説明

ポリマーブレンド

ある特定のブロックコポリマーは、多成分のポリマーのブレンドおよび複合材における混和剤として好適でありうる。少なくとも1種のブロックコポリマーをポリマーブレンド中で使用すると、ポリマーブレンド複合材の物理的性質が増強される。ブロックコポリマーをポリマーブレンドに添加すると、引張り強さ、耐衝撃性、弾性率、および熱安定性などの複合材のある特定の機械的性質を、ブロックコポリマーを含有していないポリマーブレンドによって達成される最初のレベルよりも、向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年2月23日に出願された米国仮特許出願第60/655388号明細書の優先権を主張するものであり、その全体を本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、多成分のポリマーのブレンドおよび複合材における混和剤としてのブロックコポリマーの使用に関する。少なくとも1種のブロックコポリマーをポリマーブレンド中で使用すると、ポリマーブレンド複合材の物理的性質が増強される。ブロックコポリマーをポリマーブレンドに添加すると、引張り強さ、耐衝撃性、弾性率、および熱安定性などの複合材のある特定の機械的性質を、ブロックコポリマーを含有していないポリマーブレンドによって達成される最初のレベルよりも、向上させることができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の組成物は、2種類の不混和性ポリマーと少なくとも1種のブロックコポリマーとを含んでなるポリマーブレンドを含む。加えて、充填剤または添加剤などの他の任意の物質も使用してよい。ブロックコポリマーは、ブレンド中の第1不混和性ポリマーとは異なるが第1ポリマーの1つのセグメントと相互作用することができる、少なくとも1つのセグメントを有する。本発明で使用するブロックコポリマーは、第2不混和性ポリマーとは異なるが第2ポリマーと相互作用することができる、別のセグメントも含む。本発明においては、ブロックコポリマーとポリマーブレンド中の各不混和性ポリマーとの間の相互作用は一般に、共有結合、水素結合、双極子結合(dipole bonding)、イオン結合、またはこれらの組合わせのいずれかによる結合の形成と認識されている。ブロックコポリマーの少なくとも1つのセグメントと不混和性ポリマーとが関係する相互作用は、ポリマーブレンドの機械的性質を、ブロックコポリマーを含まないポリマーブレンドと比較して、望ましいレベルまで向上または回復させることができる。
【0004】
本発明はまた、少なくとも2種類の不混和性ポリマーとブロックコポリマーとを含むポリマーブレンドを形成する方法に関する。ブロックコポリマーは、各不混和性ポリマーと相互作用して、好ましくは混和性ポリマーブレンドを形成させることができる。不混和性ポリマーのブレンドへのブロックコポリマーの添加は、熱可塑性組成物、エラストマー組成物または熱硬化性組成物のいずれかに応用できる。本発明の組成物において有用なポリマーの組合わせには、ポリマーブレンドに用いるのに好適な従来のポリマーすべてが含まれる。
【0005】
好ましい実施態様では、ブロックコポリマーは、ブレンド中の不混和性ポリマー、特定の充填剤、複数の充填剤、またはこれらの組合わせに合わせて調整することができ、こうして幅広い柔軟性を持つようになっている。さらに、ブロックの設計によりさまざまな物理的性質を増強できる。あるいはまた、ブロックコポリマーはランダムコポリマーと並存するような仕方で使用することができる。
【0006】
定義
本発明においては、本出願で使用している以下の用語は、次のように定義されている。
「ポリマーのブレンド」または「ポリマーブレンド」は、2種以上のポリマー物質の混合物を指し、その中では、一方のポリマー物質が連続相を形成するかまたは2種以上の物質の共連続相(co−continuous phase)を形成している。
「ブロック」は、多数のモノマー単位を含む、ブロックコポリマーの一部を指し、それは隣接したブロックにはない少なくとも1つの特徴を有する。
「混和性混合物」は、第2物質の連続マトリックス中において分散系を形成できる物質、または両方の物質の共連続(co−continuous)ポリマー分散系を形成できる物質を指す。
「ブロックコポリマーとマトリックスポリマーとの間の相互作用」は、共有結合、水素結合、双極子結合、またはイオン結合、あるいはこれらの組合わせのいずれかによる結合の形成を指す。
「ブロックコポリマー」とは、少なくとも2種類の組成的に別個のセグメントを有するポリマー、例えば、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、ランダムブロックコポリマー、星状枝分れブロックコポリマーまたはハイパーブランチブロックコポリマーを意味する。
「ランダムブロックコポリマー」は、少なくとも2種の別個のブロックを有するコポリマーであって、少なくとも1種のブロックが少なくとも2種類のモノマー単位のランダム配置を含んでいるコポリマーを意味する。
「ジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマー」は、近接したモノマー単位のすべて(転移点の場合を除く)が同一であるポリマーを意味する。例えば、ABは、組成の異なるAブロックおよびBブロックから構成されるジブロックコポリマーであり、ABCは、Aブロック、BブロックおよびCブロック(それぞれ組成が異なる)から構成されるトリブロックコポリマーである。
