ペルゴライドの経皮放出用新規製剤
【課題】パーキンソン病処置用のペルゴライドの安全でかつまた効果的な経皮投与の新規製剤を提供する。
【解決手段】身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを担体中に含有する組成物である。
【解決手段】身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを担体中に含有する組成物である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中でも、パーキンソン病処置用のペルゴライド(pergolide )の安全で、かつまた効果的な経皮投与に関する。さらに特に、本発明は、身体表面または膜を通して持続期間にわたり対象にペルゴライドを投与するための新規な方法、組成物およびデバイスに関する。好適態様としては、透過増進剤と組み合わせてペルゴライドの医薬として許容される塩を経皮共同投与することが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
ペルゴライド、8−[(メチルチオ)メチル]−6−プロピルエルゴリンはエルゴリン環系を基本構造とする化合物であり、この化合物は血漿プロラクチン濃度をまた減少させるドーパミン作用性作動薬であると報告されている。パーキンソン病の処置に使用される場合に、ペルゴライドはレボドーパ(levodopa)との組合わせ治療として使用される。
【0003】
米国特許第4,166,182号は、ペルゴライドの製造およびプロラクチンインヒビターとしておよびまたパーキンソン病処置におけるその経口または非経口投与を記載している(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0004】
ドイツ国特許出願DE4240798は、神経保護用のペルゴライドを包含するエルゴット誘導体含有医薬組成物を記載している(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。この組成物は経口投与、舌下投与、非経口投与、皮膚投与または鼻投与することができる。
【0005】
米国特許第4,797,405号は、光にさらされた場合の分解性が減少されている、安定化されたペルゴライド経口組成物を記載している(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0006】
ペルゴライドのドーパミン作用性作動薬としての効果は、パーキンソン病の処置に加えて、種々の処置にその用途をもたらす。一例として、米国特許第4,800,204号では、ペルゴライドなどの直接的ドーパミンレセプター作動薬を経口または非経口投与することによるタバコ使用のコントロール方法が検討されている(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0007】
米国特許第4,935,429号では、ペルゴライドなどのドーパミン作動薬を経口または非経口投与することによる神経刺激薬乱用の処置方法が検討されている(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0008】
米国特許第5,063,234号では、ペルゴライドなどのエルゴット誘導体を投与することによって、好ましくは経口投与することによって、骨の鉱物質除去作用を抑制する方法が検討されている(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0009】
パーキンソン病の処置におけるペルゴライドの経口投与は、最初の2日間の0.05mg/日の用量から開始される。この用量を次いで、引き続く12日間の治療期間の間、3日毎に0.1mg/日または0.15mg/日づつ次第に増量する。この用量は次いで、最適治療用量が約1.5〜8.0mg/日の範囲で得られるまで、3日毎に0.25mg/日づつ増量することができる。一般に、一日薬用量は3回の経口投与量に分けられる。経口投与による副作用には、これらに制限されないものとして、吐き気、嘔吐、めまいおよび起立性低血圧が包含される。
【0010】
医薬およびその他の生物学的活性剤(「薬剤」)の非経口投与の中の経皮経路は、速度制御ベースまたは非速度制御ベースによる広く種々の全身作用剤および局所作用剤のために提案されており、例えば下記の多くの技術刊行物に記載されている:米国特許第3,598,122号;同第3,598,123号;同第3,731,683号;同第3,797,494号;同第4,031,894号;同第4,201,211号;同第4,286,592号;同第4,314,557号;同第4,379,454号;同第4,435,180号;同第4,559,222号;同第4,568,343号;同第4,573,995号;同第4,588,580号;同第4,645,502号;同第4,704,282号;同第4,788,062号;同第4,816,258号;同第4,849,226号;同第4,908,027号;同第4,943,435号および同第5,004,610号(これらの特許の全部を引用してここに組入れる)。パーキンソン病処置用の関連化合物であるリスライド(lisuride)の経皮投与は、米国特許第5,252,335号および同第5,229,129号に記載されている(これらの特許の全部を引用してここに組入れる)。
【0011】
近年1960年代に最初に詳細に検討された時点で、経皮投与経路は、特に短い半減期を有し、従って頻繁な反復投与を必要とするか、または経口投与された場合に肝臓により高度の一次通過(first-pass)代謝を被る薬剤に対して、かなりの利点を提供するものと見做された。短い半減期を有する薬剤の頻繁な定期的投薬から生じる血中濃度のピークと谷間が回避され、その代わりに実質的に一定の血漿濃度が得られる。これは個人的承諾を改善するばかりでなく、また定期的投与が付随する、交互に現れる副作用が大きい期間と無効果血中濃度の期間を無くす。皮膚を通し直接血流中への薬剤の投与はまた、経口投与薬剤の一次通過代謝を回避させる。
【0012】
初期には理論的に、高い効力および皮膚透過性を有する半減期が短い薬剤はすべて、安全で効果的な経皮投与に適するものと見做された。しかしながら、この仮説は真実であるとは証明されていない。
【0013】
投薬口としてのその潜在能力に関する初期予想を満すための経皮経路の欠点は主として、皮膚が身体中への異物の侵入を防止する一次障壁として機能することができる性質を備えているとともに、格別に各種の性質を有する点にある。Transdermal Drug Delivery:Problems and Possibilities,B.M.Knepp等、CRC Critical Reviews and Therapeutic Drug Carrier System,Vol.4,Issue 1(1987)参照。
【0014】
従って、経皮投与経路は高い効力および皮膚透過性を有する半減期が短い薬剤にそれぞれ使用することができるけれども、この経路はその大部分が予想外であるホストの特性と適当に組合わされている特性を有する数少ない薬剤に利用できるのみであり、薬剤を安全で効果的な経皮投与に適するものにする必要があることが見出されている。
【0015】
これらの特性の中で最も重要な特性は下記の特性である:
1.皮膚透過性:薬剤に対する皮膚の透過性は、薬剤を皮膚の約200cm2よりも広くなく、好ましくは約50cm2よりも広くない面積を通して治療有効速度で投与することができるのに充分に高くなければならない。類似部位における皮膚透過性の個人差も考慮されなければならない。
【0016】
2.皮膚結合性:経皮放出デバイスの下の皮膚は或る量の薬剤を吸収、吸着または結合することによって、医薬の皮膚貯蔵庫を作り出す能力を有する。薬剤を安定した治療有効速度で血流中に放出させることができる前に、このような結合量の薬剤を皮膚に供給しなければならない。大量の薬剤が皮膚に結合した場合には、治療効果の発現の格別の遅延[「遅延時間」(lag time)]が、当該デバイスを取り除いた際に見られる効果の対応する遅延および中断とともに見出される。また、デバイス下の皮膚内に毒性量の有効薬剤が含有されて存在する可能性もある。皮膚結合は皮膚透過性とは無関係である。高透過性を有する薬剤はまた、高結合性を有することもあり、薬剤をそれらの意図する用途に不適応にするのに充分に長い遅延時間を生じさせることがある。
【0017】
3.刺激性:皮膚、特に閉塞状況に維持されている皮膚は、かなりの局所施用された物質と反応して、不快な発熱感、チクチクした痛みおよびズキズキした痛みを伴う水泡形成または発赤を生じさせる。刺激について分別するには動物モデルが使用される。しかしながら、動物モデルはしばしば、誤った陽性および誤った陰性の両方を生じる。刺激に対する感受性には、広範な個人差もある。安全で効果的な経皮投与に適するものであるためには、薬剤は潜在的個人集団の中の大きい割合の個人に対して最小の刺激性を有していなければならない。
【0018】
4.感作性:感作は薬剤が皮膚に最初に適用された時点で生じ、かつまた直後に、あるいは長期間の表面的には無害な露呈の後に生じることもある連続露呈により誘発されるアレルギー反応である。
【0019】
感作は局所的露呈により誘発される局所的なものであることもあり、この場合には適用部位のズキズキした痛み、チクチクした痛み、発赤および水泡形成を伴う接触皮膚炎症としてそれ自体現れる。さらに重大な場合に、感作は全身的であることもあり、これは局所適用により誘発されるが、適用部位以外の部位でもさらに一般的なアレルギー反応によってそれ自体現れる。最も重大な場合には、全身的感作が医薬の経口投与または静脈投与によって誘発されることもある。この全身的感作が生じると、その個人はいかなる投与経路をもっても当該医薬を受け入れることができない。
【0020】
感作について分別するには動物モデルが使用される。しかしながら、動物モデルは、誤った陽性および誤った陰性の両方を生じる。アレルギー反応に対しては広範な個人差があり、かつまた性別、人種および皮膚の種類の間の差異もある。有用な経皮用薬剤は潜在的個人集団の中の大割合に対して最小の感作性を有していなければならないことは明白である。
【0021】
5.薬物動態学的性質:薬剤の半減期は、投与された量の半分が身体から排除される投与後の期間である。連続投与される薬剤の血中濃度は、ほぼ6半減期の間増加を続け、その後安定状態の一定の血中濃度に達するから、薬剤は連続経皮投与に適する比較的短い半減期を有していなければならない。大部分の薬剤は、その経皮半減期が測定されていない。静脈投与から測定された薬剤の半減期を経皮投与から測定された半減期と比較すると、経皮半減期は一般に、長いが、年齢、性別、健康状態および身体のタイプなどの因子に基づいて、半減期は個人間で広く変化する。
【0022】
6.薬力学的性質:一定の血中レベルが所望の治療効果を生じないこともある。例えば、治療効果が全薬用量を一度に投与して得られたピーク血中濃度でのみ見出される場合があり、このピーク血中濃度はそれが付随する副作用のために維持することはできない場合がある。また、かなり多くの薬剤は連続投与すると、或る薬剤が存在しない期間を持つか、または連続的に増量することを必要とする、すなわち薬剤の潜在的有害薬用量に増量することを必要とすることがある耐性を生じる。
【0023】
7.効力:有効であるためには、或る程度の効力が経皮投与薬剤に要求されるが、薬剤が強力すぎることもある。効力が増大するにしたがい、低い血中濃度が要求され、格別に少量で投与しなければならなくなる。正常な個人差および皮膚透過性から、例えば各個人が1μg/時間を受容するかまたは2μg/時間を受容するかを正確に制御することはできない。高効力の薬剤の場合に、1μg/時間の投与は総体的に無効であり、かつまた2μg/時間は致死量であることもある。従って、薬剤の治療指数、すなわち治療性血中濃度に対する毒性血中濃度の比は、格別に重要になる。高効力の薬剤はまた、経皮投与に適するためには比較的広い治療ウインドを有するべきである。
【0024】
8.代謝:経皮投与に見出されている利点の一つは、経口投与が付随する肝臓による薬剤の「一次通過」(first-pass)代謝を回避できる点にあった。しかしながら現在では、皮膚もまた、かなりの医薬にとって身体の大型代謝器官であると認識されている。従って、経口投与された薬剤が血流中に入った後に生じる一次通過代謝は回避できるけれども、薬剤が血流中に入る前に生じる皮膚代謝を回避することはできない。皮膚代謝は、不活性であるか、刺激性であるか、毒性であるか、あるいは当該薬剤の生物学的活性に匹敵する活性を有する代謝産物を生成する可能性がある。経皮投与に適する薬剤は連続投与によるその治療的使用に適応する代謝性質を有していなければならない。
【0025】
上記記載は、今日まで認識されていた経皮投与用薬剤の適合性を得るための主要特性を要約して示すものである。そのうちの幾つかはいまだ認識されておらず、その薬剤が経皮投与用薬剤として適するものであるためには、これら全部の特性を正しい組み合わせで有していなければならず、その組み合わせは、現時点で経皮放出デバイスからの投与に適するものとされている非常に数少ない医薬によって例示されるているように、全く稀れであって、かつまた予想できないものであることに疑いの余地はない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0026】
発明の要旨
ペルゴライトが塩基または塩として有意の治療速度で皮膚を通して放出されることは予想外のことである。何故ならば、その化学名、8−[(メチルチオ)メチル]−6−プロピルエルゴリン モノメタンスルホネート)]が示しているように、この化合物はそれ自体を皮膚などの生物学的膜を通して容易に浸透しないものとする複雑な化学構造を有するからである。さらにまた、医薬として許容される塩の形態のペルゴライドを含有する経皮剤型が、遊離塩基の形態の剤型に比較して、ペルゴライドのより大きい皮膚通過流動性をもたらすことは予想外のことである。
【0027】
それにもかかわらず、本発明に従い、ペルゴライドを安全で、効果的に経皮投与することができ、中でも、減少された副作用発生率および改善された個人的寛容性をもってパーキンソン病の処置に提供できることが見出された。さらに、本発明はペルゴライドの経皮放出方法およびこの方法を実施するための放出系を提供し、これらの系は身体表面または膜を連続的に通してペルゴライドを投与し、各個人に治療量のペルゴライド血漿レベルを付与するのに適している。本発明の特に有利な点は、延長された期間にわたり各個人に実質的に一定のペルゴライド血漿レベルを維持することができる点にある。
【0028】
驚くべきことに、本発明者等は、医薬として許容される塩の形態のペルゴライドを含有する経皮剤型が、ペルゴライド遊離塩基を含有する剤型に比較して、ペルゴライドのより大きい皮膚通過流動性をもたらすことを見出した。この事実は、経皮投与について試験された薬剤の大部分について、非イオン化形態の医薬に対する皮膚透過性が一般に、イオン化形態の医薬に比較して実質的に大きいという従来の認識に反しており、従って多量の従来技術の発見に反している。従って、好適態様は、ペルゴライドの医薬として許容される塩、好ましくはペルゴライドメシレートを透過増進剤とともに含有する経皮放出デバイスの貯蔵体を提供することに関する。
【0029】
本明細書で使用されているものとして、「経皮」の用語は、経皮または経粘膜投与を意味する、すなわちペルゴライドが完全な破壊されていない皮膚または粘膜組織を全身循環系に向かって通過することを意味する。
【0030】
本明細書で使用されているものとして、「ペルゴライド」の用語は、塩基形態のペルゴライドばかりでなく、また医薬として許容される塩の形態のペルゴライドを意味する。
【0031】
本明細書で使用されているものとして、「塩」の用語は、これらに制限されないものとして、クロライド、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびメシレートなどの医薬として許容される塩を表わす。
【0032】
本明細書で使用されているものとして、「ペルゴライド治療」の用語は、ペルゴライドが指示されるか、または指示されることがある医療状態の全部を表わし、これらに制限されないものとして、パーキンソン病、偏頭痛、アレルギー性反応、じんま疹、高血圧、子宮内膜炎およびその他のドーパミン作用作動体と組合わされている疾患の処置および精神興奮剤としての使用が包含される。
【0033】
本明細書で使用されているものとして、「個人」の用語は、生きている哺乳動物を意味し、これらに制限されないものとして、ヒトおよびその他の霊長目、家畜類、およびスポーツ用動物、例えばウシ、ブタおよびウマ、ならびにネコおよびイヌなどのペット動物を包含する。
【0034】
本明細書で使用されているものとして、「治療的血漿レベル」の用語は、ペルゴライドの治療効果を達成する血漿レベルを意味し、代表的には、約100pg/ml〜2000pg/mlの範囲である。
【0035】
本明細書で使用されているものとして、「治療有効速度」の用語は、投与期間中、個人においてペルゴライドの治療的血漿レベルを得るのに有効なペルゴライドの放出速度を意味する。
【0036】
本明細書で使用されているものとして、「持続した期間」または「投与期間」の用語は、少なくとも約8時間を意味し、代表的には約1日〜約7日間の範囲の期間を意味する。
【0037】
本明細書で使用されているものとして、「皮膚の既定の領域」の用語は、完全な破壊されていない皮膚または粘膜組織の一定の領域を意味するものとする。この領域は通常、約1cm2〜約100cm2の範囲である。
【0038】
本明細書で使用されているものとして、「透過増進剤」の用語は、ペルゴライドに対する皮膚の透過性を増大させる物質またはこのような物質の混合物を意味する。
【0039】
本明細書で使用されているものとして、「透過増進」の用語は、透過増進剤の不存在下におけるペルゴライドに対する皮膚の透過性に比較して、透過増進剤の存在下におけるペルゴライドに対する皮膚の透過性の増大を意味する。
【0040】
本発明は、中でも、パーキンソン病の処置において、ペルゴライドを経皮投与するための組成物、デバイスおよび方法に関する。本発明に従い、ペルゴライドを効果的な治療成果を得るために既定の持続した期間にわたり治療有効速度でもって、安全で、効果的に身体表面または膜を通して経皮投与することができることが見出された。本発明のもう一つの態様は、ペルゴライドを適当な透過増進剤または増進剤混合物とともに経皮投与することに関する。
【0041】
本発明による系は、選択された皮膚またはその他の身体部位にペルゴライドまたはペルゴライド−および透過増進剤を透過関係で配置させるのに適合した担体またはマトリックスを含有する。この担体またはマトリックスは、投与期間中、これらの部位にペルゴライドを治療有効速度で連続投与するのに充分な量のペルゴライドを含有する。もう一つの態様において、この担体またはマトリックスは、投与期間中、これらの部位にペルゴライドを透過増進剤とともに治療有効速度で連続的に共同投与するのに充分な量のペルゴライドおよび透過増進剤を含有する。
【0042】
本明細書に包含され、その一部を構成する添付図面は本発明の態様を例示するものであり、明細書中の説明と一緒になって、本発明の原則を説明するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
発明の詳細な説明
本発明に従い、中でも、パーキンソン病の処置の目的で、単独投与または適当な増進剤と共同投与した場合に、ペルゴライドを経皮経路により治療有効速度でヒト身体に投与できることが見出された。本発明に従い、100pg/ml〜2000pg/mlの治療的血漿レベルを達成することができる。ヒト皮膚を通るペルゴライドのインビトロ皮膚流量は代表的に、ペルゴライドの形態(塩基または塩)、透過増進剤、およびイン−ライン接触接着剤が医薬流動経路に存在するか否かに依存して、0.1〜8.0μg/cm2・時間の範囲にある。本発明によれば、ペルゴライドは少なくとも約1.0μg/cm2・時間の流量で投与されると好ましい。
