説明

ホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物、およびこれを利用した有機電界発光素子及びその製造方法

【課題】ホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物、これを利用した有機電界発光素子の提供。
【解決手段】エネルギーギャップが同じか差が存在するホスト用化合物とドーパント用化合物を連結基によって連結させたIrのような遷移金属化合物。連結基はπ−結合で連結されるのを除く、例えば酸素原子を含む残基である。該金属化合物は有機電界発光素子の発光層とドーパントとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物、およびこれを利用した有機電界発光素子及び有機電界発光素子の製造方法に関し、より詳細には、ホスト用化合物とドーパント用化合物を連結させて一分子内でホストとドーパントの間にエネルギー伝達ができるようにする有機金属化合物、およびこれを利用した有機電界発光素子及び有機電界発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気発光素子(electroluminescent device:EL素子)は自発光型表示素子であり、視野角が広くてコントラストが優秀であるだけでなく応答時間が早いという長所を持っている。
【0003】
EL素子は発光層形成用材料によって無機EL素子と有機EL素子に区分される。ここで、有機EL素子は無機EL素子に比べて、輝度、駆動電圧及び応答速度特性が優秀で多色化が可能であるという長所を持っている。
【0004】
一般的な有機EL素子は基板上部にアノードが形成され、このアノード上部に正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順次形成されている構造を持っている。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は有機化合物からなる有機薄膜である。
【0005】
上述したような構造を持つ有機EL素子の駆動原理は次のようである。
【0006】
上記アノード及びカソードの間に電圧を印加すれば、アノードから注入された正孔は正孔輸送層を経由して発光層に移動される。一方、電子はカソードから電子輸送層を経由して発光層に注入され、発光層領域でキャリアらが再結合してエキシトン(exiton)を生成する。
【0007】
このエキシトンが励起状態から基底状態に変化され、これによって発光層の分子が発光することで画像が形成される。発光材料はその発光メカニズムによって一重項状態のエキシトンを利用する蛍光材料と三重項状態を利用する燐光材料に分けられる。
【0008】
燐光材料は一般的に重い原子を含む有機無機化合物構造を持っており、重い原子によって元々禁制遷移であった三重項状態のエキシトンが許容遷移を経って燐光発光するようになる。燐光材料は75%生成確率を持つ三重項エキシトンを使用することができるようになって25%一重項エキシトンを利用する蛍光材料より非常に高い発光効率を持つことができる。
【0009】
燐光材料を利用した発光層はホスト物質とここからエネルギーの転移を受けて発光するドーパント物質で構成されているが、ドーパント物質ではイリジウム金属化合物を利用した多くの材料が報告されている。イリジウム化合物を利用した有機電界発光材料に対する研究としてプリンストン大学、南カルフォニア大学などでイリジウム(Iridium)、白金(platinum)金属化合物を利用した多くの燐光材料が発表されているが、さらに発光特性が優秀で安定した材料開発が進行されている。
【0010】
低分子有機EL材料は、主に蒸着技術を利用して素子を構成する反面、高分子EL材料はスピンコーティングなどの湿式方法を利用して素子を作っている。低分子EL材料は溶解性が低いため、より容易な湿式工程で素子を構成することができず、高分子EL材料は溶解性が高いため、湿式工程を利用して素子を構成するが、発光特性特に寿命が低分子に比べて低いという問題点を持っている。したがって、蒸着より工程が容易な湿式方法で素子を構成することができる溶解性の高い有機EL材料でありながら低分子水準の発光特性を持つ材料開発が要求されている。
【0011】
そこで、本発明者等は発光効率の高い低分子有機EL材料を蒸着より工程が容易い湿式方法で素子を構成することができる方法を研究しつつ、ドーパント用化合物にエネルギーギャップが同じか差が存在するホスト用化合物を連結する場合、発光効率を増大させることができ、同時に分子量増加によって溶解性を増加させることができるため、湿式方法で素子を構成することができることを見つけて本発明を完成した。
【0012】
一方、上記従来のホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物、およびこれを利用した有機電界発光素子及びその製造方法に関する技術を記載した文献としては、下記特許文献1ないし3等がある。
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0034656号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2001/0053463号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0121638号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的はホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物を提供することである。
【0015】
また、本発明の他の目的はホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物を利用した有機電界発光素子を提供することである。
【0016】
また、本発明の他の目的はホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物を利用した有機電界発光素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を果たすために、本発明はエネルギーギャップが同じか差が存在するホスト用化合物とドーパント用化合物を連結基によって連結させた有機金属化合物を提供する。
【0018】
また、本発明はホスト用化合物とドーパント用化合物が連結基によって連結された下記式1で表示される有機金属化合物を提供する。
【化1】

【0019】
上記式において、
Xは次のような構造を持って、
【化2】

【化3】

または
【化4】

で、
R1ないしR13は、それぞれ独立的に一置換(mono−substituted)または多置換(multi−substituted)作用基であり、水素、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、置換または非置換されたC1−C30のアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルコキシ基、置換または非置換されたC2−C30のアルケニル基、置換または非置換されたC6−C30のアリル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルアルキル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルオキシ基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルオキシ基、置換または非置換されたC5−C30のシクロアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルキルカルボニル基、置換または非置換されたC7−C30のアリルカルボニル基、C1−C30のアルキルチオ基または−Si(Z’)(Z’’)(Z’’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)、−N(Z’)(Z’’)(式中、Z’とZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)基で、また上記R1ないしR13の作用基の中互いに隣接した基は互いに結合して環を形成することができ、a、b、cはそれぞれ1ないし3で、MはIr、Os,Pt,Pb、ReまたはRuで、Lは二座配位子で、mは3で、nは1または2である。
【0020】
また、上記目的を果たすために、本発明は一対の電極の間に具備されている有機膜を含んでいる有機電界発光素子において、上記有機膜がホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物を含んでいることを特徴とする有機電界発光素子を提供する。
【0021】
また、上記目的を果たすため、本発明は基板上に第1電極を形成する段階と、第1電極上部に有機膜を形成する段階と、有機膜上部に第2電極を形成する段階と、を含み、上記有機膜はホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物をドーピングして形成する有機電界発光素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
上述したように本発明は次のような効果を持つ。
【0023】
第1に、本発明による有機金属化合物は、低分子水準の発光特性を持つから発光素子の発色材料として有用に使用することができる。
【0024】
第2に、本発明による有機金属化合物はホスト用化合物とドーパント用化合物を連結した構造であるから、それぞれが低分子量であっても連結を通じて分子量を増大させることができるから溶解性を高めることができる。これによって、スピンコーティングのような湿式工程を通じて素子に適用することができる。
【0025】
第3に、本発明による有機金属化合物を利用して発光素子を構成する場合、効率、駆動電圧、色純度及び寿命特性を改善することができる。すなわち、ホスト用化合物とドーパント用化合物を連結せずにそれぞれ利用した場合に比べて連結させた構造を使用した場合発光効率が増大される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0027】
本発明による有機金属化合物は、HOMO−LUMOの間のエネルギーギャップが同じか差が存在するホスト用化合物とドーパント用化合物を連結した有機金属化合物である。この場合、ホスト用化合物のエネルギーギャップはドーパント用化合物のエネルギーギャップ以上であるかまたはドーパント用化合物のエネルギーギャップはホスト用化合物のエネルギーギャップ以上でもあり、望ましくは、ホスト用化合物とドーパント用化合物の間のエネルギーギャップの差は0ないし400nmであるべきであり、それによって一分子内でホストとドーパント間のエネルギー伝達が可能となり、かつ発光効率を増大させることができる。
【0028】
このようにホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物は、発光特性を優秀にさせるだけでなく、分子量の増大をもたらすため、溶解性を高めることができる。
【0029】
本発明による有機金属化合物は、特定の連結基によってホスト用化合物とドーパント用化合物を連結することができ、連結基にしたがってドーパント用化合物に複数個のホスト用化合物が連結することができる。
【0030】
上記連結基としては、ホスト用化合物とドーパント用化合物を連結する場合、π−共役(conjugation)で連結されるのを阻害することができる部分(moiety)でなければならず、またホストとドーパントの間のエネルギー伝達を邪魔しない多作用基を持つ残基が望ましい。例えば、酸素原子を含む残基が望ましい。具体的には、ヒドロキノン、3、5−ジヒドロキシベンジルアルコールなどを使用することができる。
【0031】
このような連結基によってドーパント用化合物に連結されるホスト用化合物の数を調節することができ、これは有機電界発光素子に適用する時ドーピング濃度を調節することができる。
【0032】
より具体的には、連結基は次のような構造を持つことが望ましい。
【化5】

