説明

ポリアミド樹脂組成物

【課題】メタキシリレン基を含有するポリアミドと他のポリアミドを溶融混合して得られるもので、色調が良好でありかつ押出加工性の良好なポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】リン原子含有化合物の存在下で重縮合を行い得られるメタキシリレン基を含有するポリアミドと他のポリアミドを溶融混合する際に、特定量の増粘防止化合物を添加して得たポリアミド樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメタキシリレン基を含有するポリアミドと他のポリアミドからなる組成物を利用したポリアミド樹脂組成物に関する。詳しくは、色調が良好でゲルが少なく、長時間に渡り安定した溶融押出加工が可能なポリアミド樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー主鎖にメタキシリレン基を含有するポリアミドは剛性が高く、熱的性質にも優れるため、エンジニアリングプラスチックとして広く利用されている。またメタキシリレン基をポリマー主鎖に持つことにより、酸素や炭酸ガス等を遮断する性能にも優れているため、フィルム、ボトル、シート等の様々な包装材料のガスバリア材料としても利用されている。包装材料として利用されるポリマーに求められる特性としては、着色が少なく透明で、異物やゲルが少ないことであり、さらには長時間に渡る溶融押出加工において安定運転が可能なことである。
【0003】
メタキシリレン基を含有するポリアミドは、ベンゼン環のα位の炭素(ベンジル炭素)がラジカル化し易く、ナイロン6等の一般的なポリアミドと比較して熱安定性が低い。このため、従来からポリマー製造時あるいは押出成形加工時における熱安定性向上に関わる提案が多くなされてきた。
【0004】
例えば、ポリマー製造工程においてゲルの少ないポリアミドを得るためには、ポリアミドの製造工程における熱履歴を極力少なくしつつ速やかに所望の分子量に到達するよう重縮合を進めることが重要である。ポリアミドの製造工程における熱履歴を少なく方法としてはアミド化反応を速やかに進行させるため、重縮合系内に触媒効果を有する化合物を添加することが効果的である。
【0005】
アミド化反応に対して触媒効果を有する化合物としては、リン原子含有化合物が広く知られている。ポリアミドの重縮合に際してリン原子含有化合物およびアルカリ金属化合物を添加する方法が過去に提案されている(例えば、特許文献1参照)。リン原子含有化合物はポリアミドのアミド化反応を促進するだけではなく、重縮合系内に存在する酸素によるポリアミドの着色を防止する酸化防止剤としての効果を発揮するため、黄色度の低いポリアミドを得ることができるものの、場合によってはポリアミドの3次元化(ゲル化)を引き起こすこともあるため、適切な添加量を選択する必要がある。
【0006】
一方、メタキシリレン基を含有するポリアミドは非常に剛性が高いため、フィルム等の柔軟性を求められる用途にそのままで使用するには種々問題があった。これまでこの性質を改善するためにメタキシリレン基を含有するポリアミドに対してナイロン6やナイロン666等の柔軟性に優れる一般的なポリアミドを溶融混合したものを利用したり、それらと多層構造を形成してガスバリア性と柔軟性を兼ね備えたものとして利用する方法が種々提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
【0007】
しかしながら、メタキシリレン基を含有するポリアミドと他のポリアミドを溶融混合すると、算術平均を遙かに超えた溶融粘度の上昇が起こることがある。この現象を防止する方法として、溶融混合後のポリアミド樹脂組成物の末端基カルボキシル基と末端アミノ基の濃度差と溶融混合後のポリアミド組成物中に含まれるリン原子濃度が特定の関係になるように使用するポリアミドを選択する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この方法は、溶融状態においてアミド化が進行しにくくするために、ポリアミドの末端基のバランスを一方が過剰になるように設定する、もしくはアミド化触媒となりうるリン化合物を減らすことで、分子量の増加による溶融粘度上昇を防ぐという考え方に基づくものであるが、通常包装材料等に用いられるポリアミドは反応モル比を極力1に近づけなければ十分な重合度を有する材料が得られないことから、この方法では事実上ポリアミド中のリン原子濃度を低く抑えるということが必須となる。このような状況でポリアミドを得ようとすると、重合工程において十分な分子量を得るための反応時間が長くなったり、重合系内のリン化合物が少ないことからポリマーの酸化が進み、得られるポリアミドは黄色度が高いものであったり、ゲルが多いものになってしまうため、結果としてこの方法によって得られる包装材料等の製品の商品価値は低いものであった。
【0008】
【特許文献1】特開昭49−45960号公報
【特許文献2】特開平11−334006号公報
【特許文献3】特開2000−211665号公報
【特許文献4】特開2003−011307号公報
【特許文献5】特開平7−247422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者が種々検討を行った中で、メタキシリレン基を含有するポリアミドと他のポリアミドの溶融混合物の溶融粘度は、原料それぞれの溶融粘度、リン原子濃度、末端基濃度差が同じであっても、組成物を構成するメタキシリレン基を含有するポリアミドの製造履歴や保管状態、保管期間等によって、混合物の溶融粘度が異なる場合があることを認めた。これについては特許文献5はもとより、どの文献にも一切記載されていないことであると同時に、押出加工安定性の観点からも解決すべき課題であると言える。
