説明

ポリエチレン重合方法

重合体製品およびそれらの製造方法がここに記述される。この方法は2モードのエチレンベース重合体を準備し、2モードのエチレンベース重合体を核生成剤と配合して改質ポリエチレンを製造しそして改質ポリエチレンを重合体製品に製造することを一般的に包含しており、重合体製品はパイプ製品およびブロー成形フィルムから選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本発明の態様はポリエチレンで製造される製品に一般的に関する。特に、本発明の態様は核生成された2モードのポリエチレンで製造される製品に一般的に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
特許文献に反映されているように、プロピレン重合体は、例えば、加工性および生ずる製品の性質における改良を示しながら、種々の用途、例えば射出成形、回転成形、ブロー成形フィルム、押し出し成形、および固相延伸方法、のために核生成されてきた。しかしながら、エチレン重合体の核生成では少なくとも一部においてはポリエチレンの高い初期結晶成長速度のために同じ改良が一般的には実現されていない。従ってポリエチレンを核生成するためのこれまでの試みは線状低密度ポリエチレンと組み合わせての特定の核生成剤の利用に焦点が当てられていた。(結晶化速度を高めることにより測定される)成功は線状低密度ポリエチレンでは達成されたが、他のポリエチレン類、例えば中および高密度ポリエチレン、を核生成する能力は示されていなかった。
【0003】
さらに、エチレンベース重合体で製造されるパイプ製品、熱形成製品、波板状シートおよび他の形状の押し出し成形製品は所望するものより低い垂れ下がり耐性を示すことがある。さらに、エチレンベース重合体、そして特に高分子量高密度エチレンベース重合体、で製造されるブロー成形フィルムは加工中に気泡不安定性を示すことがあり、欠陥および/または加工上の難点を有するブロー成形フィルムを生じうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、改良された性質および加工性を示すエチレンベース重合体および方法を開発する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要旨
本発明の態様は重合体製品の製造方法を包含する。この方法は2モードのエチレンベース重合体を準備し、2モードのエチレンベース重合体を核生成剤と配合して改質ポリエチレンを製造しそして改質ポリエチレンを重合体製品に製造することを一般的に包含しており、重合体製品はパイプ製品およびブロー成形フィルムから選択される。
【0006】
本発明の態様はここに記述される方法により製造されるパイプ製品およびブロー成形フィルムもさらに包含する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は種々のパイプ試料の異なる巻き取り速度において得られた垂れ下がり耐性を示す。
【図2】図2は種々のフィルム試料のゲージ特徴を示す。
【図3】図3は種々のフィルム試料のゲージ特徴を示す。
【図4】図4は種々のフィルム試料の光沢を示す。
【図5】図5は種々のフィルム試料のヘイズを示す。
【0008】
詳細な記述
序論および定義
詳細な記述を次に提供しよう。添付された特許請求の範囲の各々は個別の発明を規定しており、それは侵害目的のためには特許請求の範囲で特定された種々の要素または限定に関する同等物を包含すると認識される。前後関係により、「発明」に関する以下の全ての言及はある場合にはある特定の態様だけをさす。他の場合には、「発明」に関する言及は特許請求の範囲の必ずしも全てではないが1つもしくはそれ以上に列挙された主題をさすであろう。発明の各々は次に特定の態様、変法および実施例を包含する以下の記述でさらに詳細に記述されるであろうが、それらはこの特許における情報を入手可能な情報および技術と組み合わせる時に当業者が発明を実施しそして使用することを可能にするために含まれている。
【0009】
ここで使用される種々の用語を以下に示す。特許請求の範囲で使用される用語が以下で定義されていない範囲では、出願時に印刷されていた文献および発行されていた特許に反映されている用語に対して専門家が与えた最も広い定義を与えるべきである。さらに、断らない限り、ここに記述される全ての化合物は置換されていてもまたは置換されていなくてもよくそして化合物のリストはそれらの誘導体を包含する。
【0010】
さらに、種々の範囲および/または数値限度は以下で明白に言及されうる。断らない限り、終点は交換可能である意向であることを認識すべきである。さらに、いずれの範囲も明白に言及された範囲または制限内に入る同様な反復範囲も包含する。
【0011】
触媒系
