説明

ホストコンピュータと動的ネットワークアドレスを有するネットワークプリンタとの再接続

【課題】動的ネットワークアドレスを有するネットワークプリンタに、ホストを再接続する手段を提供する。
【解決手段】第1の方法において、ユーザが、プリンタ上の再接続ボタンを押圧すると(S53)、プリンタは、ネットワークを通してプリンタのアドレスを含んでいる再接続イベントをブロードキャストする(S54)。ホストは、イベントを受信し、アドレスを抽出し、それに応じてプリンタを再接続する(S55)。第2の方法において、ホストは、候補プリンタのアドレスを取得し、ユーザインターフェース上にそれらのリストを表示し、そして、点滅信号を候補プリンタに送信し、それらに次々にアラームを生成させる。ユーザは、所望のプリンタを観察し、そのアラームを、ホストによって送信される点滅信号のタイミングに関連づける。前記観察に基づいて、ユーザが、ユーザインターフェース上の候補プリンタの1つを選択すると、ホストは、それと再接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
技術分野
本発明は、ネットワークプリンタシステムに関し、特に、ネットワークプリンタが動的IPアドレスを有する場合において、ネットワークプリンタをホストコンピュータに容易に再接続するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
複数のプリンタと複数のコンピュータとがネットワークに接続されているシステムにおいて、ネットワークアドレス(例えば、IPアドレス)は、動的な方法でプリンタに割り当てられることが多い。したがって、多くの場合、プリンタは、動的IPアドレスを有し、しかし、固有のホスト名ではない。例えば、プリンタがオフラインにされて、その後、オンラインに戻される場合や、電源異常が発生した時などにおいて、プリンタのIPアドレスは、変化し得る。従来は、プリンタをホストコンピュータに再接続するために、ユーザは、プリンタのコンフィギュレーションページを印刷し、その現在のIPアドレスを取得し、プリンタの正確なIPアドレスに従って、ホスト側(例えば、マイクロソフトのウインドウから)においてプリンタのためのポートコンフィギュレーションを手動で変更することを、必要とする。このプロセスは、面倒であり、紛らわしく、また、間違いやすい傾向がある。
【発明の開示】
【0003】
概要
本発明は、関連技術の限界および不利な点に起因する一つ以上の問題を実質的に除去する、ホストに対するプリンタの簡単な再接続を手助けするための方法および装置を、目指している。
【0004】
本発明の目的は、動的ネットワークアドレスを有するネットワークプリンタに、ホストを再接続する簡単な手段を提供することにある。
【0005】
本発明の付加的な特徴および有利な点は、後に続く説明に記載されており、ある程度、前記説明から明らかになり、あるいは、本発明の実施によって知ることが可能である。本発明の前記目的および他の利点は、添付の図面と同様に、それの説明文および請求の範囲において詳しく指摘される構成によって、実現化されかつ達成される。
【0006】
具体的に表現されかつ広範に説明されているこれらおよび/または他の目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続されている一つ以上のホストコンピュータおよび一つ以上のプリンタを含んでいるシステムにおいて、第1のプリンタを第1のホストコンピュータに再接続するために使用される方法を提供し、当該方法は、(a)手動で、前記第1のプリンタに、前記第1のプリンタに対して動的に割り当てられかつ前記第1のプリンタのメモリに格納されている前記第1のプリンタのネットワークアドレスを含んでいる再接続イベントを生成させるステップ、(b)前記第1のプリンタが、前記ネットワークを通して前記再接続イベントを送信し、前記一つ以上のホストコンピュータに伝達されるステップ、(c)前記第1のホストコンピュータが、前記再接続イベントを受信し、前記第1のプリンタの前記ネットワークアドレスを抽出するステップ、(d)前記第1のホストコンピュータが、前記第1のプリンタの前記抽出されたネットワークアドレスを使用し、前記第1のプリンタに再接続するステップを有する。
【0007】
本発明はまた、ネットワークに接続されている一つ以上のホストコンピュータおよび一つ以上のプリンタを含んでいるシステムにおいて、第1のプリンタを第1のホストコンピュータに再接続するために使用される方法を提供し、当該方法は、(a)前記第1のホストコンピュータが、前記第1のプリンタを含んでいる複数の候補プリンタを、それらのネットワークアドレスと共に取得するステップ、(b)前記第1のホストコンピュータが、ユーザインターフェース上に前記候補プリンタのリストを表示するステップ、(c)前記第1のホストコンピュータが、前記候補プリンタに対して次々に、点滅信号を送信するステップ、(d)前記第1のプリンタが、前記ホストコンピュータからの点滅信号を受信することに応答し、アラームを生成するステップ、(e)ユーザが、前記第1のプリンタの前記アラームを、前記ホストコンピュータによって送信される点滅信号のタイミングに関連づけるステップ、(f)前記ユーザが、観測に基づいて、前記ユーザインターフェース上で前記候補プリンタの1つを選択するステップ、および、(g)前記ホストコンピュータが、前記選択されたプリンタに再接続するステップを有する。
