説明

ポリアミドを含有する熱可塑性重合体組成物

本発明は、ポリアミドを含有し、かつ、特性(特に機械的性質及び溶融状態での高い流動性)に関する優れたバランスを有する熱可塑性重合体組成物に関する。また、本発明は、少なくとも1種の高流動性ポリアミドを含有し、かつ、ガラス繊維などの充填剤を高含有量で有する組成物に関するものでもあり、さらに、このような組成物の製造方法に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特性、特に機械的性質のバランスに優れ、しかもメルトフローの高いポリアミド系熱可塑性重合体組成物に関する。本発明は、特に、少なくとも1種の高流動性ポリアミドと、高い割合の充填剤、例えばガラス繊維とを含む組成物に関するものであり、また、このような組成物の製造方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
従来技術
射出成形、ガス射出成形、押出及び押出吹込成形などの技術による成形を目的とした熱可塑性物質の場合に制御することが望まれる場合が多い特性としては、剛性、衝撃強度、特に比較的高温での寸法安定性、低い成形後収縮性、様々な方法による被覆能力、外観及び密度が挙げられる。これらの特性は、重合体を選択することや重合体に様々な性質の化合物を添加することによって所定の制限なしに制御できる。後者の添加の場合には、重合体組成物という用語を使用する。所定の用途のための材料の選択は、一般に、所定の特性に対して要求される性能レベルと、そのコストとに左右される。その目的は、常に、性能及び/又はコストの観点から基準を満たすことのできる新規な材料を獲得することである。ポリアミドは、例えば、特に自動車産業の部門で幅広く使用されている材料である。
【0003】
ポリアミドは、化学耐性があり、高温では安定で、しかもその特性を改変するために様々なタイプの充填剤とブレンドできる重合体である。例えば、繊維補強充填剤又は非繊維補強充填剤を添加することによってその機械的性質を改善させることが可能である。
【0004】
高性能ポリアミド材料を得るために、理論上、高い割合の補強充填剤をポリアミド組成物に添加することが可能である。しかしながら、補強充填剤含有量が高いと、物品の外観が非常に悪化し、また、ポリアミド組成物は、対象となる成形プロセス、特に射出成形のためにはさほど安定ではない流動学的挙動を示す。さらに、このような組成物は処理加工するのが困難であり、また、多くの場合、当該成形プロセスにおいて圧力及び/又は温度を上昇する必要がある。
【0005】
さらに、高い補強充填剤含有量を有するポリアミド系組成物では、特にガラス繊維などの充填剤の向きのため、高い収縮異方性を有する物品が得られてしまうと考えられる。
【0006】
さらに、補強充填剤のレベルを高くしても、機械的性質の点で非常に良好な性質を有する成形物品を製造することは困難である。というのは、これらの充填剤の割合が高いと、成形プロセス中に材料流れが型の内部に接触する位置に、機械的に脆弱な区域が生じてしまうからである。これらの区域は、成形部品の材料前面のニットラインと呼ばれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、高レベルの補強充填剤を有するが、ただし先に述べた欠点を有しないポリアミド組成物を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明
出願人は、従来のポリアミド組成物と比較して増加したメルトフローと同等又は優れた機械的性質とを示し、かつ、高レベルの充填剤を含んでいても優れた外観を有する物品を製造することを可能にするポリアミド組成物を公開する。さらに、これらの組成物は、対象の成形プロセス、特に射出成形において処理加工するのが容易であると考えられる。
【0009】
さらに、本発明のポリアミド系組成物から成形された物品は、当該物品の反りを低減させることができる、限定されたほぼ等方性の収縮を有することが観察される。さらに、高流動性ポリアミドと高含有量補強充填剤との組合せにより、成形部品の材料前面のニットラインが良好な機械的強度を有する物品を成形することが可能になる。
【0010】
すなわち、本発明の目的の一つは、少なくとも:
(a)カルボン酸官能基又はアミン官能基を有する一官能性化合物及び/又は二官能性化合物の存在下でポリアミドPA−6,6の単量体を重合させる方法によって得られたPA−6,6型のポリアミド;
(b)該組成物の総重量に対して45重量%以上の補強充填剤含有量;