【0044】
最初の貼付剤の施用後の約5〜10時間以内に、治療的血漿レベルを達成できるものと推定される。引き続いて次の系を施用すると、前に施用された系からの残留ペルゴライドの皮膚蓄積物の存在によって、ペルゴライドが放出されない遅延時間は体験されず、従ってペルゴライドは引き続く系の適用によって連続的に投与され、持続した期間にわたりペルゴライドの治療的血漿レベルが維持される。この系はより短い持続時間またはより長い持続時間に容易に適合させることができるが、一般に72時間が一回の処置の好適持続時間である。
【0045】
流量に無関係に、経皮放出デバイスの表面積を増加または減少させることによって、所望のペルゴライド投与速度を得ることができる。一例として、1.1μg/cm2・時間のペルゴライド皮膚流量の場合に、約60cm2の表面積を有する貼付剤は、24時間の期間にわたり約1.6mgのペルゴライドを放出する。
【0046】
ペルゴライド投与速度はまた、透過増進剤の使用によって皮膚を通過するペルゴライド流量を増加させることにより増大させることもでき、このような透過増進剤には、これらに制限されないものとして、モノグリセライド類、例えばグリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエートまたはグリセロールモノリノレート;乳酸エステル類、例えば乳酸ラウリル、ラウリン酸メチル、乳酸カプロイル、ラウラミドジエタノールアミン(LDEA)、ジメチルラウラミド、ポリエチレングリコール−4ラウリルエーテル[ラウレス(Laureth)−4]およびエタノールが包含され、これらは単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして使用される。本発明の態様はまた、上記透過増進剤の少なくとも1種を共同放出させ、ペルゴライドの経皮放出を補助することに関する。
【0047】
本発明者等はまた、経皮ペルゴライド治療系に使用された場合に、インライン接触接着剤として或る種の接着剤が好適であることを見出した。さらに特に、インライン接触接着剤としてポリイソブチレン接着剤を使用する系が、その他の接着剤、例えばアクリレート接着剤を使用した場合に比較して、皮膚を通過するペルゴライドの流量を増加させることを見出した。
【0048】
従ってその一態様において、本発明は身体表面または膜を治療有効速度で透過させることによって、身体表面または膜にペルゴライドを放出投与するための組成物に関し、この組成物は少なくとも約8時間の投与期間にわたり、治療有効速度でのペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドを担体中に含有する。この投与期間内にペルゴライド放出の治療有効速度は個人において、ペルゴライド治療的血漿レベルを達成する。
【0049】
もう一つの態様は、身体表面または膜を通って治療有効速度で透過することによって、身体表面または膜にペルゴライドを放出投与するための組成物に関し、この組成物は下記の成分を組合わせて含有する:
(a)治療有効量のペルゴライド;および
(b)透過増進量の透過増進剤。
【0050】
この組成物中には、0.1〜20重量%の範囲の量で医薬を存在させることができる。
【0051】
本発明は皮膚を経由するペルゴライドの投与に特に有用であることが見出される。しかしながら、粘膜を経由するペルゴライドの投与にもまた有用である。本発明に従い、ペルゴライドは、相当する身体表面に対して医薬または医薬および透過増進剤−透過関係で、好ましくは医薬上で許容される担体中に配置されて、所望の投与期間にわたりその場所に保持される。
【0052】
ペルゴライドおよび使用した場合に、透過増進剤は代表的に、以下でさらに詳細に説明する生理学的適応性を有するマトリックスまたは担体内に分散させる。これは軟膏、ゲル、クリーム、座薬または舌下錠または口腔錠として身体に直接に施用することができる。皮膚に直接適用される液体、軟膏、ローション、クリームまたはゲルの形態で使用する場合に、必須ではないが、投与部位を閉塞すると好ましい。このような組成物はまた、別種の透過増進剤、安定剤、染料、稀釈剤、顔料、ベヒクル、不活性充填剤、賦形剤、ゲル化剤、血管収縮剤、およびその他の局所用組成物に当技術で公知の成分を含有することができる。
【0053】
別の態様において、ペルゴライドは、透過増進剤とともに、または透過増進剤の不存在下に、以下でさらに詳細に説明する経皮デバイスから投与することができる。適当な経皮放出デバイスの例は図1〜4に示されている。これらの図において、同一のまたは類似の部分を示すために、同一参照番号が各図を通して使用されている。これらの図面は大きさを示すものではない。
【0054】
ここで図1を引用すると、この本発明による経皮治療系の好適態様は、好ましくはペルゴライドおよび使用した場合に、透過増進剤をそこに分散して含有するマトリックスの形態である貯蔵体12を備えた経皮放出デバイス10からなる。貯蔵体12は、裏打ち層14とインライン接触接着剤層16との間に挟まれている。このデバイス10は、この接着剤層16により皮膚の表面18に接着させる。この接着剤層16は任意に、透過増進剤および(または)ペルゴライドを含有することができる。接着剤層16の露出している方の表面に沿って剥離できるライナー(図1では示されていない)がまた通常備えられており、これはデバイス10を皮膚18に適用する直前に取り除く。場合により、貯蔵体12と接着剤層16との間に、速度−制御膜(図示されていない)を存在させることもできる。本発明の好適態様では、図1に示されているようにインライン接着剤を使用するが、当該系を皮膚に保持する別の手段を採用することもできる。このような手段には、当該系から皮膚への医薬の通路の外側に存在する接着性の周囲を取り巻くリングが包含され、または別種の固定手段、例えばバックル、ベルトおよび弾性のアームバンドの使用が包含される。
【0055】
別の態様が図2に示されており、この経皮治療デバイス20は接着性上塗り層22によって個人の皮膚または粘膜に付着させることができる。デバイス20は、好ましくはペルゴライドおよび使用した場合に、透過増進剤をそこに分散して含有するマトリックスの形態である貯蔵体12を備えている。裏打ち層14を貯蔵体12の一面に隣接して付与する。接着性上塗り層22は当該デバイスを皮膚の上に保持するものであり、デバイスの残りの部分と一緒に形成することができ、またはデバイスの残りの部分とは分離して付与することもできる。或る製剤の場合に、接着性上塗り層22は好ましくは、図1に示されているようにインライン接触接着剤16であることができる。裏打ち層14は好ましくは、貯蔵体12よりも僅かに大きくする、こうすることによって貯蔵体12中の物質が上塗り層22中の接着剤と有害に反応することが防止される。場合により、貯蔵体12の皮膚に近い方の部位上に速度制御膜(図2では示されていない)を用意することもできる。デバイス20はまた、剥離できるライナー24を備えており、これはデバイス20を皮膚に適用する直前に取り除く。
【0056】
図3において、経皮放出デバイス30は、図1について記載されているものと実質的に同一のペルゴライドおよび透過増進剤貯蔵体12(「ペルゴライド貯蔵体」)を備えている。透過増進剤貯蔵体26(「透過増進剤貯蔵体」)は、その全体に透過増進剤を分散して含有しており、かつまた第一の貯蔵体と平衡して、飽和濃度または飽和以下の濃度でペルゴライドを含有する。増進剤貯蔵体26は、ペルゴライド貯蔵体12の形成に使用されたマトリックスと実質的に同一のマトリックスから形成すると好ましい。増進剤貯蔵体26からペルゴライド貯蔵体12への透過増進剤の放出速度を制御するための速度制御膜28を、これら2つの貯蔵体間に配置する。ペルゴライド貯蔵体12から皮膚への増進剤の放出速度を制御するための速度制御膜(図3では示されていない)を場合により使用することができ、これは接着剤層16と貯蔵体12との間に存在させることができる。
【0057】
この速度制御膜は、放出デバイス中への、および放出デバイスからの薬剤の速度を制御することが当技術で知られており、かつまた医薬貯蔵体12の透過性よりも低い透過増進剤に対する透過性を有する透過性、半透過性または微孔性材料から形成することができる。適当な材料には、これらに制限されないが、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、エチレンn−ブチルアセテートおよびエチレンビニルアセテートコポリマーが包含される。
【0058】
デバイス30の増進剤貯蔵体26の上には、裏打ち層14が積層されている。皮膚に適用する前のデバイス30は、貯蔵体12の皮膚に近い方の面上に、取り除くことができる剥離可能なライナー24を備えている。
【0059】
図1、2および3の態様において、貯蔵体の担体またはマトリックス材料は、漏出または流出することなく、その形状を維持するのに充分な粘度を有する。しかしながら、このマトリックスまたは担体が低粘度の流動性材料である場合には、この組成物は、例えば米国特許第4,379,454号(前記参照)から当技術で公知であり、図4に示されているようなポーチまたはポケット内に完全に包まれていることができる。図4に示されているデバイス40は裏打ち層14を備えており、この裏打ち層14はデバイスの保護カバーとして働き、その構造を支持し、かつまたデバイス中の成分がデバイスから逃出さないように実質的に保持する役目を果たす。デバイス40はまた、貯蔵体12を備えており、この貯蔵体12は透過増進剤とともにまたは透過増進剤の不存在下に、ペルゴライドを含有し、かつまたその表面上に裏打ち層14から距離をおいてペルゴライドおよび(または)透過増進剤の放出を制御するための速度制御膜28を有する。この裏打ち層14の外側縁端は貯蔵体12の縁端の上に重ねられ、かつまた速度制御膜28の外側縁端の周囲に沿って結合されており、流体に対する閉鎖配置をとっている。この貯蔵体の封鎖は、加圧、融解、接着およびこれら縁端への接着剤の適用によって、あるいは当技術で公知の方法によって行うことができる。この方法で、貯蔵体12は裏打ち層14と速度制御膜28との間全体に含まれる。速度制御膜28の皮膚に近い方の面上には、接着剤層16およびデバイス40の皮膚への適用以前には、取り除くことができる剥離可能なライナー24が備えられている。
【0060】
図4のデバイス40の別の態様では、貯蔵体12は透過増進剤を含有し、かつまた飽和濃度または飽和以下の濃度でペルゴライドを含有する。接着剤層16にも、ペルゴライドおよび追加量の透過増進剤を存在させ、この層をもう一つの貯蔵体として働かせる。
【0061】
ペルゴライドは透過増進剤とともにまたは透過増進剤の不存在下に、軟膏、ゲル、クリームまたはローションの形態でヒトの皮膚または粘膜に直接施用することによって投与することができるが、ペルゴライドまたはペルゴライドおよび透過増進剤の飽和または不飽和組成物を含有する皮膚貼付剤またはその他の経皮放出デバイスから投与すると好ましい。この組成物はまた、水性または非水性ベースであることができる。この組成物はペルゴライドが要求される流量で放出されるようにデザインされるべきである。水性組成物は代表的に、水または水/エタノールおよび約1〜5重量%のゲル化剤からなり、ゲル化剤の例にはヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性ポリマーがある。代表的非水性ゲルは、液状シリコーンまたは鉱油を含有する。鉱油ベースのゲルはまた、代表的にコロイド状二酸化ケイ素などのゲル化剤1〜2重量%を含有する。特定のゲルの適合性はその構成成分と医薬および使用されている場合に、透過増進剤混合物、ならびに製剤中のすべての他の成分との適合性に依存する。
【0062】
貯蔵体マトリックスは、医薬および透過増進剤ならびにすべての担体と適合しなければならない。ここで使用されているものとして、マトリックスの用語は或る形状に固定されている充分に混合されている諸成分の複合体を意味する。
【0063】
水性ベース組成物を使用する場合に、貯蔵体マトリックスは好ましくは、親水性ポリマー、例えばヒドロゲルである。
【0064】
非水性ベース組成物を使用する場合に、貯蔵体マトリックスは好ましくは、疎水性ポリマーから構成する。適当なポリマーマトリックスは経皮医薬放出において周知であり、例として前記特許中に挙げられており、これらの記載を引用してここに組入れる。代表的積層系は基本的に、例えば米国特許第4,144,317号に記載されているもののような、好ましくは約9%から約60%までの範囲のビニルアセテート(VA)含有量を有する、さらに好ましくは約9%〜40%のVAを有するエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーなどのポリマー膜および(または)マトリックスからなる。高分子量ポリイソブチレン4〜25%および低分子量ポリイソブチレン20〜81%および残量のオイル、例えば鉱油またはポリイソブテンを含有するポリイソブチレン/オイルポリマーをマトリックス材料として使用することもできる。
【0065】
治療性デバイス中に存在させ、効果的な治療効果を得るのに必要なペルゴライドの量は、例えば処置する特定の指示に要するペルゴライドの最低用量、マトリックスの溶解性および透過性、透過増進剤、接着剤および存在する場合に、速度制御膜の存在にかかわる考慮、およびまたデバイスを皮膚に固定する期間などの多くの因子に依存する。ペルゴライドの最低用量は指定の適用期間にわたり所望の放出速度を維持するのに充分な量のペルゴライドをデバイス中に存在させるという要件によって決定される。安全の目的に対する最高用量はペルゴライドの存在量が毒性レベルを越えることができないという要件によって決定される。
【0066】
ペルゴライドは通常、飽和過剰濃度でマトリックスまたは担体中に存在させる。この過剰量は当該系の所望の放出期間の関数である。しかしながら、ペルゴライドはまた、所望の治療成果を提供する治療有効量のペルゴライドを放出させるのに充分な治療速度および期間で皮膚または粘膜部位に連続投与されるかぎり、本発明から逸脱することなく、飽和以下のレベルで存在させることもできる。
【0067】
本発明に有用な透過増進剤はペルゴライドと両立でき、かつまた医薬とともに使用者の皮膚に投与された場合に、この医薬に対する皮膚の透過性を増進させる化合物から選択される。さらにまた、透過増進剤は、存在する場合に、インライン接触接着剤と有害に反応しないものでなければならない。このような透過増進剤は、これらに制限されないものとして、エタノールまたはイソプロパノールなどのC2−4アルコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ラウレス(Laureth)−4、乳酸エステル類、例えば乳酸ラウリル、ジメチルラウラミド、LDEA、乳酸カプロイル、炭素原子約10〜約20個を有する脂肪酸のエステル類、例えばラウリン酸メチル、および脂肪酸のモノグリセライドまたはモノグリセライドの混合物を包含し、これらは単独でまたは相互に組合わせて使用することができる。
【0068】
本発明による好適透過増進剤は、グリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを包含する。ラウリン酸メチルは、高純度で入手でき、従ってより純粋で、かつまたより良好な一定の透過増進剤および容易に特徴付けることができる系を提供することから、特に望ましいことが見出された。さらにまた、本発明者はグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含有するペルゴライド貯蔵体に鉱油を添加すると、ペルゴライド皮膚流量に対して驚くべき相乗効果が得られることを見出した。特に好ましい態様において、グリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油の比率は0.75/1.0/0.50である。本明細書で使用されているものとして、「鉱油」の用語は液状石油炭化水素の混合物を表わす。この鉱油の代わりに、ポリブテンを使用することもできる。
【0069】
代表的に、モノグリセライド類は、その1種のモノグリセライドが主成分である脂肪酸のモノグリセライドの混合物として入手でき、この混合物の名称はこの主成分から誘導される。例えば、市販されているモノグリセライドの1種にエメレスト(Emerest)2421グリセロールモノオレエート(Emery Division、 Quantum Chemical Corp.)があり、これは58%のグリセロールモノオレエート含有量および58%の総モノエステル含有量を有するグリセロールオレエートの混合物である。市販のモノグリセライドの別の例には、61%のグリセロールモノオレエート含有量および93%の総モノエステル含有量を有するマイベロール(Myverol)1899Kグリセロールモノオレエート(Eastman Chemical Products)および68%のグリセロールモノリノレート含有量および90%の最低総モノエステル含有量を有するマイベロール(Myverol)1892Kグリセロールモノリノレートがある。このモノエステルは炭素原子10〜20個を有するものから選択される。この脂肪酸は飽和または不飽和であることができ、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびパルミチン酸を包含する。モノグリセライド透過増進剤は、例えばグリセロールモノオレエート、グリセロールモノラウレートおよびグリセロールモノリノレートを包含する。本発明の現時点で好適な態様において、この透過増進剤はモノグリセライドとして、グリセロールモノラウレートを含有する。
【0070】
約65%よりも少ない総モノエステル含有量を有するグリセロールモノオレエートは公知接着物質と、当該接着剤が放出デバイスを皮膚に保持する機能を果たすことができないほど有害に反応することが知られている。従って、インライン接着剤が本発明のデバイスの1部として存在する場合には、透過増進剤は接着剤を通過させなければならず、かつまた透過増進剤としてグリセロールモノオレエートが使用される場合には、このグリセロールモノオレエートは少なくとも65%の総モノエステル含有量を有していなければならない。
【0071】
透過増進性混合物は、好ましくは予想される投与期間全体にわたり貯蔵体内に透過増進量の増進剤を提供するのに充分な濃度で、マトリックスまたは担体全体中に分散させる。図3および4に示されているように、追加の分離した透過増進剤マトリックス層が存在する場合に、この分離した貯蔵体内には通常、飽和過剰量の透過増進剤を存在させる。
【0072】
ペルゴライドおよび透過増進剤に加えて、マトリックスまたは担体はまた、染料、顔料、不活性充填剤、賦形剤および当技術で公知の経皮デバイスに慣用のその他の成分または医薬成分を含有することができる。
【0073】
個人毎におよび同一身体部位の部位毎に、皮膚透過性は広く変化することから、透過増進剤とともに、または透過増進剤の不存在下に、ペルゴライドは速度制御経皮放出デバイスから投与されると好ましいことがある。この速度制御は、速度制御膜または接着剤によって、あるいはその両方によって、およびまたその他の手段により得ることができる。
【0074】
或る量のペルゴライドは皮膚と可逆的に結合する。従って、デバイスの皮膚接触層が、この量のペルゴライドを付加用量として含有すると好ましい。
【0075】
本発明のデバイスの表面積は、約1〜200cm2で変えることができる。しかしながら、代表的デバイスは、約1〜50cm2、好ましくは約20cm2の表面積を有する。
【0076】
