説明

ホログラム記録媒体

【課題】生保存性に優れたホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】プラスチックカード10に付加されたホログラム記録層12を保護する保護層14の吸水率を0.01%以下とすると、ホログラムメモリ2の生保存性が著しく向上し、未記録のままで長期間保存した後であっても、ホログラムの記録・再生により鮮明な画像を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録媒体に係り、特に、光照射によりホログラムを記録可能なホログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカードに代表されるプラスチックカードには、偽造防止、真贋判定などの目的でレインボーホログラムが付加されている。レインボーホログラムは原版から大量複製されるため、全て同じイメージホログラムである。最近では、例えばソニー(株)が開発した「FeliCa(フェリカ)(R)」等のようにレインボーホログラムを付加した非接触型ICカードも普及している。また、光メモリを搭載したICカードも提案されている(特許文献1)。
【0003】
一方、本発明者等は、紙、プラスチックカード等の非光学品質のシート部材上に記録層を形成した記録媒体にホログラムを記録し、記録されたホログラムを高いS/N比で再生する記録・再生方法を発明し、既に出願している(特許文献2)。また、本出願人は、この技術を応用し、ID機能やセキュリティ機能を強化するためにホログラムメモリを搭載したプラスチックカードを開発している(非特許文献1)。
【0004】
このホログラムメモリには、個別に異なるホログラムを搭載することができる。即ち、任意の情報をオンデマンドで書き込むことができる。このため、指紋や虹彩等の認証用のバイオメトリクス情報やテキスト/動画などのデジタル情報をホログラムとして保持することができ、多目的メモリとしての活用も期待されている。また、書き込むホログラムの形態としては、肉眼で認識できるイメージホログラムと、レーザ光照射等により機械読み取りするフーリエ変換ホログラムとがある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−67203号公報
【特許文献2】特願2004−119058号
【非特許文献1】http://www.fujixerox.co.jp/research/category/inbt/m_photonics/docs/holoca.pdf
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、書き込みが可能な未記録のホログラム記録媒体(生ホログラムカード)は生保存性が悪い、という問題がある。一般に、光照射により情報を記録する記録媒体は生保存性が悪く、例えばハロゲン化銀等の感光材料を用いた記録媒体は遮光した状態で保存されている。生ホログラムカードの場合には、遮光した状態で保存しただけでは、ホログラムの記録・再生により鮮明な画像を得ることができない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決すべく成されたものであり、本発明の目的は、生保存性に優れたホログラム記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、鋭意研究の結果、保護層に用いたフィルムの吸水性によりホログラム記録媒体の生保存性が大きな影響を受けることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明のホログラム記録媒体は、書き込み光を照射することによりホログラムを記録可能な記録層と、前記記録層を保護するために前記記録層上に設けられ、吸水率が0.01%以下の保護層と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
理由は定かではないが、本発明のホログラム記録媒体では、記録層を保護する保護層の吸水率を0.01%以下とすることで、ホログラム記録媒体の生保存性が著しく向上する。即ち、未記録のままで長期間保存した後であっても、ホログラムの記録・再生により鮮明な画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、生保存性に優れたホログラム記録媒体を提供することができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0013】
[ホログラムカード]
図1は、本実施の形態に係るホログラムカードの平面図である。このホログラムカードは、プラスチックカード10と、プラスチックカード10の円形の凹部(後述する凹部10A)に嵌め込まれたホログラムメモリ2とから構成されている。プラスチックカード10は、一般に表面粗さが1μm以上であり、非光学品質である。また、本実施の形態では、プラスチックカード10の表面に、写真画像6及び文字画像8が予め印刷されている。
【0014】
