説明

ポリカーボネート難燃性組成物

【課題】ポリカーボネート難燃性組成物の提供。
【解決手段】本発明は、難燃剤、特にペルフルオロブタンスルホン酸カリウムとフッ化炭素又はシロキサン末端ポリカーボネートの組み合わせがポリカーボネート基材中に存在するところの難燃性組成物に関する。該組み合わせは、ポリカーボネートの光透明性を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロカーボン又はシロキサン末端ポリカーボネートを含む組成物、及び、ポリカーボネート及びフルオロカーボン末端ポリカーボネートを含むポリマー基材に難燃性を付与するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネートは、高い靭性、優れた透明性、様々なポリマーとの良好な相溶性及び高い耐熱変形性を有する熱可塑性ポリマーである。ポリカーボネートは、一般式
【化1】

で表わされる。
【0003】
経済的に最も重要なポリカーボネートは、ビスフェノールAポリカーボネート[24936−68−3](BPA−PC)とも呼ばれる2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンポリカーボネート(1)である:
【化2】

Ullmann’s Encyclopaedia of Industrial Chemistry,On−Line Edition,Wiley−VCH,DOI:10.1002/14356007.a21_207,及び、入力:Polycarbonate,Roempp On−line,www. HYPERLINK "http://www.roempp.com"
roempp.com.参照。
【0004】
ポリカーボネートの機械的性質、化学的性質及び熱的性質を改善するための様々な添加剤が既知である。フルオロカーボン末端ポリカーボネートは、有機材料、好ましくポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート又はポリメタクリレート又はそれらの混合物、ブレンド又はアロイのための表面エネルギー低下剤、‘‘表面変性剤’’等の様々な技術用途において有用である。このような表面エネルギーを低下させたポリマーは、‘‘洗浄の容易さ’’、‘‘自浄性’’、‘‘汚れ耐性’’、‘‘汚れ放出性’’、‘‘落書き耐性’’、‘‘耐油性’’、‘‘耐溶媒性’’、‘‘耐薬品性’’、‘‘自己滑性’’、‘‘耐引掻性’’、‘‘低い吸湿性’’及び‘‘疎水性’’表面等の望ましい性質を有する。特に有用なフルオロカーボン末端ポリカーボネートの製造は、国際特許出願番号PCT/EP2004/053331に記載されている。
【0005】
難燃剤は、ポリマーの難燃性を強化するためにポリマー状材料(合成又は天然)に添加される。それらの組成に基づき、難燃剤は、化学的に、例えば窒素の遊離による泡立ちとして及び/又は物理的に、例えばフォーム被覆によって固相、液相又は気相において作用し得る。難燃剤は、燃焼プロセスの特定の段階中、例えば加熱、分解、発火又は火炎拡散中に干渉する。
【0006】
ポリカーボネートへの難燃剤の添加は既知である;J.Troitzsch,Plas
tics Flammability Handbook,第3版,Hanser Publishers,Munich 2004,pp.158−172(ISBN 3−446−21308−2)参照。
【0007】
アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム塩ベースの難燃剤が低濃度において特に適当である。これらの塩の内、ペルフルオロアルカンスルホン酸塩は、より効果的なものに属する。ポリカーボネートにおける難燃剤としてのそれらの使用は既知である;T. Ishikawa et al.,Journal of Macromolecular Science,Part APure and Applied Chemistry,Vol.A41,No.5,pp.523−535,2004参照。
【0008】
1.6mm以下のサンプル厚が必要とされるところの適用において、UL−94(アンダーライターズ ラボラトリーズ サブジェクト 94)に従ってV−
0の難燃性は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のアンチドリッピング剤の添加によってのみ得られた。しかしながら、これらのアンチドリッピング剤は、難燃剤を含むポリカーボネートに光透明性のかなりの減少又は損失さえも引き起こす。ポリカーボネートの優れた光透明性は、大抵のその技術適用物、例えば、透明板ガラス、隔壁、ランプカバー、フロントパネル等の重大な要素である。
【0009】
ハロアリールホスフェート(米国特許第5,478,874号明細書参照。)又はグアニジン塩(米国特許第6,518,340号明細書参照。)等の難燃剤のための他の補助添加剤が提案されている。様々な構造のポリシロキサンの添加が様々な文献で提案されている;米国特許第6,660,787号明細書、米国特許第6,727,302号明細書又は米国特許第6,730,720号明細書参照。これらの添加剤の問題は、V−0分類を達成するために、ポリカーボネートの機械的性質、化学的性質及び熱的性質に不利益な難燃剤の濃度の増加を為さなければならないという事実にある。
【非特許文献1】Ullmann’s Encyclopaedia of Industrial Chemistry,On−Line Edition,Wiley−VCH,DOI:10.1002/14356007.a21_207
【非特許文献2】Polycarbonate,Roempp On−line,www.roempp.com.
【特許文献1】国際特許出願番号PCT/EP2004/053331
【非特許文献3】J.Troitzsch,Plastics Flammability Handbook,第3版,Hanser Publishers,Munich 2004,pp.158−172(ISBN 3−446−21308−2)
【非特許文献4】T. Ishikawa et al.,Journal of Macromolecular Science,Part APure and Applied Chemistry,Vol.A41,No.5,pp.523−535,2004
【特許文献2】米国特許第5,478,874号明細書
【特許文献3】米国特許第6,518,340号明細書
【特許文献4】米国特許第6,660,787号明細書
【特許文献5】米国特許第6,727,302号明細書
【特許文献6】米国特許第6,730,720号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、本発明は、低濃度において、難燃剤との組み合わせにおいてポリカーボネートに適用可能な好適な添加剤を発見することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くべきことに、低濃度においてでさえ、フルオロカーボン又はシロキサン末端ポリカーボネートが、透明で難燃化されたポリカーボネートのための好適な相溶化剤及びアンチドリッピング剤であることが発見された。アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム塩ベースの難燃剤等の第一選択肢の難燃剤、フルオロカーボン及びシロキサン末端ポリカーボネートは、ポリカーボネート中に少量で存在し、かつ投与量が低いため、ポリマー機構及び他の性質に悪影響をほとんど有さない。
【0012】
本発明は、
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、
1)式
【化3】

{式中、
1及びR2は、互いに独立して、フッ素原子で置換された脂肪族基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし、
mは、1ないし1000の数を表わし、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、及び
Yは、直接結合又は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、
【化4】

[式中、
a及びRbの両方が、水素原子又はハロゲン原子を表わすか、又は、
a及びRbの一方は水素原子を表わし、かつ他方はハロゲン原子を表わす。]、
【化5】

[式中、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有する炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わすか、又は、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、アリール基又は部分式
【化6】

(式中、
nは、0ないし10000の数を表わし、及び
2、Y、R2、R5、R6、R7及びR8は、上記で定義した通りである。)で表わされる基を表わす。]からなる群から選択される2価の基を表わす。}で表わされる少なくとも1種の化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む組成物、特に難燃性組成物に関する。
【0013】
他の態様に従って、本発明は、
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、
2)式
【化7】

(式中、
0は、直接結合又は
【化8】

、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及び
【化9】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
1及びR2は、互いに独立して、シリコン含有基を表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、アリール基又は部分式
【化10】

