説明

ポリマーの精製

逆沈殿による溶剤/非溶剤システム中での粗製のポリマーの分別によって、種々のモノマーから誘導されるポリマーが精製される。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
発明の背景
コポリマー類及びターポリマー類を含め、ポリマー類は、反応溶液から単離する時に、種々の粗製と分子量とを有する化合物の混合物である。典型的には、それらは、最終ポリマーに望ましくない少量の出発物質及び副生物を含有する。ポリマーは、概して、その最終的な使用前に、さらなる処理を受ける。本発明の主題は、かくして、ポリマー、すなわち、粗製のポリマーを精製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Davidsonは、U.S.特許5,945,251にて、ポリマーに、アミン、親水性溶剤、疎水性溶剤及び水を加え;水相を分離し;ついで、親水性溶剤及び疎水性溶剤を除去して、精製されたポリマーを形成させることによって、ポリヒドロキシスチレンポリマー類を精製する方法を開示している。
【0003】
Zempini et alは、U.S.5,789,522及びU.S.5,939,511にて、樹脂をフォトレジスト溶剤に溶解させ;それから水溶性の不純物を抽出することによって、フェノール性樹脂から不純物を抽出している。
【0004】
Sheehan et alは、U.S.6,414,110 B1にて、不混和性の溶剤を使用することによって、所望される生成物から低分子量のポリマーを除去する粗製のポリマーの精製を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開示の概要
本発明は、ガラス転移温度を改良して、重合されたポリマー中間体の多分散性の値(polydispersity values)を低下させる新規な方法を提供する。処理されるポリマー類は、いずれのポリマー又はポリマーブレンドであってもよいが;本発明の方法で処理されるポリマーの幾つかの例は、アクリレート類;及び、スチレン誘導体、例えば、4-アシロキシスチレンから誘導されるポリマーである。これらの誘導されるポリマーは、ついで、さらに処理されて、ペイント、樹脂、増粘剤にて、及び、フォトレジスト組成物にて有用なポリマー類を提供する。本発明の方法は、従来技術に優り改良され、かつ、実際に有効である。詳しくは、本発明は、さらなる処理の前又は後、例えば、エステル交換工程の前に、粗製のポリマー混合物から未反応のモノマー類、低分子量ポリマー類等を除去する方法を提供する。ポリマーの純度の改善を定量化するために、多くのポリマー特性を使用することができる。ゲル透過クロマトグラフィーによる平均分子量;核磁気共鳴分光法によるポリマー組成;及び、示差走査熱量法によるガラス転移温度は、ある種の分子及び特徴的な側鎖を有するある種の例にて、全て、有効である。
【0006】
従来技術にて先に記載したように、粗製のポリマーは、例えば、重合後、連鎖移動剤(CTA)、例えば、WO 98 01478及びWO 99 31144に記載されている連鎖移動剤の存在又は不存在で、さらに処理され;例えば、濾過、遠心分離、デカンテーション等によって、溶剤から分離される。本発明の方法に従えば、粗製のポリマーは、分別に賦され、それによって、それは、第1の溶剤に実質的に溶解され、ついで、(粗製のポリマーに対する)非溶剤が合わされ、それによって、少なくとも一部の第1の溶剤及び非溶剤の除去後、ポリマーが沈殿し、新たな量の第1の溶剤又は第3の溶剤を合わせて、沈殿させたポリマーを再度溶解させる。この処理は、1回のみの処理であってもよく、あるいは、所望されるポリマーよりも非溶剤により溶解性である副生物及び低分子量物質を除去する必要がある限り繰り返してもよい。このように、望ましくないモノマー不純物及びオリゴマー類は、非溶剤に溶解性であり(所望されるポリマーは、非溶剤の添加により既に沈殿しており)、かくして、各分別工程の間に除去される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の詳細な説明
本発明は、(1) モノマーI:
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Rは、-C(O)R5又は-R5である。);
(2) 式II:
【0010】
【化2】

【0011】
を有するアクリレートモノマー;
(3) スチレン、4-メチルスチレン、アルキル部分がC1-C5直鎖又は分岐鎖のスチレンアルコキシド、t-ブチルスチレン、シクロヘキシルアクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、無水マレイン酸、ジアルキルマレエート、ジアルキルフマレート及びビニルクロライドからなる群より選択される1つ以上のエチレン性不飽和共重合可能なモノマー類(EUCM);
[式中、
i) R1及びR2は、同一又は異なり、かつ、
水素;
フッ素、塩素又は臭素;
式CnHxFy(ここで、nは、1〜4の整数であり、x及びyは、0〜2n+1の整数であり、x及びyの合計は、2n+1である)を有するアルキル又はフルオロアルキル基;及び、フェニル又はトリル;
からなる群より独立に選択され;
ii) R3は、
水素;及び、
メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル又はt-ブチルからなる群より選択され;
iii) R4は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、t-アミル、ベンジル、シクロヘキシル、9-アントラセニル、2-ヒドロキシエチル、シンナミル、アダマンチル、メチル若しくはエチル又はヒドロキシルアダマンチル、イソボルニル、2-エトキシエチル、n-ヘプチル、n-ヘキシル、2-ヒドロキシプロピル、2-エチルブチル、2-メトキシプロピル、2-(2-メトキシエトキシル)、オキソテトラヒドロフラン、ヒドロキシトリメチルプロピル、オキソ-オキサトリシクロノニル、2-ナフチル、2-フェニルエチル、フェニル等であり;
iv) R5は、C1-C4アルキルである。]
及び、
(4) (1)、(2)及び(3)の混合物;
