説明

ポルフィリン検出方法、ポルフィリンの表示方法、およびポルフィリン検出装置

【課題】ポルフィリンを精度良く検出可能なポルフィリンの検出方法およびその検出装置を提供することである。また、検出されたポルフィリンを顔画像上に強調して表示可能なポルフィリンの表示方法およびポルフィリン検出装置を提供することである。
【解決手段】ポルフィリン検出方法は、紫外線を照射した状態で顔を撮影しポルフィリンを検出する方法であって、特定の色成分を処理することでポルフィリンを検出することを特徴とする。また、ポルフィリン検出装置Aは、顔に紫外線を照射する紫外線照射手段と、顔を撮影する撮影手段と、紫外線照射状態で前記顔を撮影手段で撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出する色成分抽出部40と、抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理する2値化処理部41と、2値化処理によって、ポルフィリンを検出するポルフィリン検出部42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌の状態を診断する場合などに使用されるポルフィリン検出方法、ポルフィリンの表示方法、およびポルフィリン検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顔撮影装置は、美容皮膚科、美容外科、形成外科などにおいて使用されており、定期的に人の顔を撮影することで肌の状態の経時的な変化を観察し、化粧品や肌治療の効果を確認する目的で使用されている。具体的には、得られた顔画像からシミ・シワ・毛穴・色ムラなどの評価を行なうものである。昨今、肌状態の評価を、肌表面のポルフィリンの量を指標に行なうことができることが明らかにされ、ポルフィリンが紫外線を照射されると蛍光を発することから、紫外線を使用したポルフィリン・かくれジミなどの評価も行なわれている。つまり、ポルフィリンが存在する箇所は特にニキビが存在する(即ち、にきびの原因であるアクネ菌がポルフィリンの発生要因である)ため、ポルフィリンを利用すればニキビやかくれジミ等の評価に利用できるためである。ただし、実際に人の顔を評価する場合には、紫外線だけでは、顔の輪郭を検出することができないことから、可視光を含む微弱な紫外線を照射することで、顔の輪郭とポルフィリンを検出することができることが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平05−103771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、紫外線によるポルフィリン励起状態の可視光領域の画像の色は、蛍光性サンゴ色であって顔の肌色に近く、ポルフィリン部位とその他部位との区別がつき難いという問題があった。特に、上記特許文献1の場合では、微弱な紫外線を用いているため、このような問題が顕著である。
【0005】
また、可視光をほとんど含まないような紫外線照射による撮影の顔画像(ポルフィリン画像)の場合は、通常の可視光によって撮影した画像ではないため、顔の輪郭、構造(目、鼻、口等)が見えないか見え難いものであったり、本来の顔の肌色に見えない等の問題がある。
【0006】
そして、視覚的にポルフィリン画像を評価する場合、顔の構造が見えないと正確な位置が分からないし、また、肌色に見えないと、特に被験者が確認する場合に心理的に受け入れられにくい、等の問題がある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、ポルフィリンを精度良く検出可能なポルフィリンの検出方法およびその検出装置を提供することである。また、検出されたポルフィリンを顔画像上に強調して表示可能なポルフィリンの表示方法およびポルフィリン検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係るポルフィリン検出方法は、
紫外線を照射した状態で顔を撮影しポルフィリンを検出する方法であって、特定の色成分を処理することでポルフィリンを検出することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、紫外線を照射してポルフィリンを検出する場合に、特定の色成分を処理することで、ポルフィリンを精度よく検出することができる。
【0010】
また、上記ポルフィリン検出方法の好ましい実施形態の一態様として、撮影に用いられる撮影手段で、特定の色成分を抽出して撮影することが挙げられる。
【0011】
この構成によれば、紫外線を照射しての撮影時に、特定の色成分のみを抽出するように撮影できるため、ポルフィリンを精度よく検出することができる。色成分は、R(赤)、G(緑)、B(青)が例示され、特定の色成分としては、特に制限されないが、Rが特に好ましい。撮影手段で特定の色成分を抽出する方法としては、特定の色成分のみを透過する透過フィルターを撮像素子の手前に配置する方法や、特定の色成分のみを撮像する機能を備えた撮像素子を用いる方法等が例示される。
【0012】
また、他の上記課題を解決するため本発明に係るポルフィリン検出方法は、
紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出し、当該抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理し、ポルフィリンを検出することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出し、当該抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理することで、ポルフィリンを精度よく検出することができる。色成分は、R、G、Bが例示され、特定の色成分としては、特に制限されないが、閾値設定の観点からRが特に好ましい。Bの場合、ノイズが多いため、ノイズ除去することで問題なく用いることができる。「所定の閾値」は、色成分に依存して設定される。2値化処理は、公知の2値化処理を用いることができる。紫外線は完全な紫外線成分のみに限定されず、ポルフィリン検出に影響がない程度に他の周波数成分の光(例えば可視光)も含まれていてもよい。また、紫外線としては、UVA(315〜400nm)が好ましい。
