説明

ポインティングデバイス、ポインター移動方法と記録媒体及び該ポインターをディスプレイするディスプレイ装置

【課題】 ポインティングデバイス及びポインター移動方法を提供する。
【解決手段】 本発明の実施形態によるポインティングデバイスは、ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度を感知する角速度感知モジュールと、前記動きによる加速度を感知する加速度感知モジュールと、前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する姿勢演算モジュールと、前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換する信号変換モジュールと、前記変換された角速度情報を用いてディスプレイ装置でディスプレイされるポインターの座標を演算して提供するポインター座標演算モジュールと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインティングデバイス、ポインター移動方法と記録媒体及び前記ポインターをディスプレイするディスプレイ装置に係り、さらに詳細には、遠隔でディスプレイ画面に現れるポインターを移動させるポインティングデバイス及び前記ポインティングデバイスを取る位置に関係なく、前記ディスプレイ画面に現れるポインターを移動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、テレビのようなディスプレイ装置を制御するためには、ユーザが直接ディスプレイ装置に付着された制御ボタン、例えば、電源オン/オフ、音量アップ/ダウン、チャンネルアップ/ダウンボタンを押すか、または上のような機能を有するリモコンを利用する。
【0003】
しかし、最近通信及び映像技術の発達につれてテレビのようなディスプレイ装置は、単純に映像と音声とをユーザに提供する機能だけを有するものではなく、両方向テレビのようにユーザをして多様なコンテンツを選択させる機能も提供する。この場合、従来のリモコンにある4方向キーを用いてディスプレイ画面に現れるハイライト表示をユーザが所望のコンテンツに移動させることもできるが、これはユーザにとって非常に不便であり、特に4方向キーを複数回押さねばならない場合には、4方向キーによる使用性は低下するしかない。
【0004】
したがって、このような問題を解決するためにポインティング方式によりディスプレイ画面に表すポインターを移動させる方法が提案された。これと関連して特許文献1では、ジャイロスコピックポインティングデバイスを開示しているが、ここでは、ユーザが前記ジャイロスコピックポインティングデバイスを所定の方法で取って左右に移動させれば、遠隔に位置したディスプレイ画面上のポインターが左右に移動し、上下に移動させると、ディスプレイ画面上のポインターが上下に移動するようにする方法を開示している。
【0005】
しかし、前記特許文献1では、ジャイロスコピックポインティングデバイスを逆に取って左右に移動させると、ディスプレイ画面上のポインターが左右に移動しなくなるように、ジャイロスコピックポインティングデバイスを取る方法において制約が従うので、ユーザは、必ず所定の方法によってジャイロスコピックポインティングデバイスを取って移動させねばならない不便さがある。
したがって、ユーザがいかなる姿勢でポインティングデバイスを取って動かしても、ディスプレイ画面上のポインターを一貫して移動させうる方法が必要となった。
【特許文献1】米国登録特許第5,440,326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、いかなる姿勢でポインティングデバイスを取って移動させても遠隔に位置したディスプレイ装置の画面上にあるポインターを一貫して移動させる方法及びこのような方法によって前記ポインターを移動させるポインティングデバイスを提供するところにその目的がある。
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及されていない他の目的は下の記載から当業者に明確に理解されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明の実施形態によるポインティングデバイスは、ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度を感知する角速度感知モジュールと、前記動きによる加速度を感知する加速度感知モジュールと、前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する姿勢演算モジュールと、前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換する信号変換モジュールと、前記変換された角速度情報を用いてディスプレイ装置でディスプレイされるポインターの座標を演算して提供するポインター座標演算モジュールと、を備える。
【0008】
