説明

ポリマーフォームを含む物品およびその製造方法

【課題】実質的に平滑な表面を有するポリマーフォームを包含する物品を提供する。
【解決手段】レーザー三角形分割輪郭測定により測定して、約75マイクロメートルより小さいRa値を有する実質的に平滑な表面を有するポリマーフォームを含み、前記ポリマーフォームが複数の微小球を含み、それらの少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球である、物品、及び該物品の押出法による製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーフォームを含む物品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーフォームコアを組込んだ物品は既知である。このフォームはポリマーマトリックスを包含し、ポリマーマトリックスそれ自体の密度より密度が低いことを特徴とする。密度の減少は多数の方法において達成され、このような方法はマトリックス中のガス充填ボイドの形成(例えば、発泡剤による)またはポリマー微小球(例えば、発泡性微小球)または非ポリマー微小球(例えば、ガラス微小球)の添加を包含する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様において、本発明は、さらに、実質的に平滑な表面を有するポリマーフォームを包含する物品に関する。このフォームは種々の形状、例えば、ロッド、シリンダー、シート、およびその他で提供される。ある態様において、例えば、フォームがシートの形態で提供される場合、フォームは1対の主表面を有し、それらの表面の一方または両方は実質的に平滑である。フォームは複数の微小球を含んでなり、それらの少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球である。
【0004】
本明細書において使用するとき、「ポリマーフォーム」は、ポリマーマトリックスを含む物品を意味し、その物品の密度はポリマーマトリックス単独の密度より低い。
【0005】
「実質的に平滑な」表面は、下記の実施例に記載する手順に従いレーザー三角形分割輪郭測定(laser trianglation profilometry)により測定して、約75マイクロメートルより小さいRa値を有する表面を意味する。好ましくは、表面は約50マイクロメートルより小さい、より好ましくは約25マイクロメートルのRa値を有する。表面は、また、視的に観察可能な微視的欠陥、例えば、しわ、波形および折り目の実質的非存在を特徴とする。さらに、接着表面の場合において、それが問題の支持体への適切な接触を示し、これにより適切な接着を示すように、十分に平滑である。接着の所望の限界レベルは、物品を使用する特定の用途に依存するであろう。
【0006】
「発泡性ポリマー微小球」は、加熱したとき発泡する、気体、液体、またはそれらの組み合わせの形態の、ポリマーのシェルおよびコア材料を含む微小球である。コア材料の発泡は、引き続いて、少なくとも加熱温度において、シェルを発泡させる。発泡性微小球は、シェルが最初に発泡するか、あるいは破壊せずにさらに発泡することができるものである。
【0007】
物品は接着物品または非接着物品であることができる。「接着物品」は、室温において粘着性である(すなわち、感圧接着物品)か、あるいは加熱したとき粘着性となる(すなわち、熱活性化接着物品)である結合に有効な表面を有する物品である。接着物品の例はそれ自体接着性であるフォームである接着物品であるか、あるいはフォームに結合した1またはそれ以上の別々の接着組成物を含む物品、例えば、連続層または離散構造(例えば、ストリップ、ロッド、フィラメント、およびその他)の形態(この場合において、フォームそれ自体は接着剤である必要はない)である物品である。非接着物品の例は、非接着フォーム、および結合に有効なすべての表面上に非接着組成物を有する、例えば、層、支持体、およびその他の形態の、接着フォームを包含する。
【0008】
フォームは好ましくはウレタン架橋および尿素架橋を実質的に含まず、こうして組成物においてイソシアネートの必要性を排除する。ポリマーフォームに好ましい材料の例は、アクリルのポリマーまたはコポリマーである。ある場合において、例えば、高い凝着強さおよび/または高いモジュラスを必要とする場合において、フォームを架橋することができる。
【0009】
ポリマーフォームは複数の発泡性ポリマー微小球を含むことが好ましい。フォームは、また、1またはそれ以上の非発泡性微小球を含むことができ、これらの微小球はポリマーまたは非ポリマーの微小球(例えば、ガラス微小球)であることができる。
【0010】
好ましい発泡性ポリマー微小球の例は、シェルが塩化ビニリデン単位を本質的に含まない微小球を包含する。好ましいコア材料は、加熱したとき発泡する空気以外の材料である。
【0011】
フォームは微小球に加えて添加剤を含有することができ、この添加剤の選択は物品の意図する用途のために必要な性質により支配される。適当な添加剤の例は、粘着付与剤、可塑剤、顔料、色素、固体充填材、およびそれらの組合わせから成る群から選択される。フォームは、また、ポリマーマトリックス中に気体充填ボイドを含むことができる。このようなボイドは、典型的には、ポリマーマトリックス材料の中に発泡剤を添加し、次いで、例えば、ポリマーマトリックス材料を熱または放射線に暴露することによって、発泡剤を活性化することによって、形成される。
【0012】
物品の性質は、1またはそれ以上のポリマー組成物(例えば、連続層または離散構造体、例えば、ストリップ、ロッド、フィラメント、およびその他の形態の)をフォームにまたはその中に結合および/または同時押出しすることによって調節することができる。発泡組成物および非発泡組成物を使用することができる。組成物はフォームに直接的に結合するか、あるいは間接的に、例えば、別の接着剤により、結合することができる。
【0013】
物品は「金型内発泡の」物品として使用することができる。用語「金型内発泡の」は、物品が発泡するか、あるいは物品が所望位置に配置された後、さらに発泡する能力を意味する。このような物品はサイズ剤添加し、くぼみのある領域の中にまたは解放表面上に配置し、次いで熱エネルギー(例えば、赤外、超音波、マイクロ波、抵抗、誘導、対流、およびその他)に暴露させて、発泡性微小球または発泡剤を活性化させるか、あるいはさらに活性化させる。このようなくぼみのある領域は、2またはそれ以上の表面(例えば、平行または非平行の表面)の間の空間、例えば、2またはそれ以上の対向するおよび間隔を置いて位置する支持体の間に見出されるもの、スルーホールまたはキャビティを包含することができる。このような解放表面は、物品を表面に適用した後、物品を発泡しようとする平らなまたは不均一表面を包含することができる。活性化させると、フォームは微小球および/または発泡剤のために発泡し、これによりくぼみまたは空間を部分的または完全に充填するか、あるいはこれにより解放表面より上の物品の体積(例えば、高さ)を増加する。
【0014】
フォームは実質的に非架橋のまたは熱可塑性のポリマーマトリックス材料を含んでなることが望ましいことがある。また、フォームのマトリックスポリマーはある程度の架橋を示すことが望ましいことがある。架橋はフォームが所望の程度の発泡するのを有意に阻害または妨害すべきでない。このような架橋に対する1つの潜在的利点は、少ない架橋を有するか、あるいは架橋をもたない同一フォームに比較して、フォームが改良された機械的性質(例えば、凝着強さの増加)を示すようであることである。硬化性ポリマーマトリックスを有するフォームの場合において、熱への暴露はまたマトリックスの硬化を開始する。
【0015】
金型内発泡の物品は、多数の層、離散構造またはそれらの組み合わせ(例えば、第4図〜第5図および下記の記載を参照のこと)を含んでなることがさらに望ましいことがあり、各層および離散構造は金型内発泡する方法が異なり(例えば、発泡性微小球、発泡剤またはそれらの組み合わせを使用する)、現場で発泡できる程度が異なか、あるいはそれらの組み合わせを有する。例えば、発泡性微小球および/または発泡剤の濃度は異なることができ、発泡性微小球および/または発泡剤の型は異なることができるか、あるいはそれらの組み合わせを使用することができる。さらに、例えば、1またはそれ以上の層および離散構造は現場で発泡可能であるが、1またはそれ以上の他の層および離散構造は現場で非発泡性であることができる。
【0016】
第2の態様において、本発明は、下記の成分を包含するポリマーフォーム(上に定義した)を含んでなる物品(例えば、接着物品、上に定義した)に関する。(a)複数の微小球、それらの少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球(上に定義した)、および(b)ウレタン架橋および尿素架橋を実質的に含まないポリマーマトリックス。マトリックスは2またはそれ以上のポリマーのブレンドを含み、ブレンド中のポリマーの少なくとも1つは感圧接着性ポリマー(すなわち、感圧組成物を形成するために粘着付与剤と組み合わせなくてはならないポリマーと反対に、本来感圧性であるポリマー)そしてポリマーの少なくとも1つは不飽和熱可塑性エラストマー、アクリル不溶性飽和熱可塑性エラストマー、および非感圧接着性熱可塑性ポリマーからなる群から選択される。
【0017】
フォームは好ましくは実質的に平滑な表面(上に定義した)を有する。ある態様において、フォームは1対の主表面を含んでなり、それらの一方または両方は実質的に平滑である。フォームそれ自体は接着剤である。物品は、また、フォームに結合した1またはそれ以上の別の接着性組成物を含む、例えば、層の形態であることができる。所望ならば、フォームは架橋することができる。
【0018】
ポリマーフォームは、好ましくは、複数の前記発泡性ポリマー微小球を含む。また、ポリマーフォームは非発泡性微小球を含み、微小球はポリマーまたは非ポリマーの微小球(例えば、ガラス微小球)であることができる。1またはそれ以上の発泡または非発泡ポリマー組成物をフォームに直接的または間接的に結合させることによって、物品の性質を調節することができる。
【0019】
本発明は、また、第1支持体の主表面上に、または1対の支持体の間に準備された前述のフォーム物品を含む、多層物品に関する。適当な支持体の例は、木材の支持体、合成ポリマーの支持体、および金属の支持体(例えば、金属箔)を包含する。
【0020】
第3の態様において、本発明は、下記工程を含む物品を製造する方法に関する。(a)発泡性押出可能な組成物を形成するように選択された、温度、圧力および剪断速度を包含するプロセス条件で、ポリマー組成物および複数の微小球を溶融混合すること、ここで微小球の少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球(上に定義した)である、(b)ダイを通して組成物を押出してポリマーフォーム(上に定義した)を形成すること、および(c)ポリマー組成物がダイを出る前に、1またはそれ以上の発泡性ポリマー微小球を少なくとも部分的に発泡させこと。ポリマー組成物がダイを出る前に、発泡性微小球の、全部でないにしても、大部分を少なくとも部分的に発泡させることが好ましいことがある。組成物がダイを出る前に、発泡性ポリマー微小球を発泡させることによって、詳細な説明において後述するように、より緊密な許容度内に、得られる押出フォームを製造することができる。
【0021】
ポリマー組成物は実質的に溶媒を含有しないことが望ましい。すなわち、ポリマー組成物は好ましくは20重量%より少ない溶媒、より好ましくは実質的に0〜約10重量%以下の溶媒、なおより好ましくは約5重量%以下の溶媒を含有する。
【0022】
第4の態様において、本発明は、下記工程を含む物品を製造する他の方法に関する。(a)発泡性押出可能な組成物を形成するように選択された、温度、圧力および剪断速度を包含するプロセス条件で、ポリマー組成物および複数の微小球を溶融混合すること、ここで微小球の少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球(上に定義した)である、および(b)ダイを通して組成物を押出してポリマーフォーム(上に定義した)を形成すること。ポリマーフォームがダイを出た後、フォーム中の十分な発泡性ポリマー微小球は、非発泡であるか、あるいは多くて部分的に発泡されていて、金型内発泡の用途に使用することができる。すなわち、押出フォームは適用後ある時間に実質的な程度にさらに発泡させることができる。好ましくは、押出フォーム中の発泡性微小球は、全部でないにしても、それらの発泡性の大部分を保持する。
【0023】
第5の態様において、本発明は、下記工程を含む物品を製造する他の方法に関する。(a)発泡性押出可能な組成物を形成するように選択された、温度、圧力および剪断速度を包含するプロセス条件で、ポリマー組成物および複数の微小球を溶融混合すること、ここで微小球の少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球(上に定義した)である、および(b)ダイを通して組成物を押出して、実質的に平滑な表面(上に定義した)を有するポリマーフォーム(上に定義した)を形成すること。また、一方または両方の主表面が実質的に平滑である、1対の主表面を有するフォームを製造することが可能である。
【0024】
本発明に従い使用するポリマーは、好ましくは少なくとも約10,000g/モル、より好ましくは少なくとも約50,000g/モルの重量平均分子量を有することができる。また、本発明に従い使用するポリマーは、175℃の温度および100sec-1の剪断速度において測定して、少なくとも約30パスカル−秒(Pa-s)、より好ましくは少なくとも約100Pa-s、なおより好ましくは少なくとも約200Pa-sの剪断粘度を示すことが好ましいことがある。
【0025】
物品は接着物品(上に定義した)、例えば、感圧接着物品または熱活性化接着物品であることができる。ある態様において、フォームそれ自体が接着剤である。
【0026】
発泡性押出可能な組成物および押出されたフォームの両方は、複数の発泡性ポリマー微小球(上に定義した)を含むことが好ましい。押出されたフォームおよび発泡性押出可能な組成物は、また、1またはそれ以上の非発泡性微小球を含むことができ、これらの非発泡性微小球はポリマーまたは非ポリマーの微小球(例えば、ガラス微小球)であることができる。
【0027】
発泡性押出可能な組成物を1またはそれ以上の追加の押出可能なポリマー組成物と同時押出して、例えば、生ずるフォームの表面上にポリマー層を形成することができる。例えば、追加の押出可能なポリマー組成物は接着性組成物であることができる。他の適当な追加の押出可能なポリマー組成物は、追加の微小球を含有する組成物を包含する。
【0028】