からなる群より選択される一種のモノマー又は二種以上のモノマー類から誘導される繰り返し単位を含有する多種多様なポリマー組成物における改良のための方法を提供する。
【0012】
例として挙げるだけであるが、粗製のポリマーは、典型的には、式I:
【0013】
【化3】

【0014】
で表されるモノマー、若しくは、式Iで表されるモノマー及び/又はアクリレートモノマーII、及び/又は、1つ以上の前記共重合可能なモノマー(EUCM)類を、第1の溶剤中及び遊離基開始剤の存在で適当な温度にて十分な時間適した重合条件に賦して、対応する組成の粗製のポリマーを生成させることによって製造される。本発明の方法によって精製した後、精製されたポリマーは、例えば、 (1) 前記ポリマーを前記第1の溶剤中触媒量の塩基触媒の存在で適当な温度にてエステル交換条件に賦して、形成されるエステル交換された副生物を反応混合物から連続的に除去し、Iのホモポリマー若しくはI及び/又はIIのコポリマー、及び/又は、前記共重合可能なモノマー(EUCM)を形成させるか、あるいは、 (2) ポリマーを強酸による酸性加水分解に賦すことによって、式III:
【0015】
【化4】

【0016】
で表されるモノマーを含有するポリマーにエステル交換することができる。ポリマーは、ついで、場合によっては、イオン交換床を通して、前記塩基又は酸触媒を除去する。
【0017】
式IIIで表されるモノマーから式Iで表されるホモポリマーを製造することもまた本発明の範囲内である。もう1つの実施態様として、ポリヒドロキシスチレン(PHS)は、アセトキシスチレンモノマー(ASM)から製造することができる。
【0018】
本発明の範囲は、いずれかの方法によって製造されるいずれもの粗製のポリマーを含み、例えば、 (a) 式IIIモノマーから誘導される式Iで表されるホモポリマー; (b) 式II及び式IIIモノマーから誘導されるコポリマー; (c) 式IIIモノマー及びEUCMから誘導されるコポリマー;及び、 (d) 式II、式IIIモノマー及びEUCMから誘導されるターポリマーが挙げられる。その他のモノマー、例えば、ノルボルネンモノマー類、フッ素モノマー類等を使用して、本発明の新規な方法によって処理される粗製のポリマー生成物を形成するのも本発明の範囲内である。
【0019】
本明細書にて記載する式II(アクリレートモノマー)に関して、幾つかの好ましいアクリレートモノマーは、 (1) MAA-メチルアダマンチルアクリレート; (2) MAMA-メチルアダマンチルメタクリレート; (3) EAA-エチルアダマンチルアクリレート; (4) EAMA-エチルアダマンチルメタクリレート; (5) ETCDA-エチルトリシクロデカニルアクリレート; (6) ETCDMA-エチルトリシクロデカニルメタクリレート; (7) PAMA-プロピルアダマンチルメタクリレート; (8) MBAMA-メトキシブチルアダマンチルメタクリレート;(9) MBAA-メトキシブチルアダマンチルアクリレート; (10) イソボルニルアクリレート; (11) イソボルニルメタクリレート; (12) シクロヘキシルアクリレート;及び、 (13) シクロヘキシルメタクリレートである。使用することのできるその他の好ましいアクリレートモノマーは、 (14) 2-メチル-2-アダマンチルメタクリレート; (15) 2-エチル-2-アダマンチルメタクリレート; (16) 3-ヒドロキシ-1-アダマンチルメタクリレート; (17) 3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート; (18) 2-メチル-2-アダマンチルアクリレート; (19) 2-エチル-2-アダマンチルアクリレート; (20) 2-ヒドロキシ-1,1,2-トリメチルプロピルアクリレート; (21) 5-オキソ-4-オキサトリシクロロ-ノニ-2-イルアクリレート; (22) 2-ヒドロキシ-1,1,2-トリメチルプロピル2-メタクリレート; (23) 2-メチル-1-アダマンチルメタクリレート; (24) 2-エチル-1-アダマンチルメタクリレート; (25) 5-オキソテトラヒドロフラン-3-イルアクリレート; (26) 3-ヒドロキシ-1-アダマンチルメタクリレート; (27) 5-オキソテトラヒドロフラン-3-イル2-メタクリレート; (28) 5-オキソ-4-オキサトリシクロ-ノニ-2-イル2-メタクリレートである。
【0020】
種々のコポリマーを形成するために置換されたスチレンとCTAとを有する本発明にて使用することのできるさらなるアクリレート類及びその他のモノマー類としては、以下の物質が挙げられる:モノデシルマレエート;2-ヒドロキシエチルメタクリレート;イソデシルメタクリレート;ヒドロキシプロピルメタクリレート;イソブチルメタクリレート;ラウリルメタクリレート;ヒドロキシプロピルアクリレート;メチルアクリレート;t-ブチルアミノエチルメタクリレート;イソシアナートエチルメタクリレート;トリブチル錫メタクリレート;スルホエチルメタクリレート;ブチルビニルエーテルブロックされたメタクリル酸;t-ブチルメタクリレート;2-フェノキシエチルメタクリレート;アセトアセトキシエチルメタクリレート;2-フェノキシエチルアクリレート;2-エトキシエトキシエチルアクリレート;ベータ-カルボキシエチルアクリレート;無水マレイン酸;イソボルニルメタクリレート;イソボルニルアクリレート;メチルメタクリレート;エチルアクリレート;2-エチルヘキシルメタクリレート;2-エチルヘキシルアクリレート;グリシジルメタクリレート;N-ブチルアクリレート;アクロレイン;2-ジエチルアミノエチルメタクリレート;アリルメタクリレート;トールメソメタクリレートのビニルオキサゾリンエステル;イタコン酸;アクリル酸;N-ブチルメタクリレート;エチルメタクリレート;ヒドロキシエチルアクリレート;アクリルアミドオイル;アクリロニトリル;メタクリル酸;及び、ステアリルメタクリレート。
【0021】