本発明のデバイスは数時間から7日間またはそれ以上までの延長された期間にわたりペルゴライドを効果的に放出するようにデザインすることができる。皮膚部位の閉塞による有害な作用が時間経過とともに増大することおよび皮膚細胞の脱却と復元の正常サイクルが約7日間であることから、7日間は一般に、1個のデバイス適用の最長時間限界である。
【0077】
好ましくは、この経皮医薬放出デバイスは上記のとおりの充分な量の透過増進剤およびペルゴライドを組合わせて含有し、投与期間中、治療有効速度で皮膚を通してペルゴライドを全身に放出し、これにより治療的血漿レベルが達成される。
【0078】
好ましくは、治療有効速度でペルゴライドを経皮投与するためのデバイスは、下記の構成を有する:
(a)(i)ペルゴライド1〜15重量%、
(ii)透過増進剤10〜70重量%、
(iii)9〜60%のビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート10〜70重量%
からなる貯蔵体;
(b)この貯蔵体の皮膚から遠位の表面を支持している裏打ち層、
および
(c)皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段。
【0079】
より好ましくは、治療有効速度でペルゴライドを経皮投与するためのデバイスは、下記の構成を有する:
(a)(i)ペルゴライドの医薬として許容される塩1〜15重量%、
(ii)透過増進剤10〜70重量%、
(iii)9〜40%のビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート45〜85重量%
からなる貯蔵体;
(b)この貯蔵体の皮膚から遠位の表面を支持している裏打ち層、
および
(c)皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段。
【0080】
最も好ましくは、治療有効速度でペルゴライドを経皮投与するためのデバイスは、下記の構成を有する:
(a)(i)ペルゴライドメシレート1〜15重量%、
(ii)グリセロールモノラウレート1〜35重量%、
(iii)ラウリン酸メチル1〜35重量%、
(iv)鉱油1〜35重量%、
(v)30〜40%のビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート45〜80重量%
からなる貯蔵体;
(b)この貯蔵体の皮膚から遠位の表面を支持している裏打ち層、
および
(c)皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段。
【0081】
この裏打ち層は呼吸できる材料または閉塞性材料であることができ、例えばポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはエチレンビニルアセテート膜であることができる。鉱油が使用される場合には、ポリエステル裏打ち層が好適である。エチレンビニルアセテートが裏打ち層として使用される場合には、そのビニルアセテート含有量は33%または40%であると好ましい。
【0082】
皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段は好ましくは、以下の例に記載されているように、ポリイソブチレン接着剤である。本発明のもう一つの態様は、この接着剤中に少量のペルゴライド、例えば約1.0〜約5重量%のペルゴライドを含有するものに関する。
【0083】
前記特許には、本発明による経皮ペルゴライド放出系の各種層または成分の生成に使用することができる広く種々の物質が記載されている。従って、本発明は、本明細書に詳細に記載されている物質以外の、以後必要な機能を果たすことができることが当業者に知られるようになる物質を包含する物質の使用を包含する。
【0084】
本発明はまた、個人に実質的に一定のペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間をとおして治療有効速度でペルゴライドを個人に連続投与する方法に関する。
【0085】
本発明のもう一つの方法は、個人にペルゴライドの治療的血漿レベルを達成し、これを維持するために、皮膚透過増進量の透過増進剤とともにペルゴライドを治療有効速度で経皮共同投与する方法に関し、この方法は、
(a)身体表面または膜にペルゴライドおよび(b)透過増進剤を共同投与することからなり、ここでペルゴライドは個人にペルゴライドの治療的血漿レベルを達成し、これを維持するために、投与期間をとおして治療有効速度で供給される。ペルゴライドおよび透過増進剤は上記デバイスおよび組成物を用いて身体表面または膜に投与することができる。
【0086】
本発明の好適態様はパーキンソン病の処置方法を包含する。パーキンソン病の処置に有用であるためには、ペルゴライドは約100pg/ml以上の血漿濃度、好ましくは約300pg/ml以上の血漿濃度、最も好ましくは約1000pg/ml以上の血漿濃度で存在させるべきである。この結果を達成するためには、ペルゴライドは、通常約12時間ないし7日間の処置期間をとおして、少なくとも約100μg/時間、代表的には少なくとも125μg/時間、さらに典型的には少なくとも約150μg/時間の推定治療速度で放出させる。一例として、150μg/時間の望ましい治療速度を得るためには、20cm2の系は7.5μg/時間のペルゴライド流量を要する。別様には、150μg/時間の治療速度を得るためには、25cm2の系は約2μg/時間のペルゴライド流量を要する。このような系は24時間にわたりペルゴライド約3.6mgを供給する。
【0087】
血漿中のペルゴライドの存在時間の長さおよび総量は本発明による技術に従い変えることができ、相違する治療計画を得ることができる。従って、これらは外部からのペルゴライドが個人または動物に経皮放出される期間の長さを制御することができる。
【0088】
本発明を一般的に説明したが、下記の特定の例は本発明の好適態様を説明するものであって、いかなる方法でも本発明を制限しようとするものではない。
【0089】
例1
表1に示されているように、水単独、水とエタノールまたは鉱油単独と混合したペルゴライド塩基またはメシレートを含有する試験ベヒクルから、ヒト死体表皮を通過するペルゴライド塩基またはメシレートの流量を測定するために、数種の試験試料を形成した。経皮流量は、標準的拡散セル内で35℃において、ヒト表皮を用いて得た。図5および6はこれらの結果をグラフにより示すものである。これらの図から明白なように、透過増進剤の不存在下におけるペルゴライド塩基の平均ベースライン皮膚流量は、52時間にわたり約0.3μg/cm2・時間であり、他方透過増進剤の不存在下におけるペルゴライドメシレートの平均ベースライン皮膚流量は、同一時間にわたり約1.1μg/cm2・時間である。
【0090】
【表1】
【0091】
例2
40パーセントのビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート(「EVA40」、USI Chemicals,Illinois)をペルゴライド塩基またはメシレート、GML(Grindsted Products,Braband,Denmark)またはLDEA(Lonza, Inc.)および鉱油(Witco Corp.)と混合することによって、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。この混合物を次いで、テトラヒドロフラン中に溶解した。混合した後に、この混合物を手で成型し、5ミル厚さの薄膜に乾燥させた。この医薬貯蔵体の組成を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
この薄膜の一方の面上に顔料含有中密度ポリエチレン/アルミニウムホイル/PET/EVA[メドパル(Medpar)、登録商標名]裏打ち層を、かつまた反対側の面上にアクリレート接触接着剤(3M,Paul,MN)を次いで積層し、この積層体を次いで、1.6cm2の面積に打ち抜いた。
【0094】
円形のヒト表皮片を層状角質層と対面させて配置した。この積層体の剥離性裏打ち層を取り除き、この系を次いで、この表皮の層状角質層上の中央に配置した。この表皮の縁端を次いで、この系を取り囲んで折り畳んだ。この組立て構造体を次いで、テフロン(登録商標)(Teflon)ロッド上に配置した。既知量のレセプター溶液を次いで、試験管に入れ、35℃で平衡化した。そこに付着している系および表皮を有する、このテフロン(登録商標)ロッドを次いで、35℃の水浴中に入れた。一定の垂直混合を生じさせるモーターに連結して、混合を行った。
【0095】
指定時間間隔で、試験管から全試験レセプター溶液を取り出し、35℃で予め平衡化した等量の新しいレセプター溶液で取り替えた。このレセプター溶液は栓をしたバイアル中で室温において保存し、その後、HPLCによりペルゴライド含有量を分析した。医薬濃度およびレセプター溶液の量、透過面積および時間間隔から、表皮を通過する医薬の流量を、下記のとおりに計算した:
(医薬濃度×レセプター容量)(面積×時間)=流量(μg/cm2・時間)ペルゴライド塩基またはメシレートの蓄積放出量(cumulative release)を図7および8に示す。
【0096】
例3
例2に従い、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。この薄膜を次いで、一方の面上でメドパル(Medpar)裏打ち層に積層し、かつまた反対側の面上でペルゴライト2.5重量%を含有するポリイソブチレン接着剤に積層した。この接着剤はヘプタン中に1.2Mポリイソブチレン19.8%、35Kポリイソブチレン24.7%および軽油55.5%を溶解させることによって調製した。ペルゴライド2.5%を添加し、この全混合物を2ミルの乾燥厚さに成型した。この薄膜を次いで、ステンレス鋼製パンチを用いて1.6cm2の面積の円形に打ち抜いた。
【0097】
皮膚提供者の皮膚を60℃の水中に60秒間浸積した後に、ここから表皮を分離した。ディスク(7/8インチ径)を、この表皮から切り取り、これらのディスクは使用時まで、水和状態で4℃に保持した。
【0098】
各被験ディスクについて、剥離性裏打ち層を取り除き、その医薬放出層をこの表皮ディスクの層状角質層上に対面して配置し、使用の直前まで吸取り乾燥させておいた。余剰の表皮を次いで、デバイスの周囲に巻き付け、デバイスの縁端がレセプター溶液にさらされないようにした。この表皮で覆われたデバイスを、ナイロンニットおよびニッケルワイヤーを用いて、放出速度ロッドのテフロン(登録商標)(Teflon)ホルダーの平坦な面上に配置した。このロッドを固定量のレセプター溶液中で反復運動させた。各試料採取時点で、全レセプター溶液を取り替えた。このレセプター溶液の温度は水浴中で35℃に維持した。ペルゴライド塩基またはペルゴライドメシレートの蓄積放出量を図9および10に示す。
【0099】
例4
表3に示されているように、ペルゴライド塩基またはメシレート、EtOH、GMLおよび乳酸カプロイル(CLA)(R.I.T.A.Corp.Wood stock,IL.)と混合することによって、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。
【0100】
【表3】
【0101】
追加の3重量%のヒドロキシプロピルセルロースおよび水を添加し、この混合物を適当な容器に入れ、ゲル化させた。この混合物の所望量を次いで、18%のビニルアセテート含有量を有する2ミル厚さのエチレンビニルアセテート薄膜からなり、予め形成した3成分積層体の表面上に適用し、これは速度制御膜として使用した。ポリイソブチレン含有接着剤は2.5重量%のペルゴライドを含有しており、かつまた剥離性裏打ち層として、シリコーン被覆したポリエチレンエチレンテレフタレート薄膜を使用した。次いでこの混合物の頂上面上に、メドパル裏打ち層を適用し、次いで熱シールした。この系を、例2および3に記載のインビトロ試験法で使用するために必要な大きさに切断した。ペルゴライド塩基またはペルゴライドメシレートの蓄積放出量を図11および12に示す。
【0102】
例5
速度制御膜として使用される28%のビニルアセテート含有量を有する2ミル厚さのエチレンビニルアセテート薄膜、ペルゴライド2.5重量%を含有するポリイソブチレン接触接着剤、および剥離性裏打ち層としてのフルオロカーボン被覆したポリエチレンエチレンテレフタレート薄膜からなる予め形成された3層積層体の表面上に、例4で生成された混合物と同一の混合物の所望量を適用した。メドパル裏打ち層を次いで、この混合物の頂上面上に適用し、次いでこの系全体を熱シールした。この系を、例2〜4に記載のインビトロ試験法で使用するために必要な大きさに切断した。ペルゴライド塩基またはペルゴライドメシレートの皮膚流量を図13および14に示す。
【0103】
例6
種々の補助溶剤を使用して、GMLの透過増進性に対する鉱油の効果を評価した。40パーセントのビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート(「EVA40」、USI Chemicals,Illinois)、ペルゴライドメシレート、GMLおよびラウレス−4(L−4)(Heterene Chemical Co.,Inc.,Paterson, N.J.)、ラウリン酸メチル(Sigma)、乳酸ラウリル(ISP Van Dyk Inc., Belleville,N.J. )および酢酸ドデシル(Penta)から選択される補助溶剤を混合することによって、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。この混合物を次いで、テトラヒドロフラン中に溶解した。混合した後に、この混合物を手で成型し、5ミル厚さの薄膜に乾燥させた。鉱油が存在しない場合の各補助溶剤にかかわる各種組成物を、メシレート/GML/ラウレス−4/EVA10/20/12/58からなる対照組成物と比較した。これらの医薬貯蔵体の組成を表4a〜4cに示す。
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】
この薄膜を次いで、メドパル裏打ち層の一表面上に積層した。この系を次いで、例2〜4に記載のインビトロ試験法で使用するのに必要な大きさにダイで切断した。ペルゴライドメシレートの皮膚流量を図15〜17に示す。
【0108】
次いで、5%ペルゴライドメシレート、10%GML、10%乳酸ラウリル、ラウリン酸メチルまたは酢酸ドデシル補助溶剤、15%鉱油および16%EVA40からなる組成物を調製し、前記インビトロ皮膚流量試験で使用し、ペルゴライドメシレート/GML/ラウレス−4/EVA 40の10/20/12/58組成物と比較した。このインビトロ皮膚流量試験の結果を図18に示す。図18から明白なように、鉱油は、GMLおよびラウリン酸メチルを含有する組成物に対して最も実質的な効果を有する。
【0109】
本発明を一般的に説明し、およびまた出願人がかれらの発明を実施する最上の方法であると考える或る特定の態様について説明したが、本発明の種々の変更を本発明の範囲から逸脱することなく当業者が実施できることは容易に認識されるべきであり、本発明に請求の範囲によってのみ制限される。
【0110】
本発明の好ましい態様は下記のとおりである。
1.身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドまたはその医薬として許容される塩を担体中に含有する組成物。
2.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル(caproyl lactic acid)、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、1に記載の組成物。
3.ペルゴライドを医薬として許容される塩として含有する、2に記載の組成物。
4.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、3に記載の組成物。
5.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルからなる混合物である、4に記載の組成物。
6.鉱油をさらに含有する、5に記載の組成物。
7.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドを供給するデバイス。
8.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、7に記載のデバイス。
9.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、8に記載のデバイス。
10.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、9に記載のデバイス。
11.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層からなる、10に記載のデバイス。
12.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、11に記載のデバイス。
13.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルからなる、10に記載のデバイス。
14.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、13に記載のデバイス。
15.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドおよび透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
16.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、15に記載のデバイス。
17.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、16に記載のデバイス。
18.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、17に記載のデバイス。
19.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、18に記載のデバイス。
20.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、19に記載のデバイス。
21.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、20に記載のデバイス。
22.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、21に記載のデバイス。
23.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライド;
(ii)10〜70重量%のラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
24.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、23に記載のデバイス。
25.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、24に記載のデバイス。
26.透過増進剤が1〜35重量%のグリセロールモノラウレートおよび1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、25に記載のデバイス。
27.貯蔵体が1〜35重量%の鉱油をさらに含有する、26に記載のデバイス。
28.貯蔵体が0.75/1.0/0.50のグリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油比を有する、27に記載のデバイス。