この方法は、また、フォームの架橋を包含することができる。例えば、フォームを押出後に熱的放射線、化学線、またはイオン化放射線またはそれらの組合わせに暴露してフォームを架橋させることができる。また、イオン相互作用に基づく化学的架橋法により、架橋を達成することができる。
【0029】
本発明は、フォームを含有する物品、およびこのような物品を製造する方法を提供する。ここで、意図する物品の究極用途に依存して、物品は広い範囲の性質を示すように設計することができる。例えば、フォームのコアを単独でまたは1またはそれ以上のポリマー組成物と組み合わせて、例えば、層の形態で製造して、多層物品を形成することができる。フォームを追加のポリマー組成物と組み合わせる能力は、種々の異なるポリマー組成物、例えば、接着性組成物、追加のフォーム組成物、除去可能な組成物、異なる機械的性質を有する層、およびその他を使用できるような、有意な設計の柔軟性を提供する。さらに、発泡操作の注意したコントロールにより、異なる密度を有する領域のパターンを有するフォームを製造することができる。
【0030】
薄いフォームおよび厚いフォームの両方を製造することができる。さらに、接着性フォームおよび非接着性フォームの両方を製造することができる。後者の場合において、フォームを1またはそれ以上の別の接着性組成物と組み合わせて接着性物品を形成することができる。さらに、多数の異なるポリマーマトリックス、例えば、微小球を含有する光重合性組成物の化学線誘導重合に頼る、フォーム製造プロセスと不適合性であるポリマーマトリックス、からフォームを製造することができる。このようなポリマーマトリックスの例は、不飽和熱可塑性エラストマーおよびアクリル不溶性飽和熱可塑性エラストマーを包含する。同様に、化学線をベースとする発泡プロセスにおいて有効に使用できないであろう、添加剤、例えば、紫外線吸収顔料(例えば、黒色顔料)、色素、および粘着付与剤を包含することが可能である。さらに、溶媒をベースとするおよび化学線をベースとする発泡プロセスに比較して、微小球の実質的に均質な分布を有するフォームを製造することが可能である。さらに、本発明の発泡フォーム(例えば、少なくとも部分的に発泡した微小球を含有するフォーム)は、フォームの表面から中央までの発泡した微小球の均一な大きさの分布を有することができる。すなわち、フォームの表面から中央までの発泡した微小球の大きさの勾配、例えば、プレスまたは金型中で作られる発泡したフォームにおいて見出されるような勾配、は存在しない。発泡した微小球の大きさ分布のこのような勾配を示す発泡したフォームは、発泡した微小球の均一な大きさの分布を有するこのようなフォームよりも弱い機械的性質を示すことがある。これらのフォーム組成物のオーブン発泡は、フォームの低い熱伝導性のために、高温のオーブンにおける長い滞留時間を必要とする。高温における長い滞留時間は、ポリマーおよび担体(例えば、離型ライナー)の分解に導くことがある。さらに、低い熱移動は不均一な発泡を含有し、密度勾配を引き起こすフォームに導くこともある。このような密度勾配はフォームの強度を有意に減少させ、そうでなければフォームの性質に有害な衝撃を与えることがある。また、オーブン発泡に関連するプロセスは複雑であり、通常、平面シートの大規模の波形およびしわを排除するプロセス装置を必要とする。オーブン発泡についての参考文献については、例えば、下記の文献を参照のこと。Handbook of Polymer Foams & Foam Technology、編者:D. Klempner & K. C. Frisch、Hanser Publishers、New York、NY、1991。
【0031】
実質的に平滑な表面を有するフォームは単一工程で製造することができる。したがって、平滑な表面の物品を達成するために、フォームに追加の層を結合することは不必要である。実質的に平滑な表面のフォームは多数の理由で望ましい。例えば、フォームを他の支持体にラミネートするとき、実質的に平滑な表面はフォームと支持体との間の空気の取込みを最小とする。そのうえ、接着性フォームの場合において、実質的に平滑な表面はフォームを適用する支持体との接触を最大にし、すぐれた接着性に導く。
【0032】
押出プロセスは、多層物品、または離散構造を有する物品の製造を、単一工程において可能とする。さらに、発泡が押出の間に起こるとき、所望ならば、別の製造後の発泡プロセスを排除することができる。そのうえ、押出ダイの設計(例えば、ダイ開口の形状)を操作することによって、種々の形状を有するフォームを製造することができる。
【0033】
さらに、本発明の方法は押出後に物品を加熱してそれ以上の発泡を引き起こすことを含むことができる。追加の発泡は、微小球の発泡、発泡剤の活性化、またはそれらの組み合わせのためであることができる。
【0034】
微小球の発泡が最小となるか、あるいは抑制されるように、初期のフォーム製造の間のプロセス温度をコントロールすることによって、「金型内発泡の」物品を製造することがまた可能である。次いで物品を使用または適用位置(例えば、くぼみのある領域または解放表面における)に配置し、加熱するか、あるいは高温に暴露して微小球の発泡を引き起こすことができる。発泡性押出可能な組成物の中に発泡剤を添加し、発泡剤を活性化するために不十分な条件下に押出プロセスを実施することによって、「金型内発泡の」物品を製造することができる。フォーム製造に引き続いて、発泡剤を活性化して追加の発泡を引き起こすことができる。
【0035】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の好ましい態様の下記の記載、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】実施例12に記載する試料についてレーザー三角形分割輪郭測定により得られたRa値を示すプロットである。
【図1b】実施例12に記載する試料の表面の走査電子顕微鏡検査(SEM)により得られた顕微鏡写真である。
【図2a】実施例58に記載する試料についてレーザー三角形分割輪郭測定により得られたRa値を示すプロットである。
【図2b】実施例58に記載する試料の表面のSEM顕微鏡写真である。
【図3】パターン化表面を有するフォームを示す斜視図である。
【図4】追加のポリマー組成物と組み合わせたフォームの特徴を有する物品の斜視図である。
【図5】2つの追加のポリマー組成物と組み合わせたフォームの特徴を有する物品の斜視図である。
【図6】多数の追加のポリマー組成物と組み合わせたフォームの特徴を有する物品の斜視図である。
【図7】本発明による物品を製造する押出プロセスの略図である。
【図8】実施例73、77および78についての変位の関数としてフィラメント方向に対して平行である方向(MD)に加えた剥離力を示すプロットである。
【図9】実施例73、77および78についての変位の関数としてフィラメント方向に対して垂直である方向(CD)に加えた剥離力を示すプロットである。
【図10】実施例72、79、80および81についての変位の関数としてフィラメント方向に対して平行である方向(MD)に加えた剥離力を示すプロットである。
【図11】実施例72、79、80および81についての変位の関数としてフィラメント方向に対して垂直である方向(CD)に加えた剥離力を示すプロットである。
【図12a】実施例86に記載する非延伸フォームの、縦方向(MD)において見た、断面のSEM顕微鏡写真である。
【図12b】実施例86に記載する非延伸フォームの、横方向(CD)において見た、断面のSEM顕微鏡写真である。
【図12c】実施例86に記載する軸方向に延伸したフォームの、縦方向(MD)において見た、断面のSEM顕微鏡写真である。
【図12d】実施例86に記載する軸方向に延伸したフォームの、横方向(CD)において見た、断面のSEM顕微鏡写真である。
【図13a】実施例23に記載するポリマーブレンドのフォームの、縦方向(MD)において見た、断面のSEM顕微鏡写真である。
【図13b】実施例23に記載するポリマーブレンドのフォームの、横方向(CD)において見た、断面のSEM顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
物品
本発明は、ポリマーマトリックスと1またはそれ以上の発泡性ポリマー微小球とを含んでなるポリマーフォームを包含する物品に関する。電子顕微鏡によりフォームを検査すると、微小構造がポリマーマトリックス全体を通して分布した複数の拡大されたポリマーの微小球(それらの大きさに関する)により特徴づけられることが明らかになる。微小球の少なくとも1つ(好ましくはより多く)はなお発泡性である、すなわち、加熱すると、それは破壊せずにさらに発泡するであろう。これはフォームを熱処理し、電子顕微鏡検査により得られる微小球の大きさをそれらの熱処理前の大きさ(また、電子顕微鏡検査により得られる)と比較することによって、証明することができる。
【0038】
フォームは、発明の要約において、上に定義したように、実質的に平滑である表面をさらに特徴とする。下記においてさらに詳細に記載する、それぞれ、実施例12および58に説明されているように製造した、実質的に平滑な表面を有する、代表的なアクリルフォームについて、レーザー三角形分割輪郭測定の結果および走査電子顕微鏡写真を第1図および第2図に示す。第1(a)図および第2(a)図の顕微鏡写真の各々は、100マイクロメートルの測定バーBを含む。第1(b)図および第2(b)図における試料の各々は切断されており、表面部分は明るく、そして切断部分は暗い。
【0039】
フォームは種々の形態、例えば、シート、ロッド、またはシリンダーで提供することができる。さらに、フォームの表面はパターン化することができる。このようなフォームの1例は第3図に示されている。フォーム100は、フォームの表面上に配置された隆起102の均一なパターンの形態である。このような物品は、下記においていっそう詳細に説明するように、示差的発泡により製造される。示差的発泡プロセスは、取り囲む領域104の密度と異なる密度を有する隆起102をつくる。
【0040】
種々の異なるポリマー樹脂、ならびにそれらのブレンドは、樹脂が溶融押出プロセシングに適当である。例えば、異なる組成を有する2またはそれ以上のアクリレートポリマーをブレンドすることが望ましいことがある。ブレンド成分の型および濃度の操作により、フォームの広範な範囲の物理的性質を得ることができる。最終フォーム含有物品の所望の性質に基づいて、特定の樹脂を選択する。フォームマトリックスを含んでなる不混和性ポリマーブレンドの形態は、生ずるフォーム物品の性能を増強することができる。ブレンドの形態は、例えば、球形、楕円形、フィブリル、共連続またはそれらの組み合わせであることができる。これらの形態学は、単一成分フォーム系により得ることができない性質の独特の組に導くことができる。このような独特な性質は、例えば、非等方性機械的性質、増強された凝着強さを包含することができる。不混和性ポリマーの形態学(形状および大きさ)は、ポリマー系の遊離エネルギーの考察、成分の相対粘度、および最も顕著にはプロセシングおよびコーティングの特性によりコントロールすることができる。これらの変数を適切にコントロールすることによって、フォームの形態学は意図する物品によりすぐれた性質を提供するように操作することができる。
【0041】
第13a図および第13b図は、実施例23の不混和性ポリマーブレンドの微小構造のSEM顕微鏡写真である(すなわち、80重量%のホットメルト組成物1および20重量%のKratonTMD1107)。KratonTMD1107を白色と見えるようにOsO4で着色し、これによりこの相を見えるようにした。これらの図面が証明するように、KratonTMD1107相は、ほぼ1μmの大きさを有するフィブリル微小構造からなる複雑な形態学である。第13a図において、KratonTMD1107フィブリル相は断面で示されており、球形に見える。
【0042】
有用なポリマーの1クラスはアクリレートおよびメタクリレートの接着性ポリマーである。このようなポリマーは、非第三級アルキルアルコール(アルキル基は1〜20個の炭素原子(例えば、3〜18個の炭素原子)を有する)の1またはそれ以上のモノマーのアクリル酸またはメタクリル酸のエステルを重合することによって製造することができる。適当なアクリレートモノマーは下記のものを包含する。メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、およびドデシルアクリレート。対応するメタアクリレートはその上有用である。また、芳香族アクリレートおよびメタアクリレート、例えば、ベンジルアクリレートおよびシクロベンジルアクリレートは有用である。
【0043】
必要に応じて、1またはそれ以上のモノエチレン系不飽和コモノマーをアクリレートまたはモノエチレン系不飽和のモノマーと重合させることができる。コモノマーの特定量はポリマーの所望の性質に基づいて選択される。有用なコモノマーの1グループは、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度より高いホモポリマーのガラス転移温度を有するものを包含する。このグループの範囲内に入る適当なコモノマーの例は下記のものを包含する。アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、置換アクリルアミド、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、イタコン酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、イソブロニルアクリレート、シクロエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、無水マレイン酸、ヒドロキシアルキルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メト)アクリレート、N,N−ジエチルアクリルアミド、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、ネオデカン酸、ネオノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、またはプロピオン酸のビニルエステル(例えば、Union Carbide Corp.、コネチカット州ダンブリー、から表示「Vynates」で入手可能である)、塩化ビニリデン、スチレン、ビニルトルエン、およびアルキルビニルエーテル。
【0044】
アクリレートまたはメタクリレートのモノマーと重合することができるモノエチレン系不飽和コモノマーの第2グループは、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度より低いホモポリマーのガラス転移温度を有するものを包含する。このグループの範囲内に入る適当なコモノマーの例は下記のものを包含する。エチルオキシエトキシ(Tg=−71℃)およびメトキシポリエチレングリコール400アクリレート(Tg=−65℃;Shin Nakamura Chemical Co.,Ltd.から「NK Ester AM−90G」の表示で入手可能である)。
