説明

ポリウレタンフォーム

イソシアネート変性ポリオール及びフォーム形成材の混合物からポリウレタンフォームを製造する方法であって、前記イソシアネート変性ポリオールは、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成され、前記イソシネート変性ポリオールは、有効OH基を有する非発泡のポリオールポリマーであり、前記フォーム形成材は、少なくとも多官能性イソシアネート及び好ましくは水からなる発泡剤からなり、i)前記イソシアネート変性ポリオールを生成するための前記少なくとも1種のポリオールが、PUゲル化触媒の存在下で、前記イソシアネートとの反応を経た少なくとも1種の脂質系ポリオールからなること、及び/または、ii)前記イソシアネート変性ポリオールが、発泡の前に、または発泡と同時に、脂質系ポリオールと混合されることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、脂質系ポリオールから生成したポリウレタン(PU)フォームに関するものであり、硬質フォーム、半軟質/半硬質フォーム及びミクロセルフォームも想定しているが、特に軟質PUフォームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォーム(例えば、軟質PUフォーム)の生産方法は、この分野で知られており、例えば、カールハンサー出版が発行するプラスチックマニュアル、第7巻、ポリウレタン、ベッカー/ブラウン著、第2版(the Plastics Manual, Volume 7, Polyurethanes, Becker/Braun, 2nd edition, published by Carl Hanser Verlag)の第170〜235ページに記載されている。
【0003】
従来、PUフォーム(例えば、軟質PUフォーム、半軟質PUフォーム及び硬質PUフォーム)は、ポリオールと多官能性イソシアネートとの反応によって生成され、そして、フォーム内にセル空間を形成するには、他の揮発性で無反応の溶媒およびガス、例えばアセトン、ペンタンおよび注入二酸化炭素および機械的な泡立てが用いられるが、NCO基およびOH基が付加反応によってウレタン結合を形成し、ポリウレタンが、通常、イソシアネートと水との反応によりその場で生成された二酸化炭素を含んで発泡する。
【0004】
この従来のプロセスは、ポリオール、イソシアネートと水および/または溶媒を、触媒及びその他の添加剤と一緒に混合する、いわゆる「ワンショット」プロセスとして実施され、この同じステップでポリウレタンを形成し、かつ発泡させる。このプロセスは、最終製品の密度やその他の特性を達成するように大気圧を増加または減少させた条件下で実施することができる。
【0005】
しかしながら、2つのステップのプロセスを用いることも知られている。第1のステップで、ポリオールをイソシアネートと反応させて、いわゆる「イソシアネート変性ポリオール」を与え、これを、第2のステップで、不活性溶媒または不活性ガスの有無にかかわらず、イソシアネートと水との反応により発泡させて、二酸化炭素を製造する。
【0006】
天然油系ポリオール(NOP)等の脂質系ポリオールからウレタンフォーム(マイクロセル、硬質、半軟質/半硬質および軟質の)を生成することが望ましい。現時点では、この出願の出願日において、ウレタン・フォームレーション(Urethane formulations)に添加するNOPの最大量は制限されている。NOPを使用できる可能性が最も高い一つの例として、いわゆる従来の軟質スラブ材市場では、最大で原油系ポリオールの約22%(php)しか、NOPで置換することができない。これより添加量を高くすることは理論的には可能かもしれないが、従来の軟質フォームを30php添加した場合ですら、需要者が使用できる良好な物理特性(良好な圧縮ひずみ、フルライズ後の低いフォーム定着、良好な発泡操作および操作安全性、良好なフォーム安定性、弾性およびボールリバウンドを含む良好な手の感触、良好な弛み(支持率)、良好な難燃性、低いヒステリシス損失、並びに良好なフォーム硬度等)を十分に有する材料を得ることができない。HR(高硬質)フォームのフォームレーションで許容されるNOP含有量の限度は、5phpと低いが一般的に約10phpとすることができる。ここで一般的に述べられている上記添加量の他に、受け入れられない欠陥、例えば内部欠陥または「割れ(splits)」、さらにフォームを破壊するポケットも、材料中に表れる。そして、この欠陥は、まさに材料の損失または廃棄のみへの適合を引き起こす不安定性の指標となり得る。このようなNOP含有量の制限は、例えばWO2009/026424のリノソールの実施例に見られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ウレタン・フォームレーションにこれらのNOP材料を添加することは、2つの主要な理由から複雑である。第1は、NOPが、まさにその構造によって、そのチェーンに、標準的な石油系のウレタン原料に比べて、酸素結合(エーテルまたはエステル)が含まれていないような疎水性であるということである。このようなNOPは、容易に混合しないため、他の成分と容易に反応せず、さらにウレタン・フォームレーション中に存在するが、それはNOPを導入する以前に開発されている。
【0008】
第2の問題は、二重結合、多官能性アルコールとのエステル交換反応、またはラジカル開裂/酸化を利用してNOP中にOH基を発生することである。これらは全て、標準的な石油(原油)由来のポリオールの場合のチェーンの末端に配置されるのではなく、天然油の炭素チェーンに沿って特定の場所に分布して、立体障害型の水酸基を与える傾向がある。NOPの水酸基は、天然であるため、従来の(またはアルキレンオキシ)系のポリオールより反応性が低い。
【0009】
また、天然油系ポリオールを含むフォームの匂い(smell)は、「フレンチフライ」または「フリーダムフライ」(ホット食用油)の臭気が指摘されているため、問題になる可能性がある。この臭気は、元の天然油系ポリオールの製造プロセス内またはその製造プロセスに由来し、規制はされていないが、ヘキサナール、ノナナール、デカナール、および他のアルデヒド、および/またはケトン、およびカルボン酸および他の誘導体等の材料が存在する結果であると考えられている。そして、この臭気は、回避、減少または除去するのが好ましい。これら材料および他の臭気物質の臭気の影響は、本発明による「前処理」の中で、天然油系のポリオールがイソシアネート変性ポリオールに変換される段階で軽減または排除される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様によれば、イソシアネート変性ポリオール(isocyanate modified polyol)(例えばプレポリマー(prepolymer))及びフォーム形成材(foam−forming ingredients)の混合物からポリウレタンフォーム(polyurethane foam)(PU)、好ましくは軟質PUフォームを製造する方法が提供される。イソシアネート変性ポリオールは、少なくとも1種のポリオール(polyol)と少なくとも1種の多官能性イソシアネート(multifunctional isocyanate)との反応によって生成される。イソシアネート変性ポリオールは、有効OH基を有する非発泡のポリオールポリマー(non−foamed polyol polymer)である。フォーム形成材は、少なくとも多官能性イソシアネート及び好ましくは水(water)からなる発泡剤(foaming agent)からなる。そして、本発明は、i)イソシアネート変性ポリオールを生成するための少なくとも1種のポリオールは、PUゲル化触媒(PUゲル化触媒)の存在下で、イソシアネート(isocyanate)との反応を経た少なくとも1種の脂質系ポリオール(脂質系ポリオール)からなること、及び/または、ii)イソシアネート変性ポリオールは、発泡(foaming)の前に、または発泡と同時に、脂質系ポリオールと混合されることを特徴としている。
【0011】
本発明の外の態様によれば、上記方法により形成されたフォーム製品が提供される。
【0012】
さらに他の実施形態では、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成された(好ましくは軟質の)ポリウレタンフォームの生産に使用する貯蔵安定な(storage stable)イソシアネート変性ポリオール(例えば、プレポリマー)が提供される。イソシアネートの割合は、ポリオールの全ての有効水酸基との反応に要するイソシアネートの理論量に対して、0.01重量%(好ましくは0.05重量%、最も好ましくは0.1重量%)乃至70重量%、好ましくは60重量%であり、好ましくは50重量%であり、好ましくは33重量%であり、最も好ましくは30重量%である。イソシアネート変性ポリオールは、その外のイソシアネートと反応できる水酸基を有している。そして、イソシアネート変性ポリオールを生成するための少なくとも1種のポリオールは、好ましくはPUゲル化触媒の存在下で、イソシアネートとの反応を経た脂質系ポリオールからなる。
【0013】
また、PUフォームの製造に用いるポリマー変性ポリオール(polymer modified polyol)の製造方法も提供される。この製造方法は、キャリアポリオール(carrier polyol)を要する。そして、このキャリアポリオールは、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成したイソシアネート変性ポリオール(例えば、プレポリマー)である。イソシアネート変性ポリオールは、有効OH基を有する非発泡のポリオールのイソシアネート変性ポリオールである。フォーム形成材は、少なくとも多官能性イソシアネート及び水からなる。そして、本発明は、i)前記イソシアネート変性ポリオールを生成するための少なくとも1種のポリオールが、PUゲル化触媒の存在下で、イソシアネートとの反応を経た脂質系ポリオールからなること、及び/または、ii)イソシアネート変性ポリオールが、発泡の前に、または発泡と同時に、脂質系ポリオールと混合されることを特徴としている。
【0014】
本明細書で用いる場合、PUゲル化触媒は、PUの製造、特にPUフォーム、とりわけ軟質ポリウレタンフォームの製造においてウレタン結合の形成で水酸基とイソシアネート基との間で発生する触媒的な付加反応に有用な物質を意味する。このような触媒は、この分野で周知であり、このような触媒の多くは、PUの製造に広く使用することができる。適当な触媒は、本明細書中でさらに述べるように、金属塩、有機金属物質、または有機化合物である。
【0015】
本発明は、NOP(及び他の脂質系ポリオール)の反応特性及び反応力学を発泡反応混合物中に存在する石油由来ポリオールの特性に、より似たものにすることを提案する全てのNOPの特徴的な疎水性が低くなり、NOPの反応性は、存在する石油化学のポリオールの応性により似たものになる。その結果、標準ポリオールに比べて、立体障害および疎水性の性質によって、比較的遅く反応するNOPに代わって、NOP及び標準ポリオールが、最終的な、材料成形、ウレタン反応によって形成されたマクロ高分子チェーン全体にわたってより均等に分布することにより、有害な可塑化効果、安定性効果、及び物理的特性の効果、とりわけ材料の硬度の引張断裂伸長及び圧縮永久ひずみの特性に与える影響を避けているものと発明者は信じている。有害な物理的特性の効果は、主に石油系のポリオールの比較的初期の反応によって構成されたマクロポリマーが、その後、NOPの遅い反応による遅れのためにポリウレタン(polyurethane)とNOPの反応によって形成されたマクロポリマーチェーンによってその外側表面に主にコーティングされたときに、マクロポリマーチェーン中に生じるものと発明者は考える。これは、とりわけ、比較的低い水酸化物の官能性を有するNOPに、例えば、従来のスラブ材(slab stock)のフォームを製造する過程でNOPを混合することができる殆どの原油系ポリオールに共通する3の官能性とは全く異なる公表された1.5の官能性を備えている本発明の一部である中果皮起源のパーム油系ポリオール(palm oil based polyol)に作用すると考えられている。
【0016】
