説明

ポリマー組成物のための相溶化剤混合物

【解決手段】 ポリマーマトリックス内における水等の干渉成分の存在に対処するために、少なくとも1つの相溶化剤と少なくとも1つの乾燥剤とを含む相溶化剤混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年9月29日出願の米国仮出願第61/246,703号に基づく優先権を主張するもので、その開示内容の全体を、参照用として、本出願に援用する。
【0002】
本発明は、相溶化剤混合物に関する。より具体的には、本発明は、溶融加工可能なポリマー等のポリマー組成物への応用のための相溶化剤と乾燥性材料との組み合わせに関する。
【背景技術】
【0003】
相溶化剤は、不混和性ポリマー混合物に対し、その表面張力を低減するために、しばしば添加される。また、相溶化剤は、合成材料内でのウェットアウト、又はポリマーと添加物或いは充填材との結合を促進するために用いられる。いずれの場合でも、相溶化剤の添加は、結果として得られる混合物又は複合材料の加工、及び機械的特性の向上に寄与する。官能基化コポリマーは、相溶化剤として添加される材料の一種である。一般に、官能基化コポリマーは、ポリマー骨格全体にわたって混合された反応性官能基形態を有するポリマーである。無水マレイン酸を用いて官能基化されたポリオレフィンは、相溶化剤として添加される材料の一種である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶融加工利用で用いられる特定の相溶化剤は、その性能を妨げる要因及び要素に起因して、意図したように機能しないことがある。例えば、いくつかの相溶化剤の官能性は、溶融加工中に存在する他の補助剤又は成分によって悪影響を受ける。ある種の材料は、相溶化剤の官能性と干渉し、不混和性又は不相溶性材料間の表面張力の緩和を妨げる。しばしば、この干渉の結果として、溶融加工前の溶融組成物が、その意図された機能の少なくともいくつかを実行させるための理論的要求を大きく超えて、相溶化剤を過剰に含む状態となってしまう。そのため、溶融加工された材料の物理的特性及び溶融加工された化合物の経済性の両方に、悪影響を与えることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ポリマーマトリックス内に不相溶性材料を組み合わせたときの干渉要素の存在に対応するための解決策に関するものである。少なくとも1つの相溶化剤と、少なくとも1つの乾燥剤が、ポリマーマトリックス内の水等の干渉成分に対処し、相溶化剤が理論レベルに近いレベルで機能することを可能とする。本発明の構成は、特に湿気を多く含む充填材を伴う応用に適しているが、含水率が相溶化剤又は溶融加工の結果として得られる構成物の性能に悪影響を与えるおそれのある他の多くの材料の組み合わせにも、同様に適している。相溶化剤混合物は、物理的特性の興味深いバランスを有する新たなポリマー複合材料の製造を可能とする。
【0006】
本発明の目的のために、相溶化剤は、不混和性又は不相溶性の材料と反応可能な反応性官能基を有する材料とされる。多数の例において、相溶化剤又は相溶化化学構造は、水分の影響を受けやすく、溶融加工可能なマトリックス又は溶融加工可能なマトリックス内に含まれる他の成分のいずれかの中に存在する水分と反応し易い。このような問題点を緩和するため、本発明の相溶化剤は、乾燥剤を含んでいる。乾燥剤は、水分を吸収可能、又は水分と反応可能な材料を含み、これにより、水と結合して、相溶化剤が意図された通りに機能することを可能とする。
【0007】
本発明の相溶化剤混合物は、官能基化コポリマーを相溶化剤として用いる利用に適している。相溶化化学構造又は官能基化コポリマー自身、多くの場合、水と反応しやすいものである。相溶化剤は、親水性又は疎水性ポリマー、及び/又は充填材の混合及び分散の促進のために度々利用されるので、これは問題である。水は、相溶化化学構造と干渉し、相溶化剤の効率を減じる。乾燥剤を利用した相溶化剤混合物は、特に溶融加工ポリマーマトリックスにおいて、干渉する水成分に対処する。
【0008】
相溶化剤混合物は、異なるポリマー、ポリマー混合物、又は複合材料を含むポリマーマトリックスに対して適用することができる。相溶化剤混合物に特に適する実施形態は、水と反応しやすい吸湿性材料である。限定を与えるものではない例には、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、又はポリメタクル酸が含まれる。
【0009】
ポリマーマトリックスは、少なくとも1つの充填材を含有している。充填材は、所望の物理的特性を与えるため、又は所与の利用に必要なポリマー量を低減するため、しばしばポリマーに添加される。充填材は、多くの場合、水分を含有しており、従って、ポリマーマトリックス内に存在する相溶化剤の性能を低下させる。限定を与えるものではない充填材の例には、木材繊維、天然繊維、ガラス繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、水酸化マグネシウム、及び水酸化アルミニウムが含まれる。
【0010】
