説明

ホッパー用押込み棒

【課題】ホッパー内の充填物を包装袋に充填するために使用するホッパー用押込み棒を提供する。
【解決手段】昇降機構により逆円錐台状のホッパーに挿脱して茶葉のように流動性の悪い充填物を押出す押込み棒20であって、垂直棒22の先端に少なくとも2段以上のピン23a、23bを互いに角度を90度変えて水平方向に突き出すように取り付ける。また垂直棒20およびピン23a、23bを中空管とし、圧縮空気を吹き出す構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホッパーを介して製品を袋の充填する際に、ホッパーにブリッジが生じて充填できないときに使用するホッパー用押込み棒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホッパー内に充填の製品を袋詰する際には、自由落下で充填できるのが望ましいが、例えば、茶葉のように流動性が悪いものは、押込み棒をホッパー内で往復動して排出することがされている。
また、特開2004-210503号公報には、ホッパー内の破砕異形物を空気輸送するにあたって、ホッパー内には往復動する押込み棒を備えている。尚、この押込み棒の先端部には、リング体や放射状に伸びた複数のアーム体が取り付けてある。そして、ホッパー内の異形物を空気輸送するに当たって、前記押込み棒を往復動することによって、ホッパーに生ずるブリッジを無くして円滑に排出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-210503平号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホッパー内の製品を排出するに当たって、例えば、茶葉のように流動性が悪いものに対して、先端部が杵の押込み棒をホッパー内で往復動すると、益々、茶葉がホッパーの出口付近で詰まり、うまく排出されない。
また、先端部にリング体や放射状のアームを供えている押込み棒を往復動することは、ブリッジを無くして、排出できる有効な手段であるが、例えば、茶葉には必ずしも有効ではない。
そこで、本願では、簡便な構造で、且つ、流動性が悪い製品に適用できるホッパー用押込み棒を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1のホッパー用押込み棒は、押込み棒の垂直棒に少なくとも2段以上にピンを取り付けることである。
又、請求項2のホッパー用押込み棒は、各段のピンは平面視の角度を90度に配置してある。
又、請求項3のホッパー用押込み棒は、各段のピンの先端から空気を噴出する。
【発明の効果】
【0006】
本願発明のホッパー用押込み棒によって、ホッパー内の充填物を押し出すことと、ほぐすことができ、ホッパー内の充填物を残すことなく包装袋に詰めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ホッパーと押込み棒及び包装袋の正面図である。
【図2】(A)は図1の平面図、図2(B)は押込み棒の正面図と側面図である。
【図3】押込み棒を使用するときの作用図である。
【図4】他の押込み棒を使用するときの系統図である。
【図5】他の押込み棒を使用するときの作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はホッパーと押込み棒及び包装袋の正面図であり、図2(A)は図1の平面図、図2(B)は押込み棒の正面図と側面図である。図3、図5は、押込み棒を使用するときの作用図である。尚、図1、図4の仮想線の押込み棒は、降下した状態を表す。
このホッパー10と押込み棒20は、例えば、ロータリー式充填機に使用するものであり、左右一対のアーム5の先端部に備えた狭着具6で包装袋7の両端を掴み、前記包装袋7を開口すると共に、ホッパー10内に充填された製品(例えば、茶葉等)を落下させて、包装袋7内に充填するものである。
【0009】
ホッパー10は、金属製等の円錐台状であり、上部10aと底部10bが開口されていて、ここに開示のホッパーは、上部10aの口径が70mm、底部10bの口径は35mm、上部10aから底部10bまでの高さが200mmである。
又、押込み棒20は、昇降装置(図示略)で昇降可能になっていて、ホース21にナット等を介して接続されている。また、この押込み棒20は、図2(B)に示すように、長さ(L)100mm、口径(a)8mmの丸状の垂直棒22と、その垂直棒22に先端から10mmの位置に、直線に形成の2本の第1段ピン23aが、更に、その第1段ピン23aから上方に、30mm(L1)の位置で、且つ、前記第1段ピン23aに対して平面視、90度回転した方向に直線に形成の2本の第2段ピン23bが取り付けてある。
尚、前記第1段ピン23aと第2段ピン23bは、共に、前記垂直棒22に角度θ1、θ2(図2(B)では90度)に、口径(b)が4mm、両端の長さ(L2)が25mmの金属丸棒である。
【0010】
尚、前記垂直棒22の口径は、底部10bにおけるホッパー10の口径の1/4程度で、例えば、ホッパー10に茶葉が充填されているとき、前記垂直棒22をホッパー10の上部から下降させたとき、茶葉を詰まらせることなく(圧縮することなく)ホッパー10の底部10bから排出できるものである。
又、前記第1段ピン23aと第2段ピン23bの口径(b)は、前記垂直棒22の口径(a)の1/2程度で、両端の長さ(L2)はホッパーの底部10bで5mm程度の隙間をあけ、茶葉を詰まらせることなく(圧縮することなく)ホッパー10の底部10bから排出できるものである。
