説明

ホスホネートヌクレオチドアナログのプロドラッグならびにこれを選択および作製するための方法。

【課題】抗ウイルス活性または抗腫瘍活性を有する所望の組織を選択的に標的化するプロドラッグを同定するために、メトキシホスホネートヌクレオチドアナログのプロドラッグをスクリーニングするための新規の方法が提供される。
【解決手段】本発明の方法は、レトロウイルス治療またはヘパドナウイルス治療のためのPMPAの新規の混合エステルアミデートの同定を導き、このPMPAのエステルアミデートは、本明細書中で規定されるような置換基を有する構造(5a)の化合物を含む。薬学的に受容可能な賦形剤中のこれらの新規の化合物の組成、ならびに治療および予防におけるそれらの使用が提供される。本明細書中の用途のための出発物質および化合物を調製するためにマグネシウムアルコキシドを使用するための改良された方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、メトキシホスホネートヌクレオチドアナログのプロドラッグに関する。詳細には、本願は、このようなプロドラッグを作製および同定するための改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのメトキシホスホネートヌクレオチドアナログは公知である。一般に、このような化合物は、構造A−OCHP(O)(OR)を有し、ここで、Aは、ヌクレオシドアナログの残基であり、そしてRは、独立して、水素または様々な保護基、あるいはプロドラッグ官能基である。特許文献1特許文献2および特許文献3非特許文献1非特許文献2非特許文献3非特許文献4非特許文献5非特許文献6非特許文献7非特許文献8非特許文献9を参照のこと。本明細書中の全ての文献および特許引用文献は、参考として明確に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,663,159号明細書
【特許文献2】米国特許第5,977,061号明細書
【特許文献3】米国特許第5,798,340号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Oliyaiら「Pharmaceutical Research」16(11):1687−1693(1999)
【非特許文献2】Stellaら、「J.Med.Chem.」23(12):1275−1282(1980)
【非特許文献3】Aarons,L.,Boddy,A.およびPetrak,K.(1989)Novel Drug Delivery and Its Therapeutic Application(Prescott,L.F.およびNimmo,W.S.編),pp.121−126
【非特許文献4】Bundgaard,H.(1985)Design of Prodrugs(Bundgaard,H.編)pp.70−74および79−92
【非特許文献5】Banerjee,P.K.およびAmidon,G.L.(1985)Design of Prodrugs(Bundgaard,H.編)pp.118−121
【非特許文献6】Notari,R.E.(1985)Design of Prodrugs(Bundgaard,H.編)pp.135−156
【非特許文献7】Stella,V.J.およびHimmelstein,K.J.(1985)Design of Prodrugs(Bundgaard,H.編)pp.177−198)
【非特許文献8】Jones,G.(1985)Design of Prodrugs(Bundgaard,H.編)pp.199−241
【非特許文献9】Connors,T.A.(1985)Design of Prodrugs(Bundgaard,H.編)pp.291−316
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
抗ウイルス治療または抗腫瘍治療を意図したメトキシホスホネートヌクレオチドアナログのプロドラッグは、公知であるものの、それらの全身的な効果のために従来的に選択された。例えば、このようなプロドラッグは、親薬物が全ての組織に利用可能であることを保証する増大したバイオアベイラビリティ(すなわち、胃腸管から吸収されて親化合物に迅速に変換される能力)のために選択された。しかし、出願人らは、ここで、アナログがHIV感染の局在した病巣部位で富化される本明細書中で記載される研究によって示されるように、治療的部位で富化される薬物を選択することが可能であることを見出した。本発明の目的は、他の利点の中でもとりわけ、親メトキシホスホネートヌクレオチドアナログを用いる治療の標的である組織における親薬物の、バイスタンダー組織に対するより小さな毒性およびより大きな効力を生じることである。したがって、本発明は、以下を提供する。
(1) 標的組織において増大した活性を与えるメトキシホスホネートヌクレオチドアナログプロドラッグを同定するためのスクリーニング方法であって、該方法は、以下:
(a)少なくとも1つの該プロドラッグを提供する工程;
(b)少なくとも1つの治療標的組織および少なくとも1つの非標的組織を選択する工程;
(c)該プロドラッグを、該標的組織および該少なくとも1つの非標的組織に投与する工程;ならびに
(d)工程(c)において、該組織中の該プロドラッグによって与えられた相対活性を決定する工程、
を包含する、方法。
(2) 前記活性が、抗ウイルス活性または抗腫瘍活性である、項目1に記載の方法。
(3) 前記活性が、抗ウイルス活性である、項目2に記載の方法。
(4) 前記活性が、抗HIV活性または抗HBV活性である、項目3に記載の方法。
(5) 前記プロドラッグが、PMPAまたはPMEAのプロドラッグである、項目1に記載の方法。
(6) 前記プロドラッグが、ホスホノアミデート、ホスホノエステルまたは混合ホスホノアミデート/ホスホノエステルである、項目5に記載の方法。
(7) 前記アミデートが、アミノ酸アミデートである、項目6に記載の方法。
(8) 前記エステルが、アリールエステルである、項目6に記載の方法。
(9) 前記標的組織において、前記非標的組織の活性の10倍より大きい相対活性を有するプロドラッグを選択する工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(10) 項目1に記載の方法であって、前記標的組織および非標的組織が動物中に存在し、前記プロドラッグが該動物に投与され、そして前記相対活性が、該プロドラッグの投与後に、該動物の組織の分析によって決定される、方法。
(11) 項目1に記載の方法であって、前記標的組織および非標的組織における活性が、組織中の前記プロドラッグの少なくとも1つの代謝産物の量をアッセイすることによって決定される、方法。
(12) 前記代謝産物が、親薬物である、項目12に記載の方法。
(13) 前記代謝産物が、前記親薬物のジホスフェートである、項目12に記載の方法。
(14) 前記標的組織がウイルス感染した組織であり、そして前記非標的組織が、ウイルス感染していない同じ組織である、項目1に記載の方法。
(15) 前記標的組織がリンパ組織であり、そして前記活性が抗HIV活性である、項目1に記載の方法。
(16) 前記標的組織が肝臓であり、そして前記活性が抗HBV活性である、項目1に記載の方法。
(17) 前記標的組織が血液学的であり、そして前記活性が抗腫瘍活性である、項目1に記載の方法。
(18) 前記標的組織が悪性であり、そして前記非標的組織が、悪性ではない同じ組織である、項目1に記載の方法。
(19) 以下の構造(1)を有する化合物、ならびにそのキラル富化組成物、その塩、それらの遊離塩基および溶媒和物であって:
【化1】


ここで、Raは、Hまたはメチルである、化合物。
(20) 以下の構造(2)を有する化合物、ならびにその富化されたジアステレオマー、塩、遊離塩基および溶媒和物:
【化2】


(21) 以下の構造(3)を有するジアステレオマー富化化合物、ならびにそれらの塩、遊離塩基および溶媒和物であって:
【化3】


該化合物は、実質的に以下のジアステレオマー(4)を含まず:
【化4】

ここで、
は、インビボで加水分解可能なオキシエステル、またはヒドロキシルであり;
Bは、複素環塩基であり;
は、ヒドロキシル、またはアミノ酸の残基であり、該アミノ酸の残基は、該アミノ酸のアミノ基を介してP原子に結合され、そしてそれぞれが、必要に応じてエステル化された該アミノ酸のカルボキシ置換基を有し、
ただし、RおよびRの両方が、ヒドロキシルではなく;
Eは、−(CH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHF)CH−、−CH(CHOH)CH−、−CH(CH=CH)CH−、−CH(C≡CH)CH−、−CH(CH)CH−、
【化5】


−CH(R)OCH(R6’)−、−CH(R)CHO−、またはCH(R)O−であり、ここで右側の結合は、該複素環塩基に結合され;
点線は、任意の二重結合を表し;
およびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、またはアシルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される1〜5個の炭素原子を有する置換基であり;
およびR6’は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルカノイルであり;
は、独立して、H、C〜Cアルキルであるか、または一緒になって−O−もしくは−CH−を形成し;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cハロアルキルであり;そして
は、H、ヒドロキシメチル、またはアシルオキシメチルである、
化合物。
(22) 以下の構造(5a)を有するジアステレオマー富化化合物、ならびにその塩、互変異性体、遊離塩基および溶媒和物であって:
【化6】

該化合物は、実質的に以下のジアステレオマー(5b)を含まず:
【化7】


ここで、
は、メチルまたは水素であり;
は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキルであるか、Rは、独立して、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、アミノ、アルキルチオ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アリールアルコキシアルキル、ハロアルキル、ニトロ、ニトロアルキル、アジド、アジドアルキル、アルキルアシル、アルキルアシルアルキル、カルボキシルまたはアルキルアシルアミノから選択される1〜3個の置換基で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキルであり;
は、任意の天然に存在するアミノ酸または薬学的受容可能なアミノ酸の側鎖であり、該側鎖がカルボキシルを含む場合、該カルボキシル基は、アルキル基またはアリール基で必要に応じてエステル化され;
11は、アミノ、アルキルアミノ、オキソまたはジアルキルアミノであり;そして
12は、アミノまたはHである、
化合物。
(23) 以下の構造(6)の化合物、ならびにその塩および溶媒和物:
【化8】


(24) 以下の構造(7)の化合物:
【化9】


(25) 項目19〜24のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に有効な賦形剤を含む、組成物。
(26) 前記賦形剤がゲルである、項目25に記載の組成物。
(27) 局所投与に適切である、項目25に記載の組成物。
(28) 抗ウイルス治療または予防のための方法であって、該方法は、項目19〜24のいずれか1項に記載の化合物を、治療的または薬学的に有効な量で、このような治療または予防を必要とする被験体に投与する工程を包含する、方法。
(29) マグネシウムアルコキシドを使用するための方法であって、該方法は、9−(2−ヒドロキシプロピル)アデニン(HPA)または9−(2−ヒドロキシエチル)アデニン(HEA)、マグネシウムアルコキシド、および保護したp−トルエンスルホニルオキシメチルホスホネートを反応させる工程を包含する、方法。
(30) PMPAまたはPMEAをそれぞれ回収する工程をさらに包含する、項目29に記載の方法。
(31) 前記p−トルエンスルホニルオキシメチルホスホネートのホスホネートが、エチルエステルによって保護される、項目29に記載の方法。
(32) 前記アルコキシドが、C〜Cアルコキシドである、項目29に記載の方法。
(33) 前記アルコキシドが、t−ブチルオキシドまたはイソプロピルオキシドである、項目32に記載の方法。
【0006】
従って、これらの観察によって、標的組織において増大した活性を与えるメトキシホスホネートヌクレオチドアナログのプロドラッグを同定するためのスクリーニング方法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)少なくとも1つのプロドラッグを提供する工程;
(b)少なくとも1つの治療標的組織および少なくとも1つの非標的組織を選択する工程;
(c)このプロドラッグを、この標的組織および少なくとも1つの非標的組織に投与する工程;ならびに
(d)工程(c)において、この組織中のプロドラッグによって与えられた相対的な抗ウイルス活性を決定する工程。
【0007】
好ましい実施形態において、標的組織は、HIVがアクティブに複製される部位および/またはHIVレザバとして働く部位であり、非標的組織はインタクトな動物である。予想外にも、本発明者らは、この方法をHIVについて実施するための標的組織としてリンパ組織を選択することによって、活性薬物のこのような組織への送達を促進するプロドラッグを同定した。
【0008】
この方法によって同定された、本発明の好ましい化合物、ならびにそのキラル富化組成物、その塩、その遊離塩基および溶媒和物は、以下の構造(1)を有する:
【0009】
【化10】

