説明

ポリマー封止アルミニウム微粒子

【課題】実質的に均一な構造を有する堅牢なポリマー被膜を含む被覆板状物、被覆板状物の製造方法、および被覆板状物の提供。
【解決手段】表面結合基を使用することにより板状物の表面12aに開始剤分子を固定化すること、および板状物の表面に固定された開始剤の開始部位から重合することを伴う。開示の方法は、滑らかな被覆面14を有する堅牢な被覆板状物を製造するように、ポリマー鎖16の均一な成長を可能にする。開示の系は、開示の被覆板状物および溶媒のみを含み、板状物に共有結合した樹脂とは別のポリマー樹脂を加える必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、被覆板状物および当該被覆板状物を含む系、特に、ポリマー被覆板状物の設計および当該被覆板状物の製造方法、ならびに当該被覆板状物を含む系の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
効果顔料(Effect pigments)は、塗料、被膜、インク、およびプラスチックなどの広範な製品に金属光沢または真珠光沢を付与するために使用される。顔料フレークの1つの特性は、顔料フレークが高アスペクト比を有するので、塗布の際に表面と平行して配向する傾向があるということである。様々な効果顔料のなかでも、アルミニウム顔料は、正反射角において強い反射をもたらす能力および製品に金属性の効果を与える能力のために広く使用されている。
【0003】
効果顔料の性能は、そのマトリクスとの相互作用に左右される。顔料の適用環境における顔料の分散および親和性を向上させるための研究がなされてきた。
【0004】
顔料の表面は、顔料表面に物理的に吸収され得るかまたは化学的に顔料表面に結合され得る表面活性試薬で処理することができる。米国特許第6,761,762号は、顔料表面に結合する表面活性基を1つおよび顔料と当該顔料が適用される媒体との相互作用を調整するための少なくとももう1つの官能基を有する表面改質試薬を使用することによる顔料の表面の改質を開示している。
【0005】
顔料表面の改質および封止化はまた、バリア機能を付与するためや、環境からの攻撃から顔料を保護するためや、顔料の保存性と着色された物品の耐候性とを高めるために広範囲に利用されている。アルミニウムは、水と容易に反応し、水素および水酸化アルミニウムを形成し、これにより、ガス発生や変色が生じることが知られている。ますます厳しくなる環境規制によって、揮発性有機化合物(VOC)の含量の低減が求められているので、水性塗料およびインクにおけるアルミニウム顔料の使用の需要が増加している。このような用途のものを製造する際、アルミニウム顔料は、ポリマー、水、および他の溶媒からなる媒体中に分散され、また、典型的な塗布条件下では、着色された物質は、塩基性および/または酸性の環境にしばしば暴露される。
【0006】
無機物質および有機物質でアルミニウムフレークを保護する研究がなされてきた。例えば、有機リン酸塩(米国特許第4,565,716号(特許文献1)、米国特許第4,808,231号(特許文献2))、有機亜リン酸塩(米国特許第4,808,231号(特許文献3))、バナジウム化合物、およびクロム化合物(米国特許第4,693,754号)などの腐食抑制試薬が、アルミニウムフレークのガス発生を緩和するために研究されてきた。しかしながら、水性用途向けのアルミニウム顔料の保護の改善が望まれている。さらに、金属性の顔料は、大部分が、水性または溶媒の系において十分には分散しない。シリカ被膜により、ガス発生に対する良好な安定性を有するアルミニウムフレークを得ることができる(米国特許第2,885,366号(特許文献4);米国特許第3,954,496号(特許文献5))。しかしながら、脆いシリカ被膜は、過度の機械的応力により破損する場合がある。さらに、凝集を減らし、顔料フレークの分散を改善するために、さらなる表面処理が、許容範囲の性能を達成するためには必要である場合がある。
【0007】
ポリマー性の結合剤との親和性を向上させるためや、顔料を保護するためのバリア機能を提供するために、ポリマー被膜でアルミニウムフレークを封止する研究もなされている。例えば、米国特許第7,479,323号(特許文献6)は、水性媒体中での顔料の分散を改善するために、ポリビニルアルコールでアルミニウムフレークを前処理することを開示している。米国特許第4,213,886号(特許文献7)は、モノエチレン性不飽和シランでアルミニウムフレークを変性させる手法を開示している。このような手法では、シランとアクリルモノマーとのフリーラジカル重合により、ポリマーで被覆された顔料が形成される。
【0008】
結合剤に対する顔料の親和性を向上させるために、官能基をポリマー被膜に組み込むことができる。オルガノシランまたはポリマー被膜では、顔料と結合剤との相互作用は、シランを混合することまたはポリマーの組成を調節することにより調整することができる。しかしながら、このような被覆は、ガス発生からアルミニウムフレークを十分には保護できない。さらに、ポリマーと顔料表面との密着性が低く、所望の特性が失われる場合がある。
【0009】
一般に、これまでに開発されたポリマー被覆顔料には、2つの欠点がある。第1に、ポリマーとその下にある基材との密着性が低いので、被膜が容易に破損する場合がある。第2に、ポリマー鎖への官能性モノマーの取り込みは、適用される媒体内部の顔料の分散/親和性を改善する場合がある一方で、当該官能基は、フレークの耐化学性に悪影響を及ぼす場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,565,716号明細書
【特許文献2】米国特許第4,808,231号明細書
【特許文献3】米国特許第4,808,231号明細書
【特許文献4】米国特許第2,885,366号明細書
【特許文献5】米国特許第3,954,496号明細書
【特許文献6】米国特許第7,479,323号明細書
【特許文献7】米国特許第4,213,886号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の手法では、ポリマー鎖は、顔料表面に物理的に吸収されているか、または緩く結合している。前者の場合は、吸収されたポリマー鎖は、他のポリマーや溶媒と容易に置換され得る。後者の場合は、ポリマーは、ビニルもしくは他のアルケニルおよび/またはアルキニル不飽和官能基の存在下で、フレーク上にて、溶液中でモノマーのラジカル重合により形成される。連鎖成長重合鎖の末端のラジカルが、表面に結合したビニル基と反応すると、ポリマー鎖がその表面に共有結合する。この場合、立体障害のため、重合の初期段階で表面に固定したポリマー鎖は、非結合ポリマー鎖のラジカルが溶液中で表面と反応するのを妨げる場合があり、これによりグラフト密度が減少し、したがって、ポリマー被膜の厚さが減少する。さらに、これらの手法において使用される遊離ラジカル重合によると、ランダムコポリマーしか合成できないので、ポリマー被膜の構造の制御は限定的である。
【0012】