(c)次の関係に従う見掛け溶融粘度(Pa.s):
η100≦30(X)−800
η1000≦11(X)−280
(式中、ηは、275℃の温度で、100s-1の剪断速度(η100)又は1000s-1の剪断速度(η1000)のいずれかで測定された該ポリアミド組成物の見掛け溶融粘度であり、Xは、該組成物の総重量に対する補強充填剤の重量割合に相当する。)
を有する組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ポリアミド(a)は、PA−6,6型の熱可塑性ポリアミド、すなわち、アジピン酸とヘキサメチレンジアミン又はアジピン酸ヘキサメチレンジアミンなどのそれらの塩とから得られたポリアミドであり、これは、随意に他のポリアミド単量体を含んでいてよい。
【0012】
本発明に従うポリアミドは、3000〜17000g/mol、好ましくは11000〜17000、より好ましくは11000〜15000、さらに好ましくは12000〜14500の分子量Mnを有することができる。
【0013】
また、当該ポリアミドは、2以下の多分散指数(D=Mw/Mn)を有することもできる。
【0014】
本発明のポリアミドの重合は、特に、ポリアミドの重合のための従来の操作条件に従って、連続式又はバッチ式で実施される。
【0015】
このような重合方法は、簡単に言えば、
・単量体と、多官能性化合物(i)及び一官能性化合物(ii)とのブレンドを撹拌しながら加圧下で加熱し;
・該ブレンドを加圧下及び加温下で、好適な装置により水蒸気を除去しつつ所定時間にわたり保持し、次いで減圧し、そして、特に水蒸気の自然圧力下、窒素下又は真空下で、該ブレンドの融点よりも高い温度で所定時間にわたり保持して、形成された水の除去により重合を続行すること
を含むことができる。
【0016】
重合の終了時に、重合体を有利には水で冷却し、そして棒の状態で押し出すことができる。これらの棒を切断して顆粒を生じさせる。
【0017】
本発明によれば、ポリアミドは、重合中、特に重合の開始時に、二官能性化合物及び/又は一官能性化合物の存在下でポリアミドPA−6,6単量体を添加することによって製造される。これらの二官能性化合物及び/又は一官能性化合物は、該ポリアミドの単量体と反応することのできるアミン官能基又はカルボン酸官能基を有する。これらの二官能性化合物は、同一のアミン又はカルボン酸官能基を有することができる。アミン官能基は、第一及び/又は第二アミン官能基であることができる。
【0018】
使用される二官能性化合物及び/又は一官能性化合物は、ポリアミドの鎖長を変更し、かつ、ISO1133基準法に従い275℃の温度、325gの負荷で測定される、10g/10分以上のメルトフローインデックス、好ましくは10〜50g/10分、より好ましくは15〜50g/10分、さらに好ましくは20〜40g/10分のメルトフローインデックスを有するポリアミドを得ることを可能にする物質である。
【0019】
重合の開始時、重合中又は重合の終了時に、脂肪族若しくは芳香族のモノカルボン酸若しくはジカルボン酸の全タイプ又は脂肪族若しくは芳香族モノアミン若しくはジアミンの全タイプを使用することが可能である。特に、一官能性化合物としては、n−ドデシルアミン及び4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、酢酸、ラウリン酸、ベンジルアミン、安息香酸及びプロピオン酸を使用することができる。特に、二官能性化合物としては、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、デカン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、脂肪酸2量体、ジ(β−エチルカルボキシ)シクロヘキサノン、ヘキサメチレンジアミン、5−メチルペンタメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ブタンジアミン、イソホロンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン及び3,3’,5−トリメチルヘキサメチレンジアミンを使用することができる。
【0020】
また、高いメルトフローを有するPA−6,6型のポリアミドを製造するために過剰のアジピン酸又は過剰のヘキサメチレンジアミンを使用することも可能である。
【0021】