【0045】
フォームのポリマーマトリックスに有用なポリマーの第2クラスは、アクリレート不溶性ポリマーを包含する。例は下記のものを包含する。半結晶質ポリマー樹脂、例えば、ポリオレフィンおよびポリオレフィンコポリマー(例えば、2〜8個の炭素原子を有するモノマーに基づく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、およびその他)、ポリエステルおよびコポリエステル、ポリアミドおよびコポリアミド、フッ素化ホモポリマーおよびコポリマー、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド)、ポリビニルアルコール、イオノマー(例えば、塩基で中和されたエチレン−メタクリル酸コポリマー)、およびセルロースアセテート。アクリレート不溶性ポリマーの他の例は下記のものを包含する。8より小さいか、あるいは11より大きい溶解度パラメーター(Fedorsの技術に従い測定した)を有するアモルファスポリマー、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、芳香族エポキシド、ポリカーボネート、アモルファスポリエステル、アモルファスポリアミド、ABSコポリマー、ポリフェニレンオキシドアロイ、イオノマー(例えば、塩基で中和されたエチレン−メタクリル酸コポリマー)、フッ素化エラストマー、およびポリジメチルシロキサン。
【0046】
フォームのポリマーマトリックスに有用なポリマーの第3クラスは、紫外線活性化可能な基を含有するエラストマーを包含する。例は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレンおよびジエンのランダムおよびブロックコポリマー(例えば、SBR)、およびエチレン−プロピレン−ジエンモノマーのゴムを包含する。
【0047】
フォームのポリマーマトリックスに有用なポリマーの第4クラスは、非光重合性モノマーから製造される感圧接着剤およびホットメルト接着剤を包含する。このようなポリマーは、接着性ポリマー(すなわち、本来接着性であるポリマー)、または本来接着性でないが、粘着付与剤と配合したとき、接着性組成物を形成できるポリマーであることができる。特定の例は下記のものを包含する。ポリ−アルファ−オレフィン(例えば、ポリオクテン、ポリヘキセン、およびアタクチックポリプロピレン)、ブロックコポリマーをベースとする接着剤(例えば、ジ−ブロック、トリ−ブロック、スター−ブロックおよびそれらの組合わせ)、天然および合成のゴム、シリコーン接着剤、エチレン−酢酸ビニル、およびエポキシを含有する構造接着性ブレンド(例えば、エポキシ−アクリレートおよびエポキシ−ポリエステルブレンド)。
【0048】
発泡性微小球は、柔軟な、熱可塑性、ポリマーのシェルと、加熱したとき発泡する液体および/または気体を含むコアとを有する。好ましくは、コア材料はポリマーのシェルの柔化温度よりも低い沸点を有する有機材料である。適当なコア材料の例は、プロパン、ブタン、ペンタン、イソブタン、ネオペンタン、およびそれらの組み合わせを包含する。
【0049】
ポリマーのシェルについての熱可塑性樹脂の選択はフォームの機械的性質に影響を及ぼす。したがって、フォームの性質は、微小球を適当に選択するか、あるいは異なる型の微小球の混合物を使用することによって調節可能である。例えば、アクリロニトリルを含有する樹脂は、アクリロニトリル含量が樹脂の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、なおより好ましくは少なくとも70重量%である場合、特に好ましい。一般に、引張強さおよび凝着強さの両方は、アクリロニトリル含量が増加するとともに増加する。ある場合において、ポリマーマトリックス単独よりも高い引張強さおよび凝着強さを有するフォームを製造することが可能であるが、フォームはマトリックスよりも低い密度を有する。これは高い強度の、低い密度の物品を製造する能力を提供する。
【0050】
シェルとして使用できる適当な熱可塑性樹脂の例は下記のものを包含する。アクリル酸およびメタクリル酸のエステル、例えば、ポリアクリレート;アクリレート−アクリロニトリルのコポリマー;およびメタクリレート−アクリル酸のコポリマー。塩化ビニリデンを含有するポリマー、例えば、塩化ビニリデン−メタクリレートのコポリマー、塩化ビニリデン−アクリロニトリルのコポリマー、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリロニトリル−メチルアクリレートのコポリマー、およびアクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリロニトリル−メチルアクリレートのコポリマーを使用することもできるが、高い強度を望む場合、好ましくない。一般に、高い強度を望む場合、微小球のシェルは好ましくは20重量%以下の塩化ビニリデン、より好ましくは15重量%以下の塩化ビニリデンを有する。塩化ビニリデン単位を本質的に含まない微小球は、高い強度の用途にさらになお好ましい。
【0051】
適当な商業的に入手可能な発泡性ポリマー微小球の例は、表示「F30D」、「F80SD」、および「F100D」でピアース・ステベンス(Pierce Stevens)(ニューヨーク州バッファロー)から入手可能であるものを包含する。また、表示「Expanxel 551」、「Expanxel 461」、および「Expanxel 091」でアクゾ−ノウベル(Akzo−Nobel)から入手可能である発泡性ポリマー微小球は適当である。これらの微小球の各々は、アクリロニトリルを含有するシェルを有する。さらに、F80SD、F100D、およびExpanxel 091微小球は、シェルの中に塩化ビニリデン単位を本質的にもたない。
【0052】
発泡性微小球の量は、フォーム生成物の所望の性質に基づいて選択される。一般に、微小球の濃度が高いほど、フォームの密度は低い。一般に、発泡性微小球の量は、約0.1重量部〜約50重量部(ポリマー樹脂の100部に基づく)、より好ましくは約0.5重量部〜約20重量部の範囲である。
【0053】
また、フォームは多数の他の添加剤を含むことができる。適当な添加剤の例は下記のものを包含する。粘着付与剤(例えば、ロジンエステル、テルペン、フェノール、および脂肪族、芳香族、または脂肪族および芳香族の合成炭化水素樹脂の混合物)、可塑剤、顔料、色素、非発泡性ポリマーまたはガラスの微小球、強化剤、疎水性または親水性のシリカ、炭酸カルシウム、靭性付与剤、難燃剤、酸化防止剤、微粉砕ポリマー粒子、例えば、ポリエステル、ナイロン、またはポリプロピレン、安定剤、およびそれらの組み合わせ。化学的発泡剤をその上添加することができる。このような発泡剤は所望の最終性質を得るために十分な量で添加される。
【0054】
物品の性質は、1またはそれ以上のポリマー組成物をフォームと組み合わせることによって、調節可能である。これらの追加の組成物はいくつかの形態、例えば、層、ストリップ、およびその他を取ることができる。発泡した組成物および非発泡組成物の両方を使用することができる。組成物をフォームに直接的に結合させるか、あるいは、例えば、別の接着剤を介して、間接的に結合させることができる。ある態様において、追加のポリマー組成物をフォームに除去可能に結合させる;このような組成物は引き続いてフォームから剥離することができる。
【0055】
フォームと1またはそれ以上の追加のポリマー組成物との組み合わせを有する物品の例は、第4図〜第6図に示されている。第4図を参照すると、別のポリマー層204内でパターン化されかつ組み合わせられて配置された、複数のフォームのストリップ202を有する物品200が示されている。ストリップ202の密度は、ストリップを取り囲むポリマー層204の密度と異なる。
【0056】
第5図は他の物品300を描写し、ここで複数のフォームのストリップ302が別のポリマー層304内でパターン化されかつ組み合わせられて配置されている。層304は、引き続いて、その反対面のなお他の層306に結合されている。ストリップ302の密度は、ストリップを取り囲むポリマー層304の密度と異なる。
【0057】
第6図は他の物品400を描写し、ここで複数のフォームのストリップ402が多層構造を有するポリマー層404、406、および408内に埋め込まれている。ストリップ402の密度は層404、406、および408の密度と異なる。
【0058】
好ましくは、追加のポリマー組成物は、下記においていっそう詳細に説明するように、押出可能な微小球を含有する組成物を1またはそれ以上の押出可能なポリマー組成物と同時押出すことによって、フォームに結合させることができる。ポリマー組成物の数および型は、最終フォーム含有物品の所望の性質に基づいて選択される。例えば、非接着フォームのコアの場合において、コアを1またはそれ以上の接着ポリマー組成物と組み合わせて接着物品を形成することが望ましいことがある。同時押出により製造されるポリマー組成物の他の例は、物品を剛性化するための比較的高いモジュラスのポリマー組成物(半結晶質ポリマー、例えば、ポリアミドおよびポリエステル)、物品の柔軟性を増加させるための比較的低いモジュラスのポリマー組成物(例えば、可塑化ポリ塩化ビニル)、および追加のフォーム組成物を包含する。
【0059】
押出プロセス
第7図を参照すると、ポリマーマトリックスおよび1またはそれ以上の発泡性ポリマー微小球を有するポリマーフォームを含む物品を製造する押出プロセスが示されている。このプロセスによれば、ポリマー樹脂を最初に第1押出機10(典型的には一軸スクリュー押出機)の中に供給する。押出機10は樹脂を柔化し、押出に適当な小さい粒子に粉砕する。ポリマー樹脂は究極的にフォームのポリマーマトリックスを形成するであろう。ポリマー樹脂を任意の好都合な形態、例えば、ペレット、ビレット、パッケージ、ストランド、およびロープ形態で押出機10に添加することができる。
【0060】
次に、樹脂粒子と発泡性微小球を除外したすべての添加剤とを、第2押出機12(例えば、一軸または二軸スクリュー押出機)に押出機の混練区画直前の点において供給する。いったん組み合わせられると、樹脂粒子および添加剤を押出機12の混練ゾーンに供給し、ここでそれらをよく混合する。最適な混合を達成するように、混合条件(例えば、スクリューの速度、スクリューの長さ、および温度)を選択する。好ましくは、微小球の発泡を引き起こすために不十分である温度において、混合を実施する。また、微小球の発泡温度より高い温度を使用することが可能であり、この場合において温度は混合後にかつ微小球の添加前に低下させる。
【0061】
混合が不必要である場合、例えば、添加剤が存在しない場合、混練工程を省略することができる。さらに、ポリマー樹脂が既に押出に適当な形態である場合、第1押出工程を省略し、樹脂を押出機12に直接添加することができる。
【0062】
いったん樹脂粒子および添加剤が適切に混合されたとき、生ずる混合物に発泡性ポリマー微小球を添加し、溶融混合して発泡性押出可能な組成物を形成する。溶融混合工程の目的は、発泡性ポリマー微小球および他の添加剤、存在する程度に、溶融したポリマー樹脂全体を通して実質的に均質に分布している、発泡性押出可能な組成物を製造することである。典型的には、溶融混合操作において、1つの混練ブロックを使用して適切な混合を得るが、簡単な運搬要素をその上使用することができる。溶融混合の間に使用する温度、圧力、剪断速度、および混合時間は、微小球の発泡または破壊を引き起こさいで、この発泡性押出可能な組成物を製造するように選択される。いったん破壊すると、微小球は発泡してフォームをつくる。特定の温度、圧力、剪断速度、および混合時間は、プロセシングする特定の組成物に基づいて選択される。
【0063】
溶融混合後、発泡性押出可能な組成物を計量して押出ダイ14(例えば、接触ダイまたはドロップダイ)の中にある長さの移送管18を通してギヤーポンプ16により入れる。ギヤーポンプ16は弁として作用してダイ圧力をコントロールし、これにより微小球の早期の発泡を防止する。ダイ14内の処理は好ましくは移送管18内の温度と実質的に同一の温度に維持され、そして発泡性微小球の発泡を引き起こすために必要な温度またはそれより高いように選択される。しかしながら、管18内の温度は微小球の発泡を引き起こすために十分に高いが、移送管内の比較的高い圧力は発泡を防止する。しかしながら、いったん組成物がダイ14に入ると、圧力は低下する。圧力低下は、ダイからの熱移動と組み合わせて、ダイ内で微小球を発泡させかつ組成物を発泡させる。ダイ内の圧力は組成物が出口に近づくにつれてダイ内の圧力はさらに低下し続け、ダイ内の微小球の発泡にさらに寄与する。ポリマー組成物がダイを通してプロセシングされるとき、ポリマー組成物がダイの出口開口に到達する前に、ダイキャビティ内の圧力が発泡性微小球の発泡を可能とするために十分に維持されるように、押出機およびダイ出口開口を通るポリマーの流速は維持される。
【0064】
フォームの形状はダイ14の出口開口の形状により支配される。種々の造形品を製造することができるが、フォームは典型的には連続または不連続のシートの形態で製造される。押出ダイはドロップダイ、接触ダイ、異形押出ダイ、環状ダイ、または注型ダイ、例えば、下記の文献に記載されているダイであることができる。Extrusion Dies:Design & Engineering Computation、Walter Michaelis、Hanser Publishers、New York、NY、1984、これは引用することによって本明細書の一部とされる。
【0065】
ポリマー組成物がダイを出る前に、発泡性微小球の、全部でないにしても、大部分は、部分的にまたは大部分発泡させることが好ましいことがある。ポリマー組成物がダイを出る前に、発泡性ポリマー微小球を発泡させることによって、より厳格な密度および厚さ(厚み)の許容度の範囲内で、生ずる発泡したフォームの製造が可能である。より厳格な許容度は、それぞれ、平均密度または厚さ(σ/χ)を超えた密度または厚さの縦(または長手)方向またはクロスウェブ(または横)方向の標準偏差として定義される。本発明に従い得ることができるσ/χは、約0.2より小さく、約0.1より小さく、約0.05より小さく、なお約0.025より小さくてもよい。そのように限定することを意図しないが、本発明に従い得ることができるより厳格な重合反応は下記の実施例により証明される。
【0066】
