説明

ポリアミド織編物の製造方法

【課題】
本発明は、従来技術では達成できなかった、軽量で保温性があり張りのある風合いで、加工シワがない高品位のポリアミド織編物を効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
芯成分がアルカリ易溶解性ポリマーであり、鞘成分がポリアミドであって、該芯成分の比率が芯成分と鞘成分の合計に対して20〜80重量%である芯鞘複合繊維からなる糸条を用いて織編物を形成後、80〜120℃の温度のアルカリ溶液を用いて該織編物を拡布状で処理して芯成分を溶出し、該芯鞘複合繊維を中空化することを特徴とするポリアミド織編物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド織編物の製造方法に関するものであり、詳しくは、アルカリ易溶解性ポリマーとポリアミドからなる芯鞘複合繊維を用いたポリアミド織編物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代の冷・暖房生活に特に適応する快適素材として、軽くて暖かい衣料に適用される素材が求められている。これに対し、ポリアミド繊維は、高強度であり、耐摩耗性、ソフト性および発色性において優れた特性を有することから、一般衣料や産業資材などで幅広く使用されており、とりわけ、中空繊維を用いた軽量な保温素材が提案されている。
【0003】
特に高中空率化を図ることができ、また、高次加工において中空部が潰れずに大きな軽量感を創出することができる、芯成分を溶出する溶出型のポリアミド芯鞘複合繊維を用いた素材が提案されている。この提案では、芯鞘複合繊維からなる糸条を織編物にした後に、アルカリ溶液を用いて、芯成分のポリエステルを鞘成分のポリアミドを通して溶出し、溶出後は高中空のポリアミド繊維とするものである。この提案は、ポリアミドがポリエステルに対して耐アルカリ性が極めて高いことを応用した技術であり、中空率が40%以上で中空部が潰れずに、優れた軽量性と保温性のある織編物が得られる。
【0004】
しかしながら、このようなポリアミド織編物においてもいくつかの問題がある。まず、ポリアミド繊維は、本来の特性である初期引張抵抗値(ヤング率)がポリエステル対比で1/2〜1/3と低いため、曲げ柔らかく、それを用いた織編物の風合いはソフトである。この特性は、ブラウスやドレスなどのドレープ性のある婦人用途には適している。しかしながら、婦人用途でも外衣用途、紳士用途、ユニフォーム用途、和装着物用途、カバン地、およびテント地などの資材用途等で要求される、いわゆるシャキッとした(1)張りのある風合いが得られず、縫製したときの造形性や仕立て映え性が求められる分野には進出できないという課題がある。
【0005】
更に、ポリアミド繊維は元来、繊維構造特有の結晶性と配向性から熱に対する構造変化が小さく、いわゆる熱セット性が乏しいという欠点がある。特に乾熱セットが効きにくいため、芯成分の溶出処理や染色処理により(2)加工シワ(ロープ状シワ)が発生する。この加工シワは、後工程でセットしても改善できず、織編物の品位を著しく低下させてしまうという問題がある。これは、特にナマイトと呼ばれる原糸(延伸糸)をそのまま使用している織編物において顕著である。
【0006】
また、該芯鞘複合繊維の芯成分の溶出に苛性アルカリを用いることは知られているが、従来の浸漬方法で液流染色機を用いる方法では、大量のアルカリ処理液を必要とし、そのため排液負荷および処理コストがあがるという問題がある。
【0007】
通常、アルカリ処理液は、織物重量に対して浴比が1:15〜30であり、例えば、織物500mを1バッチで処理する場合は、苛性ソーダを処理濃度:5%で220〜450kgを用いることになる。これは通常のポリエステル織物の減量加工の10倍程度であり、苛性ソーダの絶対使用量が多く、(3)効率的な加工とは言えない。
【0008】
このように、従来の溶出型のポリアミド芯鞘複合繊維を用いた織編物では、(1)張りのある風合い、(2)加工シワ(ロープ状シワ)、および(3)効率的な加工性において課題であった。
【0009】
[従来技術の対応]
これらの課題に対し、上記(1)の張りのある風合い作りには、織編物を構成する繊維の繊度を太くしたり、高密度の織編物を作ることで対応することが考えられるが、いずれも織編物全体が重いものになってしまうという問題がある。また、中空繊維使いにより軽量化を図ることはできるが、いわゆる一発紡糸中空繊維(特許文献1参照)や、前述した溶出型芯鞘複合繊維の中空繊維(特許文献2参照)を用いた織編物の風合いは、いずれも、いわゆるタラタラしたものである。これは、いずれも液流染色機による溶出や染色の処理であり、該液流染色機特有の噴射ノズルによる強度の揉布作用により、織編物がソフトになり、張りのある風合い作りができない。
