説明

ポリウレタン硬質発泡体材料の製造方法

本発明は、
a)ポリイソシアネートを、
b)少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物と、
c)発泡剤の存在下で反応させる工程を含む硬質ポリウレタン発泡体の製造方法であって、
前記少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物b)が、
触媒としてアミンb1c)を使用することにより、アルキレンオキシド反応性水素原子を有する化合物(b1a)(以下、出発物質ともいう)に、アルキレンオキシドb1b)を付加することにより得られ、官能価が2〜8であり、且つヒドロキシル価が200〜800mg−KOH/gである少なくとも一種のポリエーテルアルコールb1)を含むことを特徴とする製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡剤の存在下におけるポリイソシアネートと少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物との反応による硬質ポリウレタン発泡体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質ポリウレタン発泡体は古くから知られており、主に断熱及び冷熱の絶縁(例えば、冷蔵装置)に、また温水貯蔵システムに、地域熱配管に、あるいはサンドイッチ材などの形で建設物に使用されている。硬質ポリウレタン発泡体の製造と利用に関する総説が、例えば、Kunststoff−Handbuch, volume 7, Polyurethanes 1st edition 1966, edited by Dr. R. Vieweg and Dr. A. Hochtlen, and 2nd edition 1983, edited by Dr. Gunter Oertel, and 3rd edition 1993, edited by Dr. Gunter Oertel, Carl Hanser Verlag, Munich, Vienna に見られる。
【0003】
硬質ポリウレタン発泡体の製造に使用される発泡剤には、主にクロロフルオロカーボン(CFC)、好ましくはトリクロロフルオロメタンが使われてきた。しかし、これらの発泡ガスは環境に悪影響を与える。
【0004】
これらCFCに代わるものとして、炭化水素が、好ましくはペンタンが最もよく使用されるようになってきている。EP−A−421269には、発泡剤としての、シクロペンタン及び/又はシクロヘキサンの、必要なら他の炭化水素と混合物としての利用が述べられている。
【0005】
しかしながらこれらの発泡剤は、いろいろな点でハロゲン化発泡剤とは異なっている。これらは、ポリウレタン系の他成分に対する親和性が低い。このため、発泡剤を含む成分が速やかに分離することとなる。
【0006】
これら成分中に、多量の発泡剤を入れることができない。したがって、アルカンで発泡させ発泡体は、通常、CFCで発泡された発泡体より密度が大きい。
【0007】
したがって、ポリウレタンの熱電導度または機械的性質を低下することなく発泡体の密度を上げる必要がある。冷蔵装置のハウジングのような中空空間に発泡体を充填する場合、この中空空間を均一に充填する必要がある。即ち、この液状の反応性成分がこの中空空間のすべての領域に流入する必要がある。発泡体の流動性が不十分である場合、大容量及び/又は複雑な形状をもつ中空空間は、過剰の発泡体で充填して、そこに生じる圧力により発泡体の均一分布を確実とする必要がある。液状の反応性成分が中空空間中により容易に充填されるほど、中空空間を発泡体で完全に充填するのに必要な硬質ポリウレタン発泡体の量が少なくなる。その結果、中空空間中の硬質ポリウレタン発泡体が低密度となり、最終製品の、例えば冷蔵装置の重量が低下し、また材料の節約が可能となる。
【0008】
この場合、発泡体の流動性は、ポリイソシアネートと少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物との反応性混合物の流動挙動をさすものとする。流動性は、通常、反応性混合物で覆われる距離を測定して決定される。これは、反応混合物を柔軟な高分子膜チューブに注入し(以下、チューブ試験という)、あるいは標準化された長い金型(例えば、いわゆるボッシュランス)に注入し、得られる成形品の長さを測定して行うことができる。
【0009】
反応混合物の流動性は、通常、流動係数を測定して決められる。この流動係数は、最小の充填密度と自由発泡させた場合のエンベロープ密度との比率であり、ボッシュランスを用いて決められる。この最小充填密度はショット重量を変えて得られるもので、ある特定の自由エンベロープ密度でボッシュランスを完全に充填するのに必要な最小密度に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP−A−421269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、硬質ポリウレタン発泡体の製造方法であって、ポリオール成分の、発泡剤として用いられる炭化水素に対する溶解度が高いものを提供することである。加工特性の改善も、具体的には流動性の改善も達成される必要がある。また、好ましい機械的性質と低い熱電導度をもつ発泡体が得られる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