ホログラムメモリ2の中央部には、フーリエ変換ホログラムが記録されるフーリエ領域2Aが設けられ、フーリエ領域2Aの周辺には、イメージホログラムが予め記録されたイメージ領域2Bが設けられている。フーリエ領域2Aとイメージ領域2Bの各々にホログラムを記録することにより、オンデマンド情報を即時に付与することができ、ホログラムカードをオンデマンドで即時発行することが可能となる。
【0015】
例えば、図2に示すように、フーリエ領域2Aには、印刷された写真画像6の画像データに基づいて顔画像4のフーリエ画像を記録することができる。このように、ホログラムメモリ2のフーリエ領域2Aに、プラスチックカード10に付加された情報と関連する情報を記録することで、両者の連携によりID機能が強化される。また、フーリエ領域2Aには、顔画像4の他、指紋や虹彩等のバイオメトリクスデータを記録してもよい。
【0016】
図3は、図1に示すホログラムカードのA−A断面図である。ホログラムメモリ2は、プラスチックカード10の凹部10Aに両者が略面一になるように嵌め込まれ、接着層16により凹部10Aの底部に固定されている。接着層16には、粘着性を有する両面テープ等が用いられる。
【0017】
ホログラムメモリ2は、ホログラムが記録されるホログラム記録層12、このホログラム記録層12を保護する保護層14、及び記録されたホログラムにより回折された回折光を反射する反射層18を備えており、反射層18上にホログラム記録層12が形成され、ホログラム記録層12上に保護層14が形成されている。また、プラスチックカード10から露出した保護層14の表面には、不要格子の記録を防止する反射防止膜19としてのARコートが施されている。
【0018】
ホログラム記録層12は、ホログラムの書き込みが可能な記録層であれば特に制限はなく、記録層を構成する材料としては、無機系又は有機系のホログラム記録材料を用いることができる。中でも、本発明においては、ホログラム記録媒体の製造性や、ホログラム記録媒体に柔軟性を付与できること、また、屈折率を変化させる場合に外部電場が不要である等の点から、有機系のホログラム記録材料を用いることが特に好ましい。
【0019】
有機系のホログラム記録材料としては、例えば、デュポン社製、「オムニデックス(OmniDex)(R)」等のフォトポリマーの外、フォトリフラクティブ効果を示すポリマー材料や、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステル(特開平10−340479号公報参照)に代表されるアゾポリマー等の偏光感応材料が使用される。フォトリフラクティブ材料、偏光感応材料は、光誘起屈折率変化あるいは光誘起二色性を示すと共にこれらの特性が常温で保持されるため、光照射により記録されたホログラムを消去して、新たなホログラムを記録すること、即ち、ホログラムの書き換えが可能であり、好ましい。
【0020】
また、セキュリティ向上の観点からは、一度だけ書き込みが可能なフォトポリマーの利用が特に好ましい。この場合は、カード発行時に発行元とカード所有者の情報をホログラムとして記録しておくと、フォトポリマーはホログラムの書き換えが不可能であるため、カードの偽造が困難になる。
【0021】
ホログラム記録層12の厚さは、嵩高さを防止する観点から、0.1μm〜200μmの範囲が好ましく、回折効率を高くとるためには10μm〜30μmの範囲がより好ましい。ホログラム記録層に記録されるホログラムが平面ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが薄いか同程度の場合)の場合には、膜厚は3μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。また、体積ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが同程度から数倍以上の場合)の場合には、膜厚は100μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、250μm〜1mmの範囲内であることがより好ましい。
【0022】
保護層14は、記録・再生に使用するレーザ光に対し透明で且つフレキシブルな樹脂フィルムから構成されている。保護層14、即ち、保護層14を構成する樹脂フィルムの吸水率は0.01%以下である。この通り、樹脂フィルムの吸水率を0.01%以下とすることで、ホログラムメモリの生保存性が顕著に向上する。「吸水率(%)」は、ASTM D570に従い測定した値である。このような特性を示す樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(COP)が挙げられる。これらの中でも、透過率、ヘイズ値等、光学特性に優れたCOPが好ましい。
【0023】
保護層14の厚さは、嵩高さを防止する観点から、1μm〜200μmの範囲が好ましく、この範囲の中では薄ければ薄いほど好ましい。保護層14を構成する樹脂フィルムの記録や再生に利用される光に対する透過率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率は、JISK 7361−1に準じ、ヘイズメーター(REFLECTANCE−TRANSMITTANCE METER:(株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