ここで、Raは、Hまたはメチルである。
【0010】
本発明の好ましい化合物、ならびにその富化ジアステレオマー、塩、遊離塩基および溶媒和物は、以下の構造(2)を有する:
【0011】
【化11】

さらに、本発明者らは、予想外にも、リン原子および/またはアミデート置換基上の置換基のキラリティーは、本発明の実施において観察された富化に影響を及ぼすことを見出した。従って、本発明の別の実施形態において、本発明者らは、以下の構造(3)を有する本発明のジアステレオマー富化化合物、ならびにその塩、遊離塩基および溶媒和物を提供し:
【0012】
【化12】

この富化化合物は、実質的に以下のジアステレオマー(4)を含まず:
【0013】
【化13】

ここで、
は、インビボで加水分解可能なオキシエステル、またはヒドロキシルであり;
Bは、複素環塩基であり;
は、ヒドロキシル、またはアミノ酸の残基であり、このアミノ酸の残基は、このアミノ酸のアミノ基を介してP原子に結合され、そしてそれぞれが、必要に応じてエステル化されたこのアミノ酸のカルボキシ置換基を有し、
ただし、RおよびRの両方が、ヒドロキシルではなく;
Eは、−(CH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHF)CH−、−CH(CHOH)CH−、−CH(CH=CH)CH−、−CH(C≡CH)CH−、−CH(CH)CH−、
【0014】
【化14】

−CH(R)OCH(R6’)−、−CH(R)CHO−、またはCH(R)O−であり、ここで右側の結合は、この複素環塩基に結合され;
点線は、任意の二重結合を表し;
およびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、またはアシルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される1〜5個の炭素原子を有する置換基であり;
およびR6’は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルカノイルであり;
は、独立して、H、C〜Cアルキルであるか、または一緒になって−O−もしくは−CH−を形成し;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cハロアルキルであり;そして
は、H、ヒドロキシメチル、またはアシルオキシメチルである。
【0015】
構造(3)のジアステレオマーは、リンキラル中心において、(S)異性体であるように設計される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態は、以下の構造(5a)を有するジアステレオマー富化化合物、ならびにその塩、互変異性体、遊離塩基および溶媒和物であり:
【0017】
【化15】

この富化化合物は、以下のジアステレオマー(5b)を実質的に含まない:
【0018】
【化16】

ここで、
は、メチルまたは水素であり;
は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキルであるか、Rは、独立して、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、アミノ、アルキルチオ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アリールアルコキシアルキル、ハロアルキル、ニトロ、ニトロアルキル、アジド、アジドアルキル、アルキルアシル、アルキルアシルアルキル、カルボキシルまたはアルキルアシルアミノから選択される1〜3個の置換基で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキルであり;
は、任意の天然に存在するアミノ酸または薬学的受容可能なアミノ酸の側鎖であり、この側鎖がカルボキシルを含む場合、このカルボキシル基は、アルキル基またはアリール基で必要に応じてエステル化され;
11は、アミノ、アルキルアミノ、オキソまたはジアルキルアミノであり;そして
12は、アミノまたはHである。
【0019】
本発明の好ましい化合物は、構造(6)の化合物、9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(本明細書中でGS−7340とも呼ばれる)である:
【0020】
【化17】

本発明の別の好ましい実施形態は、構造(5)(構造(7))のフマル酸塩、9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンフマル酸塩(1:1)(本明細書中で、GS−7340−2とも呼ばれる)である:
【0021】
【化18】

構造(1)〜(7)の化合物は、必要に応じて、薬学的に受容可能な賦形剤を含む組成物に処方される。このような組成物は、ウイルス(特に、HIVまたはヘパドナウイルス)感染の治療または予防において、有効用量で使用される。
【0022】
さらなる実施形態において、9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]アデニン(本明細書以下、「PMEA」と呼ぶ)または9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]アデニン(本明細書以下、「PMEA」と呼ぶ)を、マグネシウムアルコキシドを使用して容易に製造するための方法が提供され、ここでこの方法は、9−(2−ヒドロキシプロピル)アデニンまたは9−(2−ヒドロキシエチル)アデニン、保護したp−トルエンスルホニルオキシメチルホスホネートおよびマグネシウムアルコキシドを合わせ、それぞれPMPAまたはPMEAを回収する工程を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
このスクリーニング方法において使用するためのメトキシホスホネートヌクレオチドアナログ親薬物は、構造A−OHP(O)(OH)を有する化合物であり、ここで、Aは、ヌクレオシドアナログの残基である。これらの化合物はそれ自体公知であり、そして本発明の部分ではない。より詳細には、親化合物は、複素環の塩基BおよびアグリコンEを含み、一般的に以下の構造を有する:
【0024】
【化19】

