説明

ボタン構造

【課題】 複数(2個)のボタン本体を1つの部品として一体に製造しつつ、電子機器等に組み付けた際に隣接するボタン本体間の距離を狭くすることができるボタン構造を提供すること
【解決手段】 ボタンスイッチ10は、同一形状からなる2つのボタン部品12を適宜に配置することで構成される。ボタン部品は、細長な平面矩形状の第1ボタン本体13と、細長な平面略矩形状で一方の短辺が円弧状に形成された第2ボタン本体14と、それら両ボタン本体を接続する第1アーム15と、両ボタン本体にそれぞれ設けられた第2アーム16と、を備えている。両アームは、バネ性を持ち、両ボタン本体を支持する。2つのボタン部品を点対称に配置することで、4つのボタン本体は、一直線上に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に実装される押しボタンスイッチを構成するボタン構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器・装置等にあっては、マンマシンインタフェースの一つとして押しボタンスイッチがある。この種の押しボタンスイッチは、たとえば、指等を接触して押下する対象の操作部となるボタン本体を、プリント基板に設けられた接触/非接触式のスイッチ部に対向して配置する。ボタン本体は、各種形状のバネ・ゴム等の弾性復元力を有する弾性部材により、スイッチ部から離反する方向に付勢されるようになっている。これにより、ボタン本体が押下されると、ボタン本体はスイッチ部に接近移動し、スイッチ部の接点がON(或いはOFF)する。このとき、弾性部材が弾性変形する。よって、ボタン本体に対する押下する力がなくなると、弾性部材の弾性復元力により、ボタン本体はスイッチ部から離反移動する。なお、ボタン本体にスイッチ部の接点の一部が組み込まれることもある。さらにボタン本体は、1個が単独で配置されることもあるが、多くの場合複数のボタン本体を所定の配列パターンにて配置することが行われる。なお、この種の押しボタンスイッチについては、たとえば特許文献1等に開示されたものがある。
【0003】
【特許文献1】特開平6−302244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、昨今の小型軽量化の傾向から、個々のボタン本体も小さくなり、複数のボタン本体を配置する構成では、その小さいボタン本体を1つずつ製造し、組み付けるのは煩雑である。また、特許文献1に示されるように、隣接する2個のボタン本体を連結部材で連結したものを用意し、それを組み付けるようにした場合には、組付けの作業性は向上する可能性はある。しかし、この種のボタン本体は、合成樹脂を金型内に充填して一体成形することが一般に行われるので、隣接するボタン本体の間に一定の距離をおいた空間が形成されてしまう。そのため、電子機器のケースにボタン本体を組み付けた場合に、隣接するボタン本体間に形成される空間を覆う目隠し部材を配置する必要があり、かえって煩雑となってしまう。特に、上記の隣接するボタン本体間に形成される空間は、個々のボタン本体の寸法形状に関係なくある一定の距離を置く必要があるので、特に、個々のボタン本体の寸法形状が小さくなるほど、ボタン本体の大きさに対するボタン本体完の空間距離の比率が大きくなるので目立ってしまう。
【0005】
本発明は、複数(2個)のボタン本体を1つの部品として一体に製造しつつ、電子機器等に組み付けた際に隣接するボタン本体間の距離を狭くすることができるボタン構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明に係るボタン構造は、(1)配列される複数の押しボタンを備えたボタン構造であって、前記押しボタンは、操作部となるボタン本体と、配列された状態において一つおいた前記ボタン本体同士を連結する第1アームと、を備え、前記第1アームで連結された複数のボタン本体から構成されるボタン部品は、同一形状となり、隣接する前記ボタン本体に接続された前記第1アームは、反対側に突出するように配置した。第1アームは、2つのボタン本体を連結する機能があれば足りる。
【0007】