我々は、驚くべきことに、少なくとも一個のアミノ基をもつ少なくとも一種の化合物が触媒として存在している中で、少なくとも2個の活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを付加して得られるポリオールにより、本目的が達成されることを見出した。
【0013】
触媒として少なくとも一個のアミノ基を持つ少なくとも一種の化合物の存在下で、少なくとも2個の活性水素原子を持つ化合物にアルキレンオキシドを付加させて製造した化合物は既知である。
【0014】
US20070203319とUS20070199976には、ジメチルエタノールアミンを用いて、室温で固体の化合物を含む出発物質にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリエーテルアルコールが記載されている。しかしながら、これらのポリオールを用いて得られるポリウレタンについての記述はない。またこの文献には、これらポリオールの発泡体製造時の性質及び発泡体の性質への効果について手掛かりとなる記述は一切ない。
【0015】
本発明は、
a)ポリイソシアネートを、
b)少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物と、
c)発泡剤の存在下で反応させる工程を含む硬質ポリウレタン発泡体の製造方法であって、
前記少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物b)が、触媒としてアミンb1c)を使用することにより、アルキレンオキシド反応性水素原子を有する化合物(b1a)(以下、出発物質ともいう)に、アルキレンオキシドb1b)を付加することにより得られ、官能価が2〜8であり、且つヒドロキシル価が200〜800mg−KOH/gである少なくとも一種のポリエーテルアルコールb1)を含むことを特徴とする製造方法を提供する。
【0016】
成分b)として、ポリエーテルアルコールb1)を単独で用いることができる。
【0017】
好ましくは、ポリエーテルアルコールb1)は、成分b)の質量に対して10〜90質量%の量で用いられる。
【0018】
ポリエーテルアルコールb1)の製造に用いられる少なくとも2個のアルキレンオキシド反応性水素原子を有する化合物が、室温で固体の少なくとも一種の化合物b1ai)を含む混合物を含むことが好ましい。化合物b1ai)の官能価は、好ましくは少なくとも3であり、より好ましくは少なくとも4、さらに好ましくは3〜8、さらに好ましくは4〜8である。
【0019】
この種の化合物類b1ai)は既知であり、ポリエーテルアルコールの製造に、特に硬質ポリウレタン発泡体中で使用されるものの製造にしばしば用いられている。化合物b1ai)は、好ましくはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビトール、マンニトール、ショ糖、多価フェノール、レゾール、例えば、フェノールとホルムアルデヒドのオリゴマー状縮合生成物、アニリンとホルムアルデヒド(MDA)とオリゴマー状縮合生成物、トルエンジアミン(TDA)、フェノールとホルムアルデヒドとジアルカノールアミンのマンニッヒ縮合物、メラミン、また少なくとも2種の前記のアルコールの混合物からなる群から選ばれる。
【0020】
本発明のある好ましい実施様態においては、化合物b1ai)が、ショ糖とソルビトールとペンタエリスリトールからなる群から選ばれ、より好ましくはショ糖またはソルビトールから選ばれる。本発明の特に好ましい実施様態においては、b1ai)がショ糖である。
【0021】
化合物類b1ai)として用いられる芳香族アミンは、具体的には、トルエンジアミン(TDA)またはジフェニルメタンジイソシアネート(MDA)または高分子状のMDA(p−MDA)からなる群から選ばれる。TDAの場合、使用するのは、特に2,3−異性体及び3,4−異性体(ビシナルTDAとも呼ばれる)である。
【0022】
有用な出発物質は、さらに少なくとも一種の室温で液体である化合物b1aii)を含む、アルキレンオキシド反応性水素原子を少なくとも2個もつ化合物b1a)を含んでいる。
【0023】
本発明のある好ましい実施様態においては、成分b1)の出発物質が、アルキレンオキシドに反応性の水素原子を含み室温で液体の化合物b1aii)と化合物b1ai)とを含む。化合物b1aii)は、アルコールまたはアミンを含んでいてもよい。これらは、特に、1〜4個の、好ましくは2〜4個のアルキレンオキシドに反応性の水素原子をもつ。成分b1aii)は、特に、グリセロール、1〜20個の炭素原子をもつ単官能性アルコールや、エチレングリコールとその高級同族体、プロピレングリコールとその高級同族体、エタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのヒドロキシアルキルアミン、またこれらのプロピレンオキシドとの反応生成物からなる群から選ばれる。グリセロールが特に用いられる。
【0024】
上記のように、室温で液体のアルコール類(b1aii)は、さらに一個のアルキレンオキシド反応性水素原子及び、1〜20個の炭素原子を有する化合物を含んでいてもよい。なお、メタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、ドデカノールなどの単官能性アルコールが好ましい。