ここで、B基は以下で定義去れ、そしてE基は上で定義される。例は、以下に記載される:米国特許第4,659,825号、同第4,808,716号、同第4,724,233号、同第5,142,051号、同第5,130,427号、同第5,650,510号、同第5,663,159号、同第5,302,585号、同第5,476,938号、同第5,696,263号、同第5,744,600号、同第5,688,778号、同第5,386,030号、同第5,733,896号、同第5,352,786号、および同第5,798,340号、ならびにEP 821,690およびEP 654,037。
【0025】
本発明のスクリーニング方法において使用するためのプロドラッグは、前述のパラグラフに記載される親メトキシホスホネートヌクレオチドアナログの共有結合的に修飾されたアナログである。一般的に、親薬物のリン原子は、プロドラッグの修飾に好ましい部位であるが、他の部位は複素環の塩基BまたはアグリコンE上に見出される。多くのこのようなプロドラッグは、すでに公知である。主に、これらは、リン原子のエステルまたはアミデートであるが、塩基およびアグリコン上の置換基もまた含む。これらの修飾自体のいずれも、本発明の部分でもなく、本発明の範囲を限定するともみなされない。
【0026】
メトキシホスホネートヌクレオチドアナログのリン原子は、アミド化またはエステル化のような共有結合的修飾のための2の原子価を含む(ただし、ただ1つのリンの原子価が自由に置換されると、1つのホスホリルのヒドロキシルがエステル化されて、アグリコンEのヒドロキシル置換基になる場合は除く)。このエステルは、代表的には、アリールオキシである。このアミデートは、通常、アルキル基またはアリール基(通常は、フェニル基、シクロアルキル基、またはt−アルキル基、n−アルキル基もしくはs−アルキル基)でエステル化された遊離カルボキシル基を有する天然に存在するモノアミノ酸である。本発明のスクリーニング方法において使用するために適切なプロドラッグは、米国特許第5,798,340号の実施例に開示される。しかし、おそらく標的組織細胞内において、例えば、加水分解、酸化または生物学的組織への暴露から生じる他の共有結合の転移によって、インビボで遊離メトキシホスホネートヌクレオチドアナログ親薬物に変換され得ると考えられる任意のプロドラッグは、本発明の方法における使用のために適切である。このようなプロドラッグは、現時点で公知ではないかもしれないが、将来的に同定され、従って、本発明の方法における試験のために利用可能な適切な候補物となる。プロドラッグは、この方法におけるスクリーニングのための候補物にすぎないため、それらの構造は、スクリーニング方法を実施することまたは可能にすることに関係しないが、もちろん、それらの構造は結局、プロドラッグがこのアッセイにおいて選択的であると示されるか否かを決定する。
【0027】
親薬物に結合したプロ部分(pro−moiety)は、同じであっても異なっていてもよい。しかし、スクリーニングアッセイに使用される各プロドラッグは、試験される他のプロドラッグとは構造的に異なる。別個の、すなわち構造的に異なるプロドラッグは、一般に、それらの立体化学または共有結合構造のいずれかに基づいて選択されるか、あるいはそれらの特徴は組み合わせで変更される。しかし、試験される各プロドラッグは、望ましくは構造的かつ立体化学的に実質的に純粋であり、そうでなければ、スクリーニングアッセイの結果はそれほど有用ではなくなる。もちろん、本発明の方法の個々の実施形態で、単一のプロドラッグのみを試験することは、本発明の範囲内であるが、代表的には、次いで、従来の研究の結果と他のプロドラッグを比較する。
【0028】
本発明者らは、プロドラッグの立体化学は、標的組織中の富化に影響を与え得ることを見出した。キラルな部位は、リン原子に存在し、そしてまた、その置換基において見出される。例えば、アミデートの調製に使用されるアミノ酸は、D型またはL型であり得、そしてリン酸エステルまたはアミノ酸エステルも同様に、キラル中心を含み得る。キラルな部位はまた、この分子のヌクレオシドアナログ部分上に見出されるが、これらは代表的には、親薬物の立体化学によってすでに規定され、そしてスクリーンの一部として変更されない。例えば、PMPAのR異性体は、これが対応するS異性体よりも活性であるために好ましい。代表的に、これらのジアステレオマーまたはエナントマーは、純粋ではない場合、各部位でキラル富化され、その結果、スクリーンの結果は、より意味のあるものとなる。記載されるように、立体異性体の差示性は、問題のキラル中心において他の立体異性体を含まない立体異性体(代表的には、これは、ほとんどのメトキシホスホネートヌクレオチドアナログの場合、エナンチオマーよりむしろジアステレオマーである)を富化または精製することによって与えられ、その結果、各試験化合物は、実質的に均質である。実質的に均質またはキラル富化されたとは、所望の立体異性体が、約60重量%の化合物、通常約80重量%より多くの化合物、好ましくは約95重量%より多くの化合物を含むことを意味する。
【0029】
(新規なスクリーニング方法)
一旦、少なくとも1つの候補プロドラッグが選択されると、本発明のスクリーニング方法の残りの工程を使用して、標的組織に必要とされる選択性を有するプロドラッグを同定する。最も簡便には、プロドラッグは、組織または細胞における後の検出を容易にするために、検出可能な基で標識される(例えば、放射性標識される)。しかし、標識は、必要とされない。なぜなら、プロドラッグまたはその代謝産物(親化合物を含む)についての他の適切なアッセイがまた、使用され得るためである。これらのアッセイとしては、例えば、質量分析法、HPLC、生物検定またはイムノアッセイが挙げられ得る。このアッセイは、プロドラッグおよびその代謝産物のいずれか1つ以上を検出し得るが、好ましくは、このアッセイは、親薬物の生成をのみを検出するために行われる。これは、プロドラッグの抗菌的に活性な親二リン酸塩への変換の程度および速度が試験される全ての組織中で同じであるという仮定(これは、全ての場合において保証され得ない)に基づく。そうでなければ、二リン酸塩について試験し得る。
【0030】
標的組織は、好ましくは、HIV感染の処置において有用であるプロドラッグをスクリーニングする場合、リンパ様組織である。リンパ様組織は、当業者に周知であり、これらとしては、CD4細胞、リンパ球、リンパ節、マクロファージおよびマクロファージ様細胞(末梢血液単球細胞(PBMC)のような単球を含む)ならびにグリア細胞が挙げられる。リンパ様組織はまた、リンパ様組織または細胞(例えば、肺、皮膚および脾臓)において豊富である非リンパ組織を含む。もちろん、他の抗ウイルス薬物の経路についての他の標的は、特定のウイルスが関係する複製または潜伏の最初の部位(例えば、肝炎についての肝臓およびHSVについての末梢神経)である。同様に、腫瘍についての標的組織は、実際に、腫瘍自体である。これらの組織は、当業者に周知であり、そして選択するために過度の実験を必要としない。抗ウイルス化合物についてスクリーニングする場合、標的組織は、ウイルスによって感染され得る。
【0031】
非標的組織または細胞はまた、本明細書中の方法の一部としてスクリーニングされる。任意の数または身元のこのような組織または細胞が、この点で使用され得る。一般に、親薬物が毒性であると予想される組織は、非標的組織として使用される。非標的組織の選択は、全体的に、プロドラッグの性質および親の活性に依存している。例えば、非肝炎組織は、肝炎に対するプロドラッグについて選択され、そして腫瘍と同じ組織の非形質転換細胞は、抗腫瘍選択的プロドラッグスクリーニングについて十分である。
【0032】
本発明の方法は、プロドラッグの経口的バイオアベイラビリティーを決定するために代表的に行なわれる研究とは別であることに注意するべきである。経口的バイオアベイラビリティー研究において、目的は、親薬物に実質的に変換された、全身的循環に入るプロドラッグを同定することである。本発明において、目的は、胃腸管または循環において代謝されないプロドラッグを見出することである。従って、本発明の方法において評価される標的組織は、一般に、小腸を含まないか、または小腸が含まれる場合、組織は、小腸以外のさらなる組織を含み得る。
【0033】
本発明のスクリーニング方法において使用される標的組織および非標的組織は、代表的に、インタクトな生きている動物における組織である。エステルを含むプロドラッグは、より望ましくは、イヌ、サルまたはげっ歯類以外の他の動物において試験される;マウスおよびラットの血漿は、所望な治療被験体がヒトまたは高等動物である場合、誤解されやすい結果を生じ得る高い循環レベルのエステラーゼを含む。
【0034】
インタクトな動物でこの方法を実施することが必要である。灌流された器官、インビトロ器官培養物(例えば、皮膚移植片)または細胞培養の種々の形態において維持された細胞株(例えば、回転ビンまたは無重力懸濁系)を使用することもまた、本発明の範囲内である。例えば、MT−2細胞は、HIVプロドラッグを選択するための標的組織として使用され得る。従って、用語「組織」は、組織化された細胞構造、または天然で見出され得るような組織構造を必要とするように解釈されるべきではないが、このような組織構造は好ましい。むしろ、用語「組織」は、特定の供給源、起源または分化段階の細胞と同義であると解釈されるべきである。
【0035】
標的組織および非標的組織は、実際、同じ細胞であり得るが、組織はまた、異なる生物学的状態で存在し得る。例えば、本明細書中の方法は、ウイルス未感染細胞(非標的組織に対応する)において実質的に不活性のままであるが、ウイルス感染した組織(標的組織)において活性を付与するプロドラッグを選択するために使用される。同じ手法が、予防的プロドラッグ(すなわち、非感染細胞において実質的に代謝されないままであるが、ウイルス感染に付随する抗ウイルス的活性形態に代謝されるプロドラッグ)を選択するために使用され得る。同様に、プロドラッグは、形質転換細胞および非形質転換の対応する組織においてスクリーニングされ得る。これは、血液学的悪性腫瘍(例えば、白血病)の治療のためのプロドラッグを選択する比較試験において特に有用である。
【0036】
操作のいずれの特定の理論によって限定されることなく、組織選択的プロドラッグは、他の組織または細胞と比較して、標的細胞によって選択的に取り込まれ、そして/または細胞内で選択的に代謝されると考えられている。本明細書中のメトキシホスホネートプロドラッグの固有の利点は、生理学的pHにおけるジアニオンへのこれらの代謝が、これらが細胞から拡散し得ないことを保証するということである。従って、これらは、長い期間効果的であり、そして上昇した細胞内濃度で維持され、それにより、増加した効力を示す。標的組織における増強された活性についての機構は、標的細胞による増強された取り込み、増強された細胞内保持、または両方の機構が共に作用することを含むと考えられる。しかし、選択性または増強された送達が標的組織中で生じる様式は、重要ではない。プロドラッグの親化合物への代謝変換のすべてが、標的組織中で生じることはまた、重要ではない。最終的な薬物活性を付与する変換のみが、標的組織中で生じる必要がある;他の組織における代謝は、標的組織における抗ウイルス形態に最終的に変換される中間体を提供し得る。
【0037】
所望である選択性の程度または増強された送達は、親化合物およびこれが測定される様式(%用量分布または親化合物濃度)と共に変化する。一般的に、親薬物が、すでに大きな治療ウインドウを有する場合、低い程度の選択性が、所望のプロドラッグに十分であり得る。他方、毒性化合物は、選択的プロドラッグを同定するためのより広範なスクリーニングを必要とし得る。本発明の方法の相対的な費用は、標的組織、および親化合物が相対的に毒性であることが知られている組織のみにおけるスクリーニングによって減少され得る(例えば、より高い用量で腎毒性であるPMEAについては、主に腎臓およびリンパ様組織に集中する)。
【0038】
選択された組織におけるプロドラッグの相対的な抗ウイルス活性を決定する工程は、通常、プロドラッグの代謝産物の相対的な存在または活性について標的組織および非標的組織をアッセイすることによって達成される。このプロドラッグの代謝産物は、抗ウイルス活性または抗腫瘍活性を有する代謝産物を有するかまたはこれに変換されることが知られている。従って、代表的に、標的組織において最終的に活性代謝産物を生成する抗ウイルス活性なもしくは抗腫瘍活性な代謝産物またはその前駆体に標的細胞において優先的に代謝されるプロドラッグを同定するために、実質的に同じ時間経過にわたって組織中の親薬物の相対量を決定する。抗ウイルス化合物の場合において、活性な代謝産物は、ホスホネート親化合物の二リン酸塩である。ウイルス核酸に組み込まれるのはこの代謝産物であり、それにより、伸長する核酸鎖を短縮させ、そしてウイルス複製を停止させる。プロドラッグの代謝産物は、タンパク質同化性代謝産物、異化性代謝産物、または同化作用および異化作用の両方の産物であり得る。代謝産物が生成される様式は、本発明の方法の実施において重要ではない。
【0039】
本発明の方法は、抗ウイルス活性または抗腫瘍活性を実質上有する代謝産物をアッセイすることに限定されない。確かに、活性な代謝産物の不活性な前駆体をアッセイし得る。抗ウイルス的に活性な二リン酸塩代謝産物の前駆体としては、親薬物の一リン酸塩、親薬物の他の代謝産物の一リン酸塩(例えば、ヘテロ環状塩基上の置換基の中間体改変)、親自体、およびリン酸化の前のプロドラッグの親への変換において細胞によって生成された代謝産物が挙げられる。前駆体構造は、これらが細胞性代謝産物の結果であるので、かなり変化し得る。しかし、この情報は、すでに公知であるか、または当業者によって容易に決定され得る。
【0040】
アッセイされるプロドラッグが、それ自体抗腫瘍活性または抗ウイルス活性を示さない場合、生のアッセイに対する調整が必要とされ得る。例えば、不活性な代謝産物の活性な代謝産物への細胞内プロセシングは、試験される組織中で異なる速度で生じ、不活性な代謝産物を用いる生のアッセイは、細胞型中の差異を考慮して調整される必要がある。なぜなら、相対的なパラメーターは、不活性な代謝産物の蓄積ではなく、標的組織における活性の生成であるためである。しかし、適切な調整を決定することは、当業者の範囲内である。従って、本明細書中の本発明の工程(d)は、活性を決定する工程を必要とし、活性は、直接的に測定されるかまたは推定され得るかのいずれかである。これは、本明細書中の方法が、それ自体活性である中間体をアッセイすることのみに限定されることを意味するのではない。例えば、試験組織におけるプロドラッグの非存在または減少はまた、アッセイされ得る。工程(d)は、それが関係する組織と相互作用する場合、プロドラッグによって付与される活性の評価のみを必要とし、そしてこのことは、推定または他の非間接的な測定に基づき得る。
【0041】
本発明の方法の工程(d)は、プロドラッグの「相対的」活性を決定する工程を必要とする。これは、各アッセイおよび全てのアッセイまたは一連のアッセイが、必ずしも選択された非標的組織を含む必要はないと理解される。対照的に、基準となる非標的活性を提供するために、非標的組織もしくは組織の組織学的制御、またはこのような非標的組織から予想される結果を示すアルゴリズムを使用することは、本発明の範囲内である。
【0042】
次いで、工程(d)において得られる結果は、非標的組織よりも標的組織においてより大きい抗ウイルス活性を生成するプロドラッグを最適に選択または同定するために使用される。さらなる開発のために選択されるのはこのプロドラッグである。
【0043】
プロドラッグ候補物のいくつかの前評価は、本発明の方法の実施の前に、行なわれ得ることが理解される。例えば、プロドラッグは、大部分が代謝されないで胃腸管を通過し得る必要があり、血液中で実質的に安定である必要があり、そして少なくともある程度細胞を浸透し得なければならない。ほとんどの場合において、このプロドラッグはまた、実質的な代謝なしで肝臓循環の初回通過を完了する必要がある。このような前研究は任意であり、そして当業者に周知である。
【0044】
抗ウイルス活性について上記のような同じ推定は、メトキシホスホネートヌクレオチドアナログの抗腫瘍プロドラッグについても同様に適用可能である。これらとしては、例えば、PMEGのプロドラッグ、PMEAのグアニルアナログが挙げられる。この場合において、PMEGのような細胞障害性ホスホネートは、これらの細胞障害性が実際にこれらの抗腫瘍活性を付与するので、探求する価値のある化合物である。
【0045】
次いで、この新規なスクリーニング方法によって同定された化合物を、所望の目的が満たされていることを確認するために、伝統的な臨床前プログラムまたは臨床プログラムに入れ得る。代表的に、プロドラッグは、標的組織における親薬物の活性または濃度(%用量分布)が、非標的組織における親化合物の活性または濃度の2倍より大きく、そして好ましくは5倍より大きい場合、選択的であると考えられる。あるいは、プロドラッグ候補物は、基準プロドラッグと比較され得る。この場合、選択性は、絶対的ではなく、相対的である。選択的プロドラッグは、原型と比較して標的組織において約10倍よりも大きい濃度または活性を生じるプロドラッグであるが、選択性の程度は任意である。
【0046】
(開始物質または中間体の調製のための新規な方法)
本発明の好ましい出発物質(親薬物)(PMEAおよび(R)−PMPA)の製造のための改善された方法もまた、本明細書中に含まれる。代表的には、この方法は、9−(2−ヒドロキシプロピル)アデニン(HPA)または9−(2−ヒドロキシエチル)アデニン(HEA)をマグネシウムアルコキシドと反応させ、その後、保護されたアグリコンシントンp−トルエン−スルホニルオキシメチルホスホネート(トシレート)を反応混合物に添加し、そしてそれぞれPMPAまたはPMEAを回収する工程を包含する。
【0047】
好ましくは、HPAは、濃縮されたかまたは単離されたRエナンチオマーである。キラルHPA混合物が使用される場合、R−PMPAは、合成が完了した後、キラルPMPA混合物から単離され得る。
【0048】
代表的には、トシレートは、低級アルキル基によって保護されるが、他の適切な基が、当業者に明らかである。トシル化反応において保護基として作用し得るプロドラッグホスホネート置換基であらかじめ置換されたトシレートを使用することは便利であり、それにより、脱保護工程を回避しそしてそこからプロドラッグまたは中間体を直接回収し得る。
【0049】
マグネシウムアルコキシドのアルキル基は重要ではなく、そして任意のC〜Cの分枝または直鎖状のアルキルであり得るが、好ましくは、t−ブチル(PMPAについて)またはイソブチル(PMEAについて)である。反応条件はまた、重要ではないが、好ましくは、撹拌しながらかまたは他に中程度に撹拌しながら、約70〜75℃で反応混合物を加熱する工程を包含する。
【0050】
ホスホネート置換基を保持する利益がない場合、生成物は、脱保護され(通常、トシレート保護基がアルキルであるブロモトリメチルシランを用いて)、次いで、この生成物は、結晶化または当業者に明らかな他の簡便な方法によって回収される。
【0051】
(複素環式塩基)
構造(3)および(4)に記載される本発明の化合物において、複素環式塩基Bは、以下の構造;
【0052】
【化20】

