ボックスパレット及びボックスパレット側壁
【課題】従来より美観に優れかつ清掃も容易であると共に、従来より軽量化と高強度化が可能なボックスパレット及びボックスパレット側壁を提供する。
【解決手段】本発明のボックスパレット10の第1パレット側壁20は、密閉空間20Pを内部に有した中空構造をなしている。また、第1パレット側壁20のうち密閉空間20Pを挟んで対向する外側主体板32と内側主体板36は、セル構成リブ33,37にて連結されている。ボックスパレット10の第2パレット側壁40も第1パレット側壁20と同様な中空構造になっている。
【解決手段】本発明のボックスパレット10の第1パレット側壁20は、密閉空間20Pを内部に有した中空構造をなしている。また、第1パレット側壁20のうち密閉空間20Pを挟んで対向する外側主体板32と内側主体板36は、セル構成リブ33,37にて連結されている。ボックスパレット10の第2パレット側壁40も第1パレット側壁20と同様な中空構造になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット本体に組み付けられてボックスパレットを構成するボックスパレット側壁及びそのボックスパレット側壁を備えたボックスパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のボックスパレット側壁は、主板部の外面全体に補強リブを備えた構造になっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−327170号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のボックスパレット側壁は、補強リブにより外面形状が煩雑になって美観を損ないかつ清掃が困難という問題があった。また、ボックスパレットは、従前から同じ強度であればより軽く、同じ重さであればより高強度にすることが求められていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より美観に優れかつ清掃も容易であると共に、従来より軽量化と高強度化が可能なボックスパレット及びボックスパレット側壁の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るボックスパレット側壁は、パレット本体の上面縁部に複数組み付けられて、パレット本体と共に上面開放の箱形構造のボックスパレットを構成するボックスパレット側壁であって、密閉空間を内部に有した中空構造をなして、その密閉空間を挟んでボックスパレット側壁の厚さ方向で対向する外側主体板と内側主体板を備えると共に、密閉空間を複数のセルに区画するセル構成リブにて外側主体板と内側主体板とが連結され、ボックスパレット側壁全体を厚さ方向で2分割する位置に、ボックスパレット側壁を構成する樹脂同士の固着層を備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁のうち上側の外縁部に沿った上縁領域の複数のセルを、ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の複数のセルに比べて細かくして強化したところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁は、パレット本体の上面に寝かせて載置可能に構成され、ボックスパレット側壁のうち左右両側の外縁部に沿った側縁領域の複数のセルを、ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の複数のセルに比べて細かくして強化したところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁の外縁部全体の枠状領域の複数のセルを、ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の複数のセルに比べて細かくして強化したところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁の下面に、固着層に沿って延びた下面溝を形成して、その下面溝の底面に固着層を配置したところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載のボックスパレット側壁において、下面溝の溝内側面から固着層に接近する位置まで延びた補強突条を、下面溝の底面に形成したところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載のボックスパレット側壁において、固着層より外側部分の色と内側部分の色とを異ならせたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載のボックスパレット側壁において、共通のパレット本体に組み付けられる複数のボックスパレット側壁の間で、固着層より外側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているか、又は、固着層より内側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明に係るボックスパレットは、請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載のボックスパレット側壁をパレット本体に組み付けてなるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
[請求項1の発明]
請求項1のボックスパレット側壁は、中空構造をなして互いに対向する外側主体板と内側主体板を備えているので、中実構造の従来のボックスパレット側壁に比べて、同じ重さであれば、断面二次モーメントが大きくなって従来より強度が高くなり、同じ強度であれば従来より軽くなる。また、本発明のボックスパレット側壁の内部は、密閉空間になっているので浸水によりボックスパレット側壁が重くなることもない。さらに、その密閉空間を複数のセルに区画するセル構成リブによって外側主体板と内側主体板との両方が補強されているので、この点においても従来より高強度化及び軽量化が可能になる。また、外側主体板と内側主体板を補強するセル構成リブがボックスパレット側壁に内蔵されて外部には露出していないので、ボックスパレット側壁の外面における凹凸を従来より少なくすることができ、清掃が容易になると共に美観が向上する。
【0016】
なお、本発明のボックスパレット側壁は、ボックスパレット側壁全体を厚さ方向で2分割する位置に樹脂同士の固着層を備えているので、ボックスパレット側壁のうち固着層より外側部分を構成する樹脂成形品と内側部分を構成する樹脂成形品とを予め分けて射出成形しておき、それら樹脂成形品同士を接合して固着させることでボックスパレット側壁を製造することができる。その固着方法は、どのようなものであってもよく、固着方法の一例として、振動溶着、加熱溶着、或いは、接着剤による固着が挙げられる。
【0017】
[請求項2の発明]
積み上げた複数のボックスパレットのうち上側のボックスパレットにフォークリフトのフォークを挿入する場合、誤って下側のボックスパレットにおけるボックスパレット側壁の上縁領域にフォークが突き当たることがある。これに対し、請求項2のボックスパレット側壁では、上縁領域の複数のセルが中央領域の複数のセルに比べて細かくなって強化されているので、フォークの突き当てによるボックスパレット側壁の破損、変形が防がれる。また、ボックスパレット側壁全体でセルを細かくして強化したものに比べてボックスパレット側壁の重量増加が抑えられる。
【0018】
[請求項3の発明]
パレット本体の上面にボックスパレット側壁を寝かせて載置した状態で、フォークリフトのフォークをパレット本体に挿入する場合、誤ってボックスパレット側壁の側縁領域にフォークが突き当たることがある。これに対し、請求項3のボックスパレット側壁は、側縁領域の複数のセルが中央領域の複数のセルに比べて細かくなって強化されているので、フォークの突き当てによるボックスパレット側壁の破損、変形が防がれる。また、ボックスパレット側壁全体でセルを細かくして強化したものに比べてボックスパレット側壁の重量増加が抑えられる。
【0019】
[請求項4の発明]
請求項4の構成では、比較的大きな負荷を受け易いボックスパレット側壁の外縁部における枠状領域の複数のセルが、中央領域の複数のセルに比べて細かくなって強化されているので、フォークの突き当てによるボックスパレット側壁の破損、変形が防がれる。また、ボックスパレット側壁全体でセルを細かくして強化したものに比べてボックスパレット側壁の重量増加が抑えられる。
【0020】
[請求項5の発明]
ボックスパレット側壁のうち固着層の露出部分には、余剰樹脂や余剰接着剤が固化して突条が形成され得る。これに対し、請求項5のボックスパレット側壁では、下面に下面溝を設けて、その底面に固着層を配置したので、余剰樹脂や余剰接着剤の突条が下面溝に収まり、パレット本体や床面等との当接から保護される。これにより、余剰樹脂や余剰接着剤の突条への負荷に起因した応力集中により、固着層に亀裂が生じような事態を防ぐことができる。
【0021】
[請求項6の発明]
請求項6のボックスパレット側壁では、下面溝の溝内側面から固着層に接近する位置まで補強突条が延びているので、パレット本体の上面角部が下面溝内に突入して、余剰樹脂や余剰接着剤の突条に当接する事態を防ぐことができる。
【0022】
[請求項7の発明]
請求項7のボックスパレット側壁では、固着層より外側部分の色と内側部分の色とが異なっているので、色に基づいてボックスパレットの内面と外面とを容易に判別することができ、ボックスパレットのパレット本体に対する組み付け作業の効率が向上する。
【0023】
[請求項8の発明]
請求項8の構成では、共通のパレット本体に組み付けられる複数のボックスパレット側壁の間で、固着層より外側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているか、又は、固着層より内側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているので、ボックスパレット同士の間で色を合わせるようにして、複数のボックスパレットを効率良くパレット本体に組み付けることができる。
【0024】
[請求項9の発明]
請求項9のボックスパレットは、請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載のボックスパレット側壁をパレット本体に組み付けてなるので、従来のボックスパレットに比べて、同じ重さであれば高強度化が可能になり、同じ強度であれば軽量化が可能になる。また、外面における凹凸を従来より少なくすることができ、清掃が容易になると共に美観が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るボックスパレットの斜視図
【図2】一方の第2パレット側壁が取り外された状態のボックスパレットの斜視図
【図3】第1パレット側壁の斜視図
【図4】第1パレット側壁の下端部と回動支持部の斜視図
【図5】第1パレット側壁の下端部を回動支持部に組み付けた状態の斜視図
【図6】第2パレット側壁を差込支持部上で斜めにした状態の斜視図
【図7】第2パレット側壁を差込支持部の上面に突き当てた状態の斜視図
【図8】上向係合フックと下向係合フックとを係合した状態のボックスパレットの一部破断斜視図
【図9】(A)スライダ受容部の一端側に配置された結合スライダの斜視図,(B)スライダ受容部の他端側に配置された結合スライダの斜視図
【図10】(A)結合スライダの表側の斜視図,(B)結合スライダの裏側の斜視図
【図11】(A)スライダ受容部の一端側に配置された結合スライダの一部破断斜視図,(B)スライダ受容部の他端側に配置された結合スライダの一部破断斜視図
【図12】第2パレット側壁の外面側の斜視図
【図13】第2パレット側壁の内面側の斜視図
【図14】第2パレット側壁と差込支持部の斜視図
【図15】第2パレット側壁と差込支持部の斜視図
【図16】第2パレット側壁の一側部の斜視図
【図17】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の内面側の斜視図
【図18】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の外面側の斜視図
【図19】第1パレット側壁の一部破断斜視図
【図20】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の下端部内面側の斜視図
【図21】(A)縦方向位置決部と位置決嵌合突部の斜視図,(B)横方向位置決部と位置決嵌合突部の斜視図
【図22】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の上端角部内面側の斜視図
【図23】第1パレット側壁における余剰樹脂突条の断面図
【図24】(A)第2パレット側壁の外側構成盤の外面側斜視図,(B)その内面側斜視図
【図25】(A)第2パレット側壁の内側構成盤の外面側斜視図,(B)その内面側斜視図
【図26】(A)第3差込突部の下端部の一部破断斜視図,(B)第1差込突部の下端部の一部破断斜視図
【図27】(A)第2パレット側壁の下端角部の斜視図,(B)第1パレット側壁の下端角部の斜視図
【図28】折畳状態のボックスパレットの斜視図
【図29】ボックスパレットを積み上げた状態の斜視図
【図30】第1パレット側壁を折り畳んだ状態のボックスパレットの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図1〜図30に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のボックスパレット10は、パレット本体11に1対の第1パレット側壁20,20と1対の第2パレット側壁40,40とを組み付けてなる。パレット本体11は、上下方向に扁平な略直方体状をなして、フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔12を、縦横の両方向に1対ずつ貫通状態に備えている。
【0027】
パレット本体11の下面は、外縁部が段付き状に上方にずれて積上当接部13になっている。また、積上当接部13の各角部には、それら各角部の頂点を挟んだ2位置に1対の台形状の下面位置決突部14,14が突出形成されている。
【0028】
図2に示すように、パレット本体11の上面の外縁部からは側壁支持部15が突出している。側壁支持部15のうち1対の対向辺に配置された1対の回動支持部15A,15Aは、1つの第1パレット側壁20の厚さ分だけパレット本体11の上面より高くなっていて、残りの1対の対向辺に位置した1対の差込支持部15B,15Bは、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40と1つずつ重ねた厚さ分だけ、回動支持部15Aより高くなっている。そして、1対の第1パレット側壁20,20が1対の回動支持部15A,15Aに回動可能に組み付けられると共に、1対の第2パレット側壁40,40が1対の差込支持部15B,15Bに回動不能に組み付けられている。
【0029】
本実施形態では、これら第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40が、本発明の「ボックスパレット側壁」に相当し、共に中空構造をなしている。以下、まずは、第1パレット側壁20について、内部構造以外の詳細構造について詳説してから、第2パレット側壁40について、内部構造以外の詳細構造について詳説し、その後、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の内部構造について詳説する。
【0030】
