説明

ボタン起動を備えた医療用注入器

医療用注入器が本明細書において提供され、この医療用注入器は、本体と、本体内に少なくとも部分的に配設された摺動可能なボタンと、本体内に配設された変位可能なプランジャと、プランジャを前進させるように配設されたばねと、プランジャをばねの力に対抗する第1の状態に保持するための解放可能な保持具とを含む。ボタンが所定の程度に摺動移動した際、ボタンは解放可能な保持具と係合し、その結果、解放可能な保持具はプランジャを解放し、したがってばねがプランジャを前進させることが可能になる。有利には、主題発明は、ボタン起動の際にトリガーされる自動化されたプランジャ駆動部を有し、それによって早期のまたは間違った起動を最小限に抑える医療用注入器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用注入器に関し、より詳細にはプランジャ駆動機構を有する医療用注入器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、プランジャを前進させるための内部の駆動機構を有する注入器を含む医療用注入器が、よく知られている。プランジャの前進を利用して、2つまたはそれ以上の部分の薬剤の自動化された再構成を行う、および/または自動化された注入を生じさせることができる。より詳細には、プランジャの前進の自動化を利用して、複数部分(たとえば湿性/乾性)の薬剤の組み合わせを生じさせることができる。加えてまたはあるいは、プランジャの自動化された前進により、注入のために針を前進させる、および/または注入中に薬剤を針内に通すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,793,646号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような自動化された動作は、トリガー機構を必要とする。早期のまたは間違ったトリガー起動に関して懸念が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
医療用注入器が本明細書において提供され、この医療用注入器は、本体と、本体内に少なくとも部分的に配設された摺動可能なボタンと、本体内に配設された変位可能なプランジャと、プランジャを前進させるように配設されたばねと、プランジャをばねの力に対抗する第1の状態に保持するための解放可能な保持具とを含む。ボタンが所定の程度に摺動移動した際、ボタンは、解放可能な保持具と係合し、その結果、解放可能な保持具はプランジャを解放し、したがってばねがプランジャを前進させることが可能になる。有利には、主題発明は、ボタン起動の際にトリガーされる自動化されたプランジャ駆動部を有し、それによって早期のまたは間違った起動を最小限に抑える医療用注入器を提供する。
【0006】
主題となる本発明の上記および他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の図を検討することによってより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】主題発明によって形成された医療用注入器の斜視図である。
【図2】図1の線2−2に沿って切り取られた断面図である。
【図3】図1の線3−3に沿って切り取られた断面図である。
【図3A】図3から切り取られた拡大断面図である。
【図4】主題発明によって形成される医療用注入器の分解図である。
【図5】図1の線5−5に沿って切り取られた断面図である。
【図6】主題発明で使用可能な内部スリーブを示す図である。
【図7】主題発明で使用可能な投与量リングの斜視図である。
【図8】径方向の動きを制限するための配置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図を参照すれば、医療用注入器が示され、全体が参照番号10で示されている。医療用注入器10は、さまざまなタイプのものでよいが、好ましくはペン注入器タイプのものである。医療用注入器10は、さまざまな注入可能な液体、特に薬剤を投与するために使用され得る。
【0009】
図を参照すれば、医療用注入器10は、本体12およびその中に配設された軸方向に変位可能なプランジャ14を含む。プランジャ14は、一体品またはモジュール構成要素として形成されてよい。モジュール構成要素は、一緒に移動するように、互いに固定されても、連結されずに隣接して配置されてもよい。ばね16もまた設けられ、これは、プランジャ14を所定の距離だけ前進させるように構成され配置される。好ましくは、ばね16は、圧縮ばねまたはコイルばねであるが、他の付勢要素も同様に利用されてよい。ばね16は、好ましくはプランジャ14と、横材18などの本体12の一部分との間に配設される。
