説明

ポリマー溶液の製造方法

【課題】溶媒と微粒子とを含む塗布液において、前記微粒子が所定の平均粒径に分散するまでに要する時間を短縮させる。
【解決手段】微粒子と溶媒とを含む塗布液を製造する場合、前記微粒子として表面が疎水化処理されたものを用いる。前記微粒子の疎水化度は、メタノールウェッタビリティ法(MW法)で算出したメタノールウェッタビリティ値(MW値)とし、MW値が80%以上100%以下であり、平均粒径が0.1μm以上1.0μm以下のものを用いる。前記塗布液は、前記溶媒中に前記微粒子を分散させて製造される。溶液製膜方法でポリマーフィルムを製造する工程の途中で、前記塗布液をポリマーフィルムの表面に塗布して塗布層を形成させ、所定の乾燥手段により乾燥させてポリマーフィルムを製造する。前記塗布液中の前記微粒子の含有量は、前記ドープの固形分に対して、6重量%以上8重量%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー溶液の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、低電圧・低消費電力であり、また、小型化・薄型化が可能であるなどの利点を有することから、パーソナルコンピュータや携帯機器のモニターおよびテレビ用途などに幅広く利用されている。一般に液晶表示装置は、液晶セルや光学補償シートや偏光子などの光学材料から構成されており、このような光学材料の技術分野では、偏光板の保護や画像着色の解消および視野角の拡大などの用途に応じて、様々なポリマーフィルムが用いられている。
【0003】
セルロースアシレートフィルムに代表されるポリマーフィルムは、大きな複屈折率や高いレタデーション値を発現し、また偏光板の保護膜になることができるなどの利点を有することから、安価で薄型の液晶表示装置を提供することができる光学材料として幅広く利用されている。
【0004】
前記セルロースアシレートフィルムは、偏光板の保護フィルムやカラーフィルタやパソコン用液晶表示装置の保護膜として液晶表示装置に用いられており、特に、液晶用表示装置の保護膜としての用途は、近年著しく増大している。また、単なる保護膜でなく、視野角の拡大を可能としたフィルム(例えば、富士写真フィルム株式会社製WVフィルム)や液晶テレビの反射防止膜(例えば、富士写真フィルム製CVフィルム)などのように、フィルム自身に新たな機能を付与して利用する事例も増大している。
【0005】
ポリマーフィルムの製造方法としては、ポリマーを加熱して溶融状にしたものを用いてフィルムを製造する溶融製膜方法や、セルロースアシレートなどのポリマーと添加剤と微粒子と溶媒とを含むポリマー溶液(以下、ドープと称する)を用いてフィルムを製造する溶液製膜方法が知られている。一般的には、平面性や光学特性に優れたフィルムを製造することができることから、ポリマーフィルムの製造方法として、溶液製膜方法が実施されている。
【0006】
溶液製膜方法について説明する。溶液製膜方法とは、一般に、フィルムの原料となるポリマーと微粒子と溶媒と添加剤とを混合して調製されたドープを濾過装置により濾過して流延ドープとし(以下、濾過前のドープを原料ドープ、濾過後のドープを流延ドープと称する)、前記流延ドープを連続して走行する支持体の上に流延して流延膜を形成させる流延工程と、流延膜が自己支持性を有するものとなった後、これを支持体より溶媒を含むフィルムとして剥ぎ取り、複数のローラを用いて支持しながら搬送する間に、前記フィルムに含有する溶媒を乾燥手段により揮発させて乾燥させる乾燥工程とにより構成されており、これらの工程を通してポリマーフィルムが製造される。溶液製膜方法により製造された前記ポリマーフィルムは、ポリマーフィルム製造後から構成部材として利用されるまでの間においては、前記ポリマーフィルムはロール状に巻かれた状態(以下、原反型と称する)やシート状に切断して積層された状態(以下、積層型と称する)で保管される。そして、前記ポリマーフィルムを利用する際には、その用途に応じて前記ポリマーフィルムを所望のサイズに切断して、液晶表示装置などの構成部材として利用する
【0007】
しかし、前記ポリマーフィルムを原反型または積層型により保管した場合には、重なり合うポリマーフィルム同士により形成される接触面において両者が接着してしまう(以下、接着現象と称する)。前記接着現象は、ポリマーフィルム製造後からの時間の経過とともに拡大する傾向を示す。また、前記接着現象が生じたポリマーフィルムは、接触面において、やぶれやつれなどが生じてしまい、その結果、平面性やハンドリング性などが低下してしまうという問題が生じる。
【0008】