なお、以下の説明において特記しない限り、「第1パレット側壁20の外面」とは、第1パレット側壁20の中空構造の内部の面に対する外部の面を指すのではなく、ボックスパレット10のうち第1パレット側壁20,第2パレット側壁40に囲まれた荷物収容空間より外側の面を指すものとする。また、「第1パレット側壁20の内面」とは、第1パレット側壁20の中空構造の内部の面を指すのではなく、ボックスパレット10のうち第1パレット側壁20,第2パレット側壁40に囲まれた荷物収容空間に臨んだ内側の面を指すものとする。第2パレット側壁40に関しても同様である。
【0031】
図3に示すように、第1パレット側壁20は、全体が横長の長方形になっていて、下面に複数のヒンジ突部21を備えている。これら複数のヒンジ突部21は、第1パレット側壁20の下面から下方に突出した突出基部21Aの先端に回動軸部21Bを備えてなる。図4に示すように、突出基部21Aは、第1パレット側壁20の下面の長手方向に幅広になっていて、その突出基部21Aの幅広方向の両側面から回動軸部21Bの両端部が両側方に突出している。
【0032】
なお、回動軸部21Bは、上下方向に扁平になっていて、回動軸部21Bのうち第1パレット側壁20の厚さ方向で外側を向いた面が湾曲し、その反対面と上下の両面は平坦面になっている。
【0033】
第1パレット側壁20の複数のヒンジ突部21に対して、パレット本体11の回動支持部15Aには、複数の回動支持凹部16が陥没形成されている。回動支持凹部16は、回動支持部15Aの上面と内側面とに開口している。回動支持凹部16の上面開口16Aは、ヒンジ突部21の平面形状と略同じ大きさをなし、回動支持凹部16の側面開口16Bは、ヒンジ突部21における突出基部21Aと略同じ幅をなしている。また、回動支持凹部16内の側面の上端部には、回動支持凹部16の側面開口16Bの両側に抜止突起16T,16T(図4には、一方の抜止突起16Tのみが示されている)が設けられている。
【0034】
図5に示すように、第1パレット側壁20は、水平に倒された状態で、回動軸部21Bが抜止突起16T,16Tと、それらに対向した回動支持凹部16の内側面との間に挿入される。そして、回動軸部21Bを支点にして第1パレット側壁20を上方に回動して回動支持部15A上で起立させると(図2参照)、回動軸部21Bが抜止突起16Tの下方に潜り込んで(図7参照)、ヒンジ突部21が回動支持凹部16に対して抜け止めされた状態になる。このように、第1パレット側壁20は、回動支持部15Aに回動可能に連結されている。
【0035】
図3に示すように、第1パレット側壁20の下面における長手方向の中央には、中央突部22が設けられている。図4に示すように、中央突部22は、上記したヒンジ突部21から回動軸部21Bを排除した形状になっている。また、この中央突部22に対し、パレット本体11の回動支持部15Aには、中央凹部16Cが形成されている。中央凹部16Cは、回動支持部15Aの上面と内側面とに中央突部22と同じ幅で開口している。そして、中央突部22が中央凹部16C内に受容されて、第1パレット側壁20の横方向の移動を規制する。
【0036】
図4に示すように、回動支持部15Aの両端部上方には、差込支持部15Bから回動規制突壁16Dが張り出している(図4には、一方の回動規制突壁16Dのみが示されている)。また、回動規制突壁16Dの下端部は、差込支持部15B側に段付き状に陥没して係止凹部16Eになっている。そして、第1パレット側壁20を起立姿勢にしたときに、図6に示すように、第1パレット側壁20の両側縁部の下部が回動規制突壁16Dに当接して第1パレット側壁20の外側への傾動が規制される。
【0037】
図3に示すように、第1パレット側壁20の外面には、上縁部中央に手掛部23が陥没形成されている。手掛部23は、横長の長方形をなし、その下端開口縁に突片23Tを備えた形状になっている。その突片23Tは、第1パレット側壁20の外面と面一になって手掛部23の開口内側に張り出している。
【0038】
第1パレット側壁20の外面のうち手掛部23の両側には、第1パレット側壁20の外面を僅かに陥没させた外面陥没部24,24が設けられている。外面陥没部24は、四角形になっていて、上下方向においては第1パレット側壁20の上寄り位置から下寄り位置に亘り、左右方向においては、第1パレット側壁20の中央から側部寄り位置に亘る範囲に形成されている。
【0039】
第1パレット側壁20には、外面の両側縁部を一定幅で陥没させて側辺段差凹部25,25が形成されている。各側辺段差凹部25内の下端部には、第1側面突部26Aが設けられ、その上方に第2側面突部26Bが設けられている。第1側面突部26Aは、側辺段差凹部25の段差面25Aと奥面25Bとに一体になった直方体の上側角部にテーパー面を備えた構造をなしている。また、第2側面突部26Bは、側辺段差凹部25の段差面25Aと奥面25Bとに一体の直方体形状になっている。そして、第1パレット側壁20を起立姿勢にした際に、図6に示すように、第1側面突部26Aがテーパー面を回動規制突壁16Dの下部に摺接させて係止凹部16Eに嵌合係合しかつ第1側面突部26Aと第2側面突部26Bとが、回動規制突壁16Dを上下方向で挟んだ状態になって、パレット本体11に対する第1パレット側壁20の上下動を規制する。
【0040】
図6に示すように、側辺段差凹部25のうち第2側面突部26Bより上方には、複数の上向係合フック26Cが上下方向に並べて設けられている。各上向係合フック26Cは、側辺段差凹部25の段差面25Aと奥面25Bとに一体に連続していて、段差面25Aから側方に突出し、その先端部が上方に屈曲した形状になっている。また、最下端の上向係合フック26Cのみに誘導テーパー面26Tが形成されている。誘導テーパー面26Tは、上向係合フック26Cの上端部を上下方向に対して斜め(例えば、45度)にカットしてなり、下方に向かうに従って段差面25Aから離れるように傾斜している。
【0041】
最上部の上向係合フック26Cは、側辺段差凹部25の上端部に配置され、その最上部の上向係合フック26Cと上から2番目の上向係合フック26Cとの間隔が、他の隣り合った上向係合フック26C同士の間隔に比べて広くなっている。そして、最上部とその次の上向係合フック26C,26Cの間における段差面25Aに、段差面開口28Aが備えられ、その段差面開口28Aから結合スライダ27の先端が出没するようになっている。
【0042】
具体的には、図3に示すように、第1パレット側壁20の上部の両角部寄り位置には、スライダ受容部28が陥没形成されている。各スライダ受容部28は、図9(A)に示すように、第1パレット側壁20の外面に略四角形の外面開口28Bを有すると共に、側辺段差凹部25の段差面25Aまで連通したガイド孔28Dを備え、そのガイド孔28Dの端部が段差面25Aで開放して段差面開口28Aになっている。また、外面開口28Bの上下の開口縁からは、内側にスライド係止片28Cが張り出されている(図9(A)には、一方のスライド係止片28Cのみが示されている)。さらに、図9(B)に示すように、スライダ受容部28の奥面28Eには、水平方向に延びたガイド突条28Fが備えられている。
【0043】
結合スライダ27は、図10(A)に示すように、縦長の矩形板27Cの回りを角筒壁27Dで囲んだ構造の箱形操作部27Aを備えている。そして、図9(B)に示すように、箱形操作部27Aの矩形板27Cとスライダ受容部28の奥面28Eとを対向させた状態で結合スライダ27がスライダ受容部28に受容されている。
【0044】
また、図10(A)に示すように、箱形操作部27Aの上下の両側面からは、スライド係止突片27E,27Eが張り出され、これらスライド係止突片27E,27Eが、図22に示すように、スライダ受容部28のスライド係止片28C,28Cの裏面に係合している。これにより、結合スライダ27がスライダ受容部28内に抜け止めされている。また、スライド係止突片27E,27Eの先端は、スライダ受容部28の上下の内側面に突き合わされ、これにより結合スライダ27がスライダ受容部28内で上下動不能に支持されている。
【0045】
図10(B)に示すように、箱形操作部27Aの一端部には、スライダ受容部28のガイド突条28F(図9(B)参照)と係合する係合溝27Mが形成されている。そして、図11(A)と図11(B)とに比較して示すように、箱形操作部27Aとスライダ受容部28の外面開口28Bとの横幅の差分の範囲で結合スライダ27が第1パレット側壁20に対して左右方向に直動する。
【0046】
箱形操作部27Aの一側面からは、スライダ受容部28のガイド孔28Dに向かって突入片27Bが突出している。そして、結合スライダ27が可動範囲の一端の解除位置に配置されると、図11(A)に示すように、突入片27Bがガイド孔28D内に収まって段差面開口28Aからは突出せず、結合スライダ27が可動範囲の他端の側壁連結位置に配置されると、図11(B)に示すように、突入片27Bの先端が段差面開口28Aから外側に突出する。また、図10(A)に示すように、係合突片27Bには、幅方向の中央に門形のスリット27Gが形成され、そのスリット27Gの内側が弾性係止片27Hになっている。また、弾性係止片27Hの先端外面からは係止突起27Jが突出している。これに対し、ガイド孔28Dの内面には、図11(A)に示すように、係止段差部28Gが形成され、結合スライダ27が側壁連結位置に配置されると、図11(B)に示すように、弾性係止片27Hの係止突起27Jが係止段差部28Gに係止する。
【0047】
次に、第2パレット側壁40について、内部構造以外の詳細構造について詳説する。図12に示すように、第2パレット側壁40は、全体が横長の長方形になっていて、下面に第1〜第4の差込突部41,42,43,44を備えている。第1差込突部41は、第2パレット側壁40の下面における長手方向の両端部寄り位置に配置され、第2差込突部42は、第2パレット側壁40の下面の長手方向の中央に配置されている。また、第3差込突部43は、各第1差込突部41と第2差込突部42とのそれぞれの中間位置に配置され、第4差込突部44は、隣り合った第1と第3の差込突部41,43の間と、隣り合った第2と第3の差込突部42,43の間とにそれぞれ配置されている。
【0048】
第1差込突部41は、第2パレット側壁40の厚さ方向から見ると、図14に示すように、下方に向かって幅狭となった台形状の基部41Aの下面から突部41Bを突出させた形状になっている。また、第2差込突部42は、横長の長方形になっている。また、第3差込突部43は、横長長方形の基部43Aの下端両側面から掛止突部43B,43Bを突出させた形状になっている。また、第4差込突部44は、横長の台形状になっている。さらに、第4差込突部44は、図15に示すように、第2パレット側壁40の厚さ方向で第2パレット側壁40の外面側に寄せて配置されている。
【0049】
これら第2パレット側壁40の第1〜第4の差込突部41,42,43,44に対応させて、パレット本体11の差込支持部15Bには、第1〜第4の受容凹部17A,17B,17C,17Dが設けられている。それら第1〜第4の受容凹部17A,17B,17C,17Dは、差込支持部15Bの上面及び内側面の両面に対して陥没している。また、第3差込突部43に対応した第3受容凹部17Cのうち差込支持部15Bの上面に位置した上面開口17Eより差込支持部15Bの内側面に位置した側面開口17Fの方が幅狭になっていて、第3差込突部43の基部43Aのみが側面開口17Fを通過することができる。
【0050】
そして、図30に示すように、第2パレット側壁40を差込支持部15B上に起立させて、第1〜第4の差込突部41,42,43,44を、第1〜第4の受容凹部17A,17B,17C,17Dに差し込むことができるようになっている。これにより、第2パレット側壁40の下端部が水平移動不能に保持される。また、図14に示すように、第2パレット側壁40をパレット本体11から取り外しかつ水平姿勢にしてパレット本体11上に載置する際に、第3差込突部43の掛止突部43Bを第3受容凹部17Cの上面開口17Eから内部に挿入すると共に、第3差込突部43の基部43Aを第3受容凹部17Cの側面開口17F内に配置することで、第2パレット側壁40が水平移動不能に保持される。このとき、第1,第2,第4の差込突部41,42,44は、第1,第2,第4の受容凹部17A,17B,17Dに対し、差込支持部15Bの内側面側の開口を通して受容された状態になる。
【0051】
図1に示すように、第2パレット側壁40の外面には、下端部中央に外面下端手掛部46が陥没形成されている。外面下端手掛部46は、上述した第1パレット側壁20の手掛部23と同一形状をなし、下端開口縁に突片46Tを備えている。また、第2パレット側壁40の外面における上縁部には、横長の長方形をなした1対の外面上端手掛凹部45,45が横並びにして陥没形成され、第2パレット側壁40の内面における上縁部には、横長の長方形をなした1対の内面上端手掛凹部48,48が横並びにして陥没形成されている。これら外面上端手掛凹部45,45と内面上端手掛凹部48,48は、同一形状をなし、互いに表裏となる位置に配置されている。
【0052】
第2パレット側壁40の外面のうち外面下端手掛部46の両側には、第2パレット側壁40の外面を僅かに陥没させた外面陥没部47,47が設けられている。外面陥没部47は、四角形になっていて上下方向においては第2パレット側壁40の下端寄り位置から中央上寄り位置に亘り、左右方向においては第2パレット側壁40の中央から側部寄り位置に亘る範囲に形成されている。
【0053】
図13に示すように、第2パレット側壁40の内面における左右方向の中央部分は、僅かに窪んだ中央陥没部40Aになっている。中央陥没部40Aは、第2パレット側壁40の上下方向全体に亘って一定幅で延びた陥没底面40Bの両側には、緩やかに傾斜した緩斜面40C,40Cを備えた形状になっている。
【0054】
第2パレット側壁40の両側縁部における下端部には、段差部40D,40Dが形成され、それら段差部40D,40Dより上側部分は、段差部40Dの下側部分より側方に張り出した側縁連結基部50,50になっている。また、第2パレット側壁40の内面における各側縁連結基部50の外側縁部からは、サイドカバー壁51がそれぞれ垂直に突出している。そして、サイドカバー壁51と側縁連結基部50との内側角部に沿って複数の下向係合フック53が並べて設けられている。これら下向係合フック53は、側縁連結基部50とサイドカバー壁51とに一体に連続していて、側縁連結基部50のサイドカバー壁51と同方向に突出し、その先端部が下方に屈曲したフック形状になっている。そして、図8に示すように、各下向係合フック53が各上向係合フック26Cとが互いに係合し、これにより、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40の側縁部同士が連結される。
【0055】
図16に示すように、側縁連結基部50の下端部にはサイドカバー壁51と同方向に突出した側部下端壁52が設けられ、この側部下端壁52によって側縁連結基部50とサイドカバー壁51の下端部同士が連絡されている。なお、図8に示すように、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40とがパレット本体11上で起立状態に組み付けられたときには、側部下端壁52は、第1パレット側壁20の第2側面突部26B上に載置される。
【0056】
図16に示すように、第2パレット側壁40には、上から2番目の下向係合フック53の上側に係合箱部54Bが一体に備えられ、その係合箱部54Bの内側は、第1パレット側壁20に向かって開放した係合凹部54になっている。そして、係合凹部54に第1パレット側壁20における結合スライダ27の係合突片27B(図9(B)参照)が突入して、第1パレット側壁20に対する第2パレット側壁40の上方への移動が規制される。
【0057】
