説明

ホスホノアルキルイミノ二酢酸の製造のための方法

ホスホノアルキルイミノ二酢酸M2PO3-X-N-(CH2COOM)2の製造のための改良された方法を開示し、式中、XはC1〜6直鎖状または分岐状アルキル基であり; かつMは水素、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウムおよびプロトン化アミンより選択される。イミノ二酢酸出発材料と実質的に化学量論的な量の亜リン酸とを大過剰量のリン酸の存在下で反応させることにより、反応媒体から分離できる該反応媒体に不溶性の反応生成物(PAIDA)を得る。特に好ましいアプローチにおいて、液体P4O6から出発して亜リン酸をインサイチューで調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホノアルキルイミノ二酢酸(PAIDA)、特に、N-ホスホノメチルグリシンとしても知られるグリホサートの調製に使用される主要中間体であるホスホノメチルイミノ二酢酸(PMIDA)成分の製造のための方法に関する。イミノ二酢酸(IDA)出発成分と亜リン酸およびホルムアルデヒドとをリン酸の存在下で反応させる。ホスホノメチルイミノ二酢酸化合物の合成に必要な化学量論的レベルで亜リン酸を使用する。相当なレベルの、特にリン酸:亜リン酸のモル比が9:0.8〜1:1になるレベルのリン酸の存在下で反応を行う。特許請求される技術の状況において、反応生成物、主にホスホノアルキルイミノ二酢酸が、実質的に反応媒体に不溶性であり、かつ日常的に分離可能および回収可能であることが見出された。特に好ましくかつ主要な態様では、反応媒体中での液体P4O6の加水分解によって亜リン酸反応物をインサイチューで調製する。
【背景技術】
【0002】
中間体、製造方法などに関連する技術を含むグリホサート化学は、長きにわたって商業的に使用されており、したがって関連分野において著しく周知である。
【0003】
US 3,288,846(特許文献1)は、アンモニア、第一級アミンおよび第二級アミンからなる群より選択される窒素性材料; アルデヒドおよびケトンからなる群より選択される有機カルボニル化合物; ならびにオルト亜リン酸を含む、約4未満のpHを有する水性混合物を形成する段階、ならびに約70℃を超える温度に該混合物を供する段階による、アミノアルキレンホスホン酸を調製するための方法を開示している。US 6,30,351(特許文献2)は、アミドカルボキシメチル化反応器システムでのN-(ホスホノメチル)イミノ二酢酸の生成のための方法を開示しており、反応器システムには以下のそれぞれの原料が連続的に供給される: (1)アセトアミドまたはアセトアミド誘導体、(2)ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド発生物質もしくは誘導体、(3)カルボニル化触媒、(4)一酸化炭素、および任意で(5)水素。N-(アセチル)イミノ二酢酸およびカルボニル化触媒を含むアミドカルボキシメチル化反応生成物流をアミドカルボキシメチル化反応器システムから取り出し、カルボニル化触媒をアミドカルボキシメチル化反応生成物流から分離する。N-(アセチル)イミノ二酢酸を(1)酸の存在下でリン原料およびホルムアルデヒド原料と反応させて、N-(ホスホノメチル)イミノ二酢酸および酢酸を含むホスホノメチル化反応生成物流を形成するか、または(2)脱アシル化し、閉環させて2,5-ジケトピペラジンを形成し、次に酸の存在下でリン供給源およびホルムアルデヒド供給源と反応させて、N-(ホスホノメチル)イミノ二酢酸および酢酸を含むホスホノメチル化反応生成物流を形成する。
【0004】
WO 00/59915(特許文献3)は、IDAの塩溶液を硫酸または塩酸で中和する段階、例えば濾過によりIDA成分を分離する段階、およびIDAを硫酸または塩酸の存在下においてホルムアルデヒドおよび亜リン酸により変換することで、PMIDAを得る段階、および場合によっては濾液を再循環させる段階による、PMIDAを調製するための方法を記載している。WO 96/40698(特許文献4)は、IDA、ホルムアルデヒド供給源、亜リン酸供給源および強酸供給源、通常は塩酸供給源から出発してPMIDAを調製するための方法を教示している。当技術分野のこの方法は、望ましくない副生成物の形成を導く反応混合物中の亜リン酸のレベルが減少するようなレベルでの亜リン酸およびホルムアルデヒドの注入を必要とする。PCl3が強酸供給源として一般に使用される。またWO 94/15939(特許文献5)は、IDAと亜リン酸およびホルムアルデヒドとから出発する、水性媒体中における濃硫酸の存在下でのPMIDAの製造のための方法に関する。PMIDAは、沈殿し、かつ濾過して分離可能であり、濾液は反応媒体に再循環可能である。
【0005】
