説明

ポンプ、ドアチェック装置及びダンパ

【課題】シール性がよいポンプ、ドアチェック装置及びダンパを提供することにある。
【解決手段】ポンプ51は、ケーシング60の内壁面に押接するフラップシール部73と、フラップシール部73の一方の端部側に接続され、シャフト69の周面に設けられ、ケーシング60の第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部75と、フラップシール部73の他方の端部側に接続され、シャフト69の周面に設けられ、ケーシング60の第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部77と、一端部が第1シャフトシール部75に接続され、他端部が第2シャフトシール部77に接続され、中間部がシャフト69の周面で、シャフト69の軸方向に沿って設けられ、ケーシング60の内壁面に押接する第3シャフトシール部79とからなる弾性材でなるパッキン71を設け、フラップ67、シャフト69に、パッキン71が嵌合する溝を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ、ドアチェック装置及びダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
液体が充填されるケーシングと、該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフトと、該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップと、前記ケーシングの前記第1室側に設けられる第1液体吐出口と、前記ケーシングの前記第2室側に設けられる第2液体吐出口とを有し、前記シャフトの回転方向に応じて、液体を前記第1液体吐出口または第2液体吐出口から吐出するポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004ー286128公報(図10、図11、図14)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のポンプにおいては、ケーシングの内壁面と、シャフト、フラップとの間のシールは、複数のシール部材で行われており、シール部材間に隙間が発生し、シール性が悪いという問題点がある。特に、このような構成のポンプをドアチェック装置やダンパに用いる場合、ポンプでのシール不良による液漏れ量が大きくばらつき、ドアチェック装置やダンパの性能がばらつく問題点がある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、シール性がよいポンプ、ドアチェック装置及びダンパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、液体が充填されるケーシングと、該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフトと、該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップと、前記ケーシングの前記第1室側に設けられる第1液体吐出口と、前記ケーシングの前記第2室側に設けられる第2液体吐出口とを有し、前記シャフトの回転方向に応じて、液体を前記第1液体吐出口または第2液体吐出口から吐出するポンプであって、前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部と、該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部と、該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部と、一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部と、からなる弾性材でなるパッキンを設け、前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したことを特徴とするポンプである。
【0006】
シャフトが第1室の体積が減る方向に回転すると、第1液体吐出口から液体が吐出される。シャフトが第2室の体積が減る方向に回転すると、第2液体吐出口から液体が吐出される。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記ケーシングの第1部側の前記シャフトの周面に、前記フラップの前記フラップシール部の一方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、前記シャフトの径より大きな径の第1つば部が形成され、前記ケーシングの第2部側の前記シャフトの周面に、前記フラップの前記フラップシール部の他方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、前記第1つば部と同じ径の第2つば部が形成され、前記シャフトの軸方向に沿って、前記第1つば部から、前記第2つば部まで、軸方向突部が形成され、該軸方向突部は、前記第1つば部の周面、前記第2つば部の周面と面一に延び、前記第1つば部に前記パッキンの第1シャフトシール部が設けられ、前記第2つば部に前記パッキンの第2シャフトシール部が設けられ、前記軸方向突部に前記パッキンの第3シャフトシール部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のポンプである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記第1つば部の前記ケーシングの第1部と対向する面には、前記第1部に向かって延出し、前記第1つば部と同軸で、前記第1つば部より径が小さく、前記シャフトの径よりも径が大きな円柱状の第1段部が形成され、前記第2つば部の前記ケーシングの第2部と対向する面には、前記第2部に向かって延出し、前記第2つば部と同軸で、前記第2つば部より径が小さく、前記シャフトの径よりも径が大きな円柱状の第2段部が形成され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部には、前記シャフトが挿通する第1穴、第2穴が形成され、前記ケーシングの第1部の第1穴は、前記第1つば部より径が小さく、前記第1段部より径が大きな第1大径部と、前記第1段部より径が小さく、前記シャフトの径より径が大きな第1小径部とからなり、前記ケーシングの第2部の第2穴は、前記第2つば部より径が小さく、前記第2段部より径が大きな第2大径部と、前記第2段部より径が小さく、前記シャフトの径より径が大きな第2小径部とからなっていることを特徴とする請求項2記載のポンプである。
