説明

ポリイミドフィルム製造装置及びポリイミドフィルムの製造方法

【課題】表面改質や、各種物性が付与されたポリイミドフィルムを生産性よく製造可能なポリイミドフィルム製造装置及びポリイミドフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリイミド前駆体溶液1を支持体3上にキャストされた流延物1aを乾燥して自己支持性フィルム1bを形成するキャスト炉4と、キャスト炉4を通過した自己支持性フィルム1bの両面又は片面に、有機溶液を塗布する有機溶液塗布装置11a(11b)及び有機溶液が塗布された自己支持性フィルムに熱風を吹き付けるドライヤー13a(13b)を備えたコータ炉5と、コータ炉5を通過した自己支持性フィルムを加熱してイミド化を完結するキュア炉6とを備えたポリイミドフィルム製造装置を用いてポリイミドフィルムを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミドフィルム製造装置及びポリイミドフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドフィルムは、高耐熱性、高電気絶縁性を有し、薄手のフィルムであっても取扱上必要な剛性や耐熱性や電気絶縁性が満たされる。このため、電気絶縁フィルム、断熱性フィルム、フレキシブル回路基板のベースフィルム等、産業分野において幅広く使用される。
【0003】
ポリイミドフィルムは、ポリアミック酸等のポリイミド前駆体溶液を支持体上にフィルム状に流延塗付し、これを加熱乾燥して、自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成し、自己支持性フィルムを加熱処理してイミド化を完結させて製造される。
【0004】
また、ポリイミドフィルムの表面改質や、耐熱性等の各種物性を付与させる目的で、例えば特許文献1に記載されるように、自己支持性フィルムの表面に有機溶液を塗布し、加熱乾燥して塗布した有機溶液の溶媒の一部または全部を除去した後、イミド化することが従来より行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−6542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自己支持性フィルムの表面に塗布した有機溶液の乾燥は、従来より、雰囲気温度を高温にした乾燥炉内を通過させて行っていた。
【0007】
しかしながら、従来の雰囲気温度を高温にした乾燥炉内を通過させて乾燥する方式では、乾燥効率が悪く、乾燥炉の炉長を長くする必要があったり、乾燥炉内の雰囲気温度をより高温にする必要があり、運転コストや設備コストが嵩む問題があった。
【0008】
本発明の目的は、表面改質や、各種物性が付与されたポリイミドフィルムを生産性よく製造可能なポリイミドフィルム製造装置及びポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
有機溶液を塗布した自己支持性フィルムに、熱風を吹き付けて乾燥すると、熱風によって、塗布された有機溶液が自己支持性フィルム上に流される、いわゆるはじきが生じると考えられた。しかし、本発明者らは、乾燥条件を鋭意検討したところ有機溶液を塗布した自己支持性フィルムに熱風を吹き付けても、予想外に有機溶液のはじきを生じることなく、かつ、短時間で塗布された有機溶液を乾燥できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のポリイミドフィルム製造装置は、
ポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストされた流延物を乾燥して、自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト炉と、
前記キャスト炉を通過した前記自己支持性フィルムの両面又は片面に、有機溶液を塗布する有機溶液塗布装置及び前記有機溶液が塗布された自己支持性フィルムに熱風を吹き付けるドライヤーを有するコータ炉と、
前記コータ炉を通過した自己支持性フィルムを加熱してイミド化を完結するキュア炉とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のポリイミドフィルム製造装置は、熱風を吹き出す前記ドライヤーの先端から前記自己支持性フィルムの表面までの距離(d)が10〜35mmであることが好ましい。
【0012】