29.身体表面または膜を通過する透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度でペルゴライドを経皮投与する方法であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な担体中で身体表面又は膜にペルゴライドを投与することからなる方法。
30.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤の透過増進量を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量で同時に共投与することからなる、29に記載の方法。
31.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、30に記載の方法。
32.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、31に記載の方法。
33.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、32に記載の方法。
34.担体が鉱油をさらに含有する、33に記載の方法。
35.パーキンソン病の処置方法であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な担体中で身体表面又は膜にペルゴライドまたはその医薬として許容される塩を投与することからなる処置方法。
36.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤の透過増進量を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量で同時に共投与することからなる、35に記載の処置方法。
【0111】
また、本発明の好ましい態様は下記のようなものである。
1.身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドの医薬として許容される塩を担体中に含有する組成物。
2.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、1に記載の組成物。
3.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、1に記載の組成物。
4.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む混合物である、3に記載の組成物。
5.鉱油をさらに含有する、4に記載の組成物。
6.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドの医薬として許容される塩を含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドの医薬として許容される塩を供給するデバイス。
7.貯蔵体が、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、6に記載のデバイス。
8.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、6に記載のデバイス。
9.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、8に記載のデバイス。
10.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、9に記載のデバイス。
11.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、10に記載のデバイス。
12.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、11に記載のデバイス。
13.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドおよび透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
14.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、13に記載のデバイス。
15.ペルゴライドを医薬として許容される塩として含有する、14に記載のデバイス。
16.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、15に記載のデバイス。
17.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、16に記載のデバイス。
18.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、17に記載のデバイス。
19.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、18に記載のデバイス。
20.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、19に記載のデバイス。
21.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライド;
(ii)10〜70重量%の、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
22.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、21に記載のデバイス。
23.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、22に記載のデバイス。
24.透過増進剤が1〜35重量%のグリセロールモノラウレートおよび1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、23に記載のデバイス。
25.貯蔵体が1〜35重量%の鉱油をさらに含有する、24に記載のデバイス。
26.貯蔵体が0.75/1.0/0.50のグリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油比を有する、25に記載のデバイス。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明はパーキンソン病処置用のペルゴライド(pergolide )の安全で、かつまた効果的な経皮投与に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明による経皮治療系の皮膚に適用する以前の一態様の構成を示す透視式横断面図である。
【図2】図2は、本発明のもう一つの態様を示す横断面図である。
【図3】図3は、本発明のもう一つの態様を示す横断面図である。
【図4】図4は、本発明のもう一つの態様を示す横断面図である。
【図5】図5は、種々の水性および非水性試料から35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の流量(flux)を示すグラフである。
【図6】図6は、種々の水性および非水性試料から35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図7】図7は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の蓄積放出量(cumulative release)を示すグラフである。
【図8】図8は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの蓄積放出量を示すグラフである。
【図9】図9は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の蓄積放出量を示すグラフである。
【図10】図10は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの蓄積放出量を示すグラフである。
【図11】図11は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(18%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の蓄積放出量を示すグラフである。
【図12】図12は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(18%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの蓄積放出量を示すグラフである。
【図13】図13は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(28%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の流量を示すグラフである。
【図14】図14は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(28%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図15】図15は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/ラウリン酸メチル/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図16】図16は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/酢酸ドデシル/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図17】図17は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/乳酸ラウリル/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図18】図18は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/補助増進剤/鉱油/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過する鉱油と組合わされているGML補助増進剤、ラウリン酸メチル、乳酸ラウリルおよび酢酸ドデシルの流量比較を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、中でも、パーキンソン病処置用のペルゴライド(pergolide )の安全で、かつまた効果的な経皮投与に関する。さらに特に、本発明は、身体表面または膜を通して持続期間にわたり対象にペルゴライドを投与するための新規な方法、組成物およびデバイスに関する。好適態様としては、透過増進剤と組み合わせてペルゴライドの医薬として許容される塩を経皮共同投与することが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
ペルゴライド、8−[(メチルチオ)メチル]−6−プロピルエルゴリンはエルゴリン環系を基本構造とする化合物であり、この化合物は血漿プロラクチン濃度をまた減少させるドーパミン作用性作動薬であると報告されている。パーキンソン病の処置に使用される場合に、ペルゴライドはレボドーパ(levodopa)との組合わせ治療として使用される。
【0003】
米国特許第4,166,182号は、ペルゴライドの製造およびプロラクチンインヒビターとしておよびまたパーキンソン病処置におけるその経口または非経口投与を記載している(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0004】
ドイツ国特許出願DE4240798は、神経保護用のペルゴライドを包含するエルゴット誘導体含有医薬組成物を記載している(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。この組成物は経口投与、舌下投与、非経口投与、皮膚投与または鼻投与することができる。
【0005】
米国特許第4,797,405号は、光にさらされた場合の分解性が減少されている、安定化されたペルゴライド経口組成物を記載している(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0006】
ペルゴライドのドーパミン作用性作動薬としての効果は、パーキンソン病の処置に加えて、種々の処置にその用途をもたらす。一例として、米国特許第4,800,204号では、ペルゴライドなどの直接的ドーパミンレセプター作動薬を経口または非経口投与することによるタバコ使用のコントロール方法が検討されている(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0007】
米国特許第4,935,429号では、ペルゴライドなどのドーパミン作動薬を経口または非経口投与することによる神経刺激薬乱用の処置方法が検討されている(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0008】
米国特許第5,063,234号では、ペルゴライドなどのエルゴット誘導体を投与することによって、好ましくは経口投与することによって、骨の鉱物質除去作用を抑制する方法が検討されている(この特許を引用して、その全体をここに組入れる)。
【0009】
パーキンソン病の処置におけるペルゴライドの経口投与は、最初の2日間の0.05mg/日の用量から開始される。この用量を次いで、引き続く12日間の治療期間の間、3日毎に0.1mg/日または0.15mg/日づつ次第に増量する。この用量は次いで、最適治療用量が約1.5〜8.0mg/日の範囲で得られるまで、3日毎に0.25mg/日づつ増量することができる。一般に、一日薬用量は3回の経口投与量に分けられる。経口投与による副作用には、これらに制限されないものとして、吐き気、嘔吐、めまいおよび起立性低血圧が包含される。
【0010】
医薬およびその他の生物学的活性剤(「薬剤」)の非経口投与の中の経皮経路は、速度制御ベースまたは非速度制御ベースによる広く種々の全身作用剤および局所作用剤のために提案されており、例えば下記の多くの技術刊行物に記載されている:米国特許第3,598,122号;同第3,598,123号;同第3,731,683号;同第3,797,494号;同第4,031,894号;同第4,201,211号;同第4,286,592号;同第4,314,557号;同第4,379,454号;同第4,435,180号;同第4,559,222号;同第4,568,343号;同第4,573,995号;同第4,588,580号;同第4,645,502号;同第4,704,282号;同第4,788,062号;同第4,816,258号;同第4,849,226号;同第4,908,027号;同第4,943,435号および同第5,004,610号(これらの特許の全部を引用してここに組入れる)。パーキンソン病処置用の関連化合物であるリスライド(lisuride)の経皮投与は、米国特許第5,252,335号および同第5,229,129号に記載されている(これらの特許の全部を引用してここに組入れる)。
【0011】
近年1960年代に最初に詳細に検討された時点で、経皮投与経路は、特に短い半減期を有し、従って頻繁な反復投与を必要とするか、または経口投与された場合に肝臓により高度の一次通過(first-pass)代謝を被る薬剤に対して、かなりの利点を提供するものと見做された。短い半減期を有する薬剤の頻繁な定期的投薬から生じる血中濃度のピークと谷間が回避され、その代わりに実質的に一定の血漿濃度が得られる。これは個人的承諾を改善するばかりでなく、また定期的投与が付随する、交互に現れる副作用が大きい期間と無効果血中濃度の期間を無くす。皮膚を通し直接血流中への薬剤の投与はまた、経口投与薬剤の一次通過代謝を回避させる。
【0012】
初期には理論的に、高い効力および皮膚透過性を有する半減期が短い薬剤はすべて、安全で効果的な経皮投与に適するものと見做された。しかしながら、この仮説は真実であるとは証明されていない。
【0013】
投薬口としてのその潜在能力に関する初期予想を満すための経皮経路の欠点は主として、皮膚が身体中への異物の侵入を防止する一次障壁として機能することができる性質を備えているとともに、格別に各種の性質を有する点にある。Transdermal Drug Delivery:Problems and Possibilities,B.M.Knepp等、CRC Critical Reviews and Therapeutic Drug Carrier System,Vol.4,Issue 1(1987)参照。
【0014】
従って、経皮投与経路は高い効力および皮膚透過性を有する半減期が短い薬剤にそれぞれ使用することができるけれども、この経路はその大部分が予想外であるホストの特性と適当に組合わされている特性を有する数少ない薬剤に利用できるのみであり、薬剤を安全で効果的な経皮投与に適するものにする必要があることが見出されている。
【0015】
これらの特性の中で最も重要な特性は下記の特性である:
1.皮膚透過性:薬剤に対する皮膚の透過性は、薬剤を皮膚の約200cm2よりも広くなく、好ましくは約50cm2よりも広くない面積を通して治療有効速度で投与することができるのに充分に高くなければならない。類似部位における皮膚透過性の個人差も考慮されなければならない。
【0016】
2.皮膚結合性:経皮放出デバイスの下の皮膚は或る量の薬剤を吸収、吸着または結合することによって、医薬の皮膚貯蔵庫を作り出す能力を有する。薬剤を安定した治療有効速度で血流中に放出させることができる前に、このような結合量の薬剤を皮膚に供給しなければならない。大量の薬剤が皮膚に結合した場合には、治療効果の発現の格別の遅延[「遅延時間」(lag time)]が、当該デバイスを取り除いた際に見られる効果の対応する遅延および中断とともに見出される。また、デバイス下の皮膚内に毒性量の有効薬剤が含有されて存在する可能性もある。皮膚結合は皮膚透過性とは無関係である。高透過性を有する薬剤はまた、高結合性を有することもあり、薬剤をそれらの意図する用途に不適応にするのに充分に長い遅延時間を生じさせることがある。
【0017】
3.刺激性:皮膚、特に閉塞状況に維持されている皮膚は、かなりの局所施用された物質と反応して、不快な発熱感、チクチクした痛みおよびズキズキした痛みを伴う水泡形成または発赤を生じさせる。刺激について分別するには動物モデルが使用される。しかしながら、動物モデルはしばしば、誤った陽性および誤った陰性の両方を生じる。刺激に対する感受性には、広範な個人差もある。安全で効果的な経皮投与に適するものであるためには、薬剤は潜在的個人集団の中の大きい割合の個人に対して最小の刺激性を有していなければならない。
【0018】
4.感作性:感作は薬剤が皮膚に最初に適用された時点で生じ、かつまた直後に、あるいは長期間の表面的には無害な露呈の後に生じることもある連続露呈により誘発されるアレルギー反応である。
【0019】
感作は局所的露呈により誘発される局所的なものであることもあり、この場合には適用部位のズキズキした痛み、チクチクした痛み、発赤および水泡形成を伴う接触皮膚炎症としてそれ自体現れる。さらに重大な場合に、感作は全身的であることもあり、これは局所適用により誘発されるが、適用部位以外の部位でもさらに一般的なアレルギー反応によってそれ自体現れる。最も重大な場合には、全身的感作が医薬の経口投与または静脈投与によって誘発されることもある。この全身的感作が生じると、その個人はいかなる投与経路をもっても当該医薬を受け入れることができない。
【0020】
感作について分別するには動物モデルが使用される。しかしながら、動物モデルは、誤った陽性および誤った陰性の両方を生じる。アレルギー反応に対しては広範な個人差があり、かつまた性別、人種および皮膚の種類の間の差異もある。有用な経皮用薬剤は潜在的個人集団の中の大割合に対して最小の感作性を有していなければならないことは明白である。
