説明

ペプチド混合物を分析する方法

【課題】ペプチドまたはポリペプチド混合物またはポリペプチド成分からなる生体分子の試料を確認しかつクラス分けする方法を提供する。
【解決手段】質量分析および質量分析結果を分析する統計的手法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年5月8日に出願された米国特許仮出願番号第61/176,579号の優先権を主張する。
発明の分野
本発明は質量分析によってペプチド、ペプチド混合物、ポリペプチド混合物およびポリペプチド成分からなる生体分子を確認し、比較しかつクラス分けする分析方法に関する。より詳細には、本発明は、複合ペプチド混合物、いくつかの異なるアミノ酸からなるポリペプチド混合物、またはポリペプチド成分からなる生体分子を確認しかつクラス分けする分析/統計的方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
コポリマー-1は、アミノ酸のグルタミン酸、リシン、アラニンおよびチロシンの重合から調製されるポリペプチドの複合混合物である。コポリマー-1は、また、酢酸グラチラマーとして知られ、以下の構造式を有する:
(Glu、Ala、Lys、Tyr)x・X CH3COOH
(C5H9NO4・C3H7NO2・C6H14N2O2・C9H11NO3)x・X C2H4O2
(Physician Desk reference, (2000))
酢酸グラチラマー(GA)は、コパキソン(COPAXONE(登録商標))(Teva Pharmaceutical Industries Ltd.、イスラエル)の有効成分であり、4つの天然に存在するアミノ酸: L-グルタミン酸、L-アラニン、L-チロシン、およびL-リシンを含有する合成ポリペプチド混合物の酢酸塩からなり、それぞれ、0.141、0.427、0.095、および0.338の平均モル分率が報告されている。COPAXONE(登録商標)の平均分子量は、4,700〜11,000ダルトンである。酢酸グラチラマーは、多発性硬化症(MS)の治療用に承認された薬剤である。酢酸グラチラマーの調製方法は、米国特許第3,849,550号明細書および同第5,800,808号明細書および国際公開第00/05250号パンフレットに記載されている。
欧州特許出願公開第1 983 344 A1号明細書には、トリプシンによって1本鎖ポリペプチドスタンダードを消化しかつMADLDI-TOFによってその断片化を検出する方法が開示されている。国際公開第2008/135756号パンフレットには、トリプシンによって1本鎖ペプチドスタンダードを消化し、タンデムMSによって分析される予想されるトリプシンペプチド断片を得ることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術とは対照的に、本発明は、加水分解酵素を用いて、ポリペプチドの複合混合物のスタンダード、例えば酢酸グラチラマーをいくつかのペプチド断片に消化することを示した。ペプチド断片は、質量分析(MS)およびMS/MSによって分析される。各試料の質量分析結果は、他の試料と比較するためのフィンガープリントとして用いられる。2つの試料の消化物の得られた質量スペクトルは、比較されかつそれぞれの試料のフィンガープリントとして使用される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の質量分析器によって検出される各ペプチド断片を選択し、第2の質量分析(いわゆるMS/MS分析)にかけて、前駆体ペプチドイオンをさらにより小さい断片に切断する。MS/MS分析から得られる質量スペクトルは、Biotoolsのようなソフトウェアによって分析して、各ペプチド断片のシークエンスを得る。結果から、第1の質量分析器において検出されたペプチドイオンの組成とシークエンスが分かる。最後に、試料の消化物の質量スペクトルは、統計的検定(t検定、ANOVA…)から得られる一変量ピークランキングによるクラス分け(例えば2Dピーク分布)用の統計ソフトウェア(例えばClinProTool)によって分析される。異なる試料のグループ化または区別は、多変量統計(主成分分析、PCA)によっても達成される。この戦略的方法は、異なる産物の質量スペクトルを統計的に比較し、得られるスポットのクラス分けと位置に基づき試料を区別することである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】酵素消化されたコパキソンの質量スペクトルを示すデータである。
【図1B】酵素消化されたコポリマー-1の質量スペクトルを示すデータである。
【図2a−1】酵素消化されたコパキソンから記録されたイオン - m/z 452.44のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図2a−2】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたイオン - m/z 452.44のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図2b−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 452.44のシークエンスを示すデータである。
【図2b−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 452.44の断片イオンを示すデータである。
【図2b−2A】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 452.44のシークエンスを示すデータである。
【図2b−2B】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 452.44の断片イオンを示すデータである。
【図3a−1】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 509.385のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図3a−2】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 509.385のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図3b−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 509.385(1)のシークエンスを示すデータである。
【図3b−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 509.385(1)の断片イオンを示すデータである。
【図3b−2A】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 509.385(1)のシークエンスを示すデータである。
【図3b−2B】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 509.385(1)の断片イオンを示すデータである。
【図3c−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 509.385(2)のシークエンスを示すデータである。
【図3c−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 509.385(2)の断片イオンを示すデータである。
【図3c−2A】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 509.385(2)のシークエンスを示すデータである。
【図3c−2B】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 509.385(2)の断片イオンを示すデータである。
【図4a−1】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 603.515のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図4a−2】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 603.515のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図4b−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 603.515のシークエンスを示すデータである。
