説明

ポリマー微粒子をリサイクルする方法

本発明は、酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体の製造方法であって、i)必要に応じて部分的に中和された前記酸性基含有モノマーを含むモノマー溶液を用意する工程と、ii)前記モノマー溶液を、微粒子の総重量に対して少なくとも90重量%が850μm未満の粒径を有する粒子からなる微粒子と混合する工程と、を含み、前記工程ii)における混合は、前記微粒子の第1のストリーム(2)と前記モノマー溶液の少なくとも1つのストリーム(3)を異なる方向から同時に回転混合ツール(4)に供給するミキサー(1)内において行う方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体の製造方法、酸性基含有モノマーからなり、前記方法によって得られる吸水性ポリマー構造体、酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体、吸水性ポリマー構造体の製造装置、複合体、複合体の製造方法並びに前記方法によって得られる複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
超吸収体は大量の水性液体(特に体液、好ましくは尿又は血液)を吸収することができる非水溶性架橋ポリマーであり、水性液体を吸収することにより膨潤し、ヒドロゲルを形成すると共に圧力下で水性液体を保持することができる。通常、吸収される液体(水)の量は、超吸収体又は超吸収性組成物の乾燥重量の少なくとも10倍又は少なくとも100倍である。上記特性を有するポリマーは、おむつ、失禁用品、生理用ナプキン等の衛生用品に主に使用されている。非特許文献1には、超吸収体、超吸収性組成物、それらの用途及び製造についての包括的な概観が記載されている。
【0003】
通常、超吸収体は、架橋剤の存在下において、部分的に中和された酸性基含有モノマーをフリーラジカル重合させることによって製造する。モノマー組成、架橋剤、重合条件及び重合後に得られるヒドロゲルの加工条件を選択することにより、異なる吸収特性を有するポリマーを製造することができる。また、化学変性澱粉、セルロース、ポリビニルアルコール等を使用するグラフトポリマーの製造方法(特許文献1を参照)も異なる吸収特性を有するポリマーを製造するために使用することができる。
【0004】
例えば、超吸収体の特性を変化させたり、超吸収体の製造時に得られる特定の副生成物をリサイクルするために、微粉末をモノマー溶液に添加する場合が多い。例えば、特許文献2は、超吸収体の製造において副生成物として得られ、リサイクルすることができる超吸収体微粒子とモノマー溶液を混合することを開示している。特許文献2では、垂直軸又は水平軸を中心として回転する単純な混合ドラム内で超吸収体微粒子とモノマー溶液を混合している。
【0005】
微粉末をモノマー溶液に混合する従来の混合方法の欠点は、微粉末がモノマー溶液に不均一に分散されることである。特に、微粒子、例えば超吸収体微粒子をモノマー溶液に分散させることは困難である。微粉末がモノマー溶液に不均一に分散されている場合には、微粉末は重合によって得られたポリマーゲル並びにポリマーゲルを粉砕及び乾燥して得られた超吸収体においても不均一に分散されることになる。微粉末が最終製品において不均一に分散されている場合には、製品の特性が不均一になってしまう。また、特許文献2に開示された方法には、非常に少量の超吸収体しかモノマー溶液に導入することができないという欠点がある。また、従来の混合装置によって導入された超吸収体微粒子はモノマー溶液内において非常に急速に沈降してしまう。そのため、重合を迅速に開始させるために比較的大量の開始剤を使用することが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ特許第26 12 846号
【特許文献2】欧州特許出願公開第0 513 780号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】F.L.Buchholz及びA.T.Graham編、Modern Superabsorbent Polymer Technology、Wiley−VCH、ニューヨーク、1998年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、微粉末とモノマー溶液(好ましくは水溶液)(特にアクリル酸水溶液)の混合に関連する従来技術から生じる欠点を克服することにある。
【0009】
特に、本発明の目的は、微粒子(例えば、超吸収体微粒子)をモノマー溶液に導入することができる吸水性ポリマー構造体の製造方法を提供することにある。この方法は、超吸収体をリサイクルして非常に均一な吸収特性を有する超吸収体を得るために適していなければならない。また、従来技術の方法と比較して比較的大量(例えば、モノマー溶液の重量に対して5重量%を超える量)の超吸収体微粒子を導入することを可能とするものである必要がある。
【0010】
本発明の別の目的は、高い超吸収体含有量を有する衛生用品に特に効率的に使用することができる吸水性ポリマー構造体を提供することにある。吸水性ポリマー構造体は、高い吸収率に加えて、圧縮応力下における特に高い吸収性、特に高い保持性及び特に高い透過性を有していなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体の製造方法であって、
i)必要に応じて部分的に中和された前記酸性基含有モノマーを含むモノマー溶液(好ましくは水溶液)を用意する工程と、
ii)前記モノマー溶液(好ましくは水溶液)を、微粒子の総重量に対して、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%が、850μm未満、より好ましくは600μm未満、より好ましくは450μm未満、より好ましくは300μm未満、最も好ましくは150μm未満の粒径を有する粒子からなる微粒子と好ましくは連続的に混合して微粒子混合モノマー溶液を得る工程と、
を含み、
前記工程ii)における混合は、前記微粒子の第1のストリームと前記モノマー溶液の少なくとも1つのストリームを異なる方向から同時に回転混合ツールに供給するミキサー内において行う方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る方法において使用することができる、モノマー溶液と微粒子を混合するための混合装置を示す。
【図2】本発明に係る吸水性ポリマー構造体の製造装置の例を示す。
【図3】比較例2及び実施例2において重合ベルト上における重合によって得られたポリマーゲルの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面、試験方法及び実施例を参照して本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0014】
予期せぬことに、特定の混合装置を使用することによって微粒子、特に超吸収体微粒子をモノマー溶液に特に均一に分散させることができることが判明した。分散させた微粒子は非常にゆっくりと沈降するため、微粒子をモノマー溶液に導入する従来の方法と比較して非常に少量の開始剤を使用すればよくなる。本発明に係る方法は、ベルト上でモノマーを重合させる(すなわち、重合時に撹拌又は混練装置によってモノマー溶液をさらに混合しない条件でモノマーを重合させる)場合に特に有利であることが判明した。モノマー溶液中に超吸収体微粒子を分散させる場合には、上記混合装置を使用して所定の混合条件において超吸収体微粒子を吸水性ポリマー構造体を製造するために使用するモノマー溶液に添加することによって吸水性ポリマー構造体の水性液体吸収率を大きく向上させることができることが判明した。特に、「自由膨潤率」(Free Swell Rate(FSR))を混合周波数の関数として制御下で向上させることができることが判明した。