【0009】
請求項4に係る発明は、液体が充填されるケーシング,該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフト,該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップ,前記ケーシングの前記第1室側に設けられる第1液体吐出口,前記ケーシングの前記第2室側に設けられる第2液体吐出口を有し、前記シャフトの回転方向に応じて、液体を前記第1液体吐出口または第2液体吐出口から吐出するポンプであって、前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部,該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部,該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部,一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部,からなる弾性材でなるパッキンを設け、前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したポンプと、該ポンプの前記第1液体吐出口と前記第2液体吐出口との間に設けられ、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と、前記ポンプの第2液体吐出口の液体圧力との差がなければ、前記第1液体吐出口、前記第2液体吐出口間の液体の流れを遮断し、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と第2液体吐出口の液体圧力とに差があると、第1液体吐出口、第2液体吐出口間の液体の流れを許可する2ウェイバルブと、からなることを特徴とするドアチェック装置である。
【0010】
ドアが停止していると、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と、前記ポンプの第2液体吐出口の液体圧力との差がなく、2ウェイバルブにより前記第1液体吐出口、前記第2液体吐出口間の液体の流れが遮断される。
【0011】
ドアが回転すると、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と第2液体吐出口の液体圧力とに差が発生し、2ウェイバルブにより第1液体吐出口、第2液体吐出口間の液体の流れが許可される。ポンプの第1液体吐出口、第2液体吐出口間の液体の流れが許可されると、ポンプの第1液体吐出口から吐出された液体は、2ウェイバルブを介して、ポンプの第2液体吐出口へ返却され、ポンプの第2液吐出口から吐出された液体は、2ウェイバルブを介して、ポンプの第1液体吐出口へ返却される。
【0012】
請求項5に係る発明ば、液体が充填されるケーシング,該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフト,該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップ,前記ケーシングの前記第1室側に設けられる第1液体吐出口,前記ケーシングの前記第2室側に設けられる第2液体吐出口を有し、前記シャフトの回転方向に応じて、液体を前記第1液体吐出口または第2液体吐出口から吐出するポンプであって、前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部,該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部,該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部,一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部,からなる弾性材でなるパッキンを設け、前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したポンプと、該ポンプの前記第1液体吐出口と前記第2液体吐出口との間に設けられ、第1液体吐出口から第2液体吐出口へ間の液体の流れを許可する第1の1ウェイバルブと、前記ポンプの前記第1液体吐出口と前記第2液体吐出口との間に設けられ、第2液体吐出口から第1液体吐出口への液体の流れを許可する第2の1ウェイバルブと、からなることを特徴とするドアチェック装置である。
【0013】
ドアが停止していると、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と、前記ポンプの第2液体吐出口の液体圧力との差がなく、第1のウェイバルブ、第2の1ウェイバルブにより前記第1液体吐出口、前記第2液体吐出口間の液体の流れが遮断される。
【0014】
ドアが回転すると、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と第2液体吐出口の液体圧力とに差が発生する。
前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力の方が第2液体吐出口の液体圧力より高い場合、第1の1ウェイバルブにより、第1液体吐出口から第2液体吐出口への液体の流れが許可される。
【0015】
前記ポンプの第2液体吐出口の液体圧力の方が第1液体吐出口の液体圧力より高い場合、第2の1ウェイバルブにより、第2液体吐出口から第1液体吐出口への液体の流れが許可される。
【0016】
請求項6に係る発明は、液体が充填されるケーシングと、該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフトと、該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップと、前記ケーシングの前記第1室と前記第2室との間に設けられた流路と、該流路に設けられたオリフィスと、を有したダンパであって、前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部と、該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部と、該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部と、一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部と、からなる弾性材でなるパッキンを設け、前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したことを特徴とするダンパである。
