ポンプ、およびポンプを備える器具
原液を注出するためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、中空体およびポンプを備えている。数多くの用途に好適であり、脱着可能に挿入可能なカートリッジを有する液体ディスペンサ、および、液体を注出する方法もまた提供されている。脱着可能に挿入可能なカートリッジを備える器具、および、液体を注出する方法もまた提供されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、共に本明細書においてその内容全体が本明細書に記載されているものとして参照により援用される2010年4月9日に出願の米国仮特許出願第61/322657号明細書および2010年12月16日に出願の米国仮特許出願第61/286973号明細書の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
例えば、乳児用の調製乳、洗剤および薬物といった消費製品は、度々、適切な量での混合および/または注出が煩雑であり、相当な大きさの保管空間が必要とされる。
【0003】
液体濃縮物/抽出物から飲料を作るための飲料ディスペンサが公知である。公知の従来技術文献の1つにおいては、液体飲料濃縮物/抽出物の加圧液体キャニスタが、所定の量の液体濃縮物/抽出物を加圧キャニスタから飲料混合チャンバに吐出するメカニズムを有するピッチャー型のデバイスに入れられる。加熱液体タンクが容器の底に配置されており、加熱された液体もまた強制的に上方の混合チャンバに送られ、注がれる前にデバイス中において混合飲料が形成される。このデバイスは、注出メカニズムの複雑さに起因して数々の欠点を有しており、使用する度にデバイス内の混合チャンバの洗浄が必要である。常温保存が可能な液体コーヒー濃縮物/抽出物が用いられるコーヒーマシーンが提供されていることも公知である。液体コーヒー濃縮物/抽出物がコーヒーメーカ中のタンクに注がれ、所定量の濃縮物/抽出物がタンクから抽出チャンバに移され、ここで熱湯と混合されてからカラフェに注出される。
【0004】
公知のディスペンサでは、度々、十分に混合されていない濃縮物/抽出物および水の流れが注出され、完全な混合は流体がユーザのカップに入るまで行われない。飲料ディスペンサによって注出される未混合の濃縮物/抽出物および水の流れは、度々、「ストライピング(striping)」または「ゼブラエフェクト(zebra effect)」という業界用語により区別される。
【0005】
乾燥飲料原料および加熱加圧水供給源から飲料を抽出するための飲料システムの提供も示唆されてきている。飲料原料はシールされたカートリッジ中に供給されており、ディスペンサがシールされたカートリッジに穴を開けると共に、加熱加圧水をカートリッジ中に注入して飲料原料から飲料が抽出される。数々の異なる飲料カートリッジからユーザが選択可能であるカルーセルデバイスが提供されていてもよい。しかしながら、このデバイスの欠点は、前の飲料の残渣が、加熱加圧水注入領域、ならびに、ユーザのカップに飲料を導く下流の収集漏斗に残留してしまうことである。さらに、ホットコーヒー飲用物を形成するこの種の典型的な飲料システムの場合、インスタントの非抽出コーヒー製品を含む乾燥コーヒー原料が提供される。このような非抽出コーヒー製品は、典型的には、抽出したコーヒーの独特の風味を少なくともある程度欠くコーヒー飲料をもたらしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第11/055915号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第11/055832号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第12/569066号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第11/266695号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第12/114050号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第11/926931号明細書
【特許文献7】国際公開第99/05446号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、液体用のディスペンサを備える器具に関する。器具は、特に限定されないが、飲用物メーカ、コーヒーメーカ、冷蔵庫、冷水器、食器洗浄機、洗濯機、乳児用調製乳ディスペンサ、または、薬物ディスペンサから選択され得る。器具は、流体を注出するための注出領域を備える筐体と、筐体中のカートリッジ収容領域と、筐体中に配置された電磁式注出アクチュエータと、注出アクチュエータによって駆動される位置のカートリッジ収容領域に脱着可能に挿入可能であるカートリッジであって、カートリッジ収容領域に置かれた後に注出領域に注出された原液を保持するよう適応されたカートリッジとを備える。カートリッジは、中空体と、中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、ポンプ本体に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、ポンプ本体における孔部とを備える。器具はまた、筐体中に配設され、アクチュエータを制御してカートリッジから原液を吐出させるコントローラを備える。
【0008】
一態様において、本発明は、流体ディスペンサ用のカートリッジに関する。カートリッジは、原液を含有するよう適応された中空体と、中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、ポンプ本体に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、ポンプ本体における孔部とを備えている。
【0009】
一態様において、本発明は、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応されている流体用量計量デバイスに関する。デバイスは、出口流路と入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体を備えており、該筐体は、流体が入口流路および出口流路と流通可能な内部チャンバを形成する。チャンバの内部には、ピストンが、往復動作するよう移動可能に配設されている。入口は流体容器に接続可能である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態が図面を参照して以下に記載されているが、ここでは、同様の要素は、全体を通して同様の符号により表されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】液体ディスペンサにおける濃縮物/抽出物カートリッジの断面図である。
【図2】図1の飲料ディスペンサの左側側面斜視図である。
【図3】カートリッジの挿入もしくは取り出しのために濃縮物/抽出物カートリッジ用交換扉が開けられているディスペンサの斜視図である。
【図4】図1のディスペンサの前面図である。
【図5】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの右側側面斜視図である。
【図6】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの前面図である。
【図7】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの上面図である。
【図8】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの左側面図である。
【図9A】ポンプの断面図を図示している。図9Aにおいては、プランジャーアセンブリは下方にあり、ポンプは閉止されている。
【図9B】ポンプの断面図を図示している。図9Bにおいては、プランジャーアセンブリは上方に上昇し、ブルーバルブ(blue valve)が開放されてプランジャーアセンブリが液体中を上方に移動している。
【図9C】ポンプの断面図を図示している。図9Cにおいては、プランジャーアセンブリは下方に移動しており、液体が孔部から注出され、弁が閉止されており、プランジャーが原液を下方に押している一方で、新たな原液が原液源から引き出されている。
【図10】ポンプの断面図である。
【図11】ポンプの底面図である。
【図12】ポンプの分解組立図である。
【図13】ポンプをカートリッジにおけるソケットに挿入することにより組み立てられるカートリッジの断面図である。
【図14】装填扉が開位置にあると共にカートリッジがカートリッジ収容領域にある実施形態による注出アセンブリの斜視図である。
【図15】アクチュエータ本体中に挿入されたポンプを示す図14のカートリッジ収容領域の一部を拡大して示す斜視図である。
【図16】食器洗浄機に組み込まれた注出アセンブリの左側側面斜視図である。
【図17】食器洗浄機に組み込まれた注出アセンブリの左側側面斜視図である。
【図18】食器洗浄機に組み込まれた注出アセンブリの左側側面斜視図である。
【図19】衣類洗濯機に組み込まれた複数の注出アセンブリの斜視図である。
【図20】衣類洗濯機に組み込まれた複数の注出アセンブリの斜視図である。
【図21】衣類洗濯機に組み込まれた複数の注出アセンブリの斜視図である。
【図22】薬物ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図23】薬物ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図24】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図25】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図26】冷蔵庫に組み込まれたカートリッジを有する液体ディスペンサの斜視図である。
【図27】図26の家庭用器具に備えられたカートリッジカルーセルの上面図である。
【図28】図26の家庭用器具の部分前面図である。
【図29】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図30】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図31】流体用量計量デバイスを一部が破断された状態で示す。
【図32】注出システムを示す。
【図33】図31のデバイスを分解組立図で示す。
【図34A】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図34B】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図34C】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図34D】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図35A】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図35B】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図35C】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図36A】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図36B】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図36C】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図37A】用量計量デバイスを断面図で示す。
【図37B】用量計量デバイスを断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載においては簡便性のみのために一定の用語法が用いられており、限定的であるとはみなされない。「前部」、「後部」、「上部」および「底部」などの語は、図面において言及されている方向を表す。さらに、「a」および「1つの(one)」という用語は、他に明記されていない限りにおいて、言及されている対象物が1つ以上であることを含んでいると定義される。「A、BまたはC」などの2つ以上の対象物の列挙に先行する「少なくとも1つ」という句は、A、BまたはCの個々のいずれか1つ、ならびに、いずれかのこれらの組み合わせを意味する。
【0013】
一実施形態において、ポンプは、原液を注出するために設けられている。原液は、液体濃縮物/抽出物に特に限定されなくてもよい。
【0014】
一実施形態においては、液体製品を注出するためのポンプを備えるシステムが提供されている。このポンプは、原液を注出するよう構成されていてもよい。原液は、液体濃縮物/抽出物に特に限定されなくてもよい。原液は、混合されずに注出される液体製品であってもよい。液体製品は、特に限定されないが、原液、または、原液と希釈剤との混合物であり得る。
【0015】
システムは、多数の異なる用途のために扱いやすく、かつ、簡便に液体製品を注出するよう構成されていてもよい。システムは、原液と希釈剤とから形成された液体製品の濃度もしくは濃縮度をユーザが選択できるよう構成されていてもよい。ユーザには、特定の要求または好みを満たすことが可能であるよう、多数の異なる選択肢が提供されていてもよい。
【0016】
一実施形態では、ユーザが所望量の液体製品を正確に注出することが可能であると共に、ユーザの容器において、もしくは、ディスペンサ自体において原液を過剰に無駄にすることがないディスペンサが提供されている。一実施形態においては、ユーザは、複数種類の製品から選択することが可能であり、かつ、液体製品を所望の濃縮度で得ることが可能でありながらも複数の容器サイズから選択することが可能である。
【0017】
一実施形態においては、容器に入る前によく混合されて均質になっている原液と水もしくは他の希釈剤との混合物を注出するディスペンサを備えたシステムが提供されている。
【0018】
実施形態は、中空体およびポンプを備える原液カートリッジに関する。原液カートリッジは、原液カートリッジから液体を注出し得るディスペンサに備えられていてもよい。原液カートリッジは、希釈剤と原液カートリッジからの液体とを注出し得るディスペンサに備えられていてもよい。カートリッジは、飲料ディスペンサに備えられていてもよい。実施形態はまたポンプに関する。
【0019】
一実施形態は、多数の異なる注出用途に利用されることが可能である注出システムを含む。用途は、希釈剤を含むものであっても、希釈剤を含まないものであってもよい。
【0020】
他の実施形態は、流体を正確に計量して注出する注出システムに関する。本明細書における注出システムを用いて、消費者は多様な作業を仕上げ、これにより高い効率をもたらし得る。
【0021】
特にこれらに限定されないが、洗剤、薬物、乳児食および飲料を含む複数の種類の製品を単一のディスペンサから簡便に、かつ、使い易く混合および注出するためのより簡便で、かつ、容易なシステムが提供されている。システムは、ユーザが注出する飲料の種類を変更しようとした場合にも、ディスペンサの洗浄が必要とされない様式で提供され得る。システムは、ユーザの嗜好を満たすことができるよう、多数の異なる選択肢から、ユーザが飲料濃縮度を選択することが可能な様式で提供され得る。システムは、ユーザが、複数種類の飲料から選択し、および、飲料を所望の濃縮度で得ながらも異なるサイズを有するコーヒーマグまたは使い捨てカップなどの複数の飲料容器サイズから選択することが可能な様式で提供され得る。
【0022】
コーヒーメーカディスペンサを含むシステムが非限定的な例として記載されている。図1から図4には、液体抽出物(図2の注出領域30において矢印12で表されている原液であり、液体濃縮物/抽出物であってもよい)および希釈剤14(タンク22中、および、図2において矢印14によって表されている)を含む飲料を注出するためのカートリッジ50が用いられる飲料ディスペンサ10が示されている。ディスペンサ、ポンプ、ならびに、ディスペンサの駆動および制御方法は、本明細書においてその内容全体が本明細書に記載されているものとして参照により援用される2005年2月11日に出願され2009年11月10日に米国特許第7,614,524号明細書として発行された特許文献1;2005年2月11日に出願され2009年9月29日に米国特許第7,594,525号明細書として発行された特許文献2;2009年9月29日に出願された特許文献3;2005年11月3日に出願され2010年1月26日に米国特許第7,651,015号明細書として発行された特許文献4;2008年5月2日に出願された特許文献5;および、2007年10月29日に出願された特許文献6に記載されている。デバイスおよびこれにおける方法が、ポンプ41であり得る本明細書におけるポンプ、本明細書におけるいずれかの他のポンプ、本明細書におけるカートリッジ、本明細書における流体用量計量デバイス、または、同様のポンプの実施形態での使用に適応されていてもよい。温かい飲料に用いられる場合は、希釈剤タンク22が加熱体によって加熱されてもよい。冷たい飲料に用いられる場合は、希釈剤タンク22が冷却体によって冷却されてもよい。
【0023】
図1、2および6に示されているとおり、タンク供給ライン16がタンク22に接続されて、希釈剤14が注出領域に送達されることが好ましい。供給ライン16は、タンクから注出領域に水を異なる流量で注出することが可能な制御弁18に接続されていることが好ましい。制御弁18は図示のとおりソレノイド駆動型ピンチ弁であることが好ましいが、任意の好適な制御弁を用いることが可能である。あるいは、供給ライン16は、希釈剤14をタンク22から移すためのポンプに接続されていることが可能である。図5から図7に示されているとおり、レベルセンサ88がタンク22に接続されていてもよく、コントローラ80は、これを利用して希釈剤の流量情報を判定することが可能である。レベルセンサ88は、例えばフロート94に取り付けられたレバーにより直接的に、または、磁性フロート94とタンク22の外側で異なるレベルで設定されたトリッピング電磁スイッチとなどにより間接的に、または、いずれかの他の好適な手段により、レベル情報を提供するフロート94の配置によるものであることが可能である。この情報は、コントローラ80により利用されて、以下に記載のとおり注出アクチュエータ38の駆動量が調節され、希釈剤14の注出量に対して所望される量の濃縮物/抽出物12が注出されることが好ましい。あるいは、受信した希釈剤流量情報に基づいて、コントローラ80が制御弁18、もしくは、代わりに希釈剤吐出ポンプを制御して、抽出物12の注出量に対して適切な量の希釈剤14を吐出させることが可能である。レベルセンサの代わりに、流量情報を計測するための流量センサを供給ライン16に設けることも可能である。
【0024】
図1および図5から図7に示されているとおり、カートリッジ50は、濃縮物または抽出物であり得る原液12を入れるための中空体51(図31から図37Bに関しては流体容器とも称される)を備えている。中空体51は、折りたたみ可能であって、ポリエチレン、ポリエステルおよび金属フォイルの1つ以上の層を備える可撓性積層体シートから作製されていてもよい。代わりに、他の好適な材料を用いて可撓性積層体シートが形成されていることが可能である。中空体51には、吐出口コネクタ52がシール可能に接続されていることが好ましい。中空体51の内層には、コネクタ52の協働機構に接触すると共にこれに対して位置合わせされているシール領域などの機構が備えられていることが好ましい。組み立ての最中に、中空体51とコネクタ52とが接触して、中空体51がコネクタ52にシール可能に接続されている領域に、熱および圧力を所定の時間加えることが可能である。中空体51の内層およびコネクタ52は、熱および/または圧力が加えられた場合に、中空体51とコネクタ52とが一緒にシールされるよう、例えばポリエチレンといった同一の材料により、または、そうでなければ適応性の材料により形成されていてもよい。代わりに、コネクタ52は、任意の好適な接着剤および/または接着方法を用いて中空体51に接着されていることが可能である。他の代替においては、中空体は折りたたみ可能ではないか、または、可撓性ではない。
【0025】
図1中のポンプ41などのポンプは吐出口コネクタ52に接続されていてもよい。ポンプデバイスは、吐出口コネクタ52に接着されているか、もしくは、機械的に締結されていることが好ましい。代わりに、ポンプ41は、吐出口コネクタ52と一体的に形成されていることが可能である。
【0026】
図9Aから図9Cおよび図10から図12を参照すると、ポンプ41の第1の実施形態が詳細に示されており、プローブ75に接続されているポンプ本体54が含まれている。ポンプ本体54は軸方向に弾性であってもよい。プローブ75が、吐出口コネクタ52への接続を提供してもよい。ポンプ本体54は、一体に作製されていても、一緒に接続された複数の部品から作製されていてもよい。液体濃縮物/抽出物であり得る原液(図9Cにおいて矢印12として示されている)が、中空体51からポンプ本体54に送られ得る。ポンプ本体54の中にはプランジャー80が設けられていると共に、このプランジャー80の中に金属製本体85が設けられている。金属製本体は、金属製の材料を含んでいても、完全に金属製の材料から形成されていてもよい。金属製本体85は、強磁性材料を含んでいてもよい。プランジャーは、非金属製であっても、非金属材料でコートされていてもよい。非金属は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、または、熱可塑性エラストマー(TPE)であり得る。弁96は栓91の上に配設されており、弁座100に連接されている。栓91の上部は弁95を貫通して弁座100中に延在して、プローブ75に連接されているバネ105に係合している。プローブ75は吐出口コネクタ52に接続されている。シール110はプローブの上部付近に位置されて、ポンプと中空体51との間をシールし易くしている。シールはo−リングであり得る。プランジャー80は、ポンプ本体54の孔部82に配置され得る封止先端部81を備えている。
【0027】
原液12に接触するポンプの1つ以上の表面は、非金属であるか、または、非金属材料でコートされていてもよい。バネ105は、ステンレス鋼、非金属製であるか、または、非金属でコートされていてもよい。非金属は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、または、熱可塑性エラストマー(TPE)であり得る。
【0028】
上記に記載されているとおり、ポンプ41は、吐出口コネクタ52を介して中空体51に接続されている。他の実施形態において、中空体51は、任意の他の好適な接着剤もしくはシーリング法によりポンプ41に接続されていてもよい。他の実施形態において、ポンプ41および中空体51は互いに一体的である。
【0029】
一実施形態において、ポンプ41は、詰まりまたは汚染が低減されるよう提供されていてもよい。ポンプ41が駆動されていないときは、プランジャー先端部81がバネ105によって前方に付勢されて孔部82が閉止されていてもよい。これにより、液体が流出せず、ポンプおよびパウチの内容物が空気から封止され、これによって、詰まりおよび汚染が防止され得る。
【0030】
一実施形態において、金属製シリンダ85は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、または、熱可塑性エラストマー(TPE)のような非金属材料でコートされている。金属製シリンダ85、または、そのコーティングが、プランジャー80、封止先端部81、および、栓90の1つ以上の代わりであってもよい。
【0031】
好ましい実施形態において、上記のポンプは、以下の機構がもたらされるよう構成されていてもよい。金属は流体に接触しておらず流体は、いくつかの実施形態においては、金属がプラスチックによって完全に封じ込まれていることにより、金属部分には接触していない。ポンプ中の空隙は小さいか、または、ポンプ中に空隙はないため、ポンプの洗浄が向上され得る。また、表面積が小さくて製品の堆積が低減され、これによりポンプの「接着閉塞(glue shut)」の低減が可能である。ポンプは、孔部中への封止先端部の挿入を介してポンプ本体の末端部で遮断されることが可能である。これにより、注出サイクルが終了する度に、ポンプ先端部が清浄に洗浄され得る。ポンプが停止してしまった場合には、最終ユーザは、単に先端部を押して、ポンプにおける可動部を緩めればよい。プランジャー弁アセンブリは一定の往復工程のみが許容されていてもよく、これは、ポンプ出力の一貫性の向上に寄与することが予期される。例えば弁座高の変更による往復工程長の最終的な調整により、所望の出力に合わせることが可能である。プランジャーはバネによって閉位置に押し出されることが可能であり、パウチの圧迫または加圧は単にシール性を高めるだけであるため、パウチが加圧されている場合には、ポンプはよりしっかりと閉止され得る。ポンプの末端部での遮断部分は、ポンプ本体における孔部中にわずかに突出して構成されていてもよい。好ましい実施形態において、このポンプ設計は、多くの異なる液体に対して好適である。一実施形態において、ポンプ設計は、1から10センチポアズ(Esio濃縮物と同様)を有する低粘度液体製品に好適である。
【0032】
図1および図5から図6を参照すると、注出アクチュエータ38はカートリッジ収容領域31内に固定されていると共に、カートリッジ50のポンプ41を中に収容するための開口40を備えている。注出アクチュエータ38はまた、巻回コイルまたはソレノイド配置構成を備えていることが好ましい電磁石76を備える。巻回コイルまたはソレノイドは、発生した磁束を集束させる1つ以上の集束リングをコイルの内部に備えていることが可能である。
【0033】
カートリッジ50が伴う使用に関する一実施形態において、強磁性摺動スリーブ58が電磁石76と位置合わせされている。この強磁性スリーブ58は、電磁石76と同心状に位置合わせされていてもよい。好ましくは、強磁性停止部材59が注出アクチュエータ38に接続されて、摺動スリーブ58の動きが制限されると共に、電磁石76によりもたらされる磁束がチャネル化される。強磁性スリーブ58は、周縁突出部62を備えている。カートリッジ50が収容領域31における設置位置に収容されている場合、弾性チューブの中心部分の軸受け部材66が強磁性摺動スリーブ58の周縁突出部62に接触する。
【0034】
電磁石76は、交流もしくは直流などの電流をコントローラ80から受ける。好ましい実施形態において、コントローラ80は、コイルに24ボルトを間欠的に印加して、断続磁界を誘起する断続直流をもたらす。
【0035】
カートリッジ50は、原液12を以下のとおり注出する。コントローラによって電磁石76に印加された好ましくは24ボルトの電圧によって巻回コイルに電流が誘起される。あるいは、コントローラは、交流または直流を生じさせるために他の好適な電圧を提供することが可能である。電圧の印加により金属製本体85は、図9Aに示されている位置から、図9Bに示されているとおり、電磁石76の磁界の中心に向かって引き寄せられる。プランジャー80も金属製本体85に追従して上昇し、図9Bに示されているとおり、封止先端部85および弁95が移動する。強磁性スリーブ58が上昇するに伴って、原液は、ポート83を通って、プランジャー80の周囲および下部領域に押し出される。次いで、コントローラがアクチュエータ38への電圧を遮断すると、強磁性スリーブ58がバネ105の付勢力および/または重力によって停止部材59から離間するよう下方に移動して、原液が孔部81から押し出される。同時に、原液12が中空体51からプランジャー80の上部領域に引き出される。中空体51は折りたたみ可能であることが好ましく、折りたたまれて原液流体12の中空体からの抽出を容易とする。好ましい24VのDCを生成する電圧、または、他の好適なACもしくはDCを生成する電圧などの電圧は周期的にオンオフされて、所望の量の原液12が注出されるまで、上述のプロセスが連続的に反復されるよう断続電流が提供される。あるいは、他の種類のアクチュエータを用いて金属製本体85に作用されることが可能である。
