説明

ポリエステルポリオールを含む第2級ヒドロキシル末端基を有するポリウレタンポリマーの製造方法

本発明は、
A)末端カルボキシル基を含むポリエステルと一般式(1):


〔式中、R1は、アルキル基またはアリール基を表し、および末端カルボキシル基を含むポリエステルは、≧25mgのKOH/g〜≦400mgのKOH/gの酸価および≦5mgのKOH/gのヒドロキシル価を有する〕で示されるエポキシドとの反応から得られる第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールと、B)トルイレン−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−ジイソシアネート、ポリマージフェニルメタン−ジイソシアネート、キシリレン−ジイソシアネート、ナフチレン−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−ジイソシアネート、ジイソシアナトジシクロヘキリルメタンおよび/またはイソホロン−ジイソシアネートを含む群から選択されるポリイソシアネートとを反応させる工程を含むポリウレタンポリマーの製造方法に関する。さらに、本発明は、上記方法を用いて製造されるポリウレタンポリマーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
A)第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールと、
B)トルイレン−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−ジイソシアネート、ポリマージフェニルメタン−ジイソシアネート、キシリレン−ジイソシアネート、ナフチレン−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−ジイソシアネート、ジイソシアナトジシクロヘキリルメタンおよび/またはイソホロン−ジイソシアネートを含む群から選択されるポリイソシアネート
との反応の工程を含むポリウレタンポリマーの製造方法に関する。さらに、本発明は、上記方法により製造されたポリウレタンポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
構成に用いるα,ω−ジオールに起因して、ポリウレタンポリマーの製造に工業的に関するポリエステルポリオールは、第1級ヒドロキシル末端基を含有する。完全または部分的に第2級ヒドロキシル末端基を有するジオール、例えば1,2−プロピレングリコールまたはジプロピレングリコール等の使用はポリエステルポリオールをもたらし、該ポリエステルポリオールは、これらを構成するジオールのように末端基についておおよそ備えている。1,2−プロピレングリコールの場合には、ヒドロキシル末端基の約50%が第2級となる。
【0003】
第2級ヒドロキシル末端基のみを含有するジオール、例えば2,3−ブタンジオール等は、市場において利用される量および費用のために工業規模上で役割を果たさない。ポリエステル合成において、第2級ヒドロキシル基を含有する全てのジオールの場合の更なる難点は、ジカルボン酸との反応の速度がより遅い点である。
【0004】
多くの短アルキル側基のため、上記ポリエステルから調製されたポリウレタンの特性が、α,ω−ジオールから得られるポリウレタンの特性より著しく劣ることは、更なる特定の欠点である。少なくとも部分的に第2級ヒドロキシル基を有する記載のジオールにより調製された従来法によるポリエステルポリオールは、製造費用がより高く、場合によっては材料費用がより高く、高品質ポリウレタンの製造にあまり適していない。従って、第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールは、これまで、ポリエーテルポリオールとは対照的に、工業的に関連する重要性を有さなかった。
【0005】
α,ω−ジオール単位を中に含有し、および第2級ヒドロキシル末端基を鎖末端に有する単位を含有する利用可能なポリエステルポリオールを有することが望ましかった。このような構造は、ポリイソシアネートについて減少した反応性をもたらし、および例えばポリウレタン軟質フォームの分野で、水反応を主に促進するアミン触媒の他に、ウレタン化触媒、例えば錫塩等を用いることを更に可能とする。この結果、特に、ポリウレタン軟質フォームの製造にとって、これら2つの互いの反応のより良好な条件の、およびこれにより例えば処理優位性を得ることの、ポリエーテルポリウレタンフォームの分野に広く用いられる可能性が広がる。
【0006】
ポリエステルポリオール合成におけるカルボキシル基の官能基化は、DE3613875A1に開示される。1未満の酸価、約20〜約400のヒドロキシル価および適切には2〜3の官能価を有するポリエステルポリオールの製造のために、ポリカルボン酸および/またはその無水物および多官能性アルコールを、縮合反応する。これは、従来法によるエステル化触媒を存在させずに150℃〜250℃の温度にておよび必要に応じて減圧下で有利に行う。重縮合は、20〜5の酸価にまで行い、次いで得られた重縮合物は、1カルボキシル基当たり1〜5モルのアルキレンオキシド、例えば1,2−プロピレンオキシドおよび/または好ましくはエチレンオキシドを用いて第3級アミンの存在下でアルコキシル化される。第3級アミンは、N−メチルイミダゾール、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデス−7−エンおよびペンタメチルジエチレントリアミンの群から選択される。触媒は、適切には、重縮合物の重量を基準として0.001〜1.0重量%の量で用いられる。アルコキシル化は、有利には100℃〜170℃の温度にて、1〜10バールの圧力下で有利に行われる。