から選択され、ここで、
15は、H、OH、F、Cl、Br、I、OR16、SH、SR16、NH、またはNHR17であり;
16は、CH、CHCH、CHCCH、CHCHCHおよびCを含む、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
17は、CH、CHCH、CHCCH、CHCHCHおよびCを含む、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
18は、N、CF、CCl、CBr、CI、CR19、CSR19、またはCOR19であり;
19は、H、置換されていないかまたはOH、F、Cl、BrもしくはIによって置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルキル−C〜Cアルコキシ、またはC〜Cアリール−アルキルであり、従ってR19は、−CH、−CHCH、−CHCH、−CHCHBr、−CHCHCl、−CHCHF、−CHCCH、−CHCHCH、−C、−CHOH、−CHOCH、−CHOC、−CHOCCH、−CHOCHCHCH、−CH、−CHCHOH、−CHCHOCH、−CHCHOC、−CHCHOCCH、−CHCHOCHCHCH、および−CHCHOCを含み;
20は、NまたはCHであり;
21は、N、CH、CCN、CCF、CC≡CHまたはCC(O)NHであり;
22は、H、OH、NH、SH、SCH、SCHCH、SCHCCH、SCHCHCH、SC、NH(CH)、N(CH、NH(CHCH)、N(CHCH、NH(CHCCH)、NH(CHCHCH)、NH(C)、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、またはXであり、ここで、Xは、−(CH(O)(CHN(R10であり、ここで、各mは独立して0〜2であり、nは0〜1であり、そしてR10は、独立して、
H、
〜C15アルキル、C〜C15アルケニル、C〜C15アリールアルケニル、C〜C15アリールアルキニル、C〜C15アルキニル、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、C〜C15アラルキル、C〜C15ヘテロアラルキル、C〜Cアリール、C〜Cヘテロシクロアルキル、
〜C15アルキル、C〜C15アルケニル、C〜C15アリールアルケニル、C〜C15アルキニル、C〜C15アリールアルキニル、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、C〜C15アラルキル、C〜C15へテロアルキル、またはC〜Cへテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル部分におけるメチレンは、−O−によって置換されたNに隣接せず、
必要に応じて、両方のR10は一緒に、Nに結合して1個または2個のNヘテロ原子および必要に応じてさらなるOまたはSヘテロ原子を含む、飽和または不飽和のC〜C複素環を形成し、
あるいは、前述のR10基の1つは、1〜3個のハロ、CNまたはNで置換される;しかし、必要に応じて、少なくとも1つのR10基はHではなく;
28は、H、OH、F、Cl、Br、I、SCH、SCHCH、SCHCCH、SCHCHCH、SC、OR16、NH、NHR17またはR22であり;そして
24は、O、SまたはSeである。
【0053】
Bはまた、保護された複素環式塩基および保護されていないヘテロ環式塩基の両方(特にプリン塩基およびピリミジン塩基)を含む。環外アミンおよび他の不安定な基のための保護基が公知であり(Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」)、そしてN−ベンゾイル、イソブチリル、4,4’−ジメトキシトリチル(DMT)などが挙げられる。保護基の選択は、当業者に明らかであり、そして不安定な基の性質および保護基が遭遇すると予想される化学(例えば、酸性、塩基性、酸化的、還元的または他の条件)に依存する。例示的な保護種は、N−ベンゾイルシトシン、N−ベンゾイルアデニン、N−イソブチリルグアニンなどである。
【0054】
保護塩基は、式Xa.1、XIa.1、XIb.1、XIIa.1またはXIIIa.1
【0055】
【化21】

を有し、ここで、R18、R20、R21、R24は、以前に定義された意味を有し;R22Aは、R22がNHではない条件で、R39またはR22であり;R23Aは、R23がNHではない条件で、R39またはR23であり;R39は、NHR40、NHC(O)R36またはCR41N(R38であり、ここで、R36は、1個もしくは2個の原子またはハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシおよびシアノから選択される基で置換された、C〜C19アルキル、C〜C19アルケニル、C〜C10アリール、アダマントイル(adamantoyl)、アルキルアニル、またはC〜C10アリールであり;R38は、C〜C10アルキルであるか、または両方のR38は共に、1−モルホリノ、1−ピペリジン、または1−ピロリジンであり;R40は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチルおよびデカニルを含む、C〜C1aアルキルであり;そしてR41は、水素またはCHである。
【0056】
構造XIa.1およびXIb.1の塩基について、R39がR22AまたはR23Aに存在する場合、同じ塩基上の両方のR39基は、一般に同じである。例示的なR36は、フェニル、前述のR36アリール置換基の1つで置換されたフェニル、−C1015(ここで、C1015は、2−アダマントイルである)、−CH−C、−C、−CH(CH、−CHCH、メチル、ブチル、t−ブチル、へプタニル、ノナニル、ウンデカニル、またはウンデセニルである。
【0057】
特定の塩基としては、ヒポキサンチン、グアニン、アデニン、シトシン、イノシン、チミン、ウラシル、キサンチン;2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシンおよびキサンチンの8−アザ誘導体;アデニン、グアニン、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシンおよびキサンチンの7−デアザ−8−アザ誘導体;2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシンおよびキサンチンの1−デアザ誘導体;2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシンおよびキサンチンの7−デアザ誘導体;2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシンおよびキサンチンの3−デアザ誘導体;6−アザシトシン;5−フルオロシトシン;5−クロロシトシン;5−ヨードシトシン;5−ブロモシトシン;5−メチルシトシン;5−ブロモビニルウラシル;5−フルオロウラシル;5−クロロウラシル;5−ヨードウラシル;5−ブロモウラシル;5−トリフルオロメチルウラシル;5−メトキシメチルウラシル;5−エチニルウラシルおよび5−プロピニルウラシルが挙げられる。
【0058】
好ましくは、Bは、グアニル、3−デアザグアニル、1−デアザグアニル、8−アザグアニル、7−デアザグアニル、アデニル、3−デアザアデニル、1−デアザアデニル、8−アザアデニル、7−デアザアデニル、2,6−ジアミノプリニル、2−アミノプリニル、6−クロロ−2−アミノプリニルおよび6−チオ−2−アミノプリニルから選択される9−プリニル残基であり、またはB’は、シトシニル、5−ハロシトシニル、および5−(C〜C−アルキル)シトシニルから選択される1−ピリミジニル残基である。
【0059】
このましいB基は、式
【0060】
【化22】

を有し、ここで、
22は、独立して、ハロ、酸素、NH、XまたはHであるが、必要に応じて、少なくとも1つのR22は、Xであり;
Xは、−(CH(O)(CHN(R10であり、ここで、mは、0〜2であり、nは0〜1であり、そして
10は、独立して、
H、
〜C15アルキル、C〜C15アルケニル、C〜C15アリールアルケニル、C〜C15アリールアルキニル、C〜C15アルキニル、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、C〜C15アラルキル、C〜C15ヘテロアラルキル、C〜Cアリール、C〜Cヘテロシクロアルキル、
〜C15アルキル、C〜C15アルケニル、C〜C15アリールアルケニル、C〜C15アルキニル、C〜C15アリールアルキニル、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、C〜C15アラルキル、C〜C15へテロアルキル、またはC〜Cへテロシクロアルキルであり、ここで、アルキル部分におけるメチレンは、−O−によって置換されたNに隣接せず、
必要に応じて、両方のR10は一緒に、Nに結合して1個または2個のNヘテロ原子および必要に応じてさらなるOまたはSヘテロ原子を含む、飽和または不飽和のC〜C複素環を形成し、
あるいは、前述のR10基の1つは、1〜3個のハロ、CNまたはNで置換される;しかし、必要に応じて、少なくとも1つのR10基はHではなく;そして
Zは、複素環式核がたった1個のZだけプリンとは異なる条件で、NまたはCHである。
【0061】
E基は、メトキシホスホネートヌクレオチドアナログにおいて使用されるアグリコンを示す。好ましくは、E基は、−CH(CH)CH−または−CHCH−である。また、アグリコンにおけるキラル中心の側鎖は、(濃縮された(S)エナンチオマーであるヒドロキシメチルを除いて)実質的に(R)構造のみであることが好ましい。
【0062】
は、構造−OR35または−ORを有するインビボ加水分解性オキシエステルであり、ここで、R35は、本明細書中に参考として援用される米国特許第5,798,340号の64段落49行目において定義され、そしてRは、上に定義される。好ましくは、Rは、アリールオキシ、通常、非置換かまたはパラ置換の(Rにおいて定義されるような)フェノキシである。
【0063】
は、必要に応じて約5未満の原子によってアミデートNに結合された任意のカルボキシ基がエステル化されている条件で、アミノ酸残基である。Rは、代表的に、構造
【0064】
【化23】