本発明のポリイミドフィルム製造装置は、前記自己支持性フィルムの上面側に配設された上部ドライヤーと、前記自己支持性フィルムの下面側に配設された下部ドライヤーとの少なくとも一部が、対向して配置されていることが好ましい。
【0013】
本発明のポリイミドフィルム製造装置の前記ドライヤーは、水平面のヘッドに、複数の熱風噴射口が、前記自己支持性フィルムの進行方向に対して角度をつけて配列されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、上記ポリイミドフィルム製造装置を使用したポリイミドフィルムの製造方法であって、
ポリイミド前駆体溶液を支持体面上にキャストし、乾燥して、自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト工程と、
前記キャスト工程で得られた自己支持性フィルムの片面又は両面に有機溶液を塗布した後、前記自己支持性フィルムに塗布した前記有機溶液を乾燥して、前記自己支持性フィルムの表面を処理する表面処理工程と、
前記表面処理工程で得られた自己支持性フィルムを加熱してイミド化を完結するキュア工程とを含み、
前記表面処理工程において、前記有機溶液を塗布した自己支持性フィルムに対し、前記自己支持性フィルムの少なくとも一方の面に熱風を吹き付けて、前記自己支持性フィルムに塗布された前記有機溶液を乾燥することを特徴とする。
【0015】
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記表面処理工程において、自己支持性フィルムの一方の面に有機溶液を塗布した後、該自己支持性フィルムの両面に、熱風を同時に吹き付けて前記乾燥を行うことが好ましい。
【0016】
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記表面処理工程において、自己支持性フィルムの一方の面に有機溶液を塗布した後、前記自己支持性フィルムの、少なくとも前記有機溶液の塗布面に、熱風を吹き付けて前記乾燥を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、有機溶液を塗布した自己支持性フィルムに対し、自己支持性フィルムの少なくとも一方の面に熱風を吹き付けて、前記自己支持性フィルムに塗布された前記有機溶液を乾燥するので、短時間で有機溶液を乾燥することができる。また、従来の雰囲気温度を高温にした乾燥炉内を通過させて乾燥する方式に比べて、熱風温度を低くできるので、エネルギーの使用量を低減できランニングコストに優れる。また、乾燥設備を小型化できるので設備コストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のポリイミドフィルム製造装置の第1の実施形態の概略構成図である。
【図2】同ポリイミドフィルム製造装置に用いるコータ炉の概略構成図である。
【図3】(a)は乾燥装置の拡大図であって、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図4】本発明のポリイミドフィルム製造装置の第2の実施形態で用いるコータ炉の概略構成図である。
【図5】同コータ炉の乾燥装置の概略構成図である。
【図6】本発明のポリイミドフィルム製造装置の第3の実施形態で用いるコータ炉の概略構成図である。
【図7】同コータ炉の乾燥装置の概略構成図である。
【図8】実施例の各試験例で用いた乾燥装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のポリイミドフィルム製造装置の第1の実施形態について、図1を用いて説明する。
【0020】
図1に示すポリイミドフィルム製造装置は、ポリイミド前駆体溶液1を押し出すダイス2と、ダイス2の先端から押出しされたポリイミド前駆体溶液1をキャストする支持体3と、キャストされたポリイミド前駆体流延物1aを加熱乾燥して自己支持性フィルム1bを形成するキャスト炉4と、自己支持性フィルムに有機溶液を塗布して表面処理するコータ炉5と、コータ炉5を通過した表面処理された自己支持性フィルム1cを加熱処理してイミド化を完結してポリイミドフィルム1dを得るキュア炉6とを備えている。
【0021】
支持体3としては、特に限定は無く、金属ベルト、金属ドラム等を用いることができる。
【0022】
図2を合わせて参照すると、コータ炉5は、自己支持性フィルム1bの一方の面S1に有機溶液を塗布する第1の有機溶液塗布装置11a、第1の乾燥装置12a、自己支持性フィルム1bの他方の面S2に有機溶液を塗布する第2の有機溶液塗布装置11b、第2の乾燥装置12bが、自己支持性フィルム1bの進行方向Aに沿って順に並んで配置されている。