相溶化剤混合物は、物理的特性の興味深いバランスを有する新たなポリマー複合材料を作り出すことができるものである。本発明の相溶化剤は、複合材料の曲げ、引っ張り及び衝撃特性を改善するものであることが分かっている。本発明の相溶化剤の複合組成物内への最低1重量%の混合は、二重にしたのと同程度の機械的特性の改善をもたらすことが分かっている。また、本発明の相溶化剤混合物は、当業者に一般に知られている従来の相溶化剤と比較して、より効果的なものである。いくつかのケースにおいて、本発明の相溶化剤混合物は、従来で知られている相溶化剤に対して2倍の効果を有している(すなわち、同等の機械的特性の改善を達成するために、半分の量で足りる)。
【0011】
本明細書における下記の用語の定義は、次のようである。
【0012】
「ポリマーマトリックス」は、溶融加工ポリマー材料又は樹脂を意味する。
【0013】
「相溶化剤」は、ポリマーを含む不混和性又は不相溶性材料間の表面張力を修正し得る化合物を意味する。
【0014】
「乾燥剤」は、物理的又は化学的な水との反応、水の吸収、又は水との結合が可能な材料を意味する。
【0015】
「充填材」は、充填がなされたポリマーマトリックスを溶融加工するための条件下で、粘弾性特性を有しない有機又は無機材料を意味する。
【0016】
「複合材料」は、ポリマーマトリックスと充填材の混合物を意味する。
【0017】
「溶融加工組成物」は、例えば押出又は射出成形を一例とする従来の溶融加工技術により、典型的には高温で、溶融加工された調合物を意味する。
【0018】
「吸湿性材料」は、管理された温度(21℃)及び湿度(50%)の下で、0.1%よりも多くの水分を含むポリマー又は充填材を含むものである。
【0019】
「溶融加工技術」は、押出成形、射出成形、ブロー成形、及び回転成形バッチ混合を意味する。
上記した本発明の概念は、ここに開示する各実施形態、又は全ての実施例を限定することを意図するものではない。以下、本発明の実施形態を詳細に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
少なくとも1つの相溶化剤と、少なくとも1つの乾燥剤とを含む相溶化剤混合物が、ポリマーマトリックスにおける水等の干渉要素の存在に対処している。この混合物における乾燥剤は、相溶化剤が理論レベルに近いレベルで機能することを可能とする。この組成物は、水分含有量が、相溶化剤又は溶融加工の結果として得られた組成物の性能に悪影響を与えるような利用に、特に適している。
【0021】
相溶化剤混合物における相溶化剤成分は、不混和性又は不相溶性材料間の表面張力を修正し得る成分を含んでいる。相溶化剤は、不混和性ポリマー又は不相溶性充填材のいずれかと反応し得る官能基を有している。官能基は、求核性又は親電子性のいずれであってもよい。通常はポリマー骨格内に組み込まれた求核性官能基の、非限定的な実施例には、アミン、アルコール、酸、シラン、及びチオールが含まれる。非限定的な親電子性官能基の実施例には、エポキシド、無水物、エステル、酸塩化物、及びアルコキシシランが含まれる。
【0022】
本発明の好ましい相溶化剤混合物は、乾燥剤を含むポリオレフィン−グラフト−無水マレイン酸コポリマーである。一実施形態においては、乾燥剤は、予め生成されたポリオレフィン−グラフト−無水マレイン酸コポリマーとともに溶融加工される。他の実施形態では、ポリオレフィンは、乾燥剤の存在下で、無水マレイン酸とともに反応押出成形される。
【0023】
相溶化剤を生成するために、遊離基開始剤が、官能性エチレン不飽和モノマーとともに用いられる。非限定的であるエチレン不飽和モノマーの実施例には、α−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン)、α、o−官能性オレフィン(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボン酸、無水末端)、α、β−不飽和アルデヒド、α、β−不飽和ケトン、α、β−不飽和エステル(例えば、アクリレート、メタクリレート、マレエート)及びビニルシランが含まれる。
【0024】
相溶化剤を開始するためには、過酸物等の遊離基触媒が適している。非限定的な適切な過酸物開始剤の実施例には、t−ブチルパーベンゾエート、過酸化ジクミル、メチルエチルケトン過酸化物、過酸化ベンゾイル、ジ−tert−ブチルペルオキシド、及び2,5ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシル)ヘキサンが含まれる。
【0025】
一実施形態においては、相溶化剤混合物は、再利用おむつ、再利用ポリマー材料、又はこれらの組み合わせから抽出される。これらの再利用材料は、相溶化剤を生成するために、遊離基開始剤、官能性エチレン不飽和モノマー、及び乾燥剤とともに反応押出成形される。一実施形態では、0.1〜20重量%の官能性エチレン不飽和モノマーが、再利用材料に混合される。更に他の実施形態では、0.1〜5重量%が、再利用材料に混合される。ある種の再利用材料の実施形態において、乾燥剤は、任意の添加物である。
【0026】
