説明

ポリオレフィン類

【課題】成形用樹脂、弾性重合体、接着剤、およびフィルム等の用途に有用な重合体を与える、単量体としての新規化合物ならびに前記化合物からなる新規重合体を提供する。
【解決手段】下式XXVI
H2C=CH-T-NR71-C(O)CFR72(OCF2CFR72)aOCF2(CFR72)bSO2F (XXVI)
で表される化合物、ならびに前記化合物を重合してなる重合体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
関連出願に対する「クロス―リファレンス」
本出願は、1997年7月23日付けで提出した表題が「Polymerization of Olefins」の係属中の先行出願連続番号08/899,017の一部継続出願である。
【0002】
発明の分野
オレフィンがシリルなどの如き特定の官能基を含む場合でも特定の遷移金属化合物を触媒として用いるとオレフィンの(共)重合を行うことができる。他の官能基、例えばエステルまたはアルケニルなどを含むオレフィン類も同様に重合させることができそして/またはこのようなオレフィンに「ブロッキング基(blocking group)」、例えば第四級炭素原子などを含めると重合が向上し得る。
【背景技術】
【0003】
ポリオレフィン類は数多くの分野、例えば玩具および自動車部品用の成形用樹脂、包装で用いられるフィルム用の樹脂、弾性重合体そして他の使用で用いるに有用である。後で重合体を架橋させる時の補助になり得る官能基、重合体の表面特性または他の物理的特性を変える働きをし得る官能基などを1つ以上含むオレフィンを共重合させることがしばしば望まれている。いろいろな遷移金属化合物、例えばチーグラー・ナッタ(Ziegler−Natta)またはメタロセン(metallocene)型触媒などを重合触媒として用いて数多くのオレフィン類を重合させることができる。しかしながら、官能基を含むオレフィン類を存在させると上記重合がしばしば進行しなくなるか或は進行度合が劣ることが頻繁に起こる。
【0004】
また、後期(late)遷移金属、例えばパラジウムまたはニッケルなどを含む触媒を用いてオレフィン類を重合させることも可能であり、そして時には官能化(functionalized)オレフィン類を共重合させることも可能である。しかしながら、有用な官能化オレフィンの範囲は限定されており、かつそのようなオレフィン類を存在させると重合の効率がしばしば低下する。従って、官能化オレフィン類のより多様および/または効率良い重合が望まれている。
【0005】
国際特許出願96/23010および97/02298に、特定の遷移金属含有化合物を用いてオレフィン類(これらのいくつかは官能基を含む)を重合させることが記述されている。上記出願にはブロッキング基を含むオレフィン類を用いることは記述されていない。
【0006】
発明の要約
本発明はオレフィン類の重合方法に関し、この方法に、シクロペンテン、ノルボルネンおよび式R1CH=CHR1で表される化合物から成る群から選択される1番目のオレフィンと、−SiR23、−CO23、非共役ケトン、−SO27、アルケニル、−C(O)−O−C(O)R4、−C65、−OR8、−CO2H、−OH、−CHO、−OP(O)(OR52、−BR62、−SR9、−SH、エーテル、エポキシおよび−CONR6869から成る群から選択される官能基を1つ以上含む2番目のオレフィンと、
【0007】
【化1】

【0008】
【化2】

【0009】
[ここで、Ar1は、遊離原子価がnの芳香族部分、またはジフェニルメチルであり、
各Zは、−NR5253または−CR54=NR55であり、pは、1または2であり、
Eは、2−チエニルまたは2−フリルであり、
各R52は、独立して、水素、ベンジル、置換ベンジル、フェニルまたは置換フェニルであり、
各R54は、独立して、水素またはヒドロカルビルであり、
そして各R55は、独立して、一価の芳香族部分であり、
mは、1、2または3であり、
53は、水素またはアルキルであり、
33、R34、R35およびR36は、各々独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
各R31は、独立して、炭素原子を2個以上含むヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
各R32は、独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
Ar2は、アリール部分であり、
38、R39およびR40は、各々独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは不活性な官能基であり、
37およびR41は、各々独立して、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、またはEsが約−0.4以下の不活性な官能基であり、
42およびR43は、各々独立して、水素、または炭素原子を1から20個含むアシルであり、
Ar3は、アリール部分であり、
45およびR46は、各々独立して、水素またはヒドロカルビルであり、
Ar4は、アリール部分であり、
Ar5およびAr6は、各々独立して、ヒドロカルビルであり、
Ar7およびAr8は、各々独立して、アリール部分であり、
Ar9およびAr10は、各々独立して、アリール部分または−CO256(ここで、R56は炭素原子を1から20個含むアルキルである)であり、
Ar11は、アリール部分であり、
50は、水素またはヒドロカルビルであり、
51は、ヒドロカルビル、または−C(O)−NR50−Ar11であり、
44は、アリールであり、
47およびR48は、各々独立して、各アルコキシ基が炭素原子を1から20個含む1つ以上のアルコキシ基で置換されているフェニル基であり、
49は、炭素原子を1から20個含むアルキルまたはアリール部分であり、
13およびR16は、各々独立して、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるが、但しイミノの窒素原子に結合している炭素原子がそれに結合している炭素原子を少なくとも2つ持つことを条件とし、
14およびR15は、各々独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるか、或はR14とR15が一緒になって炭素環状環を形成するヒドロカルビレンもしくは置換ヒドロカルビレンであり、
18がヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルでR20が水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるか、或はR18とR20が一緒になって環を形成しており、
19がヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルでR21が水素、置換ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルであるか、或はR19とR21が一緒になって環を形成しており、
各R17が独立して水素、置換ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルであるか或はR17の2つが一緒になって環を形成しており、
27およびR30は、独立して、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
28およびR29は、各々独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、そしてnは、2または3である]
のニッケルもしくはパラジウム配位化合物であるオレフィン重合触媒を接触させることを含め、
そしてここで、各R1は、独立して、水素またはアルキルであり、
各R2は、独立して、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロゲン、アシルオキシ、アミノ、シロキシまたは−OR12であり、
3は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、R4は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
各R5は、独立して、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
6は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
7は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
8は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
9は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
そしてR68およびR69は、各々独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるが、但し上記官能基がアルケニル、−OR8、−OH、−CHO、−OP(O)(OR52、−SR9、−SH、エーテル、エポキシまたは−CONR6869の時には上記官能基を1つ以上含むオレフィンの炭素−炭素二重結合と上記官能基の間にブロッキング基が存在し、そして上記官能基が非共役ケトン、アルケニル、−C(O)−O−C(O)R4、−CO2H、−OH、−CHO、−OP(O)(OR52、−SR9または−SH、エポキシの時には上記配位化合物が好適にはパラジウム化合物であることを条件とする。
【0010】
本明細書では、また、式 H2C=CH-T-NR71-C(O)CFR72(OCF2CFR72)aOCF2(CFR72)bSO2F (XXVI)[式中、Tは、アルキレンまたは置換アルキレンであり、
71は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
72は、各々独立して、フッ素、塩素、または炭素原子を1から10個含むパーフルオロアルキルであり、
aは、0、1または2であり、
そしてbは、0または1から6の整数である]
で表される化合物も開示する。
【0011】
本明細書では、また、式
【0012】
【化3】