【0010】
プランジャ14は、遠位方向に前進させることが好ましい。本明細書では、遠位は、使用中、患者に向かう方向を示し、一方で近位は、使用中、患者から離れる方向を示している。
【0011】
解放可能な保持具20が設けられ、これは、プランジャ14をばね16の力に対抗する最初の第1の状態に解放可能に保持するように構成され配置される。解放可能な保持具20は、好ましくはプランジャ14から外方向に延びるように形成された1つまたは複数の偏向可能なラッチタブ22を含むことができる。それに対応して、1つまたは複数の突起部24が、本体12内に画定されている。ラッチタブ22は、本質的には外方向に付勢され、このとき突起部24は、ばね16の移動力の下でラッチタブ22の自由端26と干渉式に係合するように配置され構成されている。この配置では、プランジャ14の遠位前進は、ラッチタブ22と突起部24の間の相互係合によって限定される。したがって、プランジャ14を、使用前の最初の第1の状態に保持することができる。
【0012】
摺動可能なボタン28が、本体12に対して移動可能になるように本体12内に配設される。ボタン28は、ユーザがアクセス可能な近位端部30を有する。少なくとも1本、好ましくは2本のアーム32が、近位端部30から横材18内に形成された対応する開口部35を通り抜けて遠位に延びている。1つまたは複数の外方向に付勢された爪部37が、横材18に対して係合し、ボタン28の近位の移動に耐えるように構成されてアーム32から延びることができる。
【0013】
解放可能な保持具20は、ボタン28が解放可能な保持具20と係合し、その結果、解放可能な保持具20がプランジャ14を解放し、それによってばね16がプランジャ14を前進させることが可能になるように構成される。特にボタン28が十分遠位に前進すると、アーム32は、ラッチタブ22の一部分上に嵌り合うように形成され、かつボタン22が十分遠位に前進すると、アーム32は、図3Aの点線で示すように、ラッチタブ22を突起部24から内方向に偏向させる。アーム32は、タブ22より小さい直径を画定しており、それにより、十分遠位に変位すると、アーム32はタブ22を内方向に押し出すようになる。次いで、プランジャ14は、自由に遠位に移動する。
【0014】
突起部24は、本体12上に形成されてよい。あるいは、突起部24は、以下で説明する内部スリーブなどの、本体12内の構成要素上に形成されてよい。加えて、タブ22および突起部24の位置は、タブ22が、本体12内の(本体12自体またはその中の構成要素上)に位置し、突起部24が、プランジャ14上に形成されるように反転させてもよい。要素のさまざまな共働形状が利用されてよい。
【0015】
医療用注入器10は、患者に注入するための薬剤または他の物質36を収容するように形成された、本体12内に配設されたリザーバ34を含む。図4に示すように、リザーバ34は、バレル38内に配設された単一のチャンバでよく、バレルは、近位端部が隔壁40によって封止され、遠位端部がストッパ42によって封止されており、ストッパ42は、当技術分野で知られているように、物質36をバレル38から押し出すためにバレル38内で摺動可能であるように形成されている。医療用注入器10はまた、針48を装着するために形成されたフィーチャ46をその上に有する針装着表面44も含む。針48はハブ50を含むことができ、ハブ50は、針48を針装着表面44に装着するときにフィーチャ46と共働係合するために設けられた装着フィーチャ52をその上に有する。フィーチャ46および装着フィーチャ64は、ねじ山または差し込みロック、および/またはルアー装着などの摩擦式の相互係合などの機械連結をその間に可能にする任意の知られている共働要素のものでよい。針装着表面44は、本体12上に、またはバレル38に装着されたアダプタなどの本体12の構成要素上に形成されてよい。
【0016】
針48はまた、患者に挿入するように形成された遠位端部56と、近位端部58とを有する針カニューレ51も含む。
【0017】
リザーバ34は、再構成のために混合可能な複数の成分を収容するように構成され得る。たとえば、図4に示すように、リザーバ34は、第1の混合可能な成分60および第2の混合可能な成分62を収容することができる。ストッパ42は、それが所定の距離にわたって遠位に前進することにより、第1の混合可能な成分60および第2の混合可能な成分62の混合が生じることになるようにリザーバ34に関連付けられ得る。そのような混合を可能にするための任意の知られている配置が利用されてよい。非限定的な例として、第1の混合可能な成分60および第2の混合可能な成分62は、2次ストッパ64によって分離されてよい。2次ストッパ64は、リザーバ34を、第1の混合可能な成分60および第2の混合可能な成分62をそれぞれ収容する第1のチャンバ66および第2のチャンバ68に分割する。隔壁40は、第1のチャンバ66の遠位端部を封止し、一方でストッパ42は、第2のチャンバ68の近位端部を封止するように配置される。好ましくは、乾性成分が混合可能な成分の1つとして使用される場合、乾性の混合可能な成分は、第1のチャンバ66内に位置する。
