満足のいく食感および咀嚼特性を保持することになる。一般に、マイクロ波加熱後の詰め物は、約160から約195°F(即ち、内部に冷却または冷凍スポットが無い)という本質的に均一な温度と、良好な官能的特質を有することになる。
【0018】
図1は、上面または上方パン部分12と、底面または下方パン部分14と、これら上面および底面パン部分12および14の間にありかつこれらと同一の広がりを持つ詰め物部分16とを有する、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチ製品10を示す。上面パン部分12は、上面または皮部分20と、詰め物16の上面に接触する下部または切断面22とを有し;同様に、底面パン部分は、下面またはヒール部分24と、詰め物16の底面に接触する上方切断面26とを有する。本発明において、「同一の広がりを持つ」という文言は、詰め物が、「非重複領域」を最小限に抑えた状態で、上面および底面パン部分を本質的に覆うことを意味するものとする。詰め物は、完成形態の冷凍サンドイッチ製品のマイクロ波加熱中に、上面および底面パン部分がパサつく危険性を低下させるため、これら上面および底面パン部分と同一の広がりを持つべきである。本発明において、「本質的に覆う」は、上面パン部分の底面と底面パン部分の上面との両方の、少なくとも約92%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%が詰め物16によって覆われていることを意味するものとする。図2(図1と同じ縮尺ではない)は、上面図において、完成形態の冷凍サンドイッチ製品10のいくつかの可能な形状を示し;上面パン部分12およびその下にある詰め物16が示されている。図2Aは、本質的に円形のサンドイッチ製品を示し;図2Bは、本質的に正方形または長方形のサンドイッチ製品を示し;図2Cは、丸みの付いた端部を有する、本質的に長方形のサンドイッチ製品を示し;図2Dは、2つの丸みの付いた端部を有する、本質的に長方形のサンドイッチ製品を示す。また図2Aは、詰め物16が上面パン部分12をどのように「本質的に覆う」かを示し;一般に、図2Aの底面の2つの矢印の間の距離は、マイクロ波加熱ステップ中にパンがパサつかないように、約1/3インチ未満であるべきであり、好ましくは約1/4インチ未満である。図3A(斜視図)および3B(断面図)は、詰め物が含まれるようにドウ20を折り畳むことによって調理することができる、本発明のストロンボリ型サンドイッチを示す。上面12および底面14は、詰め物16を少なくとも部分的に閉じ込めるように、ドウ20を適切に折り畳むことによって形成される。図3Aに示されるストロンボリ型サンドイッチの端部は、詰め物16が露出するように開いており;しかし一方または両方の端部は、詰め物が一端で露出するようにまたは完全に密閉されるように、ストロンボリ型サンドイッチが得られるようドウを適切に折り畳むことによって、閉じることができる(図示せず)。一般にドウ20の厚さは、ベークした後に、少なくとも約1/4インチであり、好ましくは少なくとも1/3インチ、より好ましくは少なくとも約1/2インチである。カルゾーネ型サンドイッチ(典型的には「半月」形状)は、同じ手法で調理することができるが、縁部は通常、クリンプ処理またはその他の方法によって封止することができる。
【0019】
図4は、詰め物が上方および下方パン部分と同一の広がりを持たない、欠陥のある(即ち本発明ではない)サンドイッチを示す。図4の左手側では、詰め物16が、上面および底面パン部分12および14の外側縁部まで拡がっておらず、それによってかなりの「非重複領域」が、上面および底面パン部分12および14に生成されている。非重複領域は、上面および底面パン部分のそれぞれの部分AおよびBが、マイクロ波加熱中にパサつく危険性を増大させる。一般に、詰め物は、マイクロ波加熱中にパンの著しい乾燥を引き起こすことなく、パン部分の外側から約1/3インチまでリセス処理することができ(このリセスが2つの矢印の間に示されている図2A参照);好ましくはこのリセスは、約1/4インチ未満である。
【0020】
したがって、本発明の完成形態の冷凍食品を調理する際、詰め物が、上面および底面パン部分と同一の広がりを確実に持つことが重要である。したがって、詰め物の上面および底面は、詰め物と上面および底面パン部分とが十分重複するように、上面および底面パン部分の対応する面とほぼ同じ形状および表面積を有するべきである(例えば図1参照)。
【0021】
完成形態の冷凍食品は、マイクロ波加熱中に同一の広がりを持つ食品の性質を容易に維持することができるように、マイクロ波加熱中に、完成形態の冷凍食品を保持するのにも使用することができるパッケージに入れることができる。あるいは消費者が、マイクロ波加熱中に同一の広がりを持つ食品の性質を維持するように、取扱い説明書を提供すべきである。当然ながら、詰め物が、冷凍時間中にパン部分と同一の広がりを持つ場合、この製品の冷凍の性質は、配送中にこの同一の広がりを持つ関係を維持するのを助けることになるようである。包装は、配送中にこの同一の広がりをもつ関係を保つのを助けるように設計される。
【0022】
完成形態の冷凍食品には、マイクロ波加熱プロセスを補助するために、適切に寸法決めされ成形されたサセプタを備えることが好ましい。当技術分野で知られているような、様々なタイプおよび形のサセプタを、本発明で使用するために提供することができる。例えばサセプタは、表面に堆積された金属層を有するフィルムでもよい。さらに、サセプタは、完成形態の冷凍食品の選択された部分に熱エネルギーを集中させるのを助けるため、異なる厚さを有してもよい。サセプタは、完成形態の冷凍食品の包装と一体的な部分でもよく、またはマイクロ波加熱の前に完成形態の冷凍食品が置かれる、個別の構成要素でもよい。
【0023】
必ずしも必要ではないが、サセプタは、食品の隣接部分により良好に一致するように、加熱によって広がるタイプのものであることが好ましい。1つの特に好ましい拡張サセプタ材料は、QuiltWave(商標)という製品名で、Graphics Packaging,Inc.,Marietta,Georgiaにより作製され販売される。さらに、拡張サセプタは、そこに隣接する食品の表面から水分を排出させることが可能な、内部に形成された多数のチャネルまたは溝を有することができる。そのような排出は、サセプタに隣接する食品の面に水分が蓄積される可能性を低下させることができることが有利である。その他の排出メカニズムを、代替としてまたは追加として使用してもよい。例えば、波形サセプタ材料が、マイクロ波加熱中の水分を排出させるよう機能してもよい。
【0024】
底面サセプタおよび上面サセプタの両方は、完成形態の冷凍食品を効果的に取り囲みまたは閉じ込めるのに使用することが好ましい。そのようなサセプタの、特に好ましい実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献5に示されている。底面および上方サセプタの両方は、QuiltWave(商標)材料を使用して形成され、水分を逃がすのに適切な排出機構を有することが好ましい。
【0025】
ベーキングサイエンスでは、様々なパン製品を製造するために、時間、温度、および相対湿度を用いる複雑なプロセスが実施される。時間、温度、および相対湿度のパラメータは、一般に、食パン、ロール、ピザクラスト、ペストリー、およびシリアル製品の場合、これらの外観(皮の色、サイズなど)に関してだけではなく、発生、食感、およびサイズに関しても異なっている。ベーク処理によって引き起こされる望ましい変化のいくつかは、タンパク質の変性、デンプンのゲル化、水分の移行、および正確さ(気泡の発生およびグレイン)である。最終的な消費者の目に訴えるベーク製品の調理には、多くの因子が含まれることもある。製造業者は、保存寿命や消費者が実際に製品をどのように使用するかなどの項目についても考えなければならない。その結果、製造ラインが仕様を満たすか否かを決定することができる、いくつかの定量的尺度を有することが望ましい。そのような1つの尺度は水分活性である。
【0026】
水分活性は、ベークした後にこのベーク製品中に残っている水のパーセントの尺度である。クラッカー製品は、典型的な場合、約0.35から0.50の範囲の水分活性を有する。一般的なベーク商品、例えば食パン、ディナーロール、およびピザクラストは、典型的には約0.90から0.98の範囲の水分活性を有する。本発明の、完全ベークまたは半ベークされたパン製品は、好ましくは約0.9から約0.96の水分活性を有し、約0.93の値であることが特に好ましい。そのような、完全ベークまたは半ベークされたパン製品は、満足のいく冷凍保存特性、ならびに電子レンジで加熱した場合に満足のいく食感および味を有する。
【0027】
パン製品の水分活性は、パン製品をオーブンから取り出して、約100°Fに冷却した後に測定する。ベークしたパン製品の水分は、aWメータで測定してもよく、または約100°Fに冷却した後のパン製品と、さらにより完全に乾燥した(即ち、デシケータまたはその他の適切な信頼性ある方法を使用した)後のパン製品との重量差によって測定してもよい。一般に、完全ベークまたは半ベークされたパン製品の含水量は、約30から38%であり、好ましくは約34から約38%の範囲である。
【0028】
パンのドウの配合物には酵母が含まれるので、このドウの調製には発酵ステップが含まれる。発酵ステップによって、酵母は、小麦粉に含有されるグルテンを引き伸ばし熟成させる二酸化炭素ガスを発生させ、良好な風味および食感をもたらすのを助ける。「スポンジアンドドウ(sponge and dough)」法(即ち、ドウの一部を発酵させ、発酵したドウの一定分量をバルク状の発酵させていないドウに添加する)や、「ブリューシステム(brew system)」法(即ち、一部の酵母、および小麦粉などを液体系内で発酵させ、次いで個別の成分として添加する)などの技法を、望みに応じて使用することができる。パンチングダウン(punching down)は、これを使用する場合には、発酵およびプルーフィングの後に行う。
【0029】
本発明で使用されるパン製品は、ゴムの組合せ(例えばキサンタンおよびグアールであって、キサンタンは、従来のレベルよりも高いレベルにある)を含有するドウを使用して調理してもよく、ドウ配合物中の追加の成分(例えば、メチルセルロースおよびDATEM)によって、本出願で使用される改善されたパン製品が提供される。いずれも、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる特許文献6および7のドウ配合物で使用される酵素は、本出願では必ずしも必要ではないが(したがって、使用しないことが好ましい)、望む場合には含めることができる。このように、本発明の好ましい実施形態により調理されるドウについて、特に好ましいレシピ(ベーカーズパーセンテージで)を、下記の表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
さらに、特許文献6および7のドウ配合物は、本発明で使用されるようにゴム(例えばキサンタンおよびグアール)および追加の成分(例えばメチルセルロースおよびDATEM)の組合せが含まれるよう改質された場合、本発明で使用することができる。その他の実施形態では、上記にて列挙されたものの代わりに、その他の成分を用いることができる。例えば、ステアロイル乳酸カルシウムを、ステアロイル乳酸ナトリウムの代わりにまたは一緒に使用してもよい。小麦粉は、ハードスプリングまたはウィンター小麦から製造された、硬質小麦パン用小麦が好ましい。適切な油および/または脂肪には、植物油、ショートニング、水素化脂肪または油などが含まれる。脂肪は、固体の水素化または部分水素化植物油;例えば水素化または部分水素化綿実油、トウモロコシ油、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ油、またはこれらの混合物、および同様の水素化または部分水素化植物油および混合物が好ましい。好ましい植物油は、トウモロコシ油、キャノーラ油、ヒマワリ種子油、綿実油、および大豆油、またはこれらの混合物であり、大豆油が最も好ましく;Olestra(商標)やBenefat(商標)などの脂肪置換体も、そのような油または脂肪と組み合わせて使用することができる。油は、製造業者によって添加されたバター香料を有してもよい。あるいは、バター香料またはその他の香料を、当業者に知られている量でまたは香料の製造業者の推奨に従って、上記レシピに加えることができる。一般に、好ましい甘味料はスクロースである。その他のタイプの甘味料(例えば、天然、人工の、コーンシロップなど)は、当然ながら、使用する場合、そのようなその他の甘味料のレベルを、所望のレベルの甘味料が得られるように調節すべきであり、必要に応じて(即ち、コーンシロップを使用する場合)、甘味料と共に添加される水のレベルに相当するように調節してもよい。上記基本レシピで使用される圧搾酵母の代わりに、乾燥酵母を用いてもよい。乾燥酵母を使用する場合、ベーカーズパーセンテージまたは重量を、圧搾酵母の水分に相当するまで減らし;同様に、添加される水の量を、圧搾酵母の水分に相当するまで増加させることができる。したがって、圧搾酵母の代わりに乾燥酵母を上記一般的レシピで使用する場合、乾燥酵母の量(小麦粉ベース)は、約0.3から約1.7%の範囲内、好ましくは約0.6から約1%の範囲内になる。
【0032】