本発明のメカニズムの1つとして考えられる説明としては、ポリマーの分子を結合し、かつ、極めて容易に反応可能なOH基を有する化学種を作り出すことにより、NOP(または他の脂質系ポリオール)とイソシアネートとのプレ反応が、製品の反応性を実際に増加させるということが言える。PUゲル化触媒(好ましくは金属酸塩、または有機金属触媒)の添加はは、特に存在する低分子量オリゴマーの立体障害基が生成する方向に反応を促進し、優先的に反応する。これは、さらに材料の平均的な、全体的な反応性を増加させる。当業者は、過去においてこれまで、このステップを採用して、有害な物質の反応性(あるいは加工性およびその結果である物理的特性)を理論的にさらに削減することまでは思いつかなかった。また、リシノール塩の使用は、特に、低分子量化合物をトラップしたり、それらと反応することができる特殊な合成物を作り出すことができる。好適な触媒は、化学式がM(O.CO.R.CHの触媒のような、金属−炭素結合を有する有機酸の金属塩(例えばカルシウムまたはナトリウム塩)を含んでいる。化学式中で、Mは金属(好ましくは錫または亜鉛)であり、Rは、モノヒドロキシ脂肪酸、例えばリシノール酸(ricinoleic acid)のような炭素チェーンである。好ましくは、例えば、少なくとも6個の炭素原子、より好ましくは6〜20個の炭素原子が使用されている。最も好ましくは、少なくとも12個の炭素原子が、例えば12〜20個の炭素原子がチェーン内に存在している。代替に好適な触媒には、第一スズジラウレート、第一スズジパルミテート、第一スズジステアレート、第一スズジオレート、亜鉛ジネオデカノエート、及びビスマストリネオデカノエートが含まれている。触媒の量は、もっと多い量を使用してもよいが、以下にさらに詳細に述べるように、少なくとも0.001mモル/100gポリオール、好ましくは0.001〜0.1mモル/100gのポリオールである。
【0017】
NOPは、通常、主なポリウレタン重合反応の進行に応じて異なる反応速度で反応する異なる分子量からなる大きく、広い分布を持っている。したがって、NOPの分子量の釣鐘曲線の分布は、毎年設計されている石油系ポリオールのタイトな高釣鐘曲線と比較すると、ポリオール成分で通常許容されるよりもはるかに平坦で低くなっている(1994年にハンサー発行のポリウレタンハンドブック、第2版、第57頁、並びに引用文献29及び30を参照)。WO2006/116456のアブラハム等は、オリゴマーの35%が四量体またはそれより高く、5乃至10%が三量体であり、かつ、二量体が8乃至12%に制限されている場合に、NOPが低い添加量で成功する可能性が高いと説明している。だが、これは依然として、生成反応の異なる段階とタイミングで反応する異なる分子量の異なるNOPのオリゴマーを誘発する。これは、困難なを与え、しかも特性が、釣り合いの取れた中程度のNOP材料NOP材料の含有量が適切な場合の形成の特徴が特性である完成コーティング、接着剤、またはフォーム中に劣った物理的特性を与える多量の短チェーンポリマーが作られる結果をを与える。
【0018】
本発明は、特に、モノマー及び二量体のオリゴマーのNOPからなる短チェーンのトリグリセリドを、より高い分子量のポリマーに、優先的に反応させる。これらの、最も望ましくないオリゴマーは、優先的に反応される。なぜならば、それらは、イソシアネートに対して自然により反応し易く、しかも最も好ましく「クリーンアップ」されているからである。付加的なチェーン延長反応は、また、低分子量のオリゴマーまたは高分子量の化学種のいずれかとの反応を経て、トリ種に誘導される他のオリゴマーのクラスとテトラ種等に誘導される他のオリゴマーのクラスとの間で行われる。反応が急激になると、NOPのオリゴマー種の釣鐘曲線分布がタイトになる。したがって、フォームを生成するための製造段階前におけるこのマクロ分子のフォーメーションは、本発明に記載されているように、NOPの「プレ反応」または「前処理」無しの含有物と比べて、高い硬度、優れた加工性、および優れた物理特性を与える。
【0019】
ポリオール成分の全体(NOP及び石油化学由来のポリオール)が本発明の対象であり、そして製品製造時のNOPの可塑性作用がさらに小さくなるときは、NOP成分の混和性、マクロ分子のサイズ、及び製造された材料の物理的特性は、さらに最大限に向上する。その結果、本発明に係るポリウレタンの脂質系ポリオール含有量は、以下さらに述べるように、最大100%(総ポリオール含有量に対する重量換算で)にすることができ、少なくとも7重量%または16重量%とすることができ、特に好ましくは、20重量%超、30重量%超、35重量%超、40重量%超、50重量%超、75重量%超、80重量%超または90重量%超またはそれ以上にすることができる。
【0020】
フォームは、軟質フォーム(flexible foam)、または代替可能な半軟質フォーム、半硬質フォーム、マイクロセルフォーム(microcellular foam)にすることができる。フォームは、水の有無に拘わらず生成することができる。それらは、機械的に泡立たせることができ、また機械的に泡立たせなくてもよい。さらにフォームは、当該技術分野で知られている補助的な非反応性のブロー剤を使用することができる。
【0021】
好ましい実施態様において、イソシアネート変性ポリオールは、少なくとも1種の脂質系ポリオール及びその外のポリオールと少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成される。ここで、その外のポリオールは、任意のポリオールである。
【0022】
好ましくは、脂質系ポリオールは、天然油系ポリオールのような、ヒドロキシル化を経た単官能性または高官能性(mono or higher functionality)の脂肪酸の不飽和トリグリセリド(unsaturated triglyceride)である。しかし、それは、動物系油/油脂または魚系油で代替することができる。脂質系ポリオールは、最も好ましくは、大豆系ポリオール(soybean based polyol)、ヒマシ油系ポリオール(castor oil based polyol)、パーム油系ポリオール、菜種系ポリオール(rape seed based polyol)、または、これらの混合物で構成されている。適切なポリオールの具体例としては、天然油を約31%含むBASF AG社から販売されたヒマシ油系ポリオールLupranol Balance 50;米国サウスダコタ州ヴォルガのユナイテッドソイシステムズ社製の大豆油系ポリオールSoyol2101及びSoyolD09004;英国、ノーフォーク、キングスリン、ロイドンのIFSケミカルグループから提供されたナタネ油系ポリオールEnviropol201;米国ミネソタ州のカーギル社製の大豆油系ポリオールBiOH5000;および、マレーシア国、クアラランプールのポリグリーンケミカルズ(マレーシア)Sdn.Bhd社製の中果皮パーム油系ポリオールF6012がある。
【0023】
脂質系ポリオールは、全体の合成物中の全ポリオールに対して最大100重量%までを含むことができるが、好ましくは脂質系ポリオールの量は、例えば、全体の組成物中の全ポリオールに対して45重量%未満または55重量%超、好ましくは40重量%未満または60重量%超、最も好ましくは少なくとも30重量%未満または70重量%超または80重量%超または90重量%超であり、全体の組成物中の全ポリオールに対して50重量%の場合と実質的に異なっている。
【0024】
本発明によるフォームは、非常に良好な物理的特性および圧縮ひずみを示す。
【0025】
特に、フォームには、ドイツのバイエル社が提供するMesamollまたはMersolat H−40の両者のような、当該分野で公知の無反応性難燃剤または他の軟化剤が含まれている。
【0026】
具体的には、本発明によって生成されるフォームは、内部の割れまたは崩壊といった不安定性を示すことなく、本発明の技術を使用しない場合に比べて天然油系ポリオールまたは他の脂質系ポリオールの割合を高くして加工することができる。
【0027】
このため、材料のルートが全く異なるこれらの天然油系/脂質系ポリオールと石油化学(原油)系ポリオールとの間の互換性を増加させることができる。システムの互換性が強化されているため、得られるフォームの機械的特性の劣化は、低減または除去される。例えば、硬度、引張強度および破断時の伸び率、難燃性および圧縮ひずみに限定されないが、これらが、天然油系/脂質系ポリオールがフォームのフォームレーションに含まれる際に、正常に見られる。
【0028】
フォーム・フォームレ-ションにおける天然油系/脂質系ポリオールと石油化学(原油)系ポリオールとの間の互換性における従来技術の問題として、フォームまたはウレタン材料として売り物にならなくなるフォームの収縮から、内部の割れや内部の崩壊に至る内部欠陥を引き起こすことが知られていた。そして、この従来技術の問題は、フォームが不安定性であった場合にも、製造後にフォームのスコーチの原因と自然発火を引き起こす可能性がある。天然油系ポリオールの互換性を増加させることは、従来天然油と天然油系の製品の耐久性が低かったHRフォームの製造に大きな割合の天然油系ポリオールを添加することを意味する。これらの先行技術は、添加量が低くても(重量で5乃至10phpの間と言われている)、HRの技術で一般的にフォームの不安定性及び崩壊を引き起こす。HRフォームは、従来のフォームに比べて実質的に安定であり、その理由は、いわゆる従来フォームタイプよりもNOPの添加量を低くすることが許容できるからである。
【0029】
本発明のポリウレタンフォームに有用な脂質系ポリオールは、エポキシ化天然油を開環することによって調製することができる。多くの実施形態では、開環は、(1)エポキシ化天然油、(2)開環酸触媒、及び(3)開環剤を含む反応混合物を用いて行われる。また、WO2006/012344A1(ペトロビッチ等)及びWO2006/116456A1(アブラハム等)で報告されている変性(modified)された植物油系ポリオールは、本発明のポリウレタンフォームを生成するのに有用である。別の脂質系ポリオールの広い範囲は、生産プロセスの反応条件を変えたり、使用される技術ルートを変更することにより、異なるヒドロキシル価(hydroxyl number)の反応性と官能性の特性を形成することができる。異なる特性を持つ脂質系ポリオールは、ポリオールが使用されている異なるウレタンの環境によって必要とされている。例えば、無制限に、官能性が比較的高い約4であり、だが好ましくは5または6であり、かつヒドロキシル価が200乃至250mgKOH/グラムまたは200乃至500mgKOH/グラムである脂質系ポリオールは、硬質フォーム(rigid foam)または半硬質フォームに適している可能性がある。これに対して、ヒドロキシル価が56であり、官能性が1.5乃至2であるがさらに好ましくは2.0乃至2.5および2.5乃至3.5またはそれ以上または3.5乃至7またはそれ以上の範囲内である脂質系ポリオールは、軟質フォームまたは半軟質フォームの製造により適しているかもしれない。英国、キングスリン、ロイドンのIFSケミカルグループの一部であるエンビロファームケミカルズリミテッドのBG コルビンによる天然油から低コストのポリオールを参照。さらに、ユーテックアジア1995で公開された論文の第1乃至9頁を参照。
【0030】
動物性脂肪(ラードや獣脂など)や魚油も使用することもできるが、天然油の例としては、植物系油(例えば、植物油)が含まれる。植物系の油の例としては、大豆油、紅花油、亜麻仁油、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、キャノーラ油、ゴマ油、綿実油、パーム系油、菜種油、桐油、落花生油、挽草およびこれらの組み合わせが含まれる。植物系の油には、例えば、高オレイン酸サフラワー油、高オレイン酸ダイズ油、高オレイン酸落花生油、高オレイン酸ひまわり油、及び高エルシン菜種油(ハマナ油)等の天然油または遺伝子組み換え植物油がある。
【0031】
有用な天然油には、脂肪酸のトリグリセリドが含まれている。脂肪酸は、飽和または不飽和で、約C12から約C24の範囲のチェーン長を含んでもよい。不飽和脂肪酸には、一価不飽和脂肪酸および多価不飽和脂肪酸が含まれている。一般的な飽和脂肪酸は、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、およびリグノセリン酸(テトラコサン酸)を含んでいる。一般的な一価不飽和脂肪酸は、パルミトオレイン(C16不飽和酸)、及びオレイン(C18不飽和酸)を含んでいる。一般的な多価不飽和脂肪酸は、リノール酸(C18ジ不飽和酸)、リノレン酸(C18トリ不飽和酸)、およびアラキドン酸(C20テトラ−不飽和酸)を含んでいる。トリグリセリド油は、三官能性グリセリン分子の三部位にランダム配置の脂肪酸のエステルで生成されている。別の植物油は、これらの脂肪酸の異なる比率を持つことになる。特定の植物油が得られる脂肪酸の比率は、例えば、その栽培場所、収穫、栽培期間中の天候等の要因に依存して変化することになる。任意に植物油を得るのための特定のまたはユニークな組成物を提供するのが困難であるため、組成は、通常、統計的な平均値として報告されている。例えば、大豆油は、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸を約15:24:50:11の比で混合した混合物を含んでいる。これは、約800〜860グラム/モルの平均分子量、トリグリセリド当たり約4.4乃至4.7の二重結合の平均値、および約120〜140のヨウ素価に換算される。
【0032】