【0015】
本発明に係るポリマー構造体は繊維、発泡体又は粒子であることが好ましく、繊維及び粒子であることがより好ましく、粒子であることが特に好ましい。
【0016】
本発明に係るポリマー繊維は、織糸として織物に織り込むか、織物に直接織り込むことができる寸法を有することが好ましい。本発明に係るポリマー繊維は、1〜500mm、好ましくは2〜500mm、より好ましくは5〜100mmの長さを有し、1〜200デニール、好ましくは3〜100デニール、より好ましくは5〜60デニールの直径を有することが好ましい。
【0017】
本発明に係るポリマー粒子は、10〜3000μm、好ましくは20〜2000μm、より好ましくは150〜850μmの、ERT420.2−02に準拠して測定した平均粒径を有することが好ましい。300〜600μmの粒径を有するポリマー粒子の量は、架橋吸水性ポリマー粒子の総重量に対して、少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%であることが特に好ましい。
【0018】
本発明に係る方法の工程i)では必要に応じて部分的に中和された前記酸性基含有モノマーを含むモノマー溶液(好ましくは水溶液)を用意するが、モノマー溶液(好ましくは水溶液)は、(α1)重合性モノエチレン性不飽和酸性基含有モノマー又はその塩又は重合性モノエチレン性不飽和プロトン化又は第四級化窒素含有モノマー又はそれらのモノマーの混合物(特に好ましくは重合性モノエチレン性不飽和酸性基含有モノマー、最も好ましくはアクリル酸)と、(α2)前記モノマー(α1)と重合可能な任意のモノエチレン性不飽和モノマーと、(α3)任意の少なくとも1種の架橋剤と、を含むことが好ましい。
【0019】
モノエチレン性不飽和酸性基含有モノマー(α1)は、部分的又は完全に(好ましくは部分的に)中和されていてもよい。モノエチレン性不飽和酸性基含有モノマーは、少なくとも25モル%、より好ましくは少なくとも50モル%、さらに好ましくは50〜80モル%が中和されていることが好ましい。モノエチレン性不飽和酸性基含有モノマーについては、ドイツ特許出願公開第195 29 348 A1号を参照する。ドイツ特許出願公開第195 29 348 A1号の開示内容は本願明細書に援用する。また、重合後に部分的又は完全に中和を行うこともできる。中和は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、炭酸塩又は重炭酸塩を使用して行うことができる。酸と共に水溶性塩を形成する塩基も使用することができる。複数の異なる塩基による中和も可能である。アンモニア及びアルカリ金属水酸化物による中和が好ましく、水酸化ナトリウム及びアンモニアによる中和が特に好ましい。
【0020】
本発明に係る方法によって得られる吸水性ポリマー構造体には遊離酸性基が多く含まれるため、ポリマー構造体は酸性領域のpHを有する。酸性の吸水性ポリマー構造体は、酸性のポリマー構造体と比較して塩基性である、遊離塩基性基、好ましくはアミン基を有するポリマー構造体によって少なくとも部分的に中和することができる。これらのポリマー構造体は、文献では「混合床イオン交換性吸収性ポリマー」(MBIEAポリマー)と呼ばれており、特に国際公開第WO99/34843 A1号に開示されている。国際公開第WO99/34843 A1号の開示内容は本願明細書に援用し、本願明細書の開示内容の一部をなすものとする。通常、MBIEAポリマーは、アニオンを交換することができる塩基性ポリマー構造体と、塩基性ポリマー構造体と比較して酸性であり、カチオンを交換することができるポリマー構造体と、を含む組成物である。塩基性ポリマー構造体は塩基性基を有し、通常は塩基性基又は塩基性基に変換可能な基を有するモノマー(α1)を重合させることによって得られる。モノマーは、特に、第一アミン、第二アミン又は第三アミン又は対応するホスフィン又はこれらの官能基の少なくとも2種を含有するモノマーである。そのようなモノマーの例としては、エチレンアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、4−アミノブテン、アルキルオキシシクリン、ビニルホルムアミド、5−アミノペンテン、カルボジイミド、ホルマールダシン、メラミン及びそれらの第二級又は第三級アミン誘導体が挙げられる。
【0021】
好ましいモノエチレン性不飽和酸性基含有モノマー(α1)は、国際公開第WO2004/037903 A2号においてエチレン性不飽和酸性基含有モノマー(α1)として記載されている化合物である。国際公開第WO2004/037903 A2号の開示内容は本願明細書に援用する。特に好ましいモノエチレン性不飽和酸性基含有モノマー(α1)はアクリル酸及びメタクリル酸であり、アクリル酸が最も好ましい。
【0022】
モノマー(α1)と共重合可能なモノエチレン性不飽和モノマー(α2)としては、アクリルアミド、メタクリルアミド又はビニルアミドを使用することができる。
【0023】
アクリルアミド及びメタクリルアミド以外の好ましい(メタ)アクリルアミドは、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル置換(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミドのアミノアルキル置換誘導体である。ビニルアミドとしては、例えば、N−ビニルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、ビニルピロリドを使用することができる。これらのモノマーのうち、アクリルアミドが特に好ましい。
【0024】
モノマー(α1)と共重合可能なモノエチレン性不飽和モノマー(α2)としては、水溶性モノマーを使用することもできる。水溶性モノマーとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレンオキシド(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0025】
(α1)と共重合可能なモノエチレン性不飽和モノマー(α2)としては、水分散性モノマーも使用することができる。好ましい水分散性モノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルである。
【0026】
(α1)と共重合可能なモノエチレン性不飽和モノマー(α2)としては、メチルポリエチレングリコールアリルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、イソブチレンも挙げられる。
【0027】
架橋剤(α3)としては、国際公開第WO2004/037903 A2号において架橋剤(α3)として記載されている化合物が好ましい。これらの架橋剤のうち、水溶性架橋剤が特に好ましい。水溶性架橋剤としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、塩化トリアリルメチルアンモニウム、塩化テトラアリルアンモニウム、アクリル酸1モル当たり9モルのエチレンオキシドを使用して得られるアリルノナエチレングリコールアクリレートが最も好ましい。
【0028】
モノマー(α1)及び任意のモノマー(α2)及び架橋剤(α3)に加えて、モノマー溶液は水溶性ポリマー(α4)を含むことができる。好ましい水溶性ポリマー(α4)としては、部分的又は完全にケン化されたポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、澱粉、澱粉誘導体、ポリグリコール、ポリアクリル酸が挙げられる。これらのポリマーの分子量は、ポリマーが水溶性であれば限定されない。好ましい水溶性ポリマー(α4)は、澱粉、澱粉誘導体又はポリビニルアルコールである。水溶性ポリマー(α4)、好ましくはポリビニルアルコール等の合成水溶性ポリマーは、重合させるモノマーのグラフト基材以外としても使用することができる。これらの水溶性ポリマーは、重合後にポリマーゲルに混合するか、乾燥させた吸水性ポリマーゲルに混合することもできる。