本発明の1つの実施態様にて、ポリヒドロキシスチレン(PHS)及び/又は1つ以上の上記アクリレートモノマーを有するコポリマー類は、本発明の新規な方法によって精製することのできる幾つかの物質である。本明細書に記載する精製方法は、いずれかの方法によって重合されたいずれかその他のモノマー類を精製するために使用することができる。これらモノマー類としては、ビニルアセテート;アクリル類;スチレン類;スチレン-アクリル類;オレフィン類、例えば、エチレン及びプロピレン;アクリロニトリル;無水マレイン酸;及び、それらの混合物が挙げられるが、それらに限定するものではない。これらのモノマーの重合は、カチオン、アニオン及び/又は遊離基により行うことができる。これらは、本発明のその他の実施態様である。しかし、本明細書にて記載する説明は、例として挙げるのみであり、概して、アクリレート、スチレン系、スチレン系/アクリレート、スチレン系/アクリレート/ノルボルニルタイプのモノマーに係る。
【0022】
重合、精製及び/又はエステル交換工程は、無水基準(すなわち、<約5,000ppm水)で行われる。重合のための第1の溶剤は、概して、1〜4個の炭素原子を有するアルコールであり、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。しかし、その他の溶剤、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等を使用することもでき、これは、重合されるモノマーシステムに依存する。使用する溶剤の量は、決定的に重要ではなく、所望される最終結果を達成するいずれの量であってもよい。
【0023】
重合のための遊離基開始剤は、所望される最終結果を達成するのであればいずれの開始剤であってもよい。開始剤は、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブタンニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-アミルパーオキシピバレート、ジイソノナノイルパーオキシド、デカノイルパーオキシド、コハク酸パーオキシド、ジ(n-プロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(sec-ブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-アミルパーオキシネオデカノエート、ジメチル2,2’-アゾビスイソブチレート及びそれらの組み合わせからなる群より選択することができる。
【0024】
開始剤は、典型的には、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブタンニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-アミルパーオキシピバレート及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0025】
重合条件は、決定的に重要ではなく、所望される最終結果をもたらすだろういずれかの温度及び圧力であってもよい。概して、温度は、約30℃〜約100℃、好ましくは、約40℃〜約100℃、最も好ましくは、約45℃〜約90℃である。圧力は、大気圧、亜大気圧又は超大気圧であってもよい。重合時間は、決定的に重要ではないが、概して、少なくとも1分間を上回り、対応する組成のポリマーを生ずるのがよいであろう。
【0026】
粗製のポリマーが一度形成されると、それは、粗製のポリマーを含有する溶剤(第1の溶剤)を含む溶液を用意し;多工程分別プロセスによる粗製のポリマーの精製のための出発物質としてこれを最初に使用する新規な精製処理法に賦される。第1の溶剤のさらなる量を粗製のポリマー混合物に加え、ついで、生ずる溶液を、例えば、混合/攪拌しつつ、非溶剤と合わせて、全体としての混合物から所望されるポリマーを沈殿させる。
【0027】
重合反応にて形成されるポリマーのタイプに依存して、溶剤は、その中の粗製のポリマーの溶解度と調和させて変化させる。かくして、粗製のポリマーを含有する溶剤は、第1の溶剤と称し、さらに詳細には、粗製のポリマーがその中に溶解されるそれの少なくとも40重量%であると定義する。この第1の溶剤は、メタノール、エタノール、t-ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)及びそれらの混合物からなる群より選択される。
【0028】
第1の溶剤から粗製のポリマーの沈殿を行うためには、粗製のポリマーと第1の溶剤とを含有する溶液に、ついで、非溶剤を加える。非溶剤は、かくして、粗製のポリマーが最大10重量%溶解される種類の液体の類と定義される。この非溶剤は、水、ヘキサン類、ヘプタン類、メタノール、トルエン及びそれらの混合物からなる群より選択される。また、非溶剤は、ポリマー組成及び分子量依存性であり、かくして、粗製の開始ポリマーの/第1の溶剤中の溶液から粗製のポリマーの沈殿をもたらすことのできるいずれかの液体であろう。
【0029】
非溶剤対(第1の)溶剤の比が、約1:1〜約10:1、好ましくは、約1:1〜約5:1の範囲であることもまた重要である。
【0030】
溶剤と非溶剤との両方の使用にて、これらの物質/液体が、本明細書の後方にて記載するように、フォトレジスト相溶性溶剤の沸点よりも低い沸点を有することもまた好ましい。さらに、溶剤(第1及び第3)と非溶剤との両方が相互に混和性であることが決定的に重要である。
【0031】
分別工程の間、非溶剤/溶剤は、反応及び取扱をさらに完璧とするために攪拌/混合するのがよい。
【0032】
粗製のポリマーを含有する溶液(第1の溶剤中の溶液にて)と非溶剤とを合わせ、ポリマーが溶液から沈殿された後、少なくとも一部の第1の溶剤及び非溶剤除去し、ついで、第3の溶剤をポリマーと合わせて、ポリマーを溶液に再度溶解させる。第3の溶剤は、第1の溶剤と同一であってもよく、あるいは、それは、本明細書に記載し、少なくとも40重量%のポリマーがその中に溶解されるのを許容する同じ類の溶剤から選択されるもう1つのタイプの物質であってもよい。
【0033】
分別工程は、1回であるか、あるいは、それは、少なくとももう1回繰り返すことができ、さらなる精製が確認されない、例えば、デカンテーションした溶剤の少量の試料が、蒸発乾固の際に、実質的に残渣を示さないまでとする。この分別工程は、概して、2〜10回行う。
【0034】
