説明

ポインティングシステム、画像生成装置、及び画像生成プログラム

【課題】ポインティングデバイスが指し示す位置とポインタの表示される位置との差異を従来よりも容易に縮小できるポインティングシステム、画像生成装置、及び画像生成プログラムを提供する。
【解決手段】ポインティングシステム1は、ポインタを表すポインタ画像と、所定の画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成装置300と、合成画像を表示する画像表示部600とを備える。またポインティングシステム1は、表示された合成画像を指し示すポインティングデバイスの位置の変位量を検出する変位量検出部と、ポインティングデバイスに対して行われる操作を検出する操作検出部とを備える。上記画像生成装置300は、所定の操作が検出されると所定の画像に対してポインタ画像を合成する合成位置を初期位置とした後に、検出された変位量に応じた移動量だけポインタ画像の合成位置を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインティングシステム、画像生成装置、及び画像生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ポインティングデバイスに搭載された軸方向が異なる2つの角速度センサで検出された当該ポインティングデバイスの変位量に基づいて、大型ディスプレイに表示されるポインタの位置を変化させるパソコンが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−238004公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1のパソコンでは、ポインティングデバイスが指し示す大型ディスプレイの位置を取得できないため、当該位置と大型ディスプレイに表示されたポインタの位置とを略一致させる(つまり、キャリブレーションする)ことが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ポインティングデバイスが指し示す位置とポインタの表示される位置との差異を従来よりも容易に縮小できるポインティングシステム、画像生成装置、及び画像生成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るポインティングシステムは、
ポインタを表すポインタ画像と、所定の画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成手段と、
前記生成された合成画像を表示する画像表示手段と、
前記表示された合成画像を指し示すポインティングデバイスの位置の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記ポインティングデバイスに対して行われる操作を検出する操作検出手段と、を備え、
前記画像生成手段は、所定の操作が検出されると、前記所定の画像に対して前記ポインタ画像を合成する合成位置を予め定められた初期位置とした後に、前記検出された変位量に応じた移動量だけ前記ポインタ画像の合成位置を移動させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポインティングシステム、画像生成装置、及び画像生成プログラムによれば、ポインティングデバイスが指し示す位置とポインタの表示される位置との差異を従来よりも容易に縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態1に係るポインティングシステムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】ポインティングデバイスを基準とした座標系の一例とワールド座標系の一例とを表す図である。
【図3】ポインティングデバイスの一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図4】ポインティングデバイスが有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図5】ポインティングデバイスが実行する第1操作時処理の一例を表すフローチャートである。
【図6】実施形態1のポインティングデバイスが実行するタイマ割込処理の一例を表すフローチャートである。
【図7】画像生成装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図8】実施形態1の画像生成装置が実行する画像生成処理の一例を表すフローチャートの一部である。
【図9】画像生成装置が実行する画像生成処理の一例を表すフローチャートの他部である。
【図10】画像生成装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図11】指定画像を基準とした座標系の一例を表す図である。
【図12】実施形態1の変形例に係るポインティングシステムの一例を示すシステム構成図である。
【図13】実施形態2におけるキャリブレーション方法を説明するための図である。
【図14】実施形態2におけるポインティングデバイスが有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図15】実施形態2のポインティングデバイスが実行するタイマ割込処理の一例を表すフローチャートである。
【図16】(a)は、スクリーンからポインティングデバイスまでの距離とポインティングデバイスの移動範囲との一関係例を説明するための図である。(b)は、スクリーンからポインティングデバイスまでの距離とポインティングデバイスの移動範囲との他の関係例を説明するための図である。
【図17】実施形態2の画像生成装置が実行する画像生成処理の一例を表すフローチャートの一部である。
【図18】スクリーンに投影された画像を指し示すためにポインティングデバイスを移動させる移動範囲の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係るポインティングシステム1について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0010】
本発明の実施形態1に係るポインティングシステム1は、図1に示すようなポインティングデバイス100、アクセスポイント200、画像生成装置300、画像投影装置400、及びスクリーン500で構成される。
【0011】
ポインティングデバイス100は、図2に示すようなハンディターミナルで構成される。尚、ポインティングデバイス100は、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、又はPHS(Personal Handy-phone System)で構成されても良い。
【0012】
ポインティングデバイス100は、図2に示すようなLCD100iとキーボード100jとを備える。ポインティングデバイス100は、LCD100iに向かって右方向にXp軸の正方向が規定されており、LCD100iの表示方向(つまり、LCD100iの画面と垂直方向)にYp軸の正方向が規定されており、上方向(つまり、LCD100iが表示する画像の上方向)にZp軸の正方向が規定されている。また、Xp軸、Yp軸、及びZp軸とそれぞれ並行であり、ポインティングデバイス100に電源が投入された三次元空間上の位置を原点Owとするワールド座標系のXw軸、Yw軸、及びZw軸が規定されている。