第7図に示すように、フォームを必要に応じて供給ロール22から分配されるライナー20と組み合わせることができる。ライナー20に適当な材料は、シリコーン離型ライナー、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)、およびポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム)を包含する。次いでライナーおよびフォームを1対のニップローラー24の間で一緒にラミネートする。ラミネーション後または押出後であるがラミネーション前に、フォームを電子線源26からの放射線に暴露してフォームを架橋する。他の放射線源(例えば、イオン線、熱線および紫外線)をその上使用することができる。架橋はフォーム凝着強さを改良する。暴露後、ラミネートを巻取りロール28上に巻取る。
【0067】
所望ならば、フォームがダイ14を出た後、ニップロールを使用してフォームを冷却ロールに対してプレスすることによって、フォーム表面の一方または両方の平滑性を増加することができる。また、慣用の微小複製技術、例えば、下記の特許出願に記載されている技術を使用して、フォームがダイ14を出た後フォームをパターン化ロールと接触することによって、フォームの一方または両方の表面上にパターンをエンボスすることが可能である:米国特許第5,897,930号(Calhoun他)、米国特許第5,650,215号(Mazurek他)およびPCT特許公開No.W98/29516AO号(Calhoun他)、これらすべては引用することによって本明細書の一部とされる。複製パターンは、フォームの所望の使用に依存して、広い範囲の幾何学的形状および大きさから選択することができる。発泡したフォームの実質的に平滑な表面は、より高い程度の精度および正確度でフォーム表面の微小複製を可能とする。また、微小複製プロセスの間のフォームに対して発揮される圧力による破砕に対して抵抗するフォームの能力により、本発明のフォーム表面のこのような高い品質の微小複製は促進される。フォームを破砕しないで微小複製技術を使用することができる。なぜなら、気体のような発泡剤に比較して、微小複製ロールの圧力下に破壊しない発泡性微小球をフォームは含むからである。
【0068】
押出プロセスを使用して、「金型内発泡の」物品を製造することができる。このような物品は、例えば、ガスケットまたはギャップシール物品、防振物品、テープのバッキング、逆行反射シートのバッキング、抗疲れマット、耐摩耗物品のバッキング、浮出し舗道マーカー接着剤パッド、およびその他としての用途を見出す。金型内発泡の物品は、微小球の発泡がいかなる認められる程度に起こらないように、ダイ14および移送管18内の圧力および温度を注意してコントロールすることによって、製造することができる。次いで生ずる物品を所望の領域、例えば、くぼみのある領域または解放表面の中に入れ、微小球の発泡を引き起こすために十分に高い温度に時間するか、あるいは暴露する。
【0069】
金型内発泡の物品は、また、化学的発泡剤、例えば、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドロラジド)を発泡性押出可能な組成物の中に添加することによって製造することができる。押出後に発泡剤を活性化させてさらに発泡を引き起こし、これにより物品が配置されている領域を充填することができる。
【0070】
また、押出プロセスを使用して異なる密度の領域を有するパターン化フォームを製造することができる。例えば、パターン化ロールまたは赤外マスクを使用して、例えば、物品がダイを出る点より下流を選択的に加熱して、室温においての表示した領域において微小球の発泡を引き起こすことができる。
【0071】
また、フォームを、例えば、層、ストリップ、ロッド、およびその他の形態の、1またはそれ以上の追加のポリマー組成物と、好ましくは追加の押出可能なポリマー組成物を微小球含有押出可能な組成物と同時押出しすることによって、組合わせることができる。1対のポリマー層の間に挟まれたフォームを有する物品を製造する、1つの好ましい押出プロセスが第7図に図解されている。第7図に示すように、ポリマー樹脂を必要に応じて第1押出機30(例えば、一軸スクリュー押出機)に添加し、ここでそれを柔化し、溶融混合する。次いで溶融混合した樹脂を第2押出機32(例えば、一軸または二軸スクリュー押出機)に供給し、ここでそれらを任意の所望の添加剤と混合する。次いで移送管34を通してダイ14の適当なチャンバーにギヤーポンプ36により、生ずる押出可能な組成物に計量して入れる。生ずる物品は3層物品であり、これはその主面の各々上にポリマー層をもつフォームのコアを有する。
【0072】
また、ダイ14に適当な供給ブロックを装備させるか、あるいは多羽根またはは多マニホールドダイを使用することによって、2層物品が製造されるように、あるいは3より多い層(例えば、10〜100またはそれ以上の層)を有する物品が製造されるように、同時押出プロセスを実施することが可能である。タイ層、プライマー層またはバリヤー層をまた含めて、層間接着を増強するか、あるいは構築物を通る拡散を減少させることができる。さらに、A材料の画分をB層にブレンド(A/AB)することによって、異なる組成の多層(例えば、A/B)を有する構築物の層間接着を改良することができる。層間接着度に依存して、B層中のAの濃度は変化するであろう。また、フォームのコアに、または物品がダイ14を出た後、同時押出されたポリマー層のいずれかに、追加のポリマー層をラミネートすることによって、多層フォーム物品を製造することもできる。使用できる他の技術は、押出されたフォーム(すなわち、押出物)をストリップまたは他の離散構造体でコーティングすることを含む。
【0073】
プロセシング後の技術、例えば、ラミネーション、エンボス、押出コーティング、溶媒コーティング、または延伸をフォームについて実施して、よりすぐれた性質を付与することができる。フォームを一軸延伸または多軸延伸(すなわち、1またはそれ以上の方向における延伸)して、フォームマトリックスおよび発泡性微小球の間に微小ボイドを含有するか、あるいはフォームマトリックスおよび発泡性微小球が分離したフォーム構造体を製造することができる(実施例85〜92参照)。第12a図〜第12d図は、一軸延伸前(第12a図および第12b図)および後(第12c図および第12d図)における、実施例86の微小構造のSEM顕微鏡写真を示す。第12a図および第12c図は、縦方向(MD)において見たフォーム微小構造の断面図である。すなわち、第12a図および第12c図について、フォームはそれがダイを出るときフォームの流れ方向に対して垂直に切断されており、流れの方向において見られている。第12b図および第12d図は、横方向(CD)において見たフォーム微小構造の断面図である。すなわち、第12b図および第12d図について、フォームはそれがダイを出るときフォームの流れ方向に対して平行に切断されており、流れの方向に対して垂直に見られている。
【0074】
フォームマトリックス、発泡性微小球の型/濃度および延伸条件の選択は、微小ボイドを有するフォーム材料を製造する能力に影響を与えることがある。延伸条件は、温度、1またはそれ以上の延伸方向、延伸速度、および延伸度(すなわち、延伸比)を包含する。フォームマトリックスと発泡性微小球との間の界面接着は、延伸(すなわち、配向)時に微小球の回りで少なくとも多少の剥離を可能とするようなものであると考えられる。また、低い界面接着は好ましいことがあると考えられる。さらに、フォームマトリックスは比較的高い伸び(例えば、少なくとも100%)を行うことができることが見出された。フォーム試料の延伸は、フォームマトリックスと延伸間に形成する微小球との間に微小ボイドが形成するために、フォームの密度の減少(例えば、約50%まで)を引き起こすことがある。微小ボイドは延伸(配向)プロセス後に残留することができるか、あるいは消失することができる(すなわち、つぶれるが、界面は非結合で残留する)。さらに、顕著な密度が減少するか、あるいはしない、フォームマトリックスと微小球との間の剥離はフォームの機械的性質の有意な変更(例えば、フォームの柔軟性の増加、剛性の減少、軟度の増加、およびその他)を生ずることがある。究極的フォームの用途に依存して、所望の性質を発生するように、材料の選択および延伸条件を選択することができる。
【0075】
押出可能なポリマー組成物は架橋可能であることが望ましいことがある。架橋は生ずるフォームの凝着強さを改良することができる。発泡の前、間または後に、例えば、熱エネルギー(すなわち、加熱活性化硬化)を使用することによって、溶融混合工程とポリマーがダイ開口を出るときとの間の少なくとも開始までに押出可能なポリマーを架橋することが望ましいことがある。あるいは、また、押出可能なポリマー組成物を、ダイを出るときに、例えば、熱放射線、化学線、またはイオン化放射線またはそれらの組み合わせへの暴露により、架橋することができる。また、イオンの相互作用に基づく化学的架橋方法を使用することによって、架橋を達成することができる。仕上げられたフォーム物品の性質に影響を及ぼすために、架橋度をコントロールすることができる。押出されたポリマーを、本明細書において記載するように、ラミネートする場合、ラミネーション前後にポリマー押出物を架橋することができる。フォームのための適当な熱的架橋剤はエポキシドおよびアミンを包含することができる。組成物がダイを出る前に、濃度は過剰の架橋またはゲルの形成を回避するために十分であることが好ましい。
【0076】
用途
フォームを含有する物品は種々の用途において有用であり、このような用途は、例えば、宇宙空間、自動車、および医学的用途を包含するが、これらに限定されない。物品の性質は所望の用途の要求を満足するように調節される。用途の特定の例は、防振物品、医療用包帯、テープのバッキング、逆行反射シートのバッキング、抗疲労マット、耐摩耗物品のバッキング、浮出し舗装道路マーカーの接着パッド、ガスケット、およびシーラントを包含する。
下記の実施例により、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0077】
試験方法
表面粗さ
レーザー三角形分割輪郭測定(Laser Triangulation Profilometer)(Cyberscan 200、Cyberoptics、ミネソタ州ミネアポリス、から入手可能である)を使用して、変位の関数として表面トポロジーを測定した。1マイクロメートルの点範囲セレクター分解能(PRS−40)を有するHeNeレーザー(654nm)を使用して、すべての測定値を室温において収集した。全50跳躍(jump)(全長=1250マイクロメートル)を有する25マイクロメートルの離散跳躍で試料を横切って動かすように、レーザーをプログラムした。試料の大きさは1250×1250マイクロメートルと測定された。データの線形回帰の適合を減じ、平均をゼロに位置決定することによって、粗さのデータをレベリングした。下記の関係式を使用して、表面粗さ、Ra、を計算した。
【0078】
【数1】

ここでRaは表面粗さであり、Lmは全変位長さであり、そしてzはxの変位における高さである。
【0079】
90°剥離接着
フォームの感圧接着シートを0.127mm厚さの陽極処理アルミニウムのシートにラミネートする。1.27cm×11.4cmのテープのストリップをシートから切断し、ベースコート/クリアーコート自動車ペイント塗料(RK−7072、DuPont Co.から)で塗装された金属支持体に適用する。次いで6.8kgの金属ローラーを使用する全4回通過により、ストリップをロールダウンする。試験前に、下記の条件の1つにおいて試料をエージングする。
室温(22℃)において1時間
室温(22℃)において3日間
70℃において7日間
100℃および100%湿度において5日間
【0080】
エージング後、テープを90°の角度で30.5cm/分の速度において引き離すように、パネルをインストロン引張り試験機(InstronTM Tensile Tester)に取り付ける。結果をポンド/0.5インチで測定し、ニュートン/デシメートル(N/dm)に変換する。
【0081】
T−剥離接着
この試験は、特記しない限り、ASTM D3330−87に従い実行する。寸法11.43cm×1.27cm幅を有するフォームのテープのストリップを、2枚の陽極処理アルミニウムストリップ(10.16cm長さ×1.59cm幅×0.127mm厚さ)の間にラミネートする。ラミネートした試料を室温(22℃)において少なくとも1時間コンディショニングし、次いでインストロン引張り試験機により180°剥離および30.48インチ/分のクロスヘッド速度において凝着強さについて試験する。試験結果をポンド/0.5インチ幅で記録し、そして結果をニュートン/デシメートル(N/dm)に変換する。
【0082】
引張りおよび伸び
この試験は、特記しない限り、ASTM D412−92に従い実行する。フォーム試料を中央部分において0.635mmの幅を有する「イヌ骨」形に切断する。試料の端をインストロン引張り試験機にクランプし、50.8cm/分のクロスヘッド速度で引き離す。この試験において、ピーク応力(ポンド/平方インチ、キロパスカル(kPas)に変換する)、伸びまたはピーク歪の量(もとの長さの%)、およびピークエネルギー(フィートポンド、ジュール(J)に変換する)を測定する。
【0083】
静剪断強さ
感圧接着フォームのテープの2.54cm×2.54cmのストリップを、約2.54cm×2.54cm×0.51mm厚さの陽極処理アルミニウムパネルにラミネートする。2.54cmのオーバーラップが存在し、パネルの端が互いに反対方向に延びるように、同じ大きさの第2パネルをテープの上に配置する。次いでパネルに対する試料の接触領域が2.54cm×2.54cmであるように、試料を6.8kgの金属ローラーでロールダウンする。製造したパネルを室温、すなわち、22℃において少なくとも1時間コンディショニングする。次いでパネルを70℃のオーブンの中に吊下げ、垂直から2°で位置決定して剥離モードの破損を防止する。750gの重りを試料の自由端に吊下げる。秤量した試料がパネルから分離して落下するために要求される時間(分)を記録する。破損が10,000分以内に起こった場合、試験を中断し、結果を10,000+分として記録する。
【0084】
ホットメルト組成物1
90部のIOA(イソオクチルアクリレート)、10部のAA(アクリル酸)、0.15部の2ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(IrgacureTM651、Ciba Geigyから入手可能である)および0.03部のIOTG(イソオクチルチオグリコレート)を混合することによって、感圧接着剤組成物を製造した。米国特許第5,804,610号(1977年8月28日提出、1998年9月8日発行、引用することによって本明細書の一部とされる)に記載されているように、ほぼ10cm×5cm×0.5cm厚さのパッケージの中に組成物を入れた。パッケージングフィルムは0.0635厚さのエチレン酢酸ビニルのコポリマー(VA−24 Film、CT Film、テキサス州ダラス、から入手可能である)であった。パッケージを水浴の中に浸漬し、同時に3.5ミリワット/cm2の強度および1627ミリジュール/cm2の全エネルギー(NISTユニットで測定した)の紫外線に暴露した。生ずる接着剤は約1.1デシリットル/gのIV(極限粘度数)、5.6×105g/モルのMwおよび1.4×105g/モルのMnを有した。