【0029】
また、モノマー溶液は、重合に必要となる場合のある開始剤又はEDTA等の錯化剤等の助剤(α5)を含むことができる。
【0030】
モノマー溶液の溶媒としては、水、有機溶媒及び水と有機溶媒の混合物が挙げられ、特に重合方法に応じて選択する。本発明においては、溶媒として水を使用することが特に好ましい。
【0031】
モノマー溶液におけるモノマー(α1)、モノマー(α2)、架橋剤(α3)、水溶性ポリマー(α4)及び助剤(α5)の相対的な量は、本発明に係る方法によって得られる吸水性ポリマー構造体が、20〜99.999重量%、好ましくは55〜98.99重量%、より好ましくは70〜98.79重量%のモノマー(α1)、0〜80重量%、好ましくは0〜44.99重量%、より好ましくは0.1〜44.89重量%のモノマー(α2)、0〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%、より好ましくは0.01〜2.5重量%の架橋剤(α3)、0〜30重量%、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の水溶性ポリマー(α4)、0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0.1〜8重量%の助剤(α5)、0.5〜25重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜7重量%の水(α6)を含むように選択することが好ましい。なお、成分(α1)〜(α6)の合計は100重量%である。
【0032】
モノマー溶液におけるモノマー、架橋剤、水溶性ポリマーの濃度の最適値は、簡単な予備実験を行うか、ドイツ特許第35 03 458 A1号、ドイツ特許第42 44 548 A1号、ドイツ特許第40 20 780 C1号、米国特許第4,076,663号、米国特許第4,286,082号、ドイツ特許第27 06 135 A1号、ドイツ特許第43 33 056 A1号、ドイツ特許第44 18 818 A1号に記載された方法で決定することができる。
【0033】
本発明に係る方法の工程ii)では、モノマー溶液(好ましくは水溶液)を、微粒子の総重量に対して、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%が、850μm未満、より好ましくは600μm未満、より好ましくは450μm未満、より好ましくは300μm未満、最も好ましくは150μm未満の粒径を有する粒子からなる微粒子と共に混合する。微粒子は、少なくとも95重量%が150μm未満の粒径を有する粒子からなることがより好ましい。
【0034】
微粒子は有機又は無機微粒子であることが好ましく、30重量%未満、より好ましくは25重量%未満、最も好ましくは5重量%未満の含水量を有することが好ましい。
【0035】
有機微粒子としては、吸水性ポリマー構造体の特性を変化させるために通常使用されている公知の粒子状有機材料を使用することができる。好ましい有機微粒子としては、シクロデキストリン、その誘導体及び多糖類が挙げられる。また、セルロース並びにCMCやセルロースエーテル等のセルロース誘導体も好ましい。
【0036】
好ましいセルロース又はセルロース誘導体は、ドイツ特許出願公開第198 25 486号の3頁51行〜4頁61行に記載されている化合物である。ドイツ特許出願公開第198 25 486号の該当部分は本願明細書に援用し、本願明細書の開示の一部をなすものとする。特に好ましいシクロデキストリンは、非誘導化α−、β−、γ−又はδ−シクロデキストリンである。
【0037】
無機微粒子としては、吸水性ポリマー構造体の特性を変化させるために通常使用されている公知の粒子状無機材料を使用することができる。好ましい無機微粒子としては、(必要に応じて粒状化され、変性された(例えば、米国特許出願公開第2005/0137546 A1号に記載されているように、ポリアルキレングリコールによって封入された))炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、NaSO等の硫酸塩、乳酸ナトリウム等の乳酸塩、シリケート、特にゼオライト等のシリケートや、ケイ酸水溶液またはシリカゾルを乾燥させることによって得られるシリケート、例えば、市販の析出シリカやヒュームド法シリカ、例えば、Evonik Industries AG社の「アエロジル(Aerosil) 200」等の5〜50nm、好ましくは8〜20nmの粒径を有するエーロゾル、アルミン酸塩、二酸化チタン、亜鉛華、粘土物質、当業者に公知のその他の無機物、炭素含有無機物質が挙げられる。
【0038】
好ましいケイ酸塩は、Hollemann及びWiberg著、無機化学、Walter de Gruyter−Verlag、第91〜100版、1985年、750〜783頁に開示されている天然または合成ケイ酸塩である。上記文献の該当部分は本願明細書に援用し、本願明細書の開示の一部をなすものとする。
【0039】
特に好ましいケイ酸塩はゼオライトである。ゼオライトとしては、当業者に公知のあらゆる合成又は天然ゼオライトを使用することができる。好ましいゼオライトは、ソーダ沸石、重土十字沸石、モルデン沸石、斜方沸石、フォージャサイト(方ソーダ石)、方沸石から得られる天然ゼオライトである。天然ゼオライトの例としては、方沸石、リューサイト、ポルサイト、ワイラカイト、ベルバーガイト、ビキタアイト、ボグザイト、ブリュスター沸石、チャバサイト、ウィルヘンダーソナイト、コウルス沸石、ダキアルディ沸石、エディントン沸石、剥沸石、エリオン沸石、フォージャサイト、苦土沸石、アミカイト、ガロン沸石、ギスモンド沸石、ゴビンス沸石、グメリン沸石、ゴンナルド沸石、グースクリーカイト、重土十字沸石、灰十字沸石、ウェルサイト(Wellsite)、斜プチロル沸石、輝沸石、濁沸石、レビ沸石、マッチー沸石、メルリーノ沸石、マンテソマイト、モルデン沸石、中沸石、ソーダ沸石、スコレス沸石、オフレット沸石、パラナトロライト(Paranatrolite)、ポーリング沸石、ペルリアライト、バラー沸石、束沸石、ステラ沸石、トムソン沸石、チャーニック沸石、湯河原沸石が挙げられる。好ましい合成ゼオライトは、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトP又はABSCENTである。
【0040】
ゼオライトとしては、SiO/AlO比が10未満であり、より好ましくはSiO/AlO比が2〜10であるいわゆる「インターミディエート(intermediate)」ゼオライトを使用することができる。また、ZSM型の「モレキュラーシーブ」ゼオライト及びβ−ゼオライト等の「ハイ(high)」ゼオライトを使用することもできる。「ハイ」ゼオライトは、好ましくは少なくとも35のSiO/AlO比、特に好ましくは200〜500のSiO/AlO比を有することを特徴とする。
【0041】
アルミン酸塩としては、天然の尖晶石、特に、一般的な尖晶石、亜鉛尖晶石、鉄尖晶石またはクロム尖を使用することが好ましい。
【0042】
好ましい二酸化チタンは、ルチル、鋭錐石、板チタン石結晶型の純粋な二酸化チタン、チタン鉄鉱等の鉄含有二酸化チタン、チタン石またはペロブスカイト等のカルシウム含有二酸化チタンである。
【0043】
好ましい粘土物質は、Hollemann及びWiberg共著、無機化学、Walter de Gruyter−Verlag、第91〜100版、1985年、783〜785頁に開示されている粘土物質である。上記文献の該当部分は本願明細書に援用し、本願明細書の開示の一部をなすものとする。特に好ましい粘土物質は、カオリナイト、イライト、ハロイサイト、モンモリロナイト、タルクである。