図16に示すように、サイドカバー壁51の外面には、係合凹部54内に連通した覗き孔55が形成されている。また、結合スライダ27は、第2パレット側壁40とは異なる色になっている。そして、この覗き孔55を通して、係合突片27Bが係合凹部54内に係合しているか否かを目視確認することができるようになっている。
【0058】
図1に示すように、第2パレット側壁40の上面両端部には、上面位置決凹部49,49が陥没形成されている。これと同様に第1パレット側壁20の上面両端部にも上面位置決凹部29,29が陥没形成されている。そして、図29に示すように、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40を起立させた状態のボックスパレット10の上に別のボックスパレット10を積み上げたときに、上側のボックスパレット10における下面位置決突部14が上面位置決凹部29,49に嵌るようになっている。
【0059】
さて、次に第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の内部構造について説明する。第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40は、上述したように共に本発明の「ボックスパレット側壁」に相当し、中空構造をなしている。その中空構造とするために、第1パレット側壁20は、図17及び図18に示した外側構成盤31と内側構成盤35とを固着させてなり、第2パレット側壁40は、図24に示した外側構成盤61と図25に示した内側構成盤65とを固着させてなる。
【0060】
具体的には、図19に示すように、第1パレット側壁20は、密閉空間20Pを挟んで対向した外側主体板32と内側主体板36とを備えている。また、外側主体板32と内側主体板36と間には、第1パレット側壁20全体を厚さ方向で2分割する面に沿って樹脂の固着層20Kが設けられている。その固着層20Kは、第1パレット側壁20の厚さ方向のうち内側主体板36寄り位置に配置されている。そして、第1パレット側壁20のうち固着層20Kより外側主体板32側が外側構成盤31になっていて、第1パレット側壁20のうち固着層20Kより内側主体板36側が内側構成盤35になっている。
【0061】
図17に示すように、外側構成盤31は、外側主体板32のうち内側主体板36との対向面全体にセル構成リブ33を張り巡らせた構造になっている。また、内側構成盤35は、内側主体板36における外側構成盤31との対向面にセル構成リブ37を張り巡らせた構造になっている。
【0062】
外側構成盤31のセル構成リブ33は、格子状になっていて、外側構成盤31の外縁に沿った枠状領域におけるセル構成リブ33の格子の目は、枠状領域の内側の中央領域におけるセル構成リブ33の格子の目に比べて細かくなっている。詳細には、セル構成リブ33には、第1パレット側壁20の横方向の略全体に亘って延びた複数の長尺横リブ33Xと、第1パレット側壁20の縦方向の略全体に亘って延びた複数の長尺縦リブ33Yとが含まれている。そして、長尺横リブ33Xのうち、例えば第1パレット側壁20の上側2つの上縁長尺横リブ33X1,33X1(図21(B)参照)の間隔と、下側2つの下縁長尺横リブ33X2,33X2(図20参照)の間隔とが、それら以外の中央長尺横リブ33X3,33X3(図17参照)の間隔に比べて狭くなっている。
【0063】
また、長尺縦リブ33Yのうち第1パレット側壁20の両側における例えば3つ以上の複数の側縁長尺縦リブ33Y1(図21(B)参照)の間隔が、それら以外の中央長尺縦リブ33Y3,33Y3の間隔に比べて狭くなっている。
【0064】
さらに、上縁長尺横リブ33X1,33X1の間及び下縁長尺横リブ33X2,33X2の間のうち複数の中央長尺縦リブ33Y3によって仕切られた各升目内には、複数の縁部強化縦リブ33Y4が中央長尺縦リブ33Y3と平行に設けられている。また、側縁長尺横リブ33Y1,33Y1の間のうち複数の中央長尺横リブ33X3によって仕切られた各升目内には、複数の縁部強化横リブ33X4が中央長尺横リブ33X33と平行に設けられている。これらにより、前述したように外側構成盤31の外縁に沿った枠状領域におけるセル構成リブ33の格子の目が、枠状領域の内側の中央領域におけるセル構成リブ33の格子の目に比べて細かくなっている。
【0065】
図17に示すように、内側構成盤35のセル構成リブ37も、外側構成盤31のセル構成リブ33と同様に格子状をなし、内側構成盤35の外縁に沿った枠状領域におけるセル構成リブ37の格子の目が、枠状領域の内側の中央領域におけるセル構成リブ37の格子の目に比べて細かくなっている。そして、外側構成盤31のセル構成リブ33と内側構成盤35のセル構成リブ37の先端部同士が固着され、それらセル構成リブ33,37によって外側主体板32と内側主体板36とが連結されると共に、第1パレット側壁20内の密閉空間20Pがセル構成リブ33,37によって複数のセル(小部屋)に区画されている。
【0066】
本実施形態では、外側構成盤31と内側構成盤35とが、例えば、加熱溶着によって固着されている。その加熱溶着では、外側構成盤31と内側構成盤35とを接合させた状態で、図示しない1対の対向治具の間に外側構成盤31及び内側構成盤35が配置される。そして、1対の対向治具で外側構成盤31及び内側構成盤35を挟持して、各対向治具に外側構成盤31と内側構成盤35とが分けて固定され、それら対向治具同士が離間することで、外側構成盤31と内側構成盤35が分けられる。この状態で、それら外側構成盤31と内側構成盤35との間に加熱された鉄板が配置される。そして、外側構成盤31と内側構成盤35の接合面を、加熱された鉄板に押し付けて溶かしてから、鉄板を退避させてから1対の対向治具を接近させて、外側構成盤31と内側構成盤35とが互いに押し付けられ固着される。
【0067】
本実施形態の第1パレット側壁20には、上記した1対の対向治具に固定する前に、外側構成盤31と内側構成盤35とを互いに位置決めして接合させるために、図17に示すように、外側構成盤31には横方向位置決部71と縦方向位置決部72とが設けられ、内側構成盤35には位置決嵌合突部73が設けられている。
【0068】
具体的には、横方向位置決部71は、外側構成盤31と内側構成盤35とを横方向で互いに位置決めして固着させるためのものであって、外側構成盤31のうち、例えば、左右方向の略中央における上端寄り位置と下端寄り位置との2箇所に配置されている。一方、縦方向位置決部72は、外側構成盤31と内側構成盤35とを縦方向で互いに位置決めして固着させるためのものであって、外側主体板32のうち、例えば、上下方向の略中央において左右方向の両端部の2位置に配置されている。そして、位置決嵌合突部73が、内側主体板36のうち各横方向位置決部71及び各縦方向位置決部72との対向位置に配置されている。
【0069】
図21には、外側構成盤31と内側構成盤35とが固着される前の状態における、横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73が図21に示されている。縦方向位置決部72は、図21(A)に示すように、外側構成盤31の縦方向で対向した1対の対向片72A,72Aを、それらの対向面の裏側から補強用三角リブ72B,72Bにて補強した構造になっている。また、横方向位置決部71は、図21(B)に示すように、縦方向位置決部72を90度回転させた形状をなし、外側構成盤31の横方向で対向した1対の対向片71A,71Aを補強用三角リブ71B,71Bにて補強した構造になっている。これらに対し、位置決嵌合突部73は、断面が「+」形をなし、外側構成盤31の縦方向に厚さ方向が向いた第1突入片73Aと、横方向に厚さ方向が向いた第2突入片73Bとを互いに幅方向の中央で交差させた構造になっている。また、第1と第2の突入片73A,73Bにおける先端両角部は面取りされている。
【0070】
外側構成盤31と内側構成盤35とが固着される前の状態では、上記した横方向位置決部71及び縦方向位置決部72は、セル構成リブ33より高く、位置決嵌合突部73はセル構成リブ37より高くなっている。そして、上記した1対の対向治具に固定する前の外側構成盤31及び内側構成盤35を互いに接合させると、縦方向位置決部72の対向片72A,72Aの間に位置決嵌合突部73が嵌合して外側構成盤31と内側構成盤35とが縦方向で位置決めされると共に、横方向位置決部71の対向片71A,71Aの間に位置決嵌合突部73が嵌合して外側構成盤31と内側構成盤35とが横方向で位置決めされる。そして、横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73は、外側構成盤31と内側構成盤35とが1対の対向治具に固定された後は、加熱溶着用の鉄板に押し付けられて先端が溶かされ、セル構成リブ33又はセル構成リブ37と同等の高さまで低くなる。
【0071】
なお、加熱溶着用の鉄板に横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73に対応した逃がし孔を設けておけば、先端が溶かされていない状態で横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73を第1パレット側壁20内に残すことができる。
【0072】
図17に示すように、外側構成盤31における外側主体板32の中央領域には、前記した手掛部23(図3参照)の開口となる横長の長方形の貫通孔が形成され、その貫通孔の縁部から角筒23Bが突出している。一方、内側主体板36の中央領域には、角筒23Bに対応した横長長方形の環状リブ23Cが設けられてる。そして、角筒23Bの先端に環状リブ23Cが固着して手掛部23(図3参照)の内側壁が構成されている。また、外側構成盤31の上端両角部寄り位置には、前述したスライダ受容部28(図3参照)における略正方形の外面開口28Bが貫通形成され、その外面開口28Bの縁部からは図22に示すように枠壁28Vが突出している。一方、内側主体板36には、枠壁28Vと対応した枠状リブ28Wが設けられている。そして、枠壁28Vの先端に枠状リブ28Wが固着してスライダ受容部28(図3参照)の内側壁が構成されている。
【0073】
図19に示すように、前記した中央突部22は、固着層20Kによって内側主体板36寄り位置で2分割されている。また、前記したヒンジ突部21は、固着層20Kによって突出基部21Aが内側主体板36寄り位置で2分割され、回動軸部21Bは2分割されずに外側構成盤31側に形成されている。そして、これらヒンジ突部21及び中央突部22のうち固着層20Kより内側主体板36側は、内側構成盤35の下端部から下方に張り出した複数の下端突片39によって構成されている。一方、突出基部21Aのうち固着層20Kより外側主体板32側は、外側構成盤31の下面に突出した下端ブロック34Aで構成され、中央突部22のうち固着層20Kより外側主体板32側は、外側構成盤31の下面に突出した下端ブロック34Bで構成されている。
【0074】
図20に示すように、各下端突片39には、先端及び側端より内側にずらした位置にセル構成リブ33の一部であるヒンジ補強リブ37Aが配置されている。また、内側構成盤35における下端部で水平方向に延びた下縁長尺横リブ37X2は、内側主体板36の下端より僅かの上方にずらして配置されている。そして、内側構成盤35のうちヒンジ補強リブ37A及び下縁長尺横リブ37X2より外側に突出した部分が、後述する下面溝20M1,20M2を形成するための下端当接突部35Tになっている。
【0075】
また、ヒンジ突部21用の下端ブロック34Aは、外側構成盤31の厚さ方向から見ると内側構成盤35のヒンジ補強リブ37Aと同じ形状になっていて、その下端ブロック34Aの下端面より回動軸部21Bの下端面が下方に位置して段差部が形成されている。また、中央突部22用の下端ブロック34Bは、図19に示すように、ヒンジ突部21用の下端ブロック34Aの両側面から突出した回動軸部21Bの両端部を切除した形状をなし、下端に段差部を有している。さらに、外側構成盤31の下面には、固着層20Kから離れた縁部から下端当接突部31Tが突出し、その下端当接突部31Tの長手方向における複数位置から固着層20Kの近傍位置まで複数の補強突条31Sが延びている。
【0076】
上記した外側構成盤31と内側構成盤35の下端部構造により、第1パレット側壁20におけるヒンジ突部21及び中央突部22の下端面には、図19に示すように、比較的幅狭の下面溝20M1が形成され、第1パレット側壁20の下面全体には、下端当接突部31T,35Tの間に比較的幅広の下面溝20M2が形成されている。そして、それら下面溝20M1,20M2の底面に固着層20Kが配置されている。また、ヒンジ突部21と中央突部22の両側面においては、固着層20Kの近傍から下端当接突部35Tが突出した状態になっている。
【0077】
ここで、外側構成盤31と内側構成盤35とを加熱溶着した場合には、外側構成盤31及び内側構成盤35において溶けた樹脂が、固着層20Kの外縁に沿った余剰樹脂突条20J(図23参照)になって第1パレット側壁20の上下面及び両側面から外側に突出し得る。そして、第1パレット側壁20の上面及び両側面は、比較的平坦な形状であるので、余剰樹脂突条20Jを工具にて容易に切除することができるが、第1パレット側壁20の下面はヒンジ突部21及び中央突部22を備えた凹凸形状になっているので、余剰樹脂突条20Jを工具にて容易に切除することができない。しかしながら、本実施形態のボックスパレット10では、第1パレット側壁20の下面の余剰樹脂突条20Jを切除しなくても、第1パレット側壁20の下端部の上記した下面溝20M1,20M2内に余剰樹脂突条20Jが収まるので、余剰樹脂突条20Jが回動支持部15Aの上面や床面等に当接することが防がれる。これにより、余剰樹脂突条20Jへの負荷に起因した応力集中により、固着層20Kに亀裂が生じような事態を防ぐことができる。また、下面溝20M2内では、複数の補強突条31Sが下端当接突部31Tから固着層20Kの近傍位置まで延びているので、例えば回動支持部15Aの上面角部が下面溝20M2内に突入して余剰樹脂突条20Jに突き当たるような事態も防がれる。
【0078】
第1パレット側壁20に関する内部構造及び、第1パレット側壁20を構成する外側構成盤31と内側構成盤35の構造に関する説明は以上である。次に、第2パレット側壁40の内部構造及び、第2パレット側壁40を構成する外側構成盤61と内側構成盤65の構造について説明する。
【0079】
図26に示すように、第2パレット側壁40は、密閉空間40Pを挟んで対向した外側主体板62と内側主体板66とを備えている。また、外側主体板62と内側主体板66と間には、第2パレット側壁40全体を厚さ方向で2分割する面に沿って樹脂の固着層40Kが設けられている。また、固着層40Kは、第2パレット側壁40の厚さ方向の略中央に配置されている。そして、第2パレット側壁40のうち固着層40Kより一方側が、外側主体板62に格子状のセル構成リブ63を張り巡らせた構造の外側構成盤61になっている一方、他方側が、内側主体板66に格子状のセル構成リブ67を張り巡らせた構造の内側構成盤65になっている。
【0080】
第1パレット側壁20と同様に、第2パレット側壁40においても、外側主体板62及び内側主体板66の各外縁に沿った枠状領域では、その内側の中央領域に比べて、セル構成リブ63,67における格子の細かくなっている。そして、セル構成リブ63,67の先端部同士が加熱溶着によって固着され、それらセル構成リブ63,67にて外側主体板62と内側主体板66とが連結されると共に、密閉空間40Pが複数のセル(小部屋)に区画されている。また、その加熱溶着を行う際に位置決めするための横方向位置決部71,縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73(図24(B)と図25(B)参照)が、外側主体板62及び内側主体板66の対向面に備えられている。
