説明

ポリウレタン尿素含有フィルムを調製する方法

ポリウレタン含有フィルムを調製する方法であって、(a)イソシアネート官能基を有するポリウレタン材料を第1の成分として準備する工程、(b)イソシアネートと反応する活性水素官能基を有する材料を第2の成分として準備する工程、(c)第1の成分と第2の成分の一部分を混合して、第1の反応混合物を生成する工程、(d)第1の反応混合物を、粘度が少なくとも300cpsに上がるのに十分な時間反応させる工程、(e)第2の成分の残部を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を生成する工程、(f)反応混合物を支持基材に実質的に均一な厚さで施して、その上に少なくとも部分フィルムを形成する工程、(g)支持基材上のフィルムを、硬化したフィルムを得るのに十分な温度に十分な時間加熱する工程、および(h)硬化したフィルムを前記支持基材から取り外して、非エラストマー性ポリウレタン含有フリーフィルムを得る工程を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願は、2008年10月31日に出願された、米国仮特許出願第61/110,291号からの優先権の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、硬化した非エラストマー性ポリウレタン尿素含有フィルムを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
耐久性および耐摩耗性を維持しながら許容できる画像品質を提供する偏光光学素子が、ディスプレイ、窓、フロントガラス、サングラス、ファッションレンズ、非処方および処方レンズ、スポーツ用マスク、顔面防護器具、ならびにゴーグルなどの種々の用途で求められている。
【0004】
通常の偏光フィルターは、延伸またはその他の方法で配向し、ヨウ素発色団または二色性染料を含浸させたポリビニルアルコールなどのポリマー材料のシートまたは層から形成される。通常は、これらの含浸シートは、良好な光学諸特性を有するセルローストリアセテートまたはポリエチレンテレフタレートの支持フィルム間で積層されている。
【0005】
ポリウレタン−尿素などのポリウレタン含有材料は、その優れた特性、具体的には低複屈折性、弾性、ならびに耐薬品性および耐衝撃性のため、光学物品の製造において有用なポリマーとして開発されている。これらは、レンズ、ガラス板などのための成形(mold)キャスティングで使用されてきた。しかし、その使用は、ポリウレタン含有ポリマーのフィルムを調製するのが困難であるため、これらの用途に限定されていた。このような問題点としては、低ゲル時間および高粘度を挙げることができ、これによって、これらの材料の通常のフィルムキャスティングが、乏しい加工性(workability)のため非常に困難になる。
【0006】
キャストフィルムにおける複屈折(birefringence)または「複屈折(double refraction)」は、製造操作中、ポリマーの配向によって引き起こされる可能性がある。ポリマーの分子配向によって、フィルム面内で屈折率が大幅に異なる可能性がある。面内複屈折は、フィルム面内での垂直方向のこれらの屈折率間の差である。複屈折性が低いまたは無視できるほどの光学材料は、良好な光学特性を提供するため、ある種の光学物品、特に偏光フィルターと組み合わせた光学物品において望ましくあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
その優れた光学的および機械的諸特性を利用するために、光学素子および物品でフィルム層として使用するためのフリーフィルム中のポリウレタン含有材料を調製する方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、硬化した非エラストマー性ポリウレタン含有フィルムを調製する方法が提供される。この方法は、
(a)イソシアネート官能基を有するポリウレタン材料を含む第1の成分を準備するステップ、
(b)イソシアネートと反応する活性水素官能基を有する材料を含む第2の成分を準備するステップ、
(c)上記第1の成分と上記第2の成分の一部分を混合して、第1の反応混合物を生成するステップ、
(d)上記第1の反応混合物を、上記反応混合物の粘度が少なくとも300cpsに上がるのに十分な時間反応させるステップ、
(e)上記第2の成分の残部を上記第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を生成するステップ、
(f)上記第2の反応混合物を支持基材に実質的に均一な厚さで施して、その上に少なくとも部分フィルムを形成するステップ、
(g)上記支持基材上の上記フィルムを、硬化したフィルムを得るのに十分な温度に十分な時間加熱するステップ、および
(h)上記硬化したフィルムを上記支持基材から取り外して、非エラストマー性ポリウレタン含有フリーフィルムを得るステップ
を含む。
【0009】
本発明の方法を使用して形成されたフィルムは、液晶ディスプレイの構成要素として特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形の「a」、「an」、および「the」には、はっきりかつ明白に1つの指示物に限定されない限り、複数が含まれることに留意されたい。
【0011】
本明細書では、別段の示唆のない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用されるすべての材料の量、反応条件、および他のパラメータを表す数値は、すべての場合用語「約」で修飾されていると理解されたい。したがって、反対の記載のない限り、下記の明細書および添付の特許請求の範囲で記載の数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変わり得る近似値である。最低でも、均等論の特許請求の範囲への適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効数字の数を考慮に入れて一般的な丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0012】
本明細書では数値範囲はすべて、記載された数値範囲内のすべての数値およびすべての数値の範囲を包含する。本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体例に記載されている数値はできる限り正確に報告されている。しかし、任意の数値は、それぞれの試験測定で見られる標準偏差に必ず起因する一定の誤差を本来含んでいる。
【0013】
本明細書に提示されている本発明の様々な実施形態および実施例はそれぞれ、本発明の範囲に関して限定するものでないと理解されるべきである。
【0014】
下記の説明および特許請求の範囲で使用されるように、下記の用語は指示された意味を有する。
【0015】
用語「アクリリック(acrylic)」と「アクリレート」は同義で使用され(ただし、そうすることが意図する意味を変更しない限りである)、別段に明確な指示のない限り、アクリル酸類、無水物類、およびそれらの誘導体、具体的にはそれらのC〜Cアルキルエステル類、低級アルキル置換アクリル酸、例えばC〜C置換アクリル酸、具体的にはメタクリル酸、エタクリル酸など、およびそれらのC〜Cアルキルエステル類を包含する。用語「(メタ)アクリリック」または「(メタ)アクリレート」は、指示された材料、例えば(メタ)アクリレートモノマーのアクリリック/アクリレートとメタクリリック/メタクリレートの両方の形を包含するよう意図されている。
【0016】
一部の特定の説明の硬化したまたは硬化性の組成物、例えば「硬化した組成物」に関連して使用される用語「硬化」、「硬化した」、または類似の用語は、硬化性組成物を形成する重合性および/または架橋性の成分の少なくとも一部分が、少なくとも部分重合および/または架橋されていることを意味する。例えば硬化性フィルム形成組成物に関連して使用される用語「硬化性」は、指示された組成物が、例えば熱、触媒、電子ビーム、化学ラジカル開始反応、および/または光開始反応、具体的には紫外線または他の化学線への曝露による光開始反応が挙げられるが、これらに限定されない手段によって重合可能または架橋可能であることを意味する。本発明の文脈では、「硬化した」組成物は、重合性または架橋性の成分の利用可能性に応じて、さらに硬化性であり続ける可能性がある。
【0017】
用語「非エラストマー性」は、典型的なエラストマーの挙動を示さない材料を意味する。すなわち、これらは、可逆的な変形またはその元の長さの少なくとも2倍への伸びを容易には起こさない。
【0018】
用語「上に(on)」、「に付加した(appended to)」、「に固定した(affixed to)」、「に結合した(bonded to)」、「に接着した(adhered to)」、または同様の趣旨の用語は、指定の品目、例えばコーティング、フィルム、または層が、直接に物体表面に接続され(重ねられ)、あるいは例えば(重ねられた)1つまたは複数の他のコーティング、フィルム、または層を介して、間接的に物体表面に接続されていることを意味する。
【0019】
例えばポリマー材料に関連して使用される用語「光学的品質」、例えば「光学的品質の樹脂」または「光学的品質の有機ポリマー材料」は、指示された材料、例えばポリマー材料、樹脂、または樹脂組成物が、その適切な光学諸特性のため、光学物品、具体的には眼用レンズとしてまたは光学物品と組み合わせて使用することができる基材、層、フィルム、またはコーティングであり、あるいはそれらを形成することを意味する。
【0020】
例えば基材、フィルム、材料、および/またはコーティングに関連して使用される用語「透過性」は、指示された基材、コーティング、フィルム、および/または材料が、目立つような分散なしに光を透過させ、したがって向こうにある物体が完全に目に見える特性を有することを意味する。
【0021】
語句「少なくとも一部のフィルム」は、基材の完全な表面に至るまで少なくとも一部分を覆うフィルムの量を意味する。「フィルム」は、シーティング型の材料またはコーティング型の材料によって形成することができる、材料の実質的に連続した薄層と定義される。本明細書では、「フリーフィルム」は、自己充足的な構造的完全性の物品、すなわち、必ずしも支持基材と接触しておらず、かつそれを必要としない薄いシートを含む。
【0022】
本発明によれば、硬化した非エラストマー性ポリウレタン含有フィルムを調製する方法が提供される。この方法は、
(a)イソシアネート官能基を有するポリウレタン材料を含む第1の成分を準備するステップ、
(b)イソシアネートと反応する活性水素官能基を有する材料を含む第2の成分を準備するステップ、
(c)上記第1の成分と上記第2の成分の一部分を混合して、第1の反応混合物を生成するステップ、
(d)上記第1の反応混合物を、上記反応混合物の粘度が少なくとも300cpsに上がるのに十分な時間反応させるステップ、
(e)上記第2の成分の残部を上記第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を生成するステップ、
(f)上記第2の反応混合物を支持基材に実質的に均一な厚さで施して、その上に少なくとも部分フィルムを形成するステップ、
(g)上記支持基材上のフィルムを、硬化したフィルムを得るのに十分な温度に十分な時間加熱するステップ、および
(h)上記硬化したフィルムを上記支持基材から取り外して、非エラストマー性ポリウレタン含有フリーフィルムを得るステップ
を含む。得られたフリーフィルムは典型的には非複屈折性である。いくつかの実施形態では、ポリウレタン含有材料を調製するために使用される材料に応じて、フリーフィルムは、少なくとも9000psiの破断応力、および少なくとも70%の破断歪みを示し得る。
【0023】
第1の成分で使用するためのイソシアネート官能基を有する適切なポリウレタン材料としては、(i)ポリイソシアネートと(ii)イソシアネート類と反応する活性水素基を有する材料とに由来するポリウレタンプレポリマー類を挙げることができる。
【0024】
第1の成分中のポリウレタン材料の調製で有用なポリイソシアネート類は、多数であり、広範囲である。限定するものではないが、例えば脂肪族ポリイソシアネート類、イソシアナト基の1つまたは複数が脂環式環に直接結合している脂環式ポリイソシアネート類、イソシアナト基の1つまたは複数が脂環式環に直接結合していない脂環式ポリイソシアネート類、イソシアナト基の1つまたは複数が芳香族環に直接結合している芳香族ポリイソシアネート類、およびイソシアナト基の1つまたは複数が芳香族環に直接結合していない芳香族ポリイソシアネート、およびそれらの混合物を挙げることができる。芳香族ポリイソシアネートが使用される場合、一般的にポリウレタン含有物を着色(例えば、黄変)させない材料を慎重に選択しなければならない。
【0025】
ポリイソシアネートとしては、脂肪族または脂環式のジイソシアネート類、芳香族ジイソシアネート類、それらの環式ダイマーおよび環式トリマー、ならびにそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。適切なポリイソシアネート類は限定されるものではないが、例えば、Bayerから市販されているDESMODUR N 3300(ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー);DESMODUR N 3400(60%のヘキサメチレンジイソシアネートダイマーおよび40%のヘキサメチレンジイソシアネートトリマー)を挙げることができる。非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートとしては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびそれらの異性体混合物を挙げることができる。本明細書および特許請求の範囲では、用語「異性体混合物」は、ポリイソシアネートのシス−シス、トランス−トランス、および/またはシス−トランス異性体の混合物を意味する。本発明で使用するための異性体混合物は限定されるものではないが、例えば以下「PICM」(パライソシアナトシクロヘキシルメタン)と呼ばれる4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)のトランス−トランス異性体、PICMのシス−トランス異性体、PICMのシス−シス異性体、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0026】
本発明で使用するための適切な異性体としては、次の4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の3種類の異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
【化1】