US 6,232,494(特許文献6)は、主要なPMIDA作製方法、および障害となる塩化ナトリウムのレベルに対する対処などの内在する困難の列挙、ならびに、PMIDAをグリホサートに変換する上で克服すべき困難の概要列挙を含む、グリホサートの製造のための改良された方法に関する。また、PMIDAからの塩化物の除去はUS 2002/0148786(特許文献7)に記載されており、蒸発結晶化の使用が、企図されたアプローチを構成する。US 4,775,498(特許文献8)は、三塩化リンを水およびIDAに添加する段階、ホルムアルデヒドおよび水を添加してアルカリ金属塩を溶解させた後、pHを調整する段階、およびPMIDA沈殿物を濾過する段階による、N,N-二酢酸アミノアルキレンホスホン酸(PAIDA)の製造のための方法を説明している。EP-A 0 595 598(特許文献9)は、最初にIDAとホルムアルデヒドとを反応させてHMIDAを得た後、その成分と亜リン酸とを反応させてPMIDAに変換する、PMIDAを調製するための方法を例示している。
【0006】
EP-A 0 679 158(特許文献10)は、IDAと亜リン酸およびホルムアルデヒドとを濃硫酸または塩酸の存在下で反応させる段階、およびPMIDA沈殿物を回収する段階による、PMIDAを調製するための方法を記載している。EP-A 0 618 212(特許文献11)も同様に、IDAとホルムアルデヒド、および三塩化リン加水分解により得られる亜リン酸および塩酸の水溶液とを反応させる段階による、PMIDAを調製するための方法を記載している。次にPMIDAを反応生成物から回収することができる。GB 2 154 589(特許文献12)は、IDA種、硫酸および塩酸から出発してPMIDAを調製するためのエネルギー経済的機構に関する。CN 101348266(特許文献13)は、PMIDAを回収しかつNaCl副生成物を用いるための、NaCl含有PMIDA母液の処理に関する。CN 101307074(特許文献14)は、PMIDAならびにクロロアルカンおよびアセタール副生成物を調製するための方法に関する。CN 101284847(特許文献15)は、IDA Na塩と硫酸とをpH 5〜8で反応させる段階、およびそのように形成されたIDAと亜リン酸およびホルムアルデヒドとを混合することでPMIDAを得る段階による、PMIDAの作製を記載している。WO 2009/130322(特許文献16)は、P4O6から出発する、均一ブレンステッド触媒の存在下での、アミノアルキレンホスホン酸の製造のための方法を記載している。この方法はPMIDAの調製に使用可能である。
【0007】
先行技術は、公知のPMIDA製造技術の使用に付随する著しい困難および欠点を多く示している。主要な困難は、通常は硫酸および/または塩酸である酸触媒の選択、多くの場合アルカリ塩化物である塩化物の存在、望ましくないレベルの副生成物の形成、および反応生成物の選択性の欠如でありうる。さらに、当技術分野の技術に従って生産されるPMIDAがグリホサートへの変換において特別の注意を必要とし、さらに塩化物イオンの腐食性は設備の経済性に悪影響を与えることがある。
【0008】
製造技術の質および/または経済的局面を改善するために相当な資金が費やされたが、特定の欠点を対象とする非本質的な解決策がせいぜい実現しただけであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US 3,288,846
【特許文献2】US 6,30,351
【特許文献3】WO 00/59915
【特許文献4】WO 96/40698
【特許文献5】WO 94/15939
【特許文献6】US 6,232,494
【特許文献7】US 2002/0148786
【特許文献8】US 4,775,498
【特許文献9】EP-A 0 595 598
【特許文献10】EP-A 0 679 158
【特許文献11】EP-A 0 618 212
【特許文献12】GB 2 154 589
【特許文献13】CN 101348266
【特許文献14】CN 101307074
【特許文献15】CN 101284847
【特許文献16】WO 2009/130322
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、塩酸などの濃酸の使用を必要とせず、最終生成物の意図的精製を必要としない製造機構を利用可能にすることにある。本発明のさらに別の目的は、母液を容易に再循環させることができる反応物均一媒体中で最終生成物を提供することにある。さらに別の目的は、腐食性反応物の使用を回避することに関する。本発明の別の主要目的は、日常的に回収可能な最終生成物を合成すること、およびさらなる処理無しで母液を反応液中に再循環させることを企図する。本発明のさらに別の目的は、亜リン酸からリン酸への変換を著しく減少させて進行するPMIDA製造機構を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、N-メチルイミノ二酢酸および/またはHO-CH2PO3H2などの望ましくない副生成物のレベルを著しく減少させて最終生成物を得ることが可能な製造機構に関する。