一例として、脂質系ポリオールを作るために使用される天然油を、パーム系油とすることができる。本明細書中で用いられる「パーム系油」は、中果皮および/または油ヤシの木の果実のカーネルから得られる油または油留分を指す。パーム系油は、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、パームカーネル油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、およびそれらの混合物が挙げられる。パーム系油は、未処理、精製、脱ガム、漂白、脱臭、分画、または結晶化されていてもよい。多くの実施形態では、ヤシ系油は、精製、漂白、及び防臭されている(すなわち、「RBD」油である)。
【0033】
本発明に係るイソシアネート変性ポリオールは、イソシアネートと水の存在下で完全にまたは実質的にイソシアネートとポリオールとの反応により生成された貯蔵安定な材料になる。イソシアネート変性ポリオールは、事前に準備され、後の段階で、イソシアネートと二酸化炭素を生成する好ましくは水である発泡剤との曝露反応により発泡する。そして、この段階は、同一または異なる装置で、イソシアネート変性ポリオールの製造直後に実施してもよく、また、貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオールを生成し、または完全に別個に供給する場合は、必要に応じて異なる装置を使用して、その後に実施してもよい。
【0034】
本明細書中で用いるイソシアネート変性ポリオールの用語は、ウレタン変性ポリオール(またはプレポリマー)、すなわち、ポリオールと最終製品のポリウレタン材料の製造で使用するウレタン結合を有するイソシアネートとの反応によって製造される高分子材料を包含している。また、本明細書中で用いる無発泡のイソシアネート変性ポリオールへの言及は、実質的にいかなる発泡もすることなく製造されたイソシアネート変性ポリオールを意味する。実際には、イソシアネートと反応する原料のポリオールに含まれる等の不可避に存在する微量の(例えば)水のために、些細なまたは重要でない程度に発泡が起こる可能性がある。しかしながら、イソシアネート変性ポリオールの製造には目的的または意図的に水を加えないことが好ましい。そして、反応条件および材料成分は、イソシアネート/水の反応により、とりわけ、材料をミクロセルフォームの生成に用いる場合に発生する、二酸化炭素を抑制または低減するために選択されるのが好ましい。
【0035】
また、本発明のプロセスは、イソシアネート変性ポリオール、すなわち、単一のポリオールに単一の多官能性イソシアネートを反応させて得られる高分子材料の使用を含むことができると理解されている。または、任意の数のポリマーと、一つ以上の複雑な複数の異なるイソシアネート変性ポリオール、および一つ以上の異なる任意のポリマーを与える任意の数の多官能性イソシアネートとの反応によって生成される複数のイソシアネート変性ポリオールの使用を含んでも良い。
【0036】
例えば、天然油系ポリオールは、本発明の方法で使用する単一のイソシアネート変性ポリオールを作るために使用することができる。また、天然油系ポリオールとその外のポリオールは、複数のイソシアネート変性ポリオールと任意の1つまたは複数のコポリマーとのいずれかを形成するために使用することができる。異なる天然油系ポリオールの混合物を使用してもよいし、異なる金属触媒の組み合わせを使用することもできる。異なる触媒と異なる使用量の選択は、得られるイソシアネート変性ポリオールの特性を変化させるために使用することができる。
【0037】
ポリオール変性イソシアネートは、脂質系ポリオールの混合によって、または、1種以上の脂質系ポリオールおよび/または1種以上の他のポリオールの混合物と、イソシアネートまたはイソシアネートの混合物と混合することにより、そして可能であれば、触媒のような1以上のその他の材料の存在下ですることにより、形成することができる。
【0038】
この混合は、例えばかき混ぜのようなバッチ処理で行うことができ、混合ヘッド等を通して連続処理で行ってもよい。混合は、周囲温度で起こすことができ、24時間等の任意の適切な時間、維持することができる。しかし、他の温度と、数分または数秒または1時間のようにはるかに短い時間も、用いる触媒の種類と添加量を含む他の材料と反応物の性質に応じて使用することができる。
【0039】
さらにポリオールは、ポリオールの任意の種類を指定できる。例えば、それは、石油化学系または原油系のポリオールとすることができ、これらは任意の適切な種類またはNOP等の脂質系ポリオールにしてもよい。一般的に、ポリエーテルおよびポリエステルポリオールは、PUフォームの製造に使用されており、本発明によれば、さらにポリオールを構成するか、完全にまたは少なくとも主にポリエーテルポリオール(polyether polyol)であることが好ましい。ポリエーテルポリオールが使用される場合、これは、それが完全にまたは主に誘導されたプロピレンオキサイド(propyleneoxide)(PO)として満足のいく製品と良好な加工特性を与えるために選択できる材料の任意の型となる。しかし、エチレンオキサイド(EO)は、また、ポリオールのエチレンオキサイド(EO)のエチレンオキサイドのエンドキャップを与えるためにPOに添加して用いることができる。または、エチレンの混合またはエチレンとプロピレンオキサイド(いわゆるヘテロポリオール)の混合は、製造されているウレタン材料の反応性と特性をもたらすために、ポリオールの構成に追加することができる。また、異なるアルキレンオキサイドのブロックとランダム配列は、天然油系のポリオールのポリマーチェーン側に重合されることが知られている。しかしながら、ポリエーテルおよびポリエステルポリオールの混合物を使用することもできる。適切なポリオールは、2乃至6、特に2乃至4のOH官能性を有し、400〜10000の範囲の分子量(MW)を有することができる。低官能性または高官能性のポリオールが、最終製品、例えば、通常、比較的低分子量のポリオールだが非常に高い官能性を必要とする硬質フォームの所望の特性に依存して使用される場合もあるが、トリオール(triol)が特に好ましい。
【0040】
固有の触媒作用を含むいくつかの他のポリオールを使用することもできる。例えば、ワディントンとアル、US6762274/ダウケミカルカンパニーを参照。
【0041】
本発明に従って使用することができるポリエーテルポリオールの例は、例えば、カールハンサー出版が発行するプラスチックマニュアル、第7巻、ポリウレタン、ベッカー/ブラウン、第2版の第44−54頁及び第75−78頁に記載されており、ポリマーの分散液(同様に、当該分野で知られている)、すなわち、いわゆるポリマーポリオールまたはポリマー変性ポリオール(ハンサー/ガードナーパブリケーションインク発行のポリウレタンハンドブック−エルテル、第2版、1993年2月、第23、56、85、198、219及び221頁に記載されている)を含むポリオールが含まれている。
【0042】
上記のようにポリマーポリオールは、石油化学プロセスを経由して原油から誘導され、天然油に由来するものではないことに留意すべきことは当然である。本発明によって、キャリアポリオールとして動作し、かつ、この新規技術を使って生成されたイソシアネート変性ポリオールがポリマー分散することにより、天然油系ポリオールを含有するポリマーポリオールを生成することが可能となる。
【0043】
さらに好ましい原油系ポリオールは、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物であり、分子量が3000のトリオールである。商業例は、Voranol3008(ダウケミカル社)、またはデスモフェン20WB56(バイエル)、およびBASF AGが提供するLupranol4070である。エチレンオキサイドを含有する他のポリオールとして、例えば、分子量が約3000で、ヒドロキシル価が56である、米国BASF社が提供するヘテロポリオールPluracol1388も使用することができる。このポリオールは、現在、二重金属触媒を使用して生産され、米国のBASF社から提供されるPluracol4156の商品名で入手可能である。これらの使用は、本発明で交換可能である。
【0044】
ポリマーポリオール(また、ポリマー変性ポリオールとして知られている)は、系、キャリア、ポリオールと分散液体ポリマーまたは固体の間に化学反応が実質的に存在しないような方法で、系内で分散液相の固体または外側、または「キャリアポリオール」を形成することによって製造される。分散液または固体のポリマー相は、通常、キャリアポリオール内に形成され、単にキャリアポリオールに物理的に分散されているだけではない。エチレンオキサイドの14乃至30%またはそれ以上の大規模なエンドキャップと分子量が7000乃至4000の間である比較的高分子量のポリエーテルポリオールのトリオールには、本発明により、本発明に記載されているポリマー変性ポリオールを生成するための希釈剤またはキャリアポリオールとして、1種以上の天然油系ポリオールを使用することができる。この技術のもう一つの側面は、本発明に記載されているように、イソシアネート変性ポリオールまたは天然油系ポリオールおよび石油化学ポリオールの組合せによって、US4374209に記載されているようなポリオール材料を形成することであり、そして、ポリマーポリオールを製造するためのキャリアポリオールとしてこのイソシアネート変性ポリオールを用いることである。また、それは、US4374209に記載されたポリマーポリオールを用いて、さらに、米国4374209に記載されているキャリアポリオール成分として、ポリマーポリオール、天然油系ポリオールまたは天然油系ポリオール/石油化学ポリオールの混合物を本発明のイソシアネート変性ポリオールを生成するために用いて、イソシアネート変性ポリオールを生成すると有用である。この材料は、HR(高反発)と耐荷重のフォームを製造するのに有用である。上記の方法で調製したキャリアのポリオールは、一般的に当該分野で広く知られているポリ尿素、内転トリエタノールアミンと、アクリロニトリル及びまたはスチレン種などが添加されているバイエル社から提供されるPHD、シェルケミカルズから提供されるPIPA、およびバイエルマテリアルサイエンス社から提供される「共重合体ポリオール」を製造するのに有用である。
【0045】
イソシアネート変性ポリオールを形成するために反応するポリオールとイソシアネートの相対的な割合、及び、ポリオールのMW(分子量)は、必要に応じて選択することができる。イソシアネートの割合は、使用可能なすべてのOH基との反応のために理論的に必要とされる0.01乃至99%、好ましくは0.01乃至70%または60%または50%、好ましくは0.01乃至33%、より好ましくは0.01乃至30%、より好ましくは0.1乃至30%、より好ましくは3乃至25%または30%である。例えば、パーム油などの低官能性NOPは、高反応のパーセンテージに特に適している。粘度(viscosity)はイソシアネートの割合いとともに増加し、上限値は、操作要件に依存する。本発明により反応させる必要のある有効OH基の割合は、NOP及び存在する原油系ポリオールの官能基間の相対的な差異に依存する。二つの官能基間のギャップが広いほど、反応させるOH基はさらに必要になる。約1.5の官能基を持つヤシ油ポリオールは、イソシアネートと反応する約3の官能性を持つ原油系ポリオール内で、本発明によってイソシアネートと反応する2及び3の間のOH官能性を持つ例えば大豆系ポリオールと比べて、スティオチノメトリック反応性を高くする利点がある。
【0046】
実際には、イソシアネート変性ポリオールの水酸基数は、下記の関係から決定することができる。
【0047】
OH(イソシアネート変性ポリオール)
=OH(ポリオール)−php(NCO)×561
EW(NCO)
OH(ポリオール)は、希釈剤のヒドロキシル価であり、またはNOPの混合物内のコポリオールは、通常、56である。
【0048】
php(NCO)は、ポリオール100部当たりの重量部としたNCOの割合であり、EW(NCO)は、TDI(すなわち、理論的な官能性で割った分子量)の場合は87であるイソシアネートの当量である。
【0049】
PUゲル化触媒の使用は、例えば、熱およびまたは圧力がOHのイソシアネートの反応を起こすために完全にまたは部分的に使用されている場合よりも、はるかに低い粘度のイソシアネート変性ポリオールの製造を可能にする。本発明の成果と目標の一つは、本発明により形成されたイソシアネート変性ポリオールの粘度上昇を最小限に抑え、一般にフォーム形成のフォームレーションの粘度を最小限に抑えることである。これは、高粘度のポリオール材料は20000mPa.s粘度まで使用できるものの、低粘度のポリオール材料は8000mPa.sより下の粘度で、だが好ましくは3000mPa.sより下の粘度で、連続フォーム製造を容易な処理特性を持っている傾向があるからである。すべての粘度測定値(mPa.sで)は、ブルックフィールド粘度計を用いて得られる。粘度は、別段の定めがない限り、25℃で測定する。
【0050】