【0081】
なお、第2パレット側壁40の外面下端手掛部46は、第1パレット側壁20の手掛部23と同様に、図24(B)に示した外側構成盤61の角筒46Bと、図25(B)に示した内側構成盤65の環状リブ46Cとに分割されている。また、外面上端手掛凹部45は、図24(A)に示すように全体が外側構成盤61に配置されて、外側主体板62を陥没形成してなり、内面上端手掛凹部48は、図25(A)に示すように、全体が内側構成盤65に配置されて、内側主体板66を陥没形成してなる。また、サイドカバー壁51、側部下端壁52、下向係合フック53及び係合凹部54も、全体が内側構成盤65側に配置されている。
【0082】
図14に示すように、第2パレット側壁40の下面の前記した第1〜第4の差込突部41,42,43,44のうち第4差込突部44は、全体が外側構成盤61に配置され、残りの第1〜第3の差込突部41,42,43は、固着層40Kによって2分割され、第3差込突部43においては、基部43Aと掛止突部43Bとが共に2分割されている。また、前記した外側構成盤31の下端当接突部31T及び補強突条31Sと同様に、図26(A)に示すように、外側構成盤61の下面には、下端当接突部61Tと補強突条61Sが突出形成されると共に、内側構成盤65の下面には、下端当接突部65Tと補強突条65Sが突出形成されている。さらに、これら下端当接突部61T,65T及び補強突条61S,65Sは、外側構成盤61及び内側構成盤65における第1差込突部41の構成部位にも延設されている。これにより、図26(B)に示すように、第2パレット側壁40の下面と、第1差込突部41の下端面及び側面には、第1パレット側壁20の下面溝20M2と同様に、比較的幅広の下面溝40M2が形成されて、その底面に固着層40Kが配置されている。
【0083】
また、図14に示すように、第2と第3の差込突部42,43には、前記した第1パレット側壁20の下面溝20M1と同様に、比較的幅狭の下面溝40M1が先端から両側面に亘る全体に形成され、それら下面溝40M1の底面に固着層40Kが配置されている。これにより、第1パレット側壁20と同様に第2パレット側壁40の下面に余剰樹脂突条を残しても、その余剰樹脂突条に負荷がかかることを防ぐことができる。
【0084】
なお、上記した複数の補強突条61S,65Sの一部は、第2パレット側壁40の下面における長手方向の両端部に配置され(図27(A)参照)、特に衝撃を受けやすい第2パレット側壁40の下端角部を保護している。また、これと同様に、複数の補強突条31Sの一部も、第1パレット側壁20の下面における長手方向の両端部に配置されている(図27(B)参照)。
【0085】
本実施形態のボックスパレット10では、図示しないが第1パレット側壁20における外側構成盤31と内側構成盤35とが互いに異なる色をなしかつ、第2パレット側壁40における外側構成盤61と内側構成盤65とが互いに異なる色になっている。これに加え、第1パレット側壁20の外側構成盤31と第2パレット側壁40の外側構成盤61とが同系統の色(例えば、青系統の色)をなしかつ、第1パレット側壁20の内側構成盤35と第2パレット側壁40の内側構成盤65とが同じ色(例えば、白色)になっている。
【0086】
本実施形態のボックスパレット10の構造に関する説明は以上である。次に、このボックスパレット10の作用効果について説明する。ボックスパレット10は、不使用時には、図28に示すように第1パレット側壁20,20及び第2パレット側壁40,40をパレット本体11上に寝かした状態に折り畳むことができる。具体的には、図1に示した組立状態のボックスパレット10に対し、各結合スライダ27をスライドさせて係合凹部54(図8参照)との係合を解除してから、1対の第1パレット側壁20,20を順次、回動させて、図30に示すようにパレット本体11上に折り重ねる。ここで、第1パレット側壁20の各上向係合フック26Cは、それらが係合している第2パレット側壁40の各下向係合フック53に対してサイドカバー壁51とは反対側の側方に移動して離脱させることができるので、第2パレット側壁40,40を取り外さなくても、第1パレット側壁20,20をパレット本体11上に折り畳むことができる。
【0087】
次いで、一方の第2パレット側壁40をパレット本体11から上方に取り外す。このとき、第2パレット側壁40の1対の外面上端手掛凹部45,45と、それらの裏側に配置された1対の内面上端手掛凹部48,48とに両手の指を掛けて引き上げることで、第2パレット側壁40をパレット本体11から容易に取り外すことができる。
【0088】
そして、第2パレット側壁40を取り外してから回動させて略水平姿勢とし、先端部(起立姿勢の第2パレット側壁40の上端部)を第1パレット側壁20上に当接させる共に、第2パレット側壁40の基端部(起立姿勢の第2パレット側壁40の下端部)を先端部より上方に引き上げ、第3差込突部43の掛止突部43Bを、パレット本体11の第3受容凹部17Cに上方から挿入する(図14参照)。このとき、各第2パレット側壁40における外面下端手掛部46の突片46Tに指を掛けることで、掛止突部43Bを第3受容凹部17Cに上方から容易に挿入することができる。そして、他方の第2パレット側壁40に対しても同様の操作を行うと、図28に示すように、1対の差込支持部15B,15Bの間に1対の第2パレット側壁40,40が並んで嵌った状態になり、これにより、ボックスパレット10の折り畳み操作が完了する。
【0089】
折畳状態のボックスパレット10を組立状態にするには、上記した動作とは逆に、まずは、第2パレット側壁40,40を1対の差込支持部15B,15Bの間から取り出し、起立姿勢にして差込支持部15B,15B上に取り付ける。そして、第1パレット側壁20,20を起立姿勢まで回動して、各結合スライダ27を係合凹部54に係合させればよい。その組み付け作業の際に、第2パレット側壁40における外面下端手掛部46の突片46Tに指を掛けることで容易に第2パレット側壁40を1対の差込支持部15B,15Bの間から取り出すことができ、第1パレット側壁20における手掛部23の突片23Tに指を掛けることで容易に第1パレット側壁20を起立姿勢まで回動させることができる。
【0090】
また、以下の手順でボックスパレット10の組み立ててもよい。即ち、第2パレット側壁40,40を差込支持部15B,15Bの間から取り出し、差込支持部15B上とは異なる場所(例えば、床面等)に立て掛けておき、第1パレット側壁20,20を起立姿勢まで回動させてから、立て掛けておいた1対の第2パレット側壁40,40を、順次、差込支持部15B上に起立姿勢にして取り付ける手順であってもよい。ここで、第2パレット側壁40は、厚さ方向で異なる2色に分かれているので、第2パレット側壁40を差込支持部15Bに取り付ける際に容易に第2パレット側壁40の裏表を判別することができる。また、第1パレット側壁20の外側構成盤31と第2パレット側壁40の外側構成盤61とが同系統の色(例えば、青系統の色)をなしているので、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40の外面同士の色を合わせることでも、容易に第2パレット側壁40の裏表を判別することができ、表裏を間違えずに第2パレット側壁40を差込支持部15B上に載置することができる。
【0091】
また、第2パレット側壁40を、差込支持部15B上に起立姿勢にして取り付けるためには、例えば、図7に示すように、第2パレット側壁40を斜めに起こした状態で差込支持部15B上に載置してから、起立姿勢になるまで回動させればよい。すると、その回動途中で最下端部の上向係合フック26Cの誘導テーパー面26Tに、最下端部の下向係合フック53が摺接し、各下向係合フック53が対応した各上向係合フック26Cの上方に移動する。その状態で第2パレット側壁40を下方に移動させれば、図8に示すように、各下向係合フック53が各上向係合フック26Cとが互いに係合する。そこで、結合スライダ27(図9参照)を係合凹部54(図16参照)に係合させればよい。
【0092】
なお、ボックスパレット10を折り畳む手順に関しても、上述した手順とは別に、例えば、第1パレット側壁20,20を折り畳む前に、第2パレット側壁40,40をパレット本体11から取り外しておき、第1パレット側壁20,20を折り畳んでからそれらの上に第2パレット側壁40,40を寝かせてもよい。
【0093】
さて、組立状態のボックスパレット10に荷物を収容すると、その荷物の圧力によって第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40が外側に膨出するように負荷(モーメント)を受ける。しかしながら、本発明の「ボックスパレット側壁」に相当する本実施形態の第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40は、中空構造をなし、互いに対向する外側主体板32及び内側主体板36と、外側主体板62及び内側主体板66を備えているので、中実構造の従来のボックスパレット側壁に比べて、同じ重さであれば、断面二次モーメントが大きくなり、強度が高くなる。これにより、本実施形態のボックスパレット10によれば、従来より重い荷物を搬送することができる。また、同じ強度であれば従来より軽くなり、ボックスパレット10の搬送が容易になる。しかも、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の内部は密閉空間20P,40Pになっているので、浸水により第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40が重くなることもない。さらには、密閉空間20P,40Pを複数のセルに区画するセル構成リブ33,37,63,67によって外側主体板32及び内側主体板36、外側主体板62及び内側主体板66が補強されているので、この点においても従来より高強度化及び軽量化が可能になる。その上、それらセル構成リブ33,37,63,67は、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40に内蔵されて外部には露出していないので、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の外面における凹凸を従来より少なくすることができ、清掃が容易になると共に美観が向上する。
【0094】
ところで、図29に示すように、複数のボックスパレット10を積み上げ、上側のボックスパレット10にフォークリフトのフォークを挿入する場合、誤って下側のボックスパレット10における第1パレット側壁20又は第2パレット側壁40における上縁領域にフォークが突き当たることが起こり得る。また、図28に示すように、上側のボックスパレット10が折畳状態で、フォークがボックスパレット10の第2パレット側壁40の側縁領域に突き当たることも起こり得る。
【0095】
しかしながら、本実施形態では、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40における外縁の枠状領域の複数のセルが中央領域の複数のセルに比べて細かくなって枠状領域が強化されているので、フォークの突き当てによる第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の破損、変形が防がれる。また、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40全体でセルを細かくして強化したものに比べて第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の重量増加を抑えることができる。
【0096】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、外側構成盤(31,61)と内側構成盤(35,65)の両方にセル構成リブが設けられていたが、外側構成盤と内側構成盤との一方のみにセル構成リブを設け、他方をリブを有しない平板構造にしてもよい。
【0097】
(2)前記実施形態では、一方のボックスパレット側壁(第1パレット側壁20)がパレット本体に回動可能に連結され、他方のボックスパレット側壁(第2パレット側壁40)がパレット本体に差し込まれる構成であったが、4つのボックスパレット側壁の全てをパレット本体に回動可能に連結してもよいし、4つのボックスパレット側壁の全てをパレット本体に差し込んで連結する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
10 ボックスパレット
11 パレット本体
12 フォーク挿入孔
20 第1パレット側壁(ボックスパレット側壁)
20J 余剰樹脂突条
20K,40K 固着層
20M1,20M2,40M1,40M2 下面溝
20P,40P 密閉空間
31S,61S,65S 補強突条
32,62 外側主体板
33,37,63,67 セル構成リブ
36,66 内側主体板
40 第2パレット側壁(ボックスパレット側壁)
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット本体に組み付けられてボックスパレットを構成するボックスパレット側壁及びそのボックスパレット側壁を備えたボックスパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のボックスパレット側壁は、主板部の外面全体に補強リブを備えた構造になっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−327170号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のボックスパレット側壁は、補強リブにより外面形状が煩雑になって美観を損ないかつ清掃が困難という問題があった。また、ボックスパレットは、従前から同じ強度であればより軽く、同じ重さであればより高強度にすることが求められていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より美観に優れかつ清掃も容易であると共に、従来より軽量化と高強度化が可能なボックスパレット及びボックスパレット側壁の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るボックスパレット側壁は、パレット本体の上面縁部に複数組み付けられて、パレット本体と共に上面開放の箱形構造のボックスパレットを構成するボックスパレット側壁であって、密閉空間を内部に有した中空構造をなして、その密閉空間を挟んでボックスパレット側壁の厚さ方向で対向する外側主体板と内側主体板を備えると共に、密閉空間を複数のセルに区画するセル構成リブにて外側主体板と内側主体板とが連結され、ボックスパレット側壁全体を厚さ方向で2分割する位置に、ボックスパレット側壁を構成する樹脂同士の固着層を備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁のうち上側の外縁部に沿った上縁領域の複数のセルを、ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の複数のセルに比べて細かくして強化したところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁は、パレット本体の上面に寝かせて載置可能に構成され、ボックスパレット側壁のうち左右両側の外縁部に沿った側縁領域の複数のセルを、ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の複数のセルに比べて細かくして強化したところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁の外縁部全体の枠状領域の複数のセルを、ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の複数のセルに比べて細かくして強化したところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のボックスパレット側壁において、ボックスパレット側壁の下面に、固着層に沿って延びた下面溝を形成して、その下面溝の底面に固着層を配置したところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載のボックスパレット側壁において、下面溝の溝内側面から固着層に接近する位置まで延びた補強突条を、下面溝の底面に形成したところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載のボックスパレット側壁において、固着層より外側部分の色と内側部分の色とを異ならせたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載のボックスパレット側壁において、共通のパレット本体に組み付けられる複数のボックスパレット側壁の間で、固着層より外側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているか、又は、固着層より内側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明に係るボックスパレットは、請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載のボックスパレット側壁をパレット本体に組み付けてなるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