さらに、顔料は、通常、顔料がポリマー樹脂に分散されている配合物内で基材に適用されている。しかしながら、顔料とポリマー樹脂との相互作用は非常に複雑であり、配合物内での顔料と樹脂系との親和性に対処するために多くの研究がなされてきた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実質的に均一な構造を有する堅牢なポリマー被膜を含む被覆板状物、当該被覆板状物の製造方法、および当該被覆板状物を含む系を記載する。本明細書では「板状物」なる語は、物理的(physiological)媒体に不溶性であり、インク組成物および塗料組成物での使用に適した、任意の形態の、透明、メタリック、白色、もしくは有色の鉱物粒子または有機粒子を意味する。開示の方法は、表面カップリング基を使用することによって板状物の表面に開始剤分子を固定化すること、および板状物表面に固定された開始剤の開始部位からの重合を含む。開示の方法によれば、ポリマー鎖を均一に成長させることが可能であり、滑らかな被覆面を有する堅牢な被覆板状物を製造することができる。「リビング」すなわち「制御」重合によって、分子量分布が狭いポリマー鎖およびブロックコポリマーを合成することができる。開示の被覆板状物は、光学的効果をもたらすために使用することができ、光沢顔料、白色顔料、有色顔料、黒色顔料、および発光顔料を含む無機顔料であり得るが、これらに限定されるものではない。開示の系は、上記被覆板状物を含む。被覆板状物は、開示の系内で容易に分散させることができ、他のポリマー樹脂を添加することなく基材に適用することができる。
【0014】
1つの実施形態では、開示の被覆板状物は、滑らかな被覆表面を提供するために、実質的に均一の構造を持つポリマー鎖を有する被膜を含む。効果顔料の場合には、このような特徴は、被覆板状物の美的効果を向上させる。被覆板状物はまた、ポリマー鎖が高密度共有結合により基材に固く結合しているという点で堅牢である。
【0015】
被覆板状物の1つの例では、ポリマー鎖は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、グラジエントコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。1つの実施様式では、ポリマー鎖は、板状物上にポリマー網目構造被膜を形成するための架橋を含む。
【0016】
被覆板状物の製造方法の1つの実施形態では、方法は、板状物の表面に開始剤を固定化することを含む。開始剤は、表面活性基および開始剤部分を含み、板状物の表面は、官能基を含む。開始剤分子は、開始剤分子の表面活性基を、板状物の表面にある官能基と反応させることによって固定化される。上記方法は、モノマーが開始剤部分に付加され、板状物の表面に結合したポリマー鎖を形成するように、固定化された開始剤分子を1種以上の重合性モノマーと反応させることをさらに含む。ポリマー鎖は、板状物の表面に共有結合する第1の末端と、可逆的に終端となり得る鎖末端を含む第2の末端とを有する。
【0017】
被覆板状物の製造方法の他の実施形態では、方法は、封止されたフレークの外層に開始剤を固定化することを含む。この場合、外層は、ゾルーゲル被膜またはポリマー被膜を含んでもよい。
【0018】
さらに別の実施形態では、ポリマー鎖は、重合の間または重合の後に架橋される。
【0019】
系の1つの実施形態では、系は、溶媒と、板状物の表面に分散剤および/または樹脂が共有結合した板状物とを含む。1つの例では、表面に分散剤および/または樹脂が結合した板状物は、開示の被覆板状物である。1つの例では、系は、開示の被覆板状物および溶媒のみを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、開示の被覆板状物の1つの実施形態を示す。
【図2a】図2aは、ポリスチレン被覆板状物の走査電子顕微鏡写真である。
【図2b】図2bは、ポリスチレン被覆板状物の走査電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、図2aおよび図2bに示す被覆板状物からの重合の重合反応速度論を示す。
【図4a】図4aは、図1に示す被覆板状物の、40分間の重合時間後の透過電子顕微鏡写真である。
【図4b】図4bは、図1に示す被覆板状物の、20時間の重合時間後の透過電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、ポリスチレンプラスチック中のポリスチレン封止アルミニウムフレークの分散を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、被覆板状物10は、表面12aを有する基材12を含む。表面12aは、複数の層14aおよび14bを有する被膜14で被覆されている。図1に示す例示の実施形態では、被膜14は、2つの層14aおよび14bを含むが、適切な状況下では、被膜14は、1つの層または2つを超える層を有し得る。層14aおよび14bは、それぞれ、ポリマー鎖16を含む。各層のポリマー鎖16の組成は、同一であっても異なっていてもよい。ポリマー鎖16は、基材12の表面12aに共有結合している。被膜14はまた、ポリマー鎖16を繋ぐ鎖間架橋18を含み得る。
【0022】
使用する基材12は、無機基材であり得る。無機基材の形状は、球形、板状物形、などであり得るが、これらに限定されるものではない。無機基材は、金属酸化物、金属酸化物封止物質、シリカ、ホウケイ酸塩(borosilica)、シリカ被覆物質、雲母、ガラス、鉄、またはアルミニウムなどの板状物質であり得るが、これらに限定されるものではない。1つの例では、利用する板状物質は、5nm〜500μmの範囲の厚さを有する板状物を含む。別の例では、板状物の厚さは、20nm〜100μmの範囲にある。さらに別の例では、板状物の厚さは、50nm〜1μmの範囲にある。さらに別の例では、板状物の大きさは、100nm〜1000μmの範囲にある。さらに別の例では、板状物の大きさは、500nm〜100μmの範囲にある。さらに別の例では、板状物の大きさは、1μm〜50μmの範囲にある。
【0023】
ポリマー鎖16と基材12の表面12aとの共有結合は、被膜の堅牢性および安定性をもたらす。本明細書において「被膜の堅牢性および安定性」なる語は、循環試験、反復溶媒洗浄、および典型的な反応条件下での被覆基材の耐久性を意味する。
【0024】
ポリマー鎖の密度は、鎖が0.001〜2本/nm2の範囲であり得る。1つの例では、板状物の表面に共有結合したポリマー鎖の密度は、板状物表面1nm2当たり鎖が少なくとも0.7本である。この結果、ポリマー被膜は、当該高密度共有結合により基材にしっかりと固定される。1つの実施様式では、被膜は、鎖間の架橋によりさらに強化される。
【0025】
さらに別の例では、ポリマー層は構造が均一である。本明細書では「構造が均一」なる語は、板状物の表面と被覆板状物の外縁との距離が、板状物の表面にわたって実質的に同じであることを意味する(20,000倍〜100,000倍の倍率で透過電子顕微鏡を用いて測定した平均距離の標準偏差が15%未満である)。例えば、図4に示すように、被膜の均一性は、目盛が100nmである透過電子顕微鏡を用いた直接観察から決定することができる。
【0026】
被覆層中のポリマー鎖の均一性は、効果顔料の性能に影響を与える。効果顔料の表面の欠陥は、特有の光学特性を呈するか、光を散乱させるか、または望ましくない様式で光を反射する場合がある。金属性の効果顔料の場合には、このような散乱または反射は、画像の鮮明度(DOI)および被覆面の光沢を低下させることになる。ファブリー・ペローの原理に基づいた効果顔料に関しては、膜厚または屈折率のバラツキは、被膜の光路長を変化させ、色強度および色純度の減少をもたらすことになる。1つの実施形態では、板状物表面に滑らかな被膜を提供し、これにより被覆板状物の美的効果を向上させるように、それぞれの層のポリマー鎖は、構造が実質的に均一である。
【0027】
金属性の効果顔料、特にアルミニウム顔料の不動態化は、顔料の耐久性およびその美的効果を向上させる。1つの実施形態では、被覆板状物は、金属性の板状物を含み、この金属性の板状物は、不動態化層を備え、これはバリアとしての役割を果たし、水または他の化学物質が内部の金属コアに到達するのを防ぎ、これにより板状物の化学安定性が向上する。
【0028】