本発明の主要目的は、累積的な当技術分野の欠点に影響されずかつ高純度生成物を生じさせることができる、PMIDA製造方法を提供することにある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願を通じて使用する「パーセント」または「%」という用語は、別に定義されない限り、「重量パーセント」または「重量%」を意味する。「ホスホン酸」および「ホスホネート」という用語も、当然、媒体に一般的なアルカリ度/酸性度条件に応じて互換的に使用される。「ppm」という用語は「百万分率」を意味する。「P2O3」および「P4O6」という用語は互換的に使用可能である。別に定義されない限り、pH値は、反応媒体自体上、25℃で測定される。「亜リン酸」という呼称は、亜リン酸自体、P4O6から出発してインサイチューで調製された亜リン酸、あるいはPCl3から出発する精製された亜リン酸、またはPCl3とカルボン酸、スルホン酸もしくはアルコールとの反応によって対応する塩化物を作製することで得られる精製された亜リン酸を意味する。「リン酸」という用語は、その酸の水溶液、およびP2O5から出発してインサイチューで調製されるリン酸を包含する。「ホルムアルデヒド」という用語は、厳密な意味でのホルムアルデヒド、アルデヒドおよびケトン、好ましくは厳密な意味でのホルムアルデヒドを互換的に示す。「P4O6」という用語は、液体状態の純粋なP4O6、固体P4O6および気体P4O6を包含する。温度および圧力に関する「周囲」という用語は、海水面で通常一般的な大気条件を意味し、すなわち、温度は約18℃〜25℃であり、圧力は1319.891〜1399.885hPa(990〜1050mmHg)を意味する。「反応媒体に実質的に不溶性の」という用語は、好ましくは、ホスホノアルキルイミノ二酢酸が反応媒体100g当たり10g以下、より好ましくは反応媒体100g当たり1g以下の、周囲温度および周囲圧力で測定される溶解度を有することを意味する。溶解度は、好ましくは2未満、より好ましくは1未満の反応媒体のpHで決定される。
【0012】
上記のおよび他の目的は、イミノ二酢酸とほぼ化学量論的な量の亜リン酸とを相当なレベルの、すなわち9:0.8〜1:1のリン酸:亜リン酸のモル比のリン酸の存在下で反応させる方法機構によって今や達成することができる。より詳細には、本発明は、
(a) イミノ二酢酸と、リン酸:亜リン酸のモル比が9:0.8〜1:1であるリン酸の存在下において0.7:1〜1.5:1の亜リン酸:イミノ二酢酸のモル比で使用される亜リン酸、およびホルムアルデヒドとを、45℃〜200℃の範囲の温度で1分間〜10時間反応させることにより、媒体に実質的に不溶性の反応生成物を得る段階;
(b) 反応媒体から該不溶性の反応生成物を分離し、かつ任意で該不溶性の反応生成物を水で洗浄する段階
を含む、下記式を有するホスホノアルキルイミノ二酢酸の製造のための方法に関する。
M2PO3-X-N-(CH2COOM)2
式中、XはC1〜6直鎖状または分岐状アルキレン基であり; かつ、Mは水素、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウムおよびプロトン化アミンより選択される。
【0013】
本明細書における好ましい実施では、アルキレン基はC1〜C4アルキレン基、特にメチレンであり、最終生成物PMIDAは、既に数十年間市販されている周知の除草剤であるグリホサートに容易に変換することができる。
【0014】
本明細書における別の好ましい態様では、好ましくは液体のP4O6から出発して亜リン酸をインサイチューで調製する。
【0015】
特許請求される技術は、システムにとって異質の成分の除外下でシステムがその明らかに著しい利点を伴って機能するという点で特に有利である。しかし、本発明に係る反応、すなわちイミノ二酢酸と亜リン酸およびホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させることで低レベルのリン酸が通常得られるということが理解される。反応生成物の分離後に反応媒体、すなわち母液の残りの部分を一般に容易に再循環させることができるという事実を特に考慮すると、本発明の文脈内では、リン酸は準システム成分と考えられる。いくつかの場合では、水および/または水溶性有機希釈剤を添加することで反応生成物の不溶解度を高めることができる。そのような進行は、分離技術分野において周知の日常的手段を必要とする。好適な有機希釈剤の例としては、アルコール、例えばエタノールおよびメタノールが挙げられる。使用される沈殿添加剤、例えば水/アルコールのレベルは反応媒体に応じて異なり、日常的に決定可能である。母液を再循環させる前に例えば蒸留によって有機希釈剤を望ましくは取り除くことができることはいうまでもない。
【0016】
液相から不溶性アミノアルキレンホスホン酸反応生成物を、例えば回収目的で、当技術分野で公知の物理的手段、例えば沈降、濾過または圧搾によって分離することができる。同様の処理の例としては、時として例えばサイクロン中で遠心力を利用することによる、重力沈降; スクリーン濾過、減圧濾過または遠心濾過; およびバッチプレスまたは連続プレス、例えばスクリュープレスを使用する圧搾が挙げられる。
【0017】