オレフィン単量体を重合するために有用な触媒系はいずれの適当な触媒系も包含する。例えば、触媒系はクロムベース触媒系、メタロセン触媒系を包含する単一部位遷移金属触媒系、チーグラー−ナッタ触媒系またはそれらの組み合わせを、例えば、包含しうる。触媒は、例えば、その後の重合のために活性化することができそして担体物質と組み合わせられていてもまたはいなくてもよい。そのような触媒系の簡単な論議は以下に包含されるが、発明の範囲をそのような触媒に限定することは何ら意図されない。
【0012】
例えば、チーグラー−ナッタ触媒系は一般的に金属成分(例えば、触媒)と1種もしくはそれ以上の追加成分、例えば触媒担体、共触媒および/または1種もしくはそれ以上の電子供与体、との組み合わせから、例えば、製造される。
【0013】
本発明の1つもしくはそれ以上の態様は、アルキルマグネシウム化合物をアルコールと接触させてマグネシウムジアルコキシド化合物を製造しそして次にマグネシウムジアルコキシド化合物を連続的により強い塩素化剤と接触させることにより一般的に製造されるチーグラー−ナッタ触媒系を包含する(引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,734,134号明細書および米国特許第6,174,971号明細書を参照のこと。)。
【0014】
メタロセン触媒はπ結合により遷移金属と配位されている1つもしくはそれ以上のシクロペンタジエニル(Cp)基(これは置換されていてもまたは置換されていなくてもよく、各々の置換は同一もしくは相異なりうる)を組み入れている配位化合物として一般的に特徴づけられうる。Cp上の置換された基は、例えば、線状、分枝鎖状または環式のヒドロカルビル基でありうる。環式ヒドロカルビル基は、例えば、インデニル、アズレニルおよびフルオレニル基を包含する他の隣接環をさらに形成しうる。これらの隣接環構造は、例えば、ヒドロカルビル基、例えばC〜C20ヒドロカルビル基、により置換されていてもまたは置換されていなくてもよい。
【0015】
本発明の1つもしくはそれ以上の態様はインデニル配位子を包含するメタロセン触媒系
を包含する。例えば、メタロセン触媒系はテトラヒドロインデニル配位子を包含しうる。
【0016】
重合方法
ここでどこかの場所で示されているように、ポリオレフィン組成物を製造するために触媒系が使用される。上記の如くしておよび/または当業者に既知であるようにして、触媒系が製造されたら、その組成物を使用して種々の方法を実施することができる。重合方法で使用される装置、工程条件、反応物、添加剤および他の物質は、製造される重合体の所望する組成および性質によって、指定される方法において変動するであろう。そのような方法は溶液相、気相、スラリー相、塊状相、高圧方法またはそれらの組み合わせを、例えば、包含しうる(引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,525,678号明細書、米国特許第6,420,580号明細書、米国特許第6,380,328号明細書、米国特許第6,359,072号明細書、米国特許第6,346,586号明細書、米国特許第6,340,730号明細書、米国特許第6,339,134号明細書、米国特許第6,300,436号明細書、米国特許第6,274,684号明細書、米国特許第6,271,323号明細書、米国特許第6,248,845号明細書、米国特許第6,245,868号明細書、米国特許第6,245,705号明細書、米国特許第6,242,545号明細書、米国特許第6,211,105号明細書、米国特許第6,207,606号明細書、米国特許第6,180,735号明細書および米国特許第6,147,173号明細書を参照のこと。)。
【0017】
ある種の態様では、上記の方法は重合体を製造するための1種もしくはそれ以上のオレフィン単量体の重合を一般的に包含する。オレフィン単量体はC〜C30オレフィン単量体またはC〜C12オレフィン単量体(例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンおよびデセン)を、例えば、包含しうる。単量体はオレフィン系不飽和単量体、C〜C18ジオレフィン類、共役または非共役ジエン類、ポリエン類、ビニル単量体および環式オレフィン類を、例えば、包含しうる。他の単量体の非限定例はノルボルネン、ノボルナジエン、イソブチレン、イソプレン、ビニルベンゾシクロブタン、スチレン、アルキル置換されたスチレン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンおよびシクロペンテンを、例えば、包含しうる。製造される重合体はホモ重合体、共重合体または三元共重合体を、例えば、包含しうる。
【0018】