【0010】
次に、上記(2)の加工シワ(ロープ状シワ)の改善については、前述した溶出型芯鞘複合繊維の中空繊維(特許文献2参照)を用いる提案では、芯成分の溶出方法は浸漬方法で液流染色機を用いることが示唆されており、該液流染色機特有の操作で織編物をロープ状で処理するので、加工シワが発生し、解決には至らない。
【0011】
また、芯成分の溶出処理に、ポリエステル織物を拡布状でアルカリ減量処理する、いわゆる連続減量処理(パット/ドライ法、パット/スチーム法)を適用することが考えられる。この手段によれば、加工シワは改善可能に思えるが、浸漬を伴わないため、芯成分のポリエステルをアルカリ溶液で鞘成分のポリアミドを通して、じっくり溶出することは不可能である。
【0012】
さらに、上記(3)の効率的な加工性については、前記特許文献2のみならず、周知のように、通常の液流染色機では、前述のごとく1バッチ当たり220〜450kgレベルの大量の苛性ソーダを要し、効率的な加工性についての課題は解決できない。
【0013】
また、ポリエステル繊維のアルカリ減量加工において、苛性ソーダの処理濃度を低減させるために、アルカリ分解促進剤である第4級アンモニウム塩を用いて減量させる方法が提案されている(非特許文献1参照)。しかしながら、この方法を芯成分の溶出処理に適用しても、処理時間は多少短くでき得るが処理液濃度は下げられず、完全解決には至らない。しかも、第4級アンモニウム塩は抗菌剤としての作用も持ち合わせていることから、アルカリ排液での生物分解処理用のバクテリア等を殺菌してしまうので環境に優しくないという問題もある。
【0014】
更には、苛性ソーダに、抗菌剤がなく溶出促進効果のあるベンジルアルコール系助剤を併用する方法も提案されているが(特許文献3参照)、苛性ソーダの濃度を2割程度しか低下させることができず、十分な解決策ではない。
【特許文献1】特開平9−217225号公報
【特許文献2】特開平7−278947号公報
【非特許文献1】「加工技術」 Vol.14 No1(1979) p8
【特許文献3】特開2005−042222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、軽量で保温性があり張りのある風合いで、加工シワがない高品位のポリアミド織編物を効率よく加工し製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明は、下記の構成を有するものである。本発明のポリアミド織編物の製造方法は、芯成分がアルカリ易溶解性ポリマーであり、鞘成分がポリアミドであって、該芯成分の比率が芯成分と鞘成分の合計に対して20〜80重量%である芯鞘複合繊維からなる糸条を用いて織編物を形成後、80〜120℃の温度のアルカリ溶液を用いて該織編物を拡布状で処理して芯成分を溶出し、該芯鞘複合繊維を中空化することを特徴とするポリアミド織編物の製造方法である。
【0017】
本発明のポリアミド織編物の製造方法の好ましい態様によれば、芯鞘複合繊維の芯成分の溶出を、ジッガー染色機またはビーム染色機を用い行うことである。
【0018】
本発明のポリアミド織編物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の
芯成分溶出時のアルカリ溶液の液量(浴比)が、織編物重量に対し、1:8以下であることである。
【0019】
本発明のポリアミド織編物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の芯鞘複合繊維からなる糸条はマルチフィラメントである。
本発明のポリアミド織編物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の芯鞘複合繊維からなる糸条は延伸糸である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来技術では得られなかった、軽量で保温性があり張りのある風合いで、加工シワがない高品位のポリアミド織編物を効率よく加工し製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明者らは、アルカリ易溶解性ポリマーとポリアミドからなる芯鞘複合繊維糸条を使用して織編物を作成した後、織編物をを拡布状でアルカリ溶液処理し、芯成分のアルカリ易溶解性ポリマーを溶出してポリアミドの鞘成分からなる中空部を形成することにより、保温性、軽量性、風合い、品位を効率よく製造方法について鋭意検討し、初めて上記の課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0022】