を有し、ここで、
nは、1または2であり;
11は、RまたはHであり;好ましくは、R=C〜Cアルキル;OH、ハロゲン、OまたはNで独立して置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアリール;OH、ハロゲン、OまたはNで独立して置換されたC〜Cアリール;あるいはOH、ハロゲン、OまたはNで独立して置換されたC〜Cアリールアルキルであり;
12は、独立して、Hまたは非置換であるかもしくはOH、O、N、COOR11およびハロゲンからなる群より独立して選択される置換基によって置換されたC〜Cアルキル;非置換であるかもしくはOH、O、N、COOR11およびハロゲンからなる群より独立して選択される置換基によって置換されたC〜Cアリール;あるいは非置換であるかもしくはOH、O、N、COOR11およびハロゲンからなる群より独立して選択される置換基によって置換されたC〜Cアリール−アルキルであり;
13は、独立して、C(O)−OR11;アミノ;アミド;グアニジニル;イミダゾリル;インドリル;スルホキシド;ホスホリル;C〜Cアルキルアミノ;C〜Cアルキルジアミノ;C〜Cアルケニルアミノ;ヒドロキシ;チオール;C〜Cアルコキシ;C〜Cアルキルチオール(alkthiol);(CHCOOR11;非置換かまたはOH、ハロゲン、SH、NH、フェニル、ヒドロキシフェニルもしくはC〜C10アルコキシフェニルで置換されたC〜Cアルキル;非置換かまたはOH、ハロゲン、SH、NH、フェニル、ヒドロキシフェニルもしくはC〜C10アルコキシフェニルで置換されたC〜Cアルケニル;および非置換かまたはOH、ハロゲン、SH、NH、フェニル、ヒドロキシフェニルもしくはC〜C10アルコキシフェニルで置換されたC〜C12アリールであり;そして
14は、HあるいはC〜Cアルキル、またはOH、ハロゲン、COOR11、OもしくはNで独立して置換されたC〜Cアルキル;C〜Cアリール;OH、ハロゲン、COOR11、OもしくはNで独立して置換されたC〜Cアリール;またはOH、ハロゲン、COOR11、OもしくはNで独立して置換されたC〜Cアリールアルキルである。
【0065】
好ましくは、R11は、C〜Cアルキル、最も好ましくはイソプロピルであり、R13は、天然に存在するアミノ酸の側鎖であり、n=1であり、R12はHであり、そしてR14はHである。構造(2)の化合物において、本発明は、へノキシおよびイソプロピルエステルが−OHに加水分解された代謝産物を含む。同様に、化合物(5a)、5(b)および(6)の脱エステル化された濃縮ホスホノアミデート代謝産物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0066】
アリールおよび「O」または「N」置換は、米国特許第5,798,340号の16列目、42〜58行に規定されている。
【0067】
代表的には、アミノ酸は、天然アミノ酸またはlアミノ酸である。適切な特異的な実施例は、米国特許第5,798,340号において、例えばその表4および8〜10列に記載されている。
【0068】
本明細書において用いる場合、アルキルは、反対に言及しない限り、正常な、第二級、第三級、または環状の炭化水素である。反対に言及しない限り、アルキルは、C−C12である。例えば、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH)、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、−C(CH、−CHCHCHCHCH、−CH(CH)CHCHCH、−CH(CHCH、−C(CHCHCH)、−CH(CH)CH(CH、−CHCHCH(CH)、−CHCH(CH)CHCH、−CHCHCHCHCHCH、−CH(CH)CHCHCHCH、−CH(CHCH)(CHCHCH)、−C(CHCHCHCH、−CH(CH)CH(CH)CHCH、−CH(CH)CHCH(CH、−C(CH)(CHCH、−CH(CHCH)CH(CH、−C(CHCH(CH、および−CH(CH)C(CHである。アルケニルおよびアルキニルは、同じ様式で規定されるが、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む。
【0069】
ここでエノール基またはケト基が開示されており、対応する互変異性体も同様に教示されていると解釈される。
【0070】
本発明のプロドラッグ化合物は、米国特許第5,798,340号に列挙される遊離塩基または種々の塩の形態で提供されており、そしてまた米国特許第5,798,340号に記載されるような薬学的産物としての使用のために薬学的に受容可能な賦形剤または溶媒和希釈剤とともに処方される。これらのプロドラッグは、親薬物について既に確立された抗ウイルスおよび有用性を有する(米国特許第5,798,340号およびメトキシホスホネートヌクレオチドアナログに関する他の引用文献を参照のこと)。構造(4)のジアステレオマーは少なくとも、本明細書における研究において表されたような比較的無差別の特徴にかかわらず、インビトロにおける加水分解によって親薬物の化学的生成における中間産物として有用であることが理解される。
【実施例】
【0071】
本発明は以下の実施例を参考としてさらに完全に理解される。
【0072】
【化24】

(マグネシウムイソプロポキシドを用いるPMEAへのアデニン)アデニン(16.8g、0.124mol)を含有するDMF(41.9ml)の懸濁液へ、エチレンカルボネート(12.1g、0.137mol)および水酸化ナトリウム(0.100g、0.0025mol)を添加した。この混合物を130℃で一晩加熱した。反応物を50℃より下に冷却し、そしてトルエン(62.1ml)を添加した。このスラリーを2時間5℃にさらに冷却し、濾過し、そしてトルエンでリンスした(2×)。湿潤固体を65℃減圧下で乾燥し20.0g(90%)の9−(2−ヒドロキシエチル)アデニンをオフホワイトの固体として得た。Mp:238〜240℃。
【0073】
【化25】

9−(2−ヒドロキシエチル)アデニン(HEA)(20.0g、0.112mol)をDMF(125ml)中に懸濁し、そして80℃に加熱した。マグネシウムイソプロポキシド(11.2g、0.0784mol)、または代わりにマグネシウムt−ブトキシドをこの混合物に添加し、続いてジエチルp−トルエンスルホニルオキシメチルホスホネート(66.0g、0.162mol)を1時間にわたって添加した。この混合物を80℃で7時間攪拌した。30mlの揮発物を減圧蒸留によって除去し、そして反応物に30mlの新鮮DMFを再チャージした。室温への冷却後、ブロモトリメチルシラン(69.6g、0.450mol)を添加し、そしてこの混合物を6時間80℃に加熱した。反応物を濃縮し高粘度の粘性物質(thick gum)を得た。この粘性物質を360mlの水に溶解し、120mlのジクロロメタンで抽出し、水酸化ナトリウムでpH3.2に調節し、そして得られたスラリーを一晩室温で攪拌した。このスラリーを1時間4℃に冷却した。この固体を濾過によって分離し、水で洗浄し(2×)、そして56℃減圧下で乾燥して、白色固体として20g(65.4%)の9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]アデニン(PMEA)を得た。Mp:>200℃(分解)。H NMR(DO)・3.49(t,2H);3.94(t,2H);4.39(t,2H);8.13(s,1H);8.22(s,1H)。
【0074】
【化26】

(マグネシウムt−ブトキシドを用いるPMPAへのアデニン)アデニン(40g、0.296mol)を含有するDMF(41.9ml)の懸濁液へ、(R)−プロピレンカーボネイト(34.5g、0.338mol)および水酸化ナトリウム(0.480g、0.012mol)を添加した。この混合物を130℃で一晩加熱した。反応物を100℃より下に冷却し、そして反応温度を100〜110℃の間に維持したまま、トルエン(138ml)を、続いてメタンスルホン酸(4.7g、0.049mol)添加した。追加のトルエン(114ml)を添加して均一な溶液を作成した。この溶液を7時間にわたって3℃に冷却し、次いで1時間3℃で保持した。得られた固体を濾過して分離し、そしてアセトンでリンスした(2×)。湿潤固体を80℃減圧下で乾燥し、オフホワイトの固体として、42.6g(75%)の(R)−9−[2−(ヒドロキシ)プロピル]アデニン(HPA)エチル)アデニンを得た。Mp:188〜190℃。
【0075】
【化27】

(R)−9−[2−(ヒドロキシ)プロピル]アデニン(HPA)(20.0g、−。104mol)をDMF(44.5ml)中に懸濁し、そして65℃に加熱した。マグネシウムt−ブトキシド(14.2g、0.083mol)、または代わりにマグネシウムイソプロポキシドを、温度を78℃に保持したまま、1時間にわたってこの混合物に添加し、続いてジエチルp−トルエンスルホニルオキシメチルホスホネート(66.0g、0.205mol)を2時間にわたって添加した。この混合物を75℃で4時間攪拌した。50℃より下への冷却後、ブロモトリメチルシラン(73.9g、0.478mol)を添加し、そしてこの混合物を3時間77℃に加熱した。完了したとき、この反応物を80℃に加熱し、そして揮発物を常圧蒸留によって取り出した。残滓を50℃で水(120ml)に溶解し、次いで酢酸エチルで抽出した(101ml)。水酸化ナトリウムを用いて水相のpHをpH1.1に調節し、標準(R)−PMPAをシードし、そして水相のpHを水酸化ナトリウムでpH2.1に再調節した。得られたスラリーを室温で一晩攪拌した。このスラリーを3時間4℃に冷却した。この固体を濾過して分離し、水(60ml)で洗浄し、そして50℃減圧下で乾燥し、オフホワイトの固体として、18.9g(63.5%)の粗(R)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]アデニン(PMPA)を得た。
【0076】
全ての固体が溶解するまで、粗(R)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]アデニンを水(255ml)中で加熱還流した。この溶液を4時間にわたって室温まで冷却した。得られたスラリーを3時間4℃に冷却した。この固体を濾過によって分離し、水(56ml)およびアセトン(56ml)で洗浄し、そして50℃減圧下で乾燥して、白色固体として15.0g(50.4%)の(R)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]アデニン(PMPA)を得た。Mp:278〜280℃。
【0077】
【化28】

ガラスで裏打ちした(glass−lined)リアクターに、無水PMPA、(I)(14.6kg、50.8mol)、フェノール(9.6kg、102mol)、および1−メチル−2−ピロリジノン(39kg)を充填した。この混合物を85℃に加熱し、そしてトリエチルアミン(6.3kg、62.3mol)を添加した。次いで、1,3−ジクロヘキシルカルボジイミド(17.1kg、82.9mol)を含有する1−メチル−2−ピロリジノン(1.6kg)の溶液を、100℃で6時間にわたって添加した。加熱を16時間続けた。反応物を45℃に冷却して、水(29kg)を添加し、そして25℃に冷却した。濾過して反応物から固体を除き、そして水(15.3kg)でリンスした。合わせた濾過液およびリンスを減圧下で褐色の(tan)スラリーに濃縮して、水(24.6kg)を添加し、そしてNaOH(水に25%含有)でpH=11に調節した。珪藻土を通した濾過、続いて水(4.4kg)でのリンスによって細粒を取り除いた。合わせた濾過液およびリンスを酢酸エチル(28kg)で抽出した。HCl(水に37%含有)(4kg)を用いて水溶液をpH=3.1に調節した。粗IIを濾過で分離し、そしてメタノール(12.7kg)で洗浄した。粗IIの湿潤ケーキをメタノール(58kg)中に懸濁(スラリー)した。固体を濾過によって分離し、メタノール(8.5kg)で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色粉末として9.33kgのIIを得た。H NMR(DO)δ1.2(d,3H)、3.45(q,2H)、3.7(q,2H)、4(m,2H)、4.2(q,2H)、4.35(dd,2H)、6.6(d,2H)、7(t,1H)、7.15(t,2H)、8.15(s,1H)、8.2(s,1H);31
NMR(DO)δ15.0(デカップリング)。
【0078】
(GS−7171(III))(スキーム1)ガラスで裏打ちしたリアクターに、モノフェニルPMPA、(II)、(9.12kg、25.1mol)およびアセトニトリル(30.7kg)を充填した。塩化チオニル(6.57kg、56.7mol)を50℃より下で添加した。固体が溶解するまで、この混合物を75℃で加熱した。反応温度を80℃に上昇させ、そして窒素下での常圧蒸留によって揮発物(11.4kg)を収集した。ポット残滓を25℃に冷却し、ジクロロメタン(41kg)を添加し、そして−29℃に冷却した。(L)−アラニンイソプロピルエステル(7.1kg、54.4mol)を含有するジクロロメタン(36kg)の溶液を、−18℃で60分にわたって添加し、続いて−18〜−11℃で30分にわたってトリエチルアミン(7.66kg、75.7mol)を添加した。この反応混合物を室温まで暖め、そして二水素リン酸ナトリウム溶液(水中に10%含有、各洗浄に15.7kg)を用いて5回洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウム(18.2kg)で乾燥し、濾過し、ジクロロメタン(28kg)でリンスし、そして減圧下で油状物に濃縮した。アセトン(20kg)をこの油状物にチャージし、そしてこの混合物を減圧下で濃縮した。アセトン(18.8kg)を得られた油状物にチャージした。38×38cmベッドの22kgシリカゲル60、230〜400メッシュを通したクロマトグラフィーによって生成溶液の半分を精製した。このカラムを480kgのアセトンで溶出した。新鮮なシリカゲルおよびアセトンを用いてこの油状物の半分で精製を繰り返した。清浄な生成物を有する画分を減圧下で油状物に濃縮した。アセトニトリル(19.6kg)をこの油状物にチャージし、そしてこの混合物を減圧下で濃縮した。アセトニトリル(66.4kg)をチャージし、そしてこの溶液を16時間0〜−5℃に冷却した。固体を濾過によって取り出し、そして濾過物を減圧下で濃縮して、黒い油状物として5.6kgのIIIを得た:H NMR(CDCl)δ1.1(m 12H)、3.7(m,1H)、4.0(m、5H)、5.0(m,1H)、6.2(s,2H)、7.05(m,5H)、8.0(s,1H)、8.25(d,1H);31P NMR(CDCl)δ21.0、22.5(デカップリング)。
【0079】
【化29】