イソシアネート変性ポリオールを含有する脂質系ポリオールの製造に使用するイソシアネートの割合、または、フォームの生産プロセスの前の希釈剤として使用されるイソシアネート変性ポリオールは、フォームまたは最終的に製造された製品の物理的特性、例えば、フォームの硬度、密度、機械的特性、および圧縮ひずみに影響を与える。また、イソシアネート変性ポリオール中のイソシアネートの割合を高くすると、例えば、高い硬度(耐荷重特性)を持つフォームを与える。また、選択されたイソシアネートのタイプは、イソシアネート変性ポリオールの残留臭気(residualodour)に影響を与え、このように製造したフォームの臭気(odour)に影響を与える。また、使用する触媒の添加量とタイプは、システムの粘度、反応性、および臭気を含む完成した最終材料の特性に影響を与える。
【0051】
イソシアネートが、特に天然油系ポリオールから生成される場合は、イソシアネートはイソシアネート変性ポリオール及び/またはフォームの臭気を減らすために使用することができる。比較的反応し易いTDIに由来するイソシアネート変性ポリオールは、一般的に、MDI系のイソシアネート変性ポリオールに比べて、低臭気の特性を示す。したがって、特に、存在する天然油系ポリオールの有無に拘わらず生成されたイソシアネート変性ポリオール及び/またはフォームの臭気を減らすために、多官能性イソシアネートのようなTDIを用いるのが好ましい。好ましくは、TDIは、脂質系ポリオール及び/または原油系ポリオール(NOPまたはその他のポリオール)の全ての水酸基と反応するのに必要な化学量論量として、好ましくは0.01%(または0.1%)乃至99%の添加量で、好ましくは10/20/30/33/40/50%乃至99%の添加量で使用し、最も好ましくは1乃至99%または0.1php(ポリオールの重量百分率(parts per hundred parts of polyol, by weight))以上の添加量で使用する。また、触媒が臭気を低減する効果をさらに高めると考えられているものとして、触媒を用いるのが好ましい。触媒は、好ましくは化学式M(O−CO−R−CHの触媒のような、金属−炭素結合を持たない有機酸の金属塩が好ましい。式中で、Mは金属(好ましくは錫または亜鉛)であり、Rはリシノール酸等の炭素チェーンである。
【0052】
好ましくは、長い炭素チェーンを有する触媒、例えば、少なくとも6個の炭素原子、より好ましくは6〜20個の炭素原子を有する触媒を用いる。最も好ましくは、チェーン内に少なくとも12個の炭素原子、例えば12〜20個の炭素原子が存在している。ヒドロキシル基、二重結合、またはカルボニル基などの側基は、錯体形成によって、または水素結合によって、共有結合的に、臭気化合物の付着を容易にするのに好ましい。
【0053】
例として、触媒は、金属リシノール酸塩などのモノヒドロキシ脂肪酸の金属塩することができる。好適な例としては、錫及び亜鉛のジリシノール酸塩であり、またジリシノール酸塩のCaおよびNa塩である。代替可能な触媒には、第一スズジラウレート、第1スズジパルミテート、第一スズジステアレート、第一スズジオレート、亜鉛ジネオデカノエート、及びビスマストリネオデカノエートが含まれている。
【0054】
理論に拘束されるものではないが、触媒は臭気化合物を錯化または埋め込んだ構造の一部であると考えられている。
【0055】
以下に述べるように、低い添加量および高い添加量でも使用できるが、触媒の添加量は、好ましくは0.001〜0.1ミリモル/100gポリオール、好ましくは0.001〜0.1ミリモル/100gポリオールである。あるいは、臭気を低減する効果を最適に達成するため、触媒の添加量は、少なくとも0.001重量php、好ましくは0.001〜0.75重量phpである。臭気の低減を達成するために使用される触媒は、イソシアネート変性ポリオールの形成に使用される任意の触媒と同じ、または異なる可能性があることに注意すべきである。また、触媒の添加量は、最終的なフォームを生成するのに必要な添加量と等しくなるように、イソシアネート変性ポリオールを生成するために必要な添加量と同一またはそれより高くなる場合がある。臭気の形成及びその後のイソシアネート変性ポリオールの形成のために、または臭気の低減、その後のイソシアネート変性ポリオールの形成及びその後のフォームの形成のために、同じ触媒を使用する場合は、その後、臭気低減の段階で、最終的なフォームを形成する反応に必要なレベルで触媒の添加量を増やす場合があるが、イソシアネート変性ポリオールの形成段階、及びフォームの形成段階、または最終的な製造段階では、それ以上の触媒を追加する必要はない。典型的な触媒の添加量は、それゆえ0.001〜0.75phpであるが、その範囲外の添加量は、最終製造段階でのフォームまたはウレタン材料の加工性を良好にするのに有用である。通常、臭気の低減のみを目的とした触媒の添加量は、その効果が得られる最小にする。この時に、または、ウレタン製品が最終的に生成される前の任意のイソシアネート変性ポリオールの反応段階で、触媒の添加量を最小にすることによって、軟質の生産量が最大になり、その後の段階に拘束されない。そのため、例えば、その後のイソシアネート変性ポリオールの形成ステップまたは他の製造ステップで、様々な添加量で異なる触媒の選択および使用が可能になる。いずれかの段階における任意の触媒の過剰な添加量は、おそらく、例えば、速すぎるまたは遅すぎる反応性を与え、または多すぎるまたは少なすぎるオープンセルを与えるように、例えば、最終的なフォームの加工性に影響を与える可能性がある。また、ここで述べたように、さまざまな段階で異なる触媒を用いた、臭気の低減またはイソシアネート変性ポリオールの形成は、望ましくないフォーム反応性の側面またはフォームの特性を与えるように構築され、また、フォーム、コーティング、接着剤、または製造したフォームやウレタン材料の最終的な物理的特性上で上記の問題も発生する触媒の間の反応性や物理的相互作用を生じるかもしれない。
【0056】
浄化の方法によって、PUのゲル化触媒または触媒は、以下の1つ以上の機能:防臭、イソシアネート変性ポリオールの触媒作用、発泡形成反応の触媒作用(以下でさらに述べる)を発揮することができる。同じまたは別のPUのゲル化触媒は、これらの機能を用いることができる。防臭および/またはイソシアネート変性ポリオールの反応のために使用される触媒の添加量は、合計で0.0001重量php〜1.0重量php(全ポリオール成分に対する純粋な触媒成分の重量百分率として表される)の範囲内であり、好ましくは0.001重量php〜0.75重量php(全ポリオール成分に対する純粋な触媒成分の重量百分率として表される)であるが、これらの限度を超えかつ下回る添加量を用いてもよい。発泡ステップのためのPUのゲル化触媒は、用いられる場合、上記の範囲内で添加または含有されていればよい。
【0057】
イソシアネート変性ポリオールを製造する唯一の意図が、その際に臭気を低減することである場合は、好ましくは触媒の存在下で適切に反応する極めて少量のイソシアネートを、例えば、化学量論的な要求に対して0.01%(または0.1%)と1%の間で添加すればよいが、5/10/12/25/35%まで用いることができる。唯一の目的が、NOPのポリオールの臭気を除去することである場合は、精製されたイソシアネートの材料を常に使用する必要はない。臭気を含む成分とよく反応する原油イソシアネートの反応経路では、臭気を引き起こす成分は十分に除去または削減される。臭気は、任意のイソシアネート変性ポリオールの形成プロセスで除去することができ、発泡に必要なイソシアネート変性ポリオールの形成は、後の段階で別のイソシアネートを用いて起こすことができる。
【0058】
フォームの臭気は、特に、フォームが自動車に使用される場合で、フォーム部分が閉鎖されエアロックされた環境にあり、かつ、例えばソーラゲインを介した加熱の対象になる場合に、非常に重要である。また、フォームの臭気は、完成したフォームが寝具に使用される場合で、人の顔が材料と長時間接触する枕とマットレスのためにも重要である。したがって、すべての試みは、これらの理由から、一般にフォームとウレタン製品から出る臭気を減らすために行われている。本発明に示す天然油系ポリオール材料を含むフォームの臭気の除去または低減は、予想外で新規であり、従来技術から予想できない。
【0059】
原油系ポリオールのプロセスまたはNOPの製造プロセスの一部として本発明を用いることにより、ポリオールの臭気を除去または削減することも可能である。NOPの製造プロセスには、おそらく加熱後に、ある程度の真空下にあるチャンバまたは容器内にストリームを噴霧することが含まれている。その意図は、反応中に形成された生成物を含む過剰の溶媒であるNOP、またはNOPの製造プロセスの一部として反応に加えられたNOPを浄化するために、いくつかのライター機器をフラッシュ・オフすることである。除去されたこれらの材料の中には、完成したNOPの臭気の原因となる高揮発性の材料がある。リシノール酸、および/またはその金属塩の1種、好ましくは、Zn、Sn、NaまたはCaの塩は、このように、同じ真空空間内に注入し、または液体NOPの分散成分として入力経路に添加してもよい。臭気低減/除去剤、特にリシノール酸またはその塩は、任意の適当な段階で、かつ、本発明に従って生成されたイソシアネート変性ポリオール(または実際には任意の他のポリオール)またPUフォームの製造に適した任意の方法で、添加することができる。リシノール酸は、特に効果的な防臭剤であることが判っている。添加剤が、リシノール酸塩などのPUのゲル化触媒でもある場合は、その添加剤は、イソシアネート変性ポリオールまたはフォーム形成方法のための(任意の)PUのゲル化触媒として用いることができ、また、臭気低減/除去添加剤としてのみ使用されるかわりに用いることができる。
【0060】
また、代わりに、ジイソシアネート、好ましくは、リシノール酸またはその金属塩との組み合わせにおけるTDIは、イソシアネート変性ポリオールを大気中で生成し、かつ最終のNOPの臭気を除去または軽減するために導入することができる。また、TDIは、イソシアネート変性ポリオールまたはフォーム形成法における反応物であり、また、臭気低減/除去添加剤としてのみ使用される代わりの反応物である。実際のポリオール製造でこの臭気を低減する技術は、原油系ポリオールの製造プロセスにも適用される。
【0061】
前述のとおり、本発明の防臭効果は、脂質系ポリオール以外のポリオールに適用することができ、リシノール酸および/またはリシノレイン酸塩とTDIとの組み合わせは、他のポリオールに対して特に効果的である。リシノール酸は、特に防臭効果を発揮することができる。(脂質系または他のポリオールに)使用されるリシノール酸の添加量は、0.0001重量php〜1.0重量php、好ましくは0.001重量php〜0.75重量php、好ましくは0.1重量php〜0.5重量phpの範囲内であるが、これらの限度を超えかつ下回る添加量を用いてもよい。リシノール酸は、触媒作用のためではなく、防臭のためだけに導入することができる。リシノール酸は、上記の範囲外で1種以上のPUのゲル化触媒を伴う。
【0062】
これらの材料がNOPの製造プロセスから出る臭気を低減するために使用されるレベルは、様々な臭気の形成材料が存在する程度や種類に依存する。これらの材料は、十分な効果が得られるように十分に追加することができる。しかし、原油系ベースのストリームまたは天然油ポリオール・ストリーム(natural oil polyol)の1%から5ppmのレベルまでの使用レベルを用いることができる。しかし、この範囲外での使用量が必要になる場合がある。臭気形成材料のいくつかは、非常に低い嗅覚検出限界(臭気のしきい値(smell thresholds))を有する。例えば、ノナナール等が存在する可能性のあるアルデヒドのいくつかは、その約2ppb(10億分の1)でヒトの約90%で検知することができる。例えば、非常に低レベルのリシノール酸化合物だけが、臭気を除去するために、製造環境内に添加または噴霧される必要がある。TDIまたは他のジイソシアネートは、その防臭作用中においてリシノール酸塩の作用を高めるために、またここで説明した固有の利点を備えたNOP系のイソシアネート変性ポリオールを生成するために、リシノレイン酸の材料と同時に、製造ストリームに導入することもできる。
【0063】
NOPの製造後に発見された種々の臭気物質のレベルに関する記述については、WO2006/116456アブラハム等参照。
【0064】
NOPと存在する他のポリオールの平均的な官能性は、達成される最終用途に依存して、1.5未満〜2、及び2〜6、特に2〜4または特に4〜7またはそれ以上で変化する。NOPには、複数の水酸基の反応部位を持っており、オリゴマーは、「関連する」になることが可能であり、また二量体及び三量体を形成する。そのため、得られたNOPは、硬質型と軟質型の両方に用いることができる。
【0065】