一実施形態では、約10〜50%、他の実施形態では、5〜10%、更に他の好ましい実施形態では、0.2〜5%の量の相溶化剤混合物が、複合調合物及び溶融加工組成物内に混合される。
【0027】
相溶化剤内での乾燥剤の機能は、相溶化剤がその意図された機能を果たすことを可能とするように、充填材、ポリマーマトリックス、又はその両者内の水分に対処することである。乾燥剤は、水分を取り込み可能であり、かつ溶融加工ポリマーマトリックス内での利用に適した従来技術の任意の材料である。一実施形態においては、乾燥剤は、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、又はこれらの組み合わせから選択される。溶融加工ポリマーの技術分野における当業者は、本発明で開示された有益な結果を達成するために、相溶化剤と組み合わされる具体的な乾燥剤を選択することができる。乾燥剤の量は、様々に変更し得るが、相溶化剤混合物内での約1〜80重量%の範囲の配合が含まれるものである。
【0028】
ポリマーマトリックスは、ホストポリマーとして機能し、乾燥剤と相溶化剤が付加された溶融加工組成物の一成分となる。従来技術において溶融加工に適切と認識されている幅広い種類のポリマーは、ポリマーマトリックスとして有用である。ポリマーマトリックスは、特に干渉要素又は他の不混和性ポリマーとともに用いられたときに、しばしば溶融加工が難しいものとして知られているポリマーを多く含んでいる。これらは、炭化水素ポリマー及び非炭化水素ポリマーの両方を含んでいる。有用なポリマーマトリックスの例は、これらに限られるものではないが、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリ尿素、ポリビニル樹脂、ポリアクリレート及びポリメチルアクリレートが含まれる。
【0029】
一実施例においては、ポリマーマトリックスは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンコポリマー(例えば、エチレン−ブテン、エチレン−オクテン、エチレンビニルアルコール)、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー(例えば、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンコポリマー)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、フッ素ポリマー、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、エポキシ、アルキド、メラミン、フェノール、尿素、ビニール・エステル、又はこれらの組み合わせが含まれる。特定の実施形態において、最も好適なポリマーマトリックスは、ポリオレフィンである。
【0030】
再利用プラスチックから抽出されるポリマーマトリックスも、多くの場合、より低コストであるため、利用可能である。しかしながら、これらの材料は、大抵、複合廃棄物の流れから得られる材料から抽出されるので、極めて様々に異なる溶融レオロジーを有するものである。これは、処理に大きな問題を有している。水等の干渉要素を有する材料の処理は、更に問題である。ここで開示された相溶化剤混合物は、この問題に対する解決を与えるものである。これは、極めて低コストで、充填された再利用プラスチックを埋め立てられる代わりに、有益な製品へ変換することを可能とするものであるので、大きな商業的インパクトを有するものである。
【0031】
ポリマーマトリックスは、溶融加工組成物内に、約30重量%よりも多い量で含有されている。当業者は、ポリマーマトリックスの量が、例えばポリマーの種類、相溶化剤の種類、選択された乾燥剤、干渉要素の種類、処理設備、処理条件、及び所望の最終製品に基づいて、様々に変更されることを認識している。
【0032】
溶融加工ポリマー組成物は、経済性を高め、かつ処理された材料に所望の物理的特性を与えるため、しばしば特定の充填材、及び/又は添加物と組み合わされる。充填材は、吸湿性であってもよく、ポリマーホスト材料全体にわたって混合された多様な有機又は非有機材料が含まれる。例えば、溶融加工で構造建築材料に適した複合材料を生成するため、しばしば、木粉又は木質繊維を、ある種の炭化水素重合体とともに含ませることがある。一実施例においては、充填材は、木質繊維、天然繊維、ガラス繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、粘土、水酸化マグネシウム、又は水酸化アルミニウムから選択される。特定の実施形態においては、ポリマーマトリックスにおける充填材の量は、調合物の1〜80重量%の範囲である。一実施形態においては、充填材は吸湿性である。
【0033】
溶融加工組成物は、吸湿性ポリマーであってもよい。一実施例においては、吸湿性ポリマーは、少なくとも0.1重量%の水分を含有する任意のポリマーである。非限定的な吸湿性ポリマーの例には、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、又はこれらの組み合わせが含まれる。他の実施形態では、充填材が、複合調合物内に付加的に含まれる。