所望であれば、分離された反応生成物を再結晶またはクロマトグラフィーなどの公知の方法でさらに精製することができる。
【0018】
亜リン酸反応物は、当技術分野において周知の商品材料である。それは例えば様々な技術によって調製可能であり、三塩化リンまたはP-オキシドの加水分解を含むその一部は周知である。亜リン酸および対応するP-オキシドは、天然のリン含有岩石を含む任意の好適な前駆体に由来しうるものであり、この前駆体は、公知の手法でリン元素に変換した後、P-オキシドにおよび場合によっては亜リン酸に酸化することができる。亜リン酸反応物は、PCl3の加水分解から出発し、そのように得られた亜リン酸を、加水分解により生じる塩酸および他の塩化物中間体を除くことによって精製することで調製することもできる。別のアプローチでは、三塩化リンと、カルボン酸もしくはスルホン酸またはアルコールのいずれかである試薬とを反応させることで、亜リン酸を有利に製造することができる。亜リン酸、および酸試薬の場合は酸塩化物、またはPCl3と対応するアルコールとの反応により生じる塩化物、例えば塩化アルキルの形成下で、PCl3は試薬と反応する。塩素含有生成物、例えば塩化アルキルおよび/または酸塩化物は、当技術分野で公知の方法、例えば蒸留によって亜リン酸から好都合に分離可能である。そのように製造された亜リン酸自体を特許請求される機構において使用することができるが、塩素含有生成物および未反応原料を実質的に除くかまたはそのレベルを低減させることで、形成された亜リン酸を精製することが望ましいことがあり、そうすることが多くの場合好ましい。そのような精製は、関連製造技術の分野において周知であり、かなり標準的である。そのような技術の好適な例としては、活性炭上の有機不純物の選択的吸着、または亜リン酸成分の単離のための水相分離の使用が挙げられる。三塩化リンとカルボン酸またはアルコールなどの試薬との反応に関する情報は、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, in chapter Phosphorous Compounds, December 4, 2000, John Wiley & Sons Inc.に見ることができる。
【0019】
一般に、本発明の方法は、亜リン酸成分(100%)に対して表された2000ppm以下の塩素、好ましくは400ppmまたはそれ未満、特に200ppmまたはそれ未満の塩素の存在下で行われる。
【0020】
好ましい態様では、P4O6を反応媒体に添加することで亜リン酸反応物を調製することができる。反応媒体はイミノ二酢酸を場合によって含みうるものであり、あるいは、イミノ二酢酸をP4O6と同時に添加することができる。P4O6の加水分解が完了した後でホルムアルデヒド添加前に、イミノ二酢酸を反応媒体に添加することもできる。いずれの場合でも、残りのリン酸はホルムアルデヒド添加前に添加する。イミノ二酢酸およびP4O6の同時添加を並行して行うことが好ましく、すなわち、反応媒体に添加する前のイミノ二酢酸およびP4O6の予備混合は明らかに回避すべきである。
【0021】
本発明の方法では、亜リン酸を実質的に化学量論的な割合、例えば、0.7:1〜1.5:1、好ましくは0.8:1〜1.3:1、特に0.9:1〜1.1:1の亜リン酸:イミノ二酢酸のモル比で使用するものとする。相当なレベルの、9:0.8〜1:1、好ましくは6:1〜1.2:1、特に4:1〜1.5:1のリン酸:亜リン酸のモル比のリン酸の存在下で反応を行う。ホルムアルデヒドは、本発明の方法において、2:1〜0.5:1、好ましくは1.5:1〜0.7:1、特に1.2:1〜0.9:1のホルムアルデヒド:イミノ二酢酸のモル比で使用される。相対的に小さいホルムアルデヒドの比の使用は、原料(母液)の未反応部分を好都合に再循環させることを可能にしながら選択性を最適化するために有利であることが見出された。実際、リン酸の使用は、反応物の効率、したがって最終生成物の選択性および収率の最大化を促進する。これは、当技術分野の技術の適用において現在必要な精製および分離方法を考慮すれば、当技術分野において著しい進歩を構成する。
【0022】
好ましい態様において、P4O6は、少なくとも85%、好ましくは90%超、より好ましくは少なくとも95%、および特定の一実施では少なくとも97%のP4O6を含む実質的に純粋な化合物で表されることができる。本発明の文脈内での使用に好適な六酸化四リンは任意の公知の技術によって製造可能であるが、好ましい実施では、この六酸化物は「Process for the manufacture of P4O6」と題するWO 2009/068636 A1に開示されている方法に従って調製することができる。詳細には、酸素または酸素および不活性ガスの混合物と、気体または液体リンとを、本質的に化学量論的な量で、反応装置内で1600〜2000Kの範囲の温度において、0.5〜60秒の好ましい滞留時間を維持しながらリンおよび酸素の発熱反応が作り出す熱を取り除くことによって反応させた後、反応生成物を700K未満の温度で急冷し、かつ粗反応生成物を蒸留によって精製する。そのように調製された六酸化物は、通常少なくとも97%のこの酸化物を含む純粋な生成物である。一般に、そのように生成されたP4O6は、100%であるP4O6に対して表された好ましくは1000ppm未満という低レベルのリン元素P4を特に含む高純度の液体材料で表される。好ましい滞留時間は5〜30秒、より好ましくは8〜30秒である。好ましい一実施では、反応生成物を350K未満の温度に急冷することができる。
