説明

ボルト切断装置

【課題】ボルトの切断作業において騒音の発生を抑制しつつ、その作業を容易にかつ短時間で完了させる。
【解決手段】フランジ連結部Fの外周に半円環状の二つのフレーム1、1を設け、それぞれのフレーム1の内周側に内周刃2を設ける。さらに、各フレーム1、1の両端を絞りボルト3とナット4で締結する。そして、この絞りボルト3の締め付け力を調節して、切断するボルトBと内周刃2が当接した状態とする。この状態でフレーム1に設けた把手5を握って、本装置をフランジ連結部Fの軸心周りに回転させると、ボルトBに切れ込みが形成される。さらに、絞りボルト3の締め付けと、ボルトBへの切れ込み形成を繰り返し、このボルトBを完全に切断する。この切断作業は手動によってなされるため低騒音であって、夜間でも作業可能である。また、同時に複数のボルトBに内周刃2を当接して切断するので、この切断を短時間で完了できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管体のフランジに設けたボルトで両フランジ同士を締め付けてこの管体を連結するフランジ連結部において、前記ボルトを切断して、連結した管体を分離するためのボルト切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水道管内の管内点検や清掃作業においては、図9に示すように、水道管の本管Pに接続された消火栓Hや空気弁を一旦取り外し(同図(a)及び(b)を参照)、この箇所から点検用の内視鏡カメラCや、清掃用具を本管内に挿入して点検作業等を行っている(同図(c)を参照)。この点検作業等を要する本管Pは、埋設後長い年月が経過したものが多く、地中の水分によって消火栓H等の腐食が著しく進行していることが多い。このため、本管Pと消火栓Hを連結するボルトがフランジに固着した状態となったり、このボルトの頭部が原形をとどめていなかったりして、スパナ等の工具を用いて消火栓H等を取り外すのが困難なことがよくある。
【0003】
そこで、ボルトを切断装置で切断し、消火栓H等を取り外すことがある。このボルトの切断には、例えば下記特許文献1に示す切断装置が用いられる。この切断装置は、装置本体をフランジに固定し、切断刃をモーター等の駆動手段で回転させてボルトを1本ずつ切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−262814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記例示した水道管の点検・清掃作業は、使用水量が最も少ない夜間に行うことが多い。ところが、夜間に前記切断装置を使用すると、切断刃の駆動手段(モーターや発電用エンジン等)や切断に伴う騒音が周囲に響き渡り、近隣住民に大きな迷惑をかける恐れが高い。また、騒音の発生を抑制するために、例えば手作業で1本ずつボルトを切断すると、その作業に多くの時間を要し、夜間の限られた時間内に作業を完了することが困難となる。
【0006】
同時に多くのボルトを切断するために、例えば前記特許文献1における切断刃の外径を大きくして、この切断刃が一度に多くのボルトと当接するようにすることも考えられるが、切断刃が本管と接近しやすくなってこの本管を傷付ける恐れが高まる。
【0007】
また、駆動手段を備えた切断装置は一般的に大型となりやすく、この大型の切断装置を、空きスペースがあまりない消火栓ボックス等に運び込むことが困難な場合も多い。
【0008】
そこで、この発明は、ボルトの切断作業において騒音の発生を抑制しつつ、その作業を容易にかつ短時間で完了させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明は、管体の端部に形成したフランジ同士を突き合わせこのフランジに設けたボルトで両フランジ同士を締め付けて管体を連結するフランジ連結部において、前記ボルトを切断して連結した管体を分離するボルト切断装置であって、前記フランジ連結部の外周を囲むように配置した複数のフレームと、このフレームの内周側に設ける刃体とを備え、前記各フレームを前記フランジ連結部に近づくように変位させて前記刃体を同時に複数のボルトに当接させつつ、前記各フレームを手動で前記フランジ連結部の周りに回転させ、この複数のボルトを同時に切断する構成を採用する。
【0010】