PICMは、当技術分野でよく知られている手順、具体的には参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2,644,007号;第2,680,127号、および第2,908,703号に開示される手順で、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(PACM)をホスゲン化することによって調製することができる。PACM異性体混合物は、ホスゲン化時に、室温において液相、部分的液相、または固相中でPICMを生成することができる。あるいは、PACM異性体混合物は、水およびメタノールやエタノールなどのアルコール類の存在下でメチレンジアニリンの水素化および/またはPACM異性体混合物の分別結晶化によって得ることができる。
【0028】
使用することができる追加の脂肪族および脂環式ジイソシアネート類としては、Arco Chemicalから市販されている3−イソシアナト−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(「IPDI」)、およびCytec Industries Inc.から商標名TMXDI(登録商標)(メタ)脂肪族イソシアネートで市販されているメタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)−ベンゼン)が挙げられる。
【0029】
本明細書および特許請求の範囲では、用語「脂肪族および脂環式ジイソシアネート類」は、2つのジイソシアネート反応性末端基を有する直鎖または環化物で連結している6〜100個の炭素原子を意味する。本発明の非限定的な実施形態では、本発明で使用するための脂肪族および脂環式ジイソシアネート類としては、TMXDIおよび式R−(NCO)の化合物(式中、Rは脂肪族基または脂環式基を表す)を挙げることができる。
【0030】
第1の成分のポリウレタン材料を調製するために使用される活性水素を含む材料(ii)は、イソシアネートと反応する活性水素を含むならいずれの化合物または化合物の混合物でもよい。典型的には、活性水素を含む材料(ii)は、ヒドロキシル(OH)基および/またはイソシアネートと反応する他の活性水素基を含む。材料(ii)は、OH基、第一級アミン基、第二級アミン基、チオール基、またはそれらの組合せを含む少なくとも2つの活性水素を含む基を有する化合物を含むことができる。OH基を有する単一の多官能性化合物を使用してもよい。同様に、混合官能基を有する単一の多官能性化合物を使用してもよい。いくつかの異なる化合物は、同じまたは異なる官能基を有する混合物として使用することができる。例えば、異なる2種類のポリアミンを使用することができ、ポリアミン類と混合したポリチオール類を使用することができ、または例えばヒドロキシル官能性ポリチオール類と混合したポリアミン類が適切である。
【0031】
第1の成分中のポリウレタン材料の調製において本発明で使用するための適切なOHを含む材料としては、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
ポリエーテルポリオール類の例は、ポリアルキレンエーテルポリオール類であり、次の構造式を有するポリアルキレンエーテルポリオール類が挙げられる:
【0033】
【化2】