【0023】
略さず記載した「P4O6」という用語は、P4O6のあらゆる凝集状態を包含する。しかし、学術的にいえば反応媒体の調製において固体種を使用できるが、45℃〜200℃の温度での反応に関与するP4O6は必然的に液体または気体であると想定される。
【0024】
好ましくは液体形態であるP4O6(融点23.8℃; 沸点173℃)を、
- pHを5未満、好ましくは3未満、特に2またはそれ未満に維持するのに十分なリン酸の一部を好ましくは含む水性反応媒体に添加することでP4O6の添加/加水分解を完了させた後、IDAおよび残りのリン酸を添加するか; または
- IDA成分、およびpHを常に5未満、好ましくは3未満、特に2またはそれ未満に維持するのに十分なリン酸の一部を含む水性反応媒体に添加し、
- 反応液のpHを常に5未満、好ましくは3未満、特に2またはそれ未満に維持するという条件で、リン酸を好ましくは含む水性反応媒体に、IDAと同時に添加する。
【0025】
したがって、反応媒体は、P4O6加水分解物、および場合によっては塩としてのIDAを含む。加水分解は20℃〜最大約150℃の温度条件で行われる。例えば最大200℃、さらにはそれ以上の高温が使用可能であるが、一般にそのような温度は、オートクレーブの使用を必要とするか、または上昇した自己圧力(autogeneous pressure)下である可能性のある連続的様式で行われうる。P4O6添加中の温度上昇は、発熱加水分解反応により生じることがあり、ホルムアルデヒドとの反応に必要でありうる温度条件を反応混合物に与えると見出された。P4O6加水分解をIDAの存在下で行う、すなわち、P4O6を添加する前にIDAが反応媒体中に存在する場合、あるいは、IDAをP4O6と同時に添加する場合、上記で列挙したpH条件を厳密に観察するものとする。
【0026】
液体形態であるP4O6(融点23.8℃; 沸点173℃)を、上記のようにリン酸の一部を好ましくは含む水性反応媒体に添加するか、あるいは、P4O6をIDAと同時に、特定のpH規定に従った、すなわち常に5未満の、好ましくは3未満の、特に2またはそれ未満のpHを有する、リン酸を含む反応媒体に添加する。一般に周囲温度、好ましくは45℃よりも高い温度で出発して攪拌下でP4O6を反応混合物に添加する。
【0027】
必須ホルムアルデヒド成分は周知の商品構成要素である。式CH2Oを有するオキシメチレンとして知られる厳密な意味でのホルムアルデヒドは、変動しうる多くの場合微量の、例えば0.3〜3%の量のメタノールを含む水溶液として生産および販売され、典型的には37%ホルムアルデヒド基準で報告されているが、異なる濃度も使用可能である。ホルムアルデヒド溶液はオリゴマーの混合物として存在する。そのようなホルムアルデヒド前駆体は、例えば、通常はかなり短いn = 8〜100の鎖長の直鎖状ポリ(オキシメチレングリコール)とトリオキサンおよびテトラオキサンという用語でそれぞれ呼ばれるホルムアルデヒドの環状の三量体および四量体との固体混合物であるパラホルムアルデヒドで表されうる。
【0028】
ホルムアルデヒド成分は、R1およびR2が同一でもまたは異なっていてもよく、かつ水素および有機基の群より選択される、式R1R2C=Oを有するアルデヒドおよびケトンでも表されうる。R1が水素である場合、材料はアルデヒドである。R1およびR2の両方が有機基である場合、材料はケトンである。有用なアルデヒドの種は、ホルムアルデヒドに加えてアセトアルデヒド、カプロアルデヒド、ニコチンアルデヒド、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド、p-トルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒドおよび3-アミノベンズアルデヒドである。本明細書における使用に好適なケトン種はアセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、ブチロン、アセトフェノンおよび2-アセトニルシクロヘキサノンである。
【0029】
本発明に係る反応は、当技術分野において日常的に知られている様式で行う。実験的な提示に示すように、必須の反応パートナーを組み合わせて、反応混合物を通常は45℃〜200℃の範囲の温度、高圧を使用する場合はより高い温度、より好ましくは70℃〜150℃に一般的には1分間〜10時間、好ましい一つの実施では100℃〜150℃に15分間〜4時間加熱することによって、方法を行うことができる。温度上限は、亜リン酸反応物の任意の実質的に不適切な熱分解を防ぐことを実際に目的とする。亜リン酸、より一般的には任意の他の個々の反応パートナーの分解温度が圧力などのさらなる物理的パラメータ、ならびに反応混合物中の成分の質的および量的パラメータに応じて変動しうるということが理解されかつ周知である。
