説明

ペーパウェブを製造するための方法並びに抄紙機

光沢仕上げされたペーパウェブを抄紙機において製造するための方法であって、ペーパウェブを、部分的に灰分が充填された繊維を含む繊維材料懸濁液を使用して製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光沢仕上げされたペーパウェブを抄紙機において製造するための方法に関する。
【0002】
先行技術によって製造された紙では、黒光りと紙の粗さおよび光沢との間に関係があることが確認される。黒光りとは、未塗工木材含有紙の強光沢仕上げの際の枚葉紙における局地的な高密度化、または塗工木材含有紙の枚葉紙における局地的な高密度化のことである。この高密度化は、繊維と空気との間の光散乱性の境界面を減じる。これによって、透過光での観察時に枚葉組織に透明な個所が生じる。特に、透明な個所は繊維交点に生じ、この繊維交点は、高められた単位面積質量の局地的な個所として、カレンダにおいて最大の圧縮応力にさらされている。透過光において透明な個所は照射光においては暗く現れる。なぜならば、光は透過し僅かな部分に対してしか反射されないからである。したがって紙は″灰色の″斑入りの外観を有する。黒光りは、光沢仕上げプロセスにおいて繊維が萎縮することにより生じる。繊維は、内腔、すなわち繊維の空隙における繊維と空気および空気と繊維との間の欠落している境界層のために透けて見える。
【0003】
本発明の課題は、ペーパウェブにおける黒光りを制限することである。
【0004】
この課題を解決した本発明によれば、ペーパウェブを、部分的に灰分が充填された繊維を含む繊維材料懸濁液を使用して製造するようにした。
【0005】
繊維充填プロセスによって灰分を供給する場合、たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第10204254号明細書によれば、灰分は直接繊維内に沈殿し、繊維に結合する。マイクロスコープ撮影により明らかなように、灰分は繊維の空隙にも堆積する。萎縮している繊維においてすら繊維−灰分の境界層と灰分−繊維の境界層とが存在するので、黒光りは阻止される。
【0006】
すなわち本発明によれば、黒光り指数は、同じ最終粗さにおいては少なくとも10%減じられる。逆に同じ黒光り指数では、紙の最終粗さは少なくとも12%減じられる。
【0007】
本発明の有利な構成が、従属請求項、明細書および図面から明らかである。
【0008】
特に有利な方法では、抄紙機においてペーパウェブを、複数のニップを有するカレンダにより案内する。この場合、ニップにおいて50kN/m以上の直線的な負荷がペーパウェブにかかる。
【0009】
この場合、100kN/m以上または350kN/m以上の直線的な負荷も、ペーパウェブにかけると、特に有利である。
【0010】
ペーパウェブを5%以下の湿分にまで過剰乾燥し、続いてカレンダの手前で7%以上の湿分にまで再湿潤しても有利である。
【0011】
本発明は、上述の方法により光沢仕上げされたペーパウェブを製造するための抄紙機にも関する。
【0012】
当該抄紙機は、繊維材料懸濁液に灰分を充填するための装置を有していることを特徴とする。この装置の利点は、ペーパウェブのオンライン製造および、オフライン製造においても有効である点である。すなわち、繊維材料懸濁液を充填するための装置とペーパウェブを製造するための機械とが連続して配置されていなくても、製紙のプロセスが、繊維材料懸濁液への灰分の充填に直に続いて行われても有効である。繊維の充填により、紙はカレンダにおけるより高い直線的な負荷を受けることができ、ペーパウェブのより高い平滑性が得られる。
【0013】
有利には、この装置はスタティックミキサと、酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムを供給するための調製装置と、プレスまたは脱水スクリュと、補償反応器またはレベリングスクリュ(Egalisierschnecke)と、結晶化装置として使用する容器と、別の結晶化装置と、二酸化炭素貯蔵タンクまたは二酸化炭素を再回収するための付加的な装置とを有している。
【0014】
有利な構成では、この装置が、高濃度型クリーナおよび/または二酸化炭素加熱器および/またはプレス水または脱水スクリュにおいて取り除かれた水のための貯蔵タンクを有している。
【0015】
脱水スクリュにおいて得られた、繊維材料懸濁液の濾液が、管路を介して前置槽または繊維材料懸濁液を調成するための前置された別の装置に戻すことができると有利でもある。
【0016】
付加的には、結晶化装置として使用される容器の後方に、繊維材料懸濁液のクリーニングのために付加的な洗浄装置が配置されていることは有利であり得る。
【0017】