で表わされる基を表わすか、又は、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1ないし3つで置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わし、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2は、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化11】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
9及びR10は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表わし、
11、R12及びR13は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、
14は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はシリコン含有基を表わし、
mは、0ないし10000の数を表わし、及び
nは、0ないし10000の数を表わす。)で表わされる少なくとも1種の化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む組成物、特に難燃性組成物に関する。
【0014】
本発明の更なる態様は、
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、
1)X1、X2、Y、R1、R2、R5、R6、R7、R8及びmが上記で定義した通りである式(I)で表わされる少なくとも1種の化合物、
2)X1、X2、Y1、Y2、R0、R1、R2、R5、R6、R7、R8及びnが上記で定義した通りである式(II)で表わされる少なくとも1種の化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む組成物、特に難燃性組成物に関する。
【0015】
本発明に従った組成物は、光透明性等のポリカーボネートの優れた機械的性質、化学的性質及び熱的性質を維持しながら、UL−94(アンダーライターズ ラボラトリーズ サブジェクト 94)に従って所望のV−0評価及び関連する試験方法において優れた評価を達成する。
【0016】
上記で定義した組成物は以下の成分を含む:
成分a)
芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩は、好ましくは金属塩、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム塩である。
【0017】
他の態様に従って、用語‘‘塩’’は、非金属塩、例えばアンモニウム、(炭素原子数1ないし22のアルキル)1ないし4アンモニウム又は(2−ヒドロキシエチル)1ないし4アンモニウム、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム又は2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム塩を含む。
【0018】
用語‘‘芳香族カルボン酸の塩’’は、好ましくは安息香酸又はテレフタル酸のアルカリ金属塩、例えばテレフタル酸、ジクロロ安息香酸又はトリクロロ安息香酸のナトリウム又はカリウム塩を含む。
【0019】
用語‘‘芳香族スルホン酸の塩’’は、ベンゼン、トルエン、ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、例えばベンゼン、トルエン又はナフタレンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩を含む。
【0020】
用語‘‘ペルフルオロアルカンスルホン酸の塩’’は、非金属塩、例えばアンモニウム又は(炭素原子数1ないし22のアルキル)1ないし4アンモニウム塩、例えばテトラエチルアンモニウム塩又はアルカリ金属塩、例えばペルフルオロ−炭素原子数1ないし8のアルカンスルホン酸(Cn2n+1SO3H)、特にペルフルオロ−炭素原子数1ないし4のアルカンスルホン酸、例えばペルフルオロメタンスルホン酸又はペルフルオロ−n−ブタンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩を含む。
【0021】
本発明の好ましい態様に従って、組成物は、成分a)として、アルカリ金属塩、例えばペルフルオロ−炭素原子数1ないし4のアルカンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩を含む。
【0022】
本発明の更に好ましい態様に従って、組成物はペルフルオロブタンスルホン酸ナトリウム又はカリウム(C49SO3-Na+、KFBS、リマー塩(Rimar salt))を含む。
【0023】
用語‘‘リン含有オキソ酸の塩’’は、メタ−リン酸、オルト−リン酸又はポリリン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸及びその部分エステルからなる群から選択されるリン含有オキソ酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含む。他の態様に従って、リン含有オキソ酸の酸素原子は、部分的に又は完全に硫黄原子(チオ誘導体)で置換される。
【0024】
メタリン酸は、式(HPO3p(式中、pは、少なくとも3、好ましくは3ないし100の数を表わす。)で示されるモノマー状メタ−リン酸 HPO3から誘導される縮合生成物である。好ましいものは、pが3又は4を表わすメタリン酸(環状構造)である。
【0025】
ポリリン酸は、HO(PO3pH(式中、pは、少なくとも2、好ましくは3ないし100の数を表わす。)で示されるオルト−リン酸 H3PO4の縮合生成物である。
【0026】
用語‘‘ホスホン酸’’は、リン原子に直接結合する水素原子が有機置換基、特に炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基、例えばフェニル基、アリール−炭素原子数1ないし4のアルキル基、例えばベンジル基又は1−もしくは2−フェネチル基、あるいは(炭素原子数1ないし4のアルキル)1ないし3アリール基で置換されるところのホスホン酸 HP(=O)(OH)2の誘導体も含む。
【0027】
ホスホン酸の例は、構造式
【化12】

(式中、
1は、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし6のアルキル基、又はフェニル基を表わし、及び
2は、水素原子、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし6のアルキル基、又はフェニル基を表わす。)で表わされる。
【0028】
用語‘‘ホスホン酸’’は、ホスホン酸 HP(=O)(OH)2の互変異性型である亜リン酸 P(OH)3のエステル誘導体も含む。用語‘‘エステル誘導体’’は、亜リン酸 P(OR)3のエステル又は部分エステル P(OH)2OR及びPOH(OR)2(式中、Rは、有機置換基、特に炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基、例えばフェニル基、アリール−炭素原子数1ないし4のアルキル基、例えばベンジル基又は1−もしくは2−フェネチル基、あるいは(炭素原子数1ないし4のアルキル)1ないし3アリール基を表わす。)を含む。
【0029】
このようなホスホン酸の例は、式
【化13】

(式中、
1、R2及びR3の内の1つは水素原子を表わし、R1、R2及びR3の内の2つは、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし6のアルキル基又はフェニル基を表わすか、又は
1、R2及びR3の内の2つは水素原子を表わし、R1、R2及びR3の内の1つは、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし6のアルキル基又はフェニル基を表わすか、又は
1、R2及びR3は、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし6のアルキル基又はフェニル基を表わす。)で表わされる。
【0030】
用語‘‘ホスフィン酸’’は、リン原子に直接結合する1つ又は2つの水素原子が有機置換基、特に炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基、例えばフェニル基、アリール−炭素原子数1ないし4のアルキル基、例えばベンジル基又は1−もしくは2−フェネチル基、あるいは(炭素原子数1ないし4のアルキル)1ないし3アリール基で置換されるところのホスフィン酸 H2P(=O)OHの誘導体を含む。
【0031】
ホスフィン酸の例は、構造式
【化14】

