説明

ポインティングデバイス

【課題】従来例で生じやすい誤操作を防止できるポインティングデバイスを提供する。また、机などの平面を滑らせることなく使用でき、または、机などの平面を滑らせることなく使用できるとともに平面を滑らせて使用できるマウス機能を持つポインティングデバイスを提供する。
【解決手段】ポインティングデバイスは、機器に配置された全方位圧力検出センサと、該全方位圧力検出センサとは異なった位置に配置されたクリックスイッチを有し、前記全方位圧力検出センサがアナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを出力する。また、アナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを選択的に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、ポータブルデバイスやコンピュータ入力用のマウスパッドのようなポインティングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話やポータブルデバイスには、4方向キーもしくは、8方向キーと言われるオン・オフの2値を決定するスイッチが使われていた。このスイッチを使って、デバイスの画面に表示された項目を選んでいた。項目が選ばれると、クリックスイッチによって、その項目を決定する動作を行っていた。
【0003】
図9は、従来例の4方向キー(スイッチ)を備え、4方向キーの中心位置にクリック(決定)スイッチが配置されたポインティングデバイスを示す図であり、図9aはその平面図であり、図9bはその側面図である。図9において、基板10には、上方の機器の表面12との間に4個の2値スイッチ14が90度の角度で配置されている。2値スイッチ14を指20で操作するためのキートップ16が2値スイッチと向き合って配置されており、クリックスイッチ18がキートップ16の中央に配置されている。
【0004】
近年、携帯電話やポータブルデバイスの性能が飛躍的に向上し、液晶表示の内容が高度なものとなり、とくに、地図や、ゲーム、さらには3Dの画像も表現されるようになってきた。これによって、インプットデバイスも4方向スイッチを使用したものから360度全方向の動きが指の押圧によって出力されるようなものに変わりつつある。このようなポインティングデバイスは、指の押圧力によって、液晶画面のカーソルなどの移動速度を変化させるとともに、移動距離も変えられる。
【0005】
これを、実現するために、静電容量式のセンサが使われたり、磁気センサが使われたりしている。どの方式を用いても、指で触れて画面の内容を制御するのに、指の動きに応じて滑らかにできるようにするものである。
【0006】
図10は、従来例の全方位圧力センサを用いたポインティングデバイスを示す図であり、図10aはその平面図であり、図10bはその側面図である。図10において、基板10と機器の表面12との間には全方位の圧力センサ22が配置されており、この圧力センサのキートップ16の中心にはクリックスイッチ(決定スイッチ)18が配置されている。
【0007】
このような全方位圧力センサを備えたポインティングデバイスを用いるとき、指20で制御し、ある位置、ある文字を画面上で特定したときに、決定のために、クリックスイッチ18を押す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
インプットデバイスが360度自由に指で制御できるようになると、従来のようにキートップの中心部にクリックスイッチ(決定スイッチ)を配置したままだと、決定スイッチを押下したときに、キートップにわずかでも触れてしまう。このことは、画面上で選んでいたアイコンや名前と異なったアイテムを選択してしまう場合がしばしば発生する。
【0009】
図11は、従来例のポインティングデバイスを用いたときの誤操作を説明するための図である。今キートップの操作により画面24上のBの文字を選択し、決定のためにクリックしようと決定スイッチに触れるとき、同時にキートップに触れてキートップに圧力が加わると、Cの文字を決定してしまうことが起こる。
【0010】
一方、図12に示すような従来例のコンピュータ入力用ポインティングデバイスである光学マウスを考えると、マウスは使用する際、机等の平面が必要であり、ラップトップのパソコンの使用状況では、そのような平面が傍に存在しない場合がある。マウスの操作性を考えると、カーソルはマウスの平面上の移動に従って移動するので、カーソルの長い距離の移動や速度の点で不便である。
【0011】