本発明のボタン構造は、同一形状のボタン部品を組み合わせて適宜に配置することで構成されるので、1つの金型を用いて簡単に製造することができる。さらに、第1アームで連結される2つのボタン本体は、その間に別のボタン部品を構成する1つのボタン本体が存在するような寸法に構成される。よって、ボタン構造全体でみた場合には、隣接するボタン本体同士を接近させたとしても、1つのボタン部品を構成するボタン本体は適宜の距離を置いて離反しているので、簡単な構成の金型で製造することができる。換言すると、ボタン構造で見た場合に隣接するボタン本体同士を連結してボタン部品を製造するに際し、金型を用いて一体成型で製造するようにした場合には、隣接するボタン本体を分離するために両者の間に仕切り壁を配置した金型を用いる必要があり、少なくともその仕切り壁の厚み分は隣接するボタン本体同士の間隔を離す必要があり、両者を接近させることが困難となり、隙間が生じてしまう。これに対し、本発明では、上記のごとく、ボタン部品を構成する複数のボタン本体間で適宜の間隔が開いた空間が形成されたとしても、その空間内に別のボタン部品のボタン本体が入り込む形態となるので、ボタン構造で見た場合に隣接するボタン本体間の隙間を狭くすることができる。
【0008】
なお、複数の押しボタンの配列は、横一列に行うと特によい。横一列とは、配置(配列)方向から多少ずれている場合(幅を持つ場合)も含む。なお、特に、各ボタン本体が完全に同一直線上に配置されるように配置するとよい。
【0009】
(2)前記第1アームは、前記ボタン本体を支持する機能を備えるとよい。基本機能であるボタン本体を連付けする機能に加え、ボタン本体を支持する機能を備えることで、部品点数の省略・構造の簡略化が図れる。
【0010】
(3)前記ボタン本体には、前記第1アームの接続面と反対側の面に、前記ボタン本体を支持する第2アームが接続され、その第2アームは、隣接する前記ボタン本体を接続する第1アームの内側に配置されるようにするとよい。このようにすると、ボタン本体にはその両側の面にそれぞれアームが接続されることになり、特に、第1,第2アームがボタン本体を支持する機能を持たせた場合には、ボタン本体を両側から支持することになり、安定状態で指示されることになる。
【0011】
(4)前記ボタン本体は、配列方向に細長な形状からなり、前記第1アームは平面コ字状で、前記第2アームは平面L字状とするとよい。細長な形状とすると、両アームもそのボタン本体に沿ってある程度の長さを確保することができる。よって、両アームは、適度なバネ性と強度を発揮させ、ボタン本体を適切に支持する機能を持たせることができる。また、ボタン本体を細長な形状にすると、そのボタン本体を押下した際に傾きやすいが、ボタン本体の両側に第1,第2アームをそれぞれ連結するようにしたので、安定して支持することが可能となる。
【0012】
(5)前記ボタン部品を構成する前記第1アームで連結されたボタン本体間の間隔は、そのボタン本体間の空間に入り込む他のボタン部品を構成する1つのボタン本体の長さにあわせて設定されるとよい。ボタン本体の長さに合わせるとは、そのボタン本体の長さと一致させるようにしたり、所定長さだけ長くしたりすることである。完全に一致させると、組み付けた際に隣接するボタン本体同士が接触してしまい、スムーズな押しボタン操作を阻害するおそれがあるので、わずかな隙間が生じる程度に若干広くするのが好ましい。
【0013】
(6)隣接する2つの前記ボタン部品は、点対称になるように配置されるようにするとよい。特に、ボタン部品を構成する複数のボタン本体同士の中心点を結ぶ線上に対称点を置けば、ボタン部品を構成する複数のボタン本体を、同一直線上に配置するように形成することが容易にできる。
【0014】
(7)隣接するボタン本体同士の対向する部分は、その全体にわたって互いに平行な形状とするとよい。このようにすると、隣接するボタン本体同士の対向する部分の隙間の間隔は全体にわたり一定となり、特に、その隙間を小さく(狭く)することで、ケースに取り付けた場合に、ボタン本体間に目隠し構造を採る必要がなく、ケースの構成・形状が簡単になる。
【0015】