【0013】
ユーザは、ポインティングデバイス100を用いて指し示す位置が、ポインティングデバイス100の+Zp方向となるように、ポインティングデバイス100を移動させる。ポインティングデバイス100は、ユーザによって移動させられると、ワールド座標系のXw軸方向及びYw軸方向における位置の変位量(Δx,Δy)を検出する。また、ポインティングデバイス100は、ユーザによってキーボード100jに対して行われた操作を検出する。ポインティングデバイス100は、これら検出された操作を表す操作情報、及び検出された変位量(Δx,Δy)を表す変位量情報を、アクセスポイント200を介して画像生成装置300へ送信する。尚、ポインティングデバイス100は、レーザ光によってユーザの指し示す位置をポイントすることはない。
【0014】
アクセスポイント200は、ポインティングデバイス100と画像生成装置300との間で通信される情報を仲介する。
【0015】
画像生成装置300は、所定の画像と、ユーザがポインティングデバイス100で指し示す位置を表すポインタ画像とを合成することで合成画像を生成する。画像生成装置300は、ポインティングデバイス100から受信した情報で表される操作及び変位量に基づいて、ポインタ画像を所定の画像に合成する位置(以下、合成位置という)を変更する。その後、画像生成装置300は、当該所定の画像の変更後の位置にポインタ画像を合成し、生成した合成画像を表す情報を画像投影装置400へ送信する。
【0016】
画像投影装置400は、液晶プロジェクタで構成され、画像生成装置300から受信した情報で表される合成画像をスクリーン500へ投影することで、スクリーン500に合成画像を表示する画像表示手段である。
【0017】
図1のポインティングデバイス100は、図3に示すようなCPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory)100c、ハードディスク100d、メディアコントローラ100e、無線LANカード(Local Area Network)100f、ビデオカード100h、LCD(Liquid Crystal Display)100i、キーボード100j、スピーカ100k、加速度センサ100l、及びタイマ100mで構成される。
【0018】
CPU100aは、ROM100b又はハードディスク100dに保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、ポインティングデバイス100の全体制御を行う。RAM100cは、CPU100aによるプログラムの実行時において、処理対象とする情報(つまり、データ)を一時的に記憶する。
【0019】
ハードディスク100dは、各種の情報(つまり、データ)を記憶する。尚、ポインティングデバイス100は、ハードディスク100dの代わりに、フラッシュメモリを備えても良い。
【0020】
メディアコントローラ100eは、フラッシュメモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイディスク(Blu-ray Disc)(登録商標)を含む記録媒体から各種のデータ及びプログラムを読み出す。
【0021】
無線LANカード100fは、不図示の通信網10を介して接続するアクセスポイント200を経由して、画像生成装置300と各種情報を電波通信する。キーボード100jは、ユーザの操作に応じた信号又は情報を入力する。
【0022】
ビデオカード100hは、CPU100aから出力されたデジタル信号に基づいて画像を描画(つまり、レンダリング)すると共に、描画された画像を表す画像信号を出力する。LCD100iは、ビデオカード100hから出力された画像信号に従って画像を表示する。なお、ポインティングデバイス100は、LCD100iの代わりに、PDP(Plasma Display Panel)又はEL(Electroluminescence)ディスプレイを備えても良い。スピーカ100kは、CPU100aから出力された信号に基づいて音声を出力する。
【0023】
加速度センサ100lは、図2のXp軸を軸方向とする不図示の加速度センサ、及びYp軸を軸方向とする不図示の加速度センサとを備え、ポインティングデバイス100に対してXp軸にかかる加速度と、Yp軸にかかる加速度とをそれぞれ検出する。
【0024】
タイマ100mは、CPU100aによって動作をスタートさせられると、CPU100aに設定された周期で割込信号をCPU100aへ入力し、CPU100aによってストップさせられると、割込信号の出力を中止する。
【0025】
図3のCPU100aは、図1のスクリーン500に投影される画像を指定する、不図示の画像指定処理を実行する。この画像指定処理の実行により、CPU100aは、図3のキーボード100jと協働することで、図4に示すような操作検出部101として機能し、無線LANカード100fと協働することで図4の情報送信部102として機能する。
【0026】
画像指定処理が開始されると、操作検出部101は、ユーザによるキーボード100jの操作を検出する。操作検出部101は、検出された操作が、スクリーン500に提示される画像を指定する操作(以下、指定操作という)であるか否かを判別する。このとき、操作検出部101は、検出された操作が指定操作でないと判別すると、画像指定処理の実行を終了する。これに対して、操作検出部101が、検出された操作は指定操作であると判別すると、情報送信部102は、検出された指定操作を表す操作情報を、図1のアクセスポイント200を介して画像生成装置300へ送信した後に、画像指定処理の実行を終了する。
【0027】
図1の画像生成装置300は、ポインティングデバイス100から送信された操作情報を受信すると、当該操作情報で表される指定操作によって指定された画像を表す情報(以下、画像情報という)を、画像生成装置300が記憶するドキュメントファイルから抽出する。次に、画像生成装置300は、抽出された画像情報を図1の画像投影装置400へ出力し、当該画像情報をポインティングデバイス100へ送信する。画像投影装置400は、出力された画像情報で表される画像を、図1のスクリーン500へ投影する。
【0028】
ポインティングデバイス100のCPU100aは、画像生成装置300から送信された情報で表される画像を表示する不図示の画像表示処理を実行する。この画像表示処理の実行により、CPU100aは、ビデオカード100h及びLCD100iと協働することで、図4の画像表示部105としてさらに機能し、無線LANカード100fと協働することで情報受信部104として機能する。
【0029】
画像表示処理が開始されると、図4の情報受信部104は、画像生成装置300から画像を表す画像情報を受信し、図4の画像表示部105が、受信された情報で表される画像を表示した後に、画像表示処理の実行が終了される。
【0030】