光学マウス90は、机などの平面上を滑らせて、その動きを、内蔵されたLEDもしくわレーザーを光源として、その光線の平面での反射光をイメージセンサでとらえ、そのイメージから動きを検出し、X,Y方向の動作情報を、コンピュータに送る。
【0012】
左クリックスイッチ92は、コンピュータ画面に表れているドキュメントやアイコンを選んでそれを確定するときに押すスイッチである。右クリックスイッチ94は、選ばれたアイコンやドキュメントの詳細な内容を知るために使われるスイッチである。スクロール用ホイール96は、回転して操作するものが一般的で、ドキュメントなどの画面を上下にスクロールするときに使われている。
【0013】
このように、左クリック、右クリック、スクロール用ホイールは、マウスなどのコンピュータ入力装置には一般化された3つの重要な機能である。
【0014】
したがって、本発明の目的は、前述した従来例で生じやすい誤操作を防止できるポインティングデバイスを提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、机などの平面を滑らせることなく使用でき、または、机などの平面を滑らせることなく使用できるとともに平面を滑らせて使用できるマウス機能を持つポインティングデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のポインティングデバイスは、機器に配置された全方位圧力検出センサと、該全方位圧力検出センサとは異なった位置に配置されたクリックスイッチを有し、前記全方位圧力検出センサがアナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを出力し、またはアナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを選択的に出力することを特徴とする。ここで、全方位圧力センサは、圧力検出を行う機構的な部分と、その圧力と圧力を加えられた方向を電気信号で出力するための電子回路を含んだものを意味する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、従来例で生じやすい誤操作を防止できるポインティングデバイスが得られる。また、平面を必要としない操作と平面での操作を選択できるポインティングデバイスが得られる。さらにまた、机などの平面を滑らせることなく使用できるとともに平面を滑らせて使用できるマウス機能を持つポインティングデバイスが得られる。
【0018】
その他、本発明では、左クリック、右クリック、スクロール用ホイールを1つのセンサで置き換えて使用する場合には、下記の効果がある。すなわち、
(1)センサが静電容量式などの機械的な接点を持たないものを利用することで、寿命が格段に長くなる。
(2)1個のセンサにより、従来のマウスなどのコンピュータ入力装置に対し、より画期的なデザインを採用することができる。
(3)このセンサを上下方向は、アナログ出力を出すスクロールホイールに代わるものとして利用し、左右については、左側を 従来の左クリックスイッチ、
右側を右クリックスイッチとして用いることで、マウスやコンピュータ入力装置の小型化が容易にできる。
(4)機械的な接点がないことで、音を発しない。このことは、静かな環境下での作業において、他人への迷惑とならずに、マウス操作をできる。
(5)静電容量式などのセンサとキートップの間には、シリコンゴムを配置してあり、指で押すと、わずかに沈み込む、このとき、指の押し圧にほぼ比例してアナログの出力を得る。このアナログ出力に対し、任意の閾値を設定することで、クリック動作をさせるための指の押し圧を変えることができる。
(6)この閾値の設定値は、静電容量式などのセンサの周囲をJOG操作することで、右回転をしたならば、閾値を小さくし、左回転したならば、閾値を高くなるような機能を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】静電容量式圧力検出センサを説明するための図であり、図1aはその断面図であり、図1bはセンサ中の導電性シリコンゴムの突出部の平面図であり、図1cはセンサ中の銅板の形状と配置を示すための平面図である。静電容量式圧力検出センサを示す断面図である。
【図2】静電容量式圧力検出センサを説明するための図である。
【図3】静電容量式圧力検出センサの出力を示す図であり、そのうち、図3aは静電容量式圧力検出センサの出力と指の位置との関係を示す図であり、図3bは指の位置によって出力を加工(加工しなくてもよい)した状態を示す図であり、図3cは指の位置によって出力を加工した状態を示す図である。