[請求項1の発明]
請求項1のボックスパレット側壁は、中空構造をなして互いに対向する外側主体板と内側主体板を備えているので、中実構造の従来のボックスパレット側壁に比べて、同じ重さであれば、断面二次モーメントが大きくなって従来より強度が高くなり、同じ強度であれば従来より軽くなる。また、本発明のボックスパレット側壁の内部は、密閉空間になっているので浸水によりボックスパレット側壁が重くなることもない。さらに、その密閉空間を複数のセルに区画するセル構成リブによって外側主体板と内側主体板との両方が補強されているので、この点においても従来より高強度化及び軽量化が可能になる。また、外側主体板と内側主体板を補強するセル構成リブがボックスパレット側壁に内蔵されて外部には露出していないので、ボックスパレット側壁の外面における凹凸を従来より少なくすることができ、清掃が容易になると共に美観が向上する。
【0016】
なお、本発明のボックスパレット側壁は、ボックスパレット側壁全体を厚さ方向で2分割する位置に樹脂同士の固着層を備えているので、ボックスパレット側壁のうち固着層より外側部分を構成する樹脂成形品と内側部分を構成する樹脂成形品とを予め分けて射出成形しておき、それら樹脂成形品同士を接合して固着させることでボックスパレット側壁を製造することができる。その固着方法は、どのようなものであってもよく、固着方法の一例として、振動溶着、加熱溶着、或いは、接着剤による固着が挙げられる。
【0017】
[請求項2の発明]
積み上げた複数のボックスパレットのうち上側のボックスパレットにフォークリフトのフォークを挿入する場合、誤って下側のボックスパレットにおけるボックスパレット側壁の上縁領域にフォークが突き当たることがある。これに対し、請求項2のボックスパレット側壁では、上縁領域の複数のセルが中央領域の複数のセルに比べて細かくなって強化されているので、フォークの突き当てによるボックスパレット側壁の破損、変形が防がれる。また、ボックスパレット側壁全体でセルを細かくして強化したものに比べてボックスパレット側壁の重量増加が抑えられる。
【0018】
[請求項3の発明]
パレット本体の上面にボックスパレット側壁を寝かせて載置した状態で、フォークリフトのフォークをパレット本体に挿入する場合、誤ってボックスパレット側壁の側縁領域にフォークが突き当たることがある。これに対し、請求項3のボックスパレット側壁は、側縁領域の複数のセルが中央領域の複数のセルに比べて細かくなって強化されているので、フォークの突き当てによるボックスパレット側壁の破損、変形が防がれる。また、ボックスパレット側壁全体でセルを細かくして強化したものに比べてボックスパレット側壁の重量増加が抑えられる。
【0019】
[請求項4の発明]
請求項4の構成では、比較的大きな負荷を受け易いボックスパレット側壁の外縁部における枠状領域の複数のセルが、中央領域の複数のセルに比べて細かくなって強化されているので、フォークの突き当てによるボックスパレット側壁の破損、変形が防がれる。また、ボックスパレット側壁全体でセルを細かくして強化したものに比べてボックスパレット側壁の重量増加が抑えられる。
【0020】
[請求項5の発明]
ボックスパレット側壁のうち固着層の露出部分には、余剰樹脂や余剰接着剤が固化して突条が形成され得る。これに対し、請求項5のボックスパレット側壁では、下面に下面溝を設けて、その底面に固着層を配置したので、余剰樹脂や余剰接着剤の突条が下面溝に収まり、パレット本体や床面等との当接から保護される。これにより、余剰樹脂や余剰接着剤の突条への負荷に起因した応力集中により、固着層に亀裂が生じような事態を防ぐことができる。
【0021】
[請求項6の発明]
請求項6のボックスパレット側壁では、下面溝の溝内側面から固着層に接近する位置まで補強突条が延びているので、パレット本体の上面角部が下面溝内に突入して、余剰樹脂や余剰接着剤の突条に当接する事態を防ぐことができる。
【0022】
[請求項7の発明]
請求項7のボックスパレット側壁では、固着層より外側部分の色と内側部分の色とが異なっているので、色に基づいてボックスパレットの内面と外面とを容易に判別することができ、ボックスパレットのパレット本体に対する組み付け作業の効率が向上する。
【0023】
[請求項8の発明]
請求項8の構成では、共通のパレット本体に組み付けられる複数のボックスパレット側壁の間で、固着層より外側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているか、又は、固着層より内側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているので、ボックスパレット同士の間で色を合わせるようにして、複数のボックスパレットを効率良くパレット本体に組み付けることができる。
【0024】
[請求項9の発明]
請求項9のボックスパレットは、請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載のボックスパレット側壁をパレット本体に組み付けてなるので、従来のボックスパレットに比べて、同じ重さであれば高強度化が可能になり、同じ強度であれば軽量化が可能になる。また、外面における凹凸を従来より少なくすることができ、清掃が容易になると共に美観が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るボックスパレットの斜視図
【図2】一方の第2パレット側壁が取り外された状態のボックスパレットの斜視図
【図3】第1パレット側壁の斜視図
【図4】第1パレット側壁の下端部と回動支持部の斜視図
【図5】第1パレット側壁の下端部を回動支持部に組み付けた状態の斜視図
【図6】第2パレット側壁を差込支持部上で斜めにした状態の斜視図
【図7】第2パレット側壁を差込支持部の上面に突き当てた状態の斜視図
【図8】上向係合フックと下向係合フックとを係合した状態のボックスパレットの一部破断斜視図
【図9】(A)スライダ受容部の一端側に配置された結合スライダの斜視図,(B)スライダ受容部の他端側に配置された結合スライダの斜視図
【図10】(A)結合スライダの表側の斜視図,(B)結合スライダの裏側の斜視図
【図11】(A)スライダ受容部の一端側に配置された結合スライダの一部破断斜視図,(B)スライダ受容部の他端側に配置された結合スライダの一部破断斜視図
【図12】第2パレット側壁の外面側の斜視図
【図13】第2パレット側壁の内面側の斜視図
【図14】第2パレット側壁と差込支持部の斜視図
【図15】第2パレット側壁と差込支持部の斜視図
【図16】第2パレット側壁の一側部の斜視図
【図17】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の内面側の斜視図
【図18】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の外面側の斜視図
【図19】第1パレット側壁の一部破断斜視図
【図20】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の下端部内面側の斜視図
【図21】(A)縦方向位置決部と位置決嵌合突部の斜視図,(B)横方向位置決部と位置決嵌合突部の斜視図
【図22】第1パレット側壁の外側構成盤と内側構成盤の上端角部内面側の斜視図
【図23】第1パレット側壁における余剰樹脂突条の断面図
【図24】(A)第2パレット側壁の外側構成盤の外面側斜視図,(B)その内面側斜視図
【図25】(A)第2パレット側壁の内側構成盤の外面側斜視図,(B)その内面側斜視図
【図26】(A)第3差込突部の下端部の一部破断斜視図,(B)第1差込突部の下端部の一部破断斜視図
【図27】(A)第2パレット側壁の下端角部の斜視図,(B)第1パレット側壁の下端角部の斜視図
【図28】折畳状態のボックスパレットの斜視図
【図29】ボックスパレットを積み上げた状態の斜視図
【図30】第1パレット側壁を折り畳んだ状態のボックスパレットの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図1〜図30に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のボックスパレット10は、パレット本体11に1対の第1パレット側壁20,20と1対の第2パレット側壁40,40とを組み付けてなる。パレット本体11は、上下方向に扁平な略直方体状をなして、フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔12を、縦横の両方向に1対ずつ貫通状態に備えている。
【0027】
パレット本体11の下面は、外縁部が段付き状に上方にずれて積上当接部13になっている。また、積上当接部13の各角部には、それら各角部の頂点を挟んだ2位置に1対の台形状の下面位置決突部14,14が突出形成されている。
【0028】
図2に示すように、パレット本体11の上面の外縁部からは側壁支持部15が突出している。側壁支持部15のうち1対の対向辺に配置された1対の回動支持部15A,15Aは、1つの第1パレット側壁20の厚さ分だけパレット本体11の上面より高くなっていて、残りの1対の対向辺に位置した1対の差込支持部15B,15Bは、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40と1つずつ重ねた厚さ分だけ、回動支持部15Aより高くなっている。そして、1対の第1パレット側壁20,20が1対の回動支持部15A,15Aに回動可能に組み付けられると共に、1対の第2パレット側壁40,40が1対の差込支持部15B,15Bに回動不能に組み付けられている。
【0029】
本実施形態では、これら第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40が、本発明の「ボックスパレット側壁」に相当し、共に中空構造をなしている。以下、まずは、第1パレット側壁20について、内部構造以外の詳細構造について詳説してから、第2パレット側壁40について、内部構造以外の詳細構造について詳説し、その後、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の内部構造について詳説する。
【0030】
なお、以下の説明において特記しない限り、「第1パレット側壁20の外面」とは、第1パレット側壁20の中空構造の内部の面に対する外部の面を指すのではなく、ボックスパレット10のうち第1パレット側壁20,第2パレット側壁40に囲まれた荷物収容空間より外側の面を指すものとする。また、「第1パレット側壁20の内面」とは、第1パレット側壁20の中空構造の内部の面を指すのではなく、ボックスパレット10のうち第1パレット側壁20,第2パレット側壁40に囲まれた荷物収容空間に臨んだ内側の面を指すものとする。第2パレット側壁40に関しても同様である。
【0031】
図3に示すように、第1パレット側壁20は、全体が横長の長方形になっていて、下面に複数のヒンジ突部21を備えている。これら複数のヒンジ突部21は、第1パレット側壁20の下面から下方に突出した突出基部21Aの先端に回動軸部21Bを備えてなる。図4に示すように、突出基部21Aは、第1パレット側壁20の下面の長手方向に幅広になっていて、その突出基部21Aの幅広方向の両側面から回動軸部21Bの両端部が両側方に突出している。
【0032】
なお、回動軸部21Bは、上下方向に扁平になっていて、回動軸部21Bのうち第1パレット側壁20の厚さ方向で外側を向いた面が湾曲し、その反対面と上下の両面は平坦面になっている。
【0033】
第1パレット側壁20の複数のヒンジ突部21に対して、パレット本体11の回動支持部15Aには、複数の回動支持凹部16が陥没形成されている。回動支持凹部16は、回動支持部15Aの上面と内側面とに開口している。回動支持凹部16の上面開口16Aは、ヒンジ突部21の平面形状と略同じ大きさをなし、回動支持凹部16の側面開口16Bは、ヒンジ突部21における突出基部21Aと略同じ幅をなしている。また、回動支持凹部16内の側面の上端部には、回動支持凹部16の側面開口16Bの両側に抜止突起16T,16T(図4には、一方の抜止突起16Tのみが示されている)が設けられている。
【0034】
図5に示すように、第1パレット側壁20は、水平に倒された状態で、回動軸部21Bが抜止突起16T,16Tと、それらに対向した回動支持凹部16の内側面との間に挿入される。そして、回動軸部21Bを支点にして第1パレット側壁20を上方に回動して回動支持部15A上で起立させると(図2参照)、回動軸部21Bが抜止突起16Tの下方に潜り込んで(図7参照)、ヒンジ突部21が回動支持凹部16に対して抜け止めされた状態になる。このように、第1パレット側壁20は、回動支持部15Aに回動可能に連結されている。
【0035】
図3に示すように、第1パレット側壁20の下面における長手方向の中央には、中央突部22が設けられている。図4に示すように、中央突部22は、上記したヒンジ突部21から回動軸部21Bを排除した形状になっている。また、この中央突部22に対し、パレット本体11の回動支持部15Aには、中央凹部16Cが形成されている。中央凹部16Cは、回動支持部15Aの上面と内側面とに中央突部22と同じ幅で開口している。そして、中央突部22が中央凹部16C内に受容されて、第1パレット側壁20の横方向の移動を規制する。
【0036】
図4に示すように、回動支持部15Aの両端部上方には、差込支持部15Bから回動規制突壁16Dが張り出している(図4には、一方の回動規制突壁16Dのみが示されている)。また、回動規制突壁16Dの下端部は、差込支持部15B側に段付き状に陥没して係止凹部16Eになっている。そして、第1パレット側壁20を起立姿勢にしたときに、図6に示すように、第1パレット側壁20の両側縁部の下部が回動規制突壁16Dに当接して第1パレット側壁20の外側への傾動が規制される。
【0037】
図3に示すように、第1パレット側壁20の外面には、上縁部中央に手掛部23が陥没形成されている。手掛部23は、横長の長方形をなし、その下端開口縁に突片23Tを備えた形状になっている。その突片23Tは、第1パレット側壁20の外面と面一になって手掛部23の開口内側に張り出している。