【0025】
本発明の他の実施様態においては、成分b1a)の出発物質が、少なくとも一種の室温で固体のアミンb1ai)と室温で液体のアルコールb1aii)の混合物を含む。上述のように、室温で固体のアルコール類b1ai)は、MDAと高分子状MDAを含むことが好ましい。
【0026】
室温で液体のアルコールb1aii)は、エチレングリコールとその高級同族体およびプロピレングリコールとその高級同族体を含んでいることが好ましい。p−MDA中のこれらのアミン同族体の濃度はプロセス条件に依存する。一般にその分布(質量パーセント)は次の通りである:
二環MDA:50〜80質量%
三環MDA:10〜25質量%
四環MDA:5〜12質量%
五環以上のMDA:5〜12質量%
好ましいp−MDA混合物は次の組成をもつ:
二環MDA:50質量%
三環MDA:25質量%
四環MDA:12質量%
五環以上のMDA:13質量%
さらに好ましいp−MDA混合物は次の組成をもつ:
二環MDA:80質量%
三環MDA:10質量%
四環MDA:5質量%
五環以上のMDA:5質量%
【0027】
さらに好ましい本発明の実施様態においては、成分b1a)の出発物質が、少なくとも一種の室温で固体のアルコール(b1ai)と、一種の室温で液体のアルコール(b1aii)の混合物を含む。室温で固体のアルコール(b1ai)は、糖アルコール、グルコース、ソルビトール、マンニトール、ショ糖を含むことが好ましく、具体的には上記のもの、具体的にはショ糖を含むことが好ましい。室温で液体のアルコール(b1aii)は、1〜20個の炭素原子をもつ単官能性アルコールや、エチレングリコールとその高級同族体、プロピレングリコールとその高級同族体、エタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのヒドロキシアルキルアミン、プロピレンオキシドから得られるこれらの同族体、グリセロールを含むことが好ましく、具体的にはグリセロールを含むことが好ましい。成分b1a)の出発物質は水も含んでいてもよい。水を用いる場合、具体的にはその量は、成分b1)の出発物質の質量に対して25質量%未満である。
【0028】
アルキレンオキシドb1b)は、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、スチレンオキシド、およびこれらの2つ以上の混合物を含むことが好ましい。プロピレンオキシド、エチレンオキシド、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物をアルキレンオキシドb1b)として使用することが好ましい。アルキレンオキシドb1b)として、プロピレンオキシドを使用することが特に好ましい。
【0029】
上述のように、触媒b1c)は、成分b1aii)とは異なるアミンを含む。このアミンは、一級アミン、二級アミンまたは三級アミンを含んでいてもよく、また脂肪族アミンまたは芳香族アミンを、特に三級アミンを含んでいてもよい。他の実施様態においては、環内に少なくとも一個の窒素原子を持つ、好ましくは一個の窒素原子をもつ芳香族複素環化合物が関与していてもよい。
【0030】
これらのアミンb1c)は、好ましくはトリアルキルアミン(具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン)、ジメチルアルキルアミン(具体的には、ジメチルエタノールアミン;ジメチルエトキシエタノール−アミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルブチルアミン)、芳香族アミン(具体的には、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジメチルベンジル−アミン、ピリジン)、イミダゾール(具体的には、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、5−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−ヒドロキシプロピルイミダゾール、2,4,5−トリメチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール)、グアニジン、アルキル化グアニジン(具体的には、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、アミジン(具体的には、1,5−ジアゾ−ビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)からなる群から選ばれる。
【0031】
触媒として挙げたアミンの少なくとも2種の混合物を使用することもできる。
【0032】
本発明のある好ましい実施様態においては、触媒b1c)がジメチルエタノールアミンである。
【0033】
本発明のある好ましい実施様態においては、触媒b1c)がイミダゾールである。
【0034】
このアミンb1c)は、全体のバッチに対して0.01〜5.0質量%、好ましくは0.05〜3.0%、より好ましくは0.1〜1.0%の量で使用することが好ましい。全体のバッチは、ポリエーテルアルコールb1)の製造に用いるすべての出発化合物の量であるとする。