以下、本発明のポリアミド織編物の製造方法について詳細に説明する。
【0023】
本発明において、鞘成分であり、得られる織編物を構成するポリアミドとは、アミド結合を有する熱可塑性重合体のことであり、ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610およびナイロン46等を挙げることができる。また、ポリアミドは、上記したポリマーのブレンド物や共重合ポリマーであってもよいが、なかでも繊維形成性、製造コスト、汎用性および芯部の汎用性の点から、ナイロン6とナイロン66が好ましく用いられる。ポリアミドは、目的に応じて艶消し剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤や紫外線吸収剤等の添加物を含有していてもよい。
【0024】
本発明において、芯成分として用いられるアルカリ易溶解性ポリマーとは、苛性ソーダ濃度30g/Lの水溶液中、98℃の温度で、60分間の処理条件下において、ポリエステル単独繊維と比較して、5倍以上の溶解性をもつポリエステル系ポリマーのことである。
【0025】
本発明で好適に用いられるアルカリ易溶解性ポリマーとしては、例えば、スルフォン化芳香族ジカルボン酸変性ポリエステルが挙げられ、スルフォン基を有する化合物がポリエステルの連鎖または末端の一部に含まれた変性されたポリエステルが好適に用いられる。より具体的には、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレート、あるいはこれらを主成分とする共重合ポリエステルなどに、スルフォン化芳香族ジカルボン酸、あるいはその塩を共重合させてなる変性されたポリエステルなどを用いることができる。
【0026】
スルフォン化芳香族ジカルボン酸の代表的なものとしては、5−ナトリウムスルフォイソフタル酸ジメチルが挙げられる。その共重合量は、テレフタル酸に対し3.0〜10モル重量%の範囲であることが好ましい。この共重合量が低すぎると所望の効果が十分に得られ難い場合があり、逆に多すぎると変性ポリエステルの結晶構造が乱れて機械的特性の大幅な低下を招くことになる場合がある。
【0027】
本発明では、アルカリ易溶解性ポリマーとして、さらに好ましくは、ポリ乳酸を用いることができる。かかるポリ乳酸は、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる繰り返し単位とするポリ乳酸よりなるが、該ポリ乳酸のL−乳酸あるいはD−乳酸いずれかの比率が95モル%以上であることが好ましく、その比率はさらに好ましくは98モル%以上である。
【0028】
ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸および/またはD−乳酸を原料として一旦環状二量体であるラクチドを生成せしめ、その後、開環重合を行う二段階のラクチド法と、L乳酸および/またはD−乳酸を原料として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られていが、いずれの製法で得られたものであってもよい。
【0029】
また、L−乳酸とD−乳酸の他に、エステル形成能を有するその他の成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な成分としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セパシン酸、フマル酸など分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類、およびそれらの誘導体が挙げられる。
【0030】
本発明では、芯成分がアルカリ易溶解性ポリマーであり、鞘成分がポリアミドからなる芯鞘複合繊維を用いる。
【0031】
本発明で用いられる芯鞘複合繊維の芯成分と鞘成分の複合比率は、軽量感の点から、芯成分の比率が、芯成分と鞘成分の合計に対して20〜80重量%であることが必要である。芯成分の比率が、20重量%未満の場合、芯成分をアルカリ溶液により溶出除去する際に、薬液(アルカリ溶液)が肉厚の鞘成分内に浸透して分解物を溶出させるために多くの時間と高温を要するため、鞘成分の劣化を生じやすく、鞘成分の引裂強力や破裂強力など物理特性が低下する。また、芯成分の比率が、80重量%を超えると、織編物の軽量感は向上するものの、外力が加わった状態では中空構造がつぶれやすくなり、嵩高性が低下したり、鞘成分の厚みが減少するために、引裂強力や破裂強力等物理特性が低下する。芯成分の比率は、さらに好ましくは30〜50重量%である。
【0032】