また、前記目的を達成するための本発明の一実施形態によるポインティングデバイスは、ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度を感知する角速度感知モジュールと、前記動きによる加速度を感知する加速度感知モジュールと、前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する姿勢演算モジュールと、前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換して提供する信号変換モジュールと、を備える。
【0009】
また、前記目的を達成するための本発明の一実施形態によるポインター移動方法は、ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度と加速度とを感知する(a)段階と、前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する(b)段階と、前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換する(c)段階と、前記変換された角速度情報を用いてディスプレイ装置でディスプレイされるポインターの座標を演算する(d)段階と、前記演算されたポインター座標を用いて前記ポインターの位置を変更させる(e)段階と、を含む。
【0010】
また、前記目的を達成するための本発明に実施形態によるポインター移動方法はポインティングデバイス座標システムで動くポインティングデバイスの第1角速度、第2角速度及び第3角速度を前記ポインティングデバイスの第1姿勢情報、第2姿勢情報そして第3姿勢情報を用いて、ディスプレイ座標システムでの各々の角速度に変換する(a)段階と、前記変換された角速度を用いてディスプレイ装置上にディスプレイされるポインターの座標を計算する(b)段階及び前記計算されたポインターの座標を用いて前記ポインターの位置を変更する(c)段階を含む。
【0011】
また、前記目的を達成するための本発明の実施形態によるポインター移動方法はポンティングデバイス座標システムで動くポインティングデバイスの第1角速度、第2角速度及び第3角速度を前記ポインティングデバイスの第1姿勢情報、第2姿勢情報そして第3姿勢情報を用いてディスプレイ座標システムでの各々の角速度に変換する(a)段階と、前記変換された角速度を前記ポインティングデバイスからディスプレイ装置に伝送する(b)段階と、前記変換された角速度を用いてディスプレイ装置上でディスプレイされるポインターの座標を計算する(c)段階及び前記計算されたポインター座標を用いて前記ポインターの位置を変更する(d)段階を含む。
【0012】
また、前記目的を達成するための本発明の一実施形態によるポインター移動方法は、ポインティングデバイスから無線信号を受信する(a)段階と、前記ポインティングデバイスの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度に対応するそれぞれの角速度情報を前記無線信号から抽出する(b)段階と、前記抽出された角速度情報を用いてディスプレイされるポインターの座標を演算する(c)段階と、前記演算された座標によって前記ポインターの位置を移動させる(d)段階と、を含む。
【0013】
また、前記目的を達成するための本発明の一実施形態によるディスプレイ装置は、ポインティングデバイスから無線信号を受信し、前記ポインティングデバイスの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度に対応するそれぞれの角速度情報を前記無線信号から抽出する無線信号受信モジュールと、前記抽出された角速度情報を用いてディスプレイされるポインターの座標を演算するポインター座標演算モジュールと、前記演算された座標によって前記ポインターの位置を移動させるポインター制御モジュールと、を備える。
その他の実施例の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のポインティングデバイス、ポインター移動方法及び前記ポインターをディスプレイするディスプレイ装置によれば、いかなる姿勢でポインティングデバイスを取って動かしても遠隔に位置したディスプレイ装置の画面上にあるポインターを一貫して移動させうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の利点及び特徴、そしてこれを達成する方法は添付された図面に基づいて詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、この実施例から外れて多様な形に具現でき、本明細書で説明する実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で当業者に発明の範ちゅうを完全に報せるために提供されるものであり、本発明は請求項及び発明の詳細な説明により定義されるだけである。一方、明細書全体に亙って同一な参照符号は同一な構成要素を示す。
【0016】