【0013】
[式中、Tは、アルキレンまたは置換アルキレンであり、
71は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
72は、各々独立して、フッ素、塩素、または炭素原子を1から10個含むパーフルオロアルキルであり、
aは、0、1または2であり、
bは、0または1から6の整数であり、
73は、アルキルまたは水素であり、
そしてR74は、ヒドロキシル、フッ素、塩素またはOMであり、ここで、Mは金属カチオンである]
で表される繰り返し単位を含んで成る共重合体も開示する。
【0014】
発明の詳細
本明細書に記述する重合方法および触媒組成物では特定の基が存在し得る。ヒドロカルビルは、炭素と水素のみを含む一価の基を意味する。飽和ヒドロカルビルは、炭素と水素のみを含んでいて炭素−炭素二重結合も三重結合も芳香族基も含まない一価の基を意味する。本明細書における置換ヒドロカルビルは重合触媒系の作用を妨害しない(種類の)置換基を1つ以上含むヒドロカルビル基を意味する。適切な置換基にはハロ、エステル、ケト(オキソ)、アミノ、イミノ、カルボキシル、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィン、ホスフィナイト、チオエーテル、アミド、ニトリルおよびエーテルが含まれる。好適な置換基はハロ、エステル、アミノ、イミノ、カルボキシル、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィン、ホスフィナイト、チオエーテルおよびアミドである。(置換)ヒドロカルビレンは、この基が二価である以外はヒドロカルビルに類似した基を意味する。アルキレンは、炭素原子が遊離価を持つ二価の飽和基を意味する。置換アルキレンは、置換ヒドロカルビルに関して上述した如く置換されていることを意味する。ベンジルはC65CH2−基を意味し、そして置換ベンジルは、1つ以上の水素原子が置換基(これにはヒドロカルビルが含まれ得る)に置き換わっている基である。アリール部分は、芳香族環の炭素原子が遊離原子価を持つ一価の基を意味する。アリール部分が含む芳香族環の数は1またはそれ以上であってもよく、これは不活性な基で置換されていてもよい。フェニルはC65−基を意味し、そしてフェニル部分または置換フェニルは、1つ以上の水素原子が置換基(これにはヒドロカルビルが含まれ得る)に置き換わっている基である。置換ベンジルおよび置換フェニルに好適な置換基には、この上で置換ヒドロカルビルに関して挙げた基に加えてヒドロカルビルが含まれる。特に明記しない限り、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、そして炭素原子を含む他の全ての基、例えばアルキル基などが含む炭素原子の数は、好適には1から20である。
【0015】
適宜、Esは、ある基が示す立体効果を指す。いろいろな基が示す立体効果をEsと呼ぶパラメーターで量化した[R.W. Taft, Jr., J. Am. Chem. Soc., 74巻, 3120-3128頁(1952), そしてM.S. Newman, Steric Effects in Organic Chemistry, John Wiley & Sons, New York, 1956, 598-603頁を参照]。本明細書の目的で、Es値は上記出版物に記述されている値である。所定の基のEs値が未知の場合、上記出版物に記述されている方法を用いてそれを測定することができる。本明細書の目的で、水素が示す値はメチルが示す値と同じであると定義する。環のオルソ位に位置する置換基(または−OH基の最も近くに位置する他の置換基)のEs値の合計が約−1.5以下であるのが好適であり、約−3.0以下であるのがより好適である。従って、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノールの如き化合物の場合に評価され得るEs値は、2位および6位の置換基であるt−ブチル基に関するEs値のみであろう。
【0016】
本明細書では、配位しないイオンを記述しそしてこれが有効である。そのようなアニオンは技術者によく知られており、例えばW. Beck.,他, Chem. Rev., 88巻, 1405-1421頁(1988), そしてS.H. Strauss, Chem. Rev., 93巻, 927-942頁(1993)(これらは両方とも引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照のこと。そのような配位しないアニオンが有する相対的配位能力(coordinating abilities)が上記文献に記述されており、Beckが1411頁に記述しておりそしてStraussが932頁の表IIIに記述している。配位しない有用なアニオンにはSbF6-、BAF、PF6-またはBF4-が含まれ、ここで、BAFはテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートである。
【0017】
中性のルイス酸またはカチオン性のルイス酸もしくはブレンステッド酸(弱く配位するアニオンである対イオンを伴う)もまた上記触媒系の一部として存在させる。「中性のルイス酸」は、(XXV)からQ-またはS-を引き抜いて弱く配位するアニオンを生じさせ得るルイス酸である化合物を意味する。このような中性のルイス酸は元々は帯電していない(即ちイオン性でない)。適切な中性のルイス酸にはSbF5、Ar3B(ここで、Arはアリールである)およびBF3が含まれる。カチオン性ルイス酸は正電荷を伴うカチオン、例えばAg+、H+およびNa+などを意味する。
【0018】
(XXV)(および、中性のルイス酸またはカチオン性のルイス酸もしくはブレンステッド酸の存在を必要とする同様な触媒)が、金属に既に結合しているアルキルもしくはハイドライド基を含まない(即ちQもSもアルキルでもハイドライドでもない)場合にも、また、そのような中性のルイス酸またはカチオン性のルイス酸もしくはブレンステッド酸が金属をアルキル化するか或はハイドライドを金属に付加させる、即ちアルキル基またはハイドライドを金属原子に結合させるか、或はアルキル基またはハイドライド基を付加させる別の(Wとは)化合物を添加する。
【0019】
金属をアルキル化し得る好適な中性のルイス酸は、アルキルアルミニウム化合物、例えばR93Al、R92AlCl、R9AlCl2および“R9AlO”(アルキルアルミノキサン)[ここで、R9は、炭素原子を1から25個、好適には炭素原子を1から4個含むアルキルである]などから選択されるルイス酸である。適切なアルキルアルミニウム化合物には、メチルアルミノキサン[これは、一般式([MeAlO]n)、(C25)2AlCl、C25AlCl2および[(CH3)2CHCH2]3Alを伴うオリゴマーである]が含まれる。金属の水素化物、例えばNaBH4などを用いてハイドライド基を金属Mに結合させることも可能である。
【0020】
本明細書における重合方法では1番目のオレフィン(これは式R1CH=CHR1で表され得る)と2番目のオレフィンを共重合させる。好適な1番目のオレフィンではR1の両方が水素である(オレフィンがエチレンである)か或はR1の1つが水素でもう1つが炭素原子を1から20個含むn−アルキルである。後者の化合物ではn−アルキル基が含む炭素原子の数が1である(オレフィンがプロピレンである)のが好適である。1番目のオレフィンおよび/または2番目のオレフィンを2種以上用いることも可能であるが、各々を少なくとも1種類用いるべきである。
【0021】
2番目のオレフィンは、炭素−炭素アルケニル二重結合以外に別の基を含む官能オレフィンである(このような他の官能基はまた炭素−炭素アルケニル二重結合であってもよい)。この2番目のオレフィンに存在させるそのような2つの基をブロッキング基によって離れて位置させてもよい(ある場合にはそうしなければならない)。ブロッキング基は、炭素−炭素二重結合および/または官能基が互いに直接共役し得るようにこれらの2つの基が異性化することがないようにする基を意味する。直接は、2つの主題(subject)基の間に介在する基が全く存在しないことを意味する。このようなブロッキング基は、重合条件下で炭素−炭素二重結合と一緒になってπ−ベンジル基も重合性ビニルエーテル基も容易に形成し得るべきでなく、このように、p−フェニレンまたは簡単な脂肪族エーテル基、例えば−CH2CH2O−などはブロッキング基でない。しかしながら、テトラフルオロ−p−フェニレンおよび−CH2CH2OCF2CF2−の如きエーテルはそれぞれ通常はπ−ベンジル基も重合性ビニルエーテル基も容易には形成しないほど電子不足の状態であることから、これらはブロッキング基である。有用なブロッキング基には、第四級炭素原子[炭素原子が他の4原子(これらのいずれも水素原子でない)に結合している、言い換えれば、第四級炭素原子は他の如何なる元素に対しても全く多重結合を持たない]、エステル基、アミド基、スルホン基、テトラフルオロ−p−フェニレン、シリル基、ボラン基、カーボネート基およびアンモニウムカチオンが含まれる。好適なブロッキング基は、第四級炭素原子、特に他の4つの炭素原子に結合している第四級炭素原子、エステル基、スルホン基および−(CF2n−[ここで、nは2から20の整数である]である。ある種のブロッキング基はまた2番目のオレフィンの「官能」基にもなり得ることに注目されたい。特定の2番目のオレフィンにブロッキング基を存在させる必要があるか否かに拘らず、ブロッキング基を存在させると重合体の収率がブロッキング基を含まない官能オレフィンを用いた場合に比較してしばしば大きく向上することを見い出した(いやしくも後者の場合に重合体がいくらか得られるとしても)。従って、本明細書では2番目のオレフィンの全部にブロッキング基を存在させるのが好適である。
【0022】
本明細書で製造する重合体は1番目のオレフィンと2番目のオレフィンから作られた共重合体であるが、この1番目のオレフィンを重合中に存在させないことでまた2番目のオレフィンのホモポリマーを生じさせることも可能である。本明細書で製造する共重合体の多くはユニークである、と言うのは、そのような官能基を含むオレフィンの共重合体は製造されていなかったからである。そのような共重合体には、−SiR23、非共役ケトン、−SO27、アルケニル、−C(O)−O−C(O)R4、−C65、−OR8、−OH、−CHO、−OP(O)(OR52、−BR62、−SR9、−SH、エーテル、エポキシおよび−CONR6869などの如き官能基を有する共重合体が含まれ、特に2番目のオレフィンにまたブロッキング基も存在させた時の共重合体が含まれる。このような重合体は、加うるに、単にオレフィンを存在するオレフィン結合によって重合体の中に組み込む場合に期待される分枝に相当しない分枝が存在し得る意味で「通常でない」分枝パターンを持ち得る。そのような分枝の考察に関しては国際特許出願96/23010および97/02298を参照のこと。そのような分枝に含まれる炭素原子の数が通常でなくそして/または分枝の数が通常でないことに加えて、ある場合には、2番目のモノマーが有する官能基が、「誤った(wrong)」長さを有する分枝の末端部に存在する可能性もある。また、そのような重合体も新規であり得る。
【0023】
2番目のオレフィンに存在させる好適な官能基は−SiR23[ここで、R2は全部塩素または−OR70であり、ここで、R70は、炭素原子を1から6個含むn−アルキル、エポキシドまたはアルケニルである]である。
【0024】
−SiR23基が存在するオレフィン類の場合の好適な式はH2C=CH(CH2qSiR23[式中、qは0または1から20の整数、より好適には1から8の整数である]である。R2の少なくとも1つがクロロまたは−OR57であるのが好適であり、ここで、R57は炭素原子を1から20個含むアルキル、より好適にはメチルまたはエチルであり、そしてR2の残りが炭素原子を1から6個含むアルキルまたはフェニルであるのが好適であり、メチルであるのがより好適である。好適な形態では、R2の全部がクロロまたは−OR57である。
【0025】
−CO23が存在する好適なオレフィンは、式
【0026】
【化4】

【0027】
[式中、qは、0または1から20の整数であり、R58およびR59は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル、好適には炭素原子を1から20個含むアルキルであり、そしてR60は、共有結合であるか、或は炭素原子を1から20個含むアルキレンである]
で表される。この種類のより好適なオレフィンでは、qが1でありそして/またはR58および/またはR59がメチルでありそしてR60が共有結合または−(CH2s−[ここで、sは1から6の整数である]でありそして/またはR3がアルキルまたは水素である。
【0028】
アミド基が存在する好適なオレフィン類は、式
【0029】
【化5】

【0030】
[式中、R58、R59、R60、R66、R67およびqは、この上で定義した通りである]
で表される。全てのアミド類において、R66およびR67がヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるのが好適である。R58、R59、R60およびqの好適な基はこの上に記述した通りである。
【0031】
2番目のオレフィンに存在する官能基がアルケニルである時、これは式
【0032】
【化6】

【0033】
[式中、qは、0または1から20の整数であり、R58およびR59は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル、好適には炭素原子を1から20個含むアルキルであり、R60は、共有結合であるか、或は炭素原子を1から20個含むアルキレンであり、そしてR61は、水素、または炭素原子を1から20個含むアルキルである]で表されるのが好適である。この種類のより好適なオレフィン類では、qが1でありそして/またはR58および/またはR59がメチルでありそして/またはR60が共有結合または−(CH2s−[ここで、sは1から6の整数である]でありそして/またはR61が水素またはメチルである。
【0034】
この2番目のオレフィンがエーテルを含む時、このエーテルを持つ部分の好適な式は
【0035】
【化7】

【0036】
[式中、R12は、炭素原子を1から20個含むアルキル、より好適にはメチルである]
であるか、或は
【0037】
【化8】

【0038】
[式中、R58、R59、R60、R66、R67およびqは、この上で定義した通りであり、そしてR68は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル、より好適には炭素原子を1から20個含むアルキルである]
である。R58、R59、R60およびqの好適な基はこの上に記述した通りである。
【0039】
官能基がエポキシドである時の好適な化合物は、
【0040】
【化9】

【0041】
[ここで、R10は、各々、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、R11は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、そしてqは、0または1から20の整数である]
であるか、或は式
【0042】
【化10】