【0014】
また、他の本発明のポルフィリンの表示方法は、
上記記載のポルフィリン検出方法で検出されたポルフィリンを、紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で表示することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で、ポルフィリンを表示することができ、ポルフィリンの位置を精度良く確認できると共に、撮影色(蛍光性サンゴ色)よりも強調された色(例えば、赤、青、白等)で表示されるので肌状態の診断において有効である。
【0016】
また、他の本発明のポルフィリンの表示方法は、
上記記載のポルフィリン検出方法で検出されたポルフィリンを、可視光の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で表示することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、可視光の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で、ポルフィリンを表示することができ、ポルフィリンの位置を精度良く確認できると共に、撮影色(蛍光性サンゴ色)よりも強調された色(例えば、赤、青、白等)で表示されるので肌状態の診断において有効である。さらに、顔の輪郭、構造(目、鼻、口等)、肌色も表示できるため、被験者が受け入れやすいものとなる。
【0018】
また、他の本発明のポルフィリン検出装置は、上記方法の好適な一実施形態であって、
顔に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
特定の色成分を抽出して前記顔を撮影する撮影手段と、
前記特定の色成分からポルフィリンを検出するポルフィリン検出部とを備えることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、紫外線を照射しての撮影時に、特定の色成分のみを抽出するように撮影できるため、ポルフィリンを精度よく検出することができる。特定の色成分を抽出して顔を撮影する撮影手段としては、特定の色成分のみを透過する透過フィルターを撮像素子の手前に配置する手段や、特定の色成分のみを撮像する機能を備えた撮像素子を用いる手段等が例示される。
【0020】
また、他の本発明のポルフィリン検出装置は、上記方法の好適な一実施形態であって、
顔に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記顔を撮影する撮影手段と、
前記紫外線照射状態で前記顔を前記撮影手段で撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出する色成分抽出部と、
前記色成分抽出部によって抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理する2値化処理部と、
前記2値化処理によって、ポルフィリンを検出するポルフィリン検出部と、
を備えることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出し、当該抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理することで、ポルフィリンを精度よく検出することができる。
【0022】
また、上記のポリフィリン検出装置において、
前記ポルフィリン検出部で検出されたポルフィリンの位置情報を算出する位置情報算出部と、
前記位置情報算出部で算出された位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
前記位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように前記紫外線照射状態で撮影された顔画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された顔画像を表示する表示部と、
をさらに備えることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で、ポルフィリンを表示することができ、ポルフィリンの位置を精度良く確認できると共に、撮影色(蛍光性サンゴ色)よりも強調された色(例えば、赤、青、白等)で表示されるので肌状態の診断において有効である。
【0024】
また、上記のポリフィリン検出装置において、
顔に可視光を照射する可視光照射手段と、
前記ポルフィリン検出部で検出されたポルフィリンの位置情報を算出する位置情報算出部と、
前記位置情報算出部で算出された位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
前記位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように前記可視光照射状態で撮影された顔画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された顔画像を表示する表示部と、
をさらに、備えることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、可視光の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で、ポルフィリンを表示することができ、ポルフィリンの位置を精度良く確認できると共に、撮影色(蛍光性サンゴ色)よりも強調された色(例えば、赤、青、白等)で表示されるので肌状態の診断において有効である。さらに、顔の輪郭、構造(目、鼻、口等)、肌色も表示できるため、被験者が受け入れやすいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施形態1)