好ましくは、末端酸基の割合は、末端アミン基の割合とは異なり、特にそれよりも少なくとも2倍高い又は低い。末端アミン基(TAG)及び/又は末端酸基(TCG)の量は、ポリアミドの分解後の電位差検定によって決定される。一つの方法が、例えば、「Encyclopedia of Industrial Chemical Analysis」,第17巻、第293頁,1973に記載されている。
【0022】
特に、次の関係に従う見掛け溶融粘度(Pa.s)を有する組成物:
η100≦20(X)−400
η1000≦9(X)−240
が好ましい。
【0023】
さらに、次の関係に従う見掛け溶融粘度(Pa.s)を有する組成物:
η100≦20(X)−450
η1000≦7(X)−160
がより好ましい。
【0024】
補強充填剤又は増量剤としては、特に、ガラス繊維などの繊維充填剤、炭素繊維、天然繊維及び/又は非繊維充填剤よりなる群から選択されるものが挙げられる。天然繊維としては、麻繊維及びリネンが挙げられる。非繊維充填剤としては、特に、全ての微粒子充填剤、層状充填剤及び/又は剥離性若しくは非剥離性ナノ充填剤、例えば、アルミナ、カーボンブラック、クレー、リン酸ジルコニウム、カオリン、炭酸カルシウム、銅、珪藻土、グラファイト、マイカ、シリカ、二酸化チタン、ゼオライト、タルク、ウォラストナイト、重合体充填剤、例えば、ジメタクリレート粒子、ガラスビーズ又はガラス粉末が挙げられる。
【0025】
本発明によれば、該組成物が数種の補強充填剤を含むことも完全に可能である。好ましくは、最も広く使用される充填剤は、特に7〜14μmの直径を有する、短繊維型のガラス繊維であることができる。これらの充填剤は、0.1〜5mmの平均長を有することができる。これらの充填剤は、特に臨界環境条件下、例えばエンジン流体と接触した状態で、繊維とポリアミドマトリックスとの機械的接着を確保する表面サイズを有することができる。
【0026】
組成物は、特に、該組成物の総重量に対して50〜80重量%の補強充填剤を含むことができる。
【0027】
本発明に従うポリアミド組成物の高い性能を考慮すれば、該組成物が衝撃改質剤を含むことはとりわけ有用なわけではない。つまり、好ましくは、本発明に従う組成物は、衝撃改質剤、特にポリアミドと反応性のある官能基を含むエラストマー系主成分を有するものを含まない。
【0028】
該組成物は、本発明の変性ポリアミドの他に、1種以上の他の重合体、好ましくはポリアミド又はコポリアミドを含むことができる。
【0029】
また、本発明に従う組成物は、ポリアミド組成物の製造のために従来通り使用される添加剤を含むことができる。例えば、滑剤、難燃剤、可塑剤、核形成剤、触媒、光及び/又は熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染料、艶消し剤、成形助剤その他の従来型添加剤が挙げられる。
【0030】
これらの充填剤及び添加剤は、それぞれの充填剤又は添加剤にとって好適な標準的手段により、例えば重合中に又は溶融ブレンドにより変性ポリアミドに添加できる。
【0031】
本発明に従うポリアミド組成物の見掛け溶融粘度は、基準法ISO11443に従って、特にGottfert Rheograph 2002毛管レオメーターを使用することによって測定できる。例えば、30mmの長さ及び1mmの直径を有する毛管を、12mmの直径を有するピストンと共に使用することが可能である。例えば、0.06%未満の残留水分を有する試料で測定を実施することが可能である。
【0032】
該熱可塑性組成物は、一般に、該組成物に取り入れられる様々な化合物をブレンドすることによって得られる。この場合、該熱可塑性化合物は溶融状態にある。これは、該様々な化合物の性質に応じて、高い温度又は低い温度及び高い剪断応力又は低い剪断応力で実施される。これらの化合物は、同時に又は連続的導入できる。一般に、材料を加熱し、剪断応力を加え、そして輸送する押出装置が使用される。このような装置は、当業者に完全に知られているものである。
【0033】
第1の実施形態によれば、これらの化合物の全ては、1回の操作中、例えば押出操作中に溶融ブレンドされる。例えば、重合体材料の顆粒のブレンドを実施し、これらを押出装置に導入して溶融させ、そしてこれらを大きな又は小さな剪断に付すことが可能である。
【0034】
特定の実施形態によれば、最終組成物を製造する前に、これらの化合物のいくつかの溶融又は非溶融プレミックスを製造することが可能である。
【0035】