さらに有利には、当該抄紙機はツインワイヤフォーマを有している。このツインワイヤフォーマの後方に配置されたプレスパートには、有利には少なくとも1つのシュープレスが設けられている。有利には、当該抄紙機は複数のニップを備えたカレンダを有していて、これによって粗さを減じ、平滑性を高める。
【0018】
有利には、カレンダの手前にペーパウェブを再湿潤するための装置が配置されている。有利には、再湿潤は蒸気噴出箱によって達成され、この蒸気噴出箱により紙の光沢も高められる。
【0019】
LWC(light weigh coated:軽量塗工)紙とMWC(medium weight coated:中量塗工)紙とを製造する場合、有利には付加的に、塗工装置が使用される。
【0020】
製紙の際に繊維材料懸濁液が繊維充填テクノロジ(Fiber−Loading−Technologie)によって扱われると、市場で公知の製品と比べて新たな改良された特性を有する完全に新たな製品がもたらされる。以下に記載したプロセスによって、製紙工場における材料調成時に直接、填料(炭酸カルシウム)を沈殿させることが可能になる。この填料は専ら繊維材料におよび繊維材料内に、特に紙繊維におよび紙繊維内に均等に分配され添加されている。
【0021】
専ら、沈降炭酸カルシウムが充填された繊維材料を製造することにより、この場合、炭酸カルシウムは繊維にまたは繊維内に添加もしくは繊維内に堆積していて、自由な沈降炭酸カルシウム(PCC)の形成は妨げられる。付加的な洗浄過程を、叩解プロセス前および/または叩解プロセス後および/または結晶化装置における結晶化過程前および/またはヘッドボックス槽の手前または抄紙機への供給前に行うことにより、またはプレス濾液を前置槽または入口側の別の蓄積装置に戻すことにより、水酸化カルシウムの一定の含有量が、繊維充填装置の供給システムにおいて調節されるかまたは調整される。水酸化カルシウムは、直接繊維材料溶解器に供給することができる。プレス濾液は、材料溶解システムに戻すことができる。繊維にまたは繊維内に添加されない水酸化カルシウムは、前置のプロセスに再び供給される。
【0022】
繊維にまたは繊維内に沈積していない填料だけが、すなわち自由な沈降炭酸カルシウムだけが洗い流される。内外に填料が付着している繊維自体は、洗浄過程およびプレス濾液の返送により填料を失わず、その結果、繊維充填テクノロジの有利な効果は持続する。
【0023】
特に本発明によれば、繊維材料懸濁液は、濾液を搾取するためにプレス装置内に供給されるようにもなっている。続いて濾液は繊維材料懸濁液を溶解するための装置に、すなわち、入口側の蓄積容器、たとえば前置槽に少なくとも部分的に戻される。水酸化カルシウムは、少なくとも部分的に繊維材料を溶解するための装置に付加される。完全な材料溶解システム、すなわち繊維材料を溶解するための装置では、pH値は7〜12、特に9〜12の間で維持される。
【0024】
水性または乾性の形態の水酸化カルシウム、または酸化カルシウムは、存在している個体割合の0.01%〜60%の間の範囲で水性の紙繊維材料に混入される。混合過程のために、スタティックミキサまたは前置槽または材料溶解システムが使用される。この場合、pH値は7〜12、有利には9〜12の間の範囲で使用される。水酸化カルシウムの反応性は、0.01秒〜10分、有利には1秒〜3分の間にある。既述の反応パラメータに基づき希釈水が混入される。
【0025】
二酸化炭素は、湿ったパルプ次元における反応パラメータに相応して混入される。この場合、二酸化炭素雰囲気において炭酸カルシウムは沈殿する。
【0026】
同時に、乾燥パルプ1トン当たり0.1kWh〜300kWhの間の範囲で叩解エネルギが供給される。繊維材料懸濁液を製造するための従来のプロセスと比べて、本発明によれば、より高い叩解度がエネルギ効率良く達成することができる。本発明によれば、叩解エネルギの50%を節約することができる。
【0027】
最終製品の、高い叩解度により達成された機械的に高い強度は、あらゆる紙品種の製造に有効に作用する。なぜならば、抄紙機の種々異なるセクション、たとえばプレスパート、ドライパートまたはペーパウェブが巻き上げられる領域でのプロセスによる機械的な負荷により製造された中間製品と製造したい最終製品とは、巻上げ機と、巻取り機と、巻替え機と加工機とを使用することよって機械的に高く負荷されるからである。叩解プロセスにおけるエネルギ供給、すなわち熱量および熱量から生じる加熱は制御される。制御に応じて種々異なる形の結晶が製造され得る。
【0028】
繊維材料懸濁液の本発明による前処理によって、より良好な乾燥のための条件ももたらされる。この条件によりあらゆる紙品種を製造する際の効率が高められる。有利には、残留湿分が1%〜20%の間の範囲である。
【0029】
