説明

ペット対応細目グレーチング

【課題】犬、猫等の小動物の手、足がグレーチングの主部材同士の間隔(隙間)に入り込んで骨折したり、あるいは帯板状の主部材の角部で怪我をしたりする事故を未然に防止することができるペットに対応した安全な細目グレーチングを提供すること。
【解決手段】複数の帯板状のメインバー(1,2)と複数のクロスバー(3)とで格子状に形成したグレーチングであって、該メインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を1〜3mmとしたことを特徴とするペットに対応した細目グレーチング。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬、猫等の小動物のペットに対応した安全な細目グレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の側溝、公共施設、店舗等の敷地内に設けられた排水溝の蓋体としては、排水を良くするためにグレーチングが採用されている。
一般に強度的な観点から、金属製グレーチング(特許文献1参照)が多用されている。
このグレーチングは、複数の帯板状のメインバーと複数のクロスバーとで格子状に形成されており、該メインバー同士の間隔(隙間)は通常6mm以上である。
【0003】
ところで、近年のペットブームで犬、猫等の小動物を飼う家庭が急増し、それと共にペットの怪我や事故も多発している。その中でグレーチングに基づく怪我や事故も発生している。即ち、通常グレーチングは帯板状のメインバー同士の間隔(隙間)は上記のとおり通常6mm以上であり、人や車両の通過に関してはこの隙間は何ら問題とならないが、犬、猫等の小動物がこのグレーチングの上を通過しようとすると、小動物の手、足がこの隙間に入り込んで骨折したり、あるいは帯板状のメインバーの角部で怪我をしたりする事故が発生している(図5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−097311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、犬、猫等の小動物の手、足がグレーチングの帯板状のメインバー同士の間隔(隙間)に入り込んで骨折したり、あるいは帯板状のメインバーの角部で怪我をしたりする問題を解決しようとするもので、細目グレーチングとし、更には帯板状のメインバーを特定断面構造とすることにより、グレーチングによるペットの事故や怪我を未然に防ぐことを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記課題を解決するために、複数の帯板状のメインバー(1,2)と複数のクロスバー(3)とで格子状に形成したグレーチングの該メインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を1〜3mmとし、更に要すれば該メインバー(2)の一部又は全部を、帯状板をその長手方向を軸としてその断面が水平面とこれに連接するY字とから構成され、且つ該連接部にはアール(丸み)が付されている形状に折り曲げ加工されたもの(1)から構成したものである(図1〜3参照)。
【0007】
即ち、本発明は以下の通りのものである。
1. 複数の帯板状のメインバー(1,2)と複数のクロスバー(3)とで格子状に形成したグレーチングであって、該メインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を1〜3mmとしたことを特徴とするペットに対応した細目グレーチング。
2.該メインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を1.5〜2mmとしたことを特徴とする前記1.に記載のペットに対応した細目グレーチング。
3.該メインバー(2)の一部又は全部が、帯状板をその長手方向を軸としてその断面が水平面とこれに連接するY字とから構成され、且つ該連接部にはアール(丸み)が付されている形状に折り曲げ加工されたもの(1)からなることを特徴とする前記1.又は2.に記載のペットに対応した細目グレーチング。
【発明の効果】
【0008】
本発明のグレーチングは、帯板状のメインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を1〜3mmとし、更に要すれば該メインバー(2)の一部又は全部を、帯状板をその長手方向を軸としてその断面が水平面とこれに連接するY字とから構成され、且つ該連接部にはアール(丸み)が付されている形状に折り曲げ加工されたもの(1)とすることにより、ペットの手、足が該メインバー(1,2)同士の隙間に入り込んで骨折したり、あるいは該メインバーの角部で怪我をしたりする事故を未然に効果的に防ぐことができという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のグレーチングの一実施態様の平面図(a)、A−A線方向断面図(b)、B−B線方向断面図(c)である。
【図2】本発明の別の実施態様のグレーチングの平面図(a)、A−A線方向断面図(b)、B−B線方向断面図(c)である。
【図3】図1〜2のA−A線方向断面図(b)の拡大図である。
【図4】本発明のグレーチング(図1(c))の排水溝への取り付け断面図である。