式中、置換基R1は水素、または混合置換基を含む1〜5個の炭素原子を有する低級アルキルであり、nは、通常は2〜6であり、mは8〜100以上である。ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール類、ポリ(オキシテトラエチレン)グリコール類、ポリ(オキシ−1,2−プロピレン)グリコール類、およびポリ(オキシ−1,2−ブチレン)グリコール類が挙げられる。アルキレンオキシド類は限定されるものではないが、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、アラルキレンオキシド類、具体的にはスチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な別の実施形態では、ポリオキシアルキレンポリオール類は、アルキレンオキシドの混合物を用いて、ランダムまたは段階的オキシアルキル化で調製することができる。
【0034】
様々なポリオール類、例えばジオール類、具体的にはエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールAなど、または他の高次ポリオール類、具体的にはトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールなどのオキシアルキル化によって生成されたポリエーテルポリオール類も有用である。指示されるように利用することができる高次官能性ポリオール類は、例えばスクロースやソルビトールなどの化合物のオキシアルキル化によって作製することができる。1つの一般的に利用されるオキシアルキル化方法は、酸性または塩基性触媒の存在下におけるポリオールとアルキレンオキシド、例えばプロピレンまたはエチレンオキシドの反応である。特定のポリエーテル類としては、E.I.Du Pont de Nemours and Company,Inc.から入手可能な名称TERATHANEおよびTERACOL、ならびにGreat Lakes Chemical Corp.の子会社であるQ O Chemicals,Inc.から入手可能なPOLYMEGで販売されているものが挙げられる。
【0035】
本発明で使用するためのポリエーテルグリコール類としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0036】
ポリエーテル含有ポリオールは、エチレンオキシド−プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシド−ブチレンオキシドのブロックを含めて、ブロックコポリマーを含み得る。BASFから市販されているPLURONIC R、PLURONIC L62D、TETRONIC R、およびTETRONICは、本発明でポリエーテル含有ポリオール材料として使用することができる。
【0037】
適切なポリエステルグリコール類としては、4〜10個の炭素原子を有する1つまたは複数のジカルボン酸類、具体的にはアジピン酸、コハク酸、またはセバシン酸と、2〜10個の炭素原子を有する1つまたは複数の低分子量グリコール類、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、および1,10−デカンジオールとのエステル化生成物を挙げることができるが、これらに限定されない。非限定的な実施形態では、ポリエステルグリコール類は、アジピン酸と2〜10個の炭素原子を有するグリコール類とのエステル化生成物であり得る。
【0038】
本発明で使用するための適切なポリカプロラクトングリコール類としては、E−カプロラクトンと上記の低分子量グリコール類の1つまたは複数との反応生成物を挙げることができる。ポリカプロラクトンは、2官能性活性水素化合物、具体的には水または上記の低分子量グリコール類の少なくとも1つの存在下でカプロラクトンを縮合することによって調製してもよい。ポリカプロラクトングリコール類の特定の例としては、Solvay Corp.からCAPA(登録商標)2047およびCAPA(登録商標)2077として入手可能なポリカプロラクトンポリエステルジオール類が挙げられる。
【0039】
ポリカーボネートポリオール類は当技術分野で知られており、具体的にはRavecarbTM 107(Enichem S.p.A.)が市販されている。非限定的な実施形態では、米国特許第4,160,853号に記載されているようになど、ポリカーボネートポリオールは、有機グリコール、具体的にはジオールとジアルキルカーボネートを反応させることによって生成することができる。非限定的な実施形態では、ポリオールとしては、様々な重合度のポリヘキサメチルカーボネートを挙げることができる。
【0040】
グリコール材料は、低分子量ポリオール類、具体的には分子量が500未満のポリオール類、およびそれらの適合性混合物を含み得る。本明細書では、用語「適合性」は、単一相が形成されるようにグリコール類が相互に可溶性であることを意味する。これらのポリオール類は限定されるものではないが、例えば低分子量ジオール類およびトリオール類を挙げることができる。使用する場合、トリオールの量は、ポリウレタンにおいて架橋度が高くならないように選択される。高架橋度によって、適度な熱および圧力で形成することができない硬化性ポリウレタンを生じる可能性がある。有機グリコールは、通常は2〜16個、または2〜6個、または2〜10個の炭素原子を含む。このようなグリコール類は限定されるものではないが、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−、2,4−および1,5−ペンタンジオール、2,5−および1,6−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン、グリセリン、テトラメチロールメタン、具体的にはペンタエリトリトール、トリメチロールエタン、およびトリメチロールプロパン、ならびにそれらの異性体を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0041】
OHを含む材料の重量平均分子量は、例えば少なくとも60、または少なくとも90、または少なくとも200であり得る。さらに、OHを含む材料の重量平均分子量は、例えば10,000未満、または7000未満、または5000未満、または2000未満であり得る。
【0042】
本発明で使用するためのOHを含む材料としては、少なくとも1つの低分子量ジカルボン酸、具体的にはアジピン酸から生成されるターエステル類を挙げることができる。
【0043】
本発明で使用するためのポリエステルグリコール類およびポリカプロラクトングリコール類は、例えばD. M. Young、F. Hostettlerら、「Polyesters from Lactone」、Union Carbide F−40、147頁の論文に記載されている既知のエステル化またはエステル交換手順で調製することができる。
【0044】
ポリエステルグリコール類は、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸;1,10−デカンジオールとアジピン酸;または1,10−デカンジオールとカプロラクトンの反応によっても調製することができる。
【0045】
非限定的な代替実施形態では、本発明で使用するためのOHを含む材料は、(a)アジピン酸と、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、または1,10−デカンジオールから選択された少なくとも1つのジオールとのエステル化生成物;(b)E−カプロラクトンと、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、または1,10−デカンジオールから選択された少なくとも1つのジオールとの反応生成物;(c)ポリテトラメチレングリコール;(d)脂肪族ポリカーボネートグリコール類、および(e)それらの混合物から選択することができる。
【0046】
チオール含有材料を使用して、ハイインデックスポリウレタン含有フィルム;すなわち、比較的に高い屈折率を有するフィルムを調製するためのプレポリマー、具体的には硫黄含有イソシアネート官能性ポリウレタンを生成することができる。これらの実施形態では、第1の成分として使用されるポリウレタンプレポリマーは、ポリウレタンプレポリマーを調製するために使用されるポリチオールおよび/またはポリチオールオリゴマーにジスルフィド結合が含まれているため、ジスルフィド結合を含む可能性があることに留意されたい。
【0047】
チオール含有材料は、少なくとも2つのチオール官能基を有することができ、ジチオール、またはジチオールと2つを超えるチオール官能基を有する化合物(高次ポリチオール)との混合物を含み得る。このような混合物としては、ジチオール類の混合物および/または高次ポリチオール類の混合物を挙げることができる。チオール官能基は、少数(すなわち、すべての基の50パーセント未満)が鎖に沿った懸垂型であり得るが、通常は末端基である。化合物(a)は、さらに少数の他の活性水素官能基(すなわち、チオールとは異なる)、例えばヒドロキシル官能基を含み得る。チオール含有材料は、鎖状または分岐状であり得、環式アルキル、アリール、アラルキル、またはアルカリール(alkaryl)基を含み得る。
【0048】
チオール含有材料は、実質的に線状のオリゴマーポリチオールが生成されるように選択することができる。したがって、材料がジチオールと2つを超えるチオール官能基を有する化合物との混合物を含み、2つを超えるチオール官能基を有する化合物は、混合物の10重量パーセントまでの量で存在し得る。
【0049】
適切なジチオール類としては、鎖状または分岐状の脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環式、ポリマー性、オリゴマー性のジチオール類、およびそれらの混合物を挙げることができる。ジチオールは、エーテル結合(−O−)、スルフィド結合(−S−)、ポリスルフィド結合(−S−、式中、xは少なくとも2、または2〜4である)、およびこのような結合の組合せを含めて、種々の結合を含み得るが、これらに限定されない。
【0050】
本発明で使用するための適切なジチオール類は限定されるものではないが、例えば2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、エタンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、ポリ(エチレングリコール)ジ(2−メルカプトアセテート)、およびポリ(エチレングリコール)ジ(3−メルカプトプロピオネート)、ベンゼンジチオール、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、4,4’−チオジベンゼンチオール、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0051】
ジチオールとしては、ジスルフィド結合を有するジチオールオリゴマー類、具体的には次式で表される材料を挙げることができる:
【0052】
【化3】