【化6】

または
【化7】

【0033】
上記式において、R’、R’’及びR’’’はそれぞれ独立的に一置換(mono−substituted)または多置換(multi−substituted)作用基であり、水素、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、置換または非置換されたC1−C30のアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルコキシ基、置換または非置換されたC2−C30のアルケニル基、置換または非置換されたC6−C30のアリル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルアルキル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルオキシ基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルオキシ基、置換または非置換されたC5−C30のシクロアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルキルカルボニル基、置換または非置換されたC7−C30のアリルカルボニル基、C1−C30のアルキルチオ基または−Si(Z’)(Z’’)(Z’’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)、−N(Z’)(Z’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)基で、また上記R’ないしR’’’の作用基の中互いに隣接した基は互いに結合して環を形成することができる。
【0034】
上記ホスト用化合物として次のような構造の化合物を使用することができる。
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

または
【化12】

【0035】
上記式において、R1ないしR7はそれぞれ独立的に一置換(mono−substituted)または多置換(multi−substituted)作用基であり、水素、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、置換または非置換されたC1−C30のアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルコキシ基、置換または非置換されたC2−C30のアルケニル基、置換または非置換されたC6−C30のアリル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルアルキル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルオキシ基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルオキシ基、置換または非置換されたC5−C30のシクロアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルキルカルボニル基、置換または非置換されたC7−C30のアリルカルボニル基、C1−C30のアルキルチオ基または−Si(Z’)(Z’’)(Z’’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)、−N(Z’)(Z’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)基で、また上記R1ないしR7の作用基の中互いに隣接した基は互いに結合して環を形成することができる。
【0036】
また、上記ドーパント用化合物として下記の構造を持つ化合物及びこれらの誘導体を使用することができる。
【化13】

【0037】
上記式において、R’及びR’’それぞれ独立的に一置換(mono−substituted)または多置換(multi−substituted)作用基であり、水素、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、置換または非置換されたC1−C30のアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルコキシ基、置換または非置換されたC2−C30のアルケニル基、置換または非置換されたC6−C30のアリル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルアルキル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルオキシ基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルオキシ基、置換または非置換されたC5−C30のシクロアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルキルカルボニル基、置換または非置換されたC7−C30のアリルカルボニル基、C1−C30のアルキルチオ基または−Si(Z’)(Z’’)(Z’’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)、−N(Z’)(Z’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)基、MはIr、Os,Pt,Pb、ReまたはRuで、mは3で、nは1または2である。
【0038】
本発明によるホスト用化合物とドーパント用化合物を連結した有機金属化合物の望ましい一例は下記式1で表示される化合物であり、これは発光特性が優秀で表示素子の発色材料として有用である。
【化14】

【0039】
上記式において、Xは次のような構造を持って、
【化15】

【化16】

または
【化17】

R1ないしR13は、それぞれ独立的に一置換(mono−substituted)または多置換(multi−substituted)作用基であり、水素、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、置換または非置換されたC1−C30のアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルコキシ基、置換または非置換されたC2−C30のアルケニル基、置換または非置換されたC6−C30のアリル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルアルキル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルオキシ基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルオキシ基、置換または非置換されたC5−C30のシクロアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルキルカルボニル基、置換または非置換されたC7−C30のアリルカルボニル基、C1−C30のアルキルチオ基または−Si(Z’)(Z’’)(Z’’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)、−N(Z’)(Z’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)基で、また上記R1ないしR13の作用基の中互いに隣接した基は互いに結合して環を形成することができ、a、b、cはそれぞれ1ないし3で、MはIr、Os,Pt,Pb、ReまたはRuで、Lは二座配位子で、mは3、nは1または2である。
【0040】
本発明による上記式1の化合物は、連結基にしたがって下記式2ないし4で表示される代表的な構造を持つ。
第1構造は上記式1でXがX1である化合物であり、下記式2で表示される。
【化18】

【0041】
式中、R1ないしR8は上記式1で定義されたところと同様であり、a、M、L、m及びnすべて上記式1で定義されたところと同様である。
第2構造は上記式1でXがX2である化合物であり、下記式3で表示される。
【化19】

【0042】
式中、R1ないしR7、R9及びR10は、上記式1で定義されたところと同様であり、a、b、M、L、m及びnすべて上記式1で定義されたところと同様である
第3構造は上記式1でXがX3である化合物であり、式4で表示される。
【化20】

【0043】
式中、R1ないしR7、R11ないしR13は上記式1で定義されたところと同様であり、a、b、c、M、L、m及びnすべて上記式1で定義されたところと同様である。
【0044】
本発明による上記式1の化合物において、Lの具体的な例として、これに制限されるのではないが、下記式5で表示されたようなアセチルアセトネート(acetylacetonate:acac)、ヘキサフルオロアセチルアセトネート(hexafluoroacetylacetonate:hfacac)、テトラメチルヘブタンジオネート(tetrametylheptanedionate:tmd)、ジベンゾイルメタン(dibenzoylmethane:dbm)、ピコリネート(picolinate:pic)、キノリンカルボキシレート(quinolinecarboxylate:quin)、α−アミノ酸L−プロリン(L−pro)、1−(2−ヒドロキシフェニル)ピラゾルレート(1−(2−hydoxyphenyl)pyrazolate:oppz)、3−イソキノリンカルボキシレート(3−isoquinolinecarboxylate:3iq)、フェニルピラゾル(phenylpyrazole:ppz)、サリチリデン(salicylidene:sal)、8−ヒドロキシキノリネート(8−hydroxyquinolinate:hquin)、1、5−ジメチル−3−ピラゾルカルボキシレート(1、5−dimethyl−3−pyrazolecarboxylate:dm3PC)の形態を含む。
【化21】