本発明に係るポルフィリン検出方法およびポルフィリンの表示方法は、以下に説明するポルフィリン検出装置に限定されず、他の装置によっても実現される。本発明に係るポルフィリン検出装置の好適な実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、ポルフィリン検出装置の内部構成を示す横断面図を示し、図2は、図1に示すポルフィリン検出装置の縦断面図である。図3は、照射手段(紫外線、可視光)の詳細および撮影カメラの回転移動機構の詳細を示す図である。
【0027】
このポルフィリン検出装置は、美容皮膚科、美容外科、形成外科などにおいて使用されうる。定期的あるいは適度な期間を開けて人の顔を撮影することで肌の状態の経時的な変化を観察し、化粧品や肌治療の効果を確認する目的で使用される。この装置は、得られた顔画像からシミ・シワ・毛穴・色ムラなどの評価を行なう機能を有し、さらには、紫外線を使用したポルフィリン・かくれジミなどの評価を行なうことができる。
【0028】
<ポルフィリン検出装置の構成>
図1および図2において、ポルフィリン検出装置Aは、略立方体形状の筐体1を備えており、顔の撮影を行う時は筐体1内の所定箇所に顔を保持させた状態で行い、室内光などが筐体1内部に侵入しにくいような構造が採用されている。ポルフィリン検出装置Aは、顔を所定位置に保持させる顔保持手段と、この顔に可視光または紫外線を照射する照射手段と、この顔保持手段に保持されている顔を撮影する撮影手段と、カメラ回転移動機構やこれらをコントロールする制御手段によって、各構成要素を機能的に動作させている。
【0029】
さらに、紫外線照射状態で顔を撮影手段で撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出する色成分抽出部と、色成分抽出部によって抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理する2値化処理部と、2値化処理によって、ポルフィリンを検出するポルフィリン検出部と、を備えている。
【0030】
また、ポルフィリン検出部で検出されたポルフィリンの位置情報を算出する位置情報算出部と、位置情報算出部で算出された位置情報を記憶する位置情報記憶部と、位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように、紫外線照射状態で撮影された顔画像を画像処理する第1画像処理部と、画像処理部によって画像処理された顔画像を表示する表示部と、を備えている。
【0031】
また、位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように、可視光照射状態で撮影された顔画像を画像処理する第2画像処理部と、第2画像処理部によって画像処理された顔画像を表示する表示部と、を備えている。本実施形態においては、第1画像処理部と第2画像処理部との機能が共に備えられているが、いずれか一方が備えられていてもよい。以下において、各機能要素について詳述する。
【0032】
(1)顔保持手段
筐体1の正面には開口部1aが形成されており、ここから顔を挿入させる。人の顔を所定位置に保持するための顔保持手段として、あご載せ台2と額押さえ3が設けられている。あご載せ台2と額押さえ3は、人の顔の大きさや形状などに対応できるように手動で位置調整ができるように構成されている。開口部1aからの外光進入を防止するためにカーテン1bが設けられる。
【0033】
(2)照射手段(可視光、紫外線)
顔を照明するための照射手段として、図1に示すように、光源8が撮影手段の両側に配置されている。顔の位置を中心として均等な位置に配置することによって、顔横方向全体を均等な照度で照射することができる。撮影手段が移動可能な場合には、これと共に移動することによって、光源8の照射光と撮影手段との位置関係を一定に保持することができることから、安定した撮影が可能となる。光源8は、1列ずつではなく、複数列を配置することも可能である。また、図3に示すように、光源8は、顔の位置を中心として円周方向に沿って顔に面するように、複数個所に配置されることによって、顔縦方向全体を均等な照度で照射することができる。光源8は、照射される光を一方向に均一に拡散することが好ましく、方向性を有する光源8の場合は照射方向を設定し、全方向性の光源8については、背部に反射板8aを設けることが好ましい。さらに、顔全体を均等な照度で撮影をして評価を行う場合などには、光源8bを、顔側面についての照明を必要に応じて配設することも可能である。
【0034】
光源8は、顔の輪郭を明確にするための可視光と、ポルフィリン検出のための紫外線の両方を照射するものが必要となる。可視光光源と紫外線光源が一体の光源として構成されていてもよく、別々に構成されていてもよい。本実施形態では一体の光源を用いている。ポルフィリンの発光に係る紫外線はUVAの315〜400nmが好適であり、この領域に発光波長のピークを有する光源8が好ましく、あるいは広域の光源8の場合には光学フィルターを発光部に設けることも好ましい。可視光光源と紫外線光源が一体の光源として、例えばキセノンランプや水銀ランプなどを用いることができる。可視光光源と紫外線光源を別々に構成する場合、可視光を照射する光源としてハロゲンランプ、蛍光灯、LEDなどを用い、紫外線を照射する光源としてキセノンランプや水銀ランプあるいはブラックライトなどを、適宜使用することができる。
【0035】
また、光源8が、フラッシュ機能を備えていることが好ましい。複数の方向からの撮影画像によって肌の評価が行われ、連続的に撮影する必要がない場合や、短時間の紫外線照射が好ましいことからも、フラッシュ機能を有する光源8が好適な場合が多い。