【0024】
また、樹脂フィルムのヘイズ値(曇り度)は3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。ヘイズ値とは、拡散透過率を全光線透過率で除したものを百分率(%)で表した値(拡散透過率÷全光線透過率×100)であり、上記ヘイズメータで測定することができる。ヘイズ値は透明性の指標であり、ヘイズ値が小さいほど透明性に優れている。
【0025】
また、図3に示す構成では、ホログラム記録層12とは逆側の表面にARコートを施す等して反射防止膜19が設けられている。反射防止膜19は必須ではないが、ホログラム記録時に保護層14の表面反射による不要格子の書き込みを防止するために、反射防止膜19を設けることが好ましい。
【0026】
反射層18は、フレキシブルな樹脂フィルム等の基材上に、記録・再生に使用するレーザ光に対する反射率が70%以上である光反射性材料からなる薄膜を形成して構成されている。即ち、反射層18は、樹脂フィルムと光反射性材料とで構成されている。
【0027】
反射層18の樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、テトラアセチルセルロース(TAC)等の樹脂フィルムの外、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSF)、COP等のエンジニアプラスチックフィルムを用いることができる。これらの中でも、耐溶剤性に優れたPET、PES、PEI、PSF、COPが好ましい。
【0028】
光反射性材料としては、例えば、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Cr、Mg、Sb、Pb、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb等の金属及び金属化合物、ガラス等を挙げることができる。これらの中でも、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼が好ましく、Alが特に好ましい。上記の光反射性材料は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
【0029】
反射層18は、上記の光反射性材料を、ポリエステル樹脂等のフィルムに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、めっき等することにより形成することができる。反射層18としては、例えば、Al蒸着されたPETフィルム等を用いることができる。樹脂フィルムの厚さは、プラスチックカード10等の下地表面への追従性と作製プロセス中の変形回避の観点から、10μm〜200μmの範囲が好ましく、50μm〜150μmの範囲がより好ましい。光反射性材料からなる薄膜の厚さは、10〜10,000オングストロームが望ましく、200〜2,000オングストロームが好ましい。
【0030】
光反射性材料からなる薄膜が形成された樹脂フィルムは、その表面特性が非常に重要であり、ホログラム記録層12に接する表面の十点平均粗さRzが、読み出し光の波長より小さいことが好ましく、読み出し光の波長の1/2以下であることがより好ましい。
【0031】
ホログラム記録層12に接する表面の十点平均粗さRzが読み出し光の波長より小さい反射層であれば、反射層18の表面凹凸による光の散乱が抑制され、画像劣化が無くホログラムが再生できる。一方、読み出し光の波長と同じ大きさのRzで、全く利用できないほどの劣化が生じた。即ち、基材がフレキシブルなプラスチックカードであっても、反射層18のRz値が波長以下の領域であれば、良好なホログラムの記録再生が可能である。
【0032】
また、十点平均粗さRzが、書き込み光の波長より小さいことが好ましい。十点平均粗さRzを書き込み光の波長より小さくすることで、ホログラムの記録時にも反射層18の表面凹凸による光の散乱が抑制され、ホログラムを高い精度で記録することができる。例えば、書き込み光の波長が532nm、読み出し光の波長が640nmである場合には、十点平均粗さRzが300nm以下であることが好ましい。
【0033】
十点平均粗さRzは、評価長で計算されたRtiの連続値に対する平均値である。Rtiは、サンプリング長に存在するプロフィールの最も高い値と最も低い値との垂直方向の距離であることから、Rzは、下記式で与えられるように、ピーク谷間の最も大きな隔たりがあるもの同士の平均値となる。
【0034】
【数1】

【0035】
ここで、Hiは解析中に見つかった最も高い値の位置であり、Liは最も低い値の位置である。
【0036】
なお、上記の十点平均粗さRzは、日本ビーコ(株)製の3次元表面形状粗さ測定装置により測定することができる。
【0037】
[ホログラムカードの製造方法]
次に、上記ホログラムカードの製造方法について説明する。
図4は、ホログラムカードを製造する工程を示す工程図である。まず、図4(A)に示すように、凹部10Aが形成された非光学品質のプラスチックシート10を用意する。凹部10Aは切削等により形成することができる。