【0034】
本発明の他の側面において、溶融加工組成物は、他の添加物を含有することがある。非限定的な従来の添加物の例には、抗酸化物質、光安定剤、繊維、発泡剤、発泡添加物、ブロッキング防止剤、熱安定剤、衝撃改質剤、殺生物剤、難燃剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤、加工助剤、潤滑油、カップリング剤、及び顔料が含まれる。添加物は、粉末、小粒、細粒、又は押出成形可能な任意の形態で、溶融加工組成物内に混合される。溶融加工組成物内における従来の添加物の量及び種類は、ポリマーマトリックス及び要求される最終組成物の物理的特性に基づいて、様々に変更される。溶融加工技術分野の当業者は、要求される最終材料の物理的特性を達成するために、具体的なポリマーマトリックスに適した添加物の適切な量、及び種類を選択することができる。
【0035】
本発明の溶融加工組成物は、任意の様々な方法で作成することができる。例えば、ポリマーマトリックス・相溶化剤混合物と充填材は、配合ミル、バンバリーミキサー、又はミキシング等のプラスチック工業で通常用いられる混合方法のいずれによっても混合し得る。材料は、例えば粉末、小粒、顆粒製品の形態で用いることができる。混合工程は、ポリマーマトリックスの融点、又は軟化点より上の温度において、最も好適に実行される。結果として得られる溶融ブレンドされた混合物は、最終製品形状の形態に直接押出成形しても、造粒してもよい。また、所要の粒子サイズに粉末化し、最終製品形状を形成するために、混ぜ合わされた混合物を溶融加工するための典型的には単軸押出機である押出成形機に送ってもよい。一実施形態では、相溶化剤混合物は、二軸押出機を用いた独立の溶融加工工程で、予め生成される。相溶化剤混合物がこのプロトコルを用いて予め生成されたとき、結果として得られる複合材料は、優れた性能結果を示す。
【0036】
最適工程温度は、組成物の融点、溶融粘度及び熱安定性に基づいて選択される。溶融加工は、典型的には、120〜130℃の温度で実行される。本発明の溶融加工組成物を加工するため、押出成形機等の様々な種類の溶融加工設備を用いることができる。本発明の使用に適する押出成形機は、例えば、C.ラウウェンダール著「ポリマー押出成形」(ハンセル・パブリッシャーズ、11〜33頁、2001年刊)に記載されている。
【0037】
本発明の複合材料は、建設及び自動車産業を含む多くの産業における製品を製造するのに適している。例えば、本発明の組成物を含む建設産業製品には、敷板、敷布、構造部材、屋根瓦、及び壁板が含まれる。本発明の改善された機械的特性は、薄くかつ/又は中空の製品の製造を可能とし、これにより、具体的な最終用途での利用におけるコスト及び重量を削減することができる。自動車産業での利用には、車体、インテリアパネル、及び装飾部品が含まれる。幾つかの実施形態による最終製品は、金属または合金の強度支持部材のない成形品の利用を可能とするのに十分な強度を有するものとなる。
【0038】
本発明の組成物を溶融加工で処理して得られた製品は、優れた機械的特性を有している。例えば、本発明の複合材料は、比較負荷レベルにおいて、従来技術で知られているマレイン酸相溶化剤を含む複合材料よりも、40%以上向上した曲げ及び衝撃特性を有している。
【0039】
例1

【0040】
相溶化剤A及びBの配合手順
相溶化剤A及びBの生成のため、下記の手順を利用した。樹脂(PP又はHDPE)及び乾燥剤を、ビニール袋内で混合し、容量分析により、4ストランドダイ(ラブテック・エンジニアリング(タイ、ムアン)から市販されている)が備え付けられた26mmの共回転二軸押出機(40:1、L:D)に供給した。全てのサンプルを、300rpmのスクリュー速度で、下記の温度プロフィールを用いて処理した:区域1−2=210℃、区域3−4=190℃、区域5−7=180℃、区域8−9=170℃、ダイ=180℃。結果として得られたストランドは、引き続き、空気冷却し、0.64cmの粒に造粒した。
【0041】
相溶化剤C、D及びEの配合手順
相溶化剤C、D及びEの生成のために、以下の手順を利用した。樹脂(PP又はHDPE)、無水マレイン酸、DHBP、及び選択的に乾燥剤が、ビニール袋内で混合され、容量分析により、4ストランドダイ(ラブテック・エンジニアリング(タイ、ムアン)から市販されている)が備え付けられた26mmの共回転二軸押出機(40:1、L:D)に供給した。全てのサンプルを、300rpmのスクリュー速度で、下記の温度プロフィールを用いて処理した。区域1=165℃、区域2=185℃、区域3−4=165℃、区域5−7=205℃、区域8−9=210℃、ダイ=180℃。結果として得られたストランドを、引き続き、空気冷却し、0.64cmの粒に造粒した。
【0042】
CE1〜8及び例1〜7の配合手順