【0036】
より経済的に製造され得ると共に、高い設計自由度を有し得る向上した用量計量デバイスが、本明細書における実施形態において提供されている。
【0037】
一実施形態では、出口流路と入口流路を画定するコネクタ部とを備える筐体であって、前記コネクタ部が前記流体容器に接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能とされた内部チャンバを形成する前記筐体と、前記入口流路から前記出口流路への流れが妨げられる閉位置と、前記入口流路から前記出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう前記筐体の前記チャンバ内に移動可能に配設されたピストンであって、電磁コイルによる前記ピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備える前記ピストンとを備え、前記駆動部が外側本体中に配設され、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応されている流体用量計量デバイスが提供されている。
【0038】
利点は、強磁性材料により、駆動部の電磁的駆動が可能なことである。また、外側本体は、送られる流体に対して不活性である材料製であり得る。加えて、強磁性駆動部および/または外側本体は、筐体の内部で駆動部が滑らかに往復運動するよう作製されていてもよい。その結果、単純な製造プロセスが伴う好適な材料を選択することが可能であるよう、さらなる材料が外側本体に好適であり得る。さらに、駆動部は、強磁性駆動部の表面上に保護コーティングの必要性がないため、より簡単なものとすることが可能である。その結果、デバイスの全体的な製造がより経済的である。
【0039】
他の利点は、外側本体が強磁性材料をより有効に保護することが可能である。ピストンの強磁性駆動部に適用された保護コーティングは、コーティングプロセスが被覆されていないいくつかの小さな領域を残してしまう可能性があるため、有効な保護を常にもたらすわけではない可能性がある。これは、強磁性材料と注出される流体との間に望ましくない接触をもたらしてしまう可能性がある。いくつかの実施形態においては保護コーティングを適用することも可能であるが、本明細書における実施形態は、コーティング材料に対する代替をも提供する。
【0040】
さらなる利点は、材料の選択および関連する加工の可能性に関してピストンの設計自由度が高まり、これにより、比較的低い費用でより複雑な設計も可能なことであり得る。さらに、駆動部は汎用性の設計とすることが可能であり、全ての種類のデバイスについて駆動部が同一であって、それ故、駆動挙動が同様であり、これにより、一定の駆動スキームが許容されるよう、ピストンの設計上の差異は外側本体に形成されることが可能である。
【0041】
一実施形態において、流体は、少なくとも1つの内部流路を介してピストンを通過することが可能であり、ピストンの側壁の少なくとも一部が、筐体の側壁(すなわち周壁)と完全に(場合によりシールされて)係合されている。最低限の必要性として、外側本体は、駆動部とチャンバ内の流体とが接触し得る領域にのみ設けられている必要があり、従って、駆動部と筐体の側壁との間、もしくは、全体的には設けられている必要性はないと考えられる。本体には、駆動部と筐体の側壁との間の間隙への流体の侵入を防止するためのシールが、ピストンと筐体の側壁との間に設けられていてもよい。
【0042】
一実施形態において、駆動部は、外側本体の内部に封じ込められている。部分的に覆われた駆動部よりも有利な点は、シールが不要であるために設計および構成が簡素化され、それ故、公差の厳密性は低くてもよいことである。また、摩耗および損傷による漏れの可能性も低い。
【0043】
外側本体は非金属材料製であってもよい。非金属材料は、プラスチックであってもよい。これにより、本体は射出成形が可能となり、特に食品および医薬品産業において用いられる流体といった広く多様な流体に対する本体の適応性が保証される。また、磁界が外側本体に透過されて駆動部の強磁性材料と相互作用される。
【0044】
一実施形態において、閉位置にあるピストンは、好ましくは出口流路のチャンバ側から出口流路とシール係合している(すなわち、ピストンは出口流路に突出せず、従って、筐体の外側から出口流路に係合しない)。これは、例えば容器の圧縮による容器内の圧力がピストンをしっかりと閉位置に維持し、従って、取り扱い中のデバイスの漏れの可能性が最低限となるという利点を有する。
【0045】
筐体は、周壁、底壁、および、頂壁を備えていてもよい。周壁は、底壁と頂壁との間に配置されている。コネクタ部は、入口流路が頂壁からコネクタの自由端に延在するよう頂壁に取り付けられている。出口流路は底壁に配置されている。筐体では、入口流路および出口流路のみを介して流体の出入りが許容されていてもよく、すなわち、他の流路または開口は筐体に設けられていなくてもよい。さらに、筐体の壁部およびコネクタ部は剛性であり得る。
【0046】
周壁は、底壁および頂壁によってその端部が閉止されている管状の筐体を形成していてもよい。入口流路もしくは出口流路の一方、または、両方の流路が管状の筐体の縦軸と並んでいる。これにより、チャンバ中においてより対称的なフローパターンが保証されることとなる。
【0047】
一実施形態において、外側本体は、流体をピストンの入口側からピストンの出口側に流す少なくとも1つの内部流路を備えている。外側本体は、ピストンの入口側からピストンの出口側へのみ流体を流すよう内部流路に組み込まれていてもよい逆止弁であり得る1つ以上の弁を有していてもよい。次いで、デバイスは、注出流量が、この場合、筐体内部のピストンの往復動作の頻度および往復工程に応じているという利点を伴ってポンプとして機能することが可能である。その結果、注出量は、重力および/または容器内の圧力に依存した注出量に対してより予測可能である。1サイクル当たりの注出量(すなわち、一往復動作当たり)は、それ故、電磁コイルへの適切な電圧の印加および筐体の設計により設定可能なピストンの往復工程に依存する。例えばより長いチャンバを筐体内に設けるといった筐体の設計を変更することにより、ピストンの最大往復工程を変更することが可能である。あるいは、往復工程は、電磁コイルへの適切な電圧の印加により調節することが可能であり、最大往復工程が上限とされる。
【0048】
逆止弁を外側本体内に組み込むことが可能であることは、少なくとも部分的に、従来技術のデバイスに対して本発明のデバイスにより達成されるピストンの高い設計自由度の結果であることに注目されたい。
【0049】
本体がプラスチック製である場合、1つ以上の逆止弁は、単純な様式で同時に、外側本体と一体的に射出成形されることが可能である。
【0050】
一実施形態において、外側本体は、駆動部を閉じ込める、すなわち保持するよう組み立てられた2つの部品から構成されている。2つの部品が、駆動部を封じ込めることによりこれを保持していてもよい。従って、2つの部品が、駆動部が置かれている、すなわち収容されている空隙を画定していてもよい。外側本体が2つの部品に分割されていることにより、駆動部の空隙への導入がかなり容易であり、その後、空隙が閉じられて流体の空隙への進入が防止される。外側本体部品の一方がカップ形状を有して空隙を形成し、および、外側本体部品の他方が、例えば空隙内に導入される栓の形態で空隙を閉じてもよい。これらの2つの部品は異なる材料から形成されていてもよく、例えば異なるプラスチック製であってもよい。例えば、一方の部品はTPE、すなわち熱可塑性エラストマー製であり、他方の部品はアセタール、すなわち、ポリアセタールまたはポリホルムアルデヒドとしても知られているポリオキシメチレンプラスチック製であってもよい。
【0051】
一実施形態においては、1つ以上の逆止弁が外側本体の2つの部品の一方に組み込まれており、他方の部品が1つ以上の逆止弁に関連する弁座を備えている。しかしながら、2つの部品の一方が弁および関連する弁座を備えている実施形態も可能である。一方の部品のみが内部流路を有していると想定される。この場合、流体は、一方の部品を通り、他方の部品を前記部品の外側で流過する。また、部品の各々が内部流路を有している実施形態が可能である。製造の観点からは、一体型の逆止弁の製造が容易となるため、一方の部品のみが内部流路を有している設計が有利であり得る。流路内に一体型逆止弁を作製することは、内部流路の端部に作製することよりも困難である。
【0052】
一実施形態において、ピストンは、出口流路からおよびこれに向かう交番動作が可能であり、また、出口流路に向かうときに出口流路を通して流体が押し出されるよう、ピストンが入口流路から出口流路への方向、および、逆方向に移動可能となっている。あるいは、ピストンは入口流路から出口流路への方向および逆方向に対して垂直に移動することが可能であり、これは、弁として機能するデバイスには特に好適な実施形態である。
【0053】
一実施形態において、筐体は2つの部品から構成されている。各部品は、入口流路および出口流路の一方を備えていてもよい。出口流路を備える部品は周壁と底壁とによって形成されていてもよく、入口流路を備える部品は頂壁とコネクタ部とによって形成されていてもよい。次いで、出口流路を備える部品はまた、ピストンを配置することが可能な空隙を備えるカップ形状を有している。
【0054】
一実施形態において、ピストンは、例えばピストンを閉位置に向かって動かそうとするコイルバネおよび/または圧縮バネといったバネ部材によりバネ荷重が加えられている。これは、電磁コイルへの電圧の印加が遮断された後に、ピストンが自動的にその閉位置に戻ることを保証する。その閉位置への戻りはまた、容器中の圧力、重力、または、適切な様式でのコイルへの電圧の印加の助けによりなされてもよい。バネ部材は、閉位置が重力に依存していないか、または、重力への依存度が小さくなるよう、コイルへの電圧の印加が遮断されるとピストンを閉位置に維持し得る。これは、バネがピストンに作用する重力に対抗することが可能であると仮定すれば、流体容器を有するデバイスを、デバイスからの漏れのリスクを伴わずに上下逆に保持することが可能であるという利点を有する。
【0055】
バネ部材は、ピストンから、入口流路、すなわちコネクタ部に延在し得る。バネ部材はコネクタ部の全長の半分を超えて延在し得る。
【0056】
利点は、バネ部材は、ここでは、入口流路中の長尺物として設計されることが可能であるということである。より長尺の設計は、作製公差の重要性が低減すると共に、組み立ての最中のバネ部材の扱いがより容易となるという利点を有する。さらに、デバイスの全長は、より長尺のバネ部材によっては影響されない場合がある。
【0057】
バネ部材の長さをさらに長くするために、バネ部材はまた、ピストンに延在し得る。従って、ピストンは、バネ部材を収容することが可能である空隙または凹部を備えていてもよい。
【0058】
一実施形態において、ピストンはコネクタ部中に延在し得る軸部を備えており、バネ部材がこの軸部の周囲に配置されている。軸部が十分な長さを有している場合、バネ部材の座屈が防止される。少なくとも軸部がバネ部材の一端を保持可能である。コイルバネの巻部の中に軸部が収容可能であるよう、バネ部材はコイルバネであることが好ましい。バネ部材の長さが軸部の長さよりも長いことで、軸部がコネクタ部の内部(すなわち入口流路)に損傷を与えるかおよび/または接触することなく、ピストンがチャンバ内で往復動作される。
【0059】
一実施形態において、外側本体は、閉位置で出口流路とシール係合して、流体が出口流路を通って流出することを防止する突出部を備えている。この突出部は閉位置で出口流路に延在していてもよい。
【0060】
一実施形態において、突出部および出口流路は、閉位置で互いに係合する対応するシール面を有しており、ここで、出口流路のシール面は、出口流路が底壁に位置されている場合には、例えば筐体の底面といった筐体の外表面に相当に延在している。この様式においては、閉位置では、筐体において、ピストンと、チャンバ外の空気に接触している出口流路との間に溜まる流体は無いか、最低限である。従って、デバイスの詰まりをもたらし得る閉位置における流体の乾燥が最低限となるか、または、完全に防止される。また、デバイスが詰まり、および/または、ピストンが閉位置に固着してしまった場合でも、閉位置では突出部が出口流路に突出しており、従って、到達可能であるために、ユーザもしくは機械が、出口流路を介して、出口流路の詰まりを解消しおよび/またはピストンを解放させることが可能である。
【0061】
一実施形態において、コネクタ部は、流体容器の雌部品に接続される雄部品である。雌部品は、雄部品用の挿入口から本体を通って延びる軸孔と、軸孔を封止する栓のための軸孔の周囲に延在する受座とを備える本体を有している。雌部品の軸孔には挿入口と受座との間に肩部が形成されており、前記肩部が挿入口に対向している。栓は掛合面に対応する少なくとも1つの弾性掛合部を備えているが、ここで、掛合部は掛合面が肩部に対向している第1の位置に配置されており、および、雄部品はヘッドと雄部品が軸孔中に挿入された際に栓の掛合部を受けるヘッドの後ろに配置されている凹部とを有しており、これにより、栓が雄部品に接続されている(すなわち、第1の接続位置に対応している)。雄部品がさらに押されると(すなわち、第2の接続位置に押されると)、受座への栓の係合がはずれて流体が流通可能となる。その後に雄部品を第1の接続位置に引き戻すことにより、軸孔が再度栓によって閉止されることとなる。例えば、特許文献7のコネクタアセンブリが用いられる。雄部品(すなわちデバイス)の接続および切り離しにより、漏れのリスクを伴わずに流体容器が自動的に開放および閉止されるという利点がある。用量計量デバイスの切り離しは、流体容器が再度用いられ、補充が必要とされる場合に有利であり得る。ここでは、デバイスの設計に応じて、補充はまた用量計量デバイスを介して行われてもよく、従って、用量計量デバイスの切り離しは必須ではないことに注目されたい。
【0062】
用量計量デバイスを補充された流体容器に接続することで、流体容器の内容物が用量計量デバイス中に既に存在している空気に露出されてしまう場合がある。従って、用量計量デバイスは予め流体容器に組み込まれているが、流体容器と用量計量デバイスとの間の流体の流通性は、流体容器が用いられるまで遮断される(すなわち、空にされる)ことが所望され得る。従って、用量計量デバイスと流体容器との間の接続は、最初は、流体の流通が妨げられている(例えば上記のとおり第1の位置に対応する)ようになされ得るが、用量計量デバイスを備える流体容器がディスペンサに設置されると、例えばデバイスを容器中にさらに押し込むてこの作用の形態で、アクチュエータによって、または、流体容器に対する用量計量デバイスのねじれ動作もしくは押し込み動作などのオペレータの結合動作により自動的に遮断が解かれる(例えば上記のとおり第2の位置に対応する)。これは、流体容器の内容物が空気に露出されておらず、用量計量デバイス中に存在しているかも知れない少量の空気にすら露出されていないことを示す開封明示デバイスと組み合わされていてもよい。
【0063】
開封明示デバイスはまた、出口流路に設けられていてもよい。デバイスが一度も用いられていないことが視認できるよう、外部に対して出口流路がフォイルで覆われていることが可能である。デバイスを注出装置に装着する際には、装着の前に開封明示デバイス(すなわちフォイル)がはがされる必要があり、または、最初に設置されまたは駆動される場合には注出装置においてフォイルが貫通される。
【0064】
一実施形態では、入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、強磁性駆動部を製造するステップと、外側本体を製造するステップと、前記駆動部が前記外側本体に配設されるよう、前記駆動部および前記外側本体を組み立ててピストンを形成するステップと、前記ピストンが往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設されるよう、前記ピストンおよび善意筐体を組み立てるステップとを含み、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された本明細書に記載のいずれかのデバイスである用量計量デバイスを製造する方法が提供されている。
【0065】
一実施形態において、筐体は2つの部品から構成されており、部品の各々は入口流路および出口流路の一方を備えている。出口流路を備える部品は筐体の周壁および底壁を含んでいてもよく、入口流路を備える部品は筐体の頂壁およびコネクタ部を含んでいてもよい。この場合、ピストンおよび筐体を組み立てるステップは、出口流路を備える部品にピストンを位置させるステップと、出口流路を備える部品と入口流路を備える部品とを組み立てて、ピストンを内部に有する筐体を形成するステップとを含む。
【0066】
一実施形態において、ピストンの外側本体は2つの部品から構成されており、一方の部品が駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有していると共に、他方の部品が空隙を閉じるよう構成されており、ここで、駆動部とピストンの外側本体とを組み立てるステップは、駆動部を空隙内に位置させるステップと、外側本体の2つの部品を組み立てることにより空隙を閉じるステップとを含む。
【0067】
一実施形態において、デバイスはバネ部材を備えており、従って、デバイスを作製するための方法は、ピストンおよび筐体を組み立てる前に筐体のコネクタ部の中にバネ部材を挿入するステップを含む。
【0068】
あるいは、ピストンは、筐体のコネクタ部に収容されている軸部を備えていてもよく、ピストンおよび筐体を組み立てる前にバネ部材が軸部の上に配置される。
【0069】
方法は、出口流路上に開封明示フォイルとして材料層を提供するステップをさらに含んでいてもよい。
【0070】
一実施形態では、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された流体用量計量デバイスが提供されており、前記デバイスは、出口流路と入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器に接続可能とされており、入口流路および出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体と、入口流路から出口流路への流れが妨げられる閉位置と、入口流路から出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう筐体のチャンバ内に移動可能に配設されたピストンであって、電磁コイルによるピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備える前記ピストンと、ピストンを閉位置に向かって動かそうとするバネ部材であって、ピストンから入口流路(すなわちコネクタ部)に延在するバネ部材とを備える。好ましくは、バネ部材は圧縮バネおよび/またはコイルバネである。
【0071】
バネ部材は長尺に設計されていてもよい。より長尺の設計は、作製公差の重要性が低減すると共に、組み立ての最中のバネ部材の扱いがより容易となるという利点を有する。さらに、デバイスの全長は、より長尺のバネ部材によっては影響されない場合がある。
【0072】
バネは、重力および/または流体容器内の圧力よりもピストンが確実に閉位置に保持されるよう、ピストンを閉位置に向かって偏位させ得る。重力は、デバイスの向きにかかわらず一方向にのみ作用し、従って、流体容器を備えるデバイスが上下逆に保持されると、ピストンが重力によって開位置に動き、デバイスからの漏れが始まり、および/または、空気が流体容器中に進入してしまうという欠点を有している。圧力は、特に流体容器が空にされる場合には一定のパラメータではない場合があり、従って、特に流体容器がほぼ空である場合には、圧力は、特にデバイスが上下逆に保持されている場合に、ピストンを確実に閉位置に保持することはできない可能性があるという欠点を有する。好適なバネ部材は、デバイスの向きにかかわらずピストンを閉位置に保持する。
【0073】
実施形態においては、コネクタ部の使用によって、用量計量デバイスの全長を変更する必要性はなくてもよい。
【0074】
一実施形態においては、ピストンの閉位置では、バネ部材の少なくとも半分がコネクタ部中に収容されている。一実施形態においては、バネ部材の少なくとも70%がコネクタ部中に収容されていてもよい。
【0075】
一実施形態においては、コネクタ部の長さの少なくとも半分がバネ部材を収容している。
【0076】
コネクタ部の内断面積は、ピストンの外断面積またはチャンバの内断面積よりも小さくてよい。
【0077】
一実施形態において、ピストンは、コネクタ部に延在し得る軸部をピストンの入口側に有していてもよい。この場合、バネ部材は軸部の周囲に設けられていてもよい。軸部の存在により、バネ部材は座屈が防止され、所定の形状または向きに強制されており、従って、その挙動が想定可能である。想定可能な挙動は、コイルへの電圧印加が遮断された際に、バネ部材が用いられてピストンが閉位置に向かって押される場合に有利である。ピストンの押し戻しは一定の時間内に成されなければならず、そうでなければ、ピストンが閉位置に達する前にコイルに再度電圧が印加されてしまい、想定よりも少ない流体が流出してしまうというリスクがある。また、バネ部材はピストン中に延在して、バネ部材の長さがさらに増されていてもよい。従って、ピストンは、バネ部材を収容する凹部または空隙を備えていてもよい。
【0078】
ここで、当業者は、適切な機能を保証するために、バネ部材によってピストンに加えられる力よりコイルを用いたピストンの電磁的駆動の方が強いことが可能であることを理解するであろうことに注目されたい。
【0079】
さらに、本発明の実施形態に関連して記載されている機構は、好適ないずれかの方法で容易に組み合わされて用いられてもよいことに注目されたい。
【0080】
本発明は、さらに、組み合わせとして、本発明の第1および/または第2の態様の用量計量デバイス、ならびに、デバイスのコネクタ部に接続可能である流体容器に関する。
【0081】
コネクタ部は雄型コネクタ部であり得ると共に流体容器は雌型コネクタ部であり、用量計量デバイスは、雄型コネクタ部を雌型コネクタ部に導入することにより流体容器に接続される。
【0082】
一実施形態において、コネクタ部は流体容器に対して第1および第2の接続位置を有しており、第1の接続位置においては、コネクタ部は流体容器に予め組み込まれており、流体容器とデバイスとの間の流体の流通は遮断されており、第2の接続位置においては、コネクタ部は流体容器に接続されており、流体容器は、例えばデバイスのチャンバといったデバイスと流体が流通可能とされている。
【0083】
コネクタ部は、流体容器に対してコネクタ部の縦方向に相対的に移動することにより、第1の接続位置と第2の接続位置との間を移動するよう構成されていてもよい。
【0084】
あるいは、もしくは、追加的に、コネクタ部は、コネクタ部の縦方向に平行な軸について、流体容器に対して相対的に回転することにより、第1の接続位置と第2の接続位置との間で移動するよう構成されていてもよい。
【0085】
一実施形態では、入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、ピストンを製造するステップと、バネ部材を入口流路(すなわちコネクタ部)に配置させるステップと、前記ピストンが、往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設され、前記バネ部材によってバネ荷重が加えられているよう前記ピストンと前記筐体とを組み立てるステップとを含み、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された好ましくは本発明の第2の態様によるデバイスである用量計量デバイスを製造する方法が提供されている。
【0086】
一実施形態では、電磁コイルと、コイルを駆動するコントローラと、本発明の第1および/または第2の態様による用量計量デバイスであって、ソレノイドコイルによって収容可能である前記デバイスと用量計量デバイスに接続された流体容器とを含む注出システムが提供されている。
【0087】
一実施形態では、例えば本明細書に記載のデバイスといった流体用量計量デバイスと、流体容器との組み合わせを注出装置に配置する方法であって、流体用量計量デバイスおよび流体容器の組み合わせを提供するステップであって、流体用量計量デバイスが、デバイスが流体容器に対して第1の接続位置にあるよう流体容器に接続されており、第1の接続位置においては流体容器とデバイスとの間の流体の流通が遮断されている(すなわち、妨げられている)ステップと、デバイスを流体容器に対して第2の接続位置とするステップであって、第2の接続位置において、デバイスが流体容器に接続されており、デバイスが流体容器と流体の流通が可能とされているステップと、デバイスと流体容器との組み合わせを注出装置に導入するステップと
を含む前記方法が提供されている。
【0088】
一実施形態において、デバイスを流体容器に対して第2の接続位置とするステップは、デバイスおよび流体容器の組み合わせを注出装置に導入する際に、注出装置によって自動的に実施される。そして、このステップは、ユーザまたはオペレータによっては実施されない。
【0089】
第1および第2の接続位置は、既述の組み合わせに関して記載されている第1および第2の接続位置と類似していてもよいことに注目すべきである。
【0090】
図1から図8に示されているとおり、トリガ46が設けられており、これが押されると、コントローラ80に信号が送られ、電磁石76に断続電流が供給されて、カートリッジ50から原液12の注出が開始される。図1を参照すると、カートリッジ50から注出された原液12は、好ましくは、カートリッジ収容領域31内に固定された合流チューブ17に進入する。同時に、コントローラが、希釈剤制御弁18を開いて液体希釈剤14をタンク22から希釈剤供給ライン16を通って合流チューブ17に移動させる。希釈剤14の流れは、一般に、ポンプ本体54に近接した位置で、吐出された濃縮物/抽出物12に注出されることが好ましい。この様式においては、濃縮物/抽出物12と希釈剤14との均一、かつ、実質的に均質な混合物が合流チューブ17から注出領域30に出る。この構成は、当業者に「ストライピング」または「ゼブラエフェクト」として知られる十分に混合されていない濃縮物/抽出物の注出の防止に有用である。希釈剤14が、示されているとおり吐出された濃縮物/抽出物12に対しておよそ直角に注出されて、混合具合を高めることが最も好ましい。
【0091】
コントローラ80は、合流チューブ17の残存している原液12を洗浄するために、原液12の注出を停止した後も短時間の間希釈剤14を注出し続けることが好ましい。あるいは、合流チューブ17を省略することが可能であり、供給ライン16とカートリッジ50のポンプ本体54とが、注出の間、吐出される原液12の流れが吐出される希釈剤14の流れに合流して混合具合が促進されるよう方向付けられている。
【0092】