モノマーの重合より生成する粗製のポリマーの不純度の重要な尺度の1つは、多分散性の値(polydispersity value)である。概して、それは、低い値、例えば、約3未満を有することが望ましく;より低い値ほど、重合反応が鎖の長さにてより均一であったことを指示する。この精製工程の均一性は、形成される所望のポリマーが非溶剤の使用によって沈殿し、所望されない低分子量平均のポリマー及び所望されないモノマーが第1の溶剤に残るか及び/又は可溶性であることを指示する。かくして、新規な精製/分別工程は、これら望ましくない物質の除去を提供する。概して、粗製のポリマーの多分散性の値は、その元々の粗製のポリマーの精製処理の前の値を少なくとも1%、好ましくは、1%〜約10%低下させる目的で、この精製/分別工程の前、間及び後に測定される。好ましくは、その多分散性の値が約2.0より低い生成物を生成させることが望ましい。多分散性の値は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定されるように、重量平均分子量(Mw)の比が数平均分子量(Mn)に優ることを意味することを理解するべきである。
【0035】
精製されるポリマーのさらなる処理は、その最終使用に依存し、望ましいくらいに行うのがよい。例えば、エステル交換工程が存在する場合、重合工程からの精製されるポリマーは、アルコール性溶剤中触媒量の塩基触媒の存在で前記エステル交換条件に賦される。(上記した精製工程の後、所望されるポリマーと混合した若干の溶剤がなお残るが、さらなる溶剤を加えて、ポリマーを流体状態に保つ必要があることを理解するべきである。エステル交換は、このさらなる溶剤を添加せずとも行うことができるが、反応は、より困難であり、恐らくは、より長時間かかる。)塩基触媒は、それが前記アルキルアクリレートモノマーIIと、又は、前記共重合可能なモノマー(EUCM)と、実質的に反応しない程度である。塩基触媒は、アルキル金属水酸化物又はアルキル金属アルコキシドのいずれかである。塩基触媒は、水酸化リチウム、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、水酸化セシウム、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド、セシウムイソプロポキシド及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0036】
フェノールブロック基の除去を行うために加水分解を利用する場合、その酸は、強酸性のもの、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸等である必要がある。
【0037】
かくしてかつ本発明の方法に従い、ポリマーの重合直後に又はなおさらなるプロセス工程後に、粗製のポリマーは、実質的に精製されたポリマーを提供するこの新規な分別方法に賦される。
【0038】
本発明のもう1つの実施態様にて、(例えば、触媒を使用するエステル交換工程及び触媒除去工程後の)溶剤交換(solvent swap)を提供する。この溶剤交換工程にて、(精製されるポリマーを含有する)第1又は第3の溶剤は、ついで、フォトレジスト相溶性溶剤である非プロトン性/有機溶剤と交換され、第1又は第3の溶剤は、蒸留によって除去される。“フォトレジスト相溶性溶剤”という用語は、US5,945,251(4欄、17〜27行)、US5,789,522(13欄、7〜18行)及びUS5,939,511にて示されているように、フォトレジスト技術にて一般に使用されるものであり、これらの全ては、PGMEAに触れ、これは、以下の実施例にて記載する。これらの特許は、全て、全体を参考とすることによって本明細書に組み込む。このフォトレジスト相溶性溶剤は、グリコールエーテル類;グリコールエーテルアセテート類;及び、ヒドロキシル又はケト基を有しない脂肪族エステル類からなる群より選択される員であるのがよい。溶剤の例としては、グリコールエーテルアセテート類、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が挙げられる。
【0039】
例示する目的のために提供し、本発明の範囲を何等限定するものではない以下の実施例によって、本発明をさらに例示する。
【0040】
実施例(概括)
続く実施例にて、以下の略号を使用する:
THF−テトラヒドロフラン;
MEK−メチルエチルケトン;
MeOH−メタノール;
PGMEA−プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;
GPC−ゲル透過クロマトグラフィー;
GC−ガスクロマトグラフィー。
【0041】
特性決定のために使用される概括的な分析技術:以下に挙げる本発明のホモ-、コ-及びターポリマーを特性決定するために種々の分析技術を使用した:
GPC:屈折率検出器を備えたWatersゲル透過クロマトグラフでゲル透過クロマトグラフィーを行った。
【0042】
GC:DB-1カラム(30×0.25mm、0.25umフィルム)とFID検出器とを備えたHewlett Packard Model 5890 series IIガスクロマトグラフでガスクロマトグラフィーを行った。
【実施例】
【0043】
実施例1
反応
冷却器、機械的攪拌機及びゴム隔壁(septum)を備えた3径1リットルフラスコに、MEK(120.0g)を加えた。温度制御器を使用して、反応器を80.0℃に加熱した。ついで、メチルメタクリレート(23.79g,0.2376mol)、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルメタクリレート(7.00g,0.0297mol)、5-ノルボルネン-2-メタクリレート(72.61g,0.3267mol)及びジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(5.51g,0.0237mol)のMEK(120.06g)溶液を220分間かけて(1.65g/分)緩やかに加えた。ついで、反応器を80℃にさらなる150分間維持した。反応器を、ついで、室温まで冷却すると、透明なコハク色の溶液を形成した。
【0044】
精製