【図4b−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 603.515の断片イオンを示すデータである。
【図4b−2A】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 603.515のシークエンスを示すデータである。
【図4b−2B】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 603.515の断片イオンを示すデータである。
【図5a−1】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 638.590のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図5a−2】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 638.590のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図5b−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 638.590のシークエンスを示すデータである。
【図5b−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 638.590の断片イオンを示すデータである。
【図5b−2A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 638.590のシークエンスを示すデータである。
【図5b−2B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 638.590の断片イオンを示すデータである。
【図6a−1】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 674.880のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図6a−2】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 674.880のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図6b−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 674.880のシークエンスを示すデータである。
【図6b−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 674.880の断片イオンを示すデータである。
【図6b−2A】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 674.880のシークエンスを示すデータである。
【図6b−2B】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 674.880の断片イオンを示すデータである。
【図7a−1】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 710.622のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図7a−2】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 710.622のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図7b−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 710.622のシークエンスを示すデータである。
【図7b−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 710.622の断片イオンを示すデータである。
【図7b−2A】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 710.622のシークエンスを示すデータである。
【図7b−2B】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 710.622の断片イオンを示すデータである。
【図8a−1】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 745.568のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図8a−2】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 745.568のMS/MSスペクトルを示すデータである。
【図8b−1A】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 745.568のシークエンスを示すデータである。
【図8b−1B】酵素消化されたコパキソンから記録されたm/z 745.568の断片イオンを示すデータである。
【図8b−2A】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 745.568のシークエンスを示すデータである。
【図8b−2B】酵素消化されたコポリマー-1から記録されたm/z 745.568の断片イオンを示すデータである。
【図9A】酵素消化されたコパキソン、コポリマー-1の質量スペクトルを示すデータである。
【図9B】酵素消化されたシトクロム C、リゾチーム、HSAの質量スペクトルを示すデータである。
【図10】酵素消化されたコパキソン、コポリマー-1、シトクロム C、リゾチームおよびHSAの質量スペクトルのための一変量ピークランキングに基づく最初の2つのピークからの二次元ピーク分布を示す図である。
【図11A】コパキソン、コポリマー-1、シトクロム C、リゾチームおよびHSAのPCA分析結果の三次元パターンを示す図である。
【図11B】コパキソン、コポリマー-1、シトクロム C、リゾチームおよびHASのPC1とPC2とのプロットを示す図である。
【図12】酵素消化されたコパキソン、コポリマー-1、および3-NCAの質量スペクトルの一変量ピークランキングに基づく最初の2つのピークからの二次元ピーク分布を示す図である。
【図13】コパキソン、コポリマー-1および3-NCAのPC1とPC2とのプロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、2つの非常に複雑な巨大分子間の化学類似点を評価する方法を提供する。試料前処理しない複合ペプチド混合物の質量スペクトルは、試料中のすべての分子の平均結果であり、未解決の信号からなる。2つの複合混合物の組成を比較するために、再現されかつ明確に定められたスペクトルを得るために、試料が化学反応または酵素反応によってより小さい断片に消化される。次に、タンデムMS機能を有する質量分析を用いて、消化された試料を確認する。
多変量統計を用いて、得ている質量スペクトルをクラス分けに処理する。例えば、複素数データセットをグループ化するために主成分分析(PCA)、単純かつノンパラメトリックな方法の多変量統計が行われる。多変量統計と結合させた質量スペクトルによって、複雑なポリペプチド分子の比較情報が得られる。
本発明の理解を援助するために、一連の実験の結果を記載する以下の実施例が含まれる。本発明に関する以下の実施例は、もちろん、詳しくは本発明を制限するものとして解釈されてはならない。現在既知であるかあるいは後に展開されるこのような本発明の変形例は、当業者の権限の範囲内であり、以下に特許請求される本発明の範囲内に包含するとみなされる。
【実施例1】
【0007】
保護コポリマー-1の調製