【0030】
本発明の方法は、好ましい態様において、P4O6の加水分解に必要な化学量論レベルを超えて添加された水の実質的な排除下で行うことができる。しかし、本発明の方法に係る反応、すなわちN-C-P結合の形成が水を発生させることが理解される。P4O6加水分解が完了した後、残留水の量は、水の重量がイミノ二酢酸の重量に対して表された0%〜60%となる量である。
【0031】
特許請求される技術は、システムにとって異質の成分の除外下でシステムがその明らかに著しい利点を伴って機能するという点で特に有利であると理解される。反応生成物の分離後に反応媒体、すなわち母液の残りの部分を一般に容易に再循環させることができるという事実を特に考慮すると、本発明の文脈内では、リン酸は準システム成分と考えられる。いくつかの場合では、水および/または水溶性有機希釈剤を添加することで反応生成物の不溶解度を高めることができる。そのような進行は、分離技術分野において周知の日常的手段を必要とする。好適な有機溶媒の例としてはアルコール、例えばエタノールおよびメタノールが挙げられる。使用される沈殿添加剤、例えば水/アルコールのレベルは反応媒体に応じて異なり、日常的に決定可能である。母液を再循環させる前に例えば蒸留によって有機溶媒を除去すべきであることはいうまでもない。
【0032】
液相から不溶性アミノアルキレンホスホン酸反応生成物を、例えば回収目的で、当技術分野で公知の物理的手段、例えば沈降、濾過または圧搾によって分離することができる。同様の処理の例としては、時として例えばサイクロン中で遠心力を用いることによる重力沈降; スクリーン濾過、減圧濾過または遠心濾過; およびバッチプレスまたは連続プレス、例えばスクリュープレスを使用する圧搾が挙げられる。
【0033】
本発明の反応は、周囲圧力でおよび反応温度依存して水の蒸留下で、行うことができ、これにより最小量の未反応ホルムアルデヒドも除かれる。反応の持続時間は、実質的に瞬間的な時間、例えば1分から、例えば10時間という長時間まで変動しうる。この持続時間は一般に、ホルムアルデヒドおよび場合によっては他の反応物の、反応中の漸進的添加を含む。1つの方法設定では、亜リン酸、IDAおよびリン酸を反応器に添加した後、例えば45℃〜150℃の範囲の温度で出発してホルムアルデヒド成分の漸進的添加下でこの混合物を加熱する。この反応は、周囲圧力下で、通常は水および何らかの未反応ホルムアルデヒドを蒸留してまたは蒸留することなく行うことができる。
【0034】
別の操作機構では、反応は閉鎖容器中にて上昇した自己圧力下で行うことができる。この方法では、反応パートナーを全体的または部分的に、最初に反応容器に添加する。部分的混合物の場合、有効反応温度に到達するとすぐに、さらなる反応パートナーを単独でまたは任意の1つもしくは複数の他の反応パートナーと共に徐々に添加することができる。例えば反応中にホルムアルデヒド反応物を単独でまたはアミンもしくは亜リン酸の一部と共に徐々に添加することができる。
【0035】
さらに別の操作順序では、反応を、組み合わせた蒸留および圧力の機構で行うことができる。具体的には、反応物混合物を含む反応容器を、周囲圧力下で選択された反応温度に保つ。次に混合物を場合によっては連続的に、上昇した自己(オートクレーブ原理)圧力下で操作される反応器を通して循環させることにより、必要に応じてホルムアルデヒドまたはさらなる反応パートナーを徐々に添加する。反応は加圧下で実質的に完了し、その後、反応混合物は、密閉容器から離れ、かつ反応変数、特に温度に応じて水および他の未反応構成要素の蒸留が起こりうる反応器中に、再循環される。
【0036】
したがって上記の処理変数は、反応が種々の実質的に相補的な機構で行われうることを示す。したがって反応は、初期反応物、通常は亜リン酸、IDAおよびリン酸を(1)上昇した自己圧力下の密閉容器中で、または(2)還流条件下で、または(3)水および最小量の未反応ホルムアルデヒドの蒸留下で、好ましくは70℃〜150℃の範囲の温度に加熱することによる、実施例に示す通り、ホルムアルデヒド成分を反応中に徐々に添加するバッチ処理として行うことができる。特に好ましい態様では、反応を密閉容器中、100℃〜150℃の範囲の温度で、特にホルムアルデヒドの漸進的添加と同時に、1分〜30分、より好ましい実施では1分〜10分の持続時間内で行う。
【0037】
別のアプローチでは、反応物を反応混合物に好ましくは70℃〜150℃の範囲の温度で連続注入し、かつホスホン酸反応生成物を連続的に回収する、自己圧力である可能性のある連続処理として反応を行う。
【0038】
さらに別の機構では、ホスホン酸反応を連続的に行い、一方で成分の一部の間の予備的反応をバッチ式に行うことができる、半連続的構成で方法を表すことができる。
【0039】
反応生成物を、続いておよび必要に応じて、部分的または全体的に、塩基で、好ましくはアンモニア、アミン、アルカリ水酸化物、アルカリ土類水酸化物またはその混合物で中和することができる。