【0007】
DE3613875A1に従う方法では、エステル化混合物は、20〜5の酸価にまで重縮合する。これは、溶融重縮合を、あまりに早期に中断しないことが必要であることを記載する。例えばアルコキシル化を25以上の酸価にて行うべきであった場合、エステル化混合物の含水量は、過度に高い。しかしながら、この結果、望ましくない副反応が生じる。ポリエステルの合成が、20〜5の酸価にて中断される場合、アルコール成分に由来し、従って基本ルールとしての末端ヒドロキシル基の比較的高い含有量が既に存在することを意味する。次いで、残存するカルボキシル基をエポキシドと反応させて合成時間を短縮し、エポキシドに由来する末端ヒドロキシル基が得られる。
【0008】
EP0010805A1は、カルボキシル基により末端化されたポリエステル、エポキシ化合物および式:[Y−CH−CH−N−(−CHn−〔式中、Xは、ORまたは−O−C(O)−Rであり、Rは、水素またはC1〜40基であり、およびXn−はアニオンである〕で示されるコリン化合物に基づく粉末被覆物を開示する。好ましくは、Yは、OHまたは基−O−C(O)−Rである。これらの粉末被覆物は、黄変に対して敏感ではなく、および毒性を示さない。しかしながら、その明細書によれば、エポキシ化合物は、1分子当たり平均2以上のエポキシ基を含有する。エポキシ化合物は、ポリエステル分子を互いに架橋する働きをするが、OH末端化ポリエステル分子を構成しない。
【0009】
DE2849549A1は、酸半エステルを与えるポリエーテルポリオールとポリカルボン酸無水物との反応によるポリエーテルポリエステルポリオールの製造方法を開示する。次いで、該酸半エステルを、アルキレンオキシドと反応させて5mgKOH/g未満の酸価を有する生成物を与える。アルキレンオキシドと酸半エステルの反応は、出発ポリエーテルポリオールを基準として50〜100ppmの2〜4個の炭素原子をアルキル鎖中に有するトリアルキルアミンの存在下で行われる。しかしながら、得られたポリオールは、ポリエーテルになお基づき、ポリエステルに基づかない。
【0010】
その結果、ポリウレタンポリマーのための代替製造法について必要性がなお存在する。特に、代替ルートにより調製される第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールを用いる上記方法についての必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第3613875号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0010805号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2849549号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、
A)カルボキシル末端基を含むポリエステルと一般式(1):
【化1】

〔式中、R1は、アルキル基またはアリール基を表し、およびカルボキシル末端基を含むポリエステルは、≧25mgのKOH/g〜≦400mgのKOH/gの酸価および≦5mgのKOH/gのヒドロキシル価を有する〕
で示されるエポキシドとの反応から得られる第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールと、
B)トルイレン−ジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−ジイソシアネート(MDI)、ポリマージフェニルメタン−ジイソシアネート(PMDI)、キシリレン−ジイソシアネート(XDI)、ナフチレン−ジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレン−ジイソシアネート(HDI)、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12−MDI)および/またはイソホロン−ジイソシアネート(IPDI)を含む群から選択されるポリイソシアネート、
B2)B1)に記載のポリイソシアネートのプレポリマー、
B3)B1)に記載のポリイソシアネートのアロファネート、ウレア、ビウレット、イソシアヌレート、ウレットジオンおよび/またはカルボジイミド、および/または
B4)B1)に記載のポリイソシアネートのカルボジイミド/ウレトンイミン誘導体
の反応の工程を含むポリウレタンポリマーの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による方法は、用いるポリエステルポリオール中の第2級ヒドロキシル末端基のより遅い反応速度のため、触媒系のより広い帯域幅を、ポリウレタンポリマー、例えばポリウレタンフォーム等、特にポリウレタン軟質フォームの製造に用いることができる優位性を有する。特に、場合によっては、錫触媒を、アミン触媒のための代替物として用いることができる。アミン触媒のより低い含有量は、臭気およびポリウレタンの耐老化性のような特性について好影響を有する。具体的には、使用可能なポリウレタン軟質フォームは、80:20の2,4−TDI:2,6−TDIの市販の好ましい異性体混合物(T80)により得られることが見出された。
【0014】
ポリオールA)とポリイソシアネートB1)、B2)、B3)および/またはB4)との反応によるポリウレタンプレポリマーの製造も、本発明による方法に明確に含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