「星状枝分れブロックコポリマー」または「ハイパーブランチブロックコポリマー」は、いくつかの線状ブロック鎖で構成されるポリマーであって、単一の分岐点または接触点によって各鎖の一端でブロック鎖が互いに結合されているものを意味し、放射状(radial)ブロックコポリマーとも呼ばれる。
「末端官能基化」とは、ポリマー鎖が少なくとも一方の鎖末端において官能基で終結していることを意味する。
「不混和性」とは、対象の(加工または使用)温度において、2種類のポリマーまたは成分が相互に可溶性でないことを意味する。不混和性ブレンドは、ほぼ純粋な成分によって本質的に構成される別個の相を形成する、2種以上の成分の混合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ポリマーブレンドは、少なくとも2種類の不混和性ポリマーおよび混和性混合物中の1種または複数種のブロックコポリマーを含む。加えて、充填剤または添加剤などの他の任意の物質も用いてよい。ブロックコポリマーは、1つのポリマーと相互作用することができる少なくとも1つのセグメント、およびブレンド中の別のポリマーと相互作用することができる別のセグメントを有する。ブロックコポリマーの少なくとも1つのセグメントと1つのポリマー成分とが関係する相互作用は、ポリマーブレンドの機械的性質を、ブロックコポリマーを含まないポリマーブレンドと比較して、望ましいレベルまで向上または回復させることができる。
【0008】
ポリマー成分
不混和性ポリマー成分は一般に、任意の熱可塑性または熱硬化性ポリマーまたはコポリマーであり、これに対して1つのブロックコポリマーまたは複数のブロックコポリマーを使用できる。ポリマー成分としては、炭化水素系ポリマーおよび非炭化水素系ポリマーの両方が挙げられる。有用なポリマー成分の例としては、ポリアミド、ポリイミド、フルオロポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリ尿素、およびポリビニル樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
1つの好ましい用途として、溶融加工性(melt-processible)ポリマーがあり、その場合、構成成分は、ポリマー押出品またはポリマー成形品が形成される前に、溶融混合段階で分散させられる。
【0010】
本発明においては、溶融加工性組成物とは、組成物の少なくとも一部が溶融状態にある間に加工できる組成物である。
【0011】
従来から知られている溶融加工方法および装置を、本発明の組成物の加工に使用できる。溶融加工のやり方の非限定例としては、押出し成形、射出成形、バッチ混合、および回転成形などが挙げられる。
【0012】
別の好ましい用途では、コーティング用途でのコーティングの前に溶剤ブレンディングを伴う。この用途の場合、本発明の組成物を、1種または複数種の溶剤に溶かしてからコーティングとしてキャストする。溶剤ブレンド用途の非限定例としては、接着剤、ラッカーおよび塗料などが挙げられる。
【0013】
好ましいポリマー成分としては、ポリオレフィン(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP))、ポリオレフィンコポリマー(例えば、エチレン−ブテン、エチレン−オクテン、エチレンビニルアルコール)、ポリスチレン、ポリスチレン含有ポリマーおよびコポリマー(例えば、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、フルオロポリマー、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ビニルエステル、またはこれらの組合わせなどが挙げられる。
【0014】
各不混和性ポリマー成分は、溶融加工性組成物に、典型的には約10重量%より多くかつ90%未満の量だけ含まれ、その他の成分が組成物の残りを占める。各不混和性ポリマー成分の量は、例えば、ポリマーの種類、ブロックコポリマーの種類、充填剤の種類、加工装置、加工条件および所望の最終生成物によって変化することになることを、当業者なら認識している。
【0015】
有用な組成物は、所望により、酸化防止剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、および顔料などの従来の添加剤を含んでよい。ポリマー成分は、粉末、ペレット、顆粒の形態で、あるいは他の任意の押し出し可能な形態で、溶融加工性組成物に含有させることができる。
【0016】
エラストマーは、ポリマーブレンドに用いるのに好適な別のサブセットである。有用なエラストマー系ポリマー樹脂(すなわち、エラストマー)としては、熱可塑性および熱硬化性エラストマー系ポリマー樹脂、例えば、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、ポリクロロプレン、ポリ(2,3−ジメチルブタジエン)、ポリ(ブタジエン−co−ペンタジエン)、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリスルフィドエラストマー、シリコーンエラストマー、ポリ(ブタジエン−co−ニトリル)、水素化ニトリル−ブタジエンコポリマー、アクリルエラストマー、エチレン−アクリレートコポリマーなどが挙げられる。
【0017】