【0044】
本発明において好ましい無機微粒子としては、モノ、オリゴ及びポリリン酸の金属塩も挙げられる。これらのうち、水和物が好ましく、一〜十水和物及び三水和物が特に好ましい。金属としては、特にアルカリ金属とアルカリ土類金属が挙げられ、アルカリ土類金属が好ましい。これらのうち、Mg及びCaが好ましく、Mgが特に好ましい。リン酸塩、リン酸、その金属化合物については、Hollemann及びWiberg共著、無機化学、Walter de Gruyter−Verlag、第91〜100版、1985年、651〜669頁を参照するものとする。上記文献の該当部分は本願明細書に援用し、本願明細書の開示の一部をなすものとする。
【0045】
好ましい炭素含有非有機微粒子は、Hollemann及びWiberg共著、無機化学、Walter de Gruyter−Verlag、第91〜100版、1985年、705〜708頁においてグラファイトとして記載されている純粋な炭素である。上記文献の該当部分は本願明細書に援用し、本願明細書の開示の一部をなすものとする。特に好ましいグラファイトは、例えば、コークス、パイログラファイト、活性炭、カーボンブラック等の人工グラファイトである。
【0046】
本発明に係る方法の特に好適な実施形態では、微粒子は、超吸収体の製造及び仕上げ時に搬送又は篩い分け工程で得られ、酸性基含有モノマーからなる吸水性微粒子状ポリマー構造体(「超吸収体微粒子」)である。通常、超吸収体は約150〜約850μmの粒径を有するように粉砕される。ただし、材料が脆いため、粉砕によって粒子のかなりの割合が150μm未満の粒径を有することになる。これらの粒子は超吸収性材料の透過性に悪影響を及ぼし、例えば、衛生用品の製造時に超吸収性材料を搬送装置で搬送する際にダストを形成するため、通常は超吸収体を使用する前に除去される。通常、150μm未満の粒径を有する微粒子は篩い分けによって除去される。
【0047】
酸性基含有モノマーからなり、本発明に係る方法の工程ii)において使用する吸水性微粒子状ポリマー構造体における成分(a1)〜(a6)の含有割合は、本発明に係る方法によって得られる吸水性ポリマー構造体における成分(a1)〜(a6)の含有割合と同一であってもよく、異なっていてもよい。前者の場合には、酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体は、製造される吸水性ポリマー構造体が、酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体をモノマー溶液に添加する同一の方法によって得られる吸水性ポリマー構造体と同一の化学的組成を有する方法によって得られる。後者の場合には、酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体は、製造される吸水性ポリマー構造体が、酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体をモノマー溶液に添加する同一の方法によって得られる吸水性ポリマー構造体とは異なる化学的組成を有する方法によって得られる。酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体は、表面後架橋されてもよく、表面後架橋されなくてもよい。表面後架橋された酸性基含有モノマーからなる粒子状ポリマー構造体と表面後架橋されていない酸性基含有モノマーからなる粒子状ポリマー構造体の混合物を使用することもできる。
【0048】
本発明に係る方法の工程ii)においてモノマー溶液(好ましくは水溶液)と混合される微粒子(より好ましくは酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体)の量は、モノマー溶液(好ましくは水溶液)の重量に対して、0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは3〜8重量%であることが好ましい。
【0049】
本発明に係る方法は、工程ii)における混合を、微粒子の第1のストリームとモノマー溶液の少なくとも1つのストリームを異なる方向から同時に回転混合ツールに供給するミキサー内において行うことを特徴とする。そのような混合方法は、ロータ/ステータ型ミキサーによって実施する。ロータ/ステータ型装置は、回転しない、通常は円筒状のステータを混合室内に含み、ステータの中心において好ましくは円筒状のロータが回転する。通常、ロータの壁面とステータの壁面には凹部(例えば、溝状の凹部)が設けられ、凹部を介してモノマー溶液と微粒子の混合物が吸引され、高い剪断力にさらされる。
【0050】
微粒子の第1のストリームとモノマー溶液の少なくとも1つのストリーム(3)は、60〜120°、より好ましくは75〜105°、さらに好ましくは85〜95°、最も好ましくは約90°の角度δをなすことが好ましい。また、ミキサーから排出されるモノマー溶液と微粒子の混合物のストリームと粒子状ポリマー構造体の第1のストリームは、微粒子の第1のストリームとモノマー溶液の少なくとも1つのストリーム(3)は、60〜120°、より好ましくは75〜105°、さらに好ましくは85〜95°、最も好ましくは約90°の角度εをなすことが好ましい。
【0051】
微粒子の第1のストリームとモノマー溶液の少なくとも1つのストリームは、少なくとも10分間、より好ましくは少なくとも120分間、最も好ましくは少なくとも240分間にわたって連続的に回転混合ツールに(好ましくは同時に)供給することが好ましい。
【0052】
そのような混合方法は、ミキサーとして、微粒子の垂直供給口と、垂直軸を中心として回転する少なくとも1つの混合ツールと、モノマー溶液(好ましくは水溶液)の少なくとも1つの側部供給口と、を含むミキサーを選択することによって実現することができる。そのようなミキサーは、例えば、ドイツ特許第25 20 788号及びドイツ特許第26 17 612号に開示されている。ドイツ特許第25 20 788号及びドイツ特許第26 17 612号における混合装置に関する開示内容は本願明細書に援用し、本願明細書の開示内容の一部をなすものとする。
【0053】
ドイツ特許第25 20 788号に開示された混合装置を使用する場合には、微粒子は、落下管の下端を取り囲み、落下管の開口に向かって下方向に垂直に細くなっている(開口からの横方向距離は維持)ノズル本体への供給口として機能する落下管によって供給される。微粒子と混合されるモノマー溶液(好ましくは水溶液)は、ノズル本体の比較的広い上部領域を介して供給され、落下管の下部領域において、モノマー溶液は微粒子と同様にほぼ垂直に下に向かって流れ、断面積の減少によって流量が増加する。ノズル本体は落下管の下端をやや超えて垂直方向に延在しており、その下には縦軸を中心として回転する混合板が混合ツールとして設けられている。混合板は好ましくはステータ内で回転し、混合板及びステータには、微粒子とモノマー溶液の混合物が吸引される凹部が設けられている。
【0054】
ドイツ特許第26 17 612号に開示された混合装置を使用する場合には、微粒子は、微粒子の垂直方向の供給ストリーム内に配置された調節可能な閉塞弁を介して供給され、閉塞弁の下には、垂直方向に下向きに作用するほぼ同軸のノズルが設けられ、モノマー溶液(好ましくは水溶液)が供給されて微粒子と混合される。下方に混合ツールが設けられた回転混合バスケットの下では、混合物がロートを介して第2の混合室に供給され、第2の混合室には、下に向かって斜めに設けられたモノマー溶液供給ノズルが設けられている。その下では、混合物が混合板又は混合バスケットである混合ツールに供給され、混合物は放射状に外側に向かって移動し、再び下方向に流れる。
【0055】