溶液方法の例は引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,271,060号明細書、米国特許第5,001,205号明細書、米国特許第5,236,998号明細書および米国特許第5,589,555号明細書に記述されている。
【0019】
気相重合方法の一例は連続循環システムを包含しており、そこでは循環気流(再循環流または流動化媒体としても知られる)が反応器内で重合熱により加熱される。熱は循環気流から循環の別の部分において反応器外部の冷却システムにより除かれる。1種もしくはそれ以上の単量体を含有する循環気流を流動床を通して触媒の存在下において反応条件下で連続的に循環させうる。循環気流は一般的には流動床から取り出されそして反応器に逆に再循環される。同時に、重合体生成物を反応器から取り出すことができそして新しい単量体を加えて重合された単量体を置換することができる。気相方法における反応器圧力は約100psig〜約500psig、または約200psig〜約400psigまたは約250psig〜約350psigに、例えば、変動しうる。気相方法における反応器温度は約30℃〜約120℃、または約60℃〜約115℃、または約70℃〜約110℃または約70℃〜約95℃に、例えば、変動しうる(例えば、引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,543,399号明細書、米国特許第4,588,790号明細書、米国特許第5,028,670号明細書、米国特許第5,317,036号明細書、米国特許第5,352,749号明細書、米国特許第5,405,922号明細書、米国特許第5,436,304号明細書、米国特許第5,456,471号明細書、
米国特許第5,462,999号明細書、米国特許第5,616,661号明細書、米国特許第5,627,242号明細書、米国特許第5,665,818号明細書、米国特許第5,677,375号明細書および米国特許第5,668,228号明細書を参照のこと。)。
【0020】
スラリー相方法は一般的には固体粒状重合体の液体重合媒体中懸濁液の製造を包含しており、それに対して単量体および場合により水素が触媒と共に加えられる。懸濁液(それは希釈剤を包含しうる)は反応器から間欠的または連続的に除去することができ、そこでは揮発性成分を重合体から分離しそして場合により蒸留後に反応器に再循環させうる。重合媒体中で使用される液化された希釈剤はC〜Cアルカン(例えば、ヘキサンまたはイソブタン)を、例えば、包含しうる。使用される媒体は一般的には重合条件下で液体でありそして比較的不活性である。塊状相方法は、塊状相方法では液体媒体も反応物(例えば、単量体)であること以外は、スラリー相方法と同様である。しかしながら、方法は塊状方法、スラリー方法または塊状スラリー方法で、例えば、ありうる。
【0021】
特定の態様では、スラリー方法または塊状方法を連続的に1つもしくはそれ以上のループ反応器の中で実施することができる。スラリー状または乾燥自由流動性粉末状の触媒を反応器ループに、例えば、規則的に射出することができ、そのループにはそれ自体で希釈剤中の成長する重合体粒子の循環スラリーが充填されうる。場合により、例えば生ずる重合体の分子量調節のために、水素をこの方法に加えることができる。ループ反応器は約27バール〜約50バールまたは約35バール〜約45バールの圧力および約38℃〜約121℃の温度に、例えば、維持されうる。反応熱はループ壁を通るいずれかの適当な方法により、例えば二重被覆パイプまたは熱交換器により、例えば、除去することができる。
【0022】
或いは、重合方法の他のタイプ、例えば連続、並行またはそれらの組み合わせの撹拌反応器、を例えば使用することができる。1つもしくはそれ以上の態様では、重合方法は複数モードのポリオレフィン類の製造を包含する。例えば、1つもしくはそれ以上の態様はスラリーを少なくとも2つの反応領域に通すことを含んでなりうる(例えば、複数モードの方法)。ここで使用される際には、用語「複数モードの方法」は複数モードの分子量分布を示す重合体を製造する複数の反応領域(例えば、少なくとも2つの反応領域)を包含する重合方法をさす。例えば、少なくとも1つの同定可能な高分子量画分および少なくとも1つの同定可能な低分子量画分を包含する単一組成物は「2モードの」ポリオレフィンであると考えられる。
【0023】
複数モードのポリオレフィン類はいずれかの適当な方法により、例えば複数の連続している反応器により、製造することができる。上記のように、反応器はいずれの反応器または反応器の組み合わせも包含しうる。1つもしくはそれ以上の態様では、同じ触媒が両方の反応器で使用される。高分子量画分および低分子量画分はいずれの順序でも反応器内で製造することができ、例えば、低分子量画分を第一反応器内でそして高分子量画分を第二反応器内でまたは逆にして製造することができる。