【0038】
第1パレット側壁20の外面のうち手掛部23の両側には、第1パレット側壁20の外面を僅かに陥没させた外面陥没部24,24が設けられている。外面陥没部24は、四角形になっていて、上下方向においては第1パレット側壁20の上寄り位置から下寄り位置に亘り、左右方向においては、第1パレット側壁20の中央から側部寄り位置に亘る範囲に形成されている。
【0039】
第1パレット側壁20には、外面の両側縁部を一定幅で陥没させて側辺段差凹部25,25が形成されている。各側辺段差凹部25内の下端部には、第1側面突部26Aが設けられ、その上方に第2側面突部26Bが設けられている。第1側面突部26Aは、側辺段差凹部25の段差面25Aと奥面25Bとに一体になった直方体の上側角部にテーパー面を備えた構造をなしている。また、第2側面突部26Bは、側辺段差凹部25の段差面25Aと奥面25Bとに一体の直方体形状になっている。そして、第1パレット側壁20を起立姿勢にした際に、図6に示すように、第1側面突部26Aがテーパー面を回動規制突壁16Dの下部に摺接させて係止凹部16Eに嵌合係合しかつ第1側面突部26Aと第2側面突部26Bとが、回動規制突壁16Dを上下方向で挟んだ状態になって、パレット本体11に対する第1パレット側壁20の上下動を規制する。
【0040】
図6に示すように、側辺段差凹部25のうち第2側面突部26Bより上方には、複数の上向係合フック26Cが上下方向に並べて設けられている。各上向係合フック26Cは、側辺段差凹部25の段差面25Aと奥面25Bとに一体に連続していて、段差面25Aから側方に突出し、その先端部が上方に屈曲した形状になっている。また、最下端の上向係合フック26Cのみに誘導テーパー面26Tが形成されている。誘導テーパー面26Tは、上向係合フック26Cの上端部を上下方向に対して斜め(例えば、45度)にカットしてなり、下方に向かうに従って段差面25Aから離れるように傾斜している。
【0041】
最上部の上向係合フック26Cは、側辺段差凹部25の上端部に配置され、その最上部の上向係合フック26Cと上から2番目の上向係合フック26Cとの間隔が、他の隣り合った上向係合フック26C同士の間隔に比べて広くなっている。そして、最上部とその次の上向係合フック26C,26Cの間における段差面25Aに、段差面開口28Aが備えられ、その段差面開口28Aから結合スライダ27の先端が出没するようになっている。
【0042】
具体的には、図3に示すように、第1パレット側壁20の上部の両角部寄り位置には、スライダ受容部28が陥没形成されている。各スライダ受容部28は、図9(A)に示すように、第1パレット側壁20の外面に略四角形の外面開口28Bを有すると共に、側辺段差凹部25の段差面25Aまで連通したガイド孔28Dを備え、そのガイド孔28Dの端部が段差面25Aで開放して段差面開口28Aになっている。また、外面開口28Bの上下の開口縁からは、内側にスライド係止片28Cが張り出されている(図9(A)には、一方のスライド係止片28Cのみが示されている)。さらに、図9(B)に示すように、スライダ受容部28の奥面28Eには、水平方向に延びたガイド突条28Fが備えられている。
【0043】
結合スライダ27は、図10(A)に示すように、縦長の矩形板27Cの回りを角筒壁27Dで囲んだ構造の箱形操作部27Aを備えている。そして、図9(B)に示すように、箱形操作部27Aの矩形板27Cとスライダ受容部28の奥面28Eとを対向させた状態で結合スライダ27がスライダ受容部28に受容されている。
【0044】
また、図10(A)に示すように、箱形操作部27Aの上下の両側面からは、スライド係止突片27E,27Eが張り出され、これらスライド係止突片27E,27Eが、図22に示すように、スライダ受容部28のスライド係止片28C,28Cの裏面に係合している。これにより、結合スライダ27がスライダ受容部28内に抜け止めされている。また、スライド係止突片27E,27Eの先端は、スライダ受容部28の上下の内側面に突き合わされ、これにより結合スライダ27がスライダ受容部28内で上下動不能に支持されている。
【0045】
図10(B)に示すように、箱形操作部27Aの一端部には、スライダ受容部28のガイド突条28F(図9(B)参照)と係合する係合溝27Mが形成されている。そして、図11(A)と図11(B)とに比較して示すように、箱形操作部27Aとスライダ受容部28の外面開口28Bとの横幅の差分の範囲で結合スライダ27が第1パレット側壁20に対して左右方向に直動する。
【0046】
箱形操作部27Aの一側面からは、スライダ受容部28のガイド孔28Dに向かって突入片27Bが突出している。そして、結合スライダ27が可動範囲の一端の解除位置に配置されると、図11(A)に示すように、突入片27Bがガイド孔28D内に収まって段差面開口28Aからは突出せず、結合スライダ27が可動範囲の他端の側壁連結位置に配置されると、図11(B)に示すように、突入片27Bの先端が段差面開口28Aから外側に突出する。また、図10(A)に示すように、係合突片27Bには、幅方向の中央に門形のスリット27Gが形成され、そのスリット27Gの内側が弾性係止片27Hになっている。また、弾性係止片27Hの先端外面からは係止突起27Jが突出している。これに対し、ガイド孔28Dの内面には、図11(A)に示すように、係止段差部28Gが形成され、結合スライダ27が側壁連結位置に配置されると、図11(B)に示すように、弾性係止片27Hの係止突起27Jが係止段差部28Gに係止する。
【0047】
次に、第2パレット側壁40について、内部構造以外の詳細構造について詳説する。図12に示すように、第2パレット側壁40は、全体が横長の長方形になっていて、下面に第1〜第4の差込突部41,42,43,44を備えている。第1差込突部41は、第2パレット側壁40の下面における長手方向の両端部寄り位置に配置され、第2差込突部42は、第2パレット側壁40の下面の長手方向の中央に配置されている。また、第3差込突部43は、各第1差込突部41と第2差込突部42とのそれぞれの中間位置に配置され、第4差込突部44は、隣り合った第1と第3の差込突部41,43の間と、隣り合った第2と第3の差込突部42,43の間とにそれぞれ配置されている。
【0048】
第1差込突部41は、第2パレット側壁40の厚さ方向から見ると、図14に示すように、下方に向かって幅狭となった台形状の基部41Aの下面から突部41Bを突出させた形状になっている。また、第2差込突部42は、横長の長方形になっている。また、第3差込突部43は、横長長方形の基部43Aの下端両側面から掛止突部43B,43Bを突出させた形状になっている。また、第4差込突部44は、横長の台形状になっている。さらに、第4差込突部44は、図15に示すように、第2パレット側壁40の厚さ方向で第2パレット側壁40の外面側に寄せて配置されている。
【0049】
これら第2パレット側壁40の第1〜第4の差込突部41,42,43,44に対応させて、パレット本体11の差込支持部15Bには、第1〜第4の受容凹部17A,17B,17C,17Dが設けられている。それら第1〜第4の受容凹部17A,17B,17C,17Dは、差込支持部15Bの上面及び内側面の両面に対して陥没している。また、第3差込突部43に対応した第3受容凹部17Cのうち差込支持部15Bの上面に位置した上面開口17Eより差込支持部15Bの内側面に位置した側面開口17Fの方が幅狭になっていて、第3差込突部43の基部43Aのみが側面開口17Fを通過することができる。
【0050】
そして、図30に示すように、第2パレット側壁40を差込支持部15B上に起立させて、第1〜第4の差込突部41,42,43,44を、第1〜第4の受容凹部17A,17B,17C,17Dに差し込むことができるようになっている。これにより、第2パレット側壁40の下端部が水平移動不能に保持される。また、図14に示すように、第2パレット側壁40をパレット本体11から取り外しかつ水平姿勢にしてパレット本体11上に載置する際に、第3差込突部43の掛止突部43Bを第3受容凹部17Cの上面開口17Eから内部に挿入すると共に、第3差込突部43の基部43Aを第3受容凹部17Cの側面開口17F内に配置することで、第2パレット側壁40が水平移動不能に保持される。このとき、第1,第2,第4の差込突部41,42,44は、第1,第2,第4の受容凹部17A,17B,17Dに対し、差込支持部15Bの内側面側の開口を通して受容された状態になる。
【0051】
図1に示すように、第2パレット側壁40の外面には、下端部中央に外面下端手掛部46が陥没形成されている。外面下端手掛部46は、上述した第1パレット側壁20の手掛部23と同一形状をなし、下端開口縁に突片46Tを備えている。また、第2パレット側壁40の外面における上縁部には、横長の長方形をなした1対の外面上端手掛凹部45,45が横並びにして陥没形成され、第2パレット側壁40の内面における上縁部には、横長の長方形をなした1対の内面上端手掛凹部48,48が横並びにして陥没形成されている。これら外面上端手掛凹部45,45と内面上端手掛凹部48,48は、同一形状をなし、互いに表裏となる位置に配置されている。
【0052】
第2パレット側壁40の外面のうち外面下端手掛部46の両側には、第2パレット側壁40の外面を僅かに陥没させた外面陥没部47,47が設けられている。外面陥没部47は、四角形になっていて上下方向においては第2パレット側壁40の下端寄り位置から中央上寄り位置に亘り、左右方向においては第2パレット側壁40の中央から側部寄り位置に亘る範囲に形成されている。
【0053】
図13に示すように、第2パレット側壁40の内面における左右方向の中央部分は、僅かに窪んだ中央陥没部40Aになっている。中央陥没部40Aは、第2パレット側壁40の上下方向全体に亘って一定幅で延びた陥没底面40Bの両側には、緩やかに傾斜した緩斜面40C,40Cを備えた形状になっている。
【0054】
第2パレット側壁40の両側縁部における下端部には、段差部40D,40Dが形成され、それら段差部40D,40Dより上側部分は、段差部40Dの下側部分より側方に張り出した側縁連結基部50,50になっている。また、第2パレット側壁40の内面における各側縁連結基部50の外側縁部からは、サイドカバー壁51がそれぞれ垂直に突出している。そして、サイドカバー壁51と側縁連結基部50との内側角部に沿って複数の下向係合フック53が並べて設けられている。これら下向係合フック53は、側縁連結基部50とサイドカバー壁51とに一体に連続していて、側縁連結基部50のサイドカバー壁51と同方向に突出し、その先端部が下方に屈曲したフック形状になっている。そして、図8に示すように、各下向係合フック53が各上向係合フック26Cとが互いに係合し、これにより、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40の側縁部同士が連結される。
【0055】
図16に示すように、側縁連結基部50の下端部にはサイドカバー壁51と同方向に突出した側部下端壁52が設けられ、この側部下端壁52によって側縁連結基部50とサイドカバー壁51の下端部同士が連絡されている。なお、図8に示すように、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40とがパレット本体11上で起立状態に組み付けられたときには、側部下端壁52は、第1パレット側壁20の第2側面突部26B上に載置される。
【0056】
図16に示すように、第2パレット側壁40には、上から2番目の下向係合フック53の上側に係合箱部54Bが一体に備えられ、その係合箱部54Bの内側は、第1パレット側壁20に向かって開放した係合凹部54になっている。そして、係合凹部54に第1パレット側壁20における結合スライダ27の係合突片27B(図9(B)参照)が突入して、第1パレット側壁20に対する第2パレット側壁40の上方への移動が規制される。
【0057】
図16に示すように、サイドカバー壁51の外面には、係合凹部54内に連通した覗き孔55が形成されている。また、結合スライダ27は、第2パレット側壁40とは異なる色になっている。そして、この覗き孔55を通して、係合突片27Bが係合凹部54内に係合しているか否かを目視確認することができるようになっている。
【0058】
図1に示すように、第2パレット側壁40の上面両端部には、上面位置決凹部49,49が陥没形成されている。これと同様に第1パレット側壁20の上面両端部にも上面位置決凹部29,29が陥没形成されている。そして、図29に示すように、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40を起立させた状態のボックスパレット10の上に別のボックスパレット10を積み上げたときに、上側のボックスパレット10における下面位置決突部14が上面位置決凹部29,49に嵌るようになっている。
【0059】
さて、次に第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の内部構造について説明する。第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40は、上述したように共に本発明の「ボックスパレット側壁」に相当し、中空構造をなしている。その中空構造とするために、第1パレット側壁20は、図17及び図18に示した外側構成盤31と内側構成盤35とを固着させてなり、第2パレット側壁40は、図24に示した外側構成盤61と図25に示した内側構成盤65とを固着させてなる。
【0060】
具体的には、図19に示すように、第1パレット側壁20は、密閉空間20Pを挟んで対向した外側主体板32と内側主体板36とを備えている。また、外側主体板32と内側主体板36と間には、第1パレット側壁20全体を厚さ方向で2分割する面に沿って樹脂の固着層20Kが設けられている。その固着層20Kは、第1パレット側壁20の厚さ方向のうち内側主体板36寄り位置に配置されている。そして、第1パレット側壁20のうち固着層20Kより外側主体板32側が外側構成盤31になっていて、第1パレット側壁20のうち固着層20Kより内側主体板36側が内側構成盤35になっている。
【0061】
図17に示すように、外側構成盤31は、外側主体板32のうち内側主体板36との対向面全体にセル構成リブ33を張り巡らせた構造になっている。また、内側構成盤35は、内側主体板36における外側構成盤31との対向面にセル構成リブ37を張り巡らせた構造になっている。
【0062】
外側構成盤31のセル構成リブ33は、格子状になっていて、外側構成盤31の外縁に沿った枠状領域におけるセル構成リブ33の格子の目は、枠状領域の内側の中央領域におけるセル構成リブ33の格子の目に比べて細かくなっている。詳細には、セル構成リブ33には、第1パレット側壁20の横方向の略全体に亘って延びた複数の長尺横リブ33Xと、第1パレット側壁20の縦方向の略全体に亘って延びた複数の長尺縦リブ33Yとが含まれている。そして、長尺横リブ33Xのうち、例えば第1パレット側壁20の上側2つの上縁長尺横リブ33X1,33X1(図21(B)参照)の間隔と、下側2つの下縁長尺横リブ33X2,33X2(図20参照)の間隔とが、それら以外の中央長尺横リブ33X3,33X3(図17参照)の間隔に比べて狭くなっている。
【0063】
また、長尺縦リブ33Yのうち第1パレット側壁20の両側における例えば3つ以上の複数の側縁長尺縦リブ33Y1(図21(B)参照)の間隔が、それら以外の中央長尺縦リブ33Y3,33Y3の間隔に比べて狭くなっている。
【0064】