本発明に係る方法の特に好適な実施形態において、混合ツールは、微粒子の垂直搬送方向に下向きに作用するパドルとして構成されているか、そのようなパドルを有し、モノマー溶液(好ましくは水溶液)は、混合ツールの搬送領域において側部から斜め又は径方向に混合室に供給され、混合ツールよりも上方の領域にはモノマー溶液が供給されない。本発明において特に好ましいそのような混合装置は、ドイツ特許第196 29 945号に開示されている。ドイツ特許第196 29 945号における混合装置に関する開示内容は本願明細書に援用し、本願明細書の開示内容の一部をなすものとする。
【0056】
混合ツール又は混合室の上方では、粒子状ポリマー構造体の供給方向に作用し、混合ツールと微粒子の供給口との間に設けられた搬送スクリューが、実質的に乾燥した供給口を湿潤した混合領域から分離している(すなわち、搬送スクリューが供給口の断面を塞ぐか、小さな公差で壁面から離れている)ことが好ましい。このようにして、微粒子は強制的に混合室に導入され、混合室内においてモノマー溶液と混合される。搬送スクリューは、混合ツールの駆動軸と同軸に配置され、混合ツールの駆動モータによって駆動されてもよい。駆動軸と同軸に配置された分散装置を混合室の下方に設けられていれば特に有利である。この場合、混合室において形成されたモノマー溶液と微粒子の混合物を連続的により激しく混合することができる。
【0057】
そのような混合装置は、IKA(登録商標) Werke GmbH & Co.KG(ドイツ・シュタウフェン)から入手することができ、特に、同社製のMHD 2000/4、MHD 2000/05、MHD 2000/10、MHD 2000/20、MHD 2000/30及びMHD 2000/50が好ましく、MHD 2000/20が最も好ましい。微粒子を連続的にモノマー溶液と混合するこれらの混合装置は、100〜40,000L/hの最大総処理量で連続的に運転することができ、微粒子の最大処理量は50〜11,000L/hである。
【0058】
上述した混合装置、特にMHD 2000/20は、10〜100Hz、より好ましくは20〜85Hz、さらに好ましくは25〜75Hzの混合周波数(混合ツールの回転周波数)で運転することが好ましい。
【0059】
IKA(登録商標) Werke社製のロータ/ステータ型装置以外にも、Ystral GmbH(ドイツ・バルレヒテン=ドッティンゲン)から入手できるロータ/ステータ型装置(特に、Conti TDS)並びにKinematika AG(スイス・リッタウ)から入手できるロータ/ステータ型装置(特に、Megatron(登録商標))も使用することができる。
【0060】
通常、本発明に係る方法は、工程i)及びii)に加えて、iii)架橋剤の存在下において、モノマー溶液(好ましくは水溶液)内に存在する必要に応じて部分的に中和された酸性基含有モノマーをフリーラジカル重合させてポリマーゲルを得る工程と、iv)必要に応じてポリマーゲルを粉砕する工程と、v)必要に応じて粉砕したポリマーゲルを乾燥して吸水性ポリマー構造体を得る工程と、vi)必要に応じて吸水性ポリマー構造体を粉砕及び篩い分けする工程と、vii)必要に応じて粉砕及び篩い分けした吸水性ポリマー構造体を表面後架橋する工程と、をさらに含む。
【0061】
本発明に係る方法の工程iii)では、微粒子と混合され、工程ii)で得られたモノマー水溶液(好ましくは水溶液)のフリーラジカル重合によってポリマーゲルを得る。
【0062】
溶液重合は連続的又は回分式に行うことができる。先行技術文献には、様々な反応条件(開始剤及び反応溶液の温度、種類、量等)が開示されている。典型的な方法は、米国特許第4,286,082号、ドイツ特許第27 06 135 A1号、米国特許第4,076,663号、ドイツ特許第35 03 458 A1号、ドイツ特許第40 20 780 C1号、ドイツ特許第42 44 548 A1号、ドイツ特許第43 33 056 A1号、ドイツ特許第44 18 818 A1号に記載されている。これらの文献の開示内容は本願明細書に援用し、本願明細書の開示内容の一部をなすものとする。
【0063】
重合は開始剤によって開始させる。重合を開始させるために使用する開始剤としては、重合条件下においてフリーラジカルを生成し、超吸収体の製造に通常使用されている任意の開始剤を使用することができる。また、重合性水性混合物に対する電子線の作用によって重合を開始させることもできる。また、上述したような開始剤を使用せずに、光開始剤の存在下における高エネルギー放射線の作用によって重合を開始させることもできる。重合開始剤は、モノマー溶液に溶解又は分散させた状態で使用することができる。有用な開始剤としては、フリーラジカルに分解する公知のあらゆる化合物が挙げられる。特に、国際公開第WO2004/037903 A2号において開始剤として記載されている開始剤が例として挙げられる。
【0064】
吸水性ポリマー構造体は、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及びアスコルビン酸からなるレドックス系を使用して製造することが特に好ましい。
【0065】
開始剤は、モノマー溶液(好ましくは水溶液)と微粒子状ポリマー構造体との混合前、混合中又は混合後に添加することができるが、混合後に添加することが好ましい。2種以上の開始剤からなる開始剤系(例えば、アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及び過酸化水素からなる開始剤系)を使用する場合には、モノマー溶液と微粒子の混合物が混合装置から出た後に混合物に対して開始剤系の成分の少なくとも1つを添加することによって混合物がミキサーから出るまで完全な開始剤系としないことが好ましい。
【0066】
モノマー溶液は、重合前に酸素を含まないことが好ましい。例えば、不活性ガス、特に窒素をモノマー溶液に吹き込むことによって酸素酸素を含まないモノマー溶液を得ることができる。モノマー溶液からの酸素の除去は、混合装置にモノマー溶液を導入する前、混合装置内又は混合装置からモノマー溶液が出た後に行うことができる。また、モノマー溶液からの酸素の除去は、混合装置にモノマー溶液を導入する前及び混合装置内において行い、必要に応じて混合装置からモノマー溶液が出た後にも行うことができる。
【0067】
本発明に係る方法の特定の実施形態では、工程ii)及びiii)を連続して行うことが好ましい。この場合、上述した混合装置によってモノマー溶液と微粒子を連続的に混合した後、連続重合装置(例えば、ベルト重合装置)に混合物を供給することによって混合物を重合させる。
【0068】
本発明に係る方法の工程iv)では、工程iii)によって得られたポリマーゲルを必要に応じて粉砕する。ポリマーゲルの粉砕は、特に重合を溶液重合によって行った場合に行う。粉砕は、公知の粉砕装置(肉挽機等)を使用して行うことができる。これらの工程は、工程ii)及びiii)と同様に連続して行うことができる。
【0069】
本発明に係る方法の工程v)では、必要に応じて粉砕したポリマーゲルを乾燥する。ポリマーゲルは、適当な乾燥機又はオーブン内で乾燥させることが好ましい。例えば、回転オーブン(rotary tube oven)、流動床乾燥機、プレート乾燥機(pan drier)、パドル乾燥機又は赤外線乾燥機を使用することができる。工程v)では、含水量が0.5〜25重量%、好ましくは1〜10重量%となるまでポリマーゲルを乾燥することが好ましく、乾燥温度は通常は100〜200℃である。ベルト乾燥機を使用することにより、工程v)を連続的に行うことができる。
【0070】
工程vi)では、工程v)において(特に溶液重合によって)得られた吸水性ポリマー構造体を粉砕し、上述した所望の粒径に篩い分ける。乾燥させた吸水性ポリマー構造体の粉砕は、ボールミル等の適当な機械的粉砕装置内で行うことが好ましい。また、篩い分けは、例えば適当なメッシュ幅の篩を使用して行うことができる。
【0071】