【0017】
シャフトに回転力が作用すると、ケーシングの第1室と前記第2室との間に設けられた流路に液体が流れる。液体が流路内のオリフィスを通過する際に、管路抵抗が大きくなり、シャフトを回転させるエネルギーが減少する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1−6に係る発明によれば、前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部と、該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部と、該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部と、一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部と、からなる弾性材でなるパッキンを設けた。即ち、パッキンが一体ものであるので、シール性がよい。
【0019】
また、前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したことにより、パッキンがはずれにくい。
パッキンは弾性を有することにより、取り付けも容易である。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、前記ケーシングの第1部側の前記シャフトの周面に、前記フラップの前記フラップシール部の一方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、前記シャフトの径より大きな径の第1つば部が形成され、前記ケーシングの第2部側の前記シャフトの周面に、前記フラップの前記フラップシール部の他方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、前記第1つば部と同じ径の第2つば部が形成され、前記シャフトの軸方向に沿って、前記第1つば部から、前記第2つば部まで、軸方向突部が形成され、該軸方向突部は、前記第1つば部の周面、前記第2つば部の周面と面一に延び、前記第1つば部に前記パッキンの第1シャフトシール部が設けられ、前記第2つば部に 前記パッキンの第2シャフトシール部が設けられ、前記軸方向突部に前記パッキンの第3シャフトシール部が設けられている。
【0021】
即ち、第1つば部は、前記フラップの前記フラップシール部の一方の端部側が設けられる面と面一の面を有している。また、第2つば部は、前記フラップの前記フラップシール部の他方の端部側が設けられる面と面一の面を有している。更に、軸方向突部は、前記第1つば部の周面、前記第2つば部の周面と面一に延びる。
【0022】
即ち、パッキンのフラップシール部の一方の端部側と第1シャフトシール部とは、同一面上ある。また、パッキンのフラップシール部の他方の端部側と第2シャフトシール部とは、同一面上ある。よって、シール性がよい。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、前記第1つば部の前記ケーシングの第1部と対向する面には、前記第1部に向かって延出し、前記第1つば部と同軸で、前記第1つば部より径が小さく、前記シャフトの径よりも径が大きな円柱状の第1段部が形成され、前記第2つば部の前記ケーシングの第2部と対向する面には、前記第2部に向かって延出し、前記第2つば部と同軸で、前記第2つば部より径が小さく、前記シャフトの径よりも径が大きな円柱状の第2段部が形成され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部には、前記シャフトが挿通する第1穴、第2穴が形成され、前記ケーシングの第1部の第1穴は、前記第1つば部より径が小さく、前記第1段部より径が大きな第1大径部と、前記第1段部より径が小さく、前記シャフトの径より径が大きな第1小径部とからなり、前記ケーシングの第2部の第2穴は、前記第2つば部より径が小さく、前記第2段部より径が大きな第2大径部と、前記第2段部より径が小さく、前記シャフトの径より径が大きな第2小径部とからなっている。
【0024】
即ち、ケーシングの第1部の第1穴の第1大径部にはシャフトの第1段部が、ケーシングの第1穴の第1小径部にはシャフトが嵌合する。ケーシングの第2穴の第2大径部にはシャフトの第2段部が、ケーシングの第2穴の第2小径部にはシャフトが嵌合する。
【0025】
よって、シャフトの第1段部がケーシングの第1部の第1穴の第1大径部の底面に当接し、また、シャフトの第2段部がケーシングの第2部の第2穴の第2大径部の底面に当接することにより、シャフトの軸方向の位置決めが行われ、パッキンのケーシングの内壁面に押接する圧力が一定となり、シール性がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
『第1の形態例』
定圧力作動2ウェイバルブを用いたドアチェック装置の形態例で説明する。
<全体構成>
最初に、図2を用いて、全体構成を説明する。図において、51がポンプである。このポンプ51には、シャフト69が設けられている。このシャフト69は、図示しないドアの回転軸(ヒンジピン)に接続され、ドアが回転すると、ドアと共に回転するようになっている。ポンプ51の内部には、液体(本形態例ではオイル)が充填されている。また、ポンプ51には、第1液体吐出口57、第2液体吐出口59が設けられ、ドアの回転方向に応じて、液体が第1液体吐出口57または第2液体吐出口59から吐出するようになっている。
【0027】
201は、定圧力作動2ウェイバルブである。定圧力作動2ウェイバルブ201には、 第1液体導入口203c、第2液体導入口205cが設けられている。
そして、ポンプ51の第1液体吐出口57と定圧力作動2ウェイバルブ201の第1液体導入口203cとは、パイプ41を用いて接続され、ポンプ51の第2液体吐出口59と定圧力作動2ウェイバルブ201の第2液体導入口205cとは、パイプ43を用いて接続されている。
<ポンプ51>
次に、図3−図6を用いてポンプ51を説明する。図3は図2のポンプの分解斜視図、図4は図2のポンプの側面図、図5は図4の切断線A−Aでの断面図、図6は図5の切断線B−Bでの断面図である。
【0028】