【0038】
次に、図4(B)に示す3層構成シート50を作製する。フレキシブル樹脂フィルムにホログラム記録材料を塗布して、保護層14上にホログラム記録層12を形成する。次に、ホログラム記録層12を間に挟んで、フレキシブル樹脂フィルムに金属が蒸着された樹脂フィルムを圧着して、反射層18を形成する。これにより、反射層18上にホログラム記録層12及び保護層14が積層された3層構成シート50が作製される。
【0039】
次に、図4(C)に示すように、3層構成シート50を円形に型抜きして、ホログラムメモリ2に相当する部分を作製する。そして、図4(D)に示すように、型抜きされたシート片を、プラスチックカード10に形成された凹部10Aに接着剤を介して嵌め込むと、図1及び図3に示すホログラムカード10が完成する。
【0040】
なお、3層構成シート50は、金属が蒸着された樹脂フィルムにホログラム記録材料を塗布して、反射層18上にホログラム記録層12を形成し、次に、フレキシブル樹脂フィルムを圧着して、記録層12上に保護層14を形成することによっても、作製することができる。
【0041】
[ホログラムの記録・再生]
図5に、ホログラムを記録するための記録装置を示す。この記録装置は、レーザ光源20を備えており、レーザ光源20からは、コヒーレント光であるレーザ光が発振され、照射される。レーザ光源20のレーザ光照射側には、レーザ光を参照光用の光と信号光用の光とに分離する偏光ビームスプリッタ22が配置されている。
【0042】
偏光ビームスプリッタ22の光透過側には、参照光用のレーザ光を反射して光路をホログラム記録層12の方向に変更する反射ミラー24が配置されている。反射ミラー24は、反射したレーザ光を、ホログラム記録層12に参照光として照射する。偏光ビームスプリッタ22の光反射側には、信号光用のレーザ光を所定の反射角で反射して光路をホログラム記録層12の方向に変更する反射ミラー26と、レンズ28、30、32で構成されたレンズ系とが順に配置されている。
【0043】
レンズ30とレンズ32との間には、液晶表示素子等で構成され、制御部(図示せず)から供給された記録信号に応じて信号光用のレーザ光を変調し、ホログラムを記録するための信号光を生成する透過型の空間光変調素子34が配置されている。レンズ28、30は、レーザ光を大径のビームにコリメートして空間光変調素子34に照射し、レンズ32は、空間光変調素子34で変調されて透過された信号光を集光させる。
【0044】
このとき、信号光は、ホログラム記録層12の出射側の面から離間した位置に焦点を結ぶように集光され、フーリエ変換された信号光と参照光とが同時にプラスチックカード10に付加されたホログラム記録層12に同じ側から照射される。これにより透過型のフーリエ変換ホログラムが記録される。
【0045】
次に、記録されたホログラムを再生する方法について説明する。図6に、ホログラムを再生するための再生装置を示す。この再生装置は、レーザ光源36を備えている。レーザ光源36からは、コヒーレント光であるレーザ光が発振され、プラスチックカード10に付加されたホログラム記録層12に、参照光(読み出し光)として照射される。ホログラム記録層12の再生光出射側には、アパーチャ40、レンズ42、及びCCD等の撮像素子で構成された検出器44が配置されている。検出器44は、制御部(図示せず)に接続されている。
【0046】
ホログラム記録層12に読み出し光が照射されると、記録された透過型ホログラムにより参照光が回折され、信号光が再生される。反射層18のホログラム記録層12に接する表面の十点平均粗さRzを読み出し光の波長より小さくすることで、光の散乱が抑制され、記録されたホログラムが高いS/N比で再生される。
【0047】
このとき、一部の参照光はプラスチックカード10の表面で乱反射される。しかしながら、アパーチャ40は、再生光が焦点を結ぶ位置に配置されているので、再生光はアパーチャ40を通過するが、散乱光は遮断される。アパーチャ40を通過した再生光はレンズ42によりコリメートされて、検出器44により受光される。受光された再生光は、検出器44により電気信号に変換されて、制御部(図示せず)に入力される。
【0048】
読み出し光は、記録時に用いた参照光とは波長が異なっていてもよい。読み出し光としては、記録時に用いた参照光より長波長の光が好ましい。長波長のレーザ光源が安価であることに加え、読み出し光を長波長の光とすることで、再生光の集光角度が狭くなり、アパーチャ40の作製精度が緩和される。
【0049】
アパーチャ40は、再生光のフーリエ変換像の低次成分を選択的に透過させる大きさとすることが好ましい。具体的には、再生光のフーリエ変換像の0次及び1次の成分を選択的に透過させる大きさであれば、信号光をエラー無く再生することができる。良好なS/N比を得るためには、再生光のフーリエ変換像の0次から2次までの成分を選択的に透過させる大きさが好ましく、0次から3次までの成分を選択的に透過させる大きさがより好ましい。
【0050】