【0021】
5.薬物動態学的性質:薬剤の半減期は、投与された量の半分が身体から排除される投与後の期間である。連続投与される薬剤の血中濃度は、ほぼ6半減期の間増加を続け、その後安定状態の一定の血中濃度に達するから、薬剤は連続経皮投与に適する比較的短い半減期を有していなければならない。大部分の薬剤は、その経皮半減期が測定されていない。静脈投与から測定された薬剤の半減期を経皮投与から測定された半減期と比較すると、経皮半減期は一般に、長いが、年齢、性別、健康状態および身体のタイプなどの因子に基づいて、半減期は個人間で広く変化する。
【0022】
6.薬力学的性質:一定の血中レベルが所望の治療効果を生じないこともある。例えば、治療効果が全薬用量を一度に投与して得られたピーク血中濃度でのみ見出される場合があり、このピーク血中濃度はそれが付随する副作用のために維持することはできない場合がある。また、かなり多くの薬剤は連続投与すると、或る薬剤が存在しない期間を持つか、または連続的に増量することを必要とする、すなわち薬剤の潜在的有害薬用量に増量することを必要とすることがある耐性を生じる。
【0023】
7.効力:有効であるためには、或る程度の効力が経皮投与薬剤に要求されるが、薬剤が強力すぎることもある。効力が増大するにしたがい、低い血中濃度が要求され、格別に少量で投与しなければならなくなる。正常な個人差および皮膚透過性から、例えば各個人が1μg/時間を受容するかまたは2μg/時間を受容するかを正確に制御することはできない。高効力の薬剤の場合に、1μg/時間の投与は総体的に無効であり、かつまた2μg/時間は致死量であることもある。従って、薬剤の治療指数、すなわち治療性血中濃度に対する毒性血中濃度の比は、格別に重要になる。高効力の薬剤はまた、経皮投与に適するためには比較的広い治療ウインドを有するべきである。
【0024】
8.代謝:経皮投与に見出されている利点の一つは、経口投与が付随する肝臓による薬剤の「一次通過」(first-pass)代謝を回避できる点にあった。しかしながら現在では、皮膚もまた、かなりの医薬にとって身体の大型代謝器官であると認識されている。従って、経口投与された薬剤が血流中に入った後に生じる一次通過代謝は回避できるけれども、薬剤が血流中に入る前に生じる皮膚代謝を回避することはできない。皮膚代謝は、不活性であるか、刺激性であるか、毒性であるか、あるいは当該薬剤の生物学的活性に匹敵する活性を有する代謝産物を生成する可能性がある。経皮投与に適する薬剤は連続投与によるその治療的使用に適応する代謝性質を有していなければならない。
【0025】
上記記載は、今日まで認識されていた経皮投与用薬剤の適合性を得るための主要特性を要約して示すものである。そのうちの幾つかはいまだ認識されておらず、その薬剤が経皮投与用薬剤として適するものであるためには、これら全部の特性を正しい組み合わせで有していなければならず、その組み合わせは、現時点で経皮放出デバイスからの投与に適するものとされている非常に数少ない医薬によって例示されるているように、全く稀れであって、かつまた予想できないものであることに疑いの余地はない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0026】
発明の要旨
ペルゴライトが塩基または塩として有意の治療速度で皮膚を通して放出されることは予想外のことである。何故ならば、その化学名、8−[(メチルチオ)メチル]−6−プロピルエルゴリン モノメタンスルホネート)]が示しているように、この化合物はそれ自体を皮膚などの生物学的膜を通して容易に浸透しないものとする複雑な化学構造を有するからである。さらにまた、医薬として許容される塩の形態のペルゴライドを含有する経皮剤型が、遊離塩基の形態の剤型に比較して、ペルゴライドのより大きい皮膚通過流動性をもたらすことは予想外のことである。
【0027】
それにもかかわらず、本発明に従い、ペルゴライドを安全で、効果的に経皮投与することができ、中でも、減少された副作用発生率および改善された個人的寛容性をもってパーキンソン病の処置に提供できることが見出された。さらに、本発明はペルゴライドの経皮放出方法およびこの方法を実施するための放出系を提供し、これらの系は身体表面または膜を連続的に通してペルゴライドを投与し、各個人に治療量のペルゴライド血漿レベルを付与するのに適している。本発明の特に有利な点は、延長された期間にわたり各個人に実質的に一定のペルゴライド血漿レベルを維持することができる点にある。
【0028】
驚くべきことに、本発明者等は、医薬として許容される塩の形態のペルゴライドを含有する経皮剤型が、ペルゴライド遊離塩基を含有する剤型に比較して、ペルゴライドのより大きい皮膚通過流動性をもたらすことを見出した。この事実は、経皮投与について試験された薬剤の大部分について、非イオン化形態の医薬に対する皮膚透過性が一般に、イオン化形態の医薬に比較して実質的に大きいという従来の認識に反しており、従って多量の従来技術の発見に反している。従って、好適態様は、ペルゴライドの医薬として許容される塩、好ましくはペルゴライドメシレートを透過増進剤とともに含有する経皮放出デバイスの貯蔵体を提供することに関する。
【0029】
本明細書で使用されているものとして、「経皮」の用語は、経皮または経粘膜投与を意味する、すなわちペルゴライドが完全な破壊されていない皮膚または粘膜組織を全身循環系に向かって通過することを意味する。
【0030】
本明細書で使用されているものとして、「ペルゴライド」の用語は、塩基形態のペルゴライドばかりでなく、また医薬として許容される塩の形態のペルゴライドを意味する。
【0031】
本明細書で使用されているものとして、「塩」の用語は、これらに制限されないものとして、クロライド、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびメシレートなどの医薬として許容される塩を表わす。
【0032】
本明細書で使用されているものとして、「ペルゴライド治療」の用語は、ペルゴライドが指示されるか、または指示されることがある医療状態の全部を表わし、これらに制限されないものとして、パーキンソン病、偏頭痛、アレルギー性反応、じんま疹、高血圧、子宮内膜炎およびその他のドーパミン作用作動体と組合わされている疾患の処置および精神興奮剤としての使用が包含される。
【0033】
本明細書で使用されているものとして、「個人」の用語は、生きている哺乳動物を意味し、これらに制限されないものとして、ヒトおよびその他の霊長目、家畜類、およびスポーツ用動物、例えばウシ、ブタおよびウマ、ならびにネコおよびイヌなどのペット動物を包含する。
【0034】
本明細書で使用されているものとして、「治療的血漿レベル」の用語は、ペルゴライドの治療効果を達成する血漿レベルを意味し、代表的には、約100pg/ml〜2000pg/mlの範囲である。
【0035】
本明細書で使用されているものとして、「治療有効速度」の用語は、投与期間中、個人においてペルゴライドの治療的血漿レベルを得るのに有効なペルゴライドの放出速度を意味する。
【0036】
本明細書で使用されているものとして、「持続した期間」または「投与期間」の用語は、少なくとも約8時間を意味し、代表的には約1日〜約7日間の範囲の期間を意味する。
【0037】
本明細書で使用されているものとして、「皮膚の既定の領域」の用語は、完全な破壊されていない皮膚または粘膜組織の一定の領域を意味するものとする。この領域は通常、約1cm2〜約100cm2の範囲である。
【0038】
本明細書で使用されているものとして、「透過増進剤」の用語は、ペルゴライドに対する皮膚の透過性を増大させる物質またはこのような物質の混合物を意味する。
【0039】
本明細書で使用されているものとして、「透過増進」の用語は、透過増進剤の不存在下におけるペルゴライドに対する皮膚の透過性に比較して、透過増進剤の存在下におけるペルゴライドに対する皮膚の透過性の増大を意味する。
【0040】
本発明は、中でも、パーキンソン病の処置において、ペルゴライドを経皮投与するための組成物、デバイスおよび方法に関する。本発明に従い、ペルゴライドを効果的な治療成果を得るために既定の持続した期間にわたり治療有効速度でもって、安全で、効果的に身体表面または膜を通して経皮投与することができることが見出された。本発明のもう一つの態様は、ペルゴライドを適当な透過増進剤または増進剤混合物とともに経皮投与することに関する。
【0041】
本発明による系は、選択された皮膚またはその他の身体部位にペルゴライドまたはペルゴライド−および透過増進剤を透過関係で配置させるのに適合した担体またはマトリックスを含有する。この担体またはマトリックスは、投与期間中、これらの部位にペルゴライドを治療有効速度で連続投与するのに充分な量のペルゴライドを含有する。もう一つの態様において、この担体またはマトリックスは、投与期間中、これらの部位にペルゴライドを透過増進剤とともに治療有効速度で連続的に共同投与するのに充分な量のペルゴライドおよび透過増進剤を含有する。
【0042】
本明細書に包含され、その一部を構成する添付図面は本発明の態様を例示するものであり、明細書中の説明と一緒になって、本発明の原則を説明するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
発明の詳細な説明
本発明に従い、中でも、パーキンソン病の処置の目的で、単独投与または適当な増進剤と共同投与した場合に、ペルゴライドを経皮経路により治療有効速度でヒト身体に投与できることが見出された。本発明に従い、100pg/ml〜2000pg/mlの治療的血漿レベルを達成することができる。ヒト皮膚を通るペルゴライドのインビトロ皮膚流量は代表的に、ペルゴライドの形態(塩基または塩)、透過増進剤、およびイン−ライン接触接着剤が医薬流動経路に存在するか否かに依存して、0.1〜8.0μg/cm2・時間の範囲にある。本発明によれば、ペルゴライドは少なくとも約1.0μg/cm2・時間の流量で投与されると好ましい。
【0044】
最初の貼付剤の施用後の約5〜10時間以内に、治療的血漿レベルを達成できるものと推定される。引き続いて次の系を施用すると、前に施用された系からの残留ペルゴライドの皮膚蓄積物の存在によって、ペルゴライドが放出されない遅延時間は体験されず、従ってペルゴライドは引き続く系の適用によって連続的に投与され、持続した期間にわたりペルゴライドの治療的血漿レベルが維持される。この系はより短い持続時間またはより長い持続時間に容易に適合させることができるが、一般に72時間が一回の処置の好適持続時間である。
【0045】
流量に無関係に、経皮放出デバイスの表面積を増加または減少させることによって、所望のペルゴライド投与速度を得ることができる。一例として、1.1μg/cm2・時間のペルゴライド皮膚流量の場合に、約60cm2の表面積を有する貼付剤は、24時間の期間にわたり約1.6mgのペルゴライドを放出する。
【0046】
ペルゴライド投与速度はまた、透過増進剤の使用によって皮膚を通過するペルゴライド流量を増加させることにより増大させることもでき、このような透過増進剤には、これらに制限されないものとして、モノグリセライド類、例えばグリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエートまたはグリセロールモノリノレート;乳酸エステル類、例えば乳酸ラウリル、ラウリン酸メチル、乳酸カプロイル、ラウラミドジエタノールアミン(LDEA)、ジメチルラウラミド、ポリエチレングリコール−4ラウリルエーテル[ラウレス(Laureth)−4]およびエタノールが包含され、これらは単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして使用される。本発明の態様はまた、上記透過増進剤の少なくとも1種を共同放出させ、ペルゴライドの経皮放出を補助することに関する。
【0047】
本発明者等はまた、経皮ペルゴライド治療系に使用された場合に、インライン接触接着剤として或る種の接着剤が好適であることを見出した。さらに特に、インライン接触接着剤としてポリイソブチレン接着剤を使用する系が、その他の接着剤、例えばアクリレート接着剤を使用した場合に比較して、皮膚を通過するペルゴライドの流量を増加させることを見出した。
【0048】
従ってその一態様において、本発明は身体表面または膜を治療有効速度で透過させることによって、身体表面または膜にペルゴライドを放出投与するための組成物に関し、この組成物は少なくとも約8時間の投与期間にわたり、治療有効速度でのペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドを担体中に含有する。この投与期間内にペルゴライド放出の治療有効速度は個人において、ペルゴライド治療的血漿レベルを達成する。
【0049】
もう一つの態様は、身体表面または膜を通って治療有効速度で透過することによって、身体表面または膜にペルゴライドを放出投与するための組成物に関し、この組成物は下記の成分を組合わせて含有する:
(a)治療有効量のペルゴライド;および
(b)透過増進量の透過増進剤。
【0050】
この組成物中には、0.1〜20重量%の範囲の量で医薬を存在させることができる。
【0051】
本発明は皮膚を経由するペルゴライドの投与に特に有用であることが見出される。しかしながら、粘膜を経由するペルゴライドの投与にもまた有用である。本発明に従い、ペルゴライドは、相当する身体表面に対して医薬または医薬および透過増進剤−透過関係で、好ましくは医薬上で許容される担体中に配置されて、所望の投与期間にわたりその場所に保持される。
【0052】
ペルゴライドおよび使用した場合に、透過増進剤は代表的に、以下でさらに詳細に説明する生理学的適応性を有するマトリックスまたは担体内に分散させる。これは軟膏、ゲル、クリーム、座薬または舌下錠または口腔錠として身体に直接に施用することができる。皮膚に直接適用される液体、軟膏、ローション、クリームまたはゲルの形態で使用する場合に、必須ではないが、投与部位を閉塞すると好ましい。このような組成物はまた、別種の透過増進剤、安定剤、染料、稀釈剤、顔料、ベヒクル、不活性充填剤、賦形剤、ゲル化剤、血管収縮剤、およびその他の局所用組成物に当技術で公知の成分を含有することができる。
【0053】
別の態様において、ペルゴライドは、透過増進剤とともに、または透過増進剤の不存在下に、以下でさらに詳細に説明する経皮デバイスから投与することができる。適当な経皮放出デバイスの例は図1〜4に示されている。これらの図において、同一のまたは類似の部分を示すために、同一参照番号が各図を通して使用されている。これらの図面は大きさを示すものではない。
【0054】
ここで図1を引用すると、この本発明による経皮治療系の好適態様は、好ましくはペルゴライドおよび使用した場合に、透過増進剤をそこに分散して含有するマトリックスの形態である貯蔵体12を備えた経皮放出デバイス10からなる。貯蔵体12は、裏打ち層14とインライン接触接着剤層16との間に挟まれている。このデバイス10は、この接着剤層16により皮膚の表面18に接着させる。この接着剤層16は任意に、透過増進剤および(または)ペルゴライドを含有することができる。接着剤層16の露出している方の表面に沿って剥離できるライナー(図1では示されていない)がまた通常備えられており、これはデバイス10を皮膚18に適用する直前に取り除く。場合により、貯蔵体12と接着剤層16との間に、速度−制御膜(図示されていない)を存在させることもできる。本発明の好適態様では、図1に示されているようにインライン接着剤を使用するが、当該系を皮膚に保持する別の手段を採用することもできる。このような手段には、当該系から皮膚への医薬の通路の外側に存在する接着性の周囲を取り巻くリングが包含され、または別種の固定手段、例えばバックル、ベルトおよび弾性のアームバンドの使用が包含される。
【0055】
別の態様が図2に示されており、この経皮治療デバイス20は接着性上塗り層22によって個人の皮膚または粘膜に付着させることができる。デバイス20は、好ましくはペルゴライドおよび使用した場合に、透過増進剤をそこに分散して含有するマトリックスの形態である貯蔵体12を備えている。裏打ち層14を貯蔵体12の一面に隣接して付与する。接着性上塗り層22は当該デバイスを皮膚の上に保持するものであり、デバイスの残りの部分と一緒に形成することができ、またはデバイスの残りの部分とは分離して付与することもできる。或る製剤の場合に、接着性上塗り層22は好ましくは、図1に示されているようにインライン接触接着剤16であることができる。裏打ち層14は好ましくは、貯蔵体12よりも僅かに大きくする、こうすることによって貯蔵体12中の物質が上塗り層22中の接着剤と有害に反応することが防止される。場合により、貯蔵体12の皮膚に近い方の部位上に速度制御膜(図2では示されていない)を用意することもできる。デバイス20はまた、剥離できるライナー24を備えており、これはデバイス20を皮膚に適用する直前に取り除く。
【0056】
図3において、経皮放出デバイス30は、図1について記載されているものと実質的に同一のペルゴライドおよび透過増進剤貯蔵体12(「ペルゴライド貯蔵体」)を備えている。透過増進剤貯蔵体26(「透過増進剤貯蔵体」)は、その全体に透過増進剤を分散して含有しており、かつまた第一の貯蔵体と平衡して、飽和濃度または飽和以下の濃度でペルゴライドを含有する。増進剤貯蔵体26は、ペルゴライド貯蔵体12の形成に使用されたマトリックスと実質的に同一のマトリックスから形成すると好ましい。増進剤貯蔵体26からペルゴライド貯蔵体12への透過増進剤の放出速度を制御するための速度制御膜28を、これら2つの貯蔵体間に配置する。ペルゴライド貯蔵体12から皮膚への増進剤の放出速度を制御するための速度制御膜(図3では示されていない)を場合により使用することができ、これは接着剤層16と貯蔵体12との間に存在させることができる。
【0057】
この速度制御膜は、放出デバイス中への、および放出デバイスからの薬剤の速度を制御することが当技術で知られており、かつまた医薬貯蔵体12の透過性よりも低い透過増進剤に対する透過性を有する透過性、半透過性または微孔性材料から形成することができる。適当な材料には、これらに制限されないが、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、エチレンn−ブチルアセテートおよびエチレンビニルアセテートコポリマーが包含される。
【0058】
デバイス30の増進剤貯蔵体26の上には、裏打ち層14が積層されている。皮膚に適用する前のデバイス30は、貯蔵体12の皮膚に近い方の面上に、取り除くことができる剥離可能なライナー24を備えている。
【0059】
図1、2および3の態様において、貯蔵体の担体またはマトリックス材料は、漏出または流出することなく、その形状を維持するのに充分な粘度を有する。しかしながら、このマトリックスまたは担体が低粘度の流動性材料である場合には、この組成物は、例えば米国特許第4,379,454号(前記参照)から当技術で公知であり、図4に示されているようなポーチまたはポケット内に完全に包まれていることができる。図4に示されているデバイス40は裏打ち層14を備えており、この裏打ち層14はデバイスの保護カバーとして働き、その構造を支持し、かつまたデバイス中の成分がデバイスから逃出さないように実質的に保持する役目を果たす。デバイス40はまた、貯蔵体12を備えており、この貯蔵体12は透過増進剤とともにまたは透過増進剤の不存在下に、ペルゴライドを含有し、かつまたその表面上に裏打ち層14から距離をおいてペルゴライドおよび(または)透過増進剤の放出を制御するための速度制御膜28を有する。この裏打ち層14の外側縁端は貯蔵体12の縁端の上に重ねられ、かつまた速度制御膜28の外側縁端の周囲に沿って結合されており、流体に対する閉鎖配置をとっている。この貯蔵体の封鎖は、加圧、融解、接着およびこれら縁端への接着剤の適用によって、あるいは当技術で公知の方法によって行うことができる。この方法で、貯蔵体12は裏打ち層14と速度制御膜28との間全体に含まれる。速度制御膜28の皮膚に近い方の面上には、接着剤層16およびデバイス40の皮膚への適用以前には、取り除くことができる剥離可能なライナー24が備えられている。