【0008】
別の様相において、本発明は、ホストコンピュータに、上記2つの方法をそれぞれ実行させるためのコンピュータプログラムを提供する。
【0009】
別の様相において、本発明は、上記コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0010】
別の様相において、本発明は、プリンタを提供し、当該プリンタは、プロセッサと、前記プリンタに動的に割り当てられた前記プリンタのネットワークアドレスであるIPを格納するためのメモリと、前記プロセッサに接続されている手動入力装置と、前記プリンタをネットワークに接続するためのネットワークインターフェースとを有しており、前記プロセッサは、前記手動入力装置からの入力に応答して再接続イベントを生成し、前記再接続イベントを、前記ネットワークインターフェースを経由してネットワークに送信するようにプログラムされており、前記再接続イベントは、前記プリンタのネットワークアドレスを含んでいる。前記プリンタは、前記ホストコンピュータから点滅信号を受信することに応答して、アラームを生成するためのアラームジェネレータを、さらに含むことも可能である。
【0011】
前述の概略的記述および以下の詳細な記述の両方は、代表的および説明的であり、請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図していることが理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の実施形態が実行可能であるホストコンピュータのブロック図である。
【0013】
図2は、本発明の実施形態に係るプリンタのブロック図である。
【0014】
図3は、本発明の実施形態に係るホストコンピュータにおけるプリンタ再接続アプリケーションによって実行されるプロセスを説明している。
【0015】
図4は、本発明の実施形態に係る、再接続されているネットワークプリンタにおいて実行されるプロセスを説明している。
【0016】
図5は、本発明の実施形態に係る、ネットワークプリンタをホストコンピュータに再接続するための方法を説明している。
【0017】
図6は、本発明の実施形態が実行可能である、ネットワーク化されたホストコンピュータおよびプリンタシステムを説明している。
【0018】
図7は、本発明の別の実施形態に係る、ホストコンピュータをネットワークプリンタに再接続するためのプロセスを説明している。
【0019】
図8は、本発明のさらに別の実施形態に係る、ホストコンピュータをネットワークプリンタに再接続するためのプロセスを説明している。
【0020】
好ましい実施形態の詳細な説明
図6は、ネットワーク13を経由して接続された複数のプリンタ11および複数のホストコンピュータ12を含んでいるネットワーク化されたホストコンピュータおよびプリンタシステム10である。ネットワーク13は、LAN、WAN、イーサネット、インターネット等を含むが、これらに限定されない適当なネットワークからなることが可能である。プリンタ11およびホストコンピュータ12は、有線あるいは無線接続を経由してネットワークに接続させることが可能である。このシステムにおいて、プリンタは、動的ネットワークアドレス(例えばIPアドレス)を有することが可能であるが、固有の名前ではない。本発明の実施形態は、上記のシステムにおいて、所望のプリンタをホストコンピュータに再接続するための方法を提供する。2つの方法が記載されており、当該2つの方法は、単独(すなわち、システムは、前記方法の一方を、他方なしで、実行することが可能である)あるいは組合せ(例えば、システムは、両方法を実装し、ユーザにそれらの一方を選択させることを許容したり、デフォルトの方法としてそれらの一方を実行し、そして、デフォルトの方法が成功しない場合に、他方を実行したりする)において利用することが可能である。
【0021】