(式中、
1、R2は、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし6のアルキル基又はフェニル基を表わし、及び
3は、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし10のアルキレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基又はアリールアルキレン基を表わす。)で表わされる。
【0032】
用語‘‘ホスフィン酸’’は、リン原子に直接結合する水素原子が有機置換基、特に炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基、例えばフェニル基、アリール−炭素原子数1ないし4のアルキル基、例えばベンジル基又は1−もしくは2−フェネチル基、あるいは(炭素原子数1ないし4のアルキル)1ないし3アリール基で置換されるところの互変異性型のHP(OH)2も含む。
【0033】
酸素原子が、部分的に又は完全に、1つ又は2つの硫黄原子(チオ誘導体)で置換されるところのリン含有オキソ酸は、例えばチオホスホン酸 HP(=S)(OH)2又はジチオホスホン酸 HP(=O)(SH)2又はHP(=S)(SH)(OH)である。水素原子は、部分的に又は完全に上記で定義した有機基で置換される。
【0034】
用語‘‘NH−酸性スルホンアミド及びスルホンイミド’’は、スルホ基で置換された一般式R1SO2NHR2で表わされるアミド及び一般式R1SO2NHSO22で表わされるイミドのアルカリ金属又はアンモニウム塩を含む(式中、R1及びR2は、互いに独立して、有機置換基、例えば炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基、例えばフェニル基、アリール−炭素原子数1ないし4のアルキル基、例えばベンジル基又は1−もしくは2−フェネチル基、あるいは(炭素原子数1ないし4のアルキル)1ないし3アリール基、複素環式基、例えばチアゾリル基又はピリミジル基、又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された複素環式基を表わす。)。
【0035】
NH−酸性スルホンアミド及びスルホンイミドの典型的な例は、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−(p−トルエンスルホン)−p−トルエンスルフィミド、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)−スルファニルイミド、N−(フェニルカルボキシル)−スルファニルイミド、N−(2−ピリミジニル)スルファニルイミド又はN−(2−チアゾリル)スルファニルイミドである。
【0036】
用語‘‘複合フルオロ酸の塩’’は、アルミニウム、ホウ素又はアンチモンの複合フルオロ酸のアルカリ金属塩を含む。典型的な例はヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム又はテトラフルオロホウ素酸ナトリウムである。
【0037】
好ましい態様に従って、組成物は、成分a)として、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸又はその部分エステル、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の少なくとも1種を含む。
【0038】
特に好ましい態様に従って、組成物は、成分a)として、ペルフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアンモニウム塩又はメタ−リン酸、オルト−リン酸もしくはポリリン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸及びその部分エステルからなる群から選択されるリン含有オキソ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の少なくとも1種を含む。
【0039】
上記で定義した酸及びそれらの塩は既知の化合物である。
【0040】
成分b1
上記で定義した化合物(I)において、置換基は以下に示すように定義される:
1及びR2は、互いに独立して、フッ素原子で置換された脂肪族基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし、
mは、1ないし1000の数を表わし、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、及び
Yは、直接結合又は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、
【化15】

[式中、
a及びRbの両方が、水素原子又はハロゲン原子を表わすか、又は、
a及びRbの一方は水素原子を表わし、かつ他方はハロゲン原子を表わす。]、
【化16】

[式中、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有する炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わすか、又は、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、アリール基又は上記で定義した式(A)
(式中、
nは、0ないし10000の数を表わし、及び
2、Y、R2、R5、R6、R7及びR8は、上記で定義した通りである。)で表わされる基を表わす。]からなる群から選択される2価の基を表わす。
【0041】
フッ素原子で置換された脂肪族基として定義されるR1及びR2は、好ましくは、少なくとも1つは水素原子を残し、少なくとも1つのフッ素原子を含む直鎖の又は枝分かれした炭化水素基、例えば炭素原子数1ないし25のフルオロアルキル基であるか、又は、部分式
−(CF2pF (B)
(式中、pは、1ないし100の数を表わす。)で表わされるペルフルオロアルキル基である。
【0042】
炭素原子数1ないし25のフルオロアルキル基は、例えばモノ−又はジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基、7−フルオロヘプチル基又はペンタフルオロブチル基である。
【0043】
ペルフルオロアルキル基は、ペルフルオロアルコール F(CF2p−OH(式中、pは1ないし50を表わす。)、例えばトリフルオロメチル基(p=1)又はペンタフルオロエチル基(p=2)から誘導される式(B)で表わされる基である。好ましいペルフルオロアルキル基は、pが5、8、9又は11を表わすペルフルオロアルコールから誘導される。
【0044】
炭素原子数1ないし12のアルキレン基として定義されるX1及びX2は、枝分かれした又は非枝分かれの2価の基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基又はドデカメチレン基である。X1及びX2のための好ましい定義の1つは、炭素原子数1ないし8のアルキレン基、例えば炭素原子数2ないし8のアルキレン基である。X1及びX2のための特に好ましい定義は、炭素原子数2ないし4のアルキレン基、例えばエチレン基である。
【0045】
炭素原子数1ないし12のアルキル基として定義されるR5、R6、R7及びR8は、直鎖の又は可能ならば枝分かれした基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルウンデシル基又はn−ドデシル基である。好ましい定義の1つは、例えば炭素原子数1ないし8のアルキル基、例えば、メチル基等の炭素原子数1ないし4のアルキル基である。
【0046】
炭素原子数3ないし12のアルケニル基として定義されるR5、R6、R7及びR8は、直鎖の又は可能ならば枝分かれした基、例えばアリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−2,4−ペンタジエニル基、3−メチル−2−ブテニル基、n−2−オクテニル基、n−2−ドデセニル基又はイソ−ドデセニル基である。
【0047】
部分式
【化17】

で表わされる2価の基として定義されるYは、好ましくはメチレン基(CH2=、Ra及びRb=H)である。他の態様に従って、Ra及びRbの両方は、水素原子又はハロゲン原子、例えば塩素原子又は臭素原子を表わすか、又は、Ra及びRbの一方は水素原子を表わし、かつ他方はハロゲン原子を表わす。
【0048】
任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有する炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基として定義されるR3及びR4は、例えばシクロペンチリデン基、メチルシクロペンチリデン基、ジメチルシクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、メチルシクロヘキシリデン基、ジメチルシクロヘキシリデン基、トリメチルシクロヘキシリデン基、第三ブチルシクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基又はシクロオクチリデン基である。好ましいものは、シクロヘキシリデン基である。
【0049】
フッ素原子で置換された脂肪族基として定義されるR3及びR4は、例えば、上記で定義した炭素原子数1ないし25のフルオロアルキル基であるか、又は上記で言及した式(B)(pは、1ないし50の数を表わす。)で表わされるペルフルオロアルキル基である。
【0050】
炭素原子数1ないし12のアルキル基として定義されるR3及びR4は、R5、R6、R7及びR8に関して上記で定義した通りである。
【0051】
カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基として定義されるR3及びR4は、例えばカルボキシメチル基又は1−もしくは2−カルボキシエチル基である。
【0052】
アリール基として定義されるR3及びR4は、好ましくはフェニル基又は1−もしくは2−ナフチル基である。
【0053】
式(A)で表わされる基において、指数nは0ないし10000の数を表わし、X2、Y、R2、R5、R6、R7及びR8は上記で定義した通りである。
【0054】
特に興味深いものは、
1及びR2が、互いに独立して、フッ素原子で置換された脂肪族基を表わし、
1及びX2が、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし、
mが、1ないし1000の数を表わし、
5、R6、R7及びR8が、水素原子を表わし、
Yが、式
【化18】

[式中、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、−CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は式(A)(式中、nは、0ないし10000の数を表わし、X2、Y、R2、R5、R6、R7及びR8は上記で定義した通りである。)で表わされる基を表わすか、又は、R3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有するシクロアルキリデン基を形成する。]で表わされる2価の基を表わすところの式(I)で表わされる化合物である。
【0055】
1及びR2が、互いに独立して、式(B)(式中、pは1ないし50の数を表わす。)で表わされる基を表わすところの式(I)で表わされる化合物もまた、特に興味深い。
【0056】
特に興味深いものは、pが4ないし15を表わすところの式(I)で表わされる化合物である。
【0057】
非常に特に興味深いものは、
1及びR2が、互いに独立して、式(B)(式中、pは1ないし50の数を表わす。)で表わされる基を表わし、
1及びX2が、互いに独立して、炭素原子数2ないし8のアルキレン基を表わし、
mが、1ないし1000の数を表わし、
5、R6、R7及びR8が、水素原子を表わし、及び
Yが、式
【化19】