前記接着現象を抑制する方法としては、二酸化ケイ素などの微粒子を溶媒やポリマーに添加して混合したものをポリマー溶液として調製し、前記フィルムの表面に前記ポリマー溶液を塗布して表面に層(以下、塗布層と称する)を形成させる方法や、ポリマーフィルムの原料となる原料ドープに前記ポリマー溶液を添加し混合させてポリマーフィルムを製造する方法などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記ポリマー溶液は、接着現象を抑制することを目的とすることに止まらず、ポリマーフィルムの加工性の向上および耐傷性や滑り性(耐ブロッキング性)の向上を目的としても、ポリマーフィルムを製造する際において利用されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0009】
しかし、微粒子を添加したポリマー溶液を用いて形成された塗布層およびポリマーフィルムの中には、数10μm以上の大きさに凝集した微粒子が存在してしまう。したがって、微粒子を添加することにより、接着現象の抑制やポリマーフィルムの加工性の向上および耐傷性や滑り性の向上を図ることはできるが、その凝集した微粒子(以下、凝集粒子と称する)により、光が散乱したり遮断されたりするなどして、ポリマーフィルムの光透過性が低下してしまうなどの問題を同時に生じる。したがって、製造したポリマーフィルムを液晶表示装置に用いる場合においては、表示に支障をきたす(以下、表示欠陥と称する)などの問題が生じる。
【0010】
上記の問題を解決する方法として、微粒子を添加したポリマー溶液を原料ドープに添加したものを用いてポリマーフィルムを製造する場合には、用いる前に必ず濾過装置により、前記ポリマー溶液に対して1回以上の濾過を実施することが一般的となっている。また、前記ポリマー溶液を用いて塗布層を形成させる場合(以下、塗布層を形成するために用いるポリマー溶液を塗布液と称する)には、前記塗布液を製造する場合において、適宜の手段により前記塗布液に含まれる微粒子を所定の粒径分布に分散させる作業が実施されている。
【特許文献1】特開昭61−94725号明細書
【特許文献2】特開昭62−37113号明細書
【特許文献3】特開平2001−151936号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記塗布液に含まれる微粒子を所定の粒径分布に分散させる手段としては、一般的に、金属などを材質とした強靭な歯(以下、回転歯と称する)を高速に回転させることにより、微粒子を微細に粉砕して分散させるディスパー型の高速回転せん断分散機(以下、ディスパー型分散機と称する)が用いられている。しかし、前記ディスパー型分散機により、塗布液に含まれる微粒子を所定の粒径分布に分散させる場合においては、60日程度の日数を要してしまうことから、生産性の低下が懸念される。
【0012】
したがって、ポリマーフィルムの接着現象の抑制および耐傷性などの向上を目的として、ポリマーフィルムの表面に塗布液を塗布して塗布層を形成させる場合には、前記塗布液に含まれる微粒子を所定の粒径分布に短時間で分散させることができる微粒子の分散方法、すなわち塗布液の製造方法を確立することが課題となっている。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、塗布液に含まれる微粒子を短時間で所定の粒径分布に分散させることができるとともに、凝集粒子の発生を抑制して平面性に優れた塗布層を形成することができる塗布液の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため、本発明は、塗布液を塗布してポリマーフィルムを製造する際において、前記塗布液に疎水化処理された微粒子を用いるとともに、前記微粒子を塗布液に添加する前に、その疎水化度を定量化して、その値が特定範囲内にある前記微粒子を塗布液に用いることにより、所定の粒径分布に分散させるのに要する時間の短縮を図り、かつ平面性に優れたポリマーフィルムを提供することを特徴として構成されている。
【0015】
すなわち、塗布液に用いる微粒子は、表面が疎水化処理されたものであることが好ましく、塗布液に用いる前に、前記微粒子の疎水化度を溶媒や純水などを用いて定量化し、その疎水化度の値を把握しておくことが好ましい。前記疎水化度を定量化する方法としては、メタノールウェッタビリティ法(以下、MW法と称する)が好ましく、疎水化度はMW法により求められるメタノールウェッタビリティ値(以下、MW値と称する)であらわすことが好ましい。
【0016】
前記微粒子は、その疎水化度がMW値で75%以上100%以下であることが好ましく、より好ましくは80%以上100%以下である。前記MW値を満たす微粒子を塗布液に用いた場合には、所定の粒径分布に分散させるのに要する時間の短縮を実現することができるとともに、凝集粒子の発生を抑制した塗布層を形成させることができるという効果が得られる。
【0017】
