説明

ポリマー組成物からなる物品のヘイズを制御する方法

【課題】
ポリマー組成物からなる物品のヘイズを制御する方法。
【解決手段】
前記方法は、25ppm未満のアルカリ金属ハロゲン化物を含むポリマー組成物を調製し、前記ポリマー組成物から物品を製造することからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物からなる物品のヘイズを制御する方法に関する。より具体的には、本方法は、アルカリ金属ハロゲン化物を含むポリマー組成物からなる物品のヘイズの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー物質からなる殆ど無限数の様々な物品が現代の商業及び科学技術の不可分の一部を形成している。多くのかかる物品の有用性は、その物品の製造原料であるポリマー組成物の透明性に依存する。高度の光学的透明性を必要とする多くの用途において、その物品が示すヘイズレベルはある閾値レベルを超えることができない。ある種のポリマー組成物、例えばポリカーボネートは、非常に高いレベルの透明性と低いヘイズ値を示す。しかし、かかる材料のその他の物理的性質、例えばガラス転移温度のため、これらの材料は、高いレベルの光学的透明性と熱の影響に対する実質的な抵抗性との両方を必要とする多くの用途に使用するのには適さない。傑出した耐熱性を保有する多くのポリマー組成物が利用可能であるが、このようなポリマー組成物から製造された物品は許容できないレベルのヘイズを示す傾向がある。
【0003】
場合により、ポリマー組成物からなる物品が示すヘイズのレベルは、そのポリマー組成物を製造する方法自体に依存することが分かっている。例えば、ポリエーテルイミドポリマー組成物を用いて製造された物品は、構成成分のポリエーテルイミドを製造するために使用した方法に応じて高め又は低めのレベルのヘイズを示す。ポリエーテルイミド組成物は、その高い熱性能、良好な機械的性質、耐薬品性及び加工容易性の組合せのために、商業的に魅力のある物質である。市販されているUltem(登録商標)ポリエーテルイミド組成物には、低いヘイズが重大な品質要因である食器、フィルム、シリコンウエハー担体及び類似の用途に応用されている。市販Ultem(登録商標)ポリエーテルイミド組成物の典型的なヘイズレベルは2%より低いことが分かっている。
【0004】
しかし、既に述べたように、ポリエーテルイミド組成物から製造された物品が示すヘイズレベルは、それを製造するのに使うプロセスに依存する。現在市販されているポリエーテルイミド組成物は、3−ニトロ−及び4−ニトロ−N−メチルフタルイミドの混合物から出発して一連の段階でビスフェノールA二無水物(BPADA)を生成する「ニトロ−置換」法を用いて製造される。次いで、このBPADAと、メタ−フェニレンジアミンのようなジアミンとの縮重合でポリエーテルイミド組成物を製造する。代わりのアプローチとして、まず前記ジアミンをクロロフタル酸無水物と反応させてビス−クロロフタルイミドを形成し、次いで「クロロ−置換」重合法で、ビスフェノールのアルカリ金属塩(例えば、ビスフェノールA二ナトリウム塩)と反応させる。ニトロ置換法とは対照的に、クロロ置換法は、プロセスの簡単さ及び組成上の自由度の両方に関して利点を有しているようである。しかし、「クロロ−置換」法を用いて製造されたポリエーテルイミドを使用して製造した物品は、不思議なことに、「ニトロ−置換」法で製造されたポリエーテルイミドを用いて製造した物品よりずっと高いヘイズレベルを示すことが分かっている。「クロロ−置換」重合を用いて製造されたポリエーテルイミドを使用して製造した物品で観察される高いヘイズレベルのため、「クロロ−置換」プロセス技術の商業的魅力は大きく損なわれる。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0151675号明細書
【特許文献2】米国特許第6221940号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、ポリマー組成物からなる物品、特にポリエーテルイミド組成物を製造するのに用いるクロロ置換法と関連がある方法を使用して製造されたポリマー組成物からなる物品のヘイズを制御する方法を提供する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、ポリマー組成物からなる物品のヘイズを制御する方法を提供する。この方法は、
(a)約25ppm(100万部当たりの部)未満のアルカリ金属ハロゲン化物を含むポリマー組成物を準備し、
(b)そのポリマー組成物から物品を製造する
ことからなる。
【0007】
さらに別の態様では、本発明は、ポリエーテルイミド組成物からなる物品のヘイズを制御する方法を提供する。この方法は、
(a)約25ppm未満のアルカリ金属塩化物からなるポリエーテルイミド組成物を準備し、
(b)そのポリエーテルイミド組成物から物品を製造する
ことからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の本発明の好ましい実施形態に関する詳細な及びその中の実施例を参照することにより本発明がより容易に理解されよう。以下の詳細な説明及び特許請求の範囲では、多くの用語を使用するが、それらは以下の意味を有するものとして定義される。
【0009】
単数形態は、前後関係から明らかに他の意味を示さない限り、複数の対象を包含する。
【0010】
「任意」又は「場合により」とは、その後に続いて記載される事象又は状況起こってもよいし起こらなくてもよいことを意味し、またその記載がその事象が起こる場合と起こらない場合とを包含することを意味している。
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「脂肪族基」とは、原子の環状ではない線状又は枝分かれ配列を含み1以上の価数を有する基をいう。この配列は、窒素、イオウ、ケイ素、セレン及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし又は炭素と水素のみで構成されていてもよい。脂肪族基は「置換」でも「非置換」でもよい。置換脂肪族基は、1以上の置換基を含む脂肪族基と定義される。置換脂肪族基は、脂肪族基上の置換に利用可能な位置の数と同じ数までの置換基を含み得る。脂肪族基上に存在し得る置換基としては、特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のようなハロゲン原子がある。置換脂肪族基としては、トリフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモエチル、ブロモトリメチレン(例えば、−CHCHBrCH−)、などがある。便宜上、本明細書中で用語「非置換脂肪族基」は、非置換脂肪族基を構成する「原子の環状ではない線状又は枝分かれ配列」の一部として広範囲の官能基を含むものと定義される。非置換脂肪族基の例としては、アリル、アミノカルボニル(すなわち、−CONH)、カルボニル、ジシアノイソプロピリデン(すなわち、−CHC(CN)CH−)、メチル(すなわち、−CH)、メチレン(すなわち、−CH−)、エチル、エチレン、ホルミル、ヘキシル、ヘキサメチレン、ヒドロキシメチル(すなわち、−CHOH)、メルカプトメチル(すなわち、−CHSH)、メチルチオ(すなわち、−SCH)、メチルチオメチル(すなわち−CHSCH)、メトキシ、メトキシカルボニル、ニトロメチル(すなわち、−CHNO)、チオカルボニル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリメトキシシリルプロピル、ビニル、ビニリデン、などがある。脂肪族基は、1以上の炭素原子を含むものと定義される。C〜C10脂肪族基は、1以上であるが10以下の炭素原子を含有する置換脂肪族基及び非置換脂肪族基を包含する。