ユーザは、図4の画像表示部105に表示された画像又は図1のスクリーン500に投影(つまり、表示)された画像を目視しながら、ポインティングデバイス100の操作を行う。ユーザがポインティングデバイス100に対して行う操作は、図1のスクリーン500に対してポインタ画像の投影を開始させる操作(以下、第1の操作という)と、ポインタ画像の投影を終了させる操作(以下、第2の操作という)とを含む。本実施形態では、第1の操作は、図3のキーボード100jの「1」キーを押し下げる操作(以下、押下操作という)であり、第2の操作は、「1」キーを押し上げる操作であるとして説明するが、これに限定される訳ではない。
【0031】
ポインティングデバイス100のCPU100aは、図3のキーボード100jの「1」キーに対して第1の操作が行われることで、当該操作に応じたイベント(以下、押下イベントという)が発生すると、CPU100aは、図5の第1の操作時処理の実行を開始する。
【0032】
先ず、CPU100aは、ポインタ画像の投影を開始させるように求めるスタート要求を表す情報(以下、スタート要求情報という)を、押下イベントの発生後に送信したか否かを表す値を格納する変数firstに対して、未だ送信していないことを表す値「1」を格納する(ステップS11)。次に、CPU100aは、図3のタイマ100mの動作をスタートさせる(ステップS12)。
【0033】
動作を開始したタイマ100mが割込信号を入力する度に、図3のCPU100aは、図6に示すようなタイマ割込処理を実行する。これにより、CPU100aは、図3の加速度センサ100lと協働することで、図4の変位量検出部103として機能する。
【0034】
図6のタイマ割込処理を開始すると、図4の操作検出部101は、図3のキーボード100jから出力される信号に基づいて、「1」キーが押し下げられているか(つまり、押下中か)否かを判別する(ステップS21)。このとき、「1」キーが押し下げられていると判別されると(ステップS21;Yes)、図4の変化量検出部103は、図3の加速度センサ100lの検出値を読み込む(つまり、センサリード)(ステップS22)。その後、変化量検出部103は、読み込んだ値に基づいて、図2のワールド座標系XwYwZwにおけるポインティングデバイス100のXwYwZw座標を算出する。その後、変化量検出部103は、算出された座標のXw座標(つまり、x成分)を変数xに格納し、Yw座標(つまり、y成分)を変数yに格納する(ステップS23)。
【0035】
次に、図4の情報送信部102は、変数firstが値「1」であるか否か(つまり、スタート要求情報を送信していないかしているか)を判別する(ステップS24)。このとき、情報送信部102は、変数firstが値「1」であると判別すると(ステップS24;Yes)、ステップS23で値を格納された変数xの値を変数x0に格納し、ステップS23で値を格納された変数yの値を変数y0に格納する(ステップS25)。
【0036】
その後、情報送信部102は、ポインタ画像の投影を開始させるように求めるスタート要求情報を、図1の画像生成装置300へ送信した後に(ステップS26)、変数firstの値を、スタート要求情報が既に送信されたことを表す値「0」に更新した後に(ステップS27)、ステップS21から上記処理を繰り返す。
【0037】
ステップS24において、情報送信部102は、変数firstが値「0」であると判別すると(ステップS24;No)、ステップS23において、今回算出されたXw座標値を格納した変数xの値から、前回算出されたXw座標値を格納した変数x0の値を減算することで、ポインティングデバイス100のXw軸方向の変位量Δxを算出する。また同様に、情報送信部102は、前回算出されたYw座標値を格納した変数yから、前回算出されたYw座標値を格納した変数y0を減算することで、ポインティングデバイス100のYw軸方向の変位量Δyを算出する(ステップS28)。
【0038】
その後、情報送信部102は、算出された変位量ΔxとΔyとを表す変位量情報を画像生成装置300へ送信する(ステップS29)。その後、ステップS25と同様の処理が実行された後に(ステップS30)、ステップS21から上記処理が繰り返される。
【0039】
ステップS21において、「1」キーが押し下げられていないと判別されると(ステップS21;No)、「1」キーが押し上げられたと操作検出部101が判別し、操作検出部101は、第2の操作を検出する。次に、情報送信部102は、ポインタ画像の投影を停止させるように求めるストップ要求を表す情報(以下、ストップ要求情報という)を、図1の画像生成装置300へ送信する(ステップS31)。その後、図5のステップS12でスタートさせたタイマの動作をストップさせた後に(ステップS32)、タイマ割込処理の実行を終了する。
【0040】
図1の画像生成装置300は、図7に示すようなCPU300a、ROM300b、RAM300c、ハードディスク300d、メディアコントローラ300e、無線LANカード300f、有線LANカード300g、ビデオカード300h、LCD300i、キーボード300j、及びスピーカ300kで構成される。
【0041】
CPU300a、ROM300b、RAM300c、ハードディスク300d、メディアコントローラ300e、ビデオカード300h、LCD300i、キーボード300j、及びスピーカ300kは、図3のCPU100a、ROM100b、RAM100c、ハードディスク100d、メディアコントローラ100e、ビデオカード100h、LCD100i、キーボード100j、及びスピーカ100kと同様であるので説明を省略する。
【0042】
無線LANカード300fは、アクセスポイント200を介してポインティングデバイス100との間で各種の情報を電波通信する。有線LANカード300gは、画像投影装置400との間で各種の情報を有線通信する。
【0043】
CPU300aは、図7のハードウェアを用いて図8及び図9に示すような画像生成処理を実行する。これにより、CPU300aは、図10に示すような情報検索部302及び画像生成部304として機能し、ハードディスク300dと協働することで図10の情報記憶部303として機能し、無線LANカード300fと協働することで図10の情報受信部301及び情報送信部308として機能し、有線LANカード300gと協働することで図10の情報出力部307として機能する。
【0044】
図10の情報記憶部303は、所定の画像を表す情報が記録された電子ファイルを記憶している。本実施形態において、所定の画像は、文書を表す文書画像であり、情報記憶部303は、文書画像を表す情報が記録された電子ファイル(つまり、ドキュメントファイルという)を記憶しているとして説明するが、これに限定される訳ではない。また、ドキュメントファイルは、例えば、プレゼンテーション用のソフトウェアを用いて作成された電子ファイルであるとして説明するが、これに限定される訳ではない。
【0045】
図8の画像生成処理の実行が開始されると、図10の情報受信部301は、図1のアクセスポイント200を介してポインティングデバイス100から情報を受信したか否かを判別する(ステップS41)。このとき、情報受信部301は、情報を受信していないと判別すると(ステップS41;No)、所定時間経過後にステップS41の処理を再度繰り返す。
【0046】