本発明の目的は、上記課題を解決し、メタキシリレン基を含有するポリアミドと他のポリアミドを溶融混合して得られるもので、色調が良好でありかつ押出加工性の良好なポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記ポリアミド樹脂組成物について鋭意研究を重ねた結果、リン原子含有化合物の存在下で重縮合を行い得られるメタキシリレン基を含有するポリアミドと他のポリアミドを溶融混合する際に、特定量の増粘防止化合物を添加して得たポリアミド樹脂組成物が、溶融粘度の異常な上昇もなく、かつ長時間に渡り安定して成形加工ができ、さらに得られた成形品は着色やゲルの少ない外観良好なものとなることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
すなわち本発明は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とα,ω−直鎖状脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分をリン原子含有化合物(A)の存在下で溶融重縮合して得られるポリアミド(1)1〜99重量部と、ポリアミド(1)以外のポリアミド(2)99〜1重量部と(ここで、ポリアミド(1)とポリアミド(2)の合計重量は100重量部である)、増粘防止化合物(B)の少なくとも3成分を溶融混合してなるポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド(1)が、ポリアミド(1)中のリン原子濃度が50〜400ppmとなるようにリン原子含有化合物(A)を重縮合系内に添加して得られたものであり、増粘防止化合物(B)のモル数をリン原子含有化合物(A)のモル数で除した値が0.05〜0.5であり、270℃、剪断速度100s−1におけるポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が、同条件下におけるポリアミド(1)とポリアミド(2)それぞれの溶融粘度から下式(1)を使用して求められる算術平均値の1.20倍以下であるポリアミド樹脂組成物、ならびに該樹脂組成物からなる層を1層以上積層してなる構造物に関する。
MVA=MV1/(W1/100)+MV2/(W2/100) ・・・(1)
MVA;溶融粘度の算術平均値(Pa・s)
MV1;ポリアミド(1)の溶融粘度(Pa・s)
MV2;ポリアミド(2)の溶融粘度(Pa・s)
W1;ポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド(1)の重量比(重量%)
W2;ポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド(2)の重量比(重量%)
【発明の効果】
【0012】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、色調が良好でゲルが少なく、さらにそれを用いた成形加工において長時間に渡る連続運転を可能としたものであり、ガスバリア材料として各種包装材料に利用できる非常に有用なものであり、その工業的価値は非常に高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド(1)は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とα,ω−直鎖状脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して得られるポリアミドである。
【0014】
ポリアミド(1)を構成するジアミン成分としては、メタキシリレンジアミンが70モル%以上含まれることが好ましく、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、それから得られるポリアミドは優れたガスバリア性を発現することができる。メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとしては、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
ポリアミド(1)を構成するジカルボン酸成分としては、α,ω−直鎖状脂肪族ジカルボン酸が70モル%以上含まれることが好ましく、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。α,ω−直鎖状脂肪族ジカルボン酸が70モル%以上であると、ガスバリア性の低下や結晶性の過度の低下を避けることができる。α,ω−直鎖状脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜20のα,ω−直鎖状脂肪族ジカルボン酸のうち1種以上が好ましく使用され、特に好ましくはアジピン酸である。その他セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカンジカルボン酸、ウンデカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、キシリレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