凝集を減らし、顔料フレークの分散を改善するために、さらなる表面処理が、許容範囲の特性を達成するためには必要である場合がある。1つの実施形態では、被覆板状物は、分散性および美的特性を向上させるために、この被覆板状物が分散される溶液または樹脂と親和性のある分散層でさらに官能化される。1つの例では、板状物は、アルミニウムフレークであり、分散層は、ポリスチレンである。この例では、ポリスチレンがアルミニウムフレークを封止し、図5に示すように、配合(compounding)することによってポリスチレンプラスチックへ容易に混合することができるし、またはトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、アニソール、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)などの有機溶媒に溶解することができる。
【0029】
ポリマー被膜は、板状物にさらなるバリア機能を与えることができる。1つの実施様式では、被覆板状物の被膜は、不動態化および分散の両方に同時に対処するように、内側の不動態化層および外側の分散層を含む。水系用に設計された板状物には、疎水性の内層が、アルミニウムフレークに水が到達するのを防ぐバリアを提供してもよい。同時に、親水性の外層により、板状物が水性媒体に分散することが可能になる。1つの例では、内側の不動態化層は、疎水性ポリマーを含み、外側の分散層は、親水性ポリマーを含む。使用することができる疎水性ポリマーの例としては、ポリスチレン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸n−ブチル)、およびポリ(メタクリル酸パーフルオロシクロへキシルメチル)が挙げられる。使用することができる親水性ポリマーの例としては、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(メタクリル酸ポリ(エチレングリコール))が挙げられる。
【0030】
さらに別の実施形態では、被膜の厚さは、約100nmを超える。1つの例では、被膜は複数の層を含み、各層の組成および厚さは、独立して制御することができる。
【0031】
開示の方法は、一般に、表面カップリング基を用いて封止板状物の表面に開始剤部分を固定化すること、および、リビング重合を用いて板状物の表面にポリマー鎖を形成することを含む。リビング重合の間、成長鎖の末端は、その開始能を保持し、重合時間と共にポリマーの分子量が増加する。したがって、膜厚は、単に反応時間を変更することによって容易に制御することができる。さらに、モノマー濃度、重合時間、溶媒、および触媒(これらに限定されるものではないが)を含む他の要素が、被膜の厚さを制御するためにも使用することができる。開示の方法の利点の1つとしては、開示の方法によって、ナノメートル規模で膜厚の精密な制御ができるということである。
【0032】
グラフト密度およびポリマー鎖の平均分子量という2つの要素もまた、膜厚を決定する。ポリマー鎖の分子量は、重合時間、モノマー濃度、溶媒、反応温度、および触媒などの重合条件を調節することにより調整することができる。グラフト密度を変更することは、板状物の表面の開始剤面密度を制御することにより達成することができる。原子移動ラジカル重合(米国特許第5,763,548号)、ニトロキシド媒介重合(米国特許第6,353,107号)、および可逆的付加開裂連鎖移動重合(米国特許第7,205,362号)などの制御/リビングラジカル重合を使用すると、開示の方法によって、ポリマー鎖が表面から同じような速度で成長することができ、板状物の表面に均一の構造を有する被膜をもたらす。
【0033】
さらに、溶液中の未結合の開始剤を除去することにより、形成された大部分のポリマー鎖は、板状物表面に固定される。この結果、溶液中の未結合のポリマー鎖の量は最少になる。重合混合物は、溶媒の添加に関わらず、反応工程全体にわたって低い粘性を保持する。簡単な精製手順によって、反応溶液中の他の成分からポリマー封止板状物を容易に分離することができる。
【0034】
1つの実施形態では、開始剤部分で板状物表面を官能化するために、開始剤を含むカップリング試薬が使用される。1つの例では、開始剤は、X−R−Yという化学構造を有し、ここで、Xは表面活性基を表し、Yは開始剤部分を表し、Rはスペーサーを表す。開始剤部分は、表面活性基と板状物の表面に存在する官能基との反応に際して板状物に固定される。
【0035】
あるいは、開始剤は、複数の工程を有する方法を通じて板状物表面に固定することができる。1つの例では、複数の工程を有する方法は、二工程法である。この場合では、表面活性分子であるX−R1−Aが、まず板状物の表面に適用される。官能基Xが、表面に分子を固定化する一方で、官能基Aによって板状物表面でさらなる化学反応が可能になり、開始剤部分Yが板状物の表面に存在することになる。
【0036】
1つの実施様式では、利用する板状物は、アルミニウムフレークである。使用するアルミニウムフレークは、従来からある、ボールミルで粉砕されたフレーク、真空蒸着フレーク(VMF)、シリカ封止フレーク、および金属酸化物封止フレークであり得るが、これらに限定されるものではない。空気中に暴露されると、アルミニウムの表面は、酸素と反応して酸化アルミニウムと水酸化アルミニウムとを形成し、かつカップリング反応に必要な表面水酸基をもたらす。
【0037】
表面活性基Xは、モノ−、ジ−、およびトリ−アルコキシシラン、モノ−、ジ−、およびトリ−クロロシラン、カルボン酸、有機リン化合物、ならびに金属表面、金属酸化物表面、またはシリカ表面に強い親和性を有する他の化学基であり得るが、これらに限定されるものではない。トリアルコキシシランおよびトリクロロシランの場合には、オルガノシラン分子間での分子間縮合によって、このような分子の高密度で堅牢な被膜が形成されることになる。
【0038】
板状物の表面の開始剤の密度は、開始剤を有する分子を他の表面活性分子で希釈することにより調整することができる。希釈分子はまた、表面にさらなる官能基をもたらしてもよい。
【0039】
同じ原理を適用することによって、主に二酸化ケイ素と表面上の多少のシラノール基とからできているガラスフレークを、類似のカップリング試薬で容易に官能化することができる。開示の方法を、板状物表面と板状物に固定化された開始剤部分とに強い親和性を有する官能基が存在する限り、アルミニウムやシリカ以外の板状物にさらに適用してもよい。
【0040】
他の板状物が、シリカまたは金属酸化物の封止を介して開始剤で官能化されてもよい。例えば、酸化チタンで封止された雲母であるイリオジン100を、上に記載の手法を用いてポリマーで被覆することができる。
【0041】
板状物の表面特性は、板状物の形状ではなく、表面の反応性に左右される。
【0042】
開始剤部分Yは、遊離ラジカル重合、制御ラジカル重合、および/または他の連鎖重合を開始する任意の官能基であり得る。開始剤部分Yは、活性ハロゲン原子、アルコキシアミン、ジチオエステル、ジチオカルバメート、トリチオカルボネート、キサンテート、有機過酸化物、およびアゾ化合物であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0043】
1つの例では、開始剤が板状物の表面に固定化された後、板状物をろ過により精製して未結合のカップリング試薬をすべて除去してから、重合反応に進む。溶液中の遊離カップリング試薬の存在が溶液粘度を著しく高めないか、または続いて行われる重合における他の作業条件に悪影響を及ぼさない別の例では、反応溶液は、さらなる精製をしないで直接使用される。
【0044】