図5は、本発明の完成形態の冷凍食品を調理する概略的方法を示す。当業者なら気付くように、図5に示されるステップの順序は、望みに応じて変更することができ;例えば冷凍は、包装の前または後に行うことができる。ドウを調製し、所望の量および形状に形成し、次いでプルーフィングを行う(一般に、約90から約105°Fで約30から約60分間、約50から約95%の相対湿度で)。次いでプルーフィングされたドウをベークしてもよく、またはベークする前に「パンチダウン(Punched down)」してもよい。望むなら、ドウをベークする前に単に圧縮することにより、このドウをパンチダウンすることができる。一般にパンチングダウンは、マイクロ波処理の後に、最終的な完成形態のサンドイッチ製品に対していくらか良好で密度の高い食感をもたらすように見えるので、好ましい。次いでプルーフィングされたドウ(任意選択でパンチダウンさてもされなくても)を、従来式のオーブンでベークして、完全ベークまたは半ベークされたパン製品を得る。一般に、当業者なら気付くように、ベーク条件の大部分は、使用されるオーブンのタイプ、およびドウのサイズ/重量に依存することになる。例えば、丸いハンバーガーの形をしたドウの小片(約4オンス)は、約425から約450°Fのインピンジメント型オーブンで約4から約5分間、または約350から約400°Fのガス燃焼トンネルオーブン(直接または間接)で約10から約25分間、ベークすることができる。
【0033】
次いで完全ベークまたは半ベークされたパンを、一般にスライスすることにより、サンドイッチの上面パン部分および底面パン部分を形成する。完全ベークまたは半ベークされたパンは、小型パンまたはロールの形をとり、これを2つに分けたものが上面(いわゆる「クラウン」)および底面(いわゆるヒール)パン部分を形成するようにスライスする。完全ベークまたは半ベークされたパンが一塊の状態である場合、この塊をスライスすることによって、一般に多数のスライが得られ(塊のサイズに応じて)、これらを使用して、複数の完成形態のサンドイッチを形成することができる。一般に、完全ベークまたは半ベークされたパンは、完全に最初から最後までスライスすることにより、個別の上面および底面パン部分が形成される。しかし望む場合には、上面および底面パン部分の間に詰め物を置くことができる限り、これら上面および底面パン部分がヒンジ部を通して結合したままになるように、スライシングを完全に行わなくてもよい。ストロンボリ型またはカルゾーネ型サンドイッチの場合は、ドウが詰め物を閉じ込めるので、スライシングは一般に必ずしも必要ではない。そのようなサンドイッチは、1つまたは複数の端部が開いていてもよく(図3参照)、あるいは端部が閉じていてもよい(詰め物がパン部分の内部に完全に含まれるように)。詰め物の大部分または全体がパン部分の内部に含まれる場合、このパンは、マイクロ波加熱中に水分の排出が可能になるように、任意選択のスリットまたはその他の開口を有することが好ましい。
【0034】
次いで、詰め物を、任意の適切な自動式、半自動式、または手動式技法を使用して、上面または底面パン部分の一方(好ましくは底面パン部分)に載せる。適切な詰め物には、例えば、肉(例えばチキン、ターキー、ビーフ、ハムなど)、チーズ、野菜、豆腐、大豆、大豆由来製品など、ならびにこれらの組合せが含まれる。そのような詰め物には、ソース、ドレッシング、スプレッド、グレービー、調味料、スパイス、香料、着色剤など、ならびにこれらの組合せを含めてもよい。一般に、そのような詰め物は、比較的高い含水量(即ち、約60〜80%又はそれ以上)を有する。詰め物中の肉および野菜は、小さな塊または賽の目の形(一般に、最長寸法で約2インチ未満)をとることが好ましい。
【0035】
肉は、削り取り、スライスし、裁断し、みじん切りにされ、またはその他の従来の形にすることができる。使用することができる肉のタイプは、特に限定されない。肉は、ビーフ(例えばローストビーフ、バーベキュービーフ、ステーキ、ハンバーガーなど);鳥肉(例えば鶏の胸肉、バーベキューチキン、七面鳥の胸肉、七面鳥バーガー、チキンサラダなど);ポーク(例えばハム、バーベキューポーク、ハムサラダなど);魚(例えばツナ、ツナサラダ、スモークサーモンなど);卵製品でよい。肉の詰め物は、ベーコンやソーセージ、ボローニャ、オリーブローフ、ペペローニ、サラミ、コンビーフ、パストラミ、およびレバーソーセージなどの加工肉でもよい。そような肉製品の組合せを、望みに応じて使用してよい。大豆または大豆由来製品は、肉の詰め物と組み合わせて、あるいはサンドイッチ詰め物の肉の詰め物の代わりに、タンパク質源として使用することができる。肉の詰め物の含水量および水分活性は、選択される肉のタイプに応じて大幅に変えることができる。例えば、脂身がほとんどない肉の切片は、一般に、脂身のある切片よりも含水量が少ない。例えば、本明細書の実施形態に記述されるサンドイッチ構造で使用することができる、加工ランチョンミートまたはデリスタイルの肉は、約70から約80%の水分を含んでよい。
【0036】
使用することができるチーズのタイプは、特に限定されない。チーズは、裁断され、スライスされ、削り取られ、そぎ取られ、粉末にされ、粉々にされ、厚切りにし、クリーム状にされた形をとることができ;このチーズは、チーズシュレッドの形をとることが好ましい。チーズのタイプは、例えばプロセスチーズ、チェダーチーズ、スイスチーズ、アメリカンチーズ、プロボローネチーズ、モッツァレラチーズ、パルメザンチーズ、ブルーチーズ、モンテレージャックチーズ、ロマノチーズ、クリームチーズ、ハバーティチーズ、ゴーダチーズ、ムンステールチーズ、アジアーゴチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、およびこれらの組合せでよい。チーズの含水量および水分活性は、選択されたチーズのタイプに応じて大幅に変えることができ;チーズは約40から約45%の水分を含有することが好ましい。
【0037】
詰め物で使用するのに適した野菜には、例えば、タマネギ、トマト、胡椒、ニンニク、モヤシ、キュウリ、ズッキーニ、ジャガイモ、ケール、およびバジルなど、ならびにこれらの組合せが含まれる。
【0038】
パン部分および詰め物の両方に、塩や胡椒、オレガノ、ホットペッパーフレークまたはスプレッド、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、ゴマ、ケシの実、およびシナモンなど、ならびにこれらの組合せで風味を付けることができる。保存剤や香料、着色剤、乳化剤、および大豆粉などの食品添加物も、詰め物に含めることができまたは詰め物に適用することができる。
【0039】
詰め物の成分の全てまたは一部を、望みに応じて事前に混合してもよく;あるいは、成分の全てまたは一部を、適切なパン部分上に個々に置いてもよい。詰め物の成分の全てまたは一部は、適切なパン部分上においたときに、冷凍しまたは解凍することができる。実際に、詰め物全体を調製し、次いでサンドイッチに適合するような適切なサイズおよび形状(即ちパックまたはその他の形状)に冷凍し、次いでサンドイッチ内に冷凍したまま置いてもよい。パンは、事前に冷凍してもよい。詰め物を適切なパン部分に置いたら、他方のパン部分にカバー用パン部分を適切に置くことによって、サンドイッチに重ね合わせる。一般に、重ね合わせた詰め物付きサンドイッチは、重ね合わせた後に冷凍する。この重ね合わせたサンドイッチを冷凍するには、従来の冷凍技法を使用する。サンドイッチは、ブラストまたは窒素トンネルフリーザで、重ね合わせてから約30分以内に冷凍することが好ましく、より好ましくは約2から5分以内に冷凍される。重ね合わせたサンドイッチは、好ましくはMA包装技術を使用して包装し、冷凍し(まだ冷凍されていない場合)、次いで適切な条件下で保存する。サセプタは、使用する場合は、重ね合わせたサンドイッチと同じパッケージに含めてもよく、または別々にキットに入れてもよい。
【0040】
図6〜7は、本発明の完成形態の冷凍食品を調理することができる方法の、より詳細な流れ図を示す。当業者なら理解されるように、図6〜7に示されるプロセスの様々なステップ(ならびに図5に示されるより概略的なプロセス)は、作製されるサンドイッチの特定のタイプ、利用可能な装置、所望の任意選択のステップ、およびベーカリー工業のその他の問題に応じて、修正することができ、順序を変えることができ、無くすことができ、かつ/または示されるその他のプロセスの1つまたは複数に組み込むことができる。
【0041】
図6は、冷凍された電子レンジ用のパン、および冷凍された電子レンジ用の完成形態のサンドイッチの調理方法であって、パン部分が相当なマイクロ波加熱に耐えることができる方法を示す詳細な流れ図を提供する。最初に、ドウ組成物をチャンカ/ディバイダにかけて、所望の重量のドウを提供する。次いで分割されたドウを丸め、所望の形状に形成する。望む場合には、ドウを中間プルーフステップ(周囲温度および周囲相対湿度に約2から10分間)にかけて、成型前にドウを和らげてもよい。次いで成型されまたは形成されたドウを、適切なサイズおよび形状の個々の平鍋に置き、次いでプルーフ処理する(約85から約105°Fで約20から約60分間、相対湿度は約50から約95%)。プルーフィングの後、ドウ組成物に、任意選択で刻み目を入れまたは切込みを入れ、パンチダウンし、かつ/または様々な成分(例えばスパイス、および香料など)でトッピングすることができる。次いで個々のパン部分をベークし(使用されるオーブンのタイプに応じて、約350から約450°Fで約5から約30分間)、平鍋から取り出し、冷却する(一般に約100°F以下に)。本発明のパン製品を形成するには、冷却されたベーク済みパンを、望みに応じてスライスしまたはスライスしない状態のままにし、次いで冷凍し包装して(好ましくはMA包装条件下で)、冷凍マイクロ波パン製品を提供することができる。本発明のサンドイッチ製品を形成するには、その後、冷却されたベーク済みのパンを適切にスライスし、その後、スライスされたパンの上面と底面の間に詰め物を塗る;次いで重ね合わせたサンドイッチを冷凍し、包装して(好ましくはMA包装条件下で)、冷凍マイクロ波完成形態サンドイッチを提供する。
【0042】
図7は、本発明のストロンボリ型またはカルゾーネ型サンドイッチの調理を示す、詳細な流れ図を提供する。調製されたドウを、チャンカ/ディバイダにかけて、所望の量のドウを得る。次いでドウを、適切なシートに形成する。サンドイッチを調理するのに1枚のシートしか使用しない場合(ストロンボリ型では一般的)、詰め物をそのシート上に置き、そのシートを折り畳んで所望のサンドイッチを形成する。2枚のシートを使用することもでき(カルゾーネ型では一般的)、その場合は、詰め物を底面シート上に置き、次いで上面シートを加えて所望のサンドイッチを形成する。次いで形成されたサンドイッチを、望みに応じて所望の形状に切り取り、クリンプ処理し、または密封して詰め物がパン部分の内部に維持されるようにし、次いで刻み目または切込みを入れて、ベーク中の排気を可能にする。次いでこのように形成されたサンドイッチをベークし(使用されるオーブンのタイプに応じて、約350から約450°Fで約5から約30分間)、冷却し、次いで冷凍し包装して(好ましくはMA包装条件下で)、冷凍済みの完全ベークまたは半ベークされた完成形態の電子レンジ用サンドイッチ製品を形成する。図示されていないが、そのようなストロンボリ型およびカルゾーネ型サンドイッチは、ベークされていないドウが詰め物を取り囲むような共押出し技術によって調製することもできる。次いでそのような押し出されたストロンボリ型およびカルゾーネ型製品を、図7に示されるものと同じ手法で処理することにより、冷凍済みの完全ベークまたは半ベークされた完成形態のサンドイッチ製品を提供することができる。
【0043】
当技術分野で周知のように、かつ上記にて論じられるように、比較的長い期間にわたって電子レンジ内でパンを加熱すると、パンの官能的特質が非常に損なわれる。したがって、冷凍された詰め物の中心温度を少なくとも約160°Fまで上昇させるのに十分な、完成形態の従来の寸法を有する冷凍サンドイッチのマイクロ波加熱は、過酷で困難な環境である。(1)サイズおよび/または重量がより小さく、(2)ピザやオープンサンドイッチなど、面が上に向いており、(3)少量のパン、詰め物、および/またはトッピングを含有する製品の、同様のタイプのマイクロ波加熱は、大きな問題を提示しないと考えられる。本発明のパン配合物は、そのように過酷で困難なマイクロ波処理環境下であっても、良好な官能的特質を提供するように設計される。したがって、完成形態の従来サイズの冷凍サンドイッチを大きな問題として提示しないパン製品を調理するための、本発明のパン配合物の使用は、現在市場に入手可能な電子レンジ用製品で使用される従来のドウ配合物で調理された同様の製品よりも、良好ではないが同程度に良好な官能的特質を有する電子レンジ用製品を提供すると予測することができる。本発明のドウ配合物は、本発明の完成形態の従来サイズの冷凍パン製品と共に、特に完成形態の従来サイズの冷凍サンドイッチと共に使用するために特に設計されるが、本発明のドウ配合物は、電子レンジでの加熱が意図される製品も含めたその他のパン製品で生かされるように使用することができる。
【0044】
下記の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定するものではない。他に特に指定しない限り、全てのパーセンテージ、および割合などは、重量に基づいている。
【実施例1】
【0045】
この実施例は、いくつかのパン製品の調理について示す。得られるパン製品を、そのマイクロ波加熱に耐えられる能力について評価した。2種の対照パン製品と、1種の本発明のパン製品とを調理した。第1の対照パン製品は、従来のドウ配合物から調理した。第2の対照パン製品は、キサンタンガムを配合物から除いたこと以外、本発明のドウ配合物と同様のドウから調理した。これら3種のドウサンプルについて、ベーカーズパーセンテージで表される配合物は、下記の通りである。