ステップS41において、情報受信部301は、情報を受信したと判別すると(ステップS41;Yes)、受信された情報が指定操作を表す情報(以下、指定操作情報という)であるか否かを判別する(ステップS42)。このとき、受信された情報が指定操作情報であると判別されると(ステップS42;Yes)、図10の情報検索部302は、指定操作で指定された画像(以下、指定画像という)を表す情報(以下、指定画像情報という)を、情報記憶部303に記憶されたドキュメントファイルから検索する(ステップS43)。次に、情報検索部302は、情報記憶部303に記憶されたポインタ画像を表す情報(以下、ポインタ画像情報という)を検索する(ステップS44)。その後、ポインタ画像をスクリーン500に投影するか否かを表すポインタ変数に、ポインタ画像を投影しないことを表す値(ポインタOFFと図示する)を格納する(ステップS45)。
【0047】
ステップS42において、受信された情報が指定操作情報でないと判別すると(ステップS42;No)、情報受信部301は、受信された情報がスタート要求情報であるか否かを判別する(ステップS46)。このとき、受信された情報がスタート要求情報であると判別されると(ステップS46;Yes)、画像生成部304は、前回の合成位置から今回の合成位置までの移動量を「0」とする。具体的には、合成位置の移動量は、図11に示すようなXfYf座標系であって、図8のステップS43で検索された情報で表される指定画像Fの中心を原点Ofとし、指定画像Fの走査方向をXf軸とし、指定画像Fの副走査方向をYf軸とする画像座標系を用いて表される。このため、画像生成部304は、合成位置のXf軸方向における移動量を表す移動量変数xの値を「0」で初期化し、Yf軸方向における移動量を表す移動量変数yの値を「0」で初期化する。
【0048】
また、画像生成部304は、前回の合成位置のXf座標値を格納する変数lastXの値及び前回の合成位置のYf座標値を格納する変数lastYの値をそれぞれ値「0」として初期化する(ステップS47)。
【0049】
次に、画像生成部304は、今回の合成位置を、図10の情報記憶部303に記憶された情報で表される所定の初期位置とする。本実施形態において、初期位置は、画像座標系の原点Ofであるとして説明する。このため、画像生成部304は、ポインタ画像の合成位置(つまり、ポインタ位置)のXf座標及びYf座標を、それぞれ値「0」とする(ステップS48)。しかし、これに限定される訳ではなく、合成位置の初期位置は、例えば、指定画像Fに含まれる点の内で、Xf座標値及びYf座標値の双方が最も小さい点Of’であるとしても良い。ステップS48の後に、画像生成部304は、ポインタ画像を投影することを表す値(ポインタON)でポインタ変数の値を更新する(ステップS49)。
【0050】
ステップS46において、情報受信部301は、受信された情報がスタート要求情報でないと判別すると(ステップS46;No)、受信された情報がストップ要求情報であるか否かを判別する(ステップS50)。このとき、受信された情報がストップ要求を表す情報でないと判別されると(ステップS50;No)、情報受信部301は、受信された情報がポインティングデバイス100の変位量を表す情報(つまり、変位量情報)であると判別する。
【0051】
次に、画像生成部304は、受信された情報で表される変位量に基づいてポインタ画像を指定画像Fに合成する合成位置を移動させる。具体的には、画像生成部304は、受信された情報で表される変位量を読み出し(データリードと図示する)、移動量変数xに対して、読み出されたXp軸方向の変位量(つまり、Δx)を代入し、移動量変数yに対してYp軸方向の変位量(つまり、Δy)を代入する(ステップS51)。
【0052】
その後、画像生成部304は、ポインタ画像の合成位置のXf座標を、変数lastXの値(つまり、前回の合成位置のXf座標値)から移動量変数xの値(つまり、ポインティングデバイス100のXp軸方向の変位量)を減算した値とし、かつYf座標を、変数lastYの値から移動量変数yの値を減算した値とする(ステップS52)。
【0053】
ステップS50において、情報受信部301が、受信された情報がストップ要求情報であると判別すると(ステップS50;Yes)、画像生成部304は、ポインタ画像を投影しないことを表す値(ポインタOFF)でポインタ変数の値を更新する(ステップS53)。
【0054】
図8のステップS45、ステップS49、ステップS52、及びステップS53の後に、図10の画像生成部304は、変数lastXの値を、今回の合成位置のXf座標値(つまり、変数lastXの値から移動量変数xの値を減算した値)で更新し、変数lastYの値を、今回の合成位置のYf座標値で更新する(図9のステップS54)。
【0055】
その後、画像生成部304は、ポインタ変数に格納された値がポインタ画像を投影することを表す値(ポインタON)であるか否かを判別する(ステップS55)。このとき、画像生成部304は、ポインタ変数に格納された値がポインタ画像を投影することを表す値(ポインタON)であると判別すると(ステップS55;Yes)、図8のステップS43で検索された情報で表される指定画像における、図8のステップS48及びステップS52で更新されたポインタ位置(つまり、合成位置)に、ステップS44で検索された情報で表されるポインタ画像を合成する(ステップS56)。その後、画像生成部304は、スクリーン500に投影される画像(以下、投影画像という)を、ステップS56で生成された合成画像とする。
【0056】
ステップS55において、ポインタ変数に格納された値がポインタ画像を投影することを表す値(ポインタON)でないと判別された場合(ステップS55;No)、画像生成部304は、図8のステップS43で検索された情報で表される指定画像を投影画像とする。その後又はステップS56の後に、図10の情報出力部307は、投影画像を表す情報(以下、投影画像情報という)を、図1の画像投影装置400へ出力する(ステップS57)。尚、画像投影装置400は、出力された情報で表される投影画像を、図1のスクリーン500へ投影する。その後、ステップS41から上記処理が繰り返される。
【0057】
次に、図10の情報送信部308は、投影画像情報を、ポインティングデバイス100へ送信する(ステップS58)。尚、ポインティングデバイス100は、既に説明したように、送信された情報で表される投影画像を、図4の画像表示部105に表示する。
【0058】
尚、図1のポインティングデバイス100と、画像生成装置300とは、アクセスポイント200を介さずに情報を無線通信しても良い。また、画像生成装置300は、ポインティングデバイス100に搭載され、ポインティングデバイス100は、アクセスポイント200を介して、又は介さずに画像投影装置400と情報を無線通信しても良い。さらに、画像生成装置300は、画像投影装置400に搭載され、ポインティングデバイス100は、アクセスポイント200を介して、又は介さずに画像投影装置400と情報を無線通信しても良い。
【0059】