【0012】
本明細書で使用する場合、用語「芳香族基」とは、1以上の芳香族基を含み1以上の価数を有する原子の配列をいう。この1以上の芳香族基を含み1以上の価数を有する原子の配列は、窒素、イオウ、セレン、ケイ素及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし又は炭素と水素のみで構成されていてもよい。本明細書で使用する場合、用語「芳香族基」には、特に限定されないが、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン及びビフェニル基が包含される。既に述べたように、芳香族基は、1以上の芳香族基を含有する。芳香族基は、常に、4n+2個の「非局在化」電子を有する環状構造である。ここで、「n」は1以上に等しい整数である。例を挙げると、フェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)、アントラセニル基(n=3)などがある。また、芳香族基は非芳香族部分を含んでいてもよい。例えば、ベンジル基は、フェニル環(芳香族基)とメチレン基(非芳香族部分)とからなる芳香族基である。同様に、テトラヒドロナフチル基は、非芳香族部分−(CH−と縮合した芳香族基(C)からなる芳香族基である。芳香族基は「置換」でも「非置換」でもよい。置換芳香族基は、1以上の置換基を含む芳香族基と定義される。置換芳香族基は、芳香族基上で置換に利用可能な位置の数までの数の置換基を含むことができる。芳香族基上に存在し得る置換基としては、特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のようなハロゲン原子がある。置換芳香族基としては、トリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェニルオキシ)(すなわち、−OPhC(CFPhO−)、クロロメチルフェニル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェニル(すなわち、3−CClPh−)、ブロモプロピルフェニル(すなわち、BrCHCHCHPh−)、などがある。便宜上、本明細書中で用語「非置換芳香族基」は、「1以上の芳香族基を含み1以上の価数を有する原子の配列」の一部として広範囲の官能基を含むものと定義される。非置換芳香族基の例としては、4−アリルオキシフェノキシ、アミノフェニル(すなわち、HNPh−)、アミノカルボニルフェニル(すなわち、NHCOPh−)、4−ベンゾイルフェニル、ジシアノイソプロピリデンビス(4−フェニルオキシ)(すなわち、−OPhC(CN)PhO−)、3−メチルフェニル、メチレンビス(4−フェニルオキシ)(すなわち、−OPhCHPhO−)、エチルフェニル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−フェニルオキシ)(すなわち、−OPh(CHPhO−)、4−ヒドロキシメチルフェニル(すなわち、4−HOCHPh−)、4−メルカプトメチルフェニル(すなわち、4−HSCHPh−)、4−メチルチオフェニル(すなわち、4−CHSPh−)、メトキシフェニル、メトキシカルボニルフェニルオキシ(例えば、メチルサリチル)、ニトロメチルフェニル(すなわち、−PhCHNO)、トリメチルシリルフェニル、t−ブチルジメチルシリルフェニル、ビニルフェニル、ビニリデンビス(フェニル)、などがある。用語「C〜C10芳香族基」には、3以上であるが10以下の炭素原子を含有する置換芳香族基及び非置換芳香族基が包含される。芳香族基1−イミダゾリル(C−)はC芳香族基の代表例である。ベンジル基(C−)はC芳香族基の代表例である。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「環式脂肪族基」とは、1以上の価数を有し、環状であるが芳香族ではない原子の配列を含む基をいう。本明細書中で定義されるように、「環式脂肪族基」は芳香族基を含有しない。「環式脂肪族基」は1以上の非環状部分を含んでいてもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C11CH−)は、シクロヘキシル環(環状であるが芳香族ではない原子の配列)とメチレン基(非環状部分)とからなる環式脂肪族基である。環式脂肪族基は、窒素、イオウ、セレン、ケイ素及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし又は炭素と水素のみで構成されていてもよい。環式脂肪族基は「置換」でも「非置換」でもよい。置換環式脂肪族基は、1以上の置換基を含む環式脂肪族基と定義される。置換環式脂肪族基は、環式脂肪族基上の置換に利用可能な位置の数までの置換基を含み得る。環式脂肪族基上に存在し得る置換基としては、特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のようなハロゲン原子がある。置換環式脂肪族基としては、トリフルオロメチルシクロヘキシル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルオキシ)(すなわち、−OC10C(CF10O−)、クロロメチルシクロヘキシル、3−トリフルオロビニル−2−シクロプロピル、3−トリクロロメチルシクロヘキシル(すなわち、3−CCl10−)、ブロモプロピルシクロヘキシル(すなわち、BrCHCHCH10−)、などがある。便宜上、本明細書中で用語「非置換環式脂肪族基」は、広範囲の官能基を含むものと定義される。非置換環式脂肪族基の例として、4−アリルオキシシクロヘキシル、アミノシクロヘキシル(すなわち、HNC10−)、アミノカルボニルシクロペンチル(すなわち、NHCOC−)、4−アセチルオキシシクロヘキシル、ジシアノイソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルオキシ)(すなわち、−OC10C(CN)10O−)、3−メチルシクロヘキシル、メチレンビス(4−シクロヘキシルオキシ)(すなわち、−OC10CH10O−)、エチルシクロブチル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−シクロヘキシルオキシ)(すなわち、−OC10(CH10O−)、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(すなわち、4−HOCH10−)、4−メルカプトメチルシクロヘキシル(すなわち、4−HSCH10−)、4−メチルチオシクロヘキシル(すなわち、4−CHSC10−)、4−メトキシシクロヘキシル、2−メトキシカルボニルシクロヘキシルオキシ(2−CHOCOC10O−)、ニトロメチルシクロヘキシル(すなわち、NOCH10−)、トリメチルシリルシクロヘキシル、t−ブチルジメチルシリルシクロペンチル、4−トリメトキシシリルエチルシクロヘキシル(例えば、(CHO)SiCHCH10−)、ビニルシクロヘキセニル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)、などがある。用語「C〜C10環式脂肪族基」には、3以上であるが10以下の炭素原子を含有する置換環式脂肪族基及び非置換環式脂肪族基が包含される。環式脂肪族基2−テトラヒドロフラニル(CO−)はC環式脂肪族基の代表例である。シクロヘキシルメチル基(C11CH−)はC環式脂肪族基の代表例である。