非溶剤としてMeOHを使用する逆沈殿(reverse precipitation)を使用して、上記生成物を精製した。攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(365.0g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を60分間沈降させた。ついで、頂部溶液層683.4gを吸引により除去した。生ずる固形物に、MEK(271.1g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。また、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(363.9g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を60分間沈降させた。ついで、頂部溶液層646.6gを吸引により除去した。生ずる固形物に、MEK(202.1g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。最後に、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(337.8g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を60分間沈降させた。ついで、頂部溶液層530.1gを吸引により除去した。生ずる固形物に、MEK(151.0g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。出発ポリマー及び最終ポリマーについてのGPC結果は、多分散性の値にて15.2%の減少を示した。
【0045】
実施例2
反応
冷却器、機械的攪拌機及びゴム隔壁を備えた3径1リットルフラスコに、MEK(180.0g)を加えた。温度制御器を使用して、反応器を80.0℃に加熱した。ついで、メチルメタクリレート(35.68g,0.3564mol)、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルメタクリレート(31.58g,0.1337mol)、5-ノルボルネン-2-メタクリレート(89.12g,0.4010mol)及びジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(8.20g,0.0356mol)のMEK(179.9g)溶液を350分間かけて(1.52g/分)緩やかに加えた。ついで、反応器を80℃にさらなる150分間維持した。反応器を、ついで、室温まで冷却すると、コハク色の透明な溶液を形成した。
【0046】
精製
非溶剤としてMeOHを使用する逆沈殿を使用して、上記生成物を精製した。攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(356.9g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を60分間沈降させた。ついで、頂部溶液層410.7gを吸引により除去した。生ずる固形物に、MEK(170.1g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。また、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(361.2g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を60分間沈降させた。ついで、頂部溶液層591.36gを吸引により除去した。生ずる固形物に、MEK(194.4g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。最後に、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(389.9g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を60分間沈降させた。ついで、頂部溶液層603.7gを吸引により除去した。生ずる固形物に、MEK(414.9g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。
【0047】
触媒除去
Amberlyst A 15イオン交換樹脂を使用するイオン交換によって、触媒不純物を除去した。Amberlyst A 15樹脂の処理カラム(1インチ×10インチ)に速度10mL/分で上記生成物580.8gを通した。低触媒溶液933.8gが得られた。
【0048】
溶剤交換
減圧蒸留によって、上記生成物をMEKからPGMEAに溶剤交換した。サーモウエル、分別蒸留ヘッド及び受器、機械的攪拌機、及び、窒素導入口を備えた4径2リットルフラスコに、上記生成物933.8gを加えた。減圧(65トル,40℃)下で溶液の量を少なくし、ついで、PGMEA385.3gを加えた。減圧(25トル,45℃)下で、残留MEK及びMeOHを除去し、MEK及びMeOHのレベルをGCにより検出不能となるまで除去した。固形物にPGMEA164.1gを加えて、固形物濃度を27.5重量%密度に調節した。
【0049】
【表1】

【0050】
【数1】

【0051】
ポリ(4-ヒドロキシスチレン)(メチルメタクリレート)(エチレングリコールジシクロペンタジエンメタクリレート)の逆沈殿精製
実施例3
反応
機械的攪拌機、冷却器及び受器システム、窒素導入口、及び、サーモウエルを備えた5径50リットル反応器システムに、4-アセトキシスチレン(1.16Kg,7.15mol)、メチル-メタクリレート(2.13Kg,21.3mol)、エチレングリコールジシクロペンタジエンメタクリレート(18.59Kg,7.08mol)及びTHF(9.88Kg)を加えた。反応器を(71.2℃で)加熱還流し、ついで、THF0.8Kg中2-2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(0.37Kg、1.49mol)を加えた。反応器を6時間還流に維持した。反応器を、ついで、幾分冷却し、ついで、MeOH4.94KgとMeOH中25wt%ナトリウムメトキシド0.11Kgを加えた。反応器を再度加熱還流し、オーバーヘッド留出物を除去し、3時間かけてTHFと置換した。溶液を、ついで、室温まで冷却させると、これは、透明な赤色溶液を形成した。