前記MW法において、前記微粒子の疎水化度を定量化するためには、メタノールと純水とを混合させた第1溶液および第2溶液をそれぞれ用いることが好ましい。このとき、メタノールと純水との配合比は、前記第1溶液においては、体積比を9:11とすることが好ましく、また、前記第2溶液においては、体積比を1:1とすることが好ましい。前記第1溶液および前記第2溶液に前記微粒子を同量添加して所定の手段により攪拌混合し、この混合した各溶液を遠心分離させて、前記微粒子の沈降物の体積をそれぞれ求めて、前記第1溶液における微粒子の沈降物の体積をtmlとし、前記第2溶液における微粒子の沈降物の体積をsmlとしたときに、下記の式(I)によりMW値を求めることが好ましい。
(I): MW値〔%〕=(t/s)×100
【0018】
前記塗布液に用いる前記微粒子は、その材料が二酸化ケイ素系であることが好ましく、その表面は疎水化処理されていることが好ましい。前記疎水化処理の方法としては、アルキル化処理であることが好ましい。また、前記疎水化処理された前記微粒子の表面は、アルキル基を有しており、アルキル基の炭素数が1以上20以下であることが好ましく、より好ましくは、1以上12以下である。ただし、前記微粒子の表面におけるアルキル基の炭素数が多いほど前記微粒子は凝集しにくいが、分散性は劣る。したがって、前記炭素数を満たすアルキル基を有する微粒子を用いた場合には、微粒子の凝集を抑制して優れた分散性を発現することができるという効果を得ることができる。
【0019】
本発明において用いる塗布液は、前記微粒子と溶媒とポリマーとを含んでいるものとし、前記溶媒においては、主溶媒として親水性溶媒を用いることが好ましく、前記親水性溶媒としてはアセトンを用いることが好ましい。塗布液にアセトンを用いた場合には、前記塗布液における前記微粒子の分散性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0020】
前記微粒子の平均粒径が、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1μm以上0.5μm以下である。前記微粒子の平均粒径が1.0μmを超えた微粒子を用いてポリマーフィルムを製造した場合には、ポリマーフィルムの光透過性が低下してしまう。また、前記微粒子の平均粒径が0.1μm未満の微粒子を用いてポリマーフィルムを製造した場合には、ポリマーフィルムの表面において優れた滑り性を得ることができない。
【0021】
塗布液に含まれる固形分(以下、固形分と称する)に対する前記微粒子の含有量が、5重量%以上10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは、6重量%以上8重量%以下である。固形分に対する前記微粒子の含有量が多いほど、接着現象を抑制することができるという効果を強めることができる。しかし、固形分に対する前記微粒子の含有量が多すぎる場合には、ポリマーフィルムの光透過性が低下するとともに、凝集粒子が増加してしまう。したがって、固形分に対する前記微粒子の含有量が、前記範囲を満たすようにして調製した塗布液を用いてポリマーフィルムを製造した場合には、ポリマーフィルムに優れた光透過性を発現させることができるとともに、凝集粒子の発生を抑制することができるという効果を得ることができる。
【0022】
本発明における塗布液の原料としては、ポリマーと微粒子と溶媒とを用いる。前記ポリマーとしては、セルロースアシレートを用いることが好ましく、より好ましくは、セルロースアセテートを用いることである。また、前記セルロースアセテートの酢化度が、54以上58以下であることが好ましく、より好ましくは、54.8以上56.2以下である。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、塗布液を製造する場合において、含有する微粒子を所定の粒径分布に分散させるのに要する時間を短縮させることができる。また、本発明により得られる塗布液を用いてポリマーフィルムを製造した場合には、前記ポリマーフィルムを保管する際に起こる接着現象を抑制することができるとともに、液晶表示装置などに好ましく用いることができるような優れた平面性や耐傷性などの特性を発現するポリマーフィルムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の塗布液には、表面が疎水化処理された微粒子を用いる。また、前記微粒子は、塗布液に添加する前に、あらかじめ疎水化度が定量化されており、前記疎水化度の程度が把握されていることを特徴とする。前記微粒子の疎水化度を定量化する方法としては、MW法を用いることが好ましく、前記の式(I)により求められた値をMW値とし、この値を定量化した前記微粒子の疎水化度の指標として扱うことが好ましい。MW法の流れを図1に示すが、本発明は以下の様態に限定されるものではない。
〔MW法〕
(1)メタノール溶液Aと純水Bとを、体積比9:11となるように混合して、第1溶液Cを調製する(例えば、メタノール溶液Aが45mlに対して、純水Bが55ml)
(2)次に、10mlの沈降管Dに、0.2gの微粒子粉末Eと7mlの第1溶液Cとを入れる。