(8)前記ボタン部品を構成する複数のボタン本体は、同一形状から構成されるとよい。このようにすると、ボタン部品全体が統一性がとれるばかりでなく、中央に位置するボタン本体と端に位置するボタン本体とで、代わりがなくも、ボタン部品を多数配置することで、横に長くボタン本体を配置することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、複数(2個)のボタン本体を1つの部品として一体に製造しつつ、電子機器等に組み付けた際に隣接するボタン本体間の距離を狭くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1,図2は、本発明の好適な一実施形態を示している。図1に示すように、電子機器1は、扁平な矩形状のケース2を備え、その側面にはスイッチ3,DCジャック4が設けられ、上面前方にボタンスイッチ10が設けられている。つまり、ケース2の上面の所定位置に細長な開口部2aが形成され、ボタンスイッチ10の上面は、その開口部2aから外部に突出するように配置されている。
【0018】
ボタンスイッチ10は、横一列に配列される複数(この例では4個)の操作部を備えた押しボタン11と、その押しボタン11により開閉する接点(図示省略)を備えている。図2に示すように、この押しボタン11は、同一形状からなる2つのボタン部品12を適宜に配置することで構成される。このボタン部品12は、合成樹脂等を用いて一体成形により製造され、具体的な形状は以下のようになっている。
【0019】
ボタン部品12は、細長な平面矩形状(帯状)の第1ボタン本体13と、細長な平面略矩形状で一方(第1ボタン本体13と反対側)の短辺が円弧状に形成された第2ボタン本体14と、それら第1,第2ボタン本体13,14を接続する第1アーム15と、第1,第2ボタン本体13,14にそれぞれ設けられた第2アーム16と、を備えている。第1ボタン本体13と第2ボタン本体14は、一直線上に配置される。また、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14は、長手方向の長さ(円弧状の部分の先端まで)は同じにしている。同様に、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14の幅(短手方向の長さ)は同じにしている。第1ボタン本体13と第2ボタン本体14との間に形成される空間形状は、第1ボタン本体13と略同一か若干広く設定している。実際には、組み立て時の作業性や、寸法公差等を考慮し、若干広くしている。
【0020】
そして、図1,図2に示すように、2つのボタン部品12を点対称に配置することで、2つのボタン部品12における第1ボタン本体13と第2ボタン本体14の間のそれぞれの空間内に、相手のボタン部品12を構成する第1ボタン本体13を挿入配置するレイアウトを採る。これにより、4つのボタン本体13,14は、一直線上に配置され、全体として、1本の細長な帯状で、その両端が共に半円となる丸みを帯びた形態となる。さらに、隣接する第1,第2ボタン本体13,14の短辺同士は、ともに一端から他端まで直線で平行になることから、両ボタン本体13,14の間隔はその全体にわたってごくわずかとなる。よって、4つのボタン本体13,14の隣接する部分でその全体にわたって隙間がほぼゼロとなるので、2つのボタン部品12をケース2内に取り付けた状態では、それら第1,第2ボタン本体13,14によって、ケース2に設けた帯状の開口部2aのほぼ全面が閉塞される。その結果、組み付け時に隣接する第1ボタン本体13と第2ボタン本体14の間に仕切りを設けたり、ボタン本体の上からかぶせるカバーにボタン間の隙間を埋めるための目隠しを設けたりしなくて済む。従って、カバーの金型設計並びに製造の容易化が図れるとともにカバーのコストダウンを図ることができる。さらには、仕切り等がないこともあいまってケース2内への各ボタン部品12の組み付けも容易になる。
【0021】
第1ボタン本体13並びに第2ボタン本体14は、適度な厚みを有し、第1ボタン本体13は、両長辺の下面に外側に突出するフランジ13aを有する。また、第2ボタン本体14は、その両長辺並びに円弧状の短辺の下面に外側に突出するフランジ14aを有する。
【0022】
第1アーム15は、平面略コ字状で、その両端は第1,第2ボタン本体13,14のそれぞれのフランジ部13a,14aに連結される。そして、その第1アーム15の肉厚は、フランジ部13a,14aの肉厚に一致させている。よって、第1アーム15の肉厚は薄くなり、適度な弾性力を発揮し、弾性部材たる板バネを構成する。さらに、第1アーム15の両端は、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14のそれぞれの近接する頂点(短辺側)近傍に接続するようにしている。つまり、第1アーム15は、第1,第2ボタン本体13,14に対してボタン部品12の中心側で接続されることになる。