データ画像をホログラムとして記録する場合、レンズによってデータ画像のフランフォーファ回折像を記録する。フランフォーファ回折像は、データ画像の振幅分布のフーリエ変換に比例することから、記録されたホログラムはフーリエ変換ホログラムと呼ばれる。フーリエ変換像はデータ画像の画素ピッチに由来する空間周波数成分を多く含む。従って、再生光から高次成分をカットしても、データ画像を再生することができる。また、同様の理由で、ホログラム記録層12や保護層14表面に付いた傷により一部の成分が欠落しても、データ画像を再生することができる。
【0051】
以上説明した通り、本実施の形態では、プラスチックカードに付加されたホログラム記録層に透過型ホログラムを記録し、これを再生するが、ホログラム記録層を保護する保護層の吸水率を0.01%以下とすることで、ホログラム記録媒体の生保存性が著しく向上し、未記録のままで長期間保存した後であっても、ホログラムの記録・再生により鮮明な画像を得ることができる。
【0052】
また、保護層に耐溶剤性に優れたシクロオレフィンポリマーを用いることで、ホログラム記録層に使用されるフォトポリマーから漏れ出す溶剤により保護層のヘイズが低下することがなく、ホログラム記録媒体の生保存性が更に向上する。
【0053】
[変形例]
なお、上記の実施の形態では、ホログラムメモリを搭載したプラスチックカードについて説明したが、本発明のホログラム記録媒体は、記録層が吸水率0.01%以下の保護層により保護される構成を備えていればよく、ホログラム記録媒体の形態は特に限定されない。また、非光学品質のシート部材は、プラスチックカードには限定されない。
【0054】
非光学品質のシート部材とは、いわゆる光学的粗面を備えたシート部材であり、情報保持体として形成された時から、シート部材の表面が、再生光の1/2波長以上の最大表面粗さを有している、及び/又は、再生光の照射領域内で1/2波長以上のたわみ・うねり等の起伏を有している。又は、当初は光学品質の表面であっても使用時間が経過することで、シート部材の表面に、曲げ、凹み、たわみ等の起伏が形成され、非光学品質に至るような部材である。
【0055】
シート部材の材質は、紙以外に、金属(アルミニウム等)、プラスチック、セラミック(アルミナ等)等でもよい。非光学品質のシート部材には、普通紙、塗工紙のほか、OHPシート、プラスチックカード等が含まれる。例えば、普通紙の表面粗さは8〜13μm程度であり、プラスチックカードの表面粗さは1μm以上である。
【0056】
本発明では、ホログラムメモリに、プラスチックカードに付加された情報と関連する情報を記録することで、両者の連携によりID機能やセキュリティ機能が強化される。従って、具体的には、偽造防止効果等、高いセキュリティが要求される、証券、パスポート、保険証、免許証、AD(公式認定証)、CD、DVD、半導体記憶媒体等をシート部材として用いることが考えられる。
【0057】
また、上記の実施の形態では、写真画像や文字画像をプラスチックカードに印刷することで、プラスチックカードに情報を付加する例について説明したが、プラスチックカードにIC等を埋め込んで情報を付加することもできる。非接触型ICを埋め込む場合は、アンテナの受送信を妨げないように、反射層の膜厚を調整する必要があり、例えばAl薄膜では200nm以下であることが好ましい。
【実施例】
【0058】
次に、具体的な実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
<ホログラムカードの作製>
厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン社製、「ゼオノア(R)ZF14」、吸水率0.01%以下、透過率92%、ヘイズ0.1%、屈折率1.53)に、アルミニウムを100nmの厚さで蒸着し、反射層用のAl蒸着フィルムを得た。得られたAl蒸着フィルムについて、日本ビーコ(株)製の3次元表面形状粗さ測定装置を用いてAl蒸着面での十点平均粗さRzを測定したところ、Rzは64.6nmであった。
【0060】
上記のシクロオレフィンポリマーフィルムを保護層として用い、このフィルム面上に、ホログラム記録材料として液状のフォトポリマー(日本ペイント社製)を120μmのギャップコータを用いて塗布し、塗布後に乾燥して溶剤を飛ばし、厚さ30μmのホログラム記録層を形成した。そして、このホログラム記録層が形成された面に、上記Al蒸着フィルムのAl蒸着面が接するように重ね合わせて圧着し、厚さ約230μmの3層構成シートを得た。
【0061】
「ゼオノア(R)ZF14」をフォトポリマーに含まれる溶剤に浸漬し、浸漬前後のヘイズ値を比較したところ、浸漬前は0.1%、浸漬後は0.1%と変化せず、溶剤耐性に優れていた。以下、溶剤耐性の評価を下記の基準で行った。
【0062】
ヘイズの変化は0.2%未満であった ……… ○
ヘイズが0.2%以上増加した ……… △
ヘイズが1%以上増加した ……… ×
【0063】
市販の塩化ビニル製のプラスチックカードに、コイン程度の大きさの円形の凹部(深さ約230μm)を形成した。上記の3層構成シートをこの凹部と同じ形状に型抜きし、型抜きされたシート片を、ホログラムメモリとしてプラスチックカードの凹部に面一になるように嵌め込んだ。こうして実施例1に係るカードサンプルAを得た。
【0064】
<ホログラムの記録・再生>