開始剤が固定化された板状物は、次に、モノマー溶液に分散される。モノマー溶液は、1種類のモノマーまたは異なる種類のモノマーの混合物を含み得る。使用することができるモノマーの例としては、スチレン、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、ビニルピリジン、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、およびイソプレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。モノマー溶液における開始剤で固定化された板状物の分散に続いて、表面からの重合が、板状物に共有結合したポリマー鎖の形成をもたらす。開始剤分子は、寸法が小さいので、高い面密度で板状物の表面に固定化することができる。したがって、この手法によれば、高いグラフト密度を有するポリマー被膜の合成が可能になる。
【0045】
板状物の表面からの重合は、溶液重合と同じメカニズムに従うので、溶液重合において重合することができるモノマーを、開示の方法に直接適用することができる。
【0046】
原子移動ラジカル重合、ニトロキシド媒介重合、および可逆的付加開裂連鎖移動重合などのリビングラジカル重合または制御ラジカル重合によれば、制御された分子量、多分散性、および様々な種類のモノマーからの構造を有するポリマーの合成が可能になる。リビング重合を使用することによって、開示の方法によれば、被膜の厚さを数ナノメートルから数百ナノメートルまで制御することが可能になり、さらに、板状物上のポリマー被膜の構造を制御することが可能になる。粒子または板状物表面上の膜厚および均一性を直接観察するために、透過電子顕微鏡が使用される。この場合、膜厚の平均および標準偏差は、10個を超える異なる被覆板状物からの、20,000倍〜100,000倍の倍率の透過電子顕微鏡画像から計算することができる。図4に示すように、目盛が100nmである場合、板状物上の膜厚の標準偏差は、平均膜厚の15%未満である。
【0047】
開示の方法において使用する制御ラジカル重合のリビング的な性質は、板状物上の多層被膜の合成も可能にする。1つの例では、第2のモノマーまたは第2のモノマー群を、所定の反応時間後に反応フラスコに加えることができる。別の例では、1回目の重合が終わった後に、板状物を反応混合物から分離し、精製し、その後、第2のモノマーまたは第2のモノマー群と共に2回目の重合に供することができる。いずれの場合も、第1の層の組成とは異なる組成を有する第2の層を形成することができる。後者の手法では、本方法により、完全に異なる組成を有する第2の層の合成が可能になる。上記の工程は、任意の回数、任意の異なる組み合わせで繰り返すことができ、多層被膜が提供される。
【0048】
開示の方法で使用することができるモノマーの例としては、アクリロニトリル、スチレン、ジビニルベンゼン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−ビニルアニソール、4−フルオロスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−(tert−ブチル)スチレン、3−クロロスチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−アミル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−デシル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ウンデシル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸1−ヘキサデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸ペンタブロモフェニル、メタクリル酸ペンタブロモフェニル、アクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、アクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル、アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、アクリル酸1H,1H−ヘプタフルオロブチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロ−イソプロピル、アクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸パーフルオロシクロヘキシルメチル、メタクリルアミド、アクリルアミド、4−ビニルピリジン、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、4−ビニルアニリン、3−ビニルアニリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸ポリ(エチレングリコール)、アクリル酸ポリ(エチレングリコール)、メタクリル酸ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル、メタクリル酸ポリ(エチレングリコール)エチルエーテル、アクリル酸ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル、ジメタクリル酸1,10−デカンジオール、ジメタクリル酸1,3−ブタンジオール、ジアクリル酸1,4−ブタンジオール、ジメタクリル酸1,4−ブタンジオール、1,4−ジアクリロイルピペラジン、ジアクリル酸1、4−フェニレン、ジメタクリル酸1,5−ペンタンジオール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,9−ノナンジオール、2,2−ビス(4−メタクリルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポシキ)フェニル]プロパン、ジメタクリル酸2,2−ジメチルプロパンジオール、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸ジプロピレングリコール、ジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、N,N’エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸トランス−1,4−シクロヘキサンジオール、ジアクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、トリアクリル酸1,1,1−トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタアクリル酸ジペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ペンタエリトリトール、トリアクリル酸ペンタエリトリトール、ジアクリル酸ポリ(エチレングリコール)、およびジメタクリル酸ポリ(エチレングリコール)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
開示の方法の利点の1つは、被膜の特性を制御する方法を提供することによって、複数の重要な課題に同時に対処することができるということである。例えば、上に記載のように、効果顔料における2つの重要な課題とは、不動態化および分散である。開示の方法は、板状物の表面を不動態化層で被覆することと、さらに、この不動態化層を分散層で被覆することを提供することによって、これらの2つの課題に同時に対処することができる。
【0050】
さらに、開示の方法により、フレーク上に他の無機および有機着色剤を取り込むことが可能になる。例えば、着色剤分子は、ポリマーの官能基とカップリングできるか、またはビニル基で変性でき、モノマーとして重合に使用することができる。