(3)沈降管Dにふたをして、ターブラーミキサ(図示しない)を用いて、微粒子粉末Eを第1溶液C中に振盪混合する。この際、ターブラーミキサの条件は90rpmで30秒間である。
(4)微粒子粉末Eを沈降させるため、遠心分離機(図示しない)を用いる。遠心分離機の条件は、3500rpmで10分間である。
(5)沈降管の目盛から沈降した微粒子粉末Eの沈降物量を体積として読み取り、その値をtmlとする。
(6)新たに、メタノール溶液Aと純水Bとが、体積比1:1となるように混合して、第2溶液Fを調製する(例えば、メタノール溶液Aが50mlに対して、純水Bが50ml)。
(7)第2溶液Fを用いて、上記(2)〜(5)と同じ手順(8)〜(10)により、微粒子粉末Eの沈降物を作製して、沈降管の目盛から沈降した微粒子粉末Eの沈降物量を体積として読み取り、その値をsmlとする。
(11)下記の式(I)によりMW値(%)を求める。
(I): MW値〔%〕=(t/s)×100
例えば、第1溶液Cを用いたときに得られた微粒子の沈降物の体積が4mlであり、第2溶液Fを用いたときに得られた微粒子の沈降物の体積が5mlの場合は、
MW値〔%〕=(4/5)×100=80
となり、この場合に用いた微粒子粉末Eの疎水化度は80%となる。
【0025】
前記微粒子においては、前記MW法により求められたMW値が、80%以上100%以下であることが好ましい。MW値が80%未満の場合には、微粒子の疎水性が高くなるため、親水性溶媒を用いて塗布液を調製した場合には、微粒子の凝集が起こりやすくなる。
【0026】
本発明の塗布液に用いられる微粒子は、二酸化ケイ素,二酸化チタン,酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム,炭酸カルシウム,タルク,クレイ,焼成カオリン,焼成ケイ酸カルシウム,水和ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムなどが例示されるが、好ましくは二酸化ケイ素系,二酸化チタン系及び酸化ジルコニウムを用いることであり、特に好ましくは、二酸化ケイ素系を用いることである。
【0027】
塗布液に用いる前記微粒子は、ケイ素を含有する化合物であることが好ましいが、二酸化ケイ素または三次元の網状構造を有するシリコーン樹脂であることがより好ましく、特に好ましくは、二酸化ケイ素である。また、前記微粒子は表面が疎水化処理されたものを用いることが好ましく、前記疎水化処理の方法としては、アルキル化処理であることが好ましい。アルキル化処理された前記微粒子の表面はアルキル基を有しており、そのアルキル基の炭素数は1以上20以下であることが好ましく、より好ましくは炭素数1以上12以下であり、特に好ましくは、炭素数1以上8以下である。
【0028】
前記微粒子において、表面に炭素数1以上20以下のアルキル基を有するものは、例えば前記二酸化ケイ素の微粒子をオクチルシランで処理することにより得ることができる。また、表面にオクチル基を有するものの一例としては、アエロジルR805(日本アエロジル (株) 製)の商品名で市販されており、好ましく用いることができる。
【0029】
本発明において塗布液に用いる溶媒としては、親水性溶媒を主溶媒として用いることが好ましく、前記親水性溶媒としては、アセトンを用いることが好ましい。前記親水性溶媒としてアセトンを塗布液に用いた場合には、前記塗布液における前記微粒子の分散性を向上させることができるとともに、凝集粒子の発生を抑制することができる。
【0030】
本発明の塗布液に用いられるポリマーは特に限定されるものではないが、中でもセルロースアシレートが好ましい。前記セルロースアシレートにおいては、セルロースアセテート,セルロースプロピオネート,セルロースブチレート,セルロースアセテートプロピオネート,セルロースアセテートブチレートなどが例示されるが、その他公知のセルロースアシレートを含めて、本発明において用いることができる。ただし、セルロースアセテートを用いることが好ましく、より好ましくは、酢化度が54%以上58%以下であるセルローストリアセテートを用いることである。前記セルロースアセテートの酢化度は、ASTM D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定方法および計算方法にしたがうものとする。
【0031】
なお、塗布液を調整する場合の温度は、0℃以上50℃以下であることが好ましく、より好ましくは、0℃以上30℃以下である。
【0032】
図2に、本発明を実施したフィルム製造設備10を示す。ストックタンク11の内部には、ジクロロメタンを主溶媒とし、これにアルコール類を混合した混合溶媒の一部とセルロースアシレートおよび可塑剤とが混合攪拌されることにより調製された第1添加剤液12が貯蔵されている。ストックタンク13には、前記混合溶媒の一部と紫外線吸収剤とが混合攪拌された第2添加剤液14が貯蔵されている。目的に応じて劣化防止剤,光学異方性コントロール剤,染料および剥離剤などをそれぞれ含む添加剤を調製してもよい。