(モノフェニル PMPA(II)。還流冷却器および窒素入口を備える丸底フラスコを、70℃の油槽に入れた。このフラスコに無水PMPA(I)(19.2g、67mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(0.29g、3.3mmol)、およびテトラメチレンスルホン(40mL)を充填した。塩化チオニル(14.2g、119mmol)を4時間にわたって添加した。加熱を同じ時間にわたって100℃まで上昇させた。均一な溶液を得た。フェノキシトリメチルシラン(11.7g、70mmol)を5分間にわたってこの溶液に添加した。100℃油槽中での加熱をさらに2時間続けた。反応物を0℃に冷却しながら、迅速に攪拌するアセトン(400mL)中に注いだ。固体を濾過によって分離して、減圧下で乾燥して、メタノール(75mL)に溶解した。氷/水中で冷却しながら、水酸化カリウム溶液(45%水)を用いて、溶液のpHを3.0に調節した。得られた固体を濾過して分離し、メタノールでリンスし、そして減圧下で白色粉末として20.4gのII(スキーム2)に乾燥した。
【0080】
(GS−7171(III))。モノフェニル PMPA(II)(3g、8.3mmol)、テトラメチレンスルホン(5mL)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(1ドロップ)を、40℃の油槽中の丸底フラスコに合わせた。塩化チオニル(1.96g、16.5mmol)を添加した。20分後、この清明な溶液を熱から取り出し、ジクロロメタン(10ml)で希釈し、そして(L)−アラニンイソプロピルエステル(5g、33mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(5.33g、41mmol)を含有する−10℃のジクロロメタン(20mL)の溶液に添加した。反応混合物を室温まで暖め、二水素リン酸ナトリウム(10%水、各洗浄10mL)で3回洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で油状物に濃縮した。この油状物をフマル酸(0.77g、6.6mmol)およびアセトニトリル(40mL)とあわせ、そして加熱し還流して均一な溶液を得た。この溶液を氷槽中で冷却し、そして濾過によって固体を分離した。固体GS−7171フマル酸塩を減圧下で3.7gに乾燥した。この塩(3.16g、5.3mmol)をジクロロメタン(30mL)に懸濁し、そして炭酸カリウム溶液(5mL、水中に2.5M)とともにこの固体が溶解するまで攪拌した。有機相を分離し、次いで水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で乾燥して褐色の泡状物として2.4gのIIIを得た。
【0081】
(実施例3)
(A.バッチ溶出クロマトグラフィーによるジアステレオマー分離)
Chiralpak AS,20μm、21×50mmガードカラムを備える市販のChiralpak AS,20μm、21×250mm半−分離用HPLCカラムを用いて、GS−7171(III)のジアステレオマーをバッチ溶出クロマトグラフィーによって分離した。Chiralpak(登録商標)ASは、Diacelが製造し、Chiral Technologies,Inc.によって北アメリカで販売されている独自のパッキング材である(米国特許第5,202,433号、RE35,919号、5,434,298号、5,434,299号、および5,498,752号)。Chiralpak ASは、シリカゲル支持体上にコーティングされたアミロセトリス[(S)−α−メチルベンジルカルバメート]から構成される鏡像異性体(キラル)固定相(chiral stationary phase)(CSP)である。
【0082】
GS−7171ジアステレオマー混合物を、移動相中で溶解させ、そしてGS−7171の約1gのアリコートをクロマトグラフィーシステムにポンピングした。望ましくないジアステレオマー(GS−7339と名付けられた)は、このカラムから溶出する最初の主要な広い(約15分、期間)のピークであった。GS−7339ピークを最終溶出した場合、この移動相は、直ちに100%メチルアルコールにスイッチし、ここで所望のジアステレオマー(GS−7340(IV)と名付けられた)が、メチルアルコール溶媒先端を用いてこのカラムから先鋭なピークで溶出するようにさせた。このメチルアルコールを用いて全体にわたるサイクル時間を短くさせた。注入の最初の組み合わせ後、精製したジアステレオマーの1つを含有する単一の大きな画分(>99.0%単一ジアステレオマー)として、両方のジアステレオマーを収集した。この移動相溶媒を減圧下で取り出して、砕けやすい泡状物として精製したジアステレオマーを得た。
【0083】
出発GS−7171量の約95%を2つのジアステレオマー画分中で回収した。このGS−7340画分は、総回収量の約50%を構成した。
【0084】
クロマトグラフィー条件は、以下の通りであった:
移動相(最初) :GS−7171−アセトニトリル:イソプロピルアルコール(90:10)
(最後) :100%メチルアルコール
流れ :10mL/分
実行時間 :約45分
検出 :UV(275nm)
温度 :環境
溶出プローブフィール:GS−7339(ジアステレオマーB)
:GS−7340(ジアステレオマーA;(IV))。
【0085】
(B.SMBクロマトグラフィーによるGS−7171のジアステレオマーの分離)
擬似移動床式(SMB)クロマトグラフィーの一般的な説明については、Strubeら、「Organic Process Research and Development」2:305−319(1998)を参照のこと。
【0086】
GS−7340(IV)。GS−7171(III)(2.8kg)を、10cm×5cmの充填床(Chiral Technologies Inc.,シリカゲル上にコーティングした20ミクロンのChiralpak AS)(1.2kg)上での擬似移動床式クロマトグラフィーによって精製した。このカラムを、アセトニトリル中30%メタノールで溶出した。生成物含有画分を、アセトニトリル中、IV溶液まで濃縮した(2.48kg)。この溶液を放置して、アセトニトリルを用いて湿った結晶性塊まで凝固させた。この結晶性塊を、黄褐色の結晶性粉末まで減圧下で乾燥した。1.301kg IV,98.7%のジアステレオマー純度:mp 117〜120℃;H NMR(CDCl)δ 1.15(m,12H),3.7(t,1H),4.0(m,5H),4.2(dd,1H),5.0(m,1H),6.05(s,2H),7.1(m,5H),8.0(s,1H),8.2(s,1H);31P NMR(CDCl)δ 21.0(デカップリングした)。
【0087】
(C.C18 RP−HPLCによるジアステレオマーの分離)
GS−7171(III)を、ジアステレオマーを分離するために、以下に要約するプロトコルを使用して、逆相HPLCによるクロマトグラフィーにかけた。
【0088】
クロマトグラフィーカラム:Phenomenex LunaTM C18(2),5μm,100Åの細孔サイズ(Phenomenex,Torrance,CA)、またはその等価物
ガードカラム:Pellicular C18(Alltech,Deerfield,IL)、またはその等価物
移動相:A−水中0.02%(85%)HPO:アセトニトリル(95:5)
B−水中0.02%(85%)HPO:アセトニトリル(50:50)
移動相の勾配
【0089】
【表1】

実行時間:50分
平衡化猶予:100%移動相Aで10分
流速:1.2mL/分
温度:環境
検出:UV(260nm)
サンプル溶液:20mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6)
保持時間:GS−7339、約25分
GS−7340、約27分。
【0090】
(D.結晶化によるジアステレオマーの分離)
GS−7340(IV)。アセトニトリル中のGS−7171(III)の溶液を、減圧下で、琥珀色泡状物まで濃縮した(14.9g)。この泡状物を、アセトニトリル(20mL)中に溶解し、そしてIVの結晶で播種した。この混合物を一晩攪拌し、5℃まで冷却し、そして濾過によって固体を単離した。この固体を乾燥して、2.3gのIVを白色結晶として得た。98%のジアステレオマー純度(31P NMR):H NMR(CDCl)δ 1.15(m,12H),3.7(t,1H),3.95(m,2H),4.05(m,2H),4.2(m,2H),5.0(m,1H),6.4(s,2H),7.1(m,5H),8.0(s,1H),8.2(s,1H);31P NMR(CDCl)δ 19.5(デカップリングした)。この生成物から選択した単結晶のX線結晶分析により、以下のデータを得た:
結晶の色、晶相 無色、カラム
結晶寸法 0.25×0.12×0.08mm
結晶系 斜方晶系
格子型 単純
格子パラメーター a=8.352(1)Å
b=15.574(2)Å
c=18.253(2)Å
V=2374.2(5)Å
空間群 P2(#19)
Z値 4
calc 1.333g/cm
000 1008.00
μ(MoKα) 1.60cm−1
【0091】
(実施例4)
(GS−7340のフマル酸塩の調製)
GS−7340−02(V)。(スキーム1)ガラス管付き反応器に、GS−7340(IV)(1.294kg,2.71mol)、フマル酸(284g,2.44mol)、およびアセトニトリル(24.6kg)を充填した。この混合物を加熱還流して固体を溶解し、熱いまま濾過し、そして16時間かけて5℃まで冷却した。この生成物を濾過によって単離し、アセトニトリル(9.2kg)でリンスし、そして乾燥して1329g(V)を白色粉末として得た:mp 119.7〜121.1℃;[α]20−41.7°(c 1.0,酢酸)。
【0092】
(実施例5)
(GS−7120(VI)の調製)
スキーム3
【0093】
【化30】