上記方法および構成で作製されたカードサンプルAに、実際に画像データをホログラム記録し再生像の評価を行った。図5に示した構成のホログラム記録装置を用い、記録用のレーザ光源20として発振波長が532nmのYAGレーザの第2高調波を利用した。空間光変調素子34としては、プロジェクタ用の液晶パネルを用いた。フーリエ変換レンズ32としては、焦点距離50mmのものを用いた。
【0065】
ホログラム記録装置に上記のカードサンプルAをセットし、空間光変調素子34に図7(A)に示す画像データを表示した。信号光および参照光の偏光は紙面に垂直なS偏光に揃え、信号光と参照光とを同じ側から照射して、ホログラムメモリに通常の強度変調ホログラムを記録した。露光条件としては、トータルの露光量が約100mJ/cmとなるようにレーザ強度および露光時間で調整した。記録領域はほぼ5mmΦであった。
【0066】
次に、図6に示した構成の再生装置を用い、再生用のレーザ光源36として発振波長が640nmの半導体レーザを利用し、アパーチャサイズを1mmφとした。このホログラム再生装置に、ホログラムの法線と参照光光軸のなす角が45ーとなるように記録済みのカードサンプルAをセットし、ホログラムの再生を行った。CCD44で検出された再生画像を図7(B)に示す。図示した通り、鮮明なフーリエ画像が再生された。
【0067】
以下、記録・再生された画像の評価を下記の基準で行った。結果を表1に示す。
鮮明な画像が再生された ……… ○
ややぼやけた画像が再生された ……… △
元の画像が認識できない画像が再生された ……… ×
【0068】
<生保存性試験>
未記録の上記カードサンプルAを、遮光ボックス中、25〜35℃、60〜85%RHの環境条件下で約1ヶ月間強制保存した。強制保存後、上記と同様の記録・再生を行い再生された画像を評価したところ、保存前と変わらず鮮明なフーリエ画像が再生された。結果を表1に示す
【0069】
【表1】

【0070】
(実施例2)
保護層に、厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン社製、「ゼオノア(R)ZF16」、吸水率0.01%以下、透過率93.7%、ヘイズ0.1%、屈折率1.53)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2に係るカードサンプルBを得た。「ゼオノア(R)ZF16」は溶剤耐性にも優れていた。
【0071】
得られたカードサンプルBについて、実施例1と同様に実際に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、実施例1と同様に鮮明なフーリエ画像が再生された。次に、実施例1と同様に強制保存後に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、実施例1と同様に鮮明なフーリエ画像が再生された。
【0072】
(比較例1)
保護層に、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、「ルミラー(R)」、吸水率0.3〜0.4%以下、透過率90.2%、ヘイズ1.7%、屈折率1.6)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1に係るカードサンプルCを得た。このポリエチレンテレフタレートフィルムは溶剤耐性にも優れていた。
【0073】
得られたカードサンプルCについて、実施例1と同様に実際に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、ややぼやけた画像が再生された。
【0074】
次に、実施例1と同様に強制保存後に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行った。CCD44で検出された再生画像を図7(C)に示す。図7(B)と比較すると明らかなように、カードサンプルCでは、再生像はひどく劣化し、元の画像を認識するには不十分な再生像しか得られなかった。
【0075】
(比較例2)
保護層に、厚さ100μmのポリカーボネートフィルム(帝人化成(株)製、「ピュアエース(R)」、吸水率0.3〜0.4%以下、透過率92.5%、ヘイズ0.1%、屈折率1.58)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2に係るカードサンプルDを得た。このポリカーボネートフィルムは溶剤によりヘイズが著しく増加した。
【0076】
得られたカードサンプルDについて、実施例1と同様に実際に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、ややぼやけた画像が再生された。
【0077】
次に、実施例1と同様に強制保存後に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、カードサンプルDでは、再生像は図7(C)より更に激しく劣化し、元の画像を認識するには不十分な再生像しか得られなかった。
【0078】
(比較例3)