カルボキシル末端基を含むポリエステルの酸価は、標準DIN53402を用いて決定することができ、≧30mgKOH/g〜≦300mgKOH/gまたは≧50mgKOH/g〜≦250mgKOH/gであってもよい。カルボキシル末端基を含むポリエステルのヒドロキシル価は、標準DIN53240を用いて決定することができ、≦3mgKOH/gまたは≦1mgKOH/gであってもよい。
【0016】
有利には、カルボキシル末端基を含むポリエステルを構成するアルコールは、少なくとも90モル%の程度までα,ω−ポリオール、特にα,ω−ジオールまたはα,ω−ジオールである。
【0017】
カルボキシル末端基を含む全てのポリエステルは、本発明に従う酸およびヒドロキシル価の条件を満たす限り、エポキシド(1)との反応に原理上適している。また、ポリエステルは、同意語としてポリエステルカルボキシレートとも呼ばれる。ポリエステルカルボキシレートは、無水物およびアルキルエステルを含む低分子量ポリオールおよび低分子量ポリカルボン酸からの重縮合により製造することができる。更に、内部無水物(ラクトン)を含むヒドロキシカルボン酸を使用または併用することができる。
【0018】
本発明に従って用いることができるポリエステルカルボキシレートは、主にカルボキシル末端基を有する。従って、末端基は、例えば≧90モル%、≧95モル%または≧98モル%の含有量でカルボキシル基であってよい。反対に、これらは、本発明に必要なヒドロキシル価から現れる通り、ヒドロキシル末端基を極めてわずかに含有する。上記に関わらず、例えばカルボキシル末端基の数は、第2級ヒドロキシル末端基の数を≧5倍または≧10倍超えてよい。適当なポリエステルカルボキシレートは、≧400Da〜≦10000Da、好ましくは≧450〜≦6000Daの範囲の分子量を有してよい。同様に、上記に関わらず、ポリエステルカルボキシレート中のカルボキシル末端基の数は、2、3、4、5または6であってよい。ポリエステルカルボキシレートの平均官能価は、例えば≧2〜≦3であってよい。
【0019】
ポリエステルカルボキシレートの製造に用いることができる低分子量ポリオールは、特に≧2〜≦8のヒドロキシル官能価を有するものである。これらは、例えば≧2〜≦36個、好ましくは≧2〜≦12個の炭素原子を有する。一般に、ポリオールがα,ω−ポリオール、特にα,ω−ジオールまたは少なくとも90モル%までα,ω−ジオールである場合、有利である。エチレングリコールおよびジエチレングリコールおよびその高級同族体を含む群からのポリオール、さらに1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールおよびこれらの高級同族体、さらに2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、さらにグリセロール、ペンタエリトリトール、1,1,1−トリメチロールプロパンおよび/または5〜12個の炭素原子を有する炭水化物、例えばイソソルビド等は特に好ましい。
【0020】
同様に、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコールおよびこれらの高級同族体を用いることができる。
【0021】
当然、ポリオールの混合物を用いることもできるが、記載したポリオールが、全てのヒドロキシル基の少なくとも90モル%に寄与する。
【0022】
ポリエステルカルボキシレートの製造に用いることができる低分子量ポリカルボン酸またはその酸当量、例えば無水物等は、特に2〜36個、好ましくは2〜12個の炭素原子を有する。これらは、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸および/またはトリメリット酸を含む群から選択することができる。
【0023】
低分子量ポリカルボン酸の混合物は、当然、用いることもできるが、記載のポリカルボン酸は、全てのカルボキシル基の少なくとも90モル%に寄与する。
【0024】
その内部無水物(ラクトン)を含むヒドロキシカルボン酸を使用または併用する場合、これらは、好ましくはカプロラクトンまたは6−ヒドロキシカプロン酸の群に由来する。
【0025】
重縮合物は、好ましくは触媒を用いずに行うが、当業者に既知の触媒により触媒することもできる。重縮合は、通常の方法により、例えば高温にて、真空により、共沸混合物エステル化として、および窒素発泡法により行うことができる。本発明により想定される酸価およびヒドロキシル価を得るために、重縮合は、特定の段階にて中断させないが、できる限り完全であるアルコールのOH基の変換までに形成される水の除去により行って、カルボキシル末端基を形成する。
【0026】
一般式(1)で示されるエポキシドは、アルキル基またはアリール基であってよい置換基R1を有する末端エポキシドである。発明全体では、用語「アルキル」は通常、n−アルキル、分枝状アルキルおよび/またはシクロアルキルの群からの置換基を含む。発明全体では、用語「アリール」は通常、単環式カルボ−またはヘテロアリール置換基および/または多環式カルボ−またはヘテロアリール置換基を含む。エポキシドとカルボキシル末端基とのモル比は、本発明による方法において、例えば≧0.9:1〜≦10:1、好ましくは≧0.95:1〜≦5:1、より好ましくは≧0.98:1〜≦3:1の範囲であってよい。
【0027】
ポリエステルカルボキシレートとエポキシドとの反応は、少なくとも窒素原子を分子中に含む触媒の存在下で行う。この窒素含有触媒の量は、例えば、反応混合物の全重量を基準として≧10ppm〜≦10000ppm、好ましくは≧50ppm〜≦5000ppm、より好ましくは≧100ppm〜≦2000ppmであってよい。
【0028】