本発明で用いられる芯鞘複合繊維の芯部と鞘部のそれぞれの繊維断面形状は、丸、三葉、四葉、五葉、扁平、X型、井型およびその他どのような形状であっても特に構わない。目的に応じて選択すればよい。また、芯鞘複合繊維における芯成分の配置は特に限定しないが、紡績、糸加工、製織および編成の生産性の点から、鞘成分が芯成分を完全に覆っていることが好ましい。
【0033】
本発明で用いられる芯鞘複合繊維の製造方法は特に限定しないが、常法の溶融紡糸法により製造することができる。例えば、次のような手法を用いて製造される。ポリ乳酸を芯成分に、ナイロン6またはナイロン66を鞘成分に配置されるように設計された紡糸口金を用いて、両ポリマーを溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い、1000m/分以上の速度で紡糸引取り、引き続いて延伸し巻取る方法、あるいは、溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い1000m/分以上の速度で紡糸引取りし実質的に延伸することなく巻取る方法、さらには、溶融紡糸の後、給油を行い一旦巻取、その後延伸し巻取る方法などが、好ましい方法として挙げられる。ステープルの場合は、延伸後カッティングし原綿を製造し、紡績し巻取る。
【0034】
本発明のポリアミド織編物の製造方法において、芯鞘型複合繊維は、マルチフィラメント糸などの長繊維糸条や、紡績糸などの短繊維糸条、あるいは他素材との混繊糸や混紡糸などとして用いられる。
【0035】
本発明では、かかる芯鞘型複合繊維からなる糸条を用いて製織あるいは製編する。本発明で製造されるポリアミド織編物において、織編物とは、織物と編物の総称をいう。例えば、織物は、通常のフィラメント織物やスパン織物と同様の工程で織成することができる。使用する織機は特に限定されず、エアジェット織機やレピア織機などの織機など革新型織機でも対応可能である。また、織物組織は、タフタ、ミニリップおよびサテンなど特に限定されない。
【0036】
また、編物も、例えば、通常のフィラメント編物やスパン編物と同様の工程で編成することができる。使用する編機は、特に限定されず、丸編機や経編機などを用いることができる。また、編組織は、スムース、天竺およびトリコットなど特に限定されない。
【0037】
本発明ではポリアミド織編物を構成する芯鞘型複合繊維からなる糸条としては、マルチフィラメント糸などの長繊維糸条や、紡績糸などの短繊維糸条、あるいは他素材との混繊糸や混紡糸など全て品位的に問題ないものであるが、特に芯成分の溶出加工での加工シワが出やすいマルチフィラメント糸で且つ延伸糸(原糸)が好ましい。芯成分の溶出加工での加工シワ改善に大きな効果が発揮できるのである。また、織編物の組織としては、平織やツイル組織などが好ましい。高密度組織の加工シワが出やすい組織の織編物に対しても、改善に大きな効果が発揮できるからである。
【0038】
本発明のポリアミド織編物の製造方法において、芯成分の溶出に用いられるアルカリ溶液としては、苛性アルカリ溶液が好適である。苛性アルカリの種類は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムなど強アルカリであれば特に限定しないが、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
【0039】
アルカリ溶液は、アルカリ濃度10〜80g/Lの水溶液であることが好ましい。アルカリ濃度が80g/Lを超えると、溶出時間を短縮することができるが、生産作業者にとっての取り扱いに危険を伴うことがある。また、アルカリ濃度が10g/L未満の場合、溶出に時間を要するため生産性が低下する。アルカリ濃度は、より好ましくは30〜60g/Lである。
【0040】
また、アルカリ溶液による芯成分の溶出処理条件において、そのアルカリ水溶液の温度は、80〜120℃であることが好ましい。温度が120℃を超えると、鞘成分が劣化し、引裂強力や破裂強力等物理特性が低下する傾向を示す。また、温度が80℃未満の場合、芯成分の溶出に時間を要するため生産性が低下する。アルカリ水溶液の温度は、より好ましくは90〜115℃である。
【0041】
また、芯成分の溶出時間を速め、排液の生物の殺菌性のない溶出促進剤として、ポリアミド膨潤剤をアルカリ浴に併用することが好ましい。ポリアミド膨潤剤の作用は、ポリアミド繊維を形成するポリアミドの非結晶高分鎖を繊維全体が吸収して、その体積を著しく増大させる効果を持つ。
【0042】
ポリアミド膨潤剤としては、具体的には、ベンジルアルコール、フルオロアルコール、フェニレングリコール、塩化カリウムのメタノール溶液、塩化カルシウムのメタノール溶液、およびフェノール類(フェノール、クレゾールおよびキシレノール)など、特に限定されないが、ベンジルアルコール類またはベンジルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ベンジルアルコール誘導体としては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加した誘導体が挙げられる。