図4から図8を参照すると、好ましくはボタン93およびスイッチ95を備えているタッチパッド入力コントローラ90が飲料の濃縮度を変更するために設けられており、これにより、ユーザが所望の飲料の濃縮度を選択することが可能である。LED92などの視認用インジケータは選択された飲料濃縮度を示す。ボタン93は、示されているとおり、LED92からの光を導くための導光管であることが好ましい。LED97aなどの視認用インジケータはライトガイド99aを通して光を投光して原液12の残量を示す。LED97bなどの視認用インジケータは、ライトガイド99bを通して光を投光してタンク22中の希釈剤14の残量を示す。
【0093】
入力コントローラ90からのユーザ入力がコントローラ80により用いられて、希釈剤14と混合されるべき原液12の量が判定される。これは、制御弁18によって希釈剤14が注出される速度を変更することにより、および/または、電磁石76を制御してポンプ41のポンプ量を変更することによりなされることが可能である。希釈剤14がタンク22から重力により注出されると共に、原液12がカートリッジ50から選択された飲料濃縮度に応じた流量で注出されることが好ましい。コントローラ80は、ポンプデバイス41によるポンプ量を調節することにより、低下するタンク希釈剤レベル(および、結果的に低下する希釈剤流量)を補償することが好ましい。ポンプデバイス41のポンプ量の調節は、1つの飲料容器への原液12および希釈剤14の注出の最中に数回(例えば8回から10回)行われることが可能である。あるいは、タンク22において低下する希釈剤レベルは、制御弁18をより大きく開くことにより、または、ポンプの使用を介して注出の最中に補償されることが可能であり、そして、原液12は、選択された飲料濃縮度のみに応じて一定の流量でカートリッジ50から注出されることが可能である。
【0094】
当業者は、例えば入力コントローラ90の使用を介して、数種の異なる既定の飲料濃縮度を利用および選択することが可能であることを認識しているであろう。さらに、飲料濃縮度は、異なる種類の飲料について好ましいとして示される選択範囲でのユーザ制御に基づいて、連続的に変更可能である。あるいは、スイッチを設けて、コントローラ80が濃縮物/抽出物12の注出される量を対応して調節するよう、どの種類の飲料が設置されているかをユーザがコントローラ80に送信可能とすることが可能である。付随IDなど、カートリッジ50中の原液12の種類を識別するための方法が種々知られている。異なる形状またはカートリッジ50に位置する異なる証印を通してコントローラ80によって自動的に認識されるIDが利用可能であり、これは、カートリッジ50が設置される際に収容領域31に位置されている接触センサ37によって読み取られることが可能である。また、カートリッジ上のID61は、示されているとおり位置されているか、または、収容領域31におけるいずれかの箇所に位置されているRFIDリーダを有するセンサ37と通信する無線識別(RFID)タグを含んでいることが可能である。一実施形態においては、カートリッジ上のID61は、収容領域31に位置されるバーコードリーダまたは他の視認型リーダによって読み取られることが可能であるバーコードまたはコンピュータが読み取り可能な符号を含んでいることが可能である。あるいは、ID61は、複数のスイッチの1つを作動させてコントローラ80にどの種類の飲料が設置されたかを通知するための位置合わせピンを備えていることが可能である。あるいは、例えばポンプデバイス41といった1つ以上の機能性構成要素は、飲料の種類を示すような形状および/またはサイズとすることが可能であり、機能性構成要素の形状および/またはサイズは、カートリッジ収容領域31中のセンサによって感知されることが可能である。
【0095】
加えて、図2に示されているとおり、例えばRFIDといった容器ID11は、注出領域30における例えばRFIDリーダといったセンサ13によって読み取られるよう、容器19に設けられていることが可能である。容器ID11は、ユーザの飲料濃縮度に関する嗜好情報を含んでいることが好ましい。飲料濃縮度情報は、予めプログラムされているか、または、注出領域30における例えばRFIDライタといったIDライタ15の使用を介してユーザによりプログラムされることが可能であり、および、入力コントローラ90を用いてユーザの飲料濃縮度の嗜好が示される。
【0096】
コントローラ80は、ポンプデバイス41により実施されたポンプサイクルの回数を記録して、原液12の注出量を判定していることが好ましい。従って、コントローラ80は、LED97aに信号を送ってカートリッジ50における原液12の残量を示す。さらに、コントローラ80は、スタックパイプ88から受信した情報を用いてLED99aに信号を送って、タンク22中に残っている希釈剤14の液位を示すことが好ましい。
【0097】
図13は、ポンプデバイス441と中空容器451とを含む組み立てる前のカートリッジ450を示す。雄繋止コネクタ452は、円錐形状ヘッド452aおよび流通路452cを備えていることが好ましい。繋止コネクタ452は、中空体451に取り付けられた雌嵌合コネクタ453に接続可能である。雌嵌合コネクタ453は、空隙453bを有する栓453aを備えている。栓453aは、本体453fにおける軸孔453eの端部に位置されている受座453cに脱着可能に、または、破断され易く接続されていることが好ましい。使用される際には、雄コネクタ452の円錐形状ヘッド452aが栓453aの空隙453bに進入するよう、雄コネクタ452が雌コネクタ453の軸孔453eに挿入される。雄コネクタ452が挿入されることにより、栓453aが受座453cから切り離されて、空体451から濃縮物/抽出物12が可撓体453dを通過し、コネクタ452の本体を通って流通路452cを介して、ポンプ本体454に流される。ポンプ41および中空体51は、ポンプデバイス441の中空容器451への接続に関してこの段落に記載のとおり、相互の接続に関してこの段落に記載されている構造を備えていてもよい。
【0098】
ディスペンサ10は、アクチュエータ38およびカートリッジ50(または、流体用量計量デバイスおよび流体容器)を使用した、特にこれらに限定されないが、ホットコーヒー、温かい茶、冷たい茶、チョコレートドリンク、他の風味を有する飲料、乳児用調製乳、流体香辛料、流体薬物、洗剤、石鹸、洗濯用または洗浄用添加剤、ならびに、制限されない他の食品製品および非食品製品を含む多様な流体の注出に適応されていることが可能である。また、ディスペンサ10は、所望の場合には、希釈が必要とされない粘性の流体に関しては、希釈剤を伴わずに容器中に原液だけを注出することが可能である。さらに、ディスペンサ10は、例えば、交換可能ボトル式オフィス用温水/冷水ディスペンサ、ならびに、家庭用および商業用冷蔵庫といった多数の他の注出デバイスに組み込まれることが可能である。
【0099】
図14から図30、図37Bには、ディスペンサ10に関して図示されたものと類似の要素が図示されている。比較のために、図14から図30中の要素では、類似する要素の先行する記載からの符号が10の位および1の位に保持されているが、100の位に識別子が追加されている。本明細書において記載、図示、または、特許請求されているいずれかのポンプ、カートリッジ、流体用量計量デバイスまたは流体用量計量デバイスおよび流体容器は、本明細書において記載、図示、または、特許請求されているディスペンサ、器具、カルーセル、または、他の機器のいずれかにおいて提供されていればよい。本明細書におけるディスペンサ、器具、カルーセルまたは他の機器のいずれかへの言及に用いられているカートリッジという用語は、本明細書において記載、図示、または、特許請求されているいずれかのカートリッジまたは流体用量計量デバイスおよび流体容器を指す。
【0100】
図14および図15には、本発明の第6の好ましい実施形態によるダイレクトディスペンサ310の付属カートリッジ収容領域331に挿入されたポンプデバイス341を有するカートリッジ350が示されている。本発明の本実施形態は、既存の種類の液体混合または注出システムに設置されて、種々の調節注出の用途を実現することが可能である。この実施形態においては、装填扉332は、上記装填扉32と同様に、装填扉332の底部分で回動可能にディスペンサ310に設けられている。図15では、装填扉332は、好ましくはID361を有している濃縮物/抽出物カートリッジ350をポンプデバイス341がアクチュエータ338に収容されるようカートリッジ収容領域331に装填することが可能である開位置で示されている。
【0101】
個別のコントローラまたは既存の機器のコントローラが提供されて、コントローラ80に関して上述されているものと同じように、交流または直流でアクチュエータ338と通信が行われて、カートリッジ350から液体が注出される。図15では、扉332が、扉332に強固に取り付けられた保持プレート333がポンプデバイス341の頂部に接触するか、代わりに、頂部に近接して位置してカートリッジ350が規定の位置に保持されている閉位置で示されている。この構成により、濃縮物/抽出物カートリッジ350がカートリッジ収容領域331内において適切に位置されていない場合に扉が閉じられることが防止される。
【0102】
図17から図18を参照すると、一実施形態による食器洗浄機500が示されている。食器洗浄機500は、計量された量の液体洗剤512を洗浄剤カートリッジ550から注出するよう適応された、ダイレクトディスペンサ310と同様の液体洗剤ディスペンサ510を備える。液体洗剤は、濃縮されているか、または、高濃縮であってもよい。あるいは、洗浄剤カートリッジ550は、例えばしみ抜き剤といった他の洗浄剤を含んでいることが可能である。洗浄剤カートリッジ550は、既出の実施形態において上述した原液カートリッジ50と同様のものである。
【0103】
食器洗浄機500は、食器収納領域504を利用するための主扉502を備えている。ディスペンサ510は、主扉502に位置されていることが好ましく、および、上述のアクチュエータ38と同様のアクチュエータ538を有するカートリッジ収容領域531に開くディスペンサ扉532を備えている。あるいは、ディスペンサ510は、食器洗浄機500における他の位置に位置されていることが可能であり、または、食器洗浄機扉502の外から挿入可能とされていることが可能である。収容領域531に装填されている場合、洗浄剤カートリッジ550がアクチュエータ538によって制御されて、食器洗浄機500の洗浄サイクルの最中に液体洗剤512もしくは他の好適な洗浄剤が食器収納領域504に注出される。コントローラ580は、アクチュエータ538によって注出される液体洗剤512の量、ならびに、選択された洗浄サイクルの種類に応じて注出タイミングを制御し得る。これは、必要な場合には追加の洗剤を注出可能であるよう、洗浄される物品の清浄度を検知するセンサに基づいて調節されることも可能である。
【0104】
図19から図21を参照すると、本発明の第8の実施形態による衣類洗濯機600が示されている。衣類洗濯機600は、計量された量の濃縮洗濯用薬剤612を洗濯用薬剤カートリッジ650から注出するよう適応された、ダイレクトディスペンサ310と同様の液体洗濯用薬剤ディスペンサ610を備えている。洗濯用薬剤は、濃縮されているか、または、高濃縮であってもよい。洗濯用薬剤612としては、洗剤、布地用柔軟剤、漂白剤、水質調整剤、または、任意の好適な洗濯用製品を挙げることが可能である。洗濯用薬剤カートリッジ650は、既出の実施形態において上述したカートリッジと同様のものである。
【0105】
衣類洗濯機600は、洗浄領域604を利用するための主扉602を備えている。ディスペンサ610は、各々が、第1の好ましい実施形態に上述したアクチュエータ38,138と同様である、中に配置されている複数のアクチュエータ638を有するカートリッジ収容領域631に開く装填扉632を備えている。アクチュエータ638の各々は、収容領域631中に脱着可能に位置されているカートリッジ650の1つを制御するよう適応されている。あるいは、単一のアクチュエータ638を設けることが可能であり、および、カートリッジ650は、例えば下記のカルーセル902などのメカニズムを用いて、単一のアクチュエータ638に近接して選択的に位置されることが可能である。収容領域631に装填されている場合、洗濯用薬剤カートリッジ650は、アクチュエータ638によって、衣類洗濯機600の洗浄サイクルの最中に、洗濯用薬剤612を洗浄領域604に注出するよう選択的に制御される。コントローラ680は、アクチュエータ638によって注出される洗濯用薬剤612の量、ならびに、選択された洗浄サイクルに応じて注出タイミングを制御することが好ましい。さらに、センサーを設けて洗浄の最中に清浄度の程度を判定することが可能であり、コントローラ680により、必要に応じて追加の洗剤を添加することが可能である。
【0106】
カルーセル902について上述したものなどの2つ以上のカートリッジを有するカルーセルが、本明細書に記載の他のものを含む、いずれかの器具、商業用ディスペンサ、または、商業用飲料ディスペンサに備え付けられていることが可能である。
【0107】
カートリッジ650の各々にどの種類の洗濯用薬剤612が入っているかを示すために、ID661がカートリッジ650の各々に付されていることが好ましい。コントローラ680は、ID661に含まれている情報、ならびに、コントロールパネル690で入力されたユーザ入力により受信される情報を用いて、洗濯用薬剤612を適切な量で、洗浄サイクル間の適切な時点に注出することが好ましい。好ましくは、コントローラ680は、アクチュエータ638のサイクル数を計数することによりカートリッジ650の各々から注出される洗濯用薬剤612の量を判定し、カートリッジ650の1つ以上がほぼ空である場合には、コントロールパネル690に信号を送信してユーザに通知する。
【0108】
図22および図23を参照すると、本発明の一実施形態による薬物ディスペンサ710が示されている。薬物ディスペンサ710はディスペンサ310と同様であり、計量された量の液体薬物712を薬物カートリッジ750から注出するよう適応されている。薬物712は、多様な疾患を処置するための処方箋での投薬または店頭での投薬を含むことが可能である。薬物カートリッジ750は、既出の実施形態において上述したカートリッジと同様のものである。
【0109】
ディスペンサ710は、上記のアクチュエータ38と同様のアクチュエータ738を有する収容領域731を備えている。収容領域731に装填されている場合、薬物カートリッジ750は、アクチュエータ738により制御されて、液体薬物712を容器収容領域730に注出し、ここで、注出された薬物712が投薬容器719に入れられる。
【0110】
コントローラ780は、アクチュエータ738により注出される薬物712の量を制御し得る。カートリッジ750にどの種類の薬物712が入っているかを示すために、固有のID761がカートリッジ750の各々に付されていることが好ましい。ID761が、コントローラ780を指示して、コントロールパネル790上のボタン793を用いて個人情報を入力するようディスプレイ792でユーザを促すデータを含んでいることが好ましい。入力される個人情報としては、ユーザの年齢、重量、および、身長を挙げることが可能である。ID761はまた、コントローラ780を指示して、ユーザのアレルギーまたはユーザが服用している他の薬に関する情報を入力するようユーザを促すデータを含んでいることが可能であり、これにより、コントローラが可能性のある副作用および悪影響を及ぼす薬物間相互作用についてユーザに警告することが可能である。コントローラ780は、ID761に含まれる情報と共にユーザの個人情報を用いて、適切な量の薬物712を注出することが好ましい。
【0111】
コントローラ780はアクチュエータ738のサイクル数を計数することによりカートリッジ750から注出される薬物712の量を判定し、カートリッジ750がほぼ空である場合には、コントロールパネルに信号を送信してユーザに通知することが好ましい。コントローラ780は、保存されたメモリに影響を及ぼさずにカートリッジ750をディスペンサ710から出入りさせることが可能であるよう、カートリッジ750の各々をその固有のID761に関連させて、メモリ中に、複数の異なるカートリッジ750中の薬物の残量に関する情報を保存することが可能である。
【0112】
図24および図25を参照すると、一実施形態による、乳児用調製乳液体濃縮物/抽出物(注出領域830に矢印12によって表されている)および希釈剤(タンク822中にあり、矢印14によって表されている)を含む混合物を注出するよう適応された液体ディスペンサ810が示されている。ディスペンサ810は、上記のディスペンサ10と同様に機能する。ディスペンサ810は、上述のカートリッジと同様であることが好ましい濃縮物/抽出物カートリッジ850を利用する。ディスペンサ810は、乳児用調製乳が所望温度、ならびに、所望される所定の濃縮度で注出されるよう、希釈剤用のユーザによるプログラムが可能な温度コントローラを備えていることが好ましい。
【0113】
図26および図28を参照すると、一実施形態による好ましくは冷蔵庫900である家庭用器具が示されている。冷蔵庫900は、原液(注出領域930に矢印12により表されている)および希釈剤(矢印14により表されている)を含む飲料を注出するよう適応された飲料ディスペンサ910を備えている。ディスペンサ910は、上述のディスペンサ10と同様に機能すると共に、好ましくは原液カートリッジ50と同様である原液カートリッジ950を利用する。冷蔵庫900は、家庭用送水管に接続されて、冷水などの希釈剤14の供給源をディスペンサ910に提供する供給ライン916を備えていることが好ましい。好ましくは、供給ライン916は、冷却機970を通って延在していることが好ましく、任意により、ヒータ972を設けることが可能である。従って、弁974,976により、ユーザは、コントローラ980からの入力に基づいて、熱いまたは冷たい希釈剤14を注出領域330に選択的に注出させることが可能である。代替的な実施形態においては、飲料ディスペンサ910は、希釈剤を伴わずに、原液を直接的に容器に注出することが可能である。
【0114】
ディスペンサ910はまた、図27に示されているとおり、複数のカートリッジ950を保管し、および、原液カートリッジ950から注出が可能であるカートリッジ収容領域931に選択的にカートリッジ950を出入りさせるカートリッジカルーセル902を備えていることが可能である。ユーザ入力コントローラ390が設けられてコントローラ980に信号が送信されて、カルーセル902が回転されて濃縮物または抽出物がカートリッジ950のうちの所望の1つから注出される。また、コントローラ990を用いて、飲料の濃縮度が変更され、および、選択されたカートリッジ950からの濃縮物/抽出物12が、温かいまたは冷たい希釈剤14のいずれと混合されるべきかが選択されることが好ましい。入力コントローラ990が用いられて、特定の1つのカートリッジ950が最初にカルーセル902に装填された際に、特定のカートリッジ950が選択されて、カルーセル902によって収容領域931に位置される度に、特定のカートリッジ950に関連する好ましい特性でコントローラ980が飲料を注出するよう、好ましい飲料特性が入力されることが好ましい。ID961がカートリッジ950の各々に設けられて、カートリッジ950の各々の中の飲料原液12の種類が示されていることが好ましい。コントローラ980は、ID961に含まれている情報、ならびに、ユーザ入力による情報を用いて、原液12と、温かいまたは冷たい希釈剤14とを適切な割合で注出することが好ましい。デジタルディスプレイ992などの視認用インジケータが、選択された飲料の種類および/または選択された飲料嗜好性を示す。
【0115】
図29から図30を参照すると、一実施形態によるボトル供給式飲料ディスペンサ1010が示されている。ディスペンサ1010は、液体濃縮物/抽出物(注出領域1030に矢印12によって表されている)および希釈剤(矢印14によって表されている)を含む飲料を注出するよう適応されている。ディスペンサ1010は、ディスペンサ10と同様に機能すると共に、上述の原液カートリッジと同様であることが好ましい原液カートリッジ1050を利用する。希釈剤14の供給は、公知のボトル供給式水ディスペンサにおいて典型的に用いられる種類の交換可能なボトル1022により保持されている。
【0116】
本発明の上記の好ましい実施形態は、多くの公知の注出システムを超える多数の機能的な利点を備えている。原液カートリッジは、一貫した再現性を伴って、正確な量の液体の注出が可能である。カートリッジは、一定の用途においては使い捨てが可能となる安価な構成要素を備えていてもよい。ディスペンサ10、310、510、610、710、810、910および1010は、記載のもの以外の多様な流体の保持および注出に適応していることが可能である。
【0117】
希釈剤は、如何なる種類の液体であってもよい。希釈剤の例としては、これらに限定されないが、水、炭酸希釈剤、炭酸水、予混合されている多成分液体および乳製品が挙げられる。ディスペンサは、非液体物質の上もしくはその中に原液を直接的に注出してもよい。非液体物質は、これらに限定されないが、固体、半固体または粉末の製品であり得る。非液体物質は、アイスクリーム、粉末飲料混合物、または、冷凍もしくは半冷凍製品(例えば、特にこれらに限定されないが、フローズンダイキリなどの氷冷飲用物もしくは冷凍されたスラッシュ状の氷(slushed ice)を形成するための氷もしくはスラッシュ状の氷(slushed ice))であり得る。
【0118】
本明細書における実施形態の器具は、食品製品に限定されない。本明細書における実施形態用を含む器具としては、産業用、医学用、医薬用または家庭用薬品などの他の消耗品が挙げられ得る。
【0119】
図31は、本発明の一実施形態による流体用量計量デバイス3101を一部が破断された状態で示す。デバイス3101は、電磁コイル3205を有する注出装置3203(図32を参照のこと)の中に脱離可能に収容されるよう適応されている。
【0120】
デバイス3101は、出口流路3109と、破線で図示されている入口流路3113を画定するコネクタ部3111とを有する筐体3107(図31を参照のこと)を備えている。この筐体3107が、入口流路3113および出口流路3109と流体が流通可能とされている内部チャンバ3115を形成している。コネクタ部3111は、流体容器3217(図32を参照のこと)に接続可能である。流体容器3217は、パウチもしくはバッグであることが可能である。
【0121】
デバイス3101は、入口流路3113から出口流路3109への流れが妨げられている閉位置(図31に示されているとおり)と、入口流路から出口流路への流れが許容される開位置(図34Bおよび34Cに示されているとおり)との間で往復動作するよう筐体3107のチャンバ3115内に移動可能に配設されるピストン3119(図1を参照のこと)をさらに備えている。ピストン3119は、電磁コイル3205によるピストン3119の電磁的駆動のための強磁性駆動部3121を備えている。
【0122】
駆動部3121は、個別の外側本体3123(図31を参照のこと)の中に配置されている。デバイスはまた、ピストン3119を閉位置に向かって動かそうとするバネ部材3139を備えている。図32および図34Aから図34Dにおいてより明確に見ることが可能であるとおり、バネ部材3139は、ピストンから入口流路(すなわちコネクタ部)に延在している。
【0123】
この実施形態においては、駆動部3121は、外側本体3123の内部に封じ込められており、これにより、チャンバ3115内の流体と駆動部3121との接触が最低限であることが保証されている。
【0124】
図31においてピストンは閉位置で示されており、ここで、ピストンは、出口流路3109とシール係合している。このシール係合はシール面3143を有する突出部3141によってもたらされており、ここで、突出部3141は、閉位置においては、出口流路3109中に延在している。この場合、シール面3143は出口流路3109のシール面3145と係合している。対応するシール面3143,3145は、閉位置において相互に接触する表面と定義される。図31において見ることが可能であるとおり、シール面3145は、実質的に筐体の外表面3147に延在しており、これにより、出口流路中に流体が残留し得る空間が最低限とされ、外気に接触する流体が低減し、それ故、出口流路が乾燥しにくく、および、詰まりにくくなる。
【0125】
筐体3107は周壁3125、底壁3127および頂壁3129を備えており、出口流路3109は底壁3127に位置されており、コネクタ部3111が、入口流路3113が頂壁からコネクタ部の自由端31に延在するよう、頂壁3129に取り付けられている。
【0126】
周壁3125は管状の筐体を形成しており、ここで、入口流路および出口流路は管状の筐体の縦軸3133と並んでいる。
【0127】
外側本体3123は、破線で示されている内部流路3135を有しており、流体がピストンの入口側からピストンの出口側へと流通可能とされている。内部流路3135には逆止弁3137が組み込まれており、ここではフラッパ弁の形態であるが、如何なる種類の逆止弁も有利に適用され得る。逆止弁3137は、ピストンの入口側からピストンの出口側への流体の流れのみを許容する。図31においては、右側の弁3137は部分破断図であるために部分的にしか示されていないことに注目されたい。左側の弁3137は全体が示されている。
【0128】
フラッパ弁3137は、縦軸3133と平行して延在していても、ピストンの接線方向に延在していてもよい回動軸(図示せず)について動くことが可能である。回動軸が接線方向に延在している場合、回動軸は、フラッパ弁の出口側での回動軸に関するフロープロファイルを滑らかとするよう、フラッパ弁の入口側に設けられていることが好ましい。
【0129】
コネクタ部3111の自由端3131では、デバイスは、流体が入口流路3113に進入することが可能である入口ポート3130を備えている。デバイスは、容器3217の雌型コネクタ部3251の栓3252(図32を参照のこと)に接続するヘッド3132をさらに備えている。栓3252は、可撓性アーム3254を介して雌型コネクタ部に取り付けられている。デバイスはまた、弾性であってもよいフック3134を備えていると共に、雌型コネクタ部における軸孔の肩部に係合する掛合面3134Aを備えている。フックは、コネクタ部を雌型コネクタ部に挿入した後に、コネクタ部3111と雌型コネクタ部3251との間を永久的に接続してもよい。デバイス3101をさらに雌コネクタ中に移動させることにより、デバイスのヘッド3132がその受座の栓3252を持ち上げて、容器とデバイスとの間で流体の流通を可能とすることが可能である。
【0130】
図33においては、図31のデバイスが分解組立図で示されている。この図33から、外側本体3123は、組み立てられた状態で駆動部3121を閉じ込める2つの部品3323a,3323bから構成されていることを明確に見ることが可能である。部品3323aは、駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有している。部品3323aの外側には、リブ3353が設けられている。リブ3353は、筐体の周壁3125と接触してチャンバ中における往復動作の最中にピストンをガイドする。逆止弁3137は部品3323aと一体的に構成されている。
【0131】
部品3323bは、内部流路3135と、部品3323aの逆止弁3137のための受座を備えている。従って、流体は内部流路を通り、逆止弁を流過し、および、部品3323aの外側のリブ3353の間をさらに流れることとなる。ピストンの組み立ての際には、駆動部3121が部品3323aの空隙内に配置され、その後部品3323bが栓のように空隙を閉止する。
【0132】
部品3323bは、入口流路3113に収容される軸部3149をさらに備えている。バネ部材3139は、バネ部材が座屈する可能性が最低限となるよう、軸部3149上に配置される。
【0133】