第1の再接続方法において、専用の再接続ボタンがプリンタに提供される。ユーザが再接続ボタンを押圧すると、プリンタは、プリンタの現在のネットワークアドレス(例えばIPアドレス)を含んでいる再接続イベントをブロードキャストする。ホストコンピュータで起動している再接続プログラムは、イベントを受信し、このプリンタの正確なIPアドレスを有する新しいポートをセットアップし、プリンタを再接続する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態が実行可能であるホストコンピュータを説明している。要部において、ホストコンピュータ1000は、オペレーティングシステム1400、ネットワークを通して通信を実行するためのTCP/IPレイヤ1300、プリンタドライバモジュール1200およびプリンタ再接続アプリケーション1100を含んでいる。これらの多種のコンポーネントは、当業者にとって周知であるように、コンピュータの内部構造を経由して互いに通信する。図2は、本発明の実施形態が実行可能であるプリンタを説明している。要部において、プリンタ2000は、オペレーションコントロールパネル2100、再接続ボタン2200、コネクタ2300、周辺装置用チップ2400、ネットワークインターフェース(例えばイーサネットインタフェース)2500、エンジン/ビデオインタフェース2600、RAMメモリ2700、フラッシュメモリ2800およびプロセッサ2900を、含んでいる。これらの多種のコンポーネントは、当業者にとって周知であるように、プリンタの内部構造を経由して互いに通信する。専用の再接続ボタンは、プリンタに再接続イベントを生成させるための便利な手動入力装置の一例であるが、メニューツリー構造を実装しているタッチスクリーンのような別の手動入力装置を、利用することも可能である。ここで留意すべきは、図2に示されるアラームジェネレータ2210は、第1の方法のためには必要でないことである。
【0023】
コンピュータ1000のプリンタ再接続アプリケーション1100によって実行されるプロセスは、図3に示される。プリンタ再接続アプリケーション1100は、起動した後、ネットワークからのプリンタ再接続イベントを受信するのを待機する(ステップ3000)。プリンタ再接続アプリケーションは、ネットワークからの再接続イベントを受信する場合、その中に含まれるネットワークアドレス情報を検索する(ステップ3100)。次のステップにおいて、プリンタ再接続アプリケーションは、ネットワークアドレスを使用し、プリンタ再接続アプリケーションにおけるネットワークアドレスフィールドに書き込み、プリンタのためにネットワークポートをセットアップする(ステップ3200)。ステップ3300において、コンピュータは、再接続肯定応答メッセージをプリンタに送信し、再接続イベントおよびネットワークアドレス情報が受け入れられたことを通知する。プリンタ再接続アプリケーションはまた、従来の方法と同様に、プリンタ再接続の別のステップ(不図示)を完了する。プリンタ再接続アプリケーション1100は、起動した後で、所定期間の間に、ネットワークから如何なる再接続イベントも受信しない場合(ステップ3400の「yes」)、自動再接続プロセスはタイムアウトとなり、代わりの再接続手続き(手動再接続を含む)が実行されることとなる(ステップ3500)。手動再接続手続きは、従来の技術のそれと同様である。
【0024】
再接続されるネットワークプリンタのプリンタコントローラによって実行されるプロセスは、図4において説明される。このプロセスは、プリンタコントローラ上のファームウェアあるいはソフトウェアにおいて実行される。前述のように、プリンタ再接続プロセスの際において、ユーザは、プリンタ上の再接続ボタンを押圧する。再接続ボタンが押圧されるのに応じて、プリンタコントローラは、再接続イベントを生成し(ステップ4000)、そして、イベントをネットワーク上にブロードキャストする(ステップ4100)。このブロードキャストイベントは、そのIPアドレスのようなプリンタのネットワークアドレスを含んでいる。このブロードキャスト手続きは、ホストコンピュータからの再接続肯定応答メッセージが、ネットワークから受信されるまで(ステップ4300の「yes」)、あるいは、タイムアウトまで(ステップ4200の「yes」)、繰り返される。
【0025】
プリンタ再接続プロセスは、図5に要約されている。まず、プリンタ再接続アプリケーションが、ホストコンピュータで起動される(ステップS51)。再接続プログラムは、
ユーザによって手動で起動されたり、ホストコンピュータ上の別のアプリケーションによって自動的に起動されたりすることが可能である。再接続アプリケーションは、ネットワークからの再接続イベントを待機する(ステップS52)。ユーザが再接続することを望むプリンタ上の再接続ボタンを、ユーザが押圧する場合(ステップS53)、プリンタは、プリンタのネットワークアドレスを含んでいる再接続イベントをブロードキャストする(ステップS54)。あるいは、ブロードキャストイベントの代わりに、プリンタは、特定の範囲(例えば、全てのIPアドレスが最後の3桁を除いて同じ数字を有するサブネット)内における可能性のあるネットワークアドレス(例えばIPアドレス)を、全ての上記のネットワークアドレスに再接続イベントを順次送信することによって、スキャンすることが可能である。プリンタはまた、二地点間通信における特定のIPアドレスに、再接続イベントを送信することが可能である。多数のホストコンピュータが、同一のネットワークに接続されることが可能であるが、プリンタ再接続アプリケーションを実行していないホストコンピュータは、再接続イベントを無視することになる。実行されているプリンタ再接続アプリケーションを有するホストコンピュータは、再接続イベントを受信し、そして、再接続イベントに含まれるプリンタのネットワークアドレスを使用し、プリンタを再接続する(ステップS55)。このステップにおいて、ホストコンピュータもまた、再接続肯定応答メッセージをプリンタに送信する。プリンタは、肯定応答メッセージを受信し、そして、ブロードキャストを終了する(ステップS56)。