前記のジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、ポリアミド(1)を構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等も共重合成分として使用できる。
【0017】
ポリアミド(1)は、リン原子含有化合物(A)の存在下において溶融重縮合(溶融重合)法により製造される。溶融重縮合法としては、例えばジアミン成分とジカルボン酸成分からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミン成分を溶融状態のジカルボン酸成分に直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
【0018】
ポリアミド(1)の重縮合系内に添加されるリン原子含有化合物(A)としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸エチル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられ、これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩がアミド化反応を促進する効果が高く、かつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。本発明で使用できるリン原子含有化合物(A)はこれらの化合物に限定されない。
【0019】
ポリアミド(1)の重縮合系内に添加するリン原子含有化合物(A)の添加量は、ポリアミド(1)中のリン原子濃度換算で50〜400ppmであることが好ましく、より好ましくは60〜350ppmであり、さらに好ましくは70〜300ppmである。50ppmを下回る場合、重合中にポリアミドが着色する傾向にあり好ましくない。また400ppmを超える場合、ポリアミドのゲル化反応が促進される場合があり、成形品の外観が悪化する傾向があるため好ましくない。
【0020】
また、ポリアミド(1)の重縮合系内には、リン原子含有化合物(A)と併用してアルカリ金属化合物(C)を添加することが好ましい。重縮合中のポリアミドの着色を防止するためにはリン原子含有化合物(A)を十分な量存在させる必要があるが、場合によってはポリアミドのゲル化を招く恐れがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物(C)を共存させることが好ましい。アルカリ金属化合物(C)としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩が好ましい。
本発明で用いることのできるアルカリ金属化合物(C)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。
【0021】
ポリアミド(1)の重縮合系内にアルカリ金属化合物(C)を添加する場合、該化合物のモル数をリン原子含有化合物(A)のモル数で除した値が0.5〜1となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.55〜0.95であり、さらに好ましくは0.6〜0.9である。上記範囲内であると、リン原子含有化合物のアミド化反応促進を抑制する効果が適度であり、従って、抑制し過ぎによる重縮合反応速度が低下し、ポリアミドの熱履歴が増加してポリアミドのゲル化が増大することを避けることができる。
【0022】
溶融重縮合で得られたポリアミド(1)は一旦取り出され、ペレット化された後、乾燥して使用される。また更に重合度を高めるために固相重合しても良い。乾燥乃至固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミドの固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回分式加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
【0023】
上述の工程を経て得られるポリアミド(1)は着色やゲルが少ないものであるが、本発明では上述の工程を経て得られたポリアミドのうち、JIS−K−7105の色差試験におけるb値が3以下のものが好ましく用いられ、特に好ましくは2以下のものであり、さらに好ましくは1以下のものである。ポリアミドのb値が3を超えるものは、後加工によって得られる成形品の黄色味強いものとなり、その商品価値が低下するため好ましくない。
【0024】
ポリアミド(1)の重合度の指標としてはいくつかあるが、相対粘度は一般的に使われるものである。ポリアミド(1)において好ましい相対粘度は1.5〜4.2であり、より好ましくは1.7〜4.0、さらに好ましくは2.0〜3.8である。ポリアミド(1)の相対粘度が1.5以上であると、溶融したポリアミドの流動性が安定で外観が良好な成形品が得られる。またポリアミド(1)の相対粘度が4.2以下であると、ポリアミドの溶融粘度が適度であり成形加工を安定に行うことができる。
尚、ここで言う相対粘度は、ポリアミド1gを96%硫酸100mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0 ・・・(イ)
【0025】