[式中、
3は、水素原子、−CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は式
(A)(式中、nは、0ないし10000の数を表わし、X2、Y、R2、R5、R6、R7及びR8は上記で定義した通りである。)で表わされる基を表わすか、又は、R3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有するシクロアルキリデン基を形成する。]で表わされる2価の基を表わすところの式(I)で表わされる化合物である。
【0058】
非常に興味深いものは、
3及びR4が、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又はR3及びR4が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキリデン基を形成するところの式(I)で表わされる化合物である。
【0059】
mが1ないし50の数を表わし、かつnが0ないし50の数を表わすところの式(I)で表わされる化合物も特に好ましい。
【0060】
式(I)で表わされる化合物は、既知の方法で製造される。フルオロアルコールをビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)で処理することによりフルオロアルコールの2,4−ジニトロフェニルカーボネートがその場で得られる。この誘導体は、単離でき、例えば、様々な分子量のヒドロキシ末端ビスフェノールAオリゴマーによって別々に処理され得る。
【0061】
Brunelle et al.,Macromolecules 1991,24,3035−3044は、ビスフェノールAの二量体及び環状オリゴマーの製造のためのビス(2,4−ジニトロ−フェニル)カーボネートの使用を開示している。カップリング反応は、ホスゲン又はカルボニルジイミダゾール(CDI)等のカーボネート結合形成試薬によっても行われ得る。
【0062】
好ましいフルオロアルコールは、例えば、いわゆるフルオロテロマーアルコールである。これらは、例えば、ゾニル(登録商標:Zonyl)BA−Lとして、デュポン又はアルドリッチから市販で入手可能である。
【0063】
好ましいビスフェノール出発材料は、例えばビスフェノールA、及び、式1、2及び3
【化20】

で表わされる化合物である。
【0064】
本発明の特に好ましい態様に従って、組成物は、成分b1)として、式
【化21】

[式中、
1及びR2は、フッ素原子で置換された脂肪族基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし、
mは、1ないし1000の数を表わし、及び
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有する炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わすか、又は、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、フェニル基又は部分式
【化22】

(式中、
nは、1ないし1000の数を表わし、及び
3、R4、X2及びR2は、上記で定義した通りである。)で表わされる基を表わす。]で表わされる少なくとも1種の化合物を含む。
【0065】
非常に好ましい態様に従って、組成物は、成分b1)として、少なくとも1種の式(I’)
[式中、
1及びX2は、エチレン基を表わし、
1及びR2は、式(B)(式中、pは、1ないし50の数を表わす。)で表わされる基を表わし、
mは、2ないし50の数を表わし、及び、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン基を形成する。]で表わされる化合物を含む。
【0066】
本発明の更なる態様は、
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、及び
1)上記で定義した式(I)で表わされる化合物の少なくとも1種
を含む混合物に関する。
【0067】
成分b2
上記で定義した式(II)で表わされる化合物において、置換基は、以下に示すように定義される:
0は、直接結合又は
【化23】

、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及び
【化24】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
1及びR2は、互いに独立して、シリコン含有基を表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、アリール基又は部分式
【化25】

で表わされる基を表わすか、又は、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1ないし3つで置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わし、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2は、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化26】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
9及びR10は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表わし、
11、R12及びR13は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、
14は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はシリコン含有基を表わし、
mは、0ないし10000の数を表わし、及び
nは、0ないし10000の数を表わす。
【0068】
シリコン含有基は、好ましくは、部分式
【化27】

(式中、
17、R18、R19及びR20は、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基、ヒドロキシ基又はアミノ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、−O−で中断された炭素原子数4ないし12のヒドロキシアルキル基を表わすか、又は、部分式
【化28】

で表わされる基を表わし、
21は、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は部分式
【化29】

で表わされる基を表わし、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29は、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基、又は、ヒドロキシ基又はアミノ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、
pは、0ないし200を表わし、及び
qは、0ないし200を表わす。)で表わされる基を示す。
【0069】
シリコン含有基として特に興味深いものは、
17、R18、R19及びR20が、互いに独立して、メチル基又は部分式
【化30】

で表わされる基を表わし、
21が、メチル基又は部分式
【化31】

で表わされる基を表わし、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29が、メチル基を表わし、及び
p及びqが、互いに独立して、0ないし100を表わすところの部分式(D)で表わされる基である。
【0070】
特に興味深いものは、
0が、
【化32】

で表わされる2価の基を表わし、
1及びR2が、互いに独立して、シリコン含有基を表わし、
3及びR4が、互いに独立して、水素原子、トリフルオロメチル基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は式(C)で表わされる基を表わすか、又は、
3及びR4が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1ないし3つで置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わし、
5、R6、R7及びR8が、水素原子を表わし、
1及びX2が、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2が、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化33】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
9及びR10が、互いに独立して、直接結合又はメチレン基を表わし、
11、R12及びR13が、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数3ないし4のアルケニル基を表わし、
14が、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、
mが、0ないし10000の数を表わし、及び
nが、0ないし10000の数を表わすところの式(II)で表わされる化合物である。
【0071】
非常に特に興味深いものは、
0が、
【化34】

で表わされる2価の基を表わし、
3が、水素原子、−CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は基(C)を表わし、
4が、−CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表わすか、又は、
3及びR4が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1ないし3つで置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わし、
5、R6、R7及びR8が、水素原子を表わし、
1及びX2が、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2は、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化35】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
9及びR10は、互いに独立して、直接結合又はメチレン基を表わし、
14は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、
mは、0ないし10000の数を表わし、及び
nは、0ないし10000の数を表わすところの式(II)で表わされる化合物である。
【0072】
3及びR4が、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又は、
3及びR4が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキリデン基を形成するところの式(II)で表わされる化合物も興味深い。
【0073】
好ましいものは、X1及びX2が、互いに独立して、炭素原子数2ないし8のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わすところの式(II)で表わされる化合物である。
【0074】
mが0ないし100を表わし、かつnが0ないし100を表わすところの式(II)で表わされる化合物も好ましい。
【0075】
非常に特に興味深いものは、
0が、
【化36】