【0051】
別の実施形態では、被膜は、分散層および不動態化層に加えて、他の無機および有機着色剤ナノ粒子をさらに含む。1つの例では、ナノ粒子は、補色(complimentary)ポリマー表面の表面に吸収される。ナノ粒子の寸法が十分に小さい場合、ナノ粒子はポリマー網目構造に埋め込まれていてもよい。1つの実施様式では、着色剤は、被覆板状物のポリマー網目構造に安定して付着する。「安定」なる語は、典型的な塗料/インク系内の物理的環境においての、ポリマー被覆板状物からの着色顔料の分離しにくさとして定義される。
【0052】
1つの実施形態では、開示の系は、板状物の個々の表面に分散剤および/または樹脂が共有結合した板状物を含む。1つの例では、系は、板状物の表面に共有結合したさらなる分散剤および/または樹脂以外にはさらなる分散剤および/または樹脂を何も必要としない。本明細書では「さらなる分散剤および/または樹脂」なる語は、板状物の表面に結合したポリマー鎖とは別のポリマーであって、一般に、当技術分野で、分散剤、膜形成剤、および/または接着剤などとして、インクおよび塗料などの被覆配合物へ加えられるポリマーを意味する。上記さらなる樹脂は、例えば、アルキド、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン、フェノール、尿素、メラミン、エポキシ、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、およびポリアクリル酸樹脂であり得る。上記さらなる分散剤の例は、「有機塗料:科学と技術(Organic coatings: science and technology)」、第3版(ニューヨーク:ジョンワイリー&サンズ,2007年)440および446ページに見出すことができ、この文献は参照により本書に援用される。
【0053】
1つの実施様式では、板状物の表面に共有結合した分散剤および/または樹脂は、ポリマーまたはポリマー網目構造である。この場合、板状物の表面に共有結合した分散剤および/または樹脂は、膜形成を可能にするのに十分な量で加えられる。別の場合、分散剤および/または樹脂は、基材に膜を付着させるのに十分な量で加えられる。さらに別の場合、分散剤および/または樹脂は、溶媒中に板状物を分散させる量で加えられる。本明細書では「溶媒」なる語は、最終被膜の成分を有しているので基材に当該成分を適用することができ、そしてその後に蒸発、処理(treating)などにより除去される液体を意味する。1つの手法では、分散剤および/または樹脂で板状物を封止するために、標準的なポリマー封止技術および/または表面開始重合技術が用いられる。この手法の1つの実施様式では、得られる板状物は、開示の被覆板状物である。この場合、開示の被覆板状物は、ポリスチレン被覆Sparkle Silver(登録商標)Premier695およびポリ(メタクリル酸ジメチルアミノエチル)−b−ポリスチレン被覆Sparkle Silver(登録商標)Premier695であり得るが、これらに限定されない。さらに別の例では、開示の系は、開示の被覆板状物および溶媒のみを含む。
【0054】
開示の系において使用することができる溶媒の例としては、有機溶媒、水、アルコール、および/またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1つの例では、溶媒は、板状物を分散させるのに十分な量で含まれる。
【0055】
本明細書に記載の概念は、インクや塗料の系に適用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
開示の系の利点の1つは、板状物に結合したポリマーが、溶媒中に被覆板状物が分散するのを助けるだけでなく、他のポリマー樹脂を添加せずに膜形成および基材への膜の付着を可能にし、これにより、板状物に共有結合した樹脂とは別のポリマー樹脂を加える必要がなくなるということである。この結果、系の調製工程が大幅に簡素化される。
【実施例1】
【0057】
ポリスチレン被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)3622の調製
工程1.開始剤の固定化
撹拌機および冷却器を装着した2Lの反応フラスコに、次の化学物質を加えた:
1. アルミニウムペースト(600g)(Silberline Sparkle Silver(登録商標)3622、不揮発性分79.3%)
2. 3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオナート(2mL)
3. トルエン(1600mL)
反応混合物を100℃まで一晩加熱した。
【0058】
反応時間が満了したら、混合物を室温まで冷却した。フレークを真空ろ過した。トルエンで3回洗浄した。
【0059】
工程2.重合
重合は、撹拌機および加熱マントルを装着した2Lの反応フラスコを用いて、換気フード中で行った。
【0060】
反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. CuBr(5.008g)
2. スチレン(800mL)
3. Alペースト(92g)(不揮発性分を80g含む)
4. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(788mL)
別のフラスコ中で、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)を30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに7.3mL移した。溶液を60℃まで加熱した。所与の反応時間後に反応を停止させた。
【0061】
重合後に、ポリマー被覆板状物を遠心分離によって精製し、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄し、エタノール中で析出させた。この試料をオーブン中でさらに乾燥させ、走査電子顕微鏡法、透過電子顕微鏡法、および熱重量分析によりさらに分析した。
【0062】
[実施例1の分析]
図2aおよび図2bは、実施例1で得られたポリスチレン被覆Sparkle Silver(登録商標)3622の走査電子顕微鏡写真を示す。
【0063】
図3は、Sparkle Silver(登録商標)3622からの重合の重合反応速度論を示す。板状物全体に対するポリマーの重量パーセントは、熱重量分析から得られる。図3に示すように、Silberline Sparkle Silver(登録商標)3622上のポリスチレン被膜の量は、反応時間に応じて増加した。4時間未満の重合では、ポリマー被膜の量は、重合時間に応じて直線的に増加した。
【0064】
図4aおよび図4bは、それぞれ、重合時間40分および20時間後の透過電子顕微鏡写真分析を示す。これらの図から、長時間の反応時間で、厚いポリマー被膜が形成したことが直接確認された。
【実施例2】
【0065】
ポリ(メタクリル酸メチル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)3622の調製
工程1.開始剤の固定化
実施例1と同様に行った。
【0066】
工程2.重合
機械式撹拌機および加熱マントルを装着した500mLの反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. CuBr(0.501g)
2. メタクリル酸メチル(240mL)
3. Alペースト(27.6g)(不揮発性分を24g含む)
4. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(236.4mL)