【0052】
精製
非溶剤としてMeOHを使用する逆沈殿を使用して、上記生成物を精製した。攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(7.17Kg)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層4.64Kgを吸引により除去した。生ずる固形物に、THF(2.48Kg)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。また、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(3.02Kg)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層7.50Kgを吸引により除去した。生ずる固形物に、THF(2.3Kg)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。最後に、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(3.44Kg)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層6.67Kgを吸引により除去した。生ずる固形物に、THF(6.82Kg)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。GPCによると、開始ポリマーと最終ポリマーとの間の多分散性の値にて、17.4%の減少を示した。
【0053】
触媒除去
Amberlyst A 15イオン交換樹脂を使用するイオン交換によって、触媒不純物を除去した。Amberlyst A 15樹脂の処理カラム(4インチ×40インチ)に速度210mL/分で上記生成物全てを通した。
【0054】
単離
水(10:1水:溶液)への沈殿によって、生成物を単離し、固形物を水で洗浄し、減圧(40トル,55℃,3日)下で、乾燥させた。微細な白色粉末5.3Kgが得られた。
【0055】
ポリ(4-ヒドロキシスチレン)(t-ブチルアクリレート)の逆沈殿精製
実施例4
反応
機械的攪拌機、冷却器、窒素導入口及びサーモウエルを備えた4径3リットルのフラスコに、4-アセトキシスチレン(564.7g,3.48mol)、t-ブチルアクリレート(49.6g,0.387mol)及びTHF(710g)を加えた。反応器を(70.8℃で)加熱還流し、ついで、THF25g中2-2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(33.6g,0.135mol)を加えた。反応器を18時間還流に維持した。溶液を、ついで、室温まで冷却すると、これは、透明なコハク色の溶液を形成した。
【0056】
精製
非溶剤としてMeOHを使用する逆沈殿を使用して、上記生成物を精製した。攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(1159g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層1109gを吸引により除去した。生ずる固形物に、THF(303g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。また、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(1214g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層1524gを吸引により除去した。生ずる固形物に、THF(384g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。最後に、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(1188g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層1644gを吸引により除去した。得られる固形物のGPCによると、開始ポリマーと最終ポリマーとの間の多分散性の値にて、22.3%の減少を示した。
【0057】
脱保護
反応器に、MeOH405gとMeOH中25wt%のナトリウムメトキシド4.76gとを加えた。反応器を再度加熱還流し、オーバーヘッド留出物を除去し、4時間かけてTHFと置換した。
【0058】
触媒除去
Amberlyst A 15イオン交換樹脂を使用するイオン交換によって、触媒不純物を除去した。Amberlyst A 15樹脂の処理カラム(2インチ×10インチ)に速度20mL/分で上記生成物全てを通した。
【0059】
単離
水(10:1水:溶液)への沈殿によって、生成物を単離し、固形物を水で洗浄し、減圧(40トル,55℃,3日)下で、乾燥させた。微細な白色粉末384.5gが得られた。
【0060】
ポリ(4-ヒドロキシスチレン)の逆沈殿精製
実施例5
反応
機械的攪拌機、冷却器、窒素導入口及びサーモウエルを備えた4径2リットルのフラスコに、4-アセトキシスチレン(235.7g,1.45mol)及びTHF(270g)を加えた。反応器を(70.8℃で)加熱還流し、ついで、THF13g中2-2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(9.0g,0.036mol)を加えた。反応器を16時間還流に維持した。溶液を、ついで、室温まで冷却すると、これは、透明なコハク色の溶液を形成した。
【0061】
精製