【0023】
これにより、第1アーム15の長さは、第1,第2ボタン本体13,14の間隔より若干長くなる程度となるので比較的短くなり、第1アーム15は、上述のように適度な弾性力を発揮させつつ、強度も確保できる。そして、第1アーム15は、その中間地点においてネジ止め用の貫通孔15aが設けられている。この貫通孔15aに、固定ネジのネジ軸を貫通させるとともにケース2の内面(或いは逆に図示省略のプリント基板)に対してネジ止めすることで、ケース2或いはプリント基板に対して第1アーム15ひいてはボタン部品12を固定することができる。固定後も、第1アーム15の弾性力により、第1,第2ボタン本体13,14は昇降移動可能となる。なお、本実施形態では、第1アーム15の中間地点においてネジ止め用の貫通孔15a(固定穴)を設け、ネジ止めによって固定することとしたが、固定の方法はこれに限らない。たとえば接着剤等によって固定してもよい。また、特に、熱溶着カシメによる固定にすれば部品点数を削減できるとともに強固に固定することができるので望ましい。この点は、以下の第2アーム16における固定機構においても同様である。
【0024】
また、第2アーム16は、平面略L字状で、その一端が第1,第2ボタン本体13,14のそれぞれのフランジ部13a,14aの所定位置に連結される。そして、その第2アーム16の肉厚は、フランジ部13a,14aの肉厚に一致させている。これにより、第2アーム16も板バネとして機能する。
【0025】
第2アーム16の接続位置は、第1アーム15が接続される長辺と反対側の長辺であって、第1アーム15とは逆に、ボタン部品12の外側近傍としている。そして、第2アーム16は、第1,第2ボタン本体13,14に沿ってボタン部品12の中央側に向かって伸びるような形状となる。さらに、第2アーム16の外側への突出距離(第1,第2ボタン本体13,14の軸方向から直交する方向への離反距離)は、第1アーム15のそれよりも短くしている。これにより、図2に示すように、2つのボタン部品12を反転させて点対称に配置した場合、一方のボタン部品12の第2アーム16は、他方のボタン部品12の第1アーム15内に位置する。そして、第2アーム16の先端にも貫通孔16aを設け、第1アーム15と同様に貫通孔16aを用いてネジ止めすることで、第2アーム16をケース2或いはプリント基板に対して連結することができる。
【0026】
よって、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14は、それぞれ長手方向の両端の対角線上近傍において第1アーム15と第2アーム16とにより支持されているので、バランスよく支持することができ、細長な形状の第1,第2ボタン本体13,14を押下した場合でも、第1,第2ボタン本体13,14は傾くことなく昇降移動することができる。
【0027】
また、上述したように、2つのボタン部品12を点対称に配置し、一方のボタン部品12の第1ボタン本体13を、他方のボタン部品12の第1ボタン本体13と第2ボタン本体14の間の空間内に配置する構成を採ったため、ボタンスイッチ10の全体で見た場合には、隣接するボタン本体の間には、わずかな隙間が形成されるだけで相互に近接配置されるが、1つのボタン部品12としてみた場合には、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14は、適宜の距離を置いて離反しているので、1つの金型を用いて簡単に製造することができる。
【0028】
図3以降は、本発明の各種の変形例を示している。すなわち、上述した実施形態では、第2のボタン本体14の平面形状を、一端側が半円状にしたが、たとえば、図3(a)に示すように、両ボタン本体13,14の平面形状を共に長方形状としてもよい。このようにすると、2つのボタン部品12を組み合わせて構成される4つのボタン本体の全体を見た場合に、細長な帯状となり、その両端もその帯状に延びる長軸に対して直交する直線にしている。よって、図3(b)に示すように、2つのボタン部品12を組み合わせたものを2組用意し、それらを一直線上に配置することで、合計8個のボタン本体を横一列に配置したボタンスイッチを構成することができ、しかも、それら8個のボタン本体は、相互に近接配置することができる。