式中、nは1〜21の整数を表し得る。
【0053】
式Iで表されるジチオールオリゴマー類は、当技術分野で知られているように、例えば塩基性触媒の存在下で2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンと硫黄との反応によって調製することができる。
【0054】
ポリチオール類中のSH基の性質としては、酸化的カップリングが容易に起こることができ、ジスルフィド結合が形成される。様々な酸化剤は、このような酸化的カップリングを生じることができる。空気中の酸素は、場合によってはポリチオールの貯蔵中にこのような酸化的カップリングを招く恐れがある。チオール基の酸化的カップリングのあり得るメカニズムは、チイルラジカル(thiyl radical)が生成し、続いて前記チイルラジカルがカップリングして、ジスルフィド結合が形成されるものであると考えられる。さらに、ジスルフィド結合の形成は、チイルラジカルの生成を招き得る条件下で起こり得ると考えられる。この条件としては、ラジカル開始反応を伴う反応条件が挙げられるが、これらに限定されない。前記ポリチオール類としては、貯蔵中に形成されたジスルフィド結合を含む種を挙げることができる。
【0055】
第1の成分中のポリウレタン材料の調製において材料(ii)中で使用するためのポリチオール類としては、ポリチオールの合成中に形成されたジスルフィド結合を含む種も挙げることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、本発明で使用するためのジチオールとしては、次の構造式で表される少なくとも1つのジチオールを挙げることができる。
【0057】
【化4】

1,3−ジチオラン(例えば、式IIおよびIII)または1,3−ジチアン(例えば、式IVおよびV)を含むスルフィドを含むジチオール類は、米国特許第7,009,032B2号に記載されるように、asym−ジクロロアセトン(asym−dichloroacetone)とジメルカプタンを反応させ、次いでその反応生成物とジメルカプトアルキルスルフィド、ジメルカプタンまたはそれらの混合物とを反応させることによって調製することができる。
【0058】
asym−ジクロロアセトンとの反応で使用するための適切なジメルカプタンは限定されるものではないが、例えば次式で表される材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
【化5】

式中、YはCHまたは(CH−S−CH)を表し得、nは0〜5の整数であり得る。本発明においてasym−ジクロロアセトンとの反応のためのジメルカプタンは、例えばエタンジチオール、プロパンジチオール、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0060】
上記の反応を実施するのに適したasym−ジクロロアセトンおよびジメルカプタンの量は変えることができる。例えば、asym−ジクロロアセトンおよびジメルカプタンは、ジクロロアセトンとジメルカプタンのモル比が1:1〜1:10となり得る量で、反応混合物中に存在し得る。
【0061】
asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンを反応させるのに適切な温度は、しばしば0〜100℃で変えることができる。
【0062】
asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンの反応生成物との反応で使用するための適切なジメルカプタン類は限定されるものではないが、例えば上記の一般式VIで表される材料、芳香族ジメルカプタン類、シクロアルキルジメルカプタン類、複素環式ジメルカプタン類、分岐ジメルカプタン類、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0063】
asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンの反応生成物との反応で使用するための適切なジメルカプトアルキルスルフィド類は限定されるものではないが、例えば次式で表される材料を挙げることができる:
【0064】
【化6】

式中、XはO、S、またはSeを表し得、nは0〜10の整数であり得、mは0〜10の整数であり得、pは、1〜10の整数であり得、qは0〜3の整数であり得、ただし(m+n)が1〜20の整数であることを条件にする。
【0065】
本発明で使用するための適切なジメルカプトアルキルスルフィド類は限定されるものではないが、例えば分岐ジメルカプトアルキルスルフィド類を挙げることができる。
【0066】
asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンとの反応生成物と反応させるのに適したジメルカプタン、ジメルカプトアルキルスルフィド、またはそれらの混合物の量は、変えることができる。通常は、ジメルカプタン、ジメルカプトアルキルスルフィド、またはそれらの混合物は、反応生成物とジメルカプタン、ジメルカプトアルキルスルフィド、またはそれらの混合物との当量比が1:1.01〜1:2となり得る量で、反応混合物中に存在し得るさらに、この反応を実施するのに適切な温度は、0〜100℃の範囲内で変えることができる。
【0067】
asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンとの反応は、酸触媒の存在下で実施することができる。酸触媒は、当技術分野で知られている広範な種々のもの、具体的にはルイス酸類およびブレンステッド酸類から選択することができるが、これらに限定されない。適切な酸触媒は限定されるものではないが、例えばUlmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1992年、A21巻、673〜674頁に記載されている酸触媒を挙げることができる。酸触媒は、三フッ化ホウ素エーテラート、塩酸、トルエンスルホン酸、およびそれらの混合物から選択されることが多い。酸触媒の量は、反応混合物の0.01〜10重量パーセントで変えることができる。
【0068】
あるいは、asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンとの反応生成物を、塩基の存在下でジメルカプトアルキルスルフィド、ジメルカプタン、またはそれらの混合物と反応させることができる。塩基は、当技術分野で知られている広範な種々のもの、具体的にはルイス塩基類およびブレンステッド塩基類から選択することができるが、これらに限定されない。適切な塩基類は限定されるものではないが、例えばUlmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1992年、A21巻、673〜674頁に記載されている塩基類を挙げることができる。塩基は、水酸化ナトリウムであることが多い。塩基の量は変えることができる。通常は、塩基と最初の反応の反応生成物との適切な当量比は、1:1〜10:1であり得る。
【0069】
asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンとの反応は、溶媒の存在下で実施することができる。溶媒は、有機溶媒から選択することができるが、これらに限定されない。適切な溶媒は限定されるものではないが、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、酢酸、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0070】
別の実施形態では、asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンとの反応生成物を、溶媒の存在下または非存在下にジメルカプトアルキルスルフィド、ジメルカプタン、またはそれらの混合物と反応させることができる。ここで、溶媒は有機溶媒から選択することができるが、これらに限定されない。適切な有機溶媒は限定されるものではないが、例えばアルコール類、具体的にはメタノール、エタノール、およびプロパノール(ただし、これらに限定されない);芳香族炭化水素溶媒、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン(ただし、これらに限定されない);ケトン類、具体的にはメチルエチルケトン(ただし、これに限定されない);水;ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0071】
asym−ジクロロアセトンとジメルカプタンとの反応は、脱水試薬の存在下で実施することもできる。脱水試薬は、当技術分野で知られている広範な種々のものから選択することができる。この反応で使用するための適切な脱水試薬としては、硫酸マグネシウムを挙げることができるが、これに限定されない。脱水試薬の量は、脱水反応の化学量論に従って広範に変えることができる。
【0072】
第1の成分中のポリウレタン材料の調製において材料(ii)で使用するためのポリチオール類は、いくつかの非限定的な実施形態で、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランとジメルカプトジエチルスルフィドを反応させて、式IIIのジメルカプト−1,3−ジチオラン誘導体を生成することによって調製することができる。あるいは、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランと1,2−エタンジチオールを反応させて、式IIのジメルカプト−1,3−ジチオラン誘導体を生成することができる。2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチアンとジメルカプトジエチルスルフィドを反応させて、式Vのジメルカプト−1,3−ジチアン誘導体を生成することができる。また、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチアンと1,2−エタンジチオールを反応させて、式IVのジメルカプト−1,3−ジチアン誘導体を生成することもできる。
【0073】
材料(ii)として使用するのに適したジチオールの別の非限定的な例としては、ジクロロ誘導体とジメルカプトアルキルスルフィドを以下の通り反応させることによって調製された少なくとも1つのジチオールオリゴマーを挙げることができる:
【0074】
【化7】