【0040】
反応媒体が均一であるという点、および、反応パートナーと製造される生成物の構成物とが同一である、すなわち、システムにとって異質の成分の除外下でシステムがその明らかに著しい利点を伴って機能するという点で、特許請求される技術が特に有利であることが理解される。これは、反応生成物の分離後に反応媒体、すなわち母液の残りの部分を一般に容易に再循環させることができるという事実を特に含む。いくつかの場合では、水および/または水溶性有機希釈剤を添加することで反応生成物の不溶解度を高めることができる。そのような進行は、分離技術分野において周知の日常的手段を必要とする。好適な有機溶媒の例としてはアルコール、例えばエタノールおよびメタノールが挙げられる。使用される沈殿添加剤、例えば水/アルコールのレベルは反応媒体に応じて異なり、日常的に決定可能である。
【0041】
母液を再循環させる前に例えば蒸留によって有機溶媒を除去すべきであることはいうまでもない。
【0042】
本発明を以下の例示的合成により示すが、それにより本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0043】
実施例1
メカニカルスターラーを備えた三つ口丸底フラスコ中で、イミノ二酢酸(IDA)33.28g(0.25mol)と亜リン酸20.5g(0.25mol、1当量)およびリン酸122.5g(1.25mol、5当量)とを混合した。反応混合物を140℃に加熱した。次にホルムアルデヒド(1.1当量)の36.6重量%水溶液20.68mlを60分かけて添加した。添加中、反応混合物の温度は140℃から125℃に減少した。ホルムアルデヒド添加の終わりに、反応混合物を還流下に30分間維持した。反応混合物を冷却することで形成された沈殿物を濾過により単離し、真水で洗浄した。乾燥後、沈殿物を1Hおよび31P NMRで分析して、純度81.3%のN-(ホスホノメチル)イミノ二酢酸(PMIDA、28g、収率61.2%)と同定した。
【0044】
実施例2
メカニカルスターラーを備えた三つ口丸底フラスコ中で、イミノ二酢酸(IDA)33.28g(0.25mol)と亜リン酸20.5g(0.25mol、1当量)、リン酸122.5g(1.25mol、5当量)および水13.6gとを混合した。反応混合物を130℃に加熱した。次にホルムアルデヒド(1当量)の36.6重量%水溶液18.80mlを118分かけて添加した。添加中、反応混合物の温度は130℃から124℃に減少した。ホルムアルデヒド添加の終わりに、反応混合物を還流下に30分間維持した。反応混合物を冷却することで形成された沈殿物を濾過により単離し、真水で洗浄した。乾燥後、沈殿物を1Hおよび31P NMRで分析して、純度94.4%のN-(ホスホノメチル)イミノ二酢酸(PMIDA、39.7g、収率79.5%)と同定した。
【0045】
実施例3
メカニカルスターラーを備えた三つ口丸底フラスコ中で、イミノ二酢酸(IDA)33.28g(0.25mol)と亜リン酸20.5g(0.25mol、1当量)、リン酸122.5g(1.25mol、5当量)および水13.6gとを混合した。反応混合物を140℃に加熱した。次にホルムアルデヒド(1当量)の36.6重量%水溶液18.80mlを118分かけて添加した。添加中、反応混合物の温度は140℃から130℃に減少した。ホルムアルデヒド添加の終わりに、反応混合物を還流下に30分間維持した。反応混合物を冷却することで形成された沈殿物を濾過により単離し、真水で洗浄した。乾燥沈殿物を1Hおよび31P NMRで分析して、純度91.4%のN-(ホスホノメチル)イミノ二酢酸(PMIDA、35.3g、収率71.7%)と同定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) イミノ二酢酸と、リン酸:亜リン酸のモル比が9:0.8〜1:1であるリン酸の存在下において0.7:1〜1.5:1の亜リン酸:イミノ二酢酸のモル比で使用される亜リン酸、および2:1〜0.5:1のホルムアルデヒド:イミノ二酢酸のモル比のホルムアルデヒドとを、45℃〜200℃の範囲の温度で1分間〜10時間反応させることにより、反応媒体に実質的に不溶性の生成物を得る段階;
(b) 該反応媒体から不溶性の反応生成物を分離し、かつ任意で該不溶性の反応生成物を水で洗浄する段階
を含む、下記式を有するホスホノアルキルイミノ二酢酸またはその塩の製造のための方法:
M2PO3-X-N-(CH2COOM)2
式中、XはC1〜6直鎖状または分岐状アルキル基であり; かつ、Mは水素、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウムおよびプロトン化アミンより選択される。
【請求項2】
XがC1〜4アルキレン基である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