【0018】
1つまたは複数のバイパスチャネル70が、リザーバ34の壁内に形成される。初期状態では、図4に示すように、2次ストッパ64は、第1のチャンバ66と第2のチャンバ68の間の封止部を画定し、第2のチャネルチャンバ68とバイパスチャネル70の間の封止部を画定するためにバイパスチャネル70の近位に少なくとも部分的に位置している。ストッパ42が遠位に前進すると、第2の混合可能な成分62が湿性かつ概ね非圧縮性である状態では、ストッパ42の移動力は、第2の混合可能な成分62を通って2次ストッパ64に伝達される。2次ストッパ64が十分遠位に移動すると、第2のチャンバ68は、バイパスチャネル70と連通するようになり、したがってストッパ42をさらに遠位に移動させて第2の混合可能な成分62を第1のチャンバ66に押し入れることが可能になる。ストッパ42が十分遠位に前進すると、第2のチャンバ68は、第2の混合可能な成分62がその中で残存しないまたはほぼ残存しない状態で潰される。加えて、2次ストッパ64は、第1のチャンバ66とバイパスチャネル70の間に封止部を画定するように位置している。第1の混合可能な成分60および第2の混合可能な成分62は、すぐ注入できる状態の注入可能な物質36を生成するために、医療用注入器10の撹拌などによって第1のチャンバ66内で混合される。
【0019】
リザーバ34のバレル38は、図に示すように別個の薬物カートリッジのバレルでよく、または医療用注入器10、特に本体12の一部でよい。
【0020】
当業者によって認識されるように、再構成を可能にするための他の配置が利用されてよい。加えて、3つの部分などの2つを超える部分からなるシステムが利用されてよい。活性の医療用構成成分は、第1の混合可能な成分60および第2の混合可能な成分62の1つまたは両方内に含まれてよい。第1の混合可能な成分60は、乾性のもの(たとえば粉末または顆粒物質)および/または液体(流動可能なもの(スラリーまたは液体))でよい。上記で述べたように、第2の混合可能な成分62は、好ましくは液体またはスラリーなどの湿性の流動可能な成分のみである。
【0021】
ばね16の力の下でプランジャ14を遠位に前進させることを用いて、1つまたは複数の目的を達成することができる。プランジャ14は、ストッパ42に抗するように動作し、ストッパ42の変位を生じさせるように構成される。リザーバ34が再構成用に構成されている場合、リザーバ34の内容物の自動再構成を達成することができる。加えてまたはあるいは、医療用注入器10は、自動注入器であるように構成されてよく、この場合、針48は、最初本体12内に収容されており、当技術分野で知られているように、たとえばリザーバ34を前方向に移動させて、患者の皮膚を貫通するようにばね16の力の下で本体12から押し出される。加えてまたはあるいは、プランジャ14を遠位に前進させることにより、注入された針によってリザーバ34の内容物を投与することができる。
【0022】
所望の効果に応じて、医療用注入器10は、所定の距離だけ駆動されるプランジャ14を有するように構成されてよい。(ラッチタブ22またはタブ81の1つまたは複数によって画定され得る)プランジャ14上に形成された停止部70と、リザーバ34の近位端部74(たとえばバレル38の近位端部)との間の相互係合などの物理的停止部が、プランジャ14の遠位の前進を限定するために使用されてよい。特定の状況下では、プランジャ14は、針48を医療用注入器10に装着せずに遠位に前進させることがある。したがって、リザーバ34は、そのような動作中には開放されない。続いて針48がリザーバ34に装着された状態で、リザーバ34内に捕捉されたいかなる残留ガスも、針48を通り抜けてパージされる。プランジャ14の遠位前進に対する物理的停止を設けないことが好ましくなり得る。このようにして、リザーバ34の内容物は、ばね16の力の下で最大限に圧縮され得る。続いて、針48を医療用注入器10上に装着すると、リザーバ34は解放され、したがってプランジャ14のさらなる遠位前進が可能になる。この2次の遠位前進は、針48を使用する準備をすることを助けることができる。
【0023】
医療用注入器10は、単一または複数の固定された投与量を投与するように構成された固定された投与量の注入器でよい。加えて、医療用注入器10は、単一または複数の投与量の投与量設定を可能にするように構成されてよい。好ましい実施形態では、医療用注入器10は、単一または可変の投与量の自動再構成の注入器である。