式中、RはCH、CHCO、C〜C10アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、またはアルキル−COを表し得;YはC〜C10アルキル、シクロアルキル、C〜C14アリール、(CH(S)(CH、(CH(Se)(CH、(CH(Te)(CHを表し得る、ただしmは1〜5の整数であり得、pおよびqはそれぞれ、1〜10の整数であり得;nは1〜20の整数であり得;xは0〜10の整数であり得る。
【0075】
ジクロロ誘導体とジメルカプトアルキルスルフィドとの反応は、塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基類には、上記に開示するものに加えて、当業者に知られているいずれも含まれる。
【0076】
ジクロロ誘導体とジメルカプトアルキルスルフィドとの反応は、相間移動触媒の存在下で実施してもよい。本発明で使用するための適切な相間移動触媒は周知であり、様々である。非限定的な例としては、テトラアルキルアンモニウム塩類およびテトラアルキルホスホニウム塩類を挙げることができるが、これらに限定されない。この反応は、相間移動触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドの存在下で実施されることが多い。相間移動触媒の量は、ジメルカプトスルフィド反応物に対して0〜50当量%、または0〜10当量%、または0〜5当量%で広範に変えることができる。
【0077】
材料(ii)で使用するためのポリチオール類は、さらにヒドロキシル官能基を含み得る。ヒドロキシルと複数の(1つを超える)チオール基とを有する適切な材料は限定されるものではないが、例えばグリセリンビス(2−メルカプトアセテート)、グリセリンビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールビス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトールトリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0078】
上記に開示するジチオール類に加えて、適切なジチオール類の特定の例としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD)、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0079】
材料(ii)で使用するための適切な3官能性または高次官能性ポリチオール類は、当技術分野で知られている広範な種々のものから選択することができる。非限定的な例としては、ペンタエリトリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、および/またはチオグリセロールビス(2−メルカプトアセテート)を挙げることができる。
【0080】
例えば、ポリチオールは、次の一般式で表される材料から選択することができる:
【0081】
【化8】

式中、RおよびRはそれぞれ独立に、直鎖または分枝鎖のアルキレン、環式アルキレン、フェニレン、およびC〜Cアルキル置換フェニレンから選択することができる。直鎖または分枝鎖のアルキレンは限定されるものではないが、例えばメチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,2−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、オクタデシレン、およびイコシレン(icosylene)を挙げることができる。環式アルキレン類は限定されるものではないが、例えばシクロペンチレン、シクロへキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレン、およびそれらのアルキル置換誘導体を挙げることができる。2価の結合基であるRおよびRは、メチレン、エチレン、フェニレン、ならびにアルキル置換フェニレン、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびノニル置換フェニレンから選択することができる。
【0082】
特定の実施形態では、ポリチオールは、(1)上記のジチオール類のいずれかと、(2)少なくとも2つの二重結合を有する化合物(例えば、ジエン)を一緒に反応させることによって調製することができる。
【0083】
少なくとも2つの二重結合を有する化合物(2)は、非環式ジエン類(直鎖および/または分岐脂肪族非環式ジエン類を含む);非芳香族環を含むジエン類(二重結合が環内に含まれていてもよく、または環内に含まれていなくてもよく、またはそれらの任意の組合せでもよく、また非芳香族単環式基または非芳香族多環式基、またはそれらの組合せを含み得る非芳香族環を含むジエン類を含む);芳香族環を含むジエン類;またはヘテロ環式環を含むジエン類;あるいはこのような非環式基および/または環式基の任意の組合せを含むジエン類から選択することができる。ジエン類は、任意選択でチオエーテル、ジスルフィド、ポリスルフィド、スルホン、エステル、チオエステル、カーボネート、チオカーボネート、ウレタン、もしくはチオウレタン結合、またはハロゲン置換基、あるいはそれらの組合せを含み得る。ただし、ジエン類は、ポリチオールのSH基との反応を経て、共有C−S結合を形成することができる二重結合を含むことを条件にする。少なくとも2つの二重結合を有する化合物(2)は、互いに異なるジエン類の混合物を含むことが多い。
【0084】
少なくとも2つの二重結合を有する化合物(2)は、非環式非共役ジエン類、非環式ポリビニルエーテル類、アリル−(メタ)アクリレート類、ビニル−(メタ)アクリレート類、ジオール類のジ(メタ)アクリル酸エステル類、ジチオール類のジ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ(アルキレングリコール)ジオール類のジ(メタ)アクリル酸エステル類、単環式非芳香族ジエン類、多環式非芳香族ジエン類、芳香族環を含むジエン類、芳香族環ジカルボン酸類のジアリルエステル類、芳香族環ジカルボン酸類のジビニルエステル類、および/またはそれらの混合物を含み得る。
【0085】
非環式非共役ジエン類は限定されるものではないが、例えば、次の一般式で表されるものを挙げることができる:
【0086】
【化9】

式中、Rは2価のC〜C30鎖状もしくは分岐状飽和アルキレン基、または2価のC〜C30有機基を表し得、具体的にはエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、ケトン、ポリスルフィド、スルホン、およびそれらの組合せを含むものなどの基が挙げられるが、これらに限定されない。非環式非共役ジエン類は、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0087】
適切な非環式ポリビニルエーテル類は限定されるものではないが、例えば次の構造式で表されるものを挙げることができる:
CH=CH−−O−−(−−R−−O−−)−−CH=CH
式中、RはC〜Cn−アルキレン、C〜C分岐アルキレン基、または−−[(CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)−−であり得、mは0〜10の有理数であり得、2であることが多く;pは2〜6の整数であり得、qは1〜5の整数であり得、rは2〜10の整数であり得る。
【0088】
使用するのに適切なポリビニルエーテルモノマー類は限定されるものではないが、例えばジビニルエーテルモノマー類、具体的にはエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0089】
鎖状ジオール類のジ(メタ)アクリル酸エステル類としては、エタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0090】
ジチオール類のジ(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えばそのオリゴマーを含めて、1,2−エタンジチオールのジ(メタ)アクリレート;そのオリゴマーを含めて、ジメルカプトジエチルスルフィドのジ(メタ)アクリレート(すなわち、2,2’−チオエタンジチオールジ(メタ)アクリレート);そのオリゴマーを含めて、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオールのジ(メタ)アクリレート;そのオリゴマーを含めて、2−メルカプトエチルエーテルのジ(メタ)アクリレート;4,4’−チオジベンゼンチオールのジ(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0091】
さらに、適切なジエン類は限定されるものではないが、例えば単環式脂肪族ジエン類、具体的には次の構造式で表されるものを挙げることができる:
【0092】
【化10】