で表わされる2価の基を表わし、
3及びR4が、互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又は、
3及びR4が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン基を形成し、
5、R6、R7及びR8が、水素原子を表わし、
1及びX2が、互いに独立して、炭素原子数2ないし4のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2が、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化37】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
9及びR10が、互いに独立して、直接結合又はメチレン基を表わし、
mが、0ないし100の数を表わし、及び
nが、0ないし100の数を表わすところの式(II)で表わされる化合物である。
【0076】
式(II)で表わされる化合物において、炭素原子数1ないし12のアルキル基は、式(I)で表わされる化合物に関して上記で定義したもの同様の直鎖の又は可能ならば枝分かれしたアルキル基である。
【0077】
カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基として定義されるR3及びR4は、好ましくはカルボキシメチル基或いは1−又は2−カルボキシエチル基である。
【0078】
アリール基として定義されるR3及びR4は、好ましくはフェニル基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、例えばメチル基1ないし3つで置換されたフェニル基である。
【0079】
炭素原子数2ないし12のアルケニル基として定義されるR3、R4、R5、R6、R7及びR8は、式(I)で表わされる化合物に関して上記で定義したもの同様の直鎖の又は可能ならば枝分かれしたアルケニル基である。
【0080】
炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1ないし3つで置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基として定義されるR3及びR4は、式(I)で表わされる化合物に関して上記で定義した通りである。
【0081】
炭素原子数1ないし12のアルキレン基として定義されるX1及びX2、及び、炭素原子数1ないし4のアルキレン基として定義されるR9及びR10は、式(I)で表わされる化合物に関して上記で定義した直鎖の又は可能ならば枝分かれしたアルキレン基である。
【0082】
−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基として定義されるX1及びX2は、直鎖の又は可能ならば枝分かれした、例えば−CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2CH2−又は−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−である。
【0083】
ヒドロキシ基又はアミノ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基は、例えばヒドロキシメチル基、1−又は2−ヒドロキシエチル基、アミノメチル基、あるいは、1−又は2−アミノエチル基である。
【0084】
−O−によって中断された炭素原子数4ないし12のヒドロキシアルキル基は、例えば、−CH2CH2−O−CH2CH2OH又は−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2OHである。
【0085】
フッ素原子含有基は、フッ素原子を少なくとも1つ含む枝分かれした又は非枝分かれの基、例えば炭素原子数1ないし25のフルオロアルキル基であるか、又は式(B)(式中、pは1ないし50を表わす。)で表わされる基、例えばトリフルオロメチル基又はペンタフルオロメチル基である。
【0086】
炭素原子数1ないし25のフルオロアルキル基は、例えばフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基、7−フルオロヘプチル基、ジフルオロメチル基又はペンタフルオロブチル基である。
【0087】
式(II)で表わされる化合物は、既知の方法で得ることができる。シリコンアルコールをビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)で処理することによりシリコンアルコールの2,4−ジニトロフェニルカーボネートがその場で得られる。この誘導体は、単離でき、例えば、様々な分子量のヒドロキシ末端ビスフェノールAオリゴマーによって別々に処理され得る。Brunelle et al.,Macromolecules 1991,24,3035−3044は、ビスフェノールAの二量体及び環状オリゴマーの製造のためのビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネートの使用を開示している。カップリング反応は、ホスゲン又はカルボニルジイミダゾール(CDI)等のカーボネート結合形成試薬によっても行われ得る。
【0088】
特に好ましいシリコン含有基は、モノヒドロキシポリシロキサン、p=10;ポリシロキサン、p=64;ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサン又は3−(ポリオキシエチレン)プロピルヘプタメチルトリシロキサンから誘導される。典型的な構造式を以下に示す:
【化38】

【0089】
好ましいビスフェノール出発材料は、式(I)で表わされる化合物の製造に関して上記で言及したものと同様のものである。
【0090】
本発明の更なる態様はまた、
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、及び
2)上記で定義した式(II)で表わされる化合物の少なくとも1種
を含む混合物に関する。
【0091】
本発明の更なる態様はまた、
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含
有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、及び
b)上記で定義した式(I)で表わされる化合物と式(II)で表わされる化合物の組み合わせ
を含む混合物に関する。
【0092】
成分a)及びb1)、成分a)及びb2)並びに成分a)及びb)は、混合物において、成分a)が0.001ないし5.0質量%、好ましくは0.01ないし2.0質量%、最も好ましくは0.04ないし0.5質量%、成分b)が0.01ないし5.0質量%、好ましくは0.25ないし1.0質量%の質量%で存在する。
【0093】
本発明の更なる態様は、ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材に難燃性を付与するための方法であって、前記ポリマー基材に上記で定義した混合物を添加することを含む方法に関する。
【0094】
本発明の他の好ましい態様は、ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材に難燃性及び光透明性を付与するための方法であって、前記ポリマー基材に上記で定義した混合物を添加することを含む方法に関する。
【0095】
特に好ましい態様は、ポリカーボネートに難燃性及び透明性を付与するための方法であって、前記ポリマー基材に上記で定義した混合物を添加することを含む方法に関する。
【0096】
成分c)
ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材は、如何なる等級のものでもあり得、あらゆる既知の方法によって製造され得る。用語‘‘ポリマー基材’’は、あらゆるポリカーボネートホモポリマー又はそのコポリマー、例えばポリエステルとのコポリマーを含む。
【0097】
ポリカーボネートは、一般式
【化39】

で表わされる熱可塑性ポリマーである。
【0098】
ポリカーボネートは、界面法又は溶融法(触媒エステル交換)によって得ることができる。ポリカーボネートは、枝分かれ構造又は直鎖構造であり得、あらゆる官能性置換基を含み得る。ポリカーボネートコポリマー及びポリカーボネートブレンドもまた本発明の範囲内である。用語‘‘ポリカーボネート’’は、他の熱可塑性樹脂とのコポリマー及びブレンドを含むものとして解釈されるべきである。ポリカーボネートの製造方法は、例えば米国特許第3,030,331号明細書;米国特許第3,169,121号明細書;米国特許第4,130,458号明細書;米国特許第4,263,201号明細書;米国特許第4,286,083号明細書;米国特許第4,552,704号明細書;米国特許第5,210,268号明細書及び米国特許第5,606,007号明細書から既知である。異なる分子量を有する2種以上のポリカーボネートの組み合わせが使用され得る。
【0099】
好ましいものは、ビスフェノールA等のジフェノールとカーボネート源との反応によって得ることができるポリカーボネートである。適当なジフェノールの例は、
【化40】