このフレームの内周側の曲率は、この内周がフランジ連結部に設けたボルトの配列(ボルトの並びが描く円弧)にほぼ沿うように決められる。このため、この内周側に設けた刃体が複数のボルトに同時に当接してこのボルトの切断が同時進行し、切断作業が速やかに完了する。また、前記ボルトの配列とフレームの内周側の曲率が少し異なっていても、ボルトの切断が進むにつれて、やがて刃体が複数のボルトに当接するため、高い切断効率を発揮し得る。
【0011】
また、フレームの回転を手動で行うようにしたので、モーター等の駆動手段を用いた場合と比較して騒音を大幅に低減することができる。このため、夜間でも近隣住民に迷惑をかけることなく切断作業を行うことができる。さらに、駆動手段を設けないので、その分だけ切断装置の小型化を図ることができる。このため、消火栓ボックス等の狭い作業スペース内でも、支障なく切断作業を行うことができる。
【0012】
前記構成においては、前記フレーム同士を絞りボルトで連結し、この絞りボルトの締め付けによって前記フレームの変位がなされるようにするのが好ましい。
このように絞りボルトで両フレームの締付度合いを調節することによって、切断するボルトへの刃体の当接力を微調節することができる。このため、当接力が不十分となって切断がほとんど進行しなかったり、逆に当接力が強すぎて刃体がボルトに噛み込み、フレームを回転させることが困難となったりする不具合が生じにくい。
【0013】
実際の切断作業においては、(1)絞りボルトを少し締め付けて刃体をボルトに当接させる、(2)フレームを回転させて、締め付けた分だけボルトに切れ込みを入れる、という(1)及び(2)の工程を何度も繰り返すことによって切断作業を進める。
【0014】
上記のように絞りボルトを設ける代わりに、前記フレーム同士を弾性部材で連結し、この弾性部材の付勢力によって前記変位がなされるようにするのも好ましい。
この弾性部材は、ボルトと刃体との間の当接力をほぼ一定に保つようにこの刃体を付勢するので、前記絞りボルトを用いた場合と異なり、ボルトの切断の進行に伴って刃体をボルトに当接させる作業を要しない。このため、ボルトの切断に要する力がほぼ一定となって作業が容易となるとともに、作業者はフレームの回転作業にのみ専念すればよいので、その作業効率が一段と向上する。この弾性部材として、例えば、ばねを採用することができる。
【0015】
あるいは、前記フレーム同士を蝶番で連結し、この蝶番でフレーム同士の相対角度を変えることによって前記変位がなされるようにするのも好ましい。
この蝶番を設けない側はフレームが開閉自在となっていて、フレーム同士の隙間を広げてその間にフランジ連結部を挟み込む。そして、フレームの開閉自在側に、上記の絞りボルト又は弾性部材を設け、絞りボルトの締め付け力又は弾性部材の付勢力で刃体を複数のボルトに当接させる。さらに、フレームを手動でフランジ連結部の周りに回転させ、この複数のボルトを同時に切断する。
【0016】
この構成では、フレーム同士が蝶番で連結されているため、このフレームが分離しない。このため、フランジ連結部に取り付ける際に、フレーム同士がばらばらになるのを防ぐために手で支える必要がなく、この取り付けを容易に行うことができる。
【0017】
また、上記各構成においては、前記刃体を、その刃先が前記フレームからボルト側に向かう内周刃とするのが好ましい。
この内周刃は、その刃先がボルトの配列に沿うように円弧を描いていて、この刃先に同時により多くのボルトが当接し得る。このため、ボルトの切断作業を一層スムーズに行うことができる。
【0018】
また、前記各構成においては、前記刃体を、前記フレームの内周側に設けたワイヤーソーとするのも好ましい。
このワイヤーソーには、フレームに内蔵された付勢部材によって張力が付与されていて、ワイヤーソーに各ボルトが当接した際に、ボルトとの適切な当接力を保ちつつ、ワイヤーソーが各ボルトの位置を頂点とする多角形を描くように変位する。この際、全てのボルトにワイヤーソーがほぼ均等に当接するので、複数のボルトの切断が同時になされて切断効率が高い。また、ワイヤーソーが細く、ボルトとワイヤーソーとの間の接触面積が一般的な刃体と比較して小さい。このため、切断作業時の騒音を抑制でき、特に夜間工事に適している。
【0019】
さらに、前記各構成においては、前記フレームに把手を設け、この把手を持って前記回転を行うようにすることが好ましい。