【0085】
ホットメルト組成物2
97部のIOAおよび3部のAAを使用した以外、ホットメルト組成物1についての手順に従い、パッケージされた接着剤を製造した。
【0086】
ホットメルト組成物3
80部のIOAおよび20部のAAを使用した以外、ホットメルト組成物1についての手順に従い、パッケージされた接着剤を製造した。
【0087】
ホットメルト組成物4
米国特許第4,833,179号(Young他、その全体において引用することによって本明細書の一部とされる)に記載されている手順に従い、96部のIOAおよび4部のメタクリル酸を有するホットメルト感圧接着剤組成物を製造した。
【0088】
ホットメルト組成物5
46.25部のイソオクチルアクリレート、46.25部のn−ブチルアクリレート(nBA)、および7.5部のAAを使用した以外、ホットメルト組成物1についての手順に従い、パッケージされた接着剤を製造した。次いでパッケージされた接着剤を二軸スクリュー押出機の中で17%のEscorezTM粘着付与剤(Exxon Chemical Corp.から入手可能である)と配合してホットメルト組成物5を形成した。
【0089】
ホットメルト組成物6
45部のIOA、45部のnBA、および10部のAAを使用した以外、ホットメルト組成物5についての手順に従い、ホットメルト接着性組成物を製造した。
【0090】
ホットメルト組成物7
パッケージ中の組成物がまた0.25部のアクリルオキシベンゾフェノン/100部のアクリレートを含有する以外、ホットメルト組成物1についての手順に従い、パッケージされたホットメルト組成物を製造した。
【0091】
ホットメルト組成物8
米国特許第5,637,646号(Ellis、その全体において引用することによって本明細書の一部とされる)に記載されている手順に従い、90部のIOAおよび10部のAAを有するホットメルト組成物を製造した。
【0092】
ホットメルト組成物9
ホットメルト組成物1についての手順に従い、95部のIOAおよび5部のAAを有するホットメルト組成物を製造した。
【0093】
ホットメルト組成物10
ホットメルト組成物1についての手順に従い、90部の2−エチルヘキシルアクリレートおよび10部のAAを有するホットメルト組成物を製造した。
【0094】
押出プロセス
パッケージされたホットメルト組成物を51mmの一軸スクリュー押出機(Bonnot)に供給し、配合した。押出機および押出機の出口端における柔軟なホース中の温度のすべてを93.3℃に設定し、それからの流速をゼニス(Zenith)ギヤーポンプでコントロールした。200rpmのスクリュー速度で作動する3つの添加口を有する30cmの同時回転する二軸スクリュー押出機(Werner Pfleider)に、配合された接着剤を約10ポンド/時(4.5kg/時)の流速で供給した。二軸スクリュー押出機中のゾーンのすべてについての温度を、特定の実施例に示す特定の温度に設定した。下流の押出機バレルの約3/4における第3供給口に対して下流に、発泡性ポリマー微小球を添加した。ホースおよびダイの温度を特定の実施例について示す温度に設定した。1.016mmの厚さにくさびを入れた15.24cm幅のドロップダイに、押出物を送り込んだ。生ずるフォームシートは約1mmの厚さであった。押出されたシートを7.2℃に設定した冷却ロール上にキャストし、約25℃に冷却し、次いで0.127mm厚さのポリエチレン離型ライナー上に移送した。
【0095】
実施例1〜5
前述のプロセスにおけるホットメルト組成物1を使用し、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルを含有するシェル組成物を有する発泡性ポリマー微小球(F100D、Pierce Stevens、ニューヨーク州バッファロー)を変化する量で使用して、実施例1〜5のフォームシートを製造した。接着性組成物100部当たりの微小球の量(重量部)(EMS−pph)を表1に示す。押出機の温度を93.3℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193.3℃に設定した。冷却後、押出されたフォームシートを0.127mm厚さのポリエチレンフィルムに移送し、そして300keVの加速電圧および6.1m/分の速度で作動する電子線プロセシングユニット(ESI Electro Curtain)を使用して架橋した。測定した電子線の線量は4メガラド(mrads)であった。フォームのすべては粘着性であった。実施例1、2、4、および5におけるフォームシートを2層フィルムの接着剤にニップロールの圧力下に結合(例えば、ラミネート)した。50部のイソプロパノールと50部のn−プロパノールとの溶媒ブレンド中に10部のポリアミド(Macromelt 6240、Henkelから)を溶解し、この溶液を離型ライナー上にコーティングし、そして121℃において約15分間炉乾燥することによって、フィルム接着剤の第1層を製造した。フィルム接着剤の第2層は、Re24906(Ulrich、引用することによって本明細書の一部とされる)に開示されている方法に従い作った65部のIOA、30部のメチルアクリレート、および5部のAAの組成を有する溶媒をベースとする感圧接着剤であった。次いで溶媒をベースとする感圧接着剤上に離型ライナーを配置し、フィルム接着剤のポリアミド側をフォームに圧力ラミネートした。テープを90°剥離接着、T−剥離接着、引張りおよび伸び、および静剪断強さについて試験した。実施例のすべてについての試験結果およびフォーム密度を表1に示す。
実施例1のフォームは29マイクロメートルの表面粗さ(Ra)を有した。
【0096】
実施例6
押出機の温度を121℃に設定し、ホースおよびダイの温度を177℃に設定した以外、実施例3の手順に従い、フォームシートを製造した。冷却後、フォームを8mradsの線量で架橋した。
【0097】
実施例7〜9
押出機の温度を121℃に設定し、微小球の量が実施例7、8、および9について、それぞれ、6、8、および10pphであった以外、実施例1の手順に従い、感圧接着剤でコーティングしたフォームテープを製造した。
【0098】
実施例10〜13
押出機の温度を82℃に設定し、ホースおよびダイの温度を104℃に設定し、そして下記において特定する条件に従った以外、実施例3の手順に従いフォームシートを製造した。
【0099】
実施例10について、2pphの発泡性ポリマー微小球(F50D、Pierce Stevensから入手可能である)を使用し、そして押出機の流速は4.08kg/時であった。
実施例11について、2pphのアクリロニトリル、塩化ビニリデン、およびメチルメタアクリレートを含有するシェル組成物を有する発泡性ポリマー微小球(Expancel 461、Akzo Nobelから入手可能であるカプセル封入された微小球)を使用した。
実施例12について、2pphのアクリロニトリル、メタクリロニトリル、およびメチルメタアクリレートを含有するシェル組成物を有する発泡性ポリマー微小球(Expancel 091、Akzo Nobelから入手可能である)を使用し、押出機の温度を93.9℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193.3℃に設定した。フォームを平均自由空間について測定した。表面粗さ(Ra)は14マイクロメートルであり、そしてフォームの一部分を第1(a)図および第1(b)図に示す。
【0100】
実施例13について、2pphのアクリロニトリル、メタクリロニトリル、およびメチルメタアクリレートを含有するシェルを有する発泡性ポリマー微小球(F80SD微小球、Pierce Stevensから入手可能である)を使用し、押出機の温度を93.3℃に設定した。さらに、0.15重量部/100部のアクリレートの2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−4−メトキシフェニル)−s−トリアジンを発泡性ポリマー微小球と混合し、押出機に添加した。生ずるフォームを水銀蒸気ランプにより500ミリジュール/cm2のエネルギー(NISTユニット)において架橋した。フォームは33マイクロメートルの表面粗さ(Ra)を有した。
【0101】
実施例14〜15
押出機の温度を121℃に設定し、10重量%の溶融した粘着付与剤(EscorezTM180、Exxon Chemical Co.から入手可能である)を押出機バレル中の第1口に添加した以外、それぞれ、実施例2および3の手順に従い、感圧接着フォームのテープを製造した。押出物の流速は4.08kg/時の配合されたアクリレートおよび0.45kg/時の粘着付与剤であった。
【0102】
実施例16
0.2部/100部のアクリレートの化学的発泡剤(4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドロラジド)、Uniroyal Chemical Co.からCelogen OTとして得られる)を微小球と混合し、押出機に添加した以外、実施例2の手順に従い、感圧接着フォームのテープを製造した。
【0103】
実施例17
押出機の温度を110℃に維持した以外、実施例2の手順に従い、感圧接着フォームのテープを製造した。50重量部のF80SD発泡性ポリマー微小球と50重量部の混合化学的発泡剤(BIH、85%の重炭酸ナトリウムと15%のクエン酸との混合物、Boehringer−Ingelheimから入手可能である)との混合物を2pphの割合で添加した。押出物の流速は3.54kg/時であった。生ずるフォームを実施例1におけるように6mradsの線量で架橋させた。
【0104】
実施例18
1.6pphのF80SD発泡性ポリマー微小球ならびに0.4pphのガラスバブル(S−22,Minnesota Mining & Manufacturing Companyから入手可能である)を添加した以外、実施例3の手順に従いフォームシートを製造した。微小球およびガラスバブルを一緒に混合した後、押出機に添加した。
フォームは一方の主表面上において24マイクロメートルおよび他方の主表面上において21マイクロメートルの表面粗さ(Ra)を有した。
【0105】
実施例19〜20
上記押出プロセスに従いホットメルト組成物3および2pphの発泡性ポリマー微小球(F80SD)を使用して、フォームシートを製造した。押出機の温度を110℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193℃に設定した。押出機の供給速度は3.58kg/時であった。実施例20は、また、可塑剤(Santicizer 141、Monsantoから入手可能である)を含み、これを押出機の中に0.36/時で供給した。フォームを実施例1の手順に従い架橋した。実施例19を実施例1のフィルム接着剤にさらにラミネートした。
【0106】
実施例21
ホットメルト組成物4を二軸スクリュー押出機の中に直接供給し、4pphのF80SD発泡性ポリマー微小球を使用した以外、実施例20の手順に従いフォームシートを製造した。
【0107】
実施例22〜27
F100Dの代わりにF80発泡性ポリマー微小球を使用し、押出機の温度を104℃に設定した以外、実施例2の手順に従い、実施例2のフィルム接着剤を有する感圧接着フォームのシートを製造した。また、添加剤を各実施例において下記の型および量で第1押出機口に供給した。
【0108】
実施例22−10重量%のポリエチレンの押出物(EngageTM8200、Dow Chemical Companyから入手可能である)を押出機に0.45kg/時の速度で第1口の中に添加した。
実施例23−20重量%のスチレン−イソプレン−スチレンのブロックコポリマー(KratonTMD1107、Shell Chemical Companyから入手可能である)を押出機に0.9kg/時の速度で添加した。フォームは一方の主表面上において25マイクロメートルおよび他方の主表面上において19マイクロメートルの表面粗さ(Ra)を有した。
【0109】
実施例24−他の接着剤をフォームにラミネートしない以外、実施例23と同一であった。
実施例25−25重量%のポリエステルの押出物(DynapolTM1402、Huls Americaから入手可能である)を押出機に1.13kg/時の速度で添加した。
実施例26−他の接着剤をフォームにラミネートしない以外、実施例25と同一であった。
【0110】
実施例27
ホットメルト組成物7および2pphの発泡性ポリマー微小球(F80SD)を使用して、感圧接着フォームのシートを製造した。押出機の温度を104℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193℃に設定した。生ずるフォームを冷却し、300キロ−電子ボルト(Kev)の加速電圧において4mradsの線量の電子線で架橋させた。
【0111】
実施例28
25.4cm幅の羽根型同時押出ダイをドロップダイの代わりに使用し、押出機の温度を104℃に設定し、そしてF80SD発泡性ポリマー微小球を使用した以外、実施例3の手順に従い単一層フォームシートを製造した。外側羽根を通る材料の流れは存在しなかった。冷却したフォームを300Kevの加速電圧において6mradsの線量の電子線で架橋した。
【0112】
実施例29
ホットメルト組成物2を使用した以外、実施例28の手順に従いフォームシートを製造した。
【0113】
実施例30
F100D発泡性ポリマー微小球を使用した以外、実施例29の手順に従いフォームシートを製造した。
【0114】
実施例31〜33
外側羽根は開いており、ホットメルト組成物5の1層をフォームシートの各主表面上に同時押出した以外、実施例29の手順に従いフォームシートを製造した。組成物3の層の厚さは、実施例31、32および33について、それぞれ、50マイクロメートル、100マイクロメートルおよび150マイクロメートル(すなわち、2ミル、4ミルおよび33ミル)であった。押出機および追加の層についてのホース温度を177℃に設定した。実施例31のフォームシートは24マイクロメートルの表面粗さ(Ra)を有した。
【0115】
実施例34
押出機の温度を93.3℃に設定し、ホースおよびダイの温度を171℃に設定し、そして粘着付与剤を使用した以外、実施例31の手順に従いフォームシートを製造した。押出機の供給速度は組成物1について4.08kg/時であり、そして粘着付与剤(EscorezTM180)について0.45kg/時であった。ホットメルト組成物5をフォームの各主表面上に100マイクロメートルの厚さに同時押出した。同時押出した複合体を275Kevの加速電圧において8mradsの線量の電子線で架橋した。