コネクタ部3111の自由端3131には、コネクタ部3111と、コネクタ部3111が収容される雌コネクタ3251(図32を参照のこと)との間のシールとしてO−リング3155が設けられている。
【0134】
図33によれば、筐体3107は2つの部品3307a,3307bから構成されているということにもなる。部品3307aは、カップ形状を有していると共に、周壁3125および底壁3127を備えている。部品33017bは、頂壁3129を備えていると共に、頂壁からコネクタ部3111に延在している。部品3307aは、部品3307bによって閉止されて内部チャンバが形成される空隙を形成している。
【0135】
図32には本発明の注出装置3203が示されており、ここで、用量計量デバイス3101が電磁コイル3205中に収容されている。用量計量デバイスは、デバイス3101のコネクタ部3111を収容する雌コネクタ3251によって容器3217に接続されている。それ故、コネクタ部3111は雄型コネクタ部である。装置3203は、電磁コイル3205を駆動するコントローラ3257をさらに備えている。
【0136】
電磁コイルの駆動の一例を、図34Aから図34Dを参照することにより説明する。図34Aにおいては、コイルへの電圧の印加が遮断されており、ピストンは閉位置にある。続いて、生成された電磁場とピストンの強磁性材料との相互作用によって、ピストンが図34A中の矢印3461によって示されているとおり開位置に移動するようコイルに適切に電圧が印加される。容器中の流体の圧力により逆止弁が開き、すなわち、この場合、対応する回動軸について回動して、図34Bに示されているとおり、ピストンをチャンバ中の流体カラム中を通って開位置に移動させる。
【0137】
その後、電磁コイルへの電圧の印加が遮断され、これにより、図34Cにおいて矢印3463によって示されるとおり、ピストンがバネ部材3139によって閉位置に戻される。チャンバ内の流体および対応する圧力によって逆止弁が閉じ、および、閉位置への移動の最中に、ピストンが出口流路を通してチャンバの外に流体を強制的に送出させる。同時に、図34C中の矢印3465によって示されているとおり、流体が容器からチャンバに引き込まれる。図34Dに示されているとおり、一旦ピストンが閉位置に戻ると完全な往復動作が完結する。そして、図34Aで始まる新たなサイクルが開始されることが可能である。
【0138】
ここでは、複数回の往復動作が相互に実施される場合、ピストンは、2回の往復動作の間に必ずしも閉位置に達する必要性はないことに注目すべきである。往復動作はまた、2つの開位置の間で実施されてもよい。しかしながら、漏れを防ぐために、最後の往復動作は閉位置で終了することが好ましいであろう。
【0139】
図35Aは、組み合わせとして、本発明の一実施形態による用量計量デバイス3101と流体容器3217を概略的に示す。デバイス3101および流体容器が、図35Aにおいては分解された状態で示されている。
【0140】
デバイス3101は、図31の用量計量デバイスと同様であると共に、コネクタ部3111を備えている。コネクタ部3111は雄型コネクタ部であると共に、コネクタ部3111の外表面に配設された雄ネジ3570を有している。
【0141】
流体容器3217は、コネクタ部3111を収容するための雌型コネクタ部3251を備えている。雌型コネクタ部3251は、雄型コネクタ部3111のための挿入口3580から本体を通って延在している軸孔と、軸孔を閉止するための栓3584のための軸孔の周囲に延在する受座とを備えている本体3586を有している。図35Aにおいて、栓は、受座中に示されている。軸孔は、雄型コネクタ部が軸孔に挿入された際にデバイスの雄ネジと協働するよう構成された雌ネジ3582を有している。
【0142】
栓3584は、雄型コネクタ部が軸孔中に挿入された際に、雄型コネクタ部のヘッド3572と接続されるよう構成されている。雄型コネクタ部が雌型コネクタ部の栓と接続されるが、栓がその受座中にあり、それ故、軸孔が閉じられている位置は、流体容器3217に対するデバイス1の第1の接続位置と称される。この状態が図35Bに示されている。デバイスが第1の接続位置に有る場合、このデバイスは流体容器と流体の流通は可能ではなく、それ故、少量の空気がデバイス中に存在していても、流体容器の内容物と流体容器の外部の空気との間の接触は防止される。
【0143】
デバイスと容器との組み合わせが注出装置において用いられる場合、デバイスと流体容器との間の流体の流通は、流体容器に対するデバイスの回転であって、雌ネジと雄ネジとが協働してデバイスをさらに雌型コネクタ部中に挿入させ、これにより、栓84とその受座との係合が解かれて軸孔が開放されるような回転によって達成される。流体容器に対するデバイスのこの位置は第2の接続位置(図35Cを参照のこと)と称される。デバイスの回転が図35Bにおいて矢印3590によって示されており、続くデバイスの移動は矢印3592によって示されている。図35Cにおける第2の接続位置から図35Bにおける第1の接続位置に戻るためには、デバイスは逆方向に回転されなければならない。この逆方向の回転が矢印3594によって図35Cに示されており、その後の移動が矢印3596によって図35Cに示されている。
【0144】
流体容器に対するデバイスの回転は、注出装置に組み合わせを設置する人物によって、好ましくは組み合わせを注出装置に設置する前に行われることが可能である。しかしながら、注出装置には、代わりにまたは追加的に、注出装置に組み合わせを設置した後に流体容器に対してデバイスを回転させるアクチュエータが設けられていてもよい。
【0145】
図36Aは、概略的に、本発明の他の実施形態による用量計量デバイス3101および流体容器3217を示す。用量計量デバイス1は図3101および図35Aから図35Cに示されているデバイスと同様であるが、雄型コネクタ部3111の外表面には雄ネジが配設されていない。
【0146】
流体容器3217は、デバイスの雄型コネクタ部を収容するための雌型コネクタ部3251を備えている。流体容器3217は図35Aから図35Cに示されている流体容器と同様であるが、雌型コネクタ部の軸孔中に雌ネジを有していない。
【0147】
図36Aにおける雄型コネクタ部3111は雌型コネクタ部の軸孔に挿入されており、雄型コネクタ部のヘッド3572が雌型コネクタ部の栓3584に接続されている。図36Aに示されている位置の栓3584は軸孔を閉止しており、それ故、流体容器とデバイスとの間の流体の流通が防止されている。この位置は第1の接続位置と称されている。
【0148】
雌型コネクタ部3251は、注出装置のレバーアーム3600(図36Bを参照のこと)を収容するための凹部3688を有している。デバイスが第1の接続位置にある場合、流体容器の内容物は流体容器の外部の空気に接触することは可能ではなく、デバイス中の少量の空気にさえも接触することは可能ではない。この状況において、組み合わせが注出装置に移送されることとなる。設置の後、レバーアーム3600が、雌型コネクタ部の凹部3688に収容されることとなる。
【0149】
図36Cにおいて矢印3604によって示されるとおり、レバーアーム3600が下方に押されることにより、デバイスは、栓がその受座から切り離され、デバイスと流体容器との間の流体の流通が許容される第2の接続位置とされることが可能である。矢印3602に示されるとおりレバーアーム3600を上方に押すことで、デバイスが、図36Bに示されているとおり、その第1の接続位置に戻される。矢印3602,3604によって示されるデバイスと流体容器との相対的な動作の最中に、デバイスはその位置が保持されていなければならない。これは、例えば、デバイス3101の下方の部品(すなわち、ピストンおよび駆動部を有する部品)が中に配設されることとなる電磁コイルによって成されることが可能である。例えば図32を参照のこと。
【0150】
図37Aは、本発明のさらに他の実施形態による用量計量デバイス1の断面図を示す。デバイス3101は、例えば図32の注出装置といった注出装置中に脱離可能に収容されるよう適応されている。
【0151】
デバイス3101は、出口流路3109を有する筐体3107と入口流路3113を画定するコネクタ部3111とを備えている。筐体3107は、入口流路3113および出口流路3109と流体の流通が可能である内部チャンバ3115を形成している。コネクタ部3111は、例えば、図33、図35または図36の流体容器といった流体容器に接続が可能である。
【0152】
デバイス3101は、入口流路3113から出口流路3109への流れが妨げられている閉位置(図31におけるデバイス3101の位置と同様)と、入口流路から出口流路への流れが許容されている開位置(図37Aおよび図37Bに示されているとおり)との間で往復動作するよう筐体3107のチャンバ3115内に移動可能に配設されたピストン3119をさらに備えている。ピストン3119は、電磁コイルによるピストン3119の電磁的駆動のための強磁性駆動部3121を備えている。
【0153】
駆動部3121は、個別の外側本体3123中に配設されている。デバイスはまた、ピストン3119を閉位置に向かって動かそうとするバネ部材3139を備えている。バネ部材3139は、ピストンから入口流路(すなわちコネクタ部)に延在している。
【0154】
この実施形態においては、駆動部は外側本体3123によって封じ込められており、これにより、チャンバ3115中の流体と駆動部3121との間の接触が最低限であることが保証されている。
【0155】
外側本体3123は、ピストンの入口側からピストンの出口側に流体を流す内部流路3135を有している。内部流路には逆止弁3137が組み込まれている。図37Aにおいては、弁3137が、ピストンの入口側からピストンの出口側に流体が流れる開位置で示されている。これは、ピストンの、矢印3461によって示される上方(すなわち、入口流路の方向)への移動によって成される。図37Bにおいては、弁3137は閉位置に示されており、これにより、弁3137より下方(すなわち、弁3137の出口側)の流体が、矢印3463によって示されている閉位置に向かうピストンの移動によって、デバイスから出口流路を通って強制的に送出されることが可能である。
【0156】
デバイス3101の作動原理は、図31および図34Aから図34Dによるデバイスの作動原理と同様である。それ故、図37Aは図34Bに対応しており、図37Bは図34Cに対応している。
【0157】
外側本体3123は、組み立てられた状態で駆動部3121を閉じ込める2つの部品3323a,3323bから構成されている。部品3323aは、駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有している。部品3323aの外側には、往復動作の最中にピストンをガイドするリブ3353が設けられている。
【0158】
部品3323bは、内部流路3135および逆止弁3137を備えている。部品3323bはまた、部品3323a中の空隙を閉止する栓として作用する。
【0159】
部品3323bは、その周囲にバネ部材が設けられている突出部3149を有している。ここでは、この突出部はコネクタ部には延在していないが、バネ部材の一端を押止するよう機能することに注目されたい。コネクタ部に延在していない突出部の利点は、入口流路が突出部によって制限されておらず、それ故、流体が入口流路を通って滑らかに流れることが可能であることである。
【0160】
さらなる実施形態においては、本明細書におけるいずれかの実施形態からのいずれか1つ以上の要素が本明細書におけるいずれかの他の実施形態と組み合わされてもよく、または、本明細書におけるいずれかの他の実施形態からのいずれか1つ以上の要素に対して置き換えがなされてもよい。
【0161】
以上本発明の好ましい実施形態を詳細に記載してきたが、本発明は記載の特定の実施形態に限定されず、これらは、単なる例示としてみなされるべきである。本発明のさらなる変更および拡大が開発され得、このような変更のすべてが添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲とみなされる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、共に本明細書においてその内容全体が本明細書に記載されているものとして参照により援用される2010年4月9日に出願の米国仮特許出願第61/322657号明細書および2010年12月16日に出願の米国仮特許出願第61/286973号明細書の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
例えば、乳児用の調製乳、洗剤および薬物といった消費製品は、度々、適切な量での混合および/または注出が煩雑であり、相当な大きさの保管空間が必要とされる。
【0003】
液体濃縮物/抽出物から飲料を作るための飲料ディスペンサが公知である。公知の従来技術文献の1つにおいては、液体飲料濃縮物/抽出物の加圧液体キャニスタが、所定の量の液体濃縮物/抽出物を加圧キャニスタから飲料混合チャンバに吐出するメカニズムを有するピッチャー型のデバイスに入れられる。加熱液体タンクが容器の底に配置されており、加熱された液体もまた強制的に上方の混合チャンバに送られ、注がれる前にデバイス中において混合飲料が形成される。このデバイスは、注出メカニズムの複雑さに起因して数々の欠点を有しており、使用する度にデバイス内の混合チャンバの洗浄が必要である。常温保存が可能な液体コーヒー濃縮物/抽出物が用いられるコーヒーマシーンが提供されていることも公知である。液体コーヒー濃縮物/抽出物がコーヒーメーカ中のタンクに注がれ、所定量の濃縮物/抽出物がタンクから抽出チャンバに移され、ここで熱湯と混合されてからカラフェに注出される。
【0004】
公知のディスペンサでは、度々、十分に混合されていない濃縮物/抽出物および水の流れが注出され、完全な混合は流体がユーザのカップに入るまで行われない。飲料ディスペンサによって注出される未混合の濃縮物/抽出物および水の流れは、度々、「ストライピング(striping)」または「ゼブラエフェクト(zebra effect)」という業界用語により区別される。
【0005】
乾燥飲料原料および加熱加圧水供給源から飲料を抽出するための飲料システムの提供も示唆されてきている。飲料原料はシールされたカートリッジ中に供給されており、ディスペンサがシールされたカートリッジに穴を開けると共に、加熱加圧水をカートリッジ中に注入して飲料原料から飲料が抽出される。数々の異なる飲料カートリッジからユーザが選択可能であるカルーセルデバイスが提供されていてもよい。しかしながら、このデバイスの欠点は、前の飲料の残渣が、加熱加圧水注入領域、ならびに、ユーザのカップに飲料を導く下流の収集漏斗に残留してしまうことである。さらに、ホットコーヒー飲用物を形成するこの種の典型的な飲料システムの場合、インスタントの非抽出コーヒー製品を含む乾燥コーヒー原料が提供される。このような非抽出コーヒー製品は、典型的には、抽出したコーヒーの独特の風味を少なくともある程度欠くコーヒー飲料をもたらしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第11/055915号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第11/055832号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第12/569066号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第11/266695号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第12/114050号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第11/926931号明細書
【特許文献7】国際公開第99/05446号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、液体用のディスペンサを備える器具に関する。器具は、特に限定されないが、飲用物メーカ、コーヒーメーカ、冷蔵庫、冷水器、食器洗浄機、洗濯機、乳児用調製乳ディスペンサ、または、薬物ディスペンサから選択され得る。器具は、流体を注出するための注出領域を備える筐体と、筐体中のカートリッジ収容領域と、筐体中に配置された電磁式注出アクチュエータと、注出アクチュエータによって駆動される位置のカートリッジ収容領域に脱着可能に挿入可能であるカートリッジであって、カートリッジ収容領域に置かれた後に注出領域に注出された原液を保持するよう適応されたカートリッジとを備える。カートリッジは、中空体と、中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、ポンプ本体に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、ポンプ本体における孔部とを備える。器具はまた、筐体中に配設され、アクチュエータを制御してカートリッジから原液を吐出させるコントローラを備える。
【0008】
一態様において、本発明は、流体ディスペンサ用のカートリッジに関する。カートリッジは、原液を含有するよう適応された中空体と、中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、ポンプ本体に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、ポンプ本体における孔部とを備えている。
【0009】
一態様において、本発明は、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応されている流体用量計量デバイスに関する。デバイスは、出口流路と入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体を備えており、該筐体は、流体が入口流路および出口流路と流通可能な内部チャンバを形成する。チャンバの内部には、ピストンが、往復動作するよう移動可能に配設されている。入口は流体容器に接続可能である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態が図面を参照して以下に記載されているが、ここでは、同様の要素は、全体を通して同様の符号により表されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】液体ディスペンサにおける濃縮物/抽出物カートリッジの断面図である。
【図2】図1の飲料ディスペンサの左側側面斜視図である。
【図3】カートリッジの挿入もしくは取り出しのために濃縮物/抽出物カートリッジ用交換扉が開けられているディスペンサの斜視図である。
【図4】図1のディスペンサの前面図である。
【図5】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの右側側面斜視図である。
【図6】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの前面図である。
【図7】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの上面図である。
【図8】筐体が外された図5の飲料ディスペンサの左側面図である。
【図9A】ポンプの断面図を図示している。図9Aにおいては、プランジャーアセンブリは下方にあり、ポンプは閉止されている。
【図9B】ポンプの断面図を図示している。図9Bにおいては、プランジャーアセンブリは上方に上昇し、ブルーバルブ(blue valve)が開放されてプランジャーアセンブリが液体中を上方に移動している。
【図9C】ポンプの断面図を図示している。図9Cにおいては、プランジャーアセンブリは下方に移動しており、液体が孔部から注出され、弁が閉止されており、プランジャーが原液を下方に押している一方で、新たな原液が原液源から引き出されている。
【図10】ポンプの断面図である。
【図11】ポンプの底面図である。
【図12】ポンプの分解組立図である。
【図13】ポンプをカートリッジにおけるソケットに挿入することにより組み立てられるカートリッジの断面図である。
【図14】装填扉が開位置にあると共にカートリッジがカートリッジ収容領域にある実施形態による注出アセンブリの斜視図である。
【図15】アクチュエータ本体中に挿入されたポンプを示す図14のカートリッジ収容領域の一部を拡大して示す斜視図である。
【図16】食器洗浄機に組み込まれた注出アセンブリの左側側面斜視図である。
【図17】食器洗浄機に組み込まれた注出アセンブリの左側側面斜視図である。
【図18】食器洗浄機に組み込まれた注出アセンブリの左側側面斜視図である。
【図19】衣類洗濯機に組み込まれた複数の注出アセンブリの斜視図である。
【図20】衣類洗濯機に組み込まれた複数の注出アセンブリの斜視図である。
【図21】衣類洗濯機に組み込まれた複数の注出アセンブリの斜視図である。
【図22】薬物ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図23】薬物ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図24】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図25】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図26】冷蔵庫に組み込まれたカートリッジを有する液体ディスペンサの斜視図である。
【図27】図26の家庭用器具に備えられたカートリッジカルーセルの上面図である。
【図28】図26の家庭用器具の部分前面図である。
【図29】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図30】ボトル供給式飲料ディスペンサに組み込まれた注出アセンブリの斜視図である。
【図31】流体用量計量デバイスを一部が破断された状態で示す。
【図32】注出システムを示す。
【図33】図31のデバイスを分解組立図で示す。
【図34A】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図34B】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図34C】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図34D】図31のデバイスの作動原理を透過図で概略的に示す。
【図35A】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図35B】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図35C】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図36A】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図36B】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図36C】用量計量デバイスおよび流体容器を組み合わせとして概略的に示す。
【図37A】用量計量デバイスを断面図で示す。
【図37B】用量計量デバイスを断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載においては簡便性のみのために一定の用語法が用いられており、限定的であるとはみなされない。「前部」、「後部」、「上部」および「底部」などの語は、図面において言及されている方向を表す。さらに、「a」および「1つの(one)」という用語は、他に明記されていない限りにおいて、言及されている対象物が1つ以上であることを含んでいると定義される。「A、BまたはC」などの2つ以上の対象物の列挙に先行する「少なくとも1つ」という句は、A、BまたはCの個々のいずれか1つ、ならびに、いずれかのこれらの組み合わせを意味する。
【0013】
一実施形態において、ポンプは、原液を注出するために設けられている。原液は、液体濃縮物/抽出物に特に限定されなくてもよい。
【0014】
一実施形態においては、液体製品を注出するためのポンプを備えるシステムが提供されている。このポンプは、原液を注出するよう構成されていてもよい。原液は、液体濃縮物/抽出物に特に限定されなくてもよい。原液は、混合されずに注出される液体製品であってもよい。液体製品は、特に限定されないが、原液、または、原液と希釈剤との混合物であり得る。
【0015】
システムは、多数の異なる用途のために扱いやすく、かつ、簡便に液体製品を注出するよう構成されていてもよい。システムは、原液と希釈剤とから形成された液体製品の濃度もしくは濃縮度をユーザが選択できるよう構成されていてもよい。ユーザには、特定の要求または好みを満たすことが可能であるよう、多数の異なる選択肢が提供されていてもよい。
【0016】
一実施形態では、ユーザが所望量の液体製品を正確に注出することが可能であると共に、ユーザの容器において、もしくは、ディスペンサ自体において原液を過剰に無駄にすることがないディスペンサが提供されている。一実施形態においては、ユーザは、複数種類の製品から選択することが可能であり、かつ、液体製品を所望の濃縮度で得ることが可能でありながらも複数の容器サイズから選択することが可能である。
【0017】
一実施形態においては、容器に入る前によく混合されて均質になっている原液と水もしくは他の希釈剤との混合物を注出するディスペンサを備えたシステムが提供されている。
【0018】
実施形態は、中空体およびポンプを備える原液カートリッジに関する。原液カートリッジは、原液カートリッジから液体を注出し得るディスペンサに備えられていてもよい。原液カートリッジは、希釈剤と原液カートリッジからの液体とを注出し得るディスペンサに備えられていてもよい。カートリッジは、飲料ディスペンサに備えられていてもよい。実施形態はまたポンプに関する。
【0019】
一実施形態は、多数の異なる注出用途に利用されることが可能である注出システムを含む。用途は、希釈剤を含むものであっても、希釈剤を含まないものであってもよい。
【0020】
他の実施形態は、流体を正確に計量して注出する注出システムに関する。本明細書における注出システムを用いて、消費者は多様な作業を仕上げ、これにより高い効率をもたらし得る。
【0021】
特にこれらに限定されないが、洗剤、薬物、乳児食および飲料を含む複数の種類の製品を単一のディスペンサから簡便に、かつ、使い易く混合および注出するためのより簡便で、かつ、容易なシステムが提供されている。システムは、ユーザが注出する飲料の種類を変更しようとした場合にも、ディスペンサの洗浄が必要とされない様式で提供され得る。システムは、ユーザの嗜好を満たすことができるよう、多数の異なる選択肢から、ユーザが飲料濃縮度を選択することが可能な様式で提供され得る。システムは、ユーザが、複数種類の飲料から選択し、および、飲料を所望の濃縮度で得ながらも異なるサイズを有するコーヒーマグまたは使い捨てカップなどの複数の飲料容器サイズから選択することが可能な様式で提供され得る。
【0022】