【0046】
【表2】
【0047】
乾燥成分をHobartミキサで約30秒間混合した後(低設定)、酵母、ショートニング、油、香料、および水を添加し、低設定で約2分間連続して混合し、その後、より高い設定でさらに4分間混合した。このドウを約5分間保持した後、110gの単位に分割し、楕円形に形成した。次いで個々の単位を、約105°Fで約40〜50分間、80〜85%の相対湿度でプルーフ処理した。次いでプルーフ処理した単位をそのまま使用し(即ちパンチ処理しない)、またはパンチ処理した。450°Fのインピンジメント型オーブンで4.5分間ベークした後、完全ベークまたは半ベークされたパンを冷却し、電気ナイフを使用して手でスライスすることにより、上面および下方パン部分を形成した。次いで上面および下方パン部分を組み合わせ(当初のスライスしていない形のように詰め物無しで)、冷凍し、次いでMA包装条件下で包装した。
【0048】
評価のため、冷凍して重ね合わせたサンドイッチ(上面および底面パン部分の間にはいかなる詰め物も無い)を、サセプタの無い1段高いトレーに置き、全出力の電子レンジで1分および30秒間加熱した。次いで加熱したパン製品をオーブンから取り出し、周囲温度で5または15分間保持した後、訓練を受けた専門家が品質評価を行った(一貫性を保つため、全ての評価において同じ専門家を使用した)。上面のクラウン部(即ち上面)およびクラム部(即ち切断面)と、底面のクラム部(即ち切断面)およびヒール部(即ち底面)とを、それらの硬さについて試験した。硬さを1〜5のスケールで測定し(1は柔らかく、5は「岩のように」硬い);したがって硬さの場合、より低い点数がより望ましい結果を示す。4つの面のそれぞれについて、2つのパラメータ、即ち(1)見出された最も硬いスポットの硬さ、および(2)硬いスポットの被覆範囲およびそれらの硬さに基づいて平均または全体の硬さを測定した。硬いスポットによって覆われた面のパーセンテージ(硬さの程度とは無関係)も、4つの面のそれぞれに関して評価した。結果は、全ての面の全体を合計し、平均した。下記の平均結果は、パンチ処理をしていないサンプルおよびパンチ処理をしたサンプルに関して得られた。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
一般に本発明のサンプルは、いずれの対照よりも柔らかく、かつより許容可能なものであった。
【0052】
パンの各サンプルの全体的な品質も、マイクロ波処理の後5分および15分で、1〜5のスケールを使用して評価し、この場合、1が最良であり、5が最悪であった。下記の結果が得られた。
【0053】
【表5】
【0054】
5分および15分での両方の評価に関するスコアも組み合わせ、それは下記の通りである。
【0055】
【表6】
【0056】
データの全ては、本発明のパンが、対照1より明らかに優れており、対象2よりも良好であることを、一貫して示している。
【実施例2】
【0057】
この実施例は、実施例1で述べた3種のパン製品(パンチ処理ありとパンチ処理なしの両方があり、小型パンの形をとる)を使用した、完成形態の冷凍サンドイッチの調理を示す。気体排出のため、各完成形態の冷凍サンドイッチを、サセプタの無い1段高い排気トレーに置き、全出力で、冷凍状態から詰め物の中心部分が約160°Fの最小温度になるまでマイクロ波処理し;典型的には、この最小温度に到達するのに必要な時間が約3.5分であり;詰め物の温度範囲は約160から約165°Fであった。パンの品質を、実施例1の場合と同様の基準を使用してマイクロ波処理した後に評価したが、この場合、クラム部に接触している詰め物があるので、クラム部のパラメータは得られなかった。データを、1〜5のスケール(1が最良であり、5が最悪である)で単一の平均品質スコアに変換した。
【0058】
約60%の角切りのチキン、約15%の賽の目の野菜、約7%のホウレン草、および約18%の裁断されたアジアーゴおよびモッツァレラチーズを含む詰め物を、混合することによって調製した。詰め物を、小型パンと同一の広がり持つようなパティ(厚さ約5/8インチ)に成形し、次いで冷凍した。次いで完成形態のサンドイッチを、上面および底面パン部分の間に冷凍詰め物パティを置くことによって形成し、約20°Fで約24時間冷凍した。完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、約8オンスの重みであった。
【0059】
マイクロ波加熱されたサンドイッチのパン部分の、全体的な品質に関する下記の結果(マイクロ波処理後5分および15分でのデータを組み合わせた)が得られた。
【0060】
【表7】
【0061】
本発明のサンドイッチは、良好な官能的特質を有し、対照1のサンドイッチよりも明らかに優れており、対照2のサンドイッチよりも良好であった。パンチ処理されたパンで調理した本発明のサンドイッチは、パンチ処理していないパンで調理した本発明のサンドイッチよりもいくらか良好であった。
【実施例3】
【0062】
この実施例は、実施例2の本発明のサンドイッチ(小型パンの形をとるパンチ処理されたパン、およびチキン/野菜/チーズ詰め物を使用する)と、市販の冷凍サンドイッチとの比較を行う。市販のサンドイッチ(Stouffer’s Corner Bistro(登録商標)Philly−Style Steak and Cheese Panini)は、重ね合わせたサンドイッチが形成されるように個々のスライスを詰め物と一緒に配置することによって、重ね合わせた。本発明の重ね合わせたサンドイッチ(約8オンス)と、重ね合わせた市販のサンドイッチ(約6オンス)との両方を、別々に冷凍状態から、全出力の電子レンジで3.5分間加熱した。詰め物の温度は、どちらのサンドイッチについても約160°Fの最小値に達した。
【0063】
加熱したサンドイッチを、評価前に約5分間静置した。加熱した市販のサンドイッチのパン部分は、噛み難いが許容可能なクラム部の食感と、極めて噛み難くて許容できない皮とを有していた。加熱した本発明のサンプルのパン部分は、全体的に良好な食感および官能的特質を有しており、その端部は、いくらか硬いが許容可能なものであった。加熱した本発明のサンプルは、全体的な品質がより良好なものであった。
【実施例4】
【0064】
この例は、本発明のサンドイッチ(一塊の本発明の配合物から作製されたパンの2枚のスライスと、実施例2のチキン/野菜/チーズ詰め物を使用する)と、市販されている冷凍サンドイッチ(Stouffer’s Corner Bistro(登録商標)Panini)からのパンおよび同様の実施例2のチキン/野菜/チーズ詰め物との比較を行う。本発明のドウ組成物を使用して、塊(約4インチ×約4インチ、および長さ約13インチ)を調製し、次いで約400°Fで約25から35分間ベークした。冷却後、この塊を、厚さ約1/2インチのスライスに切断した。次いで実施例2のチキン/野菜/チーズ詰め物を、約26平方インチ(パンのスライスと同一の広がりを持つ形)および厚さ約5/8インチのパティに形成し、次いで冷凍した。冷凍パティを、パンの2枚のスライスの間に置き、次いで約20°Fで約24時間冷凍した。完成形態の冷凍サンドイッチは、約7オンスであった。
【0065】
次いで完成形態の冷凍サンドイッチを、全出力の電子レンジ内で、1段高い排気型厚紙プラットフォーム上(サセプタ無し)で3.5分間加熱した。各サンドイッチの詰め物の温度は、最小限で約160°Fに達した。約5分間静置させた後、加熱した本発明のサンドイッチの上面パンスライスを、トーストしたが硬くはない食感にし(特に、角および皮の領域)、それに対し、底面スライスをいくらか蒸して、上面スライスよりも柔らかくした。全体的に、加熱されたサンドイッチは、非常に良好な食感および官能的特質を有していた。一方、加熱された市販のサンドイッチは、微かに噛み応えのある(しかし許容される)中身を有するが、非常に噛み応えがあり革のように硬い(許容できない)皮を有していた。
【実施例5】
【0066】
実施例4の、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチを、特許文献5に記載されている上面および底面サセプタを使用して、全出力の電子レンジで3.5分間加熱した。詰め物の温度は、最小限で160°Fに達した。約5分間静置した後、加熱したサンドイッチの上面パンスライスを、トーストしたが硬くはない食感にし(特に角および皮の領域)、それに対して底面スライスは、サセプタに接触するトースト領域がいくらか柔らかかった。全体的に、この実施例の加熱されたサンドイッチは、優れた食感および官能的特質を有していた。実際に、この実施例で加熱された本発明のサンドイッチは、このサンドイッチの底面のパンのトースティングおよびクリスピングが原因で、実施例4で加熱された本発明のサンドイッチよりも良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の完成形態のサンドイッチ製品の、側面を示す図である。詰め物は、上方および下方パン部分と同一の広がりを持っている。
【図2】平面図A〜Dにおいて、本発明の完成形態のサンドイッチ製品の、いくつかの構成を示す図である。
【図3】開放された端部を有するストロンボリ型サンドイッチの図である(斜視図Aおよび断面図B)。
【図4】詰め物が上方および下方パン部分と同一の広がりを持っておらず、それによって、マイクロ波加熱中に上方および下方パン部分がパサつきかつ/または硬くなる危険性が増大した、欠陥のあるサンドイッチを示す図である。
【図5】本発明の完成形態の冷凍サンドイッチ製品を調理するための、概略的な方法を示す、概略的な流れ図である。
【図6】本発明のパンまたは完成形態の冷凍サンドイッチ製品を調理するための別の方法を示す、より詳細な流れ図である。
【図7】本発明の完成形態の冷凍ストンボリ型サンドイッチ製品の調理を示す、より詳細な流れ図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー製品を著しく乾燥または硬化させることなく電子レンジ内で冷凍状態から加熱することのできる、特にサンドイッチの形をした、詰め物(filling)を有する完成形態の冷凍ベーカリー製品に関する。また本発明は、官能的特質の著しい損失または低下なしで、相当なマイクロ波加熱に耐えるよう十分堅固なパン製品にも関する。
【背景技術】
【0002】
インスタント食品(即ち、消費者による調理が最小限しか必要とされず、調理が迅速である製品)は、今日の忙しいライフスタイルに適応するために、要請が高まっている。その例は、チーズおよびクラッカースナックと缶詰シチューから、冷蔵ベーグルおよび一部の冷凍ディナーにまで及ぶ。典型的な場合、そのような製品は、パッケージにされたものとして、または好ましくはマイクロ波加熱によって短時間加熱した後に、食べられることになる。とりわけこの分野では、電子レンジ内で冷凍状態から加熱することができるパン製品、特に、詰め物を有するパン製品は、珍しいものである。
【0003】
ベークしたパン製品は、通常、比較的短い時間内で消費されることを目的とする調理したての製品として、または比較的長い時間にわたって冷凍状態で保存することができ、後に解凍して消費される冷凍製品として入手可能である。そのような冷凍パン製品の例には、その後、従来式オーブンまたは電子レンジで加熱される冷凍ピザが含まれる。詰め物を有する、電子レンジ用の完成形態である従来サイズの冷凍パン製品を調理しようとする試みは、一般に成功していなかった。そのような冷凍の詰め物入りパン製品は、パンおよび詰め物部分の異なる性質が原因で、電子レンジ内で不均一に加熱される傾向がある。したがって、これらは一般に、所望の温度未満でパサついた状態のパンおよび/または詰め物になる(詰め物のいくつかの部分は、冷たいままであり、または冷凍のままであることもある)。電子レンジ内での、そのような冷凍食品の加熱から生じるそのような問題は、マイクロ波加熱中の不適当な水分制御に起因することもある。例えば、2つの異なる食品を、冷凍状態から電子レンジ内で同時に加熱する場合、これら食品は異なる速度で加熱される可能性がある。例えば、デンプン様のまたはパンをベースとした食品は、その他の食品(例えば詰め物)よりも比較的速く冷凍状態から加熱される可能性がある。その結果、この新鮮な状態に比べて乾燥して硬い、加熱し過ぎのパンベースの食品になる可能性がある。そのような加熱速度の差は、パンをベースにした食品のいくつかの部分の間に詰め物が置かれている完成形態のサンドイッチ型製品の場合、詰め物とパンの部分の固い氷/自由水の密度および量の両方が著しく異なる可能性があるので、特に面倒である。
【0004】
2005年10月13日発行の特許文献1は、再加熱可能な冷凍サンドイッチを提供した。このサンドイッチは、中央に位置付けられた調味料の層のそれぞれ面に配置された、肉含有層およびチーズ含有層を含んでいた。したがって調味料層成分は、肉層とチーズ層の間の食用詰め物内に位置決めされ、サンドイッチのトーストされたパンのスライスから切り離され、このようにすることによって、冷凍サンドイッチの再加熱中に調味料層から移行する水分が原因で、トーストされたパンのスライスに水分がもたらされる可能性を低下させた。サンドイッチ構造における、トーストされたパンのスライスからのこの高水分調味料層の構造的分離は、サンドイッチを冷凍状態から再加熱したときに、トーストされたパンのスライスをサクサクした状態に保つのを助ける。事実、肉含有層およびチーズ含有層は、調味料層からパン層への水分の移行を防止することにより、水分障壁として働く。その他の水分障壁も、これらのサンドイッチに使用される。
【0005】