有用な熱可塑性エラストマー系ポリマー樹脂としては、ガラス質ブロックまたは結晶ブロックで構成されるブロックコポリマーが挙げられる。本発明においては、ポリマーブレンドとして用いるのに好適なポリマーは、ブレンド中の第2ポリマーとは不混和性であるが、本発明において使用される特定の添加ブロックコポリマーの少なくとも1つのセグメントと相互作用できるものである。非限定例としては、ポリスチレン、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(t−ブチルスチレン)、およびポリエステル、ならびにポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブチレンコポリマーなどのエラストマー系ブロックなどが挙げられる。例えば、テキサス州ヒューストンのシェル・ケミカル・カンパニー(Shell Chemical Company,Houston,Texas)から「クラトン(KRATON)」という商品名で販売されているポリ(スチレン−ブタジエンスチレン)ブロックコポリマーがある。さらに、ポリエーテルエステルブロックコポリマーなども使用してよい。上述のエラストマー系ポリマー樹脂のコポリマーおよび/または混合物も使用できる。
【0018】
有用なポリマー成分はフルオロポリマーであってもよい。有用なフルオロポリマーとしては、例えば、2,5−クロロトリフルオロエチレン、2−クロロペンタフルオロプロペン、3−クロロペンタフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、1−ヒドロペンタフルオロプロペン、2−ヒドロペンタフルオロプロペン、1,1−ジクロロフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニルフルオリド、全フッ素置換されたビニルエーテル(例えば、パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)(CFOCFCFCFOCF=CFなど)、またはパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(パーフルオロ(メチルビニルエーテル)またはパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)など)を含むモノマー、硬化部位モノマー(例えば、ニトリル含有モノマー(例えば、CF=CFO(CF)LCN、CF=CFO[CFCF(CF)O](CFO)CF(CF)CN、CF=CF[OCFCF(CF)]O(CFCN、またはCF=CFO(CFOCF(CF)CN(式中、L=2〜12、q=0〜4、r=1〜2、y=0〜6、t=1〜4、およびu=2〜6)など)、臭素含有モノマー(例えば、Z−Rf−O−CF=CF(式中、ZはBrまたはIであり、Rfは置換または非置換のC〜C12のフルオロアルキレン(これは全フッ素置換されていてよく、1個または複数個のエーテル酸素原子を含んでいてよい)であり、xは0または1である)、あるいはそれらの組合わせから(例えば、ラジカル重合によって)製造可能なもの、所望により追加の非フッ素化モノマー(例えば、エチレンまたはプロピレンなど)と組合せて製造可能なものなどが挙げられる。そのようなフルオロポリマーの具体例としては、ポリフッ化ビニリデン;テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのコポリマー;テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロプロピルビニルエーテル、およびフッ化ビニリデンのコポリマー;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー;テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロ(プロピルビニルエーテル));およびそれらの組合わせなどが挙げられる。
【0019】
有用な市販の熱可塑性フルオロポリマーとしては、例えば、ミネソタ州オークデールのダイネオンLLC(Dyneon,LLC,Oakdale,Minnesota)から商品名「THV」(例えば、「THV220」、「THV400G」、「THV500G」、「THV815」、および「THV610X」)、「PVDF」、「PFA」,「HTE」、「ETFE」、および「FEP」として販売されているもの;ペンシルバニア州フィラデルフィアのアトフィナ・ケミカルズ(Atofina Chemicals,Philadelphia,Pennsylvania)から「キナール(KYNAR)」という商品名で販売されているもの(例えば、「キナール(KYNAR)740」);ニュージャージー州ソロフェアのソルベイ・ソレクシス(Solvay Solexis,Thorofare,New Jersey)から商品名「ハイラー(HYLAR)」(例えば、「ハイラー(HYLAR)700」)および「ハラー(HALAR)ECTFE」として販売されているものなどが挙げられる。
【0020】
ブロックコポリマー
1種または複数種のブロックコポリマーは、ポリマーマトリックス中の各不混和性ポリマーと相互作用して混和性ブレンドを形成するように作られていることが好ましい。混和性混合物は、第2物質の連続マトリックス中において分散系を形成できる、または両方の物質の共連続ポリマー分散系を形成できる物質を指す。ブロックコポリマーは、ポリマーブレンドの第1ポリマーとは異なるが第1ポリマーと相互作用することができる、少なくとも1つのセグメントを有する。ブロックコポリマーは、第2ポリマーと相互作用することができる、第2ポリマーとは異なる少なくとも1つのセグメントも有する。本発明の範囲を限定することを意図するものではないが、ある意味において、出願人らは、ブロックコポリマーがポリマーブレンド中の不混和性ポリマーに対して混和剤(compatibilizing agent)として働くことができると考えている。