【0036】
本実施形態の光源8は、可視光と紫外線を同時に発光可能であり、可視光のみあるいはそれぞれの強度を調整する機能を有するものでもよく、その構造や形状については特に制限はない。1種類の素子で構成する光源8について可視光発光機能と紫外線発光機能を分ける方法としては、図4(A)に例示するように、光源8表面を可視光領域と紫外線領域に分けて個々に光学フィルター8c,8dを設ける方法や、図4(B)に例示するように、可視光領域の光学フィルター8cと紫外線領域の光学フィルター8dを切換える方法などを挙げることができる。
【0037】
(3)撮影手段
顔を撮影するための撮像手段として撮影カメラ4が設けられており、カメラ支持体5に保持されている。また、カメラ支持体5には測距センサー6も取り付けられており、撮影カメラ4のちょうど真上に位置しており撮影カメラ4と顔との相対的な距離データを取得可能に構成されている。図1に示すように、撮影カメラ4による顔の撮影位置は、正面位置Poと左右の側面位置P1、P2の3箇所が設定されている。正面位置Poは、ちょうど撮影カメラ4が顔と向かい合う位置であり、側面位置P1,P2は正面位置Poに対して45゜に設定された位置である。ただし、この45゜という角度については、この数値に限定されるものではなく、他の角度に設定してもよく、また、側面位置P1,P2も2箇所だけでなく、更に多くの側面位置が設定されていてもよい。例えば、30゜,60゜,75゜に設定されていてもよい。
【0038】
このように、複数個所での顔画像を撮影するために、撮影カメラ4は、顔位置を中心として回転移動できるように構成されている。撮影カメラ4の回転中心Bは、あご載せ台2の位置に設定されている。
【0039】
撮影カメラ4は、デジタルカメラが使用されるが、どのようなタイプのものを使用してもよい。必要に応じてビデオ機能を有するものを使用してもよく、静止画像を撮影可能なビデオカメラを使用してもよい。また、フォトダイオードやフォトセルなどの光センサーを配設したCCDセンサーあるいはCCDカメラを使用することも可能である。
【0040】
このとき、撮影カメラ4には、照射光が照射された顔からの反射光に加え、紫外線を受けたポルフィリンからの発光(波長域600〜650nmの可視光)が入射される。実際に撮影画像を作成し顔の輪郭および肌の評価に利用されるのは、前者に利用される任意の波長の可視光と後者に利用される600〜650nmの可視光であることから、両方の波長域を同時にあるいは各々の波長域を区分して別々に検出可能な撮影カメラ4が好ましい。光センサーを用いた場合には、広域の可視光用光学フィルターと600〜650nmの狭帯域の光学フィルターによって、波長域を区分することができる。本実施形態では、紫外線照射時の撮影と、可視光照射時の撮影を交互に行なえる撮影カメラ4が好ましい。
【0041】
(4)カメラ回転移動機構
撮影カメラ4の回転移動機構は、図3にその詳細を例示する。回転中心Bには駆動モータ10と駆動軸11が設けられており、この駆動軸11にアーム12が連結される。アーム12の先端部12aに2本の連結軸13が垂直方向に植設され、この連結軸13の上部先端にカメラ支持体5が結合される。カメラ支持体5は、側面視で略コの字形状を有しており、コの字形状の内側に撮影カメラ4が配置され、上部に測距センサー6が取り付けられる。従って、撮影カメラ4の移動と共に測距センサー6も共に移動する。
【0042】
アーム12の先端側の裏面には、垂直にローラ支持体14が取り付けられており、ローラ15が回転自在に保持されている。このローラ15により、撮影カメラ4をスムーズに回転移動させることができる。P3は、その軌跡を示す。なお、撮影カメラ4の回転移動機構については、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。
【0043】
測距センサー6は、顔と撮影カメラ4の距離を計測するためのセンサーである。測距センサー6は、光学式や超音波式などの公知のセンサーを使用することができる。顔画像を撮影する場合、以前に撮影した顔画像と今回撮影した顔画像とを比較することで肌治療等の効果を確認するため、同一の撮影条件で撮影する必要がある。顔の角度などが前回と変わった状態で撮影されると、対応させるべきシミ・シワなどの位置が異なってしまい正確な評価ができなくなるからである。そこで、測距センサー6により顔の主要なポイントと撮影カメラ4との測距データを取得して記憶させ、次回撮影カメラ4で撮影する時にその測距データに基づいて撮影カメラ4の位置を設定し、日が変わったとしても、最初と同じ撮影条件を再現できるようにしている。
【0044】
<制御機能、画像処理機能>
図1に示す制御装置20は、ポルフィリン検出装置Aの動作を制御する機能と、撮影カメラ4により撮影された顔画像に関する画像処理を行う機能を有する。モニター21(表示部に相当する)には、撮影された顔画像において、ポルフィリンが強調表示された画像が表示される。キーボード22は、ポルフィリン検出装置Aに対する種々の動作指令入力や画像処理を行なうための種々の動作指令やデータ入力などを行なう。制御装置20、モニター21、キーボード22は、汎用のコンピュータ(パソコン)により構成してもよい。
【0045】
次に、ポルフィリン検出装置Aの主要な制御機能、画像処理機能について、図5の機能ブロック図により説明する。コントローラ30は、ポルフィリン検出装置Aを統括的に制御する機能を提供するものであり、CPU、メモリ、その他の必要なプログラム等により構成される。
【0046】
照明制御部31は、光源8の点灯・消灯制御を行なう。光源8は、顔画像の撮影を行う時に点灯される。可視光と紫外線を使い分ける場合に、そのいずれを点灯させるのか、あるいは両方を点灯させるのかについての制御も行われる。フラッシュ機能を有する場合には、その点灯時間あるいは点灯する時間間隔を制御する。また、点灯・消灯制御に加え、可視光あるいは紫外線の強度の調整を制御する。特に、可視光の強度は、照度センサーSからの照度データを基に、外光を含めて最適な照度となるように予め設定された値と一致するように制御される。あるいは、前回の撮影時と同じ撮影条件となるように、記憶された前回以前の可視光の強度と一致するように、あるいは可視光と紫外線の強度の比率データと一致するように制御される。