以下、本発明の一実施形態によるポインティングデバイス、ポインター移動方法と記録媒体及び前記ポインターをディスプレイするディスプレイ装置を説明するためのブロック図、または処理フローチャートに関する図面を参考して本発明について説明する。この時、フローチャートの各ブロックとフロ−チャートの組合わせはコンピュータプログラムインストラクションにより実行可能なのが理解できるであろう。これらコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備のプロセッサに搭載されうるので、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備のプロセッサを通じて実行されるそのインストラクションがフローチャートのブロックで説明された機能を行う手段を生成するように機構を作れる。これらコンピュータプログラムインストラクションは特定方式で機能を具現するためにコンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備を指向できるコンピュータ利用可能またはコンピュータ判読可能メモリに保存されることも可能なので、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ判読可能メモリに保存されたインストラクションはフローチャートのブロックで説明された機能を行うインストラクション手段を内包する製造品目を生産することも可能である。コンピュータプログラムインストラクションはコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備上に搭載することも可能なので、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備上で一連の動作段階が実行されてコンピュータで実行されるプロセスを生成し、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備を行うインストラクションはフローチャートのブロックで説明された機能を実行するための段階を提供することも可能である。
【0017】
また、各ブロックは特定の論理的機能を行うための一つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示すことができる。また、いくつの代替実行例では、ブロックで言及された機能が順序を外れて発生することも可能であるということに注目せねばならない。例えば、連続して図示されている2つのブロックは、実質的に同時に行われてもよく、またはそのブロックが時々該当する機能によって逆順に行われてもよい。
本発明の実施形態で使われる用語のうち、‘ディスプレイ装置’とのポインティングデバイスの動きに対応するポインターをディスプレイする装置を意味する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態によるシステムを概略的に示す例示図である。
図1を参照すれば、本発明によるシステム100、ポインター190をディスプレイするディスプレイ装置150と遠隔からポインター190の移動を制御する入力デバイスとしてのポインティングデバイス105を含む。
【0019】
また、ポインティングデバイス105の動きと姿勢を示すためのデバイス座標系130が図示されているが、図1では、3個の軸X、Y、Zを用いてデバイス座標系130が構成されていることを示している。しかし、これは例示的なものであって、ポインティングデバイス150の動きと姿勢を示しうる座標系ならば、本発明での適用が可能である。ここで、添字‘b’は、ポインティングデバイスでの座標系を示す。
一方、デバイス座標系130に対応してディスプレイ装置150を基準とする座標系を設定できるが、これをディスプレイ座標系140と称する。ここで、添字‘n’は、ディスプレイ装置での座標系を示す。
また、図1では、ディスプレイ装置でのポインター座標を示すためのポインター座標系170が示されているので、2個の軸X、Yを用いてポインター座標系170が構成されていることを示している。しかし、これは例示的なものであって、ディスプレイ装置でのポインター座標を示しうる座標系ならば、本発明での適用が可能である。
【0020】
ユーザが、ポインティングデバイス105を取ってデバイス座標系130を構成する任意の軸を中心に回転させれば、ポインティングデバイス105は、自身の動きによる角速度及び加速度を感知する。次いで、ポインティングデバイス105は、感知された角速度及び加速度に基づいてポインター190が移動する位置座標を演算し、その結果をディスプレイ装置150に伝送する。
【0021】
ディスプレイ装置150は、ポインティングデバイス105から受信したポインター190の位置座標を用いてポインター190の位置を移動させる。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態によるポインティングデバイスの構成を示すブロック図である。