L-アラニンのN-カルボキシ無水物(4.0g、34.78ミリモル)、γ-ベンジルL-グルタメートのN-カルボキシ無水物(3.0g、11.39ミリモル)、N-トリフルオロアセチルリシンのN-カルボキシ無水物(7.47g、27.97ミリモル)、およびL-チロシンのN-カルボキシ無水物(1.6g、7.73ミリモル)を、マグネチックスターラを有する一つ口フラスコに入れた。この混合物を、乾燥ジオキサン(289mL)を加えることによって溶解した。蒸留したジエチルアミン(60μL)を添加した。得られた混合物を、室温で24時間機械的に撹拌した。この混合物にアセトン(116mL)を加え、この溶液をアセトン(173mL)と水(578mL)の混合物に徐々に注入した。この懸濁液を撹拌し、ろ過した。固形物をNMT45℃で減圧下に乾燥して、12.02gの保護コポリマー-1(収率94.7%)を得た。
【実施例2】
【0008】
ポリ[L-Ala、5-ベンジル-L-Glu、N6-TFA-L-Lys、L-Tyr]からポリ[L-Ala、L-Glu、N6-TFA-L-Lys、L-Tyr]へのベンジル基の脱保護
実施例1からの12.02gの保護コポリマー-1を、72mLの33% HBr/HOAcに懸濁させた。この混合物を室温で17時間撹拌し、この溶液は透明になった。この混合物を抽出し、n-ヘプタン(190mL)で洗浄した。この混合物の下層を、水(240mL)とn-ヘプタン(120mL)の混合物に移した。沈殿をろ過し、乾燥して、白色固体としてトリフルオロアセチルグラチラマーを得た。
【実施例3】
【0009】
ポリ[L-Ala、L-Glu、N6-TFA-L-Lys、L-Tyr]からポリ[L-Ala、L-Glu、L-Lys、L-Tyr]へのトリフルオロアセチル基の脱保護
実施例2からの9.5gのトリフルオロアセチルグラチラマーを、水(120.2mL)および40%水酸化テトラブチルアンモニウム/水(52.2mL、3当量)と室温で24時間反応させた。この混合物のpHを酢酸(20mL)によって3〜4に調整して、酢酸グラチラマー溶液を得、3キロダルトンの膜を用いて限外ろ過を行い、低分子量の不純物を除去した。連続水限外ろ過を2回繰り返した後、得られた生成物を濃縮し、凍結乾燥して、酢酸グラチラマー(コポリマー-1)を純粋な白色固体(4.7g、収率60%)として得た。
【実施例4】
【0010】
ペプチドスタンダード消化およびMS分析
コパキソンを80mM NH4HCO3で0.04mg/100μlに希釈し、トリプシン(1μg/100μl)で57℃において30分間消化した。MALDI/TOF/TOF(Autoflex III、Bruker Daltonics Corp.)。1μlの消化されたコパキソンと1μlのMALDIマトリックスα-CHC溶液との乾燥しかつ共結晶化した混合物で分析を行った。ペプチドを検出するために質量分析計により反射陽性モード(RP)と直線陽性モード(LP)を用いた。RPモードの高分解能分析結果に基づいて、TOF/TOF質量分析のために前駆体イオンを選択する。これは、他の試料と比較するフィンガープリントとしてのペプチド断片を示すペプチドスタンダードである。
【実施例5】
【0011】
他のペプチドの分析のための適用
上記実施例から合成されたコポリマー-1、3-NCA(N-カルボキシ無水物)および4-NCAと3つのタンパク質スタンダード(シトクロム C、リゾチームおよびHSA)を、検出し、上記実施例4の方法に従って分析した。3-NCAは、Lys、Glu、Tyrから3.5 : 1.45 : 1.0の当量比で構成されている。コパキソンとコポリマー-1を比較すると、3-NCAはアミノ酸のアラニンが欠けている。4-NCAは、Phe、Lys、Glu、Tyrから4.0 : 3.5 : 1.45 : 1.0の当量比で構成されている。4-NCAにおいて、コパキソン中の親水性Alaは、疎水性Pheで置換され、Pheは組成の最高比率を占めている(40%)。したがって、4-NCAは、水にほとんど溶解しない。
【実施例6】
【0012】
データ処理および統計解析
第1に、コパキソンとコポリマー-1試料の第1質量分析と第2質量分析からの信号を、FlexanalysisとBioToolsの質量分析ソフトウェアによって比較する(図1-9)。第2に、ClinProToolsソフトウェアを用いて、統計試験による一変量ピークランキングに基づくクラス分けのために処理した(図10および12)。最後に、主成分分析(PCA)法を用いて、参照標準と試料に対する質量分析からの結果の統計解析を処理した(図11および13)。分析ソフトウェアは、以下の通りである:
(a) Flexanalysis
FlexAnalysisは、MALDI-TOF画像解析と処理のためのBruker Daltonics Inc.製のソフトウェアである。
(b) BioToolsTM
BioToolsTMは、質量分析ベースのプロテオミクスを支持するBruker Daltonics Inc.製のソフトウェアである。これは、Bruker Daltonics ESIおよびMALDI機器で得られたタンパク質消化物またはペプチドの質量スペクトルを解釈するように設計されている。これは、また、データベース検索にインタフェースとして使用し得る。
(c) ClinProTools
ClinProToolsは、MALDI/TOF機器からタンパク質またはペプチドの主に質量スペクトルを処理するBruker Daltonics Inc.製の統計解析ソフトウェアである。ClinProToolsは、複数の数学的アルゴリズムと組み合わせて、統計とクラス分けのパターン認識モデルを作成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチドまたはポリペプチド混合物またはポリペプチド成分からなる生体分子の試料を質量分析および統計的手法を用いることにより確認し、比較しかつクラス分けする方法。
【請求項2】
方法が:
(a) 試料を適当な酵素または化学薬品でペプチド断片に消化するかまたは分解する工程;
(b) ペプチド断片を質量分析によって分析して、質量スペクトルを得る工程; および
(c) 質量スペクトルを統計的手法によって分析して、異なる試料をクラス分けしかつ区別する工程
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
適当な酵素が、溶液であるかまたは担体上に固定されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
担体が、マイクロメートルサイズまたはナノメートルサイズの粒子、カラム内部のコーティング、およびカートリッジ内の充填物からなる群より選ばれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
担体が、磁気であるかまたは磁気でない粒子である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
適当な酵素が、トリプシンまたは試料を消化することができる他の酵素である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
酵素が溶液に溶解されているかまたは粒子上に固定されているか、またはカラムの内部表面上に固定されているか、またはカートリッジ内の充填物上に固定されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
試料を分解するために用いられる化学製品が、有機酸、無機酸または塩基である、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
試料が、ポリペプチド混合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
試料が、コポリマー混合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
試料が、コパキソンである、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
質量分析計が、MSおよびMS/MS分析を行うことができる、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
試料を質量分析によって分析する方法であって:
(a) ペプチドスタンダードおよびペプチド試料を準備する工程;
(b) 試料およびペプチドスタンダードを適当な酵素または化学製品で消化する工程;
(c) 消化されたペプチド試料およびペプチドスタンダードを質量分析にかけて、2つの質量スペクトルを得る工程; および
(d) 2つの質量スペクトルを統計的手法によって比較しかつ分析する工程
を含む、前記方法。
【請求項14】
統計的手法が、主成分分析(PCA)である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
