説明

ボビン脱着装置

【課題】簡易な構成で、かつ、容易にボビンを脱着することができるボビン脱着装置を提供する。
【解決手段】移動許容部材46は、スプリング46A及び押圧部46Bを含んで構成されている。スプリング46Aは、一端が空間Rを構成する本体42の壁部に当接され、他端が押圧部46Bに当接されている。押圧部46Bは、スプリング46A側に空間Rの開口よりも大径のフランジ部46Cを有している。押圧部46Bは、先端部が空間Rから突出され、解除ボタン32を押圧可能とされている。押圧部46Bと外縁保持部44Bとは、保持アーム44の外縁保持部44Bが、回転軸23の軸方向で、ボビン10のフランジ10Aの下側に配置される保持位置H1に配置された時に、押圧部46Bは解除ボタン32を下側に押し込んだ押込み位置H2に配置されるように、相対位置が位置決めされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線機や撚線機等に使用されるボビンを回転可能に保持するためのボビン固定装置へ、ボビンを脱着するためのボビン脱着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、巻線機や撚線機等に線材を供給する際には、線材が巻かれたボビンを回転させながら上記線材を引き出すようにするため、上記ボビンを回転可能に保持するボビン固定装置が用いられている。ボビンの固定方法としては、エアや電力等の動力を使用する方法と、スロットレバー方式、ねじ込み方式、セットピン方式などの人手による機械的な固定方法とがある。
【0003】
上記のうち、エアや電力等の動力を使用する方式を採用すると、装置が複雑となるため装置サイズが大きくなり、コストも高くなるといった問題がある。一方、スロットレバー方式、ねじ込み方式、セットピン方式など方式では、動力の使用がなく装置を簡素化でき、コストも安くなる。しかしながら、ボビン脱着のための工数が多くなり、作業効率が低下するといった問題があった。
【0004】
例えば、特許文献1に示されているセットピン方式のボビン固定装置では、回転軸にボビンのスプールコア部を挿入し、係止溝が正面になるように回転軸を回転させて位置合わせを行い、ボビン抜け防止ピンを係止溝に挿入する、という工程が必要となる。ボビンを抜き出す場合には、作業者がボビン抜け防止ピンを抜き去った後に、ボビンを回転軸から抜き出すことが可能となる。
【特許文献1】特開2003−182935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、かつ、容易にボビンを脱着可能なボビン脱着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のボビン脱着装置は、ボビンが挿入される回転軸の外周面よりも外側へ突出した突出位置と、前記外周面よりも内側の内側位置と、の間を移動可能とされ、前記突出位置において前記ボビンの挿入後端側に当接されて前記ボビンの前記回転軸から抜け出す方向への移動を規制する可動部材と、を有するボビン固定装置の前記回転軸に挿入されたボビンを保持しつつ前記回転軸の軸方向に移動可能な保持部材と、前記可動部材を前記内側位置へ移動させると共に、前記回転軸から抜け出す方向へ前記ボビンが前記保持部材により所定距離移動されるまで、前記可動部材を前記内側位置に保持する、移動許容部材と、を備えている。
【0007】
上記構成のボビン脱着装置は、ボビンが挿入される回転軸の外周面よりも外側へ突出した突出位置と、前記外周面よりも内側の内側位置と、の間を移動可能とされ、前記突出位置において前記ボビンの挿入後端側に当接されて前記ボビンの前記回転軸から抜け出す方向への移動を規制する可動部材と、を有するボビン固定装置に用いられる。このボビン固定装置へボビンを装着する際には、ボビンを保持しつつ保持部材を回転軸の挿入方向へ移動させる。移動時には、可動部材は内側位置へ配置され、所定の固定位置で可動部材は突出位置へ配置される。突出位置へ配置された可動部材は、ボビンの挿入後端に当接され、ボビンの移動を規制することによりボビンを固定する。また、ボビン固定装置の回転軸に挿入されたボビンを抜き出す際には、保持部材でボビンを保持し、移動許容部材で可動部材を内側位置へ移動させる。この移動により、ボビンは回転軸から抜け出す方への移動が可能となる。そこで、保持部材を移動させて、ボビンを回転軸から抜け出す方向へ移動させる。移動許容部材は、ボビンが保持部材により所定距離移動されるまで、可動部材を前記内側位置に保持する。
【0008】
本発明によれば、回転軸に固定されたボビンを人手を介することなく、容易に回転軸から抜き出すことができる。
【0009】
