説明

ボールベアリングを備える同軸プラグコネクタ部

同軸線システムの外部導体に回転可能に配置され、且つ袋ナットと外部導体との間のボールベアリングを備える、袋ナットを備える同軸プラグコネクタ部において、ボールベアリングがベアリングブッシュと協働する。袋ナットにベアリングカバーがねじ連結されることで、ボールベアリングとベアリングブッシュが袋ナット内に保持され、この封入構造物群がベアリングブッシュの連続した内部ボアホールを介して、連結される同軸線システムの外部導体に取り付けできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の同軸プラグコネクタ部に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されている同軸プラグコネクタとしては、N−,1mm−,2.92mm−,SMA−,1.85mm−,3.5mm−若しくは2.4mm−プラグ、又はPC7と称されるいわゆる雄雌同体(Zwitterstecker)プラグが挙げられ、全てが外部導体にねじ連結された袋ナットでこの方式により構成され、多くの場合、袋ナットがブッシュ部品にも提供される。
【0003】
特許文献1に記載されるように、袋ナットと外部導体との間の摩擦を減らすボールベアリング装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第EP 0 327 204 B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、必要とされる同軸電力線システムの当接端部で独立した構造群として取り付けできる信頼性、耐久性のあるプラグコネクタ部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、請求項1のプリアンブルに係る同軸プラグコネクタ部のその特徴部分から達成される。更なる有利な発展は、従属項に詳細を示す。
【0007】
本発明により、請求項1に記載の同軸プラグコネクタ部は、独立したテスト可能な構造群としてプレハブ可能であり、使用中に、同軸線システムから非常に容易に分解でき、全ての構造部材が袋ナット内で組立て済みである封入された内蔵型構造群として、装置又は試験プローブの同軸ケーブル、硬い同軸線端部等の必要とされる同軸線システムの当接端部に取り付けられるという利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面を参照して以下に本発明の一実施形態をより詳細に記載する。
【図1】図1は、同軸プラグコネクタ部の各部品を示す拡大分解図である。
【図2】図2は、図1に示す各部品を組み立てた同軸プラグコネクタ部を同軸線システムの端部に取り付けた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の同軸プラグコネクタは、プラグ部品1とブッシュ部品2とからなる。プラグ1は、内部導体5がサポートワッシャーを介して同軸様式で配置される外部導体3からなる。同軸線3,5は、例えば、装置又は同軸ケーブル内でプラグ1の後側に配置される。圧力嵌め連結によって外部導体3に取り付ける袋ナット6は、回転可能に外部導体3に取り付けられる。同軸連結を確立するために、プラグ1の外部導体3の環状端面接触面10がブッシュ2の環状端面接触面11と接するまで、袋ナット6の雌ねじ8をブッシュ2の雄ねじ9にねじ留めしなければならない。これに関連して、内部導体5の先端12が、ブッシュ部品2の半径方向にばねが付いたスリーブ形状ブッシュ13に押し込まれる。
【0010】
一実施形態において、袋ナット6が、同軸線システムの外部導体3に対して軸方向に回転可能な圧力嵌めで直接は配置されずに、袋ナット6のような、好ましくはステンレス鋼のベアリングブッシュ20に配置される。このベアリングブッシュ20が連続した内部ボアホールを提供するため、連結される同軸線システムの端部が内部ボアホール内に挿入でき、且つ、例えば、同軸線システムの外部導体3に形成された雄ねじ21を介して、ベアリングブッシュの連続したボアホールの雌ねじ22にねじ留めすることができる。ベアリングカバー23がポット型袋ナット6の開口端部にねじ留めできる。
【0011】
一実施形態において、袋ナット6とベアリングブッシュ20との間の軸方向、圧力嵌め連結の摩擦トルクを減らすために提供されるローラーベアリングは、ニードルベアリング24、25として設計される。これらは、ベアリングブッシュ20の円柱状部に形成された環状フランジ26の両側に取り付けられる。図1において、作動ディスク27として示す、任意で追加の作動ワッシャーが、各ニードルベアリング24及び/又は25と各ニードルベアリングが回転する環状フランジ26の端面との間に任意に配置できる。
【0012】
分解できる連結(geloester Verbindung)であっても、協働する部品の間の遊隙をなくすために、好ましくは、板ばね28が袋ナット6の底部とそれに続く第1アキシャルベアリング24との間に提供される。図2に示す組立て条件において、カバー23に連結される袋ナット6は、袋ナット内部に配置されるベアリングブッシュ20、及び後者と協働するアキシャルベアリング24,25と一緒に封入部品群を形成し、封入部品群は、独立してプレハブ可能であり、且つ使用に際して同軸線システム3,5の端部だけに直接的にねじ留めできる。この封入部品群は、正面から同軸線システムの外部導体3に取り付け可能であり、よって、組立を大幅に容易にする。部品群はまた、稼働中に同軸線システムから非常に容易に取り外すことができ、必要であれば新しい部品郡に置き換えられる。