図2を参照すれば、ポインティングデバイス105は、角速度感知モジュール110、加速度感知モジュール112、姿勢演算モジュール114、信号変換モジュール116、ポインター座標演算モジュール118、そして無線信号送信モジュール120を含む。
【0023】
角速度感知モジュール110は、ハウジングに該当するポインティングデバイスの動きがある場合に、図1に示されたデバイス座標系でのX、Y、Z軸を回転軸として、それぞれの回転情報、例えば、回転角速度を感知し、加速度感知モジュール112は、ポインティングデバイスの動きがある場合に、デバイス座標系でのX、Y、Z軸方向についてのそれぞれの加速度を感知する。
【0024】
姿勢演算モジュール114は、加速度感知モジュール112により感知されたそれぞれの加速度情報を用いてポインティングデバイスの姿勢を演算する。ポインティングデバイスの姿勢を示す方法としてロール角(roll angle)、ピッチ角(pitch angle)、ヨー角(yaw angle)を利用しうる。
【0025】
信号変換モジュール116は、姿勢演算モジュール114により演算された姿勢情報を用いて角速度感知モジュール110により感知されたデバイス座標系130での角速度情報をディスプレイ座標系140での角速度情報に変換させる。
ポインター座標演算モジュール118は、信号変換モジュール116により変換された角速度情報を用いてディスプレイ装置でのポインター座標を演算し、無線信号送信モジュール120は、前記演算されたポインター座標をディスプレイ装置に伝送する。
【0026】
一方、図3は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の構成を示しているが、ディスプレイ装置150は、無線信号受信モジュール152、ポインター制御モジュール154、そしてディスプレイモジュール156を含む。
無線信号受信モジュール152は、ポインティングデバイス105の無線信号送信モジュール120から伝送された無線信号を受信してポインター座標を抽出する。ディスプレイモジュール156は、ポインターをディスプレイし、ポインター制御モジュール154は、前記抽出されたポインター座標を用いてディスプレイモジュール156によりディスプレイされるポインターの移動を制御する。
【0027】
一方、本発明の一実施例で使われる‘モジュール’は、ソフトウェアまたはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)または注文型半導体(ASIC)のようなハードウェア構成要素を意味し、モジュールは所定の役割を行う。しかし、モジュールはソフトウェアまたはハードウェアに限定されるものではない。モジュールは、アドレッシング可能な保存媒体に存在すべく構成されても良く、1つまたはそれ以上のプロセッサを実行させるように構成されても良い。したがって、一例としてモジュールは、ソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、及び変数を含む。構成要素とモジュールから提供される機能は、より少数の構成要素及びモジュールで結合されるか、追加的な構成要素とモジュールにさらに分離されうる。のみならず、構成要素及びモジュールは通信システム内の1つまたはそれ以上のコンピュータを再生させるように具現されることもある。
【0028】
以下、図2、図3に示された構成及び図4に示されたフローチャートを用いてポインター移動方法を具体的に説明する。
まず、角速度感知モジュール110と加速度感知モジュール112により動くポインティングデバイスの角速度及び加速度を感知する(S410)。
【0029】
このために、角速度感知モジュール110は、ポインティングデバイスが図1に示されたデバイス座標系のX軸、Y軸、そしてZ軸を中心に回転する角速度を感知する。このために角速度感知モジュール110は、それぞれの軸に対する回転角速度を感知するセンサーを含み、このようなセンサーの例としてジャイロスコープセンサーが利用されうる。この際、角速度感知モジュール110により感知された角速度をwと示し、wは、式(1)のように表現されうる。
=[wbxbybz(1)
式(1)で、wbx、wby、wbzは、各々X軸、Y軸、そしてZ軸を中心に回転する角速度を示す。
一方、角速度感知モジュール110により動くポインティングデバイスの角軸に対する角速度が感知される間に、加速度感知モジュール112は、デバイス座標系でのX、Y、Z軸方向に対するそれぞれの加速度を感知する。この際、加速度感知モジュール112により感知された加速度をaと示し、abは、式(2)のように表現されうる。
=[abxbybz(2)
式(2)で、abx、aby、abzは、各々X軸、Y軸、そしてZ軸方向に対する加速度を示す。
加速度感知モジュール112により加速度が感知されれば、姿勢演算モジュール114は、感知された加速度情報を用いてポインティングデバイスの姿勢を示す姿勢情報を演算する(S420)。この際、前記姿勢情報は、ポインティングデバイスのロール角、ピッチ角及びヨー角で表し、各々、‘φ’、‘θ’そして‘ψ’と表する。
姿勢演算モジュール114は、式(3)及び式(4)を用いて感知された加速度情報から前記のようなポインティングデバイスの姿勢情報を得られる。