リン酸:亜リン酸のモル比が6:1〜1.2:1であり、かつ亜リン酸:イミノ二酢酸のモル比が0.8:1〜1.3:1である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
リン酸:亜リン酸のモル比が4:1.5〜1.2:1であり、かつ亜リン酸:イミノ二酢酸のモル比が0.9:1〜1.1:1である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
ホルムアルデヒド:イミノ二酢酸のモル比が1.5:1〜0.7:1である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記反応生成物の分離後に母液を前記反応媒体中に再循環させる、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
70℃〜150℃の範囲の温度において、以下より選択されるアプローチと組み合わせて前記反応を行う、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法:
- 周囲圧力下で水および未反応ホルムアルデヒドを蒸留してまたは蒸留することなく該反応を行うこと;
- 上昇した自己圧力(autogeneous pressure)下の密閉容器中で該反応を行うこと;
- 反応混合物を含む反応容器を周囲圧力下で前記反応温度に保った後、上昇した自己圧力下で操作される反応器を通して該反応混合物を循環させることにより、ホルムアルデヒドおよび他の反応物を徐々に添加する、組み合わせた蒸留および圧力の機構で、該反応を行うこと; ならびに
- 該反応物を該反応混合物に連続的に注入し、かつホスホン酸反応生成物を連続的に取り出す、上昇した自己圧力下であってもよい、連続処理機構。
【請求項8】
- Xがメチレンであり;
- リン酸:亜リン酸のモル比が6:1〜2:1であり;
- ホルムアルデヒド:イミノ二酢酸のモル比が1.3:1〜0.8:1であり;
- 前記温度が100℃〜150℃であり; かつ
- 継続時間(期間)が10分〜4時間である、
請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
- リン酸:亜リン酸のモル比が5:1〜3:1であり;
- 亜リン酸:イミノ二酢酸のモル比が1.1:1〜0.9:1であり;
- ホルムアルデヒド:イミノ二酢酸のモル比が0.9:1〜1.1:1であり;
- 前記温度が110℃〜140℃であり; かつ
- 前記継続時間(期間)が30分〜2時間である、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記反応媒体中の塩素のレベルが、前記亜リン酸(100%)に対して表された2000ppmまたはそれ未満である、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
前記反応媒体中の塩素のレベルが、前記亜リン酸(100%)に対して表された塩素400ppm未満である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記反応媒体中の塩素のレベルが、前記亜リン酸(100%)に対して表された塩素200ppm未満である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
(a) 水および前記リン酸に加え前記イミノ二酢酸を含む前記反応媒体中のpHを5未満に維持するレベルでリン酸を含む、水性反応媒体に; または
(b) pHを常に5未満に維持するように該イミノ二酢酸および該リン酸を含む、水性反応媒体に; または
(c) 該反応媒体のpHを常に5未満に維持するという条件で該イミノ二酢酸と同時に水性反応媒体に
P4O6を添加することによって、前記亜リン酸をインサイチューで調製する、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
酸素およびリンを本質的に化学量論的な量で、反応装置内で1600〜2000Kの範囲の温度において0.5〜30秒の反応滞留時間で反応させた後、前記反応生成物を700K未満の温度で急冷し、かつ該反応生成物を蒸留によって精製することで、前記P4O6を製造する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記P4O6中のリン元素のレベルが、P4O6(100%)に対して表された1000ppm未満である、請求項14記載の方法。

【公表番号】特表2013−508440(P2013−508440A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535799(P2012−535799)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066210
【国際公開番号】WO2011/051309
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(510011787)ストレイトマーク・ホールディング・アーゲー (10)
【Fターム(参考)】