試料が、ポリペプチド混合物である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
試料が、コポリマーである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
コポリマーの組成が、10以下のアミノ酸を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
コポリマーが、酢酸グラチラマーである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
酢酸グラチラマーが、以下の工程:
(a) チロシン、アラニン、γ-ベンジルグルタミン酸およびN-トリフルオロアセチルリシンのN-カルボキシ無水物を重合して、保護ポリペプチドの混合物を形成する工程;
(b) 保護ポリペプチドを酢酸中の臭化水素酸の溶液で脱保護して、トリフルオロアセチルポリペプチドの混合物を形成する工程; および
c) トリフルオロアセチルポリペプチドの混合物とテトラブチルアンモニウムヒドロキシドとを反応させて、ポリペプチドの水性混合物を形成し、その各々が本質的にアラニン、グルタミン酸、チロシンおよびリシンからなるものである工程
を含むプロセスによって調製される、請求項18に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2a−1】
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【図2a−2】
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【図2b−1A】
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【図2b−1B】
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【図2b−2A】
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【図2b−2B】
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【図3a−1】
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【図3a−2】
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【図3b−1A】
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【図3b−1B】
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【図3b−2A】
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【図3b−2B】
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【図3c−1A】
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【図3c−1B】
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【図3c−2A】
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【図3c−2B】
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【図4a−1】
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【図4a−2】
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【図4b−1A】
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【図4b−1B】
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【図4b−2A】
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【図4b−2B】
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【図5a−1】
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【図5a−2】
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【図5b−1A】
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【図5b−1B】
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【図5b−2A】
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【図5b−2B】
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【図6a−1】
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【図6a−2】
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【図6b−1A】
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【図6b−1B】
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【図6b−2A】
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【図6b−2B】
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【図7a−1】
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【図7a−2】
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【図7b−1A】
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【図7b−1B】
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【図7b−2A】
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【図7b−2B】
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【図8a−1】
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【図8a−2】
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【図8b−1A】
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【図8b−1B】
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【図8b−2A】
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【図8b−2B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−526288(P2012−526288A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510002(P2012−510002)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/034006
【国際公開番号】WO2010/129851
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(503345569)サイノファーム タイワン リミテッド (18)
【Fターム(参考)】