さらに、上縁長尺横リブ33X1,33X1の間及び下縁長尺横リブ33X2,33X2の間のうち複数の中央長尺縦リブ33Y3によって仕切られた各升目内には、複数の縁部強化縦リブ33Y4が中央長尺縦リブ33Y3と平行に設けられている。また、側縁長尺横リブ33Y1,33Y1の間のうち複数の中央長尺横リブ33X3によって仕切られた各升目内には、複数の縁部強化横リブ33X4が中央長尺横リブ33X33と平行に設けられている。これらにより、前述したように外側構成盤31の外縁に沿った枠状領域におけるセル構成リブ33の格子の目が、枠状領域の内側の中央領域におけるセル構成リブ33の格子の目に比べて細かくなっている。
【0065】
図17に示すように、内側構成盤35のセル構成リブ37も、外側構成盤31のセル構成リブ33と同様に格子状をなし、内側構成盤35の外縁に沿った枠状領域におけるセル構成リブ37の格子の目が、枠状領域の内側の中央領域におけるセル構成リブ37の格子の目に比べて細かくなっている。そして、外側構成盤31のセル構成リブ33と内側構成盤35のセル構成リブ37の先端部同士が固着され、それらセル構成リブ33,37によって外側主体板32と内側主体板36とが連結されると共に、第1パレット側壁20内の密閉空間20Pがセル構成リブ33,37によって複数のセル(小部屋)に区画されている。
【0066】
本実施形態では、外側構成盤31と内側構成盤35とが、例えば、加熱溶着によって固着されている。その加熱溶着では、外側構成盤31と内側構成盤35とを接合させた状態で、図示しない1対の対向治具の間に外側構成盤31及び内側構成盤35が配置される。そして、1対の対向治具で外側構成盤31及び内側構成盤35を挟持して、各対向治具に外側構成盤31と内側構成盤35とが分けて固定され、それら対向治具同士が離間することで、外側構成盤31と内側構成盤35が分けられる。この状態で、それら外側構成盤31と内側構成盤35との間に加熱された鉄板が配置される。そして、外側構成盤31と内側構成盤35の接合面を、加熱された鉄板に押し付けて溶かしてから、鉄板を退避させてから1対の対向治具を接近させて、外側構成盤31と内側構成盤35とが互いに押し付けられ固着される。
【0067】
本実施形態の第1パレット側壁20には、上記した1対の対向治具に固定する前に、外側構成盤31と内側構成盤35とを互いに位置決めして接合させるために、図17に示すように、外側構成盤31には横方向位置決部71と縦方向位置決部72とが設けられ、内側構成盤35には位置決嵌合突部73が設けられている。
【0068】
具体的には、横方向位置決部71は、外側構成盤31と内側構成盤35とを横方向で互いに位置決めして固着させるためのものであって、外側構成盤31のうち、例えば、左右方向の略中央における上端寄り位置と下端寄り位置との2箇所に配置されている。一方、縦方向位置決部72は、外側構成盤31と内側構成盤35とを縦方向で互いに位置決めして固着させるためのものであって、外側主体板32のうち、例えば、上下方向の略中央において左右方向の両端部の2位置に配置されている。そして、位置決嵌合突部73が、内側主体板36のうち各横方向位置決部71及び各縦方向位置決部72との対向位置に配置されている。
【0069】
図21には、外側構成盤31と内側構成盤35とが固着される前の状態における、横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73が図21に示されている。縦方向位置決部72は、図21(A)に示すように、外側構成盤31の縦方向で対向した1対の対向片72A,72Aを、それらの対向面の裏側から補強用三角リブ72B,72Bにて補強した構造になっている。また、横方向位置決部71は、図21(B)に示すように、縦方向位置決部72を90度回転させた形状をなし、外側構成盤31の横方向で対向した1対の対向片71A,71Aを補強用三角リブ71B,71Bにて補強した構造になっている。これらに対し、位置決嵌合突部73は、断面が「+」形をなし、外側構成盤31の縦方向に厚さ方向が向いた第1突入片73Aと、横方向に厚さ方向が向いた第2突入片73Bとを互いに幅方向の中央で交差させた構造になっている。また、第1と第2の突入片73A,73Bにおける先端両角部は面取りされている。
【0070】
外側構成盤31と内側構成盤35とが固着される前の状態では、上記した横方向位置決部71及び縦方向位置決部72は、セル構成リブ33より高く、位置決嵌合突部73はセル構成リブ37より高くなっている。そして、上記した1対の対向治具に固定する前の外側構成盤31及び内側構成盤35を互いに接合させると、縦方向位置決部72の対向片72A,72Aの間に位置決嵌合突部73が嵌合して外側構成盤31と内側構成盤35とが縦方向で位置決めされると共に、横方向位置決部71の対向片71A,71Aの間に位置決嵌合突部73が嵌合して外側構成盤31と内側構成盤35とが横方向で位置決めされる。そして、横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73は、外側構成盤31と内側構成盤35とが1対の対向治具に固定された後は、加熱溶着用の鉄板に押し付けられて先端が溶かされ、セル構成リブ33又はセル構成リブ37と同等の高さまで低くなる。
【0071】
なお、加熱溶着用の鉄板に横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73に対応した逃がし孔を設けておけば、先端が溶かされていない状態で横方向位置決部71、縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73を第1パレット側壁20内に残すことができる。
【0072】
図17に示すように、外側構成盤31における外側主体板32の中央領域には、前記した手掛部23(図3参照)の開口となる横長の長方形の貫通孔が形成され、その貫通孔の縁部から角筒23Bが突出している。一方、内側主体板36の中央領域には、角筒23Bに対応した横長長方形の環状リブ23Cが設けられてる。そして、角筒23Bの先端に環状リブ23Cが固着して手掛部23(図3参照)の内側壁が構成されている。また、外側構成盤31の上端両角部寄り位置には、前述したスライダ受容部28(図3参照)における略正方形の外面開口28Bが貫通形成され、その外面開口28Bの縁部からは図22に示すように枠壁28Vが突出している。一方、内側主体板36には、枠壁28Vと対応した枠状リブ28Wが設けられている。そして、枠壁28Vの先端に枠状リブ28Wが固着してスライダ受容部28(図3参照)の内側壁が構成されている。
【0073】
図19に示すように、前記した中央突部22は、固着層20Kによって内側主体板36寄り位置で2分割されている。また、前記したヒンジ突部21は、固着層20Kによって突出基部21Aが内側主体板36寄り位置で2分割され、回動軸部21Bは2分割されずに外側構成盤31側に形成されている。そして、これらヒンジ突部21及び中央突部22のうち固着層20Kより内側主体板36側は、内側構成盤35の下端部から下方に張り出した複数の下端突片39によって構成されている。一方、突出基部21Aのうち固着層20Kより外側主体板32側は、外側構成盤31の下面に突出した下端ブロック34Aで構成され、中央突部22のうち固着層20Kより外側主体板32側は、外側構成盤31の下面に突出した下端ブロック34Bで構成されている。
【0074】
図20に示すように、各下端突片39には、先端及び側端より内側にずらした位置にセル構成リブ33の一部であるヒンジ補強リブ37Aが配置されている。また、内側構成盤35における下端部で水平方向に延びた下縁長尺横リブ37X2は、内側主体板36の下端より僅かの上方にずらして配置されている。そして、内側構成盤35のうちヒンジ補強リブ37A及び下縁長尺横リブ37X2より外側に突出した部分が、後述する下面溝20M1,20M2を形成するための下端当接突部35Tになっている。
【0075】
また、ヒンジ突部21用の下端ブロック34Aは、外側構成盤31の厚さ方向から見ると内側構成盤35のヒンジ補強リブ37Aと同じ形状になっていて、その下端ブロック34Aの下端面より回動軸部21Bの下端面が下方に位置して段差部が形成されている。また、中央突部22用の下端ブロック34Bは、図19に示すように、ヒンジ突部21用の下端ブロック34Aの両側面から突出した回動軸部21Bの両端部を切除した形状をなし、下端に段差部を有している。さらに、外側構成盤31の下面には、固着層20Kから離れた縁部から下端当接突部31Tが突出し、その下端当接突部31Tの長手方向における複数位置から固着層20Kの近傍位置まで複数の補強突条31Sが延びている。
【0076】
上記した外側構成盤31と内側構成盤35の下端部構造により、第1パレット側壁20におけるヒンジ突部21及び中央突部22の下端面には、図19に示すように、比較的幅狭の下面溝20M1が形成され、第1パレット側壁20の下面全体には、下端当接突部31T,35Tの間に比較的幅広の下面溝20M2が形成されている。そして、それら下面溝20M1,20M2の底面に固着層20Kが配置されている。また、ヒンジ突部21と中央突部22の両側面においては、固着層20Kの近傍から下端当接突部35Tが突出した状態になっている。
【0077】
ここで、外側構成盤31と内側構成盤35とを加熱溶着した場合には、外側構成盤31及び内側構成盤35において溶けた樹脂が、固着層20Kの外縁に沿った余剰樹脂突条20J(図23参照)になって第1パレット側壁20の上下面及び両側面から外側に突出し得る。そして、第1パレット側壁20の上面及び両側面は、比較的平坦な形状であるので、余剰樹脂突条20Jを工具にて容易に切除することができるが、第1パレット側壁20の下面はヒンジ突部21及び中央突部22を備えた凹凸形状になっているので、余剰樹脂突条20Jを工具にて容易に切除することができない。しかしながら、本実施形態のボックスパレット10では、第1パレット側壁20の下面の余剰樹脂突条20Jを切除しなくても、第1パレット側壁20の下端部の上記した下面溝20M1,20M2内に余剰樹脂突条20Jが収まるので、余剰樹脂突条20Jが回動支持部15Aの上面や床面等に当接することが防がれる。これにより、余剰樹脂突条20Jへの負荷に起因した応力集中により、固着層20Kに亀裂が生じような事態を防ぐことができる。また、下面溝20M2内では、複数の補強突条31Sが下端当接突部31Tから固着層20Kの近傍位置まで延びているので、例えば回動支持部15Aの上面角部が下面溝20M2内に突入して余剰樹脂突条20Jに突き当たるような事態も防がれる。
【0078】
第1パレット側壁20に関する内部構造及び、第1パレット側壁20を構成する外側構成盤31と内側構成盤35の構造に関する説明は以上である。次に、第2パレット側壁40の内部構造及び、第2パレット側壁40を構成する外側構成盤61と内側構成盤65の構造について説明する。
【0079】
図26に示すように、第2パレット側壁40は、密閉空間40Pを挟んで対向した外側主体板62と内側主体板66とを備えている。また、外側主体板62と内側主体板66と間には、第2パレット側壁40全体を厚さ方向で2分割する面に沿って樹脂の固着層40Kが設けられている。また、固着層40Kは、第2パレット側壁40の厚さ方向の略中央に配置されている。そして、第2パレット側壁40のうち固着層40Kより一方側が、外側主体板62に格子状のセル構成リブ63を張り巡らせた構造の外側構成盤61になっている一方、他方側が、内側主体板66に格子状のセル構成リブ67を張り巡らせた構造の内側構成盤65になっている。
【0080】
第1パレット側壁20と同様に、第2パレット側壁40においても、外側主体板62及び内側主体板66の各外縁に沿った枠状領域では、その内側の中央領域に比べて、セル構成リブ63,67における格子の細かくなっている。そして、セル構成リブ63,67の先端部同士が加熱溶着によって固着され、それらセル構成リブ63,67にて外側主体板62と内側主体板66とが連結されると共に、密閉空間40Pが複数のセル(小部屋)に区画されている。また、その加熱溶着を行う際に位置決めするための横方向位置決部71,縦方向位置決部72及び位置決嵌合突部73(図24(B)と図25(B)参照)が、外側主体板62及び内側主体板66の対向面に備えられている。
【0081】
なお、第2パレット側壁40の外面下端手掛部46は、第1パレット側壁20の手掛部23と同様に、図24(B)に示した外側構成盤61の角筒46Bと、図25(B)に示した内側構成盤65の環状リブ46Cとに分割されている。また、外面上端手掛凹部45は、図24(A)に示すように全体が外側構成盤61に配置されて、外側主体板62を陥没形成してなり、内面上端手掛凹部48は、図25(A)に示すように、全体が内側構成盤65に配置されて、内側主体板66を陥没形成してなる。また、サイドカバー壁51、側部下端壁52、下向係合フック53及び係合凹部54も、全体が内側構成盤65側に配置されている。
【0082】
図14に示すように、第2パレット側壁40の下面の前記した第1〜第4の差込突部41,42,43,44のうち第4差込突部44は、全体が外側構成盤61に配置され、残りの第1〜第3の差込突部41,42,43は、固着層40Kによって2分割され、第3差込突部43においては、基部43Aと掛止突部43Bとが共に2分割されている。また、前記した外側構成盤31の下端当接突部31T及び補強突条31Sと同様に、図26(A)に示すように、外側構成盤61の下面には、下端当接突部61Tと補強突条61Sが突出形成されると共に、内側構成盤65の下面には、下端当接突部65Tと補強突条65Sが突出形成されている。さらに、これら下端当接突部61T,65T及び補強突条61S,65Sは、外側構成盤61及び内側構成盤65における第1差込突部41の構成部位にも延設されている。これにより、図26(B)に示すように、第2パレット側壁40の下面と、第1差込突部41の下端面及び側面には、第1パレット側壁20の下面溝20M2と同様に、比較的幅広の下面溝40M2が形成されて、その底面に固着層40Kが配置されている。
【0083】
また、図14に示すように、第2と第3の差込突部42,43には、前記した第1パレット側壁20の下面溝20M1と同様に、比較的幅狭の下面溝40M1が先端から両側面に亘る全体に形成され、それら下面溝40M1の底面に固着層40Kが配置されている。これにより、第1パレット側壁20と同様に第2パレット側壁40の下面に余剰樹脂突条を残しても、その余剰樹脂突条に負荷がかかることを防ぐことができる。
【0084】
なお、上記した複数の補強突条61S,65Sの一部は、第2パレット側壁40の下面における長手方向の両端部に配置され(図27(A)参照)、特に衝撃を受けやすい第2パレット側壁40の下端角部を保護している。また、これと同様に、複数の補強突条31Sの一部も、第1パレット側壁20の下面における長手方向の両端部に配置されている(図27(B)参照)。
【0085】
本実施形態のボックスパレット10では、図示しないが第1パレット側壁20における外側構成盤31と内側構成盤35とが互いに異なる色をなしかつ、第2パレット側壁40における外側構成盤61と内側構成盤65とが互いに異なる色になっている。これに加え、第1パレット側壁20の外側構成盤31と第2パレット側壁40の外側構成盤61とが同系統の色(例えば、青系統の色)をなしかつ、第1パレット側壁20の内側構成盤35と第2パレット側壁40の内側構成盤65とが同じ色(例えば、白色)になっている。
【0086】
本実施形態のボックスパレット10の構造に関する説明は以上である。次に、このボックスパレット10の作用効果について説明する。ボックスパレット10は、不使用時には、図28に示すように第1パレット側壁20,20及び第2パレット側壁40,40をパレット本体11上に寝かした状態に折り畳むことができる。具体的には、図1に示した組立状態のボックスパレット10に対し、各結合スライダ27をスライドさせて係合凹部54(図8参照)との係合を解除してから、1対の第1パレット側壁20,20を順次、回動させて、図30に示すようにパレット本体11上に折り重ねる。ここで、第1パレット側壁20の各上向係合フック26Cは、それらが係合している第2パレット側壁40の各下向係合フック53に対してサイドカバー壁51とは反対側の側方に移動して離脱させることができるので、第2パレット側壁40,40を取り外さなくても、第1パレット側壁20,20をパレット本体11上に折り畳むことができる。