ポリエステルのカルボキシル基とエポキシドとの反応により、第1級または第2級アルコールが、開環により、エポキシド環上での攻撃部位に応じて形成される。好ましくは、カルボキシル基の≧80%、≧90%または≧95%をエポキシドと反応させ、≧50モル%〜≦100モル%または≧60モル%〜≦85モル%の第2級ヒドロキシル基の含有量が好ましく得られる。
【0029】
群B1)のポリイソシアネートは、まず、該群の個々の構成物の異性体についてさらに限定されない。従って、例えば2,4−TDIまたは2,6−TDIおよびMDIの場合には、2,2’−、2,4’−および4,4’−異性体を用いることができる。ポリマーMDIは、例えば6、7、8、9または10MDIモノマーを含有することができる。
【0030】
群B2)に記載のプレポリマーは、例えばポリイソシアネートB1)とポリエステルポリオールA)との反応生成物または任意の他の所望のポリオールであってよい。
【0031】
B3)に記載のポリイソシアネートB1)のアロファネート、ウレア、ビウレット、イソシアヌレート、ウレットジオンおよび/またはカルボジイミドは、個々のポリイソシアネートの誘導体またはポリイソシアネートの任意の所望の互いの混合誘導体であってよい。
【0032】
B4)に記載のポリイソシアネートB1)のカルボジイミド/ウレトンイミン誘導体は、イソシアネートを適当な触媒と共に、二酸化炭素を蒸留して加熱することにより得られる。例えば4,4’−MDI(Bayer MaterialScience AGからのDesmodur CD−S(登録商標))のカルボジイミド/ウレトンイミンを商業的に使用する。
【0033】
本発明に従う方法によるポリウレタンポリマーの製造は、当業者に既知の補助物質および添加剤、例えば水、発泡剤、乳化剤、発泡安定剤、フィラー等を用いて行うことができる。NCOとOH基との間の比についての従来法による固有値、例えば95、100または105等を更に規定することができる。
【0034】
本発明による方法のある実施態様では、ポリエステルポリオールA)の製造では、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、アルコールの1ヒドロキシル基当たり≧1.03モル〜≦1.90モルのカルボキシル基または酸成分のカルボキシル基当量を用いることにより製造する。過剰のカルボキシル基またはその当量、例えば無水物等に起因して、ポリエステルの末端基の極めて重要な部分または末端基の全ては、カルボキシル基である。エポキシドとの引き続きの反応では、これらは反応して対応するアルコールを与えることができる。カルボキシル基の過剰は、ヒドロキシル基の1分子当たり≧1.04モル〜≦1.85モルまたは≧1.05モル〜≦1.5モルであってもよい。
【0035】
本発明による方法の更なる実施態様では、ポリエステルポリオールA)の製造では、カルボキシル末端基を含むポリエステルを、一般式(1)で示されるエポキシドとの反応直前に製造する。これは、1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を有する触媒を用いるエポキシドとの反応を、ポリエステルの製造直後に行うことを意味する。反応は、有利には、エポキシドをポリエステル合成からの反応混合物へ添加することにより行う。これは、同一の製造設備において有利に行う。製造時間は、この方法により節約される。
【0036】
本発明による方法の更なる実施態様では、ポリエステルポリオールA)の製造では、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、
エチレングリコールおよびジエチレングリコールおよびこれらの高級同族体、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、グリセロール、ペンタエリトリトールおよび/または1,1,1−トリメチロールプロパンと、
コハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸および/またはカプロラクトン
との反応から得られる。
【0037】
本発明による更なる実施態様では、ポリエステルポリオールA)の製造では、一般式(1)で示されるエポキシドにおいて、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはフェニルである。ここでは、好ましくは、R1はメチルである。この場合、用いるエポキシドは、プロピレンオキシドである。
【0038】
本発明による方法の更なる実施態様では、ポリエステルポリオールA)の製造では、一般式(1)で示されるエポキシドとの反応は、≧70℃〜≦150℃の温度にて行う。反応温度は好ましくは≧80℃〜≦130℃であってよい。
【0039】
本発明による方法の更なる実施態様では、ポリエステルポリオールにおける第2級ヒドロキシル基のモル含有量は、≧50モル%〜≦100モル%である。これは、ポリエステルポリオール全体におけるモル含有量を意味すると理解され、すなわち個々の分子に基づかない。含有量は、例えばH−NMR分光法により決定することができる。該含有量は、≧60モル%〜≦99モル%であってもよい。ポリエステルポリオールにおける第2級ヒドロキシル末端基が多いほど、ポリウレタン製造における反応速度が遅くなり、およびより多くの可能性が触媒を変えるために現れる。
【0040】
本発明による方法の更なる実施態様では、ポリエステルポリオールA)の製造では、カルボキシル末端基を含むポリエステルと一般式(1)で示されるエポキシドとの反応は、1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を含む触媒の存在下で行う。
【0041】