コーヒーメーカディスペンサを含むシステムが非限定的な例として記載されている。図1から図4には、液体抽出物(図2の注出領域30において矢印12で表されている原液であり、液体濃縮物/抽出物であってもよい)および希釈剤14(タンク22中、および、図2において矢印14によって表されている)を含む飲料を注出するためのカートリッジ50が用いられる飲料ディスペンサ10が示されている。ディスペンサ、ポンプ、ならびに、ディスペンサの駆動および制御方法は、本明細書においてその内容全体が本明細書に記載されているものとして参照により援用される2005年2月11日に出願され2009年11月10日に米国特許第7,614,524号明細書として発行された特許文献1;2005年2月11日に出願され2009年9月29日に米国特許第7,594,525号明細書として発行された特許文献2;2009年9月29日に出願された特許文献3;2005年11月3日に出願され2010年1月26日に米国特許第7,651,015号明細書として発行された特許文献4;2008年5月2日に出願された特許文献5;および、2007年10月29日に出願された特許文献6に記載されている。デバイスおよびこれにおける方法が、ポンプ41であり得る本明細書におけるポンプ、本明細書におけるいずれかの他のポンプ、本明細書におけるカートリッジ、本明細書における流体用量計量デバイス、または、同様のポンプの実施形態での使用に適応されていてもよい。温かい飲料に用いられる場合は、希釈剤タンク22が加熱体によって加熱されてもよい。冷たい飲料に用いられる場合は、希釈剤タンク22が冷却体によって冷却されてもよい。
【0023】
図1、2および6に示されているとおり、タンク供給ライン16がタンク22に接続されて、希釈剤14が注出領域に送達されることが好ましい。供給ライン16は、タンクから注出領域に水を異なる流量で注出することが可能な制御弁18に接続されていることが好ましい。制御弁18は図示のとおりソレノイド駆動型ピンチ弁であることが好ましいが、任意の好適な制御弁を用いることが可能である。あるいは、供給ライン16は、希釈剤14をタンク22から移すためのポンプに接続されていることが可能である。図5から図7に示されているとおり、レベルセンサ88がタンク22に接続されていてもよく、コントローラ80は、これを利用して希釈剤の流量情報を判定することが可能である。レベルセンサ88は、例えばフロート94に取り付けられたレバーにより直接的に、または、磁性フロート94とタンク22の外側で異なるレベルで設定されたトリッピング電磁スイッチとなどにより間接的に、または、いずれかの他の好適な手段により、レベル情報を提供するフロート94の配置によるものであることが可能である。この情報は、コントローラ80により利用されて、以下に記載のとおり注出アクチュエータ38の駆動量が調節され、希釈剤14の注出量に対して所望される量の濃縮物/抽出物12が注出されることが好ましい。あるいは、受信した希釈剤流量情報に基づいて、コントローラ80が制御弁18、もしくは、代わりに希釈剤吐出ポンプを制御して、抽出物12の注出量に対して適切な量の希釈剤14を吐出させることが可能である。レベルセンサの代わりに、流量情報を計測するための流量センサを供給ライン16に設けることも可能である。
【0024】
図1および図5から図7に示されているとおり、カートリッジ50は、濃縮物または抽出物であり得る原液12を入れるための中空体51(図31から図37Bに関しては流体容器とも称される)を備えている。中空体51は、折りたたみ可能であって、ポリエチレン、ポリエステルおよび金属フォイルの1つ以上の層を備える可撓性積層体シートから作製されていてもよい。代わりに、他の好適な材料を用いて可撓性積層体シートが形成されていることが可能である。中空体51には、吐出口コネクタ52がシール可能に接続されていることが好ましい。中空体51の内層には、コネクタ52の協働機構に接触すると共にこれに対して位置合わせされているシール領域などの機構が備えられていることが好ましい。組み立ての最中に、中空体51とコネクタ52とが接触して、中空体51がコネクタ52にシール可能に接続されている領域に、熱および圧力を所定の時間加えることが可能である。中空体51の内層およびコネクタ52は、熱および/または圧力が加えられた場合に、中空体51とコネクタ52とが一緒にシールされるよう、例えばポリエチレンといった同一の材料により、または、そうでなければ適応性の材料により形成されていてもよい。代わりに、コネクタ52は、任意の好適な接着剤および/または接着方法を用いて中空体51に接着されていることが可能である。他の代替においては、中空体は折りたたみ可能ではないか、または、可撓性ではない。
【0025】
図1中のポンプ41などのポンプは吐出口コネクタ52に接続されていてもよい。ポンプデバイスは、吐出口コネクタ52に接着されているか、もしくは、機械的に締結されていることが好ましい。代わりに、ポンプ41は、吐出口コネクタ52と一体的に形成されていることが可能である。
【0026】
図9Aから図9Cおよび図10から図12を参照すると、ポンプ41の第1の実施形態が詳細に示されており、プローブ75に接続されているポンプ本体54が含まれている。ポンプ本体54は軸方向に弾性であってもよい。プローブ75が、吐出口コネクタ52への接続を提供してもよい。ポンプ本体54は、一体に作製されていても、一緒に接続された複数の部品から作製されていてもよい。液体濃縮物/抽出物であり得る原液(図9Cにおいて矢印12として示されている)が、中空体51からポンプ本体54に送られ得る。ポンプ本体54の中にはプランジャー80が設けられていると共に、このプランジャー80の中に金属製本体85が設けられている。金属製本体は、金属製の材料を含んでいても、完全に金属製の材料から形成されていてもよい。金属製本体85は、強磁性材料を含んでいてもよい。プランジャーは、非金属製であっても、非金属材料でコートされていてもよい。非金属は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、または、熱可塑性エラストマー(TPE)であり得る。弁96は栓91の上に配設されており、弁座100に連接されている。栓91の上部は弁95を貫通して弁座100中に延在して、プローブ75に連接されているバネ105に係合している。プローブ75は吐出口コネクタ52に接続されている。シール110はプローブの上部付近に位置されて、ポンプと中空体51との間をシールし易くしている。シールはo−リングであり得る。プランジャー80は、ポンプ本体54の孔部82に配置され得る封止先端部81を備えている。
【0027】
原液12に接触するポンプの1つ以上の表面は、非金属であるか、または、非金属材料でコートされていてもよい。バネ105は、ステンレス鋼、非金属製であるか、または、非金属でコートされていてもよい。非金属は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、または、熱可塑性エラストマー(TPE)であり得る。
【0028】
上記に記載されているとおり、ポンプ41は、吐出口コネクタ52を介して中空体51に接続されている。他の実施形態において、中空体51は、任意の他の好適な接着剤もしくはシーリング法によりポンプ41に接続されていてもよい。他の実施形態において、ポンプ41および中空体51は互いに一体的である。
【0029】
一実施形態において、ポンプ41は、詰まりまたは汚染が低減されるよう提供されていてもよい。ポンプ41が駆動されていないときは、プランジャー先端部81がバネ105によって前方に付勢されて孔部82が閉止されていてもよい。これにより、液体が流出せず、ポンプおよびパウチの内容物が空気から封止され、これによって、詰まりおよび汚染が防止され得る。
【0030】
一実施形態において、金属製シリンダ85は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、または、熱可塑性エラストマー(TPE)のような非金属材料でコートされている。金属製シリンダ85、または、そのコーティングが、プランジャー80、封止先端部81、および、栓90の1つ以上の代わりであってもよい。
【0031】
好ましい実施形態において、上記のポンプは、以下の機構がもたらされるよう構成されていてもよい。金属は流体に接触しておらず流体は、いくつかの実施形態においては、金属がプラスチックによって完全に封じ込まれていることにより、金属部分には接触していない。ポンプ中の空隙は小さいか、または、ポンプ中に空隙はないため、ポンプの洗浄が向上され得る。また、表面積が小さくて製品の堆積が低減され、これによりポンプの「接着閉塞(glue shut)」の低減が可能である。ポンプは、孔部中への封止先端部の挿入を介してポンプ本体の末端部で遮断されることが可能である。これにより、注出サイクルが終了する度に、ポンプ先端部が清浄に洗浄され得る。ポンプが停止してしまった場合には、最終ユーザは、単に先端部を押して、ポンプにおける可動部を緩めればよい。プランジャー弁アセンブリは一定の往復工程のみが許容されていてもよく、これは、ポンプ出力の一貫性の向上に寄与することが予期される。例えば弁座高の変更による往復工程長の最終的な調整により、所望の出力に合わせることが可能である。プランジャーはバネによって閉位置に押し出されることが可能であり、パウチの圧迫または加圧は単にシール性を高めるだけであるため、パウチが加圧されている場合には、ポンプはよりしっかりと閉止され得る。ポンプの末端部での遮断部分は、ポンプ本体における孔部中にわずかに突出して構成されていてもよい。好ましい実施形態において、このポンプ設計は、多くの異なる液体に対して好適である。一実施形態において、ポンプ設計は、1から10センチポアズ(Esio濃縮物と同様)を有する低粘度液体製品に好適である。
【0032】
図1および図5から図6を参照すると、注出アクチュエータ38はカートリッジ収容領域31内に固定されていると共に、カートリッジ50のポンプ41を中に収容するための開口40を備えている。注出アクチュエータ38はまた、巻回コイルまたはソレノイド配置構成を備えていることが好ましい電磁石76を備える。巻回コイルまたはソレノイドは、発生した磁束を集束させる1つ以上の集束リングをコイルの内部に備えていることが可能である。
【0033】
カートリッジ50が伴う使用に関する一実施形態において、強磁性摺動スリーブ58が電磁石76と位置合わせされている。この強磁性スリーブ58は、電磁石76と同心状に位置合わせされていてもよい。好ましくは、強磁性停止部材59が注出アクチュエータ38に接続されて、摺動スリーブ58の動きが制限されると共に、電磁石76によりもたらされる磁束がチャネル化される。強磁性スリーブ58は、周縁突出部62を備えている。カートリッジ50が収容領域31における設置位置に収容されている場合、弾性チューブの中心部分の軸受け部材66が強磁性摺動スリーブ58の周縁突出部62に接触する。
【0034】
電磁石76は、交流もしくは直流などの電流をコントローラ80から受ける。好ましい実施形態において、コントローラ80は、コイルに24ボルトを間欠的に印加して、断続磁界を誘起する断続直流をもたらす。
【0035】
カートリッジ50は、原液12を以下のとおり注出する。コントローラによって電磁石76に印加された好ましくは24ボルトの電圧によって巻回コイルに電流が誘起される。あるいは、コントローラは、交流または直流を生じさせるために他の好適な電圧を提供することが可能である。電圧の印加により金属製本体85は、図9Aに示されている位置から、図9Bに示されているとおり、電磁石76の磁界の中心に向かって引き寄せられる。プランジャー80も金属製本体85に追従して上昇し、図9Bに示されているとおり、封止先端部85および弁95が移動する。強磁性スリーブ58が上昇するに伴って、原液は、ポート83を通って、プランジャー80の周囲および下部領域に押し出される。次いで、コントローラがアクチュエータ38への電圧を遮断すると、強磁性スリーブ58がバネ105の付勢力および/または重力によって停止部材59から離間するよう下方に移動して、原液が孔部81から押し出される。同時に、原液12が中空体51からプランジャー80の上部領域に引き出される。中空体51は折りたたみ可能であることが好ましく、折りたたまれて原液流体12の中空体からの抽出を容易とする。好ましい24VのDCを生成する電圧、または、他の好適なACもしくはDCを生成する電圧などの電圧は周期的にオンオフされて、所望の量の原液12が注出されるまで、上述のプロセスが連続的に反復されるよう断続電流が提供される。あるいは、他の種類のアクチュエータを用いて金属製本体85に作用されることが可能である。
【0036】
より経済的に製造され得ると共に、高い設計自由度を有し得る向上した用量計量デバイスが、本明細書における実施形態において提供されている。
【0037】
一実施形態では、出口流路と入口流路を画定するコネクタ部とを備える筐体であって、前記コネクタ部が前記流体容器に接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能とされた内部チャンバを形成する前記筐体と、前記入口流路から前記出口流路への流れが妨げられる閉位置と、前記入口流路から前記出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう前記筐体の前記チャンバ内に移動可能に配設されたピストンであって、電磁コイルによる前記ピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備える前記ピストンとを備え、前記駆動部が外側本体中に配設され、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応されている流体用量計量デバイスが提供されている。
【0038】
利点は、強磁性材料により、駆動部の電磁的駆動が可能なことである。また、外側本体は、送られる流体に対して不活性である材料製であり得る。加えて、強磁性駆動部および/または外側本体は、筐体の内部で駆動部が滑らかに往復運動するよう作製されていてもよい。その結果、単純な製造プロセスが伴う好適な材料を選択することが可能であるよう、さらなる材料が外側本体に好適であり得る。さらに、駆動部は、強磁性駆動部の表面上に保護コーティングの必要性がないため、より簡単なものとすることが可能である。その結果、デバイスの全体的な製造がより経済的である。
【0039】
他の利点は、外側本体が強磁性材料をより有効に保護することが可能である。ピストンの強磁性駆動部に適用された保護コーティングは、コーティングプロセスが被覆されていないいくつかの小さな領域を残してしまう可能性があるため、有効な保護を常にもたらすわけではない可能性がある。これは、強磁性材料と注出される流体との間に望ましくない接触をもたらしてしまう可能性がある。いくつかの実施形態においては保護コーティングを適用することも可能であるが、本明細書における実施形態は、コーティング材料に対する代替をも提供する。
【0040】
さらなる利点は、材料の選択および関連する加工の可能性に関してピストンの設計自由度が高まり、これにより、比較的低い費用でより複雑な設計も可能なことであり得る。さらに、駆動部は汎用性の設計とすることが可能であり、全ての種類のデバイスについて駆動部が同一であって、それ故、駆動挙動が同様であり、これにより、一定の駆動スキームが許容されるよう、ピストンの設計上の差異は外側本体に形成されることが可能である。
【0041】
一実施形態において、流体は、少なくとも1つの内部流路を介してピストンを通過することが可能であり、ピストンの側壁の少なくとも一部が、筐体の側壁(すなわち周壁)と完全に(場合によりシールされて)係合されている。最低限の必要性として、外側本体は、駆動部とチャンバ内の流体とが接触し得る領域にのみ設けられている必要があり、従って、駆動部と筐体の側壁との間、もしくは、全体的には設けられている必要性はないと考えられる。本体には、駆動部と筐体の側壁との間の間隙への流体の侵入を防止するためのシールが、ピストンと筐体の側壁との間に設けられていてもよい。
【0042】
一実施形態において、駆動部は、外側本体の内部に封じ込められている。部分的に覆われた駆動部よりも有利な点は、シールが不要であるために設計および構成が簡素化され、それ故、公差の厳密性は低くてもよいことである。また、摩耗および損傷による漏れの可能性も低い。
【0043】
外側本体は非金属材料製であってもよい。非金属材料は、プラスチックであってもよい。これにより、本体は射出成形が可能となり、特に食品および医薬品産業において用いられる流体といった広く多様な流体に対する本体の適応性が保証される。また、磁界が外側本体に透過されて駆動部の強磁性材料と相互作用される。
【0044】
一実施形態において、閉位置にあるピストンは、好ましくは出口流路のチャンバ側から出口流路とシール係合している(すなわち、ピストンは出口流路に突出せず、従って、筐体の外側から出口流路に係合しない)。これは、例えば容器の圧縮による容器内の圧力がピストンをしっかりと閉位置に維持し、従って、取り扱い中のデバイスの漏れの可能性が最低限となるという利点を有する。
【0045】
筐体は、周壁、底壁、および、頂壁を備えていてもよい。周壁は、底壁と頂壁との間に配置されている。コネクタ部は、入口流路が頂壁からコネクタの自由端に延在するよう頂壁に取り付けられている。出口流路は底壁に配置されている。筐体では、入口流路および出口流路のみを介して流体の出入りが許容されていてもよく、すなわち、他の流路または開口は筐体に設けられていなくてもよい。さらに、筐体の壁部およびコネクタ部は剛性であり得る。
【0046】
周壁は、底壁および頂壁によってその端部が閉止されている管状の筐体を形成していてもよい。入口流路もしくは出口流路の一方、または、両方の流路が管状の筐体の縦軸と並んでいる。これにより、チャンバ中においてより対称的なフローパターンが保証されることとなる。
【0047】
一実施形態において、外側本体は、流体をピストンの入口側からピストンの出口側に流す少なくとも1つの内部流路を備えている。外側本体は、ピストンの入口側からピストンの出口側へのみ流体を流すよう内部流路に組み込まれていてもよい逆止弁であり得る1つ以上の弁を有していてもよい。次いで、デバイスは、注出流量が、この場合、筐体内部のピストンの往復動作の頻度および往復工程に応じているという利点を伴ってポンプとして機能することが可能である。その結果、注出量は、重力および/または容器内の圧力に依存した注出量に対してより予測可能である。1サイクル当たりの注出量(すなわち、一往復動作当たり)は、それ故、電磁コイルへの適切な電圧の印加および筐体の設計により設定可能なピストンの往復工程に依存する。例えばより長いチャンバを筐体内に設けるといった筐体の設計を変更することにより、ピストンの最大往復工程を変更することが可能である。あるいは、往復工程は、電磁コイルへの適切な電圧の印加により調節することが可能であり、最大往復工程が上限とされる。
【0048】
逆止弁を外側本体内に組み込むことが可能であることは、少なくとも部分的に、従来技術のデバイスに対して本発明のデバイスにより達成されるピストンの高い設計自由度の結果であることに注目されたい。
【0049】
本体がプラスチック製である場合、1つ以上の逆止弁は、単純な様式で同時に、外側本体と一体的に射出成形されることが可能である。
【0050】
一実施形態において、外側本体は、駆動部を閉じ込める、すなわち保持するよう組み立てられた2つの部品から構成されている。2つの部品が、駆動部を封じ込めることによりこれを保持していてもよい。従って、2つの部品が、駆動部が置かれている、すなわち収容されている空隙を画定していてもよい。外側本体が2つの部品に分割されていることにより、駆動部の空隙への導入がかなり容易であり、その後、空隙が閉じられて流体の空隙への進入が防止される。外側本体部品の一方がカップ形状を有して空隙を形成し、および、外側本体部品の他方が、例えば空隙内に導入される栓の形態で空隙を閉じてもよい。これらの2つの部品は異なる材料から形成されていてもよく、例えば異なるプラスチック製であってもよい。例えば、一方の部品はTPE、すなわち熱可塑性エラストマー製であり、他方の部品はアセタール、すなわち、ポリアセタールまたはポリホルムアルデヒドとしても知られているポリオキシメチレンプラスチック製であってもよい。
【0051】
一実施形態においては、1つ以上の逆止弁が外側本体の2つの部品の一方に組み込まれており、他方の部品が1つ以上の逆止弁に関連する弁座を備えている。しかしながら、2つの部品の一方が弁および関連する弁座を備えている実施形態も可能である。一方の部品のみが内部流路を有していると想定される。この場合、流体は、一方の部品を通り、他方の部品を前記部品の外側で流過する。また、部品の各々が内部流路を有している実施形態が可能である。製造の観点からは、一体型の逆止弁の製造が容易となるため、一方の部品のみが内部流路を有している設計が有利であり得る。流路内に一体型逆止弁を作製することは、内部流路の端部に作製することよりも困難である。
【0052】
一実施形態において、ピストンは、出口流路からおよびこれに向かう交番動作が可能であり、また、出口流路に向かうときに出口流路を通して流体が押し出されるよう、ピストンが入口流路から出口流路への方向、および、逆方向に移動可能となっている。あるいは、ピストンは入口流路から出口流路への方向および逆方向に対して垂直に移動することが可能であり、これは、弁として機能するデバイスには特に好適な実施形態である。
【0053】
一実施形態において、筐体は2つの部品から構成されている。各部品は、入口流路および出口流路の一方を備えていてもよい。出口流路を備える部品は周壁と底壁とによって形成されていてもよく、入口流路を備える部品は頂壁とコネクタ部とによって形成されていてもよい。次いで、出口流路を備える部品はまた、ピストンを配置することが可能な空隙を備えるカップ形状を有している。
【0054】
一実施形態において、ピストンは、例えばピストンを閉位置に向かって動かそうとするコイルバネおよび/または圧縮バネといったバネ部材によりバネ荷重が加えられている。これは、電磁コイルへの電圧の印加が遮断された後に、ピストンが自動的にその閉位置に戻ることを保証する。その閉位置への戻りはまた、容器中の圧力、重力、または、適切な様式でのコイルへの電圧の印加の助けによりなされてもよい。バネ部材は、閉位置が重力に依存していないか、または、重力への依存度が小さくなるよう、コイルへの電圧の印加が遮断されるとピストンを閉位置に維持し得る。これは、バネがピストンに作用する重力に対抗することが可能であると仮定すれば、流体容器を有するデバイスを、デバイスからの漏れのリスクを伴わずに上下逆に保持することが可能であるという利点を有する。
【0055】
バネ部材は、ピストンから、入口流路、すなわちコネクタ部に延在し得る。バネ部材はコネクタ部の全長の半分を超えて延在し得る。
【0056】
利点は、バネ部材は、ここでは、入口流路中の長尺物として設計されることが可能であるということである。より長尺の設計は、作製公差の重要性が低減すると共に、組み立ての最中のバネ部材の扱いがより容易となるという利点を有する。さらに、デバイスの全長は、より長尺のバネ部材によっては影響されない場合がある。
【0057】
バネ部材の長さをさらに長くするために、バネ部材はまた、ピストンに延在し得る。従って、ピストンは、バネ部材を収容することが可能である空隙または凹部を備えていてもよい。
【0058】
一実施形態において、ピストンはコネクタ部中に延在し得る軸部を備えており、バネ部材がこの軸部の周囲に配置されている。軸部が十分な長さを有している場合、バネ部材の座屈が防止される。少なくとも軸部がバネ部材の一端を保持可能である。コイルバネの巻部の中に軸部が収容可能であるよう、バネ部材はコイルバネであることが好ましい。バネ部材の長さが軸部の長さよりも長いことで、軸部がコネクタ部の内部(すなわち入口流路)に損傷を与えるかおよび/または接触することなく、ピストンがチャンバ内で往復動作される。
【0059】
一実施形態において、外側本体は、閉位置で出口流路とシール係合して、流体が出口流路を通って流出することを防止する突出部を備えている。この突出部は閉位置で出口流路に延在していてもよい。
【0060】
一実施形態において、突出部および出口流路は、閉位置で互いに係合する対応するシール面を有しており、ここで、出口流路のシール面は、出口流路が底壁に位置されている場合には、例えば筐体の底面といった筐体の外表面に相当に延在している。この様式においては、閉位置では、筐体において、ピストンと、チャンバ外の空気に接触している出口流路との間に溜まる流体は無いか、最低限である。従って、デバイスの詰まりをもたらし得る閉位置における流体の乾燥が最低限となるか、または、完全に防止される。また、デバイスが詰まり、および/または、ピストンが閉位置に固着してしまった場合でも、閉位置では突出部が出口流路に突出しており、従って、到達可能であるために、ユーザもしくは機械が、出口流路を介して、出口流路の詰まりを解消しおよび/またはピストンを解放させることが可能である。
【0061】
一実施形態において、コネクタ部は、流体容器の雌部品に接続される雄部品である。雌部品は、雄部品用の挿入口から本体を通って延びる軸孔と、軸孔を封止する栓のための軸孔の周囲に延在する受座とを備える本体を有している。雌部品の軸孔には挿入口と受座との間に肩部が形成されており、前記肩部が挿入口に対向している。栓は掛合面に対応する少なくとも1つの弾性掛合部を備えているが、ここで、掛合部は掛合面が肩部に対向している第1の位置に配置されており、および、雄部品はヘッドと雄部品が軸孔中に挿入された際に栓の掛合部を受けるヘッドの後ろに配置されている凹部とを有しており、これにより、栓が雄部品に接続されている(すなわち、第1の接続位置に対応している)。雄部品がさらに押されると(すなわち、第2の接続位置に押されると)、受座への栓の係合がはずれて流体が流通可能となる。その後に雄部品を第1の接続位置に引き戻すことにより、軸孔が再度栓によって閉止されることとなる。例えば、特許文献7のコネクタアセンブリが用いられる。雄部品(すなわちデバイス)の接続および切り離しにより、漏れのリスクを伴わずに流体容器が自動的に開放および閉止されるという利点がある。用量計量デバイスの切り離しは、流体容器が再度用いられ、補充が必要とされる場合に有利であり得る。ここでは、デバイスの設計に応じて、補充はまた用量計量デバイスを介して行われてもよく、従って、用量計量デバイスの切り離しは必須ではないことに注目されたい。
【0062】
用量計量デバイスを補充された流体容器に接続することで、流体容器の内容物が用量計量デバイス中に既に存在している空気に露出されてしまう場合がある。従って、用量計量デバイスは予め流体容器に組み込まれているが、流体容器と用量計量デバイスとの間の流体の流通性は、流体容器が用いられるまで遮断される(すなわち、空にされる)ことが所望され得る。従って、用量計量デバイスと流体容器との間の接続は、最初は、流体の流通が妨げられている(例えば上記のとおり第1の位置に対応する)ようになされ得るが、用量計量デバイスを備える流体容器がディスペンサに設置されると、例えばデバイスを容器中にさらに押し込むてこの作用の形態で、アクチュエータによって、または、流体容器に対する用量計量デバイスのねじれ動作もしくは押し込み動作などのオペレータの結合動作により自動的に遮断が解かれる(例えば上記のとおり第2の位置に対応する)。これは、流体容器の内容物が空気に露出されておらず、用量計量デバイス中に存在しているかも知れない少量の空気にすら露出されていないことを示す開封明示デバイスと組み合わされていてもよい。
【0063】
開封明示デバイスはまた、出口流路に設けられていてもよい。デバイスが一度も用いられていないことが視認できるよう、外部に対して出口流路がフォイルで覆われていることが可能である。デバイスを注出装置に装着する際には、装着の前に開封明示デバイス(すなわちフォイル)がはがされる必要があり、または、最初に設置されまたは駆動される場合には注出装置においてフォイルが貫通される。
【0064】
一実施形態では、入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、強磁性駆動部を製造するステップと、外側本体を製造するステップと、前記駆動部が前記外側本体に配設されるよう、前記駆動部および前記外側本体を組み立ててピストンを形成するステップと、前記ピストンが往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設されるよう、前記ピストンおよび善意筐体を組み立てるステップとを含み、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された本明細書に記載のいずれかのデバイスである用量計量デバイスを製造する方法が提供されている。