非溶剤としてMeOHを使用する逆沈殿を使用して、上記生成物を精製した。攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(616g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層658gを吸引により除去した。生ずる固形物に、THF(145g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。また、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(516g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層663gを吸引により除去した。生ずる固形物に、THF(148g)を加え、混合物を攪拌すると、固形物は、完全に溶解した。最後に、攪拌反応器に、MeOHを緩やかに加えると(517g)、ねばねばした固形物が形成された。攪拌機を停止し、固形物を30分間沈降させた。ついで、頂部溶液層731gを吸引により除去した。得られる固形物のGPCによると、開始ポリマーと最終ポリマーとの間の多分散性の値にて、25.4%の減少を示した。
【0062】
脱保護
反応器に、MeOH155gとMeOH中25wt%のナトリウムメトキシド1.90gとを加えた。反応器を再度加熱還流し、オーバーヘッド留出物を除去し、5時間かけてMeOHと置換した。
【0063】
触媒除去
Amberlyst A 15イオン交換樹脂を使用するイオン交換によって、触媒不純物を除去した。Amberlyst A 15樹脂の処理カラム(1インチ×15インチ)に速度15mL/分で上記生成物全てを通した。
【0064】
単離
水(10:1水:溶液)への沈殿によって、生成物を単離し、固形物を水で洗浄し、減圧(40トル,55℃,3日)下で、乾燥させた。微細な白色粉末148.6gが得られる。
【0065】
当業者であれば、本発明を実施可能とするように、具体的な反応条件、反応体及び装置を上記説明したが、当業者であれば、本発明の自明な拡張である変更及び調節をなしうるであろう。本発明のこのような自明な拡張又は等価体は、特許請求の範囲の請求項によって立証されるように、本発明の範囲以内にあることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗製のポリマーを精製するための方法であって、 (1) 粗製のポリマーの第1の溶剤中の溶液を用意し; (2) 非溶剤と合わせることによって、前記第1の溶剤中の前記粗製のポリマーを沈殿させて、それより前記ポリマーの大部分を沈殿させ; (3) 前記沈殿させたポリマーから、少なくとも一部の前記第1の溶剤及び前記非溶剤を除去し; (4) 前記沈殿させたポリマーに第3の溶剤を加えて、前記ポリマーを前記第3の溶剤に再度溶解させ; (5) 工程(2)〜(4)を少なくとももう1回繰り返して、前記精製されたポリマーの多分散性の値を粗製のポリマーの多分散性の値の約1%未満とする各工程を含む方法。
【請求項2】
粗製のポリマーが、スチレン類、スチレン-アクリル類、オレフィン類、酢酸ビニル、無水物類、アクリル類、アクリレート類、ノルボルネン類、フッ素化されたアクリレート類、フッ素化されたメタクリレート類、アクリロニトリル類、無水マレイン酸類及びそれらの混合物からなる群より選択される一種のモノマー又は二種以上のモノマー類の組み合わせから誘導される繰り返し単位を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1及び第3の溶剤が、粗製のポリマーがそれらに溶解されるそれらの少なくとも40重量%である液体の類から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
非溶剤が、粗製のポリマーが最大10重量%溶解される種類の液体の類から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
使用される非溶剤対第1及び/又は第3の溶剤の比が、約1:1〜約10:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1及び/又は第3の溶剤が、メタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、プロピレンブリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
非溶剤が、水、ヘキサン類、ヘプタン類、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、メチレンクロライド、トルエン及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
(1)
【化1】

(式中、Rは、-C(O)R5又は-R5である。)
からなる群のアシロキシスチレン又はアルコキシスチレン;
(2) 式II:
【化2】

を有するアクリレートモノマー;
(3) スチレン、4-メチルスチレン、アルキル部分がC1-C5直鎖又は分岐鎖であるスチレンアルコキシド、t-ブチルスチレン、シクロヘキシルアクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、無水マレイン酸、ジアルキルマレエート、ジアルキルフマレート及びビニルクロライドからなる群より選ばれる1つ以上のエチレン性不飽和共重合可能なモノマー類;
[式中、
i) R1及びR2は、同一又は異なり、かつ、
水素;
フッ素、塩素、臭素;
式CnHxFy(ここで、nは、1〜4の整数であり、x及びyは、0〜2n+1の整数であり、x及びyの合計は、2n+1である)を有するアルキル及びフルオロアルキル基;
フェニル及びトリル;
からなる群より独立に選択され;
ii) R3は、
水素;
メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル及びt-ブチル;
からなる群より選択され;
iii) R4は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、t-アミル、ベンジル、シクロヘキシル、9-アントラセニル、2-ヒドロキシエチル、シンナミル、アダマンチル、メチルアダマンチル若しくはエチルアダマンチル若しくは又はヒドロキシルアダマンチル、イソボルニル、2-エトキシエチル、n-ヘプチル、n-ヘキシル、2-ヒドロキシプロピル、2-エチルブチル、2-メトキシプロピル、2-(2-メトキシエトキシル)、オキソテトラヒドロフラン、ヒドロキシトリメチルプロピル、オキソ-オキサトリシクロノニル、2-ナフチル、2-フェニルエチル、フェニル;