この把手を持って回転させることにより、フレームの回転を一層スムーズに行うことができる。この把手の形状は、フレームの回転を行うことができる限りにおいて特に限定されず、フレームの外径方向に突出した棒状、フレームの外径方向に突出しつつその先端が直角に屈曲したL字形状、フレームと同心円形状に形成したハンドル状等、作業スペースの広さ(例えば、消火栓が収納された消火栓ボックスの大きさ)とフレームの回転しやすさの両方を考慮に入れた上で、適宜選択することができる。
【0020】
上記各構成に係るボルト切断装置は、フランジ同士をボルトで連結したフランジ連結部に対して広く適用することができるが、特に水道管同士を連結するフランジ連結部に適用するのが好ましい。
水道管のように常に湿潤環境に晒される場合、ボルト等の連結部材が腐食しやすく、水道管の本管同士が分離困難な状況となることが多く、本装置の適用機会が特に多いと考えられるためである。
【発明の効果】
【0021】
この発明によると、ボルト切断作業を手動で行うとともに、同時に複数のボルトを切断することができる。このため、騒音の発生を極力抑制することができ、夜間でも近隣住民に迷惑をかけることなく作業を行うことができる。また、ボルト切断に要する時間が短縮できるため、夜間の限られた時間内に、作業を確実に完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係るボルト切断装置の一実施形態を示す正面断面図
【図2】同実施形態の側面断面図
【図3】同実施形態の斜視図
【図4】同実施形態に適用する把手の他例を示し、(a)はL字形状把手の側面図、(b)はハンドル形状把手の正面図
【図5】ボルト切断装置によるボルトの切断工程を説明する正面断面図であって、(a)は内周刃をボルトに当接させた状態、(b)はフレームを回転させてボルトを切断しつつある状態、(c)は切断が完了した状態
【図6】この発明に係るボルト切断装置の他の実施形態を示す正面断面図
【図7】この発明に係るボルト切断装置のさらに他の実施形態を示す正面断面図
【図8】この発明に係るボルト切断装置のさらに他の実施形態を示す正面断面図
【図9】水道管の点検作業の一般的な手順を示す図であって、(a)は水道管の本管から分岐して設けられた消火栓、(b)は消火栓を外した状態、(c)は消火栓を外した開口部から内視鏡カメラを挿入して点検作業を行っている状態
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明に係るボルト切断装置の一実施形態を図1乃至3に示す。このボルト切断装置は、フランジ連結部Fの外周を囲むように配置した半円環状の二つのフレーム1、1と、それぞれのフレーム1、1の内周側に内周刃2を備えている。両フレーム1、1はその両端において絞りボルト3及びナット4によって締結されている。また、各フレーム1、1には、外径方向に突出する把手5が設けられている。
【0024】
各フレーム1、1及び把手5は鋼材からできており十分な強度を有するため、ボルトBの切断作業中にフレーム1等が破損する恐れは低い。本実施形態では、フレーム1と把手5は溶接により一体化されているが、溶接の代わりに、フレーム1と把手5にねじ穴とねじをそれぞれ形成して、ねじ込み式にしてもよい。この場合、予め異なる長さ及び形状の把手5をいくつか取り揃えておけば、作業スペースの広さ及び作業者の手の大きさ等に対応して異なる長さの把手5を適宜交換することができるため、作業性をさらに向上し得る。なお、フレーム1及び把手5の素材は、ボルトBの切断作業中に破損しない強度を有するのであれば、樹脂製等とすることもできる。
【0025】
この把手5の形状は、図1等に示したもの以外に、図4に示すように、フレーム1の外径方向に突出しつつその先端が直角に屈曲したL字形状のものや(同図(a)を参照)、フレーム1と同心円形状に形成したハンドル状のもの(同図(b)を参照)、複数の把手5をねじ込み方式等で連結したもの等、作業スペースの広さとフレーム1の回転のしやすさの両方を考慮に入れた上で、適宜設計・選択することができる。
【0026】
また、把手5の位置は、図1等に示したようにフレーム1の中央付近とする以外に、フレーム1同士の連結部近傍としてもよい。この連結部は絞りボルト3等が設けられているため、フレーム1の外径方向に突出している。このため、突出物である把手5を前記連結部近傍にひとまとめに配置することで、ボルト切断装置全体としてコンパクトにし得る場合がある。
【0027】
さらに、フレーム1にギア機構を設け、ギア機構の作用により、絞りボルト3をより小さいトルクで締め付け可能としたり、絞りボルト3の締め付け方向を逆転したりすることもできる。これにより絞りボルト3の締め付け作業を容易に行うことができ、作業性が向上する。