【0043】
このポリアミド膨潤剤の使用量は、苛性アルカリ水溶液の水に対して5〜80g/Lであることが好ましい。ポリアミド膨潤剤の使用量が5g/L未満の場合、十分な膨潤効果が得られず、苛性アルカリにより分解された乳酸等の芯成分の鞘透過性が悪くなり、溶出時間を十分に短縮することができない。また、使用量が80g/Lを超えると、ナイロンの膨潤が大きく、繊維の収縮が大きくなり風合いを損なう傾向がある。ポリアミド膨潤剤の使用量は、さらに好ましくは10〜50g/Lである。
【0044】
かかる条件での処理の浴比(織編物の生地重量1に対するアルカリ溶液量(倍))は、通常の液流染色機では1:15〜30であるのに対して、本発明で好適に用いられるジッガー染色機とビーム染色機では、いずれも、1:8以下の1:1〜1:3程度の浴比で処理できるので、前記の液流染色機を使用する場合に比べて、アルカリの使用量が1/10〜1/20であり、極めて効率的に処理することができる。
【0045】
本発明では、織編物を拡布状で芯成分の溶出処理を行う。本発明で拡布状で溶出処理を行う意図は、拡布状態の織編物をアルカリ溶液に単に浸漬し処理するだけではなく、アルカリ溶液を織編物に積極的に噴射し通液させて、織編物を構成する芯鞘複合繊維の芯成分の溶解を促進させ、また、溶解したポリマーを積極的に押し出す圧搾作用を付与することができるからである。
【0046】
具体的には、織編物をアルカリ溶液に浸漬した後、織編物を巻き込んで強い圧搾作用を付与するジッガー染色機あるいは織編物を巻いた状態でアルカリ溶液を織編物に積極的に噴射し通液させるビーム染色機等が最も好ましい。同じ拡布状の処理でも、該作用の弱い連続減量装置やコールドバッチ法は、芯成分の溶出速度が遅く効率的ではない。
【0047】
本発明のように、織編物を拡布状態で処理する溶出方法は、前記のように浴比を小さくすることができる特徴のほかに、拡布状態での処理のため、従来の液流染色機で発生するロープ状の加工シワ欠点がなく、本発明で意図する効果を著しく改善することができる。
【0048】
本発明では、特に芯鞘複合繊維がマルチフィラメント糸で且つ延伸糸(原糸)であるとき、一層、改善効果が高い。これは、延伸糸は糸の剛直性が高いため、従来の液流染色機の揉布作用では生地が強く挫屈を受けるのでシワになりやすいが、本発明のように拡布状態で処理すると、剛直性の高い延伸糸使いの織編物でも、シワになりにくいからである。これ以外に、高密度の組織の織編物や硬い織編物、また、目付の大きい厚地の織編物に対しても、本発明は大きな改善効果を奏するものである。
【0049】
本発明で好適に用いられるジッガー染色機は、常圧タイプ(処理温度:100度℃まで)と高圧タイプ(処理温度:130度℃まで)があり、本発明では何れも適用することができる。ここで重要なことは、処理するときの織編物に対する張力(タテ張力)であり、この張力は、10〜40[mg/タテ糸構成の単繊維繊度(デシテックス)]であることが好ましい。張力(タテ張力)が上記の範囲にあると、風合いが過度の硬さがなく、また、巻きシワが発生しない。張力が小さすぎる場合は、織編物の耳部が竹の子状に巻きシワが発生しやすく、また、張力が大きすぎると風合いが硬くなる。また、芯成分の溶出時間を所定の時間よりも短縮させるには、アルカリ溶液を1回程度、新らしいアルカリ溶液と交換することも好ましい態様である。
【0050】
また、ジッガー染色機は、織編物を一方方向に巻き込んだ状態で、処理浴を短時間で昇温、降温できるので、従来の液流染色機に比し、昇・降温時間を大幅に短縮できるという特徴がある。ジッガー染色機は、後述するチーズ染色機に比べて、タテ張力がかかりやすいので、織物の処理には適するが、編物は不適な場合がある。
【0051】
本発明で好適に用いられるビーム染色機では、織編物を通常の巻き硬度で巻くが、巻き込んだ織編物の耳部から噴射液(アルカリ溶液)が漏れることがあるので、不均一な溶出処理にならないように、織編物を均一に且つしっかり巻く。ビーム染色機としては、高圧タイプ(処理温度:130度℃まで)のビーム染色機を好適に適用することができる。
【0052】
また、芯成分の溶出を短時間で効率よく行うために、アルカリ溶液の噴射方向を、イン/アウトとアウト/インを繰り返しながら行うことが好ましい。ビーム染色機は、ジッガー染色機と同様に、昇・降温時間を大幅に短くし処理することができるという特徴がある。また、ビーム染色機は、加工張力が少ないので、織物と編物のいずれも適用することができる。