【0014】
驚くべきことに、ハロ−置換重合で製造されたポリマー組成物を用いて製造された物品が示すヘイズは、その物品を製造するのに用いたポリマー組成物中の残留アルカリ金属ハロゲン化物が閾値レベルを超えているのが原因であることが発見された。アルカリ金属ハロゲン化物は重合反応自体の副生物である。そのポリマー組成物から物品を形成する前にポリマー組成物中のアルカリ金属ハロゲン化物のレベルを25ppm以下に低下させると、低下したヘイズレベルと許容できる光学的品質を有する物品が得られる。本発明によって提供されたヘイズを制御する方法で、約10%以下のヘイズレベルを有する物品の安定で信頼できる生産が可能になる。一実施形態では、物品が示すヘイズレベルは約5%未満である。好ましい実施形態では、ヘイズレベルは約2%未満である。
【0015】
既に述べたように、本発明は、一般にポリマー組成物からなる物品のヘイズを制御する方法を提供する。すなわち、ポリマー組成物からなる物品が示すヘイズのレベルが、その物品を製造する原料のポリマー組成物中に存在するアルカリ金属ハロゲン化物の量を約25ppm未満に限定することにより制御することができるということが発見された。「ポリマー組成物」という表現は、1種以上のポリマー化学種を含む組成物を指す。従って、「ポリマー組成物」には、単一のポリマー化学種(例えば、45000グラム/モルの分子量を有するBPADA、メタ−フェニレンジアミン及びアニリンに由来する構造単位からなるポリエーテルイミド)からなる組成物、並びに複数のポリマー化学種(例えば、45000グラム/モルの分子量を有するBPADA、メタ−フェニレンジアミン及びアニリンに由来する構造単位からなるポリエーテルイミドと、別のポリマー材料とのブレンド)からなる組成物がある。
【0016】
「ポリマー組成物」という表現には、広範で様々なポリマー化学種が含まれる。これらのポリマー化学種には、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルイミドが含まれる。従って、一実施形態では、本発明は、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルイミドからなる群から選択される1種以上のポリマー化学種からなる物品のヘイズを制御する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、1種以上のポリエーテルスルホンからなる物品のヘイズを制御する方法を提供する。
【0017】
本発明方法のヘイズを制御するという有用性は、本明細書中で、ポリエーテルイミドからなる物品のヘイズの制御に関して実験的に例証されるが、本発明は一般に多種多様なポリマー組成物から製造された物品のヘイズを制御することを含む。従って、以下の記載と実験の詳細はポリエーテルイミド組成物から製造した物品のヘイズの制御に絞っているが、本発明はいかなる意味でもそれに限定されるものではない。最も広い意味において、本発明は、1種以上のアルカリ金属ハロゲン化物で汚染され得、そのアルカリ金属ハロゲン化物の濃度が25ppmを超えるあらゆる任意のポリマー組成物から製造された物品のヘイズを制御することを包含する。
【0018】
様々な実施形態では、本発明は、ポリエーテルイミド組成物からなる物品のヘイズを制御する方法を提供する。一実施形態では、本方法は、25ppm以下のアルカリ金属ハロゲン化物を有するポリエーテルイミド組成物を用いて製造される物品を提供する。このポリエーテルイミドは通例、50ppm以上のアルカリ金属ハロゲン化物を含む前駆体ポリエーテルイミドから得られる。本発明方法で使用されるポリエーテルイミドは通例、次式Iの構造を有する繰返し単位を含んでいる。
【0019】
【化1】

式中、RとRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基又はC〜C12芳香族基であり、bとcは独立に0〜3の整数であり、QはC〜C22脂肪族基、C〜C22環式脂肪族基又はC〜C22芳香族基であり、Xは結合、酸素原子、イオウ原子、スルフィニル基、スルホニル基、セレン原子、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、カルボニル基又は次式の構造IIの連結基である。
【0020】
【化2】

式中、各Gは独立にC〜C20芳香族基であり、EはC〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、リン含有結合、エーテル結合、カルボニル基、第三窒素原子及びケイ素含有結合からなる群から選択され、Rは各々独立にハロゲン原子、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基又はC〜C20芳香族基であり、Yは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基又はC〜C20芳香族基であり、各mは独立にゼロからそれぞれのG上で置換に利用可能な位置の数までの数であり、pはゼロからE上で置換に利用可能な位置の数までの整数であり、tは1以上の数であり、sはゼロ又は1であり、uはゼロを含む整数であり、少なくとも1つのt、s及びuはゼロに等しくない。
【0021】
一実施形態では、構造単位QはC〜C22脂肪族ジアミン、C〜C22環式脂肪族ジアミン及びC〜C22芳香族ジアミンからなる群から選択されるジアミンに由来する。
【0022】
他の実施形態では、式I中のXは6〜約22個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基及びその置換誘導体から選択される二価有機基からなる。様々な実施形態では、前記芳香族炭化水素基は単環式、多環式又は縮合であり得る。
【0023】
さらに他の実施形態では、式I中のXは次の一般式(III)の二価芳香族基からなる。
【0024】
【化3】

式中、芳香環の回りの確定されてない位置異性はZに対してメタ又はパラであり、Zは共有結合又は酸素原子、イオウ原子、スルフィニル基、スルホニル基、セレン原子、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、カルボニル基及び式C2yのアルキレン又はアルキリデン基からなる群から選択されるものであり、ここでyは1〜5の整数である。幾つかの特定の実施形態では、yは1又は2の値を有する。具体的な連結基としては、特に限定されないが、メチレン、エチレン、エチリデン、ビニリデン、ハロゲン−置換ビニリデン及びイソプロピリデンがある。他の特定の実施形態では、式III中の芳香環の回りの確定されてない位置異性はZに対してパラである。