【0065】
一実施形態において、筐体は2つの部品から構成されており、部品の各々は入口流路および出口流路の一方を備えている。出口流路を備える部品は筐体の周壁および底壁を含んでいてもよく、入口流路を備える部品は筐体の頂壁およびコネクタ部を含んでいてもよい。この場合、ピストンおよび筐体を組み立てるステップは、出口流路を備える部品にピストンを位置させるステップと、出口流路を備える部品と入口流路を備える部品とを組み立てて、ピストンを内部に有する筐体を形成するステップとを含む。
【0066】
一実施形態において、ピストンの外側本体は2つの部品から構成されており、一方の部品が駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有していると共に、他方の部品が空隙を閉じるよう構成されており、ここで、駆動部とピストンの外側本体とを組み立てるステップは、駆動部を空隙内に位置させるステップと、外側本体の2つの部品を組み立てることにより空隙を閉じるステップとを含む。
【0067】
一実施形態において、デバイスはバネ部材を備えており、従って、デバイスを作製するための方法は、ピストンおよび筐体を組み立てる前に筐体のコネクタ部の中にバネ部材を挿入するステップを含む。
【0068】
あるいは、ピストンは、筐体のコネクタ部に収容されている軸部を備えていてもよく、ピストンおよび筐体を組み立てる前にバネ部材が軸部の上に配置される。
【0069】
方法は、出口流路上に開封明示フォイルとして材料層を提供するステップをさらに含んでいてもよい。
【0070】
一実施形態では、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された流体用量計量デバイスが提供されており、前記デバイスは、出口流路と入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器に接続可能とされており、入口流路および出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体と、入口流路から出口流路への流れが妨げられる閉位置と、入口流路から出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう筐体のチャンバ内に移動可能に配設されたピストンであって、電磁コイルによるピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備える前記ピストンと、ピストンを閉位置に向かって動かそうとするバネ部材であって、ピストンから入口流路(すなわちコネクタ部)に延在するバネ部材とを備える。好ましくは、バネ部材は圧縮バネおよび/またはコイルバネである。
【0071】
バネ部材は長尺に設計されていてもよい。より長尺の設計は、作製公差の重要性が低減すると共に、組み立ての最中のバネ部材の扱いがより容易となるという利点を有する。さらに、デバイスの全長は、より長尺のバネ部材によっては影響されない場合がある。
【0072】
バネは、重力および/または流体容器内の圧力よりもピストンが確実に閉位置に保持されるよう、ピストンを閉位置に向かって偏位させ得る。重力は、デバイスの向きにかかわらず一方向にのみ作用し、従って、流体容器を備えるデバイスが上下逆に保持されると、ピストンが重力によって開位置に動き、デバイスからの漏れが始まり、および/または、空気が流体容器中に進入してしまうという欠点を有している。圧力は、特に流体容器が空にされる場合には一定のパラメータではない場合があり、従って、特に流体容器がほぼ空である場合には、圧力は、特にデバイスが上下逆に保持されている場合に、ピストンを確実に閉位置に保持することはできない可能性があるという欠点を有する。好適なバネ部材は、デバイスの向きにかかわらずピストンを閉位置に保持する。
【0073】
実施形態においては、コネクタ部の使用によって、用量計量デバイスの全長を変更する必要性はなくてもよい。
【0074】
一実施形態においては、ピストンの閉位置では、バネ部材の少なくとも半分がコネクタ部中に収容されている。一実施形態においては、バネ部材の少なくとも70%がコネクタ部中に収容されていてもよい。
【0075】
一実施形態においては、コネクタ部の長さの少なくとも半分がバネ部材を収容している。
【0076】
コネクタ部の内断面積は、ピストンの外断面積またはチャンバの内断面積よりも小さくてよい。
【0077】
一実施形態において、ピストンは、コネクタ部に延在し得る軸部をピストンの入口側に有していてもよい。この場合、バネ部材は軸部の周囲に設けられていてもよい。軸部の存在により、バネ部材は座屈が防止され、所定の形状または向きに強制されており、従って、その挙動が想定可能である。想定可能な挙動は、コイルへの電圧印加が遮断された際に、バネ部材が用いられてピストンが閉位置に向かって押される場合に有利である。ピストンの押し戻しは一定の時間内に成されなければならず、そうでなければ、ピストンが閉位置に達する前にコイルに再度電圧が印加されてしまい、想定よりも少ない流体が流出してしまうというリスクがある。また、バネ部材はピストン中に延在して、バネ部材の長さがさらに増されていてもよい。従って、ピストンは、バネ部材を収容する凹部または空隙を備えていてもよい。
【0078】
ここで、当業者は、適切な機能を保証するために、バネ部材によってピストンに加えられる力よりコイルを用いたピストンの電磁的駆動の方が強いことが可能であることを理解するであろうことに注目されたい。
【0079】
さらに、本発明の実施形態に関連して記載されている機構は、好適ないずれかの方法で容易に組み合わされて用いられてもよいことに注目されたい。
【0080】
本発明は、さらに、組み合わせとして、本発明の第1および/または第2の態様の用量計量デバイス、ならびに、デバイスのコネクタ部に接続可能である流体容器に関する。
【0081】
コネクタ部は雄型コネクタ部であり得ると共に流体容器は雌型コネクタ部であり、用量計量デバイスは、雄型コネクタ部を雌型コネクタ部に導入することにより流体容器に接続される。
【0082】
一実施形態において、コネクタ部は流体容器に対して第1および第2の接続位置を有しており、第1の接続位置においては、コネクタ部は流体容器に予め組み込まれており、流体容器とデバイスとの間の流体の流通は遮断されており、第2の接続位置においては、コネクタ部は流体容器に接続されており、流体容器は、例えばデバイスのチャンバといったデバイスと流体が流通可能とされている。
【0083】
コネクタ部は、流体容器に対してコネクタ部の縦方向に相対的に移動することにより、第1の接続位置と第2の接続位置との間を移動するよう構成されていてもよい。
【0084】
あるいは、もしくは、追加的に、コネクタ部は、コネクタ部の縦方向に平行な軸について、流体容器に対して相対的に回転することにより、第1の接続位置と第2の接続位置との間で移動するよう構成されていてもよい。
【0085】
一実施形態では、入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、ピストンを製造するステップと、バネ部材を入口流路(すなわちコネクタ部)に配置させるステップと、前記ピストンが、往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設され、前記バネ部材によってバネ荷重が加えられているよう前記ピストンと前記筐体とを組み立てるステップとを含み、電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された好ましくは本発明の第2の態様によるデバイスである用量計量デバイスを製造する方法が提供されている。
【0086】
一実施形態では、電磁コイルと、コイルを駆動するコントローラと、本発明の第1および/または第2の態様による用量計量デバイスであって、ソレノイドコイルによって収容可能である前記デバイスと用量計量デバイスに接続された流体容器とを含む注出システムが提供されている。
【0087】
一実施形態では、例えば本明細書に記載のデバイスといった流体用量計量デバイスと、流体容器との組み合わせを注出装置に配置する方法であって、流体用量計量デバイスおよび流体容器の組み合わせを提供するステップであって、流体用量計量デバイスが、デバイスが流体容器に対して第1の接続位置にあるよう流体容器に接続されており、第1の接続位置においては流体容器とデバイスとの間の流体の流通が遮断されている(すなわち、妨げられている)ステップと、デバイスを流体容器に対して第2の接続位置とするステップであって、第2の接続位置において、デバイスが流体容器に接続されており、デバイスが流体容器と流体の流通が可能とされているステップと、デバイスと流体容器との組み合わせを注出装置に導入するステップと
を含む前記方法が提供されている。
【0088】
一実施形態において、デバイスを流体容器に対して第2の接続位置とするステップは、デバイスおよび流体容器の組み合わせを注出装置に導入する際に、注出装置によって自動的に実施される。そして、このステップは、ユーザまたはオペレータによっては実施されない。
【0089】
第1および第2の接続位置は、既述の組み合わせに関して記載されている第1および第2の接続位置と類似していてもよいことに注目すべきである。
【0090】
図1から図8に示されているとおり、トリガ46が設けられており、これが押されると、コントローラ80に信号が送られ、電磁石76に断続電流が供給されて、カートリッジ50から原液12の注出が開始される。図1を参照すると、カートリッジ50から注出された原液12は、好ましくは、カートリッジ収容領域31内に固定された合流チューブ17に進入する。同時に、コントローラが、希釈剤制御弁18を開いて液体希釈剤14をタンク22から希釈剤供給ライン16を通って合流チューブ17に移動させる。希釈剤14の流れは、一般に、ポンプ本体54に近接した位置で、吐出された濃縮物/抽出物12に注出されることが好ましい。この様式においては、濃縮物/抽出物12と希釈剤14との均一、かつ、実質的に均質な混合物が合流チューブ17から注出領域30に出る。この構成は、当業者に「ストライピング」または「ゼブラエフェクト」として知られる十分に混合されていない濃縮物/抽出物の注出の防止に有用である。希釈剤14が、示されているとおり吐出された濃縮物/抽出物12に対しておよそ直角に注出されて、混合具合を高めることが最も好ましい。
【0091】
コントローラ80は、合流チューブ17の残存している原液12を洗浄するために、原液12の注出を停止した後も短時間の間希釈剤14を注出し続けることが好ましい。あるいは、合流チューブ17を省略することが可能であり、供給ライン16とカートリッジ50のポンプ本体54とが、注出の間、吐出される原液12の流れが吐出される希釈剤14の流れに合流して混合具合が促進されるよう方向付けられている。
【0092】
図4から図8を参照すると、好ましくはボタン93およびスイッチ95を備えているタッチパッド入力コントローラ90が飲料の濃縮度を変更するために設けられており、これにより、ユーザが所望の飲料の濃縮度を選択することが可能である。LED92などの視認用インジケータは選択された飲料濃縮度を示す。ボタン93は、示されているとおり、LED92からの光を導くための導光管であることが好ましい。LED97aなどの視認用インジケータはライトガイド99aを通して光を投光して原液12の残量を示す。LED97bなどの視認用インジケータは、ライトガイド99bを通して光を投光してタンク22中の希釈剤14の残量を示す。
【0093】
入力コントローラ90からのユーザ入力がコントローラ80により用いられて、希釈剤14と混合されるべき原液12の量が判定される。これは、制御弁18によって希釈剤14が注出される速度を変更することにより、および/または、電磁石76を制御してポンプ41のポンプ量を変更することによりなされることが可能である。希釈剤14がタンク22から重力により注出されると共に、原液12がカートリッジ50から選択された飲料濃縮度に応じた流量で注出されることが好ましい。コントローラ80は、ポンプデバイス41によるポンプ量を調節することにより、低下するタンク希釈剤レベル(および、結果的に低下する希釈剤流量)を補償することが好ましい。ポンプデバイス41のポンプ量の調節は、1つの飲料容器への原液12および希釈剤14の注出の最中に数回(例えば8回から10回)行われることが可能である。あるいは、タンク22において低下する希釈剤レベルは、制御弁18をより大きく開くことにより、または、ポンプの使用を介して注出の最中に補償されることが可能であり、そして、原液12は、選択された飲料濃縮度のみに応じて一定の流量でカートリッジ50から注出されることが可能である。
【0094】
当業者は、例えば入力コントローラ90の使用を介して、数種の異なる既定の飲料濃縮度を利用および選択することが可能であることを認識しているであろう。さらに、飲料濃縮度は、異なる種類の飲料について好ましいとして示される選択範囲でのユーザ制御に基づいて、連続的に変更可能である。あるいは、スイッチを設けて、コントローラ80が濃縮物/抽出物12の注出される量を対応して調節するよう、どの種類の飲料が設置されているかをユーザがコントローラ80に送信可能とすることが可能である。付随IDなど、カートリッジ50中の原液12の種類を識別するための方法が種々知られている。異なる形状またはカートリッジ50に位置する異なる証印を通してコントローラ80によって自動的に認識されるIDが利用可能であり、これは、カートリッジ50が設置される際に収容領域31に位置されている接触センサ37によって読み取られることが可能である。また、カートリッジ上のID61は、示されているとおり位置されているか、または、収容領域31におけるいずれかの箇所に位置されているRFIDリーダを有するセンサ37と通信する無線識別(RFID)タグを含んでいることが可能である。一実施形態においては、カートリッジ上のID61は、収容領域31に位置されるバーコードリーダまたは他の視認型リーダによって読み取られることが可能であるバーコードまたはコンピュータが読み取り可能な符号を含んでいることが可能である。あるいは、ID61は、複数のスイッチの1つを作動させてコントローラ80にどの種類の飲料が設置されたかを通知するための位置合わせピンを備えていることが可能である。あるいは、例えばポンプデバイス41といった1つ以上の機能性構成要素は、飲料の種類を示すような形状および/またはサイズとすることが可能であり、機能性構成要素の形状および/またはサイズは、カートリッジ収容領域31中のセンサによって感知されることが可能である。
【0095】
加えて、図2に示されているとおり、例えばRFIDといった容器ID11は、注出領域30における例えばRFIDリーダといったセンサ13によって読み取られるよう、容器19に設けられていることが可能である。容器ID11は、ユーザの飲料濃縮度に関する嗜好情報を含んでいることが好ましい。飲料濃縮度情報は、予めプログラムされているか、または、注出領域30における例えばRFIDライタといったIDライタ15の使用を介してユーザによりプログラムされることが可能であり、および、入力コントローラ90を用いてユーザの飲料濃縮度の嗜好が示される。
【0096】
コントローラ80は、ポンプデバイス41により実施されたポンプサイクルの回数を記録して、原液12の注出量を判定していることが好ましい。従って、コントローラ80は、LED97aに信号を送ってカートリッジ50における原液12の残量を示す。さらに、コントローラ80は、スタックパイプ88から受信した情報を用いてLED99aに信号を送って、タンク22中に残っている希釈剤14の液位を示すことが好ましい。
【0097】
図13は、ポンプデバイス441と中空容器451とを含む組み立てる前のカートリッジ450を示す。雄繋止コネクタ452は、円錐形状ヘッド452aおよび流通路452cを備えていることが好ましい。繋止コネクタ452は、中空体451に取り付けられた雌嵌合コネクタ453に接続可能である。雌嵌合コネクタ453は、空隙453bを有する栓453aを備えている。栓453aは、本体453fにおける軸孔453eの端部に位置されている受座453cに脱着可能に、または、破断され易く接続されていることが好ましい。使用される際には、雄コネクタ452の円錐形状ヘッド452aが栓453aの空隙453bに進入するよう、雄コネクタ452が雌コネクタ453の軸孔453eに挿入される。雄コネクタ452が挿入されることにより、栓453aが受座453cから切り離されて、空体451から濃縮物/抽出物12が可撓体453dを通過し、コネクタ452の本体を通って流通路452cを介して、ポンプ本体454に流される。ポンプ41および中空体51は、ポンプデバイス441の中空容器451への接続に関してこの段落に記載のとおり、相互の接続に関してこの段落に記載されている構造を備えていてもよい。
【0098】
ディスペンサ10は、アクチュエータ38およびカートリッジ50(または、流体用量計量デバイスおよび流体容器)を使用した、特にこれらに限定されないが、ホットコーヒー、温かい茶、冷たい茶、チョコレートドリンク、他の風味を有する飲料、乳児用調製乳、流体香辛料、流体薬物、洗剤、石鹸、洗濯用または洗浄用添加剤、ならびに、制限されない他の食品製品および非食品製品を含む多様な流体の注出に適応されていることが可能である。また、ディスペンサ10は、所望の場合には、希釈が必要とされない粘性の流体に関しては、希釈剤を伴わずに容器中に原液だけを注出することが可能である。さらに、ディスペンサ10は、例えば、交換可能ボトル式オフィス用温水/冷水ディスペンサ、ならびに、家庭用および商業用冷蔵庫といった多数の他の注出デバイスに組み込まれることが可能である。
【0099】
図14から図30、図37Bには、ディスペンサ10に関して図示されたものと類似の要素が図示されている。比較のために、図14から図30中の要素では、類似する要素の先行する記載からの符号が10の位および1の位に保持されているが、100の位に識別子が追加されている。本明細書において記載、図示、または、特許請求されているいずれかのポンプ、カートリッジ、流体用量計量デバイスまたは流体用量計量デバイスおよび流体容器は、本明細書において記載、図示、または、特許請求されているディスペンサ、器具、カルーセル、または、他の機器のいずれかにおいて提供されていればよい。本明細書におけるディスペンサ、器具、カルーセルまたは他の機器のいずれかへの言及に用いられているカートリッジという用語は、本明細書において記載、図示、または、特許請求されているいずれかのカートリッジまたは流体用量計量デバイスおよび流体容器を指す。
【0100】
図14および図15には、本発明の第6の好ましい実施形態によるダイレクトディスペンサ310の付属カートリッジ収容領域331に挿入されたポンプデバイス341を有するカートリッジ350が示されている。本発明の本実施形態は、既存の種類の液体混合または注出システムに設置されて、種々の調節注出の用途を実現することが可能である。この実施形態においては、装填扉332は、上記装填扉32と同様に、装填扉332の底部分で回動可能にディスペンサ310に設けられている。図15では、装填扉332は、好ましくはID361を有している濃縮物/抽出物カートリッジ350をポンプデバイス341がアクチュエータ338に収容されるようカートリッジ収容領域331に装填することが可能である開位置で示されている。
【0101】
個別のコントローラまたは既存の機器のコントローラが提供されて、コントローラ80に関して上述されているものと同じように、交流または直流でアクチュエータ338と通信が行われて、カートリッジ350から液体が注出される。図15では、扉332が、扉332に強固に取り付けられた保持プレート333がポンプデバイス341の頂部に接触するか、代わりに、頂部に近接して位置してカートリッジ350が規定の位置に保持されている閉位置で示されている。この構成により、濃縮物/抽出物カートリッジ350がカートリッジ収容領域331内において適切に位置されていない場合に扉が閉じられることが防止される。
【0102】
図17から図18を参照すると、一実施形態による食器洗浄機500が示されている。食器洗浄機500は、計量された量の液体洗剤512を洗浄剤カートリッジ550から注出するよう適応された、ダイレクトディスペンサ310と同様の液体洗剤ディスペンサ510を備える。液体洗剤は、濃縮されているか、または、高濃縮であってもよい。あるいは、洗浄剤カートリッジ550は、例えばしみ抜き剤といった他の洗浄剤を含んでいることが可能である。洗浄剤カートリッジ550は、既出の実施形態において上述した原液カートリッジ50と同様のものである。
【0103】
食器洗浄機500は、食器収納領域504を利用するための主扉502を備えている。ディスペンサ510は、主扉502に位置されていることが好ましく、および、上述のアクチュエータ38と同様のアクチュエータ538を有するカートリッジ収容領域531に開くディスペンサ扉532を備えている。あるいは、ディスペンサ510は、食器洗浄機500における他の位置に位置されていることが可能であり、または、食器洗浄機扉502の外から挿入可能とされていることが可能である。収容領域531に装填されている場合、洗浄剤カートリッジ550がアクチュエータ538によって制御されて、食器洗浄機500の洗浄サイクルの最中に液体洗剤512もしくは他の好適な洗浄剤が食器収納領域504に注出される。コントローラ580は、アクチュエータ538によって注出される液体洗剤512の量、ならびに、選択された洗浄サイクルの種類に応じて注出タイミングを制御し得る。これは、必要な場合には追加の洗剤を注出可能であるよう、洗浄される物品の清浄度を検知するセンサに基づいて調節されることも可能である。
【0104】
図19から図21を参照すると、本発明の第8の実施形態による衣類洗濯機600が示されている。衣類洗濯機600は、計量された量の濃縮洗濯用薬剤612を洗濯用薬剤カートリッジ650から注出するよう適応された、ダイレクトディスペンサ310と同様の液体洗濯用薬剤ディスペンサ610を備えている。洗濯用薬剤は、濃縮されているか、または、高濃縮であってもよい。洗濯用薬剤612としては、洗剤、布地用柔軟剤、漂白剤、水質調整剤、または、任意の好適な洗濯用製品を挙げることが可能である。洗濯用薬剤カートリッジ650は、既出の実施形態において上述したカートリッジと同様のものである。
【0105】
衣類洗濯機600は、洗浄領域604を利用するための主扉602を備えている。ディスペンサ610は、各々が、第1の好ましい実施形態に上述したアクチュエータ38,138と同様である、中に配置されている複数のアクチュエータ638を有するカートリッジ収容領域631に開く装填扉632を備えている。アクチュエータ638の各々は、収容領域631中に脱着可能に位置されているカートリッジ650の1つを制御するよう適応されている。あるいは、単一のアクチュエータ638を設けることが可能であり、および、カートリッジ650は、例えば下記のカルーセル902などのメカニズムを用いて、単一のアクチュエータ638に近接して選択的に位置されることが可能である。収容領域631に装填されている場合、洗濯用薬剤カートリッジ650は、アクチュエータ638によって、衣類洗濯機600の洗浄サイクルの最中に、洗濯用薬剤612を洗浄領域604に注出するよう選択的に制御される。コントローラ680は、アクチュエータ638によって注出される洗濯用薬剤612の量、ならびに、選択された洗浄サイクルに応じて注出タイミングを制御することが好ましい。さらに、センサーを設けて洗浄の最中に清浄度の程度を判定することが可能であり、コントローラ680により、必要に応じて追加の洗剤を添加することが可能である。
【0106】
カルーセル902について上述したものなどの2つ以上のカートリッジを有するカルーセルが、本明細書に記載の他のものを含む、いずれかの器具、商業用ディスペンサ、または、商業用飲料ディスペンサに備え付けられていることが可能である。
【0107】
カートリッジ650の各々にどの種類の洗濯用薬剤612が入っているかを示すために、ID661がカートリッジ650の各々に付されていることが好ましい。コントローラ680は、ID661に含まれている情報、ならびに、コントロールパネル690で入力されたユーザ入力により受信される情報を用いて、洗濯用薬剤612を適切な量で、洗浄サイクル間の適切な時点に注出することが好ましい。好ましくは、コントローラ680は、アクチュエータ638のサイクル数を計数することによりカートリッジ650の各々から注出される洗濯用薬剤612の量を判定し、カートリッジ650の1つ以上がほぼ空である場合には、コントロールパネル690に信号を送信してユーザに通知する。
【0108】
図22および図23を参照すると、本発明の一実施形態による薬物ディスペンサ710が示されている。薬物ディスペンサ710はディスペンサ310と同様であり、計量された量の液体薬物712を薬物カートリッジ750から注出するよう適応されている。薬物712は、多様な疾患を処置するための処方箋での投薬または店頭での投薬を含むことが可能である。薬物カートリッジ750は、既出の実施形態において上述したカートリッジと同様のものである。
【0109】
ディスペンサ710は、上記のアクチュエータ38と同様のアクチュエータ738を有する収容領域731を備えている。収容領域731に装填されている場合、薬物カートリッジ750は、アクチュエータ738により制御されて、液体薬物712を容器収容領域730に注出し、ここで、注出された薬物712が投薬容器719に入れられる。
【0110】
コントローラ780は、アクチュエータ738により注出される薬物712の量を制御し得る。カートリッジ750にどの種類の薬物712が入っているかを示すために、固有のID761がカートリッジ750の各々に付されていることが好ましい。ID761が、コントローラ780を指示して、コントロールパネル790上のボタン793を用いて個人情報を入力するようディスプレイ792でユーザを促すデータを含んでいることが好ましい。入力される個人情報としては、ユーザの年齢、重量、および、身長を挙げることが可能である。ID761はまた、コントローラ780を指示して、ユーザのアレルギーまたはユーザが服用している他の薬に関する情報を入力するようユーザを促すデータを含んでいることが可能であり、これにより、コントローラが可能性のある副作用および悪影響を及ぼす薬物間相互作用についてユーザに警告することが可能である。コントローラ780は、ID761に含まれる情報と共にユーザの個人情報を用いて、適切な量の薬物712を注出することが好ましい。
【0111】
コントローラ780はアクチュエータ738のサイクル数を計数することによりカートリッジ750から注出される薬物712の量を判定し、カートリッジ750がほぼ空である場合には、コントロールパネルに信号を送信してユーザに通知することが好ましい。コントローラ780は、保存されたメモリに影響を及ぼさずにカートリッジ750をディスペンサ710から出入りさせることが可能であるよう、カートリッジ750の各々をその固有のID761に関連させて、メモリ中に、複数の異なるカートリッジ750中の薬物の残量に関する情報を保存することが可能である。
【0112】
図24および図25を参照すると、一実施形態による、乳児用調製乳液体濃縮物/抽出物(注出領域830に矢印12によって表されている)および希釈剤(タンク822中にあり、矢印14によって表されている)を含む混合物を注出するよう適応された液体ディスペンサ810が示されている。ディスペンサ810は、上記のディスペンサ10と同様に機能する。ディスペンサ810は、上述のカートリッジと同様であることが好ましい濃縮物/抽出物カートリッジ850を利用する。ディスペンサ810は、乳児用調製乳が所望温度、ならびに、所望される所定の濃縮度で注出されるよう、希釈剤用のユーザによるプログラムが可能な温度コントローラを備えていることが好ましい。