式中、XおよびYはそれぞれ独立に、2価のC1−10飽和アルキレン基;または炭素および水素原子に加えて、硫黄、酸素、およびケイ素の群から選択された少なくとも1つの元素を含む2価のC1−5飽和アルキレン基を表し得;RはHまたはC〜C10アルキルを表し得;また
【0093】
【化11】

式中、XおよびRは上記に定義する通りであり得、RはC〜C10アルケニルを表し得る。単環式脂肪族ジエン類としては、1,4−シクロヘキサジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、ジペンテン、およびテルピネンを挙げることができる。
【0094】
多環式脂肪族ジエン類は限定されるものではないが、例えば5−ビニル−2−ノルボルネン;2,5−ノルボルナジエン;ジシクロペンタジエン、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0095】
芳香族環を含むジエン類は限定されるものではないが、例えば次の構造式で表されるものを挙げることができる:
【0096】
【化12】

式中、Rは水素またはメチルを表し得る。芳香族環を含むジエン類としては、モノマー、具体的にはジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0097】
芳香族環ジカルボン酸類のジアリルエステル類としては、例えば次の構造式で表されるものを挙げることができるが、これらに限定されない:
【0098】
【化13】

式中、mおよびnはそれぞれ独立に、0〜5の整数であり得る。芳香族環ジカルボン酸類のジアリルエステル類としては、o−ジアリルフタレート、m−ジアリルフタレート、p−ジアリルフタレート、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0099】
しばしば、少なくとも2つの二重結合を有する化合物(2)は、5−ビニル−2−ノルボルネン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ビニルシクロヘキセン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、ジペンテン、テルピネン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカジエン、シクロオクタジエン、2−シクロペンテン−1−イル−エーテル、2,5−ノルボルナジエン;1,3−ジビニルベンゼン、1,2−ジビニルベンゼン、および1,4−ジビニルベンゼンを含めて、ジビニルベンゼン;1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,2−ジイソプロペニルベンゼン、および1,4−ジイソプロペニルベンゼンを含めて、ジイソプロペニルベンゼン;アリル(メタ)アクリレート、エタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメルカプトジエチルスルフィドジ(メタ)アクリレート、1,2−エタンジチオールジ(メタ)アクリレート、および/またはそれらの混合物を含む。
【0100】
適切なジ(メタ)アクリレートモノマーは限定されるものではないが、例えば他にエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,3−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、チオジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、およびエトキシ化ビス−フェノールAジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0101】
第1の成分中のポリウレタン材料の調製において材料(ii)で使用するためのポリチオール類は、ポリイソシアネート(i)と反応したとき、少なくとも20N/mm、または多くの場合少なくとも50、またはより多くの場合70〜200のマルテンス硬さを有する重合体を生成することができる。このような重合体は、通常はエラストマーではない。すなわち、これらは、その剛性のため実質的には可逆的に変形可能(例えば、伸縮性)ではなく、通常はゴムおよび他のエラストマーポリマー類の特徴である特性を示さない。
【0102】
ポリアミン類も、第1の成分中のポリウレタン材料を調製するために使用される材料(ii)で使用されるのに適している。
【0103】
第1の成分中のポリウレタン材料を調製するために使用される材料(ii)で使用するためのアミン官能基を有する適切な材料は、少なくとも2つの第一級および/または第二級アミン基(ポリアミン)を有し得る。適切なポリアミン類は限定されるものではないが、例えば窒素原子に結合している基が飽和または不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香族置換脂肪族、脂肪族置換芳香族、およびヘテロ環式であり得る第一級または第二級ジアミン類またはポリアミン類が挙げられる。適切な脂肪族および脂環式ジアミン類は限定されるものではないが、例えば1,2−エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,8−オクタンジアミン、イソホロンジアミン、プロパン−2,2−シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。適切な芳香族ジアミン類は限定されるものではないが、例えばフェニレンジアミン類およびトルエンジアミン類、例えばo−フェニレンジアミンおよびp−トリレンジアミンが挙げられる。多核芳香族ジアミン類、具体的には4,4’−ビフェニルジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、ならびに4,4’−メチレンジアニリンのモノクロロ−およびジクロロ−誘導体も適している。
【0104】
本発明で使用するのに適しているポリアミン類としては、次の化学式を有する材料を挙げることができるが、これらに限定されない:
【0105】
【化14】