請求項2に記載のボビン脱着装置は、前記ボビン固定装置が、前記回転軸の端部に取り付けられ、前記ボビンの挿入方向への移動により前記可動部材を前記内側位置へ移動させる解除部材を備え、前記移動許容部材は、前記解除部材を前記ボビンの挿入方向へ押圧する押圧部を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、解除部材を押圧部で押圧することにより、ボビンの回転軸から抜け出す方への移動を可能とすることができる。
【0011】
請求項3に記載のボビン脱着装置は、前記移動許容部材が、前記保持部材に取り付けられ、前記保持部材の前記ボビンを保持する保持位置への移動に伴って、前記押圧部で前記解除部材を押圧して前記可動部材を前記内側位置へ配置する押圧位置へ移動されること、を特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、移動許容部材を保持部材と共に移動させることができ、簡易な構成とすることができる。
【0013】
請求項4に記載のボビン脱着装置は、前記保持位置で前記ボビンのフランジ部の外縁をこのフランジ部の径方向外側から保持可能な外縁保持部を有し、前記外縁保持部には、前記フランジ部の径方向外側に向かって前記回転軸から抜け出す方向へ傾斜が形成されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成のボビン脱着装置では、ボビンを保持する際には、外縁保持部でフランジ部を径方向外側から保持する。このとき、押圧部は押圧位置へ移動されており、解除部材が押圧されて移動許容部材は内側位置に配置されている。外縁保持部には、フランジ部の径方向外側に向かってボビンが回転軸から抜け出す方向へ傾斜が形成されている。したがって、ボビンは、外縁保持部に保持される際に、この傾斜に沿って回転軸から抜け出す方向へ移動する。これにより、容易に可動部材を内側位置へ保持したままボビンを回転軸から抜き出すことができる。
【0015】
請求項5に記載のボビン脱着装置の前記移動許容部材は、一端が前記保持部材に当接され、他端が前記押圧部に当接された、前記軸方向に伸縮可能な弾性部材、を有していることを特徴とする。
【0016】
上記構成のボビン脱着装置では、移動許容部材が弾性部材を備えている。弾性部材は、一端が保持部材に当接され、他端が押圧部に当接されている。保持部材でボビンを保持する際には、保持部材を移動させて保持位置に配置すると共に、移動許容部材を押圧位置へ配置する。このとき、押圧部は弾性部材を縮めつつ解除部材を押圧する。そして、保持部材でボビンを保持した後、保持部材を回転軸に沿って外側へ移動させる。このとき、弾性部材は、保持部材が所定の位置に移動されるまで伸張し、押圧部はこの間解除部材を押圧し続ける。これにより、容易に可動部材を内側位置へ保持したままボビンを回転軸から抜き出すことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構成で、かつ、容易にボビンを脱着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づき説明する。本実施形態のボビン固定装置20は、フランジ10Aと軸部10Bとを備えたボビン10を固定するための装置であり、ボビン脱着装置40は、ボビン固定装置20に固定されたボビン10を脱着するための総理である。図1に示すように、本実施形態のボビン固定装置20は、基台21、回転軸23、ボビン押さえ30、を備えている。基台21は、ボビン固定装置20を撚線機等のボビン設置装置の固定台座39に取付けるためのブロック状の部材である。回転軸23は、不図示の固定軸の外側に固定軸とベアリングを介して連結されるスプール状の回転軸である。この回転軸23の下部には、上記回転軸23の外周側から水平に突出して、ボビン10の挿入方向Xの位置決めをする位置決め用部材25が設けられている。
【0019】
ボビン押さえ30は、取付部31、解除ボタン32、バネ部材33、連結部34、押さえ片35、及び、押さえ本体36を含んで構成されている。
【0020】
押さえ本体36は、回転軸23の軸方向からみて円形とされている。押さえ本体36の下側には、取付部31が一体的に構成されており、取付部31が回転軸23の上部外周に螺合して、ボビン押さえ30が回転軸23に取り付けられる。
【0021】
図2にも示すように、解除ボタン32は、押さえ本体36の中央部に形成されたボタン孔36Aに嵌め込まれている。ボタン孔36Aは、上部の径が下部よりも小さく構成されており、上部と下部との境目に段差36Bが形成されている。解除ボタン32は、上部32Aと下部32Bから構成されており、上部32Aはボタン孔36Aの上部の径よりもわずかに小さい径とされ、下部32Bはボタン孔36Aの上部よりも大きく下部よりもわずかに小さい径とされている。
【0022】