ポリアミド(1)には、本発明の効果を損なわない範囲で艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤、末端封止のための各種有機化合物、層状珪酸塩等のクレイやナノフィラー等を加えることもできるが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を重合系内または重合後に混合しても良い。
【0026】
本発明のポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド(2)は、様々な包装材料に適した性質とするために利用される。ポリアミド(2)としては、メタキシリレンジアミン単位を含まないポリアミドを使用することが、ポリアミド(1)との混合に使用するという目的から好ましい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612等の脂肪族ポリアミドや、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン9T等の半芳香族ポリアミド、更にこれらに対してコモノマーを使用した共重合物、各種添加剤を添加したもの等、種々のポリアミドを例示することができ、目的に応じて選択することができる。またポリアミド(2)としては、上述のうち1種類でも良いし、目的に応じて2種類以上を混合したものでも良い。
目的に応じた混合例を挙げると、例えば柔軟性を要求する場合、ナイロン6やナイロン666を使用することが好ましい。またポリアミド(1)の結晶化速度を速めるためにはナイロン6やナイロン66の様な結晶性のポリアミド、逆に遅くするためにはナイロン6ITの様な非晶性乃至難晶性のポリアミドを混合する方法が挙げられる。
【0027】
ポリアミド(2)は、溶融重縮合(溶融重合)法により製造される。ポリアミド(2)の重縮合においてもアミド化反応速度を高めるためにリン原子含有化合物(A)を添加しても良い。また更に重合度を高めるためにポリアミド(1)と同様にして固相重合しても良い。
【0028】
ポリアミド(2)の重合度については、ポリアミド(1)と溶融混合する際の温度における溶融粘度を指標として選択することが好ましい。ポリアミド(1)とポリアミド(2)を溶融混合した場合、そのモルホロジーは海島構造を形成するが、島部分の分散粒子径が小さい程、得られる組成物の特性は優れたものとなる傾向がある。具体的には、ポリアミド(1)とポリアミド(2)を溶融混合する際、多量成分の溶融粘度が少量成分の溶融粘度よりも高くなるように選択することが好ましく、より好ましくは多量成分の溶融粘度が少量成分の溶融粘度よりも1.2倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上になるように選択する。
【0029】
ポリアミド(2)には、本発明の効果を損なわない範囲で艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤、末端封止のための各種有機化合物、層状珪酸塩等のクレイやナノフィラー等を加えることもできるが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を重合系内または重合後に混合しても良い。
【0030】
本発明のポリアミド樹脂組成物において、ポリアミド(1)とポリアミド(2)の混合比率は、ポリアミド(1):ポリアミド(2)=1〜99:99〜1(重量部、合計量は100重量部である)の範囲とすることが好ましく、より好ましくは5〜95:95〜5(重量部)であり、さらに好ましくは10〜90:90〜10(重量部)である。いずれかのポリアミドの配合比率が1重量部を下回ると(あるいは99重量部を超えると)、少量成分の性質が発現しにくくなるため、組成物の性質がほぼ多量成分そのものになり、十分な改質効果が得られない。
【0031】
本発明のポリアミド樹脂組成物を構成する増粘防止化合物(B)は、ポリアミド(1)とポリアミド(2)の混合物の溶融粘度が算術平均を超えて大きく上昇することを防止する役割を有する。増粘防止化合物(B)を添加しない場合、ポリアミド(1)とポリアミド(2)を溶融混合した際に、算術平均を遙かに超えた高い溶融粘度を示すことがある。溶融粘度が大幅に上昇する原因は定かではないが、ポリアミド樹脂組成物中のリン原子含有化合物(A)の量が非常に少ない場合はこのような現象が見られないことから、リン原子含有化合物(A)のアミド化触媒効果により、ポリアミド(1)とポリアミド(2)の間でアミド交換反応がすすみ、高分子量のポリアミドが生成するためと推定される。
【0032】
増粘防止化合物(B)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等の金属水酸化物;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム等の金属酢酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド等の金属アルコキシド;炭酸ナトリウム等の金属炭酸塩;脂肪酸、脂肪酸金属塩等の各種脂肪酸系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