式中、RおよびRはそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基から選択することができ、Rは水素および塩素から選択することができる。本発明で使用するためのポリアミン類は限定されるものではないが、例えばLonza Ltd.(スイス、バーゼル(Basel、Switzerland))で製造された次の化合物が挙げられる:
LONZACURE(登録商標)M−DIPA:R=C;R=C;R=H
LONZACURE(登録商標)M−DMA:R=CH;R=CH;R=H
LONZACURE(登録商標)M−MEA:R=CH;R=C;R=H
LONZACURE(登録商標)M−DEA:R=C;R=C;R=H
LONZACURE(登録商標)M−MIPA:R=CH;R=C;R=H
LONZACURE(登録商標)M−CDEA:R=C;R=C;R=Cl
式中、R、R、およびRは、上記の化学式に対応する。
【0106】
ポリアミンとしては、ジアミン反応性化合物、具体的には米国でAir Products and Chemical,Inc.(米国ペンシルベニア州アレンタウン(Allentown、Pa))から入手可能な4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、(Lonzacure(登録商標)M−CDEA);商標名Ethacure 100でAlbemarle Corporationから市販されている2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、およびそれらの混合物(「ジエチルトルエンジアミン」または「DETDA」と総称する);商標名Ethacure 300でAlbemarle Corporationから市販されているジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA);MOCAとしてKingyorker Chemicalsから市販されている4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)を挙げることができる。DETDAは室温で液体であり、25℃で156cPsの粘度を有し得る。DETDAには異性体が存在し、2,4−異性体の範囲が75〜81パーセントであり、2,6−異性体の範囲が18〜24%であり得る。Ethacure 100Sという名称で入手可能なEthacure 100の色安定化体(すなわち、黄色を低減させるための添加剤を含有する調合物)を、本発明で使用してもよい。
【0107】
ポリアミンとしては、他に例えばエチレンアミン類を挙げることができる。適切なエチレンアミン類としては、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、ピペラジン、モルホリン、置換モルホリン、ピペリジン、置換ピペリジン、ジエチレンジアミン(DEDA)、および2−アミノ−1−エチルピペラジンを挙げることができるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ポリアミンは、C〜Cジアルキルトルエンジアミンの1つまたは複数の異性体、具体的には3,5−ジメチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,6−トルエンジアミン、およびそれらの混合物から選択することができるが、これらに限定されない。メチレンジアニリンおよびトリメチレングリコールジ(パラ−アミノベンゾエート)も適している。
【0108】
適切なポリアミン類としては、さらに例えばメチレンビスアニリン類、アニリンスルフィド類、およびビアニリン類が挙げられ、これらはいずれも、ヘテロ置換されていてもよい。ただし、置換基が反応物間で起こるどの反応にも干渉しないことを条件とする。具体例としては、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、および4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリン)が挙げられる。
【0109】
頻繁に用いられるアミン官能基を有する適切な材料としては、ジエチレントルエンジアミン、メチレンジアニリン、メチルジイソプロピルアニリン、メチルジエチルアニリン、トリメチレングリコールジ−パラアミノベンゾエート、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、および/または4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリン)の異性体が挙げられる。適切なジアミン類は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,811,506号、第3欄、44行〜第5欄、25行にも詳細に記載されている。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の成分中の材料のイソシアネート官能基は、少なくとも部分的にキャッピング(cap)されていてもよい。イソシアネート基をブロックまたはキャッピングする場合、当業者に知られている任意の適切な脂肪族、脂環式、または芳香族のアルキルモノアルコールまたはフェノール化合物をキャッピング剤(capping agent)として使用することができる。適切なブロッキング剤としては、例えば高温ではブロックしない材料、具体的にはメタノール、エタノール、およびn−ブタノールを含めて低級脂肪族アルコール類;脂環式アルコール類、具体的にはシクロヘキサノール;芳香族−アルキルアルコール類、具体的にはフェニルカルビノールおよびメチルフェニルカルビノール;ならびにフェノール化合物、具体的にはフェノール自体、および置換フェノール(ただし、置換基がコーティング操作に影響を与えない)、具体的にはクレゾールおよびニトロフェノールが挙げられる。グリコールエーテル類も、キャッピング剤として使用することができる。適切なグリコールエーテル類としては、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルが挙げられる。他の適切なキャッピング剤としては、オキシム、具体的にはメチルエチルケトキシム、アセトンオキシム、およびシクロヘキサノンオキシム;ラクタム、具体的にはε−カプロラクタム;ピラゾール、具体的にはジメチルピラゾール、ならびにアミン類、具体的にはジイソプロピルアミンが挙げられる。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の成分中のイソシアネート官能基を有するポリウレタン材料は、ポリスチレンを標準物質として用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定して、1500までなど、5000まで、しばしば1200から1500の数平均分子量を有する。
【0112】
第1の成分は、溶媒をさらに含むことができる。適切な溶媒としては、イソシアネート官能基と反応しないということを条件として、当業者に公知の任意の有機溶媒を挙げることができる。例は、ケトン、フラン、芳香族溶媒、および塩素化溶媒である。適切な溶媒としては、アセトン、プロピオン酸アミル、アニソール、ベンゼン、酢酸ブチル、シクロヘキサン、エチレングリコールのジアルキルエーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテルおよびその誘導体(CELLOSOLVE(登録商標)工業用溶媒として販売)、二安息香酸ジエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメトキシベンゼン、酢酸エチル、メチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピオン酸メチル、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、2−メトキシエチルエーテル、3−プロピレングリコールメチルエーテル、塩化メチレン、およびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。溶媒は、第1の成分の全重量に対して0〜95重量パーセント、または20〜95重量パーセント、または20〜80重量パーセント、または40〜60重量パーセントの量で第1の成分中に存在することができる。典型的には、溶媒は、第1の成分の粘度が10〜100cpsの粘度、例えば15〜20cpsなど、加工可能な粘度に低減されるような量で存在する。
【0113】
上記の通り、本発明のプロセスで使用される第2の成分は、イソシアネートと反応する活性水素官能基を有する材料を含む。
【0114】
活性水素官能基を有する適切な材料としては、第1の成分、すなわちイソシアネート官能基を有するポリウレタン材料の調製において材料(ii)として上記に開示するものをいずれでも挙げることができる。特定の非限定的な実施形態では、第2の成分は、上述されたように商標名Ethacure 100でAlbemarle Corporationから市販されている2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、およびそれらの混合物などのポリアミン(「ジエチルトルエンジアミン」または「DETDA」と総称する)を含む。
【0115】
第2の成分は、溶媒をさらに含むことができる。適切な溶媒としては、第1の成分に関して上記に開示するものをいずれでも挙げることができる。溶媒は、第2の成分の全重量に対して0〜95重量パーセント、または20〜95重量パーセント、または20〜80重量パーセント、または40〜60重量パーセントの量で第2の成分中に存在することができる。
【0116】
第1の成分中のイソシアネート基(キャッピングされたイソシアネート基を含む)と第2の成分中の活性水素基との当量比は、第1の成分におけるポリウレタン材料の分子量に応じて2.5:1.0からなど、2.0:1.0から4.0:1.0に及び得る。
【0117】
本発明の方法のステップ(c)では、第1の成分を第2の成分の一部分と混合して、第2の反応混合物を生成する。一部分とは、第2の成分の全当量の少なくとも20%、または第2の成分の全当量の20〜33%など、第2の成分の全量より少ない。個々の成分のどちらかまたは両方における溶媒に加えて、またはその代わりに、溶媒を第2の反応混合物に添加することができる。溶媒は、上記に開示するもののいずれでもよい。溶媒は、反応混合物の全重量に対して0〜95重量パーセント、または20〜95重量パーセント、または20〜80重量パーセント、または40〜60重量パーセントの量で第2の反応混合物中に存在することができる。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態では、反応混合物は、界面活性剤をさらに含むことができる。適切な界面活性剤としては、Solutia,Inc.から入手可能なModaflow(登録商標)という名称で販売されているもの;BYK−Chemieから入手可能なBYK−307(登録商標)および BYK−377(登録商標);および/またはCytec Surface Specialtiesから入手可能なMultiflow(登録商標)を挙げることができる。界面活性剤は、反応混合物中の樹脂固形分の全重量に対して0.2重量パーセントまで、または0.1重量パーセントまで、または0.07重量パーセントまでの量で反応混合物中に存在することができる。
【0119】
適切な場合は、反応混合物は、触媒をさらに含むことができる。適切な触媒は、当技術分野において公知のものから選択することができる。非限定的な例としては、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、およびそれらの混合物などの第三級アミン触媒を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。このような適切な第三級アミンは、参照によりその開示内容が本明細書に組み込まれる米国特許第5,693,738号の第10欄、6〜38行に開示されている。他の適切な触媒としては、様々な反応性成分の性質に応じて、ホスフィン、第三級アンモニウム塩、有機リン化合物、スズ化合物(例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ)、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0120】
第1および第2の成分を混合して、第1の反応混合物を生成した後、本発明の方法のステップ(d)において、第1の反応混合物を、反応混合物の粘度が少なくとも500cps、または少なくとも1000cps、または少なくとも5000cps、または少なくとも10,000cpsなど、少なくとも300センチポアズ/秒(cps)に上がるのに十分な時間反応させる。このような反応時間は少なくとも120分(2時間)であり得るが、反応時間は、反応混合物に有害な作用なしに不定(例えば、何日かまたは何週間か)であり得る。ただし、溶媒ははっきりと認識できる程度に蒸発させることが可能でないことを条件とする。本プロセスのステップ(d)は、典型的には周囲温度で行われるが、高温を使用してもよい。
【0121】
本発明のプロセスのステップ(e)において、第2の成分の残部を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を生成する。反応混合物を、通常の溶液キャスティングプロセスでなど、支持基材上に施すことによってなど直ちにフィルムに形成することができる。適切なフィルム形成技法としては、フラットフィルム形成ダイを通して押し出した後、キャスティングロール上にフィルムをキャスティングすることによるフィルム形成、フィルム形成組成物が円形ダイを通して押し出され、出てくる円形フィルムプロファイルが圧縮空気で拡大される「ブローフィルム」技法によるフィルム形成、フィルム形成組成物をビレットまたは他の固体の形にキャスティングし、続いて形成されたビレットからフィルムをスカイビング加工する、ならびに当技術分野において公知である他の技法が挙げられる。これらの技法のうち、フィルムの生成に通常使用される方法としては、フィルムキャスティング技法、およびブローフィルム技法によるフィルムの生成が挙げられる。
【0122】
他の通常使用される添加剤を第1および/または第2の反応混合物に含めることができるとさらに記載されるべきである。このような添加剤としては、光安定剤、熱安定剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、Stepan Companyから入手可能なZELEC(登録商標) UNなどの離型剤、固定(static)(非フォトクロミック)染料、顔料、および柔軟化添加剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0123】
反応混合物がキャスティングされる支持基材は滑らかな表面を有するものであり、例えばガラス、ステンレス鋼など、ならびにポリマー基材、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、またはシリコーンを含むことができる。ただし、基材を作製する材料は、その後の硬化温度に耐えることができることを条件とする。
【0124】
反応混合物を支持基材上に施して、実質的に均一な厚さを形成し、硬化後に乾燥膜厚0.5〜20ミル(12.7〜508ミクロン)、または1〜10ミル(25.4〜254ミクロン)、または2〜4ミル(50.8〜101.6ミクロン)を得る。
【0125】
反応混合物を基材に塗布した後、穏やかな加熱、または典型的には周囲条件への約1〜20分間の曝露を含む空気乾燥期により、溶媒をフィルムから追い出すことによって、少なくとも部分フィルムを基材の表面上に形成する。次いで、支持基材上のフィルムを、硬化したフィルムを得るのに十分な温度に十分な時間加熱する。硬化操作において、溶媒は追い出され、反応混合物中の反応性官能基同士が反応する。ポリウレタン−尿素フィルムを作製する際に、例えば加熱または硬化操作を100℃〜210℃の範囲の温度で10から100分間実施することができる。この温度範囲において、1500までの数平均分子量を有する第1の成分としてのポリウレタン材料を含有する反応混合物は、40〜70分以内で硬化することができる。代替の実施形態では、硬化を、より低い周囲温度範囲(例えば、25℃)から100℃で100分から5日間というより長い時間実施することができる。硬化温度および滞留時間は、反応性基のタイプ、任意の触媒の存在などを含めて反応物質の性質に依存することになる。
【0126】
有効な硬化操作の後、硬化したフィルムを支持基材から取り外して、フリーフィルムを得ることができる。得られた硬化した非エラストマー性ポリウレタン含有フィルムは典型的には非複屈折性である。いくつかの実施形態において、フィルムは、Instronモデル5543引張試験機を使用して決定して、少なくとも9000psiの破断応力、および少なくとも70%の破断歪みを示すことが可能であり得る。
【0127】
本発明の方法に従って調製された、硬化した非エラストマー性ポリウレタン含有フィルムは、液晶ディスプレイ(LCD)などの多層光学物品で使用するための偏光光学素子において保護および/または支持フィルム層の1種または複数として使用することができる。
【0128】
本発明を、以下の実施例でさらに具体的に説明する。実施例は、その中で多数の修正および変形が当業者に自明であるので、例示に過ぎないものであることが意図される。
【実施例】
【0129】
実施例1A〜B、2、3A〜E、4A〜E、5A〜D、および6A〜Dは、TRIVEX(登録商標)AH樹脂の異なる溶液中様々な濃度のアミン、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)を含むものであった。対照例1および2はアミンを含まず、比較例1および2A〜FはDETDAをより低いレベルで含み、または異なるアミンを含むものであった。
【0130】
PPG Industries,Inc.から市販されている、安定化剤を含まないTRIVEX(登録商標)AH樹脂の塩化メチレン溶液(表1にその重量パーセントおよび量を記載)を、清浄なスクリューキャップ付きガラス容器に添加した。以下のアミンを指定する量で添加して、表1に記載する当量数を得た:芳香族ジアミン−ジエチルトルエンジアミン(DEDTA)、4,4’メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(MBDA)、および4,4’−メチレン−ビス−(o−クロロアニリン)(MOCA);脂肪族ジアミン−イソホロンジアミン(IPDA);および単官能性アミン−アニリン(MA)。
【0131】
得られた混合物を15〜20回振盪し、表2に示した日に、粘度試験用に試料を採取した点以外は室温で静置した。その日に、試料を同じ方式で振盪した。同じ日に調製および試験を行った試料を、表1および2の太い横線内にグループ分けした。
【0132】
粘度試験は、1mLの試料を、Manual No.MO2−31380707の操作指示書に従ってBrookfield Cap 2000+粘度計のプレートに塗布して行った。プレートの温度を25℃に設定し、スピンドルを降ろした。粘性の高い材料向けの10rpmで60秒から粘性の低い材料向けの1000rpmで30秒の範囲の速さと時間で、スピンドルを回転させた。比較例2Cおよび2Eの粘度は、試料がゲル化したので測定することができなかった。センチポアズ(cP)の結果を、0日目から6日目については表2Aに、7日目から36日目については表2Bに記載する。
【0133】
【表1】