である。
【0100】
カーボネート源は、カルボニルハロゲン化物、カーボネートエステル又はハロホルメートであり得る。適当なカーボネートハロゲン化物は、ホスゲン又はカルボニルブロミドである。適当なカーボネートエステルは、ジアルキルカーボネート、例えば、ジメチル−又はジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、フェニル−アルキルフェニルカーボネート、例えば、フェニル−トリルカーボネート、ジアルキルカーボネート、例えば、ジメチル−又はジエチルカーボネート、ジ−(ハロフェニル)カーボネート、例えば、ジ−(クロロフェニル)カーボネート、ジ−(ブロモフェニル)カーボネート、ジ−(トリクロロフ
ェニル)カーボネート又はジ−(トリクロロフェニル)カーボネート、ジ−(アルキルフェニル)カーボネート、例えば、ジ−トリルカーボネート、ナフチルカーボネート、ジクロロナフチルカーボネート及び他のものである。
【0101】
分子量調節剤、酸受容体、触媒の添加等の他の方法の詳細は、上記で言及した文献に開示されている。
【0102】
更なる態様に従って、ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材は、イソフタレート/テレフタレート−レゾルシノール部分が存在するところのポリカーボネート−コポリマーである。このようなポリカーボネートは、市販で入手可能なもの、例えばレクサン(登録商標:Lexan)SLX(ジェネラル エレクトリクス コーポレーテッド、米国)である。成分c)の他のポリマー状基材は、混合物又はコポリマーの形態で、適当な相溶化剤を含む、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、熱可塑性ポリウレタン、ポリスルホン、ポリアクリレート及びPVCを含む様々な合成ポリマーを更に含み得る。例えば、ポリマー基材は、更に、ポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン、スチレンポリマー及びそのコポリマーからなる樹脂の群から選択される熱可塑性ポリマーを含み得る。特定の態様は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリシクロヘキシレンメチレンテレフタレート(PCTG)、ポリスルホン(PSU)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル(ASA)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン(AES)、スチレン−無水マレイン酸(SMA)又は耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を含む。
【0103】
適当な合成ポリマーのリストを以下に示す:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0104】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び高温において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用され得る。活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス、スタンダ
ード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0105】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0106】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、1−オレフィンが現場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び互いの又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0107】
4.水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
上記で言及したホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む立体構造を有し得;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0108】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0109】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む立体構造を有し得;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0110】
a)上述された芳香族ビニルモノマー及び、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はそのアクリル誘導体及び混合物から選択されるコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合
物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0111】
b)6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
【0112】
c)6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む立体構造を有し得;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0113】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0114】
8.ポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコボリマーのようなハロゲン含有ポリマー。
【0115】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0116】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0117】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0118】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0119】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0120】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0121】
15.一方はヒドロキシル末端化されたポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0122】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0123】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0124】
18.ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0125】
19.ポリケトン。
【0126】
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0127】
21.前述されたポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0128】
成分a)は、成分c)の基材に約0.001ないし5.0質量%、好ましくは0.01ないし2.0質量%、最も好ましくは0.04ないし0.5質量%の量で添加される。
【0129】
成分b)は、成分c)の基材に約0.01ないし5.0質量%、好ましくは0.25ないし1.0質量%の量で添加される。
【0130】
本発明の特に好ましい態様は、
a)少なくとも1種のペルフルオロブタンスルホン酸ナトリウム又はカリウム、
1)少なくとも1種の式(I’)
(式中、
1及びX2は、エチレン基を表わし、
1及びR2は、部分式
−(CF2p−F (B)
(式中、pは、1ないし50の数を表わす。)で表わされる基を表わし、
mは、2ないし50の数を表わし、及び、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン基を形成する。)で表わされる化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む組成物に関する。
【0131】
本発明の他の特に好ましい態様は、
a)少なくとも1種のペルフルオロブタンスルホン酸ナトリウム又はカリウム、
2)少なくとも1種の式(II)
[式中、
0は、式
【化41】

(式中、
3及びR4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又は、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン基を形成する。)で表わされる2価の基を表わし、
5、R6、R7及びR8は、水素原子を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、炭素原子数2ないし4のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2は、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化42】

(式中、R9及びR10は、互いに独立して、直接結合又はメチレン基を表わす。)からなる群から選択される2価の基を表わし、
mは、0ないし100を表わし、及び
nは、0ないし100を表わす。]で表わされる化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む組成物に関する。
【0132】
更なる成分
本発明は、更に、上記で定義した成分a)、b)及びc)に加えて、ポリマー安定剤及び更なる難燃剤、例えばリン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、ハロゲン化難燃剤及び無機難燃剤からなる群から選択される、d)更なる添加剤を含む組成物に関する。
【0133】
安定剤は、好ましくはハロゲンを含まず、ニトロキシル安定剤、ニトロン安定剤、アミンオキシド安定剤、ベンゾフラノン安定剤、ホスフィット及びホスホナイト安定剤、キノンメチド安定剤及び2,2’−アルキリデンビスフェノール安定剤のモノアクリレートエステルから選択される。
【0134】
本発明の成分d)としての更なる難燃剤は、既知の化合物、市販品であるか、既知の方法によって得ることができる。
【0135】
成分b)に関して上記で定義したものに加えて、典型的なリン含有難燃剤は、例えば以下のものである:
テトラフェニルレゾルシノールジホスファイト(フィロルフレックス(登録商標:FYROLFLEX)RDP、Akzo Nobel社)、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフィド、トリフェニルホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチルホスホネート、リン酸のヒドロキシアルキルエステル、アンモニウムポリホスフェート(APP)又は(ホスタフラム(登録商標:HOSTAFLAM)AP750)、レゾルシノールジホスフェートオリゴマー(RDP)、ホスファゼン難燃剤及びエチレンジアミンジホスフェート(EDAP)。
【0136】
窒素含有難燃剤は、例えば、ポリイソシアヌレート、イソシアヌル酸のエステル又はイソシアヌレート等のイソシアヌレート難燃剤である。典型的な例は、ヒドロキシアルキルイソシアヌレート、例えばトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキシ−n−プロピル)イソシアヌレート又はトリグリシジルイソシアヌレートである。
【0137】
窒素含有難燃剤は、メラミンベースの難燃剤を含む。典型的な例は、メラミンシアヌレート、メラミンボレート、メラミンホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンアンモニウムポリホスフェート及びラミンアンモニウムピロホスフェートである。
【0138】
更なる例は、ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコールウリル、メラミンシアヌレート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、ウレアシアヌレート、メラミンポリホスフェート、メラミンボレート、アンモニウムポリホスフェート、メラミンアンモニウムポリホスフェート又はメラミンアンモニウムピロホスフェート、メラミン系からのメラミンの縮合生成物、メラム、メロン及び/又はメラミンとリン酸の高縮合化合物又は反応生成物、及び/又はメラミンの縮合生成物とリン酸の反応生成物、又はそれらの混合物である。
【0139】
特に強調すべきは、ジメラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メレムポリホスフェート、メラムポリホスフェート及び/又はこのような種類のもの、より特にはメラミンポリホスフェートの混合ポリ塩である。
【0140】
典型的な有機ハロゲン難燃剤は、例えば、ポリ臭素化ジフェニルオキシド(DE−60F,Great Lakes社)、デカブロモジフェニルオキシド(DBDPO;セイテ
ックス(登録商標:SAYTEX)102E)、トリス[3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート(PB370(登録商標)、FMC社)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、クロレンド酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、ポリ−β−クロロエチルトリホスホネート混合物、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(PE68)、臭素化エポキシ樹脂、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)(セイテックス(登録商標:SAYTEX)BT−93)、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン(デクロレイン プラス(登録商標:DECLORANE PLUS)、塩素化パラフィン、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサクロロシクロペンタジエン誘導体、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン(FF680)、テトラブロモ−ビスフェノールA(セイテックス(登録商標:SAYTEX)RB100)、エチレンビス−(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシイミド)(セイテックス(登録商標:SAYTEX)BN−451)、ビス−(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン、PTFE、トリス−(2,3−ジブロモプロピル)−イソシアヌレート及びエチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドである。
【0141】
上記で言及した難燃剤は、一般に、無機酸化物相乗剤と組み合わせられる。この使用において最も一般的なものは、酸化亜鉛又は酸化アンチモン、例えばSb23又はSb25である。ホウ素化合物も適当である。
【0142】
上記で言及した難燃剤類は、都合よくは、本発明の組成物中に、有機ポリマー基材の約0.5ないし約45.0質量%、例えば約3.0質量%ないし約40.0質量%、例えば、ポリマーの質量に対して約5.0質量%ないし約35.0質量%の量で含まれる。例えば、成分b1)及びb2)を含む成分b)の難燃剤は、ポリマー基材の質量に基づき約0.5質量%ないし約10.0質量%、約1.0質量%ないし約10.0質量%、約3.0質量%ないし約10.0質量%又は約5.0質量%ないし約10.0質量%の量で使用される。例えば、成分b)は、ポリマー基材の質量に基づき約0.5質量%ないし約8.0質量%、約0.5質量%ないし約6.0質量%、約0.5質量%ないし約5.0質量%又は約0.5質量%ないし約3.0質量%の量で使用される。
【0143】
上記で言及したように、本発明に従った組成物は、更に、例えば、顔料、染料、可塑剤、抗酸化剤、チキソトロープ剤、均展補助剤、塩基性補助安定剤、金属不動態化剤、金属酸化物、有機リン化合物、更なる光安定剤及びそれらの混合物、特に顔料、フェノール性抗酸化剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及び/又は2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン群のUV吸収剤から選択された1種以上の慣用の添加剤を含み得る。より具体的な例は以下の成分である。
【0144】
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状又は側鎖において分岐したノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1'−メチルウンデシ−1'−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1'−メチルヘプタデシ−1'−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1'−メチルトリデシ−1'−イル)フェノール
及びそれらの混合物。
【0145】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0146】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0147】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−、β−、γ−、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0148】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2'−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4'−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0149】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2'−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4'−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3'−第三ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0150】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3',5'−テトラ−第三ブチル−4,4'−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0151】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0152】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0153】
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0154】
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0155】
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0156】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オ
クタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、例えば、イルガノックス(登録商標:Irganox)1076等の市販で入手可能な生成物とのエステル。
【0157】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3.9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル。
【0158】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0159】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0160】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N'−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤルによって供給されるナウガードXL−1;登録商標:N
augard)。
【0161】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0162】
2.光安定剤
2.1.2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5'−ジ−第三ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、2−[2’−ヒドロキシ
−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、例えば、チヌビン234、326、329、350、360又はチヌビンン1577等のチヌビン(登録商標:Tinuvin)系の市販で入手可能な光安定剤。
【0163】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ又は2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0164】
2.3.置換された又は未置換の安息香酸のエステル、
例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−
ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸エステル、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸エステル、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸エステル、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸エステル。
【0165】
2.4.アクリレート、
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート又はイソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0166】
2.5.ニッケル化合物、
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような付加配位子を伴う又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステル、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、付加配位子を伴う又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0167】
2.6.オキサミド、
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エチルオキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブチルオキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0168】
2.7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシル
オキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0169】
3.金属不動態化剤、
例えば、N,N’−ジフェニロキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0170】
4.更なるホスフィット及びホスホナイト、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0171】
以下のホスフィットが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット[イルガフォス168(登録商標:Irgafos)、チバ スペシャルティ ケミカルズ製]、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化43】