【0024】
反応器からの除去時に、重合体をさらなる処理、例えば添加剤の添加および/または押し出し成形、のために重合体回収システムに、例えば、送ることができる。特に、本発明の態様は重合体と改質剤との配合(すなわち「改質」)を包含しており、それは重合体回収システムにおいてまたは当業者に既知である他の方法で行うことができる。ここで使用される際には、用語「改質剤」は液体重合体から半結晶性重合体への相変化(結晶化速度により測定される)を効果的に促進させる添加剤をさしそして市販の核生成剤、透明化剤およびそれらの組み合わせを包含しうる。
【0025】
核生成剤はオレフィンベース重合体を改質するための当業者に既知のいずれかの核生成
剤を包含しうる。例えば、核生成剤の非限定例は安息香酸ナトリウムを包含するカルボン酸塩類、タルク、燐酸塩類、金属珪酸塩水和物、ジベンジリデンソルビトールの有機誘導体、ソルビトールアセタール類、有機燐酸塩類およびそれらの組み合わせを包含しうる。1つの態様では、核生成剤はアムフィン・ケミカル(Amfine Chemical)から市販されているAmfine Na−11およびNa−21並びにミリケン・ケミカル(Milliken Chemical)から市販されているHyperform HPN−68およびMillad 3988から選択される。1つの特定の態様では、改質剤はミリケン・ケミカルから市販されているHyperform HPN−20Eを包含する。
【0026】
改質剤を重合体と重合体の相変化を促進させるのに充分な濃度で配合する。1つもしくはそれ以上の態様では、改質剤は重合体の約0.01重量%〜約5重量%、または約0.01重量%〜約3重量%、または約0.05重量%〜約1重量%または約0.1重量%〜約0.2重量%の濃度で、例えば、使用することができる。
【0027】
当業者に既知であるいずれかの方法で改質剤を重合体と配合することができる。例えば、本発明の1つもしくはそれ以上の態様はエチレンベース重合体と改質剤の溶融配合を包含する。
【0028】
改質剤を重合体との配合前に「マスターバッチ」に製造することができる(例えば、上記の重合体と同一または異なるマスターバッチ重合体濃度と組み合わせることができる)ことが意図される。或いは、改質剤を「未希釈で」(例えば、他の化学物質と組み合わせずに)重合体と配合することができる。
【0029】
重合体生成物
ここに記述される方法により製造される重合体(およびそれらの配合物)は線状低密度ポリエチレン、エラストマー類、プラストマー類、高密度ポリエチレン類、低密度ポリエチレン類、中密度ポリエチレン類、ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体を、例えば、包含しうるが、それらに限定されない。
【0030】
ここで断らない限り、全ての試験方法は出願時において最新の方法である。
【0031】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体はエチレンベース重合体を包含する。ここで使用される際には、用語「エチレンベース」は用語「エチレン重合体」または「ポリエチレン」と互換的に使用されそして重合体の合計重合体に関して少なくとも約50重量%、または少なくとも約70重量%、または少なくとも約75重量%、または少なくとも約80重量%、または少なくとも約85重量%または少なくとも約90重量%のポリエチレンを有する重合体を、例えば、さす。
【0032】
エチレンベース重合体は約0.86g/cc〜約0.98g/cc、または約0.88g/cc〜約0.97g/cc、または約0.90g/cc〜約0.97g/ccまたは約0.925g/cc〜約0.97g/ccの(ASTM D−792により測定された)密度を、例えば、有しうる。
【0033】
エチレンベース重合体は約0.01dg/分〜約100dg/分、または約0.01dg/分〜約25dg/分、または約0.03dg/分〜約15dg/分または約0.05dg/分〜約10dg/分の(ASTM D−1238により測定された)メルトインデックス(MI)を、例えば、有しうる。
【0034】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体は低密度ポリエチレンを包含する。ここで使用される際には、用語「低密度ポリエチレン」は約0.92g/ccよりほぼ少ない密度を有するエチレンベース重合体を、例えば、さす。
【0035】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体は中密度ポリエチレンを包含する。ここで使用される際には、用語「中密度ポリエチレン」は約0.92g/cc〜約0.94g/ccまたは約0.926g/cc〜約0.94g/ccの密度を有するエチレンベース重合体を、例えば、さす。