溶液を窒素で脱気し、常に撹拌しながら60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.73mL移した。この反応混合物を60℃に維持した。
【実施例3】
【0067】
ポリスチレン被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1.開始剤の固定化
機械式撹拌機および冷却器を装着した2Lの反応フラスコに、次の化学物質を加えた。
【0068】
1. アルミニウムペースト(480g)(Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695、不揮発性分75.28%)
2. 3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオナート(3mL)
3. トルエン(1200mL)
反応混合物を加熱し、24時間還流下で維持した。反応時間が満了したら、混合物を室温まで冷却した。フレークを真空ろ過した。トルエンで2回洗浄した。
【0069】
工程2.重合
機械式撹拌機および加熱マントルを装着した500mLの反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. CuBr(0.564g)
2. スチレン(270mL)
3. Alペースト(130.4g)(不揮発性分を76.5g含む)
4. トルエン(227mL)
溶液を窒素で脱気し、常に撹拌しながら60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.83mL移した。
【実施例4】
【0070】
ポリ(アクリル酸t−ブチル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1.開始剤の固定化
実施例3と同様に行った。
【0071】
工程2.重合
100mLの反応フラスコに、撹拌子および次の試薬を加えた:
1. CuBr(0.188g)
2. アクリル酸t−ブチル(30mL)
3. Alペースト(4.83g)(不揮発性分を3g含む)
4. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(30mL)
溶液を窒素で脱気し、油浴中で60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.275mL移した。溶液を60℃に維持した。
【実施例5】
【0072】
ポリ(メタクリル酸スチレン−b−ジメチルアミノエチル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1.開始剤の固定化
実施例3と同様に行った。
【0073】
工程2.重合
第1の重合
機械式撹拌機および加熱マントルを装着した2Lの反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. CuBr(1.128g)
2. スチレン(540mL)
3. Alペースト(260.8g)(不揮発性分を153g含む)
4. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(454mL)
溶液を窒素で脱気し、常に撹拌しながら60℃まで加熱した。
【0074】
別のフラスコ中で、PMDETAを30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに1.66mL移した。溶液を60℃に維持した。2時間の重合後、反応混合物を冷却し、Alペーストを遠心分離によって精製した。
【0075】
第2の重合
撹拌棒および油浴を装着した100mLの反応フラスコに、撹拌子および次の試薬を加えた:
1. CuBr(125.4mg)
2. メタクリル酸ジメチルアミノエチル(20mL)
3. Alペースト(5g)(不揮発性分を2g含む)
4. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(20mL)
溶液を窒素で脱気し、常に撹拌しながら60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)を30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに183μL移した。
【実施例6】
【0076】
ポリスチレン被覆Iriodin(登録商標)100の調製
工程1.開始剤の固定化
磁気撹拌子および冷却器を装着した500mLの丸底フラスコに、次の化学物質を加えた:
1. Iriodin(登録商標)100(37.5g)(メルクケミカルズ社)
2. 3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオナート(0.3mL)
3. トルエン(300mL)
反応混合物を加熱し、18時間還流下で維持した。反応時間が満了したら、混合物を室温まで冷却した。フレークをろ過し、トルエンで洗浄した。
【0077】
工程2.重合
100mLの反応フラスコに、撹拌子および次の試薬を加えた:
1. CuBr(0.25g)
2. スチレン(40mL)
3. Iriondin(登録商標)100ペースト(6.38g)(不揮発分を4g含む)
4.トルエン(40mL)
溶液を60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.37mL移した。溶液を60℃に維持した。
【実施例7】
【0078】
ポリ(メタクリル酸メチル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1.開始剤の固定化
機械式撹拌機および冷却器を装着した20Lの反応フラスコに、次の化学物質を加えた:
1. アルミニウムペースト(4800g)(Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695、不揮発性分75.68%)
2. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(12L)
反応混合物を80℃まで加熱した。
【0079】
次に、3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオナートを16mL加えた。反応混合物を80℃で6時間維持した。反応時間が満了したら、混合物を室温まで冷却した。フレークを真空ろ過した。酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルで2回洗浄した。
【0080】
工程2.重合
500mLの反応フラスコに、機械式撹拌機および加熱マントルを装着した。この反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. メタクリル酸メチル(200mL)
2. Alフレーク(61.6g)(不揮発性分を40g含む)
3. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(180mL)
4. CuBr(0.106g)
溶液をさらに60分間アルゴンで脱気し、40℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間アルゴンで脱気した。次に、アルゴンパージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.16mL移した。反応混合物を40℃に維持した。
【実施例8】
【0081】
ポリ(メタクリル酸メチル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程2における反応温度が50℃である以外は実施例7と同様に行った。