【0043】
[式中、q、R58、R59、R60およびR10は、この上で定義した通りである]
で表される化合物である。好適なエポキシドにおけるq、R58、R59、R60はこの上の好適な化合物で定義した通りであり、そして/またはR11は、好適にはアルキル、より好適にはメチルである。エポキシド環自身の中に存在する第四級炭素原子がブロッキング基として働き得ることに注目されたい。
【0044】
2番目のオレフィンに存在する官能基が非共役ケトンである時の好適なオレフィンはH2C=CHR64C(O)R65であり、ここで、R64は、炭素原子を1から20個含むアルキレンであり、そしてR65は、炭素原子を1から20個含むアルキルである。より好適なオレフィンにおけるR64は−(CH2s−[ここで、sは1から6の整数である]でありそして/またはR65はメチルである。
【0045】
本重合方法で用いる化合物(または錯体)(IV)から(XXIV)の中で(IV)が好適である。本明細書で(IV)を表示する場合(配位子として表示する場合を包含)、その全部において、R13およびR16が各々独立してヒドロカルビルであるのが好適であるが、但しイミノの窒素原子に結合している炭素原子がそれに結合している炭素原子を少なくとも2つ有することを条件とし、そしてR14およびR15が各々独立して水素またはヒドロカルビルであるか或はR14とR15が一緒になって環を形成するヒドロカルビレンであるのが好適である。R13、R14、R15およびR16の有用な組み合わせおよび/または個々の基(groupings)のいくつかを表1に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
* 表1および本明細書の他の場所で下記の省略形を用いる:Me=メチル、Et=エチル、Br=ブロモ、i−Pr=イソプロピル、Ph=フェニル、そしてAn=1,8−ナフチリレン
【0048】
【化11】

【0049】
フェニル環上の置換基を示す時、名称を省略形で示し、ここで、環の位置の数は、環上に置換基がどれくらいの数存在するかを示す。例えば4−Br−2,6−MePhは4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニルを示す。
【0050】
(IV)から(XXIV)の好適な式および化合物(重合触媒の配位子として)が国際特許出願96/23010および97/02298(両方とも引用することによって本明細書に組み入れられる)に見られ、そして上記出願に示されている好適な基および化合物が本明細書でもまた好適である。しかしながら、上記出願に示されている化合物の番号および基(即ちRx)の番号は本明細書における番号とは異なっている可能性があるが、それらは容易に変換可能である。
【0051】
化合物(IV)から(XXIV)のNiもしくはPd配位化合物を含有する活性重合触媒を製造する方法は数多く多様に存在し、それらの多くが国際特許出願96/23010および97/02298に記述されており、そしてそのような記述されている方法が本明細書にも適用可能である。それ自身が活性重合触媒であり得る「純粋な」化合物を用いてもよいか、或はいろいろな方法で活性重合触媒をインサイチューで生じさせることも可能である。
【0052】
例えば、生じるアニオンが弱く配位するアニオンであることを条件としてQ-またはS-のいずれかを引き抜いてWQ-またはWS-を生じさせ得る中性ルイス酸であるか或は弱く配位するアニオンである対イオンを伴うカチオン性ルイス酸もしくはブレンステッド酸である1番目の化合物Wと、式
【0053】
【化12】