粘度は、主にポリオールのすべての有効水酸基と反応するのに必要なイソシアネートの理論重量に対して、使用されるイソシアネートの割合によって決定され、かつ、イソシアネート変性ポリオールを形成するのに使用されるポリオールまたはポリオール混合物の元の粘度や種類、及びイソシアネート水酸基の反応を引き起こすために使用される触媒の種類と添加量によって決定される。概して、前述のとおり、その割合は、0.01(ただし、特に0.1%)乃至99%である。低粘度のイソシアネート変性ポリオールは、必要なイソシアネートに対して、0.01%(但し、特に0.1%)乃至30%、または代わりに0.01%(または0.1%)乃至23%、または25%または33%、特に0.01(または0.1%)乃至12%であり、例えば、高粘度のイソシアネート変性ポリオールが、30%乃至99%、特に30%乃至50%に対応するのに対して、低粘度のイソシアネート変性ポリオールは、3%乃至12%である。
【0066】
任意の適切なPUのゲル化触媒は、特に、その開始および/または促進のため、イソシアネート変性ポリオールのイソシアネート付加反応に用いることができる。強いPUのゲル化触媒が好ましい。適切なゲル化触媒には、第一錫オクトエート、ジブチル錫ジラウレート、または1,4−ジアザ(2,2,2)ビシクロオクタンなどの三級アミンなどのスズ化合物;または亜鉛オクトエートのような当該技術分野で使用されている他の物質などが含まれる。必要に応じて、二つ以上の異なる触媒も同時に使用することができる。有用な他の触媒は、ビスマス系触媒(米国オハイオ州のシェパードケミカル社から提供)またはリシノール酸およびPCT/EP2008/002282及びUS6194475Bl(ボイノウィッツ等)に説明されている材料に基づく、KosmosEF、Kosmos54及びこれらと同様の材料(独国エッセンのエボニック社から提供)である。好ましくは、非加熱または加圧が、これが安全かつ安価であるため、反応を開始するために用いられるものの、反応を促進するためには使用されていない。また、熱の使用は、存在する脂質の全てにおいて水酸化反応を促進する傾向があり、しかもPUゲル化、特に金属の、触媒が使用されるときのケースよりもはるかに高い粘性を持つ乱雑な高い架橋ポリマーとする傾向がある。熱は、現在のところ、異なるポリマーチェーンの長さおよび活性を持つ、この例のようなシステムの促進反応では、特に望ましくない乱雑な触媒である。また、触媒が、抗酸化につながるとして、熱を使用して、部分的に消費され、完成したポリウレタンフォームのスコーチと自己点火を防ぐために、製造後のNOP及び原油のポリオールに追加される。触媒としての熱の使用は、酸化防止剤の交換を必要とする。この交換は、常温で、PUのゲル化触媒が使用されるときの本発明の好ましい実施例のケースではない。
【0067】
前述のとおり、他の触媒を使用することもできるが、添加したPUのゲル化触媒は、通常、ジブチル錫ジラウレート、オクタン酸スズや高級同族体のような錫塩の0.004重量%のオーダーなど、少量で使用される。
【0068】
他の成分と添加剤には、特に、連チェーン延長剤、架橋剤および連チェーン停止剤などの特定の補助剤が含まれている。
【0069】
多官能性イソシアネートに関しては、好ましくはジイソシアネート、さらに好ましくは芳香族ジイソシアネート、特にTDI(トルエンジイソシアネート(toluene diisocyanate))である。しかし、好ましくは2乃至5の官能性を有する他の多官能性イソシアネートは、単独で、または任意の適切な組み合わせで使用することができる。同じイソシアネートは、イソシアネート変性ポリオールの製造及びフォームその後の製造の両方で使用することができ、また、別のイソシアネートを使用することができる。
【0070】
このように多官能性イソシアネートは、TDI(トルエンジイソシアネートのすべての異性体の混合物)、純粋または高分子バージョン(いわゆる芳香族イソシアネート)のMDI(メチレンジフェニルイソシアネート(methylene diphenyl isocyanate))からなるいずれか1種以上である。
【0071】
より具体的には、多官能性イソシアネートは、2つ以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネートであり、標準的な商用のジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネートは一般的に使用されている。適切なものの例としては、市販のジイソシアナトトルエンの2,4−及び2,6−異性体(=トリレンジイソシアネートTDI)の混合物のような、脂肪族、脂環式、アリール脂肪酸および/または芳香族イソシアネートがあり、これらは、CaradateT80(シェル)またはVoranateT80とT65(ダウケミカル)の商品名で市販されている。4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(=4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、MDI)及びTDIとMDIの混合物も使用することができる。しかしながら、TDIまたはMDI及びポリオールに基づいて、イソシアネート変性ポリオールを使用することもできる。変性または混合イソシアネート(例えば、バイエルから提供されたデスモジュールMT58)を使用することもできる。脂肪族イソシアネートの例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、またはバイエルから提供されるデスモジュールNlOOまたはN3300のようなトリイソシアネートがある。
【0072】
イソシアネートは、33%または50%までの添加量で存在するのが好ましく、ポリオールのヒドロキシルおよびポリオール混合物中に存在する他のすべてのヒドロキシル基と反応するために必要な30%までの添加量(また、さもなければ上述したように)で存在するのが好ましい。
【0073】
イソシアネート反応性の、一価アルコールのような単官能性化合物、第一級アミン、および第二級アミンは、連チェーン停止剤として使用することができる。
【0074】
さらに、無反応性難燃剤、軟化剤または顔料やフィラーなどの当該技術分野で公知の外の補助剤を添加することもできる。
【0075】
イソシアネート変性ポリオールは、発泡の前に導入することができ、他の物質と混合することができる。例えば、同一または異なる種類の未反応ポリオールは、より低い粘度を与えるために、または、システムの反応性や得られるフォームの特性を変性するために、イソシアネート変性ポリオールを希釈する等のため添加することができる。
【0076】
イソシアネート変性ポリオールは、例えば、カールハンサー出版が発行するプラスチックのマニュアル、第7巻、ポリウレタン、ベッカー/ブラウン、第2版の第171〜178頁で説明されている従来のデバイスを用いた従来の方法で発泡することができ、例えば、カールハンサー出版が発行するプラスチックのマニュアル、第7巻、ポリウレタン、ベッカー/ブラウン、第2版の第187〜193で説明されている従来のフォーム型を用いた従来の方法で発泡することができる。
【0077】
通常は、フォーム製造のために、イソシアネート変性ポリオールは、水および/または他の揮発性の発泡剤、イソシアネート、1種以上の触媒、およびフォーム安定剤等の1種以上の他の成分と混合される。
【0078】
発泡は、バッチまたは連続的に行うことができ、混合物には窒素または当該分野で公知の他の不活性ガスを供給する。
【0079】
より詳しくは、発泡成分は、
a)脂肪族、脂環式、アリール脂肪酸および/または芳香族イソシアネートのようなイソシアネート、からなる1種以上である。例としては、市販のジイソシアナトトルエンの2,4−および2,6−異性体(=トリレンジイソシアネートTDI)である。商品名は、シェルから提供されるCaradateT80、及びダウケミカルから提供されるVoranateT80とT65である。4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(=4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、MDI)及びMDIとTDIの混合物を使用してもよい。
【0080】
さらにイソシアネートが終了し、TDIまたはMDIとポリオールに由来するイソシアネート変性ポリオールを使用することもできる。さらに、イソシアネート(例えば、バイエルから提供されるデスモジュールMT58)を変性または混合することが可能である。脂肪族イソシアネートの例としては、例えばバイエルから提供されるデスモジュールN100またはN3300等の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリイソシアネートがある。
【0081】
イソシアネートは、イソシアネート変性ポリオールの生成に使用するイソシアネートのパッケージと同じまたは異なる。
【0082】
b)水は、好ましくは、ポリオール、またはイソシアネート変性ポリオール、またはポリオール/イソシアネート変性ポリオールの混合物の100部に対して、0.5〜10重量部である。しかし、これらの限定範囲外の添加量として、例えば、スプレーガンを介して製造し、調製した硬質フォームの製造において、10重量部を超えて使用することができる。
【0083】
c)当該分野で公知の液体ペンタンと、さらにアセトンと他の材料も、膨張添加剤として用いることができる。
【0084】
d)その他の添加剤も、必要に応じて使用することができる。特に、これらの添加剤は、触媒のように、PU発泡の分野でよく知られている。特に、DMEA(ジメチルエタノールアミン)、DABCO33LV(エア製品からの第三級アミン)のようなアミン、及び/または独国エッセンのエボニックゴルトシュミットが提供するKosmos29(ジブチル錫ラウリン酸)、Kosmos19(オクタン酸スズ)の両方等のスズ触媒のような有機金属化合物、ビスマス系触媒または亜鉛オクトエートのような他の触媒、当該分野で公知の発泡安定剤、例えばエボニックゴールドシュミットまたはSilbykケミから提供されるTegostabからのようなシリコーン界面活性剤、当該分野で知られているように割れの除去し加工を補助するために導入されているジエタノールアミン、グリセリン、ソルビトールのような連チェーン延長剤及び/または架橋剤、並びに難燃剤、充填材等の添加剤がある。
【0085】
最終的なフォームの安全性、物理特性、及び難燃特性を処理して、イソシアネート変性ポリオールの形成段階およびフォームの形成段階で同じゲル化触媒を使用すると、さらに安定性が増加する(例えば、フォームを作るためにTDIがイソシアネートとして使用されている場合は、フォームの臭気がある程度減少する場合に、例えば、KosmosEFを、イソシアネート変性ポリオールを生成するために使用し、かつ、フォーム形成反応のゲル化触媒としても使用する)。これらの添加剤は、従来のフォーム形成プロセスの関連分野で知られている他の添加剤と組み合わせて使用することができる。
【0086】
e)窒素ガスを供給し、かつセル構造(サイズとサイズ分布)を制御する。
【0087】
f)液体二酸化炭素および/または他のガスの注入も、フォームの生産における密度とセルサイズの制御方法としてよく知られている。
【0088】
低下したまたは過剰な圧力の下でも動作するように、必要に応じて発泡が可能である。この場合の処理条件は、例えば、US5194453に開示されている。
【0089】
ガスが製造プロセスで必要とされている場合、ガスとしては、好ましくは窒素または空気または使用される二酸化炭素を用いる。
【0090】
イソシアネート変性ポリオールに加えて、イソシアネート変性ポリオールといずれかのポリエーテルポリオールとの混合物、及び/または、イソシアネート変性ポリオールとポリエーテルポリオールまたは他のポリオールとの混合物も、ここで使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0091】
以下、実施例を参照しながら、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0092】
実施例
比較例(Comparative Example)1は、PCT/EP2005/005314に開示されたプロセスによって生成された先行技術のイソシアネート変性ポリオールであり、実施例Pは、第27及び29頁(フリッツ ナウアー)を参照するが、別のゲル化触媒を用いている。発明の実施例2〜10は、再び別の触媒を使用しているが、比較例1と同様のプロセスを経由して生成された本発明で用いるイソシアネート変性ポリオールである。実施例11は、純粋な天然油系を示す。量は、全て有効数字3桁の重量部で表し、種々の物理的特性が示されている。
【表1】

【0093】
GreenAは、BASFにより販売されている約31%の天然油分を含むヒマシ油系ポリオール[ルプラノールバランス50(Lupranol Balance 50)]である。残りは、ヒマシ油を出発物質に付加されたプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドであること。そのヒドロキシル価は50である。
【0094】
GreenBは、カーギル社製の大豆系ポリオール(BiOH5000)である。そのヒドロキシル価は56である。
【0095】