【図4】指の位置によって静電容量式圧力検出センサの出力から得られる機能を選択するためのフローチャートである。
【図5】本発明のポインティングデバイスの1つの実施例を示す概略図であり、図5aはその正面側の斜視図であり、図5bはその側面図であり、図5cはその背面図である。
【図6】本発明のポインティングデバイスの他の実施例を示す概略図であり、図6aはその正面側の斜視図であり、図6bはその側面図であり、図6cは他の側面図である。
【図7】本発明のポインティングデバイスのさらに他の実施例(例えば、コンピュータ入力用のマウス)を示す図であり、図7aは正面図であり、図7bは側面図であり、図7cは背面図である。
【図8】本発明のポインティングデバイスをコンピュータ入力用のマウスの使用例を説明するための斜視図である。
【図9】従来例の4方向キー(スイッチ)を備え、4方向キーの中心位置にクリック(決定)スイッチが配置されたポインティングデバイスを示す図であり、図9aはその平面図であり、図9bはその側面図である。
【図10】従来例の全方位圧力センサを用いたポインティングデバイスを示す図であり、図10aはその平面図であり、図10bはその側面図である。
【図11】従来例のポインティングデバイスを用いたときの誤操作を説明するための図である。
【図12】従来例の一般的なマウスの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のポインティングデバイスは、機器に配置された全方位圧力検出センサと、該全方位圧力検出センサとは異なった位置に配置されたクリックスイッチを有し、前記全方位圧力検出センサ(圧力検出を行う機構的な部分と、その圧力と圧力を加えられた方向を電気信号で出力するための電子回路を含む)がアナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを出力する。また、アナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを選択的に出力する。
【実施例1】
【0021】
最初に、本発明で使用する360度全方位圧力検出センサ(以下、単にセンサということがある)の例として静電容量式のセンサを説明する。図1は、アップサイド株式会社製(東京都中央区日本橋本町4−10−7トミヤマビル4F)の静電容量式圧力検出センサを説明するための図であり、図1aはその断面図であり、図1bはセンサ中の導電性シリコンゴムの突出部の平面図であり、図1cはセンサ中の銅板の形状と配置を示すための平面図である。図1において、センサ30は基板32と、この基板32に取付けられた、空気層を含む凹部48を持つシリコンゴム34とを有する。凹部48内で、基板32には図1cのような円弧状の銅板40が取付けられており、導電性シリコンゴム34の突出部42は図1bのようなドーナツリング状の導電性シリコンゴムであり、銅板40と対向している。また、凹部48内で、基板32の中央には支持部44が取付けられており、導電性シリコンゴム34の中央突起部46を支持している。導電性シリコンゴム34の上面にはキートップ36が取付けられている。
【0022】
今、指38でキートップ36の周辺の1箇所を押すと、その個所の空気層が縮じみ、その結果、基板32につけた銅板40と導電性シリコンゴムの突出部42の間の静電容量が変化する。この変化により押された方位を検出する。すなわち、センサ30は360度全方位の圧力検出をしている。
【0023】
このセンサ以外に、押し圧によって、抵抗値が減少するような性質を用いた全方向圧力検出素子を利用したものでもよい。インターリンクエレクトロニクス社の製品がそれにあたる。
【0024】
図2に示すように、キートップ36に指38を置き、圧力を加えると、中のセンサがその圧力を検知して、外部に設置される電子回路を通して、圧力にほぼ比例したアナログの電気出力が得られる。このとき、指38の位置が、Y+の部分(以下、この部分をキートップ36の部分として36Aという)であれば、Y+の方向データと圧力に比例した強さデータが出力される。X+部(以下、この部分をキートップ36の部分として36Bという)を押すと、同様に、X+の方向のデータと、圧力に比例した強さデータが出力される。なお、Y−の部分をキートップ36の部分として36Cといい、X+部をキートップ36の部分として36Dという。
【0025】
次に、図3を参照すると、もし、指が部分36Aと36Bの間に置かれたときは、45度方向のデータ出力となる。ここで、指をキートップに軽く触れた状態で、360度回したときのデータ出力は図3aのようになる。