本発明により、15明度点までだけ改良された明度を有する、より高い白色度および/またはより高い光学的な値も、あらゆる種類の紙を製造する際に達成される。
【0030】
特に、叩解プロセスを行わない場合、同様に、沈殿反応のために、0.3kWh/t〜8kWh/t、特に0.5kWh/t〜4kWh/tの間のエネルギが消費されるようになっていてよい。
【0031】
有利には、プロセス温度が−15℃〜120℃、特に20℃〜90℃の間にある。有利には、斜方六面体の、偏三角面体の、球形の結晶が形成される。この場合、結晶は0.05μm〜5μm、特に0.3μm〜2.5μmの寸法を有している。
【0032】
炭酸カルシウムが充填された繊維材料懸濁液を製造するために、スタティックミキサエレメントおよび/または可動の、特に回転式のミキサエレメントが使用される。
【0033】
当該方法は、0bar〜15bar、特に0bar〜6barの間の圧力範囲において実施することができる。同様に、有利には当該方法は、6〜10、特に6.5〜8.5のpH値においても実施される。この場合、反応時間は、0.01秒〜1分、特に0.05秒〜10秒の間である。
【0034】
上述の紙品種に本発明による技術を使用する際のさらなる利点は、これらの紙品種を、カレンダにおいてもさらに加工することができるという点にある。繊維充填テクノロジを使用する場合、繊維充填粒子が、繊維内および繊維周辺および繊維に堆積されることにより、黒化、すなわち黒光りは回避される。
【0035】
本発明による繊維充填組合せプロセステクノロジによって製造された繊維材料は、従来技術によって製造された繊維材料と比べて、より高い脱水能を有している。この脱水能は、5ml〜100mlCSFの間、または0.2°〜15°SRまでにあり、要求された叩解度および填料含有量に依存している。この繊維材料は、約2%〜25%のより低い保水能を有していて、この保水能は製紙のために使用される素材に依存している。従来技術の繊維材料と比べて、水は繊維材料懸濁液からより迅速に取り除くことができ、繊維材料は相応により迅速に乾く。この繊維材料は、これにより製紙プロセスにおいてより僅かである再湿潤および製造された紙品種の印刷適性に有効な影響を与える。
【0036】
以下に、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
【0037】
図1は、繊維材料ウェブを製造するための機械における繊維材料懸濁液の調成過程を示す概略図、
図2は、ペーパウェブの粗さの関数である黒光りを示した図、
図3は、光沢仕上げされた紙を製造するための抄紙機の構成を示した図である。
【0038】
繊維材料懸濁液のために、制御弁2,3が備え付けられている導管システム1(図1)が設けられている。制御弁2は管路4内に配置されていて、この管路4を介して導管システム1はスタティックミキサ5と接続されている。このミキサ5に弁6を介して希釈水が供給される。繊維材料懸濁液の流れ方向で、ミキサ5の後方に繊維材料懸濁液を貯蔵するための槽7またはタンクが配置されている。槽7から繊維材料懸濁液がポンプ8を介して別のスタティックミキサ9に圧送される。このミキサ9にも弁10を介して希釈水が供給される。同様に、管路12内に取り付けられている弁11を介して、水酸化カルシウムの懸濁液の流入が制御される。
【0039】
この水酸化カルシウムは調製装置13から提供され、この調製装置13内では固体の酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムが水に供給される。このために調製装置13に、弁15を有する管路14を介して水が供給される。調製装置13内で形成された懸濁液は、ポンプ16を介して管路12に導入される。
【0040】
したがってミキサ9から、水酸化カルシウムと混合された繊維材料懸濁液が、弁18を有する管路17に脱水スクリュ19に向かって流れ込む。この脱水スクリュ19内で繊維材料懸濁液から水が取り除かれ、この水は、たとえば管路20を介してミキサ5に希釈水として戻される。択一的または付加的には、脱水スクリュ19で取り除かれた水は、繊維材料懸濁液のための貯蔵タンク21に導かれてもよく、またはミキサ9に戻される。全ての場合において、脱水スクリュ19に前置された装置において、pH値は水酸化カルシウムを含む水を戻すことにより高められ、調整され得る。
【0041】
繊維材料懸濁液は、脱水スクリュ19から管路22を介してレベリングスクリュ23に到達し、これによって繊維材料懸濁液を均一化する。流れ方向でこのレベリングスクリュ23の後方に、管路24を介して容器(結晶化装置)25が配置されている。この容器25は、弁26,27とポンプ28とが備え付けられた、二酸化炭素を供給するための管路29を介して二酸化炭素貯蔵タンク30と接続されている。この二酸化炭素貯蔵タンク30から二酸化炭素が結晶化装置25に導入され、これによって、繊維材料の繊維内への填料としての炭酸カルシウムを形成するために、水酸化カルシウムと二酸化炭素との所望の沈殿反応を生ぜしめる。