ポリエステルポリオールA)の製造における触媒について、触媒は、例えば、
一般式(2):
【化2】

〔式中、R2およびR3は、互いに独立して水素、アルキルまたはアリールであり、または
R2およびR3は、これらを有するN原子と共に脂肪族ヘテロ環、不飽和ヘテロ環または芳香族ヘテロ環を形成し、
nは、整数1〜10、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
R4は、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R4は、−(CH−N(R41)(R42)
(ここで、R41およびR42は、互いに独立して水素、アルキルまたはアリールであり、または
R41およびR42は、これらを有するN原子と共に脂肪族ヘテロ環、不飽和ヘテロ環または芳香族ヘテロ環を形成し、
xは、整数1〜10であり、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
を表す〕
で示されるアミン、
一般式(3):
【化3】

〔式中、
R5は、水素、アルキルまたはアリールであり、
R6およびR7は、互いに独立して水素、アルキルまたはアリールであり、
mおよびoは、互いに独立して整数1〜10、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である〕
で示されるアミン、および/または
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテルおよび/またはピリジン
を含む群から選択することが可能である。
【0042】
記載の触媒は、所望の第2級OH末端基がポリエステルポリオール中に得られるようにカルボキシル基とエポキシドとの反応に影響を与えることができる。
【0043】
一般式(2)で示されるアミンは、アミノアルコールまたはそのエーテルとして最も広い意味で記載することができる。R4が水素である場合、該触媒は、ポリエーテルポリオールをポリイソシアネートと反応させる場合にポリウレタンマトリックス中へ組み込むことができる。これは、アミンの場合、不利な臭気問題と関連し得るポリウレタン表面への触媒の離脱、いわゆる「曇り」またはVOC(揮発性有機化合物)問題を防止する手段として有利である。
【0044】
一般式(3)で示されるアミンは、アミノ(ビス)アルコールまたはそのエーテルとして最も広い意味で記載することができる。R6またはR7が水素である場合、これらの触媒もポリウレタンマトリックス中へ組み込むことができる。
【0045】
ポリエステルポリオールA)の製造における触媒について、一般式(2)で示されるアミンでは、R2およびR3はメチル、R4は水素およびnは2であること、またはR2およびR3はメチル、R4は−(CH−N(CHおよびnは2であることが好ましい。全体として、N,N−ジメチルエタノールアミンまたはビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテルとなる。
【0046】
一般式(3)で示されるアミンでは、R5はメチル、R6およびR7は水素、mは2およびoは2であることがさらに好ましい。従って、全体として、N−メチルジエタノールアミンとなる。
【0047】
特定の変法では、上記化合物を、いわゆる発泡剤触媒として用いることもでき、すなわちこれらは、発泡性触媒は、イソシアネート基と水との反応を優先的に触媒して二酸化炭素を形成し、およびより少ない程度にヒドロキシル基とのその反応をも触媒してウレタン基を形成する。従って、この組成物は、ポリウレタンの製造に直接用いることができる。N,N−ジメチルエタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノ)エチル)エーテルまたはN−メチルジエタノールアミンが好ましい。
【0048】
記載の触媒化合物の量は、本発明によるポリオールに対して例えば≧10ppm〜≦10000ppm、好ましくは≧50ppm〜≦5000ppm、より好ましくは≧100ppm〜≦2000ppmであってよい。
【0049】
本発明による方法の更なる実施態様では、ポリウレタンポリマーの製造において、ポリウレタンポリマーの製造に用いる触媒の全量の≧5重量%〜≦99重量%の含有量を有する錫を含む触媒を用いる。上記ウレタン化触媒の例は、ジ−n−オクチル錫メルカプチドのような硫黄含有化合物の他に、好ましくはカルボン酸の錫(II)塩、例えば酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、エチルヘキサン酸錫(II)およびラウリン酸錫(II)、および錫(IV)化合物、例えば酸化ジブチル錫、二塩化ジブチル錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、マレイン酸ジブチル錫またはジオクチル錫ジアセテート等である。重量%により記載される触媒の量は、触媒自体に関するものであり、用いる触媒組成物、例えば溶媒中での触媒の溶液に関するものではない。不足の含有量は、100重量%の触媒の量を構成するために、例えば上記ポリウレタンの製造に用いるアミン触媒から構成することができる。本発明では、アミン触媒の含有量は、できるだけ低いことが好ましい。
【0050】
上記含有量は、≧6重量%〜≦80重量%または≧7重量%〜≦50重量%の範囲であってもよい。特に、水反応を主として促進するアミン触媒との組み合わせは、ポリエステルポリウレタンフォームについて、ウレタン化および互いの水反応のより良好な条件のポリエーテルポリウレタンフォームの分野に広く用いられる可能性を開く。
【0051】