特に本発明では各種脂肪酸系化合物が好ましく用いられ、好ましくは炭素数(C)10以上、より好ましくは10〜50、さらに好ましくは18〜34の脂肪酸系化合物であり、例えば脂肪酸としてはステアリン酸(C18)、エイコ酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)などの直鎖飽和脂肪酸が挙げられ、さらに脂肪酸と塩を形成する金属としてはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。増粘防止化合物(B)は、上記のうち1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前述の脂肪酸金属塩は水酸化物や酢酸塩と比較してハンドリング性に優れ、この中でもステアリン酸金属塩は安価である上、滑剤としての効果を有しており、成形加工をより安定化することができるため好ましい。
【0034】
なお、ポリアミド(1)を製造する際に添加可能なアルカリ金属化合物(C)は増粘防止化合物(B)と同じ化合物も例示されるが、アルカリ金属化合物(C)は重縮合系内でイオン化し、重縮合反応を進めるための脱水工程においてアルカリ金属化合物(C)から生成した負のイオン(例えば−OH、CHCOO)が水や酢酸となって、或いは水と共に系外へ流去されてしまうために、ポリアミド(1)中ではアルカリ金属化合物(C)は元の形で存在していないと考えられる。実際に、酢酸ナトリウムをアルカリ金属化合物(C)として重縮合系内に添加しても、増粘防止化合物(B)として添加した場合のようなポリアミド樹脂組成物の溶融粘度増加を抑制する効果は発現しない。
【0035】
増粘防止化合物(B)は、ポリアミド(1)とポリアミド(2)を溶融混合する際に添加することが好ましい。増粘防止化合物(B)の添加方法は従来公知の方法を用いることができるが、例えば、ポリアミド(1)および/またはポリアミド(2)と増粘防止化合物(B)を乾式混合で混合した後に、成形加工に供する方法や、ポリアミド(1)、ポリアミド(2)またはそれ以外の熱可塑性樹脂に増粘防止化合物(B)を練り込んだマスターバッチとして添加する方法が挙げられる。
ポリアミド(1)および/またはポリアミド(2)と乾式混合する際は、例えば、タンブラーにポリアミド(1)と増粘防止化合物(B)を入れ、回転させることで混合する方法が挙げられる。本発明では増粘防止化合物(B)の形状に特に制限はないが、粉体でかつその粒径が小さい方が乾式混合にて樹脂組成物中に均一に分散させることが容易であるため、その粒径は0.2mm以下が好ましい。また本発明では乾式混合後のポリアミド(1)および/またはポリアミド(2)と増粘防止化合物(B)の分級を防止するために粘性のある液体を展着剤としてポリアミド(1)および/またはポリアミド(2)に付着させた後、増粘防止化合物(B)を添加、混合する方法を採ることもできる。展着剤としては、界面活性剤等が挙げられるが、これに限定されることなく公知のものを使用することができる。
次にマスターバッチとして添加する際は、ポリアミド樹脂組成物の性質を大きく変化させるような性質を持たない熱可塑性樹脂を基材として使用することが好ましいが、特に好ましいのはポリアミド(1)又はポリアミド(2)を基材とすることである。ただし、マスターバッチの配合量がそれほど多くないのであれば、特に限定することなく種々の熱可塑性樹脂の中から選択することができる。
【0036】
増粘防止化合物(B)の添加量は、増粘防止化合物(B)のモル数をポリアミドに添加したリン原子含有化合物(A)のモル数で除した値が0.05〜0.5の範囲内となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.07〜0.4であり、さらに好ましくは0.1〜0.3である。0.05を下回る場合、溶融粘度の上昇を十分に抑制することができないことがある。また0.5を超える場合、増粘防止化合物(B)によりポリアミド(1)やポリアミド(2)が成形加工中に加水分解したり、場合によっては着色することがあるため好ましくない。
なお脂肪酸金属塩のような滑剤としての効果を有するものを添加する場合は、上述の添加量の範囲内を考慮した上で、ポリアミド(1)とポリアミド(2)の合計量を100重量部とした場合、増粘防止化合物(B)は0.5重量部以下となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.4重量部以下、さらに好ましくは0.3重量部以下である。増粘防止化合物(B)は必要量以上添加すると、ポリアミドペレットが押出機に食い込まなくなり成形不良を起こすことがある。
【0037】
ポリアミドに含まれるリン原子含有化合物(A)は前述の通り、ポリアミドの酸化を防止する効果を有しているため、例えば製造後、一定期間保管したポリアミドや大気中に暴露されていたポリアミドを本発明のポリアミド樹脂組成物を構成する材料として使用すると、リン原子濃度や末端基濃度が同じであっても溶融粘度の上昇度が変化することがある。これはリン原子含有化合物(A)が周辺の酸素と反応して化学変化を起こし、アミド化反応に対する触媒効果を失ってしまうため、他のポリアミドと混合された際にアミド交換反応を促進する効果を徐々に失っているためと推測される。しかしながら、本発明のように増粘防止化合物(B)を適当量配合すれば、ポリアミドの保存状態に関わらず、ポリアミド(1)とポリアミド(2)それぞれの溶融粘度から算出される算術平均値に近い溶融粘度を安定して実現することができる。もちろん、増粘防止化合物(B)を配合する本発明の方法によれば、ポリアミド(1)もしくはポリアミド(2)に含まれるリン原子含有化合物の量や、それぞれのポリアミドの末端基濃度による溶融粘度への影響は小さいものであり、ポリアミドの末端基濃度やリン原子濃度を気にすることなく、目的に応じた物性を有するポリアミドを選択してポリアミド樹脂組成物を製造することができる。