Nestleは、電子レンジ用サンドイッチに関連したこれら問題のいくつかを克服しようと試みている。ある手法では、Nestleは、ドウの比較的薄い層が詰め物を取り囲んでいる様々なHot Pockets(登録商標)ブランドのサンドイッチを導入してきた。パン部分は、マイクロ波による加熱調理中に、接触する詰め物によって蒸されるようであり、これは、パン部分が硬くなりかつ堅固/噛み難くなるのを予防するようである。Nestleは、より最近になって、パン製品の各スライスがその表面に個別の詰め物部分を有するサンドイッチキット(Corner Bistro(登録商標)パニーニサンドイッチおよびLean Cuisine(登録商標)パニーニサンドイッチ)を導入した。次いで消費者が、供給サセプタディスク上で電子レンジ内にスライスを並べ(即ち、スライス同士を重ね合わせないで)、加熱し、次いで1つに合わせることにより、最終的なサンドイッチ型製品が形成される。各スライスを、その詰め物を上に向けた状態で、並べて加熱することにより、より均等でより速い加熱が行われ、したがって、パン部分の乾燥が回避され易くなり、詰め物を所望の温度に到達させることが可能になる。Nestleサンドイッチの全体のサイズは、従来の調理したてサンドイッチに比べて比較的小さく(一般に、全体で約6オンス以下であり、個々の最上部のスライスのそれぞれは、約3オンス以下である);この手法で調理されたより大きいサンドイッチは、パサついたパン部分および/または所望の温度よりも低い詰め物を有することが予測された。さらに、2つに切り分けたそれぞれを並べて加熱し、次いでこれらを1つに重ね合わせる必要があるので、製品の便利さが低下する。電子レンジで加熱する前に、Nestleサンドイッチキットの2つの個々のスライスを1つに組み合わせること(即ち、重ね合わせたサンドイッチを形成すること)は、許容される結果をもたらさないようである(例えば、電子レンジで加熱された、1つに合わせた製品の皮は、噛み難くなり堅固になる傾向がある)。
【0006】
したがって、パン部分をパサつかせ、硬くし、または革のようにすることなく、その完成形態の形で冷凍状態から電子レンジで処理することのできる、詰め物を有する完成形態の冷凍パン製品であって、詰め物部分が、所望の本質的に均一な高温を達成しており、加熱された完成形態のパン製品および詰め物が所望の食感および味の特性を保持している製品が、依然として求められている。また、従来の調理したてのサンドイッチとほぼ同様のサイズである完成形態の冷凍パン製品も、依然として求められている。また、水分障壁を必要とせずかつ電子レンジでの再加熱用に特に設計された完成形態の冷凍パン製品も、依然として求められている。また、冷凍詰め物の塊を均一な高温に加熱するのに要するマイクロ波エネルギーに耐えるよう十分堅固であり、かつ口当りの良いままである(即ち、パワパサにならず、硬くならず、噛み難くならず、または革のようにならない)パン配合物も、依然として求められている。
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0226963号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/531,592号明細書
【特許文献3】米国特許出願第11/531,585号明細書
【特許文献4】米国特許出願第11/531,578号明細書
【特許文献5】米国特許出願第11/284,801号明細書
【特許文献6】米国特許第6,764,700号明細書
【特許文献7】米国特許第6,919,097号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、そのような完成形態の冷凍詰め物入りパン製品を提供する。特定の好ましい実施形態では、本発明は、2つのパン部分を有し、この2つのパン部分の間にありかつこの2つのパン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有する、完成形態の冷凍サンドイッチ製品であって、加熱されたサンドイッチ製品を得るために、パン部分または詰め物の官能的特質に著しい悪影響を及ぼすことなく電子レンジで加熱することのできる、完成形態の冷凍サンドイッチ製品を提供する。水分障壁は、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチ製品では必要としない。そのような完成形態の冷凍詰め物入りパン製品、特に、完成形態の冷凍詰め物入りサンドイッチ製品を含有するキットが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上面小型パン(bun)部分および底面小型パン部分を有し、この上面小型パン部分と底面小型パン部分との間にこれらと同じ広がりをもった詰め物を有するデンプン様部分を含む、完成形態の冷凍食品であって、すぐに食べられる状態にある加熱済み食品が提供されるように電子レンジで加熱することができ、この加熱済み食品のデンプン様部分がパサついた状態にならず、この加熱済み食品の詰め物が本質的に均一な温度を有する、完成形態の冷凍食品を提供する。水分障壁は、本発明の完成形態の冷凍食品では必要としない。そのような水分障壁は、本発明の完成形態の冷凍食品で使用されないことが好ましい。
【0010】
一般に、マイクロ波加熱する前のデンプン様部分は、約0.9から約0.96の範囲の水分活性を有することになり、マイクロ波加熱後は、満足のいく食感および咀嚼性を保持することになる。一般に、マイクロ波加熱後の詰め物は、約160から約195°F(即ち、この範囲では冷却または冷凍スポットが無い)の本質的に均一な温度、および良好な官能的特質を有することになる。本発明において、詰め物における「本質的に均一な温度」は、詰め物の中央で測定された温度が、詰め物の外側部分の近くで測定された温度に対して約±20°F(好ましくは約±10°F)よりも大きく変わらないことを意味するものとし;この定義において、全ての温度は、詰め物を平衡にすることが可能になるように、マイクロ波加熱の終了から約1から3分後に測定される。詰め物の最低限の温度は、マイクロ波で処理した後に少なくとも約160°Fであることが好ましい。
【0011】
本発明において、「パン」は、完全ベークまたは半ベークされた(par−baked)デンプン様タイプの製品、例えば食パンやフラットブレッド、小型パン、ロール、ベーカリー製品などを指し;そのような完全ベークまたは半ベークされたデンプン様タイプの製品は、酵母を使用して調理することが好ましい。パンのドウの組成によって、完全ベークまたは半ベークされたデンプン様タイプの製品を、著しく硬くしまたはパサついた状態にすることなく所望の温度まで、詰め物を加熱するのに十分な時間にわたって電子レンジで加熱できることが重要である。言い換えれば、ドウ配合物は、完成形態の冷凍された本発明のサンドイッチ製品の性質が原因で、過剰なマイクロ波加熱要件に耐えられるように改質されている。適切な詰め物には、例えば、肉(例えばチキン、ターキー、ビーフ、ハムなど)、チーズ、野菜、豆腐、大豆、大豆由来製品など、ならびにこれらの組合せが含まれる。そのような詰め物には、ソース、ドレッシング、スプレッド、グレイビー、調味料、スパイス、香料、着色剤など、ならびにこれらの組合せを含めてもよい。一般に、そのような詰め物は、比較的高い含水量(即ち、約70から約80%またはそれ以上)を有する。
【0012】
一般に、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチは、「フルサイズ」(即ち、そのサイズおよび重量が、これと同じタイプの調理したての従来の食品と同等)である。より具体的には、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチは、一般に約6.5オンスよりも大きく、好ましくは約6.5から約10オンスであり、より好ましくは約7から約8.5オンスである。完成形態の冷凍サンドイッチは、その全体的な形状およびサイズが、従来の手のひらサイズのサンドイッチ型製品と同様である。したがって、(上方から見たときに)円形(ハンバーガー用小型パンと同様)、楕円形、正方形、長方形、1つまたは複数の丸みを帯びた端部を有する長方形などでよい。寸法は変化させることができるが、完成形態の冷凍食品は、一般に厚さが約1から約3インチ(上方パン部分の上面から下方パン部分の底面まで測定した場合)であり、円形製品の場合は約3.5から約5.5インチの全径を有し、その他の形状の製品の場合は約2.5から約4インチ×約5から約8インチの全体寸法を有する。
【0013】
1つの特に好ましい実施形態では、本発明の完成形態の冷凍食品が、上面パン部分と、底面パン部分と、これら底面および上面の小型パンまたはパン部分の間に分散されかつこれらパン部分と同一の広がりを持つ詰め物とを有する完成形態の冷凍サンドイッチである。本発明において、底面および上面の小型パンまたはパン部分は、完全に分離され、1つまたは複数の面に「ヒンジ部」で接続され、または互いに一体化していてもよい(例えば、ストロンボリ型またはカルゾーネ型サンドイッチの場合のように、詰め物を包みこんでいる)。完成形態の冷凍食品は、完成形態の冷凍食品を提供する「1人前」用キットで使用されるように適合されており;望みに応じて、その他のスナックまたはランチタイプの食品または成分を含めることもできる。そのような、その他のスナックまたはランチタイプの食品または成分は、当然ながら、冷凍保存にまたこの完成形態の冷凍食品を電子レンジで調理したときに食べるのに、適切であるべきである。そのような、その他のスナックまたはランチタイプの食品または成分には、例えば、冷凍デザート、クッキー、キャンディバー、カップケーキなどを含めることができる。
【0014】
そのような製品またはキットは、様々な成分用の別個の区画および/またはポーチを有する1人前用パッケージに入れられることが好ましい。ポーチは、製品またはキットの保存寿命を延ばすために、不活性雰囲気中で封止されることが好ましい。完成形態の冷凍食品(好ましくは完成形態の冷凍サンドイッチ)は、後で開けることができ、また後で電子レンジ内で直接加熱することができる、別個のパッケージに入れられることが好ましい。完成形態の冷凍食品が入っているキットおよび/または1人前用パッケージは、一般に、適正な保存(即ち冷凍)条件下で少なくとも120日の保存寿命を有する。
【0015】
上述のように、完成形態の食品が入っているパッケージは、マイクロ波加熱を補助するために、1種または複数のマイクロ波サセプタを含むことが好ましく;そのような場合、完成形態の食品およびマイクロ波サセプタが入っている開いたパッケージを、電子レンジ内に直接置く。あるいは、別個のマイクロ波サセプタをパッケージに含めることができ;そのような場合、完成形態の食品を後にサセプタ上に置き、この組み合わせたものを、加熱するために電子レンジ内に置く。上面および底面サセプタは、製品をマイクロ波処理するときに、完成形態の冷凍食品をこれら上面および底面サセプタの間に置くことができるように、かつ本質的にこれらサセプタの間の空間内に含まれるように提供されることが、さらにより好ましい。
【0016】
本発明は、その全てが本出願と同日に出願され、その全てが本出願人により所有され、かつその全てが本明細書に参照として組み込まれる、特許文献2、3、および4に関連するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、上面および底面を有しかつこれら上面および底面の間に同一の広がりを持った詰め物を有するパン部分を含む、完成形態の冷凍食品であって、この完成形態の冷凍食品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済み食品が提供されるように、電子レンジで加熱することができ、この加熱された食品のパン部分はパサつかず、この加熱された食品中の詰め物は、本質的に均一な温度を有している食品を提供する。一般に、マイクロ波加熱前のパン部分は、約0.9から約0.96の範囲の水分活性を有することになり、マイクロ波加熱後に満足のいく食感および咀嚼特性を保持することになる。一般に、マイクロ波加熱後の詰め物は、約160から約195°F(即ち、内部に冷却または冷凍スポットが無い)という本質的に均一な温度と、良好な官能的特質を有することになる。
【0018】