また、図1のポインティングシステム1は、1台の画像投影装置400と、1枚のスクリーン500とで構成されるとして説明したが、これに限定される訳ではない。ポインティングシステム1は、複数台の画像投影装置と、複数台の画像投影装置によってそれぞれ画像が投影される複数枚のスクリーンとで構成され、複数台の画像投影装置のそれぞれは、画像生成装置300から出力された情報で表される合成画像を、それぞれのスクリーンに投影するとしても良い。ここで、レーザ光を用いてポイントするポインティングデバイスでは、1枚のスクリーンに表示された画像にポイントを表示することしかできない。しかしこの構成によれば、複数枚のスクリーンに表示された複数の画像に対して同時に複数のポインタを表示できる。
【0060】
(実施形態1の変形例)
本実施形態に係るポインティングシステム1は、図1に示すように、ポインティングデバイス100、アクセスポイント200、画像生成装置300、画像投影装置400、及びスクリーン500で構成されるとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、図12に示すように、ポインティングシステム1は、画像投影装置400及びスクリーン500の代わりに、画像表示手段である画像表示装置600で構成されても良い。この画像表示装置600は、例えば、LCDディスプレイ、ELディスプレイ、又はPDPディスプレイで構成される。この構成において、画像表示装置600は、画像生成装置300から出力された情報で表される画像を表示し、ユーザは、ポインティングデバイス100を操作しながら画像表示装置600に表示された画像を指し示す構成を採用できる。
【0061】
さらにこれらの構成において、図12の画像生成装置300は、画像表示装置600に搭載され、ポインティングデバイス100は、アクセスポイント200を介して、又は介さずに画像表示装置600と情報を無線通信しても良い。
【0062】
これらの構成によれば、所定の操作である第1の操作が検出されると、ポインタ画像を所定の画像の初期位置に合成するため、初期位置にポインタ画像が合成された合成画像が表示される。その後、第1の操作が検出された位置からポインティングデバイス100が変位すると、検出された当該位置からの変位量(つまり、相対的な移動量)に応じて、ポインタ画像の合成位置が初期位置から移動させられる。このため、予めポインティングデバイス100に対してキャリブレーション操作が行われなくとも、ポインタ画像が表示される位置をポインティングデバイス100で容易に指し示すことができるのでポインティングデバイス100の利便性が従来よりも向上するだけでなく、ポインティングデバイス100が指し示す位置と、ポインタの表示される位置との差異も従来より容易に縮小できる。
【0063】
またこれらの構成によれば、第2の操作がなされてから第1の操作がなされるまでの間は、ポインタ画像が合成されていない所定の画像が表示される。このため、ポインタ画像により所定の画像の表示が妨げられることを防止できる。これに対して、第1の操作がなされてから第2の操作がなされるまでは、初期位置にポインタ画像が合成された合成画像が表示された後に、ポインティングデバイス100の変位量に応じた量だけ初期位置から移動した位置にポインタ画像が合成された合成画像が表示される。このため、ポインタ画像の表示を再開すると、表示された合成画像の初期位置にポインタ画像が表示されるので、ポインティングデバイスが指し示す位置と、ポインタの表示される位置との差異を従来よりも容易に縮小できる。
【0064】
さらにこれらの構成によれば、ポインティングデバイス100は、画像が指定されると、指定された画像を図4の画像表示部105に表示し、画像表示手段である図1の画像投影装置400及び図12の画像表示装置600は、指定された画像又は当該画像とポインタ画像とを合成した合成画像を表示する。このため、ユーザは、画像投影装置400又は画像表示装置600によって表示される画像を、ポインティングデバイス100を用いて確認できるので利便性が従来よりも向上する。
【0065】
またさらにこれらの構成によれば、ポインティングデバイス100は、図1の画像投影装置400及び図12の画像表示装置600によって表示された画像と同一の画像を表示する。このため、ユーザは、画像投影装置400及び図12の画像表示装置600によって表示された画像を黙視できない場合であっても、ポインティングデバイス100に表示された画像を目視することで、画像投影装置400又は画像表示装置600によって表示される画像を指し示すポインタの表示位置を移動させることができるので利便性が従来よりも向上する。
【0066】
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明を行う。尚、実施形態2に係るポインティングシステムの構成の内で、実施形態1と共通する構成については説明を省略する。
【0067】
実施形態2のポインティングシステムは、実施形態1のポインティングシステム1と同様に、ポインティングデバイス100、アクセスポイント200、画像生成装置300、画像投影装置400、及びスクリーン500で構成される。
【0068】
ユーザは、図13に示すようなスクリーン500に表示された画像の最も左上の点P1をポインティングデバイス100で指し示した後に、第3の操作をポインティングデバイス100に行いながら、残りの四隅の点P2からP4までを順に指し示す。本実施形態では、第3の操作は、図3のキーボード100jの「9」キーを押し下げる操作であり、第4の操作は、「9」キーを押し上げる操作であるとして説明するが、これに限定される訳ではない。
【0069】
ポインティングデバイス100のCPU100aは、図3のキーボード100jの「9」キーに対して第3の操作が行われると、CPU100aは、図5の第1の操作時処理と同様の処理を実行する。その後、CPU100aは、図3のキーボード100jの「9」キーに対して第4の操作が行われるまで(つまり、押上操作が行われるまで)、図3のタイマ100mが割込信号を入力する度に、不図示の移動範囲特定処理を実行する。移動範囲特定処理とは、図13の画像が表示された表示領域RSをユーザが所定の位置から指し示すためにポインティングデバイス100を移動させる移動範囲RMを特定する処理である。この処理の実行により、CPU100aは、図14に示すような範囲特定部106としてさらに機能する。
【0070】
不図示の移動範囲特定処理の実行が開始されると、範囲特定部106は、変位量検出部103が検出した変位量に基づいてXwYwZw座標系におけるポインティングデバイス100のXw座標値及びYw座標値を算出する。次に、範囲特定部106は、算出したポインティングデバイス100のXw座標値及びYw座標値に基づいて、ポインティングデバイス100のXwYw平面上の移動範囲RMを特定する。
【0071】
その後、範囲特定部106は、特定された移動範囲RMのXw方向の中心からXw方向における移動範囲RMの一端までの距離を算出し、算出された値を変数xlenに格納する。同様に、範囲特定部106は、特定された移動範囲RMのYw方向の中心からYw方向における移動範囲RMの一端までの距離を算出し、算出された値を変数ylenに格納する。その後、範囲特定部106は、移動範囲特定処理の実行を終了する。
【0072】
実施形態2のポインティングデバイス100は、実施形態1と同様に、第1の操作を検出してから第2の操作を検出するまでの間において、図6のタイマ割込処理に相当する処理を実行する。この処理は、図15に示すようなタイマ割込処理であり、ステップS68の処理が、ポインティングデバイス100のXw方向の変位量及びYw方向の変位量を、移動範囲RMのXw方向の長さ及びYw方向の長さを用いてそれぞれ正規化された値とする処理である点で、実施形態1で実行される図6のステップS28と相違している。