【0023】
乾燥装置12a(12b)には、自己支持性フィルム1bの上面及び下面からそれぞれ所定の間隔をおいて、自己支持性フィルム1bを介して対向する位置にドライヤー13a、13bが配設されている。すなわち、搬送されてくる自己支持性フィルム1bの上面及び下面に、熱風を同時に吹き付けることができる。なお、この実施形態では、ドライヤーは、自己支持性フィルム1bの上面及び下面に、それぞれ1個ずつ配設されているが、直列に2個以上配設してもよい。
【0024】
熱風を吹き出す前記ドライヤー13a(13b)の先端から、自己支持性フィルムの表面1bまでの距離(d)は10〜35mmであることが、乾燥状態の観点から好ましい。
【0025】
図3を合わせて参照すると、ドライヤー13a(13b)は、内部に熱風が送入される空間を有し、水平方向に配設された片面に複数の熱風噴射口が設けられたヘッド20を有している。熱風噴射口21は、自己支持性フィルム1bの進行方向Aに対して、角度θをつけて、好ましくは平行な多数の列をなして配列されている。角度θは1〜10°が好ましく、2〜5°がより好ましい。
【0026】
熱風噴射口21は、自己支持性フィルム1bの進行方向Aに対して、角度をつけて配置されていることにより、自己支持性フィルム1bの表面の温度分布を均一(幅方向に対する熱履歴の均一化)にでき、乾燥ムラが生じ難くなる。この原因については必ずしも明らかではないが、フィルム進行方向に対して噴出し穴に角度がない場合、吹き出し口に正対する位置に、連続して熱風が吹きつけられるため、フィルム幅方向に噴出し穴の配列ピッチで温度分布が発生するが、噴出し口に角度をつけることにより、フィルムが進行するにつれ吹き出し口の位置が、フィルム幅方向に順次移動していくのと同じ効果があり温度分布が均一化するものと推定される。
【0027】
熱風噴射口21の形状について、特に制限はないが、典型的には丸孔や四角孔などが挙げられる。
【0028】
次に、上記ポリイミドフィルム製造装置を用いた場合を例に挙げて、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
【0029】
[キャスト工程]
ポリイミド前駆体溶液1をダイス2の先端から押出し、支持体3上にキャストして、フィルム状のポリイミド前駆体流延物1aを形成する。
【0030】
ポリイミド前駆体溶液であるポリアミック酸溶液は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを公知の方法で反応させて得ることができる。例えば、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、ポリイミドの製造に通常使用される有機溶媒中で重合して製造することができる。
【0031】
上記テトラカルボン酸成分としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0032】
上記ジアミン成分としては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン等を挙げることができる。具体例としては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−トリジン、p−トリジン、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
【0033】
テトラカルボン酸成分とジアミン成分との組み合わせの一例としては、以下の1)〜3)が、機械的特性、耐熱性の観点より挙げられる。
【0034】
1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミン、又はp−フェニレンジアミン及び4,4−ジアミノジフェニルエ−テル(例えば、PPD/DADE(モル比)は100/0〜85/15であることが好ましい。)との組み合わせ。
2)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物(例えば、s−BPDA/PMDA(モル比)は0/100〜90/10であることが好ましい)と、p−フェニレンジアミン、又はp−フェニレンジアミン及び4,4−ジアミノジフェニルエ−テル(例えば、PPD/DADE(モル比)は90/10〜10/90であることが好ましい。)との組み合わせ。