【0026】
第2の再接続方法は、図7を参照し説明される。プリンタと再接続することを望んでいるホストコンピュータは、再接続アプリケーションを実行し、当該再接続アプリケーションは、SLP(サービスロケーションプロトコル)を使用し、ネットワークに接続している特定タイプの全てのプリンタを検索し、それらのネットワークアドレスを取得する(ステップS71)。特定のプリンタタイプは、ホストコンピュータが再接続を実行しているホストコンピュータ上のプリンタドライバと適合するものである。再接続プログラムは、次に、上記の特定されたプリンタ(候補プリンタ)のリストを、プログラムのUI(ユーザインターフェース)上に、各候補プリンタと関連する選択機能(例えば、各プリンタの隣のチェックボックス)と共に、表示する(ステップS72)。リスト上の候補プリンタは、それらのネットワークアドレスおよび/または別の識別子(例えば数字)によって識別することが可能である。
【0027】
ホストコンピュータ上の再接続アプリケーションは、その後、全ての候補プリンタに対し、点滅信号を順次、非同時的なやり方で送信する(ステップS73)。同時に、再接続アプリケーションは、UI上に表示を生成し、現在どの候補プリンタに点滅信号を送信しているかについて知らせる。点滅信号は、それが送信されるプリンタに、音響アラームや視覚アラーム等の知覚できるアラームを生成させる(ステップS74)。例えば、点滅信号は、プリンタの一つ以上のボタンを点灯あるいは点滅させることが可能である。ホストコンピュータからの点滅信号は、異なるプリンタ上のアラームが順々に、すなわち、非同時的に作動されるようなものである。例えば、再接続アプリケーションは、点滅信号を候補プリンタに送信し、そのアラームを所定期間の間、連続的あるいは繰返し的に作動させ、そして、次の候補プリンタ等に点滅信号を送信する前に、所定期間が経過するのを待機する。別の実施形態において、再接続アプリケーションは、所定期間の間、候補プリンタに対して点滅信号を繰返し送信し、プリンタのアラームにその期間の間、作動させることを引き起こし、その後、所定期間の間、次の候補プリンタその他に対して点滅信号を繰返し送信する。
【0028】
点滅信号がプリンタに送信されている一方、ユーザは、ホストコンピュータと再接続することを所望するプリンタを観察し、そのプリンタ上のアラームのタイミングと、ホストコンピュータによって送信される点滅信号のタイミングとを、関連づける。例えば、ホストコンピュータが、UIにリストされている第2の候補プリンタに対して、点滅信号を送信するときに、所望するプリンタがアラームを発することをユーザが識別する場合、ユーザは、その結果、所望するプリンタがUIにリストされている第2の候補プリンタであると決定する。ユーザは、次に、そのプリンタに関連付けられた選択機能を使用し(例えば、上記実施形態におけるリスト上の第2のプリンタの隣のボックスにチェックマークを付けることによって)、UI上のリストから適当な候補プリンタを選択する(ステップS75)。再接続アプリケーションは、プリンタのユーザ選択を受信し(ステップS76)、そして、選択されたプリンタのためのネットワークアドレスを有する新しいポートをセットアップし、所望のプリンタとホストコンピュータとを再接続させる(ステップS77)。
【0029】
ステップS75において、ユーザは、ホストコンピュータ上のUIと同様に、所望のプリンタを観察し、所望のプリンタ上のアラームと、ホストによって送信される点滅信号との間の相関を決定することが必要とされる。このステップは、所望のプリンタがホストコンピュータの比較的近くに配置されている場合、より便利に実行される。再接続アプリケーションは、代わりに、各候補プリンタに対する点滅信号の送信を開始するよう、ユーザに要求することも可能である。換言すれば、ホストコンピュータは、プリンタに点滅信号を送信し続け、そして、ユーザが意図しているプリンタを識別した後で、ユーザは、再接続アプリケーションに指示し、リスト上の次の候補プリンタ等に対する点滅信号の送信を、開始させる。この代替方式は、所望のプリンタがホストコンピュータから比較的遠く離れて配置されている場合に、特に便利である。
【0030】