【0036】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体は高密度ポリエチレンを包含する。ここで使用される際には、用語「高密度ポリエチレン」は約0.94g/cc〜約0.97g/ccの密度を有するエチレンベース重合体を、例えば、さす。
【0037】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体は高分子量ポリエチレンを包含する。ここで使用される際には、用語「高分子量ポリエチレン」は約50,000〜約10,000,000の分子量を有するエチレンベース重合体を、例えば、さす。
【0038】
1つもしくはそれ以上の態様では、エチレンベース重合体は2モードの分子量分布を示しうる(すなわち、それらは2モードの重合体である)。例えば、サイズ排除クロマトグラフ(SEC)を用いる2つの顕著な分子量ピークを含む単一組成物は「2モードの」ポリオレフィンであると考えられる。例えば、分子量画分は高分子量画分および低分子量画分を包含しうる。
【0039】
高分子量画分は低分子量画分の分子量より大きい分子量を示す。高分子量画分は約50,000〜約10,000,000、または約60,000〜約5,000,000または約65,000〜約1,000,000の分子量を、例えば、有しうる。対照的に、低分子量画分は約500〜約50,000、または約525〜約40,000または約600〜約35,000の分子量を、例えば、有しうる。
【0040】
2モードの重合体は約80:20〜約20:80、または約70:30〜約30:70または約60:40〜約40:60の高分子量画分対低分子量画分の比を、例えば、有しうる。
【0041】
生成物用途
重合体およびそれらの配合物は当業者に既知である用途、例えば成形操作(例えば、フィルム、シート、パイプおよび繊維の押し出し成形および共−押し出し成形並びにブロー成形、射出成形および回転成形)、において有用である。フィルムは、例えば、食品接触および非食品接触用途における、収縮フィルム、付着フィルム、延伸フィルム、密封フィルム、配向フィルム、スナック包装、高負荷袋、雑貨大袋、調理済み冷凍食品包装、医学用包装、工業用ライナー、およびメンブレンとして有用な押し出し成形もしくは共−押し出し成形によりまたは積層により製造されるブロー成形、配向または流し込み成形されたフィルムを包含する。繊維は、例えば、大袋、袋、ロープ、撚糸、カーペット裏材、カーペット糸、フィルター、オムツ布、医学用衣服およびジオテキスタイルを製造するための織りまたは不織形態での使用のための、スリットフィルム、モノフィラメント、溶融紡糸、溶液紡糸および溶融ブロー成形繊維操作を包含する。押し出し成形製品は医学用チューブ、ワイヤーおよびケーブルコーティング、シート、熱成形シート、ジオメンブレンおよびポンドライナーを、例えば、包含する。成型製品は瓶、タンク、大型中空製品、硬質食品容器および玩具の形態の、単層および多層構造を、例えば、包含する。
【0042】
本発明の1つもしくはそれ以上の態様はパイプ製品、例えばパイプ、チューブ、成型されたフィッティング、パイプコーティングおよびそれらの組み合わせを製造するための重
合体の使用を、例えば、包含する。パイプ製品は工業/化学方法、鉱業操作、気体分配、飲料水分配、気体および油生産、光繊維導管、下水システムおよびパイプ裏材交換において、例えば、使用できる。1つもしくはそれ以上の態様では、パイプ製品は少なくとも約1インチ、または少なくとも約1.25インチまたは少なくとも約1.5インチの壁厚さを、例えば、有しうる。別の態様では、重合体は熱成形製品または波板状シートを製造するために、例えば、使用される。
【0043】
垂れ下がり耐性はパイプ製品の重要な特徴であり(そして熱成形製品および/または波板状シートにとっても重要でありうる)。パイプ製品中の過剰な垂れ下がりは、例えば、パイプ性能を低下させ(例えば、より薄い部分はより弱くなり)、加工難点を生じおよび/またはその中の流体の流れを妨害する。パイプ製品内の垂れ下がり耐性を改良するためのこれまでの試みは過酸化を包含していた。しかしながら、過酸化は別の問題、例えば加工難点および/またはパイプ壁内の遅延割れ成長耐性の低下、を例えば生じうる。
【0044】
予期せぬことに、本発明の態様は改良された垂れ下がり耐性を示すパイプ製品を製造することが可能である。例えば、パイプ製品は改質剤の不存在下で同一方法から製造されるパイプ製品と比べて少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%または少なくとも約30%の垂れ下がり耐性における増加を、例えば、示しうる。ここで使用される際には、「垂れ下がり耐性」は押し出し成形されたストランドの垂れ下がりを種々の巻き取り速度において測定することにより定量化される。