3)ピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミン及び4,4−ジアミノジフェニルエ−テル(例えば、PPD/DADE(モル比)は90/10〜10/90であることが好ましい。)との組み合わせ。
【0035】
上記有機溶媒としては、公知の溶媒を用いることができ、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
ポリイミド前駆体溶液を熱イミド化によりイミド化を完結させる場合、ポリアミック酸溶液には、イミド化触媒、有機リン含有化合物、無機微粒子等を必要に応じて加えてもよい。
【0037】
ポリイミド前駆体溶液を化学イミド化によりイミド化を完結させる場合、ポリアミック酸溶液には、環化触媒、脱水剤、無機微粒子等を必要に応じて加えてもよい。
【0038】
上記イミド化触媒としては、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物、該含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられる。
【0039】
上記環化触媒としては、脂肪族第3級アミン、芳香族第3級アミン、複素環第3級アミン等が挙げられる。
【0040】
上記脱水剤としては、脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸無水物等が挙げられる。
【0041】
上記無機微粒子としては、微粒子状の二酸化チタン粉末、二酸化ケイ素(シリカ)粉末、酸化マグネシウム粉末、酸化アルミニウム(アルミナ)粉末、酸化亜鉛粉末等の無機酸化物粉末、微粒子状の窒化ケイ素粉末、窒化チタン粉末等の無機窒化物粉末、炭化ケイ素粉末等の無機炭化物粉末、および微粒子状の炭酸カルシウム粉末、硫酸カルシウム粉末、硫酸バリウム粉末等の無機塩粉末を挙げることができる。これらの無機微粒子は二種以上を組合せて使用してもよい。これらの無機微粒子を均一に分散させるために、それ自体公知の手段を適用することができる。
【0042】
有機微粒子としては、ポリイミド粒子、架橋された樹脂粒子等を挙げることができる。
【0043】
ポリイミド前駆体溶液の固形分濃度(ポリマー成分)は、流延によるフィルム製造に適した粘度範囲となる濃度であれば特に限定されない。10質量%〜30質量%が好ましく、15質量%〜27質量%がより好ましく、16質量%〜24質量%がさらに好ましい。
【0044】
ポリイミド前駆体流延物1aをキャスト炉4に導入して加熱乾燥して自己支持性を有する自己支持性フィルム1bを形成する。
【0045】
ここで、自己支持性を有するとは、支持体3から剥離することができる程度の強度を有する状態を意味する。
【0046】
自己支持性フィルム1bを形成するための乾燥条件(加熱条件)は、特に限定はないが、熱イミド化では温度100〜180℃で、2〜60分間程度加熱することで製造できる。
【0047】
自己支持性フィルム1bは、支持体3から剥離することができる程度にまで溶媒が除去され、及び/又はイミド化されていればよい。熱イミド化では、その加熱減量が20〜50質量%となるように行うことが好ましい。加熱減量が20〜50質量%の範囲にあれば自己支持性フィルムの力学的性質が十分となる。
【0048】
ここで、自己支持性フィルム1bの加熱減量とは、自己支持性フィルムの質量W1とキュア後のフィルムの質量W2とから次式によって求めた値である。
加熱減量(質量%)={(W1−W2)/W1}×100
【0049】
キャスト炉4を通過した自己支持性フィルム1bを、支持体3から剥離して、コータ炉5へ送り、表面処理工程を行う。自己支持性フィルム1bの支持体3からの剥離方法としては特に限定はなく、自己支持性フィルム1bを冷却し、ロールを介して張力を与えて剥離する方法等が挙げられる。
【0050】
[表面処理工程]
表面処理工程では、自己支持性フィルム1bの片面又は両面に有機溶液を塗布した後、塗布した有機溶液を乾燥して、自己支持性フィルムの表面を処理する。
【0051】
自己支持性フィルムに塗布する有機溶液としては、フィルムの表面改質等、塗布する目的に応じて適宜選択して用いることができる。
【0052】