【0026】
このような出力特性を用いて、図3bに示すように、斜線部分80a、80cでは、センサの出力を指の圧力に応じてそのまま、もしくは、加工して出力することで、例えば、マウスや携帯電話の4方向ボタンに適用する場合にアナログ出力のスクロール動作の機能を与えることができる。
【0027】
図3cに示すように、波線部分80b、80dでは、アナログ出力に閾値を設定することで、ON/OFFの2値出力として用いることで、マウスに適用する場合には、マウスなどの右クリックと左クリックの機能を持たせることができる。
【0028】
図4は、センサのキートップに対する指の押す位置(部分)によりアナログ出力または2値出力の選択を行うフローチャートを示す図である。図4において、センサのキートップ36を押すと(ステップS1)、検出された静電容量をデジタルデータに変換する(ステップS2)。その後、X、Yでの角度と押し圧強度のデジタルデータを算出する(ステップS3)。得られたデジタルデータがキートップ36のどの位置かを判別し(ステップS4)、0度付近または180度と判別されたときには(ステップS5)、例えば、スクロール機能を持たせる。一方、90度付近または270度付近と判別されたときには(ステップS7)、閾値の設定によって2値化し(ステップS8)、例えば右クリックと左クリックの機能を持たせる(ステップS9)。
【0029】
指で押された位置により、センサにアナログ出力と2値出力を割り当てることを説明したが、2値出力変換せずに、センサを全方位圧力検出センサとして使用してもよいし、すべての位置(この実施例の場合には4つの位置)に対して2値出力としてもよい。
【0030】
なお、アナログ出力値を2値化するための閾値は、マイコンなどの制御装置のソフトウエアによって可変とできるものである。例えば、センサのキートップに対する指を押しながら、時計方向にその指を回転移動させることで閾値を一回点ごともしくは、回転角度に応じて、あるいは、数回転ごとに上げ、反対に、反時計方向に回転移動させることで閾値を下げることができる。
【実施例2】
【0031】
前述の説明では、センサの4つの位置(部分)に対応して、アナログ出力または2値出力を得るセンサを説明したが、本発明は、センサの位置の分割は、4つに限られるものではなく、例えば、銅版40の数を変えて、8つの位置に分割してもよいものである。例えば、8つの位置に分割した場合、4つの位置のセンサに比べて、指の圧力とその方向をより精度よくとらえることができる。
【0032】
銅板の分割数が4つの場合、銅板40と導電性シリコンゴム42の間には4つのコンデンサが形成される。それぞれの、コンデンサの容量が指の押圧によって変化する。この静電容量の変化を電圧に変換し、さらにデジタル信号に変換する回路を全方位センサは外部回路としてもつ。このとき、銅板40の分割数が8になると、形成されるコンデンサ成分も同様に増える、これによって、センサの回転方向の角度成分の精度が向上するのである。
【0033】
この銅板40が4分割の場合の、指の押された位置の検出原理は、以下のとおりである。
導電性シリコンゴム42と銅板40の間には、4つのコンデンサーが形成され、それぞれ、
時計回転方向にC1、C2、C3、C4 とする。
指の押された位置の検出はいかのようになされる。
Px=((C1+C2)−(C3+C4))/(C1+C2+C3+C4)
Py=((C1+C4)−(C3+C2))/(C1+C2+C3+C4)
分母をC1+C2+C3+C4で除するのは、値の正規化のためであり、これにより、全体の静電容量のばらつきの影響を受けないのである。
【実施例3】
【0034】
次に、前述の全方位圧力検出センサを用いた本発明のポインティングデバイスを説明する。図5は、本発明のポインティングデバイスの1つの実施例を示す概略図であり、図5aはその正面側の斜視図であり、図5bはその側面図であり、図5cはその背面図である。図5において、上部部分と下部部分がヒンジ54で連結された機器60の前面の下部部分には前述のセンサ30が取付けられており、背面にはクリックスイッチ50が取付けられている。このような構造によって、片方の手で空中で、2本の指だけで、画面の制御と干渉のない決定操作が行える。
【0035】
すなわち、携帯電話やモバイル機器では、親指で画面を制御し、決定ボタンは、図5のような位置に配置されることで、クリックスイッチの押下時の画面選択位置のブレを防ぐことができる。
【実施例4】
【0036】