図3−図6に示すように、ポンプ51は、底面の形状が略扇形で、上面が開放された中空の筒体のケーシング本体63と、このケーシング本体63の開放された面を塞ぐように設けられるケーシングキャップ65とを有している。ケーシング本体63とケーシングキャップ65とでケーシング60が構成されている。
【0029】
ケーシング本体63内には、ケーシング本体63内を第1室81、第2室83に分けるフラップ67が設けられている。このフラップ67はシャフト69と一体的に形成されている。そして、シャフト69の一方の端部側は、ケーシング本体63の底面(第2部)に形成された第2穴63aに嵌合し、シャフト69の他方の端部側は、ケーシングキャップ65(第1部)に形成された第1穴65aに嵌合し、シャフト69は回転可能に支持されている。また、ケーシング60内には液体が充填されている。
【0030】
フラップ67、シャフト69には、ケーシング本体63,ケーシングキャップ65の内壁面とフラップ67,シャフト69とのシールを行うパッキン71が設けられている。
本形態例のパッキン71は、ゴム等の弾性体で構成された一体成形品で、図3に示すように、以下のような部位を有している。
(1)フラップ67の第1室81、第2室83に対向する面以外の面で、ケーシング60の内壁面と対向する面に沿って設けられ、ケーシング60の内壁面に押接するフラップシール部73。
(2)フラップシール部73の一方の端部側に接続され、シャフト69の周面で、シャフト69の周方向に設けられ、ケーシング60の第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部75。
【0031】
該フラップシール部73の他方の端部側に接続され、シャフト69の周面で、シャフト69の周方向に設けられ、ケーシング60の第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部77。
(3)一端部が第1シャフトシール部75に接続され、他端部が第2シャフトシール部77に接続され、中間部がシャフト69の周面で、シャフト69の軸方向に沿って設けられ、ケーシング60の内壁面に押接する第3シャフトシール部79。
【0032】
ケーシング60のケーシングキャップ65(第1部)側のシャフト69の周面には、フラップ67のフラップシール部73の一方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、シャフト69の径より大きな径の第1つば部69aが形成されている。また、ケーシング60のケーシング本体63の底面(第2部)側のシャフト69の周面には、フラップ67のフラップシール部73の他方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、第1つば部69aと同じ径を有し、シャフト69の径より大きな径の第2つば部69bが形成されている。更に、シャフト69の軸方向に沿って、第1つば部69aから、第2つば部69bまで、軸方向突部69fが形成され、該軸方向突部69fは、第1つば部69aの周面、第2つば部69bの周面と面一に延びている。
【0033】
そして、第1つば部69aにパッキンの第1シャフトシール部75が設けられ、第2つば部69bにパッキンの第2シャフトシール部77が設けられ、軸方向突部69fにパッキンの第3シャフトシール部79が設けらる。
【0034】
第1つば部69aのケーシング60のケーシングキャップ65(第1部)と対向する面には、ケーシングキャップ65(第1部)に向かって延出し、第1つば部69aと同軸で、第1つば部69aより径が小さく、シャフト69の径よりも径が大きな円柱状の第1段部69dが形成されている。
【0035】
第2つば部69bのケーシング60のケーシング本体63の底面(第2部)と対向する面には、ケーシング本体63の底面(第2部)に向かって延出し、第2つば部69bと同軸で、第2つば部69bより径が小さく、シャフト69の径よりも径が大きな円柱状の第2段部69eが形成されている。
【0036】
そして、ケーシング60のケーシングキャップ65(第1部)の第1穴65aは、第1つば部69aより径が小さく、第1段部69dより径が大きな第1大径部65bと、第1段部69dより径が小さく、シャフト69の径より径が大きな第1小径部65cとからなっている。一方、ケーシング60のケーシング本体63の底面(第2部)の第2穴63aは、第2つば部69bより径が小さく、第2段部69eより径が大きな第2大径部63cと、第2段部69eより径が小さく、シャフト69の径より径が大きな第2小径部63dとからなっている。
【0037】
そして、フラップ67には、第1室81、第2室83に対向する面以外の面には、パッキン71のフラップシール部73が嵌合する溝67aが形成されている。シャフト69の第1つば部69aには、フラップ67の溝67aに接続され、パッキン71の第1シャフトシール部75が嵌合する溝69cが形成されている。シャフト69の第2つば部69bには、フラップ67の溝67aに接続され、パッキン71の第2シャフトシール部77が嵌合する溝69hが形成されている。更に、シャフト69の軸方向突部69fには、一端部が溝69cに接続され、他端部が溝69hに接続され、中間部がシャフト69の周面で、シャフト69の軸方向に沿って設けられ、パッキン71の第3シャフトシール部79が嵌合する溝69iが形成されている。
【0038】
上記構成のポンプ51の作動を説明する。図示しないドアが回転すると、シャフト69,フラップ67も回転し、ドアの回転方向に応じて、液体が第1液体吐出口57または第2液体吐出口59から吐出する。
<定圧力作動2ウェイバルブ201>
次に、図1を用いて、定圧力作動2ウェイバルブ201を説明する。図1は定圧力作動2ウェイバルブの断面図で、(a)図は第1室内の液体圧力と第2室内の液体圧力との差が設定値以下の状態を示す図、(b)図は第1室内の液体圧力が第2室内の液体圧力より高く、その差が設定値を超えた状態を示す図、(c)図は第2室内の液体圧力が第1室内の液体圧力より高く、その差が設定値を超えた状態を示す図である。
【0039】
図1(a)に示すように、定圧力作動2ウェイバルブ201の内部には、液体が充填される第1室203と、液体が充填される第2室205と、第1室203と、第2室205との間に設けられた接続部207とが形成されている。
【0040】
第1室203、第2室205、接続部207の断面形状は、中心が同一直線上に位置する円形であり、更に、接続部207の断面形状は、第1室203、第2室205の断面形状より小さく設定されている。
【0041】