【0073】
具体的には、ステップS68の処理は、今回のポインティングデバイス100のXw座標値から前回のXw座標値を減算した値を100倍した後に、100倍された値を変数xlenに格納された移動範囲RMのXw方向の長さで除算することで算出された値(つまり、xlenに対するXw座標値の変化量の百分率)を、正規化されたXw方向の変位量とする処理である。尚、今回のXw座標値から前回のXw座標値を減算した値を100倍するのは、桁落ちによる誤差の発生を防止するためでもある。
【0074】
同様に、ステップS68の処理は、今回のポインティングデバイス100のYw座標値から前回のYw座標値を減算した値を「100」倍した後に、「100」倍された値を変数ylenに格納された値で除算することで算出された百分率を、正規化されたYw方向の変位量とする処理でもある。
【0075】
ここで、図16(a)及び図16(b)に示すように、スクリーン500に表示された画像を、ポインティングデバイス100を用いて指し示すために、ユーザがポインティングデバイス100を移動させる移動範囲RMは、スクリーン500に対してユーザが近づく程広くなる。また、スクリーン500とユーザとのの距離が同じであっても、ポインティングデバイス100を移動させる移動範囲RMは、ユーザ毎に異なる。
【0076】
このため、これらの構成によれば、特定されたポインティングデバイス100の移動範囲RMに基づいて正規化されたポインティングデバイス100の変位量を表す情報が送信されるので、スクリーン500に表示された画像とポインティングデバイス100との距離やポインティングデバイス100を使用するユーザが変化したとしても、ポインティングデバイス100が指し示す位置の変位量が同じであれば、送信される変動量情報を略同一とすることができる。
【0077】
実施形態2における画像生成装置300は、実施形態1で実行される画像生成処理と同様の処理を実行する。この処理は、図17に示すような画像生成処理であり、ステップS91の処理が、ポインティングデバイス100の正規化されたXw方向の変位量Δxに対して、図11に示した指定画像Fの中心からXf方向の一端までの長さXLENを乗算した値を、図15のステップS68で桁落ち防止のために用いた数「100」で除算する処理である点、及び正規化された変位量Δyに対して指定画像Fの中心からYf方向の一端までの長さYLENを乗算した値を数「100」で除算する処理である点で、実施形態1で実行される図8のステップS51と相違している。尚、XLENを表す情報及びYLENを表す情報は、それぞれ図10の情報記憶部303に記憶されている。
【0078】
これらの構成によれば、ポインティングデバイス100を移動させる移動範囲RMを特定し、特定された移動範囲RMに基づいてポインタ画像の合成位置の移動量を変更するため、表示された画像とポインティングデバイス100との距離が変化したり、ポインティングデバイス100を使用するユーザが変化したり、表示される画像の大きさが変化したりしても、ポインティングデバイスが指し示す位置と、ポインタの表示される位置との差異を従来よりも縮小できる。特に、これらの構成によれば、ユーザは、第3の操作を行ってから第4の操作を行うまでに、スクリーン500に表示された画像を指し示しながらポインティングデバイス100の位置を移動範囲RMにおいて移動させるだけで、ポインティングデバイス100に対してキャリブレーションを行う(つまり、ポインティングデバイスが指し示す位置と、ポインタの表示される位置との差異を縮小させる)ことができるので従来よりも利便性が向上する。
【0079】
(実施形態2の変形例)
次に、実施形態2の変形例について説明する。実施形態2の変形例においては、図18に示すように、スクリーン500の右斜め前方の位置から、スクリーン500に表示された画像をユーザがポインティングデバイス100を用いて指し示す例について説明する。
【0080】
図18に示したスクリーン500に画像が表示された範囲RSの形状は長方形である。また、当該画像をスクリーン500に投影した画像投影装置400に対して出力された情報で表される投影画像の形状も、図11に示すような長方形である。しかし、図18の位置からユーザがスクリーン500に表示された画像を指し示すために、ポインティングデバイス100を移動させる移動範囲RMの形状は台形である。これは、スクリーン500に表示された長方形の画像を、スクリーン500の右斜め前方の位置からユーザが視認したからである。
【0081】
本実施形態の変形例において、ポインティングデバイス100は、図14の範囲特定部106でポインティングデバイス100の移動範囲RMを特定すると、情報送信部102で移動範囲RMを表す移動範囲情報を画像生成装置300へ電波送信する。
【0082】
画像生成装置300が、図10の情報受信部301で移動範囲情報を受信すると、情報検索部302は、情報記憶部303に記憶された指定画像を表す画像情報を検索する。次に、画像生成部304は、受信された移動範囲情報で表される移動範囲RMの形状(つまり、台形)を、検索された画像情報で表される指定画像の形状(つまり、長方形)に変換する変換行列を算出する。
【0083】
図17の画像生成処理が実行されると、画像生成部304は、ステップS91において、ポインティングデバイス100から受信した情報で表される変化量Δx及びΔyを、上記変換行列で変換することで補正した後に、補正された変化量Δx及びΔyを用いてポインタ画像の合成位置の移動量x及びyを算出する。尚、画像生成部304は、変化量Δx及びΔyを用いて合成位置の移動量x及びyを算出した後に、算出された移動量x及びyを、上記変換行列を用いて補正しても良い。その後、画像生成部304は、ステップS92から画像生成処理の実行を継続する。
【0084】
これらの構成によれば、ポインティングデバイス100の移動範囲RMを、スクリーン500に画像が表示された表示範囲RSに変換する変換行列に基づいてポインタ画像の合成位置の移動量x及びyを補正する。このため、例えば、ユーザがスクリーン500に対して正対していない場合であっても、ポインティングデバイスが指し示す位置と、ポインタの表示される位置との差異を従来よりも縮小できる。
【0085】
本発明の実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、及び実施形態2の変形例とは、それぞれ互いに組み合わせることができる。
【0086】
なお、実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例に係る機能を実現するための構成を予め備えたポインティングデバイス100として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存のポインティングデバイスを実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例に係るポインティングデバイス100として機能させることもできる。すなわち、実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例で例示したポインティングデバイス100による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存のポインティングデバイスを制御するコンピュータ(CPUなど)が実行できるように適用することで、実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例に係るポインティングデバイス100として機能させることができる。