【0024】
当業者によって理解されるように、投与量設定を可能にするさまざまな構成が利用され得る。本体12は、回転可能に結合された第1の本体部分76および第2の本体部分78から形成されることが好ましい。このようにして、第1の本体部分76と第2の本体部分78の間の相対回転が、医療用注入器10の投与量の選択を可能にする。好ましくは、回転性を得るために、図2に示すように、トラック80が、第1の本体部分76および第2の本体部分78のうちの1つ内に形成され、このときトラック80の反対側に形成された1つまたは複数の係合子(detent)82が、トラック80内に着座し、その結果、組み立てられた後で第1の本体部分76および第2の本体部分78を一緒に係止する。係合子82は、第1の本体部分76および第2の本体部分78が互いに対して相対的に回転することを可能にするようにトラック80に沿って摺動可能に形成され得る。1つまたは複数の停止部84が、相対回転の程度を限定するためにトラック80に沿って位置してよい。
【0025】
好ましい配置では、図2〜4を参照すれば、第2の本体部分78は、係合子82がその上に形成された内部スリーブ86を含むことができる。内部スリーブ86は、第1の本体部分76に非回転式に結合されることが好ましい。停止部84は、回転を防止するために第1の本体部分76上に設けられ得る。加えて、内部スリーブ86を、任意の知られている方法で第2の本体部分78と結合させ、その結果、第2の本体部分78が、横材18に隣接して、特にその近位側に結合された対合スナップフィンガ88などによって内部スリーブ86の周りを回転することが可能になることが好ましい。内部スリーブ86が第1の本体部分76に非回転式に結合されている状態では、内部スリーブ86は、第2の本体部分78がその周りを回転できる状態で固定されて保持される。
【0026】
好ましくは、投与量を選択するために、プランジャ14は、第2の本体部分78と共に回転する。1つまたは複数のタブ81が、図5に示すように、第2の本体部分78内に形成された対応するスロット83内に受け入れられるようにプランジャ14から延びることができる。バイパススロット85が、内部スリーブ86内に形成され、タブ81がそこを通過することを可能にすることができる。バイパススロット85は、プランジャ14の遠位の前進のための直線通路を提供するために内部スリーブ86に沿って軸方向に延びることができる。
【0027】
投与量を選択するために、かつ非限定的な例として、投与量リング90には、複数の軸方向および径方向に離間された当接表面92が設けられてよい。
【0028】
当接表面92は、プランジャ14上に形成された係合表面94と軸方向に整合可能であり、それにより、プランジャ14が十分遠位に変位すると、当接表面92の少なくとも1つが係合表面94によって係合されることになり、したがってプランジャ14のストロークが限定される。係合表面94は、タブ81の1つまたは複数上に画定され得る。この配置では、プランジャ14の制御された量の遠位の変位が、ストッパ42に伝達され得る。プランジャ14のステム91は、係合表面94と対応する当接表面92との適正な整合を得るために、またステム91がストッパ42と係合することができるように、投与量リング90の開口部93を通り抜ける。さらに、プランジャ14の移動に対応するストローク長さは、係合表面94と係合状態にある当接表面92に応じて調整され得る。係合表面94から当接表面92の最初の距離が大きいほど、投与される投与量は対応して多くなる。選択された投与量に関係なく、プランジャ14は、注入を施している間の遠位の変位に対して固定された長さのストロークを有することが好ましい。さらに遠位の当接表面92が、プランジャ14のさらに大きい遠位移動をもたらす。プランジャ14の移動の程度は、ストッパ42の移動の程度を決定付け、したがって1回の注入された投与量においてリザーバ34から押し出される注入可能な溶液36の量を決定付ける。投与量リング90は、好ましくは固定式である。ばねアーム120が投与量リング90から延びて、プランジャ14を弾性的に押さえ付け、それに対する安定性をもたらすことができる。
【0029】