GreenCは、マレーシア、クアラランプールのポリグリーンケミカルズ(マレーシア)Sdn、Bhd社製の中果皮ヤシ油系ポリオール(F6012)である。そのヒドロキシル価は158である。
【0096】
GreenDは、米国サウスダコタ州ヴォルガのソイシステム社が提供するSoyol D09004ロットP090203と称する大豆系のポリオールである。そのヒドロキシル価は71であった。
【0097】
GreenEは、米国サウスダコタ州ヴォルガのソイシステム社が提供するSoyol2101と称する大豆系のポリオールである。そのヒドロキシル価(hydroxyl value)は66であった。
【0098】
GreenFは、ロイドンのIFS化学グループ、英国キングスリンロイドンのIFSケミカルグループの菜種油由来のEnviropol R201及びNOPであり、ヒドロキシル価は500である。
【0099】
Lupranol4070は、グリセロールを出発物として、プロピレンオキサイドの末端を含むプロピレンオキサイド骨格を有する三官能性ポリオールであり、独国ルートヴィヒスハーフェンのBASF AGから提供される。その分子量は3000で、そのヒドロキシル価は56である。
【0100】
Pluracol1388(Pluracol4156と表記もされており、1388のDMC改良型である)は、米国のBASF社から提供される三官能性ポリオールである。それは、約3000の分子量と56のヒドロキシル価を有する。それは、分子チェーンの末端にランダムに分布したエチレンとプロピレンオキサイドとを有する、すなわち「ヘテロポリオール」である。
【0101】
Voranol RA800は、ダウケミカル社製のポリエーテルポリオールであり、780乃至820のヒドロキシル価を有しており、硬質ウレタンフォームのフォームレーションに見られる。
【0102】
Voranol CP450は、400のヒドロキシル価を持つダウケミカル社の硬質ポリオールである。
【0103】
B1048は、独国エッセンのエボニック社の硬質発泡シリコーン安定剤である。
【0104】
BF2370は、独国エッセンのエボニック社のシリコーン界面活性剤である。
【0105】
BF8232は、独国エッセンのエボニック社のシリコーン界面活性剤である。
【0106】
Tegoamin PMDETA及びTegoamin DMCHAはいずれも、ドイツ、エッセンのエボニックゴールドシュミットのアミン触媒である
発泡剤Solkane365/227は、ドイツ、ハノーバーのソルベイフルアー社から提供される。
【0107】
Voranate M220は、ダウケミカルカンパニー製のポリメリックMDIである。
【0108】
Wannate PM220は、中華人民共和国、山東省、煙台の煙台万華から提供されるポリメリックのMDIである。
【0109】
TCCPは、米国のSupresta社のFyrol PCFである。
【0110】
DABCOは、DABCO33LV(エア製品の第三級アミン)である。
【0111】
A1は、NiaxA1であり、エア製品のアミン触媒である。
【0112】
SnOct33%は、ドイツ、エッセンのエボニック社のKosmos19であり、キャリア溶媒内で33%オクタン酸スズの溶液である。
【0113】
DEOA90%は、水10部に対してジエタノールアミン90部の溶液である。
【0114】
KosmosEFは、錫リシノール酸からなる触媒であり、ドイツ、エッセンのエボニック社製である。
【0115】
Kosmos54は、リシノール酸亜鉛からなる触媒でありドイツ、エッセンのエボニック社製である。
【0116】
ジブチル錫ジラウレート(Dibutyltindilaurate)(DBTL)は、英国、ドーセットのシグマアルドリッチ社から入手可能である。
【0117】
リシノール酸は、英国、ドーセットのシグマアルドリッチ社から入手した。
【表2】

【0118】
BMWの匂いテスト(BMW smell test)は、プロトコルVDA270/DIN10955に基づいて行われている。この手段を概説すると、各臭気のネリストが以下のスケールに応じて臭気を評価する。1=臭気なし(Kein)、2=軽度の臭気、不快感を与えない臭気(Nicht Stoerend)、3=容易に検出可能だが耐えられる(Stoerend)、4=不快な臭気(スタークStoerend)、5=非常に気になる臭気(エクストリーム)、6=耐えられない臭気(Unertraeglich)。見られるように、GreenB(実施例11に示される)は、5人すべてのパネリスト(panellists)による評価として、3または2乃至3の臭気を有する。この天然油系ポリオールが、触媒としてリシノール酸の金属塩を持つ実施例7、8、10及び12のイソシアネート変性ポリオール(すなわち、TDIを構成するイソシアネート変性ポリオール)になる場合には、臭気レベルは低減される。実施例13において、さらにTDIとの組み合わせで代替金属触媒のDBTLを使用しても、GreenBの臭気は減っていない。オクタン酸スズ(実施例14)を使用すると、DBTLを使用するのと同じ結果となり、同様に臭気は減っていない。実施例9のイソシアネート変性ポリオール(TDIを全く含んでいない)は、単独でGreenBと比較して臭気は減っていない。さらに、比較例1のイソシアネート変性ポリオールは、実施例7,8、10、12に同定される本発明のイソシアネート変性ポリオールに比べて平均以上の臭気を有しており、臭気を形成する化学種を全て除去するのは非常に複雑である。一つの化学種から特定される臭気は、臭気のパネルテストで別のものによってマスクされることがある。そのため、発明らは、時々NOPの臭気が3の評価、2までの評価によって削減されていることを見出した。しかし、臭気が「酸っぱい」匂いから「甘い」匂いにまで完全に変化していることが報告されている。言い換えれば、本発明のイソシアネート/触媒前処理は、使用されて3から2またはおそらく1まで臭気の評価を降下させるイソシアネートおよび触媒の量に従って、化学種を形成する臭気の一定の割合を削除することができる。それは、また、完全に化学種を除去することができるものの、分子や錯体をもたらす臭気として別の化学種が残るまたは表れることがある。この方法では、レベル2の「異なる」匂いを報告する臭気パネルの評価ではあるが、評価が3から2に降下することがある。
【表3】

【0119】
実施例14乃至17は、種々の大豆ポリオール、GreenD及びGreenEにリシノール酸を添加し混合した混合物を約18℃の室温で7日間放置したときの結果を示している。
【0120】
臭気パネルは、臭気が減ったこと、リシノール酸との接触後は臭気が低いスコアで示されること、そして、また臭気の「性質が変化した」ことを報告している。リシノール酸のレベルは、臭気を除去するために、0.01phpから0.5phpまで変化させることができる。上限値と下限値は、後続のウレタン反応の処理特性上、存在する任意のレベルでリシノール酸のレベルの効果依存を変えることができる。有害な軟質フォームの処理効果は、約0.5phpのリシノール酸のレベルで確認できなかった。NOPの製造プロセスの前または最中または後にリシノール酸がNOPと接触する環境の温度と圧力または真空は、臭気の減少を達成する速度と程度に影響する。
【0121】
異なる触媒を使用しているが、比較例Aは、標準フォームであり、比較例BD(以下に示す)は、実施例P(PCT/EP2005/005314(フリッツNauer)の第27及び29頁を参照)に記載されているプロセスによって生成された従来のフォームである。実施例E〜Y及びZB〜ZR(以下にも示す)は、本発明の方法を説明するために生成されたフォームである。量はすべて、全ポリオール(php)の重量百分率であり、種々の物理的特性も示されている。本発明の種々の実施例に関して注意するポイントを、下記に強調する。
【0122】
実施例E及びGは、実施例1〜6のイソシアネート変性ポリオールのいずれかを含むことなく、GreenBを含んでいる。それらは、不利な安定性(フォームEが崩壊)を与えるか、またはフォームの内部割れをもたらし、実施例Gは非常に柔らかい。実施例F、M、N及びOは、しかしながら、すべて実施例1〜6の少なくとも1種のイソシアネート変性ポリオールを含有し、良好な加工性を与える。すなわち、これらの後続のフォームはすべて、実施例Gよりも固く、高いNOPの含有レベルが高くても実施例Gより良好な圧縮ひずみを有する。フォームF及びGには、類似する天然油系ポリオール(NOP)のレベルが含まれているが、本発明のイソシアネート変性ポリオールを含むフォームFは、実施例Gよりも硬くなる。比較例HとIとの対比は、比較例Hと比較した成形体IのフォームレーションにおいてGreenAをイソシアネート変性ポリオールとを組み合わせることによる処理で同様に向上することを示している。比較例HとJとの間の対比は、処理安全性における改善、及び、フォーム・フォームレーションに導入される前のイソシアネートでNOP材料が変成されるときの硬さを示している。
【0123】
フォームLは、Nと比較することができる。フォームLは、Nに対して安定性に劣る。両者は、GreenBを同じレベルで含むが、フォームN中に存在するポリオールは全て、本発明のイソシアネート添加の対象となっている。フォームNは、フォームLよりも硬度が高くなる。同様に、KとEも比較することができる。両方はGreenBに由来するが、フォームEが崩壊したのに対して、割合が同じで発明を経たGreenBに由来するフォームのKは、本発明においてNOPを調査するために選択されたフォームレーション状態の下でそれが殆ど硬化せず、硬化が不十分な外観を示した事実があるにも拘わらず、実行可能で安定したフォームを生成した。実施例A乃至ZFにおけるすべてのフォームは、約3.35phpの水で生成し、TDIの量は約47.5phpで一定に保った。このTDIのレベルは、118程度の非常に高い指数を示し、また、本発明の実施例のフォームの処理を「強調」するために使用された。実施例ZJ及びZKでは、TDIの指数は、105の極端なレベルに減少した。
【0124】
フォームO及びRはNOPと類似するレベルであり、NOP及び希釈ポリオールは本発明の対象となっている。フォームRは、フォームOに比べて、高いレベルの無反応性難燃剤を含んでいることから、予想されるように、Oよりも低い硬度になるものの、圧縮ひずみ驚くほど良好な結果となる。通常、ウレタン・フォームレーションに難燃剤を添加することは、圧縮ひずみ値の悪化につながる。
【0125】
実施例Qは、実施例Gと同様であるが、無反応性難燃剤を持っていない。フォームは、内部に割れを生じ、同様に柔らかい。実施例Rに見られるように、イソシアネート変性ポリオールの添加は割れを排除し、そのフォームは改善された弾力性と耐久性を持った硬さになる。通常、高い硬さは、弾力性の低下に関連する。実施例Rの圧縮ひずみは、特にNOPのレベルが低い実施例Pに比べて、依然として優れている。難燃性は、イソシアネート変性ポリオールを含有するすべてのフォームのサンプルに対して向上する。アドホックテストで低臭気を示した無変性のGreenBを導入する場合に対して、イソシアネートで変性したGreenBを含有するフォームのサンプルをすべて比較した。発明の対象となるフォームを含むNOP臭気は、実質的に除去または低減されているものの、一部のシリコーンに関連し得るアミンと無反応のキャリア溶媒の正常な「フォームの匂い」はもちろんのこと、PUのゲル化触媒として使用される第一スズオクトエートの分解生成物は、フォームがまだ比較的フレッシュに生成されている間はなお残っている。
【0126】
実施例S及びHは、実施例1〜6のプレポリマーのいずれも持たないGreenAを含んでいる。フォームSは、Hに比べてフォームレーションに加わる難燃性を備えている。難燃剤を含むフォームレーションでは、圧縮ひずみは良好になる。実施例SとTは似ているものの、TではGreenAがイソシアネート変性ポリオールとして存在し、Sよりも著しく硬いフォームを生成し、イソシアネート変性ポリオールとしてのGreenAの存在は、加工性を向上させる。S及びTでは、Hと比べて無反応性難燃剤が加えられている。イソシアネート変性ポリオールを含有するTは、Sよりも硬い。Uは、イソシアネート変性ポリオールを持たないGreenCを含有する。実施例Vは、硬さが増加すると同時に物理的特性を失うことなく、NOPの割合が同じ20phpで、イソシアネート変性ポリオールを追加することを示している。実施例Wは、Xと比べて、Wと比較してイソシアネート変性ポリオールを含有するXを通じて、硬度を含んだ、似て非なる様々な物理的性質を持っている。実験誤差の範囲内で、WとXとでは圧縮ひずみは同じである。実施例Yは、フォームの硬さで、標準のポリオールのためのフォームレーションにおいてイソシアネート変性ポリオールの部分的な置換の効果を示している。実施例Yでは、フォームの硬さは、例えば、実施例WとXの間にある。
【0127】
例ZB及びZCは、従来の原油系ポリオールによる希釈に比べて、変性したNOPが実施例1のイソシアネート変性ポリオールで希釈された場合の、フォーム硬度の増加を示しています。
【0128】