5Lの丸底フラスコに、モノフェニルPMPA、(II)(200g,0.55mol)およびアセトニトリル(0.629kg)を充填した。塩化チオニル(0.144kg,1.21mol)を27℃未満で添加した。この混合物を、固体が溶解するまで70℃で加熱した。揮発性物質(0.45L)を、窒素下での大気圧蒸留によって除去した。このポットの残渣を25℃に冷却し、ジクロロメタン(1.6kg)を添加し、そしてこの混合物を−20℃に冷却した。ジクロロメタン(1.33kg)中の(L)−αアミノ酪酸エチルエステル(0.144kg,1.1mol)の溶液を、−20〜−10℃で18分かけて添加し、続いてトリエチルアミン(0.17kg,1.65mol)を−8〜−15℃で15分かけて添加した。この反応混合物を室温まで暖め、そしてリン酸二水素ナトリウム溶液(10%aq.,各洗浄0.3L)で4回洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウム(0.5kg)で乾燥させ、そして濾過した。この固体をジクロロメタン(0.6kg)でリンスし、そして合わせた濾液およびリンスを減圧下で油状物まで濃縮した。この油状物を、1.2kgのシリカゲル60(230〜400メッシュ)の15×13cmのベッド上でのクロマトグラフィーによって精製した。このカラムを、ジクロロメタンおよびメタノールの勾配で溶出した。生成物含有画分を減圧下で濃縮して、211gのVI(スキーム3)を黄褐色の泡状物として得た。
【0094】
(実施例5a)
(バッチ溶出クロマトグラフィーによるGS−7120のジアステレオマーの分離)
ジアステレオマー混合物を、以下を除いて、実施例3AにおいてGS−7171について記載された条件を使用して精製した:
移動相(最初) :GS−7120−アセトニトリル:イソプロピルアルコール(98:2)
(最後) :100%メチルアルコール
溶出プロフィール :GS−7341(ジアステレオマーB)
:GS−7342(ジアステレオマーA)。
【0095】
(実施例6)
(結晶化によるGS−7120のジアステレオマーの分離)
1Lの丸底フラスコに、モノフェニルPMPA,(II),(50g,0.137mol)およびアセトニトリル(0.2L)を充填した。塩化チオニル(0.036kg,0.303mol)を添加し、10℃発熱した。この混合物を、固体が溶解するまで加熱還流した。揮発性物質(0.1L)を、窒素下での大気圧蒸留によって除去した。このポットの残渣を25℃に冷却し、ジクロロメタン(0.2kg)を添加し、そしてこの混合物を−20℃に冷却した。ジクロロメタン(0.67kg)中の(L)−αアミノ酪酸エチルエステル(0.036kg,0.275mol)の溶液を、−20〜−8℃で30分かけて添加し、続いてトリエチルアミン(0.042kg,0.41mol)を−6℃まで10分かけて添加した。この反応混合物を室温まで暖め、そしてリン酸二水素ナトリウム溶液(10%aq.,各洗浄0.075L)で4回洗浄した。この有機溶液を無水硫酸ナトリウム(0.1kg)で乾燥させ、そして濾過した。この固体を酢酸エチル(0.25L)でリンスし、そして合わせた濾液およびリンスを減圧下で油状物まで濃縮した。この油状物を、酢酸エチル(0.25L)で希釈し、播種し、一晩攪拌し、そして−15℃に冷却した。この固体を濾過によって単離し、そして減圧下で乾燥して、17.7gのGS−7342(表5)を黄褐色粉末として得た:H NMR(CDCl)δ 0.95(t,3H),1.3(m,6H),1.7(m,2H),3.7(m,2H),4.1(m,6H),4.4(dd,1H),5.8(s,2H),7.1(m,5H),8.0(s,1H),8.4(s,1H);31P NMR(CDCl)δ 21(デカップリングした)。
【0096】
(実施例7)
(GS−7097のジアステレオマーの分離)
このジアステレオマー混合物を、以下を除いて、GS−7171について記載された条件(実施例3A)を使用して精製した:
移動相(最初) :GS−7120−アセトニトリル:イソプロピルアルコール(95:5)
(最後) :100%メチルアルコール
溶出プロフィール :GS−7115(ジアステレオマーB)
:GS−7114(ジアステレオマーA)。
【0097】
(実施例8)
(GS−7097の調製のための代替的手順)
GS−7097:フェニルPMPA,エチルL−アラニルアミデート。フェニルPMPA(15.0g,41.3mmol)、L−アラニンエチルエステル塩酸塩(12.6g,83mmol)およびトリエチルアミン(11.5mL,83mmol)を、乾燥N下、500mLのピリジン中で一緒にスラリーにした。この懸濁液を、トリフェニルホスフィン(37.9g,145mmol)、アルドリチオール2(Aldrithiol 2)(2,2’−ジピリジルジスルフィド)(31.8g,145mmol)、および120mLのピリジンの溶液と合わせた。この混合物を57℃の内部温度で15時間加熱した。完全な反応物を、減圧下で黄色ペースト(100g)まで濃縮した。このペーストを、1.1kgのシリカゲル60(230〜400メッシュ)の25×11cmのベッド上でのカラムクロマトグラフィーによって精製した。このカラムを、ジクロロメタン中2%メタノール(8リットル)、続いて最終組成13%メタノールまでの26リットルの溶出剤の過程の直線勾配で溶出した。きれいな生成物を含有する画分を濃縮して、12.4gの粗性(5)(理論値の65%)を得た。この物質は、H NMRによって、約15%(重量)のトリエチルアミン塩酸塩が混入していた。この生成物を350mLの酢酸エチルに溶解し、20mLの水で抽出し、有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して11.1gの純粋なGS−7097を白色固体として得ることによって、この混入物を除去した(収率58%)。この手順をまた、GS−7003aとGS−7003b(フェニルアラニルアミデート)とのジアステレオマー混合物、およびGS−7119とGS−7335(グリシルアミデート)との混合物を合成するために使用した。これらのジアステレオマーを、実施例3A、6および7に示されるようなバッチ溶出手順を使用して分離した。
【0098】
(実施例9)
(プロドラッグジアステレオマーのインビトロ研究)
MT−2細胞におけるインビトロでの抗HIV−1活性および細胞傷害性、ならびにヒト血漿およびMT−2細胞抽出物(遊離塩基)におけるGS−7340およびテノフォビルジスオプロキシルフマレート(tenofovir disoproxil fumarate)(TDF)の安定性を、表1に示す。GS−7340は、TDFと比較して10倍増加した抗ウイルス活性を示し、そして血漿安定性において200倍の増加を示す。このより大きな血漿安定性は、経口投与後の、TDFより高いGS−7340の循環レベルを生じると予想される。
【0099】
(表1.インビトロ活性および安定性)
【0100】
【表2】

TDFの細胞内代謝から生じる、GS−7340と比較した相対的細胞内PMPAを推定するために、プロドラッグおよびPMPAの両方を放射標識し、そして等モル濃度でインタクトなヒト全血へとスパイクした。1時間後、血漿、赤血球(RBC)および末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、そして放射測定検出を用いるHPLCによって分析した。この結果を、表2に示す。
【0101】
1時間後、GS−7340は、TDFおよびPMPAと比較して、それぞれ10×および30×の、PBMCにおけるPMPAの総細胞内濃度を生じる。1時間後の血漿において、放射能の84%が、インタクトなGS−7340に起因するが、一方、1時間ではTDFは検出されない。血漿においてインタクトなTDFが検出されないので、1時間でのTDFとGS−7340との間の10×の差は、インビボで予期される最小限の差異である。PBMCにおける3つ全ての化合物についてのHPLCクロマトグラムを、図1に示す。
【0102】
(表2.ヒト血液におけるPMPAプロドラッグまたはPMPAの1時間のインキュベーション後の、血漿、PBMCおよびRBCにおけるPMPA代謝産物)
【0103】
【表3】

(図1.37℃でTDF、GS−7340またはPMPAと1時間インキュベートしたヒト血液からのPBMC抽出物の、HPLC/C−14追跡)
【0104】
【表4】

Met.XおよびMet Y(代謝産物XおよびY)を、表5に示す。小文字の「p」は、リン酸化を表す。これらの結果を、ヒト血液において1時間後に得た。時間の増加に伴って、インビトロの差異は増加すると予想される。なぜなら、GS−7340の84%は、1時間後でも血漿中で依然としてインタクトであるためである。インタクトなGS−7340は、経口投与後の血漿中に存在するので、相対的な臨床的有効性は、インビトロで見られるIC50値に関連するはずである。
【0105】
以下の表3において、テノフォビル、TDF、GS−7340、いくつかのヌクレオシドおよびプロテアーゼインヒビターネルフィニビル(nelfinivir)のIC50を列挙する。示されるように、ネルフィナビル(nelfinavir)およびGS−7340は、他の全てのヌクレオチドまたはヌクレオシドよりも2〜3桁強力である。
【0106】
(表3.抗レトロウイルス化合物のインビトロでの抗HIV−1活性)
【0107】
【表5】

1.A.S.MulatoおよびJ.M.Cherrington,Antiviral Research 36,91(1997)。
【0108】
本発明の分離したジアステレオマーのインビトロでの細胞培養抗HIV−1活性およびCC50のさらなる研究を行い、そして結果を以下の表にする。
【0109】
(表4.ジアステレオマーの効果)
【0110】
【表6】

アッセイ参照:Arimilli,MNら,(1997)Synthesis,in vitro biological evaluation and oral bioavailability of 9−[2−(phosphonomethoxy)proplyl]adenine(PMPA)prodrugs。Antiviral Chemistry and Chemotherapy 8(6):557−564。
【0111】
「Phe−メチルエステル」は、メチルフェニルアラニルモノアミデート、テノフォビルのフェニルモノエステルである;「glyメチルエステル」は、メチルグリシルモノアミデート、テノフォビルのフェニルモノエステルである。
【0112】
上記の各場合において、異性体Aは、GS−7340(S)と同じ絶対立体化学を有すると考えられ、そして異性体Bは、GS−7339と同じ絶対立体化学を有すると考えられる。
【0113】
分離されたジアステレオマーのインビトロでの代謝および安定性を、PLCE、MT−2抽出物およびヒト血漿において決定した。以下に列挙した生物学的サンプル(80μL)を、ネジ蓋付き遠心管に移し、37℃で5分間インキュベートした。適切な緩衝液(20μL)中に0.2mg/mLの試験化合物を含む溶液を、その生物学的サンプルに添加し、そして混合した。この反応混合物(20μL)を即座にサンプリングし、そしてHPLC分析のための内部標準として0.015mg/mLの2−ヒドロキシメチレンナフタレンを含む、60μLのメタノールと混合した。このサンプルを、0時間のサンプルとして用いた。次いで、特定の時点で、反応混合物(20μL)をサンプリングし、そして内部標準を含む60μLのメタノールと混合した。このようにして得られた混合物を、15,000Gで5分間遠心分離し、そして上清を、以下に記載の条件下でのHPLCで分析した。
【0114】
評価した生物学的サンプルは、以下のとおりである:
(1)PLCE(PBS(リン酸緩衝化生理食塩水)に20倍希釈した、Sigma製のブタ肝臓カルボキシエステラーゼ(160u/mgタンパク質、21mgタンパク質/mL))。
(2)MT−2細胞抽出物(公開された手順[A.Pompon、I.Lefebvre、J.−L.Imbach、S.Kahn、およびD.Farquhar、「Antiviral Chemistry & Chemotherapy」、5:91−98(1994)]に従って(媒体として以下に記載のHEPES緩衝液を使用することを除く)MT−2細胞から調製した)。
(3)ヒト血清(George King Biomedical Systems,Inc.製のプールした正常ヒト血漿)。
【0115】
本研究で使用した緩衝系は、以下のとおりである:
PLCEの研究において、試験化合物をPBS中に溶解した。PBS(リン酸緩衝化生理食塩水、Sigma)は、0.01M リン酸、0.0027M リン酸カリウム、および0.137M 塩化ナトリウムを含む。37℃にてpH7.4。
【0116】
MT−2細胞抽出物の研究において、試験化合物をHEPES緩衝液に溶解した。HEPES緩衝液は、0.010M HEPES、0.05M 塩化カリウム、0.005M
塩化マグネシウム、および0.005M dl−ジチオトレイトールを含む。37℃にてpH7.4。
【0117】
ヒト血漿の研究において、試験化合物をTBS中に溶解した。TBS(トリス緩衝化生理食塩水(Sigma))は、0.05M Tris、0.0027M
塩化カリウム、および0.138M 塩化ナトリウムを含む。37℃にてpH7.5。
【0118】
HPLC分析を、以下の条件下で行った。
カラム:Zorbax R−C、4.6×250mm、5μ
(MAC−MOD Analytical,Inc.Chadds Ford,PA)
検出:260nmのUV
流速:1.0mL/分
実行時間:30分
注入用量:20μL
カラム温度:周囲温度
移動相A:50mM リン酸カリウム(pH6.0)/CHCN=95/5 (v/v)
移動相B:50mM リン酸カリウム(pH6.0)/CHCN=50/50 (v/v)
勾配泳動:0分 100% 移動相A
25分 100% 移動相B
30分 100% 移動相B
結果を以下の表5に示す(これはまた、表4からの選択されたIC50データを含む)。
【0119】
(表5.37℃でのPMPAモノアミデートの異性体AおよびBのインビトロ代謝)
【0120】
【表7】