例えば、(1)有機溶媒のみ、(2)表面処理剤を含有する有機溶媒、(3)無機微粒子を含有する有機溶媒、(4)表面処理剤と無機微粒子とを含有する有機溶媒、(5)ポリアミック酸等のポリイミド前駆体溶液のみ、(6)表面処理剤を含有するポリアミック酸等のポリイミド前駆体溶液、(7)無機微粒子を含有するポリアミック酸等のポリイミド前駆体溶液、(8)表面処理剤と無機微粒子とを含有するポリアミック酸等のポリイミド前駆体溶液、(9)ポリイミド粒子などの有機微粒子、(10)有機微粒子を含有するポリアミック酸等のポリイミド前駆体溶液、(11)表面処理剤と有機微粒子を含有するポリアミック酸等のポリイミド前駆体溶液等を挙げることができる。
【0053】
上記有機溶液としては、上記したポリイミド前駆体溶液に用いる有機溶媒の他に、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系或いは脂環系炭化水素類、エーテル類等の有機溶媒を挙げることが出来、これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、水が少量含有しても良い。ポリイミド前駆体溶液の有機溶媒と同じものが特に好ましい。
【0054】
上記表面処理剤としては、シランカップリング剤、ボランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、アルミニウム系キレート剤、チタネート系カップリング剤、鉄カップリング剤、銅カップリング剤等の各種カップリング剤やキレート剤等の接着性や密着性を向上させる処理剤を挙げることが出来る。使用目的に応じて適宜選択できる。特に表面処理剤としては、シランカップリング剤を用いる場合に、接着性向上等の優れた効果が得られる。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤等より選ばれる少なくとも1成分を用いることができる。なかでも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(アミノカルボニル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−[β−(フェニルアミノ)−エチル]−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤が好ましい。また、加水分解しやすいので、アルコキシ基としてメトキシ基を含むシランカップリング剤が好ましい。特に好ましくは、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランである。
【0055】
上記無機微粒子としては、上記したポリイミド前駆体溶液に用いる無機微粒子と同様のものを、使用目的に応じて適宜選択できる。
【0056】
図2を合わせて参照すると、搬送ローラ15により、一定の張力がかけられながら搬送される自己支持性フィルム1bの面S1に、第1の有機溶液塗布装置11aから有機溶液が塗布される。
【0057】
自己支持性フィルム1bへの有機溶液の塗布は、特に限定は無く、均一に塗布できればよい。例えば、グラビアコート法、スピンコート法、シルクスクリーン法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法を用いて行うことができる。有機溶液の塗布量は、使用する目的に応じて適宜選択することができる。
【0058】
面S1に有機溶液が塗布された自己支持性フィルム1b1は、第1の乾燥装置12aに搬送され、ここで面S1に塗布された有機溶液の乾燥処理が行われる。
【0059】
本発明では、有機溶液の乾燥処理は、自己支持性フィルム1b1の少なくとも一方の面に熱風を吹き付けて行う。ドライヤー13a又はドライヤー13bのいずれか一方から熱風を噴出して、自己支持性フィルム1b1の上面又は下面のいずれか一方のみに熱風を吹き付けて乾燥してもよいが、ドライヤー13a及びドライヤー13bの両方から熱風を噴出して、乾燥装置12aに搬送されてくる自己支持性フィルム1b1の上面及び下面に、熱風を同時に吹き付けて乾燥することが好ましい。自己支持性フィルム1b1の上面及び下面に熱風を同時に吹き付けて乾燥処理を行うことで、自己支持性フィルム1b1の表面温度を速やかに昇温でき、より短時間で効率よく有機溶液を乾燥できる。このため、乾燥装置12aの炉長をより短くできる。また、自己支持性フィルム1b1の表面に塗布された有機溶液を乾燥する際に、自己支持性フィルム1b1の一部が蒸発して収縮することがあり、搬送ローラ等で支持しながら乾燥装置内を搬送した場合、乾燥時の収縮によって、ローラ当接面に微細な傷等が生じることがあるが、自己支持性フィルム1b1の上面及び下面に熱風を同時に吹き付けることにより、自己支持性フィルム1b1が、熱風によってバタつきなく浮揚した状態で搬送されるので、搬送ローラ等で支持しなくても乾燥装置内を搬送でき、表面状態の良好なポリイミドフィルムが得られ易くなる。