本発明による方法の更なる実施態様では、ポリイソシアネートB)は、≧75重量%〜≦100重量%の2,4−異性体の含有量を有するトルイレン−ジイソシアネート(TDI)である。好ましくは、これは、工業名T80での異性体混合物、すなわち80重量%と20重量%との比における2,4−および2,6−TDIであり、安価に市販されている。
【0052】
本発明はまた、本発明による方法により得られるポリウレタンポリマーを提供する。とりわけ、これは本発明による方法により得られる。特に、製造に用いるポリオールがカルボキシル末端基を含むポリエステルとプロピレンオキシドとの反応に由来する場合、分析は、ポリウレタンのイソシアナトリシス(Isocyanatolyse)により行うことができる。プロピレンオキシドに由来し、イソシアナトリシス後にウレタン基の隣にあるポリオールの鎖末端上にあるメチル基の特性信号は、H−NMRスペクトルにおいて検出することができる(J.T.Mehl、R.Murgasova、X.Dong、D.M.HerculesおよびH.Nefzger、Analytical Chemistry (2000)、72(11)、第2490〜2498頁)。同様に、カルボキシル末端基のエトキシル化により得られたポリエステルも、ほとんどの場合について検出することができる。唯一の例外は、エチレングリコールを使用または併用して構成されたポリエステルである。
【0053】
本発明によるポリウレタンポリマーの1つの実施態様では、これらは、ポリウレタン軟質フォームとして存在する。本発明では、ポリウレタン軟質フォームは、DIN EN ISO 3386−1−98によるバルク密度が≧10kg/m3〜≦150kg/mの範囲であり、DIN EN ISO 3386−1−98に従う圧縮強度が、≧0.5kPa〜≦20kPa(40%変形にて)の範囲であるポリウレタンポリマー、特にフォームである。
【実施例】
【0054】
本発明は、以下の実施例を用いてさらに説明する。本発明に用いた物質および略称は、以下の意味と供給源を有する:
ジエチレングリコール(DEG): Ineos
1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP): Aldrich
アジピン酸: BASF
N−メチルジエタノールアミン(MDEA): Aldrich
Desmophen VP−PU 60WB01: 専ら第1級OH末端基のみを有するポリエステルポリオール、Bayer MaterialScience
Silbyk 9100: ポリエーテル変性ポリシロキサン、Byk
RCA 117: N,N’−ジメチルピペラジン、RC−PU Activator 117/Addocat 117として市販、Rheinchemie
Niax A30: イソノニルフェノールエトキシレート中のビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテルの約50重量%溶液、Momentive Performance Materials
Niax A1: ジプロピレングリコール中のビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテルの70重量%溶液、Momentive Performance Materials
Dabco 33 LV: 2,プロピレングリコール中の2,2,2−ジアザビシクロオクタンの33重量%溶液、Aldrich
Addocat SO: 錫2−エチルヘキサノエート、Rheinchemie
Desmodur T80: 80:20の比での2,4−および2,6−トルイレン−ジイソシアネート(TDI)、Bayer MaterialScience
Desmodur T65: 65:35の比での2,4−および2,6−トルイレン−ジイソシアネート(TDI)、Bayer MaterialScience
【0055】
分析は、以下の通り行った:
ヒドロキシル価: 標準DIN 53240による。
酸価: 標準DIN 53402による。
粘度: Anton PaarからのMCR51レオメーター。
第1級および第2級OH基の割合: H−NMR(Bruker DPX 400、重水素化クロロホルム)による。
【0056】
1.ポリエステルカルボキシレート PESC−1の調製:
3184g(30.04モル)のジエチレングリコール、349g(2.06モル)の1,1,1−トリメチロールプロパンおよび5667g(38.83モル)のアジピン酸をまず、窒素のブランケットでカバーしながら、加熱マッシュルーム、機械撹拌器、内部温度計、40cm充填カラム、カラムヘッド、降下式集中凝縮器および膜真空ポンプを有する4リットル4口フラスコ中へ導入し、1時間にわたり撹拌しながら200℃へ加熱し、水を100℃の上部温度において蒸留した。次いで、内部圧力を15ミリバールへ90分にわたり徐々に低下させ、反応を、更なる24時間完了させた。該混合物を冷却し、以下の特性を決定した。
ポリエステルカルボキシレート PESC−1の分析:
ヒドロキシル価: 0.3mgのKOH/g
酸価: 70.3mgのKOH/g
粘度: 1620mPas(75℃)
【0057】
2.ポリエステルカルボキシレート PESC−2の調製:
242.6kg(2287モル)のジエチレングリコール、26.5kg(197.8モル)の1,1,1−トリメチロールプロパンおよび431.8kg(2957モル)のアジピン酸をまず、窒素のブランケットでカバーしながら、内部温度計、250cm充填カラム、蒸留ブリッジ、降下式集中凝縮器および水封ポンプを備えた1000リットル撹拌タンク中へ導入し、5時間にわたって撹拌しながら200℃へ加熱し、水を100℃の上部温度にて蒸留した。次いで、内部圧力を15ミリバールへ3時間にわたり徐々に低下させ、反応を更に24時間完了させた。該混合物を、冷却し、以下の特性を決定した。