【0035】
ポリエーテルアルコールb1)を製造するために、通常、反応器に出発物質混合物b1a)とb1c)の成分を投入し、相互に混合する。次いで、この中でこの混合物を不活性化させる。その後、アルキレンオキシドを投入する。
【0036】
アルキレンオキシドの付加反応は、90〜150℃の温度で、0.1〜8barの圧力で実施することが好ましい。アルキレンオキシドの反応を完了させるために、通常、アルキレンオキシドの投入後に後反応期が続く。
【0037】
通常、アルキレンオキシドの投入終了後に、後反応期を行ってアルキレンオキシドの反応を終了させる。必要ならこの後に、後反応相を続ける。通常この後に、揮発性物質の除去のための蒸留を行うが、これは減圧下で行うことが好ましい。
【0038】
アミン触媒b1c)がこのポリエーテルアルコールに残留してもよい。アルカリ金属の酸化物と水酸化物を使用する場合には必要となる触媒の除去が不必要となるため、これにより製造方法が単純となる。これにより空時収量が改善される。濾過で塩を除去すると濾塊が生成する。濾塊中でのポリオールの損失は、通常数%になる。空時収量の改善と濾過損失の防止は、製造コストの低下につながる。
【0039】
アルカリ金属水酸化物触媒とアミン系触媒の組合せもまた有用である。これは、特に低ヒドロキシル価のポリオールの製造に使用可能である。得られる生成物を、アルカリ金属水酸化物触媒によるポリオールと同様に後処理することができる。あるいは、これらを、酸を用いる中和工程のみを行って処理することができる。この場合、乳酸、酢酸または2−エチルヘキサン酸などのカルボン酸を使用することが好ましい。
【0040】
反応中にアミン触媒b1c)がアルコキシル化されてもよい。したがって、これらのアルコキシル化アミンは、より大きな分子量をもち、それ以降の生成物中でより小さな揮発性を示す。アルコキシル化アミン系触媒の残留している自己反応性のため、下流でのイソシアネートとの反応の際に、ポリマー構造中へ取り込まれる。形成される第三級アミンが自己反応性であるため、ポリオールに、特定用途での利用に有用な自己反応性を付与することができる。
【0041】
特定の理論に拘泥するのではないが、触媒としてアミンを用いて得られるポリエーテルアルコールは、他の触媒を用いて得られるポリエーテルアルコールの構造とは異なる構造をとると考えられている。この異なる分子構造は、ポリウレタンの製造において利点となる。
【0042】
したがって、本発明のポリオールは、ポリウレタン用途において、特にポリウレタン発泡体の製造方法において、
明確な利点を有している。
【0043】
上述のように、ポリエーテルアルコールb1)は、ポリウレタンの製造で使用される。
【0044】
このために使用される出発原料は、より具体的には次のように記載される:
可能な有機ポリイソシアネートa)は、好ましくは多官能性の芳香族イソシアネートである。
【0045】
具体例としては:2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)およびその異性体混合物、4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびその異性体混合物、4,4’−と2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物があげられ、硬質ポリウレタン発泡体の製造の場合、特に4,4’−と2,4’−と2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートとポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートの混合物(粗製MDI)があげられる。
【0046】
本発明のポリエーテルアルコールは、通常、イソシアネート基反応性水素原子を少なくとも2個もつ他の化合物と混合して用いられる。
【0047】
本発明で用いられるポリエーテルアルコールb1)と併用するのに有用である、少なくとも2個のイソシアネート反応性水素原子を有する化合物には、特に、OH価が100〜1200mg−KOH/gの範囲にあるポリエーテルアルコール及び/又はポリエステルアルコールが含まれる。
【0048】
ポリエーテルアルコールb1)と併用されるポリエステルアルコールは、通常、2〜12個の炭素原子を持つ、好ましくは2〜6個の炭素原子をもつ多官能性アルコール、好ましくはジオールと、2〜12個の炭素原子をもつ多官能性カルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、マレイン酸、フマル酸、好ましくはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸異性体混合物)との縮合で製造される。
【0049】
ポリエーテルアルコールb1)と併用されるポリエーテルアルコールのは官能価は、通常2〜8であり、具体的には3〜8である。
【0050】
既知の方法で製造されたポリエーテルアルコールを使用することが、例えば触媒(好ましくはアルカリ金属水酸化物)の存在下でアルキレンオキシドのアニオン重合で製造されたポリエーテルアルコールを使用することが特に好ましい。
【0051】
用いるアルキレンオキシドは、ほとんどエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドであり、好ましくは純粋な1,2−プロピレンオキシドである。