【0054】
で表される2番目の化合物と、1種以上のオレフィン類を、約−100℃から約+200℃の温度で接触させることを通して、オレフィン類を重合させてもよく、ここで、Mは、NiまたはPdであり、R13およびR16は、各々独立して、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるが、但しイミノの窒素原子に結合している炭素原子がそれに結合している炭素原子を少なくとも2つ持つことを条件とし、R14およびR15は、各々独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるか、或はR14とR15が一緒になって環を形成するヒドロカルビレンもしくは置換ヒドロカルビレンであり、Qは、アルキル、ハイドライド、アルコキサイド、クロライド、ヨージドまたはブロマイドであり、そしてSは、アルキル、ハイドライド、アルコキサイド、クロライド、ヨージドまたはブロマイドである。
【0055】
この場合、Wがアルキルアルミニウム化合物であるのが好適である。活性重合触媒を生じさせる他の方法が上記特許出願およびそれに示されている実施例に見られる。
【0056】
国際特許出願96/23010および97/02298に、また、どの重合触媒、即ちどの種類の触媒が本明細書の1番目の種類のオレフィンを重合させるかも示されている。式H2C=CHR66[式中、R66はn−アルキルである]で表されるα−オレフィン類を重合させる全ての触媒がまた本明細書の2番目のオレフィンのいずれも共重合させると考えている。本明細書で用いるに有用な1番目のモノマー類にはエチレン、プロピレン、式R67CH=CH2[式中、R67は、炭素原子を2から約20個含むn−アルキルである]で表される他のα−オレフィン類、シクロペンテン、ノルボルネンおよび2−ブテンが含まれる。好適なモノマー類はエチレン、プロピレンおよびシクロペンテンである。
【0057】
また、そのような重合に適した条件も同様に上記特許出願に見られる。簡単に述べると、重合を実施する温度は約−100℃から約+200℃、好適には約−20℃から約+80℃である。オレフィンが気体状の場合に用いる重合圧力は決定的でなく、大気圧から約275MPaまたはそれ以上の圧力が適切な範囲である。モノマーが液体の場合、このようなモノマーは混ぜものなしで使用可能であるか、或は別の液体(溶媒)を用いて上記モノマーを希釈することも可能である。Wを存在させる場合、W:(XXV)の比率を好適には約1以上、より好適には約10以上[Wのみを存在させる時(他のルイス酸触媒を存在させない時)]にする。このような重合はバッチ式か、半バッチ式か或は連続方法であってもよく、液状媒体中か或は気相(モノマーが必要な揮発性を示すと仮定して)中で実施可能である。このような詳細もまた国際特許出願96/23010および97/02298に見られる。
【0058】
(XXVI)および(XXVIII)では、適宜、Tが−(CH2n−[ここで、nは1から10の整数、より好適にはnは1である]であり、そして/またはR71がアルキル、より好適にはメチルであり、そして/または各R72がフッ素またはトリフルオロメチル、より好適にはフッ素であり、そして/またはaが0であり、そして/またはbが1であり、そして/またはR74がフッ素、ヒドロキシルまたはOM(ここで、Mはアルカリ金属カチオンである)であるのが好適である。(XXVII)中のR73は水素またはn−アルキル、より好適には水素またはメチル、特に好適には水素であるのが好適である。
【0059】
(XXVI)の製造は、一般に、本明細書の実施例40に記述するように、適当なアルケニル第二級アミンとアシルハライドである適当なフッ素置換スルホニルフルオライドの反応で実施可能である。そのようなフッ素置換スルホニルフルオライドの製造は本技術分野で公知の方法で実施可能であり、例えばSiegemund, 他著, Ullmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 中5版, 全巻, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim(1988), 374頁そしてM. Yamabe, 他著, Organofluorine Chemistry: Principles and Commercial Application, R.E. Banks, 他編集, Plenum Press, New York(1994), 403-411頁を参照のこと。
【0060】
(XXVII)および(XXVIII)を含んで成る繰り返し単位で構成される重合体の製造は本明細書に記述する方法で実施可能であり、例えば実施例41を参照のこと。(XXVIII)が存在しかつR74がフッ素である重合体を生じさせた後、R74が異なる基である他の誘導体を生じさせることができる。例えば、塩化ケイ素との反応でフッ素を塩素に変えることができる。フッ化スルホニルを水と反応させてそれに加水分解を受けさせることでスルホン酸を生じさせることができる。この加水分解中に塩基、例えばアルカリ金属の水酸化物などを存在させると金属塩が生じるであろう。技術者は、一価の金属カチオン以外のカチオンの場合にはイオン電荷を均衡させる目的で金属とスルホネート基を適切な比率で存在させる必要があることと基「OM」はそのような均衡の包含を意味することを理解するであろう。適宜、強酸と反応させるか或は強塩基と反応させることを通して、スルホン酸とスルホン酸塩は互いに容易に交換可能である。
【0061】
本明細書で製造する重合体は、成形用樹脂および弾性重合体として用いるに有用であり、接着剤に入れて用いるに有用であり、そしてかつフィルムで用いるに有用である。これらは、官能基が存在していることから、容易に架橋可能であるか、有用な表面特性を持つか、或は特に他の重合体と相溶し得る。
【0062】
本実施例では下記の省略形を用いる:
DSC−示差走査熱量測定
FTIR−フーリエ変換赤外分光測定
GPC−ゲル浸透クロマトグラフィー
MAO−メチルアルミノキサン
MMAO−修飾(第二ブチル基含有)MAO
Mn−数平均分子量
Mw−重量平均分子量
PE−ポリエチレン
PMAO−MAOを参照
RT−室温
TCB−1,2,4−トリクロロベンゼン
TCE−1,1,2,2−テトラクロロエタン
Tg−ガラス転移温度(DSCを用いて10℃/分で測定、転移の中点をTgとして採用)
THF−テトラヒドロフラン。
【0063】
本実施例では、省略形「DAB」を用いて(IV)の遷移金属錯体を示す。R13およびR16で表される基をDABの直前に置く一方、R14およびR15で表される基をDABの直後に置く。また、化合物中に存在する金属に配位する他の基および/または遊離アニオンも示す。
【実施例】
【0064】
実施例1
シラン含有アクリレートとエチレンの共重合体
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびCH2=CHCO2(CH22SiCl3(2.5g,0.010モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで15時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発させた。その残渣をドライボックス内で40mLのCH2Cl2に溶解させた後、Celite(商標)に通して濾過した。溶媒を蒸発させた後、その残渣を10mLのCH2Cl2に再び溶解させた。この溶液にメタノール(約4mL)を滴下した後、メタノールを70mL滴下することで生成物を沈澱させた。油状物を単離した後、10mLのCH2Cl2に再び溶解させた。メタノール(70mL)を用いて生成物を再び沈澱させた。この生成物を単離して真空下で乾燥させた。粘性のある油状物を1g得た。1H NMRを基にして、シランの組み込み率[−Si(OCH33の意味で]は0.6モル%であった。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[116Me/1000CH2、即ちポリマーに含まれる1000個のメチレン炭素原子当たり116個のメチル基]。この共重合体がDSCで示したTgは−67℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=21,600;Mn=13,700;Mw/Mn=1.6。
【0065】
実施例2
7−オクテニルトリクロロシランとエチレンの共重合体
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびCH2=CH2(CH26SiCl3(2.5g,0.010モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで48.5時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発させた。その残渣をドライボックス内で20mLのヘプタンに溶解させた後、HC(OMe)3を20mL加えた。この混合物を1時間還流させた。この室温の溶液にメタノール(約60mL)を加えた。上方の層をデカンテーションで除去した(decanted)。その残渣を20mLのペンタンに溶解させた後、メタノールを60mL加えた。油状物を単離した後、真空下で乾燥させた。粘性のある油状物を3g得た。1H NMRを基にして、シランの組み込み率[−Si(OCH33の意味で]は4.35モル%であった。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[80Me/1000CH2]。この共重合体がDSCで示したTgは−69℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=329,000;Mn=108,000;Mw/Mn=3.0。
【0066】
実施例3
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびCH2=CH2(CH26SiCl3(2.5g,0.010モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで60時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発させた。その残渣をドライボックス内で10mLの塩化メチレンに溶解させた後、若干湿っているアセトンを60mL加えた。上方の層をデカンテーションで除去した。その残渣に塩化メチレンを15mL加えた。この時点で再溶解不能な重合体がいくらか存在していた。アセトンを更に60mL加えた。生成物を単離した後、真空下で乾燥させた。弾性のある白色固体を得た。
【0067】
この実施例は、この上に示した−SiCl3含有エチレン共重合体は水が痕跡量でも存在していると容易に架橋し得ることを実証していた。
【0068】
実施例4
シラン含有エチレン共重合体の合成
[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]NiBr2のサンプル[5.1mg(0.0082ミリモル)]を600mLのParr(商標)撹拌オートクレーブに入れた後、乾燥ヘキサン(モレキュラーシーブ上で乾燥させて貯蔵しそして窒素下に保持)を200mL加えた。この溶媒をエチレンで飽和状態にして60℃に加熱した後、1.0g(4.1ミリモル)の7−オクテニルトリクロロシランが5mLの乾燥トルエンに入っている溶液を上記オートクレーブに頭部口(head port)から注入した。次に、1.0mLの修飾メチルアルモキサン(Akzo MMAO−3A;トルエン中名目上1.97M;イソブチル基を約30%含有)を上記オートクレーブに注入した。このオートクレーブをエチレンで690kPaに加圧して60℃で30分間撹拌した。エチレンを排出させた後、このオートクレーブに無水n−プロパノール(金属ナトリウムを用いて蒸留)を9mL注入して重合を停止させかつトリクロロシラン基をトリ−n−プロポキシシラン基にインサイチューで変化させた。このオートクレーブにはポリエチレンの溶液が入っていて、不溶な重合体は存在しなかった。乾燥n−プロパノールを用いて窒素下で重合体を沈澱させた後、それの乾燥を最初にRTの窒素流下で行いそして次に高真空下で行うことでゴム状のポリエチレンを7.7g[67,000触媒ターンオーバー(catalyst turnover)/時]得、これはクロロホルムに可溶であった。プロトンNMRはシランの組み込み率が0.2−0.3モル%であることを示しており、これはトリ−n−プロピルエステルとして組み込まれたシランが〜3重量%であることを示していた。プロトンNMRは、また、メチレン鎖単位1000個当たりのメチル基の数が115であると言った分枝レベルであることも示していた。GPC(TCB;135℃;PE標準):Mn=173,000;Mw=441,000;Mw/Mn=2.55。
【0069】
実施例5
シラン含有エチレン共重合体の合成
[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]NiBr2のサンプル[5.6mg(0.0090ミリモル)]を600mLのParr(商標)撹拌オートクレーブに入れた後、乾燥ヘキサンを200mL加えた。この溶媒をエチレンで飽和状態にして60℃に加熱した後、3.0g(12.2ミリモル)の7−オクテニルトリクロロシランが5mLの乾燥トルエンに入っている溶液を上記オートクレーブに頭部口から注入した。次に、1.0mLの修飾メチルアルモキサン(Akzo MMAO−3A;トルエン中名目上1.97M;イソブチル基を約30%含有)を上記オートクレーブに注入した。このオートクレーブをエチレンで690kPaに加圧して60℃で30分間撹拌した。エチレンを排出させた後、このオートクレーブに無水n−プロパノール(金属ナトリウムを用いて蒸留)を9mL注入して重合を停止させた。この反応混合物を10分間撹拌することでトリクロロシラン基をトリ−n−プロポキシシラン基に変化させた。このオートクレーブにはヘキサンに溶解し得るポリエチレンが入っていて、不溶な重合体は存在しなかった。乾燥n−プロパノールを用いて窒素下で重合体を沈澱させた後、それの乾燥を最初にRTの窒素流下で行いそして次に高真空下で行うことでゴム状のポリエチレンを10.4g[83,000触媒ターンオーバー/時]得、これはクロロホルムにもクロロベンゼンにも可溶であった。プロトンNMRはシランの組み込み率が0.5モル%であることを示しており、これはトリ−n−プロピルエステルとして組み込まれたシランが5.6重量%であることを示していた。プロトンNMRは、また、メチレン基1000個当たりのメチル基の数が121であると言った分枝レベルであることも示していた。GPC(TCB;135℃;PE標準):Mn=181,000;Mw=354,000;Mw/Mn=1.96。
【0070】
実施例6
可溶なシラン含有重合体の架橋
ねじ込み型キャップ付き小びん(screw cap vial)に10mLの熱クロロベンゼンを入れて、それに実施例5の可溶重合体の少量のサンプル(〜0.1g)を溶解させた。このキャップ付き小びんに、トリフルオロ酢酸を3滴入れた1mLの水を加えた後、その混合物を60℃に加熱して18時間撹拌した。約3または4時間後、最初透明であった2相の溶液が、架橋したポリエチレンがクロロベンゼンの全部を吸い込んで膨潤した緩んだゲルになった。
【0071】
実施例7
可溶なシラン含有重合体の架橋
実施例5の可溶重合体のサンプル(0.4g)を15mLのクロロホルムと一緒に窒素下RTで約1週間撹拌した。小さいゲル粒子がいくらか存在してはいたが、重合体はほとんどが溶解したように見えた。この透明な重合体溶液(約8mL)を直径が70mmの結晶化用皿に注ぎ込んで、溶媒をRTで最初1気圧そして次に高真空下で3日間蒸発させた。次に、この皿を50mLの2%トリフルオロ酢酸水溶液で満たした後、この皿に蓋をして60℃の熱板上に一晩放置した。架橋した重合体のフィルムが半透明になり、それをガラスの表面から引き剥がすのは非常に困難であった。この架橋した重合体のフィルム片を引っ張ると、これは数百パーセント述べた時点で奇麗に壊れた。これは沸騰しているクロロベンゼンに不溶で、ほとんど膨潤しなかった。
【0072】
実施例5の可溶重合体の残りの溶液を2番目の皿に入れて別のフィルムを流し込み成形した後、このフィルムもまた高真空下に保持することで溶媒を除去した。この重合体のフィルムはさらなる処理なしにガラスから剥がれた。この未処理のフィルムは透明であり、引き伸ばした時、破壊する前に数百パーセントの伸びに至るまで容易に伸びた。この実施例の1番目のフィルムの方が2番目の未処理で未架橋のフィルムよりも明らかに強く、「スナッピー(snappy)」であった。
【0073】
実施例8
3,3−ジメチル−5−ヘキセン−1,2−エポキシドの合成
ドライボックス内で2.4g(0.1モル)のNaHを75mLの無水THFに入れて懸濁させた。この混合物を撹拌しながら、これに塩化トリメチルスルホキソニウムを12.8g(0.1モル)加えた。この混合物を穏やかな還流に持って行って2時間還流させた。次に、温度を55℃に下げた後、10gの2,2−ジメチル−4−ペンテナールを50mLのTHFに入れてゆっくり加えた。この添加にかけた時間は約1.5時間であった。添加が終了した時点で溶液を55℃で更に1時間撹拌した後、RTで一晩撹拌した。溶媒の体積が半分にまで低下した。次に、フラスコをドライボックスから取り出した。水およびペンタンを加えて生成物を抽出した。ペンタン層を水で2回洗浄した後、無水Na2SO4で乾燥させた。ペンタンを蒸発させるとほぼ無色の液体が得られた。この生成物を短いシリカカラムに通してヘキサン/酢酸エチル(30:1)で溶出させた。溶媒を蒸発させることで高純度の生成物を得た。収率67%。1H NMR(CDCl3):δ 0.96(s,3H,−CH3);0.99(s,3H,−CH3);2.18(m,2H,CH2=CH−CH2−);2.73(m,2H,−CH2−O−);2.88(m,1H,−CH−O−);5.15(m,2H,CH2=CH−);5.95(m,1H,CH2=CH−)。
【0074】
実施例9
3,3−ジメチル−5−ヘキセン−1,2−エポキシドとエチレンの共重合体の合成
PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および3,3−ジメチル−5−ヘキセン−1,2−エポキシド(2.86g、0.023モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで48時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。油状物を最大真空下で一晩乾燥させた。生成物(8.05g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)を基にして、エポキシドの組み込み率は5.7モル%であった{δ 2.52(m,2H,−CH2−O−);2.66(t,1H,−CH−O−)、−CMe2−共鳴は共重合体に付いているメチル(0.8−1.0)の共鳴と重なっており、メチレンのピークは共重合体のピーク(1.1−1.4)と重なっていた}。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[86Me/1000CH]。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=146,000;Mn=72,700;Mw/Mn=2.0。
【0075】
実施例10
3,3−ジメチル−5−ヘキセン−1,2−エポキシドとエチレンの共重合体の合成
PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および3,3−ジメチル−5−ヘキセン−1,2−エポキシド(1.0g、0.0079ミリモル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで27時間撹拌した。この反応混合物を若干温めた。溶媒を蒸発させた。油状物を最大真空下で一晩乾燥させた。生成物を20.1gを得た。1H NMR(CD2Cl2)を基にして、エポキシドの組み込み率は1.1モル%であった{δ 2.52(m,2H,−CH2−O−);2.66(t,1H,−CH−O−)、−CMe2−共鳴は共重合体に付いているメチル(0.8−1.0)の共鳴と重なっており、メチレンのピークは共重合体のピーク(1.1−1.4)と重なっていた}。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[115Me/1000CH]。これがDSCで示したTgは−40℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=188,000;Mn=98,200;Mw/Mn=1.9。
【0076】
実施例11
2,2−ジメチル−4−ペンテノールの合成
ドライボックス内で5gの2,2−ジメチル−4−ペンテナールを40mLの無水THFと一緒に混合した。NaBH4(3.376g)を分割して加えた。直ぐに溶液が熱くなった。更にTHFを加えて温度を下げた。この混合物をRTで一晩撹拌した。フラスコをドライボックスから取り出した。この混合物に水およびCH2Cl2を加えた。CH2Cl2層を分離し、水で2回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。CH2Cl2を蒸発させることで高純度の生成物を4.3g得た。1H NMR(CDCl3):δ 1.00(s,6H,−CMe2−);2.15(d,2H,CH2=CH−CH2−);3.44(s,2H,−CH2OH);5.15(d,2H,−CH2=CH−);5.95(m,1H,CH2=CH−)。
【0077】
実施例12
2,2−ジメチル−4−ペンテン−1−オールとエチレンの共重合体の合成
PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2,2−ジメチル−4−ペンテン−1−オール(4.0g、0.035モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで48時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。油状生成物に未反応のコモノマーがいくらか含まれていた。これを少量の塩化メチレンに溶解させた後、メタノールを加えた。油状物を単離して最大真空下で一晩乾燥させた。1H NMR(CDCl3)を基にして、上記アルコールの組み込み率は6.2モル%であった{δ 3.43(s,2H,−CH2OH)、−CMe2−共鳴は共重合体に付いているメチル(0.8−1.0)の共鳴と重なっており、メチレンのピークは共重合体のピーク(1.1−1.4)と重なっていた}。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[157Me/1000CH]。この共重合体がDSCで示したTgは−57℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=6,600;Mn=5,060;Mw/Mn=1.3。
【0078】
実施例13
2,2−ジメチル−4−ペンテニルメチルエーテルの合成
3つ口丸底フラスコに窒素下で乾燥エーテルを50mL入れて、それにNaHを2.211g懸濁させた。無水(CH32SO(5.0mL)を加えた。このフラスコを氷で冷却した。2,2−ジメチル−4−ペンテン−1−オール(7.0g)を13mLの無水エーテルに入れて滴下漏斗に通して滴下した。次に、この溶液を一晩還流させた。氷で冷却した後、43.56g(5当量)のCH3Iを滴下漏斗に通して滴下した。直ぐに白色の沈澱物が見られた。このスラリーを4時間還流させた。この混合物を冷却した後、水およびエーテルを加えた。エーテル層を分離し、水で2回洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。エーテルを注意深く蒸発させる(生成物は低い沸点を有する)ことで高純度の生成物を2.0g得た。1H NMR(CDCl3):δ 0.86(s,6H,−CMe2−);2.00(d,2H,CH2=CH−CH2−);3.05(s,2H,−CH2OMe);3.33(s.3H,−CH2OMe);5.00(m,2H,CH2=CH−);5.80(m,1H,CH2=CH−)。
【0079】
実施例14
2,2−ジメチル−4−ペンテニルメチルエーテルとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2,2−ジメチル−4−ペンテニルメチルエーテル(1.71g、0.013モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで41時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。油状物を最大真空下で一晩乾燥させた。生成物(15.5g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)を基にして、上記エーテルの組み込み率は2.1モル%であった{δ 3.16(s,2H,−CH2−O−);3.44(s,3H,−OCH3)、−CMe2−共鳴は共重合体に付いているメチル(0.8−1.0)の共鳴と重なっており、メチレンのピークは共重合体のピーク(1.1−1.4)と重なっていた}。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[127Me/1000CH]。この共重合体がDSCで示したTgは−61℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=125,000;Mn=69,100;Mw/Mn=1.8。
【0080】
実施例15
2−メチル−2−(3−ブテニル)−1,3−ジオキソランの合成
200mLのRBフラスコ内で5−ヘキセン−2−オン(37.18g、0.3788モル)とエチレングリコール(23.49g、0.3788モル)と0.72gのp−トルエンスルホン酸一水化物と40mLのトルエンを混合した。このフラスコに目盛り付き水収集器と還流コンデンサをつなげた。上記混合物を一晩還流させた。集められた水の量(約7mL)で示されるように反応が完了した。トルエンを蒸発させた後に混合物の蒸留を減圧下で行うことで高純度の生成物を25g得た。1H NMR(CDCl3):δ 1.31(s,3H,−CH3);1.72(m,2H,CH2=CHCH2CH2−);2.13(m,2H,CH2=CHCH2CH2−);3.92(m,4H,−OCH2CH2O−);4.95(m,2H,CH2=CH−);5.80(m,1H,CH2=CH−)。
【0081】
実施例16
2,2−ジメチル−4−ペンテン酸メチルの合成
2,2−ジメチル−4−ペンテン酸(15g、0.117モル)と70mLの無水メタノールと50mLのトルエンを混合した。濃硫酸(0.1mL)を加えた。この溶液を24時間還流させた。次に、溶媒を除去した。この粗生成物の蒸留を減圧下で行うことで高純度の生成物を6g得た。1H NMR(CDCl3):δ 1.28(s,6H,−CMe2−);2.37(d,2H,CH2=CHCH2−);3.77(s,3H,−CO2Me);5.15(m,2H,CH2=CH−);5.84(m,1H,CH2=CH−)。
【0082】
実施例17
2,2−ジメチル−4−ペンテン酸メチルとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2,2−ジメチル−4−ペンテン酸メチル(5.545g、0.039モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで60時間撹拌した。溶媒を蒸発させそして真空乾燥を一晩行うことで粗生成物を22.87g得た。この粗生成物をCH2Cl2に溶解させた後にメタノールで沈澱させることを通して、共重合体の精製を行った。1H NMR(CDCl3)を基にして、上記エステルの組み込み率は3.5モル%であった{δ 3.65(s,3H,−OCH3)、メチルのピークおよび他のメチレンのピークは共重合体が有するメチレンのピーク(1.1−1.4)と重なっていた}。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[95Me/1000CH]。この共重合体がDSCで示したTgは−65℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=136,000;Mn=78,500;Mw/Mn=1.7。
【0083】
実施例18
アリルペンタフルオロベンゼンとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびアリルペンタフルオロベンゼン(5.0g、0.024モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで48時間撹拌した。溶媒を蒸発させそして真空乾燥を一晩行うことで共重合体生成物を19.45g得た。1H NMR(CDCl3)を基にして、アリルペンタフルオロベンゼンの組み込み率は2.0モル%であった。{δ 2.67(t,2H,−CH265)}。1H NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた[108Me/1000CH]。19F NMR(CD2Cl2,(ppm)):−164.4(s,2F,m−F)、−159.8(s,1F,p−F)、−145.0(s,1.7F,C65−(CH2n−CHRROのo−F,n2,R,RO=アルキル鎖)、−143.8(s,0.3F,C65−(CH2n−CHRROのo−F,n=1)。13C NMRもまたn=1のパーセントは約15%であることを示していた。この共重合体がDSCで示したTgは−64℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=120,000;Mn=71,000;Mw/Mn=1.7。
【0084】
実施例19
アリルペンタフルオロベンゼンとエチレンの共重合体の合成
ドライボックス内で、シュレンク(Schlenk)フラスコにトルエンを35mL入れて、それに化合物[(2,6−i−PrPh)2DABAn]NiBr2(12mg,0.017ミリモル)およびアリルペンタフルオロベンゼン(4.0g、0.019モル)を溶解させた。これを氷水浴に入れて1気圧のエチレン下に15分間置いた。この混合物にPMAO(7.1重量%のトルエン溶液)を2mL加えた。1気圧のエチレン下0℃で15分間撹拌した後、この反応混合物にゆっくりとメタノール(100mL)に続いて濃HClを1.5mL加えた。白色固体状の重合体を濾過し、メタノールで洗浄した後、真空下で乾燥させた。共重合体(2.76g)を得た。1H NMR(TCE−d2)により、アリルペンタフルオロベンゼンの組み込み率は0.7モル%であることが示された[共重合体が有するメチレンのピーク、メチンのピーク(1.1−1.4ppm)およびメチルのピーク(0.8−1.0ppm)に対比させた−CH265のピーク(2.73ppm、t)を基にして]。この重合体は高度に分枝していた[104Me/1000CH]。19F NMR(TCE−d2,(ppm)):−164.0(s,2F,m−F)、−159.3(t,1F,p−F)、−144.9(s,1.6F,C65−(CH2n−CHRROのo−F,n2,R,RO=アルキル鎖)、−143.4(s,0.4F,C65−(CH2n−CHRROのo−F,n=1)。この共重合体がDSCで示したTgは−52℃であった。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=151,000;Mn=91,900;Mw/Mn=1.6。
【0085】
実施例20
3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエンの合成
ドライボックス内で、500mLの丸底フラスコにエーテルを100mL入れて、それにNaHを4.82(0.20モル)懸濁させた。メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、即ちPh3PCH3Br(71.9g、0.20モル)を増分的に加えた。添加が終了した時点でスラリーが非常に濃密になった。更にエーテルを加えた。直ぐに反応混合物が黄色になった。このスラリーをRTで2時間撹拌した後、50℃に1時間加熱した。室温に冷却した後、2,2−ジメチル−4−ペンテナールを15g加えた。この混合物をRTで撹拌した。この溶液を濾過した(生成物は真空下で揮発性であった)。固体状残渣をエーテルで洗浄した。その濾液の蒸留を行った。初留はエーテルであり、2番目の溜分(4.0g)が所望の高純度生成物であった。1H NMR(CDCl3):δ 1.00(s,6H,−CMe2−);2.05(d,2H,CH2=CH−CH2−);4.98(m,4H,CH2=CH−CH2−およびCH2=CH−CMe2−);5.80(m,2H,CH2=CH−CH2−およびCH2=CH−CMe2−)。
【0086】
実施例21
3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエンとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエン(3.384g、0.031ミリモル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで60時間撹拌した。溶媒を蒸発させそしてその残渣の真空乾燥を一晩行うことで共重合体生成物を1.14g得た。1Hおよび13C NMRスペクトルは極めて複雑であり、それらは、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエンが組み込まれたことと、このジエンモノマーの挿入はそれの両端で起こり得ることを示していた。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=5,830;Mn=4,050;Mw/Mn=1.4。この共重合体がDSCで示したTgは−59℃であった。
【0087】
実施例22
2−メチル−4−チア−1,6−ヘプタジエンの合成
250mLのRBフラスコにアリルメルカプタンを30g(0.405モル)およびDMFを100mL入れた。氷浴内で冷却した後、撹拌下で9.27g(0.405モル)のNaHを分割して加えた。添加終了後、その混合物を1時間撹拌した。次に、3−ブロモ−2−メチルプロペン(54.66g、0.405モル)を滴下漏斗に通して滴下した。滴下終了後、その混合物を更に1時間撹拌した。この混合物に水とエーテルを加えた。エーテル層を単離して水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させた後、その混合物の蒸留を最大真空下で行うことで所望生成物を27.12g得た(34℃/最大真空下で52%集めた)。1H NMR(CDCl3):δ 1.92(s,3H,−CH3);3.15(d,2H,CH2=CH−CH2−S−);3.17(s,2H,CH2=C(Me)−CH2−S−);4.92,4.97(s,1H 各々,CHHO=C(Me)−S−、CHHO=C(Me)−S−);5.20(m,2H,CH2=CH−CH2−S−);5.88(m,1H,CH=CH−CH2−S−)。
【0088】
実施例23
アリル2−メチルアリルスルホンの合成
116.6gのモントモリロナイトが200mLの水に入っているスラリーと一緒にオキソン(oxone)(260.3g、0.423モル)を混合した。次に、塩化メチレン(500mL)を加えた。次に、この混合物に撹拌下で2−メチル−4−チア−1,6−ヘプタジエン(27.1g、0.211モル)をゆっくり加えた。この反応は発熱反応であった。この混合物を2時間撹拌した後、濾過した。その残渣を塩化メチレンで洗浄した。有機層を分離した。水層を塩化メチレンで洗浄した。この塩化メチレン溶液を一緒にして水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させそしてその残渣の真空蒸留を行うことで所望の生成物を2.5g得た(50℃/最大真空度)。1H NMR(CDCl3):δ 1.95(s,3H,−CH3);3.64(s,2H,CH2=C(Me)−CH2−SO2−);3.72(d,2H,CH2=CH−CH2−SO2−);5.07,5.22(s,1H 各々,CHHO=C(Me)−SO2−、CHHO=C(Me)−SO2−);5.46(m,2H,CH2=CH−CH2−SO2−);5.91(m,1H,CH3=CH−CH2−SO2−)。
【0089】
実施例24
アリル2−メチルアリルスルホンとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびアリル2−メチルアリルスルホン(2.4g、0.015モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで37時間撹拌した。この溶液を濃縮して約10mLにした後、メタノールを60mL加えた。粘性のある油状物を単離し、10mLの塩化メチレンに再び溶解させた後、メタノールを60mL加えた。粘性のある油状物を単離して真空下で乾燥させた。共重合体(0.69g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、アリル2−メチルアリルスルホンの組み込み率は0.7モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、飽和炭素原子に連結している−CH3);1.0−1.5(m、飽和炭素原子に連結している−CH2−および−CH(R)−)、1.87(m,2H,−CH2CH2SO2−)、2.04(s,3H,−SO2CH2(Me)CH=CH2)、3.03(t,2H,J=4Hz,−CH2CH2SO2−);3.72(s,2H,−SO2CH2(Me)CH=CH2);5.14、5.27(s,1H 各々,−SO2CH2(Me)CH=CHHOおよび−SO2CH2(Me)CH=CHHO)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=24,700;Mn=17,200;Mw/Mn=1.4。この共重合体がDSCで示したTgは−65℃であった。
【0090】
実施例25
2,2−ジメチルペンテ−4−エン酸とエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2,2−ジメチルペンテン酸(1.5g、0.012モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで36時間撹拌した。この反応は発熱反応であった。この溶液をCelite(商標)に通して濾過した後、メタノールを200mL加えた。逆(reverse)沈澱をもう一度繰り返した。粘性のある油状物を単離して真空下で乾燥させた。共重合体(12.6g)を得た。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=59,100;Mn=39,800;Mw/Mn=1.5。この共重合体がDSCで示したTgは−69℃であった。
【0091】
実施例26
2,2−ジメチルペンテ−4−エン酸とエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2,2−ジメチルペンテン酸(5.0g、0.039モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで60時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発させた。粘性のある残渣を最大真空下70℃で6時間加熱した。次に、その残渣を100mLの塩化メチレンと一緒に混合した。この混合物を30分間撹拌した。重合体層(上部)を単離した。酸コモノマーの塩化メチレン抽出を更に3回繰り返した。粘性のある油状物を単離して真空下で乾燥させた。共重合体(11.5g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、2,2−ジメチルペンテン酸の組み込み率は7.2モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、−CMe2−以外の−CH3);1.05(s,6H,−CMe2−);1.1−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−);10.38(s,1H,−COOH)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=53,800;Mn=39,200;Mw/Mn=1.4。この共重合体がDSCで示したTgは−59℃であった。
【0092】
比較実施例1
4−ペンテン酸とエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および4−ペンテン酸(3.79g、0.038モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で64時間撹拌した。この溶液を濾過した後、約4mLになるまで濃縮し、次に、メタノールを200mL加えた。フラスコの底に存在する油状物を単離し、メタノールで2回洗浄した後、真空下で乾燥させた。粘性のある油状生成物(0.20g)を単離した。1H NMR(CD2Cl2)により、4−ペンテン酸の組み込み率は2.5モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.1−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−);1.60(m,2H,−CH2CH2CO2H);2.31(m,2H,−CH2CH2CO2H);11.26(s,1H,−CH2CH2CO2H)。この重合体は高度に分枝していた:133Me/1000CH2。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=3,430;Mn=2,710;Mw/Mn=1.3。この共重合体がDSCで示したTgは−58℃であった。
【0093】
実施例27
アリルフェニルスルホンとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびアリルフェニルスルホン(5.0g、0.027モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで46時間撹拌した。この反応は若干発熱反応であった。次に、この溶液を約20mLになるまで濃縮した後、撹拌下でメタノールを200mL加えた。粘性のある残渣を単離して25mLの塩化メチレンに溶解させた。この溶液にメタノールを150mL加えた。重合体を単離し、120mLの塩化メチレンに再び溶解させた後、Celite(商標)に通して濾過した。次に、溶媒を減圧下で蒸発させた。粘性のある油状物を真空下で乾燥させた。共重合体(11.45g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、アリルフェニルスルホンの組み込み率は4.8モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.1−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−);1.75(p,2H,−CH2CH2SO2Ph);3.20(t,2H,−CH2SO2Ph);7.70、7.78、7.98(5H 全体,−SO265)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=112,000;Mn=61,100;Mw/Mn=1.8。この共重合体がDSCで示したTgは−51℃であった。