ポリエステルの分析:
ヒドロキシル価: 0.4mgのKOH/g
酸価: 67.0mgのKOH/g
粘度: 1750mPas(75℃)
【0058】
3.ポリエステルポリオール PESP−1の調製:
174.05gの実施例1からのポリエステルカルボキシレートPESC−1および0.20g(全混合物に対して1000ppm)のMDEAをまず、500mLガラス製圧力反応器中へ不活性ガス(窒素)下で導入し、次いで125℃まで加熱した。次いで25.95gのプロピレンオキシドを195分にわたって計量投入し、反応器圧力を、4.2バール(絶対)にて保った。125℃にて60分の後反応時間後、撹拌しながら、易揮発性含有量を90℃(1ミリバール)にて蒸留し、次いで該反応混合物を、室温に冷却した。以下の特性を決定した。
ポリエステルポリオール PESP−1の分析:
ヒドロキシル価: 65.8mgのKOH/g
酸価: 0.04mgのKOH/g
粘度: 15790mPas(75℃)
OH基 1°/2° [モル/モル]:32/68
【0059】
用いた実施例1からのポリエステルカルボキシレートPESC−1には、ほぼ完全にカルボキシル末端基が存在し、およびヒドロキシル末端基は存在しない。これは、ポリエステルを与える反応後のヒドロキシル価により、1mgKOH/g未満であることが分かる。同様に、ポリエステルカルボキシレートとエポキシドとの反応は、ポリエステルカルボキシレートの全てのカルボキシル基上で定量的に進行する。変換は、低い酸価からおよびヒドロキシル価から見られるが、これはカルボキシレートPESC−1の元の酸価とよく対応する。従って、1つのOH基は、1カルボキシル基当たりに形成された。触媒MDEAは、所望の第2級OH末端基を68%の含有量で得ることを可能とする。
【0060】
4.ポリエステルポリオールPESP−2の製造:
まず、12845gの実施例2からのポリエステルカルボキシレートPESC−2および12.6g(全混合物に対して863ppm)のMDEAを、20L鋼製圧力反応器中へ、不活性ガス(窒素)下で導入し、次いで125℃まで加熱した。次いで、1741gのプロピレンオキシドを110分間にわたり計量投入し、反応器圧力を、まず、1.2バール(絶対)から5.1バール(絶対)へ上昇させた。125℃での120分の後反応時間後、撹拌しながら、易揮発性含有量を、125℃にて30分間蒸留し、次いで反応混合物を室温に冷却した。
【0061】
得られたポリエステルポリオールの特性を表1に再現する。
【0062】
【表1】

【0063】
ポリウレタン軟質フォームの製造
表2に従う実施例に記載の出発物質を、試験バッチPU−1、PU−2およびPU−3において、1段階法によるポリウレタンフォームの製造のための従来法による処理法により互いに反応させた。バッチPU−1およびPU−3は、比較例である。また、表2は、バッチのための結果を示す。
【0064】

【0065】
本発明によらない、ポリオールDesmophen VP.PU 60WB01を用いて、80:20の2,4−TDIおよび2,6−TDI(T80)および65:35の2,4−TDI:2,6−TDI(T65)の1:1混合物で製造されたフォームにおいて、使用可能なポリウレタン軟質フォームが得られることが見られる(PU−1)。これは、純粋T80を用いる場合ではない。他方、本発明により製造されたポリウレタン軟質フォームPU−2は、純粋T80を用いて得られる。
【0066】
ポリウレタンフォームが、イソシアネート品質T80だけを、これまで従来法により必要なT80とT65の2つの品質の代わりに用いた場合でも得られる本発明による方法の優位性は明らかである。まず、T80は通常、T65より高価ではないので経済的優位性が存在する。これは、エステル軟質フォームレシピの柔軟性が、イソシアネートの利用性または費用に応じて、代替物がイソシアネートの選択に開放されるので、より大きくなることを意味する。
【0067】
本発明による方法において特定のポリオールにより、特定量の錫触媒をアミン触媒について部分的代替品として用いることができる。これは、アミン触媒の多い量により生じる不利な特性、例えば臭いまたは老化特性等について好ましい影響を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンポリマーの製造方法であって、
A)カルボキシル末端基を含むポリエステルと、一般式(1):
【化1】

〔式中、R1は、アルキル基またはアリール基を表し、およびカルボキシル末端基を含むポリエステルは、≧25mgKOH/g〜≦400mgKOH/gの酸価および≦5mgKOH/gのヒドロキシル価を有する〕
で示されるエポキシドとの反応から得られる第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールと、
B)トルイレン−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−ジイソシアネート、ポリマージフェニルメタン−ジイソシアネート、キシリレン−ジイソシアネート、ナフチレン−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−ジイソシアネート、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/またはイソホロン−ジイソシアネートを含む群から選択されるポリイソシアネート、
B2)B1)に記載のポリイソシアネートのプレポリマー、
B3)B1)に記載のポリイソシアネートのアロファネート、ウレア、ビウレット、イソシアヌレート、ウレットジオンおよび/またはカルボジイミド、および/または