【0116】
実施例35
粘着付与剤の代わりに、低密度ポリエチレン(DowlexTM2517、Dow Chemical Co.から入手可能である)を押出機に1.36kg/時の速度で添加し、組成物1を3.18kg/時の速度で添加した。ホットメルト組成物6をフォームの各主表面上に50マイクロメートルの厚さに同時押出した。生ずる同時押出し複合体を冷却し、250Kevの加速電圧において6mradsの線量の電子線で架橋した。
【0117】
実施例36〜37
微小球がF80SDおよびF100D微小球の50/50ブレンドであり、押出機の温度を93℃に設定し、ホースおよびダイの温度を171℃に設定した以外、実施例31の手順に従い感圧接着フォームのシートを製造した。実施例36を250Kevの加速電圧において6mradsの線量の電子線で架橋した。ダイの外側羽根を実施例37について開いており、そしてフォームをフォームの1つの主表面上で低密度ポリエチレン(DowlexTM2517)の0.15mm厚さで同時押出した。冷却後、ポリエチレン層を接着剤から除去することができた。この実施例はライナーを有する感圧接着フォームを例示する。さらに、2層組成物を電子線で架橋してフォームをポリエチレンに恒久的に結合することができる。
【0118】
実施例38
ホットメルト組成物8を二軸スクリュー押出機に直接供給した以外、実施例28の手順に従い感圧接着フォームのシートを製造した。
【0119】
実施例39
ホットメルト組成物9を使用し、押出機の供給速度を4.5kg/時であった以外、実施例19の手順に従い感圧接着フォームのシートを製造した。
【0120】
実施例40〜42
組成物1をエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)を押出すことによって、フォームシートを製造した。実施例40、41および42に使用したEVAは、それぞれ、ElvaxTM250(25のメルトインデックス、28%の酢酸ビニル含量)、ElvaxTM260(6.0のメルトインデックス、28%の酢酸ビニル含量)およびElvaxTM660(2.5のメルトインデックス、12%の酢酸ビニル含量)であった。EVAのすべてはデュポン社(DuPont Co.)から入手した。組成物1を押出機に2.7kg/時の速度で供給し、EVAを1.8kg/時の速度で供給した。3pphのF100D発泡性ポリマー微小球を装入した。押出機の温度を104℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193℃に設定した。さらに、実施例40および41をフォームの両方の主表面上に0.064mm厚さの層のホットメルト組成物1と同時押出した。同時押出したフォームのすべてを300Kevの加速電圧において6mradの線量の電子線で架橋した。実施例40の表面粗さ(Ra)は27マイクロメートルであった。
【0121】
実施例43
EVA(ElvaxTM250)のみを3pphの発泡性ポリマー微小球(F100D)と押出した以外、実施例40の手順に従い非粘着性フォームシートを製造した。表面粗さ(Ra)はフォームの一方の主表面上で23マイクロメートルであり、フォームの他方の主表面上で27マイクロメートルであった。
【0122】
実施例44
EVAの代わりに、高密度ポリエチレン(DowlexTMIP−60、Dow Chemical Co.から入手可能である)を使用した以外、実施例40の手順に従いフォームシートを製造した。組成物1およびポリエチレンの供給速度は、それぞれ、3.63kg/時および0.91kg/時であった。
【0123】
実施例45
低密度ポリエチレン(DowlexTM2517)を使用した以外、実施例44の手順に従いフォームシートを製造した。組成物1およびポリエチレンの供給速度は、それぞれ、3.18kg/時および1.36kg/時であった。
【0124】
実施例46
ホットメルト組成物9をポリエステル(DynapolTM1157、Hulsから入手可能である)および3pphの発泡性ポリマー微小球(F80)と押出した以外、実施例44の手順に従いフォームシートを製造した。押出機の温度を93℃に設定し、ホースおよびダイの温度を171℃に設定した。ダイの端プレートを199℃の温度に設定して、シートを横切って均一な厚さを形成した。組成物9およびポリエステルの供給速度は、それぞれ、3.18kg/時および1.36kg/時であった。生ずるフォームを冷却し、275Kevの加速電圧において6mradsの線量の電子線で架橋した。
【0125】
実施例47
ポリエステル(DynapolTM1157)のみを4pphの発泡性ポリマー微小球(F80SD)と押出した以外、実施例46の手順に従い非粘着性フォームシートを製造した。フォームは27マイクロメートルの表面粗さ(Ra)を有した。
【0126】
実施例48
ホットメルト組成物1および高密度ポリエチレンの両方を押出機に2.27kg/時の速度で2pphの発泡性ポリマー微小球(F80SD)とともに供給した以外、実施例44の手順に従い直径2.54cmの円筒形フォームを製造した。フォームが円筒形でホースから押出されるように、ダイを除去した。
【0127】
実施例49
ホットメルト組成物1およびブロックコポリマーの両方を押出機に2.27kg/時の速度で2pphの発泡性ポリマー微小球(F80SD)とともに供給した以外、実施例23の手順に従い直径1.27cmの円筒形フォームを製造した。ダイを除去し、フォームを円筒形でホースから押出した。
【0128】
実施例50〜52
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(KratonTMD1107)を実施例1の二軸スクリュー押出機に1.8kg/時の速度で供給することによって、実施例50のフォームシートを製造した。粘着付与剤(EscorezTM1310LC、Exxon Chemical Co.から入手可能である)を第1口に1.8kg/時の速度で供給し、発泡性ポリマー微小球を第3口に2部/100部のブロックコポリマーおよび粘着付与剤の速度で供給した。押出機の温度を121℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193℃に設定した。生ずるフォーム接着剤は33.7lbs/ft3(539.2Kg/m3)の密度を有した。この試料は延伸活性化離型(すなわち、延伸離型可能な)特性、例えば、米国特許第5,507,467号(これは引用することによって本明細書の一部とされる)に記載されている特性を有した。
【0129】
実施例51において、8pphのF80SD発泡性ポリマー微小球を使用した以外、実施例51の手順に従いフォームシートを製造した。生ずるフォーム接着剤は16.5lbs/ft3(264Kg/m3)の密度を有した。
実施例52において、ブロックコポリマーがスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(Kraton G1657、Shell Chemical Co.から入手可能である)であり、粘着付与剤がArkon P−90であった以外、実施例51の手順に従いフォームシートを製造した。生ずるフォーム接着剤は36.9lbs/ft3(590.4Kg/m3)の密度を有した。この試料は、また、前述のBries他の米国特許および公開PCT特許出願に記載されているような、延伸活性化離型特性を有した。
【0130】
実施例53
押出機の温度を93℃に設定し、ホースおよびダイの温度を171℃に設定した以外、実施例31の手順に従いフォームシートを製造した。このフォームをシートの各主表面上に0.1mmの層の接着剤とともに同時押出した。接着剤は粘着化スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(HL2646、HB Fullerから入手可能である)であった。生ずるフォーム接着剤は29bs/ft3(464Kg/m3)の密度を有した。
【0131】
実施例54〜57
2.1の極限粘度数を有するポリヘキセン二軸スクリュー押出機に4.5kg/時の速度で供給し、発泡性ポリマー微小球(F100D)を実施例54について2pphおよび実施例55について4pphの速度で供給することによって、フォームシートを製造した。ポリヘキセンを3.31kg/時の速度で供給し、粘着付与剤(Arkon P−115、Arakawa Chemical USAから入手可能である)を第1口に1.63kg/時の速度で供給し、発泡性ポリマー微小球を0.3pphの2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−4−メトキシフェニル)−s−トリアジンと混合した後、押出機に添加した以外、それぞれ、実施例54および55の手順に従い実施例56および57のフォームシートを製造した。
【0132】
実施例58
ホットメルト組成物1を10.16mmのBonnot一軸スクリュー押出機中でプロセシングした。押出機を室温において作動させ、機械的に発生した熱で組成物を軟化し、混合した。次いで混合物を二軸スクリュー押出機(40mmのBerstorff(ZE−40)同時回転する二軸スクリュー押出機)のゾーン1の中に供給し、ここでそれを発泡性ポリマー微小球(F100)と混合した。標準的配合スクリュー設計を使用し、ゾーン2において前方向ゾーン4、ゾーン6およびゾーン8において逆方向混練し、残部のゾーンにおいて自己ワイピング要素が存在した。スクリュー速度は125RPMであり、52.7キロパスカルの作動圧力および11.3kg/時の流速を生じた。押出機の温度を104℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193℃に設定した。この温度のプロファイルは配合の間の発泡を防止し、発泡性ポリマー微小球の破裂を最小にした。押出物の流れをNormagギヤーポンプでコントロールした。Gehrickeフィーダー(GMD−60/2)により発泡性ポリマー微小球を計量して0.23kg/時の速度で二軸スクリュー押出機のゾーン7の中に入れた。1mmに間隙調整した15.24cm幅のドロップダイを193℃において作動させた。ウェブを冷却キャストロール上にキャストし、離型ライナーに1.5m/分の速度でラミネートした。冷却後、ESI Electro Curtainによりフォームシートを300Kevの加速電圧において8mradの線量の電子線で架橋した。生ずるフォームを第2(a)図および第2(b)図に示す。フォームは37マイクロメートルの表面粗さ(Ra)を有した。
【0133】
実施例59〜61
これらの実施例は、金型内発泡の用途において使用するために適当であるフォームを例示する。フォームシートが10pphのF80SD発泡性ポリマー微小球を含有し、押出機、ホース、およびダイのすべての温度を88℃に設定して、ダイ中のフォームの発泡を最小にした以外、実施例3の手順に従い実施例59のフォームシートを製造した。フォームは架橋せず、55lbs/ft3(880Kg/m3)の密度を有した。193℃に5分間加熱した後、密度は13lbs/ft3(208Kg/m3)に減少した。ホットメルト組成物2を使用し、押出機、ホース、およびダイのすべての温度を104℃に設定した以外、実施例59の手順に従い実施例60のフォームシートを製造した。冷却後、フォームは60lbs/ft3(960Kg/m3)の密度を有した。193℃に5分間加熱した後、密度は15lbs/ft3(240Kg/m3)に減少した。ポリエステル(DynapolTM1157)を押出機に9kg/時の速度で供給し、押出機、ホース、およびダイのすべての温度を110℃に設定した以外、実施例59の手順に従い実施例61のフォームシートを製造した。1.14mm厚さのフォームシートを275Kevの加速電圧において6mradの線量の電子線で架橋した。
【0134】
【表1】

【0135】
【表2】

【0136】
実施例62〜70および比較例C1
変化する量の表2に示す発泡性ポリマー微小球を使用して、実施例3の手順に従い感圧接着フォームを製造した。押出機の温度を104℃に設定し、ホースおよびダイの温度を193℃に設定した。実施例62〜66はF100Dを含有し、実施例67〜70はF80SDを含有した。比較例C1は微小球を含有しなかった。いずれの実施例も架橋しなかった。引張強さ(ピーク応力)、伸び率およびオーバーラップ剪断試験のデータが示すように、フォームの性質は発泡性微小球の量によりコントロール可能であり、微小球を添加すると、微小球を含有しない同一組成物よりもフォームの強度を増加させる。使用したオーバーラップ剪断試験は、試料の大きさが2.54cm×2.54cmであり、25℃において1000gの配合を使用した以外、前述の試験と同一であった。
【0137】
【表3】

【0138】
実施例71
5pphのF100D発泡性ポリマー微小球をホットメルト組成物2とともに使用し、炭化水素の粘着付与剤(ForalTM85、Hercules Inc.、デラウェア州ウィルミントン、から入手可能である)を添加した以外、実施例28の手順に従い感圧接着フォームを製造した。ホットメルト組成物を押出機に2.9kg/時の速度で供給し、粘着付与剤を押出機に1.7kg/時の速度で供給した。押出機の温度を93℃に設定し、ホースおよびダイの温度を177℃に設定した。生ずるフォームはほぼ0.38mm厚さであり、引き続いて300Kevの加速電圧において8mradの線量の電子線で架橋した。接着性フォームを米国特許第5,450,235号(Smith他、その全体において引用することによって本明細書の一部とされる)に記載されている柔軟性逆行反射シートにラミネートした。
【0139】
発泡した接着剤を有する再帰反射シートを室温においてポリエチレンバレル(Traffix Devices、カリフォルニア州サンクレメンテ、から入手可能である)に適用した。バレルを約49℃のオーブンの中に3日間入れた。バレルをオーブンから取出し、室温に約24時間保持した。次いでバレルをトラックの中に−1℃において1週間配置した。評価した接着剤を有するシートは、試験期間の終わりにおいて、バレルからの剥離またはそりを示さなかった。
【0140】
包含同時押出
剥離接着
フォームの包含同時押出試料を0.127mm厚さの陽極処理アルミニウムにラミネートした。1.27cm×11.4cmのテープのストリップをシートから切断し、ステンレス鋼支持体に適用した。次いで6.8kgの金属ローラーを使用する4回通過により、ストリップをロールダウンした。試料を22℃、50%相対湿度において1日間エージングした。エージング後、テープが90°の角度で12インチ/分(30.5cm/分)の速度で引き離されるように、パネルをインストロン引張り試験機に取り付ける。試料を縦方向(すなわち、フォームがダイの中から外に流れる方向またはMD)、剥離方向はフィラメントに対して平行である、および横方向(すなわち、流れ方向に対して垂直である方向またはCD)、剥離方向はフィラメントに対して垂直である、の両方の方向において試験した。抵抗をポンド/0.5インチで測定し、ニュートン/cm(N/cm)に変換する。