【実施例9】
【0082】
ポリ(メタクリル酸メチル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程2における反応温度が60℃である以外は実施例7と同様に行った。
【実施例10】
【0083】
ポリ(トリメタクリル酸トリメチロールプロパン)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1.開始剤の固定化
実施例7と同様に行った。
【0084】
工程2.重合
500mLの反応フラスコに、機械式撹拌機および加熱マントルを装着した。この反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. トリメタクリル酸トリメチロールプロパン(20mL)
2. Alフレーク(61.6g)(不揮発性分を40g含む)
3. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(360mL)
4. CuBr(0.106g)
溶液をさらに60分間アルゴンで脱気し、40℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間アルゴンで脱気した。次に、アルゴンパージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.16mL移した。反応混合物を40℃に維持した。
【実施例11】
【0085】
ポリ(メタクリル酸グリシジル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1.開始剤の固定化
実施例7と同様に行った。
【0086】
工程2.重合
500mLの反応フラスコに、機械式撹拌機および加熱マントルを装着した。この反応フラスコに、次の試薬を加えた:
5. メタクリル酸グリシジル(200mL)
6. Alフレーク(61.6g)(不揮発性分を40g含む)
7. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(180mL)
8. CuBr(0.106g)
溶液をさらに60分間アルゴンで脱気し、60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間アルゴンで脱気した。次に、アルゴンパージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.16mL移した。反応混合物を60℃に維持した。
【実施例12】
【0087】
ポリ(メタクリル酸ジメチルアミノエチル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1.開始剤の固定化
実施例7と同様に行った。
【0088】
工程2.重合
2Lの反応フラスコに、機械式撹拌機および加熱マントルを装着した。この反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. メタクリル酸ジメチルアミノエチル(480mL)
2. Alフレーク(123.2g)(不揮発性分を80g含む)
3. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(1075mL)
溶液を30分間アルゴンで脱気した後、CuBrを0.106g加えた。反応混合物をさらに60分間アルゴンで脱気し、60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間アルゴンで脱気した。次に、アルゴンパージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに2.5mL移した。反応混合物を60℃に維持した。
【実施例13】
【0089】
ポリスチレン被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)Premium695の調製
工程1
実施例7と同様に行った。
【0090】
工程2.重合
500mLの反応フラスコに、機械式撹拌機および加熱マントルを装着した。この反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. スチレン(200mL)
2. Alフレーク(61.6g)(不揮発性分を40g含む)
3. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(180mL)
4. CuBr(0.106g)
この反応混合物をさらに60分間アルゴンで脱気し、60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間アルゴンで脱気した。次に、アルゴンパージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.16mL移した。反応混合物を60℃に維持した。
【実施例14】
【0091】
ポリスチレン被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)695の調製
重合において使用したスチレンおよび酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルの量は、それぞれ、80Lおよび300mLであった以外は、実施例13と同様に行った。
【実施例15】
【0092】
ポリ(メタクリル酸パーフルオロシクロヘキシルメチル)被覆Silberline Starbrite(登録商標)4102の調製
500mLの反応フラスコに、機械式撹拌機および加熱マントルを装着した。この反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. 酢酸エチル中のSilberline Starbrite(登録商標)4102(40g)(不揮発性分10.102%)
2. 3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオナート(0.05mL)
3. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(260mL)
反応混合物を110℃まで2時間加熱した。
【0093】
反応混合物を60℃まで冷却し、その後、次の試薬を加えた。
【0094】
1. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(100mL)
2. メタクリル酸パーフルオロシクロへキシルメチル(10mL)
3. CuBr(0.4g)
溶液を窒素で脱気した。次に、反応混合物に、脱気したPMDETAを0.59mL移した。反応物を60℃に維持した。
【実施例16】
【0095】
ポリ(メタクリル酸n−ブチル−コ−メタクリル酸イソボルニル)被覆Silberline Sparkle Silver(登録商標)3622の調製
工程1.開始剤の固定化
撹拌機および冷却器を装着した4Lの反応フラスコに、次の化学物質を加えた:
1. アルミニウムペースト(900g)(Silberline Sparkle Silver(登録商標)3622、不揮発性分79.3%)
2. 3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオナート(3mL)
3. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(2400mL)
反応混合物を110℃まで一晩加熱した。
【0096】
反応時間が満了したら、混合物を室温まで冷却した。フレークを真空ろ過した。トルエンで3回洗浄した。
【0097】
工程2.重合
機械式撹拌機および加熱マントルを装着した500mLの反応フラスコに、次の試薬を加えた:
1. CuBr(0.4g)
2. メタクリル酸イソボルニル(20mL)
3. メタクリル酸n−ブチル(20mL)
4. Alフレーク(58.16g)(不揮発性分を40g含む)
5. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(342mL)
溶液を窒素で脱気し、60℃まで加熱した。別のフラスコ中で、PMDETAを30分間窒素で脱気した。次に、窒素パージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.58mL移した。溶液を60℃に維持した。
【実施例17】
【0098】
ポリスチレン被覆Silberline StarBrite(登録商標)4102の調製
機械式撹拌機および加熱マントルを装着した500mLの反応フラスコに、次の化学物質を加えた:
1. アルミニウムペースト(60g)(Silberline StarBrite 4102−PMAC)
2. 酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(240mL)
混合物を80℃まで加熱し、撹拌機を800rpmの回転速度に維持した。次に、3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオナートを0.1mL加えた。
【0099】
3時間後、スチレンを100mL加え(アルドリッチ社から入手したまま使用した)、反応混合物を60℃まで冷却した。溶液を30分間アルゴンで脱気した後、CuBr(0.106g)を反応混合物に加えた。溶液をさらに60分間アルゴンで脱気した。
【0100】
別のフラスコ中で、PMDETAを30分間アルゴンで脱気した。次に、アルゴンパージした注射器を用いて、脱気したPMDETAを上記反応フラスコに0.16mL移した。反応混合物を60℃に維持した。
【0101】
開示の被覆板状物および方法を好ましい実施形態と共に記載したが、開示の被覆板状物および方法の他の目的および改良が、開示の範囲内においてなされ得ることは当業者には明らかである。
【0102】
本開示は、その種々の態様および開示の形態において、記載の目的および利点ならびに他の目的および利点の達成のために適宜変更される。開示の詳細は、請求項に対する限定と見なされるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状物の表面に開始剤を固定化させる工程であって、前記開始剤は、表面活性基および開始剤部分を含み、前記板状物の表面は、官能基を含み、前記開始剤分子は、前記開始剤分子の前記表面活性基と前記板状物の前記表面の前記官能基とを反応させることにより固定化されている工程、および
1つ以上の重合性モノマーが前記開始剤部分に付加され、前記板状物の前記表面に結合したポリマー鎖を形成するように、前記固定化された開始剤から1つ以上の前記重合性モノマーを重合させる工程、を含む被覆板状物の製造方法であって、
前記ポリマー鎖は、前記板状物の表面に共有結合する第1の末端と、さらなる重合を開始するように可逆的に活性化され得る鎖末端を含む第2の末端とを有する、方法。
【請求項2】
前記固定化された開始剤が、第1のモノマーまたは第1のモノマー群の重合および前記第1のモノマーまたは第1のモノマー群との重合反応を開始させ、前記方法が、前記第1のモノマーまたは前記第1のモノマー群との重合反応の終了後、第2のモノマーまたは第2のモノマー群が、前記合成されたポリマー鎖の第2の末端に付加されるように、活性化された開始剤の鎖末端から前記第2のモノマーまたは前記第2のモノマー群を重合させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固定化された開始剤が、前記第1のモノマーまたは前記第1のモノマー群との重合反応後に精製される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記固定化された開始剤が、第1のモノマーまたは第1のモノマー群と反応し、前記方法が、第2のモノマーまたは第2のモノマー群が、前記合成されたポリマー鎖の第2の末端に付加されるように、所定の時間に、前記固定化された開始剤を前記第2のモノマーまたは前記第2のモノマー群と反応させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記板状物がアルミニウムフレークである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記開始剤が、下記式(1)
X−R−Y (1)
(式中、Xは表面活性基であり、Yは開始剤部分であり、Rはスペーサーである)の化学構造を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
板状物と、
少なくとも1層を有する被膜であって、前記少なくとも1層はポリマー鎖を含み、前記ポリマー鎖は構造が実質的に均一である被膜とを含む被覆板状物であって、
前記板状物の表面を取り囲むポリマー鎖は、前記板状物の表面に共有結合している、被覆板状物。
【請求項8】
前記被膜が複数の層を有し、各層はポリマー鎖を含み、前記各層におけるポリマー鎖は構造が実質的に均一である、請求項7に記載の被覆板状物。
【請求項9】
前記板状物が、金属酸化物、金属酸化物封止物質、シリカ、ホウケイ酸塩(borosilica)、シリカ被覆物質、雲母、ガラス、鉄、およびアルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項7に記載の被覆板状物。
【請求項10】
前記ポリマー鎖の密度が、1nm2当たり鎖が少なくとも0.7本である、請求項7に記載の被覆板状物。
【請求項11】
前記被膜が、内側の不動態化層および外側の分散層を含む、請求項7に記載の被覆板状物。
【請求項12】
前記被膜が、無機着色剤および有機着色剤を含む、請求項7に記載の被覆板状物。
【請求項13】
前記被膜が、鎖間の架橋を含む、請求項7に記載の被覆板状物。
【請求項14】
請求項7の被覆板状物、および
溶媒を含む系であって、
前記板状物の表面に共有結合したさらなる分散剤および/または樹脂以外にはさらなる分散剤および/または樹脂を全く含まない、系。
【請求項15】
前記溶媒が、水、低級アルコール、および/またはこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項14に記載の系。
【請求項16】
前記系が、インクまたは塗料の系である、請求項14に記載の系。
【請求項17】
複数の前記被覆板状物および複数の着色顔料をさらに含み、前記着色顔料が安定して前記被覆板状物に付着した、請求項14に記載の系。
【請求項18】
前記さらなる分散剤および/または樹脂が、アルキド、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン、フェノール、尿素、メラミン、エポキシ、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、およびポリアクリル酸樹脂を含む、請求項14に記載の系。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−122152(P2011−122152A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−268692(P2010−268692)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(511034594)シルバーライン マニュファクチュアリング カンパニー,インク. (7)
【Fターム(参考)】