【0042】
管路29から分岐している、弁32が備え付けられている別の管路31を介して、二酸化炭素貯蔵タンク30は、付加的にレベリングスクリュ23と接続している。これにより、レベリングスクリュ23にも二酸化炭素を導入することができ、これによって既にレベリングスクリュ23において少なくとも部分的に沈殿反応が行われる。
【0043】
同様に、管路29は別の弁33を介してスタティックミキサ34に接続されている。このミキサ34は、弁35が備え付けられた管路36を介して、結晶化装置25から流出する繊維材料懸濁液にさらに二酸化炭素を付加するのに使用される。
【0044】
繊維材料懸濁液は、ミキサ34から混合タンク37に流れ込む。ミキサ34とこの混合タンク37との間に、濾過装置として付加的に使用される貯蔵タンク38が配置されていてよい。貯蔵タンク38から、炭酸カルシウムを多く含む濾液が、前置槽7または、希釈水または繊維材料懸濁液を調成するために前置された別の装置へと戻される。混合タンク37には、繊維材料懸濁液を混ぜ合わせるためにロータ39が備え付けられている。繊維材料懸濁液は、ミキサ34から抄紙機のヘッドボックスに直接流れるか、またはたとえばリファイナーフィードチェストにおいて別の機械的な処理を受ける。
【0045】
ミキサ34に、導管システム1から、弁3とこの弁3が取り付けられている管路40とを介して、まだ水酸化カルシウムが加えられていない繊維材料懸濁液が同様に供給され得る。
【0046】
さらに、ペーパウェブを製造するための機械、特に抄紙機から、たとえば抄紙機のスクリーン領域において再回収された白水またはプロセス水がタンク21に供給されるか、または既に上述したように、繊維材料懸濁液が脱水スクリュ19からタンク21に供給されるようになっている。このタンク21には希釈水が、たとえば弁42を有する管路41を介して供給される。
【0047】
タンク21から、プロセス水と混合された希釈水が、管路43と、ポンプ44と、弁45とを介して結晶化装置25に流れ込む。したがって、繊維材料懸濁液に填料、特に炭酸カルシウムを充填するための装置の図1に示した構造によれば、形成したい繊維材料懸濁液の組成に、種々異なる製造段階において影響を与える多数の可能性がもたらされる。
【0048】
有利には、管路4の内側に高濃度リファイナ46が配置されている。貯蔵タンク30から供給された二酸化炭素のための加熱装置47もオプショナルである。加熱装置47は、流入口48を介して導入され、流出口49を介して再び導出される高温蒸気とともに作動する。
【0049】
SC(=スーパカレンダ処理した)紙(図2)のウェブを製造する場合、紙またはSC−A紙またはSC−B紙の品質に応じて、PPS測定方法によってマイクロメートルで測定された粗さRと、粗さの関数としての黒光りS(黒化指数)とのために規定の上限が示されなければならない。粗さと黒光りに関して上限の下方にある値を有する紙だけが使用可能である。
【0050】
光沢仕上げされた紙は、特に凹版印刷方法に適している。紙表面の所要の平滑性を得るために、この紙はカレンダニップにおいて平滑にされる。なぜならば、さもないと印刷像に欠陥個所が生じるからである。しかし余りにも僅かなニップを有するカレンダが使用され、ペーパウェブに高すぎるニップ圧力が加えられる場合、繊維の一部が潰され、これによって繊維は透明な外観となる。高い紙質のために、このような障害は図2に示した限度を超えてはならない。この限度は、同様に図2に示された限度曲線Gにより、種々異なる紙品種のために規定される。古紙(インキ抜きした紙)の割合が高すぎても、紙の品質をより悪い値にする。大きな粗さは、多くの印刷欠陥個所(″網ぬけ″)の原因になる。これに対して多くのニップが、印刷プロセスにおいて使用されると同時に小さな圧力または小さな直線的な力で作動される場合、製造設備は不経済的である。したがって本発明によれば、紙の品質は、繊維における空隙に灰分を充填することにより改良される。これにより、カレンダのニップにおいて、著しく高い直線的な力が可能になり、カレンダのニップの数は、先行技術と比べて減じることができる。したがって、黒光りが減じられるのと同時にカレンダの効率を高めることができる。
【0051】