(実施例10)
(ビーグル犬へのプロドラッグジアステレオマーの経口投与後の血漿曝露およびPBMC曝露)
GS7340の薬物動態学を、10mg当量/kg用量の経口投与後のイヌにおいて研究した。
【0121】
(処方物)プロドラックを、投薬前0.5時間以内に、50mMのクエン酸中の溶液として調製した。本研究で使用した全ての化合物は、Gilead Sciencesによって合成された。以下のロットを使用した:
【0122】
【表8】

(用量投与およびサンプル収集)本研究の生物相(in−life phase)は、「Guide for the Care and Use of Laboratory Animals」(National Institutes of Health刊行物86−23)の推奨に従って行い、そしてこれは、Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認された。絶食させた雄性ビーグル犬(10±2kg)を、本研究に使用した。各薬物を、経口栄養法によって単回用量として投与した(1.5〜2ml/kg)。用量は、10mg当量PMPA/kgであった。PBMCについて、血液サンプルを、投薬後0時間(投薬前)、2時間、8時間および24時間で収集した。血漿について、血液サンプルを、投薬後0時間(投薬前)、5分、15分および30分、ならびに1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間および24時間で収集した。血液(1.0ml)を、2,000rpmで10分間の遠心分離によって血漿用に即座に処理した。血漿サンプルを凍結させ、分析までに−70℃で維持した。
【0123】
(末梢血単核細胞(PBMC)調製) 特定の時点で採取した全血(8ml)を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)と等しい割合で混合し、15mlのFicoll−Paque溶液(Pharmacia Biotech)上に重層し、そして400×gで40分間遠心分離した。PBMC層を取り出し、そしてPBSで1回洗浄した。形成されたPBMCペレットを、0.5mlのPBS中で再構成し、細胞を再懸濁し、血球計数器を使用してカウントし、分析までに−70℃で維持した。平均一細胞容積を乗算した細胞数を、細胞内濃度の計算に使用した。200フェムトリットル/細胞の報告された値を、休止PBMC容積として使用した(B.L.Robins、R.V.Srinivas、C.Kim、N.Bischofberger、およびA.Fridland、Antimicrob.Agents Chemother.42、612(1998))。
【0124】
(血漿およびPBMC中のPMPAおよびプロドラッグの測定)イヌ血漿サンプル中のPMPAの濃度を、PMPAをクロロアセトアルデヒドで誘導体化して高い蛍光性のN,N−エテノアデニン誘導体を生成することによって決定した(L.Naesens、J.Balzarini、およびE.De Clercq、Clin.Chem.38、480(1992))。手短には、血漿(100μl)を、200μlのアセトニトリルと混合して、タンパク質を沈殿させた。次いで、サンプルを、室温にて減圧下で、乾燥するまでエバポレートした。乾燥されたサンプルを、200μlの誘導体化混液(100mM 酢酸ナトリウム中の0.34% クロロアセトアルデヒド(pH4.5))中で再構成し、ボルテックスし、そして遠心分離した。次いで、上清を新しいネジ蓋付きチューブに移し、95℃で40分間インキュベートした。次いで、誘導体化されたサンプルを、乾燥するまでエバポレートし、HPLC分析のために100μlの水中で再構成した。
【0125】
細胞内PMPAをHPLCによって測定し得る前に、PBMC抽出物中に存在する多量のアデニン関連リボヌクレオチドを、選択的な酸化によって除去しなければならなかった。本発明者らは、Tanakaら(K.Tanaka、A.Yoshioka、S.Tanaka、およびY.Wataya、Anal.Biochem.、139、35(1984))の改変した手順を使用した。手短には、PBMCサンプルを、メタノールと1:2で混合し、そして減圧下で乾燥するまでエバポレートした。乾燥されたサンプルを、血漿アッセイ中に記載のように誘導体化した。誘導体化されたサンプルを、20μLの1M
ラムノースおよび30μLの0.1M 過ヨウ素酸ナトリウムと混合し、そして37℃で5分間インキュベートした。インキュベーション後、40μLの4M メチルアミンおよび20μLの0.5M イノシンを添加した。37℃で30分間のインキュベーション後、サンプルを、減圧下でエバポレートして乾燥し、そしてHPLC分析のために水で再構成した。
【0126】
インタクトなプロドラッグは、いずれのPBMCサンプル中にも検出されなかった。インタクトなプロドラッグを含む可能性のある血漿サンプルについては、PMPAへのさらなる変換が誘導体化中に生じないことを確かめるために、実験を行った。プロドラッグ標準を、薬物を含まないの血漿に添加し、そして記載のように誘導体化した。これらの血漿サンプルのいずれにおいても検出可能なレベルのPMPAは存在せず、変換の推定%は、1%未満であった。
【0127】
HPLCシステムは、AS3000自動注入器およびF2000蛍光検出器を備えるP4000溶媒送達系から構成された(Thermo Separation、San Jose、CA)。カラムは、Inertsil ODS−2カラム(4.6×150mm)であった。使用した移動相は、以下であった:A、5mM テトラブチルアンモニウムブロミド(TBABr)を含む25mMのリン酸カリウム緩衝液中の5%アセトニトリル(pH6.0);B、5mM TBABrを含む25mMのリン酸カリウム緩衝液中の60%アセトニトリル(pH6.0)。流速は、2ml/分であり、そしてカラム温度を、カラムオーブンによって35℃に維持した。勾配プロフィールは、PMPAについては、10分間の90% A/10% B、そしてプロドラックについては、10分間の65% A/35% Bであった。検出は、236nmでの励起および420nmでの発光による、蛍光によるものであり、そして注入容量は、10μlであった。データを、実験データ獲得系(PeakPro、Beckman、Allendale、NJ)によって獲得および保存した。
【0128】
(薬物動態学計算)PMPAおよびプロドラッグの曝露を、0時間〜24時間の血漿またはPBMCにおける濃度曲線下の面積(AUC)として表した。このAUC値は、台形法則を使用して計算した。
【0129】
(血漿濃度およびPBMC濃度)本研究の結果を、図2および図3に示す。図2は、PMPAプロドラッグの純粋なジアステレオアイソマーの経口投与後の、血漿曝露およびPBMC曝露のGS7340−2代謝概要の時間経過を示す。
【0130】
(図2.10mg当量/kgでのイヌへのGS7340−2の経口投与後の血漿およびPBMC中のPMPAおよびプロドラッグの濃度)
【0131】
【表9】

図2の棒グラフは、PMPA s.c.、TDFおよびアミデートエステルプロドラッグの投与後のイヌのPBMC中および血漿中のテノフォビル(tenofovir)についてのAUC(0〜24時間)を示す。全てのアミデートプロドラッグは、PBMC曝露における増加を示した。例えば、GS7340は、PMPA s.c.およびTDFと比較して、PBMC曝露における約21倍の増加を生じ;そして血漿曝露における、それぞれ、6.25倍および1.29倍の減少を生じた。
【0132】
(図3.イヌにおける10mg当量/kgの投与におけるPBMC中および血漿中のテノフォビル曝露を示す)
イヌへの10mg当量/kgのPMPAプロドラッグの経口投薬後のPBMC中および血漿中のPMPAについてのAUC(0〜24時間)
【0133】
【表10】

これらのデータは、インビボにて、GS7340が、経口的に送達され得、PMPAへの全身曝露を最小化し、そしてHIV複製を主に担う細胞中のPMPAの細胞内濃度を大いに増強することを説明する。
【0134】
(表6)
(イヌにおけるPMPAの経口プロドラッグからのPBMC中および血漿中のPMPA曝露)
【0135】
【表11】

(実施例11)
(GS−7340の体内分布)
GS−7340の臨床前特徴付けの一部として、イヌにおけるその体内分布を測定した。GS−7340(イソプロピルアラニニル(alaninyl)モノアミデート、テノフォビルのフェニルモノエステル)の組織分布を、ビーグル犬への経口投与後に試験した。2匹の雄の動物に、水性溶液(50mM クエン酸、pH2.2)中の14C=GS−7340(8.85mg当量PMPA/kg、33.2μCi/kg;アデニンの8位の炭素が標識されている)を経口投薬した。血漿および末梢血単核細胞(PBMC)を、24時間の期間にわたって得た。尿および糞便を、24時間にわたってケージ収集した。投薬後24時間で、動物を屠殺し、そして組織を分析のために取り出した。組織中の総放射活性を、酸化および液体シンチレーションカウンティングによって決定した。
【0136】
放射標識したGS7340の単回経口投薬後24時間でのPMPAの体内分布を、TDF(GS−4331)を用いた先の研究からのデータと共に、表4に示す。TDFの場合、血漿中のプロドラッグ濃度は、アッセイ検出レベル未満であり、そして血漿中に観察された主要な種は、この親薬物である。リンパ組織、骨髄および骨格筋中のPMPAのレベルは、GS−7340の投与後に10倍増加した。
【0137】
リンパ組織における蓄積は、PBMC分析から観察されたデータと一致する。なぜなら、これらの組織は、主にリンパ球から構成されるからである。同様に、骨髄における蓄積は、おそらく、この組織中のリンパ球の高い割合(70%)に起因する。
【0138】
(表7.10mg当量PMPA/kgでの経口投薬後のイヌ(平均、N=2)における放射標識したGS−7340の排出および組織分布)
【0139】
【表12】

15×10個の総細胞の典型的回収率および0.2ピコリットル/細胞平均PBMC容積を使用して計算した。n.s.=サンプルなし、n.a.=適用せず、n.d.=決定せず。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明

【公開番号】特開2011−140506(P2011−140506A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50854(P2011−50854)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【分割の表示】特願2010−95542(P2010−95542)の分割
【原出願日】平成13年7月20日(2001.7.20)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】