【0141】
引張りおよび伸び率
この試験は、特記しない限り、ASTM D412−92に従い実行する。フォーム試料を中央部分において2.54mmの幅を有する「イヌ骨」形に切断する。試料の端をインストロン引張り試験機にクランプし、12インチ/分(30.5cm/分)のクロスヘッド速度で引き離す。この試験において、ピーク応力(ポンド/平方インチ、キロパスカル(kPas)に変換する)、および伸びまたはピーク歪の量(もとの長さの%)を測定する。
【0142】
静剪断強さ
感圧接着フォームテープの2.54cm×2.54cmのストリップを、約2.54cm×5.08cm×0.51mm厚さのステンレス鋼パネルにラミネートする。2.54cmのオーバーラップが存在し、パネルの端が互いに反対方向に延びるように、同じ大きさの第2パネルをテープの上に配置する。次いでパネルに対する試料の接触領域が2.54cm×2.54cmであるように、試料を6.8kgの金属ローラーでロールダウンする。製造したパネルを室温、すなわち、22℃において少なくとも24時間コンディショニングする。次いでパネルを25℃のオーブンの中に吊下げ、垂直から2°で位置決定して剥離モードの破損を防止する。1000gの重りを試料の自由端に吊下げる。秤量した試料がパネルから分離して落下するために要求される時間(分)を記録する。静剪断試料を破損について試験し、試験した各試料は凝着破損モードを示した。
【0143】
実施例72〜84
下記の米国特許出願に開示されているような特別に設計された同時押出ダイを使用して実施した連続的押出により、埋め込められた熱可塑性フィラメントを含有するフォーム試料を製造した。米国特許出願、1999年7月30日提出、発明の名称:POLYMERIC ARTICLES HAVING EMBEDED PHASES、発明者:Scott G. Norquist、Dennis L. Krueger、Alan J. Sipinen、Robert H. Menzies、Thomas P. Hanschen、Ronald P. Leseman、Sharon N. Mitchell、James C. Nygard、Victor P. ThalackerおよびJan Ockeloen、同一譲渡人に特許出願として譲渡され、代理人の処理番号:54324USA4A、これは引用することによって本明細書の一部とされる。これらの試料の略線図は第4図に示されている。連続フォームマトリックスは、ホットメルト組成物1、IOTG濃度0.1重量%および2ppmのF100D発泡性微小球から成っていた。ギヤーポンプを装備した34mmのLeistritzTM完全インターメッシング、同時回転二軸スクリュー押出機(American Leistritz Extruder Corp.、ニュージャージイ州ソマービレ、から入手可能である)のゾーン1に接着剤を添加した。Gerickeフィーダー(GMD−60)により、微小球を二軸スクリュー押出機のゾーン9に添加した。二軸スクリュー押出機の温度プロファイルは次の通りであった。ゾーン1=93℃(200゜F)およびゾーン2〜12=104℃(220゜F)。この押出機のスクリュー立体配置は微小球の添加前において2つの混練区画および微小球添加後において1つの混練区画を有したが、スクリューの残部は運搬要素であった。二軸スクリュー押出機は100rpmのスクリュー速度、7rpmのギヤーポンプ速度、および9.1MPa(1320psi)のヘッド圧力を有し、これらは13.6kg/時(30lbs/時)の流速を提供した。フィラメント材料はポリエチレン−ポリオクテンコポリマー(EngageTM8200)であり、これを同時押出ダイに32mm(1.25インチ)のKillionTM一軸スクリュー押出機(KTS−125型、Davis−Standard Killion Systems、ニュージャージイ州セダーグローブ、から入手可能である)により供給し、この押出機は24:1の長さ/直径比および3つのバレルゾーンを有し、これらのゾーンの温度プロファイルは次の通りであった。ゾーン1、193℃(380゜F)、ゾーン2、210℃(410゜F)およびゾーン3および4、232℃(450゜F)。スクリューは3:1の圧縮比を有するSaxton混合要素を有した。32mmの押出機は10rpmおよび5.1MPa(740psi)のヘッド圧力において作動し、0.9kg/時(2lbs/時)の流速を提供した。変更された45cm(18インチ)幅のCloerenTM2層多マニホールドダイ(96−1502型、Cloeren Co.、テキサス州オレンジ、から入手可能である)により、フィラメントを同時押出してフォームの中に埋め込んだ。羽根は前に引用することによって本明細書の一部とされたケース(代理人の処理番号:54324USA4A)に示されているようにくり抜かれており、そして前縁または先端は切断されて羽根マニホールドが形成されていた。羽根先端は円形オリフィスを有し、各オリフィスは508ミクロン(20ミル)の直径を有し、4.1mm(0.160インチ)の間隔で分離されており、羽根先端2.5mm(0.100インチ)からマトリックス流れの中に延びていた。ダイを193℃(380゜F)で作動させた。フォームを紙ライナー上に1.2m/分(4fpm)の引き取り速度でキャストして、625ミクロン(25ミル)の全体の厚さにした。引き続いて試料を300Kevの加速電圧において6mradsの線量のESI Eklectroicure電子線で架橋した。
【0144】
実施例72は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および2pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは存在しなかった。これはKTS−125サテライト押出機を作動させないことによって達成された。
実施例73は、F100D濃度が4pphである以外、実施例1の手順に従い製造した。
【0145】
実施例74は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および2pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは10重量%のDowTMEngageTM8200ポリオレフィンエラストマーからなっていた。
実施例75は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および2pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは20重量%のDowTMEngageTM8200ポリオレフィンエラストマーからなっていた。
【0146】
実施例76は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および2pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは30重量%のDowTMEngageTM8200ポリオレフィンエラストマーからなっていた。
実施例77は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および4pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは10重量%のDowTMEngageTM8200ポリオレフィンエラストマーからなっていた。
実施例78は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および4pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは20重量%のDowTMEngageTM8200ポリオレフィンエラストマーからなっていた。
【0147】
実施例79は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および2pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは10重量%のShell Kraton D1107熱可塑性エラストマーからなっていた。
実施例80は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および2pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは20重量%のShell Kraton D1107熱可塑性エラストマーからなっていた。
実施例81は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および2pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは30重量%のShell Kraton D1107熱可塑性エラストマーからなっていた。
【0148】
実施例82は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および4pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは10重量%のExxon Escoreneポリプロピレン3445からなっていた。
実施例83は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および4pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは20重量%のExxon Escoreneポリプロピレン3445からなっていた。
実施例84は、ホットメルト組成物1(IOTG=0.1%)および4pphのF100Dからなるフォームマトリックスを使用して前述の条件下に製造した。フィラメントは30重量%のExxon Escoreneポリプロピレン3445からなっていた。
【0149】
【表4】

【0150】
表3および第8図〜第10図の論考
表3は、実施例72〜84についての密度、剥離接着、静剪断、および引張り/伸び率の結果の要約を表す。非架橋包含同時押出試料のみを静剪断強さについて評価した。架橋した試料のみを密度、剥離接着および引張り/伸び率について評価した。
【0151】
第8図は、実施例73、77および78について変位の関数としてフィラメント方向に対して平行方向(MD)に加えられた剥離力を示す。この図面が証明するように、フィラメント材料が0重量%から20重量%に増加するとき、剥離接着は本質的に一定である。第9図は、実施例73、77および78について変位の関数としてフィラメント方向に対して垂直方向(CD)に加えられた剥離力を示す。実施例73は構造を示さないが、実施例77および78は特性周波数および振幅により特徴づけられる、劇的に異なる挙動を示す。実施例77および78における最大の間の周波数は正確にフィラメント間の距離であり、この期間は濃度とともに変化しないことに注意すべきである。しかしながら、最小と最大との間の振幅は、フィラメント濃度が10%から20%に増加するとき、劇的に変化する。さらに、CD方向における接着値はMDにおけるより高い。こうしてフィラメント濃度およびフィラメント間の距離を操作することによって、フィラメント方向に対して平行および垂直の両方向における種々の量で剥離挙動を設計することができる。
【0152】
第10図は、実施例72、79、80および81について変位の関数としてフィラメント方向に対して平行方向(MD)に加えられた剥離力を示す。この図面が証明するように、フィラメント材料が0重量%から30重量%に増加するとき、剥離接着はわずかに減少する。第11図は、実施例72、79、80および81について変位の関数としてフィラメント方向に対して垂直方向(CD)に加えられた剥離力を示す。実施例72は構造を示さないが、実施例79、80および81は特性周波数および振幅により特徴づけられる、劇的に異なる挙動を示す。実施例79、80および81における最大の間の周波数は正確にフィラメント間の距離であり、この期間は濃度とともに変化しないことに注意すべきである。しかしながら、第9図と対照的に、力の最大と最小との間の振幅は、フィラメント濃度が増加するとき、変化しない。したがって、フィラメントの型はまた剥離力/変位の関係の特性の決定においてある役割を演ずる。理論に拘束されないで、フィラメント材料の特性がフォームマトリックスといっそう異なるようになるとき、最大と最小との間の振幅は増加すると考えられる。
【0153】
単一成分のフォーム系により得ることができないが、埋め込まれた離散構造の包含同時押出により得ることができる他の独特な性質は、例えば、フィラメントに沿ってかつフィラメント間で縦方向に手で引き裂くことができる性質、延伸離型性、引張り性質の増強、接着性の調節を包含する(第9図および第11図および対応する論考参照)。
【0154】
フォーム材料中の熱可塑性フィラメントの包含同時押出は、材料の引張り力および伸び特性を劇的に増強することができる。これらの性質は、高い応力/低い伸び率から低い応力/高い伸び率に変化する引張り性質を生成するように、最適なフィラメント材料およびフィラメント濃度を選択することによって操作可能である。フィラメント方向に対して平行および垂直の両方向における接着挙動は、フィラメント材料、フィラメント間隔、およびフィラメント濃度を変化させることによって操作可能である。
【0155】
延伸フォームの実施例85〜92
単一層(B)および3層(ABA)フォーム試料を、下記の条件を除外して、上記実施例1におけるように製造した。A層はホットメルト組成物10を使用して形成された、非発泡感圧接着スキン層である。B層はホットメルト組成物10、種々の熱可塑性ポリマーブレンド成分、および種々の発泡性微小球(Pierce Stevens、ニューヨーク州バッファロー、から入手可能である)を使用して形成された、発泡層である。A層はほぼ2.5ミルの厚さであり、そしてB層はほぼ40ミルの厚さであった。押出機の温度を93.3℃に設定し、ホースおよびダイの温度を176.7℃に設定した。熱可塑性ブレンド成分を種々の濃度でゾーン1に添加し、ホットメルト組成物10をゾーン3に添加し、そして発泡性微小球をゾーン9に添加した。A層における感圧接着材料を2インチの一軸スクリュー押出機(SSE)により供給した。
【0156】