本発明に係る方法の工程vii)では、必要に応じて粉砕し、篩い分けた吸水性ポリマー構造体を表面後架橋させる。表面後架橋では、工程v)又はvi)で得られ、乾燥させ、必要に応じて粉砕し、篩い分けた吸水性ポリマー構造体又は工程iii)又はiv)で得られ、乾燥させていないが、好ましくは粉砕したポリマーゲルを、好ましくは有機化学表面後架橋剤と接触させる。特に、後架橋剤が後架橋条件において液体ではない場合には、後架橋剤と溶媒を含む流体として後架橋剤を吸水性ポリマー構造体又はポリマーゲルに接触させることが好ましい。溶媒としては、水、水混和性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール)又はそれらの少なくとも2種の混合物を使用することが好ましく、水が溶媒として最も好ましい。後架橋剤は、流体の総重量に対して、5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは15〜40重量%の量で流体に含まれることが好ましい。
【0072】
本発明に係る方法において、吸水性ポリマー構造体又は必要に応じて粉砕したポリマーゲルと後架橋剤を含む流体との接触は、流体をポリマー構造体又はポリマーゲルと十分に混合することによって行うことが好ましい。
【0073】
流体を塗布するための適当なミキサーとしては、パターソン・ケリー(Patterson−Kelley)ミキサー、DRAIS乱流ミキサー、ロディジ(Lodige)ミキサー、ルベルク(Ruberg)ミキサー、スクリューミキサー、パンミキサー、流動床ミキサー、回転刃を使用して高周波数でポリマー構造体を混合する連続垂直ミキサー(シュージ(Schugi)ミキサー)が挙げられる。吸水性ポリマー構造体は、回転容器内において後架橋剤を含む流体と接触させることもできる。そのような方法は、ドイツ特許出願公開第10 2007 024 080号に開示されている。
【0074】
本発明に係る方法では、後架橋時に、ポリマー構造体又はポリマーゲルを、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下の溶媒(好ましくは水)と接触させる。
【0075】
好ましくは球状粒子であるポリマー構造体を使用する場合には、粒子状ポリマー構造体の外部領域のみを流体(後架橋剤)と接触させることが好ましい。
【0076】
本発明に係る方法において使用する後架橋剤としては、縮合反応(=縮合架橋剤)、付加反応又は開環反応によってポリマーの官能基と反応することができる官能基を少なくとも2つ有する化合物が好ましい。本発明に係る方法において好ましい後架橋剤は、国際公開第WO2004/037903 A2号において架橋剤IIとして記載されている化合物である。
【0077】
これらの化合物のうち、後架橋剤としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコール、ソルビトール、1,3−ジオキソラン−2−オン(炭酸エチレン)、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(炭酸プロピレン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソラン−2−オン等の縮合後架橋剤が特に好ましい。
【0078】
後架橋剤又は後架橋剤を含む流体と接触させたポリマー構造体又はポリマーゲルは、好ましくはポリマー構造体の外部領域を内部領域よりも高度に架橋させる(後架橋)ように、50〜300℃、好ましくは75〜275℃、特に好ましくは150〜250℃に加熱する。ポリマーゲルを使用する場合には、ポリマーゲルも加熱する。加熱時間は、ポリマー構造体の所望の特性プロファイルが熱によって損なわれないように制限する。
【0079】
例えば、工程vii)の実施前、工程vii)の実施中又は工程vii)の実施後に、必要に応じて表面後架橋された吸水性ポリマー構造体を固化防止剤、ポリエチレングリコール等の流動助剤、シクロデキストリン、タンニン、茶抽出物又はゼオライト等の臭気結合剤又は無機粉末又はアルミニウム塩等の透過性向上剤によるコーティング等のさらなる表面変性を行うことが有利な場合がある。そのような変性処理は当技術分野において周知である。
【0080】
また、上記目的は、酸性基含有モノマーからなり、好ましくは酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体を微粒子として使用する本発明に係る方法によって得られる吸水性ポリマー構造体であって、(β1)>0.2g/g/秒、より好ましくは>0.22g/g/秒、さらに好ましくは>0.24g/g/秒、最も好ましくは0.25〜0.30g/g/秒の、本願明細書に開示する試験方法によって測定した吸収率並びに(β2)>530g/L、より好ましくは>560g/L、最も好ましくは>590g/Lの、ERT460.2−02に準拠して測定した嵩密度を有する吸水性ポリマー構造体によって達成される。
【0081】
また、上記目的は、酸性基含有モノマーからなり、(β1)>0.2g/g/秒、より好ましくは>0.22g/g/秒、さらに好ましくは>0.24g/g/秒、最も好ましくは0.25〜0.30g/g/秒の、本願明細書に開示する試験方法によって測定した吸収率並びに(β2)>530g/L、より好ましくは>560g/L、最も好ましくは>590g/Lの、ERT460.2−02に準拠して測定した嵩密度を有する吸水性ポリマー構造体によって達成される。
【0082】
本発明に係る吸水性ポリマー構造体の特に好適な実施形態においては、微粒子(好ましくは酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体)の総重量に対して、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%が、150μm未満の粒径を有する粒子からなる微粒子(好ましくは酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体)がポリマー構造体内部に封入されている。そのような吸水性ポリマー構造体は、酸性基含有モノマーからなる微粒子又は吸水性粒子状ポリマー構造体を重合前にモノマー溶液(好ましくは水溶液)に添加する方法によって得ることができる。
【0083】
また、上記目的は、微粒子(好ましくは酸性基含有モノマーからなる吸水性粒子状ポリマー構造体)の第1のストリームとモノマー溶液の少なくとも1つのストリームを異なる方向から同時にモノマー溶液と粒子状ポリマー構造体の混合物の出口を有する回転混合ツールに供給することができるミキサーと、前記出口に接続された重合装置と、を少なくとも含む、吸水性ポリマー構造体の製造装置によって達成される。
【0084】
ミキサーは、本発明に係る方法の説明において好ましい混合装置として記載した混合装置であることが好ましく、重合装置は、特にベルト重合装置又はスクリュー押出機であってもよい。ベルト重合装置は、特に欧州特許第228 638号に記載されている。重合装置の下流には連続粉砕装置が設けられていることが好ましく、連続粉砕装置の下流には連続乾燥装置が設けられていることが好ましい。
【0085】
本願明細書における「出口に接続された重合装置」という表現は、ミキサーから出たモノマー溶液と微粒子又は酸性基含有モノマーからなる粒子状ポリマー構造体の混合物を重合装置に直接供給できることを意味する。
【0086】
また、上記目的は、上記本発明に係る吸水性ポリマー構造体又は本発明に係る方法によって得られる吸水性ポリマー構造体と、基材と、を含む複合体によって達成される。本発明に係るポリマー構造体と基材とは強固に結合されていることが好ましい。好ましい基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリアミド等のポリマーのフィルム、金属、不織布、綿毛、織物、織布、天然又は合成繊維又は発泡体である。本発明においては、複合体は、複合体の総重量に対して、約15〜100重量%、好ましくは約30〜100重量%、より好ましくは約50〜99.99重量%、さらに好ましくは約60〜99.99重量%、さらに好ましくは約65〜99重量%の本発明に係る吸水性ポリマー構造体を含む少なくとも1つの領域を含み、前記領域は、少なくとも0.01cm3、好ましくは少なくとも0.1cm3、最も好ましくは少なくとも0.5cm3の体積を有することが好ましい。