【図5】従来のグレーチングの図1(b)(本発明のグレーチングのA−A線方向断面図)に対応する断面図の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の構成を図1〜5を用いて詳細に説明する。
1. 帯板状のメインバー(1,2)
帯板状のメインバー(1,2)の材質は、グレーチングとしての強度が求められることから金属、例えば、スチール、ステンレスが適当であり、耐腐食性の点からステンレスが望ましい。
また、帯板状のメインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)は、ペットの怪我や骨折事故を防ぐために1〜3mmとすることが必要であり、好ましくは1.5〜2mmとするのが望ましい。
【0011】
帯板状のメインバーは、断面が長方形の帯板状のフラットバー(2)のみから構成しても良いし、帯状板をその長手方向を軸としてその断面が水平面とこれに連接するY字とから構成され、且つ該連接部にはアール(丸み)が付されている形状に折り曲げ加工されたフォーミング材(1)のみから構成しても良いし(図2(b)参照)、これら両者の組み合わせから構成しても良い(図1(b)参照)。
該フォーミング材(1)を用いることで、帯板状のメインバーの角部によるペットの怪我をなくすことができる(図3(b)参照)。
【0012】
2.クロスバー(3)
クロスバー(3)の材質は、帯板状のメインバー(1,2)と同様に金属、例えば、スチール、ステンレスが適当であり、耐腐食性の点からステンレスが望ましい。
クロスバー(3)の断面形状は、長方形、丸形、三角等であってよく、中でも長方形のもの(即ち、帯板状)が好ましい。
【0013】
3.格子状に組み付け
帯板状のメインバー(1,2)とクロスバー(3)とを格子状に組み付けるには、帯板状クロスバー(3)を例にとって説明すると、帯板状クロスバー(3)の長手方向に所定間隔で嵌合用溝を形成し、該溝に帯板状のメインバー(1,2)の足を嵌めこんで固定し格子状に組み付けることができる(図1〜2(b)参照)。
また、帯板状のメインバー(1,2)に帯板状クロスバー(3)を串刺し状に貫通させ固定しても良い(図5参照)。
【0014】
4.受け枠、アンカーの取り付け、排水溝への固定
格子状に組み付けられたグレーチングは、サイドバー(4)、エンドバー(5)を介して受け枠(6)に固定される(図1〜2(a)、(c)参照)。
受け枠(6)に固定されたグレーチングは、受け枠(6)に設けられたアンカー(7)を排水溝(8)上端部外周のコンクリート打設部を介して排水溝(8)上部に固定される(図4参照)。
グレーチングの排水溝(8)への取り付けは、他の取り付け構造であっても排水溝へ強固に固定できるものであれば、一切制限はない。
【実施例】
【0015】
次に、実施例を用いて本発明のグレーチングを説明する(図1〜4参照)。
この実施例は単に一つの具体例を示すだけであり、本発明の範囲を何ら制限するもので
はない。
ステンレス製の帯板状のメインバー(1,2)と帯板状のクロスバー(3)とを帯板状クロスバー(3)の長手方向に所定間隔で嵌合用溝を形成し、該溝に帯板状のメインバー(1,2)の足を嵌め込んで固定し、帯板状のメインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を2mmとしたグレーチングを用意する。
次に、このグレーチングの周囲にステンレス製のサイドバー(4)、エンドバー(5)を設け、全体をステンレス製の受け枠(6)に収容固定する。
続いて、このグレーチング全体を排水溝(8)上部に設置し、該受け枠(6)に設けたアンカー(7)を排水溝(8)の上端部外周にコンクリートを打設して埋設しグレーチング全体を固定する。
【符号の説明】
【0016】
1 帯板状のメインバー(フォーミング材)
2 帯板状のメインバー(フラットバー)
3 クロスバー
4 サイドバー
5 エンドバー
6 受け枠
7 アンカー
8 排水溝
イ ペットの手、足
ロ 隙間
1’ 従来品のグレーチングのメインバー
3’ 従来品のグレーチングのクロスバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の帯板状のメインバー(1,2)と複数のクロスバー(3)とで格子状に形成したグレーチングであって、該メインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を1〜3mmとしたことを特徴とするペットに対応した細目グレーチング。
【請求項2】
該メインバー(1,2)同士の間隔(隙間)(ロ)を1.5〜2mmとしたことを特徴とする請求項1に記載のペットに対応した細目グレーチング。
【請求項3】
該メインバー(2)の一部又は全部が、帯状板をその長手方向を軸としてその断面が水平面とこれに連接するY字とから構成され、且つ該連接部にはアール(丸み)が付されている形状に折り曲げ加工されたもの(1)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のペットに対応した細目グレーチング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−74706(P2011−74706A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229240(P2009−229240)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(591089349)
【Fターム(参考)】