解除ボタン32には、下部32B側に開口したバネ部材33を挿入可能な空間32Cが構成されている。伸縮可能なバネ部材33は、空間32Cに挿入され、解除ボタン32を回転軸23から離れるY方向へ付勢している。解除ボタン32の下部32Bは、段差36BによりY方向への移動が規制される。解除ボタン32の上部32Aは、段差36Bに下部32Bが当接された状態で、押さえ本体36から上側に突出されている。
【0023】
押さえ本体36には、ボタン孔36Aの下部から径方向に向かって押さえ本体36の外側へ貫通された、押さえ孔36Cが3カ所に構成されている。各々の押さえ孔36Cには、連結部34、及び、可動部材としての押さえ片35が配置されている。
【0024】
連結部34は、解除ボタン32の下側に密着されている支持部材34Bと、押さえ孔36Cの外側に向かう方向に長尺のアーム34Aとで構成されている。アーム34Aの一端部は、支持部材34Bの下部にピンN2で回動可能に取り付けられ、他端は、押さえ片35にピンN1で回動可能に取り付けられている。
【0025】
各々の押さえ片35は、アーム34Aの外側に配置され、押さえ本体36の案内溝に係合する係合部を備えている。係合部は案内溝に沿って移動可能とされている。押さえ片35は、通常時には、先端部が回転軸23の外周よりも外側へ突出されている(以下この位置を「突出位置P1」という)。押さえ片35の突出部分には、下側(位置決め用部材25側)へ向かって回転軸23の外周からより多く突出されるように傾斜がつけられている。また、押さえ片35の突出部分の下側は、ボビン10の角部に沿った形状とされており、ボビン10の上面及びボビン10の面取り部分に当接される。
【0026】
本実施形態のボビン脱着装置40は、図1に示すように、本体42、保持アーム44、移動許容部材46を備えている。本体42は、軸部42A及び鍔部42Bを含んで構成されている。軸部42Aは、ボビン固定装置20の回転軸23の延長上に配置され、回転軸23の軸方向に移動可能とされている。軸部42Aは、円柱の下側にフランジ部が構成され、ボビン固定装置20側に開口された空間Rが構成されている。鍔部42Bは、軸部42Aのフランジ部の下側に配置されている。
【0027】
鍔部42Bは、円盤状とされ、外側端部に保持アーム44が取り付けられている。保持アーム44は、取付部44A、及び、外縁保持部44Bで構成されている。取付部44Aは、鍔部42Bに取り付けられ、ボビン10のフランジ10Aの上面と平行な矢印D方向に移動可能とされている。外縁保持部44Bは、L字状とされ、L字の一面部がフランジ10Aと直交する方向に配置され、L字の他面部が取付部44Aと平行に配置されている。
【0028】
移動許容部材46は、図2にも示すように、スプリング46A及び押圧部46Bを含んで構成されている。スプリング46Aは、伸縮可能な方向が回転軸23の軸方向と一致するように、に空間Rに挿入されている。スプリング46Aは、一端が空間Rを構成する本体42の壁部に当接され、他端が押圧部46Bに当接されている。スプリング46Aの弾性力は、バネ部材33の弾性力よりも大きく設定されている。押圧部46Bは、スプリング46A側に空間Rの開口よりも大径のフランジ部46Cを有している。押圧部46Bは、先端部が空間Rから突出され、解除ボタン32を押圧可能とされている。
【0029】
押圧部46Bと外縁保持部44Bとは、保持アーム44の外縁保持部44Bが、回転軸23の軸方向で、ボビン10のフランジ10Aの下側に配置される保持位置H1に配置された時に、押圧部46Bは解除ボタン32を下側に押し込んだ押込み位置H2に配置されるように、相対位置が位置決めされている。
【0030】
次に、上記構成のボビン固定装置20へのボビン10の着脱方法について説明する。
【0031】
ボビン10を装着する際には、ボビン10の中心孔へボビン押さえ30を挿入する。すると、図4に示すように、回転軸23の外側へ突出していた押さえ片35は、傾斜部分がボビン10に押されて内側へ移動する(以下この位置を「内側位置P2」という)。これにより、ボビン10を位置決め用部材25の配置された位置まで挿入することができる。
【0032】
ボビン10が位置決め用部材25に当接されると、バネ部材33により解除ボタン32と共に支持部材34Bが上側へ移動し、アーム34Aの支持部材34B側が上側へ移動すると共に、押さえ片35側が外側へ向かって移動し、外側に突出される。このとき、押さえ片35の下面は、ボビン10の上面に当接され、ボビン10が回転軸23から抜け出す方向(Y方向)の移動が規制される。
【0033】
本実施形態のボビン固定装置20によれば、ボビン10にボビン押さえ30を差し込む動作のみにより、容易に押さえ片35でボビン10の抜けを防止することができる。
【0034】