【0029】
また、この図3(b)に示す形態では、図3(a)に示す2つのボタン部品12を組み合わせたものを2個用意し、それらを横並びに配置、つまり、4個のボタン本体を横に2つ並べ合計8個のボタン本体を横一列に配置している。そのため、4個のボタン本体同士が隣接する部分(中央部)にフランジ部14aが入り込み、この部分のボタン本体同士の間隔が、他のボタン本体同士の間隔よりも広くしている。このような図3(b)に示す例では、たとえば4個・4個の並びに機能のグループを割り当てるようなボタンとして好適となる。すなわち、4個・4個の間に間隔があるため、機能の違いを間隔で知ることができる。一方、8個のボタンを同一の間隔で並べたい場合には、この部分のフランジ部14aをなくす(例えば、図5(a)〜(c)の左右端部等参照)ようにするとよい。
【0030】
また、上述した実施形態等では、第1アーム15の両端は、それぞれ第1ボタン本体13と第2ボタン本体14の近い側に接続するようにしていたが、本発明はこれに限ることはなく、たとえば図4(a)に示すように、第1アーム15の両端を、第1,第2ボタン本体13,14とも同一側(図では、左側)のほうに接続したり、図4(b)に示すように第1,第2ボタン本体の遠い側に連結したりするようにしてもよい。いずれの場合も、第2アーム16は、同一のボタン本体において第1アーム15の接続箇所と対称位置にするとよい。
【0031】
なお、第1アーム15を同じ側に連結した場合、特に図4(a)に示す構成とすると、第2アーム16が外に飛び出る形態となるので、ボタンスイッチ10(押しボタン11)の専有面積が大きくなってしまう。換言すると、図2に示した上記の実施形態の構成の方が、専有面積が小さくなり、配置レイアウトの制限が低くなるというメリットを有する。また、図4(b)に示すように、第1アーム15の連結箇所を共に遠い側にした場合、第1アーム15が長くなり、その分強度が低下する。換言すると、図2に示した上記の実施形態の構成の方が、第1アーム15の強度を高くすることができる。
【0032】
さらにまた、上述した実施形態並びに変形例は、いずれも全てのボタン本体13,14は一直線上に配置されているが、本発明は必ずしも完全に同一直線上に配置するものに限ることはなく、配列方向と直交する方向にずれていても全体的に横一列になっていればよい。一例を示すと、図5(a)のように、図2に示す2つのボタン部品12を用い、それを配置するときに配列方向と直交する方向にずらして配置するようにしたり、図5(b),(c)に示すように、1つのボタン部品12を構成する第1,第2ボタン本体13,14自体が同一直線上に配置されずに適宜ずらしたものを用い、かかるボタン部品12を2つ用意するとともに反転して配置するようにしたりしても良い。なお、図5の配置パターンは一例であるのはもちろんであり、ボタン部品12を配置する際に適宜ずらすことができるのはいうまでもなく、さらには、図5では、第1アーム15をボタン部品12の中央側で連結するようにしたタイプについて示したが、図4等を用いて示すように他の箇所で連結した場合でも同様に適用できる。
【0033】
さらに、上述した実施形態並びに変形例は、第1,第2ボタン本体13,14の隣接する短辺の形状が、いずれも長手方向(配列方向)に直交する1本の直線とし互いに平行にしていたが、本発明はこれに限ることはなく、適宜の形状を採ることができる。一例としては、たとえば図6(a)に示すように、第1,第2ボタン本体13,14の平面形状を平行四辺形とし、その隣接する辺が、長手方向(配列方向)に対して所定角度で交差する1本の直線としたり、図6(b)に示すように、第1,第2ボタン本体13,14の平面形状を台形(図では等脚台形)とし、その隣接する辺が、長手方向(配列方向)に対して所定角度で交差する1本の直線としたり、さらには、図6(c)に示すように、隣接する辺が、矢の先端のように連続した2本の直線(折れ線)としたりするなど、各種の形態をとることができる。いずれの場合も、隣接するボタン本体同士の対向する部分はほぼ全長にわたって平行となり隙間はその全体にわたって狭くなり、ケースに仕切りや目隠しなどを設ける必要がなくなる。もちろん、図示するように直線にする必要はなく、一部または全部が曲線となっていてもよい。