【0172】
5.更なるニトロン、
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0173】
6.チオ相乗化合物、
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプロピオネート。
【0174】
7.ペルオキシド捕捉剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0175】
8.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0176】
9.塩基性補助安定剤、
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、ウレア誘導体、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0177】
10.核剤、
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(‘‘アイオノマー’’)のようなポリマー化合物。特に好ましいものは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0178】
11.更なる充填材及び強化材、
例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、ステンレス鋼繊維、アラミド繊維、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0179】
12.他の添加剤、
例えば、ブレンド相溶化剤、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0180】
13.更なるベンゾフラノン及びインドリノン、
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書又は欧州特許出願公開第0591102号明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベン
ゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラン−2−オン。
【0181】
上記で定義した組成物のための好ましい更なる添加剤は、上記で言及したホスフィット、及びフェノール性抗酸化剤、及び光安定剤、例えばベンゾトリアゾール等の加工安定剤である。好ましい特定の抗酸化剤は、オクタデシル3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス 1076)を含む。特定の加工安定剤は、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス 168)及びテトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスホナイト(イルガフォス P−EPQ)を含む。特定の光安定剤は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チヌビン 234)、2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(メチル)−6−(第三ブチル)フェノール(チヌビン 326)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(チヌビン 329)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(第三ブチル)−6−(第二ブチル)フェノール(チヌビン 350)、2,2'−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)(チヌビン 360)及び2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(チヌビン 1577)を含む。
【0182】
上記で言及した添加剤は、好ましくは、ポリマー成分c)の質量に対して0.01ないし10.0%、特に0.05ないし5.0%の量で含まれる。
【0183】
添加剤成分a)及びb)及び任意の更なる成分のポリマー成分c)への配合は、粉体形態でのドライブレンド、又は例えば不活性溶媒、水又はオイル中の溶液、分散液又は懸濁液の形態での湿式混合のような既知の方法により行われる。添加剤成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤は、例えば成形前又は後において配合され得るか、或いはまた、溶媒又は懸濁剤/分散剤のその後の蒸発を為して又は為さずに、溶解されたか又は分散された添加剤又は添加剤混合物をポリマー材料に適用することにより配合され得る。それらは例えば、乾燥混合物又は粉体として或いは溶液又は分散液又は懸濁液又は溶融物として加工装置(例えば押出し機、内部ミキサー等)へと直接に添加されてもよい。
【0184】
添加剤成分のポリマー基材c)への添加は、ポリマーが溶融され及び添加剤と混合されるすべての慣用の混合機中で実施され得る。適切な機械は当業者に既知である。それらは主に、ミキサー、ニーダー及び押出し機である。
【0185】
加工は好ましくは、押出し機中で加工の間に添加剤を導入することにより実施される。
【0186】
特に好ましい加工機は、一軸スクリュー押出機、逆回転及び共回転二軸スクリュー押出機、遊星ギア押出機、リング押出機又はコニーダーである。真空が適用される少なくとも1つのガス除去室を有する加工機を使用することがまた可能である。
【0187】
適切な押出し機及びニーダーは、例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion,1巻,Grundlagen,編者 F.Hensen,W.Knappe,H.Potente,1989,第3頁ないし第7頁,ISBN:3−
446−14339−4(2巻 Extrusionsanlagen 1986,ISBN 3−446−14329−7)に記載される。
【0188】
例えば、スクリューの長さは1ないし60スクリュー径であり、好ましくは35ないし48スクリュー径である。スクリューの回転速度は好ましくは、1分あたり10ないし600回転(rpm)であり、非常に特に好ましくは25ないし300rpmである。
【0189】
最大処理量はスクリューの直径、回転速度及び駆動力による。本発明の方法はまた、言及されたパラメータを変えることにより又は投与量を送る計量機を使用することにより最大処理量よりも低いレベルで実施され得る。
【0190】
多数の成分が添加される場合、これらは予備混合されるか又は個々に添加され得る。
【0191】
添加剤成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤はまた、ポリマー基材c)に噴霧され得る。添加剤混合物は他の添加剤、例えば上記した慣用の添加剤又はその溶融物を、それら本発明の添加剤及び付加的な他の添加剤がまたこれら他の添加剤と一緒にポリマー基材に噴霧され得るように希釈し得る。重合触媒の失活の間の噴霧による添加は特に有利であり;この場合、発生した蒸気は触媒の失活の為に使用され得る。球形に重合されたポリオレフィンの場合において、例えば、所望により他の添加剤と一緒に、本発明の添加剤は、噴霧により適用されることが有利であり得る。
【0192】
添加剤成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤はまた、例えば、上記ポリマー中に、質量でおよそ1.0%ないし40.0%及び好ましくは2.0%ないしおよそ20.0%の濃度で1つのポリマーに配合された成分を含有するマスターバッチ(‘‘濃縮物’’)の形態で添加され得る。該ポリマーは、添加剤が最終的に添加されるポリマーと同一の構造である必要はない。そのような操作において、ポリマーは、粉体、顆粒、溶液、懸濁液の形態で又はラテックスの形態で使用され得る。
【0193】
配合は、成形操作に先立って又は間に行われ得る。好ましくはここで記載された本発明の添加剤を含有する材料は、成形品、例えば回転成形品、射出成形品、異形材等、とりわけ繊維、溶融紡糸不織布、フィルム又はフォームの製造の為に使用される。
【0194】
このように、本発明はさらに、本発明の組成物を含む成形品又は押出品、繊維、不織布又はフォームに関する。
【実施例】
【0195】
以下の実施例で本発明を説明する。
実施例
材料及び方法
PC145レジン(GEプラスチック)を120℃で8時間、真空乾燥させ、イルガフォス(登録商標:IRGAFOS)P−EPQ(チバ スペシャルティ ケミカルズ)で安定化させた。難燃剤として、RM65(ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム、供給者:ミテニ/イタリア国)を使用した。
表1に示すポリカーボネート組成物をホーク TW−100上で280℃において押出し、ストランド粒状化(strand granulation)によってペレット化した。120℃において12時間乾燥させた後、粒状の組成物を290℃において射出成形して、アンダーライターズ ラボラトリーズ難燃性標準 UL−94に従って厚さ1.6mmのプラックとした。
UL−94垂直試験に従って難燃性を試験した。
表1
【表1】