そして、第1室203の接続部207側と反対側の面203b、第2室205の接続部207側と反対側の面205bには、ガイド穴203a、ガイド穴205aが形成されている。これらのガイド穴203a、ガイド穴205aは、同一直線上に沿うように形成されている。
【0042】
そして、シャフト211の一端部側がガイド穴203aに遊嵌し、他端部側がガイド穴205aに遊嵌している。シャフト211の長さ(l)は、ガイド穴203aの底面からガイド穴205aの底面までの長さ(L)より短くなるように設定されている。従って、シャフト211はその軸方向に移動可能となっている。
【0043】
また、シャフト211には、弁体213が取り付けられている。この弁体213は、シャフト211がその軸方向に移動することにより、接続部207を介して第1室203と第2室205との間で移動可能となるように設けられている。更に、弁体213の周面には、Oリング215が設けられ、弁体213が接続部207に位置する際には、Oリング215が接続部207の壁面に押接し、第1室203と第2室205との間を封止し、第1室203と第2室205との間の液体の行き来を遮断するようになっている。
【0044】
第1室203には、シャフト211を巻回し、一端部が面203bに当接し、他端部が弁体213に当接し、弁体213を第2室205方向へ付勢するスプリング221(第1付勢手段)が設けられている。第2室205には、シャフト211を巻回し、一端部が面205bに当接し、他端部が弁体213に当接し、弁体213を第1室203方向へ付勢するスプリング223(第2付勢手段)が設けられている。
【0045】
そして、第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値以下ならば、弁体213を接続部207に位置させ、第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値を超えると、液体圧力が小さい方の室へ向かって弁体213を移動させ、液体圧力が大きい室から液体圧力が小さい室に向かって液体が流れるように、スプリング221、スプリング223の付勢力が設定されている。
【0046】
上記構成の定圧力作動2ウェイバルブ201の作動を説明する。
第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値以下ならば、図1(a)に示すように、弁体213が接続部207に位置する。
【0047】
第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値を超えると、図1(b)または図1(c)に示すように、液体圧力が低い方の室に設けられたスプリングの付勢力に抗して弁体213が液体圧力の小さい室へ向かって移動し、液体圧力が大きい室から液体圧力が小さい方の室に向かって液体が流れる。
<ドアチェック装置の作動>
ドアが回転すると、ドアの回転方向により、ポンプ51の第1液体吐出口57、第2液体吐出口59のうちのどちらか一方の吐出口から液体が吐出される。ポンプ51の第1液体吐出口57から液体が吐出された場合は、パイプ41を液体が通り、定圧力作動2ウェイバルブ201の第1室203内の液体圧力が上がる。ポンプ51の第2液体吐出口59から液体が吐出された場合は、パイプ43を液体が通り、定圧力作動2ウェイバルブ201の第2室205内の液体圧力が上がる。
【0048】
定圧力作動2ウェイバルブ201の第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値以下ならば、弁体213が接続部207に位置する。
定圧力作動2ウェイバルブ201の第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値を超えると、液体圧力が低い方の室に設けられたスプリングの付勢力に抗して弁体213が液体圧力の小さい室へ向かって移動し、液体圧力が大きい室から液体圧力が小さい方の室に向かって液体が流れる。小さい方の室に向かって流れた液体は、ポンプ51に返却される。
【0049】
定圧力作動2ウェイバルブ201の第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値以下ならば、弁体213が接続部207に位置するので、ドアの回転に対して大きな抵抗となる。すなわち、ドアは、大きな力が作用しない限り、任意の位置でその状態を保持している。
【0050】
しかし、ドアが回転を始めて、定圧力作動2ウェイバルブ201の第1室203内の液体圧力と第2室205内の液体圧力との差が設定値を超えると、液体圧力が小さい方の室へ向かって弁体213が移動し、液体圧力が大きい室から液体圧力が小さい方の室に向かって液体が流れるので、ドアの回転に対する抵抗は小さくなる。すなわち、一旦ドアが開閉し出すと、小さな力で開閉可能となる。
【0051】
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)パッキン71は、フラップ67の第1室81、第2室83に対向する面以外の面で、ケーシング60の内壁面と対向する面に沿って設けられ、ケーシング60の内壁面に押接するフラップシール部73と、フラップシール部73の一方の端部側に接続され、シャフト69の周面で、シャフト69の周方向に設けられ、ケーシング60の第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部75と、該フラップシール部73の他方の端部側に接続され、シャフト69の周面で、シャフト69の周方向に設けられ、ケーシング60の第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部77と、一端部が第1シャフトシール部75に接続され、他端部が第2シャフトシール部77に接続され、中間部がシャフト69の周面で、シャフト69の軸方向に沿って設けられ、ケーシング60の内壁面に押接する第3シャフトシール部79とでなることにより、パッキン71が一体ものであり、シール性がよい。
(2)パッキン71は、フラップ67の溝67a、シャフト69の第1つば部69aの溝69c、第2つば部69bの溝69h、軸方向突部69fの溝69iに嵌合することにより、はずれにくい。
(3)パッキン71は弾性を有することにより、取り付けも容易である。
(4)第1つば部69aは、フラップ67のフラップシール部73の一方の端部側が設けられる面と面一の面を有している。また、第2つば部69bは、フラップ67のフラップシール部73の他方の端部側が設けられる面と面一の面を有している。更に、軸方向突部69fは、第1つば部69aの周面、第2つば部69bの周面と面一に延びる。