【0053】
本発明において、芯成分の溶出加工後、織編物は引き続き、かかる染色機で、通常の方法で無地染めに染色することができる。あるいは必要により、プリントなどの染色を行い、仕上げられる。更には必要に応じて、制電、抗菌、柔軟仕上げ、およびその他公知の後加工を施すことができる。 本発明で得られたポリアミド織編物は、その後、縫製して各種衣料用や、産業資材用製品とされる。なかでも、インナーウェア(ランジェリー、ファウンデーション等)やスポーツウェア(ウィンドブレーカー、テニスウェア、スキーウェア、トレーニングウェア等)、カジュアルウエア(ジーンズウエア等)、およびかばん地として好適である。
【実施例】
【0054】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。評価方法は、次のとおりである。
【0055】
A.軽量性の評価
織編物を構成する芯鞘複合繊維の芯成分が溶出して、中空率が高くなるほど軽量である。複合された芯成分の重量に対して、芯成分溶出後の重量変化率:溶出率を、次式で求める。溶出率が高いほど、軽量である。
溶出率(%)=(S0ーS1)/S0×100
ここで、S0:織編物の芯鞘複合繊維の芯成分の複合重量(グラム)
S1:溶出後の織編物の芯鞘複合繊維の芯成分の複合重量(グラム)
また、芯成分溶出後の織編物の芯鞘複合繊維の断面を、走査型電子顕微鏡で1000倍で観察して芯成分の溶出状況を確認する。
【0056】
B、保温性の評価
次の方法で保温率(%)を求めた。値が大きいほど、保温性があり暖かみのある織編物である。
・測定器:KES−FB7(カトーテックス(株)製)
・測定織編物(仕上品):10cm×10cm
・測定方法:ヒーターのある該測定器を用い、測定器表面の熱板(40℃:体温相当)に測定織編物を被せ、織編物から逃げる熱量をヒーターの消費電力(ワット)で表す。
・保温率の算出
保温率(%)=(W0ーW1)/W0×100
ここで、W0:生地が無い時の消費電力(ワット)
W1:生地がある時の消費電力(ワット)。
【0057】
C.風合い評価
織編物の張りのある風合いについて、10人にモニター調査(官能評価)を行った。その結果を、
○:張りがあり、好ましい風合い、
△:張りはあまり感じられず、普通の風合い、
×:張りがなく、ソフトであり、好ましくない風合いである、
の基準で3段階で評価した。
【0058】
D.織編物の品位評価
仕上げた織編物の品位を検査し、次の3段階に品位を格付け、評価した。
W0:織編物の全面に加工シワがなく、極めて良好(A反)。
W1:織編物の全面に加工シワが少しあるが、許容できる(B反)。
W2:織編物の全面に加工シワがあり、不良(C反)。
【0059】
E.溶出効率
芯鞘複合繊維の芯成分を溶出する際、1バッチの処理に使用する苛性アルカリ(水酸化ナトリウムなど)の使用量(kg)が少ないほど、排水負荷やコストが低くなり、溶出効率が高く、良好である。
【0060】
<実施例1>
重量平均分子量16万のポリL乳酸(光学純度99%L乳酸、融点170℃)を芯成分とし、平均2次粒子径が0.4μmの酸化チタンを0.15重量%含有した硫酸相対粘度ηr:2.6のナイロン6を鞘成分として、それぞれ別々に溶融し、お互いの重量比が45/55となるように計量して紡糸口金に導き、ポリ乳酸が芯部、ナイロン6が鞘部となるように複合した後、24ヶの丸孔から紡糸温度260℃で糸条を溶融吐出した。続いて、得られた糸条を冷却風で冷却し、給油と交絡を行った後、非加熱ローラーで引き取り、170℃の温度の加熱ローラーとの間で1.5倍に延伸して、巻き取り速度3800m/分で巻き取り、156デシテックス48フィラメントの芯鞘複合フィラメント糸(芯鞘:同心円の丸断面糸)を得た。
【0061】
上記の芯鞘複合フィラメント糸の延伸糸を、タテ糸およびヨコ糸にそれぞれ用い、タテ密度90本/インチ、ヨコ密度66本/インチの平織物(生機巾:153cm、長さ:500m(10疋)、総重量:325kg)を製織した。製織した平織物を、通常の方法で連続精練(98℃×2分)し、次いで、通常の方法でピンテンターで乾熱セツトした(170℃×45秒)。
【0062】
得られた平織物を、ジッガー染色機を用い、織物のタテ張力:18[mg/タテ糸構成の単糸繊度(デシテックス)]で水酸化ナトリウム50g/L、ベンジルアルコール誘導体を乳化させたポリアミド膨潤剤(ベンジルアルコール純分85%)30g/L、処理浴:400L、浴比1:1.2、水酸化ナトリウムの使用量:20kg、処理温度110℃の条件下で、3時間、アルカリ溶出処理を行い、水洗し、洗浄し、乾燥した。その結果、織物の重量変化率の減量率は45.0%で、芯成分の溶出率は100.0%で完全に芯成分が溶出していることを確認した。また、かかる溶出状況を走査型電子顕微鏡で1000倍で観察したところ、芯成分が完全に溶出していることを確認した。