【0047】
カメラ位置制御部32は、撮影カメラ4を正面位置Po,側面位置P1,P2の各位置に停止させるための移動制御を行うものであり、駆動モータ10に対する動作指令を行なう。撮影カメラ4を所定の位置に停止させるために、カメラ位置センサー33が設けられている。カメラ位置センサー33としては、上記3つの撮影位置を検出するためのセンサーが設けられており、例えば、アーム12の位置を光センサーやマイクロスイッチなどにより検出するように構成できる。ポルフィリン検出装置Aにおいては、光源8を、撮影カメラ4に近接する位置に配設し、撮影カメラ4とともに移動する。また、上記3つの撮影位置だけではなく、それらの中間的な位置も検出することができるようにしている。例えば、駆動モータ10に連動して回転するエンコーダからの信号や、駆動モータ10(パルスモータ)へ供給する駆動パルスのカウント値などに基づいて、細かいステップで撮影カメラ4の位置を検出することができる。従って、撮影カメラ4が移動可能な全範囲について位置検出を行なうことができる。また、基本的には、撮像カメラ4の位置制御は、上記3つの撮影位置で停止させるように行なわれるが、更に、測距センサー6による測距データに基づいて、微調整が行なわれる。すなわち、前述のように前回の撮影時と同じ撮影条件となるように、撮影カメラ4の位置を各撮影位置において微調整する。
【0048】
カメラ制御部34は、撮影カメラ4の動作を制御するものであり、具体的には、光源8の点灯に合せて、シャッターを切ることで顔画像の撮影を行う。顔画像の撮影は、上記3つの撮影位置において夫々行われる。微調整の必要がある場合は、微調整が完了した後に撮影が行われる。
【0049】
測距センサー制御部35は、測距センサー6に対する制御を行う。測距センサー6は、顔の複数個所の測距を行なうことができるように構成される。複数個所の測距を行なうために、測距センサー6の位置を前後左右に微小移動させる機構を設けておくことが好ましい。多点測距を行なうことのできるセンサーであれば、かかる機構は時に設けなくてもよい。
【0050】
顔画像データ保存部36は、撮影カメラ4により撮影された顔画像データが保存される。顔画像データは、デジタルのカラー画像データであり、JPEG等の適宜のファイル形式で保存される。顔画像データは、正面画像・左右側面画像ごとに保存され、人物を特定する人物ID(識別情報)・撮影年月日と共に保存される。
【0051】
測距データ保存部37は、測距データを記憶するデータ記憶手段として機能するものであり、測距ポイントを表わす測距ポイントIDと、人物IDと関連付けて測距データが保存される。コントローラ30は、撮像位置設定手段30aとしての機能を有しており、測距データ保存部37に保存されている測距データに基づいて、カメラ位置制御部32に指令を出し、撮影カメラ4を前回と同じ撮影条件となる位置へ移動させる。
【0052】
画像処理部38は、顔画像データに基づいて、肌治療などの効果を確認するために必要なソフトウェアにより構成される。例えば、前回撮影した顔画像と今回撮影した顔画像との比較を画像処理技術を用いて行う。この画像処理としては、例えば、顔の特定部位におけるシミやシワなどの大きさ形状の比較、面積の算出、変色の度合いの解析などを行なう機能を有する。これらの解析結果についてはデータ化されて記憶部に記憶される。
【0053】
色成分抽出部40は、紫外線照射状態で顔を撮影カメラ4で撮影した画像である第1顔画像から特定の色成分を抽出する。色成分としては、R,G,Bの中のRが好ましい。
【0054】
2値化処理部41は、色成分抽出部40によって抽出された色成分(R)を所定の閾値で2値化処理する。抽出される色成分としては、GまたはBを用いることもできるが、色成分としてBを用いた場合、ノイズが多いため、2値化処理の前にノイズ除去を行なうことが好ましい。
【0055】
ポルフィリン検出部42は、2値化処理によって、ポルフィリンを検出する。例えば、閾値以上の画素をポルフィリンとして検出できる。
【0056】
位置情報算出部43は、ポルフィリン検出部42で検出されたポルフィリンの位置情報を算出する。例えば、閾値を越えた画素の座標(相対座標または絶対座標)を算出する。
【0057】
位置情報記憶部44は、位置情報算出部43で算出された位置情報(座標)を記憶する。位置情報記憶部44は、位置情報(座標)を被験者ID、撮影日時等の情報と対応づけて記憶する。位置情報記憶部44は、公知のメモリで構成される。
【0058】
第1画像処理部45は、位置情報(座標)に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように、紫外線照射状態で撮影された第1顔画像を画像処理する。この画像処理された第1顔画像は、モニター21に表示される。紫外線照射時においても可視光がいくらか含まれている場合、第1顔画像には、輪郭、構造(鼻、口、目等)がいくらかなりとも撮影される。このような第1顔画像上において、強調表示色のポルフィリンを表示することで、ポルフィリンの確認が容易となる。強調表示色としては、撮影色(蛍光性サンゴ色)よりも見やすく識別容易な色が好ましく、例えば、赤、青、白等が例示される。
【0059】