【0060】
図4のデバイス40の別の態様では、貯蔵体12は透過増進剤を含有し、かつまた飽和濃度または飽和以下の濃度でペルゴライドを含有する。接着剤層16にも、ペルゴライドおよび追加量の透過増進剤を存在させ、この層をもう一つの貯蔵体として働かせる。
【0061】
ペルゴライドは透過増進剤とともにまたは透過増進剤の不存在下に、軟膏、ゲル、クリームまたはローションの形態でヒトの皮膚または粘膜に直接施用することによって投与することができるが、ペルゴライドまたはペルゴライドおよび透過増進剤の飽和または不飽和組成物を含有する皮膚貼付剤またはその他の経皮放出デバイスから投与すると好ましい。この組成物はまた、水性または非水性ベースであることができる。この組成物はペルゴライドが要求される流量で放出されるようにデザインされるべきである。水性組成物は代表的に、水または水/エタノールおよび約1〜5重量%のゲル化剤からなり、ゲル化剤の例にはヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性ポリマーがある。代表的非水性ゲルは、液状シリコーンまたは鉱油を含有する。鉱油ベースのゲルはまた、代表的にコロイド状二酸化ケイ素などのゲル化剤1〜2重量%を含有する。特定のゲルの適合性はその構成成分と医薬および使用されている場合に、透過増進剤混合物、ならびに製剤中のすべての他の成分との適合性に依存する。
【0062】
貯蔵体マトリックスは、医薬および透過増進剤ならびにすべての担体と適合しなければならない。ここで使用されているものとして、マトリックスの用語は或る形状に固定されている充分に混合されている諸成分の複合体を意味する。
【0063】
水性ベース組成物を使用する場合に、貯蔵体マトリックスは好ましくは、親水性ポリマー、例えばヒドロゲルである。
【0064】
非水性ベース組成物を使用する場合に、貯蔵体マトリックスは好ましくは、疎水性ポリマーから構成する。適当なポリマーマトリックスは経皮医薬放出において周知であり、例として前記特許中に挙げられており、これらの記載を引用してここに組入れる。代表的積層系は基本的に、例えば米国特許第4,144,317号に記載されているもののような、好ましくは約9%から約60%までの範囲のビニルアセテート(VA)含有量を有する、さらに好ましくは約9%〜40%のVAを有するエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーなどのポリマー膜および(または)マトリックスからなる。高分子量ポリイソブチレン4〜25%および低分子量ポリイソブチレン20〜81%および残量のオイル、例えば鉱油またはポリイソブテンを含有するポリイソブチレン/オイルポリマーをマトリックス材料として使用することもできる。
【0065】
治療性デバイス中に存在させ、効果的な治療効果を得るのに必要なペルゴライドの量は、例えば処置する特定の指示に要するペルゴライドの最低用量、マトリックスの溶解性および透過性、透過増進剤、接着剤および存在する場合に、速度制御膜の存在にかかわる考慮、およびまたデバイスを皮膚に固定する期間などの多くの因子に依存する。ペルゴライドの最低用量は指定の適用期間にわたり所望の放出速度を維持するのに充分な量のペルゴライドをデバイス中に存在させるという要件によって決定される。安全の目的に対する最高用量はペルゴライドの存在量が毒性レベルを越えることができないという要件によって決定される。
【0066】
ペルゴライドは通常、飽和過剰濃度でマトリックスまたは担体中に存在させる。この過剰量は当該系の所望の放出期間の関数である。しかしながら、ペルゴライドはまた、所望の治療成果を提供する治療有効量のペルゴライドを放出させるのに充分な治療速度および期間で皮膚または粘膜部位に連続投与されるかぎり、本発明から逸脱することなく、飽和以下のレベルで存在させることもできる。
【0067】
本発明に有用な透過増進剤はペルゴライドと両立でき、かつまた医薬とともに使用者の皮膚に投与された場合に、この医薬に対する皮膚の透過性を増進させる化合物から選択される。さらにまた、透過増進剤は、存在する場合に、インライン接触接着剤と有害に反応しないものでなければならない。このような透過増進剤は、これらに制限されないものとして、エタノールまたはイソプロパノールなどのC2−4アルコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ラウレス(Laureth)−4、乳酸エステル類、例えば乳酸ラウリル、ジメチルラウラミド、LDEA、乳酸カプロイル、炭素原子約10〜約20個を有する脂肪酸のエステル類、例えばラウリン酸メチル、および脂肪酸のモノグリセライドまたはモノグリセライドの混合物を包含し、これらは単独でまたは相互に組合わせて使用することができる。
【0068】
本発明による好適透過増進剤は、グリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを包含する。ラウリン酸メチルは、高純度で入手でき、従ってより純粋で、かつまたより良好な一定の透過増進剤および容易に特徴付けることができる系を提供することから、特に望ましいことが見出された。さらにまた、本発明者はグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含有するペルゴライド貯蔵体に鉱油を添加すると、ペルゴライド皮膚流量に対して驚くべき相乗効果が得られることを見出した。特に好ましい態様において、グリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油の比率は0.75/1.0/0.50である。本明細書で使用されているものとして、「鉱油」の用語は液状石油炭化水素の混合物を表わす。この鉱油の代わりに、ポリブテンを使用することもできる。
【0069】
代表的に、モノグリセライド類は、その1種のモノグリセライドが主成分である脂肪酸のモノグリセライドの混合物として入手でき、この混合物の名称はこの主成分から誘導される。例えば、市販されているモノグリセライドの1種にエメレスト(Emerest)2421グリセロールモノオレエート(Emery Division、 Quantum Chemical Corp.)があり、これは58%のグリセロールモノオレエート含有量および58%の総モノエステル含有量を有するグリセロールオレエートの混合物である。市販のモノグリセライドの別の例には、61%のグリセロールモノオレエート含有量および93%の総モノエステル含有量を有するマイベロール(Myverol)1899Kグリセロールモノオレエート(Eastman Chemical Products)および68%のグリセロールモノリノレート含有量および90%の最低総モノエステル含有量を有するマイベロール(Myverol)1892Kグリセロールモノリノレートがある。このモノエステルは炭素原子10〜20個を有するものから選択される。この脂肪酸は飽和または不飽和であることができ、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびパルミチン酸を包含する。モノグリセライド透過増進剤は、例えばグリセロールモノオレエート、グリセロールモノラウレートおよびグリセロールモノリノレートを包含する。本発明の現時点で好適な態様において、この透過増進剤はモノグリセライドとして、グリセロールモノラウレートを含有する。
【0070】
約65%よりも少ない総モノエステル含有量を有するグリセロールモノオレエートは公知接着物質と、当該接着剤が放出デバイスを皮膚に保持する機能を果たすことができないほど有害に反応することが知られている。従って、インライン接着剤が本発明のデバイスの1部として存在する場合には、透過増進剤は接着剤を通過させなければならず、かつまた透過増進剤としてグリセロールモノオレエートが使用される場合には、このグリセロールモノオレエートは少なくとも65%の総モノエステル含有量を有していなければならない。
【0071】
透過増進性混合物は、好ましくは予想される投与期間全体にわたり貯蔵体内に透過増進量の増進剤を提供するのに充分な濃度で、マトリックスまたは担体全体中に分散させる。図3および4に示されているように、追加の分離した透過増進剤マトリックス層が存在する場合に、この分離した貯蔵体内には通常、飽和過剰量の透過増進剤を存在させる。
【0072】
ペルゴライドおよび透過増進剤に加えて、マトリックスまたは担体はまた、染料、顔料、不活性充填剤、賦形剤および当技術で公知の経皮デバイスに慣用のその他の成分または医薬成分を含有することができる。
【0073】
個人毎におよび同一身体部位の部位毎に、皮膚透過性は広く変化することから、透過増進剤とともに、または透過増進剤の不存在下に、ペルゴライドは速度制御経皮放出デバイスから投与されると好ましいことがある。この速度制御は、速度制御膜または接着剤によって、あるいはその両方によって、およびまたその他の手段により得ることができる。
【0074】
或る量のペルゴライドは皮膚と可逆的に結合する。従って、デバイスの皮膚接触層が、この量のペルゴライドを付加用量として含有すると好ましい。
【0075】
本発明のデバイスの表面積は、約1〜200cm2で変えることができる。しかしながら、代表的デバイスは、約1〜50cm2、好ましくは約20cm2の表面積を有する。
【0076】
本発明のデバイスは数時間から7日間またはそれ以上までの延長された期間にわたりペルゴライドを効果的に放出するようにデザインすることができる。皮膚部位の閉塞による有害な作用が時間経過とともに増大することおよび皮膚細胞の脱却と復元の正常サイクルが約7日間であることから、7日間は一般に、1個のデバイス適用の最長時間限界である。
【0077】
好ましくは、この経皮医薬放出デバイスは上記のとおりの充分な量の透過増進剤およびペルゴライドを組合わせて含有し、投与期間中、治療有効速度で皮膚を通してペルゴライドを全身に放出し、これにより治療的血漿レベルが達成される。
【0078】
好ましくは、治療有効速度でペルゴライドを経皮投与するためのデバイスは、下記の構成を有する:
(a)(i)ペルゴライド1〜15重量%、
(ii)透過増進剤10〜70重量%、
(iii)9〜60%のビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート10〜70重量%
からなる貯蔵体;
(b)この貯蔵体の皮膚から遠位の表面を支持している裏打ち層、
および
(c)皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段。
【0079】
より好ましくは、治療有効速度でペルゴライドを経皮投与するためのデバイスは、下記の構成を有する:
(a)(i)ペルゴライドの医薬として許容される塩1〜15重量%、
(ii)透過増進剤10〜70重量%、
(iii)9〜40%のビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート45〜85重量%
からなる貯蔵体;
(b)この貯蔵体の皮膚から遠位の表面を支持している裏打ち層、
および
(c)皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段。
【0080】
最も好ましくは、治療有効速度でペルゴライドを経皮投与するためのデバイスは、下記の構成を有する:
(a)(i)ペルゴライドメシレート1〜15重量%、
(ii)グリセロールモノラウレート1〜35重量%、
(iii)ラウリン酸メチル1〜35重量%、
(iv)鉱油1〜35重量%、
(v)30〜40%のビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート45〜80重量%
からなる貯蔵体;
(b)この貯蔵体の皮膚から遠位の表面を支持している裏打ち層、
および
(c)皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段。
【0081】
この裏打ち層は呼吸できる材料または閉塞性材料であることができ、例えばポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはエチレンビニルアセテート膜であることができる。鉱油が使用される場合には、ポリエステル裏打ち層が好適である。エチレンビニルアセテートが裏打ち層として使用される場合には、そのビニルアセテート含有量は33%または40%であると好ましい。
【0082】
皮膚に対して医薬および透過増進剤透過関係で貯蔵体を保持する手段は好ましくは、以下の例に記載されているように、ポリイソブチレン接着剤である。本発明のもう一つの態様は、この接着剤中に少量のペルゴライド、例えば約1.0〜約5重量%のペルゴライドを含有するものに関する。
【0083】
前記特許には、本発明による経皮ペルゴライド放出系の各種層または成分の生成に使用することができる広く種々の物質が記載されている。従って、本発明は、本明細書に詳細に記載されている物質以外の、以後必要な機能を果たすことができることが当業者に知られるようになる物質を包含する物質の使用を包含する。
【0084】
本発明はまた、個人に実質的に一定のペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間をとおして治療有効速度でペルゴライドを個人に連続投与する方法に関する。
【0085】
本発明のもう一つの方法は、個人にペルゴライドの治療的血漿レベルを達成し、これを維持するために、皮膚透過増進量の透過増進剤とともにペルゴライドを治療有効速度で経皮共同投与する方法に関し、この方法は、
(a)身体表面または膜にペルゴライドおよび(b)透過増進剤を共同投与することからなり、ここでペルゴライドは個人にペルゴライドの治療的血漿レベルを達成し、これを維持するために、投与期間をとおして治療有効速度で供給される。ペルゴライドおよび透過増進剤は上記デバイスおよび組成物を用いて身体表面または膜に投与することができる。
【0086】
本発明の好適態様はパーキンソン病の処置方法を包含する。パーキンソン病の処置に有用であるためには、ペルゴライドは約100pg/ml以上の血漿濃度、好ましくは約300pg/ml以上の血漿濃度、最も好ましくは約1000pg/ml以上の血漿濃度で存在させるべきである。この結果を達成するためには、ペルゴライドは、通常約12時間ないし7日間の処置期間をとおして、少なくとも約100μg/時間、代表的には少なくとも125μg/時間、さらに典型的には少なくとも約150μg/時間の推定治療速度で放出させる。一例として、150μg/時間の望ましい治療速度を得るためには、20cm2の系は7.5μg/時間のペルゴライド流量を要する。別様には、150μg/時間の治療速度を得るためには、25cm2の系は約2μg/時間のペルゴライド流量を要する。このような系は24時間にわたりペルゴライド約3.6mgを供給する。
【0087】
血漿中のペルゴライドの存在時間の長さおよび総量は本発明による技術に従い変えることができ、相違する治療計画を得ることができる。従って、これらは外部からのペルゴライドが個人または動物に経皮放出される期間の長さを制御することができる。
【0088】
本発明を一般的に説明したが、下記の特定の例は本発明の好適態様を説明するものであって、いかなる方法でも本発明を制限しようとするものではない。
【0089】
例1
表1に示されているように、水単独、水とエタノールまたは鉱油単独と混合したペルゴライド塩基またはメシレートを含有する試験ベヒクルから、ヒト死体表皮を通過するペルゴライド塩基またはメシレートの流量を測定するために、数種の試験試料を形成した。経皮流量は、標準的拡散セル内で35℃において、ヒト表皮を用いて得た。図5および6はこれらの結果をグラフにより示すものである。これらの図から明白なように、透過増進剤の不存在下におけるペルゴライド塩基の平均ベースライン皮膚流量は、52時間にわたり約0.3μg/cm2・時間であり、他方透過増進剤の不存在下におけるペルゴライドメシレートの平均ベースライン皮膚流量は、同一時間にわたり約1.1μg/cm2・時間である。
【0090】
【表1】
【0091】
例2
40パーセントのビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート(「EVA40」、USI Chemicals,Illinois)をペルゴライド塩基またはメシレート、GML(Grindsted Products,Braband,Denmark)またはLDEA(Lonza, Inc.)および鉱油(Witco Corp.)と混合することによって、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。この混合物を次いで、テトラヒドロフラン中に溶解した。混合した後に、この混合物を手で成型し、5ミル厚さの薄膜に乾燥させた。この医薬貯蔵体の組成を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
この薄膜の一方の面上に顔料含有中密度ポリエチレン/アルミニウムホイル/PET/EVA[メドパル(Medpar)、登録商標名]裏打ち層を、かつまた反対側の面上にアクリレート接触接着剤(3M,Paul,MN)を次いで積層し、この積層体を次いで、1.6cm2の面積に打ち抜いた。
【0094】
円形のヒト表皮片を層状角質層と対面させて配置した。この積層体の剥離性裏打ち層を取り除き、この系を次いで、この表皮の層状角質層上の中央に配置した。この表皮の縁端を次いで、この系を取り囲んで折り畳んだ。この組立て構造体を次いで、テフロン(登録商標)(Teflon)ロッド上に配置した。既知量のレセプター溶液を次いで、試験管に入れ、35℃で平衡化した。そこに付着している系および表皮を有する、このテフロン(登録商標)ロッドを次いで、35℃の水浴中に入れた。一定の垂直混合を生じさせるモーターに連結して、混合を行った。
【0095】
指定時間間隔で、試験管から全試験レセプター溶液を取り出し、35℃で予め平衡化した等量の新しいレセプター溶液で取り替えた。このレセプター溶液は栓をしたバイアル中で室温において保存し、その後、HPLCによりペルゴライド含有量を分析した。医薬濃度およびレセプター溶液の量、透過面積および時間間隔から、表皮を通過する医薬の流量を、下記のとおりに計算した:
(医薬濃度×レセプター容量)(面積×時間)=流量(μg/cm2・時間)ペルゴライド塩基またはメシレートの蓄積放出量(cumulative release)を図7および8に示す。
【0096】
例3
例2に従い、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。この薄膜を次いで、一方の面上でメドパル(Medpar)裏打ち層に積層し、かつまた反対側の面上でペルゴライト2.5重量%を含有するポリイソブチレン接着剤に積層した。この接着剤はヘプタン中に1.2Mポリイソブチレン19.8%、35Kポリイソブチレン24.7%および軽油55.5%を溶解させることによって調製した。ペルゴライド2.5%を添加し、この全混合物を2ミルの乾燥厚さに成型した。この薄膜を次いで、ステンレス鋼製パンチを用いて1.6cm2の面積の円形に打ち抜いた。
【0097】
皮膚提供者の皮膚を60℃の水中に60秒間浸積した後に、ここから表皮を分離した。ディスク(7/8インチ径)を、この表皮から切り取り、これらのディスクは使用時まで、水和状態で4℃に保持した。
【0098】