図7のプロセスにおいて、ステップS71−S73、S76およびS77は、ホストコンピュータで起動している再接続アプリケーションによって実行される。ホストコンピュータは、図1に示される構造を有する。ステップS74は、プリンタによって実行される。プリンタは、再接続ボタン2200が不要であることを除いて、図2に示されるのと同様の構造を有する。代わりに、アラームジェネレータ2210が提供され、上記の音響あるいは視覚アラームを生成する。アラームジェネレータは、ビープ音発生器、専用の信号灯、点灯可能な一つ以上のボタン等とすることも可能である。特定の実施形態において、プリンタは、第1および第2の再接続方法の両方を実装しており、再接続ボタン2200およびアラームジェネレータ2210は、1つの点滅ボタンに一体化されており、当該ボタンは、第2の方法を実施するときに点灯あるいは点滅自在であり、かつ第1の方法を実施するときに押圧自在である。
【0031】
多数のホストコンピュータおよびプリンタが同一のネットワークに接続されているシステムにおいて、複数のコンピュータが同時に、それぞれのプリンタに再接続しようと試みることが起こる可能性がある。このような場合、第1のコンピュータが接続しようと試みている第1のプリンタは、第2のプリンタと再接続しようと試みている第2のコンピュータからの点滅信号を受信する場合、アラームを生成する虞がある。このような潜在的混乱を予防するため、本発明の実施形態によれば、各ホストコンピュータによって送信される点滅信号は、アラームジェネレータ2210が生成するアラームのパターンを決定するアラームパターンコードを有する。一例において、アラームは、プリンタコントロールパネル上の0−9の数字ボタンを点滅させることによって生成され、そして、ボタンは、アラームパターンコードによって決定されるように、例えば、1−2−1−2あるいは1−3−1−3等の特定の順番で、点滅する。他の一例において、アラームは、ビープ音発生器によって生成され、ビープ音パターン(ビープ音の数、短いビープ音と長いビープ音との組合せ等)は、アラームパターンコードによって決定される。再接続アプリケーションのUIは、ユーザによるアラームパターンコードの選択あるいは特定を可能とするアラームパターン選択手段を含んでいる。次に、ステップS75において、ユーザは、所望のプリンタによって生成されるアラームのパターンを識別し、彼が再接続アプリケーションから選択したパターンに、それが一致することを確認する。所望のプリンタによって生成されるアラームが、ユーザによって選択されるそれと異なるパターンを有する場合、別のホストコンピュータからの点滅信号を偶然に受信している虞があり、この場合、ユーザは、そのアラームを無視することとなる。
【0032】
上記のように、第1および第2の再接続方法は、単独あるいは組合せて実装することが可能である。特に、ホストコンピュータ上の再接続アプリケーション1100は、別の代案では、両方の方法を実装することができ、ユーザによって使用する方法を選択することが可能となる。例えば、図8に示されるように、UIは、ボタンを提示し、ユーザが、それを用いて再接続アプリケーションに指示し、すなわち、点滅信号等を送信することによって、第2の再接続方法を実行させる(ステップS82)ことが可能である。ユーザがこのボタンをクリックしない場合(ステップS81の「N」)、再接続アプリケーションは、すなわち、プリンタ等から再接続イベントを待機することによって、第1の再接続方法を実行する(ステップS83)。
【0033】
本発明の実施形態は、そのネットワークアドレスが変化するプリンタに再接続するためのユーザ体験を向上させるより簡単かつより単純なメカニズムを、提供する。ホストコンピュータは、プリンタのネットワークアドレスを、ユーザによって手動でそれを入力することを要求することなく取得する。このプロセスは、プリンタのネットワークアドレスを手動で検出する必要性あるいはホスト上のネットワークアドレスを入力する必要性を、除去する。
【0034】
本発明のプリンタ再接続方法において、本発明の意図あるいは範囲から逸脱することなく、多様な修正および変更を為すことが可能であることは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、添付される請求の範囲およびそれらの等価の範囲内にある修正および変更を包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態が実行可能であるホストコンピュータのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプリンタのブロック図である。
【0036】