【0021】
ブロックコポリマーの好ましい例としては、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、ランダムブロックコポリマー、星状枝分れコポリマーまたはハイパーブランチコポリマーなどが挙げられる。さらに、ブロックコポリマーは末端官能基を有していてよい。
【0022】
ブロックコポリマーは一般に、種々のモノマーを順次重合させて形成される。ブロックコポリマーの有用な形成方法としては、例えば、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合法、およびラジカル重合法などが挙げられる。
【0023】
ブロックコポリマーは、官能部分を介して不混和性ブレンド中のポリマーと相互作用する。官能ブロックは、典型的には1個または複数の極性部分を有し、極性部分としては、例えば、酸(例えば、−COH、−SOH、−POH);−OH;−SH;第一、第二、または第三アミン;N−置換または非置換アミドアンモニウムおよびN−置換または非置換ラクタムアンモニウム(ammonium N−substituted or unsubstituted amides and lactams);N−置換または非置換チオアミドおよびチオラクタム;無水物;線状または環状のエーテルおよびポリエーテル;イソシアネート;シアナート;ニトリル;カルバメート;尿素類;チオ尿素類;複素環式アミン(例えば、ピリジンまたはイミダゾール))がある。そのような基を導入するのに使用できる有用なモノマーとしては、例えば、酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸があり、さらに米国特許出願公開第2004/0024130号明細書(ネルソン(Nelson)ら)に記載されたようにしてt−ブチルメタクリレートモノマー単位の酸触媒脱保護によって形成されるメタクリル酸官能基(methacrylic acid functionality)を含む);アクリレートおよびメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシアクリル酸エチル)、アクリルアミドおよびメタクリルアミド、N−置換およびN,N−二置換アクリルアミド(例えば、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−(ジメチルアミノ)エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド)、N−エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、およびN−エチル−N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド)、脂肪族アミン(例えば、3−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン);および複素環式モノマー(例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−(2−アミノエチル)ピリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、3−アミノキヌクリジン、N−ビニルピロリドン、およびN−ビニルカプロラクタム)などが挙げられる。
【0024】
その他の好適なブロックは、典型的には、例えば、脂肪族および芳香族の炭化水素部分(少なくとも約4個、8個、12個、または18個もの炭素原子を有するものなど);フッ素化脂肪族および/またはフッ素化芳香族の炭化水素部分(例えば、少なくとも約4個、8個、12個、または18個もの炭素原子を有するものなど);およびシリコーン部分などの、1つまたは複数の疎水性部分を有する。
【0025】
そのようなブロックを導入するのに有用なモノマーの非限定例としては、炭化水素オレフィン(エチレン、プロピレン、イソプレン、スチレン、およびブタジエンなど);環状シロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサンおよびデカメチルテトラシロキサンなど);フッ素化オレフィン(テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、およびクロロフルオロエチレンなど);非フッ素化アルキルアクリレートおよびメタクリレート(アクリル酸ブチル、イソオクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートなど);フッ素化アクリレート(式HC=C(R)C(O)O−X−N(R)SO'(式中、R'は、−C13、−C9、または−Cであり、Rは水素、C〜C10のアルキル、またはC−C10のアリールであり、Xは二価の結合基である)を有するパーフルオロアルキルスルホンアミドアルキルアクリレートおよびメタクリレートなど)などが挙げられる。好ましい例としては、CSON(CH)COC(O)NH(C)CHNHC(O)OCOC(O)CH=CH
または
【化1】


などが挙げられる。
【0026】