【0028】
また、内周刃2は、図1に示したように各フレーム1に1刃ずつ設けてもよいし、各フレーム1に2刃ずつ設けることもできる。このように内周刃2を分割してその数を増やすことによって、ボルトBの切断が進行して、ボルトBと内周刃2との相対位置が変化した場合でも、両者の間の適切な当接状態を保つことができ切断効率が高い。
【0029】
さらに、内周刃のフレーム1側にギア機構を設け、このギア機構の作用により、より小さい力で内周刃2による切断作業を行うことができる。このため、作業者の力量に依存することなく、この切断作業をスムーズに行うことができる。
【0030】
図5に、このボルト切断装置を用いたボルトBの切断作業の流れを示す。
まず、フランジ連結部Fを挟み込むように各フレーム1、1を設け、両フレーム1、1を連結する絞りボルト3を、ボルトBに内周刃2が当接するまで締め付ける(同図(a)を参照)。この締め付け量を大きくし過ぎると、ボルトBに内周刃2が強く噛み込んでしまい、フレーム1の回転が困難となることがある。このため、作業者がフレーム1を回転し得る程度に、前記締め付け量を調節する。
【0031】
次に、フレーム1に設けられた把手5を握って、ボルト切断装置をフランジ連結部Fの軸心周りに手動で回転させ、ボルトBに切れ込みを入れる(同図(b)を参照)。この切れ込みが入ったら、再び絞りボルト3を締め付けて、同様にボルト切断装置をフランジ連結部Fの軸心周りに回転させる。
【0032】
このようにボルトBの締め付けとボルトBへの切れ込み形成を繰り返すと、最終的にボルトBの全体に切れ込みが入って切断される(同図(c)を参照)。
【0033】
このボルト切断装置は、図6に示すように、半円環状の二つのフレーム1a、1bの両端を弾性部材6を介して絞りボルト3及びナット4で締結することによって構成することもできる。一方のフレーム1a側から挿し込まれたボルト3には、他方のフレーム1b側から弾性部材6が同軸に設けられ、さらにナット4がねじ込まれている。このとき、この弾性部材6によって、他方のフレーム1bは一方のフレーム1a側に付勢される。この付勢力により、切断するボルトBへの内周刃2の当接がなされる。
【0034】
この付勢力の調節は、ボルトBの切断作業中に、常にボルトBと内周刃2が当接するように、絞りボルト3のねじ込み量を調節することによって行う。このねじ込み量の調節は、基本的に作業開始前に一度行うだけでよいので、図1等に示したボルト切断装置のように、切断作業中に何度も絞りボルト3の締結力を調節して、内周刃2へのボルトBの当接力を調節する必要がない。このため、作業者がフレーム1の回転動作にのみ集中すればよく、切断作業をスムーズに行うことができる。
【0035】
この実施形態では、絞りボルト3と弾性部材6を同軸に設ける構成としたが、弾性部材6によってボルトBへの内周刃2の付勢がなされるのであれば、この構成に限定されることはなく、絞りボルト3と弾性部材6を非同軸に設ける構成、絞りボルト3を設けない構成等も適宜採用し得る。
【0036】
また、図7に示すように、このボルト切断装置の各フレーム1、1の一端を蝶番7で連結し、他端側を開閉自在にすることもできる。この開閉自在端側に絞りボルト3を設け、この締め付け度合いを調節することによって、切断するボルトBと内周刃2との当接力を調節する。この構成では、一つの絞りボルト3のみの調節によって当接力が調節できるので、図1等に示した2つの絞りボルト3、3で当接力を調節する構成のものと比較して、その調節を簡便に行うことができる。絞りボルト3の代わりに、図6に示した弾性部材6を用いる構成ももちろん採用し得る。
【0037】
さらに、図8に示すように、ボルトBの切断手段としてワイヤーソー8を用いる構成とすることもできる。このワイヤーソー8はガイドローラ9によって案内されるとともに、フレーム1内に内蔵された張力付与機構10によって所定の張力が付与されている。また、両フレーム1、1はその両端に設けた絞りボルト3で連結される。
【0038】
この張力付与機構10は、ワイヤーソー8を案内する可動ガイドローラ11と、可動ガイドローラ11をフレーム1の円弧方向に沿って案内する案内溝12と、ワイヤーソー8をフレーム1内に収納する方向に可動ガイドローラ11を付勢するガイドローラ用ばね13とで構成されている。
【0039】