【0045】
本発明の1つもしくはそれ以上の態様は、ブロー成形フィルム、例えば大袋およびライナー、を製造するための重合体の使用を包含する。溶融重合体を環状ダイの中に強制的に送り、それを次にブロー成形しそして溶融重合体を次に膨張させて気泡を製造することによりブロー成形フィルムを製造することができる。生じた気泡を次に平らにしそして片に切断し、それがロール巻きされる時に平らなフィルムのロールを製造する。例えば、ある種のブロー成形フィルム方法、例えばここに記述された特定の重合体(例えば、高分子量高密度ポリエチレン)を使用するもの、はフィルムにスタークを吹き付けて(溶融物がブロー成形フィルムダイを環状で出てそしてそれが膨張前に上方に送られて)、視覚的にはワイングラスと同様な気泡を製造する。1つもしくはそれ以上の態様では、少なくとも約4ダイ直径、または少なくとも約5ダイ直径または少なくとも約6ダイ直径の高さを、例えば、有する。スタークはスタークの不存在下におけるブロー成形フィルム方法より遅い冷却をもたらすことが観察されていた。
【0046】
残念なことに、ブロー成形フィルム方法は気泡不安定性を経験しうる。気泡不安定性は多くの現象、例えば気泡直径の周期的振動により一般的に特徴づけられるドローレジナンス(DR)、その軸方向周辺の気泡の螺旋運動により一般的に特徴づけられる螺旋不安定性、FLHの位置における変動およびスターク高さの変動によるFLH不安定性に類似するスターク高さ不安定性により一般的に特徴づけられるフロストライン高さ(FLH)不安定性、を包含しうる。
【0047】
気泡不安定性はより少ない恒常性で製造される製品を加工難点と共に、例えば、生じうる。さらに、気泡不安定性が逆転されない場合には、気泡は破壊を生じて加工ラインの停止をもたらしうる。
【0048】
気泡安定性を改良するためのこれまでの試みは添加剤、例えば炭酸カルシウムおよびフルオロエラストマー類、の使用を、例えば、包含していた。しかしながら、そのような添加剤は気泡安定性における恒常的な改良を示しておらずそしてその結果として使用される重合体のタイプによっては成功を限定してきた。
【0049】
予期せぬことに、本発明の態様は改良された気泡安定性を有するブロー成形フィルムを製造することが可能である。1つもしくはそれ以上の態様では、ブロー成形フィルム方法は改質剤の不存在下における同一方法と比べて、気泡安定性における少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約15%、または少なくとも約20%または少なくとも約30%の改良を、例えば、示す。
【0050】
さらに、本発明の態様は改良されたフィルムゲージ分布を示すブロー成形フィルムを製造することが可能である。ゲージ分布における改良はより良好なフィルム外観を生じそしてフィルムをダウンゲージする能力を増加させうる。例えば、巻き取り速度を改質剤の不存在下における同一方法と比べて少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%または少なくとも約40%ほど増加させることにより、フィルムをダウンゲージさせうる。
【0051】
他の予期せぬ結果は改良された光学的性質、例えばフィルム光沢における増加、を包含しうる。例えば、光沢を改質剤の不存在下における同一方法と比べて少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%または少なくとも約70%ほど増加させうる。さらに、フィルムはヘイズにおける低下(例えば、少なくとも約5%、または少なくとも約10%または少なくとも約15%)を示しうる。ダート衝撃耐性における損失をほとんどまたは全く伴わずに、機械方向(MD)破壊(ASTM D446により測定される)を低下させることもできる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
実施例
【実施例1】
【0053】
数種のパイプ樹脂の垂れ下がり耐性を、異なる引張り器速度における押し出し成形試料からのストランド垂れ下がりを測定することにより、比較した。19mmスクリューおよび毛管ダイを装備したブラベンダー押し出し器を使用して溶融ストランドを製造した。処理量は実験中一定に保たれた。試料1Aはトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッド(TOTAL PETROCHEMICALS,USA,Inc)から市販されているXT10N(0.9486g/ccの密度および0.24dg/分のMIを有する2モードのポリエチレン)から製造された。試料1Bは試料1Aを5重量%のミリケン・ケミカルズ(Milliken Chemicals)から市販されているLDPE中にHPN−20Eを含有する核生成剤マスターバッチであるHL3−4と溶融配合することにより製造された。試料1Cは過酸化物と反応した実験用の2モードのポリエチレンを使用して製造された。最終的なポリエチレン密度は0.949g/ccでありそしてMIは0.3dg/分であった。試料1Dは1Cを5重量%のHL3−4と溶融配合することにより製造された。各ストランドのmmで測定された垂れ下がり距離は種々の巻き取り速度において視覚的に監視され、それらの結果は表1に示されている。