【0134】
【表2A】

【0135】
【表2B】

【0136】
本発明の特定の実施形態を例示の目的で説明してきたが、本発明の詳細について多数の変形を、添付の特許請求の範囲で定義される本発明から逸脱することなく行うことができることは当業者に明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化した非エラストマー性ポリウレタン含有フィルムを調製する方法であって、
(a)イソシアネート官能基を有するポリウレタン材料を含む第1の成分を準備するステップ、
(b)イソシアネートと反応する活性水素官能基を有する材料を含む第2の成分を準備するステップ、
(c)前記第1の成分と前記第2の成分の一部分を混合して、第1の反応混合物を生成するステップ、
(d)前記第1の反応混合物を、前記反応混合物の粘度が少なくとも300cpsに上がるのに十分な時間反応させるステップ、
(e)前記第2の成分の残部を前記第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を生成するステップ、
(f)前記第2の反応混合物を支持基材に実質的に均一な厚さで施して、その上に少なくとも部分フィルムを形成するステップ、
(g)前記支持基材上の前記フィルムを、硬化したフィルムを得るのに十分な温度に十分な時間加熱するステップ、および
(h)前記硬化したフィルムを前記支持基材から取り外して、非エラストマー性ポリウレタン含有フリーフィルムを得るステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の成分および/または前記第2の成分が、溶媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒が、前記第1の成分の全重量に対して20〜95重量パーセントの量で前記第1の成分中に存在する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、ケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、および/または塩素化溶媒を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が塩化メチレンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の成分が、溶媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒が、前記第2の成分の全重量に対して20〜95重量パーセントの量で前記第2の成分中に存在する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記反応混合物が、界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反応混合物が、触媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の成分中の前記材料上の前記イソシアネート官能基が、少なくとも部分的にキャッピングされている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の成分中のイソシアネート官能基を有する前記ポリウレタン材料が、5000までの数平均分子量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の成分中のイソシアネート官能基を有する前記ポリウレタン材料が、1200〜1500の数平均分子量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(c)で使用される前記第2の成分の前記一部分が、前記第2の成分の全当量の少なくとも20%の一部分である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の成分中の活性水素官能基を有する前記材料が、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン、メチルジイソプロピルアニリン、メチルジエチルアニリン、トリメチレングリコールジ−パラアミノベンゾエート、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、および/または4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリン)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記反応混合物を、ステップ(d)において少なくとも120分間反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(h)で形成された前記硬化したフリーフィルムの乾燥膜厚が、0.5〜20ミル(12.7〜508ミクロン)である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記フィルムを、ステップ(g)において100℃〜210℃の温度に10〜100分間加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記フィルムを、ステップ(g)において100℃〜210℃の温度に40〜70分間加熱する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フィルムを、ステップ(g)において25℃〜100℃の温度に100分〜5日間加熱する、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2012−505294(P2012−505294A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531111(P2011−531111)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/059665
【国際公開番号】WO2010/051137
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ,インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】