【0060】
自己支持性フィルム1bに吹き付ける熱風の温度は、30〜150℃が好ましく、40〜120℃がより好ましい。熱風温度は、150℃以上でも問題は無いが、本発明の方法によれば、熱風温度が低くても、短時間で十分に有機溶液を乾燥できるので、エネルギーを無駄に消費することとなる。30℃未満であると、有機溶液の乾燥に時間を要したり、乾燥ムラが生じることがある。
【0061】
ドライヤーから自己支持性フィルム1bに吹き付けられる熱風のガス流量やガス流速は適宜調整されるが、例えば、ガス流速は、2〜20Nm/m・minであり、ガス流速は、噴射面の面積あたりに換算して0.2〜5m/secである。
【0062】
第1の有機溶液塗布装置11aから搬出した自己支持性フィルム1b2は、搬送ローラ15により一定の張力をかけながら搬送され、第2の有機溶液塗布装置11bから自己支持性フィルム1bの面S2に有機溶液が塗布される。そして、面S2に有機溶液が塗布された自己支持性フィルム1b3は、第2の乾燥装置12bに搬送されて、第1の乾燥装置12aと同様に、自己支持性フィルム1b3の少なくとも一方の面に熱風を吹き付けて、面S2に塗布された有機溶液の乾燥処理が行われる。
【0063】
第2の乾燥装置12bから搬出された、表面処理された自己支持性フィルム1cは、キュア炉6へ送り、キュア工程を行う。
【0064】
[キュア工程]
キュア工程では、コータ炉5にて表面処理された自己支持性フィルム1cを、キュア炉6に導入し、加熱処理して溶媒除去とイミド化を完結させて、ポリイミドフィルム1dを得る。
【0065】
自己支持性フィルム1cの加熱方法としては、公知の方法を用いることが出来る。加熱方法の一例として、最初に約100℃〜400℃の温度においてポリマーのイミド化および溶媒の蒸発・除去を約0.05〜5時間、特に0.1〜3時間で徐々に行うことが適当である。特に、この加熱方法は段階的に、約100℃〜約170℃の比較的低い温度で約0.5〜30分間第一次加熱処理し、次いで170℃〜220℃の温度で約0.5〜30分間第二次加熱処理して、その後、220℃〜400℃の高温で約0.5〜30分間第三次加熱処理することが好ましい。必要であれば、400℃〜550℃、好ましくは450〜520℃の高い温度で第四次高温加熱処理してもよい。
【0066】
イミド化完結のための加熱処理の際、キュア炉6中においては、ピンテンタ、クリップ、枠等で、少なくとも長尺の固化フィルムの長手方向に直角の方向、すなわちフィルムの幅方向の両端縁を固定し、必要に応じて幅方向、又は長さ方向に拡縮して加熱処理を行っても良い。
【0067】
キュア工程を終えた後のポリイミドフィルム1dは、巻き取り装置等でロール状に巻き取っても良い。
【0068】
本発明によれば、有機溶液を塗布した自己支持性フィルムに対し、自己支持性フィルムの少なくとも一方の面に熱風を吹き付けるので、自己支持性フィルムの表面温度が速やかに昇温して、塗布された有機溶液を短時間で乾燥できる。特に自己支持性フィルムの上面及び下面に熱風を同時に吹き付けて乾燥処理することで、より短時間で効率よく有機溶液を乾燥できる。このため、乾燥装置12aの炉長をより短くでき、設備コストが低減される。また、従来の雰囲気温度を高温にした乾燥炉内を通過させて乾燥する方式に比べて、熱風温度を低くできるので、エネルギーの使用量を低減でき、ランニングコストに優れる。更には、自己支持性フィルム1b1を、熱風によってバタつきなく浮揚した状態で搬送できるので、搬送ローラ等で支持しなくても乾燥装置内を搬送でき、表面状態の良好なポリイミドフィルムが得られ易くなる。特に、自己支持性フィルムの同一位置に対して両面から乾燥気流を押し当てる形態(上部ドライヤー13aと、自己支持性フィルムの下面側に配設された下部ドライヤー13bとの少なくとも一部が、対向して配置されている)では、自己支持性フィルムの搬送をよりスムーズに行うことができる。
【0069】
なお、表面処理工程では、自己支持性フィルムの一方の面に有機溶液を塗布した後、自己支持性フィルムの、少なくとも有機溶液の塗布面の反対面に配設されたドライヤーから熱風を吹き付けて乾燥してもよい。
【0070】
また、表面処理工程では、自己支持性フィルムの一方の面に第1の有機溶液を塗布した後、自己支持性フィルムの、少なくとも第1の有機溶液の塗布面の反対面に配設されたドライヤーから熱風を吹き付け、次いで、自己支持性フィルムの、第1の有機溶液が塗布されていない他方の面に第2の有機溶液を塗布し、自己支持性フィルムの、少なくとも第2の有機溶液の塗布面の反対面に配設されたドライヤーから熱風を吹き付けて乾燥を行ってもよい。