【0030】
【数1】

【0031】
【数2】

式(3)及び式(4)で‘atan2(A,B)’関数は、指定されたA、B座標でアークタンジェント値を求める関数を表し、ヨー角に該当するψ値については後述する。
【0032】
上のような方式によって、ポインティングデバイスの姿勢情報が求められれば、信号変換モジュール116は、角速度感知モジュール110により感知された角速度情報と前記姿勢情報とを用いてデバイス座標系130での角速度wをディスプレイ座標系140での角速度wに式(5)により変換されうる(S430)。
【0033】
【数3】

この際、wは、ディスプレイ座標系での角速度を表し、w = [wnxnynzのように表し、wは、式(1)で表している。また、
【0034】
【数4】

は、式(6)のように表現されうる。
【0035】
【数5】

式(5)及び式(6)から分かるように、ユーザがポインティングデバイスを取る位置に関係なく、デバイス座標系130からディスプレイ座標系140への変換が可能となる。
一方、上の式(6)の演算をさらに簡単にするために、前記姿勢情報のうち、ヨー角に該当するψの値を0にすることもあるが、このような場合は、式(7)のように整理されうる。
【0036】
【数6】

また、さらに精密なディスプレイ座標系での角速度情報計算のためにポインティングデバイス105は、地球で発生する磁場の流れを把握して羅針盤のように方位を探知しうる地磁気センサー115をさらに含みうるが、この場合、地磁気センサー115は、方位の変化量を感知でき、ヨー角に該当するψ値を信号変換モジュール116に出力する。信号変換モジュール116は、方位変化量によるψ値を式(6)に適用することによって、ディスプレイ座標系での角速度情報が得られる。
【0037】
上のような方式によりディスプレイ座標系での角速度情報が得られれば、ポインター座標演算モジュール118は、信号変換モジュール116により変換された角速度情報を用いてディスプレイ装置150でのポインター座標を演算する(S440)。
ポインター座標は、ポインター座標系170でのポインター座標を意味するものであって、ポインター座標(x、y)は、式(8)により得られる。
【0038】
【数7】

この際、rとrは、スケール係数であって、ポインティングデバイス105の動きによってディスプレイ画面上にあるポインターが移動する程度を調節する値に該当する。スケール係数を調節する手段をポインティングデバイス105に備えてユーザが直接スケール係数を調節可能にするか、特定の値にあらかじめ設定されることもある。
【0039】
例えば、ユーザがポインティングデバイス105に備えられたスケール係数調節手段を用いてrまたはrの値を小さくする場合には、ユーザがポインティングデバイスを移動させる時、ディスプレイ画面上のポインターは、以前よりさらに小さな距離を移動するようになる。
【0040】
この際、前記ポインター座標(x,y)は、ディスプレイ座標系での原点に対する座標であるか、現在ディスプレイされているポインターの位置に対する相対的な座標、すなわち、現在ディスプレイされているポインターの移動距離を示す情報であり得る。
無線信号送信モジュール120は、ポインター座標演算モジュール118により演算されたポインター座標についての情報をディスプレイ装置150に伝送する(S450)。
【0041】
ディスプレイ装置150の無線信号受信モジュール152は、ポインティングデバイス105から受信した無線信号からポインター座標(x,y)を抽出し、ポインター制御モジュール154が前記抽出したポインター座標を用いて現在ディスプレイモジュール156によりディスプレイされているポインターの位置を移動させる(S460)。
【0042】
図5は、本発明の他の実施形態によるポインティングデバイスの構成を示すブロック図であって、ポインティングデバイス500は、図1に示されたポインティングデバイス105に対応する。
図5を参照すれば、ポインティングデバイス500は、角速度感知モジュール510、加速度感知モジュール512、姿勢演算モジュール514、信号変換モジュール516及び無線信号送信モジュール520を含む。
角速度感知モジュール510は、ポインティングデバイスの動きがある場合に、図1に示されたデバイス座標系でのX、Y、Z軸を回転軸としてそれぞれの回転角速度を感知し、加速度感知モジュール512は、ポインティングデバイスの動きがある場合に、デバイス座標系でのX、Y、Z軸方向に対するそれぞれの加速度を感知する。
【0043】
姿勢演算モジュール514は、加速度感知モジュール512により感知されたそれぞれの加速度情報を用いてポインティングデバイスの姿勢を演算する。ポインティングデバイスの姿勢を示す方法としてロール角、ピッチ角、ヨー角を利用しうる。
信号変換モジュール516は、姿勢演算モジュール514により演算された姿勢情報を用いて角速度感知モジュール510により感知されたデバイス座標系での角速度情報をディスプレイ座標系での角速度情報に変換させる。