【0087】
同様に、実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例に係る機能を実現するための構成を予め備えた画像生成装置300として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の画像生成装置を実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例に係る画像生成装置300として機能させることもできる。すなわち、実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例で例示した画像生成装置300による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の画像生成装置を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行できるように適用することで、実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2、又は実施形態2の変形例に係る画像生成装置300として機能させることができる。
【0088】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インタネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0089】
また、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。つまり、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含む。
以下に本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0090】
(付記1)
ポインタを表すポインタ画像と、所定の画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成手段と、
前記生成された合成画像を表示する画像表示手段と、
前記表示された合成画像を指し示すポインティングデバイスの位置の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記ポインティングデバイスに対して行われる操作を検出する操作検出手段と、を備え、
前記画像生成手段は、所定の操作が検出されると、前記所定の画像に対して前記ポインタ画像を合成する合成位置を予め定められた初期位置とした後に、前記検出された変位量に応じた移動量だけ前記ポインタ画像の合成位置を移動させる、
ことを特徴とするポインティングシステム。
【0091】
(付記2)
前記操作検出手段は、前記所定の操作である第1の操作の他に、前記ポインティングデバイスに対して行われる第2の操作をさらに検出し、
前記画像生成手段は、
前記第1の操作が検出されると、前記ポインタ画像の合成位置を前記初期位置とし、
前記第1の操作が検出されてから前記第2の操作が検出されるまで、前記ポインタ画像の合成位置を前記検出された変位量に応じて移動させ、
前記第2の操作が検出されてから前記第1の操作が再度検出されるまで、前記所定の画像に対する前記ポインタ画像の合成を中止し、
前記画像表示手段は、前記第1の操作が検出されてから前記第2の操作が検出されるまで前記合成画像を表示し、前記第2の操作が行われてから前記第1の操作が再度行われるまで前記所定の画像を表示する、
ことを特徴とする付記1に記載のポインティングシステム。
【0092】
(付記3)
前記操作検出手段は、前記ポインティングデバイスに対して行われる第3の操作と第4の操作とをさらに検出し、
前記第3の操作が検出されてから前記第4の操作が検出されるまでに検出された前記ポインティングデバイスの変位量に基づいて、前記表示された合成画像を所定の位置から指し示すために前記ポインティングデバイスが移動させられる移動範囲を特定する移動範囲特定手段、をさらに備え、
前記画像生成手段は、前記特定された移動範囲に基づいて前記ポインタ画像の合成位置の移動量を変更する、
ことを特徴とする付記2に記載のポインティングシステム。
【0093】
(付記4)
前記所定の画像を表す情報を記憶する情報記憶手段、をさらに備え、
前記画像生成手段は、前記検出された移動範囲の形状を、前記記憶された情報で表される前記所定の画像の形状に変換する変換行列を用いて、前記ポインタ画像の合成位置の移動量を補正する、
ことを特徴とする付記3に記載のポインティングシステム。
【0094】
(付記5)
前記操作検出手段は、前記所定の画像を指定する指定操作をさらに検出し、
前記ポインティングデバイスは、前記操作検出手段と、前記操作検出手段で検出された指定操作を表す操作情報を送信する情報送信手段と、当該指定操作によって指定された画像を表示する手段と、を有する携帯端末であり、
前記画像表示手段は、前記送信された操作情報が表す指定操作で指定された所定の画像又は前記指定された所定の画像と前記ポインタ画像とを合成した合成画像を表示する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載のポインティングシステム。
【0095】
(付記6)
前記画像表示手段は、前記画像生成手段で生成された合成画像を対象物に投影することで、前記対象物に合成画像を表示する、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか一つに記載のポインティングシステム。
【0096】
(付記7)
ポインタを表すポインタ画像と、文書を表す文書画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成手段と、
表示された前記合成画像を指し示すポインティングデバイスに対して行われた操作を表す情報と、前記ポインティングデバイスの変位量を表す情報とを受信する情報受信手段と、を備え、
前記画像生成手段は、前記受信された情報で表される操作が所定の操作である場合に、前記文書画像に対して前記ポインタ画像を合成する合成位置を所定の初期位置とした後に、前記検出された変位量に応じた移動量だけ前記ポインタ画像の合成位置を移動させる、
ことを特徴とする画像生成装置。
【0097】
(付記8)
コンピュータを、
ポインタを表すポインタ画像と、文書を表す文書画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成手段、
表示された前記合成画像を指し示すポインティングデバイスに対して行われた操作を表す情報と、前記ポインティングデバイスの変位量を表す情報とを受信する情報受信手段、として機能させ、