B4)B1)に記載のポリイソシアネートのカルボジイミド/ウレトンイミン誘導体
との反応の工程を含む、方法。
【請求項2】
ポリエステルポリオールA)の製造において、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、アルコールのヒドロキシル基の1モル当たり≧1.03モル〜≦1.90モルのカルボキシル基または酸成分のカルボキシル基当量を用いることにより製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリエステルポリオールA)の製造において、カルボキシル末端基を含むポリエステルを、一般式(1)で示されるエポキシドとの反応直前に製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ポリエステルポリオールA)の製造において、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、
エチレングリコールおよびジエチレングリコールおよびこれらの高級同族体、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、グリセロール、ペンタエリトリトールおよび/または1,1,1−トリメチロールプロパンと、
コハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−ドデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸および/またはカプロラクトン
との反応から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ポリエステルポリオールA)の製造において、一般式(1)で示されるエポキシドにおいて、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポリエステルポリオールA)の製造において、一般式(1)で示されるエポキシドとの反応は、≧70℃〜≦150℃の温度にて行う、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ポリエステルポリオールA)における第2級ヒドロキシル基のモル含有量は、≧50モル%〜≦100モル%である、請求項1に記載方法。
【請求項8】
ポリエステルポリオールA)の製造において、カルボキシル末端基を含むポリエステルと一般式(1)で示されるエポキシドとの反応は、1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を含む触媒の存在下で行う、請求項1に記載方法。
【請求項9】
触媒は、
・一般式(2):
【化2】

〔式中、R2およびR3は、互いに独立して水素、アルキルまたはアリールであり、または
R2およびR3は、これらを有するN原子と共に脂肪族ヘテロ環、不飽和ヘテロ環または芳香族ヘテロ環を形成し、
nは、整数1〜10であり、
R4は、互いに独立して水素、アルキルまたはアリールであり、または
R4は、−(CH−N(R41)(R42)
(ここで、R41およびR42は、互いに独立して水素、アルキルまたはアリールであり、または
R41およびR42は、これらを有するN原子と共に脂肪族ヘテロ環、不飽和ヘテロ環または芳香族ヘテロ環を形成し、
xは、整数1〜10である)
を表す〕
で示されるアミン、
一般式(3):

【化3】

〔式中、R5は、水素、アルキルまたはアリールであり、
R6およびR7は、互いに独立して水素、アルキルまたはアリールであり、
mおよびoは、互いに独立して整数1〜10である〕
で示されるアミン、および/または
・ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテルおよび/またはピリジン
を含む群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一般式(2)で示されるアミンにおいて、R2およびR3はメチル、R4は水素およびn=2であるか、またはR2およびR3はメチル、R4は−(CH−N(CHおよびn=2である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
一般式(3)で示されるアミンにおいて、R5はメチル、R6およびR7は水素、m=2およびo=2である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ポリウレタンポリマーの製造において、ポリウレタンポリマーの製造に用いる触媒の全量の≧5重量%〜≦99重量%の含有量を有する錫を含む触媒を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ポリイソシアネートB)は、≧75重量%〜≦100重量%の2,4−異性体の含有量を有するトルイレン−ジイソシアネートである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の方法により得られるポリウレタンポリマー。
【請求項15】
ポリウレタン軟質フォームとして存在する、請求項14に記載のポリウレタンポリマー。

【公表番号】特表2012−531505(P2012−531505A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518793(P2012−518793)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003935
【国際公開番号】WO2011/000546
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】