図1は、上面または上方パン部分12と、底面または下方パン部分14と、これら上面および底面パン部分12および14の間にありかつこれらと同一の広がりを持つ詰め物部分16とを有する、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチ製品10を示す。上面パン部分12は、上面または皮部分20と、詰め物16の上面に接触する下部または切断面22とを有し;同様に、底面パン部分は、下面またはヒール部分24と、詰め物16の底面に接触する上方切断面26とを有する。本発明において、「同一の広がりを持つ」という文言は、詰め物が、「非重複領域」を最小限に抑えた状態で、上面および底面パン部分を本質的に覆うことを意味するものとする。詰め物は、完成形態の冷凍サンドイッチ製品のマイクロ波加熱中に、上面および底面パン部分がパサつく危険性を低下させるため、これら上面および底面パン部分と同一の広がりを持つべきである。本発明において、「本質的に覆う」は、上面パン部分の底面と底面パン部分の上面との両方の、少なくとも約92%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%が詰め物16によって覆われていることを意味するものとする。図2(図1と同じ縮尺ではない)は、上面図において、完成形態の冷凍サンドイッチ製品10のいくつかの可能な形状を示し;上面パン部分12およびその下にある詰め物16が示されている。図2Aは、本質的に円形のサンドイッチ製品を示し;図2Bは、本質的に正方形または長方形のサンドイッチ製品を示し;図2Cは、丸みの付いた端部を有する、本質的に長方形のサンドイッチ製品を示し;図2Dは、2つの丸みの付いた端部を有する、本質的に長方形のサンドイッチ製品を示す。また図2Aは、詰め物16が上面パン部分12をどのように「本質的に覆う」かを示し;一般に、図2Aの底面の2つの矢印の間の距離は、マイクロ波加熱ステップ中にパンがパサつかないように、約1/3インチ未満であるべきであり、好ましくは約1/4インチ未満である。図3A(斜視図)および3B(断面図)は、詰め物が含まれるようにドウ20を折り畳むことによって調理することができる、本発明のストロンボリ型サンドイッチを示す。上面12および底面14は、詰め物16を少なくとも部分的に閉じ込めるように、ドウ20を適切に折り畳むことによって形成される。図3Aに示されるストロンボリ型サンドイッチの端部は、詰め物16が露出するように開いており;しかし一方または両方の端部は、詰め物が一端で露出するようにまたは完全に密閉されるように、ストロンボリ型サンドイッチが得られるようドウを適切に折り畳むことによって、閉じることができる(図示せず)。一般にドウ20の厚さは、ベークした後に、少なくとも約1/4インチであり、好ましくは少なくとも1/3インチ、より好ましくは少なくとも約1/2インチである。カルゾーネ型サンドイッチ(典型的には「半月」形状)は、同じ手法で調理することができるが、縁部は通常、クリンプ処理またはその他の方法によって封止することができる。
【0019】
図4は、詰め物が上方および下方パン部分と同一の広がりを持たない、欠陥のある(即ち本発明ではない)サンドイッチを示す。図4の左手側では、詰め物16が、上面および底面パン部分12および14の外側縁部まで拡がっておらず、それによってかなりの「非重複領域」が、上面および底面パン部分12および14に生成されている。非重複領域は、上面および底面パン部分のそれぞれの部分AおよびBが、マイクロ波加熱中にパサつく危険性を増大させる。一般に、詰め物は、マイクロ波加熱中にパンの著しい乾燥を引き起こすことなく、パン部分の外側から約1/3インチまでリセス処理することができ(このリセスが2つの矢印の間に示されている図2A参照);好ましくはこのリセスは、約1/4インチ未満である。
【0020】
したがって、本発明の完成形態の冷凍食品を調理する際、詰め物が、上面および底面パン部分と同一の広がりを確実に持つことが重要である。したがって、詰め物の上面および底面は、詰め物と上面および底面パン部分とが十分重複するように、上面および底面パン部分の対応する面とほぼ同じ形状および表面積を有するべきである(例えば図1参照)。
【0021】
完成形態の冷凍食品は、マイクロ波加熱中に同一の広がりを持つ食品の性質を容易に維持することができるように、マイクロ波加熱中に、完成形態の冷凍食品を保持するのにも使用することができるパッケージに入れることができる。あるいは消費者が、マイクロ波加熱中に同一の広がりを持つ食品の性質を維持するように、取扱い説明書を提供すべきである。当然ながら、詰め物が、冷凍時間中にパン部分と同一の広がりを持つ場合、この製品の冷凍の性質は、配送中にこの同一の広がりを持つ関係を維持するのを助けることになるようである。包装は、配送中にこの同一の広がりをもつ関係を保つのを助けるように設計される。
【0022】
完成形態の冷凍食品には、マイクロ波加熱プロセスを補助するために、適切に寸法決めされ成形されたサセプタを備えることが好ましい。当技術分野で知られているような、様々なタイプおよび形のサセプタを、本発明で使用するために提供することができる。例えばサセプタは、表面に堆積された金属層を有するフィルムでもよい。さらに、サセプタは、完成形態の冷凍食品の選択された部分に熱エネルギーを集中させるのを助けるため、異なる厚さを有してもよい。サセプタは、完成形態の冷凍食品の包装と一体的な部分でもよく、またはマイクロ波加熱の前に完成形態の冷凍食品が置かれる、個別の構成要素でもよい。
【0023】
必ずしも必要ではないが、サセプタは、食品の隣接部分により良好に一致するように、加熱によって広がるタイプのものであることが好ましい。1つの特に好ましい拡張サセプタ材料は、QuiltWave(商標)という製品名で、Graphics Packaging,Inc.,Marietta,Georgiaにより作製され販売される。さらに、拡張サセプタは、そこに隣接する食品の表面から水分を排出させることが可能な、内部に形成された多数のチャネルまたは溝を有することができる。そのような排出は、サセプタに隣接する食品の面に水分が蓄積される可能性を低下させることができることが有利である。その他の排出メカニズムを、代替としてまたは追加として使用してもよい。例えば、波形サセプタ材料が、マイクロ波加熱中の水分を排出させるよう機能してもよい。
【0024】
底面サセプタおよび上面サセプタの両方は、完成形態の冷凍食品を効果的に取り囲みまたは閉じ込めるのに使用することが好ましい。そのようなサセプタの、特に好ましい実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献5に示されている。底面および上方サセプタの両方は、QuiltWave(商標)材料を使用して形成され、水分を逃がすのに適切な排出機構を有することが好ましい。
【0025】
ベーキングサイエンスでは、様々なパン製品を製造するために、時間、温度、および相対湿度を用いる複雑なプロセスが実施される。時間、温度、および相対湿度のパラメータは、一般に、食パン、ロール、ピザクラスト、ペストリー、およびシリアル製品の場合、これらの外観(皮の色、サイズなど)に関してだけではなく、発生、食感、およびサイズに関しても異なっている。ベーク処理によって引き起こされる望ましい変化のいくつかは、タンパク質の変性、デンプンのゲル化、水分の移行、および正確さ(気泡の発生およびグレイン)である。最終的な消費者の目に訴えるベーク製品の調理には、多くの因子が含まれることもある。製造業者は、保存寿命や消費者が実際に製品をどのように使用するかなどの項目についても考えなければならない。その結果、製造ラインが仕様を満たすか否かを決定することができる、いくつかの定量的尺度を有することが望ましい。そのような1つの尺度は水分活性である。
【0026】
水分活性は、ベークした後にこのベーク製品中に残っている水のパーセントの尺度である。クラッカー製品は、典型的な場合、約0.35から0.50の範囲の水分活性を有する。一般的なベーク商品、例えば食パン、ディナーロール、およびピザクラストは、典型的には約0.90から0.98の範囲の水分活性を有する。本発明の、完全ベークまたは半ベークされたパン製品は、好ましくは約0.9から約0.96の水分活性を有し、約0.93の値であることが特に好ましい。そのような、完全ベークまたは半ベークされたパン製品は、満足のいく冷凍保存特性、ならびに電子レンジで加熱した場合に満足のいく食感および味を有する。
【0027】
パン製品の水分活性は、パン製品をオーブンから取り出して、約100°Fに冷却した後に測定する。ベークしたパン製品の水分は、aWメータで測定してもよく、または約100°Fに冷却した後のパン製品と、さらにより完全に乾燥した(即ち、デシケータまたはその他の適切な信頼性ある方法を使用した)後のパン製品との重量差によって測定してもよい。一般に、完全ベークまたは半ベークされたパン製品の含水量は、約30から38%であり、好ましくは約34から約38%の範囲である。
【0028】
パンのドウの配合物には酵母が含まれるので、このドウの調製には発酵ステップが含まれる。発酵ステップによって、酵母は、小麦粉に含有されるグルテンを引き伸ばし熟成させる二酸化炭素ガスを発生させ、良好な風味および食感をもたらすのを助ける。「スポンジアンドドウ(sponge and dough)」法(即ち、ドウの一部を発酵させ、発酵したドウの一定分量をバルク状の発酵させていないドウに添加する)や、「ブリューシステム(brew system)」法(即ち、一部の酵母、および小麦粉などを液体系内で発酵させ、次いで個別の成分として添加する)などの技法を、望みに応じて使用することができる。パンチングダウン(punching down)は、これを使用する場合には、発酵およびプルーフィングの後に行う。
【0029】
本発明で使用されるパン製品は、ゴムの組合せ(例えばキサンタンおよびグアールであって、キサンタンは、従来のレベルよりも高いレベルにある)を含有するドウを使用して調理してもよく、ドウ配合物中の追加の成分(例えば、メチルセルロースおよびDATEM)によって、本出願で使用される改善されたパン製品が提供される。いずれも、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる特許文献6および7のドウ配合物で使用される酵素は、本出願では必ずしも必要ではないが(したがって、使用しないことが好ましい)、望む場合には含めることができる。このように、本発明の好ましい実施形態により調理されるドウについて、特に好ましいレシピ(ベーカーズパーセンテージで)を、下記の表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
さらに、特許文献6および7のドウ配合物は、本発明で使用されるようにゴム(例えばキサンタンおよびグアール)および追加の成分(例えばメチルセルロースおよびDATEM)の組合せが含まれるよう改質された場合、本発明で使用することができる。その他の実施形態では、上記にて列挙されたものの代わりに、その他の成分を用いることができる。例えば、ステアロイル乳酸カルシウムを、ステアロイル乳酸ナトリウムの代わりにまたは一緒に使用してもよい。小麦粉は、ハードスプリングまたはウィンター小麦から製造された、硬質小麦パン用小麦が好ましい。適切な油および/または脂肪には、植物油、ショートニング、水素化脂肪または油などが含まれる。脂肪は、固体の水素化または部分水素化植物油;例えば水素化または部分水素化綿実油、トウモロコシ油、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ油、またはこれらの混合物、および同様の水素化または部分水素化植物油および混合物が好ましい。好ましい植物油は、トウモロコシ油、キャノーラ油、ヒマワリ種子油、綿実油、および大豆油、またはこれらの混合物であり、大豆油が最も好ましく;Olestra(商標)やBenefat(商標)などの脂肪置換体も、そのような油または脂肪と組み合わせて使用することができる。油は、製造業者によって添加されたバター香料を有してもよい。あるいは、バター香料またはその他の香料を、当業者に知られている量でまたは香料の製造業者の推奨に従って、上記レシピに加えることができる。一般に、好ましい甘味料はスクロースである。その他のタイプの甘味料(例えば、天然、人工の、コーンシロップなど)は、当然ながら、使用する場合、そのようなその他の甘味料のレベルを、所望のレベルの甘味料が得られるように調節すべきであり、必要に応じて(即ち、コーンシロップを使用する場合)、甘味料と共に添加される水のレベルに相当するように調節してもよい。上記基本レシピで使用される圧搾酵母の代わりに、乾燥酵母を用いてもよい。乾燥酵母を使用する場合、ベーカーズパーセンテージまたは重量を、圧搾酵母の水分に相当するまで減らし;同様に、添加される水の量を、圧搾酵母の水分に相当するまで増加させることができる。したがって、圧搾酵母の代わりに乾燥酵母を上記一般的レシピで使用する場合、乾燥酵母の量(小麦粉ベース)は、約0.3から約1.7%の範囲内、好ましくは約0.6から約1%の範囲内になる。
【0032】
図5は、本発明の完成形態の冷凍食品を調理する概略的方法を示す。当業者なら気付くように、図5に示されるステップの順序は、望みに応じて変更することができ;例えば冷凍は、包装の前または後に行うことができる。ドウを調製し、所望の量および形状に形成し、次いでプルーフィングを行う(一般に、約90から約105°Fで約30から約60分間、約50から約95%の相対湿度で)。次いでプルーフィングされたドウをベークしてもよく、またはベークする前に「パンチダウン(Punched down)」してもよい。望むなら、ドウをベークする前に単に圧縮することにより、このドウをパンチダウンすることができる。一般にパンチングダウンは、マイクロ波処理の後に、最終的な完成形態のサンドイッチ製品に対していくらか良好で密度の高い食感をもたらすように見えるので、好ましい。次いでプルーフィングされたドウ(任意選択でパンチダウンさてもされなくても)を、従来式のオーブンでベークして、完全ベークまたは半ベークされたパン製品を得る。一般に、当業者なら気付くように、ベーク条件の大部分は、使用されるオーブンのタイプ、およびドウのサイズ/重量に依存することになる。例えば、丸いハンバーガーの形をしたドウの小片(約4オンス)は、約425から約450°Fのインピンジメント型オーブンで約4から約5分間、または約350から約400°Fのガス燃焼トンネルオーブン(直接または間接)で約10から約25分間、ベークすることができる。
【0033】