【0033】
第1添加剤液12と第2添加剤液14とを送液ポンプ15および16によりスタティックミキサ17にオンラインで送液して攪拌混合した後、濾過装置18により1回以上濾過して、流延ドープを調製する。調製された流延ドープは流延ダイ30に送液される。
【0034】
流延ダイ30の下方には、バックアップローラ31,32により支持された流延バンド33が設けられている。流延バンド33は、駆動装置(図示しない)によりバックアップローラ31,32が回転することにより無端で走行する。流延バンド33の移動速度、すなわち流延速度は10m/分以上200m/分以下であることが好ましい。また、バックアップローラ31,32には、伝熱媒体循環装置(図示しない)が備えられており、その中を所定の温度に保持されている伝熱媒体が通過することによって、バックアップローラ31,32の温度が所定の温度に保持される。これにより、流延バンド33の表面温度は所定の温度に調整される。なお、流延バンド33の表面温度は、−20℃以上40℃以下であることが好ましい。また、流延ダイ30、流延バンド33などは流延室35に収められている。流延室35の内部には、この内部の温度を所定の値に保つために温調設備(図示しない)が設置されている。流延室35の内部の温度は、−10℃以上57℃以下であることが好ましい。揮発している溶媒を凝縮回収するための凝縮機(図示しない)が設けられていることが好ましい。凝縮した溶媒は、回収装置(図示しない)によって回収された後、再生されてドープ調製用溶媒として再利用される。この溶媒の再利用により、生産コストを低減することができるという効果を得ることができる。
【0035】
流延ダイ30から流延ドープを流延バンド33の上に流延して、流延膜34を形成する。なお、このときの流延ドープの温度は、−10℃以上57℃以下であることが好ましい。流延膜34は、流延バンド33の走行と共に移動する。このとき、流延膜34に含有している溶媒を揮発させるため、流延室35の内部には送風機(図示しない)を設けて乾燥風を送風することが好ましい。送風機の取り付け位置は、一般的には流延バンド33の上部上流側,下流側及び流延バンド33の下部に設けられるが、流延膜34に含まれる溶媒を効率よく揮発させることができるように乾燥風を吹き付けることのできる位置であれば、特に限定はされない。また、乾燥風が吹き付けられることによって、形成直後の流延膜34の膜面での面状変動を抑制するため、遮風装置(図示しない)を設けることが好ましい。なお、図2では支持体として流延バンド33を用いる例を示しているが、本発明はこの様態に限定されるものではなく、例えば、支持体として連続して走行する流延ドラムやロールなどを用いることもできる。支持体として前記流延ドラムを用いる場合には、前記流延ドラムの表面温度は−20℃以上40℃以下であることが好ましい。また、流延バンド33の材質は、ステンレス製のものが一般的に用いられるが、特に限定されない。
【0036】
流延膜34が自己支持性を有するものものとなった後、剥取ローラ41により流延バンド33から連続的に剥ぎ取られ、湿潤フィルム42が形成される。次に、複数のローラが配されている渡り部43の上を通過させて、湿潤フィルム42をテンター50に送り込む。渡り部43においては、乾燥機(図示しない)により乾燥風を吹き付けることにより湿潤フィルム42を乾燥しながら搬送する。渡り部43における前記乾燥機からの前記乾燥風の温度は、20℃以上250℃以下であることが好ましい。なお、渡り部43では、下流側のローラの回転速度を上流側のローラの回転速度より速くすることにより、湿潤フィルム42にドローを付与させることもできる。
【0037】
テンター50の内部には複数のローラ(図示しない)が配されており、湿潤フィルム42は、所定の手段により両側端部が把持された状態で前記ローラに支持されながら搬送される。テンター50の内部には、乾燥機(図示しない)が設けられており、前記乾燥機から所定の温度に調整された乾燥風を吹き付けられることにより所定の溶媒の含有量になるまで乾燥される。テンター50の内部の温度は、22℃以上150℃以下であることが好ましい。テンター50の内部において乾燥された湿潤フィルム42は、フィルム51となる。次に、フィルム51は耳切装置52により、その両側端部が切断される。フィルム51の両側端部を切断する工程は省略することもできるが、湿潤フィルム42が形成されてから、フィルム製品が得られるまでのいずれかの工程において実施することが好ましい。両側端部を切断されたフィルム51は、複数のローラ53が配されている乾燥室54に送り込まれる。乾燥室54の内部には送風機(図示しない)が設けられており、フィルム51は複数のローラ53により支持されながら搬送される間に、送風機から所定の温度に調整された乾燥風が送風されることにより乾燥される。
【0038】