前記画像生成手段は、前記受信された情報で表される操作が所定の操作である場合に、前記文書画像に対して前記ポインタ画像を合成する合成位置を所定の初期位置とした後に、前記検出された変位量に応じた移動量だけ前記ポインタ画像の合成位置を移動させる、
ことを特徴とする画像生成プログラム。
【符号の説明】
【0098】
1・・・ポインティングシステム、100・・・ポインティングデバイス、100a・・・CPU、100b・・・ROM、100c・・・RAM、100d・・・ハードディスク、100e・・・メディアコントローラ、100f・・・無線LANカード、100h・・・ビデオカード、100i・・・LCD、100j・・・キーボード、100k・・・スピーカ、100l・・・加速度センサ、100m・・・タイマ、101・・・操作検出部、102・・・情報送信部、103・・・変位量検出部、104・・・情報受信部、105・・・画像表示部、106・・・範囲特定部、200・・・アクセスポイント、300・・・画像生成装置、300a・・・CPU、300b・・・ROM、300c・・・RAM、300d・・・ハードディスク、300e・・・メディアコントローラ、300f・・・無線LANカード、300g・・・有線LANカード、300h・・・ビデオカード、300i・・・LCD、300j・・・キーボード、300k・・・スピーカ、301・・・情報受信部、302・・・情報検索部、303・・・情報記憶部、304・・・画像生成部、307・・・情報出力部、308・・・情報送信部、400・・・画像投影装置、500・・・スクリーン、600・・・画像表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポインタを表すポインタ画像と、所定の画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成手段と、
前記生成された合成画像を表示する画像表示手段と、
前記表示された合成画像を指し示すポインティングデバイスの位置の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記ポインティングデバイスに対して行われる操作を検出する操作検出手段と、を備え、
前記画像生成手段は、所定の操作が検出されると、前記所定の画像に対して前記ポインタ画像を合成する合成位置を予め定められた初期位置とした後に、前記検出された変位量に応じた移動量だけ前記ポインタ画像の合成位置を移動させる、
ことを特徴とするポインティングシステム。
【請求項2】
前記操作検出手段は、前記所定の操作である第1の操作の他に、前記ポインティングデバイスに対して行われる第2の操作をさらに検出し、
前記画像生成手段は、
前記第1の操作が検出されると、前記ポインタ画像の合成位置を前記初期位置とし、
前記第1の操作が検出されてから前記第2の操作が検出されるまで、前記ポインタ画像の合成位置を前記検出された変位量に応じて移動させ、
前記第2の操作が検出されてから前記第1の操作が再度検出されるまで、前記所定の画像に対する前記ポインタ画像の合成を中止し、
前記画像表示手段は、前記第1の操作が検出されてから前記第2の操作が検出されるまで前記合成画像を表示し、前記第2の操作が行われてから前記第1の操作が再度行われるまで前記所定の画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のポインティングシステム。
【請求項3】
前記操作検出手段は、前記ポインティングデバイスに対して行われる第3の操作と第4の操作とをさらに検出し、
前記第3の操作が検出されてから前記第4の操作が検出されるまでに検出された前記ポインティングデバイスの変位量に基づいて、前記表示された合成画像を所定の位置から指し示すために前記ポインティングデバイスが移動させられる移動範囲を特定する移動範囲特定手段、をさらに備え、
前記画像生成手段は、前記特定された移動範囲に基づいて前記ポインタ画像の合成位置の移動量を変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載のポインティングシステム。
【請求項4】
前記所定の画像を表す情報を記憶する情報記憶手段、をさらに備え、
前記画像生成手段は、前記検出された移動範囲の形状を、前記記憶された情報で表される前記所定の画像の形状に変換する変換行列を用いて、前記ポインタ画像の合成位置の移動量を補正する、
ことを特徴とする請求項3に記載のポインティングシステム。
【請求項5】
前記操作検出手段は、前記所定の画像を指定する指定操作をさらに検出し、
前記ポインティングデバイスは、前記操作検出手段と、前記操作検出手段で検出された指定操作を表す操作情報を送信する情報送信手段と、当該指定操作によって指定された画像を表示する手段と、を有する携帯端末であり、
前記画像表示手段は、前記送信された操作情報が表す指定操作で指定された所定の画像又は前記指定された所定の画像と前記ポインタ画像とを合成した合成画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のポインティングシステム。
【請求項6】
前記画像表示手段は、前記画像生成手段で生成された合成画像を対象物に投影することで、前記対象物に合成画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のポインティングシステム。
【請求項7】
ポインタを表すポインタ画像と、文書を表す文書画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成手段と、
表示された前記合成画像を指し示すポインティングデバイスに対して行われた操作を表す情報と、前記ポインティングデバイスの変位量を表す情報とを受信する情報受信手段と、を備え、
前記画像生成手段は、前記受信された情報で表される操作が所定の操作である場合に、前記文書画像に対して前記ポインタ画像を合成する合成位置を所定の初期位置とした後に、前記検出された変位量に応じた移動量だけ前記ポインタ画像の合成位置を移動させる、
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項8】
コンピュータを、
ポインタを表すポインタ画像と、文書を表す文書画像とを合成することで合成画像を生成する画像生成手段、
表示された前記合成画像を指し示すポインティングデバイスに対して行われた操作を表す情報と、前記ポインティングデバイスの変位量を表す情報とを受信する情報受信手段、として機能させ、
前記画像生成手段は、前記受信された情報で表される操作が所定の操作である場合に、前記文書画像に対して前記ポインタ画像を合成する合成位置を所定の初期位置とした後に、前記検出された変位量に応じた移動量だけ前記ポインタ画像の合成位置を移動させる、
ことを特徴とする画像生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−221348(P2012−221348A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88131(P2011−88131)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】