保護層に、厚さ100μmのテトラアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製、「フジタック」、吸水率7%以下、透過率94.5%、ヘイズ0.2%、屈折率1.487)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3に係るカードサンプルEを得た。このテトラアセチルセルロースフィルムは溶剤によりヘイズが著しく増加した。
【0079】
得られたカードサンプルEについて、実施例1と同様に実際に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、ややぼやけた画像が再生された。
【0080】
次に、実施例1と同様に強制保存後に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、カードサンプルEでは、再生像は図7(C)より更に激しく劣化し、元の画像を認識するには不十分な再生像しか得られなかった。
【0081】
(比較例4)
保護層に、厚さ100μmのポリエーテルスルホンフィルム(住友ベークライト社製、「スミライトFS1300」、吸水率1.4%以下、透過率90.8%、ヘイズ0.1%、屈折率1.65)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4に係るカードサンプルFを得た。このポリエーテルスルホンフィルムは溶剤耐性にも優れていた。
【0082】
得られたカードサンプルFについて、実施例1と同様に実際に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、ややぼやけた画像が再生された。
【0083】
次に、実施例1と同様に強制保存後に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、カードサンプルFでは、再生像はひどく劣化し、元の画像を認識するには不十分な再生像しか得られなかった。
【0084】
(比較例5)
保護層に、厚さ100μmのポリエーテルイミドフィルム(住友ベークライト社製、「スミライトFS1400」、吸水率1%以下、透過率90.2%、ヘイズ0.2%、屈折率1.63)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5に係るカードサンプルGを得た。このポリエーテルイミドフィルムは溶剤耐性にも優れていた。
【0085】
得られたカードサンプルGについて、実施例1と同様に実際に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、ややぼやけた画像が再生された。
【0086】
次に、実施例1と同様に強制保存後に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、カードサンプルGでは、再生像はひどく劣化し、元の画像を認識するには不十分な再生像しか得られなかった。
【0087】
(比較例6)
保護層に、厚さ100μmのポリスルホンフィルム(住友ベークライト社製、「スミライトFS1200」、吸水率0.4%以下、透過率91.1%、ヘイズ0.2%、屈折率1.63)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6に係るカードサンプルHを得た。このポリスルホンフィルムは溶剤耐性にも優れていた。
【0088】
得られたカードサンプルHについて、実施例1と同様に実際に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、ややぼやけた画像が再生された。
【0089】
次に、実施例1と同様に強制保存後に画像データをホログラム記録し、再生像の評価を行ったところ、カードサンプルHでは、再生像はひどく劣化し、元の画像を認識するには不十分な再生像しか得られなかった。
【0090】
以上の通り、耐溶剤性に優れ、吸水率が0.01%以下のシクロオレフィンポリマーフィルムを保護層に用いたホログラムカードでは、強制保存の前後で再生画像の劣化はほとんど無く、鮮明なフーリエ画像が再生された(実施例1、2)。一方、吸水率が0.01%より大きいフィルムを保護層に用いたホログラムカードでは、サンプル作製直後に再生されたフーリエ画像もややぼやけていたが、強制保存後は元の画像を認識することができないほど不鮮明な再生画像しか得ることができなかった(比較例1〜6)。また、フォトポリマーに含まれる溶剤によりヘイズが増加するフィルムを保護層に用いたホログラムカードでは、再生画像が最も激しく劣化した(比較例2、3)。
【0091】
この通り、保護層の吸水率を0.01%以下にすることで、生保存性が顕著に向上し、未記録のままで長期間保存した後であっても、ホログラムの記録・再生により鮮明な画像を得ることができることが分る。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施の形態に係るホログラムカードの平面図である。
【図2】フーリエ領域の使用方法を例示する図である。
【図3】図1に示すホログラムカードのA−A断面図である。
【図4】(A)〜(D)は、ホログラムカードを作製する工程を示す工程図である。