【図3】本発明の実施形態に係るホストコンピュータにおけるプリンタ再接続アプリケーションによって実行されるプロセスを説明しているフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る、再接続されているネットワークプリンタにおいて実行されるプロセスを説明しているフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る、ネットワークプリンタをホストコンピュータに再接続するための方法を説明しているフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態が実行可能である、ネットワーク化されたホストコンピュータおよびプリンタシステムを説明しているブロック図である。
【図7】本発明の別の実施形態に係る、ホストコンピュータをネットワークプリンタに再接続するためのプロセスを説明しているフローチャートである。。
【図8】本発明のさらに別の実施形態に係る、ホストコンピュータをネットワークプリンタに再接続するためのプロセスを説明しているフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されている一つ以上のホストコンピュータおよび一つ以上のプリンタを含んでいるシステムにおいて、第1のプリンタを第1のホストコンピュータに再接続するための方法であって、
(a)手動で、前記第1のプリンタに、前記第1のプリンタに対して動的に割り当てられかつ前記第1のプリンタのメモリに格納されている前記第1のプリンタのネットワークアドレスを含んでいる再接続イベントを生成させるステップ、
(b)前記第1のプリンタが、前記ネットワークを通して前記再接続イベントを送信し、前記一つ以上のホストコンピュータに伝達されるステップ、
(c)前記第1のホストコンピュータが、前記再接続イベントを受信し、前記第1のプリンタの前記ネットワークアドレスを抽出するステップ、
(d)前記第1のホストコンピュータが、前記第1のプリンタの前記抽出されたネットワークアドレスを使用し、前記第1のプリンタに再接続するステップ
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
(e)前記第1のホストコンピュータが、前記第1のプリンタに対して再接続肯定応答メッセージを送信するステップ、および、
(f)前記第1のプリンタが、前記再接続肯定応答メッセージを受信するステップ
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(b)は、前記ネットワークを通して、全てのホストコンピュータに対して再接続イベントをブロードキャストするステップを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ネットワークに接続されている一つ以上のホストコンピュータおよび一つ以上のプリンタを含んでいるシステムにおいて、第1のプリンタを第1のホストコンピュータに再接続するための方法であって、
(a)前記第1のホストコンピュータが、前記第1のプリンタを含んでいる複数の候補プリンタを、それらのネットワークアドレスと共に取得するステップ、
(b)前記第1のホストコンピュータが、ユーザインターフェース上に前記候補プリンタのリストを表示するステップ、
(c)前記第1のホストコンピュータが、前記候補プリンタに対して次々に、点滅信号を送信するステップ、
(d)前記第1のプリンタが、前記ホストコンピュータからの点滅信号を受信することに応答し、アラームを生成するステップ、
(e)ユーザが、前記第1のプリンタの前記アラームを、前記ホストコンピュータによって送信される点滅信号のタイミングに関連づけるステップ、
(f)前記ユーザが、観測に基づいて、前記ユーザインターフェース上で前記候補プリンタの1つを選択するステップ、および、
(g)前記ホストコンピュータが、前記選択されたプリンタに再接続するステップ
を有することを特徴とする方法。
【請求項5】
前記アラームは、音響あるいは視覚アラームであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のホストコンピュータによって送信される前記点滅信号は、アラームパターンコードを含んでおり、
前記第1のプリンタによって生成される前記アラームは、前記アラームパターンコードによって決定されるパターンを有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記アラームは、前記アラームパターンコードによって決定される順序どおりに点滅する複数のボタンによって生成されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップ(a)において、前記第1のホストコンピュータは、サービスロケーションプロトコルを使用し、前記候補プリンタおよびそれらのネットワークアドレスを取得することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
プリンタであって、
プロセッサと、
前記プリンタに動的に割り当てられた前記プリンタのネットワークアドレスであるIPを格納するためのメモリと、