次いで完全ベークまたは半ベークされたパンを、一般にスライスすることにより、サンドイッチの上面パン部分および底面パン部分を形成する。完全ベークまたは半ベークされたパンは、小型パンまたはロールの形をとり、これを2つに分けたものが上面(いわゆる「クラウン」)および底面(いわゆるヒール)パン部分を形成するようにスライスする。完全ベークまたは半ベークされたパンが一塊の状態である場合、この塊をスライスすることによって、一般に多数のスライが得られ(塊のサイズに応じて)、これらを使用して、複数の完成形態のサンドイッチを形成することができる。一般に、完全ベークまたは半ベークされたパンは、完全に最初から最後までスライスすることにより、個別の上面および底面パン部分が形成される。しかし望む場合には、上面および底面パン部分の間に詰め物を置くことができる限り、これら上面および底面パン部分がヒンジ部を通して結合したままになるように、スライシングを完全に行わなくてもよい。ストロンボリ型またはカルゾーネ型サンドイッチの場合は、ドウが詰め物を閉じ込めるので、スライシングは一般に必ずしも必要ではない。そのようなサンドイッチは、1つまたは複数の端部が開いていてもよく(図3参照)、あるいは端部が閉じていてもよい(詰め物がパン部分の内部に完全に含まれるように)。詰め物の大部分または全体がパン部分の内部に含まれる場合、このパンは、マイクロ波加熱中に水分の排出が可能になるように、任意選択のスリットまたはその他の開口を有することが好ましい。
【0034】
次いで、詰め物を、任意の適切な自動式、半自動式、または手動式技法を使用して、上面または底面パン部分の一方(好ましくは底面パン部分)に載せる。適切な詰め物には、例えば、肉(例えばチキン、ターキー、ビーフ、ハムなど)、チーズ、野菜、豆腐、大豆、大豆由来製品など、ならびにこれらの組合せが含まれる。そのような詰め物には、ソース、ドレッシング、スプレッド、グレービー、調味料、スパイス、香料、着色剤など、ならびにこれらの組合せを含めてもよい。一般に、そのような詰め物は、比較的高い含水量(即ち、約60〜80%又はそれ以上)を有する。詰め物中の肉および野菜は、小さな塊または賽の目の形(一般に、最長寸法で約2インチ未満)をとることが好ましい。
【0035】
肉は、削り取り、スライスし、裁断し、みじん切りにされ、またはその他の従来の形にすることができる。使用することができる肉のタイプは、特に限定されない。肉は、ビーフ(例えばローストビーフ、バーベキュービーフ、ステーキ、ハンバーガーなど);鳥肉(例えば鶏の胸肉、バーベキューチキン、七面鳥の胸肉、七面鳥バーガー、チキンサラダなど);ポーク(例えばハム、バーベキューポーク、ハムサラダなど);魚(例えばツナ、ツナサラダ、スモークサーモンなど);卵製品でよい。肉の詰め物は、ベーコンやソーセージ、ボローニャ、オリーブローフ、ペペローニ、サラミ、コンビーフ、パストラミ、およびレバーソーセージなどの加工肉でもよい。そような肉製品の組合せを、望みに応じて使用してよい。大豆または大豆由来製品は、肉の詰め物と組み合わせて、あるいはサンドイッチ詰め物の肉の詰め物の代わりに、タンパク質源として使用することができる。肉の詰め物の含水量および水分活性は、選択される肉のタイプに応じて大幅に変えることができる。例えば、脂身がほとんどない肉の切片は、一般に、脂身のある切片よりも含水量が少ない。例えば、本明細書の実施形態に記述されるサンドイッチ構造で使用することができる、加工ランチョンミートまたはデリスタイルの肉は、約70から約80%の水分を含んでよい。
【0036】
使用することができるチーズのタイプは、特に限定されない。チーズは、裁断され、スライスされ、削り取られ、そぎ取られ、粉末にされ、粉々にされ、厚切りにし、クリーム状にされた形をとることができ;このチーズは、チーズシュレッドの形をとることが好ましい。チーズのタイプは、例えばプロセスチーズ、チェダーチーズ、スイスチーズ、アメリカンチーズ、プロボローネチーズ、モッツァレラチーズ、パルメザンチーズ、ブルーチーズ、モンテレージャックチーズ、ロマノチーズ、クリームチーズ、ハバーティチーズ、ゴーダチーズ、ムンステールチーズ、アジアーゴチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、およびこれらの組合せでよい。チーズの含水量および水分活性は、選択されたチーズのタイプに応じて大幅に変えることができ;チーズは約40から約45%の水分を含有することが好ましい。
【0037】
詰め物で使用するのに適した野菜には、例えば、タマネギ、トマト、胡椒、ニンニク、モヤシ、キュウリ、ズッキーニ、ジャガイモ、ケール、およびバジルなど、ならびにこれらの組合せが含まれる。
【0038】
パン部分および詰め物の両方に、塩や胡椒、オレガノ、ホットペッパーフレークまたはスプレッド、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、ゴマ、ケシの実、およびシナモンなど、ならびにこれらの組合せで風味を付けることができる。保存剤や香料、着色剤、乳化剤、および大豆粉などの食品添加物も、詰め物に含めることができまたは詰め物に適用することができる。
【0039】
詰め物の成分の全てまたは一部を、望みに応じて事前に混合してもよく;あるいは、成分の全てまたは一部を、適切なパン部分上に個々に置いてもよい。詰め物の成分の全てまたは一部は、適切なパン部分上においたときに、冷凍しまたは解凍することができる。実際に、詰め物全体を調製し、次いでサンドイッチに適合するような適切なサイズおよび形状(即ちパックまたはその他の形状)に冷凍し、次いでサンドイッチ内に冷凍したまま置いてもよい。パンは、事前に冷凍してもよい。詰め物を適切なパン部分に置いたら、他方のパン部分にカバー用パン部分を適切に置くことによって、サンドイッチに重ね合わせる。一般に、重ね合わせた詰め物付きサンドイッチは、重ね合わせた後に冷凍する。この重ね合わせたサンドイッチを冷凍するには、従来の冷凍技法を使用する。サンドイッチは、ブラストまたは窒素トンネルフリーザで、重ね合わせてから約30分以内に冷凍することが好ましく、より好ましくは約2から5分以内に冷凍される。重ね合わせたサンドイッチは、好ましくはMA包装技術を使用して包装し、冷凍し(まだ冷凍されていない場合)、次いで適切な条件下で保存する。サセプタは、使用する場合は、重ね合わせたサンドイッチと同じパッケージに含めてもよく、または別々にキットに入れてもよい。
【0040】
図6〜7は、本発明の完成形態の冷凍食品を調理することができる方法の、より詳細な流れ図を示す。当業者なら理解されるように、図6〜7に示されるプロセスの様々なステップ(ならびに図5に示されるより概略的なプロセス)は、作製されるサンドイッチの特定のタイプ、利用可能な装置、所望の任意選択のステップ、およびベーカリー工業のその他の問題に応じて、修正することができ、順序を変えることができ、無くすことができ、かつ/または示されるその他のプロセスの1つまたは複数に組み込むことができる。
【0041】
図6は、冷凍された電子レンジ用のパン、および冷凍された電子レンジ用の完成形態のサンドイッチの調理方法であって、パン部分が相当なマイクロ波加熱に耐えることができる方法を示す詳細な流れ図を提供する。最初に、ドウ組成物をチャンカ/ディバイダにかけて、所望の重量のドウを提供する。次いで分割されたドウを丸め、所望の形状に形成する。望む場合には、ドウを中間プルーフステップ(周囲温度および周囲相対湿度に約2から10分間)にかけて、成型前にドウを和らげてもよい。次いで成型されまたは形成されたドウを、適切なサイズおよび形状の個々の平鍋に置き、次いでプルーフ処理する(約85から約105°Fで約20から約60分間、相対湿度は約50から約95%)。プルーフィングの後、ドウ組成物に、任意選択で刻み目を入れまたは切込みを入れ、パンチダウンし、かつ/または様々な成分(例えばスパイス、および香料など)でトッピングすることができる。次いで個々のパン部分をベークし(使用されるオーブンのタイプに応じて、約350から約450°Fで約5から約30分間)、平鍋から取り出し、冷却する(一般に約100°F以下に)。本発明のパン製品を形成するには、冷却されたベーク済みパンを、望みに応じてスライスしまたはスライスしない状態のままにし、次いで冷凍し包装して(好ましくはMA包装条件下で)、冷凍マイクロ波パン製品を提供することができる。本発明のサンドイッチ製品を形成するには、その後、冷却されたベーク済みのパンを適切にスライスし、その後、スライスされたパンの上面と底面の間に詰め物を塗る;次いで重ね合わせたサンドイッチを冷凍し、包装して(好ましくはMA包装条件下で)、冷凍マイクロ波完成形態サンドイッチを提供する。
【0042】
図7は、本発明のストロンボリ型またはカルゾーネ型サンドイッチの調理を示す、詳細な流れ図を提供する。調製されたドウを、チャンカ/ディバイダにかけて、所望の量のドウを得る。次いでドウを、適切なシートに形成する。サンドイッチを調理するのに1枚のシートしか使用しない場合(ストロンボリ型では一般的)、詰め物をそのシート上に置き、そのシートを折り畳んで所望のサンドイッチを形成する。2枚のシートを使用することもでき(カルゾーネ型では一般的)、その場合は、詰め物を底面シート上に置き、次いで上面シートを加えて所望のサンドイッチを形成する。次いで形成されたサンドイッチを、望みに応じて所望の形状に切り取り、クリンプ処理し、または密封して詰め物がパン部分の内部に維持されるようにし、次いで刻み目または切込みを入れて、ベーク中の排気を可能にする。次いでこのように形成されたサンドイッチをベークし(使用されるオーブンのタイプに応じて、約350から約450°Fで約5から約30分間)、冷却し、次いで冷凍し包装して(好ましくはMA包装条件下で)、冷凍済みの完全ベークまたは半ベークされた完成形態の電子レンジ用サンドイッチ製品を形成する。図示されていないが、そのようなストロンボリ型およびカルゾーネ型サンドイッチは、ベークされていないドウが詰め物を取り囲むような共押出し技術によって調製することもできる。次いでそのような押し出されたストロンボリ型およびカルゾーネ型製品を、図7に示されるものと同じ手法で処理することにより、冷凍済みの完全ベークまたは半ベークされた完成形態のサンドイッチ製品を提供することができる。
【0043】
当技術分野で周知のように、かつ上記にて論じられるように、比較的長い期間にわたって電子レンジ内でパンを加熱すると、パンの官能的特質が非常に損なわれる。したがって、冷凍された詰め物の中心温度を少なくとも約160°Fまで上昇させるのに十分な、完成形態の従来の寸法を有する冷凍サンドイッチのマイクロ波加熱は、過酷で困難な環境である。(1)サイズおよび/または重量がより小さく、(2)ピザやオープンサンドイッチなど、面が上に向いており、(3)少量のパン、詰め物、および/またはトッピングを含有する製品の、同様のタイプのマイクロ波加熱は、大きな問題を提示しないと考えられる。本発明のパン配合物は、そのように過酷で困難なマイクロ波処理環境下であっても、良好な官能的特質を提供するように設計される。したがって、完成形態の従来サイズの冷凍サンドイッチを大きな問題として提示しないパン製品を調理するための、本発明のパン配合物の使用は、現在市場に入手可能な電子レンジ用製品で使用される従来のドウ配合物で調理された同様の製品よりも、良好ではないが同程度に良好な官能的特質を有する電子レンジ用製品を提供すると予測することができる。本発明のドウ配合物は、本発明の完成形態の従来サイズの冷凍パン製品と共に、特に完成形態の従来サイズの冷凍サンドイッチと共に使用するために特に設計されるが、本発明のドウ配合物は、電子レンジでの加熱が意図される製品も含めたその他のパン製品で生かされるように使用することができる。
【0044】
下記の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定するものではない。他に特に指定しない限り、全てのパーセンテージ、および割合などは、重量に基づいている。
【実施例1】
【0045】
この実施例は、いくつかのパン製品の調理について示す。得られるパン製品を、そのマイクロ波加熱に耐えられる能力について評価した。2種の対照パン製品と、1種の本発明のパン製品とを調理した。第1の対照パン製品は、従来のドウ配合物から調理した。第2の対照パン製品は、キサンタンガムを配合物から除いたこと以外、本発明のドウ配合物と同様のドウから調理した。これら3種のドウサンプルについて、ベーカーズパーセンテージで表される配合物は、下記の通りである。
【0046】
【表2】
【0047】
乾燥成分をHobartミキサで約30秒間混合した後(低設定)、酵母、ショートニング、油、香料、および水を添加し、低設定で約2分間連続して混合し、その後、より高い設定でさらに4分間混合した。このドウを約5分間保持した後、110gの単位に分割し、楕円形に形成した。次いで個々の単位を、約105°Fで約40〜50分間、80〜85%の相対湿度でプルーフ処理した。次いでプルーフ処理した単位をそのまま使用し(即ちパンチ処理しない)、またはパンチ処理した。450°Fのインピンジメント型オーブンで4.5分間ベークした後、完全ベークまたは半ベークされたパンを冷却し、電気ナイフを使用して手でスライスすることにより、上面および下方パン部分を形成した。次いで上面および下方パン部分を組み合わせ(当初のスライスしていない形のように詰め物無しで)、冷凍し、次いでMA包装条件下で包装した。
【0048】