比較例CE1〜4及び例1〜5においては、木粉を、乾燥ドライアー内において、4時間にわたって200°Fで、全水分含有量が0.5重量%以下となるように、予め乾燥した。比較例CE5〜CE8及び例6〜7においては、木粉は、予め乾燥されることなく、ほぼ8重量%の水分含有量を有するものとされた。PPと添加物を、ビニール袋内で、乾燥混合した。乾燥剤/PP混合物と木粉を、2つの定量供給器を用いて、4ストランドダイ(ラブテック・エンジニアリング(タイ、ムアン)から市販されている)が備え付けられた26mmの共回転二軸押出機(40:1、L:D)に供給した。全てのサンプルを、300rpmのスクリュー速度で、下記の温度プロフィールを用いて処理した。区域1−2=210℃、区域3−4=190℃、区域5−7=180℃、区域8−9=170℃、ダイ=180℃。結果として得られたストランドを、引き続き、空気冷却し、0.64cmの粒に造粒した。結果として得られた粒を、ASTM D638(引っ張り)及びD790(曲げ)規格にしたがった試験片へと射出成形した。複合材料調合物の射出成形は、180℃のバレル及びノズル温度を有する85tの機械(エンジェル・コーポレーション(ヨーク、ペンシルベニア州)から市販されている)を用いて実行した。引き続き、曲げ及び衝撃特性を、それぞれASTM D790及びD256の規定に従って試験した。
【0043】
表1は、相溶化剤A、B、C、D及びEの配合を示す。表2は、比較例CE1〜CE8及び例1〜7の配合を示す。表3は、比較例CE1〜CE8及び例1〜7の機械的特性を示す。
【0044】
表1 相溶化剤配合A〜E
相溶化剤 無水マレイン酸
【表1】

表2 複合材料配合CE1〜CE8及び例1〜7
例 乾燥した木粉 湿った木粉
【表2】

表3
例 曲げ弾性率 曲げ強度 衝撃
【表3】

【0045】
本発明の一般的原理の上記開示、及び引き続く詳細な説明から、当業者は、
本発明が許容する様々な変形例を容易に想倒することができると思う。したがって、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲、及びその均等物によってのみ、限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相溶化剤と乾燥剤とを含む組成物。
【請求項2】
前記相溶化剤は、官能基化ポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記相溶化剤は、再利用材料から抽出される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記相溶化剤は、再利用おむつ、再利用ポリマー材料、又はこれらの組み合わせから選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記乾燥剤は、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、又はこれらの組み合わせから選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ポリマーマトリックスを更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
充填材を更に含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記充填材は、木粉、天然繊維、ガラス繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、粘土、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムから選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、又はこれらの組み合わせから選択された吸湿性材料を更に含む請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
ポリマーマトリックス、乾燥剤、開始剤及びエチレン不飽和モノマーを溶融加工する工程を備える方法。
【請求項11】
請求項1の組成物と吸湿性材料とを溶融加工する工程を備える方法。
【請求項12】
前記吸湿性材料は、ポリマー、充填材、又はこれらの組み合わせである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
再利用材料から抽出された相溶化剤を含み、選択的に乾燥剤を含む組成物。
【請求項14】
ポリマーマトリックスを更に含む請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
ポリマーマトリックスを無水マレイン酸及び乾燥剤とともに反応押出成形する工程を備える方法。

【公表番号】特表2013−506047(P2013−506047A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532240(P2012−532240)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/050558
【国際公開番号】WO2011/041318
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512080125)インターフェイシャル ソリューションズ アイピー リミテッド ライアビリティー カンパニー (1)
【Fターム(参考)】