【0052】
即ち、パッキン71のフラップシール部73の一方の端部側と第1シャフトシール部75とは、同一面上にある。また、パッキン71のフラップシール部73の他方の端部側と第2シャフトシール部77とは、同一面上にある。よって、シール性がよい。
(5)第1つば部69aのケーシング60のケーシングキャップ65(第1部)と対向する面には、ケーシングキャップ65(第1部)に向かって延出し、第1つば部69aと同軸で、第1つば部69aより径が小さく、シャフト69の径よりも径が大きな円柱状の第1段部69dが形成されている。
【0053】
第2つば部69bのケーシング60のケーシング本体63の底面(第2部)と対向する面には、ケーシング本体63の底面(第2部)に向かって延出し、第2つば部69bと同軸で、第2つば部69bより径が小さく、シャフト69の径よりも径が大きな円柱状の第2段部69eが形成されている。
【0054】
そして、ケーシング60のケーシングキャップ65(第1部)の第1穴65aは、第1つば部69aより径が小さく、第1段部69dより径が大きな第1大径部65bと、第1段部69dより径が小さく、シャフト69の径より径が大きな第1小径部65cとからなっている。一方、ケーシング60のケーシング本体63の底面(第2部)の第2穴63aは、第2つば部69bより径が小さく、第2段部69eより径が大きな第2大径部63cと、第2段部69eより径が小さく、シャフト69の径より径が大きな第2小径部63dとからなっている。
【0055】
即ち、ケーシング60のケーシングキャップ65(第1部)の第1穴65aの第1大径部65bにはシャフト69の第1段部69dが、ケーシング60の第1穴65aの第1小径部65cにはシャフト69が嵌合する。ケーシング60のケーシング本体63の底面(第2部)の第2穴63aの第2大径部63cにはシャフト69の第2段部69eが、ケーシング60の第2穴63aの第2小径部63dにはシャフト69が嵌合する。
【0056】
よって、シャフト69の第1段部69dがケーシング60の第1穴65aの第1大径部65bの底面に当接し、また、シャフト69の第2段部69eがケーシング60の第2穴63aの第2大径部63cの底面に当接することにより、シャフト69の軸方向の位置決めが行われ、パッキン71のケーシング60の内壁面に押接する圧力が一定となり、シール性がよい。
(6)このように、シール性がよいポンプ51を用いることで、ドアチェック装置の性能がばらつかない。
【0057】
尚、上記説明では、ドアチェック装置を構成するポンプ51と、定圧力作動2ウェイバルブ201とは別体として説明したが、図7、図8に示すように、ポンプと、定圧力作動2ウェイバルブとが一体化されたドアチェック装置としてもよい。
【0058】
図7に示すように、ドア300は、アッパヒンジ301とロアヒンジ303を用いて、ボデー305に回転可能に取り付けられている。そして、ポンプと、定圧力作動2ウェイバルブとが一体化されたドアチェック装置401が、アッパヒンジ301側に設けられる。
【0059】
図8に示すように、アッパヒンジ301は、基端部側がボデー305側に取り付けられるヒンジフィメール311と、基端部側がドア300側に取り付けられるヒンジメール313と、ヒンジフィメール311の先端部側に設けられた穴311aに遊嵌し、ヒンジメール313の先端部側に設けられた穴313aに嵌合し、ドア300側のヒンジメール313と一体となって回転するヒンジピン315とからなっている。そして、ドア300側でヒンジメール313の下部にドアチェック装置401が取り付けられる。
【0060】
図9は、ドアチェック装置401の分解斜視図である。 尚、図9において、図1〜図6と同一部位には、同一符号に(’)を付し、重複する説明を省略する。
図に示すように、ドアチェック装置401の定圧力作動2ウェイバルブ201’は、ポンプ51’のケーシング63’と一体的に形成されている。そして、ケーシング63’のポンプ51’と、定圧力作動2ウェイバルブ201’との間の壁部に、流路41’が形成され、流路41’の一方の端部側の開放面がポンプ51’の第2液体吐出口59’となり、他方の端部側の開放面が定圧力作動2ウェイバルブ201’の第2液体導入口205c’となっている。
【0061】
又、ポンプ51’の第1液体吐出口57’は、ケーシングキャップ65’に設けられている。ケーシングキャップ65’には、ポンプ51’のシャフト69’が挿通する穴65a’と、定圧力作動2ウェイバルブ201’の第1室203’に対向する位置に形成された穴65b’とが形成されている。
【0062】
ポンプ51’のケーシングキャップ65’上には、積層部材403が設けられている。この積層部材403には、ポンプ51’のシャフト69’が挿通する穴403aが形成されている。また、積層部材403の一方の端部側には、ケーシングキャップ65’の穴65b’を介して、定圧力作動2ウェイバルブ201’の第1室203’に嵌合し、シャフト211’の一方の端部を支持するガイド穴203a’が形成された凸部403bが形成されている。尚、凸部403bの径は、ケーシングキャップ65’の穴65b’より小さく設定されている。そして、積層部材403のケーシングキャップ65’と当接する面には、溝状の流路43’が形成され、流路43’の一方の端部側はケーシングキャップ65’の穴57’に接続され、他方の端部側はケーシングキャップ65’の穴65b’に接続されている。従って、ケーシングキャップ65’の穴65b’は定圧力作動2ウェイバルブ201’の第1液体導入口203c’として機能する。
【0063】
また、定圧力作動2ウェイバルブ201’の第2室205’の下部は、開放面とされ、ガイド穴205a’が形成されたキャップ405でふさがれている。
そして、図8に示すように、アッパヒンジ301のヒンジピン315の下端部は、ポンプ51’の断面形状が非円形のシャフト69’が嵌合し、ヒンジピン315とポンプ51’のシャフト69’とは一体となって回転する。
【0064】
また、図10に示すように、ケーシングキャップ65の内壁面の角部65fにRをつけることにより、シール性がさらに向上する。
『第2の形態例』
図11を用いて、第1の形態例のポンプ51をロータリダンパに適用した例を説明する。図において、ケーシングの第1室の第1液体吐出口57と、ケーシングの第2室の第2液体吐出口59とは、流路としてのパイプ351によって接続されている。そして、パイプ351内には、オリフィス353が形成されている。
【0065】