【0013】
袋ナット6とベアリングブッシュ20は、好ましくは、ステンレス鋼等の高強度の金属材料からなる。従って、袋ナットの外面と同軸線システムの外部導体との直接的な熱的接触もあり、これは、熱、例えば、ユーザーの手の暖かさでさえ、同軸線システムの外部導体3を介して外側からそれに連結された電子部品に移るため、多くの用途では非常に支障をきたす。
【0014】
これを防ぐために、本発明の更なる開発により、これらの部品から熱を分断するために、金属製袋ナット6とベアリングブッシュ20との相互接触面の間に少なくとも1つの部品を更に設けることができる。袋ナット6とベアリングブッシュ20が導電性の高い(gut)導電材料からなる場合、合成材料からなるリングが、例えば、ベアリングカバー23とベアリングブッシュ20との間に配置される。好ましくは、ベアリングブッシュの環状フランジ26の外周にもまた、合成材料リングが熱を分断するために設けられる。また、袋ナット6及び/又はベアリングブッシュ20そのものを高強度の合成材料で製造することもできる。
【0015】
図1及び図2は、プラグコネクタの拡大図である。一実施形態における同軸線3,5は、外部導体の直径が1.85mm、内部導体の直径が僅か0.804mmである1.85mmのラインである。
【0016】
本発明は、例示の実施形態に限定されない。記載及び/又は例証される全ての特徴は、本発明の範囲内で、必要に応じて互いに組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋ナット(6)を備える同軸プラグコネクタ部であって、
前記同軸プラグコネクタ部は、プラグコネクタ対応部(2)の雄ねじ(9)にねじ連結できる同軸線システムの外部導体(3)に回転可能に配置され、少なくとも1つのローラーベアリング(24,25)が、前記袋ナット(6)と外部導体(3)との間に配置され、前記ローラーベアリング(24,25)がベアリングブッシュ(20)と協働し、且つ袋ナット(6)にベアリングカバー(23)がねじ連結されることで、前記ローラーベアリング(24,25)が袋ナット(6)内でこのベアリングブッシュ(20)と一緒に保持され、この封入構造物群がベアリングブッシュ(20)の連続した内部ボアホールを介して、連結される同軸線システム(3,5)の外部導体(3)に取り付けできることを特徴とする袋ナットを備える同軸プラグコネクタ部。
【請求項2】
連結される同軸線システムの外部導体(3)の雄ねじ(21)を有する端部を、ねじ込み可能な雌ねじ(22)が、ベアリングブッシュ(20)の連続した内部ボアホール内に形成される請求項1に記載の同軸プラグコネクタ部。
【請求項3】
1つ及び2つのいずれかのローラーベアリング(24,25)が、ベアリングブッシュから放射状に突出する環状フランジ(26)の端面と、袋ナット(6)及び/又は袋ナットにねじ留めされるベアリングカバー(23)の底部で各ベアリング端面と対応する面との間に配置される請求項1から2のいずれかに記載の同軸プラグコネクタ部。
【請求項4】
袋ナット(6)とベアリングブッシュ(20)との間の軸方向圧力嵌め連結が、少なくとも1つのアキシャルローラーベアリング(24,25)を介して行われる請求項1から3のいずれかに記載の同軸プラグコネクタ部。
【請求項5】
合成材料からなる構造部品が、熱を分断するために、袋ナット(6)とベアリングブッシュ(20)との間の相互接触面に配置される請求項1から4のいずれかに記載の同軸プラグコネクタ部。
【請求項6】
合成材料リングが、ベアリングカバー(23)とベアリングブッシュ(20)との間に配置される請求項5に記載の同軸プラグコネクタ部。
【請求項7】
合成材料リングが、ベアリングブッシュ(20)の環状フランジ(26)の環状面の外周に配置される請求項4及び6のいずれかに記載の同軸プラグコネクタ部。
【請求項8】
袋ナット(6)及び/又はベアリングブッシュ(20)が、高強度合成材料からなる請求項5に記載の同軸プラグコネクタ部。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−517051(P2011−517051A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504336(P2011−504336)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001844
【国際公開番号】WO2009/127304
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(505369837)ローデ ウント シュバルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディト ゲゼルシャフト (8)
【Fターム(参考)】