本発明に従う組成物は、押出装置を使用して製造される場合には、好ましくは顆粒の状態で一まとめにされる。これらの顆粒は、物品を得るために溶融を伴う方法を使用して成形されるものである。物品は、このようにして該組成物から構成される。一般的な実施形態によれば、変性ポリアミドは、例えば二軸押出装置で棒の状態で押し出され、次いで、この棒が切断されて顆粒になる。続いて、上で製造された顆粒を溶融し、溶融状態の組成物を成形装置、特に射出成形装置に供給することによって成形部品を製造する。
【0036】
本発明に従う組成物は、例えば射出成形方法などの任意の成形方法のために使用できる。したがって、本発明は、本発明に従う組成物を射出成形装置に導入し、そして成形操作を実施する、射出成形方法に関するものでもある。
【0037】
該方法は、特に、マイクロセルラー物品を製造するために、超臨界流体の非存在下、或いはその存在下で実施できる。
【0038】
本発明に従う組成物の使用は、自動車産業や電気産業用の大型物品及び/又は例えば自動車のフェンダーや回路遮断機などの複雑な構造を有する物品を製造する範囲内で、特に精巧な部品の成形のために特に有用である。
【0039】
本発明の原理の理解を容易にするために、本明細書では特定の用語を使用している。しかし、これら特定の用語の使用により本発明の範囲の限定が予期されるものではないことを理解すべきである。用語「及び/又は」は、及び、又は、という意味と、この用語に関連する要素の他の可能な組合せの全てとを包含する。
【0040】
本発明の他の詳細又は利点は、単なる例示として与える以下の実施例を考慮すれば明らかになるであろう。
【実施例】
【0041】
実験の部
使用した化合物は次のとおりである:
・PA1:4.5g/10分のMFI(基準法ISO1133に従い325gの負荷下において275℃で測定)及び135mL/gのVI(基準法ISO307に従う)を有するポリアミド6,6。次の末端基の含有量:TAG=50meq/kg、TCG=80meq/kg。
・PA2:30g/10分のMFI及び98mL/gのVIを有するポリアミド6,6。次の末端基の含有量:TAG=30meq/kg、TCG=93meq/kg。重合開始時に0.5mol%の酢酸を添加することにより得られた。
・PA3:27g/10分のMFI及び101mL/gのVIを有するポリアミド6,6。次の末端基の含有量:TCG=65meq/kg、TAG=50meq/kg。重合開始時に0.6mol%の酢酸及び0.4mol%のヘキサメチレンジアミンを添加することによって得られた。
・ガラス繊維:Vetrotex995。
・熱安定剤:CuI及びKI(それぞれ、<0.02%及び<0.1重量%の割合)。
・添加剤:EBSワックス及びFerroplast社が54/1033という商品名で販売するニグロシン。
【0042】
複数の組成物を、WERNER及びPFLEIDERER ZSK型の二軸押出器を使用して、ポリアミド、50重量%のガラス繊維及び1.5重量%の添加剤を溶融ブレンドすることによって製造する。押出条件は次のとおりである:温度:240〜280℃:回転速度:200〜300rpm、処理量:25〜60kg/時。
【0043】
結果を表1に与える。
【表1】

【0044】
毛管レオメーター分析は、基準法ISO11443に従い、GOTTFERT RHEOGRAPH2002レオメーターを、特に1000barの変換器、30mm×1mmの直径のRoundhole型毛管と共に使用し、直径12mmのピストン及び速度(mm/秒):0.01;0.02;0.05;0.1;0.2;0.5;1.0;2.0;5.0を用いて、乾燥顆粒で実施した。
【0045】
溶融温度は、基準法ISO11357−3(「METTLER DSC 20」DSC、10℃/分の温度勾配)に従って測定した。
【0046】
スパイラル試験は、顆粒を溶融させ、そしてこれらを、2mmの厚さ及び4cmの幅の長方形横断面を有するらせん形状の型に、BM−Biraghi85Tプレス内で275℃のバレル温度、80℃の型温度及び130barの水圧の最大射出圧力(これは、約0.4秒の射出時間に相当する)で射出することによって、組成物の流動性を定量することを可能にする。その結果は、組成物によって正確に充填された型の長さとして表される。
【0047】
収縮は、0.2%未満の相対湿度で側面の箇所で射出成形され、23℃で少なくとも24時間にわたり気密容器内で保管された、100×100×3.4mmの寸法を有するシートを得た後に測定する;そして、0.01mmまでのマイクロメーターを使用して23℃/50%RHで乾燥状態で評価する。
【0048】