【0094】
実施例28
5−ヘキセン−2−オンとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および5−ヘキセン−2−オン(4.24g、0.043モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で72時間撹拌した。次に、この溶液を約10mLになるまで濃縮した後、メタノールを加えた。油状物を単離して3x5mLのメタノールで洗浄した後、真空下で乾燥させた。共重合体(0.31g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、5−ヘキセン−2−オンの組み込み率は4.3モル%であることが示された:δ 0.88−1.05(m、重合体に付いている−CH3Os);1.10−1.50(m,−CH2−および−CH(R)−);1.63(m,2H,−CH2CH2C(O)CH3);2.19(s,3H,−C(O)CH3);2.48(t,2H,J=7.6Hz,−CH2CH2C(O)CH3)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=6,600;Mn=4,600;Mw/Mn=1.4。この共重合体がDSCで示したTgは−70℃であった。
【0095】
実施例29
アリルマロン酸ジエチルとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびアリルマロン酸ジエチル(5.0g、0.025モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで5日間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、油状生成物を真空下で一晩乾燥させた。共重合体(24.5g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、アリルマロン酸ジエチルの組み込み率は1.7モル%であることが示された:δ 0.85−1.05(m、重合体に付いている−CH3Os);1.10−1.50(m,−CH2−および−CH(R)−および−CH2CH2CH3);1.94(m,2H,−CH2CH(CO2CH2CH32);3.39(t,1H,−CH2CH(CO2Et)2);4.25(q,4H,−CH(CO2CH2CH32)。この重合体は高度に分枝していた:87Me/1000CH2。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=129,000;Mn=82,300;Mw/Mn=1.6。この共重合体がDSCで示したTgは−44℃であった。
【0096】
実施例30
アリルメチルカーボネートとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびアリルメチルカーボネート(3.0g、0.026モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で66時間撹拌した。この溶液を濾過した。溶媒を蒸発させた。その残渣にメタノールを100ml加えた。上方の層をデカンテーションで除去した。油状物を4mLのCH2Cl2に溶解させた後、メタノールを120mL加えた。粘性のある油状物を単離し、2x5mLのメタノールで洗浄した後、真空下で乾燥させた。生成物(0.64g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、アリルメチルカーボネートの組み込み率は1.8モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.0−1.4(m,−CH2−および−CH(R)−);1.62(m,2H,−CH2CH2OC(O)OCH3);3.73(s,3H,−OC(O)OCH3);4.06(t,J=6.6Hz,2H,−CH2CH2OC(O)OCH3)。この重合体は高度に分枝していた:108Me/1000CH2。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=15,500;Mn=11,700;Mw/Mn=1.3。この共重合体がDSCで示したTgは−60℃であった。
【0097】
実施例31
アリルメチルカーボネートとエチレンの共重合体の加水分解
実施例30で得たアリルメチルカーボネートとエチレンの共重合体(0.38g)とKOH(0.7g)とジグライム(25mL)とエチレングリコール(20mL)の混合物を167℃に14時間加熱した。揮発物を最大真空下80℃で蒸発させた。残渣を3x5mLの水そして次に3x5mLのメタノールで洗浄した。重合体を20mLの塩化メチレンで抽出し、濾過した後、真空下で乾燥させた。生成物(50mg)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、カーボネート基の全部がアルコール基に変化したことが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.0−1.4(m,−CH2−および−CH(R−);1.52(m,2H,−CH2CH2OH);3.57(t,J=6.6Hz,2H,−CH2OH)。
【0098】
実施例32
2−メチル−2−(3−ブテニル)−1,3−ジオキソランとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2−メチル−2−(3−ブテニル)−1,3−ジオキソラン(5.0g、0.035モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で47時間撹拌した。この溶液を約15mLになるまで濃縮した後、撹拌下でメタノールを150mL加えた。上方の層をデカンテーションで除去した。油状物を20mLのCH2Cl2に再び溶解させた後、メタノールを150mL加えた。粘性のある油状物を単離した後、真空下で乾燥させた。生成物(11.9g)を得た。1H NMR(CD2Cl2)により、2−メチル−2−(3−ブテニル)−1,3−ジオキソランの組み込み率は6.9モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いているほCH3Os);1.0−1.4(m,−CH2−および−CH(R)−,CH3−C(−OR)2CH2−);1.55(m,2H−CH2C(OR)2CH3);3.85(d,J=3.0 Hz,4H,−OCHHOCHHO)。この重合体は高度に分枝していた:96Me/1000CH2。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=63,600;Mn=41,00;Mw/Mn=1.6。この共重合体がDSCで示したTgは−65℃であった。
【0099】
実施例33
4−アリル−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸とエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および4−アリル−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸(5.0g、0.021モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで65時間撹拌した。この溶液を約40mLになるまで濃縮した後、撹拌下でメタノールを150mL加えた。上方の層をデカンテーションで除去した。油状物を50mLのCH2Cl2に再び溶解させた後、メタノールを150mL加えた。逆沈澱を更に1回繰り返した。粘性のある油状物を単離して真空下で乾燥させることで生成物を7.0g得た。1H NMR(CD2Cl2)により、4−アリル−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸の組み込み率は1.3モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.0−1.4(m,−CH2−および−CH(R)−);1.58(m,2H,−CH2CH264COOH);2.73(t,2H,−CH2CH264COOH)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=13,500;Mn=9,350;Mw/Mn=1.4。この共重合体がDSCで示したTgは−65℃であった。
【0100】
実施例34
アリル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテルとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびアリル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル(4.0g、0.025モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で37時間撹拌した。次に、この溶液を約10mLになるまで濃縮した後、撹拌下でメタノールを60mL加えた。上方の層をデカンテーションで除去した。油状物を10mLのCH2Cl2に再び溶解させた後、メタノールを60mL加えた。粘性のある油状物を単離して真空下で乾燥させることで生成物を3.55g得た。1H NMR(CD2Cl2)により、アリル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテルの組み込み率は2.5モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.0−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−);1.75(p,2H,−CH2CH2OCF2CF2H);4.04(t,2H,j=6.6 Hz,−CH2CH2OCF2CF2H);5.78(t,1H,2HF=52.3 Hz,−CF2H)。19FNMR(CDCl3):δ −137.0(d,2F,2HF=53.3Hz,−CF2CF2H);−91.8(s,2F,−CF2CF2H)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=89,400;Mn=51,300;Mw/Mn=1.7。この共重合体がDSCで示したTgは−73℃であった。
【0101】
実施例35
2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレンとエチレンの共重合体の合成
ドライボックス内で、シュレンクフラスコにトルエンを35mL入れて、それに化合物[(2,6−i−PrPh)2DABAn]NiBr2(12.2mg,0.017ミリモル)および2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(4.86g、0.025モル)を溶解させた。これを1気圧のエチレン下に15分間置いた。この混合物にPMAO(2.2mL、7.1重量%のトルエン溶液)を加えた。反応が直ちに始まって、これは発熱反応であった。撹拌を1気圧のエチレン下RTで20分間行った後、フラスコを水で冷した。この反応混合物にメタノール(120mL)に続いて1.5mLの濃HClをゆっくり加えた。白色固体状の重合体を濾過し、メタノールで洗浄して真空下で乾燥させることで共重合体を2.18g得た。13C NMRにより、コモノマーの組み込み率は1.7モル%であることが示された。この共重合体がDSCで示したTgは−68℃であった。GPC(TCB、135℃、PE標準):Mw=79,000;Mn=41,800;Mw/Mn=1.9。
【0102】
実施例36
2−アリル−2−メチル−1,3−シクロペンタンジオンとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2−アリル−2−メチル−1,3−シクロペンタンジオン(4.18g、0.028モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で42時間撹拌した。この反応は穏やかな発熱反応であった。この溶液を200mLのRBフラスコに移した後、メタノールを150mL加えた。上方の層をデカンテーションで除去した。油状物を25mLのCH2Cl2に再び溶解させた後、メタノールを150mL加えた。粘性のある油状物を単離し、4x10mLのメタノールで洗浄し、真空下で乾燥させることで生成物を9.12g得た。1H NMR(CD2Cl2)により、2−アリル−2−メチル−1,3−シクロペンタンジオンの組み込み率は2.2モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.13(s,3H,CH3−C(C(O)CH2−)2CH2−);1.1−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−CH(R)−);1.63(m,2H,−CH2C(C(O)CH2−)2CH3);2.78(s,4H,−CH2C(C(O)CH2−)2CH3)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=60,700;Mn=40,600;Mw/Mn=1.5。この共重合体がDSCで示したTgは−62℃であった。
【0103】
実施例37
2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレンとエチレンの共重合体の合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)および2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(5.0g、0.026モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で56時間撹拌した。この反応は穏やかな発熱反応であった。この溶液を300mLのRBフラスコに移した後、メタノールを220mL加えた。上方の層をデカンテーションで除去した。油状物を60mLのCH2Cl2に再び溶解させた後、メタノールを220mL加えた。粘性のある油状物を単離し、4x15mLのメタノールで洗浄し、真空下で乾燥させることで生成物を24.53g得た。1H NMR(CD2Cl2)により、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレンの組み込み率は0.4モル%であることが示された:δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.0−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−);2.68(t,2H,J=7.3 Hz,−CH265)。19FNMR(CD2Cl2):δ −144.8(s,2F,o−F);−159.3(s,1F,p−F);−164.0(s,2F,m−F)。ゲル浸透クロマトグラフィー(THF、ポリスチレン標準):Mw=138,000;Mn=79,100;Mw/Mn=1.7。この共重合体がDSCで示したTgは−68℃であった。
【0104】
実施例38
7−オクテニルトリクロロシランとCH2=CH(CH24613とエチレンのターポリマーの合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)、7−オクテニルトリクロロシラン(1.0g、0.0041モル)およびCH2=CH(CH24613(6.0g、0.015モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で65時間撹拌した。この溶液を約20mLになるまで濃縮した。重合体の溶液が入っているフラスコを真空下のドライボックス内に持って行った。この溶液にメタノール(2mL)を加えた後、その混合物に真空排気を短時間受けさせることで、HClを除去した。更にメタノール(5mL)を加えた。この混合物をRTで2時間撹拌した。この混合物にメタノールを20mL加えると、それによって生成物が沈澱した。この混合物を2時間撹拌した。メタノールを更に25mL加えた後、重合体を油状物として単離した。これを8mLの塩化メチレンに再び溶解させた後、40mLのメタノールで沈澱させた。粘性のある油状物を単離して真空下で乾燥させることで生成物を1.35g得た。1H NMR(CD2Cl2)により、7−オクテニルトリクロロシランの組み込み率は1.5モル%でCH2=CH(CH24613の組み込み率は7.2モル%であることが示された。δ 0.70(m,−CH2Si(OMe)3);0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.0−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−);1.68(m,−CH2CH2613);2.16(m,−CH2CH2613);3.62(s,−CH2Si(OMe)3)。GPC(THF、ポリスチレン標準):Mw=213,000;Mn=54,500;Mw/Mn=3.9。この共重合体がDSCで示したTgは−58℃であった。
【0105】
実施例39
2,2−ジメチル−4−ペンテン酸とCH2=CH(CH24613とエチレンのターポリマーの合成
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−PrPh)2DABMe2]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)、2,2−ジメチル−4−ペンテン酸(8.65g、0.068モル)およびCH2=CH(CH24613(8.62g、0.021モル)を30mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながら室温で68時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。粘性のある混合物を最大真空下85℃に22時間加熱することで未反応のモノマーを除去した。重合体を約10g得た。この重合体は脱水をある程度受けており(粘度が高いことで示された)、その結果として、1H NMRでコモノマーのモルパーセントを定量するのは困難であった。しかしながら、1H NMR(CD2Cl2)は、2,2−ジメチル−4−ペンテン酸とCH2=CH(CH24613の両方が重合体に組み込まれたことを明らかに示していた。δ 0.8−1.0(m、重合体に付いている−CH3Os);1.0−1.5(m,−CH2−および−CH(R)−,−C(Me)2−);1.53(m,−CH2CH2613);2.02(m,−CH2CH2613);10.30(s,−COOH)。
【0106】
実施例40
FSO2CF2CON(CH3)CH2CH=CH2の製造
乾燥させた1Lの3つ口フラスコにTeflon(商標)被覆撹拌子を入れ、これの上部に滴下漏斗、隔壁およびドライアイスコンデンサ(これを更に窒素源につなげた)を取り付けて、それにFSO2CF2COF(52g、0.29モル)、ジエチルエーテル(200mL)およびトリエチルアミン(29mL、0.21モル)を仕込んだ。この混合物を撹拌しながら湿った氷/水浴で冷却し、次にN−メチルアリルアミン(18g、0.25モル)を滴下漏斗に通して滴下した。この混合物を更に3時間撹拌した後、25℃に温めた。この反応混合物を200mLの氷冷希HClに注ぎ込み、エーテル層を分離してH2O(8x50mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行った。その残渣の蒸留を行うことで前溜分を4.51gそして沸点が62−64℃/67PaでGCによる純度が98.9−99.6%の溜分を22.84g(47%収率)得た。プロトン、フッ素および炭素NMRデータにより、構造はFSO2CF2CON(CH3)CH2CH=CH2であるとして立証された。FTIR(NaCl)2979.8cm-1(vw)、1687.2(vs)、1448.8(s)、1422.1(s)、1140.1(s)。
【0107】
実施例41
FSO2CF2CON(CH3)CH2CH=CH2とエチレンの共重合体
化合物PdCH2CH2CH2C(O)OCH3[(2,6−i−Pr2Ph)2DAB(Me2)]SbF6(0.0848g,0.1ミリモル)およびFSO2CF2CON(CH3)CH2CH=CH2(4.93g,0.025モル)を40mLのCH2Cl2に溶解させた。この溶液を1気圧のエチレン下に置きながらRTで22時間撹拌した。この反応は発熱反応であった。この混合物を300mLのRBフラスコに移した後、撹拌下でメタノールを200mL加えた。油状物を単離して30mLのCH2Cl2に再び溶解させた後、メタノールを200mL加えた。油状物を単離した後、3x20mLのメタノールで洗浄して真空下で乾燥させた。粘性のある油状物(10.0g)を得た。13C−NMRを基にして、部分フッ素置換モノマーの組み込み率は2.4モル%であった。13C−NMRを基にして、この重合体は高度に分枝していた。この共重合体がDSCで示したガラス転移温度は−65℃であった。GPC(THF、ポリエチレン標準):Mw=102,000;Mn=55,500;Mw/Mn=1.8。
【0108】
実施例42
エチレンとエチル−4−ペンテノエートの共重合
【0109】
【化13】