【0011】
次に、前記構成における押込み棒20の動作について図3を参照して説明する。
左右の狭着具6で掴れた包装袋7を開口し、充填物が充填されたホッパーの底部10bが、包装袋7内になるまで下降させ(A)、その後に、押込み棒20を降下させる(B)。この押込み棒20は、ホッパー10内を下降して、底部10bから突出させると、充填物の一部は包装袋7内に落下する(C)。次に、押込み棒20を上昇させると(D)、充填物は第1段ピン23aと第2段ピン23bによって、ほぐされ、ホッパー10から落下して、包装袋7に充填される(E,F)。
【0012】
次に、図4は、他の構成の押込み棒50であり、図1に示す部品と同じ作用をする部品には同じ符号付す。
この押込み棒50は、前記押込み棒20と同じ形状であり、垂直棒52には前記第1段ピン23a、第2段ピン23bと同じ形状の第1段ピン51aと第2段ピン51bが付設してあるが、それらのピン51a、51bの先端部から空気が噴出して、更に、充填物をほぐす点を異にしている。
コンプレッサー(図示略)で製造される圧縮空気は、電磁弁53を介して、昇降可能なスパイラルチューブ54に接続してある。又、そのスパイラルチューブ54の端部は配管継ぎ手55に接続してあり、その配管継ぎ手55は昇降するホルダ56に固定してある。そして、前記配管継ぎ手55に接続の配管(又はチューブ)57は、前記押込み棒50にソケット、ナット58等を介して接続してある。
一方、前記押込み棒50を構成する垂直棒52、第1段ピン51a、第2段ピン51bには、前記コンプレッサーで製造される圧縮空気を電磁弁53を介して導くために、誘導孔(図示略)が形成してあると共に、第1段ピン51aと第2段ピン51bの先端部には噴出孔(図示略)が形成してある。尚、前記電磁弁53のON,OFFにより、前記噴出孔から圧縮空気は噴出する。
また、前記第1段ピン51aと第2段ピン51bの先端の噴出孔(図示略)の向きは、下方向、上方向、ホッパーの壁に向けての水平方向等、充填物の種類、状態を考慮して選定する。
【0013】
この押込み棒50の使用について図5を参照して説明すると、左右の狭着具6で掴れた包装袋7を開口し、充填物が充填されたホッパーの底部10bが、包装袋7内になるまで下降さる(A)。そして、押込み棒50を下降させて、充填物に当たるときから、充填物がホッパー10から吹きこぼれない程度の空気を、ピンの先端の噴出孔(図示略)から噴出する(B)。そして、押込み棒50が、底部10bから突出すると、充填物が包装袋7内で舞い上がらないように、空気の供給を停止し、充填物の一部は包装袋内に落下する(C)。
【0014】
次に、押込み棒50を上昇させて、押込み棒50がホッパー10内になると、ピンの先端の噴出孔(図示略)から空気の噴出を開始し(D)、充填物は前記噴出する空気と第1段ピンと第2段ピンによって、ほぐされ、ホッパーから落下して、包装袋7に充填される(E,F)。尚、前記噴出空気は、押込み棒50の先端が、充填物がない状態になったら停止する。
以上の工程により、ホッパー内の充填物は、ピン23によるほぐれの他に、空気によるほぐれがあり、より良好に、充填物を包装袋内に充填することができる。
【0015】
尚、前記ピンは、テストの結果、直線に形成の2本の第1段ピン23a,51aと直線に形成の2本の第2段ピン23b、51bの2段で構成するのが好ましいが、充填物の種類と形状を考慮の上、ホッパー10の口径や高さ、多い充填量の場合には、3段以上で構成してもよいし、各段におけるピンは、互いに、平面視、90度回転した状態で順次取り付けるのが好ましいが、ピンの取り付け方向は、順次、鋭角である螺旋状に形成してもよい。又、各段におけるピンの数は垂直棒に対して2本であるが、複数本であってもよい。
又、垂直棒に対する各ピンの取り付け角度(θ1、θ2)は、図1に示すように直線に形成の2本となる垂直の他、上傾斜,あるいは下傾斜の鋭角に、且つ、各段におけるピンは、垂直軸に対称に形成する他に、垂直軸からの片方を上傾斜に、他方を下傾斜の非対称に形成してもよい。
以上のように、前記垂直棒の口径、各段におけるピンの口径、ピンの取り付けの数(段数)、垂直棒に対する取り付け角度(θ1、θ2)等は、ホッパー10の大きさ、充填する物品により適宜選定する。
【符号の説明】
【0016】
7 包装袋
10 ホッパー
20 押込み棒
23 ピン
23a 第1段ピン
23b 第2段ピン
23a 前記第1段ピン
50 押込み棒
51a 第1段ピン
51b 第2段ピン
53 電磁弁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパー内の充填物を押し出す押込み棒であって、
前記押込み棒の垂直棒に少なくとも2段以上にピンを取り付けることを特徴とするホッパー用押込み棒。
【請求項2】
各段のピンは平面視の角度を90度に配置することを特徴とする請求項1のホッパー用押込み棒。
【請求項3】
各段のピンの先端から空気を噴出することを特徴とする請求項1又は請求項2のホッパー用押込み棒。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−251746(P2011−251746A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127615(P2010−127615)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000108281)ゼネラルパッカー株式会社 (65)
【Fターム(参考)】