【0025】
様々な実施形態では、ジアミン中の2つのアミノ基は2以上、時には3以上の環炭素原子によって隔てられている。1以上のアミノ基が多環式芳香族部分の異なる芳香環に位置している場合、それらは2以上、時には3以上の環炭素原子によって直接結合から又は任意の2つの芳香環間の連結部分から隔てられていることが多い。芳香族炭化水素基の具体的な非限定例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ビス(フェニル)メタン、ビス(フェニル)−2,2−プロパン及びそれらの置換誘導体がある。特定の実施形態では、置換基には、1以上のフルオロ、クロロ、若しくはブロモ又はこれらの混合物のようなハロゲン基又は1以上の1〜22個の炭素原子を有するメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、若しくはこれらの混合物のような直鎖−、枝分かれ−又はシクロアルキル基がある。特定の実施形態では、芳香族炭化水素基の置換基は、存在する場合、1以上のクロロ、メチル、エチル又はこれらの混合物である。他の特定の実施形態では、前記芳香族炭化水素基は非置換である。幾つかの特定の実施形態では、Rの由来となり得るジアミンとしては、特に限定されないが、メタ−フェニレンジアミン、パラ−フェニレンジアミン、メタ−及びパラ−フェニレンジアミンの混合物、異性体の2−メチル−及び5−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレンジアミン又はこれらの混合物、ビス(4−アミノフェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−クロロ−4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、4,4’−ジアミノジフェニル、3,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン及び2,4−トルエンジアミンがある。ジアミンの混合物も使用することができる。
【0026】
好ましい実施形態では、ジアミンは、メタ−フェニレンジアミンとパラ−フェニレンジアミンからなる群から誘導された構造単位からなり得る。メタ−フェニレンジアミンとパラ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位は、それぞれ約1〜約99モルパーセント及び約99〜約1モルパーセントに対応する量で存在し得る。一実施形態では、メタ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位は約40〜約99モルパーセントに対応する量で存在し得る。好ましい実施形態では、メタ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位は約50〜約95モルパーセントに対応する量で存在する。一実施形態では、パラ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位は約1〜約30モルパーセントに対応する量で存在する。好ましい実施形態では、パラ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位は約2〜約15モルパーセントに対応する量で存在する。メタ及びパラ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位の混合物の使用に関して、用語「モルパーセント」は、(メタ及びパラ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位のモル数/ポリマー中に存在するジアミンから誘導された構造の総モル数)*100と定義される。
【0027】
本発明の一実施形態では、25ppm未満のアルカリ金属ハロゲン化物を含むポリマー組成物は、1種以上のビスフェノールの1種以上のアルカリ金属塩、例えばビスフェノールAの二ナトリウム塩を、1,3−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,3−ビス[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1−[N−(4−クロロフタルイミド)]−3−[N−(3−クロロフタルイミド)ベンゼン、1−[N−(4−クロロフタルイミド)]−4−[N−(3−クロロフタルイミド)ベンゼン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、1,4−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−フルオロベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−フルオロベンゾイル)ベンゼン及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のビス−ハロ化合物と反応させることによって製造される。
【0028】
「1(種)以上(又は少なくとも1つ)」という用語は、ある群の中の1つが必ず存在しなければならないがその群の2以上が存在していてもよいことを意味する。例えば、「1種以上のビスイミド」は、その群のビスイミドの1つが存在しなければならないが、より多くが存在することもできることを意味する。例えば、ポリエーテルイミド前駆体はビスフェノールA部分と1,3−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]ベンゼンの反応生成物からなり得るが、その群の他のビスイミドが1種以上存在していてもよい。
【0029】
ハロ−置換プロセスを使用してポリエーテルイミドを合成する場合、通例、50ppm超のアルカリ金属ハロゲン化物を含む前駆体ポリエーテルイミドが得られる。この全体のプロセスでは、ジアミンをハロ−フタル酸無水物と反応させてビス−ハロフタルイミドを形成した後、ビスフェノールのアルカリ金属塩、例えばビスフェノールAの二ナトリウム塩及び相間移動触媒を用いてハロ−置換重合させる。ハロ−置換プロセスを用いて得られる典型的な生成物混合物は、(i)ハロ−置換重合プロセスにより製造された前駆体、(ii)触媒、(iii)アルカリ金属ハロゲン化物及び(iv)実質的に水不混和性の有機溶媒からなる。1つの特定の実施形態では、アルカリ金属ハロゲン化物はアルカリ金属塩化物、アルカリ金属フッ化物及びアルカリ金属ヨウ化物からなる。好ましい実施形態では、アルカリ金属ハロゲン化物は塩化ナトリウムである。
【0030】