【0110】
ドライボックス内で、ガラスインサート(glass insert)に、この上に示したニッケル錯体(0.0311g、0.0216ミリモル)、B(C653(0.02076g、0.4055ミリモル、18.8当量)、3.5mLの1,2,4−トリクロロベンゼン、1mLのEt2Oおよび0.5mLのエチル−4−ペンテノエート(H2C=CHCH2CH2CO2Et)を充填した。次に、このインサートをドライボックス内で圧力管内に充填した。この圧力管を密封して上記ドライボックスから取り出し、エチレン源につなげて、RTで2.1MPaのエチレンで加圧した後、18時間振とうした。この反応混合物をメタノールに入れて沈澱を起こさせそして単離した生成物を真空下で乾燥させることで、エチレンとエチル−4−ペンテノエートの共重合体を0.026g単離した。1H NMR分析(TCE、386°K):この共重合体に組み込まれたエチル−4−ペンテノエートの量は0.8モル%(3.4重量%)で、メチル末端分枝の全数は1000個のCH2当たり8.4であり、オレフィン末端基はMn測定で検出されなかった。
【0111】
実施例43
エチレンとエチル−4−ペンテノエートの共重合
【0112】
【化14】

【0113】
ドライボックス内で、ガラスインサートに、この上に示したニッケル錯体(0.0277g、0.0203ミリモル)、B(C653(0.2295g、0.4483ミリモル、22.1当量)、4.5mLの1,2,4−トリクロロベンゼンおよび0.5mLのエチル−4−ペンテノエート(H2C=CHCH2CH2CO2Et)を充填した。次に、このインサートをドライボックス内で圧力管内に充填した。この圧力管を密封して上記ドライボックスから取り出し、エチレン源につなげて、RTで2.1MPaのエチレンで加圧した後、18時間振とうした。この反応混合物をメタノールに入れて沈澱を起こさせそして単離した生成物を真空下で乾燥させることで、エチレンとエチル−4−ペンテノエートの共重合体を0.138g単離した。1H NMR分析(TCE、386°K):この共重合体に組み込まれたエチル−4−ペンテノエートの量は0.4モル%(1.8重量%)で、メチル末端分枝の全数は1000個のCH2当たり9.3であり、Mn=10,520であった。
【0114】
実施例44
ω−ウンデシレニルアルコールのメチルエーテルとエチレンの共重合
【0115】
【化15】