【0045】
本発明による上記式1の化合物の中、望ましい第1構造はXがX1で、MがIrで、R1が水素またはシアノ基で、R2ないしR8が水素で、a=1で、m−n=2で、Lはピコリネートまたは1、5−ジメチル−3−ピラゾルカルボキシレートである下記式6ないし9で表示される有機金属化合物等を含む。
【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【0046】
本発明による上記式1の化合物の中、望ましい第2構造はXがX2で、MがIrで、R1が水素またはシアノ基で、R2ないしR7及びR9ないしR10が水素で、a=2、b=1で、m−n=2で、Lがピコリネートである下記式10ないし11で表示される有機金属化合物を等を含む。
【化26】

【化27】

【0047】
本発明による上記式1の化合物の中、望ましい第3構造はXはX3で、MがIrで、R1が水素またはシアノ基で、R2ないしR7及びR11ないしR13が水素で、a=2、b=2、c=1で、m−n=2で、Lがピコリネートである下記式12ないし13で表示される有機金属化合物等を含む。
【化28】

【化29】

【0048】
上記式において、“非置換されたアルキル基”または“非置換されたアルコキシ”はそのアルキル部分が炭素数1ないし30個のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルを、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デニル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等及びこれらの異性体)を意味し、“置換されたアルキル基”または“置換されたアルコキシ”は上述した非置換されたアルキル部分の水素原子の中少なくとも一つがハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基や、その塩、スルホン酸基やその塩、燐酸やその塩、C1−C30のアルキル基、C1−C30のアルケニル基、C1−C30のアルキニル基、C6−C30のアリル基、C7−C30のアリルアルキル基、C2−C20のヘテロアリル基、またはC3−C30のヘテロアルキル基に置換されることを意味する。
【0049】
また、“非置換されたアルケニル基”は、この中、結合が少なくとも一つ以上の炭素数2ないし30個のアルケニル(例えば、エテン、プロテン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等及びこれらの異性体)を意味し、“置換されたアルケニル基”は上述した非置換されたアルケニル基の少なくとも一つの水素原子が上述したアルキル基の場合と同様に置換基に置換されることを意味する。
【0050】
“非置換されたアリル基”は単独または組み合わせて使われ、一つ以上の環を含む炭素数6ないし30個の芳香族炭素環を意味し、上記環らはペンダント方法で一緒に附着されたりまたは融合することができる。“置換されたアリル基”は非置換されたアリル基の中少なくとも一つの水素原子が上述したアルキル基の場合と同様に置換基に置換されることを意味する。
【0051】
“非置換されたアリルアルキル基”は、上記定義されたようなアリル基で水素原子の中で一部が低級アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピルなどのようなグループに置換されたことを意味する。“置換されたアリルアルキル基”は、上記非置換されたアリルアルキル基の中一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様に置換基に置換されることを意味する。
【0052】
“非置換されたアリルオキシ基”は、上記定義されたようなアリル基に酸素が置換されたこと、例えばフェニルオキシ、ナフチレンオキシ、ジフェニルオキシなどを意味する。
【0053】
“置換されたアリルオキシ基”は、上記非置換されたアリルオキシ基の中一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0054】
“非置換されたヘテロアリル基”はN、O、PまたはSの中で選択された1、2または3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである環原子数2ないし30の1価が単環式、または二環式芳香族2価が有機化合物を意味し、その具体的な例としては、チエニル、ピリジル、フリル(furyl)などがある。“置換されたヘテロアリル基”は、上記非置換されたヘテロアリル基の中一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0055】
“非置換されたヘテロアリルアルキル基”は、上述したヘテロアリル基の水素原子の中一部が低級アルキル基に置換されたことを意味し、“置換されたヘテロアリルアルキル基”は上記非置換されたヘテロアリルアルキル基の中一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0056】
“非置換されたヘテロアリルオキシ基”は、上記定義されたようなヘテロアリル基に酸素が結合されたことを意味する。“置換されたヘテロアリルオキシ基”は、上記非置換されたヘテロアリルオキシ基の中一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0057】
“非置換されたシクロアルキル基”は、炭素数4ないし30個の1価がモノサイクロニックを意味し、具体的にシクロヘキシル基、シクロペンチル基などを含む。“置換されたシクロアルキル基”は、上記非置換されたシクロアルキル基の中一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0058】
“非置換されたヘテロシクロアルキル基”は、N、O、PまたはSの中で選択された1、2または3個のヘテロ原子を含み、残り環原子がCである環原子数1ないし30個の1価がモノサイクロニックを意味し、上記シクロアルキル基の水素原子一部が低級アルキル基に置換されたことを意味する。“置換されたヘテロシクロアルキル基”は、上記非置換されたヘテロサイクルロアルキル基の中、一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0059】
“非置換されたアルキルカルボニル基”の具体的な例として、アセチル、エチルカルボニル、イソプロピルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフタレンカルボニル、ジフェニルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルなどがあり、“置換されたアルキルカルボニル基”は上記非置換されたアルキルカルボニル基の中、少なくとも一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0060】
“非置換されたアリルカルボニル基”の具体的な例として、フェニルカルボニル、ナフタレンカルボニル、ジフェニルカルボニル、などがあり、“置換されたアリルカルボニル基”は、上記非置換されたアリルカルボニル基の中少なくとも一つ以上の水素原子が上述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換されることを意味する。
【0061】
本発明による上述の式1で表示される有機金属化合物は一分子内エネルギーギャップが同じか差があるホスト用化合物とドーパント用化合物の連結構造によってエネルギー伝達が優秀であり、これによる高い発光効率を現わし、さらにホスト用化合物とドーパント用化合物の連結による分子量増加によって溶解性を増加させることができる。
【0062】
以下、本発明によるホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物を採用した有機電界発光素子の構造及び製造方法を説明する。
【0063】