【0063】
次に引き続き、該ジッガー染色機を用いて、織物を含金酸性染料で濃紺に染色し、160℃の温度で乾熱セットし、仕上げ処理を行った。仕上げ品は、巾:136cm、長さ:90.4m、タテ密度101本/インチ、ヨコ密度73本/インチ、総重量:178kgであった。仕上げ品の評価結果を表1に示す。
【0064】
<実施例2>
実施例1と同じ芯鞘複合フィラメント糸の延伸糸を用い、スムースの丸編地(編機:28ゲージ、30吋)を、ウェール密度52本/インチ、コース密度42本/インチで製編した。生成巾:182cm、長さ:400m(10反)、総重量:235kgの丸編み地を、チーズ染色機で処理し芯成分を溶出したこと以外は、実施例1に従って丸編物を製造した。なお、チーズ染色機による芯成分の溶出条件を、処理浴:423L、浴比1:1.8、水酸化ナトリウムの使用量:21kgとしたこと以外は、実施例1に従って編物を仕上げた。その結果、編物の重量変化率の減量率は45.0%で、芯成分の溶出率は100.0%で完全に芯成分が溶出していることを確認した。また、かかる芯成分の溶出状況を走査型電子顕微鏡で1000倍で観察したところ、完全に溶出していることを確認した。
次に引き続き、該チーズ染色機を用いて、編物を含金酸性染料でブラウンに染色し、160℃の温度で乾熱セットし、仕上げ処理を行った。仕上げ品は、巾:163cm、長さ:90.4m、ウェール密度57本/インチ、コース密度46本/インチ、総重量:129kgであった。仕上げ品の評価結果を表1に示す。
【0065】
<比較例1>
芯成分の溶出を液流染色機で行ったこと以外は、実施例1に従って織物を製造した。なお、液流染色機の溶出条件を、処理浴:3700L、浴比1:11.4、水酸化ナトリウムの使用量:185kgとしたこと以外は、実施例1に従って織物を仕上げた。結果を表1に示す。
【0066】
<比較例2>
芯鞘複合繊維ではなく、ナイロン6からなる156デシテックス48フィラメントの通常のナイロン6フィラメント延伸糸(丸断面糸)を用い、溶出処理することを除いて、実施例1に従って織物を仕上げた。結果を表1に示す。
【0067】
<比較例3>
芯成分の溶出を液流染色機で行ったこと以外は、実施例2に従って編物を製造した。なお、液流染色機の溶出条件を、は処理浴:3000L、浴比1:12.7、水酸化ナトリウムの使用量:150kgとしたこと以外は、実施例2に従って編物を仕上げた。結果を表1に示す。
【0068】
<比較例4>
芯鞘複合繊維ではなく、ナイロン6からなる156デシテックス48フィラメントの通常のナイロン6フィラメント延伸糸(丸断面糸)を用い、溶出処理することを除いて、実施例2に従って編物を仕上げた。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
表1から明らかなように、実施例1の織物と実施例2の編物は、いずれも元の生機の重量の45%の軽量であり、芯鞘複合繊維の芯成分は完全に溶出されて非常に軽い織編物であった。また、保温性も比較例2と4の従来の織編物に対して、約2倍高く、暖かみのあるものであった。また、張りのある風合いで、縫製した時の仕立て映えがよく、外衣として素晴らしい織編物であった。品位も全く問題なく、いずれもA反の格付けするものであった。
【0071】
また、芯成分の溶出条件は、浴比が1:1〜3であり、水酸化ナトリウムの使用量が従来の加工に比べて、約1/7〜1/9の使用量であり、加工の効率が極めて良好であった。
【0072】
一方、比較例1の織物と比較例3の編物は、芯成分は完全に溶出されていたが、いずれも加工シワがあり、また、風合いはソフトであり、品位、風合いとも劣るものであった。また、比較例2と4は、通常のナイロン糸の織編物であり、軽量性も保温性もなく、平凡な織編物であった。
【0073】
<実施例3>
ポリ乳酸が芯部に50重量%、ナイロン6が鞘部に50重量%となるように複合し、78デシテックス、24フィラメントの芯鞘複合フィラメント糸(芯鞘:同心円の丸断面糸)の延伸糸としたこと以外は、実施例1に従って紡糸し、延伸した。次いで、かかる芯鞘型複合フィラメント糸をタテ糸に用い、ヨコ糸は該芯鞘型複合フィラメント糸の双糸(156デシテックス)ににして、2/1のツイル織物に製織した。6lmk織物の長さ:500m、総重量:185kgのツイル織物を、ジッガー染色機の溶出処理条件を織物のタテ張力:22mg/タテ糸構成の単繊維繊度(デシテックス)で、処理浴:250L、浴比1:1.4、水酸化ナトリウムの使用量:12.5kg、処理温度110℃の条件下で、3時間、アルカリ溶出処理を行い、水洗し、洗浄し、乾燥した。その結果、織物の重量変化率の減量率は50.0%で、芯成分の溶出率は100.0%で完全に芯成分が溶出していることを確認した。また、かかる溶出状況を走査型電子顕微鏡で1000倍で観察したところ、完全に溶出していることを確認した。