【0087】
本発明に係る複合体の特に好適な実施形態では、複合体は「吸収性材料」として国際公開第WO02/056812号に記載されている平坦な複合体である。国際公開第WO02/056812号における特に複合体の構造、構成要素の目付及び厚みに関する開示内容は本願明細書に援用し、本願明細書の開示内容の一部をなすものとする。
【0088】
また、上記目的は、本発明に係る吸水性ポリマー構造体又は本発明に係る方法によって得られる吸水性ポリマー構造体と、基材と、任意の添加剤と、を接触させる複合体の製造方法によって達成される。基材としては、本発明に係る複合体に関連して上述した基材を使用することが好ましい。
【0089】
また、上記目的は、上記方法によって得られ、好ましくは上述した本発明に係る複合体と同一の特性を有する複合体によって達成される。
【0090】
また、上記目的は、本発明に係る吸水性ポリマー構造体又は本発明に係る複合体を含む化学製品によって達成される。好適な化学製品は、発泡体、成形品、繊維、シート、フィルム、ケーブル、シール材、液体吸収性衛生用品(特におむつ及び生理用ナプキン)、植物/菌類生育調節剤・植物保護活性物質の担体、建設材料の添加剤、包装材料、土壌添加剤である。
【0091】
また、上記目的は、本発明に係るポリマー構造体又は本発明に係る複合体の、化学製品、好ましくは上述した化学製品、特におむつ及び生理用ナプキン等の衛生用品における使用並びに超吸収体粒子の植物、菌類生育調節剤又は植物保護活性化合物の担体における使用によって達成される。植物、菌類生育調節剤又は植物保護活性物質の担体としての使用では、植物、菌類生育調節剤または植物保護活性物質は、担体によって制御される期間が経過した後に放出させることができることが好ましい。
【0092】
図1は、本発明に係る方法において使用することができる混合装置1を示す。垂直供給口5を介して微粒子の第1のストリーム2が回転混合ツール4に供給される。側部供給口6を介してモノマー溶液のストリーム3が同様に回転混合ツール4に供給され、ストリーム2及び3は角度δをなす(図1では、角度δは約90°である)。搬送領域9内では、回転ツール4は、下方向に向かって微粒子を混合室8に搬送するために例えば搬送スクリューとして構成されている。混合室8では、微粒子とモノマー溶液が激しく混合される。混合室8内では、混合ツール4は下向きに作用するパドル7(混合ツール4の回転に従って微粒子とモノマー溶液の混合物を下向きに搬送するパドル)を有する。混合室8の下には分散液装置を取り付けることができる(図1では図示せず)。
【0093】
側部出口11を介して微粒子とモノマー溶液の混合物がミキサー1から排出され、上記混合物のストリーム10と微粒子のストリーム2は角度εをなす(図1では、角度εは約90°である)。
【0094】
図2において、上述した混合装置はベルト重合装置12に接続されており、微粒子とモノマー溶液の混合物を側部出口11を介して重合ベルトに直接供給することができる。
【実施例】
【0095】
試験方法
【0096】
自由膨張率(FSR)
【0097】
欧州特許第0 443 627号の第12頁に記載された試験方法に準拠して自由膨張率(FSR)を測定することによって吸収率を測定した。
【0098】
遠心保持容量(CRC)
【0099】
CRCは、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)試験法WSP 241.2−05に準拠して測定した。
【0100】
比較例1:従来の混合容器によるSAP微粒子のモノマー溶液への導入
【0101】
32重量%の75モル%が中和されたアクリル酸、0.3重量%のポリエチレングリコール−300−ジアクリレート、0.3重量%のアリロキシポリエチレングリコールアクリレート、3重量%のSAP微粒子(粒径:200μm未満、識別のためにメチレンブルーで着色)並びにモノマーの量に対して400ppmのペルオキソ二硫酸ナトリウム、50ppmのH及び10ppmのアスコルビン酸を含む12,000kgのモノマー溶液を混合容器に投入した。
【0102】
混合容器としては、22cmの内径を有する円筒状のプラスチック容器を使用した。容器のモノマー出口(高さ:23.5cm)までの体積は8.93Lである。市販の実験用撹拌機(約800rpm)及びアンカー撹拌機を使用して混合を行った。Hとペルオキソ二硫酸ナトリウムは混合容器に供給し、アスコルビン酸は出口において添加した。
【0103】
実施例1:IKAミキサーによるSAP微粒子のモノマー溶液への導入
【0104】
IKAミキサー内において、32重量%の75モル%が中和されたアクリル酸、0.3重量%のポリエチレングリコール−300−ジアクリレート、0.3重量%のアリロキシポリエチレングリコールアクリレート、400ppmのペルオキソ二硫酸ナトリウム、50ppmのH及び10ppmのアスコルビン酸を含む6000kgのモノマー溶液を3重量%のSAP微粒子(粒径:200μm未満、識別のためにメチレンブルーで着色)と混合した(使用量はモノマーの量に対する量)。
【0105】
IKAミキサーとしては、IKA社製のMHD2000/05(モータ回転速度:3000/min、周速:22.8m/秒)を使用した。ミキサーは、IKA社製の1SA DN50供給スクリュー、インジェクタジャケットF及びIKA社製のロータPP及びステータ2GからなるジェネレータPP(直径:約80mm)を装着して運転した。
【0106】
比較例1及び実施例1で得られた混合物におけるモノマー溶液中の微粒子の沈降挙動を観察した。実施例1において本発明に係る方法によって導入した微粒子は、比較例1よりも非常にゆっくりと沈降した。微粒子がゆっくりと沈降するため、実施例1においてはモノマー溶液を重合させるためにより少量の開始剤を使用することができる。
【0107】
比較例2
【0108】
比較例1で得たモノマー溶液とSAP微粒子の混合物を重合ベルト上に重合させた。重合開始温度は10℃だった。
【0109】
重合後、メチレンブルー着色SAP微粒子の分布均一性を分析するためにゲルストランドの断面を目視観察した。その後、断面の2箇所の異なる領域(ゲルゾーンA:上部中央;ゲルゾーンB:下部中央(図3を参照))からゲルサンプルを採取した ゲルサンプルを5mmの穿孔板を備えた肉挽機で粉砕し、150℃で1.5時間乾燥した。次に、サンプルを粉砕し、150〜850μmの粒径を有する粒子を篩い分けた。このようにして得られたポリマー粒子のCRC値とFSR値を測定した。
【0110】
実施例2
【0111】
実施例1においてIKAミキサーを使用して得たモノマー溶液とSAP微粒子の混合物を重合ベルト上に重合させた以外は、比較例2と同様な作業を行った。
【0112】
表1に示すように、CRC及びFSR特性を比較すると、混合容器を使用加した場合には、CRCは32.3g/g(上部サンプル)から29.7g/g(下部サンプル)に低下し、FSRは0.21g/g/秒から0.45g/g/秒に上昇した。これは、SAP微粒子の含有量が多い下部ゲル領域で架橋が進行したためである。
【0113】
微粒子を5%添加した場合には、CRCは31.9g/gから27.5g/gに低下し、FSRは0.13g/g/秒から0.46g/g/秒に上昇した。一方、IKAミキサーを使用した場合には、各サンプルのCRCは約32g/gであり、FSRは約0.20g/g/秒だった。これらの結果は、SAP微粒子をリサイクルする本発明に係る方法により、非常に均一な吸収特性を有する超吸収体を製造することができることを示している。
【0114】
【表1】

【符号の説明】
【0115】