このようなモノマーは、販売元(commercial sources)から容易に入手できるし、あるいは、例えば、米国特許第6,903,173号明細書、米国特許出願第10/950932号明細書、米国特許出願第10/950834号明細書、および米国特許出願第11/280924号明細書の手順に従って容易に製造できる。これらはすべてその全体を本明細書に援用する。
【0027】
官能部分を有する有用なブロックコポリマーのその他の非限定例としては、ポリ(イソプレン−block−4−ビニルピリジン);ポリ(イソプレン−block−メタクリル酸);ポリ(イソプレン−block−グリシジルメタクリレート);ポリ(イソプレン−block−メタクリル酸無水物);ポリ(イソプレン−block−(メタクリル酸無水物−co−メタクリル酸));ポリ(スチレン−block−4−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−block−メタクリルアミド);ポリ(スチレン−block−グリシジルメタクリレート);ポリ(スチレン−block−2−ヒドロキシメタクリル酸エチル);ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−4−ビニルピリジン);ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−グリシジルメタクリレート);ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−メタクリル酸);ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−(メタクリル酸無水物−co−メタクリル酸));ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−メタクリル酸無水物);ポリ(MeFBSEMA−block−メタクリル酸)(ここで、「MeFBSEMA」は、2−(N−メチルパーフルオロブタンスルホンアミド)メタクリル酸エチルを指し、例えば、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,SaintPaul,Minnesota)から入手できるもの)、ポリ(MeFBSEMA−block−t−ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−block−t−ブチルメタクリレート−block−MeFBSEMA)、ポリ(スチレン−block−メタクリル酸無水物−block−MeFBSEMA)、ポリ(スチレン−block−メタクリル酸−block−MeFBSEMA)、ポリ(スチレン−block−(メタクリル酸無水物−co−メタクリル酸)−block−MeFBSEMA))、ポリ(スチレン−block−(メタクリル酸無水物−co−メタクリル酸−co−MeFBSEMA))、ポリ(スチレン−block−(t−ブチルメタクリレート−co−MeFBSEMA))、ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−t−ブチルメタクリレート−block−MeFBSEMA)、ポリ(スチレン−イソプレン−block−メタクリル酸無水物−block−MeFBSEMA)、ポリ(スチレン−イソプレン−block−メタクリル酸−block−MeFBSEMA)、ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−(メタクリル酸無水物−co−メタクリル酸)−block−MeFBSEMA)、ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−(メタクリル酸無水物−co−メタクリル酸−co−MeFBSEMA))、ポリ(スチレン−block−イソプレン−block−(t−ブチルメタクリレート−co−MeFBSEMA))、ポリ(MeFBSEMA−block−メタクリル酸無水物)、ポリ(MeFBSEMA−block−(メタクリル酸−co−メタクリル酸無水物))、ポリ(スチレン−block−(t−ブチルメタクリレート−co−MeFBSEMA))、および水素化形態のポリ(ブタジエン−block−4−ビニルピリジン)、ポリ(ブタジエン−block−メタクリル酸)、ポリ(ブタジエン−block−N,N−(ジメチルアミノ)アクリル酸エチル)、ポリ(ブタジエン−block−2−ジエチルアミノスチレン)、ポリ(ブタジエン−block−グリシジルメタクリレート)などが挙げられる。所望によりブロックコポリマーは、ブロックの少なくとも1つのセグメントが充填剤と相互作用することができるようなものを選択できる。
【0028】
ブロックコポリマーは、当技術分野において従来から知られているように、官能開始剤(functional initiator)を使用するかまたはリビングポリマー鎖をエンドキャッピングすることにより製造できる、末端官能基化ポリマー物質であってよい。本発明の末端官能基化ポリマー物質は、少なくとも一方の鎖末端が官能基で終了しているポリマーを含んでよい。ポリマー種は、ホモポリマー、コポリマー、またはブロックコポリマーであってよい。複数の鎖末端を有するポリマーの場合、それらの官能基は同一であっても異なっていてもよい。官能基の非限定例としては、アミン、無水物、アルコール、カルボン酸、チオール、マレアート、シラン、およびハライドなどが挙げられる。当該技術において知られているリビング重合方法を用いた末端官能基化方法を使用して、上記の物質を得ることができる。