本発明による有機電界発光素子は、通常の発光素子の構造を採用することができ、必要に応じて構造を変更することができる。基本的に有機電界発光素子は、第1電極(アノード電極)と第2電極(カソード電極)の間に有機膜(発光層)を含む構造を持って、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、正孔抑制層、電子注入層または電子輸送層がさらに含まれることができる。本発明の発光素子の構造を説明するために図7を参照する。
【0064】
図7を参照すれば、本発明による有機電界発光素子は、アノード電極(20)とカソード電極(80)の間に発光層(50)を含む構造を持って、アノード電極(20)と発光層(50)の間に正孔注入層(30)と正孔輸送層(40)を含んでおり、さらに、発光層(50)とカソード電極(80)の間に電子輸送層(50)と電子注入層(70)を含んでいる。
【0065】
一方、本発明の一実施例による図7の有機電界発光素子は次のような工程を通じて製造される。
【0066】
まず、基板(10)上部にアノード電極用物質をコーティングしてアノード電極(20)を形成する。ここで、基板(10)としてはこの分野で一般的に使用される基板を使用することができ、特に、透明性、表面平滑性、取り扱いの容易性及び防水性の優秀な硝子基板または透明プラスチック基板が望ましい。また、上記基板上に形成されたアノード電極用物質では透明で伝導性の優秀な酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などを使用することができる。
【0067】
上記アノード電極(20)の上部に正孔注入層(HIL)(30)を選択的に形成する。この時、正孔注入層は、真空蒸着またはスピンコーティングのような通常的な方法によって形成する。正孔注入層用物質では特に制限されないがCuPc(銅フタロシアニン)またはIDE406(Idemitsu Kosan社)を使用することができる。
【0068】
引き継いで、上記正孔注入層(30)上部に上記正孔輸送層(HTL)(40)を真空蒸着またはスピンコーティングのような通常的な方法によって形成する。上記正孔輸送層用物質では特に制限されないが、N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−N、N’−ジフェニル−[1、1−ビフェニル]−4、4’−ジアミン(TPD)、N、N’−ジ(ナフタレン1−イル)−N、N’−ジフェニル−ベンジジン:α−NPD)などを使用することができる。
【0069】
引き継いで正孔輸送層(40)上部に発光層(EML)(50)を形成する。上記発光層形成材料では本発明によるホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物を単独で利用するか、または本発明による有機金属化合物をドーパントとして通常的なホスト物質、例えばCBP(4、4’−ビス(カルバゾールー9−イル)−ビフェニル)などと併用することも可能である。また、本発明による有機金属化合物で上記ホストのエネルギーギャップはドーパントのエネルギーギャップより大きいか、同じでなければならず、エネルギーギャップの差が最大400nmでなければならず、このような有機金属化合物の一例は上述の式1で表示される化合物である。
【0070】
上記有機金属化合物は、真空蒸着方法で形成することができ、またホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された構造であるため、低分子量のドーパントであっても分子量増加によって溶解性が増加されるから湿式工程によって形成することができ、例えば、これに制限されないが、スピンコーティング、インクジェット、またはレーザー熱転写司法(LITI)を利用することもできる。
【0071】
本発明によるホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された有機金属化合物を使用する場合、そのドーピング濃度はドーパント用化合物に連結されるホスト用分子の数に応じて調節することができる。すなわち、式6のようにドーパント用化合物に連結されたホスト用分子の数が2個である場合、ドーピング濃度は33%になって、式10のようにホスト用分子が4個である場合、20%、式12のようにホスト用分子が8個になる場合、ドーピング濃度は、11%でホスト用分子の数が増加するにつれてドーピング濃度を低めることができる。
【0072】
選択的に上記発光層(50)の上部には、発光物質で形成されるエキシトンが電子輸送層に移動されることを阻止したり、正孔が電子輸送層(60)に移動されることを阻止する正孔抑制層(HBL)が形成されることができ、正孔抑制層用物質としては特に制限されないが、フェナントロリン系化合物(例えば、BCP)などを使用することができる。これは真空蒸着方法またはスピンコーティング方法によって形成することができる。
【0073】
また発光層(50)上に電子輸送層(ETL)(60)を形成することができ、これは真空蒸着方法またはスピンコーティング方法を利用することができる。電子輸送層用材料としては特に制限されないが、アルミニウム錯体(例えば、Alq3(トリス(8−キノリノラト)−アルミニウム))を使用することができる。
【0074】
上記電子輸送層(60)上部に電子注入層(EIL)(70)が真空蒸着またはスピンコーティングのような方法を利用して形成することができ、電子注入層(70)用材料では特に制限されないが、LiF、NaCl、CsFなどのような物質を利用することができる。
【0075】
引き継いで、電子注入層(70)上部にカソード電極(80)が真空蒸着を通じて形成されることで発光素子が完成される。ここでカソード用金属としてはリチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などが利用される。
【0076】
また、本発明による有機電界発光素子は、図7に示されたような積層構造を持って、必要に応じて一層または二層の中問層、例えば、正孔抑制層などをさらに形成することも可能である。また、発光素子の各層の厚さはこの分野で一般的に使用される範囲で必要応じて決めることができる。
【0077】
以下、本発明を実施例をあげてさらに詳しく説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【0078】
使用試薬
アークロス(Across)社製品:2−ブロモ−4−メチルピリジン(2−brom−4−methylpyridine); ポタシウムフォスフェートトリーベーシックモノーハイドレート(potassium phosphate tribasic monohydrate);1、4−ジオキサン;ヨード化銅(cupper iodide) (+、−)−トランス(trance)−1、2−ジアミノ−−シクロヘキサン;及び3、5−ジヒドロキシベンジルアルコール
【0079】
アルドリチ(Aldrich)社製品:テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム; 2、4−ジフルオロフェニルボロン酸; NBS; AIBN; 1、3−ジブロモ−5−メチルベンゼン、18−クラウン−6; アセトン; 3臭化りん(phosphorus tribromide); 及びセシウムカボネート
【0080】
徳山化学製品 : 塩化メチレン; 硫酸マグネシウム; 四塩化炭素; ヘキサン;及びジエチルエーテル
【0081】
その他 : 炭酸カリウム(大正製品)、ジメトキシエタン(TCI社製品)をヒドロキノン(MAY&BAKER社製品)、カルバゾールとアセトニトリル(Fisher社製品)
【0082】
化合物確認方法
すべての新しい化合物は、H−NMRと13C−NMR、そしてUVとスペックトロプルオロメータで構造を確認した。H−NMRと13C−NMRはブルカ(Bruker)AM−300分光器を使って記録し、UVはベックマン(BECKMAN)DU−650、スペックトロプルオロメータではJASCOFP−7500を利用した。すべての化学的移動度は溶媒を基準としてppm単位で記録された。
【0083】
実施例 1
本発明による式1において、XがX1で、MがIrで、R1ないしR8は水素で、a=1で、m−n=2で、Lがピコリネートである式6の化合物を合成し、この合成反応式は次のようである。
【化30】