各被験ディスクについて、剥離性裏打ち層を取り除き、その医薬放出層をこの表皮ディスクの層状角質層上に対面して配置し、使用の直前まで吸取り乾燥させておいた。余剰の表皮を次いで、デバイスの周囲に巻き付け、デバイスの縁端がレセプター溶液にさらされないようにした。この表皮で覆われたデバイスを、ナイロンニットおよびニッケルワイヤーを用いて、放出速度ロッドのテフロン(登録商標)(Teflon)ホルダーの平坦な面上に配置した。このロッドを固定量のレセプター溶液中で反復運動させた。各試料採取時点で、全レセプター溶液を取り替えた。このレセプター溶液の温度は水浴中で35℃に維持した。ペルゴライド塩基またはペルゴライドメシレートの蓄積放出量を図9および10に示す。
【0099】
例4
表3に示されているように、ペルゴライド塩基またはメシレート、EtOH、GMLおよび乳酸カプロイル(CLA)(R.I.T.A.Corp.Wood stock,IL.)と混合することによって、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。
【0100】
【表3】
【0101】
追加の3重量%のヒドロキシプロピルセルロースおよび水を添加し、この混合物を適当な容器に入れ、ゲル化させた。この混合物の所望量を次いで、18%のビニルアセテート含有量を有する2ミル厚さのエチレンビニルアセテート薄膜からなり、予め形成した3成分積層体の表面上に適用し、これは速度制御膜として使用した。ポリイソブチレン含有接着剤は2.5重量%のペルゴライドを含有しており、かつまた剥離性裏打ち層として、シリコーン被覆したポリエチレンエチレンテレフタレート薄膜を使用した。次いでこの混合物の頂上面上に、メドパル裏打ち層を適用し、次いで熱シールした。この系を、例2および3に記載のインビトロ試験法で使用するために必要な大きさに切断した。ペルゴライド塩基またはペルゴライドメシレートの蓄積放出量を図11および12に示す。
【0102】
例5
速度制御膜として使用される28%のビニルアセテート含有量を有する2ミル厚さのエチレンビニルアセテート薄膜、ペルゴライド2.5重量%を含有するポリイソブチレン接触接着剤、および剥離性裏打ち層としてのフルオロカーボン被覆したポリエチレンエチレンテレフタレート薄膜からなる予め形成された3層積層体の表面上に、例4で生成された混合物と同一の混合物の所望量を適用した。メドパル裏打ち層を次いで、この混合物の頂上面上に適用し、次いでこの系全体を熱シールした。この系を、例2〜4に記載のインビトロ試験法で使用するために必要な大きさに切断した。ペルゴライド塩基またはペルゴライドメシレートの皮膚流量を図13および14に示す。
【0103】
例6
種々の補助溶剤を使用して、GMLの透過増進性に対する鉱油の効果を評価した。40パーセントのビニルアセテート含有量を有するエチレンビニルアセテート(「EVA40」、USI Chemicals,Illinois)、ペルゴライドメシレート、GMLおよびラウレス−4(L−4)(Heterene Chemical Co.,Inc.,Paterson, N.J.)、ラウリン酸メチル(Sigma)、乳酸ラウリル(ISP Van Dyk Inc., Belleville,N.J. )および酢酸ドデシル(Penta)から選択される補助溶剤を混合することによって、医薬/透過増進剤貯蔵体を製造した。この混合物を次いで、テトラヒドロフラン中に溶解した。混合した後に、この混合物を手で成型し、5ミル厚さの薄膜に乾燥させた。鉱油が存在しない場合の各補助溶剤にかかわる各種組成物を、メシレート/GML/ラウレス−4/EVA10/20/12/58からなる対照組成物と比較した。これらの医薬貯蔵体の組成を表4a〜4cに示す。
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】
この薄膜を次いで、メドパル裏打ち層の一表面上に積層した。この系を次いで、例2〜4に記載のインビトロ試験法で使用するのに必要な大きさにダイで切断した。ペルゴライドメシレートの皮膚流量を図15〜17に示す。
【0108】
次いで、5%ペルゴライドメシレート、10%GML、10%乳酸ラウリル、ラウリン酸メチルまたは酢酸ドデシル補助溶剤、15%鉱油および16%EVA40からなる組成物を調製し、前記インビトロ皮膚流量試験で使用し、ペルゴライドメシレート/GML/ラウレス−4/EVA 40の10/20/12/58組成物と比較した。このインビトロ皮膚流量試験の結果を図18に示す。図18から明白なように、鉱油は、GMLおよびラウリン酸メチルを含有する組成物に対して最も実質的な効果を有する。
【0109】
本発明を一般的に説明し、およびまた出願人がかれらの発明を実施する最上の方法であると考える或る特定の態様について説明したが、本発明の種々の変更を本発明の範囲から逸脱することなく当業者が実施できることは容易に認識されるべきであり、本発明に請求の範囲によってのみ制限される。
【0110】
本発明の好ましい態様は下記のとおりである。
1.身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドまたはその医薬として許容される塩を担体中に含有する組成物。
2.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル(caproyl lactic acid)、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、1に記載の組成物。
3.ペルゴライドを医薬として許容される塩として含有する、2に記載の組成物。
4.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、3に記載の組成物。
5.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルからなる混合物である、4に記載の組成物。
6.鉱油をさらに含有する、5に記載の組成物。
7.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドを供給するデバイス。
8.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、7に記載のデバイス。
9.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、8に記載のデバイス。
10.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、9に記載のデバイス。
11.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層からなる、10に記載のデバイス。
12.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、11に記載のデバイス。
13.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルからなる、10に記載のデバイス。
14.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、13に記載のデバイス。
15.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドおよび透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
16.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、15に記載のデバイス。
17.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、16に記載のデバイス。
18.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、17に記載のデバイス。
19.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、18に記載のデバイス。
20.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、19に記載のデバイス。
21.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、20に記載のデバイス。
22.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、21に記載のデバイス。
23.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライド;
(ii)10〜70重量%のラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
24.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、23に記載のデバイス。
25.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、24に記載のデバイス。
26.透過増進剤が1〜35重量%のグリセロールモノラウレートおよび1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、25に記載のデバイス。
27.貯蔵体が1〜35重量%の鉱油をさらに含有する、26に記載のデバイス。
28.貯蔵体が0.75/1.0/0.50のグリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油比を有する、27に記載のデバイス。
29.身体表面または膜を通過する透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度でペルゴライドを経皮投与する方法であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な担体中で身体表面又は膜にペルゴライドを投与することからなる方法。
30.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤の透過増進量を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量で同時に共投与することからなる、29に記載の方法。
31.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、30に記載の方法。
32.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、31に記載の方法。
33.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、32に記載の方法。
34.担体が鉱油をさらに含有する、33に記載の方法。
35.パーキンソン病の処置方法であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な担体中で身体表面又は膜にペルゴライドまたはその医薬として許容される塩を投与することからなる処置方法。
36.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤の透過増進量を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量で同時に共投与することからなる、35に記載の処置方法。
【0111】
また、本発明の好ましい態様は下記のようなものである。
1.身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドの医薬として許容される塩を担体中に含有する組成物。
2.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、1に記載の組成物。
3.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、1に記載の組成物。
4.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む混合物である、3に記載の組成物。
5.鉱油をさらに含有する、4に記載の組成物。
6.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドの医薬として許容される塩を含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドの医薬として許容される塩を供給するデバイス。
7.貯蔵体が、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、6に記載のデバイス。
8.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、6に記載のデバイス。
9.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、8に記載のデバイス。
10.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、9に記載のデバイス。
11.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、10に記載のデバイス。
12.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、11に記載のデバイス。
13.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)或る量のペルゴライドおよび透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
14.ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を実質的に増進させるのに充分な量でさらに含有する、13に記載のデバイス。
15.ペルゴライドを医薬として許容される塩として含有する、14に記載のデバイス。
16.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、15に記載のデバイス。
17.透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、16に記載のデバイス。
18.貯蔵体が鉱油をさらに含有する、17に記載のデバイス。
19.皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、18に記載のデバイス。
20.インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、19に記載のデバイス。
21.ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライド;
(ii)10〜70重量%の、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために投与期間中少なくとも約1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
22.ペルゴライドを医薬として許容される塩として供給する、21に記載のデバイス。
23.医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、22に記載のデバイス。
24.透過増進剤が1〜35重量%のグリセロールモノラウレートおよび1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、23に記載のデバイス。
25.貯蔵体が1〜35重量%の鉱油をさらに含有する、24に記載のデバイス。
26.貯蔵体が0.75/1.0/0.50のグリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油比を有する、25に記載のデバイス。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明はパーキンソン病処置用のペルゴライド(pergolide )の安全で、かつまた効果的な経皮投与に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明による経皮治療系の皮膚に適用する以前の一態様の構成を示す透視式横断面図である。
【図2】図2は、本発明のもう一つの態様を示す横断面図である。
【図3】図3は、本発明のもう一つの態様を示す横断面図である。
【図4】図4は、本発明のもう一つの態様を示す横断面図である。
【図5】図5は、種々の水性および非水性試料から35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の流量(flux)を示すグラフである。
【図6】図6は、種々の水性および非水性試料から35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図7】図7は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の蓄積放出量(cumulative release)を示すグラフである。
【図8】図8は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの蓄積放出量を示すグラフである。
【図9】図9は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の蓄積放出量を示すグラフである。
【図10】図10は、種々の透過増進剤を含有するEVAマトリックス系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの蓄積放出量を示すグラフである。
【図11】図11は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(18%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の蓄積放出量を示すグラフである。
【図12】図12は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(18%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの蓄積放出量を示すグラフである。
【図13】図13は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(28%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライド塩基の流量を示すグラフである。
【図14】図14は、種々の透過増進剤および医薬が予め添加されているポリイソブチレン/鉱油を基材とするイン−ライン接触接着剤を含有する、EVA(28%酢酸ビニル)速度制御膜を備えたEtOH系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図15】図15は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/ラウリン酸メチル/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図16】図16は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/酢酸ドデシル/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図17】図17は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/乳酸ラウリル/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過するペルゴライドメシレートの流量を示すグラフである。