評価のため、冷凍して重ね合わせたサンドイッチ(上面および底面パン部分の間にはいかなる詰め物も無い)を、サセプタの無い1段高いトレーに置き、全出力の電子レンジで1分および30秒間加熱した。次いで加熱したパン製品をオーブンから取り出し、周囲温度で5または15分間保持した後、訓練を受けた専門家が品質評価を行った(一貫性を保つため、全ての評価において同じ専門家を使用した)。上面のクラウン部(即ち上面)およびクラム部(即ち切断面)と、底面のクラム部(即ち切断面)およびヒール部(即ち底面)とを、それらの硬さについて試験した。硬さを1〜5のスケールで測定し(1は柔らかく、5は「岩のように」硬い);したがって硬さの場合、より低い点数がより望ましい結果を示す。4つの面のそれぞれについて、2つのパラメータ、即ち(1)見出された最も硬いスポットの硬さ、および(2)硬いスポットの被覆範囲およびそれらの硬さに基づいて平均または全体の硬さを測定した。硬いスポットによって覆われた面のパーセンテージ(硬さの程度とは無関係)も、4つの面のそれぞれに関して評価した。結果は、全ての面の全体を合計し、平均した。下記の平均結果は、パンチ処理をしていないサンプルおよびパンチ処理をしたサンプルに関して得られた。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
一般に本発明のサンプルは、いずれの対照よりも柔らかく、かつより許容可能なものであった。
【0052】
パンの各サンプルの全体的な品質も、マイクロ波処理の後5分および15分で、1〜5のスケールを使用して評価し、この場合、1が最良であり、5が最悪であった。下記の結果が得られた。
【0053】
【表5】
【0054】
5分および15分での両方の評価に関するスコアも組み合わせ、それは下記の通りである。
【0055】
【表6】
【0056】
データの全ては、本発明のパンが、対照1より明らかに優れており、対象2よりも良好であることを、一貫して示している。
【実施例2】
【0057】
この実施例は、実施例1で述べた3種のパン製品(パンチ処理ありとパンチ処理なしの両方があり、小型パンの形をとる)を使用した、完成形態の冷凍サンドイッチの調理を示す。気体排出のため、各完成形態の冷凍サンドイッチを、サセプタの無い1段高い排気トレーに置き、全出力で、冷凍状態から詰め物の中心部分が約160°Fの最小温度になるまでマイクロ波処理し;典型的には、この最小温度に到達するのに必要な時間が約3.5分であり;詰め物の温度範囲は約160から約165°Fであった。パンの品質を、実施例1の場合と同様の基準を使用してマイクロ波処理した後に評価したが、この場合、クラム部に接触している詰め物があるので、クラム部のパラメータは得られなかった。データを、1〜5のスケール(1が最良であり、5が最悪である)で単一の平均品質スコアに変換した。
【0058】
約60%の角切りのチキン、約15%の賽の目の野菜、約7%のホウレン草、および約18%の裁断されたアジアーゴおよびモッツァレラチーズを含む詰め物を、混合することによって調製した。詰め物を、小型パンと同一の広がり持つようなパティ(厚さ約5/8インチ)に成形し、次いで冷凍した。次いで完成形態のサンドイッチを、上面および底面パン部分の間に冷凍詰め物パティを置くことによって形成し、約20°Fで約24時間冷凍した。完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、約8オンスの重みであった。
【0059】
マイクロ波加熱されたサンドイッチのパン部分の、全体的な品質に関する下記の結果(マイクロ波処理後5分および15分でのデータを組み合わせた)が得られた。
【0060】
【表7】
【0061】
本発明のサンドイッチは、良好な官能的特質を有し、対照1のサンドイッチよりも明らかに優れており、対照2のサンドイッチよりも良好であった。パンチ処理されたパンで調理した本発明のサンドイッチは、パンチ処理していないパンで調理した本発明のサンドイッチよりもいくらか良好であった。
【実施例3】
【0062】
この実施例は、実施例2の本発明のサンドイッチ(小型パンの形をとるパンチ処理されたパン、およびチキン/野菜/チーズ詰め物を使用する)と、市販の冷凍サンドイッチとの比較を行う。市販のサンドイッチ(Stouffer’s Corner Bistro(登録商標)Philly−Style Steak and Cheese Panini)は、重ね合わせたサンドイッチが形成されるように個々のスライスを詰め物と一緒に配置することによって、重ね合わせた。本発明の重ね合わせたサンドイッチ(約8オンス)と、重ね合わせた市販のサンドイッチ(約6オンス)との両方を、別々に冷凍状態から、全出力の電子レンジで3.5分間加熱した。詰め物の温度は、どちらのサンドイッチについても約160°Fの最小値に達した。
【0063】
加熱したサンドイッチを、評価前に約5分間静置した。加熱した市販のサンドイッチのパン部分は、噛み難いが許容可能なクラム部の食感と、極めて噛み難くて許容できない皮とを有していた。加熱した本発明のサンプルのパン部分は、全体的に良好な食感および官能的特質を有しており、その端部は、いくらか硬いが許容可能なものであった。加熱した本発明のサンプルは、全体的な品質がより良好なものであった。
【実施例4】
【0064】
この例は、本発明のサンドイッチ(一塊の本発明の配合物から作製されたパンの2枚のスライスと、実施例2のチキン/野菜/チーズ詰め物を使用する)と、市販されている冷凍サンドイッチ(Stouffer’s Corner Bistro(登録商標)Panini)からのパンおよび同様の実施例2のチキン/野菜/チーズ詰め物との比較を行う。本発明のドウ組成物を使用して、塊(約4インチ×約4インチ、および長さ約13インチ)を調製し、次いで約400°Fで約25から35分間ベークした。冷却後、この塊を、厚さ約1/2インチのスライスに切断した。次いで実施例2のチキン/野菜/チーズ詰め物を、約26平方インチ(パンのスライスと同一の広がりを持つ形)および厚さ約5/8インチのパティに形成し、次いで冷凍した。冷凍パティを、パンの2枚のスライスの間に置き、次いで約20°Fで約24時間冷凍した。完成形態の冷凍サンドイッチは、約7オンスであった。
【0065】
次いで完成形態の冷凍サンドイッチを、全出力の電子レンジ内で、1段高い排気型厚紙プラットフォーム上(サセプタ無し)で3.5分間加熱した。各サンドイッチの詰め物の温度は、最小限で約160°Fに達した。約5分間静置させた後、加熱した本発明のサンドイッチの上面パンスライスを、トーストしたが硬くはない食感にし(特に、角および皮の領域)、それに対し、底面スライスをいくらか蒸して、上面スライスよりも柔らかくした。全体的に、加熱されたサンドイッチは、非常に良好な食感および官能的特質を有していた。一方、加熱された市販のサンドイッチは、微かに噛み応えのある(しかし許容される)中身を有するが、非常に噛み応えがあり革のように硬い(許容できない)皮を有していた。
【実施例5】
【0066】
実施例4の、本発明の完成形態の冷凍サンドイッチを、特許文献5に記載されている上面および底面サセプタを使用して、全出力の電子レンジで3.5分間加熱した。詰め物の温度は、最小限で160°Fに達した。約5分間静置した後、加熱したサンドイッチの上面パンスライスを、トーストしたが硬くはない食感にし(特に角および皮の領域)、それに対して底面スライスは、サセプタに接触するトースト領域がいくらか柔らかかった。全体的に、この実施例の加熱されたサンドイッチは、優れた食感および官能的特質を有していた。実際に、この実施例で加熱された本発明のサンドイッチは、このサンドイッチの底面のパンのトースティングおよびクリスピングが原因で、実施例4で加熱された本発明のサンドイッチよりも良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の完成形態のサンドイッチ製品の、側面を示す図である。詰め物は、上方および下方パン部分と同一の広がりを持っている。
【図2】平面図A〜Dにおいて、本発明の完成形態のサンドイッチ製品の、いくつかの構成を示す図である。
【図3】開放された端部を有するストロンボリ型サンドイッチの図である(斜視図Aおよび断面図B)。
【図4】詰め物が上方および下方パン部分と同一の広がりを持っておらず、それによって、マイクロ波加熱中に上方および下方パン部分がパサつきかつ/または硬くなる危険性が増大した、欠陥のあるサンドイッチを示す図である。
【図5】本発明の完成形態の冷凍サンドイッチ製品を調理するための、概略的な方法を示す、概略的な流れ図である。
【図6】本発明のパンまたは完成形態の冷凍サンドイッチ製品を調理するための別の方法を示す、より詳細な流れ図である。
【図7】本発明の完成形態の冷凍ストンボリ型サンドイッチ製品の調理を示す、より詳細な流れ図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面小型パン部分および底面小型パン部分を有し、かつ前記上面小型パン部分と前記底面小型パン部分との間にあり前記上面小型パン部分および前記底面小型パン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有する、完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分を含む完成形態の冷凍食品であって、前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、約0.9から約0.96の水分活性を有し、前記完成形態の冷凍食品は、少なくとも約6.5オンスの重量を有し、前記完成形態の冷凍食品は、パッケージ内に密封された場合に少なくとも約120日の冷凍保存寿命を有し、前記完成形態の冷凍食品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済み食品が提供されるように、電子レンジで加熱され、前記加熱済み食品のデンプン様部分はパサついておらず、前記加熱済み食品の詰め物は、本質的に均一な温度を有することを特徴とする完成形態の冷凍食品。
【請求項2】
前記食品は、サンドイッチであることを特徴とする請求項1に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項3】
前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含むドウ組成物から調製されることを特徴とする請求項1に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項4】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項1に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項5】
前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含むドウ組成物から調製されることを特徴とする請求項2に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項6】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項2に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項7】
(1)パッケージ内に入っている完成形態の冷凍サンドイッチ製品と、(2)前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する際に使用するのに適切なサセプタとを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、上面小型パン部分および底面小型パン部分を有し、かつ前記上面小型パン部分と前記底面小型パン部分との間にあり前記上面小型パン部分および前記底面小型パン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有する、完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分を含み、前記完全にベークされまたは半ベークされたデンプン様部分は、約0.9から約0.96の水分活性を有し、前記完成形態の冷凍食品は、少なくとも約6.5オンスの重量を有し、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、パッケージ内に密封された場合に少なくとも約120日の冷凍保存寿命を有し、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済みサンドイッチ製品が得られるように、サセプタを使用して電子レンジ内で加熱することができ、前記加熱済みサンドイッチ製品の前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、パサついておらず、前記加熱済みサンドイッチ製品の詰め物は、本質的に均一な温度を有することを特徴とするキット。
【請求項8】
前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含む含むドウ組成物から調製されることを特徴とする請求項7に記載のキット。
【請求項9】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項7に記載のキット。
【請求項10】
前記サセプタは、上面サセプタおよび底面サセプタを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する場合に前記底面小型パン部分が前記底面サセプタに接触しかつ前記上面小型パン部分が前記上面サセプタに接触するように、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を前記上面サセプタと前記底面サセプタとの間に配置することができるようになされていることを特徴とする請求項7に記載のキット。
【請求項11】