【0071】
本発明により得られるポリイミドフィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、3〜100μmが好ましく、5〜75μmがより好ましい。本発明により得られるポリイミドフィルムは、プリント配線板、フレキシブルプリント基板、TAB用テープ、COF用テープ、ICチップ等のチップ部材等のカバー基材、液晶ディスプレー、有機エレクトロルミネッセンスディスプレー、電子ペーパー、太陽電池等のベース基材やカバー基材等の電子部品や電子機器類の素材として用いることができる。
【0072】
本発明のポリイミドフィルム製造装置の第二の実施形態について、図4を用いて説明する。
【0073】
このポリイミドフィルム製造装置は、コータ炉5aが、自己支持性フィルム1bの一方の面S1に有機溶液を塗布する第1の有機溶液塗布装置11a、第1の乾燥装置22a、自己支持性フィルム1bの他方の面S2に有機溶液を塗布する第2の有機溶液塗布装置11b、第2の乾燥装置22bが、自己支持性フィルム1bの進行方向Aに沿って順に並んで配置されている。
【0074】
乾燥装置22a(22b)には、自己支持性フィルム1bの進行方向Aに沿って、有機溶液の塗布面の反対側、有機溶液の塗布面側の順に、ドライヤー23a,23bが配置されている。ドライヤー23a,23bは、図5に示すように、ドライヤー23aの先端側の一部と、ドライヤー23bの基端側の一部が、自己支持性フィルムを介して対向していてもよい。
【0075】
本発明のポリイミドフィルム製造装置の第三の実施形態について、図6を用いて説明する。
【0076】
このポリイミドフィルム製造装置は、コータ炉5aが、自己支持性フィルム1bの一方の面S1に有機溶液を塗布する第1の有機溶液塗布装置11a、第1の乾燥装置32a、自己支持性フィルム1bの他方の面S2に有機溶液を塗布する第2の有機溶液塗布装置11b、第2の乾燥装置32bが、自己支持性フィルム1bの進行方向Aに沿って順に並んで配置されている。
【0077】
乾燥装置32a(32b)には、自己支持性フィルム1bの進行方向Aに沿って、有機溶液の塗布面側、有機溶液の塗布面の反対側の順に、ドライヤー33,33が交互に配置されている。ドライヤー33a,33bは、図7に示すように、ドライヤー33aの先端側の一部と、ドライヤー33bの基端側の一部が、自己支持性フィルムを介して対向していてもよい。
【実施例】
【0078】
(実施例)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを反応させて、ポリアミック酸溶液(N,N−ジメチルアセトアミド18質量%)を調製した。得られたポリアミック酸溶液に、シリカフィラ−(平均粒径:0.08μm、日産化学社製「ST−ZL」)をモノマ−濃度に対して0.5%となるように添加してポリイミド前駆体溶液を調製した。得られたポリイミド前駆体溶液を、乾燥後のフィルム厚みが12.5μmとなるようにステンレス基板上に流延して120℃の熱風で乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムの片面(面S1)に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンから得られるN、N−ジメチルアセトアミドの5質量%と、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランの3質量%とを含む有機溶液を7g/mの塗布量で塗布し、表1に示す条件で乾燥処理を行い、乾燥状態及び乾燥痕の有無を評価した。乾燥状態は、指触してタックが残らないものを良好とした。また、乾燥痕の有無は、フィルムの表面状態を目視観察し、表面凹凸による色ムラがあるものを乾燥痕有りと評価し、色ムラの無いものを乾燥痕無しと評価した。結果を表1に記す。
【0079】
(比較例)
乾燥処理を雰囲気温度が90℃となった熱風の吹き付けのないボックス内で乾燥処理を行った以外は実施例と同様の操作を行った。結果を表1に記す。
【0080】
【表1】

【0081】
図8(a)は、自己支持性フィルム1b1を介して、ドライヤー51,52が対向して配置された乾燥器であり、図8(b)、(c)は、ドライヤー51,52が、進行方向Aに沿って、有機溶液の塗布面の反対側(面S2側)、有機溶液の塗布面側(面S1側)の順に配置された乾燥器であって、図8(b)は、ドライヤー51の先端側の一部と、ドライヤーの基端側の一部が、自己支持性フィルムを介して対向して配設されている。