【0113】
図26および図28を参照すると、一実施形態による好ましくは冷蔵庫900である家庭用器具が示されている。冷蔵庫900は、原液(注出領域930に矢印12により表されている)および希釈剤(矢印14により表されている)を含む飲料を注出するよう適応された飲料ディスペンサ910を備えている。ディスペンサ910は、上述のディスペンサ10と同様に機能すると共に、好ましくは原液カートリッジ50と同様である原液カートリッジ950を利用する。冷蔵庫900は、家庭用送水管に接続されて、冷水などの希釈剤14の供給源をディスペンサ910に提供する供給ライン916を備えていることが好ましい。好ましくは、供給ライン916は、冷却機970を通って延在していることが好ましく、任意により、ヒータ972を設けることが可能である。従って、弁974,976により、ユーザは、コントローラ980からの入力に基づいて、熱いまたは冷たい希釈剤14を注出領域330に選択的に注出させることが可能である。代替的な実施形態においては、飲料ディスペンサ910は、希釈剤を伴わずに、原液を直接的に容器に注出することが可能である。
【0114】
ディスペンサ910はまた、図27に示されているとおり、複数のカートリッジ950を保管し、および、原液カートリッジ950から注出が可能であるカートリッジ収容領域931に選択的にカートリッジ950を出入りさせるカートリッジカルーセル902を備えていることが可能である。ユーザ入力コントローラ390が設けられてコントローラ980に信号が送信されて、カルーセル902が回転されて濃縮物または抽出物がカートリッジ950のうちの所望の1つから注出される。また、コントローラ990を用いて、飲料の濃縮度が変更され、および、選択されたカートリッジ950からの濃縮物/抽出物12が、温かいまたは冷たい希釈剤14のいずれと混合されるべきかが選択されることが好ましい。入力コントローラ990が用いられて、特定の1つのカートリッジ950が最初にカルーセル902に装填された際に、特定のカートリッジ950が選択されて、カルーセル902によって収容領域931に位置される度に、特定のカートリッジ950に関連する好ましい特性でコントローラ980が飲料を注出するよう、好ましい飲料特性が入力されることが好ましい。ID961がカートリッジ950の各々に設けられて、カートリッジ950の各々の中の飲料原液12の種類が示されていることが好ましい。コントローラ980は、ID961に含まれている情報、ならびに、ユーザ入力による情報を用いて、原液12と、温かいまたは冷たい希釈剤14とを適切な割合で注出することが好ましい。デジタルディスプレイ992などの視認用インジケータが、選択された飲料の種類および/または選択された飲料嗜好性を示す。
【0115】
図29から図30を参照すると、一実施形態によるボトル供給式飲料ディスペンサ1010が示されている。ディスペンサ1010は、液体濃縮物/抽出物(注出領域1030に矢印12によって表されている)および希釈剤(矢印14によって表されている)を含む飲料を注出するよう適応されている。ディスペンサ1010は、ディスペンサ10と同様に機能すると共に、上述の原液カートリッジと同様であることが好ましい原液カートリッジ1050を利用する。希釈剤14の供給は、公知のボトル供給式水ディスペンサにおいて典型的に用いられる種類の交換可能なボトル1022により保持されている。
【0116】
本発明の上記の好ましい実施形態は、多くの公知の注出システムを超える多数の機能的な利点を備えている。原液カートリッジは、一貫した再現性を伴って、正確な量の液体の注出が可能である。カートリッジは、一定の用途においては使い捨てが可能となる安価な構成要素を備えていてもよい。ディスペンサ10、310、510、610、710、810、910および1010は、記載のもの以外の多様な流体の保持および注出に適応していることが可能である。
【0117】
希釈剤は、如何なる種類の液体であってもよい。希釈剤の例としては、これらに限定されないが、水、炭酸希釈剤、炭酸水、予混合されている多成分液体および乳製品が挙げられる。ディスペンサは、非液体物質の上もしくはその中に原液を直接的に注出してもよい。非液体物質は、これらに限定されないが、固体、半固体または粉末の製品であり得る。非液体物質は、アイスクリーム、粉末飲料混合物、または、冷凍もしくは半冷凍製品(例えば、特にこれらに限定されないが、フローズンダイキリなどの氷冷飲用物もしくは冷凍されたスラッシュ状の氷(slushed ice)を形成するための氷もしくはスラッシュ状の氷(slushed ice))であり得る。
【0118】
本明細書における実施形態の器具は、食品製品に限定されない。本明細書における実施形態用を含む器具としては、産業用、医学用、医薬用または家庭用薬品などの他の消耗品が挙げられ得る。
【0119】
図31は、本発明の一実施形態による流体用量計量デバイス3101を一部が破断された状態で示す。デバイス3101は、電磁コイル3205を有する注出装置3203(図32を参照のこと)の中に脱離可能に収容されるよう適応されている。
【0120】
デバイス3101は、出口流路3109と、破線で図示されている入口流路3113を画定するコネクタ部3111とを有する筐体3107(図31を参照のこと)を備えている。この筐体3107が、入口流路3113および出口流路3109と流体が流通可能とされている内部チャンバ3115を形成している。コネクタ部3111は、流体容器3217(図32を参照のこと)に接続可能である。流体容器3217は、パウチもしくはバッグであることが可能である。
【0121】
デバイス3101は、入口流路3113から出口流路3109への流れが妨げられている閉位置(図31に示されているとおり)と、入口流路から出口流路への流れが許容される開位置(図34Bおよび34Cに示されているとおり)との間で往復動作するよう筐体3107のチャンバ3115内に移動可能に配設されるピストン3119(図1を参照のこと)をさらに備えている。ピストン3119は、電磁コイル3205によるピストン3119の電磁的駆動のための強磁性駆動部3121を備えている。
【0122】
駆動部3121は、個別の外側本体3123(図31を参照のこと)の中に配置されている。デバイスはまた、ピストン3119を閉位置に向かって動かそうとするバネ部材3139を備えている。図32および図34Aから図34Dにおいてより明確に見ることが可能であるとおり、バネ部材3139は、ピストンから入口流路(すなわちコネクタ部)に延在している。
【0123】
この実施形態においては、駆動部3121は、外側本体3123の内部に封じ込められており、これにより、チャンバ3115内の流体と駆動部3121との接触が最低限であることが保証されている。
【0124】
図31においてピストンは閉位置で示されており、ここで、ピストンは、出口流路3109とシール係合している。このシール係合はシール面3143を有する突出部3141によってもたらされており、ここで、突出部3141は、閉位置においては、出口流路3109中に延在している。この場合、シール面3143は出口流路3109のシール面3145と係合している。対応するシール面3143,3145は、閉位置において相互に接触する表面と定義される。図31において見ることが可能であるとおり、シール面3145は、実質的に筐体の外表面3147に延在しており、これにより、出口流路中に流体が残留し得る空間が最低限とされ、外気に接触する流体が低減し、それ故、出口流路が乾燥しにくく、および、詰まりにくくなる。
【0125】
筐体3107は周壁3125、底壁3127および頂壁3129を備えており、出口流路3109は底壁3127に位置されており、コネクタ部3111が、入口流路3113が頂壁からコネクタ部の自由端31に延在するよう、頂壁3129に取り付けられている。
【0126】
周壁3125は管状の筐体を形成しており、ここで、入口流路および出口流路は管状の筐体の縦軸3133と並んでいる。
【0127】
外側本体3123は、破線で示されている内部流路3135を有しており、流体がピストンの入口側からピストンの出口側へと流通可能とされている。内部流路3135には逆止弁3137が組み込まれており、ここではフラッパ弁の形態であるが、如何なる種類の逆止弁も有利に適用され得る。逆止弁3137は、ピストンの入口側からピストンの出口側への流体の流れのみを許容する。図31においては、右側の弁3137は部分破断図であるために部分的にしか示されていないことに注目されたい。左側の弁3137は全体が示されている。
【0128】
フラッパ弁3137は、縦軸3133と平行して延在していても、ピストンの接線方向に延在していてもよい回動軸(図示せず)について動くことが可能である。回動軸が接線方向に延在している場合、回動軸は、フラッパ弁の出口側での回動軸に関するフロープロファイルを滑らかとするよう、フラッパ弁の入口側に設けられていることが好ましい。
【0129】
コネクタ部3111の自由端3131では、デバイスは、流体が入口流路3113に進入することが可能である入口ポート3130を備えている。デバイスは、容器3217の雌型コネクタ部3251の栓3252(図32を参照のこと)に接続するヘッド3132をさらに備えている。栓3252は、可撓性アーム3254を介して雌型コネクタ部に取り付けられている。デバイスはまた、弾性であってもよいフック3134を備えていると共に、雌型コネクタ部における軸孔の肩部に係合する掛合面3134Aを備えている。フックは、コネクタ部を雌型コネクタ部に挿入した後に、コネクタ部3111と雌型コネクタ部3251との間を永久的に接続してもよい。デバイス3101をさらに雌コネクタ中に移動させることにより、デバイスのヘッド3132がその受座の栓3252を持ち上げて、容器とデバイスとの間で流体の流通を可能とすることが可能である。
【0130】
図33においては、図31のデバイスが分解組立図で示されている。この図33から、外側本体3123は、組み立てられた状態で駆動部3121を閉じ込める2つの部品3323a,3323bから構成されていることを明確に見ることが可能である。部品3323aは、駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有している。部品3323aの外側には、リブ3353が設けられている。リブ3353は、筐体の周壁3125と接触してチャンバ中における往復動作の最中にピストンをガイドする。逆止弁3137は部品3323aと一体的に構成されている。
【0131】
部品3323bは、内部流路3135と、部品3323aの逆止弁3137のための受座を備えている。従って、流体は内部流路を通り、逆止弁を流過し、および、部品3323aの外側のリブ3353の間をさらに流れることとなる。ピストンの組み立ての際には、駆動部3121が部品3323aの空隙内に配置され、その後部品3323bが栓のように空隙を閉止する。
【0132】
部品3323bは、入口流路3113に収容される軸部3149をさらに備えている。バネ部材3139は、バネ部材が座屈する可能性が最低限となるよう、軸部3149上に配置される。
【0133】
コネクタ部3111の自由端3131には、コネクタ部3111と、コネクタ部3111が収容される雌コネクタ3251(図32を参照のこと)との間のシールとしてO−リング3155が設けられている。
【0134】
図33によれば、筐体3107は2つの部品3307a,3307bから構成されているということにもなる。部品3307aは、カップ形状を有していると共に、周壁3125および底壁3127を備えている。部品33017bは、頂壁3129を備えていると共に、頂壁からコネクタ部3111に延在している。部品3307aは、部品3307bによって閉止されて内部チャンバが形成される空隙を形成している。
【0135】
図32には本発明の注出装置3203が示されており、ここで、用量計量デバイス3101が電磁コイル3205中に収容されている。用量計量デバイスは、デバイス3101のコネクタ部3111を収容する雌コネクタ3251によって容器3217に接続されている。それ故、コネクタ部3111は雄型コネクタ部である。装置3203は、電磁コイル3205を駆動するコントローラ3257をさらに備えている。
【0136】
電磁コイルの駆動の一例を、図34Aから図34Dを参照することにより説明する。図34Aにおいては、コイルへの電圧の印加が遮断されており、ピストンは閉位置にある。続いて、生成された電磁場とピストンの強磁性材料との相互作用によって、ピストンが図34A中の矢印3461によって示されているとおり開位置に移動するようコイルに適切に電圧が印加される。容器中の流体の圧力により逆止弁が開き、すなわち、この場合、対応する回動軸について回動して、図34Bに示されているとおり、ピストンをチャンバ中の流体カラム中を通って開位置に移動させる。
【0137】
その後、電磁コイルへの電圧の印加が遮断され、これにより、図34Cにおいて矢印3463によって示されるとおり、ピストンがバネ部材3139によって閉位置に戻される。チャンバ内の流体および対応する圧力によって逆止弁が閉じ、および、閉位置への移動の最中に、ピストンが出口流路を通してチャンバの外に流体を強制的に送出させる。同時に、図34C中の矢印3465によって示されているとおり、流体が容器からチャンバに引き込まれる。図34Dに示されているとおり、一旦ピストンが閉位置に戻ると完全な往復動作が完結する。そして、図34Aで始まる新たなサイクルが開始されることが可能である。
【0138】
ここでは、複数回の往復動作が相互に実施される場合、ピストンは、2回の往復動作の間に必ずしも閉位置に達する必要性はないことに注目すべきである。往復動作はまた、2つの開位置の間で実施されてもよい。しかしながら、漏れを防ぐために、最後の往復動作は閉位置で終了することが好ましいであろう。
【0139】
図35Aは、組み合わせとして、本発明の一実施形態による用量計量デバイス3101と流体容器3217を概略的に示す。デバイス3101および流体容器が、図35Aにおいては分解された状態で示されている。
【0140】
デバイス3101は、図31の用量計量デバイスと同様であると共に、コネクタ部3111を備えている。コネクタ部3111は雄型コネクタ部であると共に、コネクタ部3111の外表面に配設された雄ネジ3570を有している。
【0141】
流体容器3217は、コネクタ部3111を収容するための雌型コネクタ部3251を備えている。雌型コネクタ部3251は、雄型コネクタ部3111のための挿入口3580から本体を通って延在している軸孔と、軸孔を閉止するための栓3584のための軸孔の周囲に延在する受座とを備えている本体3586を有している。図35Aにおいて、栓は、受座中に示されている。軸孔は、雄型コネクタ部が軸孔に挿入された際にデバイスの雄ネジと協働するよう構成された雌ネジ3582を有している。
【0142】
栓3584は、雄型コネクタ部が軸孔中に挿入された際に、雄型コネクタ部のヘッド3572と接続されるよう構成されている。雄型コネクタ部が雌型コネクタ部の栓と接続されるが、栓がその受座中にあり、それ故、軸孔が閉じられている位置は、流体容器3217に対するデバイス1の第1の接続位置と称される。この状態が図35Bに示されている。デバイスが第1の接続位置に有る場合、このデバイスは流体容器と流体の流通は可能ではなく、それ故、少量の空気がデバイス中に存在していても、流体容器の内容物と流体容器の外部の空気との間の接触は防止される。
【0143】
デバイスと容器との組み合わせが注出装置において用いられる場合、デバイスと流体容器との間の流体の流通は、流体容器に対するデバイスの回転であって、雌ネジと雄ネジとが協働してデバイスをさらに雌型コネクタ部中に挿入させ、これにより、栓84とその受座との係合が解かれて軸孔が開放されるような回転によって達成される。流体容器に対するデバイスのこの位置は第2の接続位置(図35Cを参照のこと)と称される。デバイスの回転が図35Bにおいて矢印3590によって示されており、続くデバイスの移動は矢印3592によって示されている。図35Cにおける第2の接続位置から図35Bにおける第1の接続位置に戻るためには、デバイスは逆方向に回転されなければならない。この逆方向の回転が矢印3594によって図35Cに示されており、その後の移動が矢印3596によって図35Cに示されている。
【0144】
流体容器に対するデバイスの回転は、注出装置に組み合わせを設置する人物によって、好ましくは組み合わせを注出装置に設置する前に行われることが可能である。しかしながら、注出装置には、代わりにまたは追加的に、注出装置に組み合わせを設置した後に流体容器に対してデバイスを回転させるアクチュエータが設けられていてもよい。
【0145】
図36Aは、概略的に、本発明の他の実施形態による用量計量デバイス3101および流体容器3217を示す。用量計量デバイス1は図3101および図35Aから図35Cに示されているデバイスと同様であるが、雄型コネクタ部3111の外表面には雄ネジが配設されていない。
【0146】
流体容器3217は、デバイスの雄型コネクタ部を収容するための雌型コネクタ部3251を備えている。流体容器3217は図35Aから図35Cに示されている流体容器と同様であるが、雌型コネクタ部の軸孔中に雌ネジを有していない。
【0147】
図36Aにおける雄型コネクタ部3111は雌型コネクタ部の軸孔に挿入されており、雄型コネクタ部のヘッド3572が雌型コネクタ部の栓3584に接続されている。図36Aに示されている位置の栓3584は軸孔を閉止しており、それ故、流体容器とデバイスとの間の流体の流通が防止されている。この位置は第1の接続位置と称されている。
【0148】
雌型コネクタ部3251は、注出装置のレバーアーム3600(図36Bを参照のこと)を収容するための凹部3688を有している。デバイスが第1の接続位置にある場合、流体容器の内容物は流体容器の外部の空気に接触することは可能ではなく、デバイス中の少量の空気にさえも接触することは可能ではない。この状況において、組み合わせが注出装置に移送されることとなる。設置の後、レバーアーム3600が、雌型コネクタ部の凹部3688に収容されることとなる。
【0149】
図36Cにおいて矢印3604によって示されるとおり、レバーアーム3600が下方に押されることにより、デバイスは、栓がその受座から切り離され、デバイスと流体容器との間の流体の流通が許容される第2の接続位置とされることが可能である。矢印3602に示されるとおりレバーアーム3600を上方に押すことで、デバイスが、図36Bに示されているとおり、その第1の接続位置に戻される。矢印3602,3604によって示されるデバイスと流体容器との相対的な動作の最中に、デバイスはその位置が保持されていなければならない。これは、例えば、デバイス3101の下方の部品(すなわち、ピストンおよび駆動部を有する部品)が中に配設されることとなる電磁コイルによって成されることが可能である。例えば図32を参照のこと。
【0150】
図37Aは、本発明のさらに他の実施形態による用量計量デバイス1の断面図を示す。デバイス3101は、例えば図32の注出装置といった注出装置中に脱離可能に収容されるよう適応されている。
【0151】
デバイス3101は、出口流路3109を有する筐体3107と入口流路3113を画定するコネクタ部3111とを備えている。筐体3107は、入口流路3113および出口流路3109と流体の流通が可能である内部チャンバ3115を形成している。コネクタ部3111は、例えば、図33、図35または図36の流体容器といった流体容器に接続が可能である。
【0152】
デバイス3101は、入口流路3113から出口流路3109への流れが妨げられている閉位置(図31におけるデバイス3101の位置と同様)と、入口流路から出口流路への流れが許容されている開位置(図37Aおよび図37Bに示されているとおり)との間で往復動作するよう筐体3107のチャンバ3115内に移動可能に配設されたピストン3119をさらに備えている。ピストン3119は、電磁コイルによるピストン3119の電磁的駆動のための強磁性駆動部3121を備えている。
【0153】
駆動部3121は、個別の外側本体3123中に配設されている。デバイスはまた、ピストン3119を閉位置に向かって動かそうとするバネ部材3139を備えている。バネ部材3139は、ピストンから入口流路(すなわちコネクタ部)に延在している。
【0154】
この実施形態においては、駆動部は外側本体3123によって封じ込められており、これにより、チャンバ3115中の流体と駆動部3121との間の接触が最低限であることが保証されている。
【0155】
外側本体3123は、ピストンの入口側からピストンの出口側に流体を流す内部流路3135を有している。内部流路には逆止弁3137が組み込まれている。図37Aにおいては、弁3137が、ピストンの入口側からピストンの出口側に流体が流れる開位置で示されている。これは、ピストンの、矢印3461によって示される上方(すなわち、入口流路の方向)への移動によって成される。図37Bにおいては、弁3137は閉位置に示されており、これにより、弁3137より下方(すなわち、弁3137の出口側)の流体が、矢印3463によって示されている閉位置に向かうピストンの移動によって、デバイスから出口流路を通って強制的に送出されることが可能である。
【0156】
デバイス3101の作動原理は、図31および図34Aから図34Dによるデバイスの作動原理と同様である。それ故、図37Aは図34Bに対応しており、図37Bは図34Cに対応している。
【0157】
外側本体3123は、組み立てられた状態で駆動部3121を閉じ込める2つの部品3323a,3323bから構成されている。部品3323aは、駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有している。部品3323aの外側には、往復動作の最中にピストンをガイドするリブ3353が設けられている。
【0158】
部品3323bは、内部流路3135および逆止弁3137を備えている。部品3323bはまた、部品3323a中の空隙を閉止する栓として作用する。
【0159】
部品3323bは、その周囲にバネ部材が設けられている突出部3149を有している。ここでは、この突出部はコネクタ部には延在していないが、バネ部材の一端を押止するよう機能することに注目されたい。コネクタ部に延在していない突出部の利点は、入口流路が突出部によって制限されておらず、それ故、流体が入口流路を通って滑らかに流れることが可能であることである。
【0160】
さらなる実施形態においては、本明細書におけるいずれかの実施形態からのいずれか1つ以上の要素が本明細書におけるいずれかの他の実施形態と組み合わされてもよく、または、本明細書におけるいずれかの他の実施形態からのいずれか1つ以上の要素に対して置き換えがなされてもよい。
【0161】
以上本発明の好ましい実施形態を詳細に記載してきたが、本発明は記載の特定の実施形態に限定されず、これらは、単なる例示としてみなされるべきである。本発明のさらなる変更および拡大が開発され得、このような変更のすべてが添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲とみなされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用のディスペンサを備え、飲用物メーカ、コーヒーメーカ、冷蔵庫、冷水器、食器洗浄機、洗濯機、乳児用調製乳ディスペンサ、または、薬物ディスペンサからなる群から選択される器具であって、
流体を注出するための注出領域を備える筐体と、
該筐体中のカートリッジ収容領域と、
前記筐体中に配設された電磁式注出アクチュエータと、
該注出アクチュエータによって駆動される位置の前記カートリッジ収容領域に脱着可能に挿入可能であり、該カートリッジ収容領域に置かれた後に前記注出領域に注出された原液を保持するよう適応されたカートリッジと、
前記筐体中に配設され、前記アクチュエータを制御して前記カートリッジから前記原液を吐出させるコントローラとを備え、
前記カートリッジが、
中空体と、
該中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、
前記ポンプ本体内に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、
前記ポンプ本体における孔部とを備える器具。
【請求項2】
希釈剤ポンプの少なくとも1つに接続された希釈剤供給ラインと、希釈剤と原液との流れを送出するための制御弁とをさらに含み、前記ポンプ本体の前記孔部が、前記希釈剤の流れに前記流体の流れが送出されるよう配置されている請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記希釈剤供給ラインに接続されていると共に前記カートリッジの前記ポンプ本体に脱着可能に接続されている合流チューブをさらに含み、前記希釈剤供給ラインが、前記ポンプ本体によって前記合流チューブに送出された前記原液の流れに対して概ね垂直に、前記希釈剤の流れが前記合流チューブに送出されるよう配置されている請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記アクチュエータが、
磁束を形成する巻回コイルと、
前記ポンプ本体に近接して前記コイルに接続されている強磁性材料製の集束リングと、
該集束リングから離間して、前記ポンプ本体に近接して前記コイルに接続されている強磁性材料製のポールピースとを備える請求項1に記載の器具。
【請求項5】
前記注出アクチュエータが、前記カートリッジの前記ポンプを脱着可能に収容するアパーチャを備えており、
保持プレートを備える装填扉をさらに備え、該装填扉が前記筐体に回動可能に取り付けられており、前記装填扉の閉位置においては、前記保持プレートが前記ポンプを前記アクチュエータ中の前記アパーチャ内に保ち前記カートリッジを前記筐体中に保持すると共に、前記装填扉の開位置においては、前記カートリッジが前記筐体から取り外し可能である請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記孔部が水出口に対して対向しており、前記コントローラが、水が注出されるに伴って前記カートリッジから前記原液が注出されるよう前記注出アクチュエータを制御する冷蔵庫または冷水器からなる請求項1に記載の器具。
【請求項7】
前記コントローラが温度などの他の器具機能を制御する請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記コントローラが、洗浄サイクル、および、該洗浄サイクルにおける所定の時間に従った前記カートリッジからの所定のまたはプログラム可能な量の流体の注出を制御する食器洗浄機または洗濯機からなる請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記コントローラが、前記カートリッジからの前記流体の注出量、および、注出される乳児用調製乳の温度を制御する乳児用調製乳ディスペンサからなる請求項1に記載の器具。
【請求項10】
前記コントローラが入力パラメータに基づいて薬物の注出量を制御する薬物ディスペンサからなる請求項1に記載の器具。
【請求項11】
前記金属製本体が非金属材料によって覆われている請求項1に記載の器具。
【請求項12】
前記カートリッジの1つ以上の部分が非金属材料製であるか、または、原液と接触する表面が非金属材料でコートされている請求項1に記載の器具。
【請求項13】
請求項14から請求項16のいずれかに記載のカートリッジ、または、請求項17から請求項40のいずれかに記載の流体用量計量デバイスを備える請求項1から請求項12のいずれかに記載の器具。
【請求項14】
流体ディスペンサ用カートリッジであって、
原液を含有するよう適応された中空体と、