これらのシートの射出成形は、DEMAG80Tプレスで約0.55秒の射出時間で15秒にわたり280℃のバレル温度、80℃の型温度及び20bar水圧の保持圧力で実施した。
【0049】
収縮は、型の寸法とシートの測定値/型の寸法との差である(パーセントで表す)。
【0050】
材料前面のニットラインの引張強度は、基準法ISO527に従い、全長の各端部に位置した射出点を備える型を使用して射出成形されたダンベル型試験片で測定する;この点は、スリット開口ゲートを有する。
【0051】
このように、本発明に従って得られた成形物品は、メルトフローと機械的性質とのバランスに優れると共に、外観が良好であることが観察される。さらに、本発明に従う組成物は、標準的なレオロジーを有するポリアミドを含む高充填組成物と比較して、等方性の収縮を有する物品を製造することを可能にする。また、本発明に従う組成物は、ニットラインが良好な引張強度を有する物品を製造することを可能にすると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも:
(a)カルボン酸官能基又はアミン官能基を有する一官能性化合物及び/又は二官能性化合物の存在下でポリアミドPA−6,6の単量体を重合させる方法によって得られたPA−6,6型のポリアミド;
(b)該組成物の総重量に対して45重量%以上の補強充填剤含有量;
(c)次の関係に従う見掛け溶融粘度(Pa.s):
η100≦30(X)−800
η1000≦11(X)−280
(式中、ηは、275℃の温度で、100s-1の剪断速度(η100)又は1000s-1の剪断速度(η1000)のいずれかで測定された該ポリアミド組成物の見掛け溶融粘度であり、Xは、該組成物の総重量に対する補強充填剤の重量割合に相当する。)
を有する組成物。
【請求項2】
前記ポリアミドが、ISO1133基準法に従い275℃の温度、325gの負荷で測定される、10g/10分以上のメルトフローインデックスを有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリアミドが3000〜17000g/molの分子量Mnを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記補強充填剤が繊維充填剤及び/又は非繊維充填剤よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記充填剤が、ガラス繊維、炭素繊維及び/又は天然繊維よりなる群から選択される繊維充填剤であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記充填剤が、微粒子充填剤、層状充填剤及び/又は剥離性若しくは非剥離性ナノ充填剤、例えばアルミナ、カーボンブラック、クレー、リン酸ジルコニウム、カオリン、炭酸カルシウム、銅、珪藻土、グラファイト、マイカ、シリカ、二酸化チタン、ゼオライト、タルク、ウォラストナイト、重合体充填剤、ガラスビーズ又はガラス粉末よりなる群から選択される非繊維充填剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
補強充填剤の含有量が前記組成物の総重量に対して50〜80重量%の補強充填剤であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が衝撃改質剤を含まない、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を射出成形装置に導入し、次いで成形操作を実施する、射出成形方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を含む成形物品。

【公表番号】特表2011−506622(P2011−506622A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529397(P2010−529397)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064041
【国際公開番号】WO2009/050268
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(508076598)ロディア オペレーションズ (98)
【氏名又は名称原語表記】RHODIA OPERATIONS
【住所又は居所原語表記】40 rue de la Haie Coq F−93306 Aubervilliers FRANCE
【Fターム(参考)】