図6は、本発明のポインティングデバイスの他の実施例を示す概略図であり、図6aはその正面側の斜視図であり、図6bはその側面図であり、図6cは他の側面図である。図6において、ヒンジを使わないポインティングデバイス70が示されている。図6aに示すように、機器70の前面の下部部分には前述のセンサ30が取付けられており、図6bに示すように、背面にはクリックスイッチ50が取付けられている。また、図6cに示すように、機器70の上部にクリックスイッチ50が取付けられていてもよい。
【0037】
実施例3または実施例4として図5または図6を参照して説明したポインティングデバイスのセンサ30に実施例1で説明したアナログ出力と2値出力を持つセンサを適用した場合について説明する。例えば、上下位置(上下部分)のアナログ出力を使ってスクロール機能を持たせ、左右位置(部分)に2値出力とする。例えば、ポインティングデバイスが携帯電話であるとき、他のボタン(図示せず)で電話帳を選択した後、センサの上部または下部を指で押すと、電話帳を上方または下方にスクロールするようにできる。その後、決定ボタンとして機能するクリックスイッチ50を押すことによって、電話帳内の電話番号を決定し、コールボタン(図示せず)を押すことによって、この携帯電話で電話をかけることできる。このとき、2値出力は、携帯電話の他の機能、例えば、着信履歴や着信頻度を呼び出すのに用いる。なお、2値出力に代えて、アナログ出力を用いてもよい。また、クリックスイッチ50に代えて、30の左部分を押すことで確定(決定)させてもよい。また30の右部分を押すことでモードを切替えてもよい。
【実施例5】
【0038】
図7はコンピュータ入力用のマウスとして用いた本発明のポインティングデバイスを示す正面図、側面図および背面図である。本発明のポインティングデバイスは、図8に示すように、USB端子によって、パソコンにつながり、マウスと同様の働きをするものである。ここで、片方の手で持ち上げ、キートップに親指を触れ、人差し指は、背面上部に設置された決定スイッチにおかれる。
【0039】
このポインティングデバイスは、4つの出力36A、36B、36Cおよび36D(アナログ出力、2値出力、またはこれら2つの出力)を出すキートップ36をマウスのほぼ中心に備えている。さらに、このポインティングデバイスは、例えば、マウスの左クリックスイッチに対応するスイッチ100、キートップ36の機能を切替えるスイッチ102、例えば、マウスの右クリックスイッチに対応するスイッチ104、LED106、機能切替えスイッチ108、光学マウス用センサ(またはレーザセンサ)110を備えている。
【0040】
今、センサの4つの出力をアナログ量である場合、カーソルを動かしたい方向に合わせてキートップ36の部分を指で押し続け、カーソルが目的の位置にきたとき、決定スイッチ100(マウスの左クリックボタンに対応する)をクリックすることによってスムーズに決定することができ、また、カーソルが長い距離を移動させたい場合に、キートップを指で強く押し下げることによって目的の位置に早い速度で移動させることができ、例えば、ワード文書を決定スイッチにより決定することができる。その後、決定したワード文書をドラッグするために、決定スイッチを先に押した状態でキートップを操作し目的の位置にワード文書を移動させることができる。すなわち、先にクリックスイッチを押し下げた状態で全方位圧力検出センサを操作したときと、先に全方位圧力検出センサを操作した状態でクリックスイッチを押し下げたときとでは、異なった画面上の操作を行うことができるものである。
【0041】
スイッチ102は、例えば、センサの4つの出力をアナログ量である場合(第1設定状態という)と、センサの上下位置(部分)からの出力がアナログ量であり、左右位置(部分)からの出力が2値出力に設定してある場合(第2設定状態という)を切替えることができる。この切替えを目視できるように、LED106はその色を変えるようになっている。
【0042】
今、第1設定状態で、例えば、カーソルをウインドウズのエクセルのアイコンの位置にもたらし、決定スイッチによって、エクセルを開き、次に、第2設定状態に切替え、センサの上方位置または下方位置を押すことによって、カーソルをエクセル上でスクロールできる。
【0043】
スイッチ108はマウス動作とジョイスティック動作を切替えるのに用いる。マウス動作は、コンピュータのカーソルの動きが指の押し圧に対し相対的に距離を加えながら動いていくのに対し、ジョイスティック動作では、指の圧力で動作し、指の圧力を解放すれば、カーソルは元の位置に戻るような絶対的な動きをする。例えば、ジョイスティックとして使用する場合、例えば、地図を呼び出した後、スイッチ100は地図を拡大し、スイッチ102は地図を縮尺するように用いることができる。