【0082】
有機溶液が塗布された自己支持性フィルムに熱風を吹き付けて乾燥することで、短時間で乾燥できた。なかでも、自己支持性フィルムの両面に、熱風を同時に吹き付けて乾燥する(実施例1と実施例2)ことで、フィルム温度が50℃以下でも、乾燥状態は良好であった。更には、乾燥痕がなく、表面状態が極めて良好であった。また、実施例3〜7では、乾燥痕が僅かに見られたが、実用上問題無いレベルであった。
【符号の説明】
【0083】
1:ポリイミド前駆体溶液
1a:ポリイミド前駆体流延物
1b:自己支持性フィルム
1d:ポリイミドフィルム
2:ダイス
3:支持体
4:キャスト炉
5:コータ炉
6:キュア炉
11a、11b:有機溶液塗布装置
12a、12b、22a、22b、32a,32b:乾燥装置
13a、13b、23a,23b,33a,33b:ドライヤー
15:搬送ローラ
20:ヘッド
21:熱風噴射口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストされた流延物を乾燥して、自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト炉と、
前記キャスト炉を通過した前記自己支持性フィルムの両面又は片面に、有機溶液を塗布する有機溶液塗布装置及び前記有機溶液が塗布された自己支持性フィルムに熱風を吹き付けるドライヤーを有するコータ炉と、
前記コータ炉を通過した自己支持性フィルムを加熱してイミド化を完結するキュア炉とを備えたことを特徴とするポリイミドフィルム製造装置。
【請求項2】
熱風を吹き出す前記ドライヤーの先端から前記自己支持性フィルムの表面までの距離(d)が10〜35mmである、請求項1に記載のポリイミドフィルム製造装置。
【請求項3】
前記自己支持性フィルムの上面側に配設された上部ドライヤーと、前記自己支持性フィルムの下面側に配設された下部ドライヤーとの少なくとも一部が、対向して配置されている、請求項1又は2に記載のポリイミドフィルム製造装置。
【請求項4】
前記ドライヤーは、水平面のヘッドに、複数の熱風噴射口が、前記自己支持性フィルムの進行方向に対して角度をつけて配列されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム製造装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載のポリイミドフィルム製造装置を使用したポリイミドフィルムの製造方法であって、
ポリイミド前駆体溶液を支持体面上にキャストし、乾燥して、自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト工程と、
前記キャスト工程で得られた自己支持性フィルムの片面又は両面に有機溶液を塗布した後、前記自己支持性フィルムに塗布した前記有機溶液を乾燥して、前記自己支持性フィルムの表面を処理する表面処理工程と、
前記表面処理工程で得られた自己支持性フィルムを加熱してイミド化を完結するキュア工程とを含み、
前記表面処理工程において、前記有機溶液を塗布した自己支持性フィルムに対し、前記自己支持性フィルムの少なくとも一方の面に熱風を吹き付けて、前記自己支持性フィルムに塗布された前記有機溶液を乾燥することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項6】
前記表面処理工程において、自己支持性フィルムの一方の面に有機溶液を塗布した後、該自己支持性フィルムの両面に、熱風を同時に吹き付けて前記乾燥を行う、請求項5に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項7】
前記表面処理工程において、自己支持性フィルムの一方の面に有機溶液を塗布した後、前記自己支持性フィルムの、少なくとも前記有機溶液の塗布面に、熱風を吹き付けて前記乾燥を行う、請求項5に記載のポリイミドフィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−200995(P2012−200995A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67638(P2011−67638)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】