【図5】ホログラムを記録するための記録装置の構成を示す概略図である。
【図6】ホログラムを再生するための再生装置の構成を示す概略図である。
【図7】(A)は記録する画像データを示す図であり、(B)及び(C)は再生画像を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
2 ホログラムメモリ
2A フーリエ領域
2B レインボー領域
4 顔画像
6 写真画像
8 文字画像
10 プラスチックカード
10A 凹部
10B 樹脂フィルム
10C プラスチックシート
12 ホログラム記録層
14 保護層
16 接着層
18 反射層
19 反射防止膜
20 レーザ光源
22 偏光ビームスプリッタ
24 反射ミラー
26 反射ミラー
28 レンズ
30 レンズ
32 レンズ
34 空間光変調素子
36 レーザ光源
40 アパーチャ
42 レンズ
44 検出器
50 3層構成シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込み光を照射することによりホログラムを記録可能な記録層と、
前記記録層を保護するために前記記録層上に設けられ、吸水率が0.01%以下の保護層と、
を備えたホログラム記録媒体。
【請求項2】
非光学品質のシート部材と、
書き込み光を照射することによりホログラムを記録可能な記録層と、
前記シート部材と前記記録層との間に設けられ、前記記録層側から読み出し光を照射することにより前記ホログラムで回折された回折光及び読み出し光を反射する反射層と、
前記記録層を保護するために前記記録層上に設けられ、吸水率が0.01%以下の保護層と、
を備えたホログラム記録媒体。
【請求項3】
前記記録層が、フォトポリマーからなるホログラム記録材料で構成された請求項1または2に記載のホログラム記録媒体。
【請求項4】
前記保護層が、書き込み光及び読み出し光に対する透過率が85%以上であるフレキシブル樹脂フィルムで構成された請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項5】
前記保護層の外表面に反射防止膜が形成された請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項6】
前記フレキシブル樹脂フィルムのヘイズが3%以下である請求項3または4に記載のホログラム記録媒体。
【請求項7】
前記フレキシブル樹脂フィルムが、シクロオレフィンポリマーである請求項4乃至6のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項8】
前記反射層は、前記記録層に接する表面の十点平均粗さRzが読み出し光の波長より小さい請求項2乃至7のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項9】
前記十点平均粗さRzが、読み出し光の波長の1/2以下である請求項8に記載のホログラム記録媒体。
【請求項10】
前記十点平均粗さRzが、書き込み光の波長より小さい請求項8または9に記載のホログラム記録媒体。
【請求項11】
前記読み出し光の波長が400nm〜800nmである場合に、前記十点平均粗さRzが300nm以下である請求項8に記載のホログラム記録媒体。
【請求項12】
前記シート部材が、紙又はプラスチックカードである請求項2乃至11のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項13】
前記シート部材が、前記記録層とは異なる手段で情報を記録する情報記録部を更に備えた請求項2乃至12のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項14】
前記記録層に、前記情報記録部に記録された情報に基づいて作成されたホログラムが記録された請求項13に記載のホログラム記録媒体。
【請求項15】
前記シート部材が、プラスチックカードにICを埋め込んだICカードである請求項2乃至14のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項16】
前記反射層が、書き込み光及び読み出し光に対する反射率が70%以上である光反射性材料で構成された請求項2乃至15のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
【請求項17】
前記光反射性材料が、Al、Ni、Cu、Ag、Au、及びCrからなる群から選択される一種の金属、又はステンレス鋼である請求項16に記載のホログラム記録媒体。
【請求項18】
前記反射層が、金属が蒸着された樹脂フィルムを前記シート部材に貼付して形成された請求項2乃至17のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−272654(P2006−272654A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92627(P2005−92627)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】