ボビン10を取り外す際には、ボビン脱着装置40をX方向へ下降させて、保持アーム44の外縁保持部44Bが保持位置H1に配置され、押圧部46Bが押込み位置H2に配置される位置で下降を停止する。この位置で、押圧部46Bの先端部が解除ボタン32に当接され、スプリング46Aの弾性力に抗して解除ボタン32は押圧部46BによりX方向に押し込まれる。これにより、押さえ片35は、内側位置P2に配置され、ボビン10はY方向に移動可能となる。
【0035】
押圧部46Bの位置を維持した状態で、図3に示すように、外縁保持部44Bを矢印D方向内側へ移動させ、ボビン10のフランジ10Aを挟持する(このときの外縁保持部44Bの位置を「挟持位置H3」とする)。そして、本体42を矢印Y方向へ移動させる。すると、スプリング46Aの弾性力は、バネ部材33の弾性力よりも大きく設定されているので、押圧部46Bは、スプリング46Aが所定の状態まで伸張されるまで押込み位置H2に配置されたままになる。したがって、押さえ片35が内側位置P2に配置された状態のままで、保持アーム44でボビン10を矢印Y方向へ移動させることができる。
【0036】
押圧部46Bは、スプリング46Aが所定の状態まで伸張されると、図4に示すように、矢印Y方向へ移動する。このとき、ボビン10の内壁が押さえ片35に当接されているため、押さえ片35は内側位置P2に配置されたままの状態となる。そして、図5に示すように、本体42を更に矢印Y方向へ移動させ、ボビン10をボビン固定装置20から抜き出すことができる。
【0037】
本実施形態によれば、保持アーム44でボビン10が押さえ片35を内側位置P2に配置できる位置まで、押圧部46Bにより解除ボタン32を押圧し続けるので、作業者により解除ボタン32を操作する必要がなく、容易にボビン10をボビン固定装置20から抜き出すことができる。
【0038】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面に基づき説明する。本実施形態については、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0039】
本実施形態のボビン固定装置20は、第1実施形態と同一である。ボビン脱着装置50は、図6に示すように、本体52、保持アーム54、移動許容部材56を備えている。本体52は、軸部52A及び鍔部52Bを含んで構成されている。軸部52Aは、ボビン固定装置20の回転軸23の延長上に配置され、回転軸23の軸方向に移動可能とされている。軸部52Aは、円柱の下側にフランジ部が構成されている。鍔部52Bは、軸部52Aのフランジ部の下側に配置されている。
【0040】
鍔部52Bは、円盤状とされ、外側端部に保持アーム54が取り付けられている。保持アーム54は、取付部54A、及び、外縁保持部55で構成されている。取付部54Aは、鍔部52Bに取り付けられ、ボビン10のフランジ10Aの上面と平行な矢印D方向に移動可能とされている。外縁保持部55は、L字状とされ、L字の一面部がフランジ10Aと直交する方向に配置される保持部55Aを構成し、L字の他面部が取付部54Aと平行に配置される保持部55Bを構成している。保持部55BのL字内側部には、フランジ10Aの径方向外側に向かって、矢印Y方向へ傾斜Sが構成されている。
【0041】
移動許容部材は、図7にも示すように、鍔部52Bの中央部に突設され、先端部56Aで解除ボタン32を押圧可能とされている。
【0042】
押圧部56と外縁保持部55とは、保持アーム54の外縁保持部55が、回転軸23の軸方向で、ボビン10のフランジ10Aの下側に配置される保持位置H1に配置された時に、押圧部56は解除ボタン32を下側に押し込んだ押込み位置H2に配置されるように、相対位置が位置決めされている。
【0043】
次に、上記構成のボビン固定装置20へのボビン10の着脱方法について説明する。
【0044】
ボビン10を装着する手順については第1実施形態と同様にして行う。ボビン10を取り外す際には、ボビン脱着装置50をX方向へ下降させて、保持アーム54の外縁保持部55が保持位置H1に配置され、押圧部56が押込み位置H2に配置される位置で下降を停止する(図7参照)。この位置で、押圧部56の先端部が解除ボタン32をX方向に押し込む。これにより、押さえ片35は、内側位置P2に配置され、ボビン10はY方向に移動可能となる。
【0045】
押圧部56の位置を維持した状態で、図8に示すように、外縁保持部55を矢印D方向内側へ移動させ、ボビン10のフランジ10Aを挟持する)。このとき、保持部55Bには、傾斜Sが構成されているので、ボビン10は、傾斜Sに沿って矢印Y方向にスライドする。次に、本体52を矢印Y方向へ移動させる。すると、図9に示すように、解除ボタン32は、矢印Y方向へ移動するが、ボビン10は矢印Y方向へ移動されており、ボビン10の内壁が押さえ片35に当接されているため、押さえ片35は内側位置P2に配置されたままの状態となる。したがって、本体52を更に矢印Y方向へ移動させ、ボビン10をボビン固定装置20から抜き出すことができる。