投与量は、プランジャ14と共に回転するようにそれに固定された第2の本体部分78を回転させることによって選択される。第2の本体部分78が、混合可能な成分60、62の混合前などの医療用注入器10の適正な調製の前に投与量を設定することを防止するために、プランジャ14の回転は、タブ81とバイパススロット85の相互係合によって限定され得る。図6に示すように、開放空間71が、バイパススロット85の遠位の終端部に画定されてよく、タブ81がその中で回転することを可能にするように径方向に延びている。開放空間71は、内部スリーブ86の拡大された直径部分によって画定されてよく、内部スリーブ86の壁において限定された深さを有するものであり、またはそれを完全に通過して延びている。このようにして、投与量は、プランジャ14を、係合表面94を当接表面92の所望のもので軸方向に位置決めするように回転させることによって調整することができる。バイパススロット85は、1つまたは複数の受け部73を備えて形成されてよく、これらの受け部73は最初、所定の距離の遠位前進の際および投与量設定の前にタブ81を受ける。バイパススロット85の終端部で径方向の調整を可能にすることにより、投与量の設定をプランジャ14の前進後に制限することができる。
【0030】
第2の本体部分78は、さまざまな投与量設定に対応する位置に解放可能に保持されることが好ましい。このようにして、投与量が設定された後、第2の本体部分78の不用意な回転が無くなり、したがって当接表面92の不適正なものが係合表面94と係合することが回避されることが好ましい。そのような配置は、開示されている(たとえば特許文献1を参照)。特許文献1に示されるように、図8を参照すれば、1つまたは複数のタブ110が内部スリーブ86上に形成され、このタブは、第2の本体部分78上に形成された1つまたは複数のラチェット歯112と選択的に係合可能である。ラチェット歯112は、当接表面92に対応する投与量設定を表すように円周方向に離間され配置されてよい。タブ110は、さまざまな投与量サイズに対応するプランジャ14の所与の径方向位置においてラチェット歯112間に嵌まり込む。第2の本体部分14が回転すると、タブ110は、ラチェット歯112をバイパスさせられる。ラチェット歯112は、第2の本体部分78の径方向位置を維持する。
【0031】
加えて、投与量を投与するための固定されたストローク長さの遠位前進を可能にするために、プランジャ14が軸方向の移動に限定されることが好ましい。注入のストロークは、プランジャ14の遠位移動の程度によって規定される。プランジャ14は、ばね16の移動力の下などの注入のための任意の知られている方法で前進させてよい。
【0032】
印116が、投与量を表すために設けられてよい。印116は、数表示およびポインターまたは他の指示を含むことができる。印116は、第1の本体部分76と第2の本体部分78の両方に存在して、投与量設定におけるそれらの部分間の相対回転中、投与量の指示を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に少なくとも部分的に配設された摺動可能なボタンと、
前記本体内に配設された変位可能なプランジャと、
前記プランジャを前進させるように配設されたばねと、
前記プランジャを前記ばねの力に対抗する第1の状態に保持するための解放可能な保持具と
を備える医療用注入器であって、
前記ボタンが所定の程度に摺動移動した際、前記ボタンは前記解放可能な保持具と係合し、その結果、前記解放可能な保持具は前記プランジャを解放し、したがって前記ばねが前記プランジャを前進させることが可能になることを特徴とする医療用注入器。
【請求項2】
前記解放可能な保持具は、前記プランジャから延びる少なくとも1つのラッチタブと、前記本体内に形成された少なくとも1つの突起部であって、前記ラッチタブと干渉式に係合して前記プランジャを前記第1の状態に保持する、突起部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の医療用注入器。
【請求項3】
前記ボタンが前記所定の程度に摺動移動した際、前記ボタンは、前記ラッチタブの偏向を生じさせ、その結果、前記突起部との干渉係合から外れ、したがって前記ばねが前記プランジャを前進させることが可能になることを特徴とする請求項2に記載の医療用注入器。
【請求項4】
前記本体内に配設されたリザーバをさらに備え、前記リザーバは、第1の混合可能な成分および第2の混合可能な成分を収容し、前記第1の混合可能な成分および第2の混合可能な成分は、前記プランジャを前進させて混合されることを特徴とする請求項1に記載の医療用注入器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−502762(P2012−502762A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527992(P2011−527992)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/057466
【国際公開番号】WO2010/033795
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】