光沢仕上げされた紙を製造するのに適している抄紙機(図3)は、ツインワイヤフォーマ50と、連続して配置された2つのローラ対偶を備えたプレスパート51とを有していて、これらのローラ対偶ではそれぞれプレスローラが、シュープレスローラとして形成されている。プレスパート51に、単列型のドライパート52が続いている。多数のローラ対偶を有するカレンダ53において、ペーパウェブが平滑にされる。続いてペーパウェブは巻取り装置54において巻き取られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】繊維材料ウェブを製造するための機械における繊維材料懸濁液の調成過程を示す概略図である。
【図2】ペーパウェブの粗さの関数である黒光りを示した図である。
【図3】光沢仕上げされた紙を製造するための抄紙機の構成を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパウェブを、部分的に灰分が充填された繊維を含む繊維材料懸濁液を使用して製造することを特徴とする、光沢仕上げされたペーパウェブを抄紙機において製造するための方法。
【請求項2】
ペーパウェブを、複数のニップを有するカレンダにより案内する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ニップにおいて50kN/m以上の直線的な負荷を、ペーパウェブにかける、請求項2記載の方法。
【請求項4】
100kN/m以上の直線的な負荷を、ペーパウェブにかける、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
350kN/m以上の直線的な負荷を、ペーパウェブにかける、請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
ペーパウェブを、5%以下の湿分にまで過剰乾燥し、続いてカレンダ(53)の手前で7%以上の湿分にまで再湿潤する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
繊維材料懸濁液に灰分を充填するための装置を有していることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の光沢仕上げされたペーパウェブを繊維材料懸濁液から製造するための抄紙機。
【請求項8】
繊維材料懸濁液に灰分を充填するための前記装置が、スタティックミキサ(5,9)と、酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムを供給するための調製装置(13)と、プレスまたは脱水スクリュ(19)と、補償反応器またはレベリングスクリュ(23)と、結晶化装置として使用される容器(25)と、別のスタティックミキサ(34)と、二酸化炭素貯蔵タンク(30)または二酸化炭素を再回収するための付加的な装置とを有している、請求項7記載の抄紙機。
【請求項9】
高濃度型クリーナ(46)および/または二酸化炭素加熱器(47)および/またはプレス水または脱水スクリュ(19)において取り除かれた水のための貯蔵タンク(21)を有している、請求項8記載の抄紙機。
【請求項10】
脱水スクリュ(19)において得られた、繊維材料懸濁液の濾液を、管路(20)を介して前置槽(7)または繊維材料懸濁液を調成するための前置された別の装置に戻すことができる、請求項8または9記載の抄紙機。
【請求項11】
結晶化装置として使用する容器(25)の後方に、繊維材料懸濁液のクリーニングのために付加的な洗浄装置が配置されている、請求項8から10までのいずれか1項記載の抄紙機。
【請求項12】
ツインワイヤフォーマ(50)を有している、請求項7から11までのいずれか1項記載の抄紙機。
【請求項13】
少なくとも1つのシュープレスを備えたプレスパート(51)を有している、請求項7から12までのいずれか1項記載の抄紙機。
【請求項14】
複数のニップを備えたカレンダ(53)を有している、請求項7から13までのいずれか1項記載の抄紙機。
【請求項15】
カレンダ(53)の手前に、ペーパウェブを再湿潤するための装置が配置されている、請求項14記載の抄紙機。
【請求項16】
ペーパウェブを再湿潤するための前記装置が、蒸気噴出箱である、請求項15記載の抄紙機。
【請求項17】
塗工装置を有している、請求項7から16までのいずれか1項記載の抄紙機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−501873(P2008−501873A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526261(P2007−526261)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005976
【国際公開番号】WO2005/121446
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】