無線信号送信モジュール520は、前記変換された角速度情報をディスプレイ装置に伝送する。
【0044】
一方、図6は、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の構成を示すブロック図であって、ディスプレイ装置600は、図1で示されたディスプレイ装置150に対応する。
ディスプレイ装置600は、無線信号受信モジュール610、ポインター座標演算モジュール620、ポインター制御モジュール630、そしてディスプレイモジュール640を含む。
無線信号受信モジュール610は、ポインティングデバイス500の無線信号送信モジュール520から伝送された無線信号を受信してディスプレイ座標系での角速度情報を抽出し、ポインター座標演算モジュール620は、前記抽出された角速度情報を用いてディスプレイ装置600でのポインター座標を演算する。
【0045】
ディスプレイモジュール640は、ポインターをディスプレイし、ポインター制御モジュール630は、前記演算されたポインター座標を用いてディスプレイモジュール640によりディスプレイされるポインターの移動を制御する。
【0046】
以下、図5、図6に示された構成及び図7に示されたフローチャートを用いて本発明の他の実施形態によるポインター移動方法を具体的に説明する。
【0047】
図5に示された角速度感知モジュール510、加速度感知モジュール512、姿勢演算モジュール514、そして信号変換モジュール516は、図2に示された角速度感知モジュール110、加速度感知モジュール112、姿勢演算モジュール114、そして信号変換モジュール116に対応し、各モジュールが行なう機能も同一なので、ここではその説明を省略する。また、図7でのS710段階ないしS730段階は、図4でのS410段階ないしS430段階と同一なので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0048】
図5を参照すれば、無線信号送信モジュール520は、信号変換モジュール516により提供されるディスプレイ座標系での角速度情報をディスプレイ装置600に伝送する(S740)。
ディスプレイ装置600の無線信号受信モジュール610は、ポインティングデバイス500から受信した無線信号を受信してディスプレイ座標系での角速度情報wを抽出してポインター座標演算モジュール620に提供する。
【0049】
ポインター座標演算モジュール620は、前記角速度情報を用いて式(8)のような方法によりポインター座標系でのポインター座標を演算する(S750)。次いで、ポインター制御モジュール630が前記抽出したポインター座標を用いて現在ディスプレイモジュール640によりディスプレイされているポインターの位置を移動させる(S760)。
【0050】
以上、添付図を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で当業者ならば本発明がその技術的思想や必須特徴を変更せずとも他の具体的な形に実施されうるということが理解できるであろう。したがって、前述した実施例は全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないと理解せねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、ポインティングデバイス及びポインター移動方法に関連した技術分野に好適に適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態によるシステムを概略的に示す例示図である。
【図2】本発明の一実施形態によるポインティングデバイスの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるポインター移動方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態によるポインティングデバイスの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるポインター移動方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
110 角速度感知モジュール
112 加速度感知モジュール
114 姿勢演算モジュール
116 信号変換モジュール
118 ポインター座標演算モジュール
120 無線信号送信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度を感知する角速度感知モジュールと、
前記動きによる加速度を感知する加速度感知モジュールと、
前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する姿勢演算モジュールと、
前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換する信号変換モジュールと、
前記変換された角速度情報を用いてディスプレイ装置でディスプレイされるポインターの座標を演算して提供するポインター座標演算モジュールと、を備えるポインティングデバイス。