前記サセプタは、上面サセプタおよび底面サセプタを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する場合に前記底面小型パン部分が前記底面サセプタに接触しかつ前記上面小型パン部分が前記上面サセプタに接触するように、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を前記上面サセプタと前記底面サセプタとの間に配置することができるようになされていることを特徴とする請求項8に記載のキット。
【請求項12】
前記サセプタは、上面サセプタおよび底面サセプタを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する場合に前記底面小型パン部分が前記底面サセプタに接触しかつ前記上面小型パン部分が前記上面サセプタに接触するように、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を前記上面サセプタと前記底面サセプタとの間に配置することができるようになされていることを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項13】
ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含むドウ組成物から調製される、完全ベークまたは半ベークされたパン製品であって、パッケージ内に保存した場合に少なくとも約120日間にわたって冷凍状態で保存するのに適切であり、加熱されたパン製品に良好な官能的特質がもたらされるように凍結状態から電子レンジで加熱することができることを特徴とする、完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【請求項14】
前記完全ベークまたは半ベークされたパン製品は、上面小型パン部分および底面小型パン部分を有し、かつ前記上面小型パン部分と前記底面小型パン部分との間にあり前記上面小型パン部分および前記底面小型パン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有している完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分を含んだ完成形態の冷凍サンドイッチ製品に組み込まれており、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済みサンドイッチ製品が提供されるように電子レンジで加熱することができ、前記完成形態の冷凍食品は、少なくとも約6.5オンスの重量を有し、前記加熱済みのサンドイッチ製品のデンプン様部分はパサついておらず、前記加熱済みサンドイッチ製品の詰め物は本質的に均一な温度を有することを特徴とする請求項13に記載の完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【請求項15】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項13に記載の完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【請求項16】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項14に記載の完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【請求項1】
上面小型パン部分および底面小型パン部分を有し、かつ前記上面小型パン部分と前記底面小型パン部分との間にあり前記上面小型パン部分および前記底面小型パン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有する、完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分を含む完成形態の冷凍食品であって、前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、約0.9から約0.96の水分活性を有し、前記完成形態の冷凍食品は、少なくとも約6.5オンスの重量を有し、前記完成形態の冷凍食品は、パッケージ内に密封された場合に少なくとも約120日の冷凍保存寿命を有し、前記完成形態の冷凍食品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済み食品が提供されるように、電子レンジで加熱され、前記加熱済み食品のデンプン様部分はパサついておらず、前記加熱済み食品の詰め物は、本質的に均一な温度を有することを特徴とする完成形態の冷凍食品。
【請求項2】
前記食品は、サンドイッチであることを特徴とする請求項1に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項3】
前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含むドウ組成物から調製されることを特徴とする請求項1に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項4】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項1に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項5】
前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含むドウ組成物から調製されることを特徴とする請求項2に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項6】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項2に記載の完成形態の冷凍食品。
【請求項7】
(1)パッケージ内に入っている完成形態の冷凍サンドイッチ製品と、(2)前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する際に使用するのに適切なサセプタとを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、上面小型パン部分および底面小型パン部分を有し、かつ前記上面小型パン部分と前記底面小型パン部分との間にあり前記上面小型パン部分および前記底面小型パン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有する、完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分を含み、前記完全にベークされまたは半ベークされたデンプン様部分は、約0.9から約0.96の水分活性を有し、前記完成形態の冷凍食品は、少なくとも約6.5オンスの重量を有し、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、パッケージ内に密封された場合に少なくとも約120日の冷凍保存寿命を有し、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済みサンドイッチ製品が得られるように、サセプタを使用して電子レンジ内で加熱することができ、前記加熱済みサンドイッチ製品の前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、パサついておらず、前記加熱済みサンドイッチ製品の詰め物は、本質的に均一な温度を有することを特徴とするキット。
【請求項8】
前記完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含む含むドウ組成物から調製されることを特徴とする請求項7に記載のキット。
【請求項9】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項7に記載のキット。
【請求項10】
前記サセプタは、上面サセプタおよび底面サセプタを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する場合に前記底面小型パン部分が前記底面サセプタに接触しかつ前記上面小型パン部分が前記上面サセプタに接触するように、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を前記上面サセプタと前記底面サセプタとの間に配置することができるようになされていることを特徴とする請求項7に記載のキット。
【請求項11】
前記サセプタは、上面サセプタおよび底面サセプタを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する場合に前記底面小型パン部分が前記底面サセプタに接触しかつ前記上面小型パン部分が前記上面サセプタに接触するように、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を前記上面サセプタと前記底面サセプタとの間に配置することができるようになされていることを特徴とする請求項8に記載のキット。
【請求項12】
前記サセプタは、上面サセプタおよび底面サセプタを含み、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を電子レンジで加熱する場合に前記底面小型パン部分が前記底面サセプタに接触しかつ前記上面小型パン部分が前記上面サセプタに接触するように、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品を前記上面サセプタと前記底面サセプタとの間に配置することができるようになされていることを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項13】
ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約0.5から約5%、ステアロイル乳酸ナトリウムを0から約0.5%、塩を約0.5から約3%、甘味料を約4から約12%、プロピオン酸カルシウムを0から約0.5%、油を約5から約15%、水を約50から約68%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約2%、レシチンを約0.2から約1.5%、キサンタンガムを約0.1から約1%、グアールガムを約0.2から約1.5%、メチルセルロースを約0.2から約1.5%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.1から約0.5%、スパイス、調味料、および香料を0から約1%含むドウ組成物から調製される、完全ベークまたは半ベークされたパン製品であって、パッケージ内に保存した場合に少なくとも約120日間にわたって冷凍状態で保存するのに適切であり、加熱されたパン製品に良好な官能的特質がもたらされるように凍結状態から電子レンジで加熱することができることを特徴とする、完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【請求項14】
前記完全ベークまたは半ベークされたパン製品は、上面小型パン部分および底面小型パン部分を有し、かつ前記上面小型パン部分と前記底面小型パン部分との間にあり前記上面小型パン部分および前記底面小型パン部分と同一の広がりを持つ詰め物を有している完全ベークまたは半ベークされたデンプン様部分を含んだ完成形態の冷凍サンドイッチ製品に組み込まれており、前記完成形態の冷凍サンドイッチ製品は、後ですぐに食べられる状態にある加熱済みサンドイッチ製品が提供されるように電子レンジで加熱することができ、前記完成形態の冷凍食品は、少なくとも約6.5オンスの重量を有し、前記加熱済みのサンドイッチ製品のデンプン様部分はパサついておらず、前記加熱済みサンドイッチ製品の詰め物は本質的に均一な温度を有することを特徴とする請求項13に記載の完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【請求項15】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項13に記載の完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【請求項16】
前記ドウ組成物は、ベーカーズパーセンテージで小麦粉を100%、圧搾酵母を約2から約3%、ステアロイル乳酸ナトリウムを約0.3から約0.45%、塩を約0.75から約1.75%、甘味料を約6から約10%、プロピオン酸カルシウムを約0.4から約0.5%、油を約9から約13%、水を約55から約64%、モノグリセリドおよびジグリセリドを約0.1から約1.5%、レシチンを約0.4から約0.6%、キサンタンガムを約0.25から約0.45%、グアールガムを約0.4から約0.6%、メチルセルロースを約0.3から約0.6%、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを約0.3から約0.6%、スパイス、調味料、および香料を約0.1から約0.5%含むことを特徴とする請求項14に記載の完全ベークまたは半ベークされたパン製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2008−67703(P2008−67703A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236836(P2007−236836)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】
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