又はそれらの混合物であり;
iv) R5は、C1-C4アルキルである。]
及び、
(4) (1)、(2)及び(3)の混合物;
からなる群より選択される一種のモノマー又は二種以上のモノマー類より誘導される繰り返し単位を含有する粗製のポリマーを精製する方法であって、 (a) 粗製のポリマーの第1の溶剤中の溶液を用意し; (b) 非溶剤を前記第1の溶剤及び粗製のポリマーと合わせて、それらより前記粗製のポリマーの大部分を沈殿させ; (c) 前記沈殿させたポリマーから、少なくとも一部の前記第1の溶剤及び前記非溶剤を除去し; (d) 前記沈殿させたポリマーに第3の溶剤を加えて、前記ポリマーを前記第3の溶剤に再度溶解させ; (e) 前記工程(b)〜(d)を少なくとももう1回繰り返して、精製されたポリマーの多分散性の値を粗製のポリマーの多分散性の値の約1%未満とする各工程を含む方法。
【請求項9】
第1の溶剤が、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アシロキシスチレンが、アセトキシスチレンモノマーであり、使用される唯一のモノマーである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
精製された形のアセトキシスチレンポリマーが、多分散性の値2.0未満を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の溶剤が、メタノールである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アクリレートモノマーが、使用される唯一のモノマーである、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
項目(3)のモノマー類が、使用される唯一のモノマー類である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
全体のプロセスが、無水基準で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
工程(e)が、約2〜約10回行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
溶剤及び非溶剤が、相互に混和性である、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
非溶剤が、第1の溶剤に溶解された粗製のポリマーに加えられる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1及び第3の溶剤が異なる物質である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
粗製のポリマーを精製する方法であって、 (a) 粗製のポリマーの第1の溶剤中の溶液を用意し; (b) 非溶剤を前記第1の溶剤及び粗製のポリマーと合わせて、それらより前記ポリマーを沈殿させ; (c) 前記沈殿させたポリマーから、少なくとも一部の前記第1の溶剤及び前記非溶剤を除去し; (d) 前記沈殿させたポリマーに第3の溶剤を加えて、前記ポリマーを前記第3の溶剤に再度溶解させ; (e) 前記工程(b)〜(d)を繰り返して、精製されたポリマーの多分散性の値を粗製のポリマーの多分散性の値の約10%未満とする各工程を含む方法。
【請求項21】
第1及び第3の溶剤が、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の溶剤を除去し、フォトレジスト相溶性溶剤で置換するさらなる工程(f)が存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
粗製のポリマーが、アクリレート類、酢酸ビニル、アクリル類、スチレン類、スチレン-アクリル類、オレフィン類、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ノルボルネン類、フッ素化されたアクリレート類、シラン類、フッ素化されたメタクリレート類及びそれらの混合物からなる群より選択される一種のモノマー又は二種以上のモノマー類の組み合わせから誘導される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
精製工程の後、前記精製されたポリマーを含有する第3の溶剤を除去し;グリコールエーテル類;グリコールエーテルアセテート類;ヒドロキシル基又はケト基を有しない脂肪族エステル類;及び、それらの混合物からなる群より選択されるフォトレジスト相溶性溶剤で置換する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
粗製のポリマーを精製するための方法であって、 (a) 粗製のポリマーの第1の溶剤溶液を用意し; (b) 前記粗製のポリマー及び第1の溶剤を非溶剤と合わせて、前記ポリマーの少なくとも一部を沈殿させ; (c) 前記沈殿させたポリマーから前記第1の溶剤及び非溶剤の一部を除去するが、ただし、前記第1の溶剤及び前記非溶剤が相互に混和性である各工程を含む方法。
【請求項26】
さらに、 (d) 第3の溶剤を前記沈殿させたポリマーに加えて、前記ポリマーをその中に溶解させ、工程(b)〜(d)を少なくとももう1回繰り返すが、ただし、前記第3の溶剤が前記第1の溶剤及び前記非溶剤と混和性である工程を含む、請求項25に記載の方法。

【公表番号】特表2007−514053(P2007−514053A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545683(P2006−545683)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/039577
【国際公開番号】WO2005/061590
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506200599)デュポン・エレクトロニック・ポリマーズ・エル・ピー (5)
【Fターム(参考)】