【請求項2】
前記加速度情報は、相異なる3個の軸に関する加速度情報を含み、前記姿勢情報は、前記3個の軸に関するロール角及びピッチ角を含む請求項1に記載のポインティングデバイス。
【請求項3】
前記姿勢情報は、ヨー角をさらに含む請求項2に記載のポインティングデバイス。
【請求項4】
ヨー角を提供する地磁気センサーをさらに含む請求項1に記載のポインティングデバイス。
【請求項5】
前記ポインターの座標は、前記ハウジングの動きによって前記ポインターの移動程度を調節するスケール係数により調節される請求項1に記載のポインティングデバイス。
【請求項6】
ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度と加速度とを感知する(a)段階と、
前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する(b)段階と、
前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換する(c)段階と、
前記変換された角速度情報を用いてディスプレイ装置でディスプレイされるポインターの座標を演算する(d)段階と、
前記演算されたポインター座標を用いて前記ポインターの位置を変更させる(e)段階と、を含むポインター移動方法。
【請求項7】
前記加速度情報は、相異なる3個の軸に関する加速度情報を含み、前記姿勢情報は、前記3個の軸に関するロール角及びピッチ角を含む請求項6に記載のポインター移動方法。
【請求項8】
前記姿勢情報は、ヨー角をさらに含む請求項7に記載のポインター移動方法。
【請求項9】
前記ヨー角は、地磁気センサーから提供される請求項8に記載のポインター移動方法。
【請求項10】
前記ポインターの座標は、前記ハウジングの動きによって前記ポインターの移動程度を調節するスケール係数により調節される請求項6に記載のポインター移動方法。
【請求項11】
ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度を感知する角速度感知モジュールと、
前記動きによる加速度を感知する加速度感知モジュールと、
前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する姿勢演算モジュールと、
前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換して提供する信号変換モジュールと、を備えるポインティングデバイス。
【請求項12】
前記加速度情報は、相異なる3個の軸に関する加速度情報を含み、前記姿勢情報は、前記3個の軸に関するロール角及びピッチ角を含む請求項11に記載のポインティングデバイス。
【請求項13】
前記姿勢情報は、ヨー角をさらに含む請求項12に記載のポインティングデバイス。
【請求項14】
ヨー角を提供する地磁気センサーをさらに含む請求項11に記載のポインティングデバイス。
【請求項15】
ポインティングデバイスから無線信号を受信し、前記ポインティングデバイスの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度に対応するそれぞれの角速度情報を前記無線信号から抽出する無線信号受信モジュールと、
前記抽出された角速度情報を用いてディスプレイされるポインターの座標を演算するポインター座標演算モジュールと、
前記演算された座標によって前記ポインターの位置を移動させるポインター制御モジュールと、を備えるディスプレイ装置。
【請求項16】
前記座標は、前記ポインティングデバイスの動きによって前記ポインターが移動する程度を調節するスケール係数により調節される請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
ハウジングの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度と加速度とを感知する(a)段階と、
前記感知された加速度情報を用いて前記ハウジングの姿勢情報を演算する(b)段階と、
前記姿勢情報を用いて前記第1角速度、第2角速度及び第3角速度をディスプレイ座標系での角速度に各々変換し、前記変換された角速度情報を伝送する(c)段階と、
前記伝送された角速度情報を用いて前記ディスプレイ装置でディスプレイされるポインターの座標を演算する(d)段階と、
前記演算されたポインター座標を用いて前記ポインターの位置を変更させる(e)段階と、を含むポインター移動方法。
【請求項18】
前記加速度情報は、相異なる3個の軸に関する加速度情報を含み、前記姿勢情報は、前記3個の軸に関するロール角及びピッチ角を含む請求項17に記載のポインター移動方法。
【請求項19】
前記姿勢情報は、ヨー角をさらに含む請求項18に記載のポインター移動方法。
【請求項20】
前記ヨー角は、地磁気センサーから提供される請求項19に記載のポインター移動方法。
【請求項21】
前記ポインターの座標は、前記ハウジングの動きによって前記ポインターの移動程度を調節するスケール係数により調節される請求項17に記載のポインター移動方法。