作動を説明する。シャフト69に回転力が作用すると、ケーシングの第1室と第2室との間に設けられた流路であるパイプ351内に液体が流れる。液体がパイプ351内のオリフィス353を通過する際に、管路抵抗が大きくなり、シャフト69を回転させるエネルギーが減少する。
【0066】
このような構成によれば、シール性がよいポンプ51を用いることで、ロータリダンパの性能がばらつかない。
『第3の形態例』
図12を用いて、第1の形態例のポンプ51をロータリダンパに適用した他の例を説明する。図12は、ポンプ51のケーシングキャップを取り除いた状態で、ケーシング本体の底面を下面としたときの上面図(図5に相当する図面)である。
【0067】
フラップ67には、第1室81と第2室83との間に設けられた流路として機能する貫通穴361が形成されている。この貫通穴361内には、オリフィス363が形成されている。
【0068】
作動を説明する。シャフト69に回転力が作用すると、ケーシングの第1室と第2室との間に設けられた流路である貫通穴361内に液体が流れる。液体が貫通穴361内のオリフィス363を通過する際に、管路抵抗が大きくなり、シャフト69を回転させるエネルギーが減少する。
【0069】
このような構成によれば、シール性がよいポンプ51を用いることで、ロータリダンパの性能がばらつかない。更に、流路、オリフィスをフラップ67内に形成したので、第2の形態例に比べて、コンパクトとなる。
『第4の形態例』
図面を用いて、第4の形態例を説明する。第1の実施の形態例では、定圧力作動2ウェイバルブ201を用いたが、2つの定圧力作動1ウェイバルブを用いても可能である。
【0070】
図13に示すように、定圧力作動1ウェイバルブ701と、定圧力作動1ウェイバルブ703とが、ポンプ51の第1液体吐出口57と第2液体吐出口59との間に設けられている。定圧力作動1ウェイバルブ701、703は、液体導入口側と液体吐出口側との圧力差が設定値を超えるまでは、開状態にはならないように構成された1ウェイバルブである。
【0071】
そして、定圧力作動1ウェイバルブ701は、ポンプ59の第1液体吐出口57の液体圧力と、ポンプ51の第2液体吐出口59の液体圧力との差がなければ、第1液体吐出口57、第2液体吐出口59間の液体の流れを遮断し、ポンプ51の第1液体吐出口57の液体圧力の方が第2液体吐出口59の液体圧力より高く、その差が設定値を超えると、第1液体吐出口57から第2液体吐出口59への液体の流れを許可するように配置されている。
【0072】
一方、定圧力作動1ウェイバルブ703は、ポンプ51の第1液体吐出口57の液体圧力と、ポンプ51の第2液体吐出口59の液体圧力との差がなければ、第1液体吐出口57、第2液体吐出口59間の液体の流れを遮断し、ポンプ51の第2液体吐出口59の液体圧力の方が第1液体吐出口57の液体圧力より高く、その差が設定値を超えると、第2液体吐出口59から第1液体吐出口57への液体の流れを許可するように配置されている。
【0073】
このような構成であっても、第1の形態例と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】形態例の定圧力作動2ウェイバルブの断面図で、(a)図は第1室内の液体圧力と第2室内の液体圧力との差が設定値以下の状態を示す図、(b)図は第1室内の液体圧力が第2室内の液体圧力より高く、その差が設定値を超えた状態を示す図、(c)図は第2室内の液体圧力が第1室内の液体圧力より高く、その差が設定値を超えた状態を示す図である。
【図2】第1の形態例のドアチェック装置の全体構成を説明する図である。
【図3】図2のポンプの分解斜視図である。
【図4】図2のポンプの側面図である。
【図5】図4の切断線A−Aでの断面図である。
【図6】図5の切断線B−Bでの断面図である。
【図7】定圧力作動2ウェイバルブとポンプとを一体化したドアチェック装置が設けられたドア回りの分解斜視図である。
【図8】図7のアッパヒンジ部分を拡大した図である。
【図9】図7のドアチェック装置の分解斜視図である。
【図10】他の形態例を説明する図である。
【図11】第2の形態例のダンパを説明する図である。
【図12】第3の形態例のダンパを説明する図である。
【図13】第4の形態例のドアチェック装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0075】
57 第1液体吐出口
59 第2液体吐出口
60 ケーシング
67 フラップ
69 シャフト
71 パッキン
73 フラップシール部
75 第1シャフトシール部
77 第2シャフトシール部
79 第3シャフトシール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填されるケーシングと、
該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフトと、
該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップと、
前記ケーシングの前記第1室側に設けられる第1液体吐出口と、
前記ケーシングの前記第2室側に設けられる第2液体吐出口とを有し、
前記シャフトの回転方向に応じて、液体を前記第1液体吐出口または第2液体吐出口から吐出するポンプであって、
前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部と、
該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部と、
該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部と、
一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部と、
からなる弾性材でなるパッキンを設け、
前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したことを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記ケーシングの第1部側の前記シャフトの周面に、前記フラップの前記フラップシール部の一方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、前記シャフトの径より大きな径の第1つば部が形成され、
前記ケーシングの第2部側の前記シャフトの周面に、 前記フラップの前記フラップシール部の他方の端部側が設けられる面と面一の面を有し、前記第1つば部と同じ径の第2つば部が形成され、
前記シャフトの軸方向に沿って、前記第1つば部から、前記第2つば部まで、軸方向突部が形成され、