【図18】図18は、接着剤を含有していない、種々のペルゴライドメシレート/GML/補助増進剤/鉱油/EVA40系から、35℃においてインビトロで、ヒト表皮を通過する鉱油と組合わされているGML補助増進剤、ラウリン酸メチル、乳酸ラウリルおよび酢酸ドデシルの流量比較を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを担体中に含有する組成物。
【請求項2】
ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を増進させるのに充分な量でさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
投与時間が少なくとも8時間である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む混合物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
鉱油をさらに含有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドメシレートを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを供給するデバイス。
【請求項7】
貯蔵体が、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を増進させるのに充分な量でさらに含有する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
貯蔵体が鉱油をさらに含有する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドの医薬として許容される塩および透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項13】
ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を増進させるのに充分な量でさらに含有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
貯蔵体が鉱油をさらに含有する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)10〜70重量%の、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項20】
医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
透過増進剤が1〜35重量%のグリセロールモノラウレートおよび1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
貯蔵体が1〜35重量%の鉱油をさらに含有する、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
貯蔵体が0.75/1.0/0.50のグリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油比を有する、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレート及びグリセロールモノラウレートを担体中に含有する組成物。
【請求項25】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドメシレート及びグリセロールモノラウレートを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを供給するデバイス。
【請求項26】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドの医薬として許容される塩およびグリセロールモノラウレートを含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項27】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)10〜70重量%のグリセロールモノラウレート;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項28】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを担体中に含有する組成物。
【請求項29】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドメシレートを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、少なくとも8時間の投与期間中、治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを供給するデバイス。
【請求項30】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドの医薬として許容される塩および透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中、治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項31】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)10〜70重量%の、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中、治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項32】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、組成物が医薬として許容されるペルゴライドの塩と、グリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルの混合物を含む透過増進剤とを含む組成物。
【請求項33】
医薬的として許容されるペルゴライドの塩がペルゴライドメシレートである、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
鉱油をさらに含有する、請求項32または33に記載の組成物。
【請求項35】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)請求項32−34のいずれかに記載の組成物を含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:を含むデバイス。
【請求項36】
請求項32−34のいずれか一項に記載の組成物を含む第一貯蔵体;及び
過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体を含み、さらに
第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜を有する、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、請求項35または36に記載のデバイス。
【請求項38】
インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
貯蔵体が、
(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)1〜35重量%のグリセロールモノラウレート及び1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、10〜70重量%の透過増進剤;及び
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー:含む、請求項35−請求項38のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項40】
貯蔵体がさらに1〜35重量%の鉱油を含む、請求項39も記載のデバイス。
【請求項41】
貯蔵体が、グリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油を0.75/1.0/0.50の比率で含む、請求項40記載のデバイス。
【請求項1】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを担体中に含有する組成物。
【請求項2】
ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を増進させるのに充分な量でさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
投与時間が少なくとも8時間である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む混合物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
鉱油をさらに含有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドメシレートを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを供給するデバイス。
【請求項7】
貯蔵体が、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から、単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を増進させるのに充分な量でさらに含有する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
貯蔵体が鉱油をさらに含有する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドの医薬として許容される塩および透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項13】
ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤を、ペルゴライドに対する身体表面または膜の透過性を増進させるのに充分な量でさらに含有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
透過増進剤がグリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
貯蔵体が鉱油をさらに含有する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)10〜70重量%の、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項20】
医薬として許容される塩がペルゴライドメシレートである、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
透過増進剤が1〜35重量%のグリセロールモノラウレートおよび1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
貯蔵体が1〜35重量%の鉱油をさらに含有する、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
貯蔵体が0.75/1.0/0.50のグリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油比を有する、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレート及びグリセロールモノラウレートを担体中に含有する組成物。
【請求項25】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドメシレート及びグリセロールモノラウレートを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを供給するデバイス。
【請求項26】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドの医薬として許容される塩およびグリセロールモノラウレートを含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によるペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項27】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)10〜70重量%のグリセロールモノラウレート;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中少なくとも1μg/cm2・時間の流量によりペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項28】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、ペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、投与期間にわたり治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを担体中に含有する組成物。
【請求項29】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドメシレートを含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために、少なくとも8時間の投与期間中、治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量のペルゴライドメシレートを供給するデバイス。
【請求項30】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)ペルゴライドの医薬として許容される塩および透過増進量の透過増進剤を含有する第一貯蔵体;
(b)過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体;
(c)第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜;
(d)第二貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(e)第一貯蔵体および第二貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段:
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中、治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項31】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)10〜70重量%の、ラウラミドジエタノールアミン、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、ラウリン酸メチル、乳酸エステル、乳酸カプロイル、エタノール、およびポリエチレングリコール−4ラウリルエーテルからなる群から単独でまたは1種または2種以上の組合わせとして選択される透過増進剤;
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー;
を含む貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬および透過増進剤送達関係で保持するための手段;
を含み、ここでペルゴライドの治療的血漿レベルを得るために少なくとも8時間の投与期間中、治療有効速度でペルゴライドの持続放出を可能にするのに有効な量でペルゴライドを供給するデバイス。
【請求項32】
身体表面または膜を通る透過によってペルゴライド治療を必要とする個人に治療有効速度で身体表面または膜を通してペルゴライドを放出するための組成物であって、組成物が医薬として許容されるペルゴライドの塩と、グリセロールモノラウレートおよびラウリン酸メチルの混合物を含む透過増進剤とを含む組成物。
【請求項33】
医薬的として許容されるペルゴライドの塩がペルゴライドメシレートである、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
鉱油をさらに含有する、請求項32または33に記載の組成物。
【請求項35】
ペルゴライド治療を必要とする個人にペルゴライドを治療有効速度で経皮投与するためのデバイスであって、
(a)請求項32−34のいずれかに記載の組成物を含有する貯蔵体;
(b)この貯蔵体の身体接触から遠位の表面を支持する裏打ち層;および
(c)この貯蔵体を身体表面または膜と医薬送達関係で保持するための手段:を含むデバイス。
【請求項36】
請求項32−34のいずれか一項に記載の組成物を含む第一貯蔵体;及び
過剰量の透過増進剤および第一貯蔵体と平衡状態で飽和または飽和以下でペルゴライドを含有する第二貯蔵体を含み、さらに
第一貯蔵体と第二貯蔵体との間に存在する速度制御膜を有する、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
皮膚と関連させて貯蔵体を保持する手段が貯蔵体の身体接触から近位の表面上に存在するインライン接着剤層を含む、請求項35または36に記載のデバイス。
【請求項38】
インライン接着剤がポリイソブチレン接着剤である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
貯蔵体が、
(i)1〜15重量%のペルゴライドの医薬として許容される塩;
(ii)1〜35重量%のグリセロールモノラウレート及び1〜35重量%のラウリン酸メチルを含む、10〜70重量%の透過増進剤;及び
(iii)35〜85重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー:含む、請求項35−請求項38のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項40】
貯蔵体がさらに1〜35重量%の鉱油を含む、請求項39も記載のデバイス。
【請求項41】
貯蔵体が、グリセロールモノラウレート/ラウリン酸メチル/鉱油を0.75/1.0/0.50の比率で含む、請求項40記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−238636(P2007−238636A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168802(P2007−168802)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【分割の表示】特願平9−501953の分割
【原出願日】平成8年6月7日(1996.6.7)
【出願人】(500215838)アルザ コーポレイション (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【分割の表示】特願平9−501953の分割
【原出願日】平成8年6月7日(1996.6.7)
【出願人】(500215838)アルザ コーポレイション (15)
【Fターム(参考)】
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