【請求項22】
ポインティングデバイスから無線信号を受信する(a)段階と、
前記ポインティングデバイスの動きによって相異なる3個の軸を中心に回転する第1角速度、第2角速度及び第3角速度に対応するそれぞれの角速度情報を前記無線信号から抽出する(b)段階と、
前記抽出された角速度情報を用いてディスプレイされるポインターの座標を演算する(c)段階と、
前記演算された座標によって前記ポインターの位置を移動させる(d)段階と、を含むポインター移動方法。
【請求項23】
前記座標は、前記ポインティングデバイスの動きによって前記ポインターが移動する程度を調節するスケール係数により調節される請求項22に記載のポインター移動方法。
【請求項24】
前記地磁気センサーはヨー角を提供する請求項4に記載のポインティングデバイス。
【請求項25】
請求項6の方法を遂行するための少なくとも一つのプロセッサを制御するコンピュータによる読み出し可能な命令語を保存するコンピュータによる読み出し可能な記録媒体。
【請求項26】
請求項17の方法を遂行するための少なくとも一つのプロセッサを制御するコンピュータによる読み出し可能な命令語を保存するコンピュータによる読み出し可能な記録媒体。
【請求項27】
ポインティングデバイス座標システムで動くポインティングデバイスの第1角速度、第2角速度及び第3角速度を前記ポインティングデバイスの第1姿勢情報、第2姿勢情報そして第3姿勢情報を用いてディスプレイ座標システムでの各々の角速度に変換する(a)段階と、
前記変換された角速度を用いてディスプレイ装置上でディスプレイされるポインターの座標を計算する(b)段階、及び
前記計算されたポインターの座標を用いて前記ポインターの位置を変更する(c)段階を含むポインター移動方法。
【請求項28】
前記ポインティングデバイスの第1姿勢情報、第2姿勢情報そして第3姿勢情報は、前記ポインティングデバイスの第1角速度、第2角速度そして第3角速度各々に基づく請求項27に記載のポインター移動方法。
【請求項29】
前記第1角速度、第2角速度そして第3角速度のうち、いずれか一つの角速度が0である請求項28に記載のポインター移動方法。
【請求項30】
前記第1角速度、第2角速度そして第3角速度のうち、いずれか一つの角速度が0である請求項27に記載のポインター移動方法。
【請求項31】
前記第1姿勢情報、前記第2姿勢情報そして前記第3姿勢情報のうち、いずれか一つの姿勢情報が0である請求項27に記載のポインター移動方法。
【請求項32】
前記第1姿勢情報はロール角であり、前記第2姿勢情報はピッチ角であり、第3姿勢情報はヨー角である請求項27に記載のポインター移動方法。
【請求項33】
前記請求項27の方法を遂行するために少なくとも一つのプロセッサを制御するコンピュータよる読み出し可能な命令語を保存するコンピュータによる読み出し可能な記録媒体。
【請求項34】
ポインティングデバイス座標システムで動くポインティングデバイスの第1角速度、第2角速度及びだ3角速度を前記ポインティングデバイスの第1姿勢情報、第2姿勢情報そして第3姿勢情報を用いてディスプレイ座標システムでの各々の角速度に変換する(a)段階と、
前記変換された角速度を前記ポインティングデバイスからディスプレイ装置に伝送する(b)段階と、
前記変換された角速度を用いてディスプレイ装置上でディスプレイされるポインターの座標を計算する(c)段階、及び
前記計算されたポインター座標を用いて前記ポインターの位置を変更する(d)段階を含むポインター移動方法。
【請求項35】
前記ポインティングデバイスの第1姿勢情報、第2姿勢情報そして第3姿勢情報は、前記ポインティングデバイスの第1角速度、第2角速度そして第3角速度の各々に基づく請求項34に記載のポインター移動方法。
【請求項36】
前記第1角速度、第2角速度そして第3角速度のうち、いずれか一つの角速度が0である請求項35に記載のポインター移動方法。
【請求項37】
前記第1角速度、第2角速度そして第3角速度のうち、いずれか一つの角速度が0である請求項34に記載のポインター移動方法。
【請求項38】
前記第1姿勢情報、前記第2姿勢情報そして前記第3姿勢情報のうち、いずれか一つの姿勢情報が0である請求項34に記載のポインター移動方法。
【請求項39】
前記第1姿勢情報はロール角であり、前記第2姿勢情報はピッチ角であり、第3姿勢情報はヨー角である請求項34に記載のポインター移動方法。
【請求項40】
前記請求項34の方法を遂行するために少なくとも一つのプロセッサを制御するコンピュータよる読み出し可能な命令語を保存するコンピュータによる読み出し可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−317193(P2007−317193A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134944(P2007−134944)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】