【0052】
用いる出発分子は、特に、分子内に少なくとも3個の、好ましくは4〜8個のヒドロキシル基をもつ、または少なくとも2個の1級アミノ基を有する化合物である。
【0053】
分子内に少なくとも3個の、好ましくは4〜8個のヒドロキシル基をもつ出発分子としては、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、糖化合物(例えば、グルコース、ソルビトール、マンニトール、ショ糖)、多価フェノール、レゾール、例えばフェノールとホルムアルデヒドオリゴマー状縮合生成物、アニリンとホルムアルデヒド(MDA)の縮合生成物、トルエンジアミン(TDA)、フェノールとホルムアルデヒドとジアルカノールアミンのマンニッヒ縮合物、メラミンを使用することが好ましい。
【0054】
これらのポリエーテルアルコールの官能価は、3〜8であることが好ましく、ヒドロキシル価は、好ましく100mg−KOH/g〜1200mg−KOH/g、特に120mg−KOH/g〜570mg−KOH/gである。
【0055】
ポリオール成分として二官能性のポリオールを使って、例えば分子量が500〜1500のポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールを用いて、ポリオール成分の粘度を調整することができる。
【0056】
これらの少なくとも2個のイソシアネート反応性水素原子を有する化合物は、必要に応じて使用される鎖延長剤と架橋剤も含んでいる。鎖延長剤及び/又は架橋剤を使用して、あるいは使用せずに、硬質ポリウレタン発泡体を製造することができる。二官能性鎖延長剤、三官能性以上の架橋剤、または必要ならこれらの混合物を添加することは、機械的性質の調整に有効であると考えられる。用いる鎖延長剤及び/又は架橋剤は、アルカノールアミンであることが好ましく、特に、分子量が400未満、好ましくは60〜300の範囲のジオール及び/又はトリオールが好ましい。
【0057】
鎖延長剤、架橋剤またはそれらの混合物は、ポリオール成分に対して1〜20質量%の量で、好ましくは2〜5質量%の量で使用することが好ましい。通常、これらのポリウレタン発泡体は発泡剤の存在下で製造される。用いる発泡剤は水であることが好ましく、これはイソシアネート基と反応して二酸化炭素を放出する。他のしばしば用いられる化学発泡剤はギ酸であり、これはイソシアネートと反応して一酸化炭素と二酸化炭素を放出する。化学発泡剤とともにあるいは化学発泡剤にかえて、いわゆる物理発泡剤を使用することもできる。物理発泡剤には、通常、供給成分に対して不活性であり、ウレタン反応条件下で気化する室温で液体の化合物が含まれる。これらの化合物の沸点は50℃未満であることが好ましい。物理発泡剤には、また室温でガス状で、加圧下で供給成分中に投入及び/又は溶解される化合物が含まれる。その例は、二酸化炭素、アルカン(具体的には、低沸点アルカン)、フルオロアルカンであり、好ましくはアルカン(具体的には、低沸点アルカン)とフルオロアルカンである。
【0058】
物理発泡剤は、通常、少なくとも4個の炭素原子をもつアルカン及び/又はシクロアルカンと、ジアルキルエーテル、エステル、ケトン、アセタール、1〜8個の炭素原子を持つフルオロアルカン、アルキル鎖中に1〜3個の炭素原子をもつテトラアルキルシラン(具体的には、テトラメチルシラン)からなる群から選ばれる
例としては、プロパンやn−ブタン、イソブタン、シクロブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルホルメート、アセトンがあげられ、また対流圏内で分解されこのためオゾン層に無害であるフルオロアルカン(例えば、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)や、パーフルオロアルカン(例えば、C3F8、C4F10、C5F12、C6F14、C7F16)があげられる。炭化水素が、好ましくはペンタン、特にシクロペンタンが好ましい。上記の物理発泡剤は、単独で使用しても、相互にいずれか所望の組合せで使用してもよい。
【0059】
本発明のある好ましい実施様態においては、物理発泡剤と化学発泡剤の混合物が使用できる。物理発泡剤と水の混合物、具体的には炭化水素と水の混合物が特に好ましい。炭化水素の中で特に好ましいのは、ペンタンであり、これらの中では、特にシクロペンタンが好ましい。
【0060】
ポリウレタンの製造を、必要なら触媒、難燃剤、また通常使用される助剤及び/又は添加物質の存在下で実施してもよい。
【0061】
用いる出発化合物の詳細は、例えば、Kunststoffhandbuch, volume 7 “Polyurethane”, edited by Gunter Oertel, Carl−Hanser−Verlag Munich, 3rd edition, 1993に記載されている。
【0062】