実施例ZFは、安定なフォームに安全に加工する天然油系ポリオール(本発明のイソシアネート変性を経たヒマシ油系および大豆油のポリオールの両者から構成された)の非常に高いレベル、65php、を持つフォームを示しています。実施例ZKは、実施例のZJのフォームを示しているが、弱い加工助剤として作用することができ、かつ小規模な不安定性と軟質フォームのフォームレーションの表面割れとを排除するために一般的に使用する微量のジエタノールアミンを加えて生成される。ZKの処理は改善され、その硬さはZJと比較して増加している。
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【0129】
実施例ZM乃至ZRのフォームでは、実施例A乃至ZKとは対照的に、水のレベルは約3.35phpから4.0phpに増加し、このときTDIのレベルが変化することは許容されるが、TDIの指数自体は約105で一定に保たれた。NOPのイソシアネート変性ポリオールは、大豆油系の材料に由来しており、別の原油系ポリオールに由来し、その上、示されたフォームレーションに従って発泡される、種々の原油系ポリオール及び種々のイソシアネート変性ポリオールで希釈される。実施例A乃至ZKにとは対照的に、ZM乃至ZRにおいて、また、以下に示すさらなるデータにおいて、種々のイソシアネート変性ポリオールを生成するためにポリメリックMDIの代わりにイソシアネートのTDIが使用されている。実施例ZRのフォームは、NOPと原油系ポリオールとの51/49混合物から生成されたイソシアネート変性ポリオールから生成される。すべてのまたは可能な限り多くのNOP(s)と希釈されたポリオールが存在するその他のNOPとが、実施例ZRのようなフォームに生成される前に一緒にイソシアネート変性されている場合に、最良の結果が得られる。この成形では、大豆及び原油系のポリオールが強化され、それと標準的なポリエーテルポリオールとの組み合わせは最大限に相溶化される。ZR内に存在する全てのポリオールは、一緒にイソシアネート変性されている。ZRの物理的性質は、実施例ZN乃至ZQよりも優れている。また、ZRは、ZM乃至ZRシリーズにおける他のすべてのフォームに優れた圧縮ひずみと優れた機械的特性を与える。すべてのフォームの加工特性は、優れていると評価された。ZMとZNおよびZPとZQを比較すると、任意のエチレンオキサイドであるPluracol1388を、希釈剤としてであれ、またはイソシアネート変性プロセスにおけるNOPとのコポリオールとしてであれ、含有する原油系ポリオールの導入により、例えばポリオールタイプのL4070を含有するすべてのプロピレンオキサイドに比べてさらに硬度やその他の特性において有益になことが示されることを観察することができる。
【0130】
成形技術の分野で知られた種々のイソシアネートの指数は、当然に使用することができ、例えば、インデックスは75から140まで変化することができ、水のレベルで0.5から6に変化することができ、かつ、最大10php以上に変化することができる。
【0131】
本発明に示される実施例では、
「Water add」は、フォームの成形に添加された全て水を意味する。
【0132】
「Water tot」は、全ての成形内の全ての源に対する全ての水の割合を意味する。
【0133】
「TDI」は、トルエンジイソシアネートの異性体のブレンド、TDI80/20である。
【0134】
「指標(index)」は、上で添加したイソシアネートの%量と、反応で必要な上記の化学量論量的な量を意とを意味する。
【0135】
「クリーム(cream)」時間は、初期の混合がフォームの質量の急速な拡大の直前にクリーミーなミックスを形成する反応のために行われた後の時間(分および秒単位)である。
【0136】
「ライズ(rise)」時間は、成分の混合する始めとフォームがライズする終わりとの間に経過する時間の合計(分および秒単位)である。
【0137】
「ブローオフ(blow off)」は、フォームによるライズ相としての小さな泡の放出が終わったことを表す。泡が放出されている場合、これは、通常、良好で安定したフォームのサインである。単位はない。
【0138】
処理(processing)は、フォームがライズ相で躊躇するかどうかを、ライズ相が完了した後に、それが低迷した、それが戻って解決した、で示す。
【0139】
密度(density)は、kg/m3で測定する。
【0140】
SAG因子(サポート因子)は、65%乃至25%の圧縮力のたわみのCLD値(高い数値が良好である)の比として計算される数値である。ロードしてインデントしたたわみの数値を用いて計算されたSAG要因は、一般的に例えば、米国で使用されているように、CLD試験方法を使用して、同じフォーム上に同じ測定値を比較して高いSAG因子の数値を持つことになります(例えば、IFDのSag因子は2.3になる可能性があり、CLD測定からのSAG因子は2.1で低くなることがある)。
【0141】
ボールリバウンド(ball rebound)は、フォームの弾性の尺度である。小さな鋼球は、フォームの上に落とされ、その回復の高さが初期の垂直移動のパーセントとして表現されます。
【0142】
「HALL」は、湿潤老化負荷失損(Humid Age Load Loss)である。フォームは、湿気のあるオーブンに入れられて、その硬さを再テストし、パーセントとして元の硬さと比較する。
【0143】
「コンプセット(Comp Set)」:フォームは、元の高さと比較された後、フォームが熱(極端ではない湿度)とフォームの最終的な高さの条件の下で、元の高さの75%に圧縮される。
【0144】
バーン長さ(Burn length):これは、CAI TB117の垂直燃焼試験の一部であり、炎が、これはうまく燃焼試験を知っているの垂直サンプルの炎がどこまで進行したかを示す。これは、よく知られた燃焼試験である。
【0145】
CLD40%は、圧縮荷重のたわみであり、認識されたフォームの硬さの試験方法である。フォームは、元の高さの40%に圧縮され、その実行に必要な力が(kPaで)測定される。
【0146】
HA後のCLD(CLD after HA)は、湿潤老化テスト(Hallテスト)後の圧縮荷重たわみである。
【0147】
圧縮強度(垂直)(Compressive strength (Vertical))は、試験方法BS4370を使用して、上昇の方向に平行な方向で試験した硬質フォームの硬度(Hardness)である。kPaで示す。
【0148】
火炎後時間(After flame time)とは、炎(秒単位)で連続して燃焼するサンプルから炎が除去されるまでの間の経過時間である。
【0149】
ヒステリシス(Hysteresis)は、圧縮してからリリースされたフォームに吸収されたエネルギーの測定値である。狭いヒステリシス曲線、テストの数値が小さいほど、弾性フォームを示し、太い曲線は、弾力性が劣る粘弾性のフォームを示している。
【0150】
伸び(Elongation)は、破断伸びである。フォームのサンプルは、引き伸ばされ、最終的に破断する。
【0151】
破断時の伸びは、サンプルが元の長さのパーセントとして表される障害が発生する前に延伸したパーセントとして測定する。
【0152】
引張強さ(tensile Strength)は、引っ張り下でフォームを破断するために必要な力、kPaである。
【0153】
さらなるデータ
【表11】

【表12】

【0154】
上記の表は、イソシアネートと反応するポリオール成分中に存在する有効ヒドロキシル基を4%と28%との間で含む様々なイソシアネート変性したNOPの調製を示す。また、種々の金属触媒は、様々なレベルで、本発明のヒドロキシル基とイソシアネートとの相互作用を促進するために使用されることが示している。イソシアネート変性ポリオールを調製する段階で反応するOH基のパーセントを変化させると、その処理と物理的特性が影響を受ける。特に、反応して水酸基のパーセント増加すると、フォームの完成は困難になる。また、金属触媒のレベルと種類を変えると、物理的特性及び特に再度のフォームの硬さに効果を与えることができる。
【0155】
上記のさらなる実施例では、本発明の範囲の一部が示されている。優れたフォームは、容易に製造され、NOPによる従来の原油のポリオールの置換のパーセントは50及び75%のレベルで示される。
【0156】
硬質フォームのためのさらなるデータ
【表13】

【0157】
一対の硬質フォームのサンプルを、上記の各成形を用いて調製した。上記の成形体からの一対のデータの統計的分析は、45Kgs/m3のテストコアの密度で、縦軸の最高の平均圧縮強度の値を持つフォームが、NOPとPUのゲル化触媒としてDBTLを使用してイソシアネートと反応させた硬質ポリオールの混合物を用いて生成されるZWの一つであることを示している。このフォームは、最も近い他のフォーム、ZTは、シンプルなNOPと硬質ポリオール混合物とから生成されることが2.8%困難である。ZSは、NOPを含まず、軟質フォームである。上記の硬質フォームのZU乃至ZUは、また、イソシアネート変性プロセスのPUのためのPUゲル化触媒の選択が、作り出したマクロポリマーと得られるウレタン材料の特性に効果を与えることができることを示している。ポリメリックMDIは、上記の硬質フォームの実施例におけるイソシアネート変性ポリオールとフォームとに使用した。
【0158】
比較試験
図1に示されている写真は、右側に、GreenCの20重量部を徹底的にVoranol RA800の80pbwの標準的な硬質ポリオールと混合し、約18℃の室温でちょうど12時間放置することが許容されている場合、発生した分離を示している。混合物は、この短い期間に2つのポリオールのほぼ完全に分離することを示している。左側の瓶は、本発明で説明したようにTDIの1phpとKosmosEFの0.004phpとを攪拌して反応させたNOPとVoranol RA800の混合物を示しています。本発明が主張する利点を与えるウレタン系におけるNOPの互換性を本発明が高める方法を示すように、同じ12時間経過後の2つの互換性のポリオールを実質的に分離しない。この特性により、世界的な硬質及び軟質フォームのシステム業界での用途が見つかっている現在において、ポリオールの一部としてNOPを含むプレブレンド樹脂のシステムの輸送と貯蔵の提供が可能になる。
【0159】
本発明が、唯一の実施例によって説明されている上記例の成形体の細部に限定されることを意図するものでないことが理解できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0160】
上記で説明したように、本発明は、ポリウレタンフォームを製造する方法を提供することに加えて、このようなフォームの生成に使用するための新規の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオールを提供する。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート変性ポリオール及びフォーム形成材の混合物からポリウレタンフォームを製造する方法であって、
前記イソシアネート変性ポリオールは、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成され、
前記イソシアネート変性ポリオールは、有効OH基を有する非発泡のポリオールポリマーであり、
前記フォーム形成材は、少なくとも多官能性イソシアネート及び好ましくは水からなる発泡剤からなり、
i)前記イソシアネート変性ポリオールを生成するための前記少なくとも1種のポリオールが、PUゲル化触媒の存在下で、前記イソシアネートとの反応を経た少なくとも1種の脂質系ポリオールからなること、及び/または、ii)前記イソシアネート変性ポリオールが、発泡の前に、または発泡と同時に、脂質系ポリオールと混合されることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項2】
前記脂質系ポリオールは、単官能性または高官能性の不飽和トリグリセリドから誘導される天然油ポリオール(NOP)である請求項1に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項3】
前記PUゲル化触媒は、金属塩または有機金属触媒である請求項1または2に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項4】
前記イソシアネートの割合が、前記ポリオールの全ての有効水酸基との反応に要する前記イソシアネートの理論量に対して、0.01乃至70重量%であり、好ましくは0.01乃至60重量%であり、好ましくは0.01乃至50重量%であり、好ましくは0.01乃至33重量%であり、特に0.01乃至30重量%である前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項5】
前記イソシアネート変性ポリオールは、少なくとも1種の脂質系ポリオール及びその他のポリオールの両方と前記少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成される前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項6】