【0054】
【表1】

【0055】
予期せぬことに、試料1Bおよび2Dは試料1Aおよび1Cと比べてより低い巻き取り速度で垂れ下がり耐性において有意な増加(すなわち、30%以上)を示した。
【実施例2】
【0056】
種々の重合体試料からブロー成形フィルムを製造した。試料2Aはトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドにより製造されるBDM1 05−11(0.9515g/ccの密度および0.27dg/分のMIを有するチーグラー−ナッタ製造された2モードのポリエチレン)から製造された。試料2Bは試料1Aを5重量%のミリケン・ケミカルズから市販されているLDPE中にHPN−20Eを含有する核生成剤マスターバッチであるHL3−4と溶融配合することにより製造された。試料2Cはエクソンモービル・ケミカル(ExxonMobil Chemical)から市販されている5重量%のLD105(0.923g/ccの密度および0.250dg/分のMIを有する低密度ポリエチレン)および試料2Aを配合することにより製造された。試料2Dはトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドから市販されている2285(0.951g/ccの密度および0.32dg/分のMIを有するチーグラー−ナッタ製造された2モードのポリエチレン)から製造された。試料2Eは試料2Dを5重量%のHL3−4と溶融配合することにより製造された。
【0057】
400°Fの平坦温度特徴を有するアルパイン(Alpine)フィルムラインを用いてブロー成形フィルムを製造した。3種のネック高さ(ダイから30、37、44”)および4:1のブローアップ比においてブロー成形フィルムを製造することにより、フィルム安定性を定量化した。安定性評価を各ネック高さにおいてアイリスを閉鎖して記録し、そして3分後にアイリスを完全に開放した。4の数値評価は垂直安定性事象(漂い)または気泡揺れのない最高の安定性である。3の評価はわずかな漂い(中心からの1”より少ない逸脱)および揺れを示す。2の評価は気泡が中心から1”より大きく漂うかまたは揺れることを示す。1の評価は気泡が有意な漂いおよび/または螺旋回転を開放アイリスまでの全ての経過で示す最低の評価である。3回の閉鎖評価および3回の開放評価から得られたデータを掛け算しそしてlog目盛りを用いて標準化することにより、最終的な安定性数値が計算される。試験用の目盛りは従って0〜3.61であり、3.61が最も安定な評価である。予期せぬことに、核生成された試料は改良された気泡安定性を生じたが、核生成されない試料では気泡不安定性が一般的に観察された。特に、試料2Bは試料2Aと比べて気泡安定性において約33%の改良を生じた。
【0058】
製造された数種のフィルムのゲージ分布を検討して核生成剤添加の影響を測定した。試料2Aでブロー成形フィルムを製造する間に、完成フィルム中の気泡および線上の両者と
も平らにされた領域でポートフローの証拠があった(図1および2に示されている)。しかしながら、試料2Bは核生成された配合物ではいずれの兆候も存在しないという劇的に改良されたポートフロー事象を示した。この改良されたゲージ分布はフィルムのさらに大きいダウンゲージングを可能にした。
【0059】
ダウンゲージングの影響(例えば、フィルム製造中の巻き取り速度の増加)も試料の加工中に分析した。この実施例では、76m/分の一定のニップロール速度においてスクリュー速度を75rpmに設定しそして次に破壊が誘発されるまでニップロールの速度をゆっくり増加させることにより、ダウンゲージングが達成された。試料2Dのダウンゲージング中に、76m/分のニップ速度において有意な漂いが起き始めた。平均98m/分において不安定性により気泡が破壊して約0.2ミルの最終的ゲージを与えた。予期せぬことに、試料2Eはダウンゲージング条件下ではるかに良好な安定性を示した。試験中のいずれの時点でも漂いは存在せずそして140m/分のニップ速度が達成されて、気泡破壊前に0.1ミルより少ない最終的ゲージ(0.04ミル)を与えた。
【0060】