また、乾燥室54の内部には塗布部55を設けて、フィルム51に塗布液を塗布して塗布膜を形成させる。塗布液を塗布する工程である塗布部55は、流延バンド33から湿潤フィルム42として剥ぎとられてから、テンター50や乾燥室54などの乾燥手段により乾燥されてフィルム製品となるまでの間の工程において、どの地点に設けてもよく、特に限定はされない。塗布部55において塗布液を塗布する方法としては、所定のタンクに塗布液を貯蔵したものにフィルム51を浸漬させる方法でもよく、また、直接フィルム51へ塗布液を吹き付けてもよく、フィルム51の表面に均一な塗布層を形成できる方法であれば、特に限定はされない。
【0039】
乾燥されたフィルム51は冷却室56に搬送されて、室温まで冷却される。なお、乾燥室54と冷却室56との間には調湿室(図示しない)を設けてもよい。また、前記調湿室においては、フィルム51に所望の湿度および温度に調整された空気を吹き付けることが好ましい。フィルム51に、所望の湿度および温度に調製した空気を吹き付けることにより、フィルム51を巻き取る際に生じる巻取不良を低減させることができる。
【0040】
また、フィルム51が搬送されている間の帯電圧が所定の範囲(例えば、−3kV以上+3kV以下)となるように、強制除電装置(除電バー)60を設けることが好ましい。図1では、冷却室56の下流側に設けられている例を図示しているが、その位置に限定されるものではない。さらに、ナーリング付与ローラ61を設けて、フィルム51の両縁にエンボス加工でナーリングを付与することが好ましい。なお、ナーリングされた箇所の凹凸は1μm以上200μm以下であることが好ましい。
【0041】
フィルム51を巻取室62の内部にある巻取ロール63により巻き取る。この際、フィルム51に対してプレスローラ64を用いて、所定の値の張力を付与しながら巻き取ることが好ましい。前記張力は、巻取開始時から終了時までの間において、時間の経過とともに徐々に変化させることが好ましい。巻き取られるフィルム51は、長さが長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましく、幅は600mm以上であることがより好ましく、1400mm以上1800mm以下であることが特に好ましい。なお、フィルム51は巻取ロール63により巻き取られる必要はなく、シート状にカットしてポリマーフィルム製品としてもよく、その様態は用途に応じて適宜変更することが可能であり、特に限定されない。また、本発明により得られるフィルム51の厚みが、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
【0042】
図3に、塗布部55において塗布する塗布液調整設備70を示す。塗布液調整設備70は、バインダー調製タンク71と分散用タンク72とストックタンク73とが直列して連結されることで構成されおり、各タンクには前からそれぞれ送液ポンプ77,78,79が備えられている。バインダー調製タンク71において、ポリマーと第1溶媒とを攪拌羽74により混合攪拌して第1混合溶液80を調製する。前記ポリマーはジアセチルセルロースが好ましく、酢化度が54.8以上56.2以下であることが特に好ましい。前記第1溶媒は本実施例においては、アセトンを用いたが、前記ポリマーを溶解できる溶媒であれば、特に限定はされない。分散用タンク72においては、微粒子と第2溶媒とを回転歯75により混合攪拌して前記微粒子を前記第2溶媒に分散させた第2混合溶液81を調製する。本実施例においては、分散用タンク72として、ディスパー型分散機を用いて、回転歯75としては複数のスリットを有する材質がステンレス製の金属歯を用いた。前記ディスパー型分散機は、周速比が15m/sec以上22m/sec以下であることが好ましく、より好ましくは、17m/sec以上22m/sec以下であり、特に好ましくは20m/sec以上22m/sec以下である。本実施例では分散用タンク72としてディスパー型分散機を用いたが、微粒子と溶媒とを効率的に攪拌混合して、微粒子を溶媒中に分散させることができる手段であれば、特に限定はされない。
【0043】
前記微粒子は、二酸化ケイ素であることが好ましく、前記第2溶媒としては、親水性溶媒を主溶媒とすることが好ましく、前記親水性溶媒としてはアセトンを用いることが好ましい。本実施例においては、アセトンとメタノールとを混合して用いたが、本実施例のように2種類以上の溶媒を混合して用いてもよく、1種類の溶媒のみを用いてもよく、その様態は特に限定されない。ただし、親水性溶媒を主溶媒として、前記親水性溶媒としてアセトンを用いた場合には、本発明は優れた効果を発揮する。前記微粒子の平均粒径は、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。前記平均粒径の範囲を満たす前記微粒子を用いた塗布液においては、凝集粒子の発生を抑制することができるという効果を得ることができる。前記平均粒径は、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと称する)、または透過型電子顕微鏡(以下、TEMと称する)により求めた値を用いることが好ましいが、微粒子の粒径を測定することができる手段により求めた値であれば、SEMあるいはTEMにより求めた値に相対する値を算出して、その値を前記微粒子の平均粒径として用いることができる。また、前記微粒子のドープ全量に対する含有量は、含有量が多いほど接着防止効果が高い。しかし、含有量が多すぎた場合には、ポリマーフィルムの透過度が低下するとともに、凝集粒子が増加する。したがって、前記微粒子のドープ全量に対する含有量は、5重量%以上10重量%以下が好ましく、特に好ましくは、6重量%以上8重量%以下である。