この構成において、ワイヤーソー8に負荷を与えない状態ではフレーム1のほぼ両端に設けたガイドローラ9a、9aによって、ワイヤーソー8がぴんと張られた状態となっている(同図(a)を参照)。このワイヤーソー8に切断するボルトBを当接させると、その当接力によってガイドローラ用ばね13が伸びてフレーム1内に収納されていたワイヤーソー8がフレーム1外に繰り出される(同図(b)を参照)。そして、ワイヤーソー8が、各ボルトB間に架橋されるように変位する。この際、張力付与機構10の作用によって、ワイヤーソー8に前記所定の張力が付与された状態が維持され、ワイヤーソー8とボルトBとの間の当接力が確保される。
【0040】
この構成も、図6に示した弾性部材6を用いた構成と同様に、張力付与機構10の作用によってワイヤーソー8に張力が付与された状態が維持されるので、切断作業の途中で両フレーム1を連結する絞りボルト3の調節を行う必要は基本的にない。このため、作業者がフレーム1の回転動作(切断作業)にのみ集中すればよく、この作業をスムーズに行うことができる。
なお、この張力付与機構10の構成は一例であって、これと同様にワイヤーソー8に張力を生じさせるのであれば、他の張力付与機構10を採用したり、ガイドローラ9の数や位置を適宜変更したりすることもできる。
【符号の説明】
【0041】
1 フレーム
2 内周刃
3 絞りボルト
4 ナット
5 把手
6 弾性部材(ばね)
7 蝶番
8 ワイヤーソー
9 ガイドローラ
10 張力付与機構
11 可動ガイドローラ
12 案内溝
13 ガイドローラ用ばね
B ボルト
F フランジ連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体の端部に形成したフランジ同士を突き合わせ、このフランジに設けたボルト(B)で両フランジ同士を締め付けて管体を連結するフランジ連結部(F)において、前記ボルト(B)を切断して連結した管体を分離するボルト切断装置であって、
前記フランジ連結部(F)の外周を囲むように配置した複数のフレーム(1)と、このフレーム(1)の内周側に設ける刃体(2、8)とを備え、前記各フレーム(1)を前記フランジ連結部(F)に近づくように変位させて前記刃体(2、8)を同時に複数のボルト(B)に当接させつつ、前記各フレーム(1)を手動で前記フランジ連結部(F)の周りに回転させ、この複数のボルト(B)を同時に切断するようにしたことを特徴とするボルト切断装置。
【請求項2】
前記フレーム(1)同士を絞りボルト(3)で連結し、この絞りボルト(3)の締め付けによって前記変位がなされるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のボルト切断装置。
【請求項3】
前記フレーム(1)同士を弾性部材(6)で連結し、この弾性部材(6)の付勢力によって前記変位がなされるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のボルト切断装置。
【請求項4】
前記フレーム(1)同士を蝶番(7)で連結し、この蝶番(7)でフレーム(1)同士の相対角度を変えることによって前記変位がなされるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のボルト切断装置。
【請求項5】
前記刃体が、その刃先が前記フレーム(1)からボルト(B)側に向かう内周刃(2)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のボルト切断装置。
【請求項6】
前記刃体が、前記フレーム(1)の内周側に設けたワイヤーソー(8)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のボルト切断装置。
【請求項7】
前記フレーム(1)に把手(5)を設け、この把手(5)を持って前記回転を行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のボルト切断装置。
【請求項8】
水道管同士を連結するフランジ連結部(F)に設けたボルト(B)の切断用として用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載のボルト切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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