【0084】
(A)の合成
丸底フラスコに2−ブロモ−4−メチルピリジン(1mmol)、2、4−ジプルオロフェニルボロン酸(1.2mmol)、炭酸カリウム(2.7mmol)、ジメトキシエタン(1.5mL)を入れて窒素を注入し、30分間撹拌した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05mmol)を入れて還流コンデンサを連結して90℃かで18時間の間還流させた。TLCで反応を確認した後、溶媒を高真空減圧蒸溜で溶媒をとり除いた後、エチルアセテートで抽出した後、フラッシュコラム(fresh column)して化合物(A)を得た。歩留まりは93%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm) 8.59(d,J=3.0Hz,1H)、7.99(dd,J=6,1.5Hz,1H)、7.60(s,1H)、7.13(d,J=3Hz,1H)、7.03(d,J=3.9Hz,1H)、6,97−6.90(m,2H)、2.45(s,3H)
【0085】
(B)の合成
化合物(A)(1mmol)、NBS(1.3mmol)、AIBNをCCl溶媒に入れて24時間位80℃で加熱しながら撹拌した。TLCで反応を確認した後濾過した。濾過液を水とNaClで洗った後、高真空下で溶媒をとり除いた後、ヘキサンとジエチルエーテルに再結晶して茶色の化合物(B)を30%歩留まりで得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm) 8.70(d,J=2.5Hz,1H)、8.03(q,J=6,1.8Hz,1H)、7.78(s,1H)、7.30(d,J=2.3Hz,1H)、7.03−6.92(m,2H)、4.47(s,2H)
【0086】
(C)の合成
密閉されたチューブにヨード化銅(0.01mmol)とポタジウムフォスフェートトリーベーシックモノハイドレート(2.1mmol)、カルバゾール(1.2mmol)、1、4−ジオキサン(10mL)を入れて、窒素を注入し、30分間撹拌した後、1、3−ジブロモ−5−メチルベンゼン、(+、−)−トランス−1、2−ジアミノ−−シクロヘキサン(0.1mmol)を入れた後、蓋を閉めて110℃で約24時間加熱しながら撹拌した。TLCで反応を確認した後、ガラスフィルターで濾過された溶媒を高真空減圧蒸溜で溶媒をとり除いた後、メチレンクロライドでフラッシュコラムして固体物質を得た後、真空ポンプ下で3時間程度乾燥して化合物(C)を得た。歩留まりは60%であった。
H−NMR(300MHz,((CDCO)):δ(ppm) 8.24(d,J=3.8Hz,4H)、7.71(s,1H)、7.70−7.64(m,6H)、7.48(t,J=7.7Hz,4H)、7.31(t,J=8.5Hz,4H)2.68(s,3H)
【0087】
(D)の合成
化合物(C)(0.1mmol)、NBS(0.1mmol)、AIBNをCCl4溶媒に入れて12時間程度80℃で加熱しながら撹拌した。TLCで反応を確認した後濾過し、濾過液を水とNaClで洗った後、高真空下で溶媒をとり除いた後、ヘキサンとジエチルエーテルに再結晶して茶色の固体化合物(D)を40%歩留まりで得た。
H−NMR(CDCl、300MHz):δ(ppm)8.18(d,J=3.8Hz,4H)、7.80(s,1H)、7.76(s,2H)、7.58(d,J=4.2Hz,4H)、7.48(t,J=8.2Hz,4H)、7.35(t,J=7.7Hz,4H)、4.69(s,2H)
【0088】
(E)の合成
化合物(D)(1mmol)、ヒドロキノン(1mmol)、KCO(1mmol)、CHCN(20mL)を丸底フラスコに入れて6時間の間80℃で加熱をして還流させた。TLCで反応を確認した後濾過し、CHClで洗った後、濾過液を水とNaClで洗った後、高真空下で溶媒をとり除いた後フラッシュコラムして化合物(E)を得た。歩留まりは72%であった。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm) 8.17(d,J=3.8Hz,4H)、7.78−7.77(brs,3H)、7.53(d,J=4.1Hz,4H)、7.45(t,J=8.7Hz,4H)、7.33(t,J=7.8Hz,4H)、6.94(d,J=4.5Hz,2H)、6.84(d,J=4.5Hz,2H)、5.28(s,2H)
【0089】
(F)の合成
化合物(E)(0.06mmol)、化合物(B)(0.065mmol)、KCO(0.012mmol)、CHCN(20mL)を丸底フラスコに入れて10時間の間80℃で加熱をして還流させた。TLCで反応を確認した後、濾過して不純物をとり除いた。CHClで洗った後濾過液を水とNaClで洗った後高真空下で溶媒をとり除いた後、フラッシュコラムして固体物質(F)を得た。歩留まりは65%であった。
【0090】
(式6)の合成
室温で2−メトキシエタノール(15ml)に窒素を注入し、30分間撹拌した後に塩化イリジウム水和物(0.04mmol)と化合物(F)(0.08mmol)を入れて10時間の間窒素下で130℃で加熱しながら撹拌した。TLCで反応を確認した後HOを添加して固体の物質を得て、これを濾過して真空ポンプの下で3時間程度乾燥して化合物(G)を得る。歩留まりは50%であった。
【0091】
室温で2−エトキシエタノール(15ml)に窒素を注入し、30分間撹拌した後に化合物(G)(0.05mmol)とピコ燐酸(picolinic acid)(0.15mmol)を入れて、塩基でNaCO(0.5mmol)を入れた。窒素下で5時間の間130℃で加熱しながら撹拌した後にTLCで反応を確認した。高真空減圧蒸溜で溶媒をとり除いた後、塩化メチレンで抽出した。抽出された塩化メチレン層を飽和されたNaCl水溶液で洗った。抽出された塩化メチレン溶液をMgSO乾燥剤で水をとり除いた後、減圧蒸溜で溶媒を最小量残した後、ヘキサンを添加して固体の物質を得て、これを濾過した後にコラムクロマトグラフィーを通じてもう一度精製して真空ポンプの下で3時間の間乾燥して式6の化合物を得た。歩留まりは60%であった。
H−NMR(300 MHz,((CDCO)):δ(ppm)8.70(d,J=3Hz,1H)、8.41(s,1H)、8.22(d,J=3.9Hz、8H)、8.17(s,1H)、8.11(t,J=3.8Hz,1H)、7.89−7.86(m,6H)、7.72(d,J=3Hz,1H)、7.60−7.53(m,10H)、7.45(t,J=7.7Hz,8H)、7.30(t,J=7.5Hz,8H)、7.08(s,8H)、6.59−6.47(m,2H)、5.92(d,J=6Hz,1H)、5.56(d,J=6Hz,1H) 5.46(s,4H)、5.41(s,4H)
【0092】
実施例 2
本発明による式1において、XがX1で、MがIrで、R1ないしR8は水素で、a=1で、m−n=2で、Lが1、5−ジメチル−3−ピラゾルカルボキシレートである式8の化合物を合成し、この合成反応式は次のようである。
【化31】

【0093】
(式8)の合成
室温で2−エトキシエタノール(15ml)に窒素を注入し、30分間撹拌した後に化合物(G)(0.05mmol)と1、5−ジメチル−3−ピラゾルカルボキシレート(dm3pc 0.15mmol)を入れて、塩基でNaCO(0.5mmol)を入れた。窒素下で5時間の間130℃で加熱しながら撹拌した後にTLCで反応を確認した。高真空減圧蒸溜で溶媒をとり除いた後、塩化メチレンで抽出した。抽出された塩化メチレン層を飽和されたNaCl水溶液で洗った。抽出された塩化メチレン溶液をMgSO乾燥剤で水をとり除いた後減圧蒸溜で溶媒を最小量残した後、ヘキサンを添加して固体の物質を得て、これを濾過した後にコラムクロマトグラフィーを通じてもう一度精製して真空ポンプの下で3時間の間乾燥して式8の化合物を得た。歩留まりは60%であった。
H−NMR(300MHz,((CDCO)):δ(ppm) 8.75(d,J=3.0Hz,1H)、8.44(d,J=3.2Hz,1H)、8.39(s,1H)、8.27(d,J=4.1Hz,8H)、7.93−7.89(brs,8H)、7.62−7.57(m,10H)、7.47(t,J=6.8Hz,8H)、7.32(t,J=9.7Hz,8H)、7.12(d,J=4.8Hz,8H)、6.60−6.48(m,2H)、6.44(s,1H)、5.92(d,J=6Hz,1H)、5.48(brs,4H) 5.45(brs,4H)、3.21(s,3H)、2.26(s,3H)
【0094】
実施例 3
本発明による式1において、XがX2で、MがIrで、R1ないしR7及びR9ないしR10は水素で、a=2、b=1で、m−n=2で、Lがピコリネートである式10の化合物を合成し、この合成反応式は次のようである。
【化32】