【0044】
第1混合溶液80は調製後、その一部が送液ポンプ77により分散用タンク72に送られ、第2混合溶液81と混合攪拌された後、送液ポンプ78によりストックタンク73に送られる。ストックタンク73においては、攪拌羽76によりさらに攪拌されて、塗布液82が調製され、塗布液82は、送液ポンプ79により、適宜適量が塗布部55に送られて、フィルム51に塗布される。なお、フィルムの表面に塗布液を塗布して塗布層を形成させる工程を有する溶液製膜方法により、ポリマーフィルムを製造する際においては、用いる前記塗布液の原料,塗布液に含まれる微粒子の分散条件および分散方法,分散度,MW値,固形分に対する前記微粒子の含有量などは、本実施例において記載した数値および方法に限定されるものではなく、異なる値を用いてもよい。
【0045】
巻き取られたセルロースアシレートフィルムの性能およびそれらの測定方法は、特願2003−319673号の[0113]から[0140]までに詳しく記述されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
【0046】
前記セルロースアシレートフィルムを他のフィルムと積層させて積層フィルムを作製する場合には、セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が表面処理された後に積層されることが好ましい。
【0047】
数種類の塗布液を調製して、本発明の効果を評価した。本発明において実施した実施例について、それぞれ下記に説明する。ただし、本発明はこれら様態に限定されるものではない。なお、実施例1で実施条件などに関して詳細に説明し、実施例2〜4に関しては、実施例1と同じ実施条件の説明は省略する。
【実施例1】
【0048】
本発明においては、発明の効果を評価することを目的として、MW値および平均粒径の異なる微粒子を用いて塗布液を調製した。下記に前記塗布液の原料および調製方法について説明する。
〔塗布液の調製〕
下記の原料を用いて下記の配合量により、所定の手段により攪拌混合して、第1混合溶液80および第2混合溶液81を調製し、さらに第2混合溶液81に第1混合溶液80の一部を添加して混合攪拌することにより、塗布液82を調製した。
(1)第1混合溶液の調製
下記の材料を、バインダー用調製タンク71において攪拌羽74により混合攪拌して、第1混合溶液80を調製した。
アセトン 94.0重量部
ジアセチルセルロース(酢化度;54.8以上56.2以下) 6.0重量部
(2)第2混合溶液の調製
下記の材料を、分散タンク72としてディスパー型分散機を用いて、周速比を20m/secとして、材質がSUS316である回転歯75により混合攪拌して、溶媒に微粒子を分散させて第2混合溶液82を調製した。
微粒子(日本アエロジル製 R972) 7.0重量部
アセトン 31.0重量部
メタノール 5.0重量部
次に、分散タンク72に貯蔵されている第2混合溶液81に、第1混合溶液80を57.0重量部添加して、回転歯75の周速比を20m/secとして、さらに混合攪拌して、前記微粒子を平均粒径(以下、第2混合溶液において用いる微粒子の分散前の平均粒径を1次平均粒径、分散後の平均粒径を2次平均粒径と称する)が7.2μm以上24μm以下となるように分散させて、塗布液82を調製した。また、前記2次平均粒径は、経時で評価することを目的として、粒径分布測定器(マルバーン社製;マスターサイザー)により測定した。
【0049】
図3に示す塗布液調整設備70において前記塗布液の調整方法により、塗布液82を調製した。ただし、第2混合溶液81として、MW値が95%であり、1次平均粒径が 0.1μm〜0.5μmである微粒子を用いて、塗布液中の固形分に対する前記微粒子の含有量(以下、微粒子含有量と称する)が7重量%となるように調製したものを用いた。
【実施例2】
【0050】
実施例1と同じ1次平均粒径の微粒子を用いて、第2混合溶液81として、MW値が80%であり、微粒子含有量が7重量%となるように調製し、実施例1と同じ実施条件で塗布液82を製造した。
【実施例3】
【0051】
実施例1と同じ1次平均粒径の微粒子を用いて、第2混合溶液81として、MW値が74%であり、微粒子含有量が7重量%となるように調製し、実施例1と同じ実施条件で塗布液82を製造した。