【0029】
任意の量のブロックコポリマーを使用できるが、典型的には、ブロックコポリマーは10重量%までの範囲の量を含有させる。
【0030】
最も好ましい実施態様では、ブロックコポリマーは、ポリスチレン−4−ビニルピリジンブロックコポリマー、ポリイソプレン−4−ビニルピリジンブロックコポリマー、ポリスチレン−メタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−メタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−メタクリル酸無水物ブロックコポリマー、ポリイソプレン−メタクリル酸無水物ブロックコポリマー、ポリスチレン−フルオロメタクリレートブロックコポリマー、またはポリイソプレン−フルオロメタクリレートブロックコポリマーである。
【0031】
充填剤
1種または複数種の従来の充填剤を、所望により本発明のポリマーブレンドで使用してよい。充填剤は、ポリマーブレンドに用いるのに好適、またはブレンドを構成するポリマーの1つに用いるのに好適であることが当業者によって一般に知られている任意の充填剤であってよい。充填剤を使用すると、例えば、弾性率の増大、引張り強さの増大、および/または強度対密度比の向上など、ある特定の機械的利益がもたらされる。本発明においては、本明細書で使用される充填剤は、1種または複数種の特定タイプの充填剤あるいはポリマーブレンド中の複数の同じ個別の充填剤を意味することがある。
【0032】
本発明の組成物に有用な充填剤としては、ポリマーブレンドに用いるのに好適、またはブレンドを構成する不混和性ポリマーの1つに用いるのに好適な従来の充填剤すべてが含まれる。好ましい充填剤は、ガラス繊維、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、アルミナシリケート、雲母、珪酸カルシウム、鉄アルミン酸カルシウム(calcium alumino ferrite)(ポルトランドセメント)、セルロース系材料、ナノ粒子、三水和アルミニウム(aluminum trihydrate)、水酸化マグネシウムまたはセラミック材料である。その他の対象の繊維としては、農繊維(agricultural fiber)(植物または動物の繊維物質または副産物)などが挙げられる。セルロース系材料としては、さまざまなアスペクト比、化学組成、密度、および物理特性を有する、天然材料または木材を挙げることができる。セルロース系材料の非限定例は、木粉、木部繊維、おがくず、かんな屑、新聞用紙、紙、亜麻、大麻、もみ殻、ケナフ、ジュート、サイザル麻、およびピーナッツ殻である。
【0033】
セルロース系材料の組合わせ、またはセルロース系材料と他の充填剤との組合わせも、本発明の組成物に使用してよい。1つの実施態様では、ガラス繊維、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、セルロース系材料、およびナノ粒子を含めることができる。
【0034】
多くの場合、コストを削減し、ポリマーの機械的性質を改良するために、CaCOなどの充填剤が使用される。添加できるCaCOの量は、充填剤とポリマーとの間の界面接着が比較的不十分であるため、限られることが多い。この弱い界面が亀裂の開始部位であり、亀裂は最終的に複合材の強度を減少させる。
【0035】
別の好ましい実施態様では、充填剤は難燃組成物である。本発明では、従来のすべての難燃化合物を使用してよい。難燃化合物は、ポリマーマトリックスに添加して複合材全体の発火の恐れを少なくすることができ、発火した場合でも、かなり燃えにくくすることができるものである。難燃化合物の非限定例としては、塩素化パラフィン;塩素化アルキル燐酸;脂肪族臭素化化合物;芳香族臭素化化合物(臭素化ジフェニルオキシドおよび臭素化ジフェニルエーテルなど);臭素化エポキシポリマーおよびオリゴマー;赤リン;ハロゲン化リン;ホスファゼン;アリール/アルキルホスフェートおよびホスホネート;リン含有有機化合物(燐酸エステル、P含有アミン、P含有ポリオール);水和金属化合物(三水和アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム);窒素含有無機化合物(nitrogen−containing inorganics)(燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム);モリブデン化合物;シリコーンポリマーおよび粉末;トリアジン化合物;メラミン化合物(メラミン、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン);グアニジン化合物;金属酸化物(三酸化アンチモン);硫化亜鉛;スズ酸亜鉛;ホウ酸亜鉛;金属硝酸塩;有機金属錯体(organic metal complex);低融点ガラス、ナノ複合材(ナノクレイ(nanoclay)および炭素ナノ粒子);および膨張性グラファイトなどが挙げられる。1種またはそれ以上の化合物が、約5重量%〜約70重量%の量だけ本発明の組成物中に存在してよい。
【0036】
カップリング剤