硬質PU発泡体は、複合材料中の断熱性中間層として、また冷蔵装置ハウジング、具体的には発泡体を含む冷蔵庫や箱型冷凍庫中の中空空間の充填に、また熱水貯蔵タンクの外部被覆材として使用することが好ましい。これらの製品は、加熱された材料の断熱に、例えばエンジンカバーやパイプ外殻として有用である。硬質PU発泡体と、その上に設けられた、紙や高分子フィルム、アルミ箔、金属シート、ガラスベールまたはパーティクルボードなどの硬質または軟質材料からなる少なくとも一層の外層とからなる複合材またはサンドイッチ構造物の製造における利用も知られている。冷蔵庫や箱型冷凍庫などの冷蔵装置のような家庭用装置や熱水貯蔵システム中の中空空間に、断熱材として硬質PU発泡体を充填することも公知である。他の用途は、金属製またはプラスチック製の内部パイプと、断熱ポリウレタン層とポリエチレン製の外部ジャケットとからなる絶縁パイプである。大型の貯蔵容器や輸送船の断熱も可能であり、例えば温度範囲が160℃〜−160℃である液体または液化ガスの貯蔵と輸送が可能である。周知のように、これらの目的に好適な断熱性及び冷熱絶縁性の硬質PU発泡体は、有機ポリイソシアネートと、一種以上の、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する化合物、好ましくはポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとの反応で、通常、発泡剤と触媒と、また必要なら助剤及び/又は添加物質の存在下で、鎖延長剤及び/又は架橋剤を併用して製造できる。反応性成分を適当に選択することで、低熱電導度で優れた機械的性質をもつ硬質PU発泡体を得ることが可能となる。
【0063】
硬質PU発泡体の製造と、その複合材料の外層または好ましくは中間層としての利用、その冷蔵または加熱技術分野における断熱層としての利用に関する総説が、例えば、Polyurethane, Kunststoff−Handbuch, volume 7, 3rd edition 1993, edited by Dr. Gunter Oertel、Carl Hanser Verlag、Munich、Viennaに見られる。
【0064】
以下の実施例により本発明を説明する。
【0065】
ポリオールの調整:
実施例1:
本発明のポリオール2と3と5の調整

ポリオール2
攪拌器とジャケット加熱冷却型のアルキレンオキシドを含む固体及び液体物質の投入装置、窒素不活性化装置、真空システムを備えた960lの圧力反応器を80℃に加熱して乾燥し、窒素で繰り返し不活性化させた。18.38kgのグリセロールと1.26kgのDMEOAを投入し、攪拌器を始動させた。次いで、ショ糖(191.6kg)を反応器に加え、温度を95℃にまで上げた。95℃でこの混合物を54.0kgのプロピレンオキシドと反応させた。30分間の後反応後、さらに0.64kgのDMEOAを添加した。次いで温度を112℃に上げ、116kgのプロピレンオキシドを添加した。後反応は、112℃で3時間行った。生成物を105℃(真空、窒素)で2時間ストリップして、以下の値を持つ生成物を352kg得た。
ヒドロキシル価:444mg−KOH/g
粘度:15300mPas
水分率:0.013%
pH:9.7
【0066】
ポリオール3
攪拌器とジャケット加熱冷却型のアルキレンオキシドを含む固体及び液体物質の投入装置、窒素不活性化装置、真空システムを備えた600lの圧力反応器を80℃に加熱して乾燥し、窒素で繰り返し不活性化させた。58.2kgのグリセロールと6.0kgのジメチルエタノールアミンを投入し、攪拌器を始動させた。次いでショ糖(191.6kg)を反応器に加え、温度を95℃に上げた。105℃でこの混合物を195.0kgのプロピレンオキシドと反応させた。次いで温度を112℃に上げ、生成物をさらに352.7kgのプロピレンオキシドと反応させた。後反応は、112℃で3時間行った。残存するプロピレンオキシドを窒素気流中でのストリップで除き、以下の値を持つ生成物770kgを得た。
ヒドロキシル価:455mg−KOH/g
粘度:14800mPas
水分率:0.03%
pH:9.8
【0067】
ポリオール5
攪拌器とジャケット加熱冷却型のアルキレンオキシドを含む固体及び液体物質の投入装置、窒素不活性化装置、真空システムを備えた600lの圧力反応器を75℃に加熱して乾燥し、窒素で繰り返し不活性化させた。17.00kgのグリセロールと3.09kgのジメチルエタノールアミンを投入し、攪拌器を始動させた。次いでショ糖(154.75kg)を反応器に加え、157.50kgのPOを75℃〜95℃で投入した。
【0068】
105℃30分間の反応後、さらに1.55kgのDMEOAを添加し、254.50kgのPOを投入した。後反応を105℃で2時間行った。残存するプロピレンオキシドを窒素気流中でのストリップで除き、生成物770kgを得た。
ヒドロキシル価:468mg−KOH/g
粘度:21300mPas
水分率:0.016%
pH:10.2
【0069】
実施例2:
比較用ポリオール1と4の調整
ポリオール1:
攪拌器とジャケット加熱冷却型のアルキレンオキシドを含む固体及び液体物質の投入装置、窒素不活性化装置、真空システムを備えた50lの圧力反応器を90℃に加熱して乾燥し、窒素で繰り返し不活性化させた。2.87kgのグリセロールと0.188kgの48% KOH溶液と0.065kgの水を加え、攪拌器を始動させた。次いでショ糖(9.48kg)を添加した。温度を105℃に上げ、7.53kgを添加した。1時間の反応時間後、温度を112℃に上げ、残りのPO(19.85kg)を投入した。得られたポリエーテルオールを水で加水分解し、リン酸で中和し、濾過し、真空でストリップして、39.1kgの生成物を得た。