【0034】
また、上記の各種の構成が、隙間が小さくなり好ましいが、本発明はそのように隙間を狭くする(特に全長に渡って)のは必須ではなく、たとえば図7に示すような形状としても良い。
【0035】
さらにまた、上記の各実施形態並びに変形例では、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14の長手方向の長さや、短手方向の長さを同一にしたが、本発明はこれに限ることはなく、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14の長手方向の長さは同一でなくてもよい。同様に短手方向の長さも同一でなくてもよい。さらにいえば、第1ボタン本体13と第2ボタン本体14形状は、それぞれ任意の形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の好適な一実施形態を示す図である。
【図3】変形例を示す図である。
【図4】変形例を示す図である。
【図5】変形例を示す図である。
【図6】変形例を示す図である。
【図7】変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
12 ボタン部品
13 第1ボタン本体
14 第2ボタン本体
15 第1アーム
16 第2アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列される複数の押しボタンを備えたボタン構造であって、
前記押しボタンは、操作部となるボタン本体と、配列された状態において一つおいた前記ボタン本体同士を連結する第1アームと、を備え、
前記第1アームで連結された複数のボタン本体から構成されるボタン部品は、同一形状となり、
隣接する前記ボタン本体に接続された前記第1アームは、反対側に突出するように配置したことを特徴とするボタン構造。
【請求項2】
前記第1アームは、前記ボタン本体を支持する機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載のボタン構造。
【請求項3】
前記ボタン本体には、前記第1アームの接続面と反対側の面に、前記ボタン本体を支持する第2アームが接続され、
その第2アームは、隣接する前記ボタン本体を接続する第1アームの内側に配置されるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のボタン構造。
【請求項4】
前記ボタン本体は、配列方向に細長な形状からなり、
前記第1アームは平面コ字状で、前記第2アームは平面L字状としたことを特徴とする請求項3に記載のボタン構造。
【請求項5】
前記ボタン部品を構成する前記第1アームで連結されたボタン本体間の間隔は、そのボタン本体間の空間に入り込む他のボタン部品を構成する1つのボタン本体の長さにあわせて設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のボタン構造。
【請求項6】
隣接する2つの前記ボタン部品は、点対称になるように配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のボタン構造。
【請求項7】
隣接するボタン本体同士の対向する部分は、その全体にわたって互いに平行な形状とすることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のボタン構造。
【請求項8】
前記ボタン部品を構成する複数のボタン本体は、同一形状から構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のボタン構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−102990(P2010−102990A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274264(P2008−274264)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【出願人】(508320239)株式会社ユピテル鹿児島 (6)
【Fターム(参考)】