【0038】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、270℃、剪断速度100s−1におけるポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が、同条件下におけるポリアミド(1)とポリアミド(2)それぞれの溶融粘度から下式(1)を使用して求められる算術平均値の1.20倍以下であることが好ましく、1〜1.15倍であるのがより好ましい。
MVA=MV1/(W1/100)+MV2/(W2/100) ・・・(1)
MVA;溶融粘度の算術平均値(Pa・s)
MV1;ポリアミド(1)の溶融粘度(Pa・s)
MV2;ポリアミド(2)の溶融粘度(Pa・s)
W1;ポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド(1)の重量比(重量%)
W2;ポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド(2)の重量比(重量%)
【0039】
本発明のポリアミド樹脂組成物はフィルム、シート、ボトル等の各種包装材料はもちろん、モノフィラメント、成形材料等様々なものに使用することができる。また包装材料を形成する際には他の熱可塑性樹脂材料や金属箔、板紙等と組み合わせて使用することができ、さらに必要に応じて本発明のポリアミド樹脂組成物に対してさらに他の熱可塑性樹脂を溶融混合して使用することもできる。
【実施例】
【0040】
以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において各種測定は以下の方法により行った。
(1)ポリアミドの相対粘度
ポリアミド1gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを取り、25℃の恒温漕中で10分間放置後、落下速度(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下速度(t0)も同様に測定した。tおよびt0から次式(イ)により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0 ・・・(イ)
(2)ポリアミドペレットのb
JIS−K−7105に準じて、反射法によりb値を測定した。b値が高い値を示すほど、黄色く着色しているものと判断される。b値の測定装置は、日本電色工業社製の色差測定装置(型式:Z−Σ80 Color Measuring System)を使用した。
(3)各ポリアミドの溶融粘度
東洋精機製作所製キャピログラフ1−Dを使用し、直径1mm、長さ10mmのキャピラリをセットして、260℃、溶融保持時間5分乃至15分の条件において溶融粘度を測定した。
【0041】
<実施例1>
(ポリアミドの溶融重合)
攪拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50リットルの反応容器に、精秤したアジピン酸15000g(102.6mol)、次亜リン酸ナトリウム5.174g(0.0488mol)、酢酸ナトリウム2.803g(0.0342mol)を入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を攪拌しながら170℃まで加熱した。これにメタキシリレンジアミン13974g(102.6mol)を攪拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を260℃として40分反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出してこれをペレット化し、約24kgのポリアミドを得た。
(ポリアミドの固相重合)
窒素ガス導入管、真空ライン、真空ポンプ、内温測定用の熱電対を設けたジャケット付きのタンブルドライヤーに前記ポリアミドを仕込み、一定速度で回転させつつ、タンブルドライヤー内部を純度が99容量%以上の窒素ガスで十分に置換した後、同窒素ガス気流下でタンブルドライヤーを加熱し、約150分かけてペレット温度を150℃に昇温した。ペレット温度が150℃に達した時点で系内の圧力を1torr以下に減圧した。さらに昇温を続け、約70分かけてペレット温度を200℃まで昇温した後、200℃で30分保持した。次いで、系内に純度が99容量%以上の窒素ガスを導入して、タンブルドライヤーを回転させたまま冷却して相対粘度が2.6のポリアミド1を得た。得られたポリアミド1のb値は1.1であった。また、ポリアミド1の溶融粘度を表1に示す。
(ポリアミド樹脂組成物の調製)
20kgのポリアミド1に対して、ステアリン酸カルシウム3.9g(0.0065mol)を加え、タンブラーで10分間撹拌混合した。次いで、この混合物30重量部と、70重量部のナイロン6(宇部興産製、グレード:1030B、溶融粘度を表1に示す)からなる混合ペレットを、タンブラーを使用して撹拌混合した。次に、30mmφ単軸押出機を使用して、260℃にて前記混合物を溶融混練し、混合ペレット−1を作製した。次いで混合ペレットを減圧乾燥し、水分を0.03%に調整し、ポリアミド樹脂組成物を得た。ポリアミド1とナイロン6の溶融粘度の算術平均値と、ポリアミド樹脂組成物の溶融粘度(実測値)を表2に示す。
【0042】
<実施例2>