【0095】
(H)の合成
化合物(D)(1mmol)、3、5−ジヒドロキシベンジルアルコール(0.5mmol)、K2CO3(1.25mmol)、18−クラウン−6(0.1mmol)、アセトン(20mL)を丸底フラスコに入れて10時間の間50℃で加熱をして還流させた。TLCで反応を確認した後濾過して、CHClで洗った後、濾過液を水とNaClで洗った後高真空下で溶媒をとり除いた後、フラッシュコラムをして固体物質化合物(H)を得た。歩留まりは76%であった。
H−NMR((CDCO)、300MHz:δ(ppm)9.19(d,J=7.8Hz,8H)、7.89(s,4H)、7.88(s,2H)、7.57(d,J=8.4、H=8)、7.40(q,J=6.9、H=8)、7.26(t,J=7.8、H=8)、6.85(s,H=2)、6.82(s,H=1)、5.53(s,H=4)、4.66(d,J=5.7,H=2)
【0096】
(I)の合成
化合物(H)(1mmol)を丸底フラスコに入れてCHCl(40mL)を入れた後、温度を0℃に下げた後3ブロム化りん(1.2mmol)を入れて3時間の間撹拌をした。TLC確認後分別漏斗を利用して水とNaClで洗った。有機溶媒をとり除いた後フラッシュコラムをして固体物質化合物(I)を得た。歩留まりは90%であった。
H−NMR(CDCl、300MHz):δ(ppm)8.14(d,J=3.9Hz,8H)、7.77(s,3H)、7.52(d,J=4.1Hz,4H)、7.43(t,J=8.1Hz,4H)、7.32(t,J=3.5Hz,4H)、6.76(s,2H)、6.69(s,1H)、5.32(s,4H)、4.46(s,2H)
【0097】
(J)の合成
丸底フラスコに化合物(I)(1mmol)、ヒドロキノン(2mmol)、セシウムカボネート(2mmol)、アセトニトリル(50mL)を入れて10時間の間80℃で加熱しながら撹拌させた。TLCで反応を確認した後濾過した。濾過液を水とNaClで洗った後高真空下で溶媒をとり除いた後フラッシュコラムをして固体物質化合物(J)を得た。歩留まりは62%であった。
H−NMR(CDCl、300MHz):δ(ppm)8.15(d,J=3.8Hz,8H)、7.77(s,3H)、7.51(d,J=4.1Hz,4H)、7.42(t,J=7.5Hz,4H)、7.32(t,J=3.9Hz,4H)、6.82(d,J=1.2Hz,2H)、6.80(brs,2H)、6.67(d,J=2.4Hz,2H)、6.65(brs,1H)、5.32(s,4H)、5.00(s,2H)
【0098】
(K)の合成
化合物(J)(0.1mmol)、化合物(B)(0.3mmol)、KCO(0.15mmol)、CHCN(20mL)を丸底フラスコに入れて10時間の間80℃で加熱をして還流させた。TLCで反応を確認した後濾過して不純物をとり除いた。CHClで洗った後濾過液を水とNaClで洗った後高真空下で溶媒をとり除いた後フラッシュコラムをして固体物質化合物(K)を得た。歩留まりは77%であった。
H−NMR(300MHz,((CDCO)):δ(ppm) 8.64(d,J=2.4Hz,1H)、8.19(d,J=3.8Hz,8H)、8.15−8.10(m,1H)、7.88(brs,4H)、7.82(brs,2H)、7.79(brs,1H)、7.55(d,J=4.1Hz,8H)、7.40(t,J=8.3Hz,8H)、7.32(d,J=2.4Hz,1H)、7.26(t,J=7.9Hz,8H)、7.19−7.13(m,2H)、6.95−6.79(m,7H)、5.56(s,4H)、5.08(s,2H)、5.00(s,2H)
【0099】
(式10)の合成
室温で2−メトキシエタノール(15ml)に窒素を注入し、30分間撹拌した後に塩化イリジウム水和物(0.04mmol)と化合物(K)(0.08mmol)を入れて10時間の間窒素下で130℃で加熱しながら撹拌した。TLCで反応を確認した後H2Oを添加して固体の物質を得て、これを濾過して真空ポンプの下で3時間程度乾燥して化合物(L)を得た。歩留まりは50%であった。
【0100】
室温で2−エトキシエタノール(15ml)に窒素を注入し、30分間撹拌した後に化合物(L)(0.05mmol)とピコ燐酸(0.15mmol)を入れて、塩基でNaCO(0.5mmol)を入れた。窒素下で5時間の間130℃で加熱しながら撹拌した後にTLCで反応を確認した。高真空減圧蒸溜で溶媒をとり除いた後塩化メチレンで抽出した。抽出された塩化メチレン層を飽和されたNaCl水溶液で洗った。抽出された塩化メチレン溶液をMgSO乾燥剤で水をとり除いた後、減圧蒸溜で溶媒を最小量残した後ヘキサンを添加して固体の物質を得て、これを濾過した後にコラムクロマトグラフィーを通じてもう一度精製して真空ポンプ下で3時間の間乾燥して式10を得た。歩留まりは60%であった。
H−NMR(300MHz,(CDCl)):δ(ppm) 8.70(d,J=2.9Hz,1H)、8.33(d,J=3.9Hz,1H)、8.15(s,2H)、8.14(d,J=3.82Hz,16H)、8.11(t,J=7.8Hz,1H)、7.91(t,J=3Hz,1H)、7.76−7.71(brs,12H)、7.51(d,J=3.9Hz,16H)、7.41(t,J=7.2Hz,16H)、7.31−7.26(m,17H)、7.18(d,J=3.0Hz,1H)、7.01(d,J=3.0Hz,1H)、6.88−6.85(brd,8H)、6.71(brs,2H)、6.48−6.39(m,2H)、5.84(d,J=6Hz,1H)、5.59(d,J=6Hz,1H) 5.33(s,8H)、5.03(brs,8H)
【0101】
実施例 4
本発明による式1において、XがX3で、MがIrで、R1ないしR7及びR11ないしR13は水素で、a=2、b=2、c=1で、m−n=2で、Xはピコリネートである式12の化合物を合成し、この合成反応式は次のようである。
【化33】