存在する触媒は通例1種以上の相間移動触媒であり、様々な実施形態では使用する約125〜250℃の範囲の温度で実質的に安定である。様々なタイプの相間移動触媒をこの目的で使用することができる。例えば、米国特許第4273712号に開示されているタイプの第四ホスホニウム塩、米国特許第4460778号及び同第4595760号に開示されているタイプのN−アルキル−4−ジアルキルアミノピリジニウム塩、並びに前記米国特許第5229482号に開示されているタイプのグアニジニウム塩がある。幾つかの実施形態では、相間移動触媒は、高温におけるその例外的な安定性及び高分子量の芳香族ポリエーテルポリマーを高い収率で製造する際のその効力のため、ヘキサアルキルグアニジニウム及びα,ω−ビス(ペンタアルキルグアニジニウム)アルカン塩、特に塩化物塩からなる。特定の実施形態では、触媒は1,6−ビス(ペンタ−n−ブチルグアニジニウム)ヘキサン二臭化物である。別の特定の実施形態では、触媒は塩化ヘキサエチルグアニジニウムである。
【0031】
通例、1種以上の実質的に水不混和性の有機溶媒もハロ置換重合プロセスで使用し、従って通例前駆体ポリエーテルイミド含有生成物混合物中に存在する。この1種以上の溶媒は完全に又は少なくとも部分的に反応成分を溶解し得る。
【0032】
本発明の一実施形態では、適切な溶媒は、大気圧での沸点が110℃より高く、好ましくは約125℃より高いものである。
【0033】
実質的に水不混和性とは、その有機溶媒が、一実施形態では約10重量パーセント(wt%)未満、別の実施形態では約5wt%未満の程度まで水に溶解することを意味している。或いは、実質的に水不混和性とは、水がその溶媒に、一実施形態では約10wt%未満、別の実施形態では未満の程度まで溶解することを意味する。幾つかの実施形態では、溶媒は芳香族溶媒、特にクロロナフタレンのようなハロゲン化芳香族溶媒である。特定の実施形態では、溶媒として、ジフェニルスルホン、アニソール、ベラトロール、クロロベンゼンのような塩素化ベンゼン、ジクロロトルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、殊にo−ジクロロベンゼンがある。かかる溶媒の混合物も使用できる。好ましい溶媒o−DCBの水混和性は1パーセント未満である。
【0034】
既に述べたように、ニトロ置換法に対して簡単で順応性があるが、ハロ−置換プロセスで製造された生成物ポリマーは通例比較的高いレベルのアルカリ金属ハロゲン化物(すなわち、約50ppm超のアルカリ金属ハロゲン化物)を含有する。その上、ハロ−置換プロセスにより製造されたポリエーテルイミドを用いて製造した物品は、ニトロ置換法を用いて製造されたポリマー樹脂を使用して製造した物品よりかなり高いヘイズレベルを有することが分かっている。ある物質が示すヘイズは一般に、その物質中に存在する小さい微粒子物質によりその物質を透過する光が散乱される結果である。既に述べたように、食器、フィルム及びシリコンウエハー担体のようなポリエーテルイミド組成物のある種の用途では、低いヘイズは重大な品質要因である。約50ppmより多くの塩化ナトリウムを含有する前駆体ポリエーテルイミドからなる試験試料は、25ppm以下の塩化ナトリウムを含有するポリエーテルイミド樹脂からなり約10%未満のヘイズ値を示す同じ試験試料と比較して、約10〜約50%という高めのヘイズ値を示した。
【0035】
一態様では、本発明は、25ppm以下のアルカリ金属ハロゲン化物を含むポリエーテルイミド組成物を準備することによって、ポリエーテルイミド組成物からなる物品のヘイズを制御する方法を提供する。すなわち、(i)ハロ置換重合プロセスにより製造された前駆体ポリエーテルイミド、(ii)触媒、(iii)アルカリ金属ハロゲン化物及び(iv)実質的に水不混和性の有機溶媒からなる反応生成物混合物を精製して、アルカリ金属ハロゲン化物濃度の所望の値(すなわち、25ppm以下)を得る。25ppm以下のアルカリ金属ハロゲン化物を有するポリエーテルイミドを得るための混合物の精製はいろいろな方法で行うことができる。前駆体ポリエーテルイミドは2001年12月21日付で出願された同時係属中の米国特許出願公開第2002015675号(援用によりその全体が本明細書の内容の一部をなす)に開示されている方法で精製することができる。代表的な方法を以下に記載する。
【0036】
一実施形態では、ポリエーテルイミドは、前駆体ポリエーテルイミドを含む生成物混合物を以下の一連の段階により精製することによって提供される。
(a)前駆体ポリエーテルイミド含有有機相を含む混合物を酸で奪活して、有機相を含む奪活した混合物を準備する。
(b)1以上の液/液遠心分離機、固/液遠心分離機、向流接触装置、液/液抽出機、液−液連続抽出機、抽出カラム、静的ミキサー、コアレッサー(coalescer)、ホモジナイザー又は混合/沈降容器を用いて、奪活した混合物を水と接触させ、かつ水含有相を有機相から分離する。
(c)ポリエーテルイミドを単離する。
こうして、25ppm以下のアルカリ金属ハロゲン化物を含有するポリエーテルイミドを提供する。一実施形態では、段階(a)で使用する酸はリン酸からなる。この酸は、通例、前駆体ポリエーテルイミド含有有機相中に存在するあらゆる塩基性化学種を完全に中和するのに充分な酸性度を有するリン酸の水溶液である。幾つかの実施形態では、奪活する段階で亜リン酸を使用すると、生成物ポリエーテルイミドの全体の安定性と外観が改善されることが判明している。
【0037】
別の実施形態では、ポリエーテルイミドは、前駆体ポリエーテルイミドを含む生成物混合物を以下の一連の段階で精製することによって提供される。
(a)混合物に対して1以上の固体分離段階を実施する。
(b)その混合物を酸で奪活して、奪活した混合物を提供する。
(c)奪活した混合物を一回以上水で抽出する。
【0038】
別の実施形態では、ポリエーテルイミドは、前駆体ポリエーテルイミドを含む生成物混合物を以下の一連の段階で精製することによって提供される。
(a)混合物を酸で奪活して、奪活した混合物を提供する。
(b)奪活した混合物を1以上の固体分離段階に付す。
(c)1以上のイオン交換段階にかける。
【0039】
さらに別の実施形態では、ポリエーテルイミドは、前駆体ポリエーテルイミドを含む生成物混合物を以下の一連の段階で精製することによって提供される。
(a)混合物を酸で奪活して、奪活した混合物を提供する。
(b)奪活した混合物に、存在するポリエーテルイミドの重量を基準にして約0.005〜約10wt%の範囲の量の水を加えて、アルカリ金属ハロゲン化物を含む多相混合物を提供する。
(c)段階(a)で形成された多相混合物を掻き混ぜることにより、アルカリ金属ハロゲン化物の一部分を、固体分離によって分離することができる形態に変換する。
(d)1以上の固体分離段階を実施する。
【0040】
本発明方法で使用するポリエーテルイミドは、さらに、単独で又は組み合わせて使用することができる各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、UV安定剤、可塑剤、増量剤、帯電防止剤、触媒奪活剤、離型剤、難燃剤、発泡剤及び加工助剤のような物質がある。本発明方法で使用するポリエーテルイミド樹脂中に混入することができるいろいろな添加剤は樹脂コンパウンディングにおいて一般に広く使用されており、当業者には公知である。
【0041】