第2画像処理部46は、位置情報(座標)に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように、可視光照射状態で撮影された第2顔画像を画像処理する。例えば、位置情報に基づいて、第2顔画像上にポルフィリン画像を合成する処理がなされる。この画像処理された第2顔画像は、モニター21に表示される。可視光によって撮影された第2顔画像上に、強調表示色のポルフィリンを表示することができる。この場合、紫外線照射での撮影と可視光での照射との2度の撮影を必要とする。そのため、連続撮影であっても、顔位置のズレがないように、上記の顔保持手段によって顔を保持することが好ましい。また、顔位置がズレた場合には、位置情報に基づいて位置補正する。位置補正としては、例えば、紫外線撮影時の位置情報算出に際し、顔の特定部位を基準座標として設定しておき、可視光撮影時の第2顔画像から同様の基準座標を得て、ズレ量を算出することで位置補正できる。また、若干の位置ズレの場合であっても、ポルフィリンの位置精度を必要としない場合、例えば、被験者に見せるような場合等には、位置補正をしなくともよい。
<ポリフィリン検出の動作フロー>
次に、顔画像の撮影を行う時の操作およびポリフィリン検出の動作を、図6のフローチャートにより説明する。
【0060】
まず、顔をあご載せ台2と額押さえ3により保持させる(S1)。次に、撮影カメラ4を撮影位置に設定すべく、駆動モータ10により駆動させる(S2)。最初の撮影位置は、正面位置Poになるように設定されている。
【0061】
次に、測距センサー6により顔の複数個所の測距データを取得する(S3)。次に、初めての撮影か否か(再度の撮影か)を判断する(S4)。例えば、オペレータよる被験者IDの検索等で判断できる。今回の撮影が最初であれば、測定された測距データを測距データ保存部37に保存させて、次回の撮影時に利用できるようにする。今回の撮影が初めてでない場合は、その人物についての測距データを測距データ保存部37から読み出す。この読み出された測距データと、ステップS3で測定した測距データに基づいて、設定されているカメラ位置が正しいか否かを判定する。これは対応する部位の測距データ同士を比較することで行い、全ての測距データが一致した場合にカメラ位置は正しいものと判断する。すなわち、測距データが全て一致すれば、前回と同じ撮影条件が再現できたものと判定することができる。
【0062】
カメラ位置が正しくないと判定された場合は、カメラ位置の微調整を行なう。カメラ位置の微調整も、駆動モータ10を駆動することで行なわれる。微調整する場合、撮影カメラ4を現在の位置から右方向に移動させるか左方向に移動させるかについて決める必要がある。この点については、各測距データ同士の比較からどちらの方向にずれているかを判断できるため、これに基づいて決定することができる。リアルタイムで測距データを取得しながら撮影カメラ4を移動させることで、効率よく正しい位置に設定させることができる。
【0063】
次いで、撮影カメラ4が正しい位置に設定されると、光源8を可視光照射に設定し、カメラ制御部34により撮影カメラ4を動作させて、顔を撮影する(第2顔画像の撮影:S5)。この撮影された第2顔画像データは、顔画像データ保存部36に保存される。次いで、光源8を紫外線照射に設定し、カメラ制御部34により撮影カメラ4を動作させて、顔を撮影する(第1顔画像の撮影:S6)。このステップS5とステップS6は順序が逆でもよい。この撮影された第1顔画像データは、顔画像データ保存部36に保存される。なお、可視光照射撮影での顔画像上にポルフィリン強調表示を行なわせない場合には、可視光照射での顔画像撮影は省略可能である。
【0064】
次いで、第1顔画像からポルフィリンを検出する(S7)。上記で説明した方法によって、第1顔画像から特定の色成分(R)抽出し、この抽出された色成分(R)を2値化処理することで、ポリフィリン画像を検出する。そして、検出されたポルフィリンの位置情報(座標)が算出され、記憶される。
【0065】
次いで、紫外線照射撮影の第1顔画像上にポルフィリン強調表示を行なわせる場合、位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色(例えば、赤)に変更するように第1顔画像を画像処理する(S8−1)。画像処理された顔画像は、モニター21に表示される。図7(a)に、その表示例を示す。輪郭、構造部位(鼻、口等)は、図7(b)に比較し分かりづらいが(図では分かりづらさを破線で表示している)、肌診断の専門家においては問題がない程度である。また、撮影された顔の色が肌色ではなく黒ずんでいる(図では斜線で表示している)が同様の理由で問題がない程度である。
【0066】
また、可視光照射撮影の第2顔画像上にポルフィリン強調表示を行なわせる場合、位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色(例えば、赤)に変更するように第2顔画像を画像処理する(S8−2)。画像処理された顔画像は、モニター21に表示される。図7(b)に、その表示例を示す。被験者には、特に、可視光照射撮影の第2顔画像上にポルフィリン強調表示を施した画像を表示するほうが好ましい。なお、表示部はモニター21に限定されず、オペレータ用モニター、被験者用モニターを別々に構成していてもよい。
【0067】
次いで、1つの撮影位置における撮影が終了したら、他の撮影位置へ移動する必要があるか否かを判断する(S9)。必要があれば、ステップS2に戻り、同様の動作が繰り返される。必要がなければ、動作は終了する。
【0068】
(実施形態2)
上記実施形態1は、ソフトウェアとハードウエア(CPU、メモリ等)を協働作用によって実現でき、専用回路、ファームウエア等で、またはそれらの組み合わせで実現することもできる。
【0069】
ソフトウェアで実現する場合、そのプログラムは以下のようになる。このプログラムは、記録媒体に記録され、記録媒体として提供可能であり、また、通信回線を介して提供(ダウンロード提供)されてもよい。通信回線を介して提供される場合、その一部の機能のみが提供されてもよく、他の一部がサーバ装置に残っていてもよく、全体の機能として本発明の機能が発揮されていれば本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
本発明のソフトウエアプログラムは、ポルフィリンの検出を実行するプログラムであって、
コンピュータに、
紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出するステップと、
当該抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理するステップと、
ポルフィリンを検出するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0071】
また、ポルフィリンの検出および表示を実行するプログラムであって、
コンピュータに、
紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出するステップと、
当該抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理するステップと、
ポルフィリンを検出するステップと、
検出されたポルフィリンを、紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で表示する表示ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0072】
また、ポルフィリンの検出および表示を実行するプログラムであって、
コンピュータに、
紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出するステップと、
当該抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理するステップと、
ポルフィリンを検出するステップと、
検出されたポルフィリンを、可視光の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で表示する表示ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0073】
また、ポルフィリンの検出および表示を実行するプログラムであって、
コンピュータに、
紫外線照射状態で顔を撮影手段で撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出する色成分抽出ステップと、
色成分抽出ステップによって抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理する2値化処理ステップと、
2値化処理によって、ポルフィリンを検出するポルフィリン検出ステップと、
検出されたポルフィリンの位置情報を算出する位置情報算出ステップと、
位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように前記紫外線照射状態で撮影された顔画像を画像処理する画像処理ステップと、
画像処理された顔画像を表示する表示ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0074】
また、ポルフィリンの検出および表示を実行するプログラムであって、
コンピュータに、
紫外線照射状態で顔を撮影手段で撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出する色成分抽出ステップと、
色成分抽出ステップによって抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理する2値化処理ステップと、
2値化処理によって、ポルフィリンを検出するポルフィリン検出ステップと、
検出されたポルフィリンの位置情報を算出する位置情報算出ステップと、
位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように前記可視光照射状態で撮影された顔画像を画像処理する画像処理ステップと、
画像処理された顔画像を表示する表示ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0075】
(実施形態3)
実施形態3のポルフィリン検出装置は、顔に紫外線を照射する紫外線照射手段と、特定の色成分を抽出して前記顔を撮影する撮影手段と、特定の色成分からポルフィリンを検出するポルフィリン検出部とを少なくとも備えている。ポルフィリン検出装置の基本構成、制御機能、画像処理機能は、実施形態1と同様の構成である。異なる構成について以下に詳述する。
【0076】
撮影手段の構成として、撮影カメラ4には、特定の色成分を透過する透過フィルターがその前面に配置される。あるいは、撮影カメラ4の構成として、特定の色成分のみを撮像する機能を備えた撮像素子によって構成されている。これによって、紫外線を照射しての撮影時に、特定の色成分のみを抽出するように撮影できるため、ポルフィリンを精度よく検出することができる。特定の色成分としては、赤が特に好ましく、かかる場合、透過フィルターとしては赤色透過フィルターが用いられる。撮影カメラ4で撮影された顔画像データは、顔画像データ保存部36で保存される。
【0077】
実施形態3におけるポルフィリン検出部42は、紫外線照射下の顔を特定の色成分のみを抽出して撮影された顔画像データ(顔画像データ保存部36から読み出される)を画像処理して、ポルフィリンを検出する。例えば、赤色成分のみの顔画像データを任意の閾値による2値化処理をすることで、ポルフィリンを検出することができる。検出されたポルフィリンは、位置情報算出部43によって算出されたポルフィリンの位置情報とともに位置情報記憶部44に記憶される。実施形態1の第1、2画像処理部45、46の機能はそのまま適用される。
【0078】
(別実施形態)
光源として、LED光源を用いることができる。青色のLED光源は、シミの撮影に適している。また、紫外線LEDはニキビ(ポルフィリン)の撮影に適している。また、白色LEDは、毛穴の撮影に適している。
【0079】