該中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、
前記ポンプ本体中に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、
前記ポンプ本体における孔部とを備えるカートリッジ。
【請求項15】
前記金属製本体が非金属材料により覆われている請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記カートリッジの1つ以上の部分が非金属材料製であるか、または、前記原液と接触する表面が非金属材料でコートされている請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項17】
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された流体用量計量デバイスであって、
出口流路と入口流路を画定するコネクタ部を有し、該コネクタ部は流体容器に接続可能とされており、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する筐体と、
前記入口流路から前記出口流路への流れが妨げられる閉位置と、前記入口流路から前記出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう前記筐体の前記チャンバ内に移動可能に配設されたピストンとを備え、
該ピストンが、電磁コイルによる該ピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備え、該駆動部が外側本体中に配設されている流体用量計量デバイス。
【請求項18】
前記駆動部が前記外側本体によって封じ込まれている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項19】
前記閉位置にある前記ピストンが、前記出口流路とシール係合している請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項20】
前記外側本体がプラスチック製である請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項21】
前記筐体が周壁、底壁および頂壁を含んでおり、前記出口流路が前記底壁に配置されており、前記コネクタ部が前記頂壁に取り付けられており、前記入口流路が前記頂壁から前記コネクタ部の自由端に延在している請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項22】
前記周壁が管状の筐体を形成しており、前記入口流路および前記出口流路が前記管状の筐体の縦軸と並んでいる請求項21に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項23】
前記外側本体が、流体を前記ピストンの入口側から該ピストンの出口側に流通させる内部流路を有している請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項24】
前記外側本体が、前記ピストンの入口側から該ピストンの出口側に向かう方向にのみ流体を流通させるために、好ましくは逆止弁である1つ以上の弁を前記内部流路中に有している請求項23に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項25】
前記ピストンの前記外側本体が、組み立てられた状態で、前記駆動部を保持、好ましくは封じ込める2つの部品で構成されている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項26】
外側本体部品の一方が前記駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有し、前記外側本体部品の他方が空隙を閉じるよう構成されている請求項25に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項27】
前記筐体が2つの部品で構成されており、一方の部品が前記出口流路を備えており、他方の部品が前記入口流路を備えている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項28】
前記出口流路を備えている部品が前記周壁および前記底壁を含んでおり、他方の前記部品が前記頂壁および前記コネクタ部を含んでいる請求項21および請求項27に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項29】
前記ピストンに、該ピストンを前記閉位置に向かって動かそうとするバネ荷重がバネ部材によって加えられる請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項30】
前記外側本体が、前記閉位置において、前記出口流路とシール係合する、好ましくは前記出口流路中にシール係合する突出部を備えている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項31】
前記ピストンおよび前記出口流路が前記閉位置で相互に係合する対応するシール面を有しており、前記出口流路の前記シール面が前記筐体の外表面に延在している請求項30に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項32】
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された流体用量計量デバイスであって、
出口流路と入口流路を画定するコネクタ部を有し、該コネクタ部が流体容器に接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する筐体と、
前記入口流路から前記出口流路への流れが妨げられる閉位置と、前記入口流路から前記出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう前記筐体の前記チャンバ内に移動可能に配設されたピストンと、
該ピストンを前記閉位置に向かって動かそうとし、前記ピストンから前記入口流路に延在するバネ部材とを含み、
前記ピストンが、前記電磁コイルによる該ピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備える流体用量計量デバイス。
【請求項33】
前記バネ部材が圧縮バネである請求項32に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項34】
前記バネ部材がコイルバネである請求項32に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項35】
前記ピストンが前記入口流路に延在する軸部を備えており、前記バネ部材が前記軸部の周りに設けられている請求項32に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項36】
請求項17および/または請求項32に記載の流体用量計量デバイスと、前記コネクタ部に接続可能であるか、もしくは、前記コネクタ部に接続された流体容器との組み合わせ。
【請求項37】
前記コネクタ部が雄型コネクタ部であると共に前記流体容器が雌型コネクタ部を備えており、前記用量計量デバイスが、前記雄型コネクタ部を前記雌型コネクタ部に導入することにより前記流体容器に接続される請求項36に記載の組み合わせ。
【請求項38】
前記コネクタ部が、前記流体容器に対する第1および第2の接続位置を有しており、該第1の接続位置においては、前記コネクタ部が前記流体容器に予め組み込まれており、前記流体容器と前記デバイスとの間の流体の流通が遮断されており、前記第2の接続位置においては、前記コネクタ部が前記流体容器に接続されており、前記流体容器が前記デバイスと流体が流通可能である請求項36に記載の組み合わせ。
【請求項39】
前記コネクタ部が、該コネクタ部の縦方向における前記流体容器に対する相対的な移動により、前記第1の接続位置と前記第2の接続位置との間を移動するよう構成されている請求項38に記載の組み合わせ。
【請求項40】
前記コネクタ部が、該コネクタ部の縦方向に平行な軸についての前記流体容器に対する相対的な回転によって、前記第1の接続位置と前記第2の接続位置との間で移動するよう構成されている請求項38に記載の組み合わせ。
【請求項41】
入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能な内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、
強磁性駆動部を製造するステップと、
外側本体を製造するステップと、
前記駆動部および前記外側本体を組み立てて、前記30駆動部が前記外側本体に配設されるようピストンを形成するステップと、
前記ピストンが往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設されるよう、前記ピストンおよび前記筐体を組み立てるステップとを含み、
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された用量計量デバイスを作製する方法。
【請求項42】
入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、
前記ピストンを製造するステップと、
バネ部材を前記入口流路(すなわちコネクタ部)に配置させるステップと、
前記ピストンが往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設され、前記バネ部材によってバネ荷重が加えられているよう前記ピストンと前記筐体とを組み立てるステップとを含み、
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された用量計量デバイスを作製する方法。
【請求項43】
流体用量計量デバイスおよび流体容器の組み合わせを提供し、前記流体用量計量デバイスが、該デバイスが前記流体容器に対して第1の接続位置にあるよう前記流体容器に接続されており、前記第1の接続位置においては前記流体容器と前記デバイスとの間の流体の流通が遮断されているステップと、
前記デバイスを前記流体容器に対して第2の接続位置とし、該第2の接続位置においては、前記デバイスが前記流体容器に接続されており、前記デバイスが善意流体容器と流体の流通が可能とされているステップと、
前記デバイスと前記流体容器との組み合わせを注出装置に導入するステップとを含み、
前記流体用量計量デバイスおよび前記流体容器の組み合わせを注出装置に配置する方法。
【請求項44】
電磁コイルと、
該電磁コイルを駆動するコントローラと、
前記電磁コイルによって収容可能である請求項17から請求項40のいずれかに記載の用量計量デバイスと、
該用量計量デバイスに接続された流体容器とを備える注出システム。
【請求項1】
液体用のディスペンサを備え、飲用物メーカ、コーヒーメーカ、冷蔵庫、冷水器、食器洗浄機、洗濯機、乳児用調製乳ディスペンサ、または、薬物ディスペンサからなる群から選択される器具であって、
流体を注出するための注出領域を備える筐体と、
該筐体中のカートリッジ収容領域と、
前記筐体中に配設された電磁式注出アクチュエータと、
該注出アクチュエータによって駆動される位置の前記カートリッジ収容領域に脱着可能に挿入可能であり、該カートリッジ収容領域に置かれた後に前記注出領域に注出された原液を保持するよう適応されたカートリッジと、
前記筐体中に配設され、前記アクチュエータを制御して前記カートリッジから前記原液を吐出させるコントローラとを備え、
前記カートリッジが、
中空体と、
該中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、
前記ポンプ本体内に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、
前記ポンプ本体における孔部とを備える器具。
【請求項2】
希釈剤ポンプの少なくとも1つに接続された希釈剤供給ラインと、希釈剤と原液との流れを送出するための制御弁とをさらに含み、前記ポンプ本体の前記孔部が、前記希釈剤の流れに前記流体の流れが送出されるよう配置されている請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記希釈剤供給ラインに接続されていると共に前記カートリッジの前記ポンプ本体に脱着可能に接続されている合流チューブをさらに含み、前記希釈剤供給ラインが、前記ポンプ本体によって前記合流チューブに送出された前記原液の流れに対して概ね垂直に、前記希釈剤の流れが前記合流チューブに送出されるよう配置されている請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記アクチュエータが、
磁束を形成する巻回コイルと、
前記ポンプ本体に近接して前記コイルに接続されている強磁性材料製の集束リングと、
該集束リングから離間して、前記ポンプ本体に近接して前記コイルに接続されている強磁性材料製のポールピースとを備える請求項1に記載の器具。
【請求項5】
前記注出アクチュエータが、前記カートリッジの前記ポンプを脱着可能に収容するアパーチャを備えており、
保持プレートを備える装填扉をさらに備え、該装填扉が前記筐体に回動可能に取り付けられており、前記装填扉の閉位置においては、前記保持プレートが前記ポンプを前記アクチュエータ中の前記アパーチャ内に保ち前記カートリッジを前記筐体中に保持すると共に、前記装填扉の開位置においては、前記カートリッジが前記筐体から取り外し可能である請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記孔部が水出口に対して対向しており、前記コントローラが、水が注出されるに伴って前記カートリッジから前記原液が注出されるよう前記注出アクチュエータを制御する冷蔵庫または冷水器からなる請求項1に記載の器具。
【請求項7】
前記コントローラが温度などの他の器具機能を制御する請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記コントローラが、洗浄サイクル、および、該洗浄サイクルにおける所定の時間に従った前記カートリッジからの所定のまたはプログラム可能な量の流体の注出を制御する食器洗浄機または洗濯機からなる請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記コントローラが、前記カートリッジからの前記流体の注出量、および、注出される乳児用調製乳の温度を制御する乳児用調製乳ディスペンサからなる請求項1に記載の器具。
【請求項10】
前記コントローラが入力パラメータに基づいて薬物の注出量を制御する薬物ディスペンサからなる請求項1に記載の器具。
【請求項11】
前記金属製本体が非金属材料によって覆われている請求項1に記載の器具。
【請求項12】
前記カートリッジの1つ以上の部分が非金属材料製であるか、または、原液と接触する表面が非金属材料でコートされている請求項1に記載の器具。
【請求項13】
請求項14から請求項16のいずれかに記載のカートリッジ、または、請求項17から請求項40のいずれかに記載の流体用量計量デバイスを備える請求項1から請求項12のいずれかに記載の器具。
【請求項14】
流体ディスペンサ用カートリッジであって、
原液を含有するよう適応された中空体と、
該中空体に接続されたポンプ本体を有するポンプと、
前記ポンプ本体中に配置された強磁性材料を含む金属製本体と、
前記ポンプ本体における孔部とを備えるカートリッジ。
【請求項15】
前記金属製本体が非金属材料により覆われている請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記カートリッジの1つ以上の部分が非金属材料製であるか、または、前記原液と接触する表面が非金属材料でコートされている請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項17】
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された流体用量計量デバイスであって、
出口流路と入口流路を画定するコネクタ部を有し、該コネクタ部は流体容器に接続可能とされており、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する筐体と、
前記入口流路から前記出口流路への流れが妨げられる閉位置と、前記入口流路から前記出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう前記筐体の前記チャンバ内に移動可能に配設されたピストンとを備え、
該ピストンが、電磁コイルによる該ピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備え、該駆動部が外側本体中に配設されている流体用量計量デバイス。
【請求項18】
前記駆動部が前記外側本体によって封じ込まれている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項19】
前記閉位置にある前記ピストンが、前記出口流路とシール係合している請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項20】
前記外側本体がプラスチック製である請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項21】
前記筐体が周壁、底壁および頂壁を含んでおり、前記出口流路が前記底壁に配置されており、前記コネクタ部が前記頂壁に取り付けられており、前記入口流路が前記頂壁から前記コネクタ部の自由端に延在している請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項22】
前記周壁が管状の筐体を形成しており、前記入口流路および前記出口流路が前記管状の筐体の縦軸と並んでいる請求項21に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項23】
前記外側本体が、流体を前記ピストンの入口側から該ピストンの出口側に流通させる内部流路を有している請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項24】
前記外側本体が、前記ピストンの入口側から該ピストンの出口側に向かう方向にのみ流体を流通させるために、好ましくは逆止弁である1つ以上の弁を前記内部流路中に有している請求項23に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項25】
前記ピストンの前記外側本体が、組み立てられた状態で、前記駆動部を保持、好ましくは封じ込める2つの部品で構成されている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項26】
外側本体部品の一方が前記駆動部を収容するための空隙を有するカップ形状を有し、前記外側本体部品の他方が空隙を閉じるよう構成されている請求項25に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項27】
前記筐体が2つの部品で構成されており、一方の部品が前記出口流路を備えており、他方の部品が前記入口流路を備えている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項28】
前記出口流路を備えている部品が前記周壁および前記底壁を含んでおり、他方の前記部品が前記頂壁および前記コネクタ部を含んでいる請求項21および請求項27に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項29】
前記ピストンに、該ピストンを前記閉位置に向かって動かそうとするバネ荷重がバネ部材によって加えられる請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項30】
前記外側本体が、前記閉位置において、前記出口流路とシール係合する、好ましくは前記出口流路中にシール係合する突出部を備えている請求項17に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項31】
前記ピストンおよび前記出口流路が前記閉位置で相互に係合する対応するシール面を有しており、前記出口流路の前記シール面が前記筐体の外表面に延在している請求項30に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項32】
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された流体用量計量デバイスであって、
出口流路と入口流路を画定するコネクタ部を有し、該コネクタ部が流体容器に接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する筐体と、
前記入口流路から前記出口流路への流れが妨げられる閉位置と、前記入口流路から前記出口流路への流れが許容される開位置との間で往復動作するよう前記筐体の前記チャンバ内に移動可能に配設されたピストンと、
該ピストンを前記閉位置に向かって動かそうとし、前記ピストンから前記入口流路に延在するバネ部材とを含み、
前記ピストンが、前記電磁コイルによる該ピストンの電磁的駆動のための強磁性駆動部を備える流体用量計量デバイス。
【請求項33】
前記バネ部材が圧縮バネである請求項32に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項34】
前記バネ部材がコイルバネである請求項32に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項35】
前記ピストンが前記入口流路に延在する軸部を備えており、前記バネ部材が前記軸部の周りに設けられている請求項32に記載の流体用量計量デバイス。
【請求項36】
請求項17および/または請求項32に記載の流体用量計量デバイスと、前記コネクタ部に接続可能であるか、もしくは、前記コネクタ部に接続された流体容器との組み合わせ。
【請求項37】
前記コネクタ部が雄型コネクタ部であると共に前記流体容器が雌型コネクタ部を備えており、前記用量計量デバイスが、前記雄型コネクタ部を前記雌型コネクタ部に導入することにより前記流体容器に接続される請求項36に記載の組み合わせ。
【請求項38】
前記コネクタ部が、前記流体容器に対する第1および第2の接続位置を有しており、該第1の接続位置においては、前記コネクタ部が前記流体容器に予め組み込まれており、前記流体容器と前記デバイスとの間の流体の流通が遮断されており、前記第2の接続位置においては、前記コネクタ部が前記流体容器に接続されており、前記流体容器が前記デバイスと流体が流通可能である請求項36に記載の組み合わせ。
【請求項39】
前記コネクタ部が、該コネクタ部の縦方向における前記流体容器に対する相対的な移動により、前記第1の接続位置と前記第2の接続位置との間を移動するよう構成されている請求項38に記載の組み合わせ。
【請求項40】
前記コネクタ部が、該コネクタ部の縦方向に平行な軸についての前記流体容器に対する相対的な回転によって、前記第1の接続位置と前記第2の接続位置との間で移動するよう構成されている請求項38に記載の組み合わせ。
【請求項41】
入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能な内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、
強磁性駆動部を製造するステップと、
外側本体を製造するステップと、
前記駆動部および前記外側本体を組み立てて、前記30駆動部が前記外側本体に配設されるようピストンを形成するステップと、
前記ピストンが往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設されるよう、前記ピストンおよび前記筐体を組み立てるステップとを含み、
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された用量計量デバイスを作製する方法。
【請求項42】
入口流路と、該入口流路を画定するコネクタ部とを有する筐体であって、前記コネクタ部が流体容器と接続可能であり、前記入口流路および前記出口流路と流体が流通可能である内部チャンバを形成する前記筐体を製造するステップと、
前記ピストンを製造するステップと、
バネ部材を前記入口流路(すなわちコネクタ部)に配置させるステップと、
前記ピストンが往復動作するよう前記チャンバ内に移動可能に配設され、前記バネ部材によってバネ荷重が加えられているよう前記ピストンと前記筐体とを組み立てるステップとを含み、
電磁コイルを有する注出装置に脱離可能に収容されるよう適応された用量計量デバイスを作製する方法。
【請求項43】
流体用量計量デバイスおよび流体容器の組み合わせを提供し、前記流体用量計量デバイスが、該デバイスが前記流体容器に対して第1の接続位置にあるよう前記流体容器に接続されており、前記第1の接続位置においては前記流体容器と前記デバイスとの間の流体の流通が遮断されているステップと、
前記デバイスを前記流体容器に対して第2の接続位置とし、該第2の接続位置においては、前記デバイスが前記流体容器に接続されており、前記デバイスが善意流体容器と流体の流通が可能とされているステップと、
前記デバイスと前記流体容器との組み合わせを注出装置に導入するステップとを含み、
前記流体用量計量デバイスおよび前記流体容器の組み合わせを注出装置に配置する方法。
【請求項44】
電磁コイルと、
該電磁コイルを駆動するコントローラと、
前記電磁コイルによって収容可能である請求項17から請求項40のいずれかに記載の用量計量デバイスと、
該用量計量デバイスに接続された流体容器とを備える注出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図34C】
【図34D】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図36A】
【図36B】
【図36C】
【図37A】
【図37B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図34C】
【図34D】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図36A】
【図36B】
【図36C】
【図37A】
【図37B】
【公表番号】特表2013−514158(P2013−514158A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544828(P2012−544828)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060776
【国際公開番号】WO2011/084603
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512157852)インテリジェント コーヒー カンパニー エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060776
【国際公開番号】WO2011/084603
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512157852)インテリジェント コーヒー カンパニー エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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