酸化防止剤の非限定例としては、IRGANOX 1010(テトラキス[3−(3’5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ジ(2,4−ジクミルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチル−トリス[3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2’−ジイル]ホスファイト]、3,9−ジステアリルオキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ジラウリルホスファイト、3,9−ジ[2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビス(ジフェニレン)ホスホナイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビス(ジフェニレン)ホスホナイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、トリイソデシルホスファイト及び以上のものを1種以上含有するホスファイトの混合物がある。トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト及び以上のホスファイトを1種以上含有するホスファイトの混合物、などが殊に好ましい。
【0042】
加工助剤の非限定例としては、Doverlube(登録商標)FL−599(Dover Chemical Corporationから入手可能)、Polyoxyter(登録商標)(Polychem Alloy Inc.から入手可能)、Glycolube P(Lonza Chemical Companyから入手可能)、ペンタエリトリトール テトラステアレート、Metablen A−3000(Mitsubishi Rayonから入手可能)、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、などがある。
【0043】
UV安定剤の非限定例としては、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール類、例えば、5’−メチル−、3’,5’−ジ−tert−ブチル−、5’−tert−ブチル−、5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−、5−クロロ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−、5−クロロ−3’−tert−ブチル−5’−メチル−、3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−、3’−α−メチルベンジル−5’−メチル、3’−α−メチルベンジル−5’−メチル−5−クロロ−、4’−ヒドロキシ−、4’−メトキシ−、4’−オクトキシ−、3’,5’−ジ−tert−アミル−、3’−メチル−5’−カルボメトキシエチル−、5−クロロ−3’,5’−ジ−tert−アミル−誘導体及びTinuvin(登録商標)234(Ciba Specialty Chemicalsから入手可能)がある。また、2,4−ビス−(2’−ヒドロキシフェニル)−6−アルキル−s−トリアジン類、例えば、6−エチル−、6−ヘプタデシル−又は6−ウンデシル−誘導体も適切である。2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば、4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−又は2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−誘導体。1,3−ビス−(2’−ヒドロキシベンゾイル)−ベンゼン類、例えば、1,3−ビス−(2’−ヒドロキシ−4’−ヘキシルオキシ−ベンゾイル)−ベンゼン、1,3−ビス−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシ−ベンゾイル)−ベンゼン又は1,3−ビス−(2’−ヒドロキシ−4’−ドデシルオキシベンゾイル)−ベンゼンも使用できる。場合により置換されていてもよい安息香酸のエステル、例えば、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシン、ビス−(4−tert−ブチルベンゾイル)−レゾルシン、ベンゾイルレゾルシン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル又は−オクタデシルエステル若しくは−2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルエステルも同様に使用できる。アクリレート、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸−エチルエステル若しくはイソオクチルエステル、α−カルボメトキシ−ケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−ケイ皮酸メチルエステル若しくは−ブチルエステル又はN(β−カルボメトキシビニル)−2−メチル−インドリンも同様に使用できる。シュウ酸ジアミド、例えば、4,4’−ジ−オクチルオキシ−オキサニリド、2,2’−ジ−オクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブチル−オキサニリド、2,2’−ジ−ドデシルオキシ−5,5−ジ−tert−ブチル−オキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−オキサニリド、N,N’−ビス−(3−ジメチル−アミノプロピル)−オキサラミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキサニリド及びこれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブチル−オキサニリドとの混合物又はオルト−及びパラ−メトキシ−並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物もUV安定剤として適切である。好ましくは、本発明組成物中に使用する紫外光吸収剤は、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、ニッケルビス(O−エチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ニッケルブチルアミンと2,2’−チオビス(4−tert−ブチルフェノール)との錯体、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−5,5’−ジ−tert−ブチルオキサニリド又はこれらの混合物である。
【0044】
難燃剤の非限定例としては、ノナフルオロブチルスルホン酸カリウム、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム及びレゾルシノール及びビスフェノールAのような多価フェノールの亜リン酸エステルがある。
【0045】