【実施例4】
【0052】
実施例1と同じ1次平均粒径の微粒子を用いて、第2混合溶液81として、MW値が64%であり、微粒子含有量が7重量%となるように調製し、実施例1と同じ実施条件で塗布液82を製造した。
【0053】
〔本発明における効果の評価〕
ディスパー型分散機により混合攪拌させて製造した塗布液82を用いて、粒径分布測定器(マルバーン社製;マスターサイザー)により、経時的に前記微粒子の平均粒径を測定して、前記微粒子が前記塗布液中に分散した際の前記平均粒径が24μm程度になるまでに要した日数を求めて(以下、分散所要日数と称する)、前記分散所要日数を本発明の効果をあらわす指標として評価した。
【0054】
本実施例において第2混合溶液81に用いた微粒子の実施条件であるMW値,1次平均粒径,微粒子含有量および評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
表1からも明らかなように、各実施例での分散所要日数は、実施例1においては15日間要したのに対して、実施例2では20日間、実施例3では50日間、実施例4においては60日間であった。
【0057】
〔MW値の影響〕
本実施例においては、実施例1から実施例4にかけて順に、MW値を95%,80%,74%,64%と約15%程度の間隔により変化させた微粒子を用いて塗布液を製造した。表1からも明らかなように、各実施例における分散所要日数は、実施例1が15日間ともっとも少なく、次いで、実施例2,3,4の順に20日間,50日間,60日間と増加する傾向を示した。また、各実施例におけるMW値の間隔と分散所要日数とを比べた場合において、実施例1と実施例2および実施例3と実施例4とでは、互いの分散所要日数の差はそれぞれ5日間,10日間と比較的小さいものであったが、一方で、実施例2と実施例3とにおいて、分散所要日数に30日間の比較的大きな差が生じた。これらのことから、MW値が高い微粒子を用いて塗布液を製造するほど、分散所要日数は少なくなること、くわえて、MW値が80%付近を境にして、分散所要日数の増減に関する傾向が大きく変化することが分かった。以上より、塗布液中における微粒子の分散性には、微粒子のMW値が影響しており、MW値が大きな微粒子を用いて塗布液を製造した場合には、分散所要日数を少なくすることができるとともに、特に、MW値が80%以上である微粒子を用いて塗布液を製造した場合において、分散所要日数を短縮させる効果が高いということが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明において用いたMW法の概略図である。
【図2】本発明を実施したフィルム製造設備の概略図である。
【図3】本発明を実施した塗布液製造設備の概略図である。
【符号の説明】
【0059】
10 フィルム製造設備
42 湿潤フィルム
50 テンター
51 フィルム
54 乾燥室
55 塗布部
70 塗布液製造設備
71 バインダー用調製タンク
72 分散用タンク
82 塗布液



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと微粒子と溶媒とを含むポリマー溶液において、
前記微粒子は表面が疎水化処理されたものであり、その疎水化度がメタノールウェッタビリティ値で80%以上100%以下であることを特徴とするポリマー溶液の製造方法。

【請求項2】
前記微粒子が二酸化ケイ素系であることを特徴とする請求項1記載のポリマー溶液の製造方法。
【請求項3】
微粒子の表面における前記疎水化処理が、アルキル化処理であることを特徴とする請求項1または2記載のポリマー溶液の製造方法。
【請求項4】
前記溶媒は、主溶媒として親水性溶媒を用い、前記親水性溶媒がアセトンであることを特徴とする請求項1ないし3いずれかひとつ記載のポリマー溶液の製造方法。
【請求項5】
前記微粒子の1次平均粒径が、0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1ないし4いずれかひとつ記載のポリマー溶液の製造方法。
【請求項6】
前記微粒子の含有量が、前記ポリマー溶液に含まれる固形分に対して、6重量%以上8重量%以下であることを特徴とする請求項1ないし5いずれかひとつ記載のポリマー溶液の製造方法。
【請求項7】
複数同時流延、または複数逐次流延によりポリマーフィルムを製造する溶液製膜方法において、少なくとも表面となる層を請求項1から6いずれかひとつ記載のポリマーを用いて塗布することを特徴とする溶液製膜方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−89644(P2006−89644A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278258(P2004−278258)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】