ヒドロキシル価:450mg−KOH/g
粘度:19500mPas
水分率:0.07%
pH:9.2
【0070】
ポリオール4
攪拌器とジャケット加熱冷却型のアルキレンオキシドを含む固体及び液体物質の投入装置、窒素不活性化装置、真空システムを備えた50lの圧力反応器を90℃に加熱して乾燥し、窒素で繰り返し不活性化させた。4.00kgのグリセロールと0.245kgの48%KOH溶液と0.049kgの水を加え、攪拌器を始動させた。次いでショ糖(13.16kg)を添加し、105℃で11.7kgのPOを投入した。3時間の後反応後、温度を112℃に上げ、残りのPO(22.3kg)を投入した。得られたポリエーテルオールを水で加水分解し、リン酸で中和し、濾過し、ストリップして、41.5kgの生成物を得た。
ヒドロキシル価:477mg−KOH/g
粘度:22300mPas
酸価:0.012mg−KOH/g
水分率:0.023%
pH:10.2
【0071】
方法:
粘度の測定:
特記しない場合、ポリオール及びポリオール混合物の粘度は、スピンドルCC25DIN(スピンドル直径:12.5mm;メスシリンダ内径:13.56mm)を有するレオテックRC20回転粘度計を使用して、25℃でせん断速度が50s−1で測定した。
【0072】
ヒドロキシル価
ヒドロキシル価はDIN53240により測定した。
【0073】
熱電導度:
熱電導度はDIN52616により測定した。試験片を作製するために、ポリウレタン反応混合物を寸法が200×20×5cm(10%過剰充填)の金型に注ぎ、数時間後に寸法が20×20×2cmの試験片を中央から切り取った。
【0074】
圧縮強度:
圧縮強度は、DIN53421/DIN−EN−ISO604により測定した。
【0075】
ペンタン溶解度の測定:
50gのポリオールまたはポリオール混合物を、100mLのガラス容器に入れる。一定量のシクロペンタンを加える。その後、このガラス容器を密閉し、5分間激しく振盪し、1時間放置する。その後、試料の外観を検査する。試料が透明な場合、より多くのシクロペンタンを用いてこの試験を繰り返す。混合物がにごっている場合、より少ないシクロペンタンでこの試験を繰り返す。このようにして、ポリオールまたはポリオール混合物中に可溶のシクロペンタンの最大量を決める。この量は、ポリオールまたはポリオール混合物のペンタン溶解度である。本方法の精度は1%である。
【0076】
機械試験用の発泡体の製造:
以下の基本組成を用いて発泡体成形実験を行った:
100質量部のポリオール(またはポリオール混合物)
2.4質量部の安定剤(エボニック社製テゴスタブ(登録商標)B8467)
0.85部の水
ジメチルシクロヘキシルアミン
シクロペンタン
高分子状MDI(BASF社製ルプラネートM20(登録商標))
イソシアネートインデックスを100として、これらの発泡体を製造する。初期総質量が50g、攪拌時間が10秒、セット時間が55秒であるビーカー試験において、35g/Lの自由発泡材料密度が得られるように、ジメチルシクロヘキシルアミンとシクロペンタンの量を決めた。第二の試験では、ラボ攪拌器を用いてこれらの成分を激しく混合し、立方体状の発泡成形用スチール金型(500gの反応混合物、金型容量:11.4 L)に投入した。20分後に、反応の完了した発泡体試料を金型から取り出し、標準条件下でさらに3日間保存した。密度はISO845により測定し、圧縮強度はISO604により測定した。
【0077】
表1に、用いたポリオールの概要を示す。
【0078】
【表1】

【0079】
表2では、ショ糖−ポリオール系の性質を比較する。
【0080】
【表2】

【0081】
表3及び4に、ポリオール混合物で得られた系の概要を示す。
【0082】
【表3】

【0083】
【表4】

【0084】
表2〜4に関する注釈:
アミン触媒のポリオールは、発泡剤として使用されるシクロペンタンをより効果的に利用する。より少量のシクロペンタンを用いて、同一の材料密度をもつ発泡体を製造できる。アミン触媒のポリオールの自己触媒性のため、触媒の使用量を減らすことができる。アミン触媒で製造されたポリオールのみを使用する場合(表2)だけでなく、このようなポリオールを含む混合物の使用する場合(表3及び4)でも、改善されたペンタン溶解度と還元粘度が得られた。機械的性質は同じである。
【0085】
機械発泡:
上記の原料を用いてポリオール成分を製造した。高圧のプルマット(登録商標)HD30(エラストグラン社)中で、ポリオール成分を、必要量の上記イソシアネートと混合し、イソシアネートインデックスを110とした。この反応混合物を、寸法が200cm×20cm×5cmまたは40cm×70cm×9cmの金型に入れ、その中で発泡させた。発泡体の性質と値を、表5及び表6に示す。
【0086】
【表5】

【0087】
【表6】

【0088】
寸法が70×40×9cmの箱状金型を用いて発泡させ、24時間後に箱の高さを測定して、後発泡を、金型から取り出す時間と過剰充填(OP)の程度の関数として決定した。表面品質は、肉眼で表面のひび割れの頻度と強度を測定して決定した(0:参照、+:参照較べてひび割れが少なく表面ひび割れの強さが低い)。
【0089】
結果の概要
表5及び6に関する注釈:
官能価とOH価は同じであるが、DMEOA触媒のポリオールの粘度は、3000mPasだけ低い。この差は大きく、また、同様にポリオール成分の粘度と流動係数の低下と、表面品質の改善(気孔空間の数の減少)として現れる。硬質発泡体の本用途向けに重要な他の性能は、ほぼ同等である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ポリイソシアネートを、
b)少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物と、
c)発泡剤の存在下で反応させる工程を含む硬質ポリウレタン発泡体の製造方法であって、
前記少なくとも2個のイソシアネート基反応性水素原子を有する化合物b)が、
触媒としてアミンb1c)を使用することにより、アルキレンオキシド反応性水素原子を有する化合物(b1a)(以下、出発物質ともいう)に、アルキレンオキシドb1b)を付加することにより得られ、官能価が2〜8であり、且つヒドロキシル価が200〜800mg−KOH/gである少なくとも一種のポリエーテルアルコールb1)を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記ポリエーテルアルコールb1)が、前記成分b)の質量に対して10〜90質量%の量で使用される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリエーテルアルコールb1)の製造に用いられる前記少なくとも2個のアルキレンオキシド反応性水素原子を有する化合物b1a)が、少なくとも一種の室温で固体である化合物b1ai)を含む混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物b1ai)が、ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビトール、マンニトール、ショ糖、多価フェノール、レゾール、アニリンとホルムアルデヒドの縮合物、トルエンジアミン、フェノールとホルムアルデヒドとジアルカノールアミンのマンニッヒ縮合物、メラミン、及び少なくとも2種のこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物b1ai)が、ショ糖、ソルビトール及びペンタエリスリトールからなる群から選ばれる請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリエーテルアルコールb1)の製造に用いられる前記少なくとも2個のアルキレンオキシド反応性水素原子を有する化合物b1a)が、少なくとも一種の室温で液体である化合物b1aii)を含む混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物b1aii)が、グリセロール、1〜20個の炭素原子を有する単官能性アルコール、エチレングリコールとその高級同族体及びプロピレングリコールとその高級同族体、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどのヒドロキシアルキルアミン、並びにこれらのプロピレンオキシドとの反応生成物からなる群から選ばれる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物b1a)が、少なくとも一種の室温で固体の化合物b1ai)と少なくとも一種の室温で液体の化合物b1aii)との混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒b1c)として、b1ai)のアミン以外のアミンを使用する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒b1c)が、トリアルキルアミン、芳香族アミン、ピリジン、イミダゾール、グアニジン、アルキル化グアニジン、アミジンからなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記触媒b1c)がジメチル−エタノールアミンである請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒b1c)がイミダゾールである請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒b1c)が、前記成分b1)の製造のための全体のバッチに対して0.01〜5.0質量%の量で、好ましくは0.05〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜1.0質量%の量で用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項14】
発泡剤として炭化水素を用いる請求項1に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項の製造方法により得られる硬質ポリウレタン発泡体。

【公表番号】特表2013−521356(P2013−521356A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555365(P2012−555365)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052619
【国際公開番号】WO2011/107374
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】