前記プロセッサに接続されている手動入力装置と、
前記プリンタをネットワークに接続するためのネットワークインターフェースとを有しており、
前記プロセッサは、前記手動入力装置からの入力に応答して再接続イベントを生成し、前記再接続イベントを、前記ネットワークインターフェースを経由してネットワークに送信するようにプログラムされており、
前記再接続イベントは、前記プリンタのネットワークアドレスを含んでいる
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項10】
前記プロセッサは、所定の期間の間、あるいは、再接続肯定応答メッセージが前記ネットワークから受信されるまで、前記ネットワークに対する前記再接続イベントの送信を繰り返すようにプログラムされている
ことを特徴とする請求項9に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記ホストコンピュータから点滅信号を受信することに応答して、アラームを生成するためのアラームジェネレータを、さらに有することを特徴とする請求項9に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記アラームジェネレータは、音響あるいは視覚アラームを生成することを特徴とする請求項11に記載のプリンタ。
【請求項13】
前記アラームジェネレータは、点灯あるいは点滅自在である一つ以上のフラッシュボタンを含んでいることを特徴とする請求項11に記載のプリンタ。
【請求項14】
前記第1のホストコンピュータからの前記点滅信号は、アラームパターンコードを含んでおり、
前記アラームジェネレータは、前記アラームパターンコードによって決定される順序どおりに点滅自在である一つ以上のフラッシュボタンを含んでいることを特徴とする請求項11に記載のプリンタ。
【請求項15】
ホストコンピュータを制御するためのコンピュータプログラムであって、プリンタを再接続するためのプロセスを実行させるように構成されており、
前記ホストコンピュータおよび前記プリンタは、ネットワークに接続されており、
前記プリンタは、前記ネットワークを通して再接続イベントを送信自在であり、
前記再接続イベントは、前記プリンタのネットワークアドレスを含んでおり、
前記プロセスは、
(a)前記ネットワークを経由して前記プリンタから前記再接続イベントを受信するステップ、
(b)前記再接続イベントから、前記プリンタの前記ネットワークアドレスを抽出するステップ、および、
(c)前記プリンタの前記抽出されたネットワークアドレスを使用し、前記プリンタに再接続するステップ
を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記プロセスは、ネットワークを通して再接続肯定応答メッセージを送信するステップを、さらに有することを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
ホストコンピュータを制御するためのコンピュータプログラムであって、プリンタを再接続するためのプロセスを実行させるように構成されており、
前記ホストコンピュータおよび前記プリンタは、ネットワークに接続されており、
前記プロセスは、
(a)前記第1のプリンタを含んでいる複数の候補プリンタをそれらのネットワークアドレスと共に取得するステップ、
(b)ユーザインターフェース上に前記候補プリンタのリストを表示するステップ、
(c)候補プリンタに対して次々に、点滅信号を送信するステップ、
(d)前記候補プリンタの1つを示しているユーザによる選択を受信するステップ、および、
(e)前記選択された候補プリンタに再接続するステップ
を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記ステップ(c)において、前記点滅信号は、プリンタによって生成されるアラームパターンを定義するアラームパターンコードを含んでいることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記ステップ(a)において、前記候補プリンタおよびそれらのネットワークアドレスは、サービスロケーションプロトコルを使用して取得されることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−104586(P2009−104586A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−208198(P2008−208198)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ システムズ ラボラトリー, インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】