【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、
1)式
【化1】

{式中、
1及びR2は、互いに独立して、フッ素原子で置換された脂肪族基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし、
mは、1ないし10000の数を表わし、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、及び
Yは、直接結合又は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、
【化2】

[式中、
a及びRbの両方が、水素原子又はハロゲン原子を表わすか、又は、
a及びRbの一方は水素原子を表わし、かつ他方はハロゲン原子を表わす。]、
【化3】

[式中、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有する炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わすか、又は、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、アリール基又は部分式
【化4】

(式中、
nは、0ないし10000の数を表わし、及び
2、Y、R2、R5、R6、R7及びR8は、上記で定義した通りである。)で表わされる
基を表わす。]からなる群から選択される2価の基を表わす。}で表わされる少なくとも1種の化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む組成物。
【請求項2】
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、
2)式
【化5】

(式中、
0は、直接結合又は
【化6】

、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及び
【化7】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
1及びR2は、互いに独立して、シリコン含有基を表わし、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、アリール基又は部分式
【化8】

で表わされる基を表わすか、又は、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1ないし3つで置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わし、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2は、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化9】

からなる群から選択される2価の基を表わし、
9及びR10は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表わし、
11、R12及びR13は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表わし、
14は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はシリコン含有基を表わし、
mは、0ないし10000の数を表わし、及び
nは、0ないし10000の数を表わす。)で表わされる少なくとも1種の化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む組成物、特に難燃性組成物。
【請求項3】
成分a)として、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸又はその部分エステル、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
成分a)として、ペルフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩又はメタ−リン酸、オルト−リン酸もしくはポリリン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸及びその部分エステルからなる群から選択されるリン含有オキソ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
成分a)として、少なくとも1種のペルフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩を含む請求項1又は2に記載の難燃性組成物。
【請求項6】
成分a)として、ペルフルオロブタンスルホン酸ナトリウム又はカリウムを含む請求項1又は2に記載の難燃性組成物。
【請求項7】
成分b1)として、式
【化10】

[式中、
1及びR2は、フッ素原子で置換された脂肪族基を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし、
mは、1ないし1000の数を表わし、及び
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、任意の置換基として炭素原子数1ないし4のアルキル基を1ないし3つ有する炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン基を表わすか、又は、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換された脂肪族基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、フェニル基又は部分式
【化11】

(式中、
nは、1ないし1000の数を表わし、及び
3、R4、X2及びR2は、上記で定義した通りである。)で表わされる基を表わす。]で表わされる少なくとも1種の化合物を含む請求項1に記載の難燃性組成物。
【請求項8】
成分b1)として、少なくとも1種の式(I’)
[式中、
1及びX2は、エチレン基を表わし、
1及びR2は、部分式
−(CF2p−F (B)
(式中、pは、1ないし50の数を表わす。)で表わされる基を表わし、
mは、2ないし50の数を表わし、及び、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン基を形成する。]で表わされる化合物を含む請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
a)少なくとも1種のペルフルオロブタンスルホン酸ナトリウム又はカリウム、
1)少なくとも1種の式(I’)
(式中、
1及びX2は、エチレン基を表わし、
1及びR2は、式(B)(式中、pは、1ないし50の数を表わす。)で表わされる基を表わし、
mは、2ないし50の数を表わし、及び、
3及びR4は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン基を形成する。)で表わされる化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
a)少なくとも1種のペルフルオロブタンスルホン酸ナトリウム又はカリウム、
1)少なくとも1種の式(II)
[式中、
0は、式
【化12】

(式中、
3及びR4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすか、又は、
3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン基を形成する。)で表わされる2価の基を表わし、
5、R6、R7及びR8は、水素原子を表わし、
1及びX2は、互いに独立して、炭素原子数2ないし4のアルキレン基又は−O−によって中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表わし、
1及びY2は、互いに独立して、直接結合又は−O−、
【化13】

(式中、R9及びR10は、互いに独立して、直接結合又はメチレン基を表わす。)からなる群から選択される2価の基を表わし、
mは、0ないし100を表わし、及び
nは、0ないし100を表わす。]で表わされる化合物、及び
c)ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材
を含む請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
成分a)、b)及びc)に加えて、ポリマー安定剤及び更なる難燃剤からなる群から選択される、d)更なる添加剤を含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項12】
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、
1)請求項1で定義した式(I)で表わされる化合物の少なくとも1種
を含む混合物。
【請求項13】
a)芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸、リン含有オキソ酸、NH−酸性スルホンアミド、NH−酸性スルホンイミド及び複合フルオロ酸からなる群から選択される酸の塩の少なくとも1種、及び
2)請求項1で定義した式(II)で表わされる化合物の少なくとも1種
を含む混合物。
【請求項14】
ポリカーボネート又はポリカーボネートブレンドを含むポリマー基材に難燃性を付与するための方法であって、前記ポリマー基材に請求項12又は13に記載の混合物を添加することを含む方法。
【請求項15】
ポリカーボネートに難燃性及び光透明性を付与するための方法であって、前記ポリマー基材に請求項12又は13に記載の混合物を添加することを含む方法。


【公表番号】特表2009−504862(P2009−504862A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526481(P2008−526481)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065126
【国際公開番号】WO2007/020211
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】