該軸方向突部は、前記第1つば部の周面、前記第2つば部の周面と面一に延び、
前記第1つば部に前記パッキンの第1シャフトシール部が設けられ、
前記第2つば部に 前記パッキンの第2シャフトシール部が設けられ、
前記軸方向突部に前記パッキンの第3シャフトシール部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のポンプ。
【請求項3】
前記第1つば部の前記ケーシングの第1部と対向する面には、前記第1部に向かって延出し、前記第1つば部と同軸で、前記第1つば部より径が小さく、前記シャフトの径よりも径が大きな円柱状の第1段部が形成され、
前記第2つば部の前記ケーシングの第2部と対向する面には、前記第2部に向かって延出し、前記第2つば部と同軸で、前記第2つば部より径が小さく、前記シャフトの径よりも径が大きな円柱状の第2段部が形成され、
前記ケーシングの対向する第1部、第2部には、前記シャフトが挿通する第1穴、第2穴が形成され、
前記ケーシングの第1部の第1穴は、前記第1つば部より径が小さく、前記第1段部より径が大きな第1大径部と、前記第1段部より径が小さく、前記シャフトの径より径が大きな第1小径部とからなり、
前記ケーシングの第2部の第2穴は、前記第2つば部より径が小さく、前記第2段部より径が大きな第2大径部と、前記第2段部より径が小さく、前記シャフトの径より径が大きな第2小径部とからなっていることを特徴とする請求項2記載のポンプ。
【請求項4】
液体が充填されるケーシング,該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフト,該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップ,前記ケーシングの前記第1室側に設けられる第1液体吐出口,前記ケーシングの前記第2室側に設けられる第2液体吐出口を有し、前記シャフトの回転方向に応じて、液体を前記第1液体吐出口または第2液体吐出口から吐出するポンプであって、前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部,該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部,該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部,一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部,からなる弾性材でなるパッキンを設け、前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したポンプと、
該ポンプの前記第1液体吐出口と前記第2液体吐出口との間に設けられ、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と、前記ポンプの第2液体吐出口の液体圧力との差がなければ、前記第1液体吐出口、前記第2液体吐出口間の液体の流れを遮断し、前記ポンプの第1液体吐出口の液体圧力と第2液体吐出口の液体圧力とに差があると、第1液体吐出口、第2液体吐出口間の液体の流れを許可する2ウェイバルブと、
からなることを特徴とするドアチェック装置。
【請求項5】
液体が充填されるケーシング,該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフト,該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップ,前記ケーシングの前記第1室側に設けられる第1液体吐出口,前記ケーシングの前記第2室側に設けられる第2液体吐出口を有し、前記シャフトの回転方向に応じて、液体を前記第1液体吐出口または第2液体吐出口から吐出するポンプであって、前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部,該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部,該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部,一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部,からなる弾性材でなるパッキンを設け、前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したポンプと、
該ポンプの前記第1液体吐出口と前記第2液体吐出口との間に設けられ、第1液体吐出口から第2液体吐出口へ間の液体の流れを許可する第1の1ウェイバルブと、
前記ポンプの前記第1液体吐出口と前記第2液体吐出口との間に設けられ、第2液体吐出口から第1液体吐出口への液体の流れを許可する第2の1ウェイバルブと、
からなることを特徴とするドアチェック装置。
【請求項6】
液体が充填されるケーシングと、
該ケーシング内に配置され、前記ケーシングの対向する第1部、第2部に回転可能に支持されたシャフトと、
該シャフトの周面に設けられ、前記ケーシング内を第1室、第2室に分けるフラップと、
前記ケーシングの前記第1室と前記第2室との間に設けられた流路と、
該流路に設けられたオリフィスと、
を有したダンパであって、
前記フラップの前記第1室、前記第2室と対向する面以外の面で、前記ケーシングの内壁面と対向する面に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接するフラップシール部と、
該フラップシール部の一方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第1部の内壁面に押接する環状の第1シャフトシール部と、
該フラップシール部の他方の端部側に接続され、前記シャフトの周面で、前記シャフトの周方向に設けられ、前記ケーシングの第2部の内壁面に押接する環状の第2シャフトシール部と、
一端部が前記第1シャフトシール部に接続され、他端部が前記第2シャフトシール部に接続され、中間部が前記シャフトの周面で、前記シャフトの軸方向に沿って設けられ、前記ケーシングの内壁面に押接する第3シャフトシール部と、
からなる弾性材でなるパッキンを設け、
前記フラップ、前記シャフトに、前記パッキンが嵌合する溝を形成したことを特徴とするダンパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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