【0074】
次に常法に従って、得られたツイル織物を、含金酸性染料で黒に染色し、160℃の温度で乾熱セットし、仕上げ処理を行った。仕上げ品は、元の織物の重量の50%の軽量であり、保温性があり、また、張りのある風合いで、縫製したときの仕立て映えがよく、外衣としてすばらいし素晴らしい黒色の織物であった。織物の品位も全く問題なくA反の格付けするものであった。また、水酸化ナトリウムの使用量が12.5kgと、従来の加工に比べて約1/10の使用量であり、排液の負荷が少なく、コストも低く、効率よく織物を製造することができた。
【0075】
<実施例4>
重量平均分子量17万のポリL乳酸(光学純度98%L乳酸、融点170℃)を芯成分とし、平均2次粒子径が0.35μmの酸化チタンを0.25重量%含有した硫酸相対粘度ηr:2.5のナイロン6を鞘成分として、それぞれ別々に溶融し、お互いの重量比が45/55となるように計量して紡糸口金に導き、ポリ乳酸が芯部、ナイロン6が鞘部となるように複合した後、24ヶの丸孔から紡糸温度258℃で糸条を溶融吐出した。続いて、得られた糸条を、冷却風で冷却し、給油し、交絡を行った後、非加熱ローラーで1550m/minで一旦引き取った。引き続き、延伸倍率3.1倍に延伸して、捲縮を付与した後、カット長44mm、短繊維繊度1.7dtexの芯鞘複合繊維からなる紡績糸を得た。得られた紡績糸を用いて、通常の方法で77番手の粗糸を作り、精紡ドラフト21倍、撚り数17t/インチ、綿番手16s(長繊維換算で365デシテックス)の芯鞘複合繊維からなる紡績糸を製造した。
【0076】
続いて、かかる紡績糸を、タテ糸およびヨコ糸に用いて、タテ密度84本/インチ、ヨコ密度62本/インチのツイル織物を製織した。続いてそのツイル織物を、98℃×20分、液流染色機でリラックス精練を行い、続いて180℃の温度で乾熱セットした。
【0077】
得られたツイル織物を、実施例2に従って、チーズ染色機で芯成分を溶出し、酸性含金染料でレッドに染色し、160℃の温度で乾熱セットし、仕上げ処理を行った。仕上がり品は、元の織物の重量の45%の軽量であり、保温性があり、また、張りのある風合いで、織物の品位も全く問題なくA反の格付けするものであった。また、水酸化ナトリウムの使用量も少なく、効率よく製造することができた。このものは、カバン地等の資材用用途として最適であった。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、従来技術では達成できなかった、軽量で保温性があり張りのある風合いで、加工シワがない高品位のポリアミド織編物を効率よく製造する方法であり、得られたポリアミド織編物は、その後、縫製して各種衣料用や、産業資材用製品とされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯成分がアルカリ易溶解性ポリマーであり、鞘成分がポリアミドであって、該芯成分の比率が芯成分と鞘成分の合計に対して20〜80重量%である芯鞘複合繊維からなる糸条を用いて織編物を形成後、80〜120℃の温度のアルカリ溶液を用いて該織編物を拡布状で処理して芯成分を溶出し、該芯鞘複合繊維を中空化することを特徴とするポリアミド織編物の製造方法。
【請求項2】
ジッガー染色機を用いて芯鞘複合繊維の芯成分を溶出することを特徴とする請求項1記載のポリアミド織編物の製造方法。
【請求項3】
ビーム染色機を用いて芯鞘複合繊維の芯成分を溶出することを特徴とする請求項1記載のポリアミド織編物の製造方法。
【請求項4】
芯成分溶出時のアルカリ溶液の液量(浴比)が、織編物重量に対し、1:8以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド織編物の製造方法。
【請求項5】
芯鞘複合繊維からなる糸条がマルチフィラメントである請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド織編物の製造方法。
【請求項6】
芯鞘複合繊維からなる糸条が延伸糸である請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド織編物の製造方法。

【公開番号】特開2006−322078(P2006−322078A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−143494(P2005−143494)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】