次亜リン酸ナトリウムを12.953g(0.1220mol)、酢酸ナトリウムを7.008g(0.0854mol)とした以外は実施例1と同様にして溶融重合と固相重合を行って相対粘度が2.6、b値が−2.0のポリアミド2を得た。なお、ペレット温度を200℃で保持した時間は20分であった。ポリアミド2の溶融粘度を表1に示す。
次いで、20kgのポリアミド2に対して、ステアリン酸カルシウム7.6g(0.0126mol)を加え、タンブラーで10分間撹拌混合した。この混合物30重量部と、70重量部のナイロン6(宇部興産製、グレード:1030B)からなる混合ペレットを、タンブラーを使用して撹拌混合した。次に、30mmφ単軸押出機を使用して、260℃にて前記混合物を溶融混練し、混合ペレット−1を作製した。次いで混合ペレットを減圧乾燥し、水分を0.03%に調整し、ポリアミド樹脂組成物を得た。結果を表2に示す。
【0043】
<比較例1>
30重量部のポリアミド1と、70重量部のナイロン6(宇部興産製、グレード:1030B)からなる混合ペレットを、タンブラーを使用して撹拌混合した。次に、30mmφ単軸押出機を使用して、260℃にて前記混合物を溶融混練し、混合ペレット−1を作製した。次いで混合ペレットを減圧乾燥し、水分を0.03%に調整し、ポリアミド樹脂組成物を得た。結果を表2に示す。
【0044】
<比較例2>
ステアリン酸カルシウムを1.8g(0.0029mol)を加えたこと以外は実施例2と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。結果を表2に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とα,ω−直鎖状脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分をリン原子含有化合物(A)の存在下で溶融重縮合して得られるポリアミド(1)1〜99重量部と、ポリアミド(1)以外のポリアミド(2)99〜1重量部と(ここで、ポリアミド(1)とポリアミド(2)の合計重量は100重量部である)、増粘防止化合物(B)の少なくとも3成分を溶融混合してなるポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド(1)が、ポリアミド(1)中のリン原子濃度が50〜400ppmとなるようにリン原子含有化合物(A)を重縮合系内に添加して得られたものであり、増粘防止化合物(B)のモル数をリン原子含有化合物(A)のモル数で除した値が0.05〜0.5であり、270℃、剪断速度100s−1におけるポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が、同条件下におけるポリアミド(1)とポリアミド(2)それぞれの溶融粘度から下式(1)を使用して求められる算術平均値の1.20倍以下であるポリアミド樹脂組成物。
MVA=MV1/(W1/100)+MV2/(W2/100) ・・・(1)
MVA;溶融粘度の算術平均値(Pa・s)
MV1;ポリアミド(1)の溶融粘度(Pa・s)
MV2;ポリアミド(2)の溶融粘度(Pa・s)
W1;ポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド(1)の重量比(重量%)
W2;ポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド(2)の重量比(重量%)
【請求項2】
ポリアミド(1)が、アルカリ金属化合物(C)を、該化合物のモル数をリン原子含有化合物(A)のモル数で除した値が0.5〜1となるようにリン原子含有化合物(A)と共にポリアミド(1)の重縮合系内に添加して得られたものである請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
ポリアミド(1)のJIS−K−7105の色差試験におけるb値が3以下である請求項1乃至2記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
増粘防止化合物(B)が炭素数10以上の脂肪酸系化合物である請求項1乃至3記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
脂肪酸系化合物が脂肪酸金属塩である請求項4記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項6】
脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩である請求項5記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項7】
ポリアミド(2)がメタキシリレンジアミン単位を含まない請求項1乃至6記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項8】
ポリアミド(2)が脂肪族ポリアミドおよび非晶性半芳香族ポリアミドから選択される請求項1乃至7記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のポリアミド樹脂組成物からなる層を1層以上積層してなる構造物。

【公開番号】特開2008−308512(P2008−308512A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154888(P2007−154888)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】