図8(a)に示すように、輪郭上に青色LED、白色LED、紫外線LEDを順に配列することができる。また、図8(b)に示すように、青色LEDを第1輪郭上に複数配置し、紫外線LEDを第1輪郭上の外側の第2輪郭上に複数配置し、白色LEDを第2輪郭上の外側の第3輪郭上に複数配置することができる。なお、配置される、輪郭の形状は、円に制限されず、楕円、矩形であってもよい。
【0080】
撮影モードを選択できるように構成し、シミの撮影の際に青色LED光源を用い、ニキビ(ポルフィリン)の撮影の際に紫外線LEDを用い、毛穴の撮影の際に白色LEDを用いるように構成できる。以上のように、LED光源を輪郭上に配置することで、光源の構成自体を小型化にできるとともに、撮影対象に適したLED光源を用いた顔画像の撮影を行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】ポリフィリン検出装置の内部構成を示す横断面図
【図2】ポリフィリン検出装置の内部構成を示す縦断面図
【図3】照射手段の詳細および撮影カメラの回転移動機構の詳細構成を示す斜視図
【図4】照射手段の構成を例示する概略図
【図5】ポリフィリン検出装置の機能を示すブロック図
【図6】作動フローチャート
【図7】顔画像の表示例を示す図
【図8】LED光源の配置例を示す図
【符号の説明】
【0082】
1 筐体
2 あご載せ台
3 額押さえ
4 撮影カメラ
5 カメラ支持体
6 測距センサー
8,8b 光源
8a 反射板
8c 可視光領域の光学フィルター
8d 紫外線領域の光学フィルター
20 制御装置
30 コントローラ
30a 撮像位置設定手段
31 照明制御部
32 カメラ位置制御部
33 カメラ位置センサー
34 カメラ制御部
35 測距センサー制御部
36 顔画像データ保存部
37 測距データ保存部
38 画像処理部
40 色成分抽出部
41 2値化処理部
42 ポリフィリン検出部
43 位置情報算出部
44 位置情報記憶部
45 第1画像処理部
46 第2画像処理部
A ポリフィリン検出装置
Po 正面位置
P1,P2 側面位置
S 照度センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を照射した状態で顔を撮影しポルフィリンを検出する方法であって、
特定の色成分を処理することでポルフィリンを検出する、ポルフィリン検出方法。
【請求項2】
前記撮影に用いられる撮影手段で、前記特定の色成分を抽出して撮影することを特徴とする請求項1に記載のポルフィリン検出方法。
【請求項3】
紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出し、当該抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理し、ポルフィリンを検出する、請求項1に記載のポルフィリン検出方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポルフィリン検出方法で検出されたポルフィリンを、紫外線の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で表示する、ポルフィリンの表示方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポルフィリン検出方法で検出されたポルフィリンを、可視光の照射状態で顔を撮影した画像である顔画像上に表示する場合に、撮影色よりも強調された色で表示する、ポルフィリンの表示方法。
【請求項6】
顔に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
特定の色成分を抽出して前記顔を撮影する撮影手段と、
前記特定の色成分からポルフィリンを検出するポルフィリン検出部と、
を備えるポルフィリン検出装置。
【請求項7】
顔に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記顔を撮影する撮影手段と、
前記紫外線照射状態で前記顔を前記撮影手段で撮影した画像である顔画像から特定の色成分を抽出する色成分抽出部と、
前記色成分抽出部によって抽出された色成分を所定の閾値で2値化処理する2値化処理部と、
前記2値化処理によって、ポルフィリンを検出するポルフィリン検出部と、
を備えるポルフィリン検出装置。
【請求項8】
前記ポルフィリン検出部で検出されたポルフィリンの位置情報を算出する位置情報算出部と、
前記位置情報算出部で算出された位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
前記位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように前記紫外線照射状態で撮影された顔画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された顔画像を表示する表示部と、
をさらに備える請求項6または7に記載のポルフィリン検出装置。
【請求項9】
顔に可視光を照射する可視光照射手段と、
前記ポルフィリン検出部で検出されたポルフィリンの位置情報を算出する位置情報算出部と、
前記位置情報算出部で算出された位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
前記位置情報に基づいて、ポルフィリンの色を撮影色よりも強調した色に変更するように前記可視光照射状態で撮影された顔画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された顔画像を表示する表示部と、
をさらに備える請求項6または7に記載のポルフィリン検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−494(P2009−494A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235678(P2007−235678)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】