【0087】
次いで、一方の第2パレット側壁40をパレット本体11から上方に取り外す。このとき、第2パレット側壁40の1対の外面上端手掛凹部45,45と、それらの裏側に配置された1対の内面上端手掛凹部48,48とに両手の指を掛けて引き上げることで、第2パレット側壁40をパレット本体11から容易に取り外すことができる。
【0088】
そして、第2パレット側壁40を取り外してから回動させて略水平姿勢とし、先端部(起立姿勢の第2パレット側壁40の上端部)を第1パレット側壁20上に当接させる共に、第2パレット側壁40の基端部(起立姿勢の第2パレット側壁40の下端部)を先端部より上方に引き上げ、第3差込突部43の掛止突部43Bを、パレット本体11の第3受容凹部17Cに上方から挿入する(図14参照)。このとき、各第2パレット側壁40における外面下端手掛部46の突片46Tに指を掛けることで、掛止突部43Bを第3受容凹部17Cに上方から容易に挿入することができる。そして、他方の第2パレット側壁40に対しても同様の操作を行うと、図28に示すように、1対の差込支持部15B,15Bの間に1対の第2パレット側壁40,40が並んで嵌った状態になり、これにより、ボックスパレット10の折り畳み操作が完了する。
【0089】
折畳状態のボックスパレット10を組立状態にするには、上記した動作とは逆に、まずは、第2パレット側壁40,40を1対の差込支持部15B,15Bの間から取り出し、起立姿勢にして差込支持部15B,15B上に取り付ける。そして、第1パレット側壁20,20を起立姿勢まで回動して、各結合スライダ27を係合凹部54に係合させればよい。その組み付け作業の際に、第2パレット側壁40における外面下端手掛部46の突片46Tに指を掛けることで容易に第2パレット側壁40を1対の差込支持部15B,15Bの間から取り出すことができ、第1パレット側壁20における手掛部23の突片23Tに指を掛けることで容易に第1パレット側壁20を起立姿勢まで回動させることができる。
【0090】
また、以下の手順でボックスパレット10の組み立ててもよい。即ち、第2パレット側壁40,40を差込支持部15B,15Bの間から取り出し、差込支持部15B上とは異なる場所(例えば、床面等)に立て掛けておき、第1パレット側壁20,20を起立姿勢まで回動させてから、立て掛けておいた1対の第2パレット側壁40,40を、順次、差込支持部15B上に起立姿勢にして取り付ける手順であってもよい。ここで、第2パレット側壁40は、厚さ方向で異なる2色に分かれているので、第2パレット側壁40を差込支持部15Bに取り付ける際に容易に第2パレット側壁40の裏表を判別することができる。また、第1パレット側壁20の外側構成盤31と第2パレット側壁40の外側構成盤61とが同系統の色(例えば、青系統の色)をなしているので、第1パレット側壁20と第2パレット側壁40の外面同士の色を合わせることでも、容易に第2パレット側壁40の裏表を判別することができ、表裏を間違えずに第2パレット側壁40を差込支持部15B上に載置することができる。
【0091】
また、第2パレット側壁40を、差込支持部15B上に起立姿勢にして取り付けるためには、例えば、図7に示すように、第2パレット側壁40を斜めに起こした状態で差込支持部15B上に載置してから、起立姿勢になるまで回動させればよい。すると、その回動途中で最下端部の上向係合フック26Cの誘導テーパー面26Tに、最下端部の下向係合フック53が摺接し、各下向係合フック53が対応した各上向係合フック26Cの上方に移動する。その状態で第2パレット側壁40を下方に移動させれば、図8に示すように、各下向係合フック53が各上向係合フック26Cとが互いに係合する。そこで、結合スライダ27(図9参照)を係合凹部54(図16参照)に係合させればよい。
【0092】
なお、ボックスパレット10を折り畳む手順に関しても、上述した手順とは別に、例えば、第1パレット側壁20,20を折り畳む前に、第2パレット側壁40,40をパレット本体11から取り外しておき、第1パレット側壁20,20を折り畳んでからそれらの上に第2パレット側壁40,40を寝かせてもよい。
【0093】
さて、組立状態のボックスパレット10に荷物を収容すると、その荷物の圧力によって第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40が外側に膨出するように負荷(モーメント)を受ける。しかしながら、本発明の「ボックスパレット側壁」に相当する本実施形態の第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40は、中空構造をなし、互いに対向する外側主体板32及び内側主体板36と、外側主体板62及び内側主体板66を備えているので、中実構造の従来のボックスパレット側壁に比べて、同じ重さであれば、断面二次モーメントが大きくなり、強度が高くなる。これにより、本実施形態のボックスパレット10によれば、従来より重い荷物を搬送することができる。また、同じ強度であれば従来より軽くなり、ボックスパレット10の搬送が容易になる。しかも、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の内部は密閉空間20P,40Pになっているので、浸水により第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40が重くなることもない。さらには、密閉空間20P,40Pを複数のセルに区画するセル構成リブ33,37,63,67によって外側主体板32及び内側主体板36、外側主体板62及び内側主体板66が補強されているので、この点においても従来より高強度化及び軽量化が可能になる。その上、それらセル構成リブ33,37,63,67は、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40に内蔵されて外部には露出していないので、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の外面における凹凸を従来より少なくすることができ、清掃が容易になると共に美観が向上する。
【0094】
ところで、図29に示すように、複数のボックスパレット10を積み上げ、上側のボックスパレット10にフォークリフトのフォークを挿入する場合、誤って下側のボックスパレット10における第1パレット側壁20又は第2パレット側壁40における上縁領域にフォークが突き当たることが起こり得る。また、図28に示すように、上側のボックスパレット10が折畳状態で、フォークがボックスパレット10の第2パレット側壁40の側縁領域に突き当たることも起こり得る。
【0095】
しかしながら、本実施形態では、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40における外縁の枠状領域の複数のセルが中央領域の複数のセルに比べて細かくなって枠状領域が強化されているので、フォークの突き当てによる第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の破損、変形が防がれる。また、第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40全体でセルを細かくして強化したものに比べて第1パレット側壁20及び第2パレット側壁40の重量増加を抑えることができる。
【0096】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、外側構成盤(31,61)と内側構成盤(35,65)の両方にセル構成リブが設けられていたが、外側構成盤と内側構成盤との一方のみにセル構成リブを設け、他方をリブを有しない平板構造にしてもよい。
【0097】
(2)前記実施形態では、一方のボックスパレット側壁(第1パレット側壁20)がパレット本体に回動可能に連結され、他方のボックスパレット側壁(第2パレット側壁40)がパレット本体に差し込まれる構成であったが、4つのボックスパレット側壁の全てをパレット本体に回動可能に連結してもよいし、4つのボックスパレット側壁の全てをパレット本体に差し込んで連結する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
10 ボックスパレット
11 パレット本体
12 フォーク挿入孔
20 第1パレット側壁(ボックスパレット側壁)
20J 余剰樹脂突条
20K,40K 固着層
20M1,20M2,40M1,40M2 下面溝
20P,40P 密閉空間
31S,61S,65S 補強突条
32,62 外側主体板
33,37,63,67 セル構成リブ
36,66 内側主体板
40 第2パレット側壁(ボックスパレット側壁)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット本体の上面縁部に複数組み付けられて、前記パレット本体と共に上面開放の箱形構造のボックスパレットを構成するボックスパレット側壁であって、
密閉空間を内部に有した中空構造をなして、その密閉空間を挟んで前記ボックスパレット側壁の厚さ方向で対向する外側主体板と内側主体板を備えると共に、前記密閉空間を複数のセルに区画するセル構成リブにて前記外側主体板と前記内側主体板とが連結され、
前記ボックスパレット側壁全体を厚さ方向で2分割する位置に、前記ボックスパレット側壁を構成する樹脂同士の固着層を備えたことを特徴とするボックスパレット側壁。
【請求項2】
前記ボックスパレット側壁のうち上側の外縁部に沿った上縁領域の前記複数のセルを、前記ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の前記複数のセルに比べて細かくして強化したことを特徴とする請求項1に記載のボックスパレット側壁。
【請求項3】
前記ボックスパレット側壁は、前記パレット本体の上面に寝かせて載置可能に構成され、前記ボックスパレット側壁のうち左右両側の外縁部に沿った側縁領域の前記複数のセルを、前記ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の前記複数のセルに比べて細かくして強化したことを特徴とする請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁。
【請求項4】
前記ボックスパレット側壁の外縁部全体の枠状領域の前記複数のセルを、前記ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の前記複数のセルに比べて細かくして強化したことを特徴とする請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁。
【請求項5】
前記ボックスパレット側壁の下面に、前記固着層に沿って延びた下面溝を形成して、その下面溝の底面に前記固着層を配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のボックスパレット側壁。
【請求項6】
前記下面溝の溝内側面から前記固着層に接近する位置まで延びた補強突条を、前記下面溝の底面に形成したことを特徴とする請求項5に記載のボックスパレット側壁。
【請求項7】
前記固着層より外側部分の色と内側部分の色とを異ならせたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のボックスパレット側壁。
【請求項8】
共通の前記パレット本体に組み付けられる複数の前記ボックスパレット側壁の間で、前記固着層より外側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているか、又は、前記固着層より内側部分の色が同じ色又は同系統の色になっていることを特徴とする請求項7に記載のボックスパレット側壁。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載のボックスパレット側壁をパレット本体に組み付けてなることを特徴とするボックスパレット。
【請求項1】
パレット本体の上面縁部に複数組み付けられて、前記パレット本体と共に上面開放の箱形構造のボックスパレットを構成するボックスパレット側壁であって、
密閉空間を内部に有した中空構造をなして、その密閉空間を挟んで前記ボックスパレット側壁の厚さ方向で対向する外側主体板と内側主体板を備えると共に、前記密閉空間を複数のセルに区画するセル構成リブにて前記外側主体板と前記内側主体板とが連結され、
前記ボックスパレット側壁全体を厚さ方向で2分割する位置に、前記ボックスパレット側壁を構成する樹脂同士の固着層を備えたことを特徴とするボックスパレット側壁。
【請求項2】
前記ボックスパレット側壁のうち上側の外縁部に沿った上縁領域の前記複数のセルを、前記ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の前記複数のセルに比べて細かくして強化したことを特徴とする請求項1に記載のボックスパレット側壁。
【請求項3】
前記ボックスパレット側壁は、前記パレット本体の上面に寝かせて載置可能に構成され、前記ボックスパレット側壁のうち左右両側の外縁部に沿った側縁領域の前記複数のセルを、前記ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の前記複数のセルに比べて細かくして強化したことを特徴とする請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁。
【請求項4】
前記ボックスパレット側壁の外縁部全体の枠状領域の前記複数のセルを、前記ボックスパレット側壁の外縁部より内側の中央領域の前記複数のセルに比べて細かくして強化したことを特徴とする請求項1又は2に記載のボックスパレット側壁。
【請求項5】
前記ボックスパレット側壁の下面に、前記固着層に沿って延びた下面溝を形成して、その下面溝の底面に前記固着層を配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のボックスパレット側壁。
【請求項6】
前記下面溝の溝内側面から前記固着層に接近する位置まで延びた補強突条を、前記下面溝の底面に形成したことを特徴とする請求項5に記載のボックスパレット側壁。
【請求項7】
前記固着層より外側部分の色と内側部分の色とを異ならせたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のボックスパレット側壁。
【請求項8】
共通の前記パレット本体に組み付けられる複数の前記ボックスパレット側壁の間で、前記固着層より外側部分の色が同じ色又は同系統の色になっているか、又は、前記固着層より内側部分の色が同じ色又は同系統の色になっていることを特徴とする請求項7に記載のボックスパレット側壁。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載のボックスパレット側壁をパレット本体に組み付けてなることを特徴とするボックスパレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−224345(P2012−224345A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91210(P2011−91210)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
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