好ましい実施態様では、充填剤をカップリング剤で処理して、ポリマーブレンド中の充填剤とブロックコポリマーとの間の相互作用を高めることができる。ブロックコポリマーの対応官能基にぴったり合う、または対応官能基と好適に反応するカップリング剤を選択することが好ましい。カップリング剤の非限定例としては、ジルコン酸塩、シラン、またはチタネートなどが挙げられる。典型的なチタネートおよびジルコン酸塩のカップリング剤は当業者に知られており、そうした物質の使用法および選択基準の詳細な概要は、モンテ・S・J(Monte,S.J.)、ケンリッチペトロケミカル社(Kenrich Petrochemicals,Inc.)、「Ken−React(登録商標)Reference Manual−Titanate,Zirconate and Aluminate Coupling Agents」(第3改定版、1995年3月)に記載されている。カップリング剤は、約1重量%〜約3重量%の量だけ含める。
【0037】
好適なシランは、縮合反応によってガラス表面と結合して、ケイ酸含有充填剤とのシロキサン結合を形成する。この処理によって、充填剤はいっそう湿潤性になるか、またはガラス表面への物質の付着が促進される。これは、無機充填剤と有機マトリックスとの間の共有結合、イオン結合または双極子結合を引き起こすメカニズムを提供する。シランカップリング剤は、所望の特定の官能価に基づいて選択する。例えば、アミノシランガラス処理は、無水物基、エポキシ基またはイソシアネート基を含んでいるブロックコポリマーと混ぜ合わせるのに望ましいことがある。あるいはまた、酸官能性によるシラン処理では、酸塩基相互作用、イオン結合または水素結合を行うことができるブロックを持つようなブロックコポリマーを選択しなければならないことがある。好適なシランカップリング方法は、バリー・アークルス(Barry Arkles)による「Silane Coupling Agents:Connecting Across Boundries」、165−189ページ、Gelest Catalog 3000− A Silanes and Silicones(ゲレスト社(ペンシルバニア州モリスビル(Gelest Inc. Morrisville、PA))に略述されている。当業者なら、ブロックコポリマー相互作用部位にぴったり合う適切なタイプのカップリング剤を選択できる。
【0038】
ポリマーブレンドにおいてブロックコポリマーと2種以上の不混和性ポリマーとを組み合わせると、得られる複合材の特定の機械的性質(引張り強さ、耐衝撃性、および弾性率など)を向上させることができる。好ましい実施態様では、弾性率は、本発明のブロックコポリマーを含まない類似のポリマー組成物と比べて、50%以上向上させることができる。さらに、引張り強さ、耐衝撃性および伸び率パーセントは、本発明のブロックコポリマーを含まないポリマー組成物と比較すると、少なくとも10%以上向上する。最も好ましい実施例では、伸び率パーセントを200%も向上させることができる。この顕著な改良は、熱可塑性ポリマー組成物とエラストマー系ポリマー組成物の両方に当てはまる。特性の向上は、ブレンド中でドメインサイズがより小さくまたより均一になっていることから分かるように、マトリックス中の不混和性ポリマーの分散が改善されているせいでありうる。ドメインサイズが小さくなり、より均一になった結果として、ブレンドが合体するという傾向が低下するため、ブレンドの経時的安定性が増大する。
【0039】
物理的特性の改善によって、本発明の複合材は、多くのさまざまな用途に適したものとなっている。非限定例として、自動車部品(例えば、Oリング、ガスケット、ホース、ブレーキパッド、計器盤、側面衝撃板(side impact panel)、バンパー、および鼻隠し板)、家庭用成形品、複合シート、熱成形品、および構造部材、押出フィルムまたはシート、インフレートフィルム、不織布、発泡体、成形最終製品、および塗料などが挙げられる。
【実施例】
【0040】
実施例全体を通して使用した材料の説明を、以下の表1に示す。
【0041】
(表1):材料

材料
説明

P(S−MAn)
ABジブロックコポリマーであるポリ[スチレン−b−メタクリル酸−co−メタクリル酸無水物]。米国特許第6,448,353号明細書および米国特許出願公開第2004/0024130号明細書に記載されている撹拌管型反応器(stirred tubular reactor)プロセスを用いて合成。Mn=125kg/モル、PDI=1.5、95/5PS/MAn(重量に基づく)

HNBR
水素化ニトリルブタジエンゴム。ケンタッキー州レキシントンのゼオン・ケミカルズUSA(Zeon Chemicals USA,Lexington,Kentucky)から「ゼットポール(Zetpol)1020」という商品名で入手可能。

FKM
ヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンのフルオロエラストマーコポリマー。ミネソタ州オークデールのダイネオンLLC(Dyneon,LLC,Oakdale,Minnesota)から「FC2145」という商品名で入手可能。

【0042】
実施例
テトラヒドロフラン(THF)100mL中に、5gのゼットポール(Zetpol)11020水素化ニトリルブタジエンエラストマーHNBRおよび5gのFC2145フルオロエラストマーを溶かした。その混合物を一晩にわたりシェーカーで撹拌した。溶液1mLを取り出し、顕微鏡用スライドに塗布した。テトラヒドロフラン(THF)50mL中に、5gのゼットポール(Zetpol)1020水素化ニトリルブタジエンエラストマーHNBRおよび5gのFC2145フルオロエラストマーおよび0.3gのP(S−Man)CAMを溶かした。この混合物を一晩にわたりシェーカーで撹拌した。1mLを取り出し、顕微鏡用スライドに塗布した。塗布されたスライドを、一晩にわたり真空オーブン中で100℃でアニールした。ブロックコポリマーを含んだブレンド(図2)とブロックコポリマーを含まないブレンド(図1)のドメインサイズの相違を、光学顕微鏡(480倍の倍率)を用いて観察した。ブロックコポリマーを含んでいるブレンドは、ドメインサイズがより小さく、より均一であった。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1ポリマーと、