【0102】
(M)の合成
化合物(I)(0.5mmol)、3、5−ジヒドロキシベンジルアルコール(0.25mmol)、KCO(0.7mmol)、18−クラウン−6(0.05mmol)、アセトン(15mL)を丸底フラスコに入れて10時間の間50℃で加熱をして還流させた。TLCで反応を確認した後濾過した。濾過液を水とNaClで洗った後高真空下で溶媒をとり除いた後フラッシュコラムをして固体物質である化合物(M)を得た。歩留まりは95%であった。
H−NMR((CDCO)、300MHz:δ(ppm)8.13(d,J=7.5、H=16)、7.83(s,H=8)、7.82(s,H=4)、7.51(d,J=8.1、H=16)、7.34(q,J=1.2、H=16)、7.21(t,J=7.5、H=16)、6.85(s,H=4)、6.83(s,H=2)、6.61(s,H=2)、6.17(s,H=1)、5.63(s,H=8)、5.00(s,H=4)、4.47(d,J=5.4、H=2)
【0103】
(N)の合成
化合物(M)(1mmol)を丸底フラスコに入れてCHCl(40mL)を入れた後温度を0℃に下げた後3ブロム化りん(1.2mmol)を入れて3時間の間撹拌をした。TLC確認後分別漏斗を利用して水とNaClで洗った。有機溶媒をとり除いた後フラッシュコラムをして固体物質化合物(N)を得た。歩留まりは80%であった。
【0104】
(O)の合成
丸底フラスコに化合物(N)(0.5mmol)、ヒドロキノン(1.5mmol)、セシウムカボネート(1mmol)、アセトニトリル(50mL)を入れて10時間の間80℃で加熱しながら撹拌させた。TLCで反応を確認した後濾過した。濾過液を水とNaClで洗った後高真空下で溶媒をとり除いた後フラッシュコラムをして固体物質化合物(O)を得た。歩留まりは65%であった。
【0105】
(P)の合成
化合物(O)(0.1mmol)、化合物(B)(0.3mmol)、KCO(0.15mmol)、CHCN(20mL)を丸底フラスコに入れて10時間の間80℃で加熱をして還流させた。TLCで反応を確認した後濾過して不純物をとり除く。CHClで洗った後濾過液を水とNaClで洗った後高真空下で溶媒をとり除いた後フラッシュコラムをして固体物質化合物(P)を得た。歩留まりは67%であった。
【0106】
(式12)の合成
室温で2−メトキシエタノール(15ml)に窒素を注入し、30分間撹拌した後に塩化イリジウム水和物(0.04mmol)と化合物(P)(0.08mmol)を入れて10時間の間窒素下で加熱しながら撹拌した。TLCで反応を確認した後HOを添加して固体の物質を得て、これを濾過して真空ポンプの下で3時間程度乾燥して化合物(Q)を得た。歩留まりは50%である。
【0107】
室温で2−エトキシエタノール(15ml)に窒素を注入し、30分間撹拌した後に化合物(Q)(0.05mmol)とピコリン酸(0.15mmol)を入れ、塩基でNaCO(0.5mmol)を入れる。窒素下で5時間の間加熱しながら撹拌した後にTLCで反応を確認した。高真空減圧蒸溜で溶媒をとり除いた後塩化メチレンクロライドで抽出した。抽出されたメチレンクロライド層を飽和されたNaCl水溶液で洗った。抽出されたメチレンクロライド溶液をMgSO乾燥剤で水をとり除いた後減圧蒸溜で溶媒を最小量残した後ヘキサンを添加して固体の物質を得て、これを濾過した後にコラムクロマトグラフィーを通じてもう一度精製して真空ポンプの下で3時間の間乾燥して式12を得た。歩留まりは65%である。
【0108】
比較例 1
(式14)の合成
【化34】

ドーパントとして主に使用される式14を別途に準備した。これは一般的な方法によって合成するか、若しくは大韓民国特許出願第2003−87257号に開示された方法によって合成することができる。
【0109】
比較例 2
(式15)の合成
【化35】

ドーパントで主に使用される式15を別途に準備した。これは一般的な方法によって合成するか若しくは大韓民国特許出願第2003−79592号に記載された方法によって合成することができる。
【0110】
試験例
実施例1ないし3で合成した式6、8、10化合物の発光(PL)特性を調査し、また、発光特性比較のために比較例1ないし2の式14及び15の発光特性を調査してこの結果を図1ないし図6に示した。
【0111】
図1は実施例1で合成した化合物(式6)のクロロホルム溶液での発光(PL)スペックトラムを示したもので、図2は実施例2で合成した化合物(式8)のクロロホルム溶液での発光スペックトラムを示したもので、図3は実施例1と比較例1で合成したそれぞれの化合物の0.02mMのクロロホルム溶液の中で発光スペックトラムを比べたもので、図4は実施例2と比較例2で合成したそれぞれの化合物の0.02mMのクロロホルム溶液の中で発光スペックトラムを比べたもので、図5は実施例2で合成したホスト用化合物とドーパント用化合物が連結された化合物(式8)とホスト用化合物を示す(C)化合物に式15で示したドーパント用化合物を33%の濃度にドーピングしてそれぞれ0.02mMのクロロホルム溶液で発光スペックトラムを比べたもので、図6は実施例1と3及び比較例1の化合物をPMMA高分子フィルムにPMMAを90%、実施例1と3及び比較例1の化合物をそれぞれの場合10%ドーピングした場合の発光スペックトラムを比べたものである。
【0112】
図3、図4及び図6に示されたように、本発明によるドーパント用化合物にホスト用化合物が連結された有機金属化合物が、ドーパント用化合物だけの発光特性よりはるかに優秀であることが分かり、また図5に示されたように、本発明による有機金属化合物がホスト用化合物とドーパント用化合物を別に混合したものより発光特性が優秀であることが分かった。
【0113】
実施例 5
アノードはコニン社の10Ω/cmITO基板を利用し、上記基板上部にIDE406を真空蒸着して正孔注入層を600Åの厚さで形成した。引き継いで、上記正孔注入層上部に上記TPD化合物を300Åの厚さで真空蒸着して正孔輸送層を形成した。正孔輸送層を形成した後、この正孔輸送層上部に式6の化合物をホスト物質CBPに12%ドーピングして200Åの厚さで発光層を形成した。
【0114】
その後、上記発光層上部にBCPを真空蒸着して50Å厚さの正孔抑制層を形成した。その後その上にAlq3を真空蒸着して200Å厚さの電子輸送層を形成した。この電子輸送層上部にLiF10ÅとAl3000Åを順次真空蒸着してLiF/Al電極を形成することで有機電界発光素子を製造した。
【0115】
上記実施例5によって製造された有機電界発光素子において、効率、駆動電圧、色純度及び寿命特性を調査した。その結果、実施例5の有機電界発光素子の効率、駆動電圧、色純度及び寿命特性が優秀であることを確認することができた。
【0116】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、かつ本発明は上記実施例に限定されるのではなく、本発明の技術的思想の範囲内で当該分野において通常の知識を有する者によってさまざまな変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】図1は、実施例1で合成した式6で表わされる化合物のクロロホルム溶液でのPL(photo luminescence)スペックトラムを示す図である。
【図2】図2は、実施例2で合成した式8で表わされる化合物のクロロホルム溶液でのPL(photo luminescence)スペックトラムを示す図である。
【図3】図3は、実施例1で合成した化合物と比較例1の化合物のクロロホルム溶液でのPL(photo luminescence)スペックトラムを比較した図である。
【図4】図4は、実施例2で合成した化合物と比較例2の化合物のクロロホルム溶液でのPL(photo luminescence)スペックトラムを比較した図である。
【図5】図5は、本発明のまた別の具現例によるホスト用化合物とドーパント用化合物を連結した有機金属化合物とホストにドーパントを0.02mM濃度で別途ドーピングした場合のPL(photo luminescence)スペックトラムを比較した図である。
【図6】図6は、実施例1と3および比較例1の化合物をPMMM高分子フィルムにドーピングした場合のPL(photo luminescence)スペックトラムを比較した図である。
【図7】図7は、本発明のまた別の具現例による有機電解発光素子の構造を示した図である。
【符号の説明】
【0118】
10 基板
20 アノード電極
30 正孔注入層
40 正孔輸送層
50 発光層
60 電子輸送層
70 電子注入層
80 カソード電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーギャップが同じか差が存在するホスト用化合物とドーパント用化合物を連結基によって連結させた有機金属化合物。
【請求項2】
ホスト用化合物のエネルギーギャップとドーパント用化合物のエネルギーギャップの差が0ないし400nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項3】
上記連結基は、
ホスト用化合物とドーパント用化合物を連結する場合、π−共役で連結されるのを阻害することができる部分(moiety)を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項4】
上記連結基は、
酸素原子を含む残基であることを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物。
【請求項5】
上記連結基は、
次のような構造を持つことを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物:
【化1】