前記脂質系ポリオールは、大豆系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、パーム油系ポリオール、菜種系ポリオール、または、これらの混合物からなる前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項7】
前記イソシアネート変性ポリオールを生成するための前記少なくとも1種のポリオールは、ポリマー変性ポリオールからなる前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項8】
前記イソシアネート変性ポリオールを生成するための前記少なくとも1種のポリオールは、ポリエーテルポリオールからなる前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項9】
前記ポリエーテルポリオールが、少なくとも主に誘導されたプロピレンオキサイド(PO)であること、及び/または、2種以上の官能性を有することを特徴とする請求項8に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項10】
前記ポリエーテルポリオールが、トリオールであることを特徴とする請求項9に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項11】
前記イソシアネート変性ポリオールは、粘度が20000mPa.s未満であり、かつ、前記イソシアネートの割合が、前記ポリオールの全ての有効水酸基との反応に要する前記イソシアネートの理論量に対して、0.01乃至70重量%の割合で、好ましくは0.01乃至60重量%の割合で、好ましくは0.01乃至50重量%の割合で、好ましくは0.01乃至33重量%の割合で、特に0.01乃至30重量%の割合で反応することにより、前記イソシアネート変性ポリオールが生成される前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項12】
前記イソシアネートの割合が、前記理論量に対して、3乃至25重量%の範囲である請求項11に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項13】
密度が5乃至100kg/m、好ましくは14乃至70kg/mである発泡製品が製造されることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項14】
前記PUゲル化触媒が、金属塩または有機金属触媒である前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項15】
前記PUゲル化触媒が、0.0001乃至1.0重量phpの範囲の量で存在する前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項16】
リシノール酸が加えられている前記請求項のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項17】
前記リシノール酸が0.1乃至0.5phpの範囲の量加えられている請求項15に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法によって、軟質フォームのスラブ材の形態に成形された発泡製品。
【請求項19】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法によって、成形体の形態に成形された発泡製品。
【請求項20】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のポリウレタンフォームの製造方法によって、硬質フォーム、半硬質フォームまたはマイクロセルフォームの形態に成形された発泡製品。
【請求項21】
少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成されるポリウレタンフォームの製造に用いる貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオールであって、
前記イソシアネートの割合が、前記ポリオールの全ての有効水酸基との反応に要する前記イソシアネートの理論量に対して、0.01乃至50重量%の範囲であり、
前記イソシアネート変性ポリオールは、その外のイソシアネートと反応できる水酸基を有しており、
前記イソシアネート変性ポリオールを生成するための前記少なくとも1種のポリオールが、好ましくはPUゲル化触媒の存在下で、前記イソシアネートとの反応を経た脂質系ポリオールからなることを特徴とする貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項22】
前記イソシアネートの割合が、前記ポリオールの全ての有効水酸基との反応に要する前記イソシアネートの理論量に対して、0.01乃至70重量%であり、好ましくは0.01乃至60重量%であり、好ましくは0.01乃至50重量%であり、好ましくは0.01乃至33重量%であり、特に0.01乃至30重量%である請求項21に記載の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項23】
前記脂質系ポリオールが、単官能性または高官能性の不飽和トリグリセリドから誘導される天然油ポリオール(NOP)である請求項21または22に記載の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項24】
前記PUゲル化触媒が、金属塩または有機金属触媒である請求項21乃至23のいずれか1項に記載の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項25】
前記PUゲル化触媒が、0.0001乃至1.0重量phpの範囲の量存在する請求項24に記載の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項26】
リシノール酸が加えられている請求項21乃至25のいずれか1項に記載の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項27】
前記リシノール酸を0.1乃至0.5phpの範囲の量加える請求項26に記載の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項28】
前記ポリオールは、脂質系ポリオール及びポリエーテルポリオールの両方からなり、かつ、
前記脂質系ポリオールは、大豆系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、パーム油系ポリオール、菜種系ポリオール、または、これらの混合物からなる請求項21乃至27のいずれか1項に記載の貯蔵安定なイソシアネート変性ポリオール。
【請求項29】
PUフォームの製造に用いるポリマー変性ポリオールの製造方法であって、
該ポリマー変性ポリオールの製造方法は、キャリアポリオールを要し、
該キャリアポリオールは、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種の多官能性イソシアネートとの反応によって生成したイソシアネート変性ポリオールであり、
前記イソシアネート変性ポリオールは、有効OH基を有する非発泡ポリオールのイソシアネート変性ポリオールであり、
前記フォーム形成材は、少なくとも多官能性イソシアネート及び水からなり、
i)前記イソシアネート変性ポリオールを生成するための前記少なくとも1種のポリオールが、PUゲル化触媒の存在下で、前記イソシアネートとの反応を経た脂質系ポリオールからなること、及び/または、ii)前記イソシアネート変性ポリオールが、発泡の前に、または発泡と同時に、脂質系ポリオールと混合されることを特徴とするポリマー変性ポリオールの製造方法。
【請求項30】
前記脂質系ポリオールは、単官能性または高官能性の不飽和トリグリセリドから誘導される天然油ポリオール(NOP)である請求項29に記載のポリマー変性ポリオールの製造方法。
【請求項31】
前記PUゲル化触媒は、金属塩または有機金属触媒である請求項29または30に記載のポリマー変性ポリオールの製造方法。
【請求項32】
前記PUゲル化触媒が、0.0001乃至1.0重量phpの範囲で存在する請求項29乃至31のいずれか1項に記載のポリマー変性ポリオールの製造方法。
【請求項33】
リシノール酸を加える請求項29乃至32のいずれか1項に記載のポリマー変性ポリオールの製造方法。
【請求項34】
前記リシノール酸を0.1乃至0.5phpの範囲で加える請求項33に記載のポリマー変性ポリオールの製造方法。
【請求項35】
前記イソシアネートの割合が、前記ポリオールの全ての有効水酸基との反応に要するイソシアネートの理論量に対して、0.01乃至70重量%であり、好ましくは0.01乃至60重量%であり、好ましくは0.01乃至50重量%であり、好ましくは0.01乃至33重量%であり、特に0.01乃至30重量%である請求項29乃至34のいずれか1項に記載のポリマー変性ポリオールの製造方法。
【請求項36】
請求項29乃至35のいずれか1項に記載のポリマー変性ポリオールの製造方法により生成したポリマー変性ポリオール。
【請求項37】
前記多官能性イソシアネートが、TDIまたはMDIまたはこれらの混合物からなるが、好ましくはTDIからなる前記請求項のいずれか1項に記載の製造方法、発泡製品、イソシアネート変性ポリオールまたはポリマー変性ポリオール。
【請求項38】
ポリオール、特にイソシアネート変性ポリオール、脂質系ポリオールまたは天然油ポリオールの臭気、及び/または、ポリオール、特に脂質系ポリオールまたは天然油ポリオールから生成されるフォームの臭気を低減するイソシアネートの用途。
【請求項39】
前記イソシアネートが、多官能性イソシアネートである請求項38に記載のイソシアネートの用途。
【請求項40】
前記多官能性イソシアネートが、TDIである請求項39に記載のイソシアネートの用途。
【請求項41】
前記イソシアネートの用途が、有効OH基を有する非発泡のイソシアネート変性ポリオールの用途からなり、
前記イソシアネート変性ポリオールは、少なくとも1種のポリオールと前記多官能性イソシアネートとの反応によって生成され、
前記少なくとも1種のポリオールが、脂質系ポリオールである請求項39または40に記載のイソシアネートの用途。
【請求項42】
前記多官能性イソシアネートは、リシノール酸の金属塩、好ましくはリシノール酸Zn塩、Sn塩、Ca塩またはNa塩の存在下で用いられる請求項39乃至41のいずれか1項に記載のイソシアネートの用途。
【請求項43】
噴霧またはその他の導入手段を介して、リシノール酸またはリシノール酸の金属塩をポリオールまたはフォームの製造プロセスに加えることによって、前記ポリオール、特にイソシアネート変性ポリオール、脂質系ポリオールまたは天然油ポリオールの臭気、及び/または、前記ポリオール、特に脂質系ポリオールまたは天然油ポリオールから生成されるフォームの臭気を低減するリシノール酸の用途。
【請求項44】
加熱されまたは冷却されまたは前記ポリオールが流れる部分真空下の容器内にリシノール酸を噴霧して、前記リシノール酸またはリシノール酸の金属塩をポリオールまたはフォームの製造プロセスに加えることによって、前記ポリオール、特にイソシアネート変性ポリオール、脂質系ポリオールまたは天然油ポリオールの臭気、及び/または、ポリオール、特に脂質系ポリオールまたは天然油ポリオールから生成されるフォームの臭気を低減するリシノール酸の用途。
【請求項45】
前記リシノール酸が、トルエンジイソシアネートの存在下で用いられる請求項43または44に記載のリシノール酸の用途。
【請求項46】
請求項1乃至17及び37のいずれか1項に記載の製造方法、請求項18乃至20及び37のいずれか1項に記載の発泡製品、請求項21乃至28及び37のいずれか1項に記載のイソシアネート変性ポリオール、請求項29乃至35及び37のいずれか1項に記載の製造方法、または、請求項36または37に記載のポリマー変性ポリオールにおいて用いられる請求項38乃至45のいずれか1項に記載の用途。

【公表番号】特表2012−519743(P2012−519743A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552504(P2011−552504)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000381
【国際公開番号】WO2010/100421
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511214738)グリーン ウレタンズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】