外径0.5インチ(1.27cm)のフレキシブルチューブにより、A層およびB層の両方を押出機から多層フィードブロックに送った。ABAセレクタープラグを有する3層Cloerenフィードブロック(Cloeren Company、テキサス州オレンジ、96−1501型)により、A層およびB層をABA配置で組合わせた。フィードブロックにおいて層を組合わせた後、10インチ(25.4cm)幅のUltraflex 40ダイ(Extrusion Dies Incorporated、ウイスコンシン州チッパワフォールズ)を使用して材料を平らなシートに形成した。フィードブロックおよびダイの両方を約176℃の温度において作動させた。ダイを出たABA構築物を7℃に維持された温度制御のステンレス鋼キャストドラム上にキャストした。冷却後、フォームを0.127mm厚さのポリエチレンライナーに移送し、フィルム巻き取り装置上に集めた。Bonnot SSEを分離することによって、単一層のフォーム構築物を作った。フォーム試料を室温において2.5:1から8:1の範囲(すなわち、その長さの2.5〜8倍の範囲)に一軸延伸した。
【0157】
前述の条件下に80重量%のホットメルト組成物1、20重量%のDow Engage 8200および4pphのF100Dから成るフォームマトリックスを使用して、実施例85を製造した。接着スキン層(すなわち、A層)は存在しなかった。非架橋フォーム試料を室温においてそのもとの長さの2.5倍に一軸延伸または配向した。
【0158】
フォームマトリックスの組成が40重量%ホットメルト組成物1、60重量%のDow Engage 8200および4pphのF100Dであった以外、実施例85の手順に従い実施例86を製造した。
前述の条件下に25重量%のホットメルト組成物10、75重量%のShell Kraton D1107および4pphのF80SDからなるフォームマトリックスを使用して、実施例87を製造した。接着スキン層は存在しなかった。非架橋フォーム試料を室温においてそのもとの長さの8.1倍に一軸延伸または配向した。
【0159】
前述の条件下に50重量%のホットメルト組成物10、50重量%のDuPont Elvax 260および4pphのF80SDからなるフォームマトリックスを使用して、実施例88を製造した。ホットメルト組成物10の接着スキン層は存在した(ABA)。非架橋フォーム試料を室温においてそのもとの長さの2.8:1の比で一軸延伸した。
50重量%のホットメルト組成物10、50重量%のDuPont Elvax 260および6pphのF80SDから成るフォームマトリックスを使用した以外、実施例88の手順に従い実施例89を製造した。これらの試料は最小伸び率を有し、室温において延伸することができなかった。
【0160】
50重量%のホットメルト組成物10、50重量%のDuPont Elvax 260および9pphのF80SDから成るフォームマトリックスを使用した以外、実施例88の手順に従い実施例90を製造した。これらの試料は最小伸び率を有し、室温において延伸することができなかった。
前述の条件下に50重量%のホットメルト組成物10、50重量%のShell Kraton D1107および4pphのF80SDからなるフォームマトリックスを使用して、実施例91を製造した。ホットメルト組成物10の接着スキン層は存在した(ABA)。非架橋フォーム試料を室温においてそのもとの長さの6:1の比で一軸延伸した。
50重量%のホットメルト組成物10、50重量%のShell Kraton D1107および6pphのF80SDからなるフォームマトリックスを使用した以外、実施例91の手順に従い実施例92を製造した。ホットメルト組成物10の接着スキン層は存在した(ABA)。非架橋フォーム試料を室温においてそのもとの長さの6:1の比で一軸延伸した。
【0161】
【表5】

【0162】
熱的架橋剤の実施例93〜96
実施例93において、100部のホットメルト組成物10を2部のF80発泡性微小球および5部の架橋剤、N,N,N',Nテトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジパミド(Primid XL−552、EMS Chemieから入手可能である)と混合し、架橋剤の活性化温度より低い温度においてダイを通して、約1mmの厚さに押出した。生ずるフォームはわずかの量のゲル粒子を有したが、フォームの形成および押出しは阻害されなかった。フォームをシリコーンコーティングされたポリエステル離型ライナーにラミネートし、冷却した。第2シリコーンコーティングされたポリエステル離型ライナーを接着剤にラミネートし、このラミネートを177℃に設定したオーブン中で30分間ベーキングした。冷却後、試料をDCT5002でコーティングされた金属支持体に適用し、エージングを次のように変化させた以外、前述の試験に従い、試料を90°剥離接着について試験した。エージング後の試験結果(ニュートン/デシメートル)は次の通りである。
【0163】
22℃において20分 − 37.8N/dm
22℃において3日間 − 90.0N/dm
100℃/100%湿度において3日間 − 186.3N/dm
70℃において3日間 − 565N/dm
実施例94〜96において、使用した架橋剤および組成物が次の通りである以外、実施例93の手順に従い接着剤を製造した。
【0164】
実施例94において、50.7gのホットメルト組成物10、1.1gのF80発泡性微小球、および5gのビスフェノールAのジクリシジルエーテル(EponTM828、Shell Chemical Co.から入手可能である)。
実施例95において、39gのホットメルト組成物10、0.8gのF80発泡性微小球、4滴のシクロ脂肪族エポキシ(SarCat K126、Sartomerから入手可能である)、1滴のトリス−2,4,6−(ジメチルアミノメチル)フェノール(K−54、Anchor Corp.から入手可能である)。
実施例96において、39.2gのホットメルト組成物10、0.8gのF80発泡性微小球、2滴の水中に溶解したN,N,N',Nテトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジパミド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー三角形分割輪郭測定により測定して、約75マイクロメートルより小さいRa値を有する実質的に平滑な表面を有するポリマーフォームを含み、前記ポリマーフォームが複数の微小球を含み、それらの少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球である、物品。
【請求項2】
前記物品が接着物品である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記ポリマーフォームが複数の前記微小球からそれらの界面において分離されている、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記ポリマーフォームが軸方向延伸されている、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記フォームがウレタン架橋および尿素架橋を実質的に含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記フォームが1対の主表面を有し、それらの少なくとも1つが実質的に平滑である、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記ポリマーフォームが接着剤である、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項8】
前記フォームが架橋されている、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記ポリマーフォームがアクリルフォームを含む、請求項1に記載のフォーム。
【請求項10】
前記ポリマーフォームが複数の前記発泡性ポリマー微小球を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記微小球が非発泡性微小球を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記発泡性ポリマー微小球が塩化ビニリデン単位を実質的に含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記フォームが、粘着付与剤、可塑剤、顔料、色素、固体充填材、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記フォームが破壊したポリマー微小球を実質的に含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記物品が前記フォームに結合したまたはその中に埋め込まれた複数の離散構造体の形態の少なくとも1種の他のポリマー組成物を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
(a) 複数の微小球、それらの少なくとも1つは発泡性ポリマー微小球である、及び
(b) ウレタン架橋および尿素架橋を実質的に含まないポリマーマトリックス、
を含み、
前記マトリックスが2種以上のポリマーのブレンドを含み、前記ブレンド中の前記ポリマーの少なくとも1種が感圧接着性ポリマーを含み、そして前記ポリマーの少なくとも1種が不飽和熱可塑性エラストマー、アクリル不溶性飽和熱可塑性エラストマー、及び非感圧接着性熱可塑性ポリマーからなる群から選択される、
ポリマーフォームを含む物品。
【請求項17】
前記フォームが1対の主表面を含み、それらの少なくとも1つがレーザー三角形分割輪郭測定により測定して、約75マイクロメートルより小さいRa値を有する、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記物品が接着物品である、請求項16に記載の物品。
【請求項19】
前記ポリマーフォームが接着剤である、請求項16に記載の物品。
【請求項20】
前記フォームが架橋されている、請求項16に記載の物品。
【請求項21】
前記ポリマーフォームが複数の前記発泡性ポリマー微小球を含む、請求項16に記載の物品。
【請求項22】
前記物品が前記フォームに結合したまたはその中に埋め込まれた複数の離散構造体の形態の少なくとも1種の他のポリマー組成物を含む、請求項16に記載の物品。
【請求項23】
以下の工程:
(a) 発泡性押出可能な組成物を形成するように選択された、温度および剪断速度を包含するプロセス条件で、ポリマー組成物および複数の微小球を溶融混合すること、ここで微小球の少なくとも1種は発泡性ポリマー微小球である、
(b) ダイを通して発泡性押出可能な組成物を押出して、レーザー三角形分割輪郭測定により測定して、約75マイクロメートルより小さいRa値を有する、実質的に平滑である表面を有するフォームを形成すること、及び
(c) ポリマー組成物がダイを出る前に、1種以上の発泡性ポリマー微小球を少なくとも部分的に発泡させること、
を含む、物品を製造する方法。
【請求項24】
前記物品が接着物品である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリマーフォームが接着剤である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記フォームが1対の主表面を含み、それらの少なくとも1つが実質的に平滑である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
発泡性押出可能な組成物が複数の発泡性ポリマー微小球を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
ダイの内側または外側でポリマーフォームを架橋することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
発泡性押出可能な組成物を少なくとも1種の他の押出可能なポリマー組成物と同時押出することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
発泡性押出可能な組成物を、接着ポリマー組成物である少なくとも1種の他の押出可能なポリマー組成物と同時押出することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記フォームに結合したまたはその中に埋め込まれた複数の離散構造体の形態の少なくとも1種の他の押出可能なポリマー組成物と発泡性押出可能な組成物を同時押出することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
ポリマー組成物がダイを出た後、物品を加熱して、1以上の発泡性ポリマー微小球をさらに発泡させることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
(a) 1対の主表面を有する第1支持体、および
(b) 前記第1支持体の主表面上のフォーム物品、
を含み、
前記フォーム物品はレーザー三角形分割輪郭測定により測定して、約75マイクロメートルより小さいRa値を有する実質的に平滑な表面を有するポリマーフォームを含み、
前記ポリマーフォームはポリマーマトリックスと複数の微小球を含み、前記微小球の少なくとも1種は発泡性ポリマー微小球である、
多層物品。
【請求項34】
1対の主表面を有する第2支持体をさらに含み、
前記フォーム物品は前記第1支持体と第2支持体との間に挟まれている、
請求項33に記載の多層物品。

【図1a】
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【図2a】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図1b】
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【図2b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13a】
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【図13b】
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【公開番号】特開2011−6689(P2011−6689A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−171839(P2010−171839)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【分割の表示】特願2000−562430(P2000−562430)の分割
【原出願日】平成11年7月30日(1999.7.30)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】