【化2】

または
【化3】

上記式において、R’ないしR’’’は、それぞれ独立的に一置換または多置換作用基であり、水素、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、置換または非置換されたC1−C30のアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルコキシ基、置換または非置換されたC2−C30のアルケニル基、置換または非置換されたC6−C30のアリル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルアルキル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルオキシ基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルオキシ基、置換または非置換されたC5−C30のシクロアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルキルカルボニル基、置換または非置換されたC7−C30のアリルカルボニル基、C1−C30のアルキルチオ基または−Si(Z’)(Z’’)(Z’’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)、−N(Z’)(Z’’)(式中、Z’とZ’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)基であり、また上記R’ないしR’’’の作用基の中、互いに隣接した基は互いに結合して環を形成することができる。
【請求項6】
エネルギーギャップが同じか差が存在するホスト用化合物とドーパント用化合物を連結基によって連結させた下記式1で表示されることを特徴とする有機金属化合物:
【化4】

上記式において、
Xは次のような構造を持って、
【化5】

【化6】

または
【化7】

であり、
R1ないしR13は、それぞれ独立的に一置換または多置換作用基であり、水素、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、置換または非置換されたC1−C30のアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルコキシ基、置換または非置換されたC2−C30のアルケニル基、置換または非置換されたC6−C30のアリル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルアルキル基、置換または非置換されたC6−C30のアリルオキシ基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロアリルオキシ基、置換または非置換されたC5−C30のシクロアルキル基、置換または非置換されたC2−C30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換されたC1−C30のアルキルカルボニル基、置換または非置換されたC7−C30のアリルカルボニル基、C1−C30のアルキルチオ基または−Si(Z’)(Z’’)(Z’’’)(式中、Z’ないしZ’’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)、−N(Z’)(Z’’)(式中、Z’とZ’’は互いに関係なく水素またはC1−C30のアルキル基)基であり、また上記R1ないしR13の作用基の中、互いに隣接した基は互いに結合して環を形成することができ、
a、b、cはそれぞれ1ないし3で、MはIr、Os,Pt,Pb、ReまたはRuであり、Lは二座配位子で、mは3で、nは1または2である。
【請求項7】
上記式1において、XがX1である下記式2で表示されることを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物:
【化8】

式中、R1ないしR8は上記式1で定義されたところと同様であり、a、M、L、m及びnはすべて式1で定義されたところと同様である。
【請求項8】
上記式1において、XがX2である下記式3で表示されることを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物。
【化9】

式中、R1ないしR7、R9及びR10は、上記式1で定義されたところと同様であり、a、b、M、L、m及びnすべて上記式1で定義されたところと同様である。
【請求項9】
上記式1において、XがX3である下記式4で表示されることを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物:
【化10】

式中、R1ないしR8、R11ないしR13は、上記式1で定義されたところと同様であり、a、b、c、M、L、m及びnすべて上記式1で定義されたところと同様である。
【請求項10】
XはX1で、R1は水素またはシアノ基で、R2ないしR9は水素で、a=1で、m−n=2で、Lはピコリネートまたは1、5−ジメチル−3−ピラゾルカルボキシレートである下記式6ないし9のいずれか一つで表示されることを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物。
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【請求項11】
XはX2で、R1は水素またはシアノ基で、R2ないしR7、R9及びR10は水素で、a=2、b=1、m−n=2で、Lはピコリネートである下記式10ないし11の中でいずれか一つで表示されることを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物。
【化15】

【化16】

【請求項12】
XはX3で、R1は水素またはシアノ基で、R2ないしR7及びR11ないしR13は水素で、a=2、b=2、c=1、m−n=2で、Lはピコリネートである下記式12ないし13のいずれか一つで表示されることを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物。
【化17】

【化18】

【請求項13】
一対の電極の間に有機膜を含む有機電界発光素子において、
上記有機膜が請求項1に記載の有機金属化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項14】
一対の電極の間に有機膜を含む有機電界発光素子において、
前記有機膜が請求項6に記載の連結された有機金属化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項15】
前記有機膜は、
発光層であることを特徴とする請求項13または14に記載の有機電界発光素子。
【請求項16】
基板上に第1電極を形成する段階と;
第1電極上部に有機膜を形成する段階と;
有機膜上部に第2電極を形成する段階を含み、
前記有機膜は、
請求項1に記載の有機金属化合物をドーピングして形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【請求項17】
基板上に第1電極を形成する段階と;
第1電極上部に有機膜を形成する段階と;
有機膜上部に第2電極を形成する段階を含み、
前記有機膜は、
請求項6に記載の連結された有機金属化合物をドーピングして形成することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項18】
第1電極はアノードで、第2電極はカソードで、有機膜は発光層であることを特徴とする請求項16または17に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項19】
前記有機膜は、
湿式工程を利用して形成されることを特徴とする請求項16または17に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記有機金属化合物のドーピング濃度は、
ドーパント用化合物に連結されたホスト用分子の数に応じて調節することができることを特徴とする請求項16または17に記載の有機電界発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−298899(P2006−298899A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6638(P2006−6638)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(503434302)財団法人ソウル大学校産学協力財団 (32)
【氏名又は名称原語表記】Seoul National University Industry Foundation
【住所又は居所原語表記】San 4−2, Bongchun−dong, Kwanak−gu, Seoul, Korea
【Fターム(参考)】