b)第2ポリマーと、
c)ブロックコポリマーとを含むポリマーブレンドであって、
前記第1ポリマーと前記第2ポリマーとが不混和性であり、前記ブロックコポリマーが、前記第1ポリマーとは異なるが前記第1ポリマーと相互作用することができる少なくとも1つのセグメント、および前記第2ポリマーとは異なるが前記第2ポリマーと相互作用することができる少なくとも1つのセグメントを含んでいる、ポリマーブレンド。
【請求項2】
混和性ブレンドが形成されている、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項3】
前記ブロックコポリマーが10重量%までの量で含まれている、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項4】
前記第1ポリマーおよび第2ポリマーが両方とも硬化して熱硬化ポリマーを形成できる、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項5】
前記第1ポリマーおよび前記第2ポリマーが熱可塑性である、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項6】
前記第1ポリマーおよび前記第2ポリマーが非オレフィンである、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項7】
前記ブロックコポリマーが、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、ランダムブロックコポリマー、星状枝分れブロックコポリマー、末端官能基化コポリマーまたはハイパーブランチブロックコポリマーの1以上から選択される、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項8】
前記第1ポリマーが、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリ尿素、ポリビニル樹脂、ポリアクリレート、フッ素化ポリマーおよびポリアクリル酸メチルの1以上から選択される、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項9】
酸化防止剤、光安定剤、充填剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、微小球および顔料の1以上をさらに含む、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項10】
カップリング剤をさらに含む、請求項9に記載のポリマーブレンド。
【請求項11】
前記ブロックコポリマーが、ポリスチレン−4−ビニルピリジンブロックコポリマー、ポリイソプレン−4−ビニルピリジンブロックコポリマー、ポリスチレン−メタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−メタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−メタクリル酸無水物ブロックコポリマー、ポリイソプレン−メタクリル酸無水物ブロックコポリマー、ポリスチレン−フルオロメタクリレートブロックコポリマーまたはポリイソプレン−フルオロメタクリレートブロックコポリマーである、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項12】
2種以上のブロックコポリマーをさらに含む、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項13】
前記ブロックコポリマーが、前記第1ポリマー、前記第2ポリマーまたはその両方と同じである少なくとも1つのセグメントを含む、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項14】
ポリマーブレンドが、前記ブロックコポリマーを含まない類似の混合物と比較した場合に、引張り強さ、耐衝撃性、弾性率またはドメインサイズの1以上が向上している、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項15】
前記ポリマーブレンドがフィルムに押し出し成形される、請求項1に記載のポリマーブレンド。
【請求項16】
請求項1に記載のポリマーブレンドを溶融加工することを含む方法。

【公表番号】特表2008−531789(P2008−531789A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557177(P2007−557177)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/006514
【国際公開番号】WO2006/091768
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】