さらに、種々の試料の光学的性質が測定されそして図3および4示されている。図3に示されているように、試料2Bは試料2Aと比べて、ネック高さに依存して光沢における25〜40%の改良を生じた。10〜14%のヘイズにおける減少も観察された。図4に示されているように、光沢における差異は試料2Eに関しては15%のヘイズにおける減少を伴う試料2Dと比べて70%の改良とさらに大きかった。
【0061】
さらに、図5に示されているように、試料2Bは予期せぬことに試料2Aと比べて機械方向(MD)破壊強度における減少を示したが、横方向(TD)破壊またはダート衝撃における有意な変化はなく、増加した破壊比のために曲線を右に移行させた。しかしながら、LDPE単独の添加(試料2C)は破壊比における同様な移行を起こさないことが観察された。従って、核生成剤の添加は予期せぬことにMD破壊強度における低下を引き起こす。
【0062】
上記事項は本発明の態様に関しているが、本発明の基本的範囲から逸脱せずに本発明の他のおよびさらなる態様を考案することができそしてその範囲は以下の特許請求の範囲により決められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2モードのエチレンベース重合体を準備し、
2モードのエチレンベース重合体を核生成剤と配合して改質ポリエチレンを製造し、
改質ポリエチレンを重合体製品に製造する、
ことを含んでなる重合体製品の製造方法であって、重合体製品がパイプ製品およびブロー成形フィルムから選択される方法。
【請求項2】
2モードのエチレンベース重合体がチーグラー−ナッタ触媒系から製造され、アルキルマグネシウム化合物をアルコールと接触させてマグネシウムジアルコキシド化合物を製造しそしてマグネシウムジアルコキシド化合物を連続的により強い塩素化剤と接触させることによりチーグラー−ナッタ触媒系が製造される、請求項1の方法。
【請求項3】
重合体製品がパイプ製品でありそして核生成剤の不存在下で同一方法により製造される重合体製品より少なくとも約5%大きい垂れ下がり耐性を示す、請求項1の方法。
【請求項4】
重合体製品が過酸化の不存在下で製造される、請求項3の方法。
【請求項5】
パイプ製品が核生成剤の不存在下で同一方法により製造される重合体製品より少なくとも約30%大きい垂れ下がり耐性を示す、請求項3の方法。
【請求項6】
重合体製品がブロー成形フィルムでありそして気泡安定性において核生成剤の不存在下で同一方法により製造される重合体製品より少なくとも約10%の増加を示す、請求項1の方法。
【請求項7】
改質ポリエチレンが約0.01重量%〜約3重量%の核生成剤を含んでなる、請求項1の方法。
【請求項8】
重合体製品が核生成剤の不存在下で同一方法により製造される重合体製品より少なくとも約10%少ないヘイズを示す、請求項1の方法。
【請求項9】
エチレンベース重合体が少なくとも約0.940g/ccの密度を示す、請求項1の方法。
【請求項10】
エチレンベース重合体が少なくとも約50,000の分子量を示す、請求項1の方法。
【請求項11】
2モードのエチレンベース重合体が約50,000〜約10,000,000の分子量を含んでなる高分子量画分および約500〜約50,000の分子量を含んでなる低分子量画分を示す、請求項1の方法。
【請求項12】
エチレンベース重合体が約80:20〜約20:80の高分子量画分対低分子量画分の比を示す、請求項11の方法。
【請求項13】
請求項1の方法から製造される重合体製品。
【請求項14】
請求項3の方法から製造されるパイプ製品。
【請求項15】
請求項6の方法から製造されるブロー成形フィルム。
【請求項16】
重合体製品が核生成剤の不存在下で同一方法により製造される重合体製品より少なくと
も約25%高い光沢を示す、請求項1の方法。
【請求項17】
ブロー成形フィルムがダウンゲージする能力において核生成剤の不存在下で同一方法により製造される重合体製品より少なくとも約10%の増加を示す、請求項15の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−512941(P2012−512941A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542233(P2011−542233)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/067019
【国際公開番号】WO2010/080283
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(391024559)フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツド (98)
【氏名又は名称原語表記】FINA TECHNOLOGY, INCORPORATED
【Fターム(参考)】