【0116】
ドライボックス内で、ガラスインサートに、この上に示したニッケル錯体(0.0308g、0.0214ミリモル)、B(C653(0.2084g、0.4071ミリモル、19.0当量)、4.5mLの1,2,4−トリクロロベンゼンおよび0.5mLのω−ウンデシレニルアルコールのメチルエーテル(H2C=CH(CH29OMe)を充填した。次に、このインサートをドライボックス内で圧力管内に充填した。この圧力管を密封して上記ドライボックスから取り出し、エチレン源につなげて、RTで2.1MPaのエチレンで加圧した後、18時間振とうした。この反応混合物をメタノールに入れて沈澱を起こさせそして単離した生成物を真空下で乾燥させることで、ω−ウンデシレニルアルコールのメチルエーテルとエチレンの共重合体を2.912g単離した。1H NMR分析(TCE、386°K):この共重合体に組み込まれたω−ウンデシレニルアルコールのメチルエーテルの量は3.5モル%(19.4重量%)で、メチル末端分枝の全数は1000個のCH2当たり26.8であり、Mn=28,570であった。
【0117】
実施例45
エチレンと4−フェニル−1−ブテンの共重合
【0118】
【化16】

【0119】
ドライボックス内で、ガラスインサートに、この上に示したニッケル錯体(0.0306g、0.0213ミリモル)、B(C653(0.2114g、0.4130ミリモル、19.4当量)、4.5mLの1,2,4−トリクロロベンゼンおよび0.5mLの4−フェニル−1−ブテン(H2C=CHCH2CH2Ph)を充填した。次に、このインサートをドライボックス内で圧力管内に充填した。この圧力管を密封して上記ドライボックスから取り出し、エチレン源につなげて、RTで2.1MPaのエチレンで加圧した後、18時間振とうした。この反応混合物をメタノールに入れて沈澱を起こさせそして単離した生成物を真空下で乾燥させることで、エチレンと4−フェニル−1−ブテンの共重合体を0.81g単離した。1H NMR分析(TCE、386°K):この共重合体に組み込まれた4−フェニル−1−ブテンの量は0.7モル%(3.4重量%)で、メチル末端分枝の全数は1000個のCH2当たり14.9であり、Mn=46,850であった。
【0120】
実施例46
エチレンと酢酸4−ペンテン−1−イルの共重合
【0121】
【化17】

【0122】
ドライボックス内で、ガラスインサートに、この上に示したニッケル錯体(0.0327g、0.0227ミリモル)、B(C653(0.2191g、0.4280ミリモル、18.9当量)、4.5mLの1,2,4−トリクロロベンゼンおよび0.5mLの酢酸4−ペンテン−1−イル(H2C=CH(CH23OC(O)Me)を充填した。次に、このインサートをドライボックス内で圧力管内に充填した。この圧力管を密封して上記ドライボックスから取り出し、エチレン源につなげて、RTで2.1MPaのエチレンで加圧した後、18時間振とうした。この反応混合物をメタノールに入れて沈澱を起こさせそして単離した生成物を真空下で乾燥させることで、エチレンと酢酸4−ペンテン−1−イルの共重合体を1.444g単離した。1H NMR分析(TCE、386°K):この共重合体に組み込まれた酢酸4−ペンテン−1−イルの量は0.7モル%(3.1重量%)で、メチル末端分枝の全数は1000個のCH2当たり6.0であり、Mn=45,120であった。
【0123】
実施例47
エチレンとメチル−3,3−ジメチル−4−ペンテノエートの共重合
【0124】
【化18】

【0125】
ドライボックス内で、ガラスインサートに、この上に示したニッケル錯体(0.0297g、0.0207ミリモル)、B(C653(0.2095g、0.4093ミリモル、19.8当量)、4.5mLの1,2,4−トリクロロベンゼンおよび0.5mLのメチル−3,3−ジメチル−4−ペンテノエート(H2C=CHC(Me)2CH2CO2Me)を充填した。次に、このインサートをドライボックス内で圧力管内に充填した。この圧力管を密封して上記ドライボックスから取り出し、エチレン源につなげて、RTで2.1MPaのエチレンで加圧した後、18時間振とうした。この反応混合物をメタノールに入れて沈澱を起こさせそして単離した生成物を真空下で乾燥させることで、エチレンとメチル−3,3−ジメチル−4−ペンテノエートの共重合体を1.153g単離した。1H NMR分析(TCE、386K):この共重合体に組み込まれたメチル−3,3−ジメチル−4−ペンテノエートの量は0.2重量%で、メチル末端分枝の全数は1000個のCH2当たり7.9であり、Mn=39,410であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

H2C=CH-T-NR71-C(O)CFR72(OCF2CFR72)aOCF2(CFR72)bSO2F (XXVI)
[式中、
Tは、アルキレンまたは置換アルキレンであり、
71は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
72は、各々独立して、フッ素、塩素、または炭素原子を1から10個含むパーフルオロアルキルであり、
aは、0、1または2であり、そして
bは、0または1から6の整数である]
で表される化合物。
【請求項2】
Tが−(CH2n−[ここで、nは1から6の整数である]であり、
71がアルキルであり、そして
72が各々独立してフッ素またはトリフルオロメチルである、
請求項記載の化合物。
【請求項3】
Tが−(CH2n−[ここで、nは1である]であり、
71がメチルであり、
各R72がフッ素であり、
aが0であり、そして
bが1である、
請求項記載の化合物。
【請求項4】

【化1】

[式中、
Tは、アルキレンまたは置換アルキレンであり、
71は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、
72は、各々独立して、フッ素、塩素、または炭素原子を1から10個含むパーフルオロアルキルであり、
aは、0、1または2であり、
bは、0または1から6の整数であり、
73は、アルキルまたは水素であり、そして
74は、ヒドロキシル、フッ素、塩素またはOMであり、ここで、Mは金属カチオンである]
で表される繰り返し単位を含んで成る共重合体。
【請求項5】
71がアルキルであり、
72が各々独立してフッ素またはトリフルオロメチルであり、そして
74がフッ素、ヒドロキシルまたはOMであり、
ここで、Mがアルカリ金属カチオンである、
請求項記載の共重合体。
【請求項6】
Tが−(CH2n−[ここで、nは1である]であり、
71がメチルであり、
各R72がフッ素であり、
aが0であり、
bが0であり、そして
74がフッ素、ヒドロキシルまたはOMであり、
ここで、Mがアルカリ金属カチオンである、
請求項記載の共重合体。

【公開番号】特開2009−102658(P2009−102658A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27901(P2009−27901)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【分割の表示】特願2000−504179(P2000−504179)の分割
【原出願日】平成10年7月23日(1998.7.23)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】