【0044】
例えば、ジョイスティックとして使用し、フライトシュミレーターのような飛行機を飛ばすソフトウエアでは、キーパッド36を指で押すことで、上昇と左右への変化をさせることができ、キーパッド36から指の圧力を解放すると、飛行機は、基の姿勢にもどるように働かせることができる。
【0045】
机面で使える光学マウス用センサ110は、従来例のマウスとして使用する場合に相対的に移動を検出するためのものである。スイッチ108を押すことにより、このセンサが動作する。つまり、スイッチ108は、空間で使えるポインティングデバイス、ジョイスティック、さらに机面で使える光学マウスの3種類を切り替えるのに用いられる。
【符号の説明】
【0046】
30 センサ
32 基板
34 導電性シリコンゴム
36 キートップ
40 銅板
50 クリックスイッチ(決定スイッチ)
60 機器
70 機器
100 スイッチ
102 スイッチ
104 スイッチ
106 LED
108 スイッチ
110 マウス用センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に配置された全方位圧力検出センサと、該全方位圧力検出センサとは異なった位置に配置されたクリックスイッチを有し、前記全方位圧力検出センサがアナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを出力し、またはアナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか1つを選択的に出力することを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項2】
請求項1記載のポインティングデバイスにおいて、前記全方位圧力検出センサのアナログ出力、2値出力、またはこれらの組み合わせのいずれか一方の出力から異なった他の出力に切替えることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項3】
請求項1記載のポインティングデバイスにおいて、前記全方位圧力検出センサの前記2値出力は前記全方位圧力検出センサのアナログ出力を閾値と比較して得ることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項4】
請求項3記載のポインティングデバイスにおいて、前記閾値は前記全方位圧力検出センサに圧力を加えながら1つの方向または逆の方向に回転移動することにより増減させることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項5】
請求項1記載のポインティングデバイスにおいて、前記機器が携帯電話の場合、前記全方位圧力検出センサの上下の部分をアナログ出力としてスクロール機能を持たせることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項6】
請求項1記載のポインティングデバイスにおいて、前記機器がコンピュータ入力用マウスの場合、前記全方位圧力検出センサの上下の部分をアナログ出力としてスクロール機能を持たせ、前記全方位圧力検出センサの左右の部分を2値出力として左クリックスイッチおよび右クリックスイッチの機能を持たせることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項7】
請求項6記載のポインティングデバイスにおいて、前記機器がコンピュータ入力用マウスの場合、前記全方位圧力検出センサの4つの出力をアナログ出力とした第1設定状態と、前記全方位圧力検出センサの上下の部分をアナログ出力としてスクロール機能を持たせ、前記全方位圧力検出センサの左右の部分を2値出力として左クリックスイッチおよび右クリックスイッチの機能を持たせた第2設定状態と、を有し、第1設定状態と第2設定状態が切替えられることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項8】
請求項7記載のポインティングデバイスにおいて、全方位圧力検出センサは前記マウスの上面にあり、前記マウスの下面にカーソルの移動を行うためのマウス用LEDもしくは、レーザセンサを備えることを特徴とするポインティングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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