離型組成物の非限定例としては、長鎖脂肪族酸とペンタエリトリトールのようなアルコールとのエステル、ゲルベ(guerbet)アルコール、長鎖ケトン、シロキサン、α−オレフィンポリマー、長鎖アルカン及び15〜600個の炭素原子を有する炭化水素がある。
【0046】
本発明の物品を製造するには、ポリエーテルイミドを射出成形、押出、回転成形、ブロー成形及び熱成形のような各種手段により有用な形状に成形することによって、例えば、電気/電子絶縁材、食器、給食トレイ、電子チップキャリヤー、回路基板、医用機器並びにフィルム及びシート製品のような物品を形成することができる。
【0047】
中実シート、多層シート及び中空本体を含む多層シートを始めとするシートの押出のための技術は、当技術分野で公知であり、例えば、Squiresの米国特許第3476627号、Schrenkらの同第3565985号、Takahashiの同第3668288号、Nisselの同第3918865号、Brooksの同第3933964号、Lehmannらの同第4477521号及びVetterの同第4707393号に記載されている。共押出シートを形成するのに使用する追加の層の組成に特に制限はない。多層シートの構造又は幾何学にも特定の制限はない。追加の層は、例えば、製造を容易にするための蛍光剤及び/又は耐候性を改良するための紫外光吸収剤を含んでいてもよい。多層シートの厚さは好ましくは約4〜約40mmであるが、中実シートの厚さは好ましくは約1〜約12mmである。
【0048】
代表的な実施形態を参照して本発明を説明して来たが、当業者には了解されるように、本発明の思想と範囲から逸脱することなく、様々な変更をなすことができ、また等価物をその要素と置換することができる。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるべく多くの修正を施すことができる。従って、本発明は、これを実施するのに考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に入るあらゆる実施形態を包含するものである。以下の非限定的実施例により本発明をさらに詳細に例示する。
【実施例】
【0049】
以下の実施例は、本発明の方法を評価する際の詳細な説明を当業者に示すために記載するものであり、本発明者が自身の発明と考える範囲を限定するものではない。特に断らない限り、部は重量部であり、温度は℃である。
【0050】
ヘイズの測定は、ASTM試験法D1003に従って6”L×2.5”W×0.125”Tの寸法を有する長方形の射出成形プラックに対して行った。これらの測定にはBKY Gardner Haze−ガードPlusヘイズ計を使用した。
【0051】
アルカリ金属塩化物濃度とヘイズレベルとの相関関係を見出すために使用したポリエーテルイミドは、2001年12月21に出願された同時係属中の米国特許出願公開第2002015675号(援用によりその全体が本明細書の内容の一部をなす)に開示されている方法で調製した。
【0052】
比較例1〜10では、Energy Dispersive Spectroscopy分析を用い、元素特性決定と組み合わせた走査型電子顕微鏡を用いて、未知の微粒子物質を含むポリエーテルイミドの試験試料を走査した。光を散乱するのに適当なサイズ範囲の最も一般的な粒子の組成は塩化ナトリウムであることが判明した。典型的な塩化ナトリウムの粒径は約1〜約2マイクロメートル(μm)の範囲であることが判明した。表1に示す試料のナトリウム分析を実施し、塩化ナトリウムのppmで表したナトリウム濃度とヘイズとの相関関係を評価した。これらの分析で得られたナトリウム濃度値をppm塩化ナトリウムに変換するには、最初に得られた値に2.5を乗じた。
【0053】
【表1】

比較例及び実施例における塩化ナトリウム濃度とヘイズとの相関関係の結果を、1及び2μmの平均サイズを有する塩化ナトリウム粒子で生じたヘイズに対するモデル予測と共に図1に示す。ヘイズと塩化ナトリウム濃度との間には良好な相関関係があること及び、その相関関係は粒径に基づくモデル予測と一致していることが明らかである。図1の結果は、許容できるヘイズレベルを得るには25ppm以下の塩化ナトリウムレベルが必要であり、また低いヘイズを確実にするには5ppm以下の塩化ナトリウムレベルが好ましいことを示している。
【0054】
実施例1〜11
これらの実施例では、塩化ナトリウム濃度が15ppm未満のポリエーテルイミドから製造した試験部品のヘイズレベルを評価した。表2に示したデータは、低下した塩化ナトリウムレベル(15ppm以下)が5%より低いヘイズレベルと相関しており、またこの結果が一貫して得られたことを示している。
【0055】
【表2】

実施例1〜11は、塩化ナトリウム濃度を15ppm以下に維持した場合に、5%以下のヘイズレベルが観察されることを示している。
【0056】
本発明の好ましい実施形態を特に参照して本発明を詳細に説明して来たが、本発明の思想と範囲内で変形や修正をなすことができることが当業者には了解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図Iは、クロロ−置換重合法で製造されたポリエーテルイミド樹脂中の塩化ナトリウム濃度と、ポリエーテルイミド樹脂から製造された標準試験品のヘイズとの相関関係を示す。実線は、1及び2マイクロメートル(μm)の平均サイズの塩化ナトリウム粒子が存在する結果のヘイズに対するモデル予測である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー組成物を含む物品のヘイズを制御する方法であって、
(a)25ppm未満のアルカリ金属ハロゲン化物を含むポリマー組成物を準備し、
(b)前記ポリマー組成物から物品を製造する
ことを含んでなる、前記方法。
【請求項2】
前記ポリマー組成物が、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー組成物がポリエーテルイミドを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ポリエーテルイミドが次式の構造Iの繰返し単位を含む、請求項3記載の方法。
【化1】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基又はC〜C12芳香族基であり、b及びcは独立に0〜3の整数であり、QはC〜C22脂肪族基、C〜C22環式脂肪族基又はC〜C22芳香族基であり、Xは結合、酸素原子、イオウ原子、スルフィニル基、スルホニル基、セレン原子、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、カルボニル基又は次式の構造IIの連結基である。
【化2】

式中、各Gは独立にC〜C20芳香族基であり、EはC〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、リン含有結合、エーテル結合、カルボニル基、第三窒素原子及びケイ素含有結合からなる群から選択され、Rは各々独立にハロゲン原子、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基又はC〜C20芳香族基であり、Yは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基又はC〜C20芳香族基であり、各mは独立にゼロから各々それぞれのG上で置換に利用可能な位置の数までの数であり、pはゼロからE上で置換に利用可能な位置の数までの整数であり、tは1以上の数であり、sはゼロ又は1であり、uはゼロを含む整数であり、t、s及びuの少なくとも1つはゼロではない。