【0046】
本実施形態によれば、押圧部46Bにより解除ボタン32を押圧しつつ、保持部55Bに構成された傾斜Sにより、ボビン10が押さえ片35を内側位置P2に配置できる位置まで移動させるので、作業者により解除ボタン32を操作する必要がなく、容易にボビン10をボビン固定装置20から抜き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係るボビン脱着装置の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るボビン脱着装置で解除ボタンを押圧した状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るボビン脱着装置でボビンが保持された状態を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るボビン脱着装置でボビンが僅かに持ち上げられた状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るボビン脱着装置の押圧部が解除ボタンから離れた状態を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るボビン脱着装置の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るボビン脱着装置で解除ボタンを押圧した状態を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るボビン脱着装置でボビンが保持された状態を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るボビン脱着装置の押圧部が解除ボタンから離れた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 ボビン
20 ボビン固定装置
32 解除ボタン
32C 空間
32A 上部
33 バネ部材
35 押さえ片
40 ボビン脱着装置
42 本体
44 保持アーム
46 移動許容部材
46A スプリング
46B 押圧部
50 ボビン脱着装置
52 本体
54 保持アーム
55 外縁保持部
56 移動許容部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビンが挿入される回転軸の外周面よりも外側へ突出した突出位置と、前記外周面よりも内側の内側位置と、の間を移動可能とされ、前記突出位置において前記ボビンの挿入後端側に当接されて前記ボビンの前記回転軸から抜け出す方向への移動を規制する可動部材と、を有するボビン固定装置の前記回転軸に挿入されたボビンを保持しつつ前記回転軸の軸方向に移動可能な保持部材と、
前記可動部材を前記内側位置へ移動させると共に、前記回転軸から抜け出す方向へ前記ボビンが前記保持部材により所定距離移動されるまで、前記可動部材を前記内側位置に保持する、移動許容部材と、
を備えたボビン脱着装置。
【請求項2】
前記ボビン固定装置は、前記回転軸の端部に取り付けられ、前記ボビンの挿入方向への移動により前記可動部材を前記内側位置へ移動させる解除部材を備え、
前記移動許容部材は、前記解除部材を前記ボビンの挿入方向へ押圧する押圧部を備えたことを特徴とする、請求項1に記載のボビン脱着装置。
【請求項3】
前記移動許容部材は、前記保持部材に取り付けられ、前記保持部材の前記ボビンを保持する保持位置への移動に伴って、前記押圧部で前記解除部材を押圧して前記可動部材を前記内側位置へ配置する押圧位置へ移動されること、を特徴とする請求項2に記載のボビン脱着装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記保持位置で前記ボビンのフランジ部の外縁をこのフランジ部の径方向外側から保持可能な外縁保持部を有し、
前記外縁保持部には、前記フランジ部の径方向外側に向かって前記回転軸から抜け出す方向へ傾斜が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載のボビン脱着装置。
【請求項5】
前記移動許容部材は、一端が前記保持部材に当接され、他端が前記押圧部に当接された、前記軸方向に伸縮可能な弾性部材、を有していることを特徴とする、請求項3に記載のボビン脱着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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