1 混合装置
2 粒子状ポリマー構造体が混合装置に供給される方向
3 モノマー溶液が混合装置に供給される方向
4 回転混合ツール
5 粒子状ポリマー構造体の供給口
6 モノマー溶液の側部供給口
7 パドル
8 混合室
9 搬送領域
10 混合物がミキサーから排出される方向
11 混合物の出口
12 重合装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体の製造方法であって、
i)必要に応じて部分的に中和された前記酸性基含有モノマーを含むモノマー溶液を用意する工程と、
ii)前記モノマー溶液を、微粒子の総重量に対して少なくとも90重量%が850μm未満の粒径を有する粒子からなる微粒子と混合する工程と、
を含み、
前記工程ii)における混合は、前記微粒子の第1のストリーム(2)と前記モノマー溶液の少なくとも1つのストリーム(3)を異なる方向から同時に回転混合ツール(4)に供給するミキサー(1)内において行う方法。
【請求項2】
前記微粒子の前記第1のストリーム(2)と前記モノマー溶液の前記少なくとも1つのストリーム(3)は60〜120°の角度δをなす、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ミキサーは、前記微粒子の前記第1のストリーム(2)の垂直供給口(5)と、垂直軸を中心として回転する少なくとも1つの混合ツール(4)と、前記モノマー溶液の前記少なくとも1つのストリーム(3)の側部供給口(6)と、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記混合ツール(4)は、前記微粒子の前記第1のストリーム(2)の方向に下向きに作用するパドル(7)として構成されているか、前記パドル(7)を有し、前記モノマー溶液は、前記混合ツール(4)の搬送領域(9)において側部から斜め又は径方向に混合室(8)に供給され、前記混合ツール(4)よりも上方の領域には前記モノマー溶液が供給されない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記混合ツール(4)は25〜75Hzの周波数で回転する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記微粒子の前記第1のストリーム(2)と前記モノマー溶液の前記少なくとも1つのストリーム(3)は60〜120°の角度δをなす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ミキサー(1)から排出される前記モノマー溶液と前記微粒子の混合物のストリーム(10)と前記微粒子の前記第1のストリーム(2)は60〜120°の角度εをなす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記微粒子の前記第1のストリーム(2)と前記モノマー溶液の前記少なくとも1つのストリーム(3)を少なくとも10分間にわたって前記回転混合ツール(4)に同時に供給する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記モノマー溶液は、少なくとも1種の架橋剤と前記酸性基含有モノマーとを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記微粒子を、前記モノマー溶液の重量に対して0.1〜10重量%の量で前記モノマー溶液と混合する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記微粒子は、酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
iii)架橋剤の存在下において、前記モノマー溶液内に存在する前記必要に応じて部分的に中和された酸性基含有モノマーをフリーラジカル重合させてポリマーゲルを得る工程と、
iv)必要に応じて前記ポリマーゲルを粉砕する工程と、
v)前記必要に応じて粉砕したポリマーゲルを乾燥して吸水性ポリマー構造体を得る工程と、
vi)必要に応じて前記吸水性ポリマー構造体を粉砕及び篩い分けする工程と、
vii)前記必要に応じて粉砕及び篩い分けした吸水性ポリマー構造体を表面後架橋する工程と、
をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法によって得られる、酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体。
【請求項14】
(β1)>0.2g/g/秒の本願明細書に開示する試験方法によって測定した吸収率並びに(β2)>530g/LのERT460.2−02に準拠して測定した嵩密度を有する、請求項13に記載の吸水性ポリマー構造体。
【請求項15】
(β1)>0.2g/g/秒の本願明細書に開示する試験方法によって測定した吸収率並びに(β2)>530g/LのERT460.2−02に準拠して測定した嵩密度を有する吸水性ポリマー構造体。
【請求項16】
微粒子の総重量に対して少なくとも90重量%が150μm未満の粒径を有する粒子からなる前記微粒子が前記吸水性ポリマー構造体の内部に封入されている、請求項15に記載の吸水性ポリマー構造体。
【請求項17】
前記微粒子は、酸性基含有モノマーからなる吸水性ポリマー構造体である、請求項16に記載の吸水性ポリマー構造体。
【請求項18】
微粒子の第1のストリーム(2)とモノマー溶液の少なくとも1つのストリーム(3)を異なる方向から同時に前記モノマー溶液と粒子状ポリマー構造体の混合物の出口(11)を有する回転混合ツール(4)に供給することができるミキサー(1)と、前記出口(11)に接続された重合装置(12)と、を少なくとも含む、吸水性ポリマー構造体の製造装置。
【請求項19】
前記重合装置はベルト重合装置又はスクリュー押出機である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
請求項13〜17のいずれか1項に記載の酸性基含有モノマーからなるポリマー構造体と、基材と、を含む複合体。
【請求項21】
請求項13〜17のいずれか1項に記載の酸性基含有モノマーからなるポリマー構造体と、基材と、任意の助剤と、を相互に接触させることを含む、複合体の製造方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法によって得られる複合体。
【請求項23】
請求項13〜17のいずれか1項に記載の酸性基含有モノマーからなるポリマー構造体又は請求項20又は22に記載の複合体を含む、発泡体、成形品、繊維、シート、フィルム、ケーブル、シール材、吸収性衛生用品、植物・菌類生育調節剤用担体、包装材料、土壌添加剤又は建設材料。
【請求項24】
請求項13〜17のいずれか1項に記載の酸性基含有モノマーからなるポリマー構造体又は請求項20又は22に記載の複合体の、発泡体、成形品、繊維、シート、フィルム、ケーブル、シール材、吸液性衛生用品、植物・菌類生育調節剤用担体、包装材料、活性化合物の制御放出のための土壌添加剤又は建設材料における使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−519743(P2013−519743A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552326(P2012−552326)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050570
【国際公開番号】WO2011/101188
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(504341139)エボニック ストックハウゼン ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】