【請求項5】
前記構造単位Qが、C〜C22脂肪族ジアミン、C〜C22環式脂肪族ジアミン及びC〜C22芳香族ジアミンからなる群から選択されるジアミンに由来する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記構造Iが、メタ−フェニレンジアミン及びパラ−フェニレンジアミンから誘導された構造単位を含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記メタ−フェニレンジアミン及び前記パラ−フェニレンジアミンが、それぞれ、約1〜99モルパーセント及び99〜1モルパーセントに対応する量で存在する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
25ppm以下のアルカリ金属ハロゲン化物を含む前記ポリマーが前駆体ポリマーを精製することによって得られ、前記前駆体ポリマーが約50ppm超のアルカリ金属ハロゲン化物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
約50ppm超のアルカリ金属ハロゲン化物を含む前記前駆体ポリマーが、副生物としてアルカリ金属ハロゲン化物を生成するプロセスで製造される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記前駆体ポリマーを精製するため、(i)ハロ置換重合プロセスで製造されたポリマー反応生成物、(ii)触媒、(iii)アルカリ金属ハロゲン化物及び(iv)実質的に水不混和性の有機溶媒を含む生成物混合物を、以下の一連の処理段階:
(a)前記混合物を酸で奪活して、有機相を含む奪活した混合物を提供する段階、
(b)固体分離段階を実施する段階、
(c)向流接触装置、抽出カラム、静的ミキサー、ホモジナイザー又は混合容器の少なくとも1つを用いて、奪活した混合物を水と接触させる段階、
(d)液/液遠心分離機、向流接触装置、液/液抽出機、液−液連続抽出機、抽出カラム、コアレッサー又は沈降容器の少なくとも1つを用いて有機相から水含有相を分離する段階、及び
(e)ポリマーを単離する段階
に付す、請求項8記載の方法。
【請求項11】
ポリマーが、ビスフェノールA部分と、1,3−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]−ベンゼン、1,3−ビス[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1−[N−(4−クロロフタルイミド)]−3−[N−(3−クロロフタルイミド)ベンゼン、1−[N−(4−クロロフタルイミド)]−4−[N−(3−クロロフタルイミド)ベンゼン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、1,4−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン及び1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼンからなる群から選択される少なくとも1種との反応生成物からなる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記アルカリ金属ハロゲン化物がアルカリ金属塩化物、アルカリ金属フッ化物又はアルカリ金属ヨウ化物である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記アルカリ金属ハロゲン化物が塩化ナトリウムである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
有機溶媒がo−ジクロロベンゼンである、請求項10記載の方法。
【請求項15】
物品が10%以下のヘイズレベルを示す、請求項1記載の方法。
【請求項16】
物品が5%以下のヘイズレベルを示す、請求項15記載の方法。
【請求項17】
ポリマー組成物を含む物品のヘイズを制御する方法であって、
(a)25ppm未満のアルカリ金属塩化物を含むポリマー組成物を準備し、
(b)前記ポリマー組成物から物品を製造する
ことを含んでなる、前記方法。
【請求項18】
ポリエーテルイミド組成物を含む物品のヘイズを制御する方法であって、
(a)25ppm未満のアルカリ金属塩化物を含むポリエーテルイミド組成物を準備し、
(b)前記ポリエーテルイミド組成物から物品を製造する
ことを含んでなる、前記方法。
【請求項19】
前記ポリエーテルイミドが次式の構造Iの繰返し単位を含む、請求項18記載の方法。
【化3】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基又はC〜C12芳香族基であり、b及びcは独立に0〜3の整数であり、QはC〜C22脂肪族基、C〜C22環式脂肪族基又はC〜C22芳香族基であり、Xは結合、酸素原子、イオウ原子、スルフィニル基、スルホニル基、セレン原子、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、カルボニル基又は次式の構造IIの連結基である。
【化4】

式中、各Gは独立にC〜C20芳香族基であり、EはC〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、リン含有結合、エーテル結合、カルボニル基、第三窒素原子及びケイ素含有結合からなる群から選択され、Rは各々独立にハロゲン原子、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基又はC〜C20芳香族基であり、Yは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基又はC〜C20芳香族基であり、各mは独立にゼロから各々それぞれのG上で置換に利用可能な位置の数までの数であり、pはゼロからE上で置換に利用可能な位置の数までの整数であり、tは1以上の数であり、sはゼロ又は1であり、uはゼロを含む整数であり、t、s及びuの少なくとも1つはゼロではない。
【請求項20】
物品が10%以下のヘイズレベルを示す、請求項18記載の方法。
【請求項21】
物品が5%以下のヘイズレベルを示す、請求項20記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−514790